JP2023066224A - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、エージングを必要とせず生産効率に優れ、且つ多品種・小ロット・短納期の要求に対応可能であり、且つ長時間の塗布を行った場合でも接着剤の塗布量が均一で性能安定性に優れる積層体の製造方法を提供することにある。【解決手段】上記課題は、基材1と印刷層とを有する印刷物の印刷層上及び/又は基材2上に、水系エマルジョンを含む熱融着性接着剤をオンデマンド塗布方式で塗布することにより接着剤層を形成する工程1、並びに、工程1で得られた接着剤層を介して印刷物の印刷層と基材2とを貼り合わせる工程2を含む積層体の製造方法によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、食品、医薬品、化粧品、洗剤、雑貨等の包装材に好適に用いられる積層体の製造方法に関し、より詳細には、滞留時間なく簡便に、エージングを必要とせず、且つしない積層体を製造する方法に関する。
食品、衣料品、化粧品、雑貨等の包装材としては、各種プラスチックフィルムを多層ラミネートして複合化した積層体が広く用いられている。このような積層体は一般的に、プラスチックフィルム上に印刷層を形成して印刷フィルムを作製した後、得られた印刷フィルムと別のプラスチックフィルムとを接着剤を用いてラミネートすることで製造される。
上記印刷層は、一般的に、グラビア印刷、フレキソ印刷のほか、インクジェット印刷のようなオンデマンド印刷等により形成される。また、ラミネートに用いられる接着剤としては、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させる2液反応型接着剤が主流であり、ウレタン接着剤層を形成する。
しかしながら、上記2液反応型接着剤は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを事前に混合する必要があるため、混合直後からウレタン化反応が進行し粘度の上昇が始まる。その結果、経時で塗布可能な粘度領域を超えてしまい、可使時間(ポットライフ)に制限があるという問題があった。また、可使時間を超えて使用困難となった接着剤は廃棄する必要があり、環境負荷の観点からも改善が望まれていた。
また、上記2液反応型接着剤を用いて得られる積層体は、接着剤を硬化させるためにエージング期間を要し生産効率に劣るため、エージングを必要としない(以下、エージングレスともいう)積層体の製造方法が望まれていた。
このような問題に対し、特許文献1には、インクジェット印刷により形成された印刷層上に、無溶剤型接着剤を構成するポリオール成分とポリイソシアネート成分とを別々にインクジェット印刷し、さらにラミネートしてなる積層体を得る方法が開示されている。
特許文献2には、アルキレンモノマーとアクリル酸又はメタクリル酸モノマーのコポリマー、アルキレンモノマーとアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートのコポリマー、ポリウレタン、アイオノマー、アルキレンモノマーのコポリマー、無水マレイン酸変性ポリアルキレン、及び酸変性ポリオレフィンから選択される熱活性化可能なポリマーを含有する熱活性化可能なラミネート材を用いて、印刷層を有する可撓性基材の当該印刷面と、別の可撓性基材とを貼り合わせることで、硬化を必要とせずに包装材を製造する方法が開示されている。
特開2019-098285号公報 特表2018-530454号公報
しかしながら、特許文献1に記載の積層体は、接着剤を硬化させるエージング工程が必要であり、生産効率の更なる向上を目的としたエージングレスの課題を解決できていない。
また特許文献2に記載の方法は、グラビアコーティングにより接着剤層を形成しているため、グラビアシリンダー上での水分の蒸発により、乾燥した接着剤が再分散されずシリンダーの目詰まりが起こりやすく、塗布量を一定に保つことが難しい。例えば、グラビアコーティングにより6時間程度連続して接着剤の塗布を実施した場合、シリンダーの目詰まりにより、接着剤の塗布量が低下していき、塗布の開始時と比べて、終了時の塗布量が少ないという問題が生じる。そのため、接着剤を目標とする塗布量で塗布することができず、外観不良やラミネート強度不良が発生する。
したがって本発明の目的は、エージングを必要とせず生産効率に優れ、且つ多品種・小ロット・短納期の要求に対応可能であり、且つ長時間の塗布を行った場合でも接着剤の塗布量が均一で性能安定性に優れる積層体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す実施形態により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の実施態様は、少なくとも、基材1、印刷層、接着剤層、及び基材2をこの順に有する積層体の製造方法であって、基材1と印刷層とを有する印刷物の印刷層上及び/又は基材2上に、水系エマルジョンを含む熱融着性接着剤を、オンデマンド塗布方式で塗布することにより接着剤層を形成する工程1、並びに、工程1で得られた接着剤層を介して、前記印刷物の印刷層と、基材2とを貼り合わせる工程2、を含む積層体の製造方法に関する。
本発明の他の実施態様は、上記印刷層が、液体電子写真方式又はインクジェット方式を用いて形成された層である、上記積層体の製造方法に関する。
本発明の他の実施態様は、上記インクジェット方式に用いられるインクジェットインクが、水系インク又はUVインクである、上記積層体の製造方法に関する。
本発明の他の実施態様は、上記オンデマンド塗布方式が、インクジェット方式、ディスペンサー方式、及び噴霧方式からなる群より選ばれる少なくとも一種の方式である、上記積層体の製造方法に関する。
本発明により、エージングを必要とせず生産効率に優れ、且つ多品種・小ロット・短納期の要求に対応可能であり、且つ長時間の塗布を行った場合でも接着剤の塗布量が均一で性能安定性に優れる積層体の製造方法を提供することができる。
本発明は、少なくとも、基材1、印刷層、接着剤層、及び基材2をこの順に有する積層体の製造方法であって、基材1と印刷層とを有する印刷物の印刷層上及び/又は基材2上に、水系エマルジョンを含む熱融着性接着剤を、オンデマンド塗布方式で塗布することにより接着剤層を形成する工程1、並びに、工程1で得られた接着剤層を介して、前記印刷物の印刷層と、基材2とを貼り合わせる工程2、を含むことを特徴とする。
水系エマルジョンを含む熱融着性接着剤を用いて、版を使用しないオンデマンド塗布方式で接着剤層を形成することにより、エージングによる滞留時間を必要とせず生産効率に優れ、多品種・小ロット・短納期の要求に対応可能な積層体を得ることができるだけでなく、長時間連続して塗布を行った場合でも、塗布量が均一で性能ブレの少ない積層体を得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
<工程1>
工程1は、基材1と印刷層とを有する印刷物の印刷層上、及び/又は、基材2上に、水系エマルジョンを含む熱融着性接着剤を、オンデマンド塗布方式で塗布することにより接着剤層を形成する工程である。
上記オンデマンド塗布方式とは、on demand(オンデマンド:要求に応じて)接着剤を供給して基材へ塗布することを指し、「必要なものを、必要な時に、必要な数だけ」塗布することが可能な方式を意味する。このような方式としては、例えば、製版等の工程を必要とせず、デジタルデータを直接出力するデジタル印刷機を用いた塗布方式が挙げられ、インクジェット(IJ)方式、ディスペンサー方式、及び噴霧方式からなる群より選ばれる少なくとも1種の方式が好適に用いられる。
塗布方式は、1つの方式を単独で用いてもよく、2つ以上の方式を組み合わせてもよい。
工程1において、熱融着性接着剤は、基材1と印刷層とを有する印刷物の印刷層上、及び/又は、基材2上に塗布される。すなわち、熱融着性接着剤は、印刷層上のみに塗布してもよく、基材2上のみに塗布してもよく、印刷層上及び基材2上の両方に塗布してもよい。
後述する印刷層上に熱融着性接着剤を塗布する場合、熱融着性接着剤の塗布は、印刷層を形成した後、印刷物をロール状に巻取らずに連続して行ってもよく、ロール状に印刷物を巻き取った後に行ってもよい。ロール状に印刷物を巻き取った場合においては印刷層のブロッキングという課題が発生するが、印刷層を形成した後、印刷物をロール状に巻取らずに連続した場合はブロッキングの課題も解決することができるため好ましい。
本発明において、形成される接着剤層の厚みは要求性能に応じて適宜選択することができ、好ましくは1~10μmの範囲である。接着剤層は、パターニングされていてもよいし、ベタ(全面)に形成されていてもよい。
[熱融着性接着剤]
本発明に用いる熱融着性接着剤は、水系エマルジョンを含み、且つ熱融着性を有していればよい。このような水系エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、又はオレフィン樹脂の水系エマルションを用いることができる。
エマルジョンの安定性に優れる観点から、エマルジョンを形成する樹脂として好ましくは、酢酸ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、又はオレフィン樹脂である。
後述する基材1や基材2が結晶性ポリエチレン、ポリプロピレン等の難接着性非極性ポリオレフィン樹脂基材である場合、接着性が向上する観点から、水系エマルジョンを形成する樹脂はオレフィン樹脂であることが好ましい。また、基材1と基材2としてポリオレフィン基材を用いることで積層体をモノマテリアル包材としてマテリアルリサイクル性を良くする観点からも、オレフィン樹脂を用いることが好ましい。
熱融着性接着剤中における水系エマルジョン粒子の形状は、接着成分として基材1と基材2とを接着することができれば特に制限されず、偏平状、無定形等であってもよいが、通常、球状若しくは粒状である。
水系エマルジョンの粒子径は、インクジェット方式、ディスペンサー方式、又は噴霧方式において好適に使用する観点から、0.01~1μmの範囲であることが好ましい。上記範囲であると、安定した吐出が可能となり、長時間の連続塗布であっても、塗布量を安定に保つことができる。
本明細書において、水系エマルジョンの粒子径とは、水中に分散された油相のサイズを意味し、JIS Z 8828:2019に準拠して測定される数平均粒子径を意味する。
水系エマルジョンの最低造膜温度(MFT)は、接着剤層の耐熱性や接着性を十分に発現させる観点から、好ましくは-10~25℃、より好ましくは-5~20℃の範囲である。上記範囲とすることで、基材や接着剤層への接着力が良好となり、また包装材として使用した場合のヒートシール強度や、ボイル殺菌処理後の接着力などの耐熱性が良好となる。
水系エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-50~100℃、より好ましくは-20~50℃の範囲である。上記範囲とすることで、積層体に変形等の外的負荷が掛かった時に応力が緩和され、接着剤層の剥離を防ぐことができる。
熱融着性接着剤は、必要に応じて更に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、可塑剤、滑剤等の添加剤を含有してもよく、耐熱性を向上させるために、カルボジイミド化合物やオキサゾリン化合物などの架橋剤などを含有してもよい。
特に、ボイル耐性やレトルト耐性、耐水性が要求される用途に積層体を使用する場合において、前述のカルボジイミド化合物やオキサゾリン化合物などの架橋剤を含有することが好ましい。また、水系エマルジョン自体が、カルボジイミド化合物やオキサゾリン化合物であってもよい。
カルボジイミド化合物及びオキサゾリン化合物は、イソシアネート化合物と異なり、大気中の水分と反応して増粘することがないため、熱融着性接着剤の長期塗布に好適に用いられる。
また、これらの塗布方法としては、カルボジイミド化合物やオキサゾリン化合物を含む熱融着性接着剤と、含まない熱融着性接着剤とに分けて、基材にそれぞれ塗布することが好ましい。2種類の熱融着性接着剤の塗布は、一方の基材に2種接着剤を塗布してもよいし、両方の基材に各々接着剤を塗布してもよい。2液に分けることで、熱融着性接着剤の粘度が変化することなく、安定な接着剤の塗布が可能となる。
工程1において、上記熱融着性接着剤は、基材1と印刷層とを有する印刷物の印刷層上、及び/又は、基材2上に塗布される。
[基材1]
本発明に用いられる基材1としては特に制限されず、包装材に一般的に用いられるフィルム状又はシート状のプラスチック基材を用いることができる。これらは、積層された積層体であってもよい。
プラスチック基材としては、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のフィルムが挙げられ、好ましくは熱可塑性樹脂のフィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、繊維素系プラスチックが挙げられる。
より詳細には、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)のようなポリオレフィン樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)のようなポリエステル樹脂フィルム;ポリスチレン樹脂フィルム;ナイロン6、ポリ-p-キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)のようなポリアミド樹脂フィルム;ポリカーボネート樹脂フィルム;ポリアクリルニトリル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;セロハンフィルム;これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD6/ナイロン6、ナイロン6/エチレン-ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体;等が用いられる。中でも、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。
プラスチック基材は、必要に応じて帯電防止剤、紫外線防止剤等の添加剤を含有してもよく、シリカ、アルミナ等の蒸着層を備えていてもよい。
基材1が複数の基材からなる積層体である場合、基材同士は接着剤層を介して積層されていることが好ましく、アルミニウム箔等の金属箔層を有していてもよい。該接着剤層の形成方法は制限されず、公知の接着剤を用いて公知の方法で形成することができる。
基材1の厚みは、好ましくは5μm以上200μm以下、より好ましくは10μm以上100μm以下、さらに好ましくは10μm以上50μm以下である。基材1の表面は、コロナ処理又は低温プラズマ処理されていてもよい。
また、基材1は、後述する印刷層との密着性を向上させるために、アンカーコーティング、プライマーコーティング等のコーティング層を有していてもよい。
[印刷層]
印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他等の表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様等の所望の任意の印刷模様を形成する層であり、ベタ印刷層も含む。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、例えば、顔料や染料等の着色剤を含む印刷インキを用いて形成することができる。
印刷層の形成方法は制限されないが、例えば、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、スクリーン印刷方式、オフセット印刷方式、オフセットグラビア方式、液体電子写真方式(LEP)、インクジェット方式が挙げられる。必要により送風、加熱、減圧乾燥、紫外線照射等を行ってもよい。
上記印刷層の形成に用いられる印刷インキは特に限定されず、例えば、溶剤系インキ、水性インキ、UV硬化型インキ、2液硬化型インキ、トナーインキを使用できる。
印刷層は、省材、納入納期短縮の観点から、好ましくは、基材1上に、オンデマンド印刷により形成される層であり、具体的な方式としては、例えば、液体電子写真方式、又はインクジェット方式が挙げられる。いずれの方式においても、基材1上に、無版でデジタル印刷層がパターン形成される。
すなわち、工程1は、液体電子写真方式又はインクジェット方式を用いて印刷層を形成する工程を含んでいてもよい。
基材1に湿式トナーやIJインクを付与した後、基材1上のIJインクを乾燥又は硬化する工程(乾燥/硬化工程)を実施してもよい。なお、IJインクとして水系インクを用いる場合、後述する熱融着性接着剤との親和性が高まり、エージングせずとも接着強度に優れた積層体が得られる観点から、印刷層は、揮発成分(水及び水溶性有機溶剤)を含有することが好ましい。
(液体電子写真(LEP)方式)
電子写真印刷は、複写機をはじめ、店頭端末印刷機、ファクシミリ、少部数印刷機など様々な分野に適用されている。電子写真印刷に使用されるトナーは、乾式トナーと湿式トナーに大別され、この湿式トナーを用いたものが液体電子写真方式と呼ばれている。湿式トナーは、乾式トナーと比べて、トナー粒子の飛散が少なく、トナー粒子が微細化できることから高精度の印刷に好適である。LEP方式のデジタル印刷装置としては、ヒューレット・パッカード社のIndigoが知られている。
LEP方式を用いて印刷層を形成する場合、使用可能な湿式トナーとしては、例えば国際公開第2016/074716号に例示されているものが挙げられる。湿式トナーは、例えば、顔料又は染料等の着色剤、トナーを帯電させるためのイオン性化合物、アクリル樹脂等の樹脂組成物、溶剤、その他の添加物を含有してもよい。
(インクジェット(IJ)方式)
インクジェット方式は、被印刷物に直接IJインクを吐出してパターニングする方式である。IJ方式の印刷装置としては、例えばFUJIFILM社のインクジェットデジタルプレスが挙げられる。
IJインクとしては、例えば、水系インク、溶剤系インク、又はUVインクが挙げられ、用途に応じて適宜選択できる。中でも、材料選択性及び環境負荷低減性が高く、熱融着性接着剤として使用される水系エマルジョンの効果を高めることができる観点において水系インクが好ましい。また、生産効率が極めて高く、かつ省スペースでの印刷が可能である観点においてUVインクが好ましい。
また必要に応じて、湿式トナーやIJインクからなる印刷層を基材1上に定着させる工程(定着工程)を実施してもよい。具体的には、ローラ、ドラム、コンベヤ、フィルム等を用いた加熱加圧方式;加圧ローラ等を用いた加圧方式;熱風、赤外線、マイクロ波等を用いた加熱方式;等を挙げることができる。なお、印刷層に対し、上述した乾燥/硬化工程と定着工程とを併用してもよい。また、IJインクとして水系インクを用い、かつ、乾燥/硬化工程と定着工程とを併用する場合、エージングせずとも接着強度に優れ、かつ、画像品質にも優れた積層体が得られる観点から、乾燥/硬化工程を実施した後に、定着工程を実施することが好適である。
印刷層の厚みは、特に限定されないが、一般的に、0.1~10μm、より好ましくは0.5~5μm、さらに好ましくは1~3μmの範囲の範囲で調整することが多い。印刷層の厚みはデザインに応じて適宜変更できる。
本発明に用いる積層体は、基材1と印刷層との密着性を向上させるために、基材1と印刷層との間にプライマー層が配置されていてもよい。プライマー層は、パターニングされていてもよいし、ベタ(全面)に形成されていてもよい。プライマー層の厚みは、基材1側からの印刷層の視認性に影響を与えない範囲であればよく、好ましくは0.02~2μm程度である。プライマー層は、例えば、アクリルポリオールとポリイソシアネートとからなるウレタン系プライマー、ポリエチレンイミン系プライマー、ポリアミド系プライマーを用いて形成することができる。
[基材2]
本発明に用いられる基材2としては、例えば、上述の基材1で挙げた基材のほか、シーラント基材が挙げられ、これらが積層された積層体であってもよい。
シーラント基材としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン(CPP)、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテート共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーが挙げられる。基材2として好ましくはシーラント基材であり、ポリオレフィンを含むものである。
基材2は、必要に応じて帯電防止剤、紫外線防止剤等の添加剤を含有してもよく、アルミニウム、シリカ、アルミナ等の蒸着層を備えていてもよい。
基材2の厚みは特に限定されず、包装容器への加工性又はヒートシール性等を考慮すると、好ましくは10μm以上150μm以下であり、より好ましくは20μm以上70μm以下である。基材2は、数μm程度の高低差を有する凸凹を設けることで、滑り性や包装材の引き裂き性を付与してもよい。基材2表面は、コロナ処理又は低温プラズマ処理されていてもよい。
また、基材2の最外層には、シール剤層が設けられていてもよく、該シール剤層は、ヒートシール剤層又はコールドシール剤層のいずれであってもよい。
<工程2>
工程2は、工程1で得られた接着剤層を介して、印刷物の印刷層と、基材2とを貼り合わせる工程である。
印刷物の印刷層と基材2とを貼り合わせる方法は特に制限されず、公知の方法から適宜選択できる。このような方法として好ましくは、熱ニップロールを用いる方法が挙げられる。熱融着性接着剤からなる接着剤層は熱ニップロールで溶融し、貼り合わされた後、放冷により固化し、少なくとも基材1/印刷層からなる積層フィルムと、基材2とを接着剤層を介して接着する。
このように、本発明は、水系エマルジョンを含む熱融着性接着剤から形成され、且つ、オンデマンド塗布方式により形成された接着剤層を形成することで、用いる熱融着性接着剤の使用量が必要最小量で済み、エージングによる滞留時間を必要とせず生産効率に優れる。また、多品種・小ロット・短納期の要求に対応可能である。さらに、水系エマルジョンを含む熱融着性接着剤をオンデマンド塗布方式を用いて塗布することにより、長時間の塗布工程においても接着剤層の厚みが均一で性能安定性に優れる積層体を製造することができ、包装材分野において有用である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に指定がない場合は「質量部」及び「質量%」を意味する。
<IJインクの調製>
(水系インクセットP1)
〔顔料分散液1C、1M、1Y、1Kの調製)
C.I.ピグメントブルー15:3を20部と、着色剤分散樹脂(構成単位としてスチレンとアクリル酸とステアリルメタクリレートを、25:40:35の質量比で含み、重量平均分子量が25,000、酸価が185mgKOH/gである水溶性樹脂)のワニス(固形分25%)を20部と、水を60部と、を混合容器内に投入したのち、撹拌機でよく混合した。次いで、直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した容積0.6Lのダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製ビーズミル)を用いて本分散を行うことで、シアン色の顔料分散液(顔料分散液1Cとする)を得た。
また、顔料を各々、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー14、カーボンブラックに変更した以外は、顔料分散液1Cと同様にして、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色の顔料分散液(それぞれ、顔料分散液1M、顔料分散液1Y、顔料分散液1Kとする)を得た。
〔バインダー樹脂1の調製〕
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、2-ブタノン72.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱したのち、メタクリル酸4.5部と、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(水酸基を有するエチレン性不飽和単量体)5.0部と、メチルメタクリレート90.5部と、V-601(和光純薬社製重合開始剤)12部との混合物を、2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、V-601を0.6部添加し、さらに80℃で2時間反応を続け、ハイドロゾルであるバインダー樹脂1の溶液を得た。TSKgelカラム(東ソー社製)及びRI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8120GPC)を用い、展開溶媒にTHFを用いて測定した上記バインダー樹脂1の重量平均分子量は約7,000であった。
上記バインダー樹脂1の溶液を50℃まで冷却した後、ジメチルアミノエタノールを4.7部添加し中和したのち、水を140部添加した。その後、反応容器内を78℃以上に加熱して、2-ブタノンを、水と共沸させて留去したのち、固形分が30%になるように水で調整することで、バインダー樹脂1のワニス(固形分30%)を得た。なお、樹脂の構成単位から算出したバインダー樹脂1の酸価及び水酸基価は、それぞれ29.3mgKOH/g、21.6mgKOH/gであった。また、DSC(PerkinElmer社製、DSC6000)を用いて測定したガラス転移温度(Tg)は、103℃であった。
〔水系インクセットP1の調製〕
上記顔料分散液1Cを20部と、上記バインダー樹脂1のワニス(固形分30%)を21部と、1,2-プロパンジオールを25部と、サーフィノール465(信越化学工業社製アセチレン系界面活性剤)を1部と、プロキセルGXL(LONZA社製防腐剤)を0.1部と、水を32.9部と、を混合容器内に順次投入した。次いで、当該混合容器内を50℃に加温したのち、撹拌機で1時間混合した。そして、孔径1μmのデプスタイプフィルターを用いて濾過を行い、粗大粒子を除去することで、シアン色の水系インク(インク1Cとする)を得た。
また、顔料分散液として、顔料分散液1M、顔料分散液1Y、顔料分散液1Kをそれぞれ使用した以外は、上述したインク1Cと同様にして、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色の水性インク(それぞれ、インク1M、インク1Y、インク1Kとする)を得た。
このようにして調製した、インク1C、インク1M、インク1Y、インク1Kの4色のインクを、水系インクセットP1とした。
(UVインクセットP3)
〔顔料分散液3C、3M、3Y、3Kの調製〕
C.I.ピグメントブルー15:4を20部と、ソルスパース32000(ルーブリゾール社製着色剤分散樹脂)を4部と、フェノキシエチルアクリレートを75.5部と、ジブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤)を0.1部と、を混合容器内に投入したのち、撹拌機でよく混合した。次いで、直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した容積0.6Lのダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製ビーズミル)を用いて本分散を行うことで、シアン色の顔料分散液(顔料分散液3Cとする)を得た。
また、顔料を各々、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー14、カーボンブラックに変更した以外は、顔料分散液3Cと同様にして、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色の顔料分散液(それぞれ、顔料分散液3M、顔料分散液3Y、顔料分散液3Kとする)を得た。
〔UVインクセットP3の調製〕
上記顔料分散液3Cを10部と、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社製)を40部と、フェノキシエチルアクリレートを31.9部と、ジプロピレングリコールジアクリレートを1部と、OMNIRAD 819(IGM RESINS社製重合開始剤)を6部と、OMNIRAD TPO H(IGM RESINS社製重合開始剤)を6部と、KAYACURE DETX-S(日本化薬社製増感剤)4.9部と、BYK-UV3500(BYK社製シロキサン系界面活性剤)を0.1部と、ジブチルヒドロキシトルエンを0.1部と、を混合容器内に順次投入した。次いで、当該混合容器内を50℃に加温したのち、重合開始剤が溶解するまで撹拌機で混合した。そして、孔径1μmのデプスタイプフィルターを用いて濾過を行い、粗大粒子を除去することで、シアン色のUVインク(インク3Cとする)を得た。
また、顔料分散液として、顔料分散液3M、顔料分散液3Y、顔料分散液3Kをそれぞれ使用した以外は、上述したインク3Cと同様にして、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色のUVインク(それぞれ、インク3M、インク3Y、インク3Kとする)を得た。
このようにして調製した、インク3C、インク3M、インク3Y、インク3Kの4色のインクを、UVインクセットP3とした。
<熱融着性接着剤の調整>
(熱融着性接着剤J1)
アクリル樹脂系エマルジョンであるPlextol R100(Synthomer社製、固形分62%、平均粒子径0.4μm、MFT0℃、Tg13℃))400部に、イソプロピルアルコール185部、水655部を混合し、固形分20%の熱融着性接着剤J1を得た。
(熱融着性接着剤J2)
EVA系エマルジョンであるスミカフレックス-401HQ(住友化学社製、固形分55%、平均粒子径0.8μm、MFT0℃、Tg-18℃)400部に、プロピレングリコール154部、水546部を混合し、固形分20%の熱融着性接着剤J2を得た。
(熱融着性接着剤J3)
ポリオレフィン系エマルジョンであるザイクセン-AC(住友精化社製、固形分30%、平均粒子径0.2μm、MFT20℃、Tg85-95℃)800部に、イソプロピルアルコール57部、水343部を混合し、固形分20%の熱融着性接着剤J3を得た。
(熱融着性接着剤J4)
オキサゾリン系エマルジョンであるエポクロスK-2020E(日本触媒社製、固形分40%、平均粒子径0.5μm、MFT14℃、Tg0℃)800部に、イソプロピルアルコール100部、水700部を混合し、固形分20%の熱融着性接着剤J4を得た。
<2液硬化型接着剤の調整>
(ポリオール成分A1)
サンニックスPP-200(三洋化成製)98部、サンニックスGP-250(三洋化成製)2部を混合し、ポリオール成分A1を得た。
(ポリイソシアネート成分B1)
ポリメリックMDI ミリオネートMR-100(東ソー製)をポリイソシアネート成分B1とした。
<積層体の製造>
(実施例1)
巻出部から厚み12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを30m/分の速度で送出し、該フィルム上に、水系インクセットP1を京セラ社製ヘッド(KJ4B-1200モデル、設計解像度1200dpi)を使用して、5cm×5cmの印字率100%ベタパッチが色ごとに隣接した画像を印刷した。印刷条件は、周波数20kHz、1200×1200dpi、ドロップボリューム2.5pLとした。印刷後、70℃の熱風が発生している乾燥ボックス内を同速度で通過させ、印刷層を形成した。
印刷層を形成した後、巻き取らず連続して、上記印刷層上に、インクジェット塗布方式にて、熱融着性接着剤J1を塗布し、乾燥オーブンにて溶剤を乾燥させた。インクジェットヘッドは、KJ4B-0300(京セラ製)を用いた。熱融着性接着剤の塗布量は、塗布開始時に2.7g/m(固形分換算)となるよう調整した。
次いで、巻き取らず連続して、厚み100μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを100℃のニップロールにて圧着し、PET/印刷層/接着剤層/LLDPEの構成である積層体を得た。
上記積層体の製造を6時間継続して行い、製造開始直後の積層体と、製造終了時(6時間塗布後)の積層体を得た。
(実施例2~3)
実施例1において、熱融着性接着剤を表1に示す接着剤に変更した以外は、実施例1と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(実施例4)
実施例1において、インクをUVインクセットP3に変更し、IJヘッドとして京セラ社製ヘッド(KJ4A-RHモデル、設計解像度600dpi)を使用し、また、乾燥ボックスの代わりに、紫外線露光装置(GEW社製240W/cmメタルハライドランプ)を用いてUV照射を行った以外は、実施例1と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(実施例5)
実施例1において、印刷層形成方法をグラビア印刷方式に変更し、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、LPバイオの白インキ(東洋インキ(株)製)を全面に印刷して厚みが1μmの印刷層を形成した以外は実施例1と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(実施例6)
実施例1において、印刷層形成方法をフレキソ印刷方式に変更し、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、アクワエコールの白インキ(東洋インキ(株)製)を全面に印刷して厚みが1μmの印刷層を形成した以外は実施例1と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(実施例7)
実施例1において、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、厚み12μmのMDO PE Film(HDPE、ウインドミラー社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(実施例8)
実施例1において、熱融着性接着剤の塗布方法を、噴霧式塗布法としてエアスプレー方式のスプレーコーター塗布に変更した以外は、実施例1と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を作製した。
(実施例9)
実施例5において、熱融着性接着剤の塗布を、厚み100μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム上に行い、巻き取らず連続して、印刷層が形成された厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの印刷層と貼り合わせた以外は、実施例5と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(実施例10)
実施例5において、印刷層上に塗布する接着剤を熱融着性接着剤J3に変更(塗布量2.5g/m(固形分換算))し、一方、厚み100μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム上に、インクジェット塗布方式にて、熱融着性接着剤J4を塗布し、乾燥オーブンにて溶剤の乾燥を行い、塗布量0.2g/m(固形分換算)の接着剤層を形成する工程を追加し、次いで、両フィルムともに巻き取らず連続して、両フィルムの接着剤層同士を貼り合わせた以外は実施例5と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(実施例11)
実施例1において、印刷層を形成した後、一度ロール状に巻き取りを行った。
巻取りした印刷フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、熱融着性接着剤の塗布、厚み100μmの直鎖状低密度ポリエチレンとの圧着を行い、積層体を得た。
上記融着接着剤の塗布から直鎖状低密度ポリエチレンと圧着する工程を6時間継続して行い、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(実施例12)
実施例1において、印刷層形成方法を液体電子写真方式に変更し、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、HP Indigo 8000を用いてシアンインキを全面に印刷して、厚み1μmの印刷層を形成した以外は、実施例1と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(比較例1)
厚み12μmのポリエチレンテレフタレート上に、グラビア印刷方式にて、LPバイオの白インキ(東洋インキ(株)製)を全面に印刷して、厚みが1μmである印刷層を形成した。
印刷層を形成した後、巻き取らずに連続して、上記印刷層上に、インクジェット塗布方式にて、第一のインクジェットヘッドから、ポリオール成分A1、さらに第二のインクジェットヘッドからポリイソシアネート成分B1を全面に吐出した。第1及び第2のインクジェットヘッドは、共にKJ4C-0360(京セラ製)を用いた。反応性接着剤の塗布量は、A1とB1の比率が1/1(質量比)であり、塗布開始時にA1とB1とを合計して3.5g/m(固形分換算)となるようにした。
次いで、巻き取らず連続して、厚み100μmの直鎖状低密度ポリエチレンを50℃のニップロールにて圧着し、PET/印刷層/接着剤層/LLDPEの構成である積層体を得た。
上記積層体の製造を6時間継続して行い、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
(比較例2)
実施例12において、熱融着性接着剤の塗布方法をグラビア塗布方式に変更した以外は、実施例12と同様にして、製造開始直後の積層体と、製造終了時の積層体を得た。
なお、グラビア塗布に用いるグラビアシリンダーは110線格子式を使用し、熱融着性接着剤の塗布量は、塗布開始時に2.5g/m(固形分換算)となるよう調整した。
<積層体の評価>
得られた積層体(製造開始直後、及び製造終了時(6時間塗布後))について、エージングを行わずに以下の評価を行った。結果を表1に示す。
[接着強度]
製造開始直後及び製造終了時の積層体を幅15mm、長さ300mmに切り取り試験片とした。JIS K6854に基づき、インストロン型引張試験機を用いて、温度20℃、相対湿度65%の環境下で、300mm/分の剥離速度で引張り、基材1と基材2との間のT型剥離強度[N/15mm]を測定した。測定は5回行いその平均値を接着強度とした。得られた接着強度を用いて下記基準で評価を行った。
A:接着強度が1.0N/15mm以上(良好)
B:接着強度が0.6N/15mm以上、1.0N/15mm未満(使用可能)
C:接着強度が0.6N/15mm未満(使用不可)
[塗布量]
製造開始直後及び製造終了時の積層体について、各々、熱融着性接着剤の塗布量(g/m)は、10cm×10cmに切り出した積層体について、熱融着性接着剤層を溶剤でふき取る前の質量と、ふき取った後の質量との質量差から算出した。
[ボイル耐性]
製造開始直後の積層体を、150℃のヒートシールバーを用いて1秒間圧着した後、98℃の温水に60分浸漬した後のデラミネーション(剥離)の状態を目視で確認し、下記基準で評価を行った。Aはボイル用途に使用可能であることを示す。Bはボイル用途には使用できないが、非ボイル用途への使用は可能である。
A:剥離なし
B:剥離あり
Figure 2023066224000001
表1中の略称を以下に示す。
PET:フタムラ化学社製 2軸延伸ポリエステルフィルム「FE2001」、厚み12μm
LLDPE:三井化学東セロ社製 直鎖状低密度ポリエチレンフィルム「TUX-FC-D」、厚み100μm
HDPE:ウインドミラー社製 2軸延伸高密度ポリエチレンフィルム「MDO PE Film」、厚み12μm
表1の結果によれば、本願発明の製造方法により製造された積層体は、6時間もの連続塗布を行った場合でも、熱融着性接着剤の塗布量減少が見られなかった。そのため長時間製造による接着強度の低減が発生せず、製造時の安定性に優れていた。
実施例10においては、オキサゾリン系エマルジョンを含む熱融着性接着剤と、ポリオレフィン系エマルジョンを含む熱融着性組成物との2液を用いて、別々に塗工し貼り合わせることで、耐熱性、耐水性が向上し、ボイル殺菌などの後工程がある用途にも使用することが可能であった。
一方比較例1は、特許文献1に相当し、エージングなしでは十分な接着強度が得られなかった。さらに、ポリイソシアネート成分B1がインクジェットヘッドのノズル部で大気中の水分との反応により硬化し、連続して安定な塗布を行うことができなかった。
また比較例2は、特許文献2に相当し、熱融着性接着剤に含まれるエマルションがグラビアシリンダー上で乾燥し、再分散せず目詰まりが生じた。そのため、6時間連続塗布した場合に、塗布量が低減し、接着強度に劣っていた。

Claims (4)

  1. 少なくとも、基材1、印刷層、接着剤層、及び基材2をこの順に有する積層体の製造方法であって、
    基材1と印刷層とを有する印刷物の印刷層上及び/又は基材2上に、水系エマルジョンを含む熱融着性接着剤を、オンデマンド塗布方式で塗布することにより接着剤層を形成する工程1、並びに、
    工程1で得られた接着剤層を介して、前記印刷物の印刷層と、基材2とを貼り合わせる工程2、
    を含む積層体の製造方法。
  2. 上記印刷層が、液体電子写真方式又はインクジェット方式を用いて形成された層である、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 上記インクジェット方式に用いられるインクジェットインクが、水系インク又はUVインクである、請求項2に記載の積層体の製造方法。
  4. 上記オンデマンド塗布方式が、インクジェット方式、ディスペンサー方式、及び噴霧方式からなる群より選ばれる少なくとも一種の方式である、請求項1~3いずれか1項に記載の積層体の製造方法。
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