JP2023079630A - 接続構造体の製造方法及び接続構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクタ同士の嵌合による導通不良を抑えることができる接続構造体の製造方法及び接続構造体を提供する。【解決手段】配線基板上に半田粒子を含有する異方性導電接着剤を配置し、異方性導電接着剤上に、垂直嵌合コネクタのプラグと、表面実装部品とを配置する配置工程と、半田粒子の融点以上に設定されたリフロー炉を用いて、プラグと表面実装部品とを配線基板に接合させる接合工程とを有し、プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さT1が70μm以上150μm以下に対し、プラグの側部と表面実装部品の側部との距離Wが0.2mm以上3.0mm以下である。【選択図】図5

Description

本技術は、コネクタを実装する接続構造体の製造方法及び接続構造体に関する。
リジッド基板やフレキシブル基板への表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)の実装は、一般的に半田ペーストを基板に印刷し、その上に表面実装部品をマウンター搭載して、その後リフロー工程を用いて実装を行っている。
一般的な半田ペーストは、ペースト内の半田自体の絶対量が多く、ファインピッチ接続に対しては半田ブリッジが発生するため限界があった。そこで、ファインピッチに対応するにあたり、配線間に残る半田を少なくするため、半田含有量を下げ、更に半田の自己凝集性能を利用したファインピッチ対応の半田含有の異方性導電接着材が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
従来のリフローによる基板へのコネクタ部品の実装では、異方性導電接着剤のバインダーの張力と濡れ性によって、バインダー樹脂がコネクタ外周に這い上がってしまう。特に、垂直嵌合コネクタの場合、オス・メスで嵌合される必要があるため、コネクタの機能が果たせなくなってしまうことがある。
図8は、従来の基板への垂直嵌合コネクタのプラグの実装例を模式的に示す断面図である。図8に示すように、プラグ101のピン111A、111Bと、基板105の基板端子152A、152Bとを半田142A、142Bにより接合する場合、異方性導電接着剤103のバインダーの張力によってバインダー自体がプラグ101側に集まり、また、バインダーの濡れ性によってプラグ101の外周にバインダーが這い上がってしまう。バインダーの這い上がり高さTが大きい場合、ピン112A、112Bの表面が絶縁性のバインダーで覆われてしまうため、コネクタのオス・メスを嵌合させた場合、コネクタ同士の導通が取れなくなってしまう。
特開2017-041442号公報 特開2016-219808号公報
本技術は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、コネクタ同士の嵌合による導通不良を抑えることができる接続構造体の製造方法及び接続構造体を提供する。
本技術に係る接続構造体の製造方法は、配線基板上に半田粒子を含有する異方性導電接着剤を配置し、前記異方性導電接着剤上に、垂直嵌合コネクタのプラグと、表面実装部品とを配置する配置工程と、前記半田粒子の融点以上に設定されたリフロー炉を用いて、前記プラグと前記表面実装部品とを前記配線基板に接合させる接合工程とを有し、前記プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さが70μm以上150μm以下に対し、前記プラグの側部と前記表面実装部品の側部との距離が0.2mm以上3.0mm以下である。
本技術に係る接続構造体は、配線基板と、垂直嵌合コネクタのプラグと、表面実装部品と、前記配線基板に前記プラグと前記表面実装部品とを接合する接着層とを備え、前記プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さが70μm以上150μm以下に対し、前記プラグの側部と前記表面実装部品の側部との距離が0.2mm以上3.0mm以下である。
本技術によれば、垂直嵌合コネクタのプラグの側部と表面実装部品の側部との距離を所定範囲とすることにより、プラグの側部にバインダーが這い上がるのを抑制し、コネクタ同士の嵌合による導通不良を抑えることができる。
図1は、垂直嵌合コネクタのプラグの短手方向の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、垂直嵌合コネクタのレセプタクルの短手方向の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示すプラグと図2に示すレセプタクルとを嵌合させた短手方向の状態を模式的に示す断面図である。 図4は、本技術を適用させた配置工程の一例を模式的に示す断面図である。 図5は、本技術を適用させた接続構造体の一例を模式的に示す断面図である。 図6は、本技術を適用させた接続構造体の他の例を模式的に示す平面図である。 図7は、プラグの長手方向に複数の周辺部品を実装する場合の周辺部品間の距離を評価する試験を説明するための平面図である。 図8は、従来の基板への垂直嵌合コネクタのプラグの実装例を模式的に示す断面図である。
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.接続構造体の製造方法
2.接続構造体
3.熱硬化性接続材料
4.実施例
<1.接続構造体の製造方法>
本実施の形態に係る接続構造体の製造方法は、配線基板上に半田粒子を含有する異方性導電接着剤を配置し、異方性導電接着剤上に、垂直嵌合コネクタのプラグと、表面実装部品とを配置する配置工程と、半田粒子の融点以上に設定されたリフロー炉を用いて、プラグと表面実装部品とを配線基板に接合させる接合工程とを有し、プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さが70μm以上150μm以下に対し、プラグの側部と表面実装部品の側部との距離が0.2mm以上3.0mm以下である。これにより、プラグの側部にバインダーが這い上がるのを抑制し、コネクタ同士の嵌合による導通不良を抑えることができる。ここで、接続構造体とは、二つの材料または部材が電気的に接続されたものをいう。また、接合とは、二つの材料または部材をつなぎ合わせることをいう。
図1は、垂直嵌合コネクタのプラグの短手方向の一例を模式的に示す断面図であり、図2は、垂直嵌合コネクタのレセプタクルの短手方向の一例を模式的に示す断面図であり、図3は、図1に示すプラグと図2に示すレセプタクルとを嵌合させた短手方向の状態を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、垂直嵌合コネクタのプラグ1は、第1のオス型のピン11Aと、第2のオス型のピン11Bと、第1のオス型のピン11Aから底面に伸び、短手方向の外側に伸びた第1のプラグ端子12Aと、第2のオス型のピン11Bから底面に伸び、短手方向の外側に伸びた第2のプラグ端子12Bと、これらを固定する絶縁樹脂とを備える。絶縁樹脂は、例えばポリアミド、LCP(Liquid Crystal Polymer)などからなり、例えば樹脂成形により、ピン11A、11B及びプラグ端子12A、12Bを長手方向に所定のピッチで固定する。また、プラグ端子12A、12Bの端部には、それぞれリードが形成され、プラグ端子12A、12Bは、表面実装型のリードアレイを構成する。
図2に示すように、垂直嵌合コネクタのレセプタクル2は、第1のメス型のピン21Aと、第2のメス型のピン21Bと、第1のメス型のピン21Aから底面に伸び、短手方向の外側に伸びたレセプタクル端子列22Aと、第2のメス型のピン21Bから底面に伸び、短手方向の外側に伸びた第2のレセプタクル端子22Bと、ピン21A、21B及びレセプタクル端子22A、22Bを長手方向に所定のピッチで固定する絶縁樹脂とを備える。絶縁樹脂は、例えばポリアミド、LCPなどからなり、例えば樹脂成形により、ピン21A、21B及びレセプタクル端子22A、22Bを長手方向に所定のピッチで固定する。また、レセプタクル端子22A、22Bの端部には、それぞれリードが形成され、レセプタクル端子22A、22Bは、表面実装型のリードアレイを構成する。
図3に示すように、オス型のピン11A、11Bと、メス型のピン21A、ピン21Bとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子12A、12Bの底面からレセプタクル2のピン21A、21Bまでの高さTは、70μm以上150μm以下であり、好ましくは70μm以上140μm以下、より好ましくは70μm以上130μm以下である。この高さTが高くなると、垂直嵌合コネクタが高背化してしまい、接続構造体の小型化の観点から好ましくない。なお、レセプタクル2のメス型のピン21A、21Bは、凹型の形状をしているが、高さTは、凹型の形状のピン21A、21Bのレセプタクル2側部側、すなわちレセプタクル端子22A、22B側を測定する。
プラグ1側部のバインダーの這い上り高さが、プラグ1とレセプタクル2との嵌合状態の側部におけるプラグ端子12A、12Bの底面からレセプタクル2のピン21A、21Bまでの高さTよりも大きい場合、プラグ1とレセプタクル2との嵌合不足が発生し、導通不良が発生してしまう。本実施の形態では、垂直嵌合コネクタのプラグの周辺に表面実装部品を実装し、プラグの側部と表面実装部品の側部との距離を所定範囲とすることにより、プラグの側部にバインダーが這い上がるのを抑制する。
以下、図4及び図5を参照して、配線基板上に半田粒子を含有する異方性導電フィルムを配置し、異方性導電フィルム上に、垂直嵌合コネクタのプラグと、表面実装部品とを配置する配置工程と、半田粒子の融点以上に設定されたリフロー炉を用いて、プラグと表面実装部品とを配線基板に接合させる接合工程とについて説明する。
[配置工程]
図4は、本技術を適用させた配置工程を模式的に示す断面図である。配置工程では、配線基板5上に半田粒子41を含有する異方性導電接着剤4を配置し、異方性導電接着剤4上に、垂直嵌合コネクタのプラグ1と、表面実装部品3とを配置する。例えば、ツールを用いてプラグ1のプラグ端子12A、12Bと配線基板5の基板端子52A、52Bとを位置合わせするとともに、表面実装部品3の表面実装用の端子と配線基板5の端子53とを位置合わせし、異方性導電接着剤4上にプラグ1及び表面実装部品3を搭載する。ツールは、一般的にはマウンターのツールとなるが、プラグ1及び表面実装部品3を吸着する吸着機構を備えることが好ましく、加熱型ピックアップツールであってもよい。また、異方性導電接着剤は、ペースト状であってもフィルム状であってもよい。ペースト状のものを表面実装部品の搭載時にフィルム状に近い形態としてもよい。
また、配置工程では、プラグ1とレセプタクル2とを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクル2のピンまでの高さTが70μm以上150μm以下に対し、プラグ1の側部と表面実装部品3の側部との距離Wが0.2mm以上3.0mm以下の条件となるように、プラグ1と表面実装部品3とを配置する。好ましい配置条件は、上記範囲の高さTに対して距離Wが0.2mm以上2.0mm以下であり、より好ましい配置条件は、上記範囲の高さTに対して距離Wが0.2mm以上1.5mm以下である。距離Wが0.2mmとなると、プラグ端子12A、12Bの端部のリードに干渉してしまい、距離Wが2.0mmを超えると、プラグ1の側部に異方性導電接着剤4のバインダーが這い上がるのを抑制することが困難となる。
配置工程では、1つの表面実装部品3をプラグ1の長手方向に亘って配置することが好ましい。また、複数の表面実装部品3をプラグ1の長手方向に好ましくは1.5mm以下の距離、より好ましくは1.0mm以下の距離、さらに好ましくは0.5mm以下の距離で配置する。このように表面実装部品3をプラグ1の長手方向に配置することにより、ピン11A、11Bが並んだ長手方向に亘ってプラグ1の側部に異方性導電接着剤4のバインダーが這い上がるのを抑制することができる。また、プラグ1の側部と表面実装部品3の側部との距離Wと表面実装部品3間の距離Wsとの関係から、プラグ1の側部と表面実装部品3の側部との距離Wが0.2mm~1.5mmに対し、表面実装部品3間の距離Wsが1.5mm~0.2mmの関係となるように配置することが好ましい。これにより、這い上がり高さを120μm以下とすることができる。
また、配置工程では、ツールにてプラグ1及び表面実装部品3側から押圧する仮圧着であってもよい。仮圧着条件としては、好ましくは2.0MPa以下、より好ましくは1.5MPa以下、さらに好ましくは1.0MPa以下である。
プラグ1及び表面実装部品3を押圧した場合、半田粒子41の平均粒径に対する異方性導電接着剤4の厚みの比の上限は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。プラグ1及び表面実装部品3の端子列と配線基板5の端子列との距離を半田粒子径の近傍まで異方性導電接着剤4を押し込むことにより、基板と部品間にある残留気泡を低減させ、接着性を高めることができる。
[接合工程]
接合工程では、半田粒子41の融点以上に設定されたリフロー炉を用いて、プラグ1と表面実装部品3とを配線基板5に接合させ、プラグ1と表面実装部品3とを配線基板5に一括実装させる。
リフロー炉としては、大気圧リフロー、真空リフロー、大気圧オーブン、オートクレーブ(加圧オーブン)などが挙げられ、これらの中でも、接合部に内包する気泡を排除することができる真空リフロー、オートクレーブなどを用いることが好ましい。リフロー炉は、機械的な加圧をせずに無荷重で加熱接合させることができるため、プラグ1、表面実装部品3及び配線基板5のダメージを抑制することができる。
リフロー炉におけるピーク温度(最高到達温度)の下限は、半田粒子41が溶融する温度以上であって、異方性導電接着剤4が硬化を始める温度以上であれば良く、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。また、リフロー炉におけるピーク温度の上限は、300℃以下、より好ましくは290℃以下、さらに好ましくは280℃以下である。
リフロー炉では、加熱により異方性導電接着剤4が溶融し、半田融点以上である本加熱により電極間の半田粒子41がバインダー流動などで移動・凝集して溶融し、半田が電極に濡れ広がり、冷却によりプラグ1のプラグ端子12A、12Bと配線基板5の基板端子52A、52Bとが半田接合されるとともに、表面実装部品3の端子と配線基板5の端子とが半田接合される。
リフローは、昇温工程と降温工程のほか、一定温度に維持する工程(キープ工程)を含んでいてもよい。最も高温となるピーク工程があってもよく、昇温もしくは降温の途中でピーク工程を含んでいてもよい。昇温工程は、バインダーを溶融させる工程(例えば120℃まで)と、半田粒子が溶融し塗れ広がる工程(例えば120~175℃)の2段階となっていてもよい。そのため昇温速度は一例として10~120℃/minでもよく、20~100℃/minでもよい。キープ工程(例えば175~180℃)の維持時間は、バインダーを硬化させる工程ともなる。この温度は、一例として温度160~230℃であり、5~10℃程度の差があってもよく、ピーク温度と同じでもよい。この時間は適宜選択でき、例えば0.5min以上や0.75min以上であり、長すぎると製造効率が悪化するので、例えば5min以下や3min以下である。
例えば、異方性導電接着剤4のバインダーが熱硬化性である場合、リフロー工程の昇温・維持・降温と、バインダーの熱硬化性の挙動を合わせることにより、リフロー工程における樹脂溶融、端子間での半田粒子の挟持、半田溶融・樹脂硬化を最適化することができる。バインダーの熱硬化性の挙動は、DSC測定やレオメーターによる粘度測定により知ることができる。
図5は、本技術を適用させた接続構造体の一例を模式的に示す断面図である。接続構造体は、プラグ1のプラグ端子12A、12Bと配線基板5の基板端子52A、52Bとが半田42A、42Bで接合されるとともに、表面実装部品3の端子と配線基板5の端子とが半田42Cで接合されて構成される。また、接続構造体は、プラグ1と表面実装部品3とが配置工程における配置条件のままの距離で実装される。
本実施の形態に係る接続構造体の製造方法によれば、プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さTに対し、プラグの側部と表面実装部品の側部との距離を所定の条件とすることにより、プラグの側部においてバインダーが這い上がるプラグ端子面からの高さTを低減し、コネクタ同士の嵌合による導通不良を抑えることができる。
<2.接続構造体>
本実施の形態に係る接続構造体は、配線基板と、垂直嵌合コネクタのプラグと、表面実装部品と、配線基板にプラグと表面実装部品とを接合する接着層とを備え、プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さが70μm以上150μm以下に対し、プラグの側部と表面実装部品の側部との距離が0.2mm以上3.0mm以下である。プラグの側部にバインダーが這い上がるのを抑制し、コネクタ同士の嵌合による導通不良を抑えることができる。
図4及び図5に示すように、接続構造体は、プラグ端子12A、12Bを有するプラグ1と、プラグ端子12A、12Bに対応する基板端子52A、52Bを有する配線基板3と、プラグ端子12A、12Bと基板端子52A、52Bとを半田42A、42Bにより接合するとともに、表面実装部品3の端子と配線基板5の端子53とを半田42Cにより接合する接着層とを備える。
プラグ1は、第1のオス型のピン11Aと、第2のオス型のピン11Bと、第1のオス型のピン11Aから底面に伸び、短手方向の外側に伸びた第1のプラグ端子12Aと、第2のオス型のピン11Bから底面に伸び、短手方向の外側に伸びた第2のプラグ端子12Bと、これらを固定する絶縁樹脂とを備える。
プラグ端子12A、12B及び基板端子52A、52Bにおける隣接端子間距離(スペース間距離)の最小値の上限は、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下である。また、プラグ端子12A、12B及び基板端子52A、52Bにおける隣接端子間の距離の最小値の下限は、好ましくは50μm以上、より好ましくは60μm以上、さらに好ましくは70μm以上である。これ以下となるとショート発生のリスクが高くなる。また、プラグ端子12A、12Bの表面は、金メッキされていることが好ましい。
表面実装部品3としては、半田リフローにより接合可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、コネクタ、IC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)のパッケージ、LED(Light Emitting Diode)、スイッチなどが挙げられる。
配線基板5は、基材51上にプラグ端子12A、12Bに対応する基板端子52A、52Bを備える。配線基板5は、所謂プリント配線板(PWB)として広義に定義できるものであればよく、リジット基板であっても、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)であってもよい。基材51種類による基板例としては、例えば、ガラス基板、セラミック基板、プラスチック基板などが挙げられる。
基板端子52A、52Bの隣接端子間には、ソルダーレジストに用いられる短絡防止の加工(壁や溝など)が形成されていないことが経済性の観点から好ましい。例えば、基板端子52A、52Bの隣接端子間のスペース部の高さの上限は、好ましくは基板端子52A、52Bの高さの100μm以下、より好ましくは35μm以下、さらに好ましくは12μm以下である。また、基板端子52A、52Bの隣接端子間の端子からの高さの下限は、基板端子52A、52Bの高さと同じ(端子間が水平で基板面と同一であり、端子の隆起がない状態、基板の接続面がフラットな状態)であってもよく、基板に設けられた基板端子52A、52Bが基板平面より突出していてもよい。また、基板端子52A、52Bの表面は、金メッキされていることが好ましい。
接着層は、プラグ端子12A、12Bと基板端子52A、52Bとを接合する半田42A、42Bを備える。接着層は、後述する異方性導電接着剤が硬化したものであり、プラグ端子12A、12Bと基板端子52A、52Bとを半田42A、42Bにより接合するとともに、表面実装部品3の端子と配線基板5の端子とを半田42Cにより接合する。一つの基板端子52A、52B内には、複数の半田接合箇所が存在してもよく、複数の半田接合箇所以外は、バインダーによる接着箇所が存在してもよい。なお、プラグ端子12A、12Bと基板端子52A、52Bとの電極同士が直接接触し、バインダーがこれを保持してもよい。また、電極同士で接続している近傍の半田粒子が、これを補助するように働いてもよい。半田粒子は、電極間に挟持されていてもよく、電極間が直接接続した後に、その周辺に存在する半田粒子が溶融し、接合に寄与してもよい。
また、接続構造体は、プラグ1とレセプタクル2とを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクル2のピンまでの高さTが70μm以上150μm以下に対し、プラグ1の側部と表面実装部品3の側部との距離Wが0.2mm以上3.0mm以下の条件で実装される。好ましい実装条件は、上記範囲の高さTに対して距離Wが0.2mm以上2.0mm以下であり、より好ましい実装条件は、上記範囲の高さTに対して距離Wが0.2mm以上1.5mm以下である。距離Wが0.2mmとなると、プラグ端子12A、12Bの端部のリードに干渉することや、レセプタクルとの嵌合が困難となることがある。また、距離Wが2.0mmを超えると、プラグ1の側部においてバインダーが這い上がるプラグ端子面からの高さTを低減することが困難となる。
図6は、本技術を適用させた接続構造体の他の例を模式的に示す平面図である。接続構造体は、1つの表面実装部品3がプラグ1の一方の側面に、長手方向に亘って実装されてなることが好ましい。また、図6に示すように、接続構造体は、複数の表面実装部品3がプラグ1の一方の側面に、長手方向に所定の距離Wsで実装されてなることが好ましい。
図6に示す接続構造体は、プラグ1と、複数もしくは複数種類の表面実装部品3とを備え、複数の表面実装部品3は、プラグ1の側部と表面実装部品3の側部とが所定の距離Wとなるように実装され、プラグ1の第1のピン11Aの側面及び第2のピン12Aの側面に、長手方向に亘って所定の距離Wsの間隔となるように実装される。なお、図6に示すプラグ1のA-A断面は、図4及び図5に示すプラグ1の短手方向の断面である。
複数の表面実装部品3は、プラグ1の長手方向に好ましくは1.5mm以下の距離Ws、より好ましくは1.0mm以下の距離Ws、さらに好ましくは0.5mm以下の距離Wsで実装する。このように表面実装部品3をプラグ1の長手方向に実装することにより、ピン11A、11Bが並んだ長手方向に亘ってプラグ1の側部に異方性導電接着剤4のバインダーが這い上がるのを抑制することができる。
また、プラグ1の側部と表面実装部品3の側部との距離Wと表面実装部品3間の距離Wsとの関係から、プラグ1の側部と表面実装部品3の側部との距離Wが0.2mm~1.5mmに対し、表面実装部品3間の距離Wsが1.5mm以下の関係となるように実装することが好ましい。これにより、這い上がり高さTを120μm以下とすることができる。
本実施の形態に係る接続構造体によれば、プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さに対し、プラグの側部と表面実装部品の側部との距離を所定の条件とすることにより、プラグの側部にバインダーが這い上がるのを抑制し、コネクタ同士の嵌合による導通不良を抑えることができる。また、本実施の形態に係る接続体は、BGA(Ball grid array)などで広く使われている半田粒子により接続されており、接続信頼性が高いため、センサー機器、車載用機器、IoT(Internet of Things)機器など、多くの用途に適用することができる。
<3.異方性導電接着剤>
本実施の形態に係る異方性導電接着剤は、半田粒子を含有し、最低溶融粘度が、150Pa・s以下、好ましくは100Pa・s以下、より好ましくは80Pa・s以下、さらに好ましくは50Pa・s以下である。最低溶融粘度を高くすると、リフローにおいてプラグの側部にバインダーが這い上がるのを抑制することができるものの、無荷重では半田粒子の流動が悪化し、凝集溶融することができず、端子間の半田接続に支障を来たす虞がある。また、異方性導電接着剤の最低溶融粘度が150Pa・s以下の場合、バインダーのプラグの側部への這い上がり高さは約155μmの一定値となるが、プラグの側部と表面実装部品の側部との距離を所定の条件とすることにより、プラグの側部においてバインダーが這い上がるプラグ端子面からの高さTを150μm以下とすることができる。
また、異方性導電接着剤の最低溶融粘度到達温度は、好ましくは半田粒子の融点の±50℃、より好ましくは半田粒子の融点の±40℃、さらに好ましくは半田粒子の溶点の±30℃である。これにより、半田溶融前に最低溶融粘度に到達して樹脂を溶融させ、樹脂溶融後に半田粒子を溶融させ、その後、樹脂を硬化させることができるため、良好な半田接合を得ることができる。ここで、異方性導電接着剤の最低溶融粘度到達温度は、例えば、回転式レオメーター(TA instrument社製)を用い、測定圧力5g、温度範囲30~200℃、昇温速度10℃/分、測定周波数10Hz、測定プレート直径8mm、測定プレートに対する荷重変動5gの条件で測定し、粘度が最低値(最低溶融粘度)となる温度をいう。
異方性導電接着剤は、フィルム状、又はペースト状のいずれであってもよい。また、ペーストを接続時にフィルム状にしても、部品を搭載することでフィルムに近い形態としてもよい。ペースト状の場合、基板上に所定量を均一に塗布することができればよく、例えば、ディスペンス、スタンピング、スクリーン印刷等の塗布方法を用いることができ、必要に応じて乾燥させてもよい。フィルム状の場合、フィルム厚により接合材料(例えば、異方性導電接合材料)の量を均一化することができるだけでなく、取り扱い易いので作業効率を高くすることができる。
異方性導電接着剤がフィルム状である場合、半田粒子の平均粒径に対する異方性導電接着剤の厚みの比の下限は、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは0.9以上である。半田粒子の平均粒径に対する異方性導電接着剤の厚みの比が大きい場合、前述の配置工程において、半田粒子の電極間への挟持が容易になるが、フィルムにした場合に取り扱い性の難易度が高くなる虞がある。
また、半田粒子の平均粒径に対する異方性導電接着剤の厚みの比の上限は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。
フィルム厚みは、1μm以下、好ましくは0.1μm以下を測定できる公知のマイクロメータやデジタルシックネスゲージ(例えば、株式会社ミツトヨ:MDE-25M、最小表示量0.0001mm)を用いて測定することができる。フィルム厚みは、10箇所以上を測定し、平均して求めればよい。但し、粒子径よりもフィルム厚みが薄い場合には、接触式の厚み測定器は適さないので、レーザー変位計(例えば、株式会社キーエンス、分光干渉変位タイプSI-Tシリーズなど)を用いることが好ましい。ここで、フィルム厚みとは、バインダー樹脂層のみの厚みであり、粒子径は含まない。
異方性導電接着剤のバインダーは、熱硬化性であっても、熱可塑性であってもよいが、リフロー工程による温度制御により溶融・硬化可能な熱硬化性であることが好ましい。以下では、熱硬化性バインダー(絶縁性バインダー)について説明する。
[熱硬化型バインダー]
熱硬化性バインダーは、発熱ピーク温度が、半田粒子の融点よりも高いことが好ましく、半田粒子の融点よりも低い溶融温度を有するものであることが好ましい。ここで、発熱ピーク温度は、回転式レオメーター(サーモフィッシャー社製)を用い、測定圧力1N温度範囲30~200℃、昇温速度10℃/分、測定周波数1Hz、測定プレート直径8mmの条件で測定することができる。これにより、加熱により熱硬化性バインダーが溶融し、半田粒子が端子間に挟持された状態で半田が溶融するため、ファインピッチの電極を備える電子部品を接合させることができる。
熱硬化型バインダーとしては、(メタ)アクリレート化合物と熱ラジカル重合開始剤とを含む熱ラジカル重合型樹脂組成物、エポキシ化合物と熱カチオン重合開始剤とを含む熱カチオン重合型樹脂組成物、エポキシ化合物と熱アニオン重合開始剤とを含む熱アニオン重合型樹脂組成物などが挙げられる。また、公知の粘着剤組成物を用いてもよい。なお、(メタ)アクリルモノマーとは、アクリルモノマー、及びメタクリルモノマーのいずれも含む意味である。
以下では、具体例として、固形エポキシ樹脂と、液状エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを含有する熱アニオン重合型樹脂組成物を例に挙げて説明する。
固形エポキシ樹脂は、常温で固形であり、分子内に1つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等であってもよい。これにより、フィルム形状を維持することができる。なお、常温とは、JIS Z 8703で規定する20℃±15℃(5℃~35℃)の範囲である。
液状エポキシ樹脂は、常温で液状であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等であってもよく、ウレタン変性のエポキシ樹脂であっても構わない。
液状エポキシ樹脂の配合量は、固形エポキシ樹脂100質量部に対し、好ましくは160質量部以下、より好ましくは100質量部以下、さらに好ましくは70質量部以下である。液状エポキシ樹脂の配合量が多くなると、フィルム形状を維持することが困難となる。また、液状エポキシ樹脂の配合量が多くなると、熱硬化後の硬化物性が一般的に高架橋密度による高弾性となるため、ストレス緩和能力が小さくなる。
エポキシ樹脂硬化剤は、熱で硬化が開始する熱硬化剤であれば、特に限定されるものではなく、例えば、アミン、イミダゾール等のアニオン系硬化剤、スルホニウム塩等のカチオン系硬化剤が挙げられる。また、硬化剤は、フィルム化させる際に使用される溶剤に対して耐性が得られるようにマイクロカプセル化されていてもよい。
[半田粒子]
半田粒子は、例えばJIS Z 3282-1999に規定されている、Sn-Pb系、Pb-Sn-Sb系、Sn-Sb系、Sn-Pb-Bi系、Bi-Sn系、Sn-Cu系、Sn-Pb-Cu系、Sn-In系、Sn-Ag系、Sn-Pb-Ag系、Pb-Ag系などから、電極材料や接続条件などに応じて適宜選択することができる。Bi系の半田は、靭性の低い合金であるため、半田の金属結合部におけるクラック発生などの懸念があるものの、本技術を適用することにより、ストレスを緩和し、半田の金属結合部におけるクラック発生を抑制し、接続抵抗値の上昇を抑えることができる。
半田粒子の融点の下限は、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは130℃以上。半田粒子の融点の上限は、200℃以下でもよく、好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。また、半田粒子は、表面を活性化させる目的でフラックス化合物が直接表面に結合されていても構わない。表面を活性化させることで電極部との金属結合を促進することができる。
半田粒子の平均粒径は、表面実装部品の第1の端子列及び配線基板の第2の端子列における端子間距離(スペース間距離)の最小値の0.5倍以下であることが好ましく、0.3倍以下であることがより好ましく、0.2倍以下であることがさらに好ましい。このようなスペース間距離及び半田粒子の平均粒径との関係より、リフロー炉を用いて、表面実装部品の第1の端子列と配線基板の第2の端子列とを接合させることができる。半田粒子の平均粒径が表面実装部品の第1の端子列及び配線基板の第2の端子列における端子間距離の最小値の0.5倍より大きくなると、ショートが発生する可能性が高くなる。
半田粒子の平均粒径の下限は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上である。これにより、フィルムの塗布厚みを一定にすることができる。半田粒子の平均粒径が0.5μmより小さいと電極部と良好な半田接合状態を得ることができず、信頼性が悪化する傾向にある。また、半田粒子の平均粒径の上限は、50μm以下であってもよく、30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
平均粒径は、金属顕微鏡、光学顕微鏡、SEM(Scanning Electron Microscope)等の電子顕微鏡などを用いた観察画像において、例えばN=20以上、好ましくはN=50以上、さらに好ましくはN=200以上で測定した粒子の長軸径の平均値であり、粒子が球形の場合は、粒子の直径の平均値である。また、観察画像を公知の画像解析ソフト(「WinROOF」:三谷商事(株)、「A像くん(登録商標)」:旭化成エンジニアリング株式会社など)を用いて計測された測定値、画像型粒度分布測定装置(例として、FPIA-3000(マルバーン社))を用いて測定した測定値(N=1000以上)であってもよい。観察画像や画像型粒度分布測定装置から求めた平均粒径は、粒子の最大長の平均値とすることができる。なお、異方性導電接着剤を作製する際には、簡易的にレーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における頻度の累積が50%になる粒径(D50)、算術平均径(体積基準であることが好ましい)などのメーカー値を用いることができる。
また、半田粒子の最大径は、平均粒径の200%以下、好ましくは平均粒径の150%以下、より好ましくは平均粒径の120%以下とすることができる。半田粒子の最大径が、上記範囲であることにより、半田粒子を電極間に挟持させ、半田粒子の溶融により電極間を接合させることができる。
また、複数の半田粒子が凝集した凝集体である場合、凝集体の大きさを前述の半田粒子の平均粒径や最大径と同等にしてもよく、半田粒子の平均粒径や最大径を上述の値より小さくしてもよい。個々の半田粒子の大きさは、前述した画像観察により求めることができる。
半田粒子は、バインダー中に分散されていることが好ましく、半田粒子はランダム配置であっても、一定の規則で配置されていても良い。また、半田粒子は、複数個が凝集した凝集体であってもよい。
半田粒子の配合量の質量比範囲の下限は、好ましくは30wt%以上、より好ましくは40wt%以上、さらに好ましくは50wt%以上である。また、半田粒子の配合量の体積比範囲の下限は、好ましくは5vol%以上、より好ましくは8vol%以上、さらに好ましくは12vol%以上である。半田粒子の配合量は、前述の質量比範囲又は体積比範囲を満たすことにより、優れた導通性、放熱性、及び接着性を得ることができる。半田粒子がバインダー中に存在する場合には、体積比を用いてもよく、異方性導電接合材料を製造する場合(半田粒子がバインダーに存在する前)には、質量比を用いてもよい。質量比は、配合物の比重や配合比などから体積比に変換することができる。半田粒子の配合量が少なすぎると優れた導通性、放熱性、及び接着性が得られなくなり、配合量が多すぎると異方性が損なわれ易くなり、優れた導通信頼性が得られ難くなる。
[他の添加剤]
異方性導電接着剤には、上述したバインダー、半田粒子に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、従来、接着剤として使われている種々の添加剤を配合することができる。添加剤の粒子径は、半田粒子の平均粒子径よりも小さいことが望ましいが、電極間接合を阻害しない大きさであれば特に限定はない。
前述の異方性導電接着剤は、例えば、絶縁性バインダー、半田粒子を溶剤中で混合し、この混合物を、バーコーターにより、剥離処理フィルム上に所定厚みとなるように塗布した後、乾燥させて溶媒を揮発させることにより得ることができる。また、混合物をバーコーターにより剥離処理フィルム上に塗布した後、加圧により所定厚みとしてもよい。また、半田粒子の分散性を高くするために、溶媒を含んだ状態で高シェアをかけることが好ましい。例えば、公知のバッチ式遊星攪拌装置を用いることができる。また、異方性導電接着剤の残溶剤量は、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。
<4.実施例>
本実施例では、半田粒子を含有する異方性導電フィルムを用いてコネクタ部品と周辺部品とを所定距離に配置してリジッド基板に実装した。そして、実装体の絶縁評価、及び接続抵抗値評価を行った。なお、本実施例は、これらに限定されるものではない。
[異方性導電フィルムの作製]
固形エポキシ樹脂(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、三菱ケミカル(株)、JER4007P)を80質量部、液状エポキシ樹脂(ジシクロペンタジエン骨格エポキシ樹脂、ADEKA(株)、EP4088L)を20質量部、エポキシ樹脂硬化剤(イミダゾール系硬化剤、四国化成工業(株)、キュアゾール2P4MHZ-PW)を5質量部、フラックス化合物(グルタル酸(1,3-プロパンジカルボン酸)、東京化成(株))を3質量部、及び平均粒子径20μmの半田粒子(MCP-137、5NPlus inc、Sn-58Bi合金、固相線温度138℃)を200質量部配合し、厚み35μmの異方性導電フィルムを作製した。また、異方性導電接着剤の最低溶融粘度は約100Pa・sであった。
[コネクタの実装]
下記コネクタ部品、周辺部品、及び基板を準備し、基板上に異方性導電フィルムを載せ、基板の配線に合わせてコネクタ部品と周辺部品とを所定距離の間隔で搭載し、下記リフロー条件のリフロー工程を通してコネクタ部品及び周辺部品を実装した。
コネクタ部品:片側10ピン(両側20ピン)、0.35mmピッチプラグコネクタ、ヒロセ電機(株)、BM23FR0.6-20DP-0.35V(895)
周辺部品:片側10ピン(両側20ピン)、0.35mmピッチレセプタクルコネクタ、ヒロセ電機(株)、BM23FR0.6-20DS-0.35V(895)
基板:上記プラグコネクタに対応するリジッド基板(デクセリアルズ評価用ガラスエポキシ基板、Ni-Auメッキ)
嵌合用コネクタ:片側10ピン(両側20ピン)、0.35mmピッチレセプタクルコネクタ、ヒロセ電機(株)、BM23FR0.6-20DS-0.35V(895)、プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面(実装面)からレセプタクルのピンまでの高さ:120μm
リフロー条件:150℃~260℃-100sec、ピークトップ260℃
[実装体の評価]
図5に示すような断面図おいて、プラグコネクタの側部と周辺部品の側部との距離Wが所定値である実装体について、プラグコネクタの側部において異方性導電フィルムのバインダーが這い上がるプラグ端子面からの高さTを測定した。また、プラグコネクタを実装した実装体に嵌合用のレセプタクルコネクタを嵌合させ、各ピンについて電流1mAを流したときの抵抗値を測定し、中央値を算出した。抵抗値の中央値が0.1Ωを超えるピンが1以上ある実装体を「NG」と評価し、それ以外の実装体を「OK」と評価した。
表1に、バインダーの這い上がり高さの測定結果及び導通試験の評価結果を示す。
Figure 2023079630000002
比較例1では、プラグコネクタの側部に周辺部品を実装していないため、這い上がり高さTが156μmであり、嵌合後の導通評価がNGであった。比較例2、3では、プラグコネクタの側部に周辺部品を実装したが、プラグコネクタの側部と周辺部品の側部との距離Wが2.0mm以上であるため、這い上がり高さTがプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さTよりも大きく(T<T)、嵌合後の導通評価がNGであった。
実施例1~4では、プラグコネクタの側部と周辺部品の側部との距離Wが0.2mm以上1.5mm以下であるため、這い上がり高さTを抑制することができ、這い上がり高さTをプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さT以下とすることができた(T>T)。実施例3、4では、プラグコネクタの側部と周辺部品の側部との距離Wが小さいため、レセプタクルコネクタを嵌合させることができなかったが、側部の幅が小さいレセプタクルコネクタを用いることにより、嵌合させることが可能となる。なお、プラグコネクタの側部と周辺部品の側部との距離Wを0.2mm未満とすることは、プラグコネクタのリード端子や、レセプタクルコネクタの嵌合の都合から困難である。
また、プラグコネクタの側部に周辺部品を実装することにより、這い上がり高さTを70μm以上150μm以下の範囲に抑制することができることから、プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さが70μm以上150μm以下である垂直嵌合コネクタにおいて、本技術の効果が得られることが分かった。また、プラグコネクタの側部と周辺部品の側部との距離を0.2mm以上3.0mm以下に配置し、リフロー工程で一括実装することにより、バインダーがコネクタの側部に這い上がることを抑制することができることが分かった。
[複数の周辺部品を備える実装体の評価]
図7は、プラグの長手方向に複数の周辺部品を実装する場合の周辺部品間の距離を評価する試験を説明するための平面図である。図7に示すような平面図において、プラグ1の側部と周辺部品である表面実装部品3の側部との距離Wを0.2mmとし、表面実装部品3間の距離Wsを所定値として2つの表面実装部品3を実装した。バインダーが這い上がるプラグ端子面からの高さTの測定位置は、表面実装部品3間の距離Wsの中間点とした。
表2に、周辺部品間の距離に対するバインダーの這い上がり高さの測定結果を示す。
Figure 2023079630000003
比較例4、5では、周辺部品間の距離Wsが1.8mm以上であるため、這い上がり高さTがプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さTよりも大きかった(T<T)。実施例4~8では、周辺部品間の距離Wsが0.2mm以上1.5mm以下であるため、周辺部品の側面側にもバインダーが引き込まれ、這い上がり高さTを抑制することができ、這い上がり高さTをプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さT以下とすることができた(T1>T2)。
また、プラグコネクタの側部と周辺部品の側部との距離Wと周辺部品間の距離Wsとの関係から、プラグコネクタの側部と周辺部品の側部との距離Wが0.2mm~1.5mmに対し、周辺部品間の距離Wsを1.5mm~0.2mmの関係とすることにより、這い上がり高さTを120μm以下とすることができることが分かった。
1 プラグ、2 レセプタクル、3 表面実装部品、4 異方性導電接着剤、5 配線基板、11A,11B ピン、12A,12B プラグ端子、21A,21B ピン、22A,22B レセプタクル端子、41 半田粒子、51 基材、52A,52B 基板端子、53 端子、 101 プラグ、103 異方性導電接着剤、105 基板、111A,111B ピン、152A,152B 基板端子、142A、142B 半田

Claims (8)

  1. 配線基板上に半田粒子を含有する異方性導電接着剤を配置し、前記異方性導電接着剤上に、垂直嵌合コネクタのプラグと、表面実装部品とを配置する配置工程と、
    前記半田粒子の融点以上に設定されたリフロー炉を用いて、前記プラグと前記表面実装部品とを前記配線基板に接合させる接合工程とを有し、
    前記プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さが70μm以上150μm以下に対し、前記プラグの側部と前記表面実装部品の側部との距離が0.2mm以上3.0mm以下である接続構造体の製造方法。
  2. 前記配置工程では、1つの表面実装部品を前記プラグの長手方向に亘って配置する請求項1記載の接続構造体の製造方法。
  3. 前記配置工程では、複数の表面実装部品を前記プラグの側部と表面実装部品の側部との距離が0.2mm~1.5mmに対し、表面実装部品間の距離が1.5以下となるように、前記プラグの長手方向に配置する請求項1記載の接続構造体の製造方法。
  4. 前記異方性導電接着剤の最低溶融粘度が、150Pa・s以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
  5. 配線基板と、垂直嵌合コネクタのプラグと、表面実装部品と、前記配線基板に前記プラグと前記表面実装部品とを接合する接着層とを備え、
    前記プラグとレセプタクルとを嵌合させた場合の側部におけるプラグ端子面からレセプタクルのピンまでの高さが70μm以上150μm以下に対し、前記プラグの側部と前記表面実装部品の側部との距離が0.2mm以上3.0mm以下である接続構造体。
  6. 1つの表面実装部品が、前記プラグの長手方向に亘って実装されてなる請求項5記載の接続構造体。
  7. 複数の表面実装部品が、前記プラグの側部と表面実装部品の側部との距離が0.2mm~1.5mmに対し、表面実装部品間の距離が1.5以下となるように、前記プラグの長手方向に実装されてなる請求項5記載の接続構造体。
  8. 前記接着層のバインダーの前記プラグの側部への這い上がり高さが、150μm以下である請求項5乃至7のいずれか1項に記載の接続構造体。

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