JP7114782B1 - エレベータ装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 コストを抑えつつ行先階の指定などを非接触で容易に行えるようにすること。【解決手段】 実施形態のエレベータ装置は、行先階を個別に示す複数の表示部が配置された案内板と、前記案内板を含む範囲を撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮影される映像に基づき、前記複数の表示部のいずれかにライトが当てられたときに当該ライトが当てられた表示部を特定し、この表示部に予め対応付けられた行先階へのかご呼び登録を指示するかご呼び登録信号を出力する制御を行う制御手段と、を具備する。【選択図】 図6

Description

本発明の実施形態は、エレベータ装置およびプログラムに関する。
近年、感染症予防の観点から、不特定多数の人が物に直接触れる機会を減らすことが意識されている。エレベータの分野では、例えば、かご操作盤に距離測定手段を設置し、この距離測定手段により、かご操作盤の押しボタンと利用者の手との距離を測定し、測定した距離が閾値を上回る場合に、その押しボタンに対応する行先階への呼び登録を行うことで、非接触による行先階呼び登録を実現する技術が知られている。そのほか、カメラ映像から利用者の手挙げ挙動(ジェスチャ)を認識することで、非接触による行先階の指定などの制御を実現する技術も知られている。
特開2011-162307号公報 特開2017-214191号公報
押しボタンと利用者の手との距離を測定する手法では、距離測定を行うための機器を新たに追設しなければならず、大きなコストがかかる。また、利用者の手挙げ挙動を認識する手法では、かご内において例えば複数の人物が近距離に密集している状態で特定の人物の細かい手の動きなどの各種のパターンを画像処理で認識させることは難しい。
発明が解決しようとする課題は、コストを抑えつつ行先階の指定などを非接触で容易に行えるようにする、エレベータ装置およびプログラムを提供することにある。
実施形態のエレベータ装置は、行先階を個別に示す複数の表示部が配置された案内板と、前記案内板を含む範囲を撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮影される映像に基づき、前記複数の表示部のいずれかにライトが当てられたときに当該ライトが当てられた表示部を特定し、この表示部に予め対応付けられた行先階へのかご呼び登録を指示するかご呼び登録信号を出力する制御を行う制御手段と、を具備する。
実施形態に係るエレベータ装置の乗りかごの内部の構成の一例を示す概念図。 図1中に示される階床案内板10に利用者が直接触れることなく所望の行先階へのかご呼び登録の指示を行う手法の一例を示す概念図。 階床表示部F1,F2,F3,F4、戸開操作用表示部D1および戸閉操作用表示部D2について、隣り合う表示部同士の間隔を十分に空けて配置した例を示す図。 戸開操作用表示部D1および戸閉操作用表示部D2を1つのペア、階床表示部F1およびF2を1つのペア、階床表示部F3およびF4を1つのペアとして配置した例を示す図。 戸開操作用表示部D1および戸閉操作用表示部D2を1つのペア、階床表示部F1,F2,F3,F4を1つのペアとして配置した例を示す図。 エレベータ装置100のかご呼び登録の制御に関わる機能の構成の一例を示すブロック図。 手法Aを用いた場合の運転の事前準備における動作の一例を示す図。 手法Aを用いた場合の運転中の動作の一例を示す図。 手法Bを用いた場合の運転の事前準備における動作の一例を示す図。 手法Bを用いた場合の運転中の動作の一例を示す図。 手法Cを用いた場合の運転の事前準備における動作の一例を示す図。 手法Cを用いた場合の運転中の動作の一例を示す図。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
<乗りかごの内部の構成>
図1は、実施形態に係るエレベータ装置の乗りかごの内部の構成の一例を示す概念図である。
図1に示されるように、本実施形態に係るエレベータ装置は、乗りかご100を有し、この乗りかご100の中には、かご内を撮影するかご内監視カメラ(撮像装置)1と、階床毎の階床表示部、戸開操作用表示部、および戸閉操作用表示部を備える階床案内板10とが設置される。
かご内監視カメラ1(以降、「監視カメラ1」)は、例えばかご扉101から離れたかご内の隅の上部に設置される。この監視カメラ1は、階床案内板10を含む範囲を撮影する。
階床案内板10は、例えばかご扉101の入口付近の壁面に設置される。この階床案内板10は、前に人が立ったときに人の頭などに隠れて監視カメラ1に映らなくなることがないよう、高い位置に設置されるが、人の手が無理なく届く高さに設置される。また、このような階床案内板10は、かご内に複数個設置されてもよいが、この場合、監視カメラ1が複数個の階床案内板10を含む範囲を撮影できるようにする。
なお、階床案内板10には、監視カメラ1による階床案内板10の撮影を利用者の持ち物などが遮ることがないように利用者にお願いをするメッセージが予め表示されていてもよい。また、監視カメラ1による階床案内板10の撮影が遮られた場合に、その旨をディスプレイやスピーカを通じて利用者に知らせるようにしてもよい。
<階床案内板の特徴>
図2は、図1中に示される階床案内板10に利用者が直接触れることなく所望の行先階へのかご呼び登録の指示を行う手法の一例を示す概念図である。
図2に示される階床案内板10の例では、行先階を個別に示す複数の階床表示部F1,F2,F3,F4、戸開を示す戸開操作用表示部D1、および、戸閉を示す戸閉操作用表示部D2が配置され、その周囲に枠(フレーム)11が配置されている。なお、ここでは階床表示部の数が4つの場合について例示するが、階床表示部の数はこの例に限定されるものではない。
利用者は、所望の階床へのかご呼びを指示する際には、自身が保持している携帯電話やペンライトなどの機器Pに備えられるトーチライトや懐中電灯などの光照射機能を起動させ、当該機器Pの発光素子から発光されるライトを所望の表示部に当てる。
階床表示部F1,F2,F3,F4、戸開操作用表示部D1および戸閉操作用表示部D2は、いずれも、ライトが当たられた場合に反射して発光する素材(例えば白色化する素材)で形成されている。一方、枠11はライトが当てられても発光しない素材で形成されている。
図2の例では、機器Pからのライトが階床表示部F2に当てられ、これにより階床表示部F2が発光して白色化する様子が示されている。階床表示部F2の白色化は、監視カメラ1に撮影される映像の中では、階床表示部F2に対応する映像部分の変化(例えば輝度の増加や色の変化など)として観測され、後述する処理を通じて階床表示部F2が選択された状況を把握できるようになっている。
<個々の表示部の配置・構造の具体例>
機器Pのライトが階床表示部F1,F2,F3,F4、戸開操作用表示部D1および戸閉操作用表示部D2のいずれかかに当てられた場合に、そのライトの一部が、隣に配置される別の表示部にも多少なりとも当たってしまう可能性がある。2つ以上の表示部が同じように白色化してしまった場合、監視カメラ1に撮影される映像では、どの表示部が選択されたのかを正しく識別することができずに誤検知が生じる可能性がある。このようなことを防ぐための個々の表示部の配置・構造の具体例を、図3,図4,および図5に示す。
なお、2つ以上の表示部が同じように白色化してしまう可能性が殆どないと考えられる場合は、図3~図5の例に示すような構造上の工夫を行う必要はない。
図3は、階床表示部F1,F2,F3,F4、戸開操作用表示部D1および戸閉操作用表示部D2について、隣り合う表示部同士の間隔を十分に空けて配置した例を示す図である。
図3に示されるように各表示部を配置した場合、機器Pのライトがある表示部に当てられた場合に、そのライトの一部が、隣に配置される別の表示部に当たりにくくなり、かりに当たったとしても、当たるライトの光量は少なく、十分な白色化は起こらないため、誤検知を防ぐことができる。
図4は、戸開操作用表示部D1および戸閉操作用表示部D2を1つのペア、階床表示部F1およびF2を1つのペア、階床表示部F3およびF4を1つのペアとして配置した例を示す図である。
図4の例では、個々のペアにおいて、各表示部の表示面が、隣り合う表示部から遠ざかる方向を向くように傾いている。
図4に示されるように各表示部を配置・構成した場合、利用者が所望の表示部の表示面に対してほぼ垂直な方向からそのボタンにライトを当てることにより、そのライトの一部が隣に配置される別の表示部に当たりにくくなり、かりに当たったとしても、当たるライトの光量は少なく、十分な白色化は起こらないため、誤検知を防ぐことができる。また、個々のボタンの間隔を狭めることができるので、階床案内板10のサイズを小さくすることができ、階床案内板10を設置するスペースが小さくて済む。
図5は、戸開操作用表示部D1および戸閉操作用表示部D2を1つのペア、階床表示部F1,F2,F3,F4を1つのペアとして配置した例を示す図である。
図5の例では、各表示部は、その表示面のうちの少なくとも隣り合う表示部に近い側の面が、当該隣り合う表示部から遠ざかる方向を向くように傾いており、例えば凹面状を成している。
図5に示されるように各表示部を配置・構成した場合、利用者が所望の表示部の表示面に対してライトを当てることにより、そのライトの一部が隣に配置される別の表示部に当たりにくくなり、かりに当たったとしても、当たるライトの光量は少なく、十分な白色化は起こらないため、誤検知を防ぐことができる。また、個々のボタンの間隔を狭めることができるので、階床案内板10のサイズを小さくすることができ、階床案内板10を設置するスペースが小さくて済む。
<かご呼び登録の制御に関わる機能の構成>
図6は、エレベータ装置100のかご呼び登録の制御に関わる機能の構成の一例を示すブロック図である。
図6に示されるように、エレベータ装置100は、前述した監視カメラ1のほか、映像受信部2、映像表示部3、制御部(制御手段)4、かご呼び信号入力部5、かご呼び登録判定部6、エレベータ呼び制御部7を有する。
これらの要素のうち、監視カメラ1以外の要素は、階床案内板10に近い場所(例えば、階床案内板10の裏側にあるユニット内の空間)に纏めて設けられていてもよいし、あるいは一部の要素(例えば、エレベータ呼び制御部7)が乗りかごの外側に設けられていてもよい。
監視カメラ1は、撮影されるかご内の映像を示す映像信号を出力し続ける。出力された映像信号は、映像受信部2に供給される。
映像受信部2は、監視カメラ1から出力される映像信号を受信し、受信した映像信号のデータを映像表示部3および制御部4に供給する。
映像表示部3は、監視室もしくはかご内に設置される表示機器であり、映像受信部2から供給されるデータ(すなわち、監視カメラ1により撮影される映像のデータ)を表示させる。
制御部4は、1つ又は複数の映像表示部3から供給されるデータ(すなわち、監視カメラ1により撮影される映像のデータ)に基づき、階床表示部F1,F2,F3,F4のいずれかにライトが当てられたときに当該ライトが当てられた表示部を特定し、この表示部に予め対応付けられた行先階へのかご呼び登録を指示するかご呼び登録信号を出力する制御を行う機能を備えている。
また、制御部4は、1つ又は複数の映像表示部3から供給されるデータ(すなわち、監視カメラ1により撮影される映像のデータ)に基づき、戸開操作用表示部D1または戸閉操作用表示部D2にライトが当てられたときに当該ライトが当てられた表示部を特定し、この表示部に予め対応付けられた戸開または戸閉を指示する信号を出力する制御を行う機能をも備えている。
また、制御部4は、ライトが当てられた表示部に対して再びライトが当てられた場合、当該表示部に予め対応付けられた行先階のかご呼び登録の解除を指示する信号を出力する制御を行う機能をも備えている。なお、上記表示部にライトを当てた利用者と異なる利用者が同じ表示部にライトを当てた場合に、上記かご呼び登録の解除が有効に働かないようにしてもよい。ライトを当て利用者が同一人物か否かは、例えばカメラ映像を通して得られる2つのライトの物理特性(例えば輝度、波長など)が同じか否かを調べることで判定することが可能である。
制御部4は、上述したような各種の機能を実現するため、例えば、図6に示される案内板領域判定部41、案内変化板判定部42、および信号生成部43を含む。
案内板領域判定部41および案内変化板判定部42においては、運転を行う前の事前準備が行われる。その事前準備を行うにあたり、制御部4は、ライトをいずれの表示部にも当てない通常の状態で撮影されたかご内の映像(例えば1つのライト照射前の静止画像)と、ライトを表示部毎に当てて表示部毎に撮影されたかご内の映像(例えば6つのライト照射後の静止画像)とを取り込む。
案内板領域判定部41は、運転の事前準備において、監視カメラ1によりそれぞれ撮影された複数の映像から、階床案内板10の映像領域や階床案内板10内の各表示部の映像領域を特定すると共に、各表示部にライトを当てる前後の各映像領域の映像(例えば6つのライト照射前の静止画像+6つのライト照射後の静止画像)を抽出し、各表示部の映像領域を示す情報(例えば所定の座標系上の座標位置を示す情報)を領域情報として所定の記憶領域に記憶する機能を有する。
また、案内板領域判定部41は、運転中において、運転の事前準備で生成した領域情報を用いて、監視カメラ1により撮影される映像から、階床案内板10内の各表示部の映像領域の映像を抽出する機能を有する。
案内変化板判定部42は、運転の事前準備において、案内板領域判定部41により抽出された各映像領域の映像(例えば6つのライト照射前の静止画像+6つのライト照射後の静止画像)を用いて、表示部毎にライトを当てた時の各表示部の映像領域の映像の変化を数値化し、数値化した情報に基づき、表示部毎にライトが当てられた時と当てられていない時とをそれぞれ区別する際の判断基準となる閾値を表示部毎に決定し、当該閾値を示す情報を閾値情報として所定の記憶領域に記憶する機能を有する。
また、案内変化板判定部42は、運転中において、運転の事前準備で生成した閾値情報を用いて、案内板領域判定部41により抽出された各表示部の映像領域のうち、いずれかの領域の映像に閾値を上回る変化があったか否か、すなわち、各表示部のいずれかにライトが当てられたか否かを判定する機能を有する。
信号生成部43は、運転中において、案内変化板判定部42によりライトが当てられた表示部があると判定された場合に、ライトが当てられた表示部に予め対応付けられている、行先階へのかご呼び登録を指示するかご呼び登録信号、または戸開を指示する戸開信号、または戸閉を指示する戸閉信号を出力する制御を行う機能を有する。
なお、制御部4を構成する個々の機能は、例えばコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成されていてもよい。
かご呼び信号入力部5は、信号生成部43から出力される各種の信号のうち、かご呼び登録信号を入力する機能である。このかご呼び信号入力部5は、別途、利用者が各表示部を指などで押したり触れたりすることで発生する一般的なかご呼び登録信号をも入力する。入力されたかご呼び登録信号は、かご呼び登録判定部6に供給される。
なお、図6には図示されていないが、信号生成部43から出力される戸開信号や戸閉信号を入力する戸開信号/戸閉信号入力部も備えられる。この戸開信号/戸閉信号入力部は、別途、利用者が戸開操作用表示部または戸閉操作用表示部を指などで押したり触れたりすることで発生する一般的な戸開信号や戸閉信号をも入力する。入力された戸開信号や戸閉信号は、戸開/戸閉を制御する制御部(図示せず)に供給される。
かご呼び登録判定部6は、かご呼び信号入力部5から供給されるかご呼び登録信号がどの階床へのかご呼び登録を示すものかを判定し、該当する階床へのかご呼びを指示する信号を、上位の制御系であるエレベータ呼び制御部7へ供給する。
エレベータ呼び制御部7は、かご呼び登録判定部6から供給される信号に基づき、該当する階床へのかご呼びを実施する。
<各表示部の一定以上の映像の変化を観測する手法の具体例>
上述したような機能を有する制御部4は、監視カメラ1により撮影される映像から、各表示部にそれぞれ対応する複数の映像領域のうち、一定以上の映像の変化が認められる映像領域を特定し、当該映像領域から、ライトが当てられた表示部を特定する。各表示部の一定以上の映像の変化を観測する手法の具体例としては、例えば以下に示す3つの手法が挙げられる。
・手法A(基準値からの輝度の増加量(輝度差)を観測する手法)
監視カメラ1により撮影される映像から、各表示部にそれぞれ対応する複数の映像領域のうち、予め定めた基準値からの輝度の増加量(輝度差)が閾値を上回る映像領域を特定し、当該映像領域から、ライトが当てられた表示部を特定する。この場合の基準値は、例えば表示部毎に設定され、ライトが当てられていない時に観測された各表示部の映像領域の輝度とする。また、各表示部の映像領域の輝度を観測する際には、その領域の輝度の平均値を取得するのではなく、その領域の中で最も大きい輝度を取得する。
この手法Aによれば、ライトが当てられていない時に観測される表示部の映像領域の輝度が、各かご内の照明や外光などの影響によって表示部毎に異なる場合であっても、高精度にライトが当てられた表示部を特定することができる。
・手法B(枠などの所定の映像領域との輝度の差を観測する手法)
監視カメラ1により撮影される映像から、各表示部にそれぞれ対応する複数の映像領域のうち、所定の映像領域(例えば、枠11の中の所定の部分の映像領域)との輝度の差が閾値を上回る映像領域を特定し、当該映像領域から、ライトが当てられた表示部を特定する。この場合の所定の映像領域の輝度は、例えば各表示部に共通する基準値として使用され、ライトが当てられていない時に観測された枠11の中の所定の部分の映像領域の輝度とする。また、各表示部の映像領域の輝度を観測する際には、その領域の輝度の平均値を取得するのではなく、その領域の中で最も大きい輝度を取得する。
この手法Bによれば、例えば各表示部をライトが当てられた時に光を反射しやすい素材で形成しておき、一方、枠11をライトが当てられた時に光を反射しにくい素材で形成しておくことで、双方の映像領域の間で生じる輝度差を大きくすることができ、より正確にライトが当てられた表示部を特定することができる。また、双方の映像領域の間で生じる輝度差を大きくできることから、例えば表示部の一部分がある物により隠れて映像では見えなくなった場合や、特定の時間帯に太陽光が強く入り込んで、撮影される映像全体が明るくなってしまった場合でも、ライトが当てられた表示部を特定することができ、誤検知が生じるのを防ぐことができる。
・手法C(文字が認識できなくなるもの等を観測する手法)
監視カメラ1により撮影される映像から、各表示部にそれぞれ対応する複数の映像領域のうち、文字が認識できない又は文字認識度(例えば、文字認識率)の低下が閾値を上回る映像領域を特定し、当該映像領域から、ライトが当てられた表示部を特定する。この場合、制御部4は、映像から各表示部の表示面に印字された文字「開」、「閉」、「1」、「2」、「3」、「4」を認識する機能を備え、ライトが当てられた表示部がある場合はその文字を認識できなくなるか、もしくはその文字認識度の低下が閾値を上回るようになっている。
この手法Cによれば、制御部4に文字認識を行う機能が備えられている場合は、その機能を利用することで、手法Aや手法Bで示したような輝度に関わる調整を行わずに、ライトが当てられた表示部を特定することができる。
<手法Aを用いた場合の動作の一例>
次に、図7及び図8のフローチャートを参照して、手法Aを用いた場合のエレベータ装置100の動作の一例を説明する。ここでは、説明の複雑化を避けるため、複数の階床表示部、戸開操作用表示部および戸閉操作用表示部のうち、階床表示部を対象とした動作に関して説明する。
図7は、手法Aを用いた場合の運転の事前準備における動作の一例を示す図である。
運転の事前準備においては、ライトをいずれの階床表示部にも当てない通常の状態で撮影されたかご内の映像(例えば1つのライト照射前の静止画像)と、ライトを階床表示部毎に当てて階床表示部毎に撮影されたかご内の映像(例えば4つのライト照射後の静止画像)とが、それぞれ制御部4に取り込まれる(ステップA1)。
次に、制御部4内の案内板領域判定部41は、監視カメラ1によりそれぞれ撮影された複数の映像から、階床案内板10内の各階床表示部の映像領域を特定すると共に、各階床表示部にライトを当てる前後の各映像領域の映像(例えば4つのライト照射前の静止画像+4つのライト照射後の静止画像)を抽出し、各階床表示部の映像領域を示す情報(例えば所定の座標系上の座標位置を示す情報)を領域情報として所定の記憶領域に記憶する(ステップA2)。
次に、制御部4内の案内変化板判定部42は、案内板領域判定部41により抽出された各映像領域の映像(例えば4つのライト照射前の静止画像+4つのライト照射後の静止画像)を用いて、階床表示部毎にライトを当てた時の各階床表示部の映像領域の映像とライトを当てていない時の各階床表示部の映像領域の映像との輝度の差を数値化する(ステップA3)。
続いて、制御部4内の案内変化板判定部42は、数値化した輝度の差の情報に基づき、階床表示部毎にライトが当てられた時と当てられていない時とをそれぞれ区別する際の判断基準となる閾値を階床表示部毎に決定し、当該閾値を示す情報を閾値情報として所定の記憶領域に記憶する(ステップA4)。
図8は、手法Aを用いた場合の運転中の動作の一例を示す図である。
運転中においては、図8に示されるように、監視カメラ1により階床案内板10を含むかご内の映像が撮影され、その映像を制御部4が取得する(ステップA11)。
次に、制御部4内の案内板領域判定部41は、運転の事前準備で生成した領域情報を用いて、監視カメラ1により撮影される映像から、階床案内板10内の各階床表示部の映像領域の映像を抽出する(ステップA12)。
次に、制御部4内の案内変化板判定部42は、運転の事前準備で生成した閾値情報を用いて、案内板領域判定部41により抽出された各階床表示部の映像領域のうち、いずれかの領域の映像に閾値を上回る輝度の上昇(輝度の差)があったか否か(具体的には、観測される輝度の差が閾値を上回る状態が所定時間(例えば数秒)続くものがあったか否か)を判定する(ステップA13)。
該当するものが無ければ、ステップA11からの処理を繰り返し、一方、該当するものがあれば、信号生成部43は、該当する階床表示部に対応するかご呼び登録信号をかご呼び信号入力部5へ送信する(ステップA14)。
これにより、かご呼び信号入力部5が信号生成部43から送られたかご呼び登録信号をかご呼び登録判定部6に供給し、かご呼び登録判定部6が該当する階床へのかご呼びを指示する信号をエレベータ呼び制御部7へ供給すると、エレベータ呼び制御部7が該当する階床へのかご呼びを実施する(ステップA15)。
このような動作により、ライトが当てられていない時に観測される階床表示部の映像領域の輝度が、各かご内の照明や外光などの影響によって表示部毎に異なる場合であっても、高精度にライトが当てられた表示部を特定することができる。
<手法Bを用いた場合の動作の一例>
次に、図9及び図10のフローチャートを参照して、手法Bを用いた場合のエレベータ装置100の動作の一例を説明する。ここでは、説明の複雑化を避けるため、複数の階床表示部、戸開操作用表示部および戸閉操作用表示部のうち、階床表示部を対象とした動作に関して説明する。
図9は、手法Bを用いた場合の運転の事前準備における動作の一例を示す図である。
運転の事前準備においては、ライトをどこにも当てない通常の状態で撮影されたかご内の映像(例えば1つのライト照射前の静止画像)と、ライトを階床表示部毎に当てて階床表示部毎に撮影されたかご内の映像(例えば4つのライト照射後の静止画像)とが、それぞれ制御部4に取り込まれる(ステップB1)。
次に、制御部4内の案内板領域判定部41は、監視カメラ1によりそれぞれ撮影された複数の映像から、枠11の映像領域(具体的には、枠11の中の所定の部分の映像領域)および階床案内板10内の各階床表示部の映像領域を特定すると共に、ライトを当てていない枠11の映像領域の映像および各階床表示部にライトを当てた時の各映像領域の映像(例えば1つのライト照射前の静止画像+4つのライト照射後の静止画像)を抽出し、それぞれの各階床表示部の映像領域を示す情報(例えば所定の座標系上の座標位置を示す情報)を領域情報として所定の記憶領域に記憶する(ステップB2)。
次に、制御部4内の案内変化板判定部42は、案内板領域判定部41により抽出された各映像領域の映像(例えば1つのライト照射前の静止画像+4つのライト照射後の静止画像)を用いて、階床表示部毎にライトを当てた時の各階床表示部の映像領域の映像とライトを当てていない時の枠11の映像領域の映像との輝度の差を数値化する(ステップB3)。
続いて、制御部4内の案内変化板判定部42は、数値化した輝度の差の情報に基づき、階床表示部毎にライトが当てられた時と当てられていない時とをそれぞれ区別する際の判断基準となる閾値を階床表示部毎に決定し、当該閾値を示す情報を閾値情報として所定の記憶領域に記憶する(ステップB4)。
図10は、手法Bを用いた場合の運転中の動作の一例を示す図である。
運転中においては、図10に示されるように、監視カメラ1により階床案内板10を含むかご内の映像が撮影され、その映像を制御部4が取得する(ステップB11)。
次に、制御部4内の案内板領域判定部41は、運転の事前準備で生成した領域情報を用いて、監視カメラ1により撮影される映像から、枠11の映像領域の映像および各階床表示部の映像領域の映像を抽出する(ステップB12)。
次に、制御部4内の案内変化板判定部42は、運転の事前準備で生成した閾値情報を用いて、案内板領域判定部41により抽出された各階床表示部の映像領域のうち、枠11の映像領域との輝度の差が閾値を上回るものがあったか否か(具体的には、観測される輝度の差が閾値を上回る状態が所定時間(例えば数秒)続くものがあったか否か)を判定する(ステップB13)。
該当するものが無ければ、ステップB11からの処理を繰り返し、一方、該当するものがあれば、信号生成部43は、該当する階床表示部に対応するかご呼び登録信号をかご呼び信号入力部5へ送信する(ステップB14)。
これにより、かご呼び信号入力部5が信号生成部43から送られたかご呼び登録信号をかご呼び登録判定部6に供給し、かご呼び登録判定部6が該当する階床へのかご呼びを指示する信号をエレベータ呼び制御部7へ供給すると、エレベータ呼び制御部7が該当する階床へのかご呼びを実施する(ステップB15)。
このような動作により、ライトが当てられた時の各階床表示部の映像領域と枠11の映像領域の間で生じる輝度差を大きくすることができ、より正確にライトが当てられた階床表示部を特定することができ、また、双方の映像領域の間で生じる輝度差を大きくできることから、例えば階床表示部の一部分がある物により隠れて映像では見えなくなった場合や、特定の時間帯に太陽光が強く入り込んで、撮影される映像全体が明るくなってしまった場合でも、ライトが当てられた階床表示部を特定することができ、誤検知が生じるのを防ぐことができる。
<手法Cを用いた場合の動作の一例>
次に、図11及び図12のフローチャートを参照して、手法Cを用いた場合のエレベータ装置100の動作の一例を説明する。ここでは、説明の複雑化を避けるため、複数の階床表示部、戸開操作用表示部および戸閉操作用表示部のうち、階床表示部を対象とした動作に関して説明する。
図11は、手法Cを用いた場合の運転の事前準備における動作の一例を示す図である。
運転の事前準備においては、ライトをいずれの階床表示部にも当てない通常の状態で撮影されたかご内の映像(例えば1つのライト照射前の静止画像)と、ライトを階床表示部毎に当てて階床表示部毎に撮影されたかご内の映像(例えば4つのライト照射後の静止画像)とが、それぞれ制御部4に取り込まれる(ステップC1)。
次に、制御部4内の案内板領域判定部41は、監視カメラ1によりそれぞれ撮影された複数の映像から、階床案内板10内の各階床表示部の映像領域を特定すると共に、各階床表示部にライトを当てる前後の各映像領域の映像(例えば4つのライト照射前の静止画像+4つのライト照射後の静止画像)を抽出し、各階床表示部の映像領域を示す情報(例えば所定の座標系上の座標位置を示す情報)を領域情報として所定の記憶領域に記憶する(ステップC2)。
次に、制御部4内の案内変化板判定部42は、案内板領域判定部41により抽出された各映像領域の映像(例えば4つのライト照射前の静止画像+4つのライト照射後の静止画像)を用いて、階床表示部毎にライトを当てた時の各階床表示部の映像領域の映像とライトを当てていない時の各階床表示部の映像領域の映像との文字認識度(例えば文字認識率)の差を数値化する(ステップC3)。
続いて、制御部4内の案内変化板判定部42は、数値化した文字認識度の差の情報に基づき、階床表示部毎にライトが当てられた時と当てられていない時とをそれぞれ区別する際の判断基準となる閾値を階床表示部毎に決定し、当該閾値を示す情報を閾値情報として所定の記憶領域に記憶する(ステップC4)。
図12は、手法Cを用いた場合の運転中の動作の一例を示す図である。
運転中においては、図12に示されるように、監視カメラ1により階床案内板10を含むかご内の映像が撮影され、その映像を制御部4が取得する(ステップC11)。
次に、制御部4内の案内板領域判定部41は、運転の事前準備で生成した領域情報を用いて、監視カメラ1により撮影される映像から、階床案内板10内の各階床表示部の映像領域の映像を抽出する(ステップC12)。
次に、制御部4内の案内変化板判定部42は、運転の事前準備で生成した閾値情報を用いて、案内板領域判定部41により抽出された各階床表示部の映像領域のうち、いずれかの領域の映像に閾値を上回る文字認識度の低下があったか否か(具体的には、観測される文字認識度の低下が閾値を上回る状態が所定時間(例えば数秒)続くものがあったか否か)を判定する(ステップC13)。
該当するものが無ければ、ステップC11からの処理を繰り返し、一方、該当するものがあれば、信号生成部43は、該当する階床表示部に対応するかご呼び登録信号をかご呼び信号入力部5へ送信する(ステップC14)。
これにより、かご呼び信号入力部5が信号生成部43から送られたかご呼び登録信号をかご呼び登録判定部6に供給し、かご呼び登録判定部6が該当する階床へのかご呼びを指示する信号をエレベータ呼び制御部7へ供給すると、エレベータ呼び制御部7が該当する階床へのかご呼びを実施する(ステップC15)。
なお、ここでは、文字認識度(例えば文字認識率)の差を用いて、ライトが当てられた階床表示部があるか否かを判定する場合を例示したが、代わりに、単純に文字が認識できなくなった階床表示部があるか否かによって、ライトが当てられた階床表示部があるか否かを判定するようにしてもよい。
このような動作によれば、制御部4に文字認識を行う機能が備えられている場合は、その機能を利用することで、手法Aや手法Bで示したような輝度に関わる調整を行わずに、ライトが当てられた表示部を特定することができる。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
・監視カメラおよび階床案内板は、エレベータに標準的に設置されたものであるため、既存の設備を活用でき、レイアウトを殆ど変更せずに済む。
・利用者は自身が所有する携帯電話等のライトで階床案内板のいずれかの表示部を照らすという操作だけで、所望の階床へのかご呼び登録を行うことができ、利用者にとって手軽でかつ感覚的にわかりやすい。
・階床案内板の白色化をカメラ映像で検出した後、制御部で情報処理を行うだけで、利用者が希望する階床へのかご呼び登録を行うことができるため、コストをかけずに容易に非接触によるかご呼びを実現することができる。
以上詳述したように、実施形態によれば、コストを抑えつつ行先階の指定などを非接触で容易に行うことが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…かご内監視カメラ(撮像装置)、2…映像受信部、3…映像表示部、4…制御部(制御手段)、5…かご呼び信号入力部、6…かご呼び登録判定部、7…エレベータ呼び制御部、10…階床案内板、11…枠、41…案内板領域判定部、42…案内変化板判定部、43…信号生成部、100…乗りかご、F1,F2,F3,F4…階床表示部、D1…戸開操作用表示部、D2…戸閉操作用表示部。

Claims (10)

  1. 行先階を個別に示す複数の表示部が配置された案内板と、
    前記案内板を含む範囲を撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置により撮影される映像に基づき、前記複数の表示部のいずれかにライトが当てられたときに当該ライトが当てられた表示部を特定し、この表示部に予め対応付けられた行先階へのかご呼び登録を指示するかご呼び登録信号を出力する制御を行う制御手段と、
    を具備する、エレベータ装置。
  2. 前記案内板には、戸開を示す表示部および戸閉を示す表示部がさらに配置されており、
    前記制御手段は、
    前記撮像装置により撮影される映像に基づき、前記戸開を示す表示部または前記戸閉を示す表示部にライトが当てられたときに当該ライトが当てられた表示部を特定し、この表示部に予め対応付けられた戸開または戸閉を指示する信号を出力する制御を行う、
    請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記撮像装置により撮影される映像から、各表示部にそれぞれ対応する複数の映像領域のうち、一定以上の映像の変化が認められる映像領域を特定し、当該映像領域から、前記ライトが当てられた表示部を特定する、
    請求項1又は2に記載のエレベータ装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記撮像装置により撮影される映像から、各表示部にそれぞれ対応する複数の映像領域のうち、予め定めた基準値からの輝度の増加量が閾値を上回る映像領域を特定し、当該映像領域から、前記ライトが当てられた表示部を特定する、
    請求項1又は2に記載のエレベータ装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記撮像装置により撮影される映像から、各表示部にそれぞれ対応する複数の映像領域のうち、所定の映像領域との輝度の差が閾値を上回る映像領域を特定し、当該映像領域から、前記ライトが当てられた表示部を特定する、
    請求項1又は2に記載のエレベータ装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記撮像装置により撮影される映像から、各表示部にそれぞれ対応する複数の映像領域のうち、文字が認識できない又は文字認識度の低下が閾値を上回る映像領域を特定し、当該映像領域から、前記ライトが当てられた表示部を特定する、
    請求項1又は2に記載のエレベータ装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記ライトが当てられた表示部に対して再びライトが当てられた場合、当該表示部に予め対応付けられた行先階のかご呼び登録の解除を指示する信号を出力する制御を行う、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエレベータ装置。
  8. 各表示部は、その表示面が、隣り合う表示部から遠ざかる方向を向くように傾いている、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエレベータ装置。
  9. 各表示部は、その表示面のうちの少なくとも隣り合う表示部に近い側の面が、当該隣り合う表示部から遠ざかる方向を向くように傾いている、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエレベータ装置。
  10. 行先階を個別に示す複数の表示部が配置された案内板と前記案内板を含む範囲を撮影する撮像装置とを備えたエレベータ装置に適用されるプログラムであって、
    前記撮像装置により撮影される映像に基づき、前記複数の表示部のいずれかにライトが当てられたときに当該ライトが当てられた表示部を特定し、この表示部に予め対応付けられた行先階へのかご呼び登録を指示するかご呼び登録信号を出力する制御を行う機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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