JP2023071243A - 放射線撮影装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023071243000001
【課題】放射線撮影装置の外観を損なうことなく、筐体の表面が十分な塗膜強度で抗菌加工された放射線撮影装置を提供する。
【解決手段】入射した放射線を放射線画像に係る電気信号に変換する放射線検出器と、放射線検出器を内包する筐体と、を有する放射線撮影装置において、筐体の表面の少なくとも一部に抗菌層301が形成されており、抗菌層301の平均厚みは、0.05μmよりも大きく且つ0.5μmよりも小さい。
【選択図】図3

Description

本発明は、放射線を用いて被検体の撮影を行う放射線撮影装置及びその製造方法に関するものである。
撮影対象物である被検体を透過した放射線の強度分布を検出して放射線画像を得る放射線撮影装置が、医療診断の場面や工業用の非破壊検査の場面で広く一般に利用されている。放射線画像を得る放射線撮影装置としては、例えば、半導体プロセス技術を応用した微小な光変換素子とスイッチング素子からなる画素を格子状に配列した平面検出器(Flat Panel Detector)を利用した撮影装置が実用化されている。
上述した放射線撮影装置は、医療現場における様々な場面で使用され、一般撮影室のみならず、院内回診や救急の際にも使用される。そして、放射線撮影装置は、医療現場では様々な状態の患者に対して直接接触して使用されることがあるため、使用後に、清掃及びアルコールなどの薬剤による消毒が行われることが多い。しかしながら、状況によっては、放射線撮影装置の清掃や消毒が十分にできない場面も想定される。この際、放射線撮影装置に抗菌加工を施すことができれば、感染リスクを減らす有効な手段となりうる。
一方で、可搬型の放射線撮影装置は、患者等の被検体の下に挿入された上での撮影や、回診車に設けられたボックス或いは保管庫等への出し入れが頻繁に行われるため、その筐体(「外装」ともいう)の表面には耐擦過性が求められる。例えば、放射線撮影装置の筐体に抗菌加工を行う場合、剥がれ落ちた抗菌剤が患者に付着したり傷口などに入り込んだりする危険性も考えられるため、抗菌剤を塗布した際の抗菌層の塗膜強度は重要である。
特開2012-139690号公報 特開2021-51069号公報
放射線撮影装置は、大きなサイズでは460mm×460mmほどのサイズにもなり、一方で、厚みは15mm程度と非常に薄い。さらに、厚み15mm程度の中に、上述した平面検出器に相当する放射線検出器や、放射線検出器を支持する支持基台、その他に電気基板類等の多くの部品が収容されている。したがって、放射線撮影装置の筐体を構成する部材は、大面積でありながら非常に薄いものとなる。
また、放射線撮影装置は、患者等の被検体の下に敷かれて使用されることや、誤ってユーザーが落として衝撃を受けることもありうるため、これらに耐えられる堅牢性も求められる。さらに、放射線撮影装置は、ユーザーが持ち運ぶことを考慮すると、できるだけ軽量であることが望ましい。これらの諸特性を満たす筐体の材料として、例えば、CFRPが採用されることが多い。
一般的に、抗菌加工で塗膜強度を得るためには、加熱処理により抗菌剤同士や、抗菌剤と基材とを融着させたり、硬化剤を入れて熱硬化させたりする手法が考えられる。しかしながら、薄い大面積の筐体(例えば、CFRPで形成された筐体)に熱をかけると、変形や収縮が起こり、放射線撮影装置の筐体の外観異常や破損に繋がる恐れがある。したがって、常温で抗菌加工することが好ましいが、常温では高い塗膜強度を持たせることが困難であった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、放射線撮影装置の外観を損なうことなく、筐体の表面が十分な塗膜強度で抗菌加工された放射線撮影装置を提供することを目的とする。
本発明の放射線撮影装置は、入射した放射線を放射線画像に係る電気信号に変換する放射線検出器と、前記放射線検出器を内包する筐体と、を有し、前記筐体の表面の少なくとも一部に抗菌層が形成されており、前記抗菌層の平均厚みは、0.05μmよりも大きく且つ0.5μmよりも小さいことを特徴とする。
また、本発明は、上述した放射線撮影装置の製造方法を含む。
本発明によれば、放射線撮影装置の外観を損なうことなく、筐体の表面が十分な塗膜強度で抗菌加工された放射線撮影装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る放射線撮影装置の外観の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る放射線撮影装置において、図1(b)のA-A'断面における内部構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る放射線撮影装置において、図2の破線部Bで囲んだフロントカバー付近の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る放射線撮影装置において、図2の破線部Cで囲んだフレーム付近の構成例を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。なお、本発明の実施形態で説明する構成の詳細は、明細書及び図面に示すものに限定されるものではない。また、本発明の実施形態において、放射線は、X線を用いることが好適ではあるが、本発明においては、このX線に限定されるものではなく、例えば、α線やβ線、γ線なども、放射線に含まれるものとする。
図1は、本発明の実施形態に係る放射線撮影装置100の外観の一例を示す図である。具体的に、図1(a)は、本実施形態に係る放射線撮影装置100の筐体を、放射線Rが入射する放射線入射面101の側から見た図である。そして、この図1(a)には、放射線Rが入射する方向をZ方向とし、当該Z方向に直交する2方向であって相互に直交する方向をX方向及びY方向とした、XYZ座標系を図示している。また、図1(b)は、本実施形態に係る放射線撮影装置100の筐体を、図1(a)に示す放射線入射面101とは反対側に位置する背面102の側から見た図である。そして、この図1(b)には、図1(a)に示すXYZ座標系に対応するXYZ座標系を図示している。
図1(a)に示すように、放射線撮影装置100の筐体において、放射線入射面101を構成する部材としてフロントカバー111が配置されている。また、図1(b)に示すように、放射線撮影装置100の筐体において、背面102を構成する部材としてリアカバー112が配置されている。また、リアカバー112には、図1(b)に示すように、ユーザーが放射線撮影装置100の筐体を手で持ちやすいように把持部1121が設けられている。
さらに、図1(a)に示すように、放射線撮影装置100の筐体において、放射線入射面101に対する側面103を構成する部材としてフレーム113が配置されている。このフレーム113は、放射線撮影装置100の筐体の側面103において、フロントカバー111とリアカバー112との間に介在して配置されており、これらのカバーと結合されている。また、フレーム113には、図1(a)に示すように、電源スイッチやバッテリ残量を示すLED、撮影準備状態を示すレディスイッチ、電源ケーブルとのコネクタ等のユーザーインターフェース120が設けられている。
また、放射線撮影装置100の筐体において、フロントカバー111の放射線入射面101の側には、撮影領域の中心やユーザーインターフェース120等の位置を示す指標が印刷されている。ここで説明した指標は、例えばCFRP等で構成されたフロントカバー111に直接塗装を施して付されていてもよく、また、シート材に印刷された化粧シート等を貼り合わせて付されていてもよい。
また、放射線撮影装置100の筐体の表面には、抗菌剤の塗布による抗菌層が形成されている。この際、本実施形態においては、抗菌層は、放射線撮影装置100の筐体の全面でなく部分的に形成されていてもよい。即ち、本実施形態においては、抗菌層が、放射線撮影装置100の筐体の表面の少なくとも一部に形成されている態様も含まれる。また、本実施形態では、特に、被検者である患者の接触部分である放射線入射面101やユーザーが触れる把持部1121等に抗菌剤を塗布して抗菌層が形成されていると、感染症リスクを低減するのに効果的である。
図2は、本発明の実施形態に係る放射線撮影装置100において、図1(b)のA-A'断面における内部構成の一例を示す図である。この図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する、また、この図2には、図1(b)に示すXYZ座標系に対応するXYZ座標系を図示している。
図2に示すように、放射線撮影装置100の筐体110は、放射線入射面101を構成する部材であるフロントカバー111、背面102を構成する部材であるリアカバー112、及び、側面103を構成する部材であるフレーム113を有して構成されている。なお、本実施形態では、放射線撮影装置100の筐体110を3つの部材(111~113)で構成しているが、これらが一体化した部材によって構成されていてもよい。
放射線撮影装置100の筐体110の内部には、放射線検出器130、放射線遮蔽シート140、支持基台150、基板160、衝撃吸収シート170、バッテリ(不図示)等が所定の位置に配置されて内包されている。
放射線検出器130は、放射線発生装置(不図示)によって発せられ、被検体を透過した放射線Rを検出する放射線検出パネルである。具体的に、放射線検出器130は、入射した放射線Rを放射線画像に係る電気信号に変換することによって、放射線Rを検出する放射線検出パネルである。この放射線検出器130で取得された放射線画像に係る電気信号は、放射線撮影装置100の外部に転送され、モニタ等に放射線画像として表示されて診断等に使用される。放射線検出器130は、一般的にガラス基板を用いて形成されているため、強い衝撃や荷重、変位を受けると、破損する恐れがある。そのため、放射線検出器130は、高い強度と平面性を有する支持基台150に張り合わされている。
放射線遮蔽シート140は、被検体及び放射線検出器130を透過した放射線Rから電気基板等の基板160を保護する機能や、透過した放射線Rが反射等によって放射線検出器130に再入射することを防ぐ機能を有する。
支持基台150は、放射線遮蔽シート140を介して、放射線検出器130を支持する基台である。
基板160は、支持基台150よりも背面102の側に配置された電気基板等の基板である。
衝撃吸収シート170は、フロントカバー111と放射線検出器130との間に介在し、筐体110が受けた衝撃を吸収して、放射線検出器130等を保護するためのシートである。
また、放射線撮影装置100は、製品によっては、15mm程度の厚みに抑えることがJIS規格で定められており、上述した内部部品(130~170)を厚みの薄い筐体110の内部に収めることが必要となる。
放射線入射面101から放射線検出器130までの間に配置された部品を原子量の大きな物質で形成すると、放射線Rの透過量が低下してしまい、高精細な画質の放射線画像が得られなくなることや、放射線Rの線量を上げる必要性が生じてしまう。したがって、放射線入射面101を構成する部材であるフロントカバー111は、基本的には、金属材料ではなく樹脂材料で構成されることが多い。この際、フロントカバー111を構成する樹脂材料としては、堅牢性や重量の観点からCFRPが好適である。そして、本実施形態においては、CFRPで構成されたフロントカバー111の厚みは、1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。
放射線入射面101は、患者等の被検体との接触面でもあり、放射線Rが透過する面でもあるため、基本的には、大きな凹凸形状は無く、平坦な面で構成されている。一方、背面102には、図1(b)に示すように放射線撮影装置100をユーザーが掴みやすくするための凹部形状の把持部1121や、バッテリ収容部(不図示)等が設けられている。また、側面103には、図1(a)に示すように電源ボタンや電源ケーブルとのコネクタ等のユーザーインターフェース120が設けられている。したがって、背面102や側面103には、凹凸や段差、溝等が形成されることになる。
背面102を構成するリアカバー112や側面103を構成するフレーム113は、放射線Rの透過率への影響が少ないため、重量の観点を除けば、放射線入射面101を構成するフロントカバー111のように樹脂材料で構成する必要性はない。逆に、照射された放射線Rが撮影室内で反射し、再び放射線撮影装置100の内部に入り込むのを抑制できるため、背面102を構成するリアカバー112や側面103を構成するフレーム113は、金属材料を用いて構成する利点がある。背面102を構成するリアカバー112や側面103を構成するフレーム113に金属材料を採用する場合には、できるだけ軽量な材料が好ましく、例えばMgやAlが好適である。なお、本実施形態においては、筐体110において背面102を構成する部材であるリアカバー112または側面103を構成する部材であるフレーム113の少なくとも一部が金属材料で構成されている態様も含まれる。
次に、本実施形態において、放射線撮影装置100の筐体110の表面の少なくとも一部に抗菌層を形成する際に塗布される抗菌剤について説明する。
本実施形態における抗菌剤とは、少なくとも細菌やウィルスの増殖を抑制する効果を持つ物質のことを示しており、また、殺菌効果を示すものも抗菌剤に含めている。抗菌剤としては、有機系や無機系など様々な抗菌剤が提案されているが、耐薬品性や人体への影響を考慮すると無機系が好ましい。この際、無機系の抗菌剤としては、チタン系、銀系、銅系、亜鉛系、水銀系等が挙げられるが、抗菌効果と患者等である被検体の接触部への使用の観点を考慮すると、チタン系や銀系、銅系の抗菌剤が特に好ましい。
また、近年では、抗菌剤として光触媒が用いられることが多い。特に、酸化チタンをベースとした抗菌剤の開発が進んでおり、紫外線だけでなく、微弱な可視光でも抗菌効果を示す抗菌剤が開発されている(特許文献1参照)。また、酸化チタンは、人体への影響も少ない。さらに、患者等である被検体の接触面に用いても、ベタツキ感等が少ないため、放射線撮影装置100への用途として適している。この酸化チタンには、アナターゼ、ルチル、ブルックカイト、アモルファス等があるが、抗菌効果の観点から、アナターゼやルチルが好ましい。本実施形態において、抗菌剤として酸化チタンを使用した場合には、酸化チタンそのものだけではなく、酸化チタンをベースとした抗菌剤も含む。また、本実施形態においては、酸化チタンは、例えば、ヒドロキシアパタイト、活性炭、ゼオライト、シリカゲル等の多孔質部材に担持させたものを用いてもよい。また、シリコーン等の樹脂でコーティングされた酸化チタンや、硫黄等がドープされた酸化チタンを用いてもよい。抗菌剤は、粉末状やゾル状など様々であるが、本実施形態のコーティング用途では、抗菌剤を液体に分散させた状態で塗布することを想定しているため、ゾル化されたものが好ましい。
図3は、本発明の実施形態に係る放射線撮影装置100において、図2の破線部Bで囲んだフロントカバー111付近の構成例を示す図である。この図3において、図1及び図2に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する、また、この図3には、図2に示すXYZ座標系に対応するXYZ座標系を図示している。
図3(a)~図3(e)の各構成例に示すように、本実施形態では、フロントカバー111の放射線入射面101の側に、抗菌層301が形成されている。また、本実施形態においては、フロントカバー111は、CFRPを用いて形成されている。具体的に、図3(a)は、フロントカバー111の放射線入射面101の側に、抗菌層301のみが形成された構成例を示している。図3(b)は、図3(a)に示すフロントカバー111と抗菌層301との間に、下地層302を介在させた構成例を示している。図3(c)は、図3(a)に示すフロントカバー111と抗菌層301との間に、印刷層303を介在させた構成例を示している。図3(d)は、図3(c)に示す印刷層303と抗菌層301との間に、図3(b)に示す下地層302を介在させた構成例を示している。図3(e)は、図3(a)に示すフロントカバー111と抗菌層301との間に、化粧シート304を介在させた構成例を示している。
本実施形態では、フロントカバー111の放射線入射面101の側に形成される抗菌層301の平均厚みが、0.5μmよりも小さいことを特徴とする。図3(a)~図3(e)に示す抗菌層301を極めて薄くすることにより、抗菌層301を形成する際に塗布される抗菌剤同士の接触を減らして、抗菌剤と基材とを積極的に接触させるようにしている。一般的なコーティング用途の抗菌剤においては、抗菌剤を分散させた溶液に硬化剤と反応基とを配合しておくことで、加熱により硬化させて密着性を上げたり、硬化剤がなくても高温で加熱することで抗菌剤同士を強く密着させたりすることが多い。硬化させる手段としては、紫外線によるものもあるが、酸化チタンは、紫外線を吸収するため、紫外線硬化による定着には適していない。
放射線撮影装置100の筐体110を構成する部材、特にCFRPで構成されたフロントカバー111等に熱をかけると、収縮や変形が起きる可能性があり、加熱は好ましくない。放射線撮影装置100の筐体110において、放射線入射面101側のフロントカバー111が湾曲すると、フロントカバー111の側面のエッジが浮き上がることが想定される。そして、フロントカバー111の側面のエッジが浮き上がると、患者等の被検体がエッジに触れて怪我をしたり、フレーム113との間に隙間が生じて、消毒液等が放射線撮影装置100の内部に侵入したり、隙間からの漏光も懸念される。特に、フロントカバー111に塗装が施されている場合には、熱による収縮率の差によって熱をかけた時の変形の影響が大きく、場合によっては塗装にヒビが入ってしまう恐れもある。また、熱による変形は、フロントカバー111の厚みの影響を受ける。フロントカバー111の厚みが1.5mm以下では、60℃程度の温度でも熱変形が起こりやすい。また、フロントカバー111の厚みが1.0mm以下では、50℃以下でも変形する恐れがある。一方で、フロントカバー111の厚みを大きくすると、筐体110の内部に部品を収容できなくなることや重量の増加につながってしまう。このため、本実施形態では、フロントカバー111の厚みは、1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。
また、フロントカバー111の放射線入射面101の側に抗菌層301を形成する際に熱をかけない場合には、抗菌剤同士の密着力が低く、基材との分子間力等で強く密着できていない抗菌剤は、容易に剥がれ落ちてしまう。特に、可搬型(ポータブル)の放射線撮影装置100は、患者である被検体と直接接触して使用されるため、抗菌剤の塗膜強度は重要である。
本実施形態においては、図3(a)~図3(e)に示す、フロントカバー111の放射線入射面101の側に形成される抗菌層301の平均厚みは、0.05μmよりも大きく且つ0.5μmよりも小さいことが好ましい。より好ましくは、フロントカバー111の放射線入射面101の側に形成される抗菌層301の平均厚みは、0.1μm~0.3μm(0.1μm以上で且つ0.3μm以下)である。例えば、フロントカバー111の放射線入射面101の側に形成される抗菌層301の平均厚みが0.5μmよりも大きい場合には、抗菌剤の脱落が生じる恐れがある。即ち、この場合、放射線撮影装置100の外観を損なうとともに、筐体110の表面を十分な塗膜強度で抗菌加工することが困難となる。また、フロントカバー111の放射線入射面101の側に形成される抗菌層301の平均厚みが0.05μmよりも小さい場合、フィルム状の剥がれが起きる恐れや、抗菌剤として酸化チタンを使用する際に紫外線による殺菌効果が得られなくなる可能性がある。即ち、この場合、放射線撮影装置100の外観を損なうとともに、筐体110の表面を十分な塗膜強度で抗菌加工することが困難となる。なお、抗菌層301の平均厚みの測定方法としては、例えば、抗菌層301の断面を走査電子顕微鏡で観察して、複数個所の厚みの平均値を出す方法が挙げられる。
また、本実施形態の放射線撮影装置100では、抗菌層301の密着強度は、例えば、JIS-K5600-5-6で規定されたクロスカット試験における分類2を満たしているものとする。
また、抗菌層301を形成する際に塗布される抗菌剤として使用される酸化チタンは、銀イオン等と異なり固体で使用され、銀イオンのように自身が消費されないため、抗菌効果が長持ちする利点がある。放射線撮影装置100は、複数年に渡って使用されるため、抗菌効果が持続する酸化チタンを抗菌層301を形成する際に塗布される抗菌剤として使用することは好適である。また、本実施形態では、抗菌層301を形成する際に抗菌剤を塗布してコーティングするため、想定外の使用により破損した場合においても再度コーティングすることが可能である。プレプリグの段階で抗菌剤を練りこんだCFRP(特許文献2参照)では、抗菌効果が無くなった場合、高価なCFRP自体を交換する必要が出てくるため好ましくない。
また、本実施形態においては、抗菌層301を形成する際に塗布される抗菌剤の平均粒子径は、10nm~100nm(10nm以上で且つ100nm以下,0.01μm以上で且つ0.1μm以下)が好適である。即ち、本実施形態では、抗菌層301を形成する際に塗布される抗菌剤の平均粒子径が小さいために表面積が大きく、抗菌層301が薄くても抗菌効果を高めることができる。白色顔料として用いられる粉砕型の酸化チタンは、平均粒子径が大きく、可視光も散乱しやすいため、本実施形態の抗菌剤としては好ましくない。
また、本実施形態では、抗菌層301に酸化チタン等の金属材料が含まれているが、図3(a)~図3(e)に示す抗菌層301の平均厚みが0.5μmよりも小さいため、放射線Rの透過率への影響が極めて小さい。また、可視光の波長よりも平均粒子径が小さいため、例えば図3(c)や図3(d)に示す構成例では内部にある印刷層303の視認性への影響も少ない。
図4は、本発明の実施形態に係る放射線撮影装置100において、図2の破線部Cで囲んだフレーム113付近の構成例を示す図である。この図4において、図1~図3に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する、また、この図4には、図2に示すXYZ座標系に対応するXYZ座標系を図示している。
図4に示すように、本実施形態においては、放射線入射面101を構成するフロントカバー111の表面に加えて、背面102を構成するリアカバー112及び側面103を構成するフレーム113の表面にも、抗菌層301が形成されている。この際、図4では、背面102を構成するリアカバー112及び側面103を構成するフレーム113の表面に形成される抗菌層301の平均厚みは、放射線入射面101を構成するフロントカバー111の表面に形成される抗菌層301の平均厚みよりも大きい。具体的に、本実施形態では、上述したように、放射線入射面101を構成するフロントカバー111の表面に形成される抗菌層301の平均厚みは、0.05μmよりも大きく且つ0.5μmよりも小さいことが好適である。そして、本実施形態では、背面102を構成するリアカバー112及び側面103を構成するフレーム113の表面に形成される抗菌層301の平均厚みは、0.5μmよりも大きいことが好適である。
側面103を構成する部材であるフレーム113や背面102を構成する部材であるリアカバー112も、本実施形態の構成によって、熱をかけることなく、耐擦過性に優れた抗菌層301を形成することができる。一方で、背面102や側面103は、上述したように、放射線入射面101よりも抗菌層301に厚みがあっても、放射線Rの透過率への影響が少ない。また、背面102や側面103に指標などの視認性が必要な印刷等が無ければ、必ずしも抗菌層301を薄くする必要性はない。
また、背面102を構成する部材であるリアカバー112や側面103を構成する部材であるフレーム113は、凹凸形状を設けることで強度が増し、材質がCFRPであっても加熱による熱変形を低減することができる。さらに、背面102を構成する部材であるリアカバー112や側面103を構成する部材であるフレーム113を、金属材料で構成すれば、加熱することも可能となる。放射線入射面101を構成する部材であるフロントカバー111は、上述したように、金属材料で構成することは難しい。しかしながら、背面102を構成する部材であるリアカバー112や側面103を構成する部材であるフレーム113であれば、金属材料で構成することが可能である。したがって、背面102を構成する部材であるリアカバー112や側面103を構成する部材であるフレーム113を金属材料で構成した場合には、抗菌剤を塗布した後、加熱によって抗菌剤の密着性を向上させることが可能である。さらに、この場合、アニール処理によって適正な形状に補正することも可能である。
なお、背面102を構成する部材であるリアカバー112や側面103を構成する部材であるフレーム113は、全て金属材料で構成される必要はなく、少なくとも一部が金属材料で構成される形態を採りうる。背面102を構成する部材であるリアカバー112や側面103を構成する部材であるフレーム113は、例えば、加熱による変形が抑えられる範囲で部分的に金属材料を使用し、インサート成形等により金属材料の周囲を樹脂材料で肉付けしてもよい。
また、本実施形態における抗菌剤として光触媒を用いる利点としては、紫外線遮断効果がある。紫外線(UV)で細菌やウィルスを殺菌できることは知られているが、紫外線を照射された材料が紫外線で劣化してしまうという課題がある。光触媒は、紫外線を吸収することができ、さらに本実施形態では極微小な抗菌剤を採用しているため、粒子間の隙間を減らし、光触媒が密集した状態をつくることで紫外線を筐体110の内部へ透過しづらくすることができる。
ここで再び、図3の説明に戻る。
図3(c)に示すように、本実施形態においては、フロントカバー111と抗菌層301との間に、印刷層303を介在させてもよい。印刷層303に用いられる塗料に、ルチル型の酸化チタンを含む白色顔料を採用したり、カーボンブラックを含む黒色顔料を採用したりすることで、仮に紫外線が抗菌層301を通過して内部に侵入したとしても、塗料の劣化を抑えることができる。
さらに、本実施形態では、筐体110において、紫外線に強いCFRPや金属材料を基材に有しているために劣化が少なく、基板160等の内部部品が配置された筐体110の内部にまで紫外線が到達することが無い。
放射線撮影装置100には、バッテリとの電気接点や電源供給するためのケーブル接続部等、アルコール消毒が難しい領域が存在する。そういった個所においては、紫外線殺菌が効果的である。本実施形態の抗菌層301を電気接点の近傍に配置することで、アルコール消毒することなく殺菌を行うことが可能となる。
したがって、本実施形態に係る放射線撮影装置100では、抗菌効果と紫外線殺菌とを併用して細菌やウィルスの増殖や感染を予防することが可能となる。
本実施形態では、上述したように、図3(a)~図3(e)に示す抗菌層301の平均厚みを0.5μmよりも小さくなるように、抗菌剤を薄くコーティングする必要がある。非常に薄い抗菌層301の膜厚を実現する手法として、従来から半導体等で使用される蒸着による手法があるが、非常に高価なものになってしまうため、放射線撮影装置100に適用するコーティング手法としては適切ではない。そこで、比較的安価に塗布できるコーティング手法としては、スピンコートやスプレー、ディップ等があるが、単純に塗布しただけでは、0.5μmよりも小さい抗菌層301の膜厚を実現することは困難である。
そこで、本実施形態に係る放射線撮影装置100の製造方法としては、抗菌層301を形成する際に、20℃における飽和蒸気圧が1mmHg以上、より好ましくは10mmHg以上の溶剤に抗菌剤を分散させた塗布液を筐体110の表面に塗布する。飽和蒸気圧が10mmHg以上であれば、常温で塗布後に速やかに蒸発し、溶媒が蒸発する際に抗菌剤が凝集したり、溶媒が蒸発せずに残ってしまったりする懸念が少ない。なお、蒸発が早すぎても均一に塗布できないため、20℃における飽和蒸気圧が1mmHgが好ましい。
さらに、本実施形態に係る放射線撮影装置100の製造方法としては、抗菌層301を形成する際に、塗布液と筐体110の表面である塗布面との接触角度が60度以下であることが好ましい。この接触角の範囲であれば、濡れ性がよく、コート時に速やかに濡れ広がり、薄く均一な抗菌層301が得られる。一方で、接触角が大きいと塗布液の量を多くする必要があり、結果として抗菌層301の膜厚が厚くなる。また、蒸発する際に、溶媒同士が集まりやすくなるため、抗菌剤の分布にムラが生じる原因となる。
また、本実施形態に係る放射線撮影装置100の製造方法としては、抗菌層301を形成する際に、塗布液は、20℃における表面張力が70dyn/cm以下の溶媒、より好ましくは50dyn/cm以下の溶媒を用いることが好ましい。このように、塗布液の表面張力を低くすることで、塗布面を構成する材料の選択肢が広がり、疎水性のCFRPであっても、上述した接触角度を60度以下にすることができる。ここで、使用する溶媒としては、例えば、エタノールやイソプロピルアルコール、酢酸エチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。使用する溶媒は、1種類で使用しても2種類以上を混合して使用してもよい。
また、筐体110の表面に対して抗菌剤を塗布する際に、塗布液に抗菌剤ができるだけ均一に分散されていることも求められる。本実施形態では、抗菌剤の溶液への分散性を上げるために、上述した飽和蒸気圧や表面張力を満たす範囲で溶媒に水を混合させることができる。このように水を加えることで、均一な濃度分布を保ちながら基材に塗布することができる。なお、このような抗菌剤を含んだ溶液では粘度が低いため、低粘度の溶液を塗布する観点ではスピンコートやスプレーコートが好ましく、薄膜化の観点ではスピンコートがより好ましい。
また、抗菌剤を分散させる別の手段として溶液に分散剤を添加してもよい。この際、分散剤としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等の多価アルコール類、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩、脂肪族アミン、スルホン酸塩、ポリシロキサン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、抗菌剤をコーティングする際の温度としては、基材の変形を抑制するために、60℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以下である。低温環境では、溶媒や配合剤によるが、内容物が凝集したり分離したりしない温度が好ましく、例えば5℃以上の環境下で行うのが好ましい。
また、本実施形態においては、抗菌剤を含んだ溶液は、抗菌剤の他に種々の材料を一緒に配合することが可能である。この際、配合する材料としては、安定化剤や分散剤、親水化剤、粘度調整剤、pH調整剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、抗菌剤の剥がれやコート状態を確認できるように、顔料を少量配合してもよい。
また、上述したように、塗布液と筐体110の表面である塗布面とのぬれ性を上げることが抗菌層301を薄く形成するために重要である。したがって、本実施形態においては、使用する塗布液の物性を規定するだけでなく、抗菌剤を含む塗布液が塗布される筐体110の表面(塗布面)を親水化処理して、塗布性を向上させる態様を採りうる。例えば、抗菌剤を含む塗布液を塗布する前の筐体110の表面(塗布面)をプラズマ処理や化学処理することで親水化処理して、親水性を向上させることができる。筐体110の一構成部材として採用されたCFRPが塗装されている場合には、塗料に界面活性剤や親水化剤、その他、親水性の化合物を配合することで親水性を上げることができる。そして、このように基材側の親水性を上げることで、接触角の観点から使用できる溶媒の範囲を広げることができる。
また、本実施形態では、抗菌剤を含む塗布液が塗布される筐体110の表面(塗布面)の表面張力を下げるために、図3(b)や図3(d)に示すように下地層302を追加して構成してもよい。この下地層302を用いると、基材や塗料に手を加えることなく抗菌剤の塗布面の濡れ性を向上させることができるため、親水化の手段としては最適である。
図3(b)では、下地層302が、CFRPで構成されたフロントカバー111と抗菌層301との間に配置されている。また、図3(d)では、下地層302が、印刷層303と抗菌層301との間に配置されている。
下地層302は、親水性の材料であることが必要である。この際、下地層302に適用しうる親水性の材料としては、特に規定は無いが、親水基を有するポリマーや金属、無機物の酸化物、水酸化物を構造として有する材料が好ましい。また、上述した親水基を有するポリマーとしては、例えば、シラノール基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、オキシアルキレン基、アミノ基、スルホン基等を有するポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、下地層302の厚みは、特に規定は無いが、厚すぎると放射線Rの吸収に影響があるため、10μm以下が好ましい。下地層302の塗布時に熱をかけると、フロントカバー111を構成するCFRP等の変形が発生するため、抗菌層301を形成する際に用いる抗菌剤と同様に熱をかけずに塗布することが重要である。
また、放射線入射面101の側に使用する下地層302としては、可視光の吸収が少ないものが望ましい。放射線入射面101の側に可視光を吸収または反射しやすい下地層302を用いる場合には、下地層302を薄くすることが好ましい。また、下地層302には、その他に、上述した分散剤や硬化剤、シランカップリング剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。
なお、放射線撮影装置100の筐体110には、上述したように、電源スイッチや電源ケーブルとのコネクタ等のユーザーインターフェース120や、バッテリ(不図示)等が配置されており、接合部に溝等が形成されることがある。この溝部においては、スピンコート等で抗菌層301の厚みが0.5μm以下になるように塗布することは難しいが、溝部は物が接触する可能性が低いため、耐擦過性の観点から本実施形態で説明した抗菌層301の厚みである必要はない。
また、図3(e)では、フロントカバー111と抗菌層301との間に、化粧シート304が配置されている。図3(e)に示すように、化粧シート304を、抗菌層301を形成する際に用いる抗菌剤の塗布面として用いてもよい。図3(e)において、化粧シート304をフロントカバー111に貼り合わせる際に、化粧シート304上の抗菌層301が割れたり剥がれたりする可能性がある。したがって、化粧シート304は、予めフロントカバー111に張り合わされた状態で、抗菌層301を形成する際に用いる抗菌剤を塗布することが好ましい。
このようにして、本実施形態に係る放射線撮影装置100の製造方法では、抗菌層301の膜厚(平均厚み)や塗布面の濡れ性、塗布液の蒸気圧等を規定している。これにより、少なくとも放射線撮影装置100の放射線入射面101において抗菌層301を形成する際に用いる抗菌剤の塗布時に熱をかけることなく塗膜強度の高い抗菌層301を形成することができる。さらに、放射線撮影装置100の筐体110の表面に変形等の不具合のない放射線撮影装置100を提供することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る放射線撮影装置100では、筐体110の表面の少なくとも一部に抗菌層301が形成されており、その抗菌層301の平均厚み(σ)は、0.05μmよりも大きく且つ0.5μmよりも小さくなっている。
かかる構成によれば、放射線撮影装置100の外観を損なうことなく、筐体110の表面が十分な塗膜強度で抗菌加工された放射線撮影装置100を提供することができる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:放射線撮影装置、101:放射線入射面、102:背面、103、側面、110:筐体、111:フロントカバー、112:リアカバー、1121:把持部、113:フレーム、120:ユーザーインターフェース、130:放射線検出器、140:放射線遮蔽シート、150:支持基台、160:基板、170:衝撃吸収シート、301:抗菌層、302:下地層、303:印刷層、304:化粧シート、R:放射線

Claims (20)

  1. 入射した放射線を放射線画像に係る電気信号に変換する放射線検出器と、
    前記放射線検出器を内包する筐体と、
    を有し、
    前記筐体の表面の少なくとも一部に抗菌層が形成されており、
    前記抗菌層の平均厚みは、0.05μmよりも大きく且つ0.5μmよりも小さいことを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 前記抗菌層は、前記筐体において前記放射線が入射する放射線入射面に少なくとも形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  3. 前記抗菌層は、前記放射線入射面に加えて、前記筐体において前記放射線入射面とは反対側に位置する背面および前記放射線入射面に対する側面に更に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影装置。
  4. 前記背面および前記側面に形成されている前記抗菌層の平均厚みは、前記放射線入射面に形成されている前記抗菌層の平均厚みよりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影装置。
  5. 前記放射線入射面に形成されている前記抗菌層の平均厚みは、0.05μmよりも大きく且つ0.5μmよりも小さく、
    前記背面および前記側面に形成されている前記抗菌層の平均厚みは、0.5μmよりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の放射線撮影装置。
  6. 前記筐体において前記背面または前記側面を構成する部材の少なくとも一部が金属材料で構成されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  7. 前記筐体において前記放射線入射面を構成する部材は、厚みが1.5mm以下のCFRPで構成されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  8. 前記筐体において前記放射線入射面を構成する部材と前記抗菌層との間に、印刷層が形成されており、
    前記印刷層に用いられる塗料は、酸化チタンまたはカーボンが含まれていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  9. 前記抗菌層に含まれる抗菌剤は、酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  10. 前記抗菌層に含まれる抗菌剤の平均粒子径は、0.1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  11. 前記抗菌層は、抗菌剤を前記筐体の表面に塗布することによって形成されたものであり、
    前記抗菌剤が塗布される前記筐体の表面は、親水化処理されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  12. 前記抗菌層の密着強度は、JIS-K5600-5-6で規定されたクロスカット試験における分類2を満たしていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  13. 入射した放射線を放射線画像に係る電気信号に変換する放射線検出器と、前記放射線検出器を内包する筐体と、を有する放射線撮影装置の製造方法であって、
    前記筐体の表面の少なくとも一部に抗菌層を形成し、
    前記抗菌層の平均厚みを、0.05μmよりも大きく且つ0.5μmよりも小さくすることを特徴とする放射線撮影装置の製造方法。
  14. 前記抗菌層は、前記筐体において前記放射線が入射する放射線入射面に少なくとも形成されることを特徴とする請求項13に記載の放射線撮影装置の製造方法。
  15. 前記筐体において前記放射線入射面を構成する部材は、厚みが1.5mm以下のCFRPで構成されていることを特徴とする請求項14に記載の放射線撮影装置の製造方法。
  16. 前記抗菌層は、20℃における飽和蒸気圧が1mmHg以上の溶剤に抗菌剤を分散させた塗布液を前記筐体の表面に塗布することによって形成されることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の放射線撮影装置の製造方法。
  17. 前記塗布液は、20℃における飽和蒸気圧が10mmHg以上の溶剤に抗菌剤を分散させた塗布液であることを特徴とする請求項16に記載の放射線撮影装置の製造方法。
  18. 前記塗布液と前記筐体の表面との接触角度は、60度以下であることを特徴とする請求項16または17に記載の放射線撮影装置の製造方法。
  19. 前記塗布液は、20℃における表面張力が70dyn/cm以下の溶媒を用いることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の放射線撮影装置の製造方法。
  20. 前記塗布液は、20℃における表面張力が50dyn/cm以下の溶媒を用いることを特徴とする請求項19に記載の放射線撮影装置の製造方法。
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