JP2023078626A - 制御装置、及びこれの制御方法、電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストロークエンド前後における操作感を向上させる。【解決手段】車両の操舵を行うステアリングホイールと、ステアリングホイールの回転に応じて操舵輪を操舵する操舵部材と、操舵部材に操舵力を付与する操舵アクチュエータとを備えた車両に用いられ、ステアリングホイールの操舵情報に基づいて操舵アクチュエータへ操舵力を与えるための駆動信号を出力するコントロール部を備える制御装置であって、コントロール部は、ステアリングホイールの回転角が所定の制御開始角に達すると、操舵部材がストロークエンドに達するまでは操舵力を低減し、操舵部材がストロークエンドに達して跳ね返ると操舵力を増加する駆動信号を操舵アクチュエータに出力する。【選択図】図4
Description
本発明は自動車に搭載されるステアリング装置に係り、特に電動モータによって操舵制御を行う電動パワーステアリング装置に関するものである。
電動パワーステアリング装置においては、ラックバーがストロークエンドに接近するまで操舵された場合には、ラックバーがストロークエンド付近で他の構造材(例えば、機械的なストッパ機構)に突き当たる現象が発生し、突き当りによって衝撃音が発生する。
このような課題に対応するために、ラックバーが他の構造材に突き当たる時の衝撃を小さくするべく、ラックバーが突き当たる前にステアリングホイールの回転操作にアシスト力を付与する電動モータの出力を低下させることが提案されている。
例えば、特開2007-216745号公報(特許文献1)においては、ラックバーがストロークエンドに達したことが判断されたとき、目標電流決定手段により決定される目標電流値の上限を所定の値に設定して目標電流値を制限するようにしている。これによれば、ラックバーがストロークエンドに達したことを検出すると、目標電流値の上限を所定値に設定するため、過剰なアシスト力の発生を防止することができる。
特許文献1に記載された方法によれば、ストロークエンドに達した後の跳ね返りについては考慮されていない。
本発明の目的は、ストロークエンド前後における操作感を向上させる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明の特徴は、
車両の操舵を行うステアリングホイールと、ステアリングホイールの回転に応じて操舵輪を操舵する操舵部材と、操舵部材に操舵力を付与する操舵アクチュエータとを備えた車両に用いられ、ステアリングホイールの操舵情報に基づいて操舵アクチュエータへ操舵力を与えるための駆動信号を出力するコントロール部を備える制御装置であって、
コントロール部は、ステアリングホイールの回転角が所定の制御開始角に達すると、操舵部材がストロークエンドに達するまでは操舵力を低減し、操舵部材がストロークエンドに達して跳ね返ると操舵力を増加する駆動信号を操舵アクチュエータに出力する制御装置
にある。
車両の操舵を行うステアリングホイールと、ステアリングホイールの回転に応じて操舵輪を操舵する操舵部材と、操舵部材に操舵力を付与する操舵アクチュエータとを備えた車両に用いられ、ステアリングホイールの操舵情報に基づいて操舵アクチュエータへ操舵力を与えるための駆動信号を出力するコントロール部を備える制御装置であって、
コントロール部は、ステアリングホイールの回転角が所定の制御開始角に達すると、操舵部材がストロークエンドに達するまでは操舵力を低減し、操舵部材がストロークエンドに達して跳ね返ると操舵力を増加する駆動信号を操舵アクチュエータに出力する制御装置
にある。
本発明によれば、ストロークエンド前後における操作感を向上させることができる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明の前提となる電動パワーステアリング装置の構成について説明する。
図1、図2は、ステアリングホイールによって回転されるステアリングシャフトによる操舵軸(以下、ラックバーと表記する)の駆動(手動操舵力)とは別に、ステアリングシャフトの回動角、回動方向、及び回動トルクを検出し、これらの検出信号(請求項でいう操舵情報に対応する)に基づいて電動モータ(請求項でいう操舵アクチュエータに対応する)を回転させ、電動モータの回転をナットに伝達してナット内に収納されたラックバーを駆動して操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置を示している。
操舵機構1は、車両の運転室内に配置されたステアリングホイール(図示せず)に接続されたステアリングシャフト4と、操舵輪に連係された操舵軸としてのラックバー5と、ステアリングシャフト4とラックバー5とを連係させる変換機構6と、を備えている。
変換機構6は、ステアリングシャフト4の外周に形成されたピニオン歯(図示せず)と、ラックバー5の外周に形成されたラック歯(図示せず)とにより構成される、いわゆるラック・ピニオン機構である。
変換機構6は、ステアリングシャフト4の外周に形成されたピニオン歯(図示せず)と、ラックバー5の外周に形成されたラック歯(図示せず)とにより構成される、いわゆるラック・ピニオン機構である。
ここで、ラックバー5は操舵部材を表しているが、操舵部材としては、ラックバー5の他に、ピットマンアームがあり、更にこれらに限らず操舵アクチュエータと操舵輪の間に設けられたリンク機構等を含むことができる。
ステアリングシャフト4は、軸方向一端側がステアリングホイールと一体回転可能に連結された入力軸7と、軸方向一端側がトーションバー(図示せず)を介して入力軸7の軸方向他端側に接続された出力軸8とを有する。
ラックバー5は、軸方向の両端部がそれぞれタイロッド9、及び一対のナックルアームを介して一対の操舵輪に連係されている。これにより、ラックバー5が軸方向へ移動すると、各タイロッド9を介して各ナックルアームが引っ張られることで、一対の操舵輪の向きが変更される。
また、ラックバー5は、ハウジング3の一部を構成するほぼ円筒状のラックハウジング10のラックバー収容部11内に、軸方向両端部が外部に露出した状態で軸方向へ移動可能に収容されている。ラックハウジング10は、鋳造により軸方向に2分割されて形成されており、ラックバー5の軸方向一端側を収容する第1ハウジング12と、ラックバー5の軸方向他端側を収容する第2ハウジング13と、を複数のボルト(図示せず)で締結することによって一体化されている。
尚、ラックバー収容部11は、第1ハウジング12の内部を軸方向に貫通する第1ラックバー収容部14と、第2ハウジング13の内部を軸方向に貫通する第2ラックバー収容部15と、により構成される。
また、ラックハウジング10の軸方向両端部には、それぞれ蛇腹状に形成されたブーツ16がタイロッド9に跨って装着されている。これらブーツ16は、合成ゴム材料等の弾性材料により所定の可撓性を確保するように形成されており、ハウジング3内部への水や塵芥等の侵入を抑制する。
操舵アシスト機構2は、操舵アシスト力(操舵力)を生成する駆動部である電動モータ17と、電動モータ17の駆動力をラックバー5に伝達する伝達機構18と、パワーステアリング装置の各種状態量を検出する各種センサと、各種センサが出力する信号等に基づき電動モータ17を駆動制御するコントローラ(請求項でいうコントロール部に対応する)19とを備えている。ここで、電動モータ17、伝達機構18は、操舵アクチュエータを構成するものである。
各種センサのうち、ステアリングホイールの中立舵角からの回動量である舵角(後述するハンドル角に相当する)を検出する舵角センサ20と、ステアリングシャフト4に入力されたトルクを検出するトルクセンサ21は、共にステアリングシャフト4の外周を取り囲むように形成されたハウジング3の一部であるセンサハウジング22内に収容されている。
舵角センサ20は、ステアリングシャフト4の入力軸7の外周に取り付けられ、入力軸7の回動角に基づいて舵角を検出する。また、舵角センサ20は、メイン、サブの二重系の舵角検出部20a、20bを有しており、その各々が舵角を検出する。
トルクセンサ21は、入力軸7と出力軸8との間に跨るようにして設けられ、入力軸7と出力軸8との相対回転の変位量に基づいてトルクを検出する。また、トルクセンサ21は、メイン、サブの二重系のトルク検出部21a、21bを有しており、その各々が操舵トルクを検出する。尚、舵角センサ20とトルクセンサ21は、ラックハウジング10の外周に沿って設けられるハーネス(図示せず)を介してコントローラ19と電気的に接続されている。
電動モータ17は、3相交流電力に基づき駆動される、いわゆる3相交流モータであって、ハウジング3の一部を構成するモータハウジング23と、モータハウジング23内に設けられたモータ要素と、を備えている。モータハウジング23は、モータ要素を内部に収容する円筒状の筒状部23aと、それぞれ筒状部23aの開口部を閉塞する第1、第2端壁部23b、23cと、を有している。
モータ要素は、筒状部23aの内周面に焼き嵌め等によって固定された筒状のステータ26と、ステータ26の内周側に所定の径方向隙間を介して配置される筒状のロータ27と、ロータ27の内周側に一体回転可能に固定され、ロータ27の回転を出力するモータ軸28と、を有する。
ステータ26は、複数の薄板を積層してなるステータコア(図示せず)にU相、V相、W相コイルが巻き付けられることにより構成されている。尚、本実施形態では、各コイルをいわゆるY結線(スター結線)によって接続しているが、これらをデルタ結線により接続してもよい。
モータ軸28は、その両端部28a、28bが第1、第2端壁部23b、23cのそれぞれに貫通して形成された貫通孔を介してモータハウジング23から露出している。このうち、コントローラ19と反対側の一端部28aについては、伝達機構18を収容する後述の伝達機構収容部31内に臨んでいる。一方、他端部28bについては、コントローラ19を収容する後述の収容部43内に臨んでいる。
また、モータ軸28は、一端部28a側の外周面と第1端壁部23bの貫通孔の内周面との間に設けられた第1ボールベアリング29と、他端部28b側の外周面と第2端壁部23cの貫通孔内周面との間に設けられた第2ボールベアリング30と、によって回転可能に支持されている。
伝達機構18は、ハウジング3の伝達機構収容部31内に収容されるもので、入力側プーリ32及び出力側プーリ33と、両プーリ32、33間に巻き掛けられたベルト34と、出力側プーリ33の回転を減速しながらラックバー5の軸方向運動へと変換するボールねじ機構35と、を有する。
伝達機構収容部31は、第1ラックバー収容部14の第2ハウジング13側の端部に設けられた第1伝達機構収容部36と、第2ラックバー収容部15の第1ハウジング12側の端部に設けられた第2伝達機構収容部37と、が接合されることにより形成されている。
入力側プーリ32は、出力側プーリ33に対して比較的小径な円筒状に形成され、内周側に貫通形成された貫通孔を介して電動モータ17のモータ軸28の一端部28aに圧入固定されている。
出力側プーリ33は、ラックバー5の外周側に配置され、ボールねじ機構35を介してラックバー5に連係されている。より詳しくは、出力側プーリ33は、入力側プーリ32に対して比較的大径な有底円筒状を呈し、ボールねじ機構35の後述するナット38の外周に固定され、ナット38と一体回転するようになっている。
ベルト34は、内部にガラス繊維や鋼線等が芯材として埋設された無端状のベルトであり、入力側プーリ32と出力側プーリ33とを同期回転させることで、入力側プーリ32の回転力を出力側プーリ33に伝達する。
ボールねじ機構35は、ラックバー5の外周側に配置された筒状のナット38と、ナット38とラックバー5との間に形成されたボール循環溝39と、ボール循環溝39内に転動可能に設けられた複数のボール40と、各ボール40をボール循環溝39の一端側から他端側へ循環させる循環機構(図示せず)と、を備えている。
ナット38は、第1伝達機構収容部36内に収容されたボールベアリング41を介して回転可能に支持されている。ボールベアリング41は、ナット38と一体に形成されたインナレース部41aと、第1伝達機構収容部36の内周面に固定されたアウタレース部41bと、インナレース部41aとアウタレース部41bとの間に転動可能に収容された複数のボール41cと、を有する。なお、本実施形態では、インナレース部41aをナット38と一体に形成したものを例示しているが、インナレース部41aとナット38とを別体とすることも可能である。
ボール循環溝39は、ラックバー5の外周側に設けられた螺旋状の溝形状を有する軸側ボールねじ溝39aと、ナット38の内周側に設けられた螺旋状の溝形状を有するナット側ボールねじ溝39bと、から構成される。
コントローラ19は、ハウジング3の一部を構成する制御ハウジング42と、制御ハウジング42の収容部43内に収容される制御基板44と、を備えている。
制御ハウジング42は、電動モータ17側の一端部がモータハウジング23の外周に被さる筒状のボディ45と、ボディ45の他端部側の開口部を閉塞するカバー46と、を有している。
制御基板44は、ガラスエポキシ樹脂に代表されるような非導電性樹脂材料からなる基板の表裏両面にそれぞれ導体パターンを形成し、この導体パターン上に多数の電子部品や電気部品が搭載されることにより構成されている。
また、図2に図示はしていないが、制御基板44上には、各種センサの1つであって、電動モータ17のロータ27の回転角であるモータ回転角を検出するモータ回転角センサが設けられている。
このモータ回転角センサは、モータ軸28の他端部28bに取り付けられる磁石(図示せず)が発する磁界の変化に基づきモータ軸28(ロータ27)の回転角を検出する。また、モータ回転角センサは、メイン、サブの二重系のモータ回転角検出部を有しており、その各々がモータ軸28の回転角を検出するようになっている。
次に電動パワーステアリング装置に使用される操舵アクチュエータを構成する電動モータ17を制御するコントローラ19の構成について説明する。
図3は、図1のコントローラ19のハードウェア構成を示している。コントローラ19は、図3に示すように、制御用マイクロコントロールユニット(制御用MCU)51と、監視用マイクロコントロールユニット(監視用MCU)52と、MOSFETプリドライバ回路53と、モータ駆動回路であるインバータ駆動回路54と、電流検出回路55と、回転角検出回路56等を備えている。
制御用マイクロコントロールユニット51は、演算装置であるCPU57、メモリであるROM58、RAM59、EEPROM(フラッシュROM)60、A/D変換器61、CANドライバ62、バスライン63等を備えている。
CPU57は、ROM58に格納された各種プログラムを実行して電動パワーステアリング装置の電動モータ17を制御する。したがって、プログラムによって実行される動作は、制御機能として捉えることができる。
ROM58は、CPU57が実行する各種プログラムを格納する。具体的には、ROM58には、電動モータ17を制御するモータ制御処理(操舵処理)を実行するための制御プログラムが格納されている。更に、このROM58には、パワーステアリング装置の診断を実行する診断プログラムが格納されている。制御プログラム、診断プログラムは、CPU57によって、所定の制御機能、診断機能を実行するものである。
RAM59は、CPU57が制御プログラムを実行する場合に、その作業領域として使用され、処理過程で必要とするデータや処理結果が一時的に記憶される。同様に診断プログラムを実行して、エラーコードとして診断結果が一時的に記憶される。
EEPROM60は、電源遮断後においても記憶内容を保持可能なメモリであり、ハードウェア固有の補正値や、診断機能を実行した後のエラーコードが格納されている。この場合、電源電圧の供給を遮断するシャットオフ機能によって、エラーコードをRAM59からEEPROM60に転送する時間だけ、コントローラ19のシャットダウンが遅延される構成となっている。
A/D変換器61は、舵角センサ20からの舵角情報、トルクセンサ21からのトルク情報、電流検出回路55からの電動モータ17の電流情報、及び回転角検出回路56からのモータ回転角情報等を入力し、デジタル信号に変換する。尚、回転角検出回路56から、舵角を推定することも可能である。
CANドライバ62は、CANバスに接続されており、CANバスを介して他のコントローラやセンサとCAN通信を行うためのインターフェースである。例えば、CANドライバ62は、車速センサからの車速(V:車速パルス)をCAN通信で受信することができる。
MOSFETプリドライバ回路53は、制御用マイクロコントロールユニット51から入力されるU相、V相、W相の各相のPWM制御信号を、各相正負の通電信号(Up、Un、Vp、Vn、Wp、Wn)に変換して、インバータ駆動回路54に出力する。
インバータ駆動回路54は、一対のMOSFETスイッチング素子からなるブリッジ回路をU相用,V相用,W相用として3相分だけ備えたインバータ駆動回路であり、各MOSFETスイッチング素子には還流ダイオードが並列接続されている。
このブリッジ回路には、バッテリ64から電源リレー65を介して直流電圧が印加されている。各MOSFETスイッチング素子の制御端子(ゲート端子)には、MOSFETプリドライバ回路53から通電信号が入力される。
インバータ駆動回路54に印加される直流電圧は、インバータ駆動回路54内のMOSFETスイッチング素子のスイッチング動作によって3相の交流電圧に変換され、それにより電動モータ17が駆動される。ブリッジ回路には、シャント抵抗R1、R2が接続されている。
このシャント抵抗R1、R2に電流検出回路55が接続され、これによって、電動モータ17の電流情報を検出して、A/D変換器61に出力している。また、回転角検出回路56は、電動モータ17のロータの回転角であるモータ回転角を検出するモータ回転角センサ66からの出力信号をモータ回転角情報として、A/D変換器61に出力している。このモータ回転角センサ66は、メイン、サブの二重系のモータ回転角検出部を有しており、その各々がモータ軸28の回転角を検出するようになっている。
監視用マイクロコントロールユニット52は、図示してはいないが、周知の通りCPU、ROM、RAM、D/A変換器、A/D変換器、インターフェース等を備えている監視用マイクロコントロールユニット52は、制御用マイクロコントロールユニット51のCPU57の暴走等を監視する。
このような電動パワーステアリング装置においては、上述したように、ラックバーがストロークエンド近傍まで接近するように操舵された場合には、ラックバーがストロークエンド付近で他の構造材(機械的なストッパ機構)に突き当たる現象が発生する。このため、突き当りによる衝撃音の発生や、突き当り後の跳ね返りによるステアリングホイールの意図しない回転が発生して操作違和感を生じるといった課題がある。
そこで、本実施形態では、ステアリングホイールの回転角(以下では、ステアリングホイールの回転角をハンドル角と表記する場合もある)が所定の制御開始角に達すると、操舵部材がストロークエンドに達するまでは操舵力を低減する駆動信号を操舵アクチュエータに出力し、操舵部材がストロークエンドに達して跳ね返ると操舵力を増大する駆動信号を操舵アクチュエータに出力する操舵力調整部を備える電動パワーステアリング装置を提案するものである。
つまり、ラックバーがストロークエンドに近づく場合は、操舵部材の操舵力(以下、アシストトルクと表記する)を低減して衝突による衝撃音を抑制し、また、ラックバーが跳ね返る場合は、操舵部材のアシストトルクを増大して、ラックバーの跳ね返りを押さえ付けて、ステアリングホイールの意図しない回転を抑制することができる構成を提案するものである。
特に、本実施形態では、実ハンドル角を基に任意に設定したトルク補正ハンドル角と、実ハンドル角との角度差分を求め、この角度差分を比例・積分制御を利用して負の補正トルク、及び正の補正トルクとして求め、求められた補正トルクによってアシストトルクを補正することを特徴としている。ここで、負の補正トルクは、ラックバーをストロークエンドの方向に付勢するトルクを低減する成分を備え、正の補正トルクは、ラックバーをストロークエンドの方向に付勢するトルクを増大する成分を備えるものである。
このように、ステアリングホイールの実ハンドル角と、これを基にして設定されたトルク補正ハンドル角の角度差分から、比例・積分制御を利用して負の補正トルク、及び正の補正トルクを求め、求められた補正トルクによってアシストトルクを補正する構成としている。このため、他の検出センサを新たに設置することなく、簡単な制御ロジックで、突き当りによる衝撃音や、突き当り後の跳ね返りによるステアリングホイールの意図しない回転を抑制することができる。
図4に、電動モータに与える総アシストトルクを求めるための制御ブロック(操舵力調整部)を示している。
図4において、通常アシストトルク算出処理ブロック(請求項でいう通常操舵力生成部に対応する)70は、ステアリングホイールによる操舵トルク、操舵角、及び自動車の車速等の入力情報によって、通常アシストトルクを演算する。この通常アシストトルクの演算は周知の事項であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
そして、演算された通常アシストトルクと、運転者によるステアリングホイールの操舵力(手動操舵力)とが合成されて、ラックバー5を変位させるラック軸力とされ、このラック軸力が操舵輪を操舵させる。このような電動パワーステリング装置において、本実施形態は以下のトルク補正機能部(請求項でいう補正操舵力生成部に対応する)71を追加したものである。
トルク補正機能部71は、実ハンドル角(θact)を基に生成されるトルク補正ハンドル角(θcom)を求めるトルク補正ハンドル角算出処理ブロック72と、実ハンドル角(θact)とトルク補正ハンドル角(θcom)の偏差(角度差分)を比例・積分制御して補正トルクを求める比例・積分制御処理ブロック73と、求められた補正トルクを通常アシストトルクに対して加算する加算ブロック74から構成されている。
トルク補正機能部71で求められる補正トルクにおいては、負の補正トルクと正の補正トルクが生成されるものである。負の補正トルクは、通常アシストトルクを低減させ、正の補正トルクは、通常アシストトルクを増大させて、総アシストトルクを求めるようにしている。つまり、負の補正トルクは、ラック軸力を減少する方向に作用し、正の補正トルクは、ラック軸力を増大する方向に作用する。
具体的には、ラックバー5がストロークエンドに近づく場合は、負の補正トルクによって通常アシストトルクを低減して衝突による衝撃音を抑制する働きを行う。一方、ラックバー5が跳ね返る場合は、正の補正トルクによって通常アシストトルクを増大して、ラックバー5の跳ね返りを押さえ付け、ステアリングホイールの意図しない回転を抑制する働きを行う。
このような働きによって、突き当りによる衝撃音の発生や、突き当り後の跳ね返りによるステアリングホイールの意図しない回転が発生して操作違和感を生じるといった課題を解決することができる。
次に、トルク補正ハンドル角算出処理ブロック72で算出されるトルク補正ハンドル角(θcom)について説明する。
図5において、トルク補正ハンドル角算出処理ブロック72は、入力された実ハンドル角(θact)から、所定の補正角(Δθ)を加算、及び減算されてトルク補正ハンドル角(θcom)が求められている。
つまり、実ハンドル角(θact)から補正角(Δθ)が減算されて第1トルク補正ハンドル角(θcom1)とされ、実ハンドル角(θact)から補正角(Δθ)が加算されて第2トルク補正ハンドル角(θcom2)とされている。したがって、実ハンドル角(θact)の変化に追従して、矢印(P)の動きにあるように第1トルク補正ハンドル角(θcom1)と第2トルク補正ハンドル角(θcom2)も、同時に変化することになる。ここで、補正角(Δθ)は、同じ値とされているが、それぞれ個別に設定することも可能である。
そして、トルク補正ハンドル角算出処理ブロック72は、ラックバー5がストロークエンドに近づく方向にある場合は、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)を出力し、ラックバー5が跳ね返る方向にある場合は、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)を出力する(これについては図7のフローチャートで説明する)。そして、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)、或いは第2トルク補正ハンドル角(θcom2)は、実ハンドル角(θact)と共に比例・積分制御処理ブロック73に入力される。
図6に比例・積分制御処理ブロック73の構成を示している。比例・積分制御処理ブロック73には、実ハンドル角(θact)と、トルク補正ハンドル角算出処理ブロック72で求められたトルク補正ハンドル角(θcom)が入力されている。これらの入力は差分算出部75で「(θcom)-(θact)」の演算を実行されて角度差分が求められる。角度差分については図8に示した通りであり、これについては後述する。
尚、第1トルク補正ハンドル角(θcom12)と第2トルク補正ハンドル角(θcom2)が入力される場合は、角度差分(±Δθ)は図5にあるように一定の値である。ただ、図7のフローチャートで説明するが、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)と第2トルク補正ハンドル角(θcom2)との間の遷移区間は、遷移が始まる前のトルク補正ハンドル角(θcom)が継続して使用される。
求められた角度差分は、比例・積分制御処理ブロック73の比例制御部76で比例成分が求められ、同様に積分制御部77で積分成分が求められる。これらの比例成分と積分成分は、加算部78で加算されて補正トルクとして出力される。更に、この補正トルクは、図4に示しているように、通常アシストトルクに加算されて総アシストトルクとして電動モータに与えられる。
ここで、「(θcom)-(θact)」の演算で「負の値」が導き出された場合は、上述したように負の補正トルクが発生され、「(θcom)-(θact)」の演算で「正の値」が導き出された場合は、上述したように正の補正トルクが発生される。
次に、以上のような機能を備えたトルク補正機能部71の具体的な制御について、図7、及び図8を用いて説明する。トルク補正機能部71は、実際には制御用MCU51(図3を参照)の制御ソフトウェアによって実行されるものである。図7は、その具体的な処理フローを示し、図8は、その処理におけるトルク補正ハンドル角(θcom)の変化を示している。尚、ここではステアリングホイールの中立位置を基準(=0°)としており、ストロークエンド側に近づくにつれてハンドル角が大きくなるものと定義されている。
先ず、図8(a)においては、ラックバー5がストロークエンドに接近していき、ストロークエンド付近の構造材(ストッパ機構)に接触した後にラックバー5が跳ね返る状態下での、実ハンドル角(θact)と、この実ハンドル角(θact)より所定の補正角(-Δθ)だけ中立位置側に設定された第1トルク補正ハンドル角(θcom1)と、実ハンドル角(θact)より所定の補正角(+Δθ)だけストロークエンド側に設定された第2トルク補正ハンドル角(θcom2)とを示している。
そして、実際に設定されるトルク補正ハンドル角(θcom)を太い破線で示しており、更に図8(b)に示したトルク補正ハンドル角(θcom)と実ハンドル角(θact)の角度差分が、比例・積分制御されて補正トルクが求められることになる。
次に、具体的な処理フローについて、図7に示すフローチャートを用いて説明する。ここで、以下に説明する制御ステップで使用されるトルク補正ハンドル角前回値(θprv)は、フローチャートの実行ループ毎に更新されていくものである。
≪ステップS10≫
ステップS10においては、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より大きいか否かを判断している。この判断は、ステアリングホイールを回転させてラックバー5をストロークエンドの側に向けて移動させる状態に入ったかどうかを判断している。
ステップS10においては、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より大きいか否かを判断している。この判断は、ステアリングホイールを回転させてラックバー5をストロークエンドの側に向けて移動させる状態に入ったかどうかを判断している。
尚、制御開始角(θsrt)は、自動車の諸元によって変更することができ、最も適した制御開始角(θsrt)を設定すればよいものである。また、制御開始角(θsrt)は、ステアリングホイールの操作回転角の角速度に基づいて変更することもできる。ステアリングホイールを速く回転させた時に、ラックバー5が素早くストロークエンドの構造材(ストッパ機構)に突き当たる場合がある。この場合は、操作角速度が大きいほど、制御開始角(θsrt)を中立位置側に移してやれば良い。
ここで、上述したように、制御開始角(θsrt)より実ハンドル角(θact)が大きいということは、ステアリングホイールの中立位置に対して、ステアリングホイールが多く回転されてことを意味している。
このステップS10で、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より小さい(NO)と判断されるとステップS11に移行し、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より大きい(YES)と判断されるとステップS12に移行する。
≪ステップS11≫
ステップS10で、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より小さいと判断されているので、ステップS11においては、トルク補正ハンドル角を制御開始角(θsrt)に設定する。この制御開始角(θsrt)は、ステップS10の判断で、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より大きいと判断されている場合の制御で必要とされる、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)とするためである。
ステップS10で、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より小さいと判断されているので、ステップS11においては、トルク補正ハンドル角を制御開始角(θsrt)に設定する。この制御開始角(θsrt)は、ステップS10の判断で、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より大きいと判断されている場合の制御で必要とされる、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)とするためである。
ステップS11で、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)を設定すると、リターンに抜けて次の実行タイミングを待つことになる。
≪ステップS12≫
ステップS10で、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より大きい(YES)と判断されているので、ステアリングホールが大きく回転されている状態である。例えば「据え切り」のためのステアリングホイールの回転や、「切り返し」のためのステアリングホイールの回転等がこれに対応する。この場合、ラックバー5がストロークエンドの構造材(ストッパ機構)に衝突する現象が往々にして発生する。
ステップS10で、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)より大きい(YES)と判断されているので、ステアリングホールが大きく回転されている状態である。例えば「据え切り」のためのステアリングホイールの回転や、「切り返し」のためのステアリングホイールの回転等がこれに対応する。この場合、ラックバー5がストロークエンドの構造材(ストッパ機構)に衝突する現象が往々にして発生する。
そして、ステップS12では、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より小さいかどうかを判断している。この判断で、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より大きい(NO)と判断されるとステップS13に移行する。一方、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より小さい(YES)と判断されるとステップS15に移行する。
ここで、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より大きい(NO)と判断される理由は、ステップS11で設定された、制御開始角(θsrt)であるトルク補正ハンドル角前回値(θprv)は、実ハンドル角(θact)から補正角(Δθ)を減算した第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より大きくなるからである。
≪ステップS13≫
ステップS12で、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より大きい(NO)と判断されているので、ステップS13では、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より大きいかどうかを判断している。この判断で、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より小さい(NO)と判断されるとステップS14に移行する。一方、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom1)より大きい(YES)と判断されるとステップS16に移行する。
ステップS12で、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より大きい(NO)と判断されているので、ステップS13では、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より大きいかどうかを判断している。この判断で、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より小さい(NO)と判断されるとステップS14に移行する。一方、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom1)より大きい(YES)と判断されるとステップS16に移行する。
ここで、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より小さい(NO)と判断される理由は、ステップS11で設定された、制御開始角(θsrt)であるトルク補正ハンドル角前回値(θprv)は、実ハンドル角(θact)に補正角(Δθ)を加算した第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より小さくなるからである。
このように、ステップS12とステップS13での「NO」判断は、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)と第2トルク補正ハンドル角(θcom2)の間に位置していることを示している。
ただ、実ハンドル角(θact)は、ステアリングホイールの回転に伴って時々刻々大きくなっていくので、次の実行タイミングでは、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)と第2トルク補正ハンドル角(θcom2)も大きくなる方に変化する。このため、ステップS12とステップS13での判断も変わってくるようになる。
≪ステップS14≫
ステップS12、ステップS13で「No」判断される、つまり、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)と第2トルク補正ハンドル角(θcom2)の間に位置していると、ステップS14においては、トルク補正ハンドル角(θcom)を、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)に設定する。ここで、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)は、制御開始角(θsrt)である。
ステップS12、ステップS13で「No」判断される、つまり、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)と第2トルク補正ハンドル角(θcom2)の間に位置していると、ステップS14においては、トルク補正ハンドル角(θcom)を、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)に設定する。ここで、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)は、制御開始角(θsrt)である。
したがって、ステップS12、ステップS13、及びステップS14の処理を実行することによって、図8(a)の時刻(Ta)~時刻(Tb)に示すようなトルク補正ハンドル角(θcom)が設定される。更に、この時の実ハンドル角(θact)とトルク補正ハンドル角(θcom)の角度差分は、図8(b)に示すように時刻(Ta)~時刻(Tb)の間で、負の側に徐々に大きくなっていくことになる。
トルク補正ハンドル角(θcom)が設定されると、ステップS17に移行する。ステップS17以降は比例・積分制御なので、これについては後述する。
≪ステップS15≫
ステップS15を実行するにあたり、ステップS12においては、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より小さい(YES)と判断されている。ここで、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より小さい(YES)と判断される理由は以下の通りである。
ステップS15を実行するにあたり、ステップS12においては、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より小さい(YES)と判断されている。ここで、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より小さい(YES)と判断される理由は以下の通りである。
つまり、ステップS14で設定されたトルク補正ハンドル角前回値(θprv)に対して、時間の経過(ステアリングホイールの回転が進む)によって、実ハンドル角(θact)が大きくなり、これに伴って第1トルク補正ハンドル角(θcom1)も大きくなるからである。このため、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より小さくなり、この結果、ステップS15に移行する。
ステップS15においては、トルク補正ハンドル角(θcom)を第1トルク補正ハンドル角(θcom1)に設定する。また、この第1トルク補正ハンドル角(θcom1)は、次の実行タイミングにおけるトルク補正ハンドル角前回値(θprv)となる。
したがって、ステップS12で、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)より大きい(NO)と判断されるまで、トルク補正ハンドル角(θcom)は、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)に設定される。
したがって、ステップS12、及びステップS15の処理を実行することによって、図8(a)の時刻(Tb)~時刻(Tc)に示すように、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)が設定される。時刻(Tb)~時刻(Tc)は、ラックバー5がストロークエンドの構造材(ストッパ機構)に接触するまでの区間であり、この区間は、負の補正トルク(アシストトルクを低減するトルク)である必要がある。
したがって、この時の実ハンドル角(θact)と第1トルク補正ハンドル角(θcom1)の角度差分は、図8(b)に示すように時刻(Tb)~時刻(Tc)の間で、負の側で一定の補正角(Δθ)に維持されることになる。このように、一定の補正角(Δθ)を設定することによって、比例ゲインを大きくして追従性を上げても、比例成分が過度に大きくならないという効果を奏する。
第1トルク補正ハンドル角(θcom1)が設定されると、ステップS17に移行する。ステップS17以降は比例・積分制御なので、これについては後述する。
≪ステップS16≫
先のステップS15では、ラックバー5がストロークエンドの構造材(ストッパ機構)に接触するまで第1トルク補正ハンドル角(θcom1)を設定するものであるが、ラックバー5がストロークエンドの構造材(ストッパ機構)に接触して跳ね返りを発生すると、実ハンドル角(θact)は、中立位置側に向かう方向に変化する。
先のステップS15では、ラックバー5がストロークエンドの構造材(ストッパ機構)に接触するまで第1トルク補正ハンドル角(θcom1)を設定するものであるが、ラックバー5がストロークエンドの構造材(ストッパ機構)に接触して跳ね返りを発生すると、実ハンドル角(θact)は、中立位置側に向かう方向に変化する。
したがって、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)と第2トルク補正ハンドル角(θcom2)の間に位置している間は、先のステップS12、ステップS13、及びステップS14が実行される。この場合は、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)が、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)として設定される。
このように、ステップS12、ステップS13、及びステップS14の処理を実行することによって、図8(a)の時刻(Tc)~時刻(Te)に示すようなトルク補正ハンドル角(θcom)が設定される。また、この時の実ハンドル角(θact)とトルク補正ハンドル角(θcom)の角度差分は、図8(b)に示すように時刻(Tc)~時刻(Td)の間で、正の側に向かって徐々に小さくなり、更に、時刻(Td)~時刻(Te)で正の側で徐々に大きくなっていくことになる。
これは、時刻(Td)でトルク補正ハンドル角(θcom)と実ハンドル角(θact)の関係が逆転するためである。トルク補正ハンドル角(θcom)が設定されると、ステップS17に移行する。ステップS17以降は比例・積分制御なので、これについては後述する。
次に、時刻(Te)に達すると、ステップS16が実行される。ステップS16を実行するにあたり、ステップS13においては、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より大きい(YES)と判断されている。ここで、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より大きい(YES)と判断される理由は以下の通りである。
つまり、ステップS15で設定されたトルク補正ハンドル角前回値(θprv)は、第1トルク補正ハンドル角(θcom1)である。これに対して、時間の経過(ラックバーの跳ね返りでステアリングホイールが逆回転する)によって、実ハンドル角(θact)が小さくなり、これに伴って第2トルク補正ハンドル角(θcom2)も小さくなるからである。このため、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より大きくなり、この結果、ステップS16に移行することになる。
ステップS16においては、トルク補正ハンドル角(θcom)を第2トルク補正ハンドル角(θcom2)に設定する。また、この第2トルク補正ハンドル角(θcom2)は、次の実行タイミングにおけるトルク補正ハンドル角前回値(θprv)となる。
したがって、ステップS13で、トルク補正ハンドル角前回値(θprv)が、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)より小さい(NO)と判断されるまで、トルク補正ハンドル角(θcom)は、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)に設定される。
また、この状態で、実ハンドル角(θact)が制御開始角(θsrt)まで戻ると、ステップS10によって、上述した補正トルクによる通常アシストトルクの補正を終了することになる。
このように、ステップS13、及びステップS16の処理を実行することによって、図8(a)の時刻(Te)~時刻(Tf)に示すように、第2トルク補正ハンドル角(θcom2)が設定される。更に、この時の実ハンドル角(θact)と第2トルク補正ハンドル角(θcom2)の角度差分は、図8(b)に示すように時刻(Te)~時刻(Tf)の間で、正の側で一定の補正角(Δθ)に維持されることになる。このように、一定の補正角(Δθ)を設定することによって、比例ゲインを大きくして追従性を上げても、比例成分が過度に大きくならないという効果を奏する。
第2トルク補正ハンドル角(θcom2)が設定されると、ステップS17に移行する。ステップS17以降は比例・積分制御なので、これについては後述する。
以上に説明したステップS12~ステップS16までの処理が、図4に示すトルク補正ハンドル角算出処理ブロック72に対応するものである。トルク補正ハンドル角(θcom)が求まるとステップS17以降の比例・積分制御が実行される。
≪ステップS17≫
ステップS17においては、実ハンドル角(θact)とステップS12~ステップS16で求めたトルク補正ハンドル角(θcom)との角度差分を演算する。演算された角度差分は、図8(b)に示したような特性を備えた角度差分となる。ここで、角度差分は実ハンドル角(θact)を基準として、ラックバー5がストロークエンドに向かう方向は負の角度差分となり、時刻(Td)を境にしてラックバー5が跳ね返ってストロークエンド側から離れる方向は正の角度差分とされている。差分演算が完了するとステップS18に移行する。
ステップS17においては、実ハンドル角(θact)とステップS12~ステップS16で求めたトルク補正ハンドル角(θcom)との角度差分を演算する。演算された角度差分は、図8(b)に示したような特性を備えた角度差分となる。ここで、角度差分は実ハンドル角(θact)を基準として、ラックバー5がストロークエンドに向かう方向は負の角度差分となり、時刻(Td)を境にしてラックバー5が跳ね返ってストロークエンド側から離れる方向は正の角度差分とされている。差分演算が完了するとステップS18に移行する。
≪ステップS18≫
ステップS18においては、ステップS17で求められた角度差分を基に、比例成分と積分成分を求める演算を実行する。この比例成分と積分成分の演算はよく知られている技術である。比例成分と積分成分の演算が完了するとステップS19に移行する。
ステップS18においては、ステップS17で求められた角度差分を基に、比例成分と積分成分を求める演算を実行する。この比例成分と積分成分の演算はよく知られている技術である。比例成分と積分成分の演算が完了するとステップS19に移行する。
≪ステップS19≫
ステップS19においては、比例成分と積分成分を加算して補正トルクを算出する。この補正トルクは、上述したように、負の角度差分と正の角度差分から、負の補正トルクと正の補正トルクとが求められる。求められた補正トルクは、図4に示しているように、通常アシストトルクに加算されて総アシストトルクが求められる。この総アシストトルクは電動モータに駆動電流として与えられ、操舵を補助することになる。
ステップS19においては、比例成分と積分成分を加算して補正トルクを算出する。この補正トルクは、上述したように、負の角度差分と正の角度差分から、負の補正トルクと正の補正トルクとが求められる。求められた補正トルクは、図4に示しているように、通常アシストトルクに加算されて総アシストトルクが求められる。この総アシストトルクは電動モータに駆動電流として与えられ、操舵を補助することになる。
以上に説明したステップS17~ステップS19までの処理が、図4に示す比例・積分制御処理ブロック73に対応するものである。
上述した実施形態においては、実ハンドル角(θact)より中立位置側に設定された補正角(-Δθ)と、実ハンドル角(θact)よりストロークエンド側に設定された補正角(+Δθ)の絶対値は同じ値とされている。
これに対して、中立位置側に設定された補正角(-Δθ)が、ストロークエンド側に設定された補正角(+Δθ)より大きく決められていても良い。このように中立位置側に設定された補正角(-Δθ)が大きく決められていると、ストロークエンドの方向へのアシストトルクを低減できるので、ラックバーの跳ね返り自体が抑制されるようになる。
また、ストロークエンド側に設定された補正角(+Δθ)が、中立位置側に設定された補正角(-Δθ)より大きく決められていても良い。このようにストロークエンド側に設定された補正角(+Δθ)が大きく決められていると、ラックバーの跳ね返りが更に抑制されるようになる。これによって、跳ね返りによるハンドルの戻りを更に抑制できる。
以上に説明した実施形態では、操舵アクチュエータによって操舵部材にアシストトルクを与える電動パワーステアリング装置について説明した。ただこの技術は、ステアリングシャフトをラックバーから切り離し、ステアリングシャフトの回動角、回動方向、及び回動トルク等を検出し、これらの検出信号に基づいて電動モータの回転を制御してラックバーを直接駆動する、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤ方式の電動パワーステアリング装置に適用することも可能である。
本発明は、車両の操舵を行うステアリングホイールと、ステアリングホイールの回転に応じて操舵輪を操舵する操舵部材と、操舵部材に操舵力を付与する操舵アクチュエータとを備えた車両に用いられ、ステアリングホイールの操舵情報に基づいて操舵アクチュエータへ操舵力を与えるための駆動信号を出力するコントロール部を備える制御装置であって、コントロール部は、ステアリングホイールの回転角が所定の制御開始角に達すると、操舵部材がストロークエンドに達するまでは操舵力を低減し、操舵部材がストロークエンドに達して跳ね返ると操舵力を増加する駆動信号を操舵アクチュエータに出力する。
これによれば、突き当りによる衝撃音の発生、及び突き当り後の跳ね返りによるステアリングホイールの意図しない回転の発生を抑制することができ、ストロークエンド前後における操作感を向上させることができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
5…ラックバー、17…電動モータ、19…コントローラ、70…通常アシストトルク算出処理ブロック、71…トルク補正機能部、72…トルク補正ハンドル角算出処理ブロック、73…比例・積分制御処理ブロック、74…加算ブロック、75…差分算出部、76…比例制御部、77…積分制御部、78…加算部。
Claims (18)
- 車両の操舵を行うステアリングホイールと、前記ステアリングホイールの回転に応じて操舵輪を操舵する操舵部材と、前記操舵部材に操舵力を付与する操舵アクチュエータとを備えた車両に用いられ、
前記ステアリングホイールの操舵情報に基づいて前記操舵アクチュエータへ前記操舵力を与えるための駆動信号を出力するコントロール部を備える制御装置であって、
前記コントロール部は、前記ステアリングホイールの回転角が所定の制御開始角に達すると、前記操舵部材がストロークエンドに達するまでは前記操舵力を低減し、前記操舵部材が前記ストロークエンドに達して跳ね返ると前記操舵力を増大する駆動信号を前記操舵アクチュエータに出力する
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項1に記載の制御装置であって、
前記コントロール部は、通常操舵力を生成する通常操舵力生成部と、前記通常操舵力を補正する補正操舵力を生成する補正操舵力生成部とを有し、
前記補正操舵力生成部は、前記操舵部材が前記ストロークエンドに達するまでは前記通常操舵力を低減する負の前記補正操舵力を生成し、前記操舵部材が前記ストロークエンドに達して跳ね返ると前記通常操舵力を増大する正の前記補正操舵力を生成する
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項2に記載の制御装置であって、
前記通常操舵力生成部は、前記ステアリングホイールによって前記操舵部材に付与される手動操舵力とは別に、前記操舵部材に前記操舵アクチュエータによって前記通常操舵力を付与するものである
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項3に記載の制御装置であって、
前記補正操舵力生成部は、
実ハンドル角から所定の第1補正角を減算した第1トルク補正ハンドル角と、前記実ハンドル角に所定の第2補正角を加算した第2トルク補正ハンドル角とを求めるトルク補正ハンドル角算出部と、
前記トルク補正ハンドル角算出部で求められた前記第1トルク補正ハンドル角、或いは、前記第2トルク補正ハンドル角と前記実ハンドル角の角度差分を求め、前記角度差分を比例・積分制御して負の前記補正操舵力、或いは正の前記補正操舵力として求める比例・積分制御部とを有し、
前記比例・積分制御部で求められた前記補正操舵力で、前記通常操舵力生成部によって生成された前記通常操舵力を補正する
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項4に記載の制御装置であって、
前記トルク補正ハンドル角算出部は、所定の演算周期でトルク補正ハンドル角を求めるものであり、今回の前記演算周期においては、
前回の前記演算周期で求めたトルク補正ハンドル角が、前記第1トルク補正ハンドル角より小さいと前記第1トルク補正ハンドル角を出力し、
前回の前記演算周期で求めた前記トルク補正ハンドル角が、前記第2トルク補正ハンドル角より大きいと前記第2トルク補正ハンドル角を出力し、
前回の前記演算周期で求めた前記トルク補正ハンドル角が、前記第1トルク補正ハンドル角と前記第2トルク補正ハンドル角の間である場合は前回の前記演算周期で求めた前記トルク補正ハンドル角を出力する
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項4に記載の制御装置であって、
前記トルク補正ハンドル角算出部は、前記第1補正角に比べて前記第2補正角を大きく設定する
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項4に記載の制御装置であって、
前記トルク補正ハンドル角算出部は、前記第2補正角に比べて前記第1補正角を大きく設定する
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項1に記載の制御装置であって、
前記コントロール部は、前記ステアリングホイールの回転角の角速度によって前記制御開始角を変更する
ことを特徴とする制御装置。 - 車両の操舵を行うステアリングホイールと、前記ステアリングホイールの回転に応じて操舵輪を操舵する操舵部材と、前記操舵部材に操舵力を付与する操舵アクチュエータとを備えた車両に用いられ、前記ステアリングホイールの操舵情報に基づいて前記操舵アクチュエータへ前記操舵力を与える駆動信号を出力するコントロール部が実行する制御方法であって、
前記コントロール部は、前記ステアリングホイールの回転角が所定の制御開始角に達すると、
前記操舵部材がストロークエンドに達するまでは、前記操舵力を低減する駆動信号を前記操舵アクチュエータに出力するステップと、
前記操舵部材がストロークエンドに達して跳ね返ると、前記操舵力を増大する駆動信号を前記操舵アクチュエータに出力するステップと
を実行する制御方法。 - 車両の操舵を行うステアリングホイールと、前記ステアリングホイールの回転に応じて操舵輪を操舵する操舵部材と、前記操舵部材に操舵力を付与する操舵アクチュエータとを備えた車両に用いられ、前記ステアリングホイールの操舵情報に基づいて前記操舵アクチュエータへ前記操舵力を与える駆動信号を出力するコントロール部が実行する制御方法であって、
前記コントロール部は、前記ステアリングホイールの回転角が所定の制御開始角に達すると、
実ハンドル角から所定の第1補正角を減算した第1トルク補正ハンドル角と、前記実ハンドル角に所定の第2補正角を減算した第2トルク補正ハンドル角とを求めるステップと、
前記第1トルク補正ハンドル角、或いは、前記第2トルク補正ハンドル角と前記実ハンドル角の角度差分を求めるステップと、
前記角度差分を比例・積分制御して負の補正操舵力、或いは正の補正操舵力として求めるステップと、
前記比例・積分制御部で求められた前記補正操舵力で、前記操舵力を補正するステップと
を実行する制御方法。 - 車両に取り付けられたステアリングホイールの回転に応じて操舵輪を操舵する操舵部材と、
前記操舵部材に操舵力を付与する操舵アクチュエータと、
前記ステアリングホイールの操舵情報に基づいて前記操舵アクチュエータへ前記操舵力を与えるための駆動信号を出力するコントロール部を備え、前記コントロール部が、前記ステアリングホイールの回転角が所定の制御開始角に達すると、前記操舵部材がストロークエンドに達するまでは前記操舵力を低減し、前記操舵部材が前記ストロークエンドに達して跳ね返ると前記操舵力を増大する駆動信号を前記操舵アクチュエータに出力する制御装置と
を有する電動パワーステアリング装置。 - 請求項11に記載の電動パワーステアリング装置であって、
前記コントロール部は、
通常操舵力を生成する通常操舵力生成部と、前記通常操舵力を補正する補正操舵力を生成する補正操舵力生成部とを有し、
前記補正操舵力生成部は、前記操舵部材が前記ストロークエンドに達するまでは前記通常操舵力を低減する負の前記補正操舵力を生成し、前記操舵部材が前記ストロークエンドに達して跳ね返ると前記通常操舵力を増大する正の前記補正操舵力を生成する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項12に記載の電動パワーステアリング装置であって、
前記通常操舵力生成部は、前記ステアリングホイールによって前記操舵部材に付与される手動操舵力とは別に、前記操舵部材に前記操舵アクチュエータによって前記通常操舵力を付与するものである
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項13に記載の電動パワーステアリング装置であって、
前記補正操舵力生成部は、
実ハンドル角から所定の第1補正角を減算した第1トルク補正ハンドル角と、前記実ハンドル角に所定の第2補正角を加算した第2トルク補正ハンドル角とを求めるトルク補正ハンドル角算出部と、
前記トルク補正ハンドル角算出部で求められた前記第1トルク補正ハンドル角、或いは、前記第2トルク補正ハンドル角と前記実ハンドル角の角度差分を求め、前記角度差分を比例・積分制御して負の前記補正操舵力、或いは正の前記補正操舵力として求める比例・積分制御部とを有し、
前記比例・積分制御部で求められた前記補正操舵力で、前記通常操舵力生成部によって生成された前記通常操舵力を補正する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項14に記載の電動パワーステアリング装置であって、
前記トルク補正ハンドル角算出部は、所定の演算周期でトルク補正ハンドル角を求めるものであり、今回の前記演算周期においては、
前回の前記演算周期で求めたトルク補正ハンドル角が、前記第1トルク補正ハンドル角より小さいと前記第1トルク補正ハンドル角を出力し、
前回の前記演算周期で求めた前記トルク補正ハンドル角が、前記第2トルク補正ハンドル角より大きいと前記第2トルク補正ハンドル角を出力し、
前回の前記演算周期で求めた前記トルク補正ハンドル角が、前記第1トルク補正ハンドル角と前記第2トルク補正ハンドル角の間である場合は前回の前記演算周期で求めた前記トルク補正ハンドル角を出力する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項14に記載の電動パワーステアリング装置であって、
前記トルク補正ハンドル角算出部は、前記第1補正角に比べて前記第2補正角を大きく設定する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項14に記載の電動パワーステアリング装置であって、
前記トルク補正ハンドル角算出部は、前記第2補正角に比べて前記第1補正角を大きく設定する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項11に記載の電動パワーステアリング装置であって、
前記コントロール部は、前記ステアリングホイールの回転角の角速度によって前記制御開始角を変更する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (3)
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JP2021191836A JP2023078626A (ja) | 2021-11-26 | 2021-11-26 | 制御装置、及びこれの制御方法、電動パワーステアリング装置 |
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Family Applications (1)
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JP2021191836A Pending JP2023078626A (ja) | 2021-11-26 | 2021-11-26 | 制御装置、及びこれの制御方法、電動パワーステアリング装置 |
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- 2021-11-26 JP JP2021191836A patent/JP2023078626A/ja active Pending
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Also Published As
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