JP2023076216A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温柔軟性に優れる、ポリアルキレンオキシド変性物含有組成物の提供。【解決手段】ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレンオキシド変性物、並びにエーテルエステル系可塑剤を含有する、熱可塑性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の熱可塑性樹脂(特にポリアルキレンオキシド変性物)及び可塑剤(特にエーテルエステル系可塑剤)を含有する熱可塑性樹脂組成物等に関する。
可塑剤を樹脂やゴムに含ませた組成物が、低温柔軟性や耐屈曲性などの樹脂改質に有効であり、樹脂成形における加工特性が良好になることはよく知られている(非特許文献1)。例えば、ポリ塩化ビニルにフタル酸エステル系の可塑剤を配合することで樹脂分子のガラス転移温度を低下させ、常温近傍で柔軟性を付与できることが知られている(非特許文献2)。
一般的に、高極性のゴムに対しては、極性の高い可塑剤が樹脂との相溶性の観点で適しており、ポリウレタンのような強極性ゴムに分類される樹脂においても、極性の強いエーテル構造を持つエーテルエステル系の可塑剤を用いることで、ポリマーの分子鎖間の強い分子間力を弱め、柔軟性、弾性を付与させることが可能である(特許文献1)。
特表2015-514147号公報
「高分子」可塑剤 Vol.19 11号No.224(1970) 「日本ゴム協会誌」 第50巻 第10号(1977)
ただ、PEG(ポリエチレングリコール)、PPG(ポリプロピレングリコール)のようなポリエーテルポリオールを主鎖とした、熱可塑性樹脂(熱可塑性ポリウレタン)に分類できるポリアルキレンオキシド変性物においては、低温柔軟性や耐屈曲性などの樹脂改質を行うことが容易ではなく、十分な当該樹脂改質を行う手段が求められている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のポリアルキレンオキシド変性物、及び、特定の可塑剤を含有する樹脂組成物が低温柔軟性に優れることを見出し、改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレンオキシド変性物、並びに
エーテルエステル系可塑剤
を含有する、熱可塑性樹脂組成物。
項2.
前記ポリアルキレンオキシド化合物が、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
項3.
前記ジオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、及び1,9-ノナンジオールからなる群より選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
項4.
前記ジイソシアネート化合物が、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネ-ト(HMDI)、3-イソシアナ-トメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネ-ト(IPDI)、1,8-ジメチルベンゾール-2,4-ジイソシアネート、及び2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)からなる群より選択される少なくとも1種である、項1~3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
項5.
前記エーテルエステル系可塑剤が、前記ポリアルキレンオキシド変性物100質量部に対して、0.1~10質量部である、項1~4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
項6.
前記エーテルエステル系可塑剤が、アジピン酸エーテルエステル系可塑剤及びポリエーテルエステル系可塑剤からなる群より選択される少なくとも1種である、項1~5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
項7.
項1~6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるフィルム状またはシート状の成形体。
項8.
項1~6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を紡糸化してなる繊維。
本発明に包含される、特定のポリアルキレンオキシド変性物及び特定の可塑剤を含有する樹脂組成物(熱可塑性樹脂組成物)は、低温柔軟性に優れる。このため、溶融時における優れた可塑性の効果を奏する。また、それにより、樹脂成形において、得られる樹脂成形体の薄膜化、均一化、小径化の実現、また、無機フィラーや有機フィラーとの均一分散を可能にする。このため、樹脂成形体としての高機能性の付与、機械物性の改良などに有効である。
以下、本発明の各実施形態について、さらに詳細に説明する。本発明は、特定のポリアルキレンオキシド変性物及び特定の可塑剤を含有する樹脂組成物(熱可塑性樹脂組成物)並びにその用途等を好ましく包含するが、これらに限定されるわけではなく、本発明は本明細書に開示され当業者が認識できる全てを包含する。
本発明に包含される樹脂組成物は、(A)特定のポリアルキレンオキシド変性物、(B)特定の可塑剤を含有する。これらの成分を、それぞれ、(A)成分、(B)成分ということがある。
前記特定のポリアルキレンオキシド変性物((A)成分)は、ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応(重合)させて得られる化合物である。
前記ポリアルキレンオキシド化合物としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体等を例示できる。ポリアルキレンオキシド化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ここでの「/」は各オキシドの共重合体であることを示すため用いた記号である。例えば、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体を表す。
特に制限はされないが、数平均分子量5000~50000のポリアルキレンオキシド化合物が好ましく、数平均分子量10000~30000のポリアルキレンオキシド化合物がより好ましい。
なお、ここでの数平均分子量の値は、次の記載の測定方法により求められる値である。数平均分子量測定方法:ポリアルキレンオキシド変性物の濃度が1質量%のジメチルホルムアミド溶液を調整し、高速液体クロマトグラフを用いて測定する。そして、分子量が既知の分子量マーカー(ポリエチレンオキシド)を同一条件で測定し、較正曲線を作成して、数平均分子量(Mn)を算出する。なお測定条件は以下の通りである。
測定機:HLC-8220(東ソー株式会社製)
カラム:東ソー株式会社製 TSK GEL Multipore HXL-M カラム温度:40℃
溶出液:ジメチルホルムアミド
流速:0.6ml/min
また、エチレンオキシド基を90質量%以上有するポリアルキレンオキシド化合物が好ましく、エチレンオキシド基を95質量%以上有するポリアルキレンオキシド化合物がより好ましい。
前記ジオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、及び1,9-ノナンジオール等が例示できる。これらのジオール化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、前記ジオール化合物に、前記ポリアルキレンオキシド化合物は含まれない。すなわち、前記ジオール化合物は、前記ポリアルキレンオキシド化合物以外のジオール化合物である。
前記ジオール化合物の使用割合は、前記ポリアルキレンオキシド化合物1モルに対して、好ましくは0.8~2.5モル、より好ましくは1.0~2.0モルである。なお、ポリアルキレンオキシド化合物のモル数は、その質量を数平均分子量で除することにより求めることができる。
前記ジイソシアネート化合物としては、同一分子内にイソシアネート基(-NCO)を2個有する化合物であれば特に限定されず、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネ-ト(HMDI)、3-イソシアナ-トメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネ-ト(IPDI)、1,8-ジメチルベンゾール-2,4-ジイソシアネート、及び2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物の中でも、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネ-ト(HMDI)および1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が好適に用いられる。これらのジイソシアネート化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物のそれぞれの使用割合は、ポリアルキレンオキシド化合物の末端水酸基およびジオール化合物の水酸基の合計モル数に対する、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基のモル数の比[R値=(-NCO基/-OH基)]が、好ましくは0.7~1.2程度、より好ましくは0.8~1.05程度である。
ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応させる方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、これらをトルエン、キシレン、又はジメチルホルムアミド等の反応溶媒に溶解あるいは分散させて反応させる方法;粉末状または固体状のこれらを均一に混合した後、好ましくは溶媒を用いること無く、所定の温度に加熱して反応させる方法;等が挙げられる。工業的実施の見地からは、各原料を溶融状態で連続的に供給し多軸押出機中で混合して反応させる方法が好ましい。この場合、前記反応の温度としては、70~210℃であることが好ましい。
また、ポリアルキレンオキシド変性物を製造する際、反応を促進させる観点から、反応系内に、触媒を添加してもよい。例えば、触媒として、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、2-エチルヘキサン酸スズ、トリエチレンジアミン等を適当量添加することができる。
このような方法により、ポリアルキレンオキシド変性物を得ることができる。このような方法によれば、ポリアルキレンオキシド変性物は、通常、例えばペレット、シート、フィルム、又は溶融紡糸した繊維等の形態で得られる。これらをそのまま本発明の樹脂組成物に用いてもよいし、例えば粉砕機等により粉砕してから、本発明の樹脂組成物に用いてもよい。粉砕方法は、特に限定されないが、粉砕時の剪断発熱による融着を防ぐために冷凍粉砕することが好ましい。例えば液体窒素を用いて冷凍粉砕することができる。
当該ポリアルキレンオキシド変性物は、吸水性である(つまり、吸水能を有する)ことが好ましい。特に限定されないが、ポリアルキレンオキシド変性物の吸水能は、好ましくは10~40g/g、より好ましくは15~35g/gである。なお、本発明において吸水能とは、1.0gのポリアルキレンオキシド変性物を秤量(A[g])した後、100mLのイオン交換水に、室温下(22℃)で、24時間浸漬してゲル化させ、200mesh(孔径:75μm)の金網にてゲルを濾過した後の、濾物(残渣)である当該ゲルの質量(B[g])を測り、次式により、算出される値(Aが1なので、つまるところ、B)である。
吸水能(g/g)=B/A=B/1=B
また、特に限定されないが、当該ポリアルキレンオキシド変性物の水溶出分は、好ましくは10~40質量%であり、より好ましくは15~35%である。なお、本発明における水溶出分とは、上記吸水能測定後のゲルを、50℃の熱風乾燥機にて8時間乾燥させた後の質量を秤量し(C[g])、次式により求められる値である。
水溶出分(質量%)={(A-C)/A}×100=100(1-C)
また、特に限定されないが、当該ポリアルキレンオキシド変性物は吸放湿性を有していることから、例えばポリアルキレンオキシド変性物のシート状物(50mm×30mm×5mm)を、イオン交換水に、室温下(25℃)で、24時間浸漬して10~40g/g、吸水させた膨潤ゲルシートを、50℃に設定したオーブンに1時間入れて乾燥すると、膨潤ゲル中の水が蒸散し、元の乾燥状態のシート形状に戻ることができる。同操作を5回繰り返しても、元の乾燥状態のシート形状を維持可能な寸法安定性を有している樹脂組成物である。
前記特定の可塑剤((B)成分)は、エーテルエステル系可塑剤である。エーテルエステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸を主流とする二塩基酸とグリコール類との重縮合により得られるオリゴマーのアジピン酸エーテルエステルに分類されるもの(アジピン酸エーテルエステル系可塑剤)や、極性の高いエーテル構造を持つエーテルエステルに分類されるもの(ポリエーテルエステル系可塑剤)が例示される。
エーテルエステル系の可塑剤としては、例えば次のような市販品を購入して用いることができる。アジピン酸エーテルエステル系可塑剤として、ADEKAのアデカサイザーRS-107等。ポリエーテルエステル系可塑剤として、ADEKAのアデカサイザーRS-700、RS-735、RS-966、RS-1000等や、三洋化成工業のサンフレックスEB-200、EB-400、GPA-3000、SPX-80N等。
当該可塑剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の、特定のポリアルキレンオキシド変性物(A)、及び特定の可塑剤(B)を含有する樹脂組成物においては、(A)成分及び(B)成分の質量比が、100:0.1~10程度であることが好ましく、100:0.5~3程度であることがより好ましい。これらの範囲において、(B)成分質量比下限は、0.1、又は0.5であってもよい。また、これらの範囲において、(B)成分質量比上限は、10、5、4、又は3であってもよい。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に制限されない。例えば、まず(A)成分に(B)成分を含ませることにより、製造することができる。
(A)及び(B)含有組成物を調製する場合、まず(A)成分を調製した後、これに(B)成分を混合してもよいし、あるいは、(A)成分調製時(重合反応時)に当該反応系に予め(B)成分を加えておいてもよい。(A)成分を調製した後、これに(B)成分を混合する方法としては、樹脂に可塑剤を加える際に使用される公知の方法を用いることができる。より具体的には、例えば、ローラー、ニーダー、エクストルーダー、又はプラストミル等を用いて、必要に応じて加熱しながら、(A)成分及び(B)成分を混合することで、(A)及び(B)含有組成物を調製することができる。
本発明の樹脂組成物は、上述の通り、低温柔軟性に優れており、特に溶融時において優れた可塑性を奏する。また、それにより、樹脂成形において、得られる樹脂成形体の薄膜化、均一化、小径化の実現、あるいはまた、無機フィラーや有機フィラーとの均一分散を可能にする。このため、樹脂成形体としての高機能性の付与、機械物性の改良などに有効である。
より具体的には、本発明の樹脂組成物は、溶融粘度が240~420Pa・s程度のものが好ましい。当該範囲の上限又は下限は例えば250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、又は410Pa・sであってもよい。例えば当該範囲は250~400Pa・sであってもよい。なお、当該溶融粘度はフローテスター(例えば株式会社島津製作所製、型番:CFT-500C)を用いて次の条件で測定される。荷重:4.5MPa、測定温度:170℃、ダイ直径:1mm、ダイ長さ:1mm。
また、本発明の樹脂組成物は、メルトフローレート(MFR)が180~350g/10min程度のものが好ましい。当該範囲の上限又は下限は例えば190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、又は340g/10minであってもよい。例えば当該範囲は190~320g/10minであってもよい。なお、MFRは、JIS K7210:1999に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件下に測定される。
また例えば、本発明は、当該樹脂組成物を成形してなる成形体も包含する。当該成形体の形状としては、特に限定はされず、例えばフィルム状またはシート状が好ましく挙げられる。また、本発明は、当該樹脂組成物を紡糸化してなる繊維も包含する。上記の通り、当該樹脂組成物は低温柔軟性に優れており、紡糸化が容易であり、好ましい。またさらに、当該樹脂組成物が吸湿性や放湿性に優れることから、紡糸して得られる繊維も当該性質を有し得、好ましい。このため、当該繊維は吸湿用または放湿用として好ましく用いることができる。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。また、上述した本発明の各実施形態について説明した各種特性(性質、構造、機能等)は、本発明に包含される主題を特定するにあたり、どのように組み合わせられてもよい。すなわち、本発明には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。
以下、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
[評価方法]
下記製造例に記載のポリアルキレンオキシド変性物について、吸水能を次の方法に従って測定した。
(1)吸水能
ポリアルキレンオキシド変性物の吸水能については、以下の方法により測定した。
1.0gのポリアルキレンオキシド変性物を秤量(A[g])した後、200mL容のビーカーに計りとった100mLのイオン交換水に、室温下(22℃)で、24時間浸漬してゲル化させた。その後、200mesh(孔径:75μm)の金網にてゲルをろ過し、その質量(B[g])を測り、次式により、吸水能を算出した。製造後更に粉砕し中位粒径を50μm前後にした場合は、浸漬時間を1時間とし、その後、300mesh(孔径:45μm)の金網にてゲルをろ過した。
吸水能(g/g)=B/A
製造例1:ポリアルキレンオキシド変性物の製造
80℃に保温された攪拌機を備えた貯蔵タンクAに、十分に脱水した数平均分子量20000のポリエチレンオキシド100質量部、1,4-ブタンジオール0.9質量部およびジオクチルスズジラウレート0.1質量部の割合で投入し、窒素ガス雰囲気下で攪拌して均一な混合物とした。これとは別に、30℃に保温された貯蔵タンクBにジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネートを3.2質量部投入し、窒素ガス雰囲気下で貯蔵した。
定量ポンプを用いて、貯蔵タンクAの混合物を500g/分の速度にて、貯蔵タンクBのジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネートを19.4g/分の速度にて、110~140℃に設定した2軸押出機に連続的に供給し(R値=1.00)、押出機中で混合して反応を行い、押出機出口からストランドを出し、ペレタイザーによりペレット化して、ポリアルキレンオキシド変性物を得た。当該製造例Iで得られたポリアルキレンオキシド変性物ペレットを、以下の例にポリアルキレンオキシド変性物として用いた。
なお、当該ポリアルキレンオキシド変性物の吸水能は26.2g/gであった。また、ペレットサイズは、縦*横*厚さ=4.0*4.0*2.5(いずれもcm)であった。
実施例1~6
可塑剤後添加による熱可塑性樹脂組成物の製造
製造例1で調製したポリアルキレンオキシド変性物50g(100重量部)に各種可塑剤を0.5g(1重量部)、又は、1.5g(3重量部)配合した組成物を、4インチロール((株)安田精機製作所製(型式:No.191-TM TEST MIXING ROLL))によりローラー温度設定45~55℃にて溶融・混練して作製した。その組成物を68tホットプレス((株)東海機器製作所製(TYPE:VH6-5A-120B))により、熱板温度設定160℃、熱板圧力設定30kgf/cm条件下にて3分間加圧することで、厚さ2mmのシートを作製した。
用いた各種可塑剤、及び可塑剤の配合質量部(樹脂100質量部に対して)について、表1に示す。なお、以下の表では、ポリアルキレンオキシド変性物を「樹脂」とも記載する。
比較例1~4
可塑剤後添加による熱可塑性樹脂組成物の製造
また、可塑剤を添加していない製造例1で調製したポリアルキレンオキシド変性物と、製造例1で調製したポリアルキレンオキシド変性物50g(100重量部)に各種可塑剤を0.5g(1重量部)配合した組成物を、4インチロール((株)安田精機製作所製(型式:No.191-TM TEST MIXING ROLL))によりローラー温度設定45~55℃にて溶融・混練して作製した。その組成物を68tホットプレス((株)東海機器製作所製(TYPE:VH6-5A-120B))により、熱板温度設定160℃、熱板圧力設定30kgf/cm条件下にて3分間加圧することで、厚さ2mmのシートを作製した。用いた各種可塑剤、及び可塑剤の配合質量部(樹脂100質量部に対して)について、表1に示す。なお、以下の表では、ポリアルキレンオキシド変性物を「樹脂」とも記載する。
なお、各実施例及び比較例で用いた各種可塑剤のうち、アデカサイザー RS-107はアジピン酸エーテルエステル系可塑剤であり、アデカサイザーRS-1000、サンフレックスEB-200、及びサンフレックスGPA-3000はポリエーテルエステル系可塑剤であり、アデカサイザーDOPはフタル酸エステル系可塑剤であり、PEG-1000及びPEG-2000はポリオール系可塑剤である。
また、各実施例及び比較例で得られたシートを用いて、各組成物の溶融粘度及びMFR(メルトフローレート)を次の様にして測定した。
[溶融粘度]
前記シート1.5gを、フローテスター(株式会社島津製作所製、型番:CFT-500C)を用いて、以下に示す条件で測定した。
荷重:4.5MPa
測定温度:170℃
ダイ直径:1mm
ダイ長さ:1mm
[MFR]
メルトフローレート(MFR)は、前記シートを用い、JIS K7210:1999に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件下に測定した。
測定結果も、表にあわせて示す。なお、溶融粘度が低い方が、樹脂が柔らかい(もろさが緩和される)ということができる。また、MFRが大きいほど、樹脂が柔らかい(流れやすい)ということができる。
Figure 2023076216000001

Claims (8)

  1. ポリアルキレンオキシド化合物、ジオール化合物、及びジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアルキレンオキシド変性物、並びに
    エーテルエステル系可塑剤
    を含有する、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記ポリアルキレンオキシド化合物が、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシド/ブチレンオキシド共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記ジオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、及び1,9-ノナンジオールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記ジイソシアネート化合物が、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネ-ト(HMDI)、3-イソシアナ-トメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネ-ト(IPDI)、1,8-ジメチルベンゾール-2,4-ジイソシアネート、及び2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記エーテルエステル系可塑剤が、前記ポリアルキレンオキシド変性物100質量部に対して、0.1~10質量部である、請求項1~4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記エーテルエステル系可塑剤が、アジピン酸エーテルエステル系可塑剤及びポリエーテルエステル系可塑剤からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるフィルム状またはシート状の成形体。
  8. 請求項1~6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を紡糸化してなる繊維。
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