JP2023073658A - 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物、硬化物及び物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、高い初期接着強度を有し、優れたハンドリング性を発揮できる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の提供を課題とする。【解決手段】本発明は、ポリウレタン樹脂を含む湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物であって、前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート基と、ディールスアルダー架橋単位とを有するものであり、特定の条件で測定した粘度変化指数が80~140℃の範囲で少なくとも1点で正の値をとる事を特徴とする湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を提供するものである。また、本発明は、前記湿気硬化型ホットメルト樹脂組成物から形成される硬化物、及び、前記硬化物を含む物品を提供するものである。前記ポリウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基量(g/mol)が、前記ディールスアルダー架橋量(g/mol)よりも多いことが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物、硬化物及び物品に関する。
無溶剤且つ省エネルギーの環境対応型接着剤として反応性ホットメルト(PUR-HM)が知られており、光学部品や電子部品、繊維、建築材料等を中心に、今日まで様々な研究がなされ、産業界においても広く利用されている。
こうした反応性ホットメルトとしては、例えば、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、脂環式構造を有するアクリルポリマーとを含み、前記ウレタンプレポリマーが、結晶性ポリエステルポリオールに由来する化学構造を有するものである湿気硬化型ホットメルト接着剤が提案されている。
近年、電子部品、光学部品の貼合せ等において、生産性の向上から高い初期接着強度が求められている。しかしながら、初期接着強度を高くするには常温での凝集力が高い高融点材料などの添加が必要であり、高粘度化によってハンドリング性を損なう課題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、高い初期接着強度を有し、優れたハンドリング性を発揮できる湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の提供を課題とする。
本発明者らは、前記事情に鑑み検討したところ、従来の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤では、イソシアネート基と湿分との反応のみで硬化していたところ、このイソシアネート架橋機構に加えて、ディールスアルダー反応機構を導入することを想起した。そして、イソシアネート反応機構とディールスアルダー機構とを併存させた場合において、80~140℃の範囲で粘度変化指数が少なくとも1点で正の値をとることを見出した。これは例えば、図1において実施例3の110℃付近で確認できるように、粘度変化指数が正の値となることはその温度域において粘度が大きく下がることを意味する。そのため、上記温度域での塗布が容易であり、ハンドリング性が良好となる。
すなわち本発明は、ポリウレタン樹脂を含む湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物であって、 前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート基と、ディールスアルダー架橋単位とを有するものであり、以下の条件で測定した粘度変化指数が80~140℃の範囲で少なくとも1点で正の値をとる事を特徴とする湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を提供するものである。
[粘度変化指数の測定方法]
大気圧(1013hPa)下、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を常温(25℃)下で24時間以上静置後、70℃に昇温する。70℃到達後、昇温速度10℃/分で昇温し、160℃まで10℃毎に粘度を測定し、次の式で表される値を温度T℃での粘度変化率、及び粘度変化指数とする。
T℃での粘度変化率(%)=
((T℃での粘度)-((T+10)℃での粘度)))/ (T℃での粘度)*100
(ただし、T=10×F,F=8~15の整数)
T℃での粘度変化指数=
(((T+10)℃での粘度変化率)/(T℃での粘度変化率))-1)*100
(ただし、T=10×F,F=8~14の整数)
大気圧(1013hPa)下、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を常温(25℃)下で24時間以上静置後、70℃に昇温する。70℃到達後、昇温速度10℃/分で昇温し、160℃まで10℃毎に粘度を測定し、次の式で表される値を温度T℃での粘度変化率、及び粘度変化指数とする。
T℃での粘度変化率(%)=
((T℃での粘度)-((T+10)℃での粘度)))/ (T℃での粘度)*100
(ただし、T=10×F,F=8~15の整数)
T℃での粘度変化指数=
(((T+10)℃での粘度変化率)/(T℃での粘度変化率))-1)*100
(ただし、T=10×F,F=8~14の整数)
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、ハンドリング性が良好である。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂を含む。
前記ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基を有するものであり、且つ、室温(25℃)において、ディースルアルダー架橋単位を有する。前記ディールスアルダー架橋単位は、共役ジエン単位とジエノフィル単位とが、ディールスアルダー反応することで架橋構造を形成している単位を表す。前記ディールスアルダー架橋単位を加熱すると(例えば100℃以上170℃以下、好ましくは110℃以上150℃以下)、レトロディールスアルダー反応により可逆的に分解する。これを塗布し部品上で降温することで、ディールスアルダー反応により、再度架橋構造を形成する。前記ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基とディールスアルダー架橋単位とを有することで、イソシアネート反応機構とディールスアルダー機構の2つの機構により硬化しうる。
前記ポリウレタン樹脂は、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の反応物として、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た後、該ウレタンプレポリマーと、活性水素原子を有する基と共役ジエン単位とを有する化合物及び/又は活性水素原子を有する基とジエノフィル単位とを有する化合物との反応物として、得ることができる。
前記ポリオール(A)としては、例えば、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)、非晶性ポリエステルポリオール(a2)、ポリエーテルポリオール(a3)などを用いることができる。
前記前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)は、繰り返し単位に含まれるアルキレン基の炭素原子数の合計が10以上であるポリエステルポリオールを表す。前記ポリオール(A)として前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)を含むことで、接着剤としての凝集力を発揮しうる。
前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)は、好ましくは、以下の式(1)で表される。
[式(1)中、R1及びR2は、それぞれ、炭素原子数が偶数である直鎖のアルキレン基であり、かつ、R1及びR2の有する炭素原子数の合計は、10以上である。nは1~40の整数を表す。]
前記R1は、炭素原子数が偶数である直鎖のアルキレン基であり、R1とR2の有する炭素原子数の合計が10以上になる範囲で適宜選択することができる。R1としては、炭素原子数が4以上の偶数である直鎖のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数が4~10の範囲の偶数である直鎖のアルキレン基であることがより好ましい。
前記R2は、前記R1とは独立して炭素原子数が偶数である直鎖のアルキレン基であり、R1とR2の有する炭素原子数の合計が10以上になる範囲で適宜選択でき、炭素原子数が4以上の偶数である直鎖のアルキレン基であることが好ましく、炭素原子数が4~12(好ましくは10~12))の範囲の偶数である直鎖のアルキレン基であることが好ましい。
R1及びR2の炭素原子数の合計は、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、例えば30以下、より好ましくは26以下、さらに好ましくは24以下である。
前記R1及びR2が、それぞれ前記範囲の炭素原子数を有する直鎖のアルキレン基である長鎖脂肪族ポリエステルポリオールを使用することによって、得られるウレタンプレポリマーの結晶性が高まり、基材の複雑な形状部位における前記シート又はフィルムの剥離を防止できることが可能な湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を得ることができる。
式(1)中のnは1~40の整数を表し、9~25の整数であることが好ましく、9~15の整数であることがより好ましい。前記範囲内のnを有する長鎖脂肪族ポリエステルポリオールを使用することにより、接着剤としての凝集力を適度に発揮することができる。
前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)は、例えば炭素原子数が偶数である直鎖脂肪族ジオールと炭素原子数が偶数である直鎖脂肪族ジカルボン酸とを縮合反応させることによって製造することができる。前記直鎖脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、10-デカンジオール等を使用することができ、好ましくは1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオールを使用することができる。
前記直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等を使用することができ、好ましくはセバシン酸、ドデカメチレンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸を使用することができる。
また、前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)を製造する際に使用する前記直鎖脂肪族ジオールと前記直鎖脂肪族ジカルボン酸との組み合わせは、前記式(1)におけるR1、R2中に含まれる炭素原子数の合計が12以上、好ましくは12~20の範囲で適宜選択することができる。なかでも、前記直鎖脂肪族ジオールとして1,6-ヘキサンジオールを、前記直鎖脂肪族ジカルボン酸として1,12-ドデカンジカルボン酸又はセバシン酸を反応させて得られる長鎖脂肪族ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。また、前記直鎖脂肪族ジオールとして1,6-ヘキサンジオールを、前記直鎖脂肪族ジカルボン酸として1,12-ドデカンジカルボン酸を反応させて得られる長鎖脂肪族ポリエステルポリオールを使用することが、比較的高温環境下で使用する場合であっても、実用上、十分なレベルの初期接着強さを有する接着剤を製造するうえで、より好ましい。
前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)の数平均分子量は、10,000以下であることが好ましく、より好ましくは5,000以下であり、500以上であることが好ましく、より好ましくは1,000以上、さらに好ましくは3000以上である。。
本願発明において、数平均分子量は、ポリスチレンを標準試料としゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)の含有率は、前記ポリオール(A)中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)は、前記ポリウレタンを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネート(B)の全量100質量部に対して5~40質量部の範囲で使用することが好ましく、15~40質量部の範囲で使用することがより好ましい。
前記非晶性ポリエステルポリオール(a2)を含むことで、基材への密着性が良好になる。前記非晶性ポリエステルポリオール(a2)としては、例えば、下記多塩基酸と水酸基を有する脂肪族化合物との反応物を用いることができる。ただし、前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)と、前記非晶性ポリエステルポリオール(a2)とは異なる。なお、本発明において、「非晶性」とは、JISK7121:2012に準拠したDSC(示差走査熱量計)測定において、結晶化熱あるいは融解熱のピークを確認できないものを示す。
前記多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、エイコサ二酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等の脂肪族多塩基酸;1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式多塩基酸などを用いることができる。これらの多塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン;ビスフェノールA、ビスフェノールF、そのアルキレンオキサイド付加物等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐水性、接着強度、及び、柔軟性が得られる点から、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を用いることが好ましい。また、前記アルキレンオキサイドの付加モル数としては、2~10モルが好ましく、4~8モルがより好ましい。
前記非晶性ポリエステルポリオール(a2)の数平均分子量としては、より一層優れた初期接着強度及び柔軟性が得られる点から、好ましくは300以上、より好ましくは600以上、さらに好ましくは1,000以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは9,000以下である。
前記非晶性ポリエステルポリオール(a2)のガラス転移温度は、好ましくは20℃以下、より好ましくは10℃以下、さらに好ましくは5℃以下であり、例えば-100℃以上、-50℃以上であってもよい。
本発明において、ガラス転移温度は、JISK7121-1987に準拠し、DSC(示差走査熱量計)により測定した値を表す。具体的には、示差走査型熱量計装置内に測定試料を入れ、(ガラス転移温度+50℃)まで昇温速度10℃/分で昇温した後、3分間保持し、その後急冷し、得られた示差熱曲線から読み取った中間点ガラス転移温度(Tmg)を表す。
前記非晶性ポリエステルポリオール(a2)の含有率は、前記ポリオール(A)中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは75質量%以下、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。
前記非晶性ポリエステルポリオール(a2)は、前記ポリウレタンを製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネート(B)の全量100質量部に対して10~35質量部の範囲で使用することが好ましく、15~30質量部の範囲で使用することがより好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(a3)は、オキシアルキレン単位を主鎖に有するポリオールであり、前記ポリオール(A)として、ポリエーテルポリオールを含むことで、低粘度性、柔軟性、及び、塗工性が良好となる。前記ポリエーテルポリオール(a3)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール等を用いることができる。これらのポリエーテルポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、より一層優れた耐加水分解性、低粘度性、柔軟性、及び、塗工性が得られる点から、ポリプロピレングリコール、及び/又は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを用いることが好ましく、ポリプロピレングリコールとポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとを併用することが好ましい。
前記ポリプロピレングリコール(PO)とポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(EOPO)とを併用する場合の質量比[PO/EOPO]としては、より一層優れた耐加水分解性、低粘度性、柔軟性、及び、塗工性が得られる点から、30/70~90/10の範囲であることが好ましく、40/60~80/20の範囲がより好ましく、50/50~70/30の範囲が更に好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(a3)の数平均分子量としては、より一層優れた耐加水分解性、低粘度性、柔軟性、及び、塗工性が得られる点から、500~100,000の範囲であることが好ましく、550~10,000の範囲がより好ましく、600~6,000の範囲が更に好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(a3)の使用量としては、より一層優れた耐加水分解性、低粘度性、柔軟性、及び、塗工性が得られる点から、前記ポリオール(A)中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは75質量%以下、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。
前記ポリエーテルポリオール(a3)の使用量としては、より一層優れた耐加水分解性、低粘度性、柔軟性、及び、塗工性が得られる点から、前記ポリオール(A)及び前記ポリイソシアネート(B)の合計質量中5~40質量%の範囲であることが好ましく、10~30質量%の範囲がより好ましい。
前記ポリアクリルポリオール(a4)は、(メタ)アクリル単位を主鎖に有するポリオールであり、前記ポリオール(A)として、ポリアクリルポリオール(a4)を含むことで、初期接着性が良好となる。前記ポリアクリルポリオール(a4)としては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を必須として含有する(メタ)アクリル化合物の重合物を用いることができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル化合物」とは、メタクリル化合物及び/又はアクリル化合物を示し、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及び/又はアクリレートを示し、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を示す。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
その他の(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2-(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有する(メタ)アクリル化合物;イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シジクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリル化合物;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する(メタ)アクリル化合物;ベン
ジル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-メチル-[1,3]-ジオキソラン-4-イル-メチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどを用いることができる。これらの(メタ)アクリル化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ジル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-メチル-[1,3]-ジオキソラン-4-イル-メチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどを用いることができる。これらの(メタ)アクリル化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル化合物としては、前記したものの中でも、より一層接着性が得られる点から、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物及び前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の(メタ)アクリル化合物を用いることが好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び/又は、ブチル(メタ)アクリレートを用いることがより好ましい。
前記ポリアクリルポリオール(a4)の数平均分子量としては、より一層優れた接着性が得られる点から、5,000~100,000の範囲が好ましく、7,000~70,000の範囲がより好ましく、8,000~50,000の範囲が更に好ましく、10,000~30,000の範囲が更に好ましい。
前記ポリアクリルポリオール(a4)のガラス転移温度としては、接着性をより一層向上できる点から、30℃以上120℃未満が好ましく、40℃以上100℃以下がより好ましく、50℃以上80℃以下が更に好ましい。
前記ポリアクリルポリオール(a4)の使用量としては、初期接着性をより一層向上できる点から、ポリオール(A)中、5~40質量%の範囲が好ましく、7~30質量%の範囲がより好ましい。
前記ポリアクリルポリオール(a4)の使用量としては、ウレタンプレポリマーを構成する原料の合計中、3~20質量%の範囲が好ましく、5~15質量%の範囲がより好ましい。
前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)、非晶性ポリエステルポリオール(a2)及びポリエーテルポリオール(a3)の合計の含有率は、前記ポリオール(A)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、いっそう好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
また前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)、非晶性ポリエステルポリオール(a2)、ポリエーテルポリオール(a3)及びポリアクリルポリオール(a4)の合計の含有率は、前記ポリオール(A)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、いっそう好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記ポリオール(A)は、前記前記長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)、非晶性ポリエステルポリオール(a2)、ポリエーテルポリオール(a3)及びポリアクリルポリオール(a4)以外に、その他のポリオールを含んでいてもよい。
前記その他のポリオールとしては、例えば、前記(a1)及び(a2)以外のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(B)としては、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらの中でも、より一層優れた反応性および最終接着強度が得られる点から、芳香族ポリイソシアネートを用いることが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
また、前記ポリイソシアネート(B)の使用量としては、より一層優れた接着強度が得られる点から、前記ウレタンプレポリマーの原料中5~60質量%の範囲が好ましく、15~50質量%の範囲がより好ましい。
前記ポリイソシアネート(B)の有するイソシアネート基が、前記ポリオール(A)の有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造することができる。前記ウレタンプレポリマーが、イソシアネート基を有することで、共役ジエン単位及び/又はジエノフィル単位と活性水素原子を有する基とを有する化合物と反応させ、ポリウレタン樹脂に共役ジエン単位及び/又はジエノフィル単位を導入することができる。また、イソシアネート基は、ポリウレタン樹脂中において、空気中やウレタンプレポリマーが塗布される筐体や被着体中に存在する水分と反応して架橋構造を形成しうる。
前記ポリウレタン樹脂を製造する際の、前記ポリイソシアネート(B)が有するイソシアネート基と前記ポリオール(A)が有する水酸基の当量比([イソシアネート基/水酸基])としては、より一層優れた初期接着強度、柔軟性および低粘度性が得られる点から、1.5~2.5が好ましく、1.8~2,2より好ましい。
前記ポリウレタン樹脂は、室温(25℃)において、ディースルアルダー架橋単位を有する。前記ディールスアルダー架橋単位は、共役ジエン単位とジエノフィル単位とが、ディールスアルダー反応することで架橋構造を形成している単位を表す。
前記共役ジエン単位は、共役ジエンを有する単位であり、鎖状であっても環状であってもよく、耐熱性の観点から、環状であることが好ましい。
共役ジエン単位は、例えば、以下の式(2)で表される。
[式(2)中、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1~10の炭化水素基を表し、前記炭化水素基に含まれる-CH2-は、酸素原子に置き換わっていてもよく、前記炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基に置換されていてもよい。*は結合手を表す。]
前記R3及びR4で表される炭化水素基としては、具体的には、炭素原子数1~10の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基が挙げられる。前記脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。前記脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1~6、より好ましくは1~4である。前記芳香族炭化水素基としては、メチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。前記芳香族炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは6~10、より好ましくは6~8である。
前記共役ジエン単位を有する化合物として、具体的には、以下の式で表される化合物等が挙げられる。
[式(2-1)~(2-15)中、R8~R12は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1~10の炭化水素基を表し、前記炭化水素基に含まれる-CH2-は、酸素原子に置き換わっていてもよく、前記炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基に置換されていてもよい。]
前記ジエノフィル単位は、前記共役ジエン単位と付加的に反応しうる単位であり、例えば、以下の式(3-1)~(3-5)で表される単位等が挙げられる。
[式(3-1)~(3-5)中、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1~10の炭化水素基を表し、前記炭化水素基に含まれる-CH2-は、酸素原子に置き換わっていてもよく、前記炭化水素基に含まれる水素原子は、水酸基に置換されていてもよい。*は結合手を表す。]
R5及びR6で表される炭化水素基としては、R3で表される炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。
前記ジエノフィル単位を有する化合物として、具体的には、以下の式で表される化合物等が挙げられる。式中、Arは、炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基を表す。
前記共役ジエン単位と前記ジエノフィル単位とは、ディールスアルダー反応により、以下の架橋単位を形成しうる。該ディールスアルダー架橋単位は、加熱することでレトロディールスアルダー反応により、共役ジエン単位とジエノフィル単位とに分解し、冷却することで、再度ディールスアルダー反応により架橋単位を形成しうる。
前記ディールスアルダー架橋単位の形成と分解の概要は、例えば、以下のスキームにより表すことができる。
[上記スキーム中、R3~R6は、上記と同義である。*は結合手を表す。また、右向きの矢印は、降温時のディールスアルダー反応を表し、左向きの矢印は、昇温時のレトロディールスアルダー反応を表す。]
前記ディールスアルダー架橋単位は、前記ポリウレタン樹脂に共役ジエン単位を結合させ、該共役ジエン単位と2以上のジエノフィル単位を有する化合物とを反応させる方法;前記ポリウレタン樹脂にジエノフィル単位を結合させ、該ジエノフィル単位と2以上の共役ジエン単位を有する化合物とを反応させる方法;あるいは、前記ポリウレタン樹脂に共役ジエン単位とジエノフィル単位とを結合させ、これらの共役ジエン単位とジエノフィル単位とを反応させる方法の、いずれかの方法によりポリウレタン樹脂中に導入することができる。
前記ディールスアルダー架橋単位は、前記ポリウレタン樹脂に共役ジエン単位を結合させ、該共役ジエン単位と2以上のジエノフィル単位を有する化合物とを反応させる方法;前記ポリウレタン樹脂にジエノフィル単位を結合させ、該ジエノフィル単位と2以上の共役ジエン単位を有する化合物とを反応させる方法;あるいは、前記ポリウレタン樹脂に共役ジエン単位とジエノフィル単位とを結合させ、これらの共役ジエン単位とジエノフィル単位とを反応させる方法の、いずれかの方法によりポリウレタン樹脂中に導入することができる。
前記活性水素原子を有する基としては、水酸基、非置換のアミノ基等が挙げられ、水酸基が好ましい。
前記共役ジエン単位と活性水素原子を有する化合物としては、式(2-1)~(2-15)で表される化合物において、該化合物に含まれる水素原子を、活性水素原子を有する基で置換した化合物等が挙げられる。
また、前記ジエノフィル単位と活性水素原子を有する化合物としては、式(3-1-1)~(3-1-20)、(3-2-1)~(3-2-3)、(3-3-1)~(3-3-3)、(3-4-1)、(3-5-1)で表される化合物において、該化合物に含まれる水素原子を、活性水素原子を有する基で置換した化合物等が挙げられる。
前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、前記共役ジエン単位及び/又はジエノフィル単位と活性水素原子を有する基を有する化合物とを共存させ、該ウレタンプレポリマーのイソシアネート基と、前記化合物の活性水素原子を有する基とを反応させることで、前記ウレタンプレポリマーに、共役ジエン単位及び/又はジエノフィル単位を導入することができる。
前記2以上の共役ジエン単位を有する化合物としては、例えば、以下の式(5)で表される化合物が挙げられる。
[式(5)中、X単位は、それぞれ独立に、式(2-1)~(2-15)で表される化合物から選ばれる1つに含まれる水素原子の1つを、結合手とした単位を表す。Lは、以下の式(l-1)~(l-7)のいずれかで表される結合基を表す。
[式(l-1)~(l-6)中、Ar1~Ar4は、それぞれ独立に、炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基又は炭素原子数3~10の複素環基を表す。L2~L4は、それぞれ独立に、単結合、炭素原子数1~10の2価の脂肪族炭化水素基、炭素原子数1~10の2価のハロゲン置換アルキル基、-O-、-S-、-SO2-、-CO-又は-NH-を表す。L5は、炭素原子数1~10の脂肪族炭化水素基を表す。前記芳香族炭化水素基は、炭素原子数3~10の複素環基を置換基として有していてもよい。*は、それぞれ、結合手を表す。]]
L1~L4で表される脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。前記脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1~4である。
L1~L4で表されるハロゲン置換アルキル基としては、パーフルオロメチレン基、パーフルオロエチレン基、パーフルオロプロピレン基、パーフルオロブチレン基等が挙げられる。前記ハロゲン置換アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1~4である。
L5で表される脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基等が挙げられ、該脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。前記脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは1~9である。
Ar1~Ar4で表される芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。前記芳香族炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは6~8である。
Ar1~Ar4で表される複素環基、又は、Ar1~Ar4で表される芳香族炭化水素基を置換していてもよい複素環基としては、例えば、置換又は非置換のマレイミド環基等が挙げられる。
式(l-1)~(l-7)で表される基としては、例えば、以下の基等が挙げられる。
また、前記2以上のジエノフィル単位を有する化合物としては、例えば、以下の式で表される化合物が挙げられる。
[式(5)中、単位Yは、それぞれ独立に、式式(3-1-1)~(3-1-20)、(3-2-1)~(3-2-3)、(3-3-1)~(3-3-3)、(3-4-1)、(3-5-1)で表される化合物から選ばれる1つに含まれる水素原子の1つを、結合手とした単位を表す。Lは、上記と同義である。]
前記ウレタンプレポリマーは、前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるものであり、具体的には、例えば、前記ポリイソシアネート(B)の入った反応容器に、前記ポリオール(A)を滴下した後に加熱することで製造することができる。
前記ウレタンプレポリマーにおけるイソシアネート基含有率(以下、「NCO%」と略記する。)としては、より一層優れた初期接着強度、柔軟性および低粘度性が得られる点から、1~5質量%が好ましく、1.2~3.4質量%がより好ましい。なお、前記ポリウレタン樹脂のNCO%は、JISK1603-1:2007に準拠し、電位差滴定法により測定した値を示す。
得られたウレタンプレポリマーと、共役ジエン単位及び/又はジエノフィル単位と活性水素原子を有する基とを反応させることで、該ウレタンプレポリマーに共役ジエン単位及び/又はジエノフィル単位を導入することができる。
前記共役ジエン単位及び/又は共役ジエノフィル単位の導入量は、前記ウレタンプレポリマーに含まれるイソシアネート基に対して、例えば5モル%以上、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上であり、例えば45モル%以下、好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。
前記ウレタンプレポリマーが、共役ジエン単位及びジエノフィル単位の一方のみを有する場合は、2以上のジエノフィル単位を有する化合物又は2以上の共役ジエン単位を有する化合物と反応させることで、ディールスアルダー架橋単位が形成され、本発明のポリウレタン樹脂を製造することができる。
なかでも、本発明においては、前記ウレタンプレポリマーと、共役ジエン単位と活性水素原子を有する化合物とを反応させ、得られた反応物に、さらに、ジエノフィル単位を2個以上有する化合物を反応させて、ポリウレタン樹脂とすることが好ましい。
前記反応の際の反応温度は、例えば、90~150℃であり、反応時間は、10分~3時間である。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、以下の条件で測定した粘度変化指数が80~140℃の範囲で少なくとも1点で正の値をとる。
[粘度変化指数の測定方法]
大気圧(1013hPa)下、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を常温(25℃)下で24時間以上静置後、70℃に昇温する。70℃到達後、昇温速度10℃/分で昇温し、160℃まで10℃毎に粘度を測定し、次の式で表される値を温度T℃での粘度変化率、及び粘度変化指数とする。
T℃での粘度変化率(%)=
((T℃での粘度)-((T+10)℃での粘度)))/ (T℃での粘度)*100
(ただし、T=10×F,F=8~15の整数)
T℃での粘度変化指数=
(((T+10)℃での粘度変化率)/(T℃での粘度変化率))-1)*100
(ただし、T=10×F,F=8~14の整数)
[粘度変化指数の測定方法]
大気圧(1013hPa)下、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を常温(25℃)下で24時間以上静置後、70℃に昇温する。70℃到達後、昇温速度10℃/分で昇温し、160℃まで10℃毎に粘度を測定し、次の式で表される値を温度T℃での粘度変化率、及び粘度変化指数とする。
T℃での粘度変化率(%)=
((T℃での粘度)-((T+10)℃での粘度)))/ (T℃での粘度)*100
(ただし、T=10×F,F=8~15の整数)
T℃での粘度変化指数=
(((T+10)℃での粘度変化率)/(T℃での粘度変化率))-1)*100
(ただし、T=10×F,F=8~14の整数)
前記ポリウレタン樹脂のウレタン結合量としては、より一層優れた初期接着強度、柔軟性および低粘度性が得られる点から、0.5~3mol/kgの範囲であることが好ましく、0.9~2.7mol/kgの範囲がより好ましく、1.1~2.4mol/kgの範囲が更に好ましい。
前記ポリウレタン樹脂のイソシアネート基含有率(以下、「NCO%」と略記する。)としては、より一層優れた初期接着強度、柔軟性および低粘度性が得られる点から、1~4質量%の範囲が好ましく、1.2~3.0質量%の範囲がより好ましい。なお、前記ポリウレタン樹脂のNCO%は、JISK1603-1:2007に準拠し、電位差滴定法により測定した値を示す。
前記ディールスアルダー架橋単位含有率は、原料の仕込み比に基づいて算出することができる。
前記ポリウレタン樹脂の含有率は、前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、上限は100質量%である。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、前記ポリウレタン樹脂以外にも、必要に応じてその他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤、安定剤、充填材、染料、顔料、蛍光増白剤、シランカップリング剤、ワックス等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物の硬化物を得る方法としては、例えば、前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を50~150℃で溶融した後に部材に塗工し、湿気硬化させる方法が挙げられる。
前記部材としては、例えば、ガラス、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、脂環式ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタラート)、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、乳酸ポリマー、ABS樹脂、AS樹脂等から得られるものを用いることができる。また、前記部材は、必要に応じて、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等が施されていてもよい。
前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、ロールコーター、スプレーコーター、T-タイコーター、ナイフコーター、コンマコーター等を使用する方法が挙げられる。
また、本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、低粘度性、および塗布後の優れた保型性を有することから、ディスペンサー、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等の方式により塗布することもできる。これらの塗布方式によれば、前記部材上の塗布したい箇所に前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を塗布することができるので、打ち抜き加工等のロスを生じることがないため好ましい。また、こられの塗布方式によれば、前記湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を、点状、線状、三角状、四角状、丸状、曲線等の様々な形状を前記部材上に連続的又は断続的に形成することができる。
前記湿気硬化型ウレタンホットメルト組成物の硬化物層(接着層)の厚さは、使用される用途に応じて適宜決定されるが、例えば、10μm~5mmである。
前記塗工後は、例えば、温度20~80℃、相対湿度50~90%にて0.5~3日間エージングし、最終接着強度を得ることができる。
本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、高い初期強度を有する。よって、本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、電子部品、光学部品、建材パネル、化粧板、自動車内装材等(特に、電子部品、光学部品)等に物品に好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[合成例1]
<ウレタンプレポリマーの合成>
撹拌機、温度計を備えた4ツ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(数平均分子量;1,000、以下、「PPG1000」と略記する。)を25質量部、非晶性ポリエステルポリオール(アジピン酸とネオペンチルグリコールとを反応させたもの、数平均分子量;2,000、以下「NPG/AA2000」と略記する。)を25質量部、非晶性ポリエステルポリオール(ビスフェノールAのプロプレンオキサイド6モル付加物、イソフタル酸、及び、セバシン酸の反応物、数平均分子量;2,000、以下「BISA6PO」と略記する。)を5質量部、結長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(1,6-ヘキサンジオールと1,12-ドデカンジカルボン酸とを反応させたもの、数平均分子量;3,500、以下、「HG/DDA3500」と略記する。)を15質量部、ポリアクリルポリオール(メチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、及び2-ヒドロキシエチルメタクリレートの反応物、数平均分子量;20,000、ガラス転移温度;70℃、以下「Ac(1)」と略記する。)を10質量部仕込み、110℃で減圧加熱してフラスコ内の水分が0.05質量%となるまで脱水した。フラスコ内を90℃に冷却した後、70℃で溶融したMDIを20質量部加え、窒素雰囲気下でNCO%が一定となるまで110℃で約2時間反応させることによってウレタンプレポリマー(1)を得た。得られたウレタンプレポリマー(1)のNCO%は2.1質量%であった。
<ウレタンプレポリマーの合成>
撹拌機、温度計を備えた4ツ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(数平均分子量;1,000、以下、「PPG1000」と略記する。)を25質量部、非晶性ポリエステルポリオール(アジピン酸とネオペンチルグリコールとを反応させたもの、数平均分子量;2,000、以下「NPG/AA2000」と略記する。)を25質量部、非晶性ポリエステルポリオール(ビスフェノールAのプロプレンオキサイド6モル付加物、イソフタル酸、及び、セバシン酸の反応物、数平均分子量;2,000、以下「BISA6PO」と略記する。)を5質量部、結長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(1,6-ヘキサンジオールと1,12-ドデカンジカルボン酸とを反応させたもの、数平均分子量;3,500、以下、「HG/DDA3500」と略記する。)を15質量部、ポリアクリルポリオール(メチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、及び2-ヒドロキシエチルメタクリレートの反応物、数平均分子量;20,000、ガラス転移温度;70℃、以下「Ac(1)」と略記する。)を10質量部仕込み、110℃で減圧加熱してフラスコ内の水分が0.05質量%となるまで脱水した。フラスコ内を90℃に冷却した後、70℃で溶融したMDIを20質量部加え、窒素雰囲気下でNCO%が一定となるまで110℃で約2時間反応させることによってウレタンプレポリマー(1)を得た。得られたウレタンプレポリマー(1)のNCO%は2.1質量%であった。
[実施例1]
合成例1で得られたウレタンプレポリマーに対して、フルフリルアルコールを2.1質量部添加し、110℃を維持したまま約1時間反応させることで末端のNCO基の一部にフルフリルアルコールを付加させたジエン変性ウレタンプレポリマーを得た。得られたジエン変性ウレタンプレポリマーのNCO%濃度は1.5%であった。さらに、このジエン変性ウレタンプレポリマーに4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド4.7質量部を加え、150℃で2時間反応させることでディールスアルダー反応させ、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。
合成例1で得られたウレタンプレポリマーに対して、フルフリルアルコールを2.1質量部添加し、110℃を維持したまま約1時間反応させることで末端のNCO基の一部にフルフリルアルコールを付加させたジエン変性ウレタンプレポリマーを得た。得られたジエン変性ウレタンプレポリマーのNCO%濃度は1.5%であった。さらに、このジエン変性ウレタンプレポリマーに4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド4.7質量部を加え、150℃で2時間反応させることでディールスアルダー反応させ、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。
[実施例2~3、及び、比較例1~3]
用いる原料、及び使用量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。
用いる原料、及び使用量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を得た。
[数平均分子量の測定方法]
合成例で用いたポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
合成例で用いたポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
[溶融粘度の測定方法]
実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を110℃に溶融し、1mlをサンプリングし、コーンプレート粘度計(40Pコーン、ローター回転数;50rpm)にて粘度を測定した。
実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を110℃に溶融し、1mlをサンプリングし、コーンプレート粘度計(40Pコーン、ローター回転数;50rpm)にて粘度を測定した。
[積層体の作製]
実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を150℃15分加温後、110℃に降温して加熱溶融させ、110℃に加熱された直径0.35mmの内径を有するディスペンサーニードル(武蔵エンジニアリング株式会社製ディスペンサー「VAVE MASTER ME-5000VT」)を用いて、吐出圧力:0.2MPa、加工速度50/mm秒にて、中央部に1cm径の穴の開いたPC板(5cm×9cm)上に、1インチの円形に塗布した。塗布から90秒後、0.15mmのスペーサーを挟んだ状態でPBT板(5cm×5cm)を上から貼り合せ、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽中に72時間放置することにより、接着強度、耐落下衝撃性の測定に用いる積層体を得た。
実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を150℃15分加温後、110℃に降温して加熱溶融させ、110℃に加熱された直径0.35mmの内径を有するディスペンサーニードル(武蔵エンジニアリング株式会社製ディスペンサー「VAVE MASTER ME-5000VT」)を用いて、吐出圧力:0.2MPa、加工速度50/mm秒にて、中央部に1cm径の穴の開いたPC板(5cm×9cm)上に、1インチの円形に塗布した。塗布から90秒後、0.15mmのスペーサーを挟んだ状態でPBT板(5cm×5cm)を上から貼り合せ、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽中に72時間放置することにより、接着強度、耐落下衝撃性の測定に用いる積層体を得た。
[接着強度の評価方法]
得られた積層体のプッシュ強度(MPa)を、テンシロン(オリエンテック株式会社製テンシロン万能試験機「RTC-1210A」)を使用して、クロスヘッド速度:10mm/分の条件で測定し、接着強度とした。また、強度測定後の積層体の剥離の仕方(剥離モード)がホットメルトウレタン組成物の破壊の場合、「凝集破壊」、基材間での剥離の場合、「界面剥離」とした。
得られた積層体のプッシュ強度(MPa)を、テンシロン(オリエンテック株式会社製テンシロン万能試験機「RTC-1210A」)を使用して、クロスヘッド速度:10mm/分の条件で測定し、接着強度とした。また、強度測定後の積層体の剥離の仕方(剥離モード)がホットメルトウレタン組成物の破壊の場合、「凝集破壊」、基材間での剥離の場合、「界面剥離」とした。
[耐落下衝撃性の評価方法]
前記で得られた積層体を、デュポン式落下衝撃試験機にてPBT板から撃芯を介して、荷重:500g、高さ:5cmで衝撃を各3回与えPC板の剥がれの発生がなければ+5cmで衝撃を与える条件で、剥がれの有無を目視観察し、剥がれが発生する高さを判断した。
前記で得られた積層体を、デュポン式落下衝撃試験機にてPBT板から撃芯を介して、荷重:500g、高さ:5cmで衝撃を各3回与えPC板の剥がれの発生がなければ+5cmで衝撃を与える条件で、剥がれの有無を目視観察し、剥がれが発生する高さを判断した。
[粘度変化指数の評価方法]
大気圧(1013hPa)下、実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を常温(25℃)下で24時間以上静置後、70℃に溶融した。溶融物1mlをサンプリングし、コーンプレート粘度計(40Pコーン、ローター回転数;50rpm)にて粘度測定した。測定後、昇温速度10℃/分で昇温し、160℃まで10℃毎に粘度を測定し、次の式で表される値を温度T℃での粘度変化率、及び粘度変化指数とした。
T℃での粘度変化率(%)=
((T℃での粘度)-((T+10)℃での粘度)))/ (T℃での粘度)*100
(ただし、T=10×F,F=8~15の整数)
T℃での粘度変化指数=
(((T+10)℃での粘度変化率)/(T℃での粘度変化率))-1)*100
(ただし、T=10×F,F=8~14の整数)
80~140℃の範囲で粘度変化指数が少なくとも1点で正の値をとるとき、上記温度域で大きく粘度が下がるため、ハンドリング性良好で「〇」とし、正の値を1点でもとらない時、ハンドリング性が低く「×」とした。
大気圧(1013hPa)下、実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を常温(25℃)下で24時間以上静置後、70℃に溶融した。溶融物1mlをサンプリングし、コーンプレート粘度計(40Pコーン、ローター回転数;50rpm)にて粘度測定した。測定後、昇温速度10℃/分で昇温し、160℃まで10℃毎に粘度を測定し、次の式で表される値を温度T℃での粘度変化率、及び粘度変化指数とした。
T℃での粘度変化率(%)=
((T℃での粘度)-((T+10)℃での粘度)))/ (T℃での粘度)*100
(ただし、T=10×F,F=8~15の整数)
T℃での粘度変化指数=
(((T+10)℃での粘度変化率)/(T℃での粘度変化率))-1)*100
(ただし、T=10×F,F=8~14の整数)
80~140℃の範囲で粘度変化指数が少なくとも1点で正の値をとるとき、上記温度域で大きく粘度が下がるため、ハンドリング性良好で「〇」とし、正の値を1点でもとらない時、ハンドリング性が低く「×」とした。
測定結果を表1に示す。
実施例1~3は、本発明の実施例であり、80~140℃の範囲で1点ずつ正の値をとり、上記温度域で粘度が大きく下がる変化があり、ハンドリング性が良好であった。
比較例1~3はいずれも、80~140℃の範囲で1点も正の値をとることはなく、上記温度域でのハンドリング性が十分に満足できるものではなかった。
Claims (6)
- ポリウレタン樹脂を含む湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物であって、
前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート基と、ディールスアルダー架橋単位とを有するものであり、
以下の条件で測定した粘度変化指数が80~140℃の範囲で少なくとも1点で正の値をとる事を特徴とする湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物。
[粘度変化指数の測定方法]
大気圧(1013hPa)下、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を常温(25℃)下で24時間以上静置後、70℃に昇温する。70℃到達後、昇温速度10℃/分で昇温し、160℃まで10℃毎に粘度を測定し、次の式で表される値を温度T℃での粘度変化率、及び粘度変化指数とする。
T℃での粘度変化率(%)=
((T℃での粘度)-((T+10)℃での粘度)))/ (T℃での粘度)*100
(ただし、T=10×F,F=8~15の整数)
T℃での粘度変化指数=
(((T+10)℃での粘度変化率)/(T℃での粘度変化率))-1)*100
(ただし、T=10×F,F=8~14の整数) - 前記ポリウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基量(g/mol)が、前記ディールスアルダー架橋量(g/mol)よりも多いものである請求項1記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂が、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを必須原料とする反応物であり、前記ポリオール(A)が、長鎖脂肪族ポリエステルポリオール(a1)、非晶性ポリエステルポリオール(a2)及びポリエーテルポリオール(a3)を含むものである請求項1又は2記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物。
- 前記ポリオール(A)が、さらに、アクリルポリオール(a4)を含むものである請求項3記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれか1項記載の湿気硬化型ホットメルト樹脂組成物から形成される硬化物。
- 請求項5記載の硬化物を含む物品。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021186244A JP2023073658A (ja) | 2021-11-16 | 2021-11-16 | 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物、硬化物及び物品 |
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