JP6514057B2 - 光環境評価装置及び光環境評価方法 - Google Patents

光環境評価装置及び光環境評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6514057B2
JP6514057B2 JP2015141286A JP2015141286A JP6514057B2 JP 6514057 B2 JP6514057 B2 JP 6514057B2 JP 2015141286 A JP2015141286 A JP 2015141286A JP 2015141286 A JP2015141286 A JP 2015141286A JP 6514057 B2 JP6514057 B2 JP 6514057B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angle
light environment
view
spatial frequency
environment evaluation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015141286A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017020993A (ja
Inventor
克彦 坂田
克彦 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2015141286A priority Critical patent/JP6514057B2/ja
Publication of JP2017020993A publication Critical patent/JP2017020993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6514057B2 publication Critical patent/JP6514057B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Image Analysis (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Description

本発明は、光環境を評価するための光環境評価装置及び光環境評価方法に関する。
従来、建築分野においては、光環境の評価を考慮した設計が行われている。光環境の評価としては、例えば、空間の明るさ感が利用される。空間の明るさ感は、空間全体から感じる明るさの印象、つまり人の感覚量である。このため、空間の明るさ感は、人の感覚量を定量化した明るさ感指標値として表される。なお、本明細書では、「空間の明るさ感」を単に「明るさ感」とも言う。明るさ感の指標値としては、所定画角内における平均輝度を用いる方法が一般的である(非特許文献1参照)。
D. L. Loe, K. P. Mansfield and E Rowlands: Appearance of litenvironment and its relevance in lighting design : Experimental study, LightingRes. Technol., 26-3, pp.119-133 (1994) 小林茂雄,中村芳樹:「空間の輝度分布が室内の明るさ感に与える影響」,日本建築学会計画系論文集,第487号,pp.33−41,1996年
ところで、光環境は、様々な要素が組み合わされているため、より高精度に光環境を評価するためには、平均輝度以外の要因も考慮する必要がある。非特許文献2には、光環境の評価に関して、粗い周波数の輝度変化が明るさ感に大きく影響を及ぼすことが記載されている。しかしながら、非特許文献2では、模型空間を外部から眺めた際の輝度分布を扱っているだけで、空間内の視点からの輝度画像や、輝度変化の空間周波数を扱っていない。しかも、非特許文献2では、明るさ感指標値の推定式の導出には至っていない。このため、光環境の評価精度を向上させる観点において、未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、光環境の評価精度を向上できる光環境評価装置及び光環境評価方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的に基づいて鋭意研究を行った結果、明るさに関する量の不均一が光環境に大きな影響を及ぼすとの知見を得た。更に鋭意研究を重ねた結果、環境光の無指向性を表す空間周波数成分及び細部の濃淡を示す空間周波数成分の不均一度が、光環境に大きく影響するとの知見を得た。
本発明は、上記知見に基づきなされたものである。すなわち、画像の各位置における明るさに関する量に基づいて光環境を評価する光環境評価装置であって、画像を取得する取得部と、取得部で取得された画像を複数の異なる空間周波数成分に周波数分解する処理部と、を備え、処理部は、複数の異なる空間周波数成分のうち、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分を抽出し、第一空間周波数成分の第一画角内における不均一度である第一不均一度を算出する。
本発明に係る光環境評価装置では、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分の不均一度は光環境に大きく影響するとの知見に基づき、第一空間周波数成分の第一不均一度を算出する。これにより、算出した第一不均一度を利用することで、光環境の評価精度を向上することができる。
また、本発明は、上記知見に基づきなされたものである。すなわち、画像の各位置における明るさに関する量に基づいて光環境を評価する光環境評価装置であって、画像を取得する取得部と、取得部で取得された画像を複数の異なる空間周波数成分に周波数分解する処理部と、を備え、処理部は、複数の異なる空間周波数成分のうち、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分を抽出し、第二空間周波数成分の第二画角内における不均一度である第二不均一度を算出する。
本発明に係る光環境評価装置では、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分の不均一度は光環境に大きく影響するとの知見に基づき、第二空間周波数成分の第二不均一度を算出する。これにより、算出した第二不均一度を利用することで、光環境の評価精度を向上することができる。
また、本発明は、上記知見に基づきなされたものである。すなわち、画像の各位置における明るさに関する量に基づいて光環境を評価する光環境評価装置であって、画像を取得する取得部と、取得部で取得された画像を複数の異なる空間周波数成分に周波数分解する処理部と、を備え、処理部は、複数の異なる空間周波数成分のうち、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分を抽出し、第一空間周波数成分の第一画角内における不均一度である第一不均一度を算出し、複数の異なる空間周波数成分のうち、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分を抽出し、第二空間周波数成分の第二画角内における不均一度である第二不均一度を算出する。
本発明に係る光環境評価装置では、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分の不均一度は光環境に大きく影響するとの知見に基づき、第一空間周波数成分の第一不均一度を算出する。また、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分の不均一度は光環境に大きく影響するとの知見に基づき、第二空間周波数成分の第二不均一度を算出する。これにより、算出した第一不均一度及び第二不均一度を利用することで、光環境の評価精度を向上することができる。
ここで、環境光の無指向性とは、環境光の拡散性が弱く指向性が強い状態であるか、環境光の拡散性が強く指向性が弱い状態であるのかをいい、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分とは、このような環境光の無指向性がよく表れる周波数成分をいう。また、細部の濃淡が表れる要因としては、例えば、細かい発光部、細かい陰影、細かい模様等が挙げられ、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分は、このような細部の濃淡がよく表れる周波数成分となる。
処理部は、画像の第三画角内の明るさに関する量の平均値を算出し、平均値と、第一不均一度と、に基づいて、明るさ感指標値を算出してもよい。この光環境評価装置では、明るさ感に関する平均値だけでなく、第一不均一度にも基づいて明るさ感指標値を算出することで、明るさ感の主観評価結果との相関を高めることができる。これにより、光環境の評価精度を更に向上することができる。
処理部は、画像の第三画角内の明るさに関する量の平均値を算出し、平均値と、第一不均一度と、第二不均一度と、に基づいて、明るさ感指標値を算出してもよい。この光環境評価装置では、明るさ感に関する平均値だけでなく、第一不均一度及び第二不均一度にも基づいて明るさ感指標値を算出することで、明るさ感の主観評価結果との相関を高めることができる。これにより、光環境の評価精度を更に向上することができる。
第一空間周波数成分は、0.01[cycle/deg]以上0.03[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分であってもよい。本発明者の研究により、0.01[cycle/deg]以上0.03[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分は、環境光の無指向性を表すとの知見を得た。そこで、この光環境評価装置では、当該空間周波数成分を、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分とすることで、第一不均一度により、光環境における環境光の無指向性を適切に評価することができる。
第一画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定され、第一画角の仰角上限は、15°以上25°以下であり、第一画角の仰角下限は、−25°以上−15°以下であり、第一画角の方位角右限は、40°以上90°以下であり、第一画角の方位角左限は、−90°以上−40°以下であってもよい。この光環境評価装置では、第一画角を上記範囲として第一不均一度を算出することで、処理負荷の増大を抑制しつつ、算出された第一不均一度により適切に光環境の評価を行うことができる。
第一不均一度は、分散又は標準偏差であってもよい。この光環境評価装置では、分散又は標準偏差で第一不均一度を表わすため、第一不均一度を適切に算出することができる。
第二空間周波数成分は、0.2[cycle/deg]以上1.0[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分であってもよい。本発明者の研究により、0.2[cycle/deg]以上1.0[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分は、細部の濃淡を示すとの知見を得た。そこで、この光環境評価装置では、当該空間周波数成分を、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分とすることで、第二不均一度により、光環境における細部の濃淡を適切に評価することができる。
第二画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定され、第二画角の仰角上限は、15°以上25°以下であり、第二画角の仰角下限は、−25°以上−15°以下であり、第二画角の方位角右限は、40°以上90°以下であり、第二画角の方位角左限は、−90°以上−40°以下であってもよい。この光環境評価装置では、第二画角を上記範囲として第二不均一度を算出することで、処理負荷の増大を抑制しつつ、算出された第二不均一度により適切に光環境の評価を行うことができる。
第二不均一度は、分散又は標準偏差であってもよい。この光環境評価装置では、分散又は標準偏差で第二不均一度を表わすため、第二不均一度を適切に算出することができる。
第三画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定され、第三画角の仰角上限は、5°以上50°以下であり、第三画角の仰角下限は、−50°以上0°以下であり、第三画角の方位角右限は、25°以上90°以下であり、第三画角の方位角左限は、−90°以上−25°以下であってもよい。この光環境評価装置では、第三画角を上記範囲として明るさ感指標値を算出することで、処理負荷の増大を抑制しつつ、算出された明るさ感指標値により適切に光環境の評価を行うことができる。
明るさに関する量は、輝度であってもよい。この光環境評価装置では、明るさに関する量として輝度を採用することで、画像の取扱い性が向上する。
処理部は、ウェーブレット分解により画像を複数の空間周波数成分に周波数分解してもよい。この光環境評価装置では、周波数分解の手法としてウェーブレット分解を採用するため、容易に周波数分解することができる。
本発明に係る光環境評価方法は、上記の何れかの光環境評価装置により第一不均一度を算出する。本発明に係る光環境評価方法では、上記の光環境評価装置により第一不均一度を算出するため、光環境の評価精度を向上することができる。
本発明に係る光環境評価方法は、上記の何れかの光環境評価装置により第二不均一度を算出する。本発明に係る光環境評価方法では、上記の光環境評価装置により第二不均一度を算出するため、光環境の評価精度を向上することができる。
本発明に係る光環境評価方法は、上記の何れかの光環境評価装置により明るさ感指標値を算出する。本発明に係る光環境評価方法では、上記の光環境評価装置により明るさ感指標値を算出するため、光環境の評価精度を向上することができる。
本発明によれば、光環境の評価精度を向上することができる。
実施形態の光環境評価装置を示すブロック図である。 画角を説明するための図である。 画像の一例を示す図である。 図3に示す画像を周波数分解(ウェーブレット分解)した輝度変化画像である。 分解レベルと偏相関係数との関係を示すグラフである。 仰角上限と偏相関係数との関係を示すグラフである。 仰角下限と偏相関係数との関係を示すグラフである。 第一画角を説明するための図である。 第一不均一度(AD値)を説明するための図であり、(a)はオフィス空間の画像、(b)は分解レベル9の輝度変化画像である。 第一不均一度(AD値)を説明するための図であり、(a)はオフィス空間の画像、(b)は分解レベル9の輝度変化画像である。 第一不均一度(AD値)を説明するための図であり、(a)はオフィス空間の画像、(b)は分解レベル9の輝度変化画像である。 分解レベルと偏相関係数との関係を示すグラフである。 ME評定値と主観評価との関係を示すグラフである。 平均値x1のみを説明変数として算出した明るさ感指標値と被検者ME評定値との関係を示すグラフである。 平均値x1及び第一不均一度x2を説明変数として算出した明るさ感指標値と被検者ME評定値との関係を示すグラフである。 平均値x1、第一不均一度x2及び第二不均一度x3を説明変数として算出した明るさ感指標値と被検者ME評定値との関係を示すグラフである。 実施形態の光環境評価方法を示すフローチャートである。 平均値の算出方法を示すフローチャートである。 第一不均一度の算出方法を示すフローチャートである。 第二不均一度の算出方法を示すフローチャートである。 光環境評価方法の変形例を示すフローチャートである。 第一不均一度(AD値)の利用方法を説明するための図である。 第二不均一度(CD値)の利用方法を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る光環境評価装置及び光環境評価方法の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態の光環境評価装置及び光環境方法は、画像の各位置における明るさに関する量に基づいて光環境を評価する光環境評価装置及び光環境方法である。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
[光環境評価装置の基本構成]
図1は、実施形態の光環境評価装置を示すブロック図である。図1に示すように光環境評価装置1は、取得部2と、処理部3、出力部4と、を備える。
取得部2は、所定の視点位置から見た所定画角内の画像を取得する。画像は、空間の明るさ感を評価するために用いる画像であって、明るさに関する量を含む画像である。明るさに関する量としては、例えば、明るさに関する物理量、明るさに関する心理量、明るさに関する生理量等が挙げられる。画像としては、輝度画像、明るさ画像等がある。輝度画像は、画像内の各点が輝度で表わされた輝度分布画像である。このため、輝度画像に含まれる明るさに関する量は、物理量である輝度となる。明るさ画像は、画像内の各点が明るさ尺度値であるNB(Natural-scale Brightness)値で表わされた明るさ分布画像である。このため、明るさ画像に含まれる明るさに関する量は、物理量又は心理量であるNB値となる。NB値は、明るさ分布画像内の各点が持つ明るさの値で、1から13までの13段階(1:非常に暗い,3:暗い,5:やや暗い,7:どちらでもない,9:やや明るい,11:明るい,13:非常に明るい)の順序尺度で表わされる。
空間の設計(窓の計画、照明の計画等)を行う場合は、例えば、CADで作成したモデルから輝度画像を計算することにより、画像を作成する。そして、取得部2は、この作成した画像を取得する。この場合、明るさに関する量は、太陽光の配光データ、天空光の配光データ、照明器具の配光データの少なくとも一つに基づくシミュレーションにより求める。このように求める量を用いることで、空間の明るさ感の評価を適切に行うことができる。一方、空間の光環境の調整等を行う場合は、例えば、デジタルカメラにより、画像を撮像する。そして、取得部2は、この撮像した画像を取得部する。この場合、明るさに関する量は、カメラで撮像した輝度画像により求める。このように求める量を用いることで、空間の明るさ感の評価を適切に行うことができる。
図2は、画角を説明するための図である。図2に示すように、画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定される。取得部2が取得部する画像の画角は、仰角上限が90°、仰角下限が−90°、方位角右限が90°、方位角左限が−90°である。つまり、当該画角は、上下に180°、左右に180°である。なお、取得部2で取得部する画像の画角は、上記値に限定されるものではないが、後述する周波数分解により、実空間で明るさ感に影響を与えるような粗い周波数を適切に表すために、できるだけ広い画角であることが好ましい。このため、取得部2が取得部する画像は、魚眼レンズにより撮像した画像となる。但し、後述するようにウェーブレット分解を行うためには、画像を矩形にする必要があるため、取得部2の取得部前後において、魚眼レンズで撮像した魚眼画像を正距方位図法に変換しておく。なお、画像の撮像は、魚眼レンズによる撮像が好ましいが、通常のレンズによる撮像であってもよい。
また、画像の解像度は、0.1deg/pix(上下方向に1800ピクセル、左右方向に1800ピクセル)である。また、取得部2で取得部する画像の解像度は、上記値に限定されるものではない。
処理部3は、光環境を評価するために、取得部2で取得部された画像に基づいて、空間の明るさ感の指標値である明るさ感指標値を算出する。明るさ感指標値は、NSB(Natural-scale Space Brightness)値とも言う。明るさ感指標値は、取得部2で取得部された画像の第三画角内の明るさに関する量の平均値x1と、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分の第一画角内における不均一度である第一不均一度x2と、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分の第二画角内における不均一度である第二不均一度x3と、に基づいて求められる。具体的には、明るさ感指標値は、以下の式(1)により表される。
ここで、環境光の無指向性とは、環境光の拡散性が弱く指向性が強い状態であるか、環境光の拡散性が強く指向性が弱い状態であるのかをいい、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分とは、このような環境光の無指向性がよく表れる周波数成分をいう。また、細部の濃淡が表れる要因としては、例えば、細かい発光部、細かい陰影、細かい模様等が挙げられ、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分は、このような細部の濃淡がよく表れる周波数成分となる。
NSB値=0.28e1.6[a(x1)−b(x2)+c(x3)+d] …(1)
つまり、明るさ感指標値は、平均値x1,第一不均一度x2,第二不均一度x3を指数とした指数関数により表される。式(1)において、a,b,c,cは、定数である。なお、式(1)の求め方については、後述する。
出力部4は、処理部3が算出した明るさ感指標値、平均値x1、第一不均一度x2、及び第二不均一度x3を出力する。出力部4による出力形態としては、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷等が挙げられる。
[明るさ感指標値の算出式]
上述したように、明るさ感指標値は、平均値x1,第一不均一度x2,第二不均一度x3を指数とした式(1)により表される。そこで、以下に、式(1)の求め方について説明する。
まず、明るさ感指標値を求めるために、被検者実験の評定値を目的変数とした重回帰分析を行う。
非特許文献1に記載されているように、従来から、光環境の評価として明るさに関する量の平均値(例えば、輝度の対数の平均値:平均対数輝度)を利用することが行われている。そこで、平均値x1を、重回帰分析の第一の説明変数とする。なお、取得部2で取得部する画像が輝度画像である場合、明るさに関する量は輝度であるため、平均値x1は輝度の対数の平均値(平均対数輝度)となる。取得部2で取得部する画像が明るさ画像である場合、明るさに関する量はNB値であるため、平均値x1はNB値の平均値(平均NB値)となる。
平均値x1の第三画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定される(図2参照)。
第三画角の仰角上限θ1は、5°以上50°以下とすることが好ましい。第三画角の仰角下限θ2は、−50°以上0°以下とすることが好ましい。第三画角の方位角右限θ3は、25°以上90°以下とすることが好ましい。第三画角の方位角左限θ4は、−90°以上−25°以下とすることが好ましい。
具体例としては、第三画角の仰角上限を20°、第三画角の仰角下限を0°、第三画角の方位角右限を50°、第三画角の方位角左限を−50°とする。この画角は、本発明者が先に特許出願した特開2014−260388号に記載したように、空間の環境によって変更する。例えば、視線方向前方に床が有る場合は、仰角下限を−40°とする。また、視線方向前方に窓が有る場合は、仰角上限を40°とする。また、視点位置から空間の天井までの距離に対する視点位置から空間の視線方向前方の壁までの距離の割合が6よりも小さい場合(天井に対して前方の壁が近い場合)は、仰角上限を40°とし、当該割合が10よりも大きい場合(天井に対して前方の壁が遠い場合)は、仰角上限を10°とする。
次に、重回帰分析の第二の説明変数及び第三の説明変数を特定するために、取得部2で取得部する画像を、複数の異なる空間周波数成分に周波数分解する。周波数分解の手段としては、特に限定されないが、本実施形態では、Symlet6のウェーブレット分解を採用する。なお、説明を分かり易くするために、明るさに関する量として輝度を採用して説明する。但し、輝度以外の明るさに関する量を用いた場合も、同様である。
図3は、画像の一例を示す図である。図4は、図3に示す画像を周波数分解(ウェーブレット分解)した輝度変化画像である。
図3及び図4に示すように、取得部2で取得部する画像を、分解レベル1から分解レベル10の分解レベルに分解する。すると、図4に示すような各分解レベルの空間周波数成分の輝度変化画像が得られる。なお、取得部2で取得部する画像の解像度が変わると、ウェーブレット分解により周波数分解される各分解レベルの空間周波数も変わる。
重回帰分析の目的変数として、マグニチュード推定法(以下「ME法」という。)に基づくME評定値を求める。ME評定値は、被験者実験により得られる間隔尺度の物理量である。ME評定値の求め方は、まず、基準空間の視覚刺激と比較した様々な実験空間の視覚刺激の値を被験者に申告してもらう。そして、申告値の平均値を、目的変数であるME評定値とする。
そして、ウェーブレット分解により周波数分解した各分解レベルの空間周波数成分のうち、上述した目的変数及び第一の説明変数を用いた重回帰分析によって最も相関が高くなる空間周波数成分の不均一度を、重回帰分析の第二の説明変数として特定する。不均一度は、分散又は標準偏差で表わすことができる。重回帰分析では、被検者の主観評価結果との間の相関を算出する。被験者の主観評価結果は、被検者の感じた明るさ感であって、1から13までの13段階(1:非常に暗い,3:暗い,5:やや暗い,7:どちらでもない,9:やや明るい,11:明るい,13:非常に明るい)の順序尺度で表わされる。
なお、重回帰分析によって得られる偏回帰係数は、重回帰分析を行う対象空間における不均一の特徴によって大きく異なることが考えられる。例えば、オフィスの輝度分布とエントランスの輝度分布とは、異なる特徴を持っている。そこで、オフィスとエントランスとを別のグループに分け、各グループについて重回帰分析を行い、グループ毎に偏回帰係数を求める。
図5及び表1は、分解レベルと偏相関係数との関係を示すグラフである。図5において、横軸は、ウェーブレット分解の分解レベルを示しており、縦軸は、第二の説明変数の偏相関係数を示している。
図5及び表1に示すように、分解レベル9(空間周波数:0.014[cycle/deg])の場合の偏相関係数が、最も絶対値の大きい−0.6805となっており、分解レベル8(空間周波数:0.028[cycle/deg])の場合の偏相関係数が、次に絶対値の大きい−0.4156となっている。なお、マイナスの相関係数は、マイナス方向の相関を示している。また、一般的に、偏相関係数の絶対値が0.5を超えると相関が高いと言われている。そこで、0.01[cycle/deg]以上0.03[cycle/deg]以下の空間周波数の第一画角内における不均一度を、第二の説明変数である第一不均一度x2とする。なお、不均一度は、上述したように、分散又は標準偏差で表わすことができ、ウェーブレット分解により周波数分解した場合は、不均一度を分散で表わすことが好ましい。

第一画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定される。そして、一般に、人が明るさ感を主に知覚する画角は、仰角上限が20°、仰角下限が−20°、方位角右限が50°、方位角左限が−50°といわれている。そこで、暫定的に、第一画角の仰角上限を20°、第一画角の仰角下限を−20°、第一画角の方位角右限を50°、第一画角の方位角左限を−50°とする。つまり、当該画角は、上下に40°、左右に100°となる。
次に、図6〜図8を参照して、第一画角の特定方法について説明する。図6及び表2は、仰角上限と偏相関係数との関係を示すグラフである。図7及び表2は、仰角下限と偏相関係数との関係を示すグラフである。図8は、第一画角を説明するための図である。
まず、仰角下限を−20°、方位角右限を50°、方位角左限を−50°にそれぞれ固定し、仰角上限を−10°から60°まで10°刻みで変化させて、第二の説明変数である第一不均一度x2の偏相関係数を算出する。図6及び表2に示すように、仰角上限が20°の場合の偏相関係数が、最も絶対値の大きい−0.6805となる。そこで、第一画角の仰角上限を15°以上25°以下とし、例えば、図8に示すように、20°とする。

次に、仰角上限を20°、方位角右限を50°、方位角左限を−50°にそれぞれ固定し、仰角下限を−60°から10°まで10°刻みで変化させて、第二の説明変数である第一不均一度x2の偏相関係数を算出する。図7及び表3に示すように、仰角下限が−20°の場合の偏相関係数が、最も絶対値の大きい−0.6805となる。そこで、第一画角の仰角下限を−25°以上−15°以下とし、例えば、図8に示すように、−20°とする。

次に、仰角上限を20°、仰角下限を−20°にそれぞれ固定し、方位角右限を40°から90°まで、また、方位角左限を−90°から−40°まで、10°刻みで変化させて、第二の説明変数である第一不均一度x2の偏相関係数を算出する。その結果、方位角右限が60°、方位角左限が−60°の場合の偏相関係数が、最も絶対値の大きい−0.6897となる。そこで、第一画角の方位角右限を40°以上90°以下とし、第一画角の方位角左限を−90°以上−40°以下とし、例えば、図8に示すように、第一画角の方位角左限を60°、第一画角の方位角右限を−60°とする。
ここで、0.01[cycle/deg]以上0.03[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分は、環境光(アンビエント光)の無指向性を表す成分となる。このため、0.01[cycle/deg]以上0.03[cycle/deg]以下の空間周波数の第一画角内における輝度の分散、すなわち第一不均一度x2を、AD値(ambient-directivity value)とも言う。なお、環境光は、窓採光や局所照明などであり、無指向性は、拡散性とも言う。
図9〜図11は、第一不均一度(AD値)を説明するための図であり、(a)はオフィス空間の画像、(b)は分解レベル9の輝度変化画像である。図9に示すオフィス空間は、左壁面を照らす局所照明が、指向性のやや強いアンビエント光となるため、AD値は0.25となっている。図10に示すオフィス空間は、全体的に照明が分散されており、指向性の強いアンビエント光が無いため、AD値は、図9のオフィス空間よりも低い0.16となっている。図11に示すオフィス空間は、窓採光が、指向性の強いアンビエント光となるため、AD値は、図9のオフィス空間よりも高い0.34となっている。
次に、ウェーブレット分解により周波数分解した各分解レベルの空間周波数成分のうち、上述した目的変数、第一の説明変数(平均値x1)及び第二の説明変数(第一不均一度x2)を用いた重回帰分析によって最も相関が高くなる空間周波数成分の不均一度を、重回帰分析の第三の説明変数として特定する。なお、第三の説明変数は、第二の説明変数の特定と同様の手法を用いて特定する。
図12及び表4は、分解レベルと偏相関係数との関係を示すグラフである。図12において、横軸は、ウェーブレット分解の分解レベルを示しており、縦軸は、第三の説明変数の偏相関係数を示している。図12及び表4に示すように、分解レベル4(空間周波数:0.455[cycle/deg])の場合の偏相関係数が、最も絶対値の大きい0.4166となっており、分解レベル5(空間周波数:0.227[cycle/deg])の場合の偏相関係数が、次に絶対値の大きい0.4050となっており、分解レベル3(空間周波数:0.909[cycle/deg])の場合の偏相関係数が、次に絶対値の大きい0.3007となっている。そこで、0.2[cycle/deg]以上1.0[cycle/deg]以下の空間周波数の第二画角内における輝度の分散を、第三の説明変数である第二不均一度x3とする。

第二画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定される。そして、第一画角と同様の手法で第二画角を特定する。すなわち、第二画角の仰角上限を15°以上25°以下とし、例えば、20°とする。また、第二画角の仰角下限を−25°以上−15°以下とし、例えば、−20°とする。また、第二画角の方位角右限を40°以上90°以下とし、例えば、60°とする。また、第二画角の方位角左限を−90°以上−40°以下とし、例えば、−60°とする。
ここで、0.2[cycle/deg]以上1.0[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分は、家具のエッジなどの細部(ディテール)の濃淡を表す成分となる。このため、0.2[cycle/deg]以上1.0[cycle/deg]以下の空間周波数の第二画角内における輝度の分散、すなわち第二不均一度x3を、CD値(contrast-detail value)とも言う。
次に、図13を参照して、間隔尺度であるME評定結果と順序尺度である主観評価結果との関係を説明する。図13は、ME評定結果と主観評価結果との関係を示すグラフである。図13に示すように、ME評定結果yと主観評価結果xとの相関分析を行うと、y=0.2804e1.5975xで表わされる指数関数の関係式が導き出される。
そこで、この関係式に、明るさ感指標値(NSB値)、平均値x1、第一不均一度x2及び第二不均一度x3を当てはめると、上述した式(1)となる。更に、式(1)の定数a,b,c,dを求めると、以下の式(2)とする。なお、定数a,b,c,dは、採用する明るさに関する量の種類や、不均一度の求め方などによって変動する。
NSB値=0.28e1.6[0.571(x1)−2.65(x2)+23.4(x3)+0.57] …(2)
ここで、図14〜図16を参照して、明るさ感指標値について別の角度から評価する。図14は、平均値x1のみを説明変数として算出した明るさ感指標値と被検者ME評定値との関係を示すグラフである。図15は、平均値x1及び第一不均一度x2を説明変数として算出した明るさ感指標値と被検者ME評定値との関係を示すグラフである。図16は、平均値x1、第一不均一度x2及び第二不均一度x3を説明変数として算出した明るさ感指標値と被検者ME評定値との関係を示すグラフである。
図14に示すように、平均値x1のみを説明変数とした場合は、決定係数Rが0.8329となる。図15に示すように、平均値x1及び第一不均一度x2を説明変数とした場合は、決定係数Rが0.9118となる。図16に示すように、平均値x1、第一不均一度x2及び第二不均一度x3を説明変数とした場合は、決定係数Rが0.9449となる。
このように、平均値x1のみを説明変数とする単回帰式によって計算される明るさ感指標値に比べて、不均一度も説明変数とした重回帰式によって計算される明るさ感指標値の方が、明るさ感の推定精度が高くなる。更に、不均一度を一つの説明変数とする重回帰式によって計算される明るさ感指標値に比べて、不均一度を二つの説明変数とする重回帰式によって計算される明るさ感指標値の方が、明るさ感の推定精度が高くなる。
次に、図17〜図20を参照して、光環境評価方法について説明する。
図17は、実施形態の光環境評価方法を示すフローチャートである。図17に示すように、光環境評価方法では、まず、画像を取得する(ステップS1)。ステップS1は、取得部2により行われる。ステップS1で取得する画像の画角は、例えば、仰角上限が90°、仰角下限が−90°、方位角右限が90°、方位角左限が−90°である。また、当該画像の解像度は、例えば、0.1deg/pix(上下方向に1800ピクセル、左右方向に1800ピクセル)である。
次に、明るさに関する量の平均値x1を算出する(ステップS2)。ステップS2は、処理部3により行われる。
図18は、平均値の算出方法を示すフローチャートである。図18に示すように、ステップS2では、まず、第三画角を設定する(ステップS21)。ステップS21では、第三画角として、例えば、仰角上限を20°、仰角下限を0°、方位角右限を50°、方位角左限を−50°に設定する。更に、ステップS21では、視線方向前方の床の有無、視線方向前方の窓の有無、視点位置から空間の天井までの距離に対する視点位置から空間の視線方向前方の壁までの距離の割合に応じて、設定する第三画角を変更する。
次に、ステップS21で設定した第三画角内における明るさ感に関する量の平均値x1を算出する(ステップS22)。ステップS1で取得した画像が輝度画像である場合、平均値x1は、平均対数輝度とすることができる。そして、ステップS21を終了する。
図17に示すように、ステップS2が終了すると、次に、第一不均一度x2を算出する(ステップS3)。ステップS3は、処理部3により行われる。
図19は、第一不均一度の算出方法を示すフローチャートである。図19に示すように、ステップS3では、まず、ステップS1で取得した画像を複数の異なる空間周波数成分に周波数分解する(ステップS31)。周波数分解は、例えば、Symlet6のウェーブレット分解により、分解レベル1から分解レベル10の分解レベルに分解する。これにより、ステップS1で取得した画像が輝度画像である場合は、各空間周波数成分の輝度変化画像が得られる。
次に、ステップS31で周波数分解した各空間周波成分から、環境光の無指向性を示す空間周波数成分を抽出する(ステップS32)。ステップS32では、環境光の無指向性を示す空間周波数成分として、0.01[cycle/deg]以上0.03[cycle/deg]以下の空間周波数成分を抽出する。具体的には、分解レベル9の空間周波数成分を抽出する。
次に、第一画角を設定する(ステップS33)。ステップS33では、第一画角として、例えば、仰角上限を20°、仰角下限を−20°、方位角右限を60°、方位角左限を−60°に設定する。
次に、ステップS33で設定した第一画角内における第一不均一度x2(AD値)を算出する(ステップS34)。ステップS34では、第一不均一度x2として、ステップS32で注出した第一空間周波数成分の、第一画角内における不均一度を算出する。不均一度は、分散又は標準偏差で表わされ、例えば、分散とする。そして、ステップS3を終了する。
図17に示すように、ステップS3が終了すると、次に、第二不均一度x3を算出する(ステップS4)。ステップS4は、処理部3により行われる。
図20は、第二不均一度の算出方法を示すフローチャートである。図20に示すように、ステップS4では、まず、ステップS1で取得した画像を複数の異なる空間周波数成分に周波数分解する(ステップS41)。なお、ステップS41はステップS31と同様であるため、ステップS41を省略してもよい。
次に、ステップS41(ステップS41を省略した場合は、ステップS31)で周波数分解した各空間周波成分から、細部の濃淡を表す空間周波数成分を抽出する(ステップS42)。ステップS42では、細部の濃淡を表す空間周波数成分として、0.2[cycle/deg]以上1.0[cycle/deg]以下の空間周波数成分を抽出する。具体的には、分解レベル4の空間周波数成分を抽出する。
次に、第二画角を設定する(ステップS43)。ステップS43では、第二画角として、例えば、仰角上限を20°、仰角下限を−20°、方位角右限を60°、方位角左限を−60°に設定する。
次に、ステップS43で設定した第二画角内における第二不均一度x3(CD値)を算出する(ステップS44)。ステップS44では、第二不均一度x3として、ステップS42で注出した第二空間周波数成分の、第二画角内における不均一度を算出する。不均一度は、分散又は標準偏差で表わされ、例えば、分散とする。そして、ステップS4を終了する。
図17に示すように、ステップS4が終了すると、次に、明るさ感指標値を算出する(ステップS5)。ステップS5では、ステップS2で算出した平均値x1と、ステップS3で算出した第一不均一度x2と、ステップS3で算出した第二不均一度x3と、に基づいて、明るさ感指標値を算出する。明るさ感指標値は、例えば、上述した式(2)により算出する。
ステップS5が終了すると、次に、ステップS5で算出した明るさ感指標値、ステップS2で算出した平均値x1、ステップS3で算出した第一不均一度x2、及びステップS3で算出した第二不均一度x3を出力する(ステップS6)。ステップS6は、出力部4により行われる。
そして、ステップS6で出力した明るさ感指標値に対する判定を行い、明るさ感指標値が目標値を満たさない場合は、照明を調整して再度ステップS1から繰り返し、明るさ感指標値が目標値を満たす場合は、光環境評価方法を終了する。
このように、本実施形態では、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分の第一不均一度x2と、細部の濃淡を示す第二空間周波数成の第二不均一度x3と、を算出する。これにより、算出した第一不均一度x2及び第二不均一度x3を利用することで、光環境の評価精度を向上することができる。具体的には、明るさ感に関する平均値だけでなく、第一不均一度及び第二不均一度にも基づいて明るさ感指標値を算出することで、明るさ感の主観評価結果との相関を高めることができる。これにより、光環境の評価精度を更に向上することができる。
また、0.01[cycle/deg]以上0.03[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分を、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分とすることで、第一不均一度x2により、光環境における環境光の無指向性を適切に評価することができる。同様に、0.2[cycle/deg]以上1.0[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分を、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分とすることで、第二不均一度x3により、光環境における細部の濃淡を適切に評価することができる。
また、第一画角及び第二角度を上記範囲として第一不均一度x2及び第二不均一度x3を算出することで、処理負荷の増大を抑制しつつ、算出された第一不均一度x2及び第二不均一度x3により適切に光環境の評価を行うことができる。更に、第一画角、第二角度及び第三角度を上記範囲として明るさ感指標値を算出することで、処理負荷の増大を抑制しつつ、算出された明るさ感指標値により適切に光環境の評価を行うことができる。
また、分散又は標準偏差で不均一度を表わすため、不均一度を適切に算出することができる。また、明るさに関する量として輝度を採用することで、画像の取扱い性が向上する。また、周波数分解の手法としてウェーブレット分解を採用するため、容易に周波数分解することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、Symlet6のウェーブレット分解により周波数分解するものとして説明したが、周波数分解の手法としては、Symlet6以外のウェーブレット分解を用いてもよく、フーリエ変換などのウェーブレット分解外の手法を用いてもよい。
また、上記実施形態では、垂直画角及び水平画角の具体例を説明したが、垂直画角及び水平画角は上記の具体例に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、出力部4は、明るさ感指標値、平均値x1、第一不均一度x2及び第二不均一度x3を出力するものとして説明したが、この中の一部のみを出力するものとしてもよい。例えば、明るさ感指標値のみを出力してもよい。
また、上記実施形態では、平均値x1、第一不均一度x2及び第二不均一度x3を説明変数とする重回帰式によって明るさ感指標値の算出式を導き出したが、平均値x1及び第一不均一度x2を説明変数とする重回帰式によって明るさ感指標値の算出式を導き出してもよい。この場合、明るさ感指標値は、上述した式(1)において(x3)に0.017を代入して算出すればよい。なお、上述した式(1)において(x3)に0を代入してもよい。この場合、定数dが0.97となるため、上述した式(1)は、以下の式(3)となる。
NSB値=0.28e1.6[0.571(x1)−2.65(x2)+0.97] …(3)
また、光環境評価方法としては、図21に示すように、上記実施形態のステップS4を省略すればよい。図21は、光環境評価方法の変形例を示すフローチャートである。図21に示すように、まず、画像を取得し(ステップS1)、次に、明るさに関する量の平均値x1を算出し(ステップS2)、次に、第一不均一度x2を算出し(ステップS3)、次に、明るさ感指標値を算出し(ステップS5)、次に、ステップS5で算出した明るさ感指標値、ステップS2で算出した平均値x1、及びステップS3で算出した第一不均一度x2を出力する(ステップS6)。このように、第二不均一度を利用しなくても、上記実施形態と同様に、光環境の評価精度を向上することができる。
また、上記実施形態では、明るさ感指標値を算出し、この算出した明るさ感指標値に基づいて光環境を評価するものとして説明したが、第一不均一度x2及び第二不均一度x3の少なくとも一方のみに基づいて光環境を評価するものとしてもよい。この場合、処理部3は、第一不均一度x2及び第二不均一度x3の少なくとも一方のみを算出すればよい。
図22は、第一不均一度(AD値)の利用方法を説明するための図である。図22の(a)に示すオフィス空間は、小さな複数の窓採光が設けられているとともに、天井照明が分散されている。このため、図22の(a)に示すオフィス空間のAD値は、4.0×10−3となっている。図22の(b)に示すオフィス空間は、中央部分に大きな窓採光が設けられている。このため、図22の(b)に示すオフィス空間のAD値は、図22の(a)の示すオフィス空間よりも大きな6.6×10−3となっている。このようなことから、算出されたAD値を利用することで、光環境における環境光の無指向性を適切に評価することができる。
図23は、第二不均一度(CD値)の利用方法を説明するための図である。図23の(a)に示すオフィス空間は、大きなテーブルが配置されており、細かいオフィス家具が殆ど設けられておらず、照明の数も少ない。このため、図23の(a)に示すオフィス空間のCD値は、3.5.0×10−3となっている。図23の(b)に示すオフィス空間は、細かいオフィス家具が数多く設けられており、照明も数多く設けられている。このため、図22の(b)に示すオフィス空間のCD値は、図23の(a)の示すオフィス空間よりも大きな12.8×10−3となっている。図23の(c)に示すオフィス空間は、中央部分に設けられた大きな窓採光により、オフィス家具のエッジが強調されている。このため、図22の(c)に示すオフィス空間のCD値は、図23の(b)の示すオフィス空間よりも大きな22.2×10−3となっている。このようなことから、算出されたCD値を利用することで、光環境における端部の濃淡を適切に評価することができる。
1…光環境評価装置、2…取得部、3…処理部、4…出力部、θ1…仰角上限、θ2…仰角下限、θ3…方位角右限、θ4…方位角左限。

Claims (16)

  1. 画像の各位置における輝度に基づいて光環境を評価する光環境評価装置であって、
    前記画像を取得する取得部と、
    前記取得部で取得された前記画像を複数の異なる空間周波数成分に周波数分解する処理部と、を備え、
    前記処理部は、前記複数の異なる空間周波数成分のうち、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分を抽出し、前記第一空間周波数成分の第一画角内における不均一度である第一不均一度を算出する、
    光環境評価装置。
  2. 画像の各位置における輝度に基づいて光環境を評価する光環境評価装置であって、
    前記画像を取得する取得部と、
    前記取得部で取得された前記画像を複数の異なる空間周波数成分に周波数分解する処理部と、を備え、
    前記処理部は、前記複数の異なる空間周波数成分のうち、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分を抽出し、前記第二空間周波数成分の第二画角内における不均一度である第二不均一度を算出する、
    光環境評価装置。
  3. 画像の各位置における輝度に基づいて光環境を評価する光環境評価装置であって、
    前記画像を取得する取得部と、
    前記取得部で取得された前記画像を複数の異なる空間周波数成分に周波数分解する処理部と、を備え、
    前記処理部は、
    前記複数の異なる空間周波数成分のうち、環境光の無指向性を表す第一空間周波数成分を抽出し、前記第一空間周波数成分の第一画角内における不均一度である第一不均一度を算出し、
    前記複数の異なる空間周波数成分のうち、細部の濃淡を示す第二空間周波数成分を抽出し、前記第二空間周波数成分の第二画角内における不均一度である第二不均一度を算出する、
    光環境評価装置。
  4. 前記処理部は、
    前記画像の第三画角内の前記輝度の平均値を算出し、
    前記平均値と、前記第一不均一度と、に基づいて、明るさ感指標値を算出する、
    請求項1又は3に記載の光環境評価装置。
  5. 前記処理部は、
    前記画像の第三画角内の前記輝度の平均値を算出し、
    前記平均値と、前記第一不均一度と、前記第二不均一度と、に基づいて、明るさ感指標値を算出する、
    請求項3に記載の光環境評価装置。
  6. 前記第一空間周波数成分は、0.01[cycle/deg]以上0.03[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分である、
    請求項1、3〜5の何れか一項に記載の光環境評価装置。
  7. 前記第一画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定され、
    前記第一画角の仰角上限は、15°以上25°以下であり、
    前記第一画角の仰角下限は、−25°以上−15°以下であり、
    前記第一画角の方位角右限は、40°以上90°以下であり、
    前記第一画角の方位角左限は、−90°以上−40°以下である、
    請求項1、3〜6の何れか一項に記載の光環境評価装置。
  8. 前記第一不均一度は、分散又は標準偏差である、
    請求項1、3〜7の何れか一項に記載の光環境評価装置。
  9. 前記第二空間周波数成分は、0.2[cycle/deg]以上1.0[cycle/deg]以下の空間周波数に分解した空間周波数成分である、
    請求項2、3、5の何れか一項に記載の光環境評価装置。
  10. 前記第二画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定され、
    前記第二画角の仰角上限は、15°以上25°以下であり、
    前記第二画角の仰角下限は、−25°以上−15°以下であり、
    前記第二画角の方位角右限は、40°以上90°以下であり、
    前記第二画角の方位角左限は、−90°以上−40°以下である、
    請求項2、3、5、9の何れか一項に記載の光環境評価装置。
  11. 前記第二不均一度は、分散又は標準偏差である、
    請求項2、3、5、9、10の何れか一項に記載の光環境評価装置。
  12. 前記第三画角は、視線方向を基準とし、上方を正とする仰角と、右方を正とする方位角と、により規定され、
    前記第三画角の仰角上限は、5°以上50°以下であり、
    前記第三画角の仰角下限は、−50°以上0°以下であり、
    前記第三画角の方位角右限は、25°以上90°以下であり、
    前記第三画角の方位角左限は、−90°以上−25°以下である、
    請求項4又は5に記載の光環境評価装置。
  13. 前記処理部は、ウェーブレット分解により前記画像を複数の空間周波数成分に周波数分解する、
    請求項1〜12の何れか一項に記載の光環境評価装置。
  14. 請求項1、3〜8の何れか一項に記載の光環境評価装置により前記第一不均一度を算出する、
    光環境評価方法。
  15. 請求項2、3、5、9、10、11の何れか一項に記載の光環境評価装置により前記第二不均一度を算出する、
    光環境評価方法。
  16. 請求項4、5、12の何れか一項に記載の光環境評価装置により前記明るさ感指標値を算出する、
    光環境評価方法。
JP2015141286A 2015-07-15 2015-07-15 光環境評価装置及び光環境評価方法 Active JP6514057B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015141286A JP6514057B2 (ja) 2015-07-15 2015-07-15 光環境評価装置及び光環境評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015141286A JP6514057B2 (ja) 2015-07-15 2015-07-15 光環境評価装置及び光環境評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017020993A JP2017020993A (ja) 2017-01-26
JP6514057B2 true JP6514057B2 (ja) 2019-05-15

Family

ID=57888091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015141286A Active JP6514057B2 (ja) 2015-07-15 2015-07-15 光環境評価装置及び光環境評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6514057B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3995201B2 (ja) * 2002-07-25 2007-10-24 財団法人理工学振興会 明るさ感の予測方法および予測プログラム
JP4333448B2 (ja) * 2004-03-31 2009-09-16 パナソニック電工株式会社 空間の明るさ感評価方法並びに評価システム
JP4016072B2 (ja) * 2005-06-06 2007-12-05 国立大学法人東京工業大学 画像変換装置および画像変換プログラム
JP5083053B2 (ja) * 2008-06-09 2012-11-28 岩崎電気株式会社 目立ち画像生成装置、及び目立ち画像生成プログラム
JP5426226B2 (ja) * 2009-04-24 2014-02-26 パナソニック株式会社 照明システム
JP5579649B2 (ja) * 2011-04-22 2014-08-27 株式会社ビジュアル・テクノロジー研究所 環境制御システムおよび環境制御プログラム
US9530342B2 (en) * 2013-09-10 2016-12-27 Microsoft Technology Licensing, Llc Ambient light context-aware display

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017020993A (ja) 2017-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rizzi et al. A new algorithm for unsupervised global and local color correction
Nascimento et al. The colors of paintings and viewers’ preferences
Reinhard et al. Calibrated image appearance reproduction.
CN102629379B (zh) 一种基于视觉特性的图像质量评价方法
RU2018126764A (ru) Оптимизация изображений высокого динамического диапазона для конкретных дисплеев
JP4016072B2 (ja) 画像変換装置および画像変換プログラム
WO2013055492A1 (en) Use of noise-optimized selection criteria to calculate scene white points
Kartashova et al. The global structure of the visual light field and its relation to the physical light field
CN104680500A (zh) 一种基于直方图均衡化的图像增强算法
CN108537758A (zh) 一种基于显示器与人眼视觉特性的图像对比度增强方法
JP2015162718A (ja) 画像処理方法、画像処理装置及び電子機器
WO2009129473A2 (en) Multiple-display systems and methods of generating multiple-display images
Fairchild et al. Brightness, lightness, and specifying color in high-dynamic-range scenes and images
KR20130015906A (ko) 단위 블록별 안개 영상 보상 방법
EP2790153A2 (en) Environment evaluation apparatus, method and program
Cai Luminance gradient for evaluating lighting
JPWO2007122766A1 (ja) 画像変換装置および画像変換プログラム
Shao et al. Binocular energy response based quality assessment of stereoscopic images
JP2014078799A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP6514057B2 (ja) 光環境評価装置及び光環境評価方法
Ahn et al. Improving color constancy by saturation weighting
Calabria et al. Perceived image contrast and observer preference II. Empirical modeling of perceived image contrast and observer preference data
Sullivan et al. Light distribution and spatial brightness: Relative importance of the walls, ceiling, and floor
JP6653103B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
Baek et al. Determination of the perceived contrast compensation ratio for a wide range of surround luminance

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6514057

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150