JP2023074233A - プリンタ装置 - Google Patents
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- B41J2203/00—Embodiments of or processes related to the control of the printing process
- B41J2203/01—Inspecting a printed medium or a medium to be printed using a sensing device
Abstract
【課題】印字済みのラベルが外光に照らされた位置にあっても、当該ラベルの存在を確実に検出することができるプリンタ装置を提供する。
【解決手段】ラベルプリンタは、印字が完了したラベルが存在する、外光に照らされた領域に光を照射する光照射部と、光照射部による光の照射と非照射とを切り替える光照射制御部と、光照射制御部による光の照射と非照射とに同期して、印字が完了したラベルが存在する領域からの光信号を取得する受光部と、光照射部が光を照射していない場合に受光部が取得した第1の信号と、光照射部が光を照射している場合に受光部が取得した第2の信号とに基づいて、ラベルの有無を判定するラベル有無判定部と、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】ラベルプリンタは、印字が完了したラベルが存在する、外光に照らされた領域に光を照射する光照射部と、光照射部による光の照射と非照射とを切り替える光照射制御部と、光照射制御部による光の照射と非照射とに同期して、印字が完了したラベルが存在する領域からの光信号を取得する受光部と、光照射部が光を照射していない場合に受光部が取得した第1の信号と、光照射部が光を照射している場合に受光部が取得した第2の信号とに基づいて、ラベルの有無を判定するラベル有無判定部と、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、プリンタ装置に関する。
ラベル用紙に印字を行うプリンタ装置は、剥離ユニットによって剥離紙と分離されたラベルを排出する。そして、排出されたラベルを保持する保持部材には、印字済のラベルの有無を検出する剥離センサが設置されている場合がある(例えば、特許文献1)。剥離センサは、安価な光センサで構成されて、排出されたラベルを保持する保持部材とともに、ラベルプリンタの筐体の外側に設置される。
このようなプリンタ装置にあっては、剥離センサが外光の影響を受けやすいため、ラベルの有無を誤検出する可能性があった。
本発明が解決しようとする課題は、印字済みのラベルが外光に照らされた位置にあっても、当該ラベルの存在を確実に検出することができるプリンタ装置を提供することである。
実施形態のプリンタ装置は、光照射部と、光照射制御部と、受光部と、ラベル有無判定部とを備える。光照射部は、印字が完了したラベルが存在する、外光に照らされた領域に光を照射する。光照射制御部は、光照射部による光の照射と非照射とを切り替える。受光部は、光照射制御部による光の照射と非照射とに同期して、印字が完了したラベルが存在する領域からの光信号を取得する。ラベル有無判定部は、光照射部が光を照射していない場合に受光部が取得した第1の信号と、光照射部が光を照射している場合に受光部が取得した第2の信号とに基づいて、ラベルの有無を判定する。
(第1の実施形態)
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係るラベルプリンタの第1の実施形態を詳細に説明する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係るラベルプリンタの第1の実施形態を詳細に説明する。
(ラベルプリンタの全体構成)
図1を用いて、第1の実施形態に係るラベルプリンタ10の概略構成を説明する。図1は、第1の実施形態に係るラベルプリンタの概略構造の一例を示す図である。なお、ラベルプリンタ10は、本開示におけるプリンタ装置の一例である。
図1を用いて、第1の実施形態に係るラベルプリンタ10の概略構成を説明する。図1は、第1の実施形態に係るラベルプリンタの概略構造の一例を示す図である。なお、ラベルプリンタ10は、本開示におけるプリンタ装置の一例である。
ラベルプリンタ10は、筐体11の内部に、印字用紙の一例であるラベル用紙13をロール状に巻回したラベルロール12を内包する。そして、ラベルプリンタ10は、ラベルロール12からラベル用紙13を引き出しながら印字を行う。
ラベル用紙13は、剥離紙15にラベル14が貼付された状態でロール状に巻回されている。ラベルロール12から引き出されたラベル用紙13は、プラテンローラ17とサーマルヘッド16との間に挟持された状態で、排出口21に向けて搬送される。このとき、印字面であるラベル14がサーマルヘッド16側に位置する。なお、プラテンローラ17は、ステッピングモータ等の駆動モータ18によって回転駆動される。
サーマルヘッド16は、複数個の発熱体を整列させた構造を有し、印字パターンに対応する発熱体を発熱させることによって、サーマルヘッド16とプラテンローラ17とで挟持したラベル14に印字を行う。なお、ラベルプリンタ10は、サーマルヘッド16とラベル14との間に、非図示のインクリボンを挟持させて、サーマルヘッド16によって加熱させたインクリボンのインクをラベル14に転写することによって印字を行う方式であってもよい。
ラベル14の裏面側は粘着層になっており、ラベル14は、当該粘着層によって剥離紙15に貼付されている。印字が完了したラベル用紙13は、剥離バー19において、ラベル14と剥離紙15とに分離される。剥離バー19は、互いに鋭角で交差する2枚の面を有するV字形状の柱状部材である。剥離バー19は、Y軸に沿って設置される。剥離紙15は、印字開始前に、剥離バー19の2枚の面の交差位置において下向き(Z軸負側)に折り返されて、プラテンローラ17と剥離ローラ20との間に挟持された状態となっている。したがって、プラテンローラ17が回転してラベル14に印字が行われると、剥離紙15は、プラテンローラ17と剥離ローラ20との間に挟持された状態で、Z軸負方向に搬送される。そして、剥離紙15に貼付されていたラベル14は、剥離バー19の2枚の面の交差位置において、剥離紙15から分離される。
剥離紙15から分離したラベル14は、排出口21から排出されて、保持部材22の上部の位置に留まる。
保持部材22の内部には、ラベル14の有無を検出する剥離センサ23が設置されている。剥離センサ23は、保持部材22の上部に、ラベル用紙13から剥離されたラベル14が存在するかを検出する。剥離センサ23がラベル14を検出すると、ラベルプリンタ10はラベル用紙13の搬送と印字を一時停止する。そして、ユーザが保持部材22の上部から、印字が完了したラベル14を取り除くと、剥離センサ23は、ラベル14が存在しないことを検出して、ラベル用紙13の搬送と印字を再開する。なお、剥離センサ23の構造と動作原理については後述する。
(剥離センサの構造と動作原理)
図2と図3を用いて、剥離センサ23の構造と動作原理について説明する。図2は、第1の実施形態に係るラベルプリンタが備える剥離センサの構造と動作原理を説明する図である。図3は、剥離センサが、外光の下で検出する信号出力の一例を示す図である。
図2と図3を用いて、剥離センサ23の構造と動作原理について説明する。図2は、第1の実施形態に係るラベルプリンタが備える剥離センサの構造と動作原理を説明する図である。図3は、剥離センサが、外光の下で検出する信号出力の一例を示す図である。
剥離センサ23は、発光素子31と受光素子34とを備える。発光素子31は、非図示の駆動回路の作用によって、予め決められた周期で光を照射する。発光素子31は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。以下、発光素子31をLED31とも表記する。なお、発光素子31が照射する光の波長は問わないが、不可視光である近赤外光を用いるのが望ましい。また、受光素子34は、発光素子31が照射する光と同じ波長の光に対して高い感度を有するのが望ましい。そのため、受光素子34の表面に、発光素子31が照射する波長の光を透過するフィルタを設置してもよい。
受光素子34は、発光素子31が光を照射したタイミングと同期して、受光した光の量に応じた電気信号を出力する。受光素子34は、例えばフォトダイオードである。このように、剥離センサ23は、発光素子31が照射した光の反射光を受光素子34で検出する反射型のセンサである。
発光素子31は、保持部材22の上部に形成された用紙搬送モールド27の隙間35から、保持部材22の上方に向けて光を照射する。受光素子34は、隙間35の奥(Z軸正側)に置かれたラベル14からの反射光を検出する。なお、隙間35は、ラベル14が排出される方向、即ちX軸に沿って、用紙搬送モールド27の一部が切り欠かれて形成されているものとする。
図2に示す検出状態Saは、LED31が照射した出射光32がラベル14で反射して、反射光33が受光素子34に検出される様子を示している。
このとき、検出状態Sbに示すように、LED31が照射した出射光32は、隙間35を通過した後、ラベル14の裏面(粘着層)で反射する。そして、反射光33は受光素子34に検出される。
一方、用紙搬送モールド27の上部にラベル14が存在しない場合は、図2の検出状態Scに示すように、LED31が照射した出射光32は、隙間35を通過した後、用紙搬送モールド27の上方(Z軸正側)に突き抜ける。したがって、LED31が照射した出射光32は、受光素子34に検出されない。
次に、図3を用いて、剥離センサ23が、外光38の下で検出する信号出力について説明する。
用紙搬送モールド27は、印字を完了したラベル14を取り出しやすいように、筐体11の外部に面した位置に設けられる。したがって、印字を完了したラベル14の印字面には、ラベルプリンタ10が置かれた環境における外光38が照射される。外光38は、蛍光灯、白熱電球、LED照明等の室内照明と太陽光を含む。このような外光38は、剥離センサ23がラベル14の有無を検出する際に悪影響を及ぼす場合がある。
図3に示す検出状態Sdは、印字を終了したラベル14が用紙搬送モールド27の上にある状態で、ラベル14の印字面に外光38が当たっている様子を示す。
検出状態Sdにおいて、LED31からの出射光32は、ラベル14の裏面(粘着層)で反射して反射光33を生じる。そして、受光素子34は反射光33を検出する。このとき、ラベル14の表面に外光38が当たっている場合、外光38の強さとラベル14の透過率によっては、外光38の一部がラベル14を透過して、反射光33とともに受光素子34に到達する。したがって、検出状態Sdにおいては、受光素子34は、LED31が出射光32を照射しているか照射していないかに関わらず、外光38がない場合に比べて、大きいセンサ出力Vを出力する。
そして、LED31が出射光32を照射した際に得られるセンサ出力Vは、LED31が出射光32を照射しない際に得られるセンサ出力Vと比べて、反射光33の大きさに応じた量だけ大きくなる。したがって、外光38の強さに関わらずに、剥離センサ23は、LED31が出射光32を照射した際に得られるセンサ出力Vと、LED31が出射光32を照射しない状態で得られるセンサ出力Vとの差分値が、予め設定した閾値以上である場合に、ラベル14があるものと判定することができる。
図3に示す検出状態Seは、用紙搬送モールド27の上にラベル14がない状態で外光38が当たっている様子を示す。
検出状態Seにおいて、LED31からの出射光32は、用紙搬送モールド27の隙間35(図2参照)を通過して、空間に放射される。したがって、出射光32によって生じる反射光は、受光素子34に検出されない。このとき、用紙搬送モールド27の表面に外光38が当たっている場合、外光38は隙間35を通過して受光素子34に到達するため、受光素子34は、外光38の強さに応じたセンサ出力Vを出力する。そして、この状態は、LED31による出射光32の出射状態に関わらない。したがって、検出状態Seにおいては、LED31が出射光32を照射した際に得られるセンサ出力Vと、LED31が出射光32を照射しない状態で得られるセンサ出力Vとの間の差は殆どない。したがって、外光38の強さに関わらずに、剥離センサ23は、LED31が出射光32を照射した際に得られるセンサ出力Vと、LED31が出射光32を照射しない状態で得られるセンサ出力Vとの差分値が、予め設定した閾値未満である場合に、ラベル14がないものと判定することができる。
以下、実際のセンサ出力Vの波形に基づいて、ラベル14の有無を判定する方法を説明する。図3に示すセンサ出力例Caは、用紙搬送モールド27の上にラベル14がある状態で、尚且つ外光38がない場合のセンサ出力Vの一例を示す。
LED31は、予め決められたタイミングで、点灯状態と消灯状態とを繰り返し切り替える。センサ出力例Caの場合、LED31は、時刻taから時刻tbの間、時刻tcから時刻tdの間において点灯する。一方、LED31は、時刻ta以前、時刻tbから時刻tcの間、時刻td以降において消灯する。LED31が点灯している期間を点灯期間paとし、LED31が消灯している期間を消灯期間pbとする。点灯期間paと消灯期間pbの長さは任意に設定される。また、点灯期間paと消灯期間pbの比率(デューティー比)も問わない。
このとき、受光素子34が出力するセンサ出力Vは、センサ出力例Caに示すようなパルス波形を呈する。即ち、LED31の消灯期間pbにおいては、非常に小さいセンサ出力Vが得られる。そして、点灯期間paにおいては、LED31の出射光32に応じたセンサ出力Vが得られる。そして、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの間には、差分値ΔVが生じる。
なお、ここでは、センサ出力Vは正論理で生成される、即ち、受光素子34が受光する光の量が多いほど大きいセンサ出力Vを出力するものとして説明する。なお、センサ出力Vは、負論理で生成されたものであってもよい。即ち、受光素子34が受光する光の量が多いほど小さいセンサ出力Vを出力するものであってもよい。
これに対して、図3に示すセンサ出力例Cbは、用紙搬送モールド27の上にラベル14がない状態で、尚且つ外光38がない場合のセンサ出力Vの一例を示す。センサ出力例CbにおけるLED31の点灯、消灯タイミングは、センサ出力例Caで説明したのと同じである。
このとき、受光素子34が出力するセンサ出力Vは、センサ出力例Cbに示すように、LED31の点灯状態、消灯状態によらずに、ほぼ等しくなる。即ち、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの差分値ΔVは非常に小さい値になる。
センサ出力例Caとセンサ出力例Cbとの比較から、外光38がない場合は、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの差分値ΔVと閾値とを比較して、差分値ΔVが閾値以上である場合は、ラベル14が存在すると判定できることがわかる。また、差分値ΔVが閾値未満である場合は、ラベル14が存在しないと判定できることがわかる。
図3に示すセンサ出力例Ccは、用紙搬送モールド27の上にラベル14がある状態で、尚且つ外光38がある場合のセンサ出力Vの一例を示す。センサ出力例CcにおけるLED31の点灯、消灯タイミングは、センサ出力例Caで説明したのと同じである。
このとき、受光素子34が出力するセンサ出力Vは、センサ出力例Ccに示すようなパルス波形を呈する。即ち、LED31の消灯期間pbにおいては、小さいセンサ出力Vが得られる。なお、LED31の消灯期間pbにおいて得られるセンサ出力Vは、センサ出力例Caの同じタイミングで得られるセンサ出力Vに対して、ラベル14を透過した外光38が受光素子34に到達する分だけ大きい値になる。そして、点灯期間paにおいては、消灯期間pbに比べて大きいセンサ出力Vが得られる。そして、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの間には、差分値ΔVが生じる。
これに対して、図3に示すセンサ出力例Cdは、用紙搬送モールド27の上にラベル14がない状態で、尚且つ外光38がある場合のセンサ出力Vの一例を示す。センサ出力例CcにおけるLED31の点灯、消灯タイミングは、センサ出力例Caで説明したのと同じである。
このとき、受光素子34が出力するセンサ出力Vは、センサ出力例Cdに示すように、LED31の点灯状態、消灯状態によらずに、外光38の強さに応じた、ほぼ等しい値になる。即ち、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの差分値ΔVは非常に小さい値になる。
センサ出力例Ccとセンサ出力例Cdとの比較から、外光38がある場合は、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの差分値ΔVと閾値と比較して、差分値ΔVが閾値以上である場合は、ラベル14が存在すると判定できることがわかる。また、差分値ΔVが閾値未満である場合は、ラベル14が存在しないと判定できることがわかる。
即ち、外光38の有無に関わらずに、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの差分値ΔVと閾値と比較して、差分値ΔVが閾値以上である場合は、ラベル14が存在すると判定できることがわかる。また、差分値ΔVが閾値未満である場合は、ラベル14が存在しないと判定できることがわかる。
(ラベルプリンタの機能構成)
図4を用いて、ラベルプリンタ10の機能構成を説明する。図4は、ラベルプリンタの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4を用いて、ラベルプリンタ10の機能構成を説明する。図4は、ラベルプリンタの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
ラベルプリンタ10が備える非図示の制御部は、コンピュータの構成を有して、当該制御部に記憶された制御プログラムを実行させることによって動作する。制御部は、図4に示す、光照射部41と、光照射制御部42と、受光部43と、ラベル有無判定部44と、印字制御部45とを、機能部として実現する。
光照射部41は、印字が完了したラベル14が存在する、外光38に照らされた領域に、発光素子31からの光を照射する。
光照射制御部42は、光照射部41による光の照射と非照射とを切り替える。
受光部43は、光照射制御部42による光の照射と非照射とに同期して、印字が完了したラベル14が存在する領域からの光信号を、受光素子34で取得する。
ラベル有無判定部44は、光照射部41が光を照射していない場合に受光部43が取得したセンサ出力V(第1の信号)と、光照射部41が光を照射している場合に受光部43が取得したセンサ出力V(第2の信号)とに基づいて、ラベル14の有無を判定する。
印字制御部45は、印字内容と印字開始の指示とを取得して、ラベルプリンタ10の各部に印字の開始を指示する。また、印字制御部45は、ラベル有無判定部44が、ラベル14があると判定したことを条件として、次のラベルの印字を一時停止する。また、印字制御部45は、ラベル有無判定部44が、ラベル14がないと判定したことを条件として、ラベルプリンタ10の各部に、次のラベルの印字の開始を指示する。更に、印字制御部45は、所定枚数のラベル14を印字したかを判定する。
(ラベルプリンタが行う印字動作の流れ)
図5と図6を用いて、ラベルプリンタ10が行う印字処理の流れを説明する。図5は、第1の実施形態に係るラベルプリンタの印字動作の流れの一例を示すフローチャートである。図6は、図5のフローチャートにおいてラベルの有無を判定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5と図6を用いて、ラベルプリンタ10が行う印字処理の流れを説明する。図5は、第1の実施形態に係るラベルプリンタの印字動作の流れの一例を示すフローチャートである。図6は、図5のフローチャートにおいてラベルの有無を判定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
印字制御部45は、ラベルプリンタ10の各部に印字の開始を指示する(ステップS11)。
ラベル有無判定部44は、ラベル14の有無を判定するラベル有無判定処理を行う(ステップS12)。ラベル14があると判定されると、ステップS13に進む。一方、ラベル14があると判定されないと、ステップS14に進む。なお、ラベル有無判定処理の詳細な流れは後述する(図6参照)。
ステップS12において、ラベル14があると判定されると、印字制御部45は、印字動作を一時停止する(ステップS13)。その後、ステップS12に戻って、ラベル有無判定処理を繰り返す。
ステップS12において、ラベル14がないと判定される、即ち、印字を完了したラベル14が、保持部材22から取り除かれたと判定されると、印字制御部45は、所定枚数のラベル14に印字したかを判定する(ステップS14)。所定枚数のラベル14に印字したと判定される(ステップS14:Yes)と、ラベルプリンタ10は、図5の処理を終了する。一方、所定枚数のラベル14を印字したと判定されない(ステップS14:No)と、ステップS15に進む。
ステップS14において、所定枚数のラベル14に印字したと判定されないと、印字制御部45は、印字を再開させる(ステップS15)。
印字制御部45は、印字を完了したラベル14の枚数をインクリメントする(ステップS16)。その後、ステップS12に戻る。
次に、図6を用いて、ラベル有無判定処理の流れを説明する。
まず、光照射制御部42は、光照射部41に対して、LED31を消灯させる(ステップS21)。
受光部43は、受光素子34のセンサ出力V(第1の信号)を検出する(ステップS22)。
光照射制御部42は、光照射部41に対して、LED31を点灯させる(ステップS23)。
受光部43は、受光素子34のセンサ出力V(第2の信号)を検出する(ステップS24)。
ラベル有無判定部44は、第2の信号と第1の信号の差分値ΔVを算出する(ステップS25)。
ラベル有無判定部44は、差分値ΔVが閾値Th以上であるかを判定する(ステップS26)。差分値ΔVが閾値Th以上であると判定される(ステップS26:Yes)とステップS27に進む。一方、差分値ΔVが閾値Th以上であると判定されない(ステップS26:No)とステップS28に進む。
ステップS26において、差分値ΔVが閾値Th以上であると判定されると、ラベル有無判定部44は、保持部材22(用紙搬送モールド27)の上にラベル14があると判定する(ステップS27)。その後、メインルーチン(図5)に戻る。
ステップS26において、差分値ΔVが閾値Th未満であると判定されると、ラベル有無判定部44は、保持部材22(用紙搬送モールド27)の上にラベル14がないと判定する(ステップS27)。その後、メインルーチン(図5)に戻る。
(閾値の設定方法)
図7を用いて、ラベルの有無を判定する閾値Thを設定する方法を説明する。図7は、外光の強さに応じて、ラベルの有無を判定する閾値を設定する方法を説明する図である。
図7を用いて、ラベルの有無を判定する閾値Thを設定する方法を説明する。図7は、外光の強さに応じて、ラベルの有無を判定する閾値を設定する方法を説明する図である。
センサ出力Vは、図7のセンサ出力例Ceに示すように、LED31の消灯時に対応するセンサ出力Vに、LED31の点灯時に対応するパルス状の出力が重畳された形態を有する。外光38が強くなった場合であっても、この形態は維持されるが、外光38が強くなるほど、センサ出力Vが増大して、図7のセンサ出力例Cfに示すように、LED31の消灯時に対応するセンサ出力が、センサ出力Vaからセンサ出力Vbに増大する。更に、LED31が点灯している際の出射光32は一定であるため、外光38が強いほど、外光38の強さに対する出射光32の比率が小さくなる。したがって、外光38が強いほど、センサ出力Vの差分値ΔVが小さくなる。
即ち、図7に示す例では、外光38が強い場合の差分値ΔVbは、外光38が弱い場合の差分値ΔVaよりも小さくなる。
したがって、外光38の強さが変化する環境にあっては、差分値ΔVを固定の閾値Thと比較することによって、ラベル14の有無を判定するのは困難である。そのため、ラベルプリンタ10は、外光38の強さに応じて閾値Thを設定する機能を備えるのが望ましい。
LED31の消灯時に対応するセンサ出力Vは、前述したように、外光38が強くなるにつれて増大する。そして、差分値ΔVは、外光38が強くなるにつれて減少する。したがって、ラベル有無判定部44は、LED31の消灯時におけるセンサ出力Vに応じて、単調に減少する閾値Th(V)を設定するのが望ましい。より具体的には、ラベル有無判定部44に、図7に示す閾値設定テーブルTを持たせて、外光38の増加に応じて単調に減少する閾値Th(V)を設定するのが望ましい。なお、図7において、閾値Th(V)は、LED31消灯時のセンサ出力Vの増加とともに線形に減少させているが、この限りではない。例えば、閾値Th(V)を、LED31消灯時におけるセンサ出力Vの増加とともに非線形に減少させてもよい。なお、閾値Th(V)は、事前に行った評価実験の結果等を用いて決定される。
また、図示しないが、ラベルプリンタ10が置かれた環境の照明条件によっては、照明の明るさが周期的に変動するフリッカが生じる場合がある。フリッカが生じると、センサ出力Vに、フリッカによる照明光の変動が重畳される。したがって、LED31の消灯時のセンサ出力Vと、LED31の点灯時のセンサ出力Vを取得するタイミングによっては、実際とは異なる差分値ΔVが算出される可能性がある。
このようなフリッカの影響を低減するために、ラベル有無判定部44は、LED31の消灯期間pb、LED31の点灯期間paのそれぞれについて、区間内のセンサ出力Vの平均値を算出して、算出されたLED31の消灯時のセンサ出力Vの平均値と、LED31の点灯時のセンサ出力Vの平均値とから、差分値ΔVを算出してもよい。なお平均値の他に、期間内の最大値を算出してもよいし、期間内の最小値を算出してもよい。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、第1の実施形態のラベルプリンタ10は、印字が完了したラベル14が存在する、外光38に照らされた領域に光を照射する光照射部41と、光照射部41による光の照射と非照射とを切り替える光照射制御部42と、光照射制御部42による光の照射と非照射とに同期して、印字が完了したラベル14が存在する領域からの光信号を取得する受光部43と、光照射部41が光を照射していない場合に受光部43が取得した第1の信号と、光照射部41が光を照射している場合に受光部43が取得した第2の信号とに基づいて、ラベル14の有無を判定するラベル有無判定部と44と、を備える。したがって、印字済みのラベル14が外光38に照らされた位置にあっても、当該ラベル14の存在を確実に検出することができる。
以上説明したように、第1の実施形態のラベルプリンタ10は、印字が完了したラベル14が存在する、外光38に照らされた領域に光を照射する光照射部41と、光照射部41による光の照射と非照射とを切り替える光照射制御部42と、光照射制御部42による光の照射と非照射とに同期して、印字が完了したラベル14が存在する領域からの光信号を取得する受光部43と、光照射部41が光を照射していない場合に受光部43が取得した第1の信号と、光照射部41が光を照射している場合に受光部43が取得した第2の信号とに基づいて、ラベル14の有無を判定するラベル有無判定部と44と、を備える。したがって、印字済みのラベル14が外光38に照らされた位置にあっても、当該ラベル14の存在を確実に検出することができる。
また、第1の実施形態のラベルプリンタ10において、光照射部41と受光部43とは、印字が完了したラベル14のラベル面の同じ側に設置される。したがって、光照射部41と受光部43とを小さいスペースに設置することができる。
また、第1の実施形態のラベルプリンタ10において、ラベル有無判定部44は、第1の信号のレベルと第2の信号のレベルとの差分値ΔVと閾値Thとの大小関係に基づいて、印字が完了したラベル14の有無を判定する。したがって、簡単な信号処理によって、ラベル14の有無を検出することができる。
また、第1の実施形態のラベルプリンタ10において、ラベル有無判定部44は、第1の信号のレベル(センサ出力V)に基づいて、閾値Th(V)を設定する。したがって、外光38の強さが変化した場合であっても、ラベル14の有無を確実に検出することができる。
また、第1の実施形態のラベルプリンタ10は、ラベル有無判定部44が、ラベル14があると判定したことを条件として、次のラベル14の印字を一時停止して、ラベル有無判定部44が、ラベル14がないと判定したことを条件として、次のラベル14の印字を開始する印字制御部45を更に備える。したがって、排出口21に印字済のラベル14が滞留するのを防止することができる。
(第2の実施形態)
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係るラベルプリンタの第2の実施形態を詳細に説明する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係るラベルプリンタの第2の実施形態を詳細に説明する。
(ラベルプリンタの全体構成)
図8を用いて、第2の実施形態に係るラベルプリンタ40の概略構成を説明する。図8は、第2の実施形態に係るラベルプリンタの内部構造の一例を示す断面図である。なお、ラベルプリンタ40は、本開示におけるプリンタ装置の一例である。
図8を用いて、第2の実施形態に係るラベルプリンタ40の概略構成を説明する。図8は、第2の実施形態に係るラベルプリンタの内部構造の一例を示す断面図である。なお、ラベルプリンタ40は、本開示におけるプリンタ装置の一例である。
ラベルプリンタ40は、筐体11の内部に、印字用紙の一例であるライナレスラベル用紙26をロール状に巻回したラベルロール12を内包する。そして、ラベルプリンタ40は、ラベルロール12からライナレスラベル用紙26を引き出しながら印字を行う。
ライナレスラベル用紙26は、表面が印字面であり、裏面が粘着面である。即ち、ライナレスラベル用紙26は、剥離紙15(図1参照)のないラベル用紙である。ラベルロール12から引き出されたライナレスラベル用紙26は、プラテンローラ17とサーマルヘッド16との間に挟持された状態で、排出口36に向けて搬送される。このとき、ライナレスラベル用紙26の印字面がサーマルヘッド16側に位置する。なお、ライナレスラベル用紙26は、本開示におけるラベルの一例である。
サーマルヘッド16は、プラテンローラ17との間に挟持したライナレスラベル用紙26の印字面に印字を行う。なお、ラベルプリンタ40は、サーマルヘッド16とライナレスラベル用紙26との間に、非図示のインクリボンを挟持させて、サーマルヘッド16によって加熱させたインクリボンのインクをライナレスラベル用紙26の印字面に転写することによって印字を行う方式であってもよい。
排出口36から排出されたライナレスラベル用紙26は、保持部材22の上部の位置に留まる。そして、ライナレスラベル用紙26は、保持部材22の上流側に備えられたカッター28によって切断された、保持部材22の上部から取り除かれる。カッター28は、ライナレスラベル用紙26の裏面側に備えられた固定刃29と、ライナレスラベル用紙26の印字面側に備えられた可動刃30とで構成されて、操作者の手動操作で切断されてもよいし、印字の終了と連動して自動的に切断されてもよい。
保持部材22の位置には、ライナレスラベル用紙26(ラベル)の有無を検出するラベルセンサ24が設置されている。ラベルセンサ24は、保持部材22の上部に、ライナレスラベル用紙26のラベル面を挟んで対向する位置に設置されて、ライナレスラベル用紙26が存在するかを検出する。ラベルセンサ24がライナレスラベル用紙26を検出すると、ラベルプリンタ40はライナレスラベル用紙26の搬送と印字を一時停止する。そして、ユーザが、印字が完了したライナレスラベル用紙26を取り除くと、ラベルセンサ24は、ライナレスラベル用紙26が存在しないことを検出して、ライナレスラベル用紙26の搬送と印字を再開する。なお、ラベルセンサ24の構造と動作原理については後述する。
また、ラベルプリンタ40の機能構成は、前述したラベルプリンタ10の機能構成(図4参照)と同じであるため、説明は省略する。また、以降の説明において、ラベルプリンタ40の各機能部位の説明には、図4で用いたのと同じ符号を用いる。
(ラベルセンサの構造と動作原理)
図9と図10を用いて、ラベルセンサ24の構造と動作原理について説明する。図9は、第2の実施形態に係るラベルプリンタが備えるラベルセンサの構造と動作原理を説明する図である。図10は、ラベルセンサが、外光の下で検出する信号出力の一例を示す図である。
図9と図10を用いて、ラベルセンサ24の構造と動作原理について説明する。図9は、第2の実施形態に係るラベルプリンタが備えるラベルセンサの構造と動作原理を説明する図である。図10は、ラベルセンサが、外光の下で検出する信号出力の一例を示す図である。
ラベルセンサ24は、発光素子31と受光素子34とを備える。発光素子31は、非図示の駆動回路の作用によって、予め決められた周期で光を照射する。発光素子31は、例えばLEDである。なお、発光素子31が照射する光の波長は問わないが、不可視光である近赤外光を用いるのが望ましい。また、受光素子34は、発光素子31が照射する光と同じ波長の光に対して高い感度を有するのが望ましい。そのため、受光素子34の表面に、発光素子31が照射する波長の光を透過するフィルタを設置してもよい。
受光素子34は、発光素子31が光を照射したタイミングと同期して、受光した光の量に応じた電気信号を出力する。受光素子34は、例えばフォトダイオードである。このように、ラベルセンサ24は、発光素子31が照射した光の透過光を受光素子34で検出する透過型のセンサである。
発光素子31と受光素子34とは、保持部材22の上部に形成された用紙搬送モールド27を挟んで、対向する位置に設置される。発光素子31は、保持部材22の上部に形成された用紙搬送モールド27の隙間35から、保持部材22の上方に向けて光を照射する。受光素子34は、隙間35を透過した光を検出する。なお、隙間35は、ライナレスラベル用紙26が排出される方向、即ちX軸に沿って、用紙搬送モールド27の一部が切り欠かれて形成されているものとする。
図9に示す検出状態Sfは、LED31が照射した出射光32がライナレスラベル用紙26で遮断されて、出射光32が受光素子34に検出されない様子を示している。
このとき、検出状態Sgに示すように、LED31が照射した出射光32は、隙間35を通過した後、ライナレスラベル用紙26の粘着面に突き当たる。そして、出射光32のごく一部はライナレスラベル用紙26を透過して受光素子34に到達するが、ライナレスラベル用紙26を透過する出射光32の量は僅かであるため、受光素子34は、出射光32がない場合と比べて、僅かに大きいセンサ出力Vを出力する。
一方、用紙搬送モールド27の上部にライナレスラベル用紙26が存在しない場合は、図9の検出状態Shに示すように、LED31が照射した出射光32は、隙間35を通過した後、用紙搬送モールド27の上方(Z軸正側)に突き抜ける。そして、受光素子34は、LED31の出射光32を検出する。したがって、受光素子34は、出射光32がない場合と比べて、大きいセンサ出力Vを出力する。
次に、図10を用いて、ラベルセンサ24が、外光38の下で検出する信号出力について説明する。
用紙搬送モールド27は、印字を完了したライナレスラベル用紙26を取り出しやすいように、筐体11の表面に位置する。そして、印字を完了したライナレスラベル用紙26の印字面には、用紙搬送モールド27と受光素子34の設置位置との隙間から、ラベルプリンタ40が置かれた環境における外光38が照射される。外光38は、蛍光灯、白熱電球、LED照明等の室内照明と太陽光を含む。このような外光38は、ラベルセンサ24がライナレスラベル用紙26の有無を検出する際に悪影響を及ぼす場合がある。
図10に示す検出状態Siは、印字を終了したライナレスラベル用紙26が用紙搬送モールド27の上にある状態で、ライナレスラベル用紙26の印字面に外光38が当たっている様子を示す。
検出状態Siにおいて、LED31からの出射光32は、ライナレスラベル用紙26の裏面(粘着面)に突き当たる。そして、一部の出射光32はライナレスラベル用紙26を透過して受光素子34に到達するが、受光素子34が出力するセンサ出力Vはごく僅かである。そして、このときライナレスラベル用紙26の表面に外光38が当たっている場合、外光38の一部がライナレスラベル用紙26の表面で反射して受光素子34に到達する。したがって、検出状態Siにおいては、受光素子34は、LED31が出射光32を照射しているか照射していないかに関わらず、外光38がない場合に比べて、大きいセンサ出力Vを出力する。そして、前述したように、LED31からの出射光32によるセンサ出力Vはごく僅かである。したがって、ラベルセンサ24は、LED31が出射光32を照射した際に得られるセンサ出力Vと、LED31が出射光32を照射しない状態で得られるセンサ出力Vとの差分値が、予め設定した閾値未満である場合に、ライナレスラベル用紙26があるものと判定することができる。
一方、図10に示す検出状態Sjは、用紙搬送モールド27の上にライナレスラベル用紙26がない状態で外光38が当たっている様子を示す。
検出状態Sjにおいて、LED31からの出射光32は、用紙搬送モールド27の隙間35(図9参照)を通過して、受光素子34に到達する。したがって、出射光32は、受光素子34に検出される。このとき、用紙搬送モールド27の表面に当たった外光38の一部も受光素子34に到達する。したがって、受光素子34は、LED31からの出射光32と、外光38の反射光とを足し合わせたセンサ出力Vを出力する。
また、LED31が出射光32を照射した際に得られるセンサ出力Vは、LED31が出射光32を照射しない状態で得られるセンサ出力Vと比べて大きくなる。したがって、外光38の強さに関わらずに、ラベルセンサ24は、LED31が出射光32を照射した際に得られるセンサ出力Vと、LED31が出射光32を照射しない状態で得られるセンサ出力Vとの差分値が、予め設定した閾値以上である場合に、ライナレスラベル用紙26がないものと判定することができる。
以下、実際のセンサ出力Vの波形に基づいて、ライナレスラベル用紙26の有無を判定する方法を説明する。図10に示すセンサ出力例Cgは、用紙搬送モールド27の上にライナレスラベル用紙26がある状態で、尚且つ外光38がない場合のセンサ出力Vの一例を示す。
LED31は、図10に示すいずれの状態においても、図3で説明したのと同じタイミングで点灯状態と消灯状態とを繰り返し切り替えるものとする。
このとき、受光素子34が出力するセンサ出力Vは、センサ出力例Cgに示すようなパルス波形を呈する。即ち、LED31の消灯期間pbにおいては、非常に小さいセンサ出力Vが得られる。そして、点灯期間paにおいては、LED31の出射光32の一部がライナレスラベル用紙26を透過することにより、LED31の消灯期間pbに比べて僅かに大きいセンサ出力Vが得られる。そして、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの間には、ごく僅かな差分値ΔVが生じる。
これに対して、図10に示すセンサ出力例Chは、用紙搬送モールド27の上にライナレスラベル用紙26がない状態で、尚且つ外光38がない場合のセンサ出力Vの一例を示す。センサ出力例ChにおけるLED31の点灯、消灯タイミングは、センサ出力例Ca(図3参照)で説明したのと同じである。
このとき、受光素子34は、センサ出力例Chに示すように、LED31の点灯期間paにおいては、LED31の出射光32に応じたセンサ出力Vを生じる。そして、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの間には、差分値ΔVが生じる。このときに生じる差分値ΔVは、LED31の出射光32が、直接受光素子34に入射するため、センサ出力例Cgで生じる差分値ΔVと比べて大きい値となる。
センサ出力例Cgとセンサ出力例Chとの比較から、外光38がない場合は、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの差分値ΔVと閾値とを比較して、差分値ΔVが閾値以上である場合は、ライナレスラベル用紙26が存在しないと判定できることがわかる。また、差分値ΔVが閾値未満である場合は、ライナレスラベル用紙26が存在すると判定できることがわかる。
図10に示すセンサ出力例Ciは、用紙搬送モールド27の上にライナレスラベル用紙26がある状態で、尚且つ外光38がある場合のセンサ出力Vの一例を示す。センサ出力例CiにおけるLED31の点灯、消灯タイミングは、センサ出力例Caで説明したのと同じである。
このとき、受光素子34が出力するセンサ出力Vは、センサ出力例Ciに示すようなパルス波形を呈する。即ち、LED31の消灯期間pbにおいては、センサ出力Vは、外光38のライナレスラベル用紙26における反射光の強さに応じた、ほぼ等しい値になる。そして、LED31の点灯期間paにおいては、LED31の出射光32の一部がライナレスラベル用紙26を透過して受光素子34に到達することより、LED31の消灯期間pbに比べて僅かに大きいセンサ出力Vが得られる。そして、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの間には、僅かな差分値ΔVが生じる。
これに対して、図10に示すセンサ出力例Cjは、用紙搬送モールド27の上にライナレスラベル用紙26がない状態で、尚且つ外光38がある場合のセンサ出力Vの一例を示す。センサ出力例CjにおけるLED31の点灯、消灯タイミングは、センサ出力例Caで説明したのと同じである。
このとき、受光素子34が出力するセンサ出力Vは、センサ出力例Cjに示すようなパルス波形を呈する。即ち、LED31の消灯期間pbにおいては、外光38の用紙搬送モールド27における反射光の強さに応じたセンサ出力Vが得られる。用紙搬送モールド27が、反射率の低い暗色である場合、このセンサ出力Vは、センサ出力例CiにおいてLED31の消灯期間pbにおけるセンサ出力Vよりも小さくなる。また、LED31の点灯期間paにおいて得られるセンサ出力Vは、LED31の消灯期間pbにおいて得られるセンサ出力Vに対して、用紙搬送モールド27を透過したLED31の出射光32が受光素子34に到達する分だけ大きい値になる。そして、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの間には、センサ出力例Ciで生じる差分値ΔVと比べて大きい差分値ΔVが生じる。
センサ出力例Ciとセンサ出力例Cjとの比較から、外光38がある場合は、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの差分値ΔVと閾値と比較して、差分値ΔVが閾値以上である場合は、ライナレスラベル用紙26が存在しないと判定できることがわかる。また、差分値ΔVが閾値未満である場合は、ライナレスラベル用紙26が存在すると判定できることがわかる。
即ち、外光38の有無に関わらずに、点灯期間paにおけるセンサ出力Vと、消灯期間pbにおけるセンサ出力Vとの差分値ΔVと閾値と比較して、差分値ΔVが閾値以上である場合は、ライナレスラベル用紙26が存在しないと判定できることがわかる。また、差分値ΔVが閾値未満である場合は、ライナレスラベル用紙26が存在しないと判定できることがわかる。
(ラベルプリンタが行う印字動作の流れ)
図11を用いて、ラベルプリンタ40が行う印字処理の流れを説明する。図11は、第2の実施形態に係るラベルプリンタの印字動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図11を用いて、ラベルプリンタ40が行う印字処理の流れを説明する。図11は、第2の実施形態に係るラベルプリンタの印字動作の流れの一例を示すフローチャートである。
印字制御部45は、ラベルプリンタ40の各部に印字の開始を指示する(ステップS31)。
ラベル有無判定部44は、ライナレスラベル用紙26の有無を判定するラベル有無判定処理を行う(ステップS32)。ライナレスラベル用紙26があると判定されると、ステップS33に進む。一方、ライナレスラベル用紙26があると判定されないと、ステップS35に進む。なお、ラベル有無判定処理の詳細な流れは、前述した処理の流れ(図6参照)と同じである。但し、センサ出力Vの差分値ΔVと閾値Thとの大小関係のみが、第1の実施形態とは異なる。即ち、本実施形態にあっては、差分値ΔVが閾値Th以上である場合に、ライナレスラベル用紙26がないと判定される。また、差分値ΔVが閾値Th未満である場合に、ライナレスラベル用紙26があると判定される。
ステップS32において、ライナレスラベル用紙26があると判定されると、印字制御部45は、印字動作を一時停止する(ステップS33)。
続いて、印字制御部45は、カッター28によってライナレスラベル用紙26を切断する(ステップS34)。その後、ステップS32に戻る。なお、ライナレスラベル用紙26の切断は、ユーザ自身が、カッター28を動作させて行ってもよい。
ステップS32において、ライナレスラベル用紙26がないと判定される、即ち、印字を完了したライナレスラベル用紙26が、保持部材22から取り除かれたと判定されると、印字制御部45は、所定枚数のライナレスラベル用紙26に印字したかを判定する(ステップS35)。所定枚数のライナレスラベル用紙26に印字したと判定される(ステップS35:Yes)と、ラベルプリンタ40は、図11の処理を終了する。一方、所定枚数のライナレスラベル用紙26を印字したと判定されない(ステップS35:No)と、ステップS36に進む。
ステップS35において、所定枚数のライナレスラベル用紙26に印字したと判定されないと、印字制御部45は、印字を再開させる(ステップS36)。
印字制御部45は、印字を完了したライナレスラベル用紙26の枚数をインクリメントする(ステップS37)。その後、ステップS32に戻る。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、第2の実施形態のラベルプリンタ40において、光照射部41と受光部43とは、印字が完了したライナレスラベル用紙26のラベル面を挟んで対向する位置に設置される。したがって、反射型のセンサを用いる場合と比較して、受光素子34に入射する外光38の量が少なくなるため、外光38の影響を低減させることができる。
以上説明したように、第2の実施形態のラベルプリンタ40において、光照射部41と受光部43とは、印字が完了したライナレスラベル用紙26のラベル面を挟んで対向する位置に設置される。したがって、反射型のセンサを用いる場合と比較して、受光素子34に入射する外光38の量が少なくなるため、外光38の影響を低減させることができる。
なお、第1の実施形態においては、剥離センサ23は反射型のセンサを用いて構成する旨を説明した。また、第2の実施形態においては、ラベルセンサ24は透過型のセンサを用いて構成する旨を説明した。しかし、剥離センサ23を透過型のセンサで構成してもよく、また、ラベルセンサ24を反射型のセンサで構成してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,40…ラベルプリンタ(プリンタ装置)、11…筐体、12…ラベルロール、13…ラベル用紙、14…ラベル、15…剥離紙、16…サーマルヘッド、17…プラテンローラ、18…駆動モータ、19…剥離バー、20…剥離ローラ、21,36…排出口、22…保持部材、23…剥離センサ、24…ラベルセンサ、26…ライナレスラベル用紙(ラベル)、27…用紙搬送モールド、28…カッター、29…固定刃、30…可動刃、31…発光素子(LED)、32…出射光、33…反射光、34…受光素子、35…隙間、38…外光、41…光照射部、42…光照射制御部、43…受光部、44…ラベル有無判定部、45…印字制御部、Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Cf,Cg,Ch,Ci,Cj…センサ出力例、pa…点灯期間、pb…消灯期間、Sa,Sb,Sc,Sd,Se,Sf,Sg,Sh,Si,Sj…検出状態、T…閾値設定テーブル、Th,Th(V)…閾値、V…センサ出力(第1の信号、第2の信号)、ΔV…差分値
Claims (6)
- 印字が完了したラベルが存在する、外光に照らされた領域に光を照射する光照射部と、
前記光照射部による光の照射と非照射とを切り替える光照射制御部と、
前記光照射制御部による光の照射と非照射とに同期して、印字が完了したラベルが存在する領域からの光信号を取得する受光部と、
前記光照射部が光を照射していない場合に前記受光部が取得した第1の信号と、前記光照射部が光を照射している場合に前記受光部が取得した第2の信号とに基づいて、ラベルの有無を判定するラベル有無判定部と、
を備えるプリンタ装置。 - 前記光照射部と前記受光部とは、印字が完了したラベルのラベル面の同じ側に設置される、
請求項1に記載のプリンタ装置。 - 前記光照射部と前記受光部とは、印字が完了したラベルのラベル面を挟んで対向する位置に設置される、
請求項1に記載のプリンタ装置。 - 前記ラベル有無判定部は、
前記第1の信号のレベルと前記第2の信号のレベルとの差分値と閾値との大小関係に基づいて、前記ラベルの有無を判定する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプリンタ装置。 - 前記ラベル有無判定部は、
前記第1の信号のレベルに基づいて、前記閾値を設定する、
請求項4に記載のプリンタ装置。 - 前記ラベル有無判定部が、ラベルがあると判定したことを条件として、次のラベルの印字を一時停止して、前記ラベル有無判定部が、ラベルがないと判定したことを条件として、次のラベルの印字を開始する印字制御部を更に備える、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプリンタ装置。
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