JP2023072725A - フレキシブルコンテナ用隔壁材及びフレキシブルコンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】両面に導電性を有する、新たなフレキシブルコンテナ用の隔壁材を提案する。【解決】フレキシブルコンテナ内に配置する隔壁材であって、織編み物からなる基布の表裏両面が樹脂層で被覆されてなる構成を有し、前記樹脂層はいずれも、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない樹脂層(「非導電性樹脂層」と称する)と、その表裏方向外側に、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む樹脂層(「導電性樹脂層」と称する)とを備えており、表裏両側の表面抵抗がいずれも103Ω~1010Ωである、フレキシブルコンテナ用隔壁材である。【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブルコンテナ内に配置する隔壁材、および、該隔壁材を用いたフレキシブルコンテナに関する。
粉粒体の輸送、保管に広く用いられているフレキシブルコンテナは、一般的に、基布を、ゴムや、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂で被覆されたターポリンで構成されている。
ターポリン(tarpaulin)とは、古くは水兵の上着や船上の防水シートとして使われていた、帆布にタールを塗った防水シートを示すものであるが、本発明では、織編み物からなる基布を樹脂層で被覆してなる構成を備えた積層シートを広く意味するものとする。
フレキシブルコンテナに収納する粉粒体の性状により、粉粒体を収納する際や、排出する際、或いは、輸送する際の振動、衝撃などによって、粉粒体同士、または粉粒体とフレキシブルコンテナ内側面との摩擦によって静電気が発生し、フレキシブルコンテナ壁面に蓄積し、場合によっては、粉塵爆発などの原因となる可能性がある。さらに、発生した静電気が塵埃を引き寄せ粉粒体の汚染の原因になるなど、フレキシブルコンテナにおける静電気の発生および蓄積の問題は、重要な解決課題であった。
かかる課題解決のため、従来、基布の表面を、カーボンブラックを練り混んで導電性を付与したゴム層で被覆した導電性ターポリンで構成された導電性フレキシブルコンテナが提案され、実用化されている。
さらに導電性ターポリンに関しては、例えば特許文献1において、導電性に優れ、それでいて高周波溶着加工ができるターポリンとして、織編み物の基布の両面が樹脂層で被覆されてなる導電性に優れたターポリンにおいて、基布の一方の樹脂層は少なくともエチレンと酢酸ビニルとの共重合体層を含む樹脂層より、基布の他方の樹脂層は導電性カーボンブラックが配合されたポリオレフィン樹脂層を含む樹脂層より、それぞれ構成されていることを特徴とするターポリンが開示されている。
特許文献2には、軽量で、静電気を蓄積せず、高周波溶着加工法を適用でき、作成及び補修などの容易なフレキシブルコンテナとして、導電性樹脂層と非導電性樹脂層を有するターポリンによって構成され、筒状注排出口を備えた袋体本体からなるフレキシブルコンテナにおいて、導電性樹脂層がコンテナ内側に配置されてなり、かつ、導電性樹脂層からコンテナ外部へ導通するアース機構が設けられていて、コンテナ内側面の総ての部位およびアース端子が電気的に導通状態にされてなることを特徴とするフレキシブルコンテナが開示されている。
特許文献3には、軽量で、静電気を蓄積せず、高周波溶着加工法を適用でき、作成・補修などの容易な導電性フレキシブルコンテナとして、導電性樹脂層と非導電性樹脂層を有するターポリンによって構成され、筒状注排出口を備えた袋状本体からなるフレキシブルコンテナにおいて、フレキシブルコンテナの内面に配置された導電性樹脂層が、導電性吊り部と電気的に導通可能に連結されてなることを特徴とする導電性フレキシブルコンテナが開示されている。
特開2001-191433号公報 特開2002-337980号公報 特開2003-26284号公報
フレキシブルコンテナの形状には、丸型と角型とがあり、角型の方が丸型よりも、トラックやコンテナなどに隙間なく積載することができるため、積載効率がよく、容積も大きくすることができる。
角型のフレキシブルコンテナは、図3及び図4に示すように、コンテナ内部の4隅それぞれに“隔壁”と呼ばれる部材を斜めに付設することで、角型を保持するように構成されたものが一般的である。この隔壁には、図4に示すように、壁面に開口部が設けられており、この開口部を通じて充填部が角隅に充填されるようになっているため、隔壁はその両面が充填物と接触した状態となる。
導電性フレキシブルコンテナのJIS規格(JIS C 61340 4-4)により、充填物と接触する部材に関しては、導通性能が無ければならないと規定されているため、角型のフレキシブルコンテナ内に配置される隔壁は、両面に導通性能が求められる。
しかし、従来、両面に導電性を持たせた導通性ターポリンは知られていない。
そこで、基布の両面が樹脂層で被覆されてなるターポリンの両面に導電フィルムをラミネートしてみたところ、表面抵抗率が上昇することが判明した。これは、ラミネートした原反を裏返して再びラミネートすると、熱により導電フィルム中のカーボン(導電性材料)が沈降して表面の導電性材料濃度が低下するため、表面抵抗率が上昇することが原因であると考えられる。
そこで本発明は、表裏両面に導電性を有する、新たなフレキシブルコンテナ用の隔壁材、および、該隔壁材を用いたフレキシブルコンテナを提供せんとするものである。
本発明は、フレキシブルコンテナ内に配置するフレキシブルコンテナ用隔壁材であって、
織編み物からなる基布の表裏両面が樹脂層で被覆されてなる構成を有し、
前記樹脂層はいずれも、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない樹脂層(「非導電性樹脂層」と称する)と、その表裏方向外側に、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む樹脂層(「導電性樹脂層」と称する)とを備えており、
表裏両側の表面抵抗がいずれも103Ω~108Ωである、フレキシブルコンテナ用隔壁材を提案する。
本発明はまた、織編み物からなる基布の表裏両面が、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない樹脂層(「非導電性樹脂層」と称する)で被覆され、一方の非導電性樹脂層の表裏方向外側にのみ、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む樹脂層(「導電性樹脂層」と称する)とを備えた片面導電性ターポリンからなるフレキシブルコンテナの内壁材と、上記の本発明が提案する隔壁材とを備え、前記内壁材の前記導電性樹脂層と、前記隔壁材の前記導電性樹脂層とが、溶着されてなる構成を備えたフレキシブルコンテナを提案する。
本発明が提案するフレキシブルコンテナ用隔壁材は、表裏両面に導電性を有しており、これを用いて、新たな導電性フレキシブルコンテナを提供することができる。
本発明の一例に係る隔壁材の断面構成例を模式的に示した断面略図である。 本発明の一例に係る隔壁材の製造方法の一例を概念的に示した説明図である。 角型フレキシブルコンテナの構造例を概略的に示した横断面略図である。 隔壁材の一例を示した正面図である。 本発明の一例に係るフレキシブルコンテナの構造例を概略的に示した一部切り欠き拡大縦断面略図である。 本発明の一例に係るフレキシブルコンテナを構成する片面導電性ターポリンの断面構成例を模式的に示した断面略図である。 本発明の一例に係るフレキシブルコンテナの製造方法を説明するための断面略図である。 本発明の別の一例に係るフレキシブルコンテナの製造方法を説明するための断面略図である。 角型フレキシブルコンテナの他の構造例を概略的に示した横断面略図である。 隔壁材の他例を示した正面図である。
次に、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
<<本隔壁材>>
本発明の実施形態の一例に係る隔壁材(「本隔壁材」と称する)1は、図1に示すように、織編み物からなる基布2の表裏両面が樹脂層3で被覆されてなる構成を備えたものである。見方を変えれば、樹脂層3内に基布2が埋設された状態となっており、基布2の網目内に樹脂が侵入して基布2と樹脂層3が一体となっている。
<基布>
本隔壁材1の基布2は、織編み物からなるものであればよい。すなわち、繊維の織物又は繊維の編物からなる布体であればよい。
基布2の構造としては、例えば繊維を平織、綾織、朱子織などに織った織物からなる布体などを挙げることができる。ただし、編織物の種類・構造は、特に制限がない。
基布2を構成する繊維は、木綿、麻などの天然繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリル繊維、ビニロン繊維などの合成繊維を挙げることができる。これら繊維は、単独でまたは2種以上を組合わせてたフィラメントまたはスティーブルであってもよい。
織布の繊維は、その太さが200~1500デニールであるのが好ましく、中でも250デニール以上或いは1000デニール以下、その中でも500デニール以上或いは1000デニール以下であるのがさらに好ましい。中でも、フレキシブルコンテナとしての強度を維持する観点から、700デニール以上或いは1000デニール以下であるのが特に好ましい。
繊維の単位面積当たりの打ち込み本数は、10~30本/インチの平織物が好適であり、中でも12本/インチ以上或いは28本/インチ以下、その中でも15本/インチ以上或いは25本/インチ以下の平織物がさらに好適である
<樹脂層>
本隔壁材1においては、基布2の表裏両面の樹脂層3、3はいずれも、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない樹脂層(「非導電性樹脂層」と称する)4と、その表裏方向外側に、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む樹脂層(「導電性樹脂層」と称する)5とを備えている。
好ましくは、図1に示すように、基布2の表裏両面がそれぞれ前記非導電性樹脂層4、4で被覆され、その表裏方向外側にそれぞれ前記導電性樹脂層5、5が積層してなる構成を備えるものである。見方を変えれば、単一の非導電性樹脂層4内に基布2が埋設された状態となっており、当該非導電性樹脂層4の表裏方向外側にそれぞれ導電性樹脂層5,5が積層した構成を備えたものとなっている。
非導電性樹脂層4と導電性樹脂層5とは直接積層しているのが好ましく、例えば融着されているのが好ましい。
<非導電性樹脂層>
非導電性樹脂層4は、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を実質的に含まない層である。
この際、「主成分樹脂」とは、各層を構成する樹脂の中で最も含有質量割合の高い樹脂の意味であり、各層を構成する樹脂の50質量%以上、中でも60質量%以上、その中でも70質量%以上、その中でも80質量%以上、その中でも90質量%以上(100質量%を含む)を占める場合を想定することができる。他の層における主成分樹脂についても同様である。
また、「実質的に含まない」とは、意図して配合しないという意味であり、不可避的に含まれてしまう場合を許容する意味を包含する。
(エチレン系共重合体)
前記エチレン系共重合体は、エチレンと、エチレン以外のモノマー(「共重合モノマー」と称する)との共重合体であればよい。
前記エチレン系共重合体としては、例えばエチレン-αオレフィン系樹脂、エチレン-アクリル酸エステル系樹脂およびエチレン-メタクリル酸エステル系樹脂などを挙げることができる。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)等のエチレン・α-オレフィン共重合体、または、アクリル酸エステルとの共重合体であるエチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などのエチレン・アクリル酸エステル共重合体などを挙げることができる。
中でも、高周波溶着が可能である点から、分極化され易い官能基を有する共重合モノマーを共重合成分とするエチレン系共重合体であるのが好ましい。かかる観点から、前記エチレン系共重合体の好ましい具体例として、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、EMA(エチレン・アクリル酸メチル共重合体)及びEMMA(エチレン・メタクリル酸共重合体)の何れか1種又はこれらのうちの2種以上を挙げることができる。これらはいずれも、高周波溶着が可能な樹脂である。
非導電性樹脂層4におけるエチレン系共重合体のエチレンと共重合するモノマー(「共重合モノマー」と称する)の共重合割合は、6~30質量%であるのが好ましく、中でも10質量%以上或いは25質量%以下であるのがさらに好ましい。
例えば、非導電性樹脂層4におけるエチレン系共重合体がエチレン-酢酸ビニル共重合体である場合、エチレンと酢酸ビニルの成分重合質量比は、エチレン:酢酸ビニル=94:6~70:30であるのが好適である。酢酸ビニルの割合が6質量%以上であれば、高周波溶着加工が可能となり、また30質量%以下であれば、耐熱性を維持することができるから、好ましい。かかる観点から、エチレンと酢酸ビニルの成分重合比は90:10~75:25であるのがさらに好ましい。
この際、非導電性樹脂層4におけるエチレン系共重合体のエチレンと共重合するモノマー(「共重合モノマー」と称する)の共重合割合は、高周波溶着適正を維持する観点から、後述する導電性樹脂層5におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合よりも高いことが好ましい。
かかる観点から、非導電性樹脂層4におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合は、導電性樹脂層5におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合の120~600%であるのが好ましく、中でも150%以上或いは400%以下であるのがより好ましく、その中でも150%以上或いは200%以下であるのがさらに好ましい。
非導電性樹脂層4におけるエチレン系共重合体がエチレン-酢酸ビニル共重合体である場合、JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1~5.0g/10分のものが好ましく、中でも0.5g/10分以上或いは3.0g/10分以下のものが特に好ましい。
なお、非導電性樹脂層4におけるエチレン系共重合体が2種類以上である場合、上記共重合モノマーの共重合割合及びMFRは、それぞれの含有質量を勘案した平均値が上記範囲であればよい。
(その他の樹脂)
非導電性樹脂層4は、必要に応じて、エチレン系共重合体以外のその他の樹脂を含んでいてもよい。
上記「その他の樹脂」としては、例えば本隔壁材1に柔軟性を付与する為に、例えばEPR、EPDM、SBS、SEBSなどのゴム成分を挙げることができる。
(その他の成分)
非導電性樹脂層4は、必要に応じて、樹脂以外のその他の成分を含有することができる。
その他の成分としては、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、難燃剤、着色剤、充填剤等の公知の添加剤を挙げることができる。
<導電性樹脂層>
導電性樹脂層5は、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む層である。
(エチレン系共重合体)
導電性樹脂層5のエチレン系共重合体は、上述した非導電性樹脂層4のエチレン系共重合体と同様のものを使用することができる。
この際、導電性樹脂層5のエチレン系共重合体と、非導電性樹脂層4のエチレン系共重合体は、同じ樹脂であっても、異なる樹脂であってもよい。各層間の接着性、特に熱融着性を考えると、同じ種類の樹脂であるのが好ましい。
ただし、非導電性樹脂層4におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合は、導電性樹脂層5におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合よりも高いことが好ましいという観点から、導電性樹脂層5におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合は5~20質量%であるのが好ましく、中でも8質量%以上或いは15質量%以下がより好ましく、その中でも9質量%以上或いは13質量%以下がさらに好ましい。
導電性樹脂層5におけるエチレン系共重合体がエチレン-酢酸ビニル共重合体である場合、JIS K7210に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定したメルトフローレート(MFR)は0.1~5.0g/10分であるのが好ましく、中でも0.5g/10分以上或いは3.0g/10分以下であるのが特に好ましい。
なお、導電性樹脂層5におけるエチレン系共重合体が2種類以上である場合、上記共重合モノマーの共重合割合及びMFRは、それぞれの含有質量を勘案した平均値が上記範囲であればよい。
(導電性材料)
導電性樹脂層5が含有する導電性材料としては、例えばポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレンなどの導電性ポリマー、及び、酸化スズ系、酸化アンチモン系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系等の金属酸化物微粒子、及び、アルカリ金属塩、有機カチオン-アニオン塩などのイオン性化合物、及び、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、天然グラファイト、人造グラファイトなどの炭素材料、及び、チタンブラックなどを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、扱いの容易さ、他の材料と比べて軽い点、さらには、焼却しても有毒ガスが発生しない点などの観点から、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、天然グラファイト、人造グラファイトなどの炭素材料が好ましく、その中でも、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラックが好ましい。
導電性材料は、平均表面積が比較的小さい場合には、導電性材料の使用量が多量となり、そのためフィルム化する際の流動性が悪化したり、フィルムの強度が低下したりする可能性があるため、その平均表面積は30m2/g以上であるが好ましく、中でも100m2/g以上であるのがさらに好ましい。
各導電性樹脂層5における導電性材料の含有量は、主成分樹脂であるエチレン系共重合体100質量部に対し1~40質量部であるのが好ましい。導電性材料の含有量が1質量部以上であれば、表面固有抵抗を低く抑えることができる。他方、40質量部以下であれば、本隔壁材1の柔軟性を維持することができる。かかる観点から、各導電性樹脂層5における導電性材料の含有量は、主成分樹脂であるエチレン系共重合体100質量部に対し1~40質量部であるのが好ましく、中でも15質量部以上或いは35質量部以下、その中でも25質量部以上或いは35質量部以下であるのがさらに好ましい。
(その他の樹脂)
導電性樹脂層5は、必要に応じて、エチレン系共重合体以外のその他の樹脂を含んでいてもよい。
上記「その他の樹脂」としては、例えばEVOH、EPR、EPDMなどエチレン骨格を有する樹脂を挙げることができる。
(その他の成分)
導電性樹脂層5は、必要に応じて、樹脂以外のその他の成分を含有することができる。
その他の成分としては、例えば滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、難燃剤、着色剤、分散剤等の公知の添加剤を挙げることができる。
<他の樹脂層>
樹脂層3は、非導電性樹脂層4及び導電性樹脂層5以外の他の樹脂層を備えることも可能である。すなわち、各樹脂層3を3層以上の多層構成とすることも可能である。但し、その場合も、導電性樹脂層5が最表面層となるように配置するのが好ましい。
<厚さ>
本隔壁材1全体の厚さは、0.2mm~1.5mmであるのが好ましい。
本隔壁材1全体の厚さが1.5mm以下であれば、折り畳み作業性が悪くなるのを防ぐことができ、0.2mm以上であれば、本隔壁材1の強度が低くなるのを防ぐことができるから、好ましい。
かかる観点から、本隔壁材1全体の厚さは0.2mm~1.5mmが好ましく、中でも0.4mm以上或いは1.2mm以下、その中でも0.6mm以上或いは1.0mm以下であるのがさらに好ましい。
導電性樹脂層5の各層の厚さは20μm~300μmであるのが好ましい。
導電性樹脂層5の各層の厚さが20μm以上であれば、本隔壁材1を用いてフレキシブルコンテナを形成して使用した際に、導電樹脂層の耐久性を保持することができ、300μm以下であれば、本隔壁材1の柔軟性を損なわないことから、好ましい。
かかる観点から、導電性樹脂層5の各層の厚さは、20μm~300μmであるのが好ましく、中でも30μm以上或いは200μm以下、その中でも40μm以上或いは100μm以下であるのがさらに好ましい。
本隔壁材1全体の厚さに対する、導電性樹脂層5、5の合計厚さの比率は、導電層の耐久性の観点より2.5%以上あるのが好ましく、中でも5%以上、その中でも10%以上であるのがさらに好ましい。他方、高周波溶着性の観点から、50%以下であるのが好ましく、中でも30%以下、その中でも20%以下であるのがさらに好ましい。
<表面固有抵抗>
本隔壁材1においては、表裏両面の表面抵抗がいずれも103Ω~108Ωであるのが好ましい。
本隔壁材1を導電性フレキシブルコンテナ内に配置する隔壁材に用いる場合、本隔壁材1の表裏両面の表面抵抗を抑える必要があるため(JIS C 61340 4-4)、かかる観点から、本隔壁材1の表裏両面の表面抵抗はいずれも103Ω~108Ωであるのが好ましく、中でも2×103Ω以上或いは105Ω以下、その中でも3×103Ω以上或いは104Ω以下、その中でも特に4×103Ω以上或いは9×103Ω以下であるのがさらに好適である。
<製造方法>
本隔壁材1は、織編み物からなる基布2の表裏両面が非導電性樹脂層4で被覆されてなる積層シート6を作製又は用意し、当該積層シート6の表裏方向外側にそれぞれ、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む導電性樹脂シート7,7を重ねてラミネート接着することにより得ることができる。
この際、積層シート6の表裏方向外側にそれぞれ導電性樹脂シート7,7を重ねてラミネート接着するタイミングは、同時でも、逐次でもよいが、同一の製造ラインにて略同時に行うのが好ましい。
但し、本隔壁材の製造方法がかかる製造方法に限定されるものではない。
前記積層シート6、すなわち、織編み物からなる基布2の表裏両面が非導電性樹脂層4、4で被覆されてなる積層シート6は、公知の方法により製造することができる。
例えば、非導電性樹脂層用フィルムの成型加工と同時に、これを基布2の片面ずつに熱ラミネートするトッピング法、または、非導電性樹脂層用フィルムを一担成型加工した後にラミネーターを使用して2枚の非導電性樹脂層用フィルムを一度に熱圧着して基布2のサンドイッチ積層を行う方法などを挙げることができる。
例えば、カレンダー加工、又はTダイ若しくは環状ダイ等を備えた成形機、好ましくは逆L字型カレンダー加工成形機などにより、非導電性樹脂層形成用樹脂組成物をフィルム状又はシート状に溶融押出して非導電性樹脂層用フィルムを作製し、次に、この非導電性樹脂層用フィルムを、ラミネーターにより基布2の両面に熱圧着して積層シート6を作製する方法を採用することができる。このとき、基布2の目抜け空隙部を介在して表と裏の非導電性樹脂層4、4が部分的に熱溶融ブリッジしてアンカー(投錨食込)効果を発揮する。
但し、前記積層シート6の作製方法を上記方法に限定するものではない。
ここで、本隔壁材の製造方法の一例として、図2に示すように、カレンダー加工成形機9により非導電性樹脂層形成用樹脂組成物4Aをシート状に溶融押出して非導電性樹脂層用フィルム4Bを作製すると共に、この非導電性樹脂層用フィルム4Bを、ラミネーター等により基布2に熱圧着して積層シート6を作製し、この積層シート6の表裏方向外側にそれぞれ前記導電性樹脂シート7、7を重ねて同時にラミネート接着する方法を挙げることができる。
これに対し、前記積層シート6の一面に導電性樹脂シート7をラミネートした後、必要に応じて裏返して、前記積層シート6の他面に導電性樹脂シート7を逐次のタイミングでラミネートすると、ラミネート時の熱により樹脂が軟化するため、導電性樹脂中の導電性材料が沈降して表面の導電性材料濃度が低下するため、表面抵抗率が上昇してしまう。これに対し、前述のように、前記積層シート6の表裏方向外側にそれぞれ、前記導電性樹脂シート7、7を重ねて同時にラミネート接着することにより、導電性材料の沈降を防いで表面抵抗率の上昇を抑制することができ、表裏両面の表面抵抗を上記のように調整することができる。
<用途>
本隔壁材1は、両面が導通性を有しているから、両面が充填物と接触する可能性のある部材、例えばフレキシブルコンテナ内に配置される隔壁などの部材の材料として特に好適である。
よって、次に、本隔壁材1を用いたフレキシブルコンテナについて説明する。
<<本フレキシブルコンテナ>>
本発明の実施形態の一例に係るフレキシブルコンテナ(「本フレキシブルコンテナ」と称する)10は、本隔壁材1からなる隔壁11を備えたフレキシブルコンテナである。
本フレキシブルコンテナ10の形状は任意である。例えば、丸型、角型、その他の形状であってもよい。ここでは、角型コンテナについて説明する。
本フレキシブルコンテナ10は、図3に示すように、少なくとも上部が解放された上面視略四角状を呈する袋体11と、コンテナ内部すなわち袋体内の4隅それぞれに、上面視斜めに付設された隔壁12,12,12,12とを有している。
袋体11は、底部と側面とを有する上面視略四角状を呈する袋体であり、例えば図5に示すように、周壁部13と、該周壁部13の上端側を覆う上壁部14と、該周壁部13の下端側を覆う下壁部15と、該上壁部14に設けられた注入口16と、該下壁部15に設けられた排出口17と、アース線接続部18とを備えている。但し、袋体11の形状は任意である。
袋体11は、一重構成のものでも、二重構成のものでも、さらなる多重構成のものでもよく、その内の最も内側の部材(「内壁材」とも称する)、すなわち、充填物と接触する内壁材は、導電層を内側にして片面導電性ターポリンにより形成されているのが好ましい。
この際、前記片面導電性ターポリンは、基布の一方の面に導電性樹脂層が積層し、他方の面に非導電性樹脂層が積層されたものであるのが好ましく、該導電性樹脂層がフレキシブルコンテナの内側となるように配置して、各部を構成する片面導電性ターポリン同士を互いに接合して所定の形状に加工すればよい。この際、接合方法としては、例えば高周波溶着加工法、熱溶着加工法、熱板プレス加工、熱風溶着加工法、超音波溶着等を挙げることができる。
片面導電性ターポリンの内側は、内容物と接触する面であるため、その導電性樹脂層はアース線接続部18と電気的に導通している必要がある。
アース線接続部18は、アース線を接続することにより、本フレキシブルコンテナ10に蓄積した静電気をコンテナ外に逃がすように作用する。
アース線接続部18は、(a)金属線、金属線を繊維に撚り混ぜた布、紐、炭素繊維を他の繊維に撚り混ぜた布、紐、(b)カーボンブラック、金属粒子などの導電性材料を樹脂に練り混んでなるシートやテープ、これらを加工した紐、(c)金属線、炭素繊維、導電糸を織り込んだり、編み込んだりした織編物のテープ、織布にカーボンブラック、金属粒子などを練り混んだ樹脂またはゴムを被覆したシートやテープなどの導電性のテープ状物などの部材を、袋体11の各部位に取り付けることで形成することができる。
アース線接続部18の取り付け方法としては、(a)フレキシブルコンテナの大口径筒状体の上下に、上壁、下壁を取り付ける際に、内面に同時に取り付ける方法、(b)筒状フレキシブルコンテナの上壁、下壁に、筒状注排出口の取り付ける際に、内面に同時に取り付ける方法、(c)フレキシブルコンテナを作成する際、または作成した後に、内面に縫着法により取り付ける方法、(d)熱溶着法により取り付ける方法などを挙げることができる。
中でも、本フレキシブルコンテナ10におけるアース線接続部18は、後述する片面導電性ターポリン20若しくは本隔壁材1を帯状もしくは短冊状とし、この長手方向の一端側を、袋体11の各部、例えば上壁部の上面、下壁部の下面、排出口の外周面などに接合、好ましくは溶着するようにして形成するか、下面もしくは上面の一部を端子形状に吐出させ形成する(参考:特願2018-238470)のが好ましい。
なお、アース線接続部18の個数及び配置はこれに限定されるものではない。
片面導電性ターポリン20の導電性樹脂層及び本隔壁材1の導電性樹脂層は全て、アース接続部18と電気的に導通している必要がある。
隔壁12は、本隔壁材1から形成されたものであり、図3及び図4に示すように、コンテナの底部から所定の高さを有する略矩形状のシート状の部材であり、シート状面内の適宜箇所に開口部12Aを有している。
隔壁12は、コンテナ内の4隅それぞれにおいて、その左右両端が、コンテナ内壁の側面に固着され、各隅部において上面視斜めに渡るように付設されており、それによって、本フレキシブルコンテナ10は上面視角型形状を保持することができる。
なお、隔壁12の形状及び配置構成は任意であり、例えば図3及び図4に示すように、各隅部に隔壁12をそれぞれ配置するように、開口部を有する1つの壁面の左右両側に固着縁部を備えた形状としてもよいし、また、図9、10に示すように、2つの隅部に渡って1つの隔壁12を配置し合計2つの隔壁12を配置するように、開口部を有する2つの壁面を中央面部を介して連結し、各壁面の左右両側に固着縁部を備えた形状としてもよい。
袋体11の各部及びアース線接続部18を構成する前記片面導電性ターポリンは、上述のように、基布の一方の面に導電性樹脂層が積層し、他方の面に非導電性樹脂層が積層された片面導電性ターポリンから形成するのが好ましい。
中でも、前記片面導電性ターポリンの好ましい一例として、前述した本隔壁材1との溶着性の観点から、織編み物からなる基布21の表裏両面が、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない樹脂層(「非導電性樹脂層」と称する)22で被覆され、一方の非導電性樹脂層22の表裏方向外側にのみ、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む樹脂層(「導電性樹脂層」と称する)23を備えた片面導電性ターポリン20を挙げることができる。
前記片面導電性ターポリン20における基布21、非導電性樹脂層22の主成分樹脂であるエチレン系共重合体、導電性樹脂層23の主成分樹脂であるエチレン系共重合体、導電性樹脂層23の導電性材料はそれぞれ、本隔壁材1における基布2、非導電性樹脂層4の主成分樹脂であるエチレン系共重合体、導電性樹脂層5の主成分樹脂であるエチレン系共重合体、導電性樹脂層5の導電性材料と同様である。但し、それぞれは同じ種類のものであっても、異なる種類のものであってもよい。
本フレキシブルコンテナ10においては、内面全面、すなわち、袋体11の内壁材の内面全面と隔壁12とを電気的に導通させることにより、より少ないアース機構で静電気を除電することができる。そのため、袋体11の内壁材を構成する片面導電性ターポリン20の導電性樹脂層23と、隔壁12を構成する本隔壁材1の導電性樹脂層5とを、接着剤などを介さず、直接溶着するようにするのが好ましい。
この際の溶着方法としては、コテ溶着、熱板式溶着、熱風式溶着などの熱溶着のほか、高周波溶着、超音波溶着などを挙げることができる。中でも、溶着させたい箇所だけを内部加熱することができるため、溶着時間が短時間であり、周りの溶着しない部分には熱の影響がなく、仕上がりが綺麗である点などから、高周波溶着(高周波ウェルダー)による溶着が好ましい。但し、スパークが発生する可能性があるため、次のように溶着するのが好ましい。
例えば図7に示すように、本フレキシブルコンテナ10の袋体11を構成する片面導電性ターポリン20の内面すなわち導電性樹脂層23に、隔壁12を構成する本隔壁材1の両端の一定幅部分を重ねて、この重ねた部分において、前記隔壁12を構成する本隔壁材1の導電性樹脂層5の表面に、絶縁シート30を介して、高周波溶着機31の金型(電極)32を当てて高周波溶着を実施して、袋体11を構成する片面導電性ターポリン20の導電性樹脂層23と隔壁12を構成する本隔壁材1の導電性樹脂層5とを溶着するのが好ましい。
このように溶着すればスパークの発生を防ぐことができる。
この際、絶縁シート30としては、電磁波絶縁性を有する公知の絶縁シートを適宜用いることができる。例えばポリイミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニルなどのシートを挙げることができる。但し、これらに限定されるものではない。
また、例えば図8に示すように、本フレキシブルコンテナ10の袋体11を構成する片面導電性ターポリン20の内面すなわち導電性樹脂層23に、隔壁12を構成する本隔壁材1の両端の一定幅部分を重ねて、この重ねた部分において、前記袋体11を構成する片面導電性ターポリン20の外面すなわち非導電性樹脂層22の表面に、高周波溶着機31の金型(電極)32を当てて高周波溶着を実施して、袋体11を構成する片面導電性ターポリン20の導電性樹脂層23と隔壁12を構成する本隔壁材1の導電性樹脂層5とを溶着するのが好ましい。
このように溶着しても、スパークの発生を防ぐことができる。
なお、高周波溶着(高周波ウェルダー)の条件は特に限定するものではない。通常は、周波数10~100MHzの範囲で、1~60秒の溶着時間で行うのが一般的である。
本フレキシブルコンテナ10は、全てのアース線接続部18と全ての隔壁12との間、並びに、アース線接続部18と袋体11の内面すなわち袋体11の内壁材の内面との間の抵抗はいずれも、1×1010Ω以下であるのが好ましく、特に1×108Ω未満とするのがより好ましい。
各間の抵抗を上記範囲にすることにより、静電気が発生しても、アース(接地)により除電することができるから、好ましい。
各間の抵抗を上記範囲に調整するためには、隔壁12の両面の抵抗、並びに、袋体11の内壁材表面の抵抗を調整し、さらに上述のように両者を、接着剤を介さず溶着すればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
<<語句の説明など>>
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シート及びフィルムを包含するものである。
本明細書において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。但し、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
以下の実施例、比較例で使用した基布、樹脂及び導電性材料は次の通りである。
基布:繊度750デニールのポリエステル繊維を、20×20本/インチ打ち込みの平織物
EVA1:エチレン-酢酸ビニル共重合体であって、酢酸ビニル含量が20質量%、MFR(JIS K7210、温度190℃、荷重2.16kg)2.0g/10分
EVA2:エチレン-酢酸ビニル共重合体であって、酢酸ビニル含量が10質量%、MFR(JIS K7210、温度190℃、荷重2.16kg)2.0g/10分
EVA3:エチレン-酢酸ビニル共重合体であって、酢酸ビニル含量が8質量%、MFR(JIS K7210、温度190℃、荷重2.16kg)2.0g/10分
EVA4:エチレン-酢酸ビニル共重合体であって、酢酸ビニル含量が15質量%、MFR(JIS K7210、温度190℃、荷重2.16kg)2.0g/10分
カーボンブラック:DBP吸着油量180ml/10g、比表面積50m2/g、粒子径50nm
[実施例1]
図2に示すように、カレンダー加工により、上記EVA1からなる非導電性樹脂層形成用樹脂組成物4Aをシート状に溶融押出して非導電性樹脂層用フィルム4Bとし、この非導電性樹脂層用フィルム4Bを上記基布2に熱圧着して、基布2の表裏方向両面に、厚さ0.3mmの非導電性樹脂層4,4を形成して積層シート6とし、この積層シート6の表裏方向両面にそれぞれ、上記EVA2(100質量部)に対し上記カーボンブラック33.3質量部を配合してなる導電性樹脂層形成用樹脂組成物からなる導電性樹脂シート7を同時に重ねてラミネート融着して、積層シート6の表裏方向両面に、厚さ0.05mmの導電性樹脂層5、5を形成し、全体厚さ0.85mmの両面導電性ターポリン(サンプル)を作製した。
表裏表側の導電性樹脂層5の表面固有抵抗はいずれも4×104Ωであった。
[実施例2]
実施例1におけるEVA2を、酢酸ビニル含量8%のEVA3に変更した以外、実施例1と同様にして両面導電性ターポリン(サンプル)を作製した。表裏表側の導電性樹脂層5の表面固有抵抗はいずれも4×10Ωであった。
[実施例3]
実施例1におけるEVA2を、酢酸ビニル含量15%のEVA4に変更した以外、実施例1と同様にして両面導電性ターポリン(サンプル)を作製した。表裏表側の導電性樹脂層5の表面固有抵抗はいずれも4×10Ωであった。
[比較例1]
実施例1において、カーボンブラックを配合しなかった以外、実施例1と同様にして導電性ターポリン(サンプル)を作製した。表裏表側の導電性樹脂層5の表面固有抵抗はいずれも1×1015Ωであった。
[比較例2]
実施例1におけるカーボンブラックの配合量を42.9質量部に変更した以外、実施例1と同様にして両面導電性ターポリン(サンプル)を作製した。表裏表側の導電性樹脂層5の表面固有抵抗はいずれも5×10Ωであった。
<導電性フレキシブルコンテナの作製>
(片面導電性ターポリンの作製)
カレンダー加工により、上記EVA1からなる非導電性樹脂層形成用樹脂組成物をシート状に溶融押出して非導電性樹脂層用フィルムとし、この非導電性樹脂層用フィルムを上記基布に熱圧着して、基布の表裏方向両面に、厚さ0.3mmの非導電性樹脂層を形成して積層シートとし、この積層シートの表裏方向片面に、上記EVA2を100質量部に対し上記カーボンブラック33.3質量部を配合してなる導電性樹脂層形成用樹脂組成物から厚さ0.05mmの導電性樹脂層を形成し、全体厚さ0.8mmの片面導電性ターポリンを作製した。当該導電性樹脂層表面の表面固有抵抗は4×104Ωであった。
このようにして作製した片面導電性ターポリンを用いて、導電性樹脂層が内側に位置するようにして、各部を構成する片面導電性ターポリンの端部同士を高周波溶着によって溶着して、図5に示すように、周壁部13と、該周壁部13の上端側を覆う上壁部14と、該周壁部13の下端側を覆う下壁部15と、該上壁部14に設けられた注入口16と、該下壁部15に設けられた排出口17と、アース線接続部18とを備えた袋体11を作製した。
(隔壁材の作製)
実施例・比較例で作製した両面導電性ターポリン(サンプル)を用いて、図4に示すように、略矩形状シート面内に開口部12A、12A、12A、12Aを設けた隔壁材を作製した。
(角型フレキシブルコンテナの作製)
図3に示すように、上記袋体11の4隅それぞれにおいて、上記隔壁材の左右両端をコンテナ内壁の側面に固着して上面視斜めに付設することにより、角型フレキシブルコンテナを作製した。
この際、図7に示すように、袋体11を構成する片面導電性ターポリン20の導電性樹脂層23に、隔壁12を構成する両面導電性ターポリン(サンプル)の両端の一定幅部分を重ねて、この重ねた部分において、前記隔壁12を構成する両面導電性ターポリン(サンプル)の導電性樹脂層5の表面に、テフロンからなる厚さ0.2mmの絶縁シート30を介して、高周波溶着機31の金型(電極)32を当てて高周波溶着(周波数27MHz、7秒、溶着幅60mm×1m)を実施して、袋体11を構成する片面導電性ターポリン20の導電性樹脂層23と隔壁12を構成する両面導電性ターポリン(サンプル)の導電性樹脂層5とを溶着した。
<評価方法>
実施例、比較例において、各種特性は以下に記載の方法で評価した。
(1)表面固有抵抗
実施例・比較例で作製した導電性ターポリン(サンプル)につき、JIS K7194に準拠して、表面固有抵抗を測定した。
(2)高周波溶着加工性
後述するように、片面導電性ターポリンと両面導電性ターポリン(サンプル)とを高周波溶着した際、この溶着部につき、JFC007に準じて剥離強度を測定し、次の基準で評価した。
溶着部剥離強度が25kg以上のものを「○:good」、20kg未満のものを「×:poor」と評価した。
Figure 2023072725000002
<考察>
上記実施例・比較例の結果並びにこれまで本発明者が行ってきた試験の結果から、基布の表裏両面を、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない非導電性樹脂層で被覆し、さらにその表裏方向外側に、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む導電性樹脂層を積層して、表裏両面の表面抵抗をいずれも103Ω~108Ωとすれば、両面に十分な導電性を有し、かつ、表面抵抗率を十分に低くすることができ、高周波溶着を実施することができることが確認された。
また、高周波溶着適正を維持する観点から、非導電性樹脂層におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合は6~30%であるのが好ましく、導電性樹脂層におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合は5~20%であるのが好ましいことが分かった。
さらに、非導電性樹脂層におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合は、導電性樹脂層におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合よりも高いことが好ましいことも分かった。
1 隔壁材
2 基布
3 樹脂層
4 非導電性樹脂層
4A 非導電性樹脂層形成用樹脂組成物
4B 非導電性樹脂層用フィルム
5 導電性樹脂層
6 積層シート
7 導電性樹脂シート
9 カレンダー加工成形機
10 フレキシブルコンテナ
11 袋体
12 隔壁
13 周壁部
14 上壁部
15 下壁部
16 注入口
17 排出口
18 アース線接続部
20 片面導電性ターポリン
21 基布
22 非導電性樹脂層
23 導電性樹脂層
30 絶縁シート
31 高周波溶着機
32 金型(電極)

Claims (8)

  1. フレキシブルコンテナ内に配置するフレキシブルコンテナ用隔壁材であって、
    織編み物からなる基布の表裏両面が樹脂層で被覆されてなる構成を有し、
    前記樹脂層はいずれも、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない樹脂層(「非導電性樹脂層」と称する)と、その表裏方向外側に、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む樹脂層(「導電性樹脂層」と称する)とを備えており、
    表裏両側の表面抵抗がいずれも103Ω~108Ωである、フレキシブルコンテナ用隔壁材。
  2. 非導電性樹脂層及び導電性樹脂層の前記エチレン系共重合体が、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、EMA(エチレン・アクリル酸メチル共重合体)及びEMMA(エチレン・メタクリル酸共重合体)の何れか1種又はこれらのうちの2種以上を含む、請求項1に記載の隔壁材。
  3. 非導電性樹脂層におけるエチレン系共重合体のエチレンと共重合するモノマー(「共重合モノマー」と称する)の共重合割合は、導電性樹脂層におけるエチレン系共重合体の共重合モノマーの共重合割合よりも高いことを特徴とする、請求項1又は2に記載の隔壁材。
  4. 前記非導電性樹脂層と前記導電性樹脂層は融着されてなる構成を備えた、請求項1~3のいずれか1項に記載の隔壁材。
  5. 織編み物からなる基布の表裏両面が、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない樹脂層(「非導電性樹脂層」と称する)で被覆され、一方の非導電性樹脂層の表裏方向外側にのみ、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む樹脂層(「導電性樹脂層」と称する)とを備えた片面導電性ターポリンからなるフレキシブルコンテナの内壁材と、請求項1~4のいずれか1項に記載の隔壁材とを備え、
    前記内壁材の前記導電性樹脂層と、前記隔壁材の前記導電性樹脂層とが、溶着されてなる構成を備えたフレキシブルコンテナ。
  6. フレキシブルコンテナのアース線接続部と前記隔壁との間、並びに、フレキシブルコンテナのアース線接続部と前記内壁材の内面との間の抵抗がいずれも、1×1010Ω以下である請求項5に記載のフレキシブルコンテナ。
  7. 織編み物からなる基布の表裏両面が、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない樹脂層(「非導電性樹脂層」と称する)で被覆され、一方の非導電性樹脂層の表裏方向外側にのみ、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む樹脂層(「導電性樹脂層」と称する)を備えた片面導電性ターポリンからなるフレキシブルコンテナの内壁材の一部と、請求項1~4のいずれか1項に記載の隔壁材の一部とを重ねて、この重ねた部分において、隔壁材の導電性樹脂層の表面に、絶縁シートを介して、高周波溶着機の金型(電極)を当てて、内壁材の導電性樹脂と隔壁材の導電性樹脂層とを溶着することを特徴とする、フレキシブルコンテナの製造方法。
  8. 織編み物からなる基布の表裏両面が、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含まない樹脂層(「非導電性樹脂層」と称する)で被覆され、一方の非導電性樹脂層の表裏方向外側にのみ、エチレン系共重合体を主成分樹脂として含み、導電性材料を含む樹脂層(「導電性樹脂層」と称する)を備えた片面導電性ターポリンからなるフレキシブルコンテナの内壁材の一部と、請求項1~4のいずれか1項に記載の隔壁材の一部とを重ねて、この重ねた部分において、内壁材の導電性樹脂の表面に高周波溶着機の金型(電極)を当てて、内壁材の導電性樹脂と隔壁材の導電性樹脂層とを溶着することを特徴とする、フレキシブルコンテナの製造方法。
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