本発明者は、簡易トイレ装置および簡易トイレシステムについて鋭意検討した結果、以下の知見を所有するに至った。
本発明の一態様である簡易トイレ装置は、線状部材を環状に構成するとともに中間に括れを有する第1環状片と、線状部材を環状に構成するとともに前記第1環状片に回動可能に係合する第2環状片とを備え、前記第1環状片は、ユーザーが把持可能な把持部と、前記括れに形成されるとともに、前記第2環状片に係合する第1係合部と、前記第1係合部を挟んで前記把持部の反対側に形成される第1アームとを備え、前記第2環状片は、前記把持部に係止可能な固定部と、前記第1係合部に対応する位置に形成されるとともに、前記第1係合部に回動可能に係合する第2係合部と、前記第2係合部を挟んで前記固定部の反対側に形成され、前記第1アームに当接可能に構成される第2アームとを備え、前記第1アームと前記第2アームが当接して、排便を収容可能な収容袋を挟持可能である。
このような構成により、把持部に固定部を係止させると、第1アームと第2アームとが当接して収容袋を挟持可能となる。これにより、本発明にかかる簡易トイレ装置は、収容袋の装着作業を簡便化することができる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置において、前記第1アームと前記第2アームは、環状に構成されるとともに、先端部が開放されてもよい。
このような構成により、収容袋を簡易トイレ装置から離脱させる場合に、開放部を通って離脱させることが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置において、第1環状片の中間部における幅方向のサイズは、第2環状片の中間部における幅方向のサイズより大きく構成されてもよい。
このような構成により、第2環状片を第1環状片の内側に配置して、回動可能に係合させることが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置において、可撓性を有する前記固定部の幅方向のサイズは、前記把持部の内径のサイズより小さく構成されてもよい。
このような構成により、固定部を把持部の中空部に良好に挿通可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置において、可撓性を有する前記固定部の幅方向のサイズは、前記把持部の内径のサイズより大きく構成されてもよい。
このような構成により、固定部を把持部の中空部に挿通させて把持部に係止させることが可能となる。このような構成により、第2係合部を挟んで固定部の反対側に形成される第2アームが第1アームを良好に押圧し、第1アームと第2アームにより収容袋を良好に挟持できる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置において、前記第1環状片および前記第2環状片は、係合部において屈曲して構成されてもよい。
このような構成により、ユーザーは、屈んだ状態で把持部を握持し、臀部に第1アームと第2アームを容易に当接させることが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置において、可撓性を有する前記第2環状片は、前記第1環状片に比べて鋭角に屈曲して構成されてもよい。
このような構成によると、ユーザーは、固定部を撓ませて第1環状片の中空部に挿通させ、固定部を把持部に係止させることにより、第1アームと第2アームとの当接状態における互いの押圧力を高めることが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置において、第1アームおよび第2アームは、下方に膨らむよう反りを有してもよい。
このような構成により、第1アームおよび第2アームは臀部に良好に当接可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置において、前記固定部は、前記把持部の中空部に挿通可能に構成されるとともに前記把持部に掛止可能な爪部をさらに備えてもよい。
このような構成により、固定部を把持部に挿通させた後に爪部を把持部に掛止させて、第1アームと第2アームとを当接させることが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置は、可撓性を有する前記第2環状片において、前記第2係合部は、外方向に突出して構成され、前記第1係合部は、前記第2係合部を収容可能な凹状に構成されてもよい。或いは、前記第1係合部は、貫通孔に構成されてもよい。
このような構成により、ユーザーは、第2環状片の中間部を内側に収縮させて第1環状片の中空部に挿通させ、第2係合部を第1係合部に収容させることにより、第1環状片と第2環状片とを簡便に回動可能に係合させることが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレ装置は、可撓性を有する前記第2環状片において、前記第2係合部は、中空部の中心方向に突出して構成され、前記第1係合部は、前記第2係合部を収容可能な凹状に構成されてもよい。或いは、前記第1係合部は、貫通孔に構成されてもよい。
このような構成により、ユーザーは、第2環状片の中間部を外側に拡張させて第1環状片の中間部の外側に配置し、第2係合部を第1係合部に収容させることにより、第1環状片と第2環状片とを簡便に回動可能に係合させることが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムは、前記簡易トイレ装置と、前記簡易トイレ装置を装着可能な支持台とを備え、前記支持台は、ユーザーの身体を載置可能な載置部と、前記第1アームおよび前記第2アームとを収容可能な陥入部を備える簡易トイレシステムである。
このような構成により、横臥した状態のユーザーの臀部を持ち上げるとともに、横臥したままユーザーに排便させることが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、前記支持台は、側面視略三角形状に構成され、前記陥入部は、前記支持台の底部から立ち上がるとともに、平面視短辺を構成する側壁から入り込んで形成されてもよい。
このような構成により、鋭角状の端部から支持台をユーザーの身体下方に進入させ、陥入部が臀部の下方に到達するまで支持台を進入させることが可能となる。これにより、ユーザーの身体下方に容易に支持台を配置することができる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、前記陥入部は、前記短辺のうち厚みを有する側壁の略中央に形成され、前記載置部は、幅方向における中央に向けて漸次下がり傾斜して構成されてもよい。
このような構成により、ユーザーの臀部の肉が載置部に引っ張られるために肛門が開口し易くなり、排便を容易化することができる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、ユーザーの臀部を載置可能なプレート部をさらに備え、前記プレート部は、陥入部39を挟んで対向して配置されるとともに、互いに離間および接近可能に構成されてもよい。
このような構成によると、プレート部にユーザーの臀部を載置した状態で、互いに離間する方向に移動させることにより、肛門が開口し易くなり排便を容易化することができる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、対向して配置される前記プレート部を互いに離間および接近するよう操作可能な操作部をさらに備えてもよい。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、前記操作部は、前記支持台の中空領域に配置されてもよい。
このような構成によると、ユーザーを支持台上に載置した状態で操作部を操作してプレート部を移動させることができるため、作業効率が向上する。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、前記支持台は、側面視略三角形状に構成され、前記陥入部は、鋭角状の端部から入り込んで形成されてもよい。
このような構成により、鋭角状の端部から支持台をユーザーの身体下方に進入させ、陥入部が臀部近傍に位置するまで支持台を進入させることができる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、前記陥入部は、鋭角状の一端の中央部に配置され、前記載置部は、前記陥入部に向かって漸次下がり傾斜して構成されてもよい。
このような構成により、ユーザーの臀部の肉が載置部に引っ張られるために肛門が開口し易くなり、排便を容易化することができる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、前記陥入部は、内周側に前記第1アームおよび前記第2アームが摺動可能な溝部をさらに備えてもよい。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、載置部は、上面に配置されるとともに着脱可能な上枠部をさらに備えてもよい。
このような構成により、載置部は、上枠部との間に簡易トイレ装置を挟持することが可能となる。このような構成により、支持台は、簡易トイレを安定的に保持可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムは、陥入部の上方を閉塞する蓋部をさらに備えてもよい。蓋部は、陥入部の上方を開閉可能に構成されてもよい。
このような構成により、陥入部の上方を閉塞し、ユーザーの臀部を蓋部上に載置することが可能となる。このような構成により、陥入部に簡易トイレ装置を進入させる際に、蓋部を移動させて陥入部の上方を開放することが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、陥入部は、載置部から下方に向かって入り込む凹みにより構成され、簡易トイレ装置の形状に対応する形状に構成されてもよい。
このような構成により、支持台は、簡易トイレ装置を陥入部内に収容可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、陥入部は、簡易トイレ装置の固定部又は把持部を支持可能な支持部をさらに備えてもよい。
このような構成により、支持台は、簡易トイレ装置を良好に支持可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムは、簡易トイレ装置と、簡易トイレ装置を隠蔽可能な隠蔽材とを備え、隠蔽材は、ユーザーの下半身に巻回可能に構成され、作業者の前腕を挿入可能なポケットをさらに備えてもよい。
このような構成により、他者の視線を遮ることが難しい場所であっても、臀部等を隠蔽することにより、他者の視線を遮って簡易トイレ装置を使用することが可能となる。
本発明の一態様である簡易トイレシステムにおいて、隠蔽材は、ポケットの開口から連続して内側に伸びるスリーブをさらに備えてもよい。
このような構成により、ポケットの開口から隠蔽材の内側を見ることがより困難になり、他者の視線を良好に遮って簡易トイレ装置を使用することが可能となる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、同一の構成部材に対しては同一の符号を付し、これに関する重複する説明は省略する。
第1実施形態において、長手方向Lとは、簡易トイレ装置1の平面視長辺の方向を示し、幅方向Wとは、平面視長手方向に直交する方向を示す。高さ方向Hとは、長手方向Lと幅方向Wにより形成される平面に直交する方向を示す。
図1は、本発明の第1実施形態における簡易トイレ装置1の構成の一例を示す図である。簡易トイレ装置1は、第1環状片2と第2環状片3とを係合させて構成される。第1環状片2と第2環状片3とは、長手方向Lにおける略中間で係合する。
簡易トイレ装置1は、排泄物を収容可能な収容袋50を挟持可能に構成される。簡易トイレ装置1は把持可能であり、ユーザーは、簡易トイレ装置1を把持して、収容袋50内に排泄物が収容されるよう臀部に簡易トイレ装置1を当接させて排便することが可能である。
第1環状片2は、把持部5と第1アーム9を備える。把持部5は、ユーザーが手で把持可能に構成される。第1アーム9は、第2環状片3と係合する第1係合部7を挟んで把持部5の反対側に形成される。
第1実施形態において、第1アーム9は、第2環状片3が備える第2アーム15と当接して収容袋50を挟持可能である。図1に示される例において、第1アーム9は、楕円環状の線状部材により構成される。第1アーム9は、中空部を備える。
第2環状片3は、把持部5に係止可能な固定部11と、第1係合部7に係合可能な第2係合部13と、第2係合部13を挟んで固定部11の反対側に形成される第2アーム15とを備える。
固定部11は、把持部5に係止されることにより、第1アーム9と第2アーム15の当接状態を良好に維持可能である。図1に示される例において、固定部11は、楕円環状の線状部材により構成される。固定部11は、可撓性を有してもよい。このような構成により、固定部11を変形させて把持部5に係止することができるとともに、固定部11の復元力により固定部11が把持部5に係止された状態を良好に維持することができる。
第2係合部13は、第1係合部7に対応する位置に配置される。図1に示される例において、第2係合部13は、第2環状片3の長手方向における中間部に形成される。第1実施形態において、第2係合部13は、第1係合部7に回動可能に係合する。
第2アーム15は、第1アーム9に当接可能に構成される。図1に示される例において、第2アーム15は、第1アーム9と平面視略同形状に構成される。第2アーム15は、楕円環状の線状部材により構成される。
第1実施形態において、第1環状片2と第2環状片3は、各々の長手方向の中間に配置される第1係合部7と第2係合部13とを係合させることにより、回動可能に係合する。
固定部11を把持部5の下方に位置するように把持部5に係止すると、第2アーム15は、第1アーム9に下方から当接する。固定部11は、可撓性を備えてもよい。一例として、ユーザーは、第2アーム15が第1アーム9の下方に位置するように第2環状片3を第1環状片2の中空部に挿通させる。そして、第1係合部7に第2係合部13を回動可能に係合させてから、固定部11を把持部5の上から下方向に中空部に挿通させ、把持部5の下方に固定部11を係止する。
このような構成により、固定部11が把持部5に係止されると、第2アーム15は、第1アーム9を下方から上方に向かって押圧し、第1アーム9と第2アーム15は良好に収容袋50を挟持可能となる。
図2は、第1実施形態における簡易トイレ装置1の構成の一例を示す図である。第1アーム9と第2アーム15は、収容袋50を挟持することができる。
収容袋50の装着方法の一例として、ユーザーは、収容袋50を第1アーム9と第2アーム15の中空部の下方から上方に挿通させ、収容袋50の開口部近傍を第1アーム9に当接させた状態で、開口部を第1アーム9の外側に折り返す。次に、折り返された収容袋50の開口部をさらに第2アームの内側に挿通させる。最後に、第1アーム9と第2アーム15により開口部を挟持させることにより、収容袋50を簡易トイレ装置1に装着できる。
或いは、上記とは異なり、収容袋50の装着方法の他の一例として、ユーザーは、収容袋50を第2アーム15の中空部の下方から上方に挿通させ、収容袋50の開口近傍の袋部分を第2アーム15に当接させた状態で、開口を第2アーム15の外側に折り返してもよい。次に、第2アーム15に開口を折り返した収容袋50を当接させた状態で、固定部11を把持部5に係止して、第1アーム9と第2アーム15により挟持させてもよい。このような構成により、ユーザーは、収容袋50を簡便に装着させることが可能となる。
第1アーム9と第2アーム15は、ユーザーが第1アーム9の上面に臀部を当接させて排便可能な程度のサイズの中空部を備える。第1アーム9と第2アーム15は、長手方向Lに長辺を有する平面視楕円形状に構成されてもよい。このような構成により、簡易トイレ装置1は、ユーザーの臀部および性器に対応する位置に収容袋50を配置可能となる。第1アーム9および第2アーム15は、下方に膨らむよう反りを有してもよい。このような構成により、第1アーム9と第2アーム15は、下方にRを有する臀部の形状に対応して、良好に臀部に当接することが可能となる。
第1環状片2および第2環状片3は、長手方向Lにおける中間部で屈曲して構成されてもよい。このような構成により、ユーザーは、把持部5を手で把持しながら収容袋50を臀部に対応する位置に容易に配置可能となる。
収容袋50は、ポリエチレンなどの樹脂により形成される袋であり、開口部を有する。収容袋50内には、公知の吸水材や防臭材が配置されてもよい。或いは、収容袋50は、吸水材や防臭材を内部に包含する素材で構成されてもよいし、吸水材や防臭材が固着又は縫着されてもよい。或いは、収容袋50は、紙おむつなどと同様の公知の素材により構成されてもよい。
ユーザーは、排便後に、固定部11と把持部5との係止状態を解除して、第1アーム9と第2アーム15とを離間させる。そして、収容袋50を第1アーム9および第2アーム15の下方から除去することができる。
第1実施形態において、固定部11は、把持部5に掛止可能な爪部20をさらに備えてもよい。爪部20は、固定部11から外側に突出して形成される構成要素である。爪部20は、把持部5に掛止可能な形状を備える。このような構成により、固定部11は、把持部5から離脱するのを抑制可能となる。
図2に示される例において、爪部20は、固定部11の外周に形成されるとともに、外側に突出して構成される。固定部11は、把持部5の中空部に挿通可能に構成されてもよい。このような構成により、固定部11を把持部5に挿通させた後に、爪部20を把持部5に掛止させることにより、固定部11が把持部5から離脱するのを良好に抑制可能となる。
図2に示される例において、固定部11は、把持部5に係止される際に、把持部5の下方に配置される。固定部11が把持部5の下方に係止されると、固定部11は、復元力により把持部5を下方から上方に押圧する。ここで、固定部11は、把持部5により上方から下方に押圧されてもいる。
そうすると、第1係合部7に回動可能に係合する第2係合部13を挟んで固定部11の反対側に形成される第2アーム15は、第1アーム9を下方から上方に向けて押圧するように第1アーム9に当接する。
図3は、第1実施形態における簡易トイレ装置1の構成の一例を示す図である。図3(a)は、第1環状片2の構成の一例を示す図である。第1環状片2は、線状部材を環状に配置して構成される。
把持部5および第1アーム9は、各々楕円環状に構成される。第1環状片2の長手方向における中間部に第1係合部7が配置される。図3(a)に示される例において、第1係合部7は、第2係合部13を収容可能な凹状に構成される。或いは、これとは異なり、第1係合部7は、第2係合部13を挿通可能な貫通孔により構成されてもよい。
第1係合部7は、図3(a)に例示されるように中空部側の内周に形成されてもよい。或いは、これとは異なり、第1係合部7は、外周に形成されてもよい。第1環状片2は、樹脂、金属、木材など公知の材料により適宜構成可能である。
図3(b)は、第2環状片3の構成の一例を示す図である。第2環状片3は、樹脂、金属、木材など公知の材料により適宜構成可能である。固定部11は、可撓性を有してもよい。固定部11は、幅方向Wにおいて、把持部5より大きく構成されてもよい。このような構成により、固定部11は、把持部5の長手方向Lの辺に良好に係止可能となる。
好ましくは、固定部11の幅方向Wにおける外径は、把持部5の内径より大きく構成されてもよい。このような構成により、ユーザーは、幅方向Wにおける両端側から固定部11を押圧しながら把持部5の中空部に挿通させ、把持部5の下方に配置して、固定部11を把持部5に良好に係止することができる。
或いは、これとは異なり、固定部11は、長手方向Lにおいて、把持部5より大きく構成されてもよい。このような構成により、ユーザーは、固定部11を屈曲させて固定部11を把持部5の中空部の上方から下方向けて挿通させ、把持部5の下方に配置して固定部11を把持部5に良好に係止することができる。
図3(b)に示される例において、第2環状片3は、長手方向Lにおける中間部に第2係合部13を備える。第2環状片3の中間部の幅方向Wにおけるサイズは、第1環状片2の中間部のサイズに比べて小さく構成されてもよい。このような構成により、ユーザーは、第2環状片3を第1環状片2の中空部に挿通させ、第2係合部13を第1環状片2の内周に形成される第1係合部7に係合させることが可能となる。
第2環状片3は、第2係合部13が配置される長手方向Lの中間部において屈曲して構成されてもよい。好ましくは、第2環状片3は、可撓性を有するとともに、第1環状片2より鋭角に屈曲してもよい。このような構成によると、ユーザーは、固定部11を撓ませて把持部5の中空部に挿通させ、固定部11を把持部5に係止させることにより、第1アーム9と第2アーム15との当接状態における押圧力を高めることが可能となる。
図4は、第1実施形態における簡易トイレ装置1の構成の一例を示す図である。図4(a)は、第1環状片2の構成の一例を示す平面図である。第1環状片2は、長手方向Lにおける中間部に第1係合部7を備える。第1環状片2は、中間部において中心方向に向かって括れを有してもよい。
図4(b)は、第2環状片3の構成の一例を示す平面図である。第2環状片3は、長手方向Lにおける中間部に第2係合部13を備える。第2環状片3は、第2係合部13が形成される中間部における幅方向Wのサイズは、第1環状片2に比べて小さく構成されてもよい。このような構成により、第2環状片3の中間部を第1環状片2の中間部の内側に配置して、第1係合部7と第2係合部13とを係合させることが可能となる。
一例として、第2環状片3の中間部の幅方向Wにおける外径は、第1環状片2の中間部の幅方向Wにおける内径と略同じか、これより小さく構成されてもよい。このような構成により、第2環状片3を第1環状片2の中空部に良好に挿通させることができる。さらに好ましくは、第2環状片3の中間部の幅方向Wにおける外径は、外方向に突出する第2係合部13を含まない。
また、他の一例として、可撓性を有する第2環状片3の中間部の幅方向Wにおける外径は、第1環状片2の中間部の幅方向Wにおける内径と略同じか、これより大きく構成されてもよい。このような構成により、ユーザーは、第2環状片3を湾曲させて第1環状片2の中空部に挿通させた状態で、第2環状片3の形状を復元させると、第2係合部13が第1係合部7を外側に押圧する力を利用して、両者を良好に係合させることが可能となる。
第2環状片3の長手方向Lにおけるサイズは、第1環状片2に比べて長く構成されてもよい。このような構成により、固定部11を把持部5の中空部に挿通させて把持部5に係止することが可能となる。これにより、第2アーム15は、第1アーム9を良好に押圧することが可能となる。
第2環状片3は、中間部から第2アーム15にかけて幅方向Wにおいて外側に拡張する。第2環状片3の中間部は、第1環状片2の中間部に比べて幅方向Wにおけるサイズが小さく構成されることがある。そのため、第2環状片3は、中間部から第2アーム15にかけて外側に拡張することにより、第1アーム9と第2アーム15とを当接させるよう構成されてもよい。
第2アーム15は、平面視第1アーム9と略同形状に構成される。このような構成により、第1アーム9と第2アーム15は、互いに当接して収容袋50を良好に挟持することが可能となる。
好ましくは、第2環状片3における長手方向Lの一端に、爪部20が配置されてもよい。このような構成により、爪部20を把持部5に良好に掛止することが可能となる。
爪部20が配置される場合に、第2環状片3の長手方向Lにおけるサイズは、第1環状片2に比べて短く構成されてもよい。第2環状片3および爪部20を合わせた長手方向Lにおけるサイズは、第1環状片2に比べて長く構成されてもよい。このような構成により、第2環状片3を第1環状片2の中空部に容易に挿通させることができるとともに、爪部20が把持部5に当接して第2アーム15により第1アーム9を下方から押圧できる。
なお、図4(a)および図4(b)に例示した場合とは異なり、第2係合部13は、中空部の中心方向に突出して構成され、第1係合部7は、第2係合部13を収容可能な凹状に外周側に構成されてもよい。或いは、これとは異なり、第1係合部7は、第2係合部13を挿通可能な貫通孔により構成されてもよい。
このような場合に、第1環状片2の中間部の幅方向Wにおける外径は、第2環状片3の中間部の幅方向Wにおける内径と略同じか、これより小さく構成されてもよい。
このような構成により、ユーザーは、第2環状片3の中間部を外側に拡張させて第1環状片2の中間部の外側に配置する。そして、第2係合部13を第1係合部7に外側から収容させることにより、第1環状片2と第2環状片3とを係合させることができる。
図5は、第1実施形態における第2環状片3の構成の一例を示す図である。図5に示される第2環状片3において、固定部11は、幅方向Wに長く構成される。固定部11の幅方向Wにおけるサイズは、把持部5の幅方向Wにおけるサイズより大きく構成される。このような構成により、固定部11は、把持部5に良好に係止可能である。
固定部11は、可撓性を有してもよい。これにより、ユーザーは、固定部11を屈曲させて把持部5の中空部に挿通させて、固定部11を把持部5に係止させることができる。
一例として、ユーザーは、第2アーム15が第1アーム9の下方に位置するように第2環状片3を第1環状片2の中空部に挿通させ、第2係合部13を第1係合部7に回動可能に係合させる。その後に、固定部11を屈曲させ、把持部5の中空部の上から下方向に挿通させ、固定部11を把持部5の下部に係止させてもよい。このような構成により、固定部11は、下から上方向に復元力が作用し、第2アーム15は第1アーム9を下方から押圧して良好に当接する。
図6は、第1実施形態における簡易トイレ装置1の構成の一例を示す図である。図6に示される簡易トイレ装置1において、第1アーム9および第2アーム15は、端部が開放される。このような構成により、収容袋50を簡易トイレ装置1から取り外す際に、開放された端部を通過させて取り外すことが可能となる。
第1アーム9および第2アーム15は、各々長手方向における先端部が開放されてもよい。第1アーム9と第2アーム15における開放部は、略同じ形状に構成される。或いはこれとは異なり、第1アーム9は端部が開放されることなく閉塞されており、第2アーム15は端部が開放されてもよい。
図6に示される例において、第1係合部7と第2係合部13とは、互いに係合して軸を構成してもよい。一例として、第1係合部7は、第1環状片2の幅方向Wにおける端部同士を連結する軸として構成されてもよい。
第2係合部13は、第1係合部7に回動可能に係合してもよい。一例として、第2係合部13は、側面視略C字状に構成されるとともに、第2係合部13の開放部から第1係合部7が進入して両者は係合してもよい。第2係合部13は、第2環状片3の長手方向Lにおける中間部に対向して配置されてもよい。
第1環状片2と第2環状片3とを係合させる際に、ユーザーは、第1環状片2の中空部の下から上方向に固定部11を挿通させ、軸状の第1係合部7をC字状の第2係合部13の開放部から進入させて両者を係合させる。その後に、ユーザーは、固定部11を屈曲させ、把持部5の中空部の上から下方向に挿通させてから把持部5の下方に係止してもよい。
このような構成により、ユーザーは、第1環状片2と第2環状片3とを容易に係合させることができる。そして、固定部11を把持部5の下方に係止すると、固定部11の復元力により把持部5を下方から押圧する。そうすると、第2アーム15が第1アーム9を下方から押圧するため、第1アーム9と第2アーム15は、収容袋50を良好に挟持することが可能となる。
図7は、第1実施形態における簡易トイレ装置1の構成の一例を示す図である。図7に例示される第1環状片2は、軸状の第1係合部7を備える。第1環状片2は、第1係合部7の周辺の厚みが他の部位より厚く形成されてもよい。このような構成により、第1環状片2における第2環状片3との係合箇所を補強することが可能となる。
図7に示される第2環状片3において、固定部11は、長手方向Lにおけるサイズが把持部5より小さく構成されてもよい。このような構成により、固定部11を把持部5の中空部に容易に挿通させ、効率的に固定部11を把持部5の下方に配置することができる。
爪部20は、把持部5の下方に掛止される。図7に示される第2環状片3は、長手方向Lにおける固定部11と爪部20とを合わせたサイズが、把持部5より大きく構成されてもよい。このような構成により、爪部20を把持部5に好適に掛止可能となる。
図8は、第1実施形態における簡易トイレ装置1の構成の一例を示す図である。図8(a)に示されるように、第1環状片2は、軸状の第1係合部7を備える。第1係合部は、中央部の径が両端の径に比べて小さく構成されてもよい。
図8(b)に示されるように、第2環状片3は、底面中央部が凹んだ第2係合部13を備える。第2係合部13は、底面に凹みを備える。第2係合部13は、軸状の第1係合部7に係合可能な凹みを備える。第2係合部13は、第1係合部7に噛み合わせることが可能な凹みを備えてもよい。第2環状片3は、第1環状片2の中空部に挿通された後、第2係合部13が第1係合部7に係合されることにより、第1環状片2に係合する。そして、固定部11が把持部5の中空部に挿通され、把持部5の下方に係止される。
図8に示される例において、第2係合部13は、第1係合部7における中央部に係合してもよい。第1係合部7の中央部の径が両端の径に比べて小さく構成されている場合に、第2係合部13は、第1係合部7の中央部に係合した後に撓みを解除すると、第1係合部7における径の大きい両端を中央部から押圧する。そのため、第2環状片3は、第1環状片2に安定的に係合することができるのである。
第2環状片3は、第2アーム15が第1アーム9の下方に当接し、第2係合部13が第1係合部7に上方から係合する。そして、固定部11および爪部20の両者又は一方が、把持部5の下方に当接する。このような構成により、可撓性を有する第2環状片3において、第2アーム15と固定部11および爪部20が下方から第1環状片2を押圧し、収容袋50を良好に保持することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に例示される簡易トイレシステム30は、簡易トイレ装置1と、簡易トイレ装置1を装着可能な支持台35とを備える。
図9は、第2実施形態における簡易トイレシステム30の構成の一例を示す図である。簡易トイレシステム30を構成する簡易トイレ装置1は、排泄物を収容可能な収容袋50を挟持可能に構成される。
第2実施形態において、支持台35は、人の下半身を載置可能であって、簡易トイレ装置1を着脱可能な台である。支持台35は、下半身を載置可能な載置部37と、平面視短辺の一端から入り込んで形成される陥入部39とを備える。
支持台35は、側面視略三角形状に構成される。このような構成により、横臥した状態のユーザーの身体の下方に、支持台を鋭角側から進入させ、ユーザーの下半身を載置することが可能となる。
載置部37は、支持台35の上面に形成される。載置部37は、幅方向Wにおける中央方向に窪んで構成されてもよい。このような構成により、載置部37は、ユーザーの下半身が載置部37の幅方向における端部から落ちるのを抑制できる。
第2実施形態において、陥入部39は、簡易トイレ装置1を装着可能な部位である。具体的には、第1アーム9と第2アーム15が当接した状態で、陥入部39に収容可能である。
図9に例示される陥入部39は、支持台35の平面視短辺を構成する側壁から入り込んで形成される。陥入部39は、平面視短辺を構成するとともに厚みを有する側壁の略中央に形成される。
支持台35をユーザーの身体の下方に配置する際に、まず、ユーザーの身体の下方から、支持台35における側面視鋭角状の端部から順に進入させる。そして、ユーザーの臀部の下方に陥入部39が到達するまで支持台35をユーザーの身体下方に進入させる。
次に、収容袋50を挟持した状態の第1アーム9および第2アーム15を、陥入部39の開口から進入させる。このような構成によると、ユーザーの臀部下方に収容袋50を備えた簡易トイレ装置1を配設可能となるため、ユーザーが横臥した状態で排便できる。
陥入部39は、第1アーム9および第2アーム15が摺動可能な溝部41をさらに備えてもよい。このような構成の簡易トイレシステム30によると、ユーザーは、簡易トイレ装置1の着脱を円滑に行うことが可能となる。
一例として、溝部41は、陥入部39の内周に形成されてもよい。このような構成により、陥入部39の内周に沿って簡易トイレ装置1を進入させる際に、第1アーム9および第2アーム15を摺動させることが可能となる。
溝部41は、支持台35の底面に略平行に形成されてもよい。このような構成により、ユーザーは、溝部41に沿って第1アーム9および第2アーム15を陥入部39内に進入させることにより、ユーザーの肛門に対応する位置に簡易トイレ装置1を配置可能となる。
或いは、溝部41は、支持台35の底面に対して傾斜して形成されてもよい。一例として、支持台35の上面における傾斜に対応して傾斜してもよい。このような構成により、ユーザーは、溝部41に沿って第1アーム9および第2アーム15を上方向から斜め下方向に向けて陥入部39内に進入させることができる。
図10は、第2実施形態における簡易トイレシステム30の構成の一例を示す図である。図10における例において、支持台35は、ユーザーの臀部を載置可能なプレート部43をさらに備える。
プレート部43は、載置部37上を移動可能な板状に構成される。プレート部43は、陥入部39を挟んで対向して配置されてもよい。プレート部43は、ユーザーの臀部を載置する。一例として、プレート部43は、ユーザーの左臀部および右臀部を各々載置可能に複数配置される。
プレート部43は、幅方向Wにおいて移動可能に構成されてもよい。このような構成により、対向するプレート部43同士は、互いに離間又は接近することが可能である。プレート部43同士が離間すると、ユーザーの左臀部と右臀部とが互いに離間して肛門が開口し易くなる。
或いは、プレート部43は、端部が幅方向Wに移動可能に構成されてもよい。一例として、プレート部43は、載置部37に回動可能に軸支され、軸支されていない端部が幅方向Wに移動可能に構成されてもよい。
図10に例示される支持台35は、プレート部43を操作可能な操作部45をさらに備えてもよい。第2実施形態において、操作部45は、対向して配置されるプレート部43を互いに離間又は接近させるよう操作可能な部材である。
図10に示されるように、操作部45は、棹状に構成されてもよい。これとは異なり、操作部45は、ダイヤル状に構成されてもよい。いずれにしても、ユーザーは、操作部45を操作することにより、対向するプレート部43同士を離間又は接近させることができる。
図11は、第2実施形態における簡易トイレシステム30を構成する支持台35の構成の一例を示す図である。操作部45は、支持台35に形成される中空部に配置されてもよい。
図11に示される例において、操作部45は、支持台35の中空部内に配置されるとともにプレート部43に連結される。操作部45は、一部が中空部外に露出し、ユーザーが把持可能に構成される。
操作部45は、支持台35の中空部内に軸支されてもよい。一例として、ユーザーが把持した状態で操作部45を左右のいずれかに移動させると、操作部45に連結されるプレート部43は、操作部45の移動方向とは逆の方向に移動してもよい。
図12は、第2実施形態における支持台35の構成の一例を示す図である。図12は、支持台35における陥入部39が形成される面からみた図である。溝部41は、陥入部39の内周に形成される。溝部41の開口部のサイズは、第1アーム9および第2アーム15の高さ方向Hのサイズに対応して構成される。
図12に示される例において、載置部37は、幅方向Wにおいて支持台35の中央に向かって漸次下がり傾斜する。このような構成により、ユーザーの臀部の肉が載置部37との摩擦により外方向に引っ張られるため肛門が開口し易くなり、排便を容易化することができる。
図13は、第2実施形態における支持台35の構成の一例を示す図である。図13に示される例において、載置部37は、載置部37の上面に配置されるとともに着脱可能な上枠部37a(37)をさらに備える。
上枠部37a(37)は、陥入部39の側部に配置されてもよい。上枠部37a(37)は、薄板状に構成され、載置部37との間に簡易トイレ装置1を挟持可能な部材である。このような構成により、簡易トイレシステム30は、支持台35に簡易トイレ装置1を安定的に装着することが可能となる。
上枠部37a(37)は、平面視陥入部39を挟む両側部に配置されてもよい。上枠部37a(37)は、一端が載置部37に軸支されてもよい。簡易トイレ装置1を装着する際に、ユーザーは上枠部37a(37)を載置部37から離す。
次に、載置部37に簡易トイレ装置1を載置して、再び上枠部37a(37)を載置部37に近接させる。これにより、載置部37と上枠部37a(37)の間に簡易トイレ装置1が挟持されることとなる。
図14は、第2実施形態における支持台35の構成の一例を示す図である。図14に示される例において、支持台35は、陥入部39の上方を閉塞する蓋部47をさらに備えてもよい。蓋部47は、陥入部39の上方を閉塞する部材である。このように蓋部47を備えることにより、支持台35は、簡易トイレ装置1を装着していない状態においてユーザーの下肢を安定的に載置することが可能となる。
蓋部47は、載置部37と略面一になるよう配置されてもよい。蓋部47は、長手方向Lにスライド可能に構成されてもよい。一例として、簡易トイレ装置1を装着する際に、ユーザーは、簡易トイレ装置1の第1アーム9および第2アーム15により蓋部47を押圧し、蓋部47を陥入部39の奥方向にスライドさせ、陥入部39の上方を開放させてもよい。
図15は、第2実施形態における支持台35の構成の一例を示す図である。図15に示される例において、陥入部39は、載置部37から下方に向かい入り込む凹みにより構成される。ユーザーは、簡易トイレ装置1を支持台35の上方から陥入部39の開口に進入させて装着させてもよい。
陥入部39は、平面視簡易トイレ装置1の形状に対応する形状に構成されてもよい。このような構成により、支持台35は、簡易トイレ装置1を良好に陥入部39内に収容可能となる。
陥入部39は、載置部37における略中央部に形成されてもよい。このような構成により、ユーザーの臀部を支持台35の中央に載置し、ユーザーの下肢を安定的に支持することが可能となる。
載置部37は、陥入部39を囲む周縁部37b(37)の一部又は全部を窪ませてもよい。図15に例示される支持台35は、陥入部39を囲んで載置部37より僅かに窪む周縁部37b(37)を備える。周縁部37b(37)は、支持台35の上面において、把持部5および固定部11に対応する位置に形成されてもよい。
周縁部37b(37)は、載置部37の上面より下がる段差を有してもよい。このような構成により、簡易トイレ装置1が載置された状態において、周縁部37b(37)と載置部37との境界における段差により、簡易トイレ装置1の移動が抑制される。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態における簡易トイレシステム66は、簡易トイレ装置1を隠蔽可能な隠蔽材70を備える。
図16は、第3実施形態における簡易トイレシステム66の構成の一例を示す図である。第3実施形態における簡易トイレシステム66は、ユーザーの下半身に巻回可能な隠蔽材70を備える。隠蔽材70は、ユーザーの腰部から下を隠蔽可能に構成されてもよい。
隠蔽材70は、スカート状に構成されてもよい。図16の例において、隠蔽材70は、ユーザーの下半身に巻回可能な布等により構成される。隠蔽材70は、幅方向Wにおける両端を係合させて下半身に巻回し、他者の視線を遮ることが可能である。
図16に示される例において、隠蔽材70はポケット72を備える。ポケット72は、隠蔽材70を貫通して形成される。ポケット72は、作業者の前腕を挿入可能に構成される。
このようにポケット72を有することにより、隠蔽材70は、他者の視線を遮ることが難しい場所であっても、ユーザーの臀部等を隠蔽することにより、他者の視線を遮って簡易トイレ装置を使用することが可能となる。
ユーザーは、隠蔽材70を下半身に巻回させた状態でポケット72に前腕部を挿通させ、簡易トイレ装置1を把持してこれを股間に当接させて排便を行うことが可能である。
図17は、第3実施形態における簡易トイレシステム66を構成する隠蔽材70の構成の一例を示す図である。隠蔽材70は、ポケット72の開口から連続して内側に伸びるスリーブ74をさらに備えてもよい。
図17に示される例において、ポケット72の開口から連続して筒状のスリーブ74が配置される。スリーブ74は、作業者の前腕を挿通可能に構成される。ユーザーは、簡易トイレシステム66を使用する際に、スリーブ74が内側に配置されるように隠蔽材70を下半身に巻回させる。
そして、作業者は、ポケット72に前腕を挿通させ、さらにポケット72に連続するスリーブ74に前腕を挿通させる。隠蔽材70を下半身に巻回させた状態で、作業者は簡易トイレ装置1を用いて排便を行うことができる。
図18は、第3実施形態における簡易トイレシステム66を構成する簡易トイレ装置1の構成の一例を示す図である。図18に示される例において、簡易トイレ装置1は、下方に湾曲する第1アーム9および第2アーム15を備える。
第1アーム9および第2アーム15は、ユーザーの股間に当接可能に湾曲してもよい。第1アーム9および第2アーム15は、把持部5および固定部11より長手方向のサイズが大きく構成されてもよい。
第1アーム9および第2アーム15により形成される領域は、ユーザーの性器および臀部を被覆可能に構成されてもよい。各々2方向に延びる第1アーム9および第2アーム15は、収容袋50を開口させた状態で配置可能である。
第1アーム9および第2アーム15は、開口状態の収容袋50がユーザーの性器および臀部を被覆可能となるよう各々2方向に延伸してもよい。このような構成により、隠蔽材70を下半身に巻回させ、内部を視認不能にした状態で、作業者は第1アーム9および第2アーム15をユーザーの股間部に当接させることにより、排便を収容袋50内に収容することができる。
(変形例)
本発明を適用した第1実施形態および第2実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
上記各実施形態において、簡易トイレ装置1が楕円環状に構成される場合を示したが、本発明はこれに限られず、簡易トイレ装置1は、矩形状に構成されてもよい。或いは、簡易トイレ装置1は、板状に構成されてもよい。
上記各実施形態の簡易トイレ装置1において、第2環状片3は第1環状片2の下方に配置される場合を説明したが、本発明はこれに限られず、第2環状片3は第1環状片2の上方に配置されてもよい。
上記第2実施形態の簡易トイレシステム30において、陥入部39が支持台35の一端部から入り込んで形成される場合を示したが、本発明はこれに限られず、陥入部39は、載置部37の中央付近に凹状に形成されてもよい。
上記第2実施形態の簡易トイレシステム30において、陥入部39が平面視短辺を構成する厚みを有する側壁から入り込んで形成される場合を説明した。しかし、本発明はこれに限られず、陥入部39は、平面視短辺を構成する鋭角状の端部から入り込んで形成されてもよい。
上記第2実施形態の簡易トイレシステム30において、支持台35が側面視略三角形状の台である場合を示したが、本発明はこれに限られず、支持台35は、椅子状に構成されてもよい。
支持台35が椅子状に構成される場合、座面上部に凹部又は孔が形成され、簡易トイレ装置1を配置可能に構成されてもよい。