JP4333448B2 - 空間の明るさ感評価方法並びに評価システム - Google Patents

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本発明は、空間の明るさ感を評価する評価方法並びに評価システムを提供することにある。
従来、照明空間を評価する評価値の一つに「空間の明るさ感」と呼ばれるものがある。空間の明るさ感とは、空間全体に対して感じる明るさの印象と定義されるものであり、ある限定された視対象に対して知覚される心理量である「明るさ」とは異なり、空間全体を観察した時の空間全体に対して感じられる「明るさ」の総合評価である。照明された空間を観察した時に一般的に使われる表現である「この部屋は明るい」や「この店の照明は暗い」などの「明るさ」に関する表現は、空間全体に対する総合的な感覚の評価から得られているものであり、まさに空間の明るさ感を評価した結果の表現である。「暗い」と感じられる空間は良くない照明とされるように、空間の明るさ感の評価は対象とする空間の良し悪しに直結するものであり、照明設計において大変重要視されている。
従来の照明設計では、この空間の明るさ感を評価する指標として、平均水平面照度が広く用いられてきた。照明設計に関わる唯一の規格であるところの日本工業規格の「照度基準」も照度に基づき制定されている。例えば、オフィスの執務室空間では、必要な空間の明るさ感を達成するためには、机上面の平均水平面照度が750ルクス以上であれば良いとされている。
図9に示すように照度は対象Xに入射してくる光の量を捉えた測光量である。実際に観察者が「明るさ」を感じるのは、対象に入射している光に対してではなく、対象に入射する光が対象で反射された光のうち観察者の眼に入射してくる光に対してである。そして、この観察者の眼に入射してくる光を捉えた測光量は輝度であることから、対象の「明るさ」並びに空間全体に対するそれら「明るさ」の総合評価である空間の明るさ感は、本来、輝度に基づき評価されるべきでものであることが予測できる。
ここで、従来からの空間の明るさ感を評価する指標として用いられてきた平均水平面照度と空間の明るさ感評価値との対応関係を、住宅の居間(図14参照)を対象に行った実験によって求めた結果を図10に示す(非特許文献1参照)。なお、縦軸の数値は感応評価の指標を表し、数値が小さいほど暗く且つ数値が大きくなるにしたがって明るくなるという「明るさ感」のレベルを規定している。この実験結果から求められる空間の明るさ感と平均水平面照度との相関係数は0.41であり、両者の対応関係は良好とはいえない。
一方、視角105×80度視野内の平均輝度と空間の明るさ感評価値との関係を求めた実験結果を図11に示す。この実験結果から求められる空間の明るさ感と平均輝度との相関係数は0.75であり、図10に示した平均水平面照度との対応関係よりも良好であり、輝度に基づく空間の明るさ感評価の有効性を示しているといえる。また、非特許文献2は、上下視角40度範囲の平均輝度と空間の明るさ感評価との間に高い対応関係があることを実験結果から示し、この上下視角40度範囲の平均輝度で空間の明るさ感を評価することを提案している。図12は、図11の結果を得た輝度分布から上下視角40度範囲の平均輝度と空間の明るさ感評価値との関係を示したものであるが、両者の相関係数は0.79と、図10の平均水平面照度よりも空間の明るさ感評価値との対応関係は良好である。
上述のように照明設計で重要視される評価である空間の明るさ感は、平均水平面照度よりも観察視野の輝度分布に基づいて評価する方が適切であることが明白である。そして、観察者の視野の輝度分布における設定された領域の平均輝度(例えば、上下視角40度範囲の平均輝度)を用いて空間の明るさ感評価を予測する方法が従来から提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−111019号公報 岩井彌ら:住宅居間の明るさ感−ダウンライトを設置した場合− 照明学会誌 Vol1.83、No.2、pp.81−86(1999) D.L.Loe et al.:Apperance of litenvironment and its relevance in lighting design:Experimental study,Lighting Reserach Technology,26-3,pp.119-133(1994)
ところで、図14に破線で示す矩形の領域M内の平均輝度と空間の明るさ感評価値との対応関係を求めると図13に示すような結果が得られた。この実験結果から求められる矩形領域M内の平均輝度と空間の明るさ感との相関係数は0.89であり、図11や図12に示した実験結果よりもさらに高い値となっている。このように居間の壁に設定した矩形領域M内の平均輝度と空間の明るさ感との対応関係が、視野内平均輝度や上下視角40度範囲内の平均輝度との対応関係よりも相関係数が高い要因は、矩形領域M内の平均輝度の算出において、器具発光部や光源(図14におけるシーリングライトK1やダウンライトK2などの照明器具)などの1000[cd/m2]以上の高いレベルの輝度が計算に入っていないことにあると考えられる。
ここで、図15に示すように器具発光部の輝度と空間の明るさ感評価値との対応関係を求めると、器具発光部の輝度が空間の明るさ感評価値に与える影響は、矩形領域M内の平均輝度が与える影響に比べて極めて小さいことが判った。しかしながら、器具発光部のように自らが発光しているように知覚される対象の輝度は、図15の実験結果に示すように空間の明るさ感評価値に与える影響は小さいにも関わらず、壁などの反射物の対象の輝度が100[cd/m2]程度であるのに対して、1000[cd/m2]以上と非常に高いレベルを持っており、平均輝度の計算値に大きな影響を与えている。
従って、空間の明るさ感評価値を精度良く予測するためには、上述のように1000[cd/m2]以上の高輝度領域が除かれ、かつ、空間の明るさ感に影響を与える領域(例えば、上記矩形領域M)を抽出する必要があり、平均輝度を用いる上記従来の評価方法では、器具発光部などの1000[cd/m2]以上の高輝度領域が存在する場合に空間の明るさ感評価値の予測精度が低下していた。
ところで、図14に示した例では、照明器具K1,K2が何れも天井に配設されていることから壁に設定された矩形領域M内に高輝度領域は存在しないが、壁に取り付けられる照明器具が矩形領域M内に存在すれば、1000[cd/m2]以上の高い輝度領域が含まれることにより、空間の明るさ感評価値を高い精度では予測できなくなる虞がある。
上述のように、観察者の視野の輝度分布における設定された領域の平均輝度を算出して空間の明るさ感を評価するという従来の評価方法には、空間の明るさ感評価値に与える影響が小さいにも関わらず、平均値の算出には多大なる影響を与える器具発光部や光源などの1000[cd/m2]以上の高い輝度の領域が存在する場合に、空間の明るさ感評価値の予測精度が低下するという問題が生じていた。
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的は、輝度の高い領域が存在する空間に対しても高精度で空間の明るさ感評価値を予測することができる評価方法並びに評価システムを提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、空間全体に対して人が感じる明るさの印象と定義される明るさ感を評価する評価方法であって、空間を観察している視野における所定の視野範囲に対して明るさが所定レベルとなる領域の占める割合を求め、該割合によって当該空間の明るさ感を評価する空間の明るさ感評価方法において、前記空間の平均照度が300ルクス以下であるときに輝度で表した前記所定レベルを20〜75カンデラ毎平方メートルの範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、対象とする空間に高い輝度の領域が存在する場合においても、そのような高輝度領域を除いた領域が全体に占める割合によって空間の明るさ感を評価することにより、輝度の高い領域が存在する空間に対しても高精度で空間の明るさ感評価値を予測することができる。さらに、空間の明るさ感評価値を求めるのに適した輝度範囲を当該空間の全体的な明るさに応じた範囲に決めることにより、特に住宅内の照明空間において、さらに高精度で空間の明るさ感評価値を予測することができる。
請求項の発明は、上記目的を達成するために、空間全体に対して人が感じる明るさの印象と定義される明るさ感を評価する評価方法であって、空間を観察している視野における所定の視野範囲に対して明るさが所定レベルとなる領域の占める割合を求め、該割合によって当該空間の明るさ感を評価する空間の明るさ感評価方法において、前記空間の平均照度が300ルクス以上であるときに輝度で表した前記所定レベルを75〜300カンデラ毎平方メートルの範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、対象とする空間に高い輝度の領域が存在する場合においても、そのような高輝度領域を除いた領域が全体に占める割合によって空間の明るさ感を評価することにより、輝度の高い領域が存在する空間に対しても高精度で空間の明るさ感評価値を予測することができる。さらに、空間の明るさ感評価値を求めるのに適した輝度範囲を当該空間の全体的な明るさに応じた範囲に決めることにより、特にオフィス内の照明空間において、さらに高精度で空間の明るさ感評価値を予測することができる。
請求項の発明は、請求項1又は2発明において、前記所定の視野範囲を、前記観察視野の中心から左右60度および上下40度以内の範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、空間の明るさ感評価値を求める視野範囲を、瞬時に情報受容が可能な有効視野と呼ばれる視野の大きさとすることによって、精度を落とさずに評価値を算出する演算量を減らすことができる。
請求項の発明は、上記目的を達成するために、空間全体に対して人が感じる明るさの印象と定義される明るさ感を評価する評価システムであって、空間を観察している視野における所定の視野範囲内の輝度分布を測定する測定手段と、前記輝度分布より前記視野範囲に対して輝度レベルが所定レベルとなる領域の占める割合を演算する演算手段と、該演算手段で演算した前記割合で当該空間の明るさ感を評価した評価値を表示する表示手段とを備え、前記空間の平均照度が300ルクス以下であるときに輝度で表した前記所定レベルを20〜75カンデラ毎平方メートルの範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、対象とする空間に高い輝度の領域が存在する場合においても、そのような高輝度領域を除いた領域が全体に占める割合によって空間の明るさ感を評価することにより、輝度の高い領域が存在する空間に対しても高精度で空間の明るさ感評価値を予測することができる。
請求項5の発明は、上記目的を達成するために、空間全体に対して人が感じる明るさの印象と定義される明るさ感を評価する評価システムであって、空間を観察している視野における所定の視野範囲内の輝度分布を測定する測定手段と、前記輝度分布より前記視野範囲に対して輝度レベルが所定レベルとなる領域の占める割合を演算する演算手段と、該演算手段で演算した前記割合で当該空間の明るさ感を評価した評価値を表示する表示手段とを備え、前記空間の平均照度が300ルクス以上であるときに輝度で表した前記所定レベルを75〜300カンデラ毎平方メートルの範囲としたことを特徴とする。
この発明によれば、対象とする空間に高い輝度の領域が存在する場合においても、そのような高輝度領域を除いた領域が全体に占める割合によって空間の明るさ感を評価することにより、輝度の高い領域が存在する空間に対しても高精度で空間の明るさ感評価値を予測することができる。
本発明によれば、対象とする空間に高い輝度の領域が存在する場合においても、そのような高輝度領域を除いた領域が全体に占める割合によって空間の明るさ感を評価することにより、輝度の高い領域が存在する空間に対しても高精度で空間の明るさ感評価値を予測することが可能な空間の明るさ感評価方法並びに評価システムが提供できるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明に係る空間の明るさ感評価方法並びにその評価システムの実施形態について詳細に説明する。
図4に示すように一方の壁に2台の照明器具30が配設された住宅内の廊下を照明空間とし、照明器具30の光量(輝度)を変えながら、複数の被験者により明るさ感を評価する感応評価実験を行ったところ、図5および図6に示す実験結果が得られた。図6は、観察者の視点位置における視野内の平均輝度[cd/m2]の対数値と明るさ感評価値との関係を示している。なお、図5及び図6を含めて、以下のグラフにおける縦軸の数値は感応評価の指標を表し、数値が小さいほど暗く且つ数値が大きくなるにしたがって明るくなるという「明るさ感」のレベルを規定している。この実験結果において、視野内の平均輝度と明るさ感評価値との相関係数は0.73となった(「グレアレスと明るさ感確保とを両立させた廊下用壁付け照明器具」,小原和輝,照明学会誌,Vol86,No.10,pp.777-781(2002)参照)。
一方、図5は、照明空間において輝度が20〜75[cd/m2]の範囲となる領域が観察者の視野内の全領域に占める割合(以下、「占有率」と呼ぶ)と明るさ感評価値との関係を示している。この実験結果において、輝度範囲の視野内に占める占有率と明るさ感評価値との相関係数は0.83となった。これら2つの実験結果より、平均輝度を用いて明るさ感を評価する上記従来方法に比較して、輝度範囲の視野内に占める占有率を用いて明るさ感を評価する本実施形態の評価方法の方が高い精度で空間の明るさ感を評価できることは明白である。図5に示した実験結果から、本発明の評価方法による空間の明るさ感評価値Bと占有率Rの相関関係は下記の式(1)で表される。
B=0.60R+0.53・・・(1)
しかしながら、明るさ感評価値を求めるのに適切な輝度範囲は、対象とする空間の全体的な明るさによって異なる。すなわち、住宅内の照明空間では、通常、平均照度が300ルクス程度有れば十分であるが、オフィスの照明空間では300ルクス以上の平均照度が必要であり、このようなオフィスの照明空間を対象とした上述と同様の実験を行ったところ、図7に示すように輝度が20〜75[cd/m2]の範囲となる領域の占有率では明るさ感評価値を予測できず、図8に示すように輝度が75〜300[cd/m2]の範囲となる領域の占有率を用いることで、相関係数が0.85と高い精度で明るさ感評価値を予測できることが判った。したがって、対象とする空間の平均照度が300ルクス以下の場合には20〜75[cd/m2]の輝度範囲となる領域の占有率で明るさ感評価値を予測し、平均照度が300ルクス以上の場合には75〜300[cd/m2]の範囲となる領域の占有率で明るさ感評価値を予測することが望ましい。
ところで、人間の視野の範囲は視点を中心として視角にして左右200度、上下125度あるが、このような視野範囲全体について輝度を検出して占有率を求めるにはかなりの計算工数が必要となる。一方、瞬時に情報受容が可能な有効視野と呼ばれる視野の大きさは、人間の場合、視点を中心に視角で左右60度、上下40度の範囲であるという知見が得られており(「VDTと視覚特性」,畑田豊彦,人間工学,22-2,pp.45-52(1986))、通常、人は空間を観察したときに瞬時に「明るい」や「暗い」と「空間の明るさ感」を判断し評価していることから、空間の明るさ感評価も上記有効視野(視点を中心に視角で左右60度、上下40度)の範囲内で行うようにすれば、精度を落とすことなく計算工数を減らして効率的に評価値を予測することが可能である。
図2は本実施形態における評価システムのハードウェア構成を示しており、評価対象の照明空間を撮像するCCDカメラ1と、コンピュータ装置2とを備えている。CCDカメラ1は、撮像素子としてCCD(電荷結合素子)を用いた従来周知のものであって撮像した静止画像(ラスタ画像)のデータ(以下、「画像データ」と呼ぶ)をケーブル4を介してコンピュータ装置2に出力する。コンピュータ装置2は、CPU、マザーボード、メモリ、ハードディスク、キーボード、ポインティングデバイスなどを本体2aに内蔵し、この本体2aに液晶ディスプレイ3が開閉自在に取り付けられた所謂ノート型のものであって、本実施形態における評価方法を実施するためのソフトウェア(プログラム)を搭載している。また、CCDカメラ1からケーブル4を介して出力される画像データは、コンピュータ装置2が標準で備える汎用のインタフェース(例えば、USBやIEEE1394など)を介してコンピュータ装置2に取り込まれる。
図3は本実施形態における評価システムのブロック図を示しており、空間を観察している視野における所定の視野範囲(上記有効視野の範囲)内の輝度分布を測定する測定手段10と、輝度分布より視野範囲に対して輝度レベルが所定レベルとなる領域の占める割合(占有率)を演算する演算手段11と、演算手段11で演算した占有率を空間の明るさ感評価値として表示する表示手段12とを備える。ここで、測定手段10はCCDカメラ1とコンピュータ装置2、演算手段11並びに表示手段12はコンピュータ装置2のハードウェアをコンピュータ装置2のCPUで実行する上記ソフトウェアで制御することによってそれぞれ実現される。
次に、本実施形態の明るさ感評価方法、すなわち、本実施形態の評価システムの動作について、図1のフローチャートを参照して詳細に説明する。
まず、測定手段10が対象となる空間(照明空間)をCCDカメラ1で撮像した画像(画像データ)をコンピュータ装置2に取り込んで取得し(S1)、取得した画像データの各画素値を輝度に換算して輝度分布データを作成し(S2)、作成した輝度分布データをデータファイルに保存する(S3)。なお、他の空間の輝度分布データを作成するか否かを作業者に確認し(S4)、作成する場合にはS1〜S3の処理を繰り返す。
測定手段10による輝度分布データの作成が終了したら、液晶ディスプレイ3の画面に明るさ感評価値を演算する対象のデータファイル名を入力するダイアログボックスD1が表示され、作業者がコンピュータ装置2のキーボードやポインティングデバイスを使ってデータファイルを選択するのを待ち(S5)、データファイルが選択されたら、照度レベルの入力待ち状態となる(S6)。ここで、照度レベルは対象の照明空間における平均照度を照度計を使って計測して得られるものであり、作業者がキーボードやポインティングデバイスを使って液晶ディスプレイ3の画面に表示されたダイアログボックスD2に入力する。
演算手段11は、選択されたデータファイルの輝度分布データから有効視野の範囲内の輝度分布データを抽出し(S7)、抽出した輝度分布データから照度レベルに応じた輝度範囲(つまり、照度レベルが300ルクス以下のときは輝度が20〜75[cd/m2]の範囲、照度レベルが300ルクス以上のときは輝度が75〜300[cd/m2]の範囲)の占有率Rを演算するとともに(S8)、その占有率Rを上記式(1)に代入して明るさ感評価値Bを算出し(S9)、さらに算出した明るさ感評価値Bを表示手段12、すなわち液晶ディスプレイ3の画面に表示されているダイアログボックスD3に表示する(S10)。なお、他の照明空間の明るさ感評価値も算出するか否かを作業者に確認し(S11)、算出する場合にはS5〜S11の処理を繰り返し、算出しない場合は処理を終了する。
上述のように本実施形態の評価方法および評価システムによれば、対象とする空間に高い輝度の領域が存在する場合においても、そのような高輝度領域を除いた領域が全体に占める割合によって空間の明るさ感を評価することにより、輝度の高い領域が存在する空間に対しても高精度で空間の明るさ感評価値を予測することができる。また、本実施形態の評価システムを用いれば、輝度分布の測定後直ちに明るさ感評価値を得ることができ、設計された照明空間に対して、目標とする空間の明るさ感が達成されているか否かの検証を現場で直ちに行うことができる。
なお、本実施形態では輝度分布データから有効視野範囲内の輝度分布データを作成しているが、CCDカメラ1のレンズ1aの画角を有効視野範囲に一致させておけば、輝度分布データから有効視野範囲内の輝度分布データを抽出する処理(図1のS7)が不要となって演算時間が短縮できるという利点がある。
ところで、本実施形態では明るさ感を求めるのに輝度を用いたが、人間の感覚に適合するようにスケール化された「明るさ」に変換し、その「明るさ」により求めるようにしてもよい。このような「明るさ」としては、下記の式(2)で表されるブライトネスBR(「The brightness of objects in non-uniform luminance fields」,T.Takeuchi,Proceeding of CIE 22rd Session(1995)参照)や、明るさの算出式(「均一背景をもつ視対象の明るさ知覚−輝度の対比を考慮した明るさ知覚に関する研究」,中村茂樹ら,照明学会誌,88-2,pp.77-84(2004)参照)などが利用可能である。
BR=1.2(Lo0.4−3ΔLmin0.7)・・・(2)
但し、Loは視対象の輝度[cd/m2]、ΔLminは輝度差弁別閾値[cd/m2]である。
本発明に係る明るさ感評価方法および評価システムの実施形態を説明するフローチャートである。 同上のシステム構成図である。 同上のブロック図である。 同上の実験を行った照明空間(住宅の廊下)の斜視図である。 同上の実験結果を示すグラフである。 従来方法の実験結果を示すグラフである。 同上の実験結果を示し、平均照度が高く輝度範囲が低い場合のグラフである。 同上の実験結果を示し、平均照度および輝度範囲が高い場合のグラフである。 明るさ感の説明図である。 従来方法の実験結果を示すグラフである。 他の従来方法の実験結果を示すグラフである。 さらに他の従来方法の実験結果を示すグラフである。 別の実験結果を示すグラフである。 実験を行った住宅の居間を示す斜視図である。 従来方法の実験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 CCDカメラ
2 コンピュータ装置
3 液晶ディスプレイ
10 測定手段
11 演算手段
12 表示手段

Claims (5)

  1. 空間全体に対して人が感じる明るさの印象と定義される明るさ感を評価する評価方法であって、空間を観察している視野における所定の視野範囲に対して明るさが所定レベルとなる領域の占める割合を求め、該割合によって当該空間の明るさ感を評価する空間の明るさ感評価方法において、前記空間の平均照度が300ルクス以下であるときに輝度で表した前記所定レベルを20〜75カンデラ毎平方メートルの範囲としたことを特徴とする空間の明るさ感評価方法。
  2. 空間全体に対して人が感じる明るさの印象と定義される明るさ感を評価する評価方法であって、空間を観察している視野における所定の視野範囲に対して明るさが所定レベルとなる領域の占める割合を求め、該割合によって当該空間の明るさ感を評価する空間の明るさ感評価方法において、前記空間の平均照度が300ルクス以上であるときに輝度で表した前記所定レベルを75〜300カンデラ毎平方メートルの範囲としたことを特徴とする間の明るさ感評価方法。
  3. 前記所定の視野範囲を、前記観察視野の中心から左右60度および上下40度以内の範囲としたことを特徴とする請求項1又は2記載の空間の明るさ感評価方法。
  4. 空間全体に対して人が感じる明るさの印象と定義される明るさ感を評価する評価システムであって、空間を観察している視野における所定の視野範囲内の輝度分布を測定する測定手段と、前記輝度分布より前記視野範囲に対して輝度レベルが所定レベルとなる領域の占める割合を演算する演算手段と、該演算手段で演算した前記割合で当該空間の明るさ感を評価した評価値を表示する表示手段とを備え、前記空間の平均照度が300ルクス以下であるときに輝度で表した前記所定レベルを20〜75カンデラ毎平方メートルの範囲としたことを特徴とする間の明るさ感評価システム
  5. 空間全体に対して人が感じる明るさの印象と定義される明るさ感を評価する評価システムであって、空間を観察している視野における所定の視野範囲内の輝度分布を測定する測定手段と、前記輝度分布より前記視野範囲に対して輝度レベルが所定レベルとなる領域の占める割合を演算する演算手段と、該演算手段で演算した前記割合で当該空間の明るさ感を評価した評価値を表示する表示手段とを備え、前記空間の平均照度が300ルクス以上であるときに輝度で表した前記所定レベルを75〜300カンデラ毎平方メートルの範囲としたことを特徴とする空間の明るさ感評価システム。
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