JP3219803U - 便蓋カバー - Google Patents
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Abstract
【課題】温水洗浄式の便座蓋と旧式の便座蓋のいずれに使用した場合でもぴったりと見栄え良く被うことのできる便蓋カバーを提供する。【解決手段】この便蓋カバー1は、便座蓋の表面を被う基布2の前縁3が折り返されて便座蓋の前端部を収容するポケット部4が形成され、ポケット部4を成す基布2の前縁3は弾性伸縮体6を固着されて伸縮部5にされるとともに、基布2の後部8を便座蓋に係止する係止具9を備えて成るものにおいて、弾性伸縮体6を固着する前の基布2の展開状態で、伸縮部5に対応する基布2の前縁3が前向きに湾曲した円弧状縁として形成され、円弧状縁の左右最外端が基布2の左右側縁7,7よりも左右外方に突出しており、弾性伸縮体6が、伸ばされた状態で基布2の円弧状縁に固着されることを特徴とするものである。【選択図】図2
Description
本考案は、温水洗浄式便器の便座蓋と、温水洗浄式でない旧式便器の便座蓋のいずれにも使用できる便蓋カバーに関するものである。
従来、この種の便蓋カバーとしては、例えば下記の特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1記載の便蓋カバー1は、図2(b)に示されるように、温水洗浄式の便座蓋B1,B1A(図1参照)または旧式の便座蓋B2(いわゆるU型またはO型:図1参照)の表面Cを被う基布52と、便座蓋B1または便座蓋B2の前端部Eを収容するポケット部54と、基布52の後部58を便座蓋B1または便座蓋B2に係止する係止具と、を備えたものである。前記の係止具は、便座蓋B1,B2の表面Cに着脱可能に接着する吸着材70と、基布52の裏面後部の側縁57,57に留め輪71,71を介して取り付けられるゴム紐セット59と、から構成されている。
そして、前記の基布52は、図4(b)に示されるように、弾性伸縮体56が縫着される前の展開基布52Aの状態で、左右の側縁57,57および後部58の後縁が平面視矩形状に形成され、これらの位置にバイアス布15が縫着されており、その縫着は縫目16,16,16,・・・で表されている。そして、ポケット部54を成す基布52の前縁53は、前向きに湾曲した円弧状縁53Aとして形成されている。この円弧状縁53Aには、弾性伸縮体56が大きく引き伸ばされた状態で縫着され、弾性伸縮体56の縮退で円弧状縁53Aが縮むことにより、ポケット部54が形成されている。すなわち、基布52の前縁53が伸縮自在な伸縮部55となり、この伸縮部55は左右の最外端53B,53B間の範囲M1に形成されている。
前記の便蓋カバー51において、温水洗浄式の便座蓋B1に使用されるときは、便座蓋B1の前端部Eが便座蓋B1のポケット部54に挿し込まれたのちに、便座蓋B1の後部とほぼ同じ大きさの基布52が便座蓋B1に載置され、吸着材70の吸着により便座蓋B1の表面に固定される。一方、旧式の便座蓋B2に使用するときは、便蓋カバー51のポケット部54と吸着材70が便座蓋B1に固定されたのち、基布52後部の左右側縁57,57が便座蓋B2の裏面Dに回し入れられ、ゴム紐セット59が左右の留め輪71,71に係止されて引張り固定されるようになっている。
ところで、便蓋カバー51が、ポケット部54の大きさを温水洗浄式便座蓋B1および旧式便座蓋B2の前端部Eのサイズに合されている場合、これらの便座蓋B1,B2はポケット部54に収容され得る。しかしながら、その便蓋カバー51を、蓋前端部が角張っている温水洗浄式便座蓋B1Aに用いる場合、便座蓋B1Aの前端部Eは便蓋カバー51のポケット部54内に入り切らないのである。また、吸着材70は便座蓋の表面Cに置かれた状態では比較的保持力があるが、前後方向の押し引きに弱くて位置ズレしやすく塵埃も溜まりやすい。更に、吸着材70は、経時使用や洗濯の繰り返しなどにより吸着力が徐々に低下するという不具合もある。そして、温水洗浄式の便座蓋B1に使用される場合に、ゴム紐セット59は使用されずに取り外されるので、別途保管しておく必要がある。
他方で、下記の特許文献2に記載された便蓋カバーも知られている。この便蓋カバーは、特許文献1と同様の構造を採用しているが、構成上の異なるところは、ゴム紐セットを備えていないことと、基布の左右の側縁においてバイアス布の内側に比較的硬いゴム紐材が装入されていることである。このゴム紐材の装入により、基布の左右側縁が平面部から垂れ下がって弧状に丸まり、温水洗浄式の便座蓋B1,B1Aまたは旧式の便座蓋B2に使用されたときに、左右側縁が便座蓋の側方から便座蓋の裏面側に回り込むようになっている。
ところで、上記した特許文献2に記載の弁蓋カバーでは、相対的に小さな旧式便座蓋B2に使用される場合に、基布の左右の側縁は旧式便座蓋B2の側方から裏面側に回り込むが、左右の側縁は裏面に完全に密着せず裏面との間に空間を生じてフィット感が欠けてしまう。一方、相対的に大きな温水洗浄式便座蓋B1,B1Aに使用される場合に、左右の側縁は裏面までは回り込むことなく表面だけを被っている。しかしながら、左右の側縁の一部分が温水洗浄式便座蓋B1,B1Aの表面の左右辺部で上向きに膨らんでしまい、前後方向の筋が入って見栄えを損なうことがあった。
すなわち、特許文献1,2に記載の弁蓋カバーはいずれも、温水洗浄式便座蓋と旧式便座蓋の双方に用いたときに、どちらの場合もぴったりフィットして見栄え良く被うことができなかったのである。
すなわち、特許文献1,2に記載の弁蓋カバーはいずれも、温水洗浄式便座蓋と旧式便座蓋の双方に用いたときに、どちらの場合もぴったりフィットして見栄え良く被うことができなかったのである。
本考案は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、温水洗浄式の便座蓋B1,B1Aと旧式の便座蓋B2に使用できるのはもとより、いずれの便座蓋に使用した場合でもぴったりフィットして見栄え良く被うことのできる便蓋カバーの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本考案に係る便蓋カバーは、便座蓋の表面を被う基布の前縁が折り返されて便座蓋の前端部を収容するポケット部が形成され、ポケット部を成す基布の前縁は弾性伸縮体を固着されて伸縮部にされるとともに、基布の後部を便座蓋に係止する係止具を備えて成る便蓋カバーにおいて、弾性伸縮体固着前の基布展開状態で、伸縮部に対応する基布の前縁が前向きに湾曲した円弧状縁として形成され、円弧状縁の左右最外端が基布の左右側縁よりも左右外方に突出しており、弾性伸縮体が伸ばされた状態で基布の円弧状縁に固着されることを特徴とする構成にしてある。
また、前記構成において、係止具が、便座蓋の表面および裏面の一方に着脱可能に吸着する吸盤と、基布後部の左右側縁に取り付けられて当該左右側縁と吸盤とをつなぐ連結部材と、から構成されていることを特徴とするものである。
そして、前記構成において、連結部材が、可撓性を有するプレート体で構成され、吸盤の摘みを着脱可能に係止する係合孔がプレート体に形成され、プレート体の表側または裏側から係合孔に吸盤の摘みが装着されることを特徴とするものである。
更に、前記構成において、プレート体の係合孔に切り込み部が形成されていることを特徴とするものである。
また、前記した各構成において、係止具の連結部材を取り付ける位置が、基布の後端から前方に30mm以上80mm以下離れた位置であることを特徴とするものである。
本考案に係る便蓋カバーによれば、展開状態の基布の前縁が円弧状縁に形成され、円弧状縁の左右最外端が基布の左右側縁よりも左右外方に突出していて、この円弧状縁に弾性伸縮体が伸ばされた状態で固着されるので、便座蓋への装着前の状態では、弾性伸縮体が縮退してポケット部が左右内向きに縮んでいる状態でコンパクトである。そして、便座蓋の前端部に装着されるときは弾性伸縮体が伸長してポケット部が広がるから容易に装着することができる。また、伸縮部は伸ばした状態の長さが基布の左右側縁間の幅よりも大きいので、温水洗浄式便座蓋の前端部のように旧式便座蓋よりも幅広かったり上下厚さが大きかったり平面視で角張っていたりしても、十分に広がってポケット部を装着させることができる。加えて、装着後はいずれのタイプの便座蓋に対してでもピッタリと密着してスマートな美観を呈することができる。
また、係止具が吸盤と連結部材とから構成されているものでは、吸盤が連結部材を介して基布後部の左右側縁に連結されるから、便座蓋の後部の広い範囲にわたって吸盤を移動・配置させることができ、基布の後部を自在に係止・固定することができる。
そして、連結部材を構成するプレート体の表側または裏側から係合孔に、吸盤の摘みが装着されるものでは、便座蓋の表面と裏面に切り換えて吸盤を吸着させ得るので、温水洗浄式便座蓋の表面または旧式便座蓋の裏面のいずれにも、吸盤を吸着させることができ、基布の後部を確実に係止させることができる。
更に、プレート体の係合孔に切り込み部が形成されているものでは、吸盤を係合孔に装着する際や吸盤を係合孔から取り外す際に、摘みが係合孔を通過するときに切り込み部が広がって摘みの通過を容易にし、摘みの通過後は切り込み部が狭まって吸盤をしっかりと保持するから、プレート体の係合孔への吸盤の取り付け・取り外しを容易かつ確実に行なうことができる。
また、係止具の連結部材の取付位置を基布の後端から前方に30mm以上80mm以下離れた位置にしたものでは、温水洗浄式便座蓋は十分に開き切ることができる。一方で、旧式便座蓋に用いて係止具を便座蓋の裏面で係止させる場合も、基布のできるだけ後縁近傍を係止することができる。前記の距離が30mmを下回ると、便器後部の起立部に係止具が接触干渉して便座蓋が開き切らなくなるおそれがある。他方で、80mmを上回ると、連結部材の取付位置よりも後部の基布がバタついたり捲れやすくなったりするし、旧式便座蓋の場合は蓋裏面の係止予定位置の近傍に垂脚が存在するので、垂脚が係止具の係止の邪魔になるおそれがある。
以下、本考案の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本考案を具体化した一例に過ぎず、本考案の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本考案の一実施形態に係る便蓋カバー、温水洗浄式便座の便座蓋および旧式便座の便座蓋を示す外観図、図2は本実施形態と特許文献1に係る便蓋カバーの底面を示す図、図3は本実施形態に係る便蓋カバーの詳細部分を示す図である。
各図において、この実施形態に係る便蓋カバー1は、温水洗浄式便座の便座蓋B1,B1Aまたは旧式便座の便座蓋B2の表面Cを被う基布2と、便座蓋B1,B1Aまたは便座蓋B2の前端部Eを収容するポケット部4と、基布2の後部8を便座蓋B1,B1Aまたは便座蓋B2に係止する係止具9と、を備えて構成されている。
各図において、この実施形態に係る便蓋カバー1は、温水洗浄式便座の便座蓋B1,B1Aまたは旧式便座の便座蓋B2の表面Cを被う基布2と、便座蓋B1,B1Aまたは便座蓋B2の前端部Eを収容するポケット部4と、基布2の後部8を便座蓋B1,B1Aまたは便座蓋B2に係止する係止具9と、を備えて構成されている。
各々の係止具9は、便座蓋B1,B1A,B2の表面Cと裏面Dのいずれにも着脱可能に吸着する吸盤10と、基布2の左右の側縁7に取り付けられて側縁7と吸盤10とをつなぐ連結部材11とから構成されている。前記の吸盤10は、例えば軟質ポリ塩化ビニル製で直径が30mm程度であり、300gの保持能力を有している。吸盤10の背面には、直径6mmの細径部を介して直径10mmの摘み10Aが形成されている。前記の連結部材11は、可撓性を有するポリ塩化ビニル板製などのプレート体12で構成されている。このプレート体12には、吸盤10の摘み10Aを着脱可能に係止する例えば直径8mmの係合孔13が形成されている。この係合孔13の周縁には、例えば2つの切り込み部14,14がプレート体12の長手方向に形成されている。この係合孔13には、プレート体12の表側12Aまたは裏側12Bから吸盤10の摘み10Aが挿通され、切り込み部14,14を押し広げて、摘み10Aが通過し細径部が係合孔13に収まって係止されるようになっている。
そして、前記した基布2は、例えばポリエステル製の不織布にパイル糸をループ状に植え付けたものである。この基布2は、図4(a)に示すように、平ゴム6Aが縫着される前の展開基布2Aの状態で、左右の側縁7,7および後部8の後縁8Aは平面視矩形状に形成され、これらの位置にはバイアス布15が縫着されていて、縫着は縫目16,16,16,・・・で表される。展開基布2Aにおける左右の側縁7,7間の幅W1(例えば約400mm)は、引用文献1における展開基布52Aの左右の側縁57,57間の幅W1(図4(b)参照)と同じである。この展開基布2Aの幅W1は、使用される例えば便座蓋B1,B1Aの左右幅とほとんど同じか、それよりも若干大きくなるように設定されている。また、展開基布2Aにおける円弧状縁3Aと後端8A間の奥行G(例えば約490mm)は、引用文献1における展開基布52Aの円弧状縁53Aと後端58間の奥行G(図4(b)参照)と同じである。この展開基布2Aの奥行Gは、使用される例えば便座蓋B1,B1Aの後端部がほぼ隠れるか、それよりも若干短くなるように設定されている。そして、前記したプレート体12が取り付けられる基布2の位置は、後縁8Aから前方に50mm(距離H)ほど離れた位置である。各プレート体12は、予め基布2の側縁7近傍位置に縫目20で示される閂止め処理により固着されており、更にバイアス布15で包まれたのちに縫目16のように縫着される。
ポケット部4を成す基布2の前縁3は、前向きに膨らんで湾曲した円弧状縁3Aとして形成されている。この円弧状縁3Aの左右の最外端3B,3B間の幅W2(例えば約430mm)は、展開基布2Aの側縁7,7間の幅W1よりも大きくされている。すなわち、展開基布2Aの左右の側縁7,7よりも左右外方にそれぞれ突出長△W,△W(=(幅W2−幅W1)/2:例えば15mm)ぶん突出している。それにより、展開基布2Aにおける円弧状縁3Aの範囲M(円弧状縁3Aの長さに相当)は、引用文献1における円弧状縁53Aの範囲M1(円弧状縁53Aの長さに相当)よりも長くなっている。前記した基布2の前縁3には、平ゴム6A(弾性伸縮体6)が大きく引き伸ばされた状態で展開基布2Aの円弧状縁3Aに巻き付けられ、その引き伸ばし状態のまま縫着される。その引き伸ばし状態を解除すると、平ゴム6Aがゴム弾性力により縮退する。すると、平ゴム6Aの縮退により、展開基布2Aの円弧状縁3Aが縮んで基布2の前縁3となり、その前縁3が自動的に下向きに折り返されてポケット部4が形成される。すなわち、平ゴム6Aを添わされて縫着された前縁3が、伸縮自在な伸縮部5である。尚、平ゴム6Aは、弧状縁3Aから左右の最外端3B,3Bを超えてバイアス布15,15の先端17,17と重なる位置まで延設されている。図2(a)および図4(a)中の符号18は、ポケット部4の折始め位置である。
上記のように構成された本実施形態に係る便蓋カバー1の作用を次に説明する。
先ず、この便蓋カバー1を温水洗浄式便座の便座蓋B1,B1Aに用いる場合を説明する。この場合、図5(a)およびその円K内の拡大図に示すように、左右の掛止具9,9において、吸盤10の摘み10Aがプレート体12の裏側12Bから係合孔13に挿通されて固定され吸盤10が下向きに配置される。
そうして、便蓋カバー1のポケット部4が便座蓋B1,B1Aの前端部Eに被せられたのち、基布2の下面が便座蓋B1,B1Aの表面C上に載置され、当該表面Cに吸盤10,10が吸着される。これらにより、図6(a)に示すように、便蓋カバー1が便座蓋B1,B1Aの前端部Eおよび表面Cに固定され、ぴったりとダブつきなく装着されるのである。この場合、便蓋カバー1後部の基布2は便座蓋B1,B1Aの表面Cのほとんどを被った状態で表面Cに載せられているだけなので、見栄えはシンプルであり美観を損なわない。図6(a)では、便座蓋B1のみを図示し便座蓋B1Aについては図示していないが、便座蓋B1Aに対してでも便座蓋B1に対すると同様の作用効果を呈することは言うまでもない。
先ず、この便蓋カバー1を温水洗浄式便座の便座蓋B1,B1Aに用いる場合を説明する。この場合、図5(a)およびその円K内の拡大図に示すように、左右の掛止具9,9において、吸盤10の摘み10Aがプレート体12の裏側12Bから係合孔13に挿通されて固定され吸盤10が下向きに配置される。
そうして、便蓋カバー1のポケット部4が便座蓋B1,B1Aの前端部Eに被せられたのち、基布2の下面が便座蓋B1,B1Aの表面C上に載置され、当該表面Cに吸盤10,10が吸着される。これらにより、図6(a)に示すように、便蓋カバー1が便座蓋B1,B1Aの前端部Eおよび表面Cに固定され、ぴったりとダブつきなく装着されるのである。この場合、便蓋カバー1後部の基布2は便座蓋B1,B1Aの表面Cのほとんどを被った状態で表面Cに載せられているだけなので、見栄えはシンプルであり美観を損なわない。図6(a)では、便座蓋B1のみを図示し便座蓋B1Aについては図示していないが、便座蓋B1Aに対してでも便座蓋B1に対すると同様の作用効果を呈することは言うまでもない。
他方で、便蓋カバー1を温水洗浄式でない旧式便座の便座蓋B2に用いる場合は、左右の掛止具9,9の吸盤10,10が図5(a)の状態からプレート体12より取り外されたのち、図5(b)およびその円J内の拡大図に示すように、摘み10Aがプレート体12の表側12Aから係合孔13に挿通されて固定され吸盤10が基布12の裏面とプレート体12の表側12Aとの間に上向きで配置される。そうして、便蓋カバー1のポケット部4が便座蓋B2の前端部Eに被せられたのち、基布2の下面が便座蓋B2の表面C上に載置され、後部の側縁7,7が便座蓋B2の後部側面から回り込まされて裏面D側に持ち込まれる。そして、図6(b)に示すように、左右の係止具9,9が蓋中央部に向けて引っ張られ(図中の矢印N,N方向)、後部の側縁7,7がピーンと展張される。そして、その位置で吸盤10,10が便座蓋B2の裏面Dに吸着される。これらにより、便蓋カバー1が便座蓋B2の前端部Eに固定されるとともに、ぴったりと装着されるのである。この場合、便蓋カバー1後部の基布2は便座蓋B2の表面Cおよび側面の全てを被い、引っ張られた状態で吸着固定されているので、ぴったりフィットして見栄えがよい。
上記したように、この実施形態の便蓋カバー1によれば、ポケット部が展張状態で元々広く形成されているので、便座蓋B1,B1A,B2の前端部Eに装着されるときは伸縮部5が伸長してポケット部4が広がるから容易かつ十分に装着することができる。また、伸縮部5は伸ばした状態の幅W2が基布2の左右側縁7,7間の幅W1よりも大きいので、温水洗浄式の便座蓋B1,B1Aの前端部Eのように旧式の便座蓋B2よりも幅広かったり、特に便座蓋B1Aの前端部Eのように上下厚さが大きかったり平面視で角張っていたりしていても、十分に広がってポケット部4を装着させることができる。加えて、装着後はいずれのタイプの便座蓋B1,B1A,B2についてもピッタリと密着してスマートな美観を呈することができる。
また、吸盤10がプレート体12を介して基布2の後部の左右側縁7,7に連結されるから、吸盤10を便座蓋B1,B1A,B2の後部の広い範囲にわたって配置させることができ、基布2の後部8を自由位置で係止・固定して基布2のダブつきを防止できる。そして、吸盤10の摘み10Aはプレート体12の表側12Aまたは裏側12Bから係合孔13に装着されるので、温水洗浄式の便座蓋B1,B1Aの表面Cまたは旧式の便座蓋B2の裏面Dのいずれにも吸盤10を吸着させることができ、基布2の後部8を確実に係止できる。更に、プレート体12の係合孔13周縁に切り込み部14,14が形成されているので、吸盤10を係合孔13に装着する際や吸盤10を係合孔13から取り外す際に、摘み10Aが係合孔13を通過するときに切り込み部14,14が広がって摘み10Aの通過を容易にすることができる。また、摘み10Aの通過後は切り込み部14,14が狭まって吸盤10をしっかりと保持するから、プレート体12への吸盤10の取り付け・取り外しを容易かつ確実に行なうことができる。
ところで、温水洗浄式の便座蓋B1,B1Aに便蓋カバーを用いる場合に、便座蓋B1,B1Aを立てると便器後部の起立部P(図1と図6(a)参照)に係止具9が接触干渉して便座蓋B1,B1Aが開き切らなくなることがある。しかしながら、この便蓋カバー1では、係止具9のプレート体12を取り付ける位置が基布2の後端8Aから前方に50mm離れた位置にされているので、係止具9が便器後部の起立部Pと接触干渉しにくくなり、便座蓋B1,B1Aを十分に開き切ることができる。他方で、旧式の便座蓋B2の裏面Dの左右後部には垂脚21,21(図6(b)参照)が垂設されているが、係止具9を便座蓋B2に用いて便座蓋B2の裏面Dで係止させる場合でも、前記のように後縁8Aからプレート体12までの距離Hが50mmなので、係止具9が垂脚21,21と干渉することがなく、吸盤10を裏面Dに確実に吸着させることができる。すなわち、この利点も含めて、30〜80mmという距離Hは、1つの便蓋カバー1を3つのタイプの便座蓋B1,B1A,B2に併用させるうえで極めて好適な距離である。
尚、上記の実施形態では、係合孔13の周縁でプレート体12の長手方向の位置に、切り込み部14,14を形成したが、本考案それに限定されるものでない。例えば、係合孔13の周縁で例えばプレート体12の短手方向の位置に、切り込み部14a(図3(c)中の1点鎖線)を形成することも可能である。このような切り込み部14aは既述の切り込み部14と併用してもよい。
また、吸盤10につながれる連結部材11としては、プレート体12に替えて紐体などでもよい。連結部材11として紐体を用いる場合は、吸盤10などを自在に表裏反転させて用いることができる。更に、係止具9として吸盤10およびプレート体12を用いた例を示したが、それらに替えて、例えばゴム紐セットや吸着材(図2(b)参照)などを係止具として用いても構わない。
そして、上記では、温水洗浄式の便座蓋B1で前面が平面視半円状のものを例示したが、本考案が適用される便座蓋は、それに限定されない。例えば、前面の左右前端部が角張っている角型の便座蓋B1Aや、便座の外方を被えるように垂縁部を有する厚みのある便座蓋に使用される場合でも、伸縮部を有するポケット部が特徴的構成を備える本考案は、好適に利用可能である。
尚、本考案で規定した連結部材の位置を示す距離数値以外で、実施形態中に示した数値に関しては、あくまでも例示であり、本考案がそれらの例示数値に限定されるものでないことは言うまでもない。
1 便蓋カバー
2 基布
2A 展開基布
3 前縁
3A 円弧状縁
3B 最外端
4 ポケット部
5 伸縮部
6 弾性伸縮体
6A 平ゴム
7 側縁
8 後部
8A 後端
9 係止具
10 吸盤
10A 摘み
11 連結部材
12 プレート体
12A 表側
12B 裏側
13 係合孔
14,14a 切り込み部
B1,B1A,B2 便座蓋
C 表面
D 裏面
E 前端部
H 距離
△W 突出長
2 基布
2A 展開基布
3 前縁
3A 円弧状縁
3B 最外端
4 ポケット部
5 伸縮部
6 弾性伸縮体
6A 平ゴム
7 側縁
8 後部
8A 後端
9 係止具
10 吸盤
10A 摘み
11 連結部材
12 プレート体
12A 表側
12B 裏側
13 係合孔
14,14a 切り込み部
B1,B1A,B2 便座蓋
C 表面
D 裏面
E 前端部
H 距離
△W 突出長
Claims (5)
- 便座蓋の表面を被う基布の前縁が折り返されて前記便座蓋の前端部を収容するポケット部が形成され、前記ポケット部を成す前記基布の前縁は弾性伸縮体を固着されて伸縮部にされるとともに、前記基布の後部を前記便座蓋に係止する係止具を備えて成る便蓋カバーにおいて、
弾性伸縮体固着前の基布展開状態で、前記伸縮部に対応する基布の前縁が前向きに湾曲した円弧状縁として形成され、前記円弧状縁の左右最外端が前記基布の左右側縁よりも左右外方に突出しており、前記弾性伸縮体が伸ばされた状態で前記基布の円弧状縁に固着されることを特徴とする便蓋カバー。 - 前記係止具が、前記便座蓋の表面および裏面の一方に着脱可能に吸着する吸盤と、前記基布後部の左右側縁に取り付けられて当該左右側縁と前記吸盤とをつなぐ連結部材と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の便蓋カバー。
- 前記連結部材が、可撓性を有するプレート体で構成され、前記吸盤の摘みを着脱可能に係止する係合孔が前記プレート体に形成され、前記プレート体の表側または裏側から前記係合孔に前記吸盤の摘みが装着されることを特徴とする請求項2に記載の便蓋カバー。
- 前記プレート体の係合孔に、切り込み部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の便蓋カバー。
- 前記係止具の連結部材を取り付ける位置が、前記基布の後端から前方に30mm以上80mm以下離れた位置であることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の便蓋カバー。
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JP2018004329U JP3219803U (ja) | 2018-11-08 | 2018-11-08 | 便蓋カバー |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018004329U JP3219803U (ja) | 2018-11-08 | 2018-11-08 | 便蓋カバー |
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JP3219803U true JP3219803U (ja) | 2019-01-24 |
Family
ID=65036971
Family Applications (1)
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JP2018004329U Active JP3219803U (ja) | 2018-11-08 | 2018-11-08 | 便蓋カバー |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3219803U (ja) |
-
2018
- 2018-11-08 JP JP2018004329U patent/JP3219803U/ja active Active
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