以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
(エレベータ制御システムの構成例)
図1は、実施形態にかかるエレベータ制御システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、エレベータ制御システム100は、制御盤10、及び行き先階呼び装置30を備える。エレベータ制御システム100が制御を行うエレベータは、乗りかご1、駆動装置2、カウンタウェイト3、及びロープ4等を備える。
乗りかご1は、図示しない昇降路内を昇降して、各階に設けられた乗り場で乗りかご1に乗車した利用者を他の階に輸送する。乗りかご1とカウンタウェイト3とはロープ4によって連結されている。ロープ4は駆動装置2に架け渡されている。駆動装置2は例えば巻上機等であり、駆動装置2が駆動することで乗りかご1を昇降路内で上下に走行させることができる。
制御盤10は、制御部11、通信部12、及び記憶部13を備え、エレベータ全体を制御する。制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、駆動装置2と有線または無線で接続されている。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、例えば乗りかご1内等に設置される行き先階呼び装置30と接続されている。制御盤10と行き先階呼び装置30とは有線または無線で接続されていてよい。また、制御盤10は、各種信号の授受が可能なように、乗り場に設置される図示しない乗り場呼び装置等と有線または無線で接続されている。
制御部11は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの呼び登録を行う。制御部11は、呼び登録の内容を記憶部13に格納してもよい。
ここで、行き先階呼びとは、乗りかご1内の利用者が、その乗りかご1を所望の行き先階へと向かわせるために行う操作である。また、乗り場呼びとは、乗り場の利用者が、上下いずれかの行き先方向に向かう乗りかご1をその乗り場に到着させるために行う操作である。
制御部11は、呼び登録の内容に応じて駆動装置2を駆動させ、乗りかご1を行き先階呼び、または乗り場呼びに応答させる。また、制御部11は、乗りかご1が所定階に到着すると乗りかご1及び乗り場の戸開及び戸閉等を行う。
通信部12は、乗りかご1内の利用者から行き先階呼びがあった場合、または、乗り場の利用者から乗り場呼びがあった場合等に、それらの情報を行き先階呼び装置30及び図示しない乗り場呼び装置等から取得する。また、通信部12は、制御部11からの各種命令等を乗りかご1等に送信する。
記憶部13は、制御盤10にエレベータの制御を実行させるための各種プログラムを記憶する。上述のように、記憶部13が、行き先階呼び登録及び乗り場呼び登録等を記憶していてもよい。
行き先階呼び装置30は、物体検知部31、センサ部311(311a,311b,311c・・・)、押下検知部32、押しボタン312(312a,312b,312c・・・)、生成部35、発光制御部33、表示灯313(313a,313b,313c・・・)、及び通信部34を備え、乗りかご1の利用者による行き先階呼びを受け付ける。行き先階呼び装置30のうち、少なくともセンサ部311、押しボタン312、及び表示灯313は乗りかご1内に設けられている。行き先階呼び装置30の全体が乗りかご1内に設けられていてもよい。
センサ部311(311a,311b,311c・・・)は、乗りかご1の複数の行き先階(行き先対象)にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼び(呼び登録)を行おうとする利用者が、対応するセンサ部311に手指等をかざすと、センサ部311は利用者の手指等の物体を検知する。
押しボタン312(312a,312b,312c・・・)は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。押しボタン312は、所定の行き先階呼び(呼び登録)を行おうとする利用者が、対応する押しボタン312を押下することが可能に構成されている。
発光部としての表示灯313(313a,313b,313c・・・)は、乗りかご1の複数の行き先階にそれぞれ対応して乗りかご1内に設けられている。所定の行き先階呼びを行おうとする利用者が、対応するセンサ部311に手指等をかざし、または、対応する押しボタン312を押下すると、その行き先階に対応する表示灯313が所定の態様で発光する。
物体検知部31は、計時部31aと、制御部31bとを備える。計時部31aは、いずれかのセンサ部311が利用者の手指等の物体を検知すると、物体の検知時間のカウントを開始する。計時部31aは、そのセンサ部311が物体を検知し続けている間は、検知時間が所定時間に達するまで検知時間のカウントを継続する。計時部31aは、検知時間が所定時間に達する前に、そのセンサ部311が物体を検知しなくなった場合にも、物体の検知時間のカウントを終了する。
計時部31aは、いずれかのセンサ部311が物体を検知した後に、そのセンサ部311が物体を検知しない状態、すなわち、非検知状態になると、そのセンサ部311が物体を検知しなくなってからの非検知時間の計時(カウント)を開始する。そして、計時部31aは、第1時間に達するまで計時を継続し、第1時間に達したら、計時を終了する。第1時間としては、任意に設定することができる。例えば、第1時間を100msとすることができるが、これに限定されるものではない。また、第1時間を装置ごとに設定変更可能なパラメータデータとして構成し、装置ごとに調整するように構成してもよい。
第1制御部としての制御部31bは、いずれかのセンサ部311が利用者の手指等の物体を検知すると、計時部31aがカウント(計時)した結果に基づいて行き先階呼びがあったか否かを判定する。具体的には、制御部31bは、いずれかのセンサ部311について計時部31aがカウントした検知時間が所定時間に達する前に、計時部31aが検知時間のカウントを終了した場合には、そのセンサ部311に対応する行き先階への呼びはなかったものと判定する。また、制御部31bは、いずれかのセンサ部311について計時部31aがカウントした検知時間が所定時間に達した場合に、他のセンサ部311が物体を検知しなければ、物体を検知したセンサ部311に対応する行き先階への呼びがあったものと判定する。
さらに、制御部31bは、第1接点信号としてのセンサ接点信号を制御する。ここで、センサ接点信号は、センサ部311に対する操作による検知に基づく信号である。具体的には、本実施形態のセンサ接点信号は、センサ部311の検知に同期するとともに、センサ部311の非検知を第1時間だけ検知と擬制するための信号である。すなわち、センサ部311により操作が検知された場合にオンとなり、センサ部311により非検知となった場合には、直ちにオフとはならず、後述するように第1時間の経過後にオフとなる。センサ接点信号がオンとなってから、検知状態のまま所定時間経過したら、行き先階呼び登録が行われる。
制御部31bは、センサ部311により操作が検知された場合に、センサ接点信号をオンとし、センサ部311により検知から非検知に変化した場合に、非検知となった時点から第1時間の経過まで、センサ接点信号のオンを維持する。
より具体的には、制御部31bは、利用者がいずれかのセンサ部311や押しボタン312に対する操作を行うために行き先階表示部310に近づく場合において、センサ部311により操作が検知された場合に、センサ接点信号をオンとする。制御部31bは、センサ部311が検知状態から非検知状態に変化した場合に、非検知状態となった時点から第1時間の経過まで、検知範囲(図4参照)での検知の有無にかかわらずセンサ接点信号のオンを維持する。利用者がセンサ部311や押しボタン312に対する操作を止めて行き先階表示部310から離れる場合において、センサ部311により操作が検知された場合に、センサ接点信号をオンとし、センサ部311が検知状態から非検知状態に変化した場合に、非検知となった時点から第1時間経過まで、検知範囲での検知の有無にかかわらずセンサ接点信号のオンを維持する。なお、制御部31bは、センサ接点信号を、一定時間ごと、あるいはオンオフが変化するごとに、生成部35に送出する。また、制御部31bは、センサ接点信号がオンとなった場合には、表示灯313の暗点灯指示を、発光制御部33に送出する。さらに、制御部31bは、行き先階呼び登録が行われたと判定した場合には、表示灯313の明点灯指示を発光制御部33に送出する。
押下検知部32は、計時部32aと、制御部32bとを備える。計時部32aは、いずれかの押しボタン312が利用者によって押下されると、押しボタン312の押下時間のカウントを開始する。計時部32aは、その押しボタン312が押下され続けている間は、押下時間が所定時間に達するまで押下時間のカウントを継続する。計時部32aは、押下時間が所定時間に達する前に、その押しボタン312が押下されなくなった場合にも、押しボタン312の押下時間のカウントを終了する。
計時部32aは、いずれかの押しボタン312が押下された後に、その押しボタン312の押下が解除されると、すなわち、利用者の手指等が押しボタン312から離れると、その押しボタン312の押下が解除されてからの第2時間の計時(カウント)を開始する。そして、計時部32aは、第2時間に達するまで計時を継続し、第2時間に達すると計時を終了する。
ここで、第2時間は任意に設定することができる。例えば、第1時間を100msとすることができるが、これに限定されるものではない。また、第2時間と第1時間と同一時間に設定しても、異なる時間に設定してもいずれでもよい。さらに、第2時間を装置ごとに設定変更可能なパラメータデータとして構成し、装置ごとに調整するように構成してもよい。
第2制御部としての制御部32bは、いずれかの押しボタン312が利用者によって押下されると、計時部32aがカウントした結果に基づいて行き先階呼びがあったか否かを判定する。具体的には、制御部32bは、いずれかの押しボタン312について計時部32aがカウントした押下時間が所定時間に達する前に、計時部32aが押下時間のカウントを終了した場合には、その押しボタン312に対応する行き先階への呼びはなかったものと判定する。
制御部32bは、いずれかの押しボタン312について計時部32aがカウントした押下時間が所定時間に達した後に、他の押しボタン312が押下されなければ、押下された押しボタン312に対応する行き先階への呼びがあったものと判定する。ただし、既にセンサ部311の検知から所定時間経過することで行き先階への呼び登録が行われている場合には、制御部32bは、押しボタン312の押下により新たな行き先階への呼び登録は行わない。
さらに、制御部32bは、第2接点信号としての押しボタン接点信号を制御する。ここで、押しボタン接点信号は、押しボタン312に対する操作による検知に基づく信号である。具体的には、本実施形態の押しボタン接点信号は、押しボタン312の押下に同期するとともに、押しボタン312の押下解除を第2時間だけ押下と擬制するための信号である。すなわち、押しボタン接点信号は、押しボタン312が押下された場合にオンとなり、押しボタン接点信号がオンとなってから押下の状態で所定時間が経過したら、行き先階への呼び登録が行われる。ただし、既にセンサ部311の検知から所定時間経過すること等で行き先階への呼び登録が行われている場合には新たに行き先階への呼び登録は行われない。また、押しボタン接点信号は、押しボタン312の押下解除がされた場合には、直ちにオフとはならず、後述するように第2時間の経過後にオフとなる。
制御部32bは、押しボタン312の押下が検知された場合に、押しボタン接点信号をオンとする。制御部32bは、押しボタン312の押下から押下が検知されなくなった場合、すなわち、利用者の手指等が押しボタン312から離れて押下が解除された場合に、押下が検知されなくなった時点から、第2時間の経過まで、押しボタン接点信号のオンを維持する。なお、制御部32bは、押しボタン接点信号を、一定時間ごと、またはオンオフが変化するごとに、生成部35に送出する。また、制御部32bは、押しボタン接点信号がオンとなった場合には、表示灯313の暗点灯指示を、発光制御部33に送出する。さらに、制御部32bは、行き先階へ呼びがあったと判定した場合には、表示灯313の明点灯指示を発光制御部33に送出する。ただし、センサ部311の検知から所定時間経過することで行き先階への呼び登録が既に行われている場合には、制御部32bは、暗点灯指示及び明点灯指示は送出しない。
生成部35は、制御部31bからセンサ接点信号を入力し、制御部32bから押しボタン接点信号を入力する、そして、生成部35は、センサ接点信号と押しボタン接点信号とから入力信号としてのセンサ/押しボタン入力信号を生成する。具体的には、生成部35は、センサ接点信号と押しボタン接点信号との論理和(OR)を演算することによって、センサ/押しボタン入力信号を生成する。このため、センサ接点信号、押しボタン接点信号いずれかがオンであれば、センサ/押しボタン入力信号はオンとなる。
ここで、上述したとおり、センサ部311が非検知になっても第1時間の間は、センサ接点信号はオンを維持し、押しボタン312が押下解除になっても第2時間の間は、押しボタン接点信号はオンを維持する。従って、センサ/押しボタン入力信号は、センサ部311が非検知になっても、押しボタン312が押下解除になっても、直ちにオフにならず、第1時間、もしくは第2時間の間はオンを維持することになる。生成部35は、生成したセンサ/押しボタン入力信号を、発光制御部33に送出する。
発光制御部33は、生成部35からセンサ/押しボタン入力信号を入力し、センサ/押しボタン入力信号のオンオフに従って表示灯313を点灯させる。すなわち、発光制御部33は、らセンサ/押しボタン入力信号がオンの場合には、操作が行われた行き先階に対応する表示灯313を発光させ、センサ/押しボタン入力信号がオフの場合には当該表示灯313を消灯させる。
ここで、発光させる態様としては、暗点灯と明点灯がある。発光制御部33は、制御部31bからの暗点灯指示を入力した場合に、表示灯313を暗点灯させ、制御部31b、32bからの明点灯指示を入力した場合に、表示灯313を明点灯させる。ここで、表示灯313の明点灯は、押しボタン312の押下、及びセンサ部311の検知から所定時間経過したことによる呼び登録の入力を、行き先階呼び装置30が検知した結果に対する応答の点灯を意味する。
具体的には、発光制御部33は、センサ/押しボタン接点信号がオンで、暗点灯指示が入力された場合に、操作が行われた行き先階に対応する表示灯313を暗点灯させる。また、発光制御部33は、その後、明点灯指示が入力された場合には、表示灯313を明点灯させる。また、発光制御部33は、センサ/押しボタン接点信号がオンで、暗点灯指示入力された場合には、操作が行われた行き先階に対応する表示灯313を暗点灯させる。また、発光制御部33は、その後、制御部32bから明点灯指示が入力された場合には、表示灯313を明点灯させる。あるいは、発光制御部33は、センサ/押しボタン接点信号がオンで、明点灯指示が入力された場合には、操作が行われた行き先階に対応する表示灯313を明点灯させる。言い換えれば、センサ部311での検知、押しボタン312の押下という操作があった段階で表示灯313が暗点灯し、行き先階への呼び登録があった場合に、表示灯313が明点灯する。
なお、発光の態様として、暗点灯、明点灯は一例であり、これらに限定されるものではない。例えば、点滅等の発光態様を採用することも可能である。
センサ/押しボタン接点信号がオフである場合には、発光制御部33は、表示灯313を消灯する。
通信部34は、物体検知部31または押下検知部32が、所定の行き先階への呼びがあったものと判定した場合には、その行き先階呼びの情報を制御盤10に送信する。
なお、行き先階呼び装置30は、乗りかご1の複数の行き先階に対応する押しボタン312の他に、例えば乗りかご1の戸開及び戸閉を行う押しボタン等を備えていてもよい。この場合、上述の押下検知部32は、これらの他の押しボタンの押下を検知し、通信部34を介して制御盤10等に検知結果を通知してもよい。
また、行き先階呼び装置30は、乗りかご1の複数の行き先階に対応する表示灯313の他に、例えば乗りかご1の戸開及び戸閉等に対応する表示灯等を備えていてもよい。この場合、上述の発光制御部33は、押下検知部32の検知結果等に基づいて、これらの表示灯を種々の態様で発光させてもよい。
また、行き先階呼び装置30は、上記以外にも、乗りかご1の利用者の操作に供する種々の構成を備えることができる。
次に、実施形態にかかるエレベータ制御システム100の物理構成について説明する。制御盤10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び記憶装置等を備えるコンピュータとして構成されている。
ROMには、例えば制御プログラム及び呼び登録プログラム等のエレベータの制御に関わる各種プログラムが格納されている。ROMに格納されたこれらのプログラムが読み出されてRAMに展開され、それらのプログラムをCPU101が実行することにより、制御盤10のエレベータ制御システムとしての機能が実現される。
この呼び登録プログラムがCPUにより実行されることで、上述の制御部11、通信部12、及び記憶部13等が実現される。
行き先階呼び装置30は、CPU、ROM、及びRAM等を備えるコンピュータとして構成されている。行き先階呼び装置30はまた、上述のようにセンサ部311(311a,311b,311c・・・)、押しボタン312(312a,312b,312c・・・)、及び表示灯313(313a,313b,313c・・・)を備えている。
ROMには、例えば行き先階呼びプログラム等の行き先階呼びの受け付けに関わるプログラムや、センサ接点信号及び押しボタン接点信号の制御、センサ/押しボタン入力信号の生成、表示灯313の発光制御に関わる信号制御プログラム等の各種プログラムが格納されている。ROMに格納された行き先階呼びプログラム、信号制御プログラムが読み出されてRAMに展開され、CPUによって実行されることにより、行き先階呼び装置30の物体検知部31、押下検知部32、生成部35、発光制御部33、及び通信部34等が実現される。
ここで、呼び登録プログラム、行き先階呼びプログラム及び信号制御プログラム等は、コンピュータで実行可能な、エレベータの制御に関する複数の命令を含むコンピュータ読み取り可能かつ非遷移的な記録媒体(Non-transitory Computer Readable Recording Medium)を有するコンピュータプログラムプロダクトである。呼び登録プログラム、行き先階呼びプログラム及び信号制御プログラム等は、例えばモジュール構成となっており、これらのモジュールが主記憶装置上にロードされる。
呼び登録プログラム、行き先階呼びプログラム及び信号制御プログラム等は、例えばコンピュータでの読み取りが可能なように記録媒体等に格納されて提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、またはフラッシュメモリ等である。ただし、呼び登録プログラム、行き先階呼びプログラム及び信号制御プログラム等は、ネットワークに置かれたサーバ等により配信され、または、ダウンロード可能なように構成されることで、他の様々な手法により提供されてもよい。
なお、主に、制御盤10によって実行される呼び登録プログラムと、行き先階呼び装置30によって実行される行き先階呼びプログラム及び信号制御プログラムとによって、エレベータ制御システム100によって実行されるエレベータ制御プログラムが構成される。
(操作盤の構成例)
次に、図2を用いて、実施形態の操作盤318の構成例について説明する。図2は、実施形態にかかる乗りかご1内の操作盤318の構成の一例を示す模式図である。
行き先階呼び装置30は、例えば乗りかご1内に設置された操作盤318を備える。操作盤318の設置位置は、例えば乗りかご1内の扉右横、つまり、利用者が乗りかご1に乗り込んだ状況で乗り場側に向かって、右側袖壁部分である。操作盤318が、乗りかご1の左側袖壁部分、または、側板部分等の他の部分に設置されていてもよい。
操作盤318は、例えば行き先階表示部310(310a~310e)、センサ部311(311a~311e)、押しボタン312(312a~312e),315(315e,315c)、表示灯313(313a~313e),316(316e,316c)、開閉表示部314(314e,314c)、表示装置317、説明表示部320、及び点字表示部330(330a~330e)を備える。
行き先階表示部310は、例えば乗りかご1の行き先階の数字が示された文字盤等であり、乗りかご1の行き先階に対応して操作盤318に複数配置されている。図2の例では、乗りかご1の行き先階である1階~5階にそれぞれ対応して、5つの行き先階表示部310a~310eが縦方向に配置されている。
押しボタン312は、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310と一体的に操作盤318に複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン312のそれぞれのおもて面には、対応する行き先階表示部310である文字盤等がはめ込まれている。押しボタン312は、利用者による所定の行き先階表示部310a~310eに対する呼び登録のための操作を押下により行うことが可能である。乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応する押しボタン312を押下すると、上述の押下検知部32(図1参照)が、対応する行き先階表示部310への操作として押しボタン312の押下を検知する。押しボタン312は、押しボタン312に連接されたスイッチ等とともに、押しボタン装置を構成する。押しボタン312は、ボタントップとも称される。
図3は、実施形態にかかる押しボタン及び点字表示部の正面図である。図4は、実施形態にかかるセンサ部と押しボタンを側面から見た構成とセンサ部の検知範囲を示す模式図である。図3及び図4に示すように、押しボタン312は、正方形の板状に構成されている。押しボタン312は、例えばアクリル板等によって構成され、透光性を有する。押しボタン312は、正方形のおもて面3121と、おもて面3121の反対側の正方形の裏面3122とを有する。おもて面3121には、行き先対象が数字3123で表示されている。数字3123は、第1方向D1から見ておもて面3121の略中央C2に表示されている。また、押しボタン312には、マーク3124が設けられている。マーク3124は、例えばヒストグラムである。マーク3124は、例えば、押しボタン312の裏面3122の隅部にシルク印刷等によって設けられ、おもて面3121側から利用者による視認が可能である。マーク3124は、複数(一例として3本)の線3124a~3124cを有する。複数の線3124a~3124cは、第1方向D1から見ておもて面3121の中央C2から離れる方向に互いに間隔をあけて並ぶ。複数の線3124a~3124cは、内側がおもて面3121の中央C2に向く円弧状である。すなわち、複数の線3124a~3124cは、おもて面3121の中央側が内側となる円弧状である。換言すると、複数の線3124a~3124cは、おもて面3121の中央から離れる方向に凸の曲線である。複数の線3124a~3124cは、おもて面3121の中央C2に近い程、長さが短い。第1方向D1から見て複数の線3124a~3124cのうち最もおもて面3121の中央C2側に位置する線3124aの内側に検知範囲401の中央C1が位置する。マーク3124は、第1方向D1から見て検知範囲401の外側に位置する。すなわち、マーク3124は、押しボタン312のおもて面3121と直交する方向である第1方向D1でセンサ部311の検知範囲401と並ばない位置に設けられている。マーク3124は、おもて面3121の中央C2とおもて面3121の外縁3126とのうち外縁3126寄りに位置する。マーク3124は、その形状によって、呼び登録が非接触で可能である旨と、第1方向D1から見て複数の線3124a~3124cのうち最もおもて面3121の中央C2側の線3124aの内側に検知範囲401の中央C1が有る旨と、を利用者に視覚的に示す。なお、マーク3124の線は、上記以外の本数であってもよい。
図2に戻って、センサ部311は、非接触式のセンサであり、複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310近傍の操作盤318に複数配置されている。図2の例では、縦方向に並ぶ行き先階表示部310a~310e(押しボタン312)の裏側に、それぞれ対応する5つのセンサ部311a~311eが配置されている。センサ部311は、利用者による所定の行き先階表示部310a~310eに対する呼び登録のための操作を非接触で検知する。乗りかご1の利用者が、所望の行き先階への呼びを行うために、対応するセンサ部311に手指等をかざすと、そのセンサ部311が、対応する行き先階表示部310への操作として利用者の手指等を検知する。
センサ部311は、例えば非接触式の反射型光電センサ等として構成されている。反射型光電センサは、赤外線をセンサの外側へ向けて投光し、その光が当たった物体からの反射光を受光することで、非接触に物体を検知する。ただし、センサ部311は、非接触で物体を検知することができればよく、例えば静電容量型センサ等の他の型式のセンサとして構成されていてもよい。静電容量型センサは、センサの周囲に電界を発生させ、電界内に進入した物体によって静電容量が変化することにより非接触に物体を検知する。
ここで、本実施形態では、センサ部311と押しボタン312は一体化されている。図4は、実施形態にかかるセンサ部311と押しボタン312を側面から見た構成とセンサ部311の検知範囲を示す模式図である。具体的には、図4に示すように、押しボタン312の裏面3122側にセンサ部311が装着されている。
センサ部311は、図4に示すように、押しボタン312のおもて面3121から所定距離だけ離れた検知範囲401を有している。センサ部311は、図4に示すように、センサ部311と押しボタン312のおもて面3121(すなわち行き先階表示部310のおもて面3121)から第1距離だけ離間した位置までの第1空間領域405では利用者の操作を検知しない。検知範囲401は、第2空間領域に相当し、押しボタン312のおもて面3121から第1距離から離間した位置から第2距離だけ離間した位置までの空間領域であり、この空間領域で利用者の操作を検知する。第1距離は、例えば、押しボタン312のおもて面3121から5mm程度であり、第2距離は、例えば、押しボタン312のおもて面3121から25mm程度とすることができる。ただし、第1距離、第2距離についてはこれに限定されるものではない。検知範囲401は、図4に示すように、押しボタン312のおもて面3121から離れるに従って狭まる山型である。検知範囲401は、全体が押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。検知範囲401は、押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。図3に示すように、検知範囲401は、おもて面3121と直交する第1方向D1から見て押しボタン312のおもて面3121内に収まり、かつ、その中央C1がおもて面3121の略中央C2と重なるように設定されている。一例として、検知範囲401の中央C1とおもて面3121の中央C2とは、第1方向D1から見て一致する。このように、検知範囲401の全体が押しボタン312のおもて面3121と対向する位置に設定されている。
図5は、実施形態にかかるセンサ部を説明するための説明図である。図5に示すように、センサ部311は、詳細には、光を投光(出射)する投光部3111と、対象物で反射した光(反射光)を受光する受光部3112と、を有する。図5中の線L1は、投光部3111と受光部3112との間の中心を通り第1方向D1に平行な線である。図5中の線L2は、検知範囲401のうちセンサ部311から最も遠い部分を通り線L1と直交する線である。図5中の線L3は、検知範囲401のうちセンサ部311に最も近い部分を通り線L1と直交する線である。投光部3111から投光された光の検知対象L4への入射角度θ1は、角度α1~角度β1の間であり、受光部3112に入射される光の検知対象L4での反射角度θ2は、角度α2~角度β2の間である。
利用者は、行き先階登録をする際には、自分の手指403等を押しボタン312へ向けて前進させ、この際に、センサ部311の検知範囲401に指先が入ってセンサ部311が検知状態となり、指先が検知範囲401から抜けて第1空間領域に入ると、センサ部311は非検知状態となる。利用者は、さらに手指403を前進させて、押しボタン312を押下する。
また、図3に示すように、検知範囲401の中央C1(第1方向D1と直交する上下方向および左右方向の中央)は、第1方向D1でおもて面3121の中央C2と並ぶ、すなわち一致する。また、検知範囲401の中央C1は、第1方向D1で数字3123の中央C3と並ぶ、すなわち一致する。すなわち、検知範囲401の中央C1と、おもて面3121の中央C2と、数字3123の中央C3とは、第1方向D1から見た場合に一致する。
説明表示部320は、行き先階表示部310の上側に配置されている。ここで、図6は、説明表示部320の正面図である。図6に示すように、説明表示部320は、非接触での呼び登録の方法を表示している。別の言い方をすると、説明表示部320は、センサ部311に手指等をかざす操作を促す表示である。説明表示部320は、説明文章320aと、ヒストグラム320bと、を有する。説明文章320aは、一例として「ボタンに指を近づけると、行先階を登録できます。」である。説明表示部320は、銘板やシール等で構成されうる。
図2に戻って、点字表示部330(330a~330e)は、例えば点字が付された銘板等であって、複数の行き先階表示部310すなわち押しボタン312にそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310すなわち押しボタン312の横に設けられている。なお、点字表示部330は、例えば行き先階表示部310が横に並ぶ構成の場合には、図3に一点鎖線で示すように、押しボタン312の上側に設けられてもよい。
銘板に付される点字としては、例えば行き先階を示す点字、行き先階表示部310に対応して操作盤338にセンサ部311が装備されていることを示す点字、及びセンサ部311に手指をかざす等のセンサ部311を用いた操作を促す点字等の少なくともいずれかであってよい。図2の例では、縦方向に並ぶ行き先階表示部310a~310eの右横に、それぞれ対応する行き先階を点字で表示した点字表示部330a~330eが配置されている。
表示灯313は、上述のように複数の態様で発光することが可能に構成され、複数の行き先階表示部310にそれぞれ対応して、対応する行き先階表示部310と一体的に操作盤318に複数内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン312のそれぞれの背面に、それぞれ表示灯313が埋め込まれている。上述の物体検知部31からのセンサ接点信号に基づいて、及び押下検知部32からの押しボタン接点信号に基づいて、対応する表示灯313が点灯すると、押しボタン312及び行き先階表示部310を透過した表示灯313の光が利用者に目視される。
開閉表示部314は、例えば乗りかご1の扉の開閉を表示する表示盤等であり、乗りかご1の戸開を表示する開閉表示部314e、及び乗りかご1の戸閉を表示する開閉表示部314cを含む。図2の例では、開閉表示部314e,314cが左右に並んで操作盤318に配置されている。
押しボタン315は、利用者が手指等で押下することが可能に構成され、開閉表示部314e,314cにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314と一体的に操作盤318に複数配置されている。すなわち、例えば押しボタン315e,315cのそれぞれの前面には、対応する開閉表示部314e,314cである表示盤等がはめ込まれている。乗りかご1の利用者が、乗りかご1の扉の開閉を行うために、対応する押しボタン315を押下すると、上述の押下検知部32(図1参照)が、対応する開閉表示部314への操作として押しボタン315の押下を検知する。
表示灯316は、所定の態様で発光することが可能に構成され、開閉表示部314e,314cにそれぞれ対応して、対応する開閉表示部314と一体的に操作盤318に内蔵されている。すなわち、例えば押しボタン315e,315cのそれぞれの背面に、それぞれ表示灯316e,316cが埋め込まれている。例えば上述の押下検知部32(図1参照)の検知結果に基づいて、上述の発光制御部33(図1参照)が対応するいずれかの表示灯316e,316cを点灯させると、押しボタン315及び開閉表示部314を透過した表示灯316の光が利用者に目視される。これにより、利用者は、自身の操作がどちらの開閉表示部314e,314cに対する操作と認識されたかを知ることができる。
表示装置317は、例えば液晶パネル等として構成され、乗りかご1が、どの階付近をどちらの向きに走行中であるかを表示する。図2の例では、上向き矢印と「3」の文字が表示されている。このことから、乗りかご1は3階付近を上方へ向かって走行中であることが判る。
なお、操作盤318の構成及び各種構成の配置は図2の例に限られない。
図2の例では、複数の行き先階表示部310と、これらに対応するセンサ部311とがセットで縦1列に配置されることとしたが、行き先階表示部310とセンサ部311とがセットで複数列に配置されていてもよい。つまり、例えば1階~5階に対応する行き先階表示部310とセンサ部311とのセットが縦1列に配置された右隣等に、例えば6階~10階に対応する行き先階表示部310とセンサ部311とのセットを更に縦1列に配置することができる。
また、複数の行き先階表示部310と、これらに対応するセンサ部311とがセットで横1列または複数列に配置されていてもよい。
また、センサ部311の近傍に、センサ部311の存在を示す表示またはセンサ部311に手指等をかざす操作を促す表示等を配置してもよい。これらの表示は、例えばセンサ部311の近傍に所望の表示が記されたシール等を貼付することで配置することができる。
また、操作盤318は、乗りかご1の開閉も非接触で行うことができるよう、開閉表示部314e,314cにそれぞれ対応するセンサ部を備えていてもよい。
その他、操作盤318は、利用者の操作に供する種々の押しボタン及びセンサ等を備えることができ、また、利用者に種々の情報を提示する表示灯等を備えることができる。
(エレベータ制御システムの処理例)
次に、図7,図8を用いて、実施形態のエレベータ制御システム100のエレベータ制御処理の例について説明する。以下、行き先階呼び装置30の処理例を中心に、エレベータ制御システム100の処理例について説明する。
まず、物体検知部31による検知処理について説明する。図7は、実施形態にかかるエレベータ制御システム100の物体検知部31による検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、行き先階呼び装置30の物体検知部31は、いずれかのセンサ部311が、対応する行き先階表示部310への操作を検知したか否かを判定する(S501)。いずれのセンサ部311も非検知状態であった場合には(S501:No)、物体検知部31はいずれかのセンサ部311が検知状態となるまで待機する。
所定のセンサ部311が、ある行き先階を表示する行き先階表示部310への操作を検知した場合には(S501:Yes)、制御部31bはセンサ接点信号をオンとする(S502)。すなわち、制御部31bは、センサ部311により操作が検知された場合に、呼び登録の仮登録をする。そして、制御部31bは、既にセンサ部311により検知された後または押しボタン312が押下された後、所定時間経過して、行き先階の呼び登録がされているか否かを判断する(S503)。制御部31bは、例えば、通信部34に呼び登録がセンサ部311や押しボタン312から入力されているか否かを問い合わせることにより判定することができる。
行き先階の呼び登録がされていない場合には(S503:No)、制御部31bは、暗点灯指示を行う(S504)。なお、制御部31bは、このセンサ接点信号のオンを生成部35に送出し、暗点灯指示を発光制御部33に送出する。
次に、制御部31bは、検知から所定時間経過したか否かを判断する(S505)。所定時間が経過した場合には(S505:Yes)、制御部31bは、行き先階呼び登録を行う(S506)。すなわち、制御部31bは、センサ部311による操作の検知開始から一定時間経過後にセンサ部311による操作が非検知となった場合に、呼び登録をする。すなわち、制御部31bは、センサ部311による操作の検知が一定時間の間継続した場合に、呼び登録をする。別の言い方をすると、制御部31bは、仮登録状態の呼び登録を本登録する。そして、制御部31bは、発光制御部33に明点灯指示を行う(S507)。
S503で既に行き先階の呼び登録がおこわなれている場合(S503:Yes)あるいは、S505でセンサ部311による検知から所定時間経過していない場合には、センサ部311が非検知状態となったか否かを判定し(S508b)、非検知状態となっていない場合には(S508b:No)、S505へ戻り、制御部31bは所定時間経過を待機する。
センサ部311が非検知状態となった場合には(S508b:Yes)、計時部31aは計時を開始する(S509)。そして、制御部31bは、計時開始から第1時間が経過したか否かを判断する(S510)。第1時間が経過していない場合には(S510:No)、制御部31bはそのまま待機する。
第1時間が経過した場合には(S510:Yes)、計時部31aは計時を終了する(S511)。そして、制御部31bは、センサ接点信号をオフにする(S512)。すなわち、制御部31bは、センサ部311による操作の検知開始から一定時間経過前にセンサ部311による操作が非検知となった場合に、仮登録を解除する。換言すると、制御部31bは、センサ部311による操作の検知が一定時間の間継続しない場合に、仮登録を解除する。
上記のようなS501からS512までの処理は繰り返し実行される。すなわち、利用者がセンサ部311に向けて手指を前進させて近づけていく場合、利用者がセンサ部311から手指を離して後退させていく場合のいずれにおいても、S501からS512までの処理が繰り返し実行される。
以上から分かるとおり、本実施形態のエレベータ制御システム100で実行されるエレベータ制御方法は、センサ部311により操作が検知された場合に、仮登録をするステップを含む。また、エレベータ制御方法は、センサ部311による操作の検知開始から一定時間経過後にセンサ部311による操作が非検知となった場合に、呼び登録をするステップを含む。また、エレベータ制御方法は、センサ部311による操作の検知開始から一定時間経過前にセンサ部311による操作が非検知となった場合に、仮登録を解除するステップを含む。
次に、押下検知部32による検知処理について説明する。図8は、実施形態にかかるエレベータ制御システム100の押下検知部32による検知処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、行き先階呼び装置30の押下検知部32は、いずれかの押しボタン312が押下されて、対応する行き先階表示部310への操作を検知したか否かを判定する(S601)。いずれの押しボタン312も押下されない状態であった場合には(S601:No)、押下検知部32はいずれかの押しボタン312が押下されるまで待機する。
所定の押しボタン312が押下された場合、すなわち、ある行き先階を表示する行き先階表示部310への押しボタン312の押下が検知された場合には(S601:Yes)、制御部32bは押しボタン接点信号をオンとする(S602)。そして、制御部32bは、既にセンサ部311により検知された後、所定時間経過して、行き先階の呼び登録がされているか否かを判断する(S603)。制御部32bは、例えば、通信部34に呼び登録がセンサ部311から入力されているか否かを問い合わせることにより判定することができる。
行き先階の呼び登録がされていない場合には(S603:No)、制御部32bは、暗点灯指示を行う(S604)。なお、制御部32bは、押しボタン接点信号のオンと暗点灯指示を発光制御部33に送出する。
次に、制御部32bは、押しボタン312の押下検知から所定時間経過したか否かを判断する(S605)。所定時間が経過した場合には(S605:Yes)、制御部32bは、行き先階呼び登録を行う(S606)。そして、制御部32bは、発光制御部33に明点灯指示を行う(S607)。
S603で既に行き先階の呼び登録がおこわなれている場合(S603:Yes)あるいは、S605で、押しボタン312の押下から所定時間経過していない場合には(S605:No)、押しボタン312の押下が解除されたか否かを判定し(S608b)、押下解除となっていない場合には(S608b:No)、S605へ戻り、制御部32bは所定時間経過を待機する。
押しボタン312が押下解除された場合には(S608b:Yes)、計時部32aは計時を開始する(S609)。そして、制御部32bは、計時開始から第2時間が経過したか否かを判断する(S610)。第2時間が経過していない場合には(S610:No)、制御部32bはそのまま待機する。
第2時間が経過した場合には(S610:Yes)、計時部32aは計時を終了する(S611)。そして、制御部31bは、押しボタン接点信号をオフにする(S612)。
上記のようなS601からS612までの処理は、図7の物体検知処理とは独立に繰り返し実行される。すなわち、利用者が押しボタン312に向けて手指を前進させて近づけていく場合、利用者が押しボタン312の押下を解除して手指を離して後退させていく場合のいずれにおいても、S601からS612までの処理が繰り返し実行される。
以上のように、本実施形態では、操作盤318は、複数の押しボタン312と、複数のセンサ部311と、複数のマーク3124と、を備える。複数の押しボタン312は、昇降路を移動する乗りかご1の行き先対象をそれぞれ表示する複数の行き先階表示部310a~310e(行き先階表示部)にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の行き先階表示部310a~310eに対する呼び登録のための操作を押下により行うことが可能である。複数のセンサ部311は、複数の行き先階表示部310a~310eにそれぞれ対応して押しボタン312と一体化されて設けられ、利用者による所定の行き先階表示部310a~310eに対する呼び登録のための操作を非接触で検知し、当該操作の検知範囲401がおもて面3121と直交する第1方向D1から見ておもて面3121内に収まりかつ当該検知範囲401の中央がおもて面3121の略中央C2と重なるように設定されている。行き先対象は、第1方向D1から見ておもて面3121の略中央C2に数字で表示されている。複数のマーク3124は、複数の線3124a~3124cを有し、複数の押しボタン312のそれぞれに設けられている。複数の線3124a~3124cは、おもて面3121の中央C2とおもて面3121の外縁3126とのうち外縁3126寄りに位置し、第1方向D1から見ておもて面3121の中央C2から離れる方向に互いに間隔をあけて並び、内側がおもて面3121の中央に向く円弧状に形成されている。複数の線3124a~3124cは、おもて面3121の中央C2に近い程、長さが短い。マーク3124は、複数の線3124a~3124cにより、呼び登録が非接触で可能である旨と、第1方向D1から見て複数の線3124a~3124cのうち最もおもて面3121の中央C2側の線3124aの内側に検知範囲401の中央C1が有る旨と、を利用者に視覚的に示す。
このような構成によれば、マーク3124が、複数の線3124a~3124cにより、呼び登録が非接触で可能である旨を示しているので、呼び登録が非接触で可能であることを利用者に容易に認識させることができる。
また、複数の線3124a~3124cは、おもて面3121の中央C2とおもて面3121の外縁3126とのうち外縁3126寄りに位置し、第1方向D1から見ておもて面3121の中央C2から離れる方向に互いに間隔をあけて並び、内側がおもて面3121の中央に向く円弧状に形成されている。また、複数の線3124a~3124cは、おもて面3121の中央C2に近い程、長さが短い。そして、マーク3124は、複数の線3124a~3124cにより、第1方向D1から見て複数の線3124a~3124cのうち最もおもて面3121の中央C2側の線3124aの内側に検知範囲401の中央C1が有る旨を利用者に視覚的に示している。よって、線3124aの内側(すなわち、おもて面3121の中央)に検知範囲401の中央C1が有ることを利用者に認識させやすい。したがって、従来の押しボタンの操作と同様に非接触での操作においても手指を押しボタン312の中央付近に近づけるよう利用者を誘導することができる。また、利用者は、マーク3124から、押しボタン312の中央付近にて非接触操作が可能であることを容易に認識でき、かつ、押しボタン312を押下操作するのと同様に、押しボタン312の中央付近に指をかざすことで、センサ部311に対する非接触操作が可能になる。よって、利用者にとって操作性がよい。
また、マーク3124は、第1方向D1から見て検知範囲401の外側で、おもて面3121の中央C2とおもて面3121の外縁3126とのうち外縁3126寄りに位置している。
このような構成によれば、マーク3124と検知範囲401とが重なることなく、検知範囲401を広くさせやすい。
また、マーク3124は、押しボタン312の裏面3122に設けられている。
このような構成によれば、利用者が手指403で押しボタン312を押下してもマーク3124には触れないので、マーク3124が削れて消えることが抑制される。
また、検知範囲401の中央C1は、おもて面3121と直交する第1方向でおもて面3121の中央C2と並ぶ。
ここで、上述のとおりマーク3124はおもて面の中央C2に手指を誘導することができる。よって、上記構成によれば、マーク3124は、検知範囲401の中央C1に手指を誘導することができる。すなわち、利用者は、非接触での呼び登録においても押しボタン312を押す操作と略同様に手指を押しボタン312の中央C2にもっていけばよい。よって、非接触での呼び登録の操作性が良い。
また、行き先対象は、押しボタン312に数字3123で表示され、検知範囲401の中央C1は、おもて面3121と直交する第1方向D1で数字3123の中央C3と並ぶ。
ここで、上述のとおりマーク3124はおもて面の中央C2に手指を誘導することができる。よって、上記構成によれば、マーク3124は、検知範囲401の中央C1に手指を誘導することができる。すなわち、利用者は、非接触での呼び登録においても押しボタン312を押す操作と略同様に手指を押しボタン312の中央C2にもっていけばよい。よって、非接触での呼び登録の操作性が良い。
なお、上記実施形態において、センサ部311の検知範囲401が視覚的により一層分かるように、押しボタン312のおもて面3121に、検知範囲401の第1方向D1から見た場合の検知範囲401の外形(例えば楕円)を示す模様を設けてもよい。
また、マーク3124の色は、押しボタン312の色とコントラストがある色であってよい。例えば、押しボタン312が黒色の場合には、マーク3124は白色とする。また、マーク3124の色は、押しボタン312内の階数を示す数字3123の色と同じ色であってもよい。また、マーク3124は、押しボタン312のおもて面3121に設けてもよい。また、押しボタン312が中空状の場合には、マーク3124は、おもて面3121の反対側の内面に設けてもよい。また、マーク3124を裏側からLED等の照明部によって照明してマークを光らせてもよい。また、押しボタン312の形状は、正方形の他、円形、横長の長方形等であってもよい。
また、上記実施形態では、マーク3124が第1方向D1から見て検知範囲401の外側に位置する例が示されたが、これに限定されない。例えば、第1方向D1から見て検知範囲401とマーク3124とが重なってもよい。
また、上記実施形態では、操作盤318として操作盤318の例が示されたがこれに限定されない。例えば、操作盤は、操作盤318とは別個に設けられる副操作盤や車椅子用操作盤であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
実施形態の操作盤は、複数の押しボタンと、複数のセンサ部と、複数のマークと、を備える。前記複数の押しボタンは、昇降路を移動する乗りかごの行き先対象をそれぞれ表示する複数の表示部にそれぞれ対応して設けられ、利用者による所定の前記表示部に対する呼び登録のための操作を押下により行うことが可能である。前記複数のセンサ部は、前記複数の表示部にそれぞれ対応して前記押しボタンと一体化されて設けられ、前記利用者による所定の前記表示部に対する前記呼び登録のための操作を非接触で検知し、前記おもて面と直交する第1方向から見て当該操作の検知範囲が前記おもて面内に収まりかつ当該検知範囲の中央が前記おもて面の略中央と重なるように設定されている。前記複数のマークは、複数の線を有し、前記複数の押しボタンのそれぞれに設けられている。前記行き先対象は、前記第1方向から見て前記押しボタンの略中央に数字で表示されている。前記複数の線は、前記おもて面の中央と前記おもて面の外縁とのうち前記外縁寄りに位置し、前記第1方向から見て前記おもて面の中央から離れる方向に互いに間隔をあけて並び、内側が前記おもて面の中央に向く円弧状に形成され、かつ、前記おもて面の中央に近い程、長さが短い。前記第1方向から見て前記マークの前記複数の線のうち最も前記おもて面の中央側の前記線の内側に前記検知範囲の中央が有る。