JP3052675U - 便座の蓋カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装着状態において便蓋の納まりが良くて安価
な便座の蓋カバーを提供する。 【解決手段】 便蓋１０２の平面形状に合わせた形状に
縫製されたカバー本体２と、このカバー本体２の裏面側
に設けられた裏布３からなり、その裏布３の外周部の一
部をカバー本体２の周縁部に、このカバー本体２の後部
側に開口ｈが開くように縫い付けた構造とし、それらカ
バー本体２と裏布３との間に便蓋１２を開口ｈを通じて
差し入れるという作業だけで、便座１０１と便蓋１０２
との間に厚手の生地を存在させることなく、蓋カバー１
を便蓋１０２に装着できるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、腰掛け式の便器に取り付けられる便蓋のカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

和式便器に取り付けられる構造の据え置き式の洋風便座などの簡易便器、ある いは洗浄水が流れる本格的な洋風便器などの腰掛け式の便器では、一般に便座を の上方を覆う便蓋が取り付けられている。

【０００３】 この種の腰掛け式の便蓋は、通常、後端が便器本体の後部に回転自在に支持さ れており、使用の際には、便蓋を手前側から持ち上げて便器内を開放して便器本 体の後部の上方位置に立て掛けた状態とし、また使用後は、立て掛けた便蓋を手 前にひいてもとの位置に戻すといった構造となっている。

【０００４】 このような便蓋には布製の蓋カバーが装着されることが多く、その蓋カバーと しては、従来、特開平７−２０９９４号公報に見られるように、便蓋の表面を覆 って裏面側に回り込むカバー主体と、そのカバー主体の周縁部に沿ってＵ字形に 取り付けられたゴム紐製の伸縮帯を備え、この伸縮帯と、便蓋のヒンジ部を覆っ て裏面側に回り込む上記カバー主体の周縁部との接続部分に、左右一対の止着紐 を取り付け、この止着紐の先端に便蓋の裏面に吸着する吸盤を取り付けた蓋カバ ーがある。

【０００５】 また、特開平７−３４７９９号公報には、便蓋の表面を覆い、周縁部分を裏面 側に回り込ませて、周縁部に備えた止着紐を介して便蓋に着脱自在に取り付ける 構造で、カバー主体の袋状内縁部の裏面に、微細な凹凸表面が形成され便蓋の側 面部に貼着するための滑り止め片を取り付けた蓋カバーが記載されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 ところで、上記した公報に記載の便座の蓋カバーによれば、便蓋の表面を覆う カバー主体を、便蓋周縁部の裏面側に回り込ませて便蓋に取り付ける構造となっ ているため、便蓋を閉じた際に、便座の上面と便蓋の下面との間に厚手の布製カ バー材が挟まれ、そのカバー厚さに相当する分の浮きが生じて便蓋の納まりが悪 くなるという欠点がある。また、カバー主体を便蓋の裏面側に回り込ませている ので、便蓋をカバーするという本来の目的以外に生地が余分に必要になり、その 分だけ製品コストが高くつくといった問題もある。

【０００７】 本考案はそのような実情に鑑みてなされたもので、装着状態において便蓋の納 まりが良く、安価な便座の蓋カバーの提供を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案の便座の蓋カバーは、便器本体と、その上 部に配置され後端が便器本体の後部にヒンジを介して回転自在に支持された便座 と、この便座の上部を覆う便蓋とを備えた腰掛け式の便器において、上記便蓋に 装着される布製のカバーであって、便蓋の平面形状に合わせた形状に縫製された カバー本体と、このカバー本体の裏面側に設けられた裏布とからなり、その裏布 は、外周部の一部がカバー本体の周縁部に沿うような形状に裁断された伸縮自在 の布で、その外周部の一部がカバー本体の周縁部に、このカバー本体の後部側に 開口をあけた状態で縫い付けられており、それらカバー本体と裏布との間に便蓋 を、上記開口を通じて差し入れることによって、当該蓋カバーを便蓋に装着する ように構成されていることによって特徴づけられる。

【０００９】 以上の構成の本考案の便座の蓋カバーによれば、カバー本体の裏面側に取り付 ける裏布として、カバー本体とは異なる生地を用いることができるので、裏布の 厚さを非常に薄くすることができる。これにより便座の上面と便蓋の下面との間 に裏布が存在しても、便蓋が浮き上がることがなく納まりが良くなる。また、カ バー本体の面積は、便蓋とほぼ同じ面積か、僅かに大きい面積で済むので、その カバー本体に使用する生地を節約でき、コストダウンをはかることができる。

【００１０】 ここで、腰掛け式の便器における便座は、未使用時に閉じられるのが普通であ るが、家庭によっては便蓋を閉めないで放置されることがある。この場合、蓋カ バーを便蓋の表面側に装着しておいてもあまりメリットがなく、むしろ便蓋の裏 面側に蓋カバーを装着することが要求される。本考案の蓋カバーは、その使用法 にも簡単に対応できる。すなわち、本考案の蓋カバーは、カバー本体と伸縮自在 の裏布との間に便蓋を単に差し込むだけで装着できるので、便蓋の表裏の各形状 に関係なく、また特別な作業や部材を必要とすることなく、カバー本体を便蓋の 表面側または裏面側のいずれの面に対しても簡単に装着することができる。

【００１１】 なお、本考案の蓋カバーにおいて、カバー本体の後端部に、その後端部を便蓋 に止めるための止め部材を設けておけば（図１、図２参照）、蓋カバーを便蓋に 対してより確実に装着することでき、蓋カバーのずれ、便蓋からの離脱等を防止 することができる。

【００１２】 本考案において、カバー本体の材質としては、例えば、タフテット生地、不織 布、綿帆布、エステル基布またはタイパーなどが挙げられる。

【００１３】 また、裏布としては、薄くて伸縮性を有する生地、例えば、サテン生地、ネッ ト生地、ニット生地、メリヤス生地または平ゴムなどを用いることが好ましい。

【００１４】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を、以下、図面に基づいて説明する。

【００１５】 図１は本考案の実施の形態の裏面図である。また図２及び図３はそれぞれ本考 案の実施の形態を使用状態で示す斜視図及び縦断面図である。

【００１６】 本実施の形態の蓋カバー１は、カバー本体２とその裏面側に設けられた裏布３ を主体として構成されている。

【００１７】 カバー本体２は、便蓋１０２の平面形状よりも１０ｍｍ〜２０ｍｍ程度大きい 形状に裁断されており、その周縁部には布テープ２ａによる縁取りが施されてい る。

【００１８】 カバー本体２の後端部には、伸縮自在の固定用バンド４が左右方向に沿って設 けられている。この固定用バンド４の一端はカバー本体２の縁部（図中左部）に 縫い付けられている。また、固定用バンド４の他端には係止具４ａが取り付けら れており、この係止具４ａを引っ掛けるための輪状の係止バンド５が、カバー本 体２の縁部（図中右部）に設けられている。

【００１９】 裏布３は、伸縮自在の生地をカバー本体２の前半部に対応する形状に裁断した もので、その外周部のうちカバー本体２の周縁部に沿う部分３ａは、カバー周縁 部に布テープ２ａとともに縫い付けられており、この部分が袋状になっている。 一方、裏布３の残りの部分つまりカバー本体２の後部側となる部分３ｂについて は、折り返し縫いが施されているだけで、カバー本体２には縫い付けられておら ず、この部分が便蓋挿入用の開口部ｈとなっている。

【００２０】 以上の構造の蓋カバー１の便蓋１０２への装着は、図２，図３に示すように、 カバー本体２の後部側を便蓋１０２の表面に配置するとともに、その便蓋１０２ の先端部を開口部ｈに合わせ、この状態で、便蓋１０２をカバー本体２と裏布３ との間に、便蓋１０２の先端部がカバー本体２の先端部に達するまで差し込んだ 後、カバー本体２の後部の固定用バンド４を便蓋１０２の裏面側に回し込み、そ のバンド端部の係止具４ａを、対向側の係止バンド５に引っ掛ける、という手順 によって行う。

【００２１】 また、便蓋１０２からの蓋カバー１の取り外しは、先と逆の手順つまり固定用 バンド４を外して蓋カバー１を引き抜くという作業により簡単に行うことができ る。

【００２２】 以上の本実施の形態によれば、蓋カバー１を装着した便蓋１０２を閉じた際に 、便座１０１の上面と便蓋１０２の下面との間には、厚みの薄い裏布３が存在す るだけであるので、便蓋１０２が浮き上がることがなくなる。しかも、裏布３の 弾性力によってカバー本体２の前半部が便蓋１０２にしっかりと固定され、さら にカバー本体２の後端も固定用バンド４よって便蓋１０２の後部に対して固定さ れるので、蓋カバー１の位置ずれが生じ難い。

【００２３】 なお、図２及び図３に示す例では、カバー本体２を便蓋１０２の表面側に装着 した例を示しているが、本考案はこれに限られることなく、便器の未使用時にお いて便蓋１０２を閉めないで放置しておくことが多い場合には、便蓋１０２の裏 面側にカバー本体２を装着してもよい。

【００２４】 図４は、本考案の他の実施の形態の構造を示す裏面図である。 この図４に示す蓋カバー１１は、図５に示すような洗浄・暖房装置Ｗを備えた 便器１１０の便蓋１１２を対象とした製品で、先の実施の形態と同様に、カバー 本体１２とその裏面側に縫い付けられた伸縮自在の裏布１３を主体として構成さ れている。だだし、カバー本体１２は、洗浄・暖房装置Ｗとの干渉を避けるため に、後部の左右両縁部が斜めカット形状に裁断・縫製されており、その各縁部に それぞれ便蓋１１２への固定用のバンド１４が設けられている。

【００２５】 ここで、以上の各実施の形態では、カバー本体２，１２の裏面に設ける裏布３ ，１３を、カバー本体２，１２の前半部に対応する形状としているが、その裏布 の形態は特に限定されず、例えば図６に示すように、裏布２３の開口側の辺２３ ｂが、前部側に略Ｖ字に切れ込む形状に加工されたもの、または図７に示すよう に、裏布３３の開口側の辺３３ｂが前部側に略Ｕ字形に湾曲する形状に加工され たものであってもよいし、あるいは図８に示すようなカバー本体４２の前部側に も開口部ｈ1 を有する帯状の裏布４３であってもよい。

【００２６】 なお、本考案の技術思想、すなわちカバー本体の裏面側に伸縮自在の裏布を設 け、そのカバー本体と裏布との間に被カバー物を挿入して、カバー材を被カバー 物に着脱自在に装着するという技術思想は、便座の蓋カバーのほか、例えば椅子 に装着する座布団などにも応用可能である。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の便座の蓋カバーは、便蓋の平面形状に合わせた 形状に縫製されたカバー本体と、このカバー本体の裏面側に設けられた裏布から なり、その裏布の外周部の一部をカバー本体の周縁部に、このカバー本体の後部 側に開口が開くように縫い付け、これらカバー本体と裏布との間に便蓋を開口部 を通じて差し入れることによって、蓋カバーを便蓋に装着する構造であるので、 装着状態で便座上面と便蓋下面との間に分厚い生地が挟まることがなくなり、便 蓋の納まりが良くなる。また、カバー本体の面積が、便蓋とほぼ同じ面積か、僅 かに大きい面積で済むので、そのカバー本体に使用する高価な生地を節約でき、 コストダウンをはかることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態の裏面図である。

【図２】本考案の実施の形態を使用状態で示す斜視図で
ある。

【図３】本考案の実施の形態を使用状態で示す要部縦断
面図である。

【図４】本考案の他の実施の形態を使用状態で示す裏面
図である。

【図５】洗浄・暖房装置付きの便器の構造例を示す斜視
図である。

【図６】本考案の別の実施の形態の説明図である。

【図７】本考案の別の実施の形態の説明図である。

【図８】本考案の別の実施の形態の説明図である。

【符号の説明】

１ 蓋カバー ２ カバー本体 ３ 裏布 ４ 固定用バンド ４ａ 係止具 ５ 係止用バンド １０１ 便座 １０２ 便蓋

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 便器本体と、その上部に配置され後端が
   便器本体の後部にヒンジを介して回転自在に支持された
   便座と、この便座の上部を覆う便蓋とを備えた腰掛け式
   の便器において、上記便蓋に装着される布製のカバーで
   あって、 便蓋の平面形状に合わせた形状に縫製されたカバー本体
   と、このカバー本体の裏面側に設けられた裏布とからな
   り、その裏布は、外周部の一部がカバー本体の周縁部に
   沿うような形状に裁断された伸縮自在の布で、その外周
   部の一部がカバー本体の周縁部に、このカバー本体の後
   部側に開口をあけた状態で縫い付けられており、それら
   カバー本体と裏布との間に便蓋を、上記開口を通じて差
   し入れることによって、当該蓋カバーを便蓋に装着する
   ように構成されていることを特徴とする便座の便蓋カバ
   ー。
2. 【請求項２】 上記カバー本体の後端部には、その後端
   部を便蓋に止めるための止め部材が設けられていること
   を特徴とする、請求項１に記載の便座の蓋カバー。