JP2023066094A - 再建組織の障害の予防又は治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】再建手術後に再建組織に生じる障害を予防又は治療するための医薬を提供することを課題とする。【解決手段】シリコン微粒子を、経口投与又は皮膚もしくは粘膜上に留置することにより、再建手術後に再建組織に生じる障害を予防又は治療することができる。例えば、手術後における移植又は再接着した組織の壊死を予防又は治療することができる。前記シリコン微粒子は、pH7以上の水溶液に接触すると水素を発生するシリコン単体を含有する微粒子である。【選択図】図5

Description

本発明は、再建手術後の障害の予防又は治療に関する。
癌や外傷等により生じた身体欠損の再建のために、軟部組織の遊離移植術は、欠かすことのできない手技である。また、事故等により切断された組織の再建のために、血管吻合を行って血行を再建し生着させる再接着手術も、欠かすことのできない手技である。これら手術においては移植組織及び切断された組織が虚血環境に晒されることは避けられない。一定時間虚血状態に置かれた組織が血行の再灌流を受けた場合、酸化ストレス、炎症及びアポトーシスによる組織障害が引き起こされることが知られている。組織移植術や再接着を成功させるにはこの虚血再灌流障害を抑制することが重要である。これまでに抗炎症作用や抗アポトーシス効果を有する薬剤の使用や手術手技など様々な研究が行われている。
水素は、ヒドロキシラジカルなどの酸化力の強い活性酸素と反応することで、組織の酸化ストレスを軽減する効果を有する。近年、水素の医療応用へ向けた研究が多数行われており、形成外科分野でも、水素による組織の虚血再灌流障害の抑制効果を示す研究が報告されている(非特許文献1-3)。これまでの研究では、水素の体内への投与方法は水素水の投与や水素ガスの吸入が主であった。しかし、水素はそもそも常温で水に溶けにくく、揮発しやすい気体であるため、水素水による水素の体内への取り込み量には限界がある。また、水素ガスの吸入も、長時間継続的に吸入し続けることは現実的に困難であり、高濃度の水素は可燃性を有することなどの安全性の問題などがある
シリコン微粒子は水と接して水素を発生することができる。pHが5未満の酸性水溶液との接触ではこの反応はほとんど進行せず、pH7以上の水溶液に接したときは、反応が進行し、pH8以上で反応がより速く進行する。また、シリコン微粒子を表面処理することにより、上記反応が好適に進む。さらに、シリコン微粒子は水溶液と接触している間、持続的に20時間以上にわたり水素を発生し続け、条件によっては、シリコン微粒子1gで水素を400ml以上発生する(特許文献1、特許文献2)。水素400mlは飽和水素水22リットルに含まれる水素に相当する。
腎臓疾患、炎症性疾患(炎症性腸疾患、関節炎、肝炎、皮膚炎)、内臓不快感、うつ病又はうつ状態、パーキンソン病、自閉スペクトラム症、記憶障害、脊髄損傷、難聴、脳虚血再灌流障害、糖尿病及び二日酔いについて、シリコン微粒子のこれら疾患の予防又は治療に係る発明を本出願人は特許出願した(特許文献3-17)。また、シリコン微粒子は腎臓の虚血再灌流障害を軽減する(非特許文献4)。
特開2016-155118号公報 特開2017-104848号公報 国際公開2019/021769号公報 国際公開2019/235577号公報 特開2019‐214556号公報 特開2020‐007300号公報 特開2020-079228号公報 特開2020-079240号公報 特開2020-117480号公報 特開2020-117481号公報 特開2020-117482号公報 特開2020-117483号公報 特開2020-117484号公報 特開2020-117485号公報 特開2020-117486号公報 特開2020-200302号公報 国際公開2020/152985号公報
Zhao L, Wang YB, Qin SR, et al. J Zhejiang Univ Sci B. 2013;14:382-391. Liu YQ, Liu YF, Ma XM, et al. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2015;68:e147-156. Dong XH, Liu H, Zhang MZ, et al. Am J Transl Res. 2019;11:499-508. Kawamura M, Imamura R, et al. Front Med (Lausanne). 2020 Mar 20;7:95.
本発明は、再建手術後に再建組織に発症する障害を予防又は治療するための医薬を提供することを課題とする。
1.シリコン微粒子を含有する、再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療剤。2.前記障害が壊死である、前項1に記載の予防又は治療剤。3.前記壊死が、虚血再灌流による壊死である、前項2に記載の予防又は治療剤。4.前記障害が、虚血再灌流障害である、前項1に記載の予防又は治療剤。5.前記再建手術が、遊離組織移植又は再接着である、前項1~4のいずれか1に記載の予防又は治療剤。6.前記再建手術の周術期に投与が開始される前項1~5のいずれか1に記載の予防又は治療剤。7.前記シリコン微粒子が、水と接して水素を発生し得るシリコン単体を含有する微粒子である、前項1~6のいずれか1に記載の予防又は治療剤。8.前記シリコン微粒子が、酸化シリコン膜が表面に形成されているシリコン微粒子である、前項1~7のいずれか1に記載の予防又は治療剤。9.前記シリコン微粒子が、シリコン微細粒子及び/又は該シリコン微細粒子の凝集体である、前項1~8のいずれか1に記載の予防又は治療剤。10.前記シリコン微粒子が多孔質シリコン粒子である、前項1~8のいずれか1に記載の予防又は治療剤。11.前記シリコン微粒子が、親水化処理されたシリコン微粒子である、前項1~10のいずれか1に記載の予防又は治療剤。12.経口投与用である、前項1~11のいずれか1に記載の予防又は治療剤。13.シリコン微粒子を含有する再建手術後の再建組織の障害を予防又は治療するための組成物。14.シリコン微粒子を投与することを含む再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療方法。15.シリコン微粒子を含有する、再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療に使用するための剤。16.再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療剤の調製のためのシリコン微粒子の使用。
本発明の予防又は治療剤は、再建手術後の障害を予防及び治療することができる。本発明の予防又は治療剤は、再建手術後の再建組織の壊死を好適に予防及び治療することができる。再建組織の全体又は一部が壊死した場合は、整容的及び機能的な障害が避けられず、再手術を要することもあり、患者には身体的・精神的に大きな負担になり、追加治療のための経済的負担も発生する。本発明は、手術手技単独では完全に回避することができないこれらの障害・負担を軽減させ得るため、その技術的効果及び経済的効果の恩恵は大きい。
図1は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された、シリコン微粒子(シリコン結晶子及びその凝集体の混合物)の写真である(実施例2)。 図2は、実施例2で得られたシリコン微粒子を36℃、pH8.2の水に接触させることによって発生したシリコン微粒子1gあたりの水素量(累積量)を示すグラフである。 図3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された、シリコン微粒子(シリコン結晶子の凝集体)の写真である(実施例3)。 図4は、ラットモデルの手術手順を示す写真である。A:ラットの腹部に7×5cmの長方形の皮弁(移植組織)をデザインした。B:再建手術群(虚血灌流群、I/R群)及び再建手術+シリコン微粒子投与群(虚血灌流+Si群、I/R+Si群)では、皮弁の血流を維持する動静脈を血管クリップで3時間閉塞した。C:皮弁と下床組織の間にシリコンシートを置いた後、皮弁を元の位置に再縫合した。 図5は、術後72時間の皮弁の画像である。I/Rは再建手術群、I/R+Siは再建手術+シリコン微粒子投与群を示す。(上段)各群の代表的写真を示す。(中段)レーザースペックル血流イメージングシステムによる代表的画像を示す。実線は元の皮弁領域、破線は生存領域(S)と壊死領域(N)の境界を示す。(下段)レーザースペックル血流計測システムによる代表的血流画像を示す。血流量が少ない箇所は青紫、血流量が多くなるにつれて水色、黄緑、黄色、オレンジ色で示されている。グレースケール画像では、青紫が濃い灰色、水色から黄緑が薄い灰色、黄色からオレンジ色が白で示されている。 図6は、術後72時間の皮弁生存率と皮弁の生存領域の血流量を示す。I/Rは再建手術群、I/R+Siは再建手術+シリコン微粒子投与群を示す。A:皮弁生存率を示す。シリコン微粒子投与により再建手術後の皮弁生存率が有意に上昇した。B:皮弁の生存領域の血流量を示す。再建手術後の皮弁の血流量は、シリコン微粒子投与により上昇する傾向が見られた。*p<0.05,***p<0.001;Tukey’s HSD多重比較検定、バーは平均の標準誤差を表す。 図7は、術後72時間の皮弁組織のHE染色解析結果を示す。I/Rは再建手術群、I/R+Siは再建手術+シリコン微粒子投与群を示す。A:上段は、各群の皮弁組織の表層部の代表的画像を示す(スケールバー:100μm)。下段は、各群の皮弁組織深層部の代表的画像を示す(スケールバー:100μm)。再建手術群では、炎症細胞の浸潤、充血、血管内微小血栓が高度であった。B:組織損傷解析結果(組織損傷スコア)を示す。再建手術+シリコン微粒子投与群の組織損傷スコアは再建手術群のスコアに比べて有意に低かった。シリコン微粒子投与により再建手術後の組織損傷が軽減された。**p<0.01,***p<0.001;Tukey’s HSD多重比較検定、バーは平均の標準誤差を表す。 図8は、術後72時間の皮弁組織のTUNEL染色解析結果を示す。I/Rは再建手術群、I/R+Siは再建手術+シリコン微粒子投与群を示す。A:各群の皮弁組織真皮内の代表的画像を示す(スケールバー:20μm)。青色(DAPI)のバックグラウンド中に、TUNEL陽性のアポトーシス細胞が緑色の蛍光で検出された。B:TUNEL陽性細胞(アポトーシス細胞)の割合を示す。再建手術+シリコン微粒子投与群のTUNEL陽性細胞の割合は、再建手術群に比べて有意に低かった。再建手術によりTUNEL陽性細胞が大きく増加したが、シリコン微粒子投与はTUNEL陽性細胞の増加を抑制した。*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001;Tukey’s HSD多重比較検定、バーは平均の標準誤差を表す。 図9は、術後72時間の皮弁組織の酸化ストレス測定結果を示す。I/Rは再建手術群、I/R+Siは再建手術+シリコン微粒子投与群を示す。再建手術+シリコン微粒子投与群の皮弁組織内のマロンジアルデヒド(MDA)レベルは、再建手術群に比べて有意に低下した。再建手術により増大した酸化ストレスはシリコン微粒子投与により軽減された。*p<0.05;Tukey’s HSD多重比較検定、バーは平均の標準誤差を表す。 図10は、術後72時間の皮弁組織の炎症性サイトカインの測定結果を示す。I/Rは再建手術群、I/R+Siは再建手術+シリコン微粒子投与群を示す。A:IL-1βの相対的mRNA発現量を示す。B:IL-6の相対的mRNA発現量を示す。C:TNF-αの相対的mRNA発現量を示す。再建手術+シリコン微粒子投与群の皮弁組織におけるIL-1β及びTNF-αの相対的mRNA発現量は、再建手術群に比べて有意に減少した。再建手術によりIL-1β、IL-6及びTNF-αの発現は増加した。シリコン微粒子投与によりIL-1β及びTNF-α発現量の増加は抑制され、IL-6の発現量の増加は抑制される傾向が見られた。*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001;Tukey’s HSD多重比較検定、バーは平均の標準誤差を表す。
本発明の予防又は治療剤に含まれるシリコン微粒子は、シリコン単体を含有する微粒子であって、水に接して水素を発生し得る。
前記の「水に接して水素を発生し得るシリコン単体を含有する微粒子(水素発生能を有するシリコン単体を含有する微粒子)」とは、36℃、pH8.2の水溶液に接したときに、持続的に水素を発生し、24時間でシリコン微粒子1グラムあたり10ml以上の水素を発生することができるシリコン微粒子を意味する。好ましくは、20ml以上、40ml以上、80ml以上、150ml以上、200ml以上、300ml以上である。
前記シリコン単体とは、高純度シリコンである。本明細書において、高純度シリコンとは、シリコンの純度が98%以上、好ましくは99%以上、より好ましくは99.5%以上、より好ましくは99.9%以上、より好ましくは99.99%以上、さらに好ましくは99.999%以上のシリコンである。
本発明の予防又は治療剤に含まれるシリコン微粒子は、好ましくはシリコン微細粒子、該シリコン微細粒子の凝集体、及び/又は、多孔質シリコン粒子(ポーラスシリコン粒子)である。
本発明の予防又は治療剤の有効成分は、好ましくは、シリコン微細粒子、該シリコン微細粒子の凝集体、及び、多孔質シリコン粒子からなる群から選択される少なくとも1種の粒子である。すなわち、好ましい有効成分としては、シリコン微細粒子単独でもよく、シリコン微細粒子の凝集体単独でもよく、多孔質シリコン粒子単独でもよい。また有効成分として2種以上のシリコン微粒子を含んでいてもよい。本発明の予防剤又は治療剤は、好ましくは、シリコン微細粒子及び/又は該シリコン微細粒子の凝集体を含有する。より好ましくは、シリコン微細粒子の凝集体を主成分とする。
シリコン単体は、大気に曝露した場合、表面が酸化され酸化シリコン膜が生成する。本発明におけるシリコン微粒子は、好ましくは表面に酸化シリコン膜が形成されている微粒子である。本発明における好ましいシリコン微粒子は、表面に酸化シリコン膜が形成されているシリコン単体からなる微細粒子、表面に酸化シリコン膜が形成されているシリコン単体からなる微細粒子の凝集体、及び表面に酸化シリコン膜が形成されている多孔質のシリコン単体からなる粒子、からなる群から選択される少なくとも1種の粒子である。
シリコン微粒子中のシリコンの含有量は、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは20%重量以上、さらに好ましくは50%重量以上、最も好ましくは70重量%以上である。
前記酸化シリコン膜は、好ましくは、水酸基(‐OH基)が付加された酸化シリコン膜である。水酸基が付加された酸化シリコン膜とは、酸化シリコン膜が有する水酸基の数を増加させる処理がなされた酸化シリコン膜である。例えば、親水化処理により水酸基を酸化シリコン膜に付加することができる。水酸基が付加された酸化シリコン膜が形成されたシリコン微粒子は、表面と水の接触効率がよくなり、水素発生反応が促進され、多くの水素を発生することができる。親水化処理の方法は、特に限定されず、公知の親水化処理方法を用いればよい。例えば、過酸化水素水処理、硝酸処理が挙げられる。好ましくは過酸化水素水処理である。過酸化水素水処理により、粒子表面の酸化シリコン膜のSiH基の水素を除去して水酸基を粒子表面に付加することができる。
前記水酸基が付加された酸化シリコン膜が表面に形成されているシリコン微粒子は、好ましくは表面に5×1013/cm以上の水酸基を有する。さらに好ましくは1×1014/cm以上の水酸基を有する。さらに好ましくは3×1014/cm以上の水酸基を有する。該粒子表面とは、シリコン微細粒子の表面、多孔質シリコン粒子の表面、シリコン微細粒子の凝集体の表面及び凝集体を形成するシリコン微細粒子の表面である。
過酸化水素水処理の具体的方法は、例えば、シリコン微粒子を過酸化水素水中に浸漬して撹拌する。過酸化水素の濃度は1~30%が好ましく、より好ましくは1.5~20%であり、さらに好ましくは2~15%、2.5~10%、最も好ましくは3~5%である。浸漬して撹拌する時間は、5~90分が好ましく、より好ましくは10~80分、さらに好ましくは、20~70分である。最も好ましくは30~60分である。過酸化水素水で処理することによりシリコン微粒子の親水性を向上させることができるが、処理時間が長くなるとシリコン微粒子からの水素発生反応が進行してシリコン微粒子の酸化膜の厚みが増加する。過酸化水素水処理時の過酸化水素水の温度は20~60℃が好ましく、より好ましくは、25~50℃、より好ましくは30~40℃、最も好ましくは35℃である。
シリコン微粒子の形に制限はない。不定形、多角形、球、楕円形、円柱状等が挙げられる。
前記シリコン微粒子は、結晶性を有する結晶シリコン微粒子であり得る。また、結晶性を有しないアモルファスシリコン微粒子であり得る。結晶性を有している場合、単結晶でも多結晶でもよい。好ましくは、結晶シリコン微粒子であり、より好ましくは単結晶シリコン微粒子である。
前記アモルファスシリコン微粒子は、プラズマCVD法やレーザーアブレーション法等で形成されるアモルファスシリコン微粒子であり得る。
本発明におけるシリコン微粒子の表面に形成される前記酸化シリコン膜は、大気に曝され自然に酸化されて形成された酸化シリコン膜であり得る。また、硝酸等の酸化剤による化学酸化等の公知の方法により、人為的に形成された酸化シリコン膜であり得る。
前記酸化シリコン膜の厚さは、シリコン単体からなる微粒子が安定し、効率的な水素発生を可能にする厚さであればよい。例えば0.3nm~5nm、0.3nm~3nm、0.5nm~2.5nm、0.7nm~2nm、0.8nm~1.8nm、1.0nm~1.7nmである。酸化シリコン膜は、シリコン単体からなる微粒子の表面のシリコンが酸素と結合して生じるSiO、SiO、Si、SiO等の酸化物を含む膜であり得る。SiO、SiO、Si等の不完全にシリコンが酸化された酸化物は水素発生反応を促進する。
前記シリコン微細粒子は、結晶性を有する結晶シリコン微細粒子であり得る。また、結晶性を有しないアモルファスシリコン微細粒子であり得る。結晶性を有している場合、単結晶でも多結晶でもよい。好ましいシリコン微細粒子は、結晶シリコン微細粒子であり、より好ましくは単結晶シリコン微細粒子(以下、シリコン結晶子ともいう)である。
本発明におけるシリコン微細粒子は、シリコン微細粒子が製造された後に自然に又は人為的に酸化シリコン膜が形成されたシリコン微細粒子であり得る。より好ましいシリコン微細粒子は、シリコン結晶子の表面に酸化シリコン膜が形成されている微細粒子である。
本発明におけるシリコン微細粒子は、シリコン単体(高純度シリコン)の塊が粉砕された粒子又はシリコン単体の粒子が粉砕された粒子であり得る。シリコン単体の塊もしくは粒子が粉砕されてシリコン微細粒子が製造されると、そのシリコン微細粒子の表面が自然酸化されて酸化シリコン膜が形成される。
本発明におけるシリコン微細粒子の粒子径(微細粒子がシリコン結晶子である場合は結晶子径)は、好ましくは、0.5nm以上100μm以下であり、より好ましくは1nm以上50μm以下、より好ましくは1.5nm以上10μm以下、より好ましくは、2nm以上5μm以下、より好ましくは、2.5nm以上1μm以下、5nm以上500nm以下、7.5nm以上200nm以下、10nm以上100nm以下である。粒子径が500nm以下であれば、好適な水素の発生速度及び水素発生量が得られ、200nm以下であればさらに好適な水素の発生速度及び水素発生量が得られる。
本発明におけるシリコン微細粒子の凝集体は、前記シリコン微細粒子の凝集体である。自然に形成されたものでも、人為的に形成されたものでもよい。好ましくは、酸化シリコン膜が形成されたシリコン微細粒子が凝集した凝集体である。自然に形成された凝集体は、消化管内で凝集したままであると考えられる。好ましい凝集体は、内部に空隙を有し水分子が凝集体に浸入して内部の微細粒子と反応できる構造を有する。自然に形成された凝集体の水素発生速度は、凝集体サイズに依存しないことより、該凝集体は、内部に空隙を有し水分子が凝集体に浸入して内部の微細粒子と反応できる構造を有する。
シリコン微細粒子の凝集体の大きさに特に制限はない。好ましいシリコン微細粒子の凝集体の粒子径は、50nm以上500μm以下である。
本発明におけるシリコン微細粒子の凝集体を構成するシリコン微細粒子の粒子径は、好ましくは、0.5nm以上100μm以下であり、より好ましくは1nm以上50μm以下、より好ましくは1.5nm以上10μm以下、より好ましくは、2nm以上5μm以下、より好ましくは、2.5nm以上1μm以下、5nm以上500nm以下、7.5nm以上200nm以下、10nm以上100nm以下である。シリコン凝集体を構成するシリコン微細粒子は、結晶シリコン微細粒子であってもアモルファスシリコン微細粒子であってもよい。好ましい凝集体は、結晶子径1nm以上10μm以下のシリコン結晶子の凝集体である。好ましくは、表面に酸化シリコン膜が形成されているシリコン結晶子が凝集した凝集体である。
本発明の予防又は治療剤は、好ましくは結晶子径1nm~1μm、より好ましくは結晶子径1nm以上100nm以下のシリコン結晶子であって、その表面に酸化シリコン膜が形成されている
結晶子、及び/又はその凝集体を含有する。好ましくは、表面に酸化シリコン膜が形成されているシリコン結晶子の凝集体を主成分として含有する。
本発明の予防又は治療剤は、好ましくは結晶子径1nm~1μm、より好ましくは結晶子径1nm以上100nm以下のシリコン結晶子であって、その表面に水酸基が付加された酸化シリコン膜が形成されている結晶子、及び/又はその凝集体を含有する。好ましくは、表面に水酸基が付加された酸化シリコン膜が形成されているシリコン結晶子の凝集体を主成分として含有する。
多孔質シリコン粒子(ポーラスシリコン粒子)は、シリコン粒子の多孔質体であり得る。またシリコン微細粒子が凝集され加工された多孔質体であってもよい。前記多孔質シリコン粒子は、好ましくは、多孔質のシリコン単体からなる粒子であって、表面に酸化シリコン膜が形成されている粒子である。より好ましくは、該酸化シリコン膜は水酸基が付加された酸化シリコン膜である。
前記多孔質シリコン粒子は、結晶性を有する多孔質シリコン粒子であり得る。また、結晶性を有しないアモルファス多孔質シリコン粒子であり得る。結晶性を有している場合、単結晶でも、多結晶でもよい。
多孔質シリコン粒子に存在する空隙の大きさに制限はないが、通常は0.3nm~1μmであり得、好ましくは、0.5nm~0.1μmであり得る。多孔質シリコン粒子は高い水素発生能を実現するために十分な表面積を有する。多孔質シリコン粒子は凝集して凝集体を形成していてもよい。多孔質シリコン粒子及び多孔質シリコン粒子の凝集体の大きさに特に制限はない。その大きさは、好ましくは200nm~400μmであり得る。
シリコン微細粒子の凝集体及び多孔質シリコン粒子は、全体としての粒子径が大きく、かつ表面積が大きい粒子であるため、経口投与用には好適な粒子である。粒子が大きければ消化管、特に腸管の細胞膜及び細胞間を通過せず、体内にシリコン微粒子が吸収されず安全性の観点から優れている。
本発明の予防又は治療剤に含まれるシリコン微細粒子の粒子サイズ分布、シリコン単体からなる微細粒子の粒子サイズ分布もしくは結晶子サイズ分布に特に制限はない。多分散であってもよい。特定範囲の粒子サイズもしくは結晶子サイズを持つシリコン微細粒子を含有する製剤であってもよい。また、シリコン微細粒子の凝集体のサイズ分布に特に制限はない。
水素の発生速度は、シリコン微粒子の粒子径、粒度分布及び/又は酸化シリコン膜の膜厚により調整することができる。
本発明のシリコン微粒子の製造方法に特に制限はないが、シリコン含有粒子を目的とする粒子径まで物理的に粉砕することによって製造することができる。物理的粉砕法の好適な例は、ビーズミル粉砕法、遊星ボールミル粉砕法、衝撃波粉砕法、高圧衝突法、ジェットミル粉砕法、又はこれらを2種以上組み合わせた粉砕法である。また、公知の化学的方法を採用することも可能である。製造コスト又は、製造管理の容易性の観点から、好適な粉砕法は、物理的粉砕法である。シリコン単体の微細粒子からなる微粒子は、大気に曝露することにより、表面が酸化され酸化シリコン膜が形成される。また、粉砕した後に過酸化水素水や硝酸等の酸化剤による化学酸化等の公知の方法により、人為的に酸化シリコン膜を形成させてもよい。
シリコン含有粒子をビーズミル装置を用いて目的とする粒子径にまで粉砕して製造する場合、適宜、ビーズの大きさ及び/又は種類を変えることにより、目的とする粒子の大きさ又は粒度分布を得ることができる。
出発材料のシリコン含有粒子は、高純度シリコン粒子であれば制限はない。例えば、市販の高純度シリコン粒子粉末が挙げられる。出発材料のシリコン含有粒子は単結晶でも多結晶でも、アモルファスでもよい。
本願は、シリコン微粒子を含有する再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療剤に係る発明、シリコン微粒子を含有する再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療のための組成物に係る発明、シリコン微粒子を投与することを含む再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療方法に係る発明、シリコン微粒子を含有する再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療に使用するための剤に係る発明、及び、再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療剤の調製のためのシリコン微粒子の使用に係る発明等を含む。本願明細書におけるシリコン微粒子を含有する再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療剤に係る発明の説明及び実施形態等は、これら全ての発明の説明及び実施形態等である。
本発明の再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療剤には、再建手術後の再建組織の障害を予防する剤、再建手術後の再建組織の障害を治療する剤、及び再建手術後の再建組織の障害を予防及び治療する剤が含まれる。
本発明における再建手術とは、がんの手術、外傷及び先天性異常等の様々な原因により生じた組織欠損、機能障害又は変形などに対して行う外科的治療である。本発明における再建手術には、遊離組織移植及び再接着等の手術が含まれる。
本発明における遊離組織移植は、自己の身体の他の部位の組織又は他人の組織を移植する手術である。具体的には、皮膚、皮下脂肪、筋肉、骨、神経、リンパ組織及び腸管等が、採取部で切り離され、再建部位に移植される。移植組織の血管は採取部の組織より切り離されて、再建部位で血管吻合される。本発明において好ましい遊離組織移植は、自己の身体の他の部位からの移植である。また、本発明において好ましい遊離組織としては、皮下脂肪、筋肉、皮膚、及び骨が挙げられ、特に好ましい遊離組織としては、皮下脂肪及び筋肉が挙げられる。本明細書において、移植組織を皮弁ともいう。
本発明における再接着は、完全切断又は不全切断された組織の再接着手術である。血行がない又は極めて乏しい状態の組織の血管の吻合及び骨や神経等の接合が行われる。本発明の予防治療剤は、完全切断又は不全切断された指又は手の再接着後の障害を好適に予防又は治療することができる。
本発明における再建手術後は、再建手術終了後から手術後半年までであり、好ましくは、再建手術終了後から手術後3ヶ月であり、より好ましくは、再建手術終了後から手術後1ヶ月であり、さらに好ましくは、再建手術終了後から手術後2週間であり、さらに好ましくは、再建手術終了後から手術後1週間であり、さらに好ましくは、手術直後から手術後3日であり得る。
本発明の予防又は治療剤は、再建手術後における再建組織の障害の発症の予防、症状の軽減、症状の改善、症状の増悪の抑制、症状の早期回復等の効果を奏する。
本発明における再建手術後の再建組織の障害は、再建手術後に再建された組織に発症する障害であり、壊死、虚血再灌流障害、炎症、アポトーシスの亢進、再建組織の機能障害、変形、及び萎縮等が挙げられる。
本発明の予防又は治療剤は、再建手術後の再建組織の壊死の予防及び治療に好適に用いられ得る。本発明の予防治療剤は、再建組織の生存率を向上させ、壊死を抑制する。後述の試験例に示すように、ラットを用いた遊離組織移植モデルにおける移植組織(皮弁)では、本発明の予防又は治療剤を投与した場合は、投与しない場合と比較して、生存率は上昇し、壊死する領域を半分以下に抑えることができる。移植組織又は再接着組織の全部又は一部が壊死した場合は、整容的及び機能的な障害が避けられず、再手術を要することもあり、再建手術において壊死を抑制し生存率を向上させることは非常に重要である。本発明における再建組織の壊死は、虚血再灌流を原因とする壊死と、それ以外を原因とする壊死(例えば、採取時、保存時、移植時又は再接着時に生じる血流不全等による壊死)が含まれる。本発明の予防又は治療剤は、虚血再灌流による壊死の予防及び治療に好適に用いられ得る。
本発明の予防又は治療剤は、再建手術後の虚血再灌流障害の予防及び治療に好適に用いられ得る。再建手術においては、遊離された組織や切断された組織が虚血環境に晒されることは避けられず、一定時間虚血状態に置かれた組織が血液の再灌流を受けた場合、酸化ストレス、炎症及びアポトーシスによる組織障害が引き起こされることが知られている。よって、再建手術後に再建組織の状態を良好に保つためには、虚血再灌流障害を抑制することが重要である。再建手術後の虚血再灌流障害としては、炎症、アポトーシスの亢進、組織障害、壊死、変形、萎縮が挙げられる。
本発明におけるシリコン微粒子は、in vitroでは、長時間(20時間以上)にわたり水素を発生し続ける性質を持つ。本発明のシリコン微粒子はpH7以上の水溶液と接触すると水素を発生し、pH8以上でより多くの水素を発生する。一方、pH5以下では水素をほとんど発生しない性質を有する。
本発明におけるシリコン微粒子を経口投与した場合には、上記のような性質により、胃では水素をほとんど発生しないと考えらえるが、腸内で水素を発生する。正常マウスに本発明におけるシリコン微粒子を投与すると大腸の一部である盲腸において水素発生が確認され、同条件で正常マウスに通常食を与えても、水素は検出限界以下であった。腸内の食物の滞留時間は、通常ヒトでは20時間以上であることより、本発明の予防又は治療剤は、経口投与されることにより腸内で長時間にわたって水素を発生し続け、体内に水素を配給することができると考えられる。
また皮膚又は粘膜上にシリコン微粒子を長時間留置することにより経皮又は経粘膜で体内に水素を長時間にわたって配給することができると考えられる。
また、本発明の予防又は治療剤は、水素水のように投与前に水素が拡散してしまうことがない。この性質は医薬品等の製品の品質保持に貢献し、製造者、販売者及び利用者の利便性に貢献する。
ラットに本発明に係るシリコン微粒子を投与した後に、血漿の抗酸化力を評価(BAPテスト)したところ、シリコン微粒子投与群で抗酸化力が有意に高くなったことが、本発明者等の研究により確認されている(WO2019/235577)。
酸化ストレス軽減作用については、酸化ストレスが関与する疾患モデル動物を用いた研究において水素水と比較して顕著な効果を示す(WO2019/235577)ことが本発明者等の研究により確認されている。よって、水素水にはない別の作用があることが考えられる。シリコン微粒子投与マウスと非投与マウスの大腸組織を比較すると、シリコン微粒子投与マウスの大腸には、生体内で抗酸化作用に関わるグルタチオンモノスルフィドやシステインモノスルフィドなどが多く含まれていた。これはシリコン微粒子の特有の作用である可能性がある(特開2020-117481、PCT/JP2021/016176)。また、他の機序として、例えば、シリコン微粒子と水との反応によって腸内で生じる発生初期状態の水素を捕獲したタンパク質、又は水素原子が電子を供与する結果還元力が強くなったタンパク質が、各器官に輸送され、ヒドロキシラジカルと反応し、それを消滅させる機序が考えられる。
本発明の予防又は治療剤の予防又は治療対象は、ヒト及び非ヒト動物である。好ましい非ヒト動物として、ペットや家畜等が挙げられる。
本発明におけるシリコン微粒子は、その1種又は2種以上がそのままヒトや非ヒト動物に投与されてもよいが、必要に応じて、許容される添加剤又は担体と混合され、当業者に周知の形態に製剤化されて投与され得る。そのような添加剤又は担体としては、例えば、pH調整剤(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸等)、賦形剤(例えば、マンニトール、ソルビトールの如き糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプンの如きデンプン誘導体;又は、結晶セルロースの如きセルロース誘導体等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムの如きステ
アリン酸金属塩;又はタルク等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムの如きセルロース誘導体等)、防腐剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンの如きパラオキシ安息香酸エステル類;又はクロロブタノール、ベンジルアルコールの如きアルコール類等)が挙げられる。これら添加剤及び担体は、単独又は2種以上を混合してシリコン微粒子に配合され得る。好ましい添加剤としては、pHを8以上に調整可能なpH調整剤が挙げられる。好ましいpH調整剤としては、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。
本発明の予防又は治療剤の投与経路に特に制限はないが、好ましい投与経路として、経口、経皮、経粘膜(口腔、直腸、膣等)が挙げられる。
経口投与用製剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤(ドライシロップ剤)、経口ゼリー剤等が挙げられる。経皮投与用又は経粘膜投与用製剤としては、貼付剤、軟膏剤等が挙げられる。
錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び散剤等は、腸溶性製剤とすることができる。例えば、錠剤、顆粒剤、散剤に腸溶性のコーティングを施す。腸溶性コーティング剤としては、胃難溶性腸溶性コーティング剤を用いることができる。カプセル剤は腸溶性カプセルに、本発明のシリコン微粒子を充填することにより、腸溶性にすることができる。
本発明の予防又は治療剤は、上記の剤形に製剤化した後、ヒト又は非ヒト動物に投与され得る。
本発明の予防又は治療剤中のシリコン微粒子の含有量は特に制限はないが、例えば、0.1~100重量%、1~99重量%、5~95%が挙げられる。
本発明の予防又は治療剤の投与開始時期は特に制限はないが、再建手術の周術期に投与開始されるのが好ましい。手術7日前から手術後2日の間に投与開始されるのがより好ましく、手術前2日から手術後1日の間に投与開始されるのがさらに好ましい。
本発明におけるシリコン微粒子の投与量及び投与回数は、投与対象、その年齢、体重、性別、目的(予防用か治療用か等)、症状の重篤度、剤形、投与経路等の条件によって適宜変化しうる。ヒトに投与する場合、シリコン微粒子の好ましい投与量は、例えば、1日当たり、約10mg~10g、好ましくは約100mg~5g、より好ましくは約500mg~2g投与される。また、投与回数は、1日当たり1回又は複数回、又は数日に1回であってもよい。例えば、1日当たり1~3回、1~2回、又は1回であってよい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1> 高純度シリコン粉末(大阪チタニウムテクノロジーズ社製、粒度分布<φ300μm(但し、結晶粒子径が1μm超のシリコン粒子)、純度99.999%)を篩にかけて45μm以上の粒子を除去した。得られたシリコン粒子200gを、99.5wt%のエタノール溶液4L(リットル)中に分散させ、φ0.5μmのジルコニア製ビーズ(容量750ml)を加えて、ビーズミル装置(アイメックス株式会社製、横型連続式レディーミル(型式、RHM-08))を用いて、4時間、回転数2500rpmで粉砕(一段階粉砕)を行って微細化した。
微細化されたシリコン粒子を含むエタノール溶液は、ビーズミル装置の粉砕室内部に設けられたセパレーションスリットにより、ビーズと分離された後、減圧蒸発装置を用いて30℃~35℃に加熱された。エタノール溶液を蒸発させることによって、微細化されたシリコン粒子(結晶子)が得られた。
上記方法により得られた、微細化されたシリコン粒子(結晶子)の平均結晶子径は、20~30nmであり、ほとんどの結晶子が凝集体を形成していた。また、結晶子は酸化シリコン膜に被覆されており、酸化シリコン膜の厚さは約1nmであった。得られた酸化シリコン膜が形成されているシリコン結晶子及びその凝集体の混合物は、本発明の有効成分であるシリコン微粒子の一実施形態である。
<実施例2> 実施例1で得られたシリコン結晶子及びその凝集体を、ガラス容器中で、過酸化水素水(3wt%)と混合し、35℃で30分間撹拌した。過酸化水素水で処理されたシリコン結晶子及びその凝集体を、公知の遠心分離処理装置を用いて、固液分離処理によって過酸化水素水を除いた。さらにその後、得られたシリコン結晶子及びその凝集体とエタノール溶液(99.5wt%)とを混合し、十分に撹拌した。エタノール溶液と混合されたシリコン結晶子及びその凝集体を、公知の遠心分離処理装置を用いて、固液分離処理によって揮発性の高いエタノール溶液を除いてから十分に乾燥させた。得られた過酸化水素水処理された、酸化シリコン膜が形成されているシリコン結晶子及びその凝集体の混合物は、本発明の有効成分であるシリコン微粒子の一実施形態である。得られたシリコン微粒子の電子走査顕微鏡(SEM)写真を図1に示す。なお、得られたシリコン結晶子の凝集体の水素発生速度は、凝集体サイズに依存しなかった。
実施例2で得られたシリコン微粒子(シリコン結晶子及びその凝集体)の水素発生量を測定した。シリコン微粒子10mgを容量100mlのガラス瓶(硼ケイ酸ガラス 厚さ1mm程度、ASONE社製ラボランスクリュー管瓶)に入れた。炭酸水素ナトリウムでpH8.2に調整した水をこのガラス瓶に入れて、液温を36℃の温度条件において密閉し、該ガラス瓶内の液中の水素濃度を測定した。水素濃度の測定には、ポータブル溶存水素計(東亜DKK株式会社製、型式DH-35A)を用いた。シリコン微粒子1gあたりの水素発生量を図2に示す。
<実施例3> 実施例2と同様の方法で、実施例1で得られたシリコン微粒子(シリコン結晶子及びその凝集体)を過酸化水素水で処理しエタノール溶液と混合し撹拌した。エタノール溶液と混合されたシリコン微粒子をスプレードライヤ(ADL311S‐A、ヤマト科学製)を用いて乾燥させた。得られたシリコン結晶子の凝集体は、本発明の有効成分であるシリコン微粒子の一実施形態である。得られたシリコン微粒子(シリコン結晶子の凝集体)の電子走査顕微鏡(SEM)写真を図3に示す。
<実施例4> 実施例1と同様に一段階粉砕を行った。一段階粉砕に用いたφ0.5μmのジルコニア製ビーズ(容量750ml)は、ビーズミル粉砕室内部において、自動的にシリコン結晶子を含む溶液から分離された。得られたシリコン結晶子を含む溶液に、0.3μmのジルコニア製ビーズ(容量750ml)を加えて4時間、回転数2500rpmでシリコン結晶子をさらに粉砕(二段階粉砕)して微細化した。
ビーズは、上述のとおりシリコン結晶子を含む溶液から分離され、得られたシリコン結晶子を含むエタノール溶液は、実施例1と同様に減圧蒸発装置を用いて40℃に加熱された。エタノールは蒸発し、二段階粉砕されたシリコン結晶子が得られた。このように二段階粉砕された酸化シリコン膜が形成されているシリコン結晶子も本発明の有効成分であるシリコン微粒子の一実施形態である。
<実施例5> 実施例2で得られた過酸化水素水処理された酸化シリコン膜が形成されているシリコン結晶子及びその凝集体の混合物を、市販のカプセル3号に充填し、カプセル製剤を得た。本カプセル製剤は過酸化水素水処理された酸化シリコン膜が形成されているシリコン結晶子の凝集体を主成分とし、さらに過酸化水素水処理された酸化シリコン膜が形成されているシリコン結晶子を含有する。
<試験例>
A.試験材料と試験方法
A1.実験動物 すべての動物実験は、大阪大学の動物倫理委員会の承認を得て行われた。Sprague-Dawleyラット(CLEA Japan, inc., Tokyo, Japan)(10週齢、340-370g)を24匹使用した。ラットは標準的な環境(22-25℃、12:12-hour day/night cycle)で飼育し、手術前後には餌と水を自由に摂取させた。
A2.シリコン微粒子を含む飼料の調製 オリエンタル酵母工業株式会社製、型番AIN93Mに、実施例2で製造したシリコン微粒子(シリコン結晶子及びその凝集体)を1wt%になるように混合した。さらにクエン酸水溶液(pH4)を、該シリコン微粒子と該飼料との総量に対して約0.5wt%の量で加え、公知の混錬装置を用いて混錬し、シリコン微粒子を含む飼料を得た。
A3.試験設計 ラットを無作為に、(1)Sham群(n=8)(2)再建手術群(虚血再灌流群、I/R群)(n=8)(3)再建手術+シリコン微粒子投与群(虚血再灌流+シリコン微粒子投与群、I/R+Si群)(n=8)の3つのグループに分割した。Sham群と再建手術群のラットには、実験中通常の食事を与えた。再建手術+シリコン微粒子投与群のラットには、手術の1週間前から試験終了時まで、シリコン微粒子を含む飼料を与えた。
A4.手術方法 手術方法は、これまでに報告されている方法に従った(Hao Y, et al. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2019;72:1661-1668.)。ラットにはイソフルランを吸入して麻酔をかけた。腹部に7×5cmの長方形の皮弁(移植組織)をデザインした。皮弁には皮膚と皮下脂肪が含まれる。その後、皮弁をデザインに沿って挙上し、右の浅腹壁動静脈を結紮して、左の血管茎からのみ血流が供給されるようにした。再建手術群及び再建手術+シリコン微粒子投与群では、血管クリップを用いて左の浅腹壁動静脈を閉塞し、皮弁の虚血を誘導した。Sham群では虚血操作は行わなかった。その後、下床の組織からの血行再生を防ぐために、全ての群において、皮弁と下床の組織との間に厚さ0.1mmのシリコンシートを留置した。3時間血管を閉塞した後に血管クリップと外し、血管茎に脈動が戻ったことを確認した後、皮弁を元の位置に再縫合した(図4)。
A5.皮弁生存率と生存領域の血流の評価 皮弁の生存率及び血流の評価は、これまでに報告されている方法に基づいて行った(Hao Y, et al. 同上)。血管クリップを外して血液を再灌流させた72時間後に、各ラットを麻酔下に手術台に固定して皮弁全体を露出させた。皮弁の生存率及び血流は、生存及び壊死現象の一般的な観察と、レーザースペックル血流イメージングシステム(Omegazone OZ-1; Omegawave, Inc., Tokyo, Japan)によって評価した。皮弁の生存率は、元の皮弁面積に対する生存面積の比率として定義した。生存領域の血流量は、OZ-1を用いて画像中の生存領域を区切ることにより自動的に算出されPU(mL/min/100g)で表された。皮弁の生存率と生存領域の血流量を評価した後、ラットを安楽死させた。さらなる分析のために、皮弁の血管茎の近位部から組織を採取した。
A6.組織学的解析 組織サンプルは4%パラホルムアルデヒドで固定し、パラフィン包埋後、4μmの切片に切り出した。切片を脱パラフィンし、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色及び末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを介したデオキシウリジン三リン酸ニックエンドラベリング(TUNEL)染色を行った。HE染色したスライドの組織学的変化は、以前に報告されている方法(Ren H, et al. Plast Reconstr Surg. 2018;142:23e-33e.)に若干の修正を加えた組織損傷スコアを用いて評価した。具体的には、炎症細胞の浸潤、充血、血管内微小血栓などの病理学的所見に応じて、0(なし)、1(極軽度)、2(軽度)、3(中等度)、4(重度)のように組織損傷をスコア化した。TUNEL染色は、CF(商標)488A TUNEL Assay Apoptosis Detection Kit(Biotium, Inc., Fremont, CA, USA)を用いて、メーカーの指示に従って行った。切片はVECTASHIELD(商標) Mounting Medium with DAPI(Vector Laboratories, Inc., Burlingame, CA, USA)を用いて細胞核を対比
染色した。定量的な分析のために、異なる皮膚組織の異なる3つの視野におけるTUNEL陽性細胞を、既報の方法(Ren H, et al. 同上)で測定した。データは、視野ごとの核の総数に対するTUNEL陽性細胞の割合で表した。組織学的解析には、BZ-X800 (Keyence, Osaka, Japan)と Image J (a public domain program developed at the US National Institutes of Health)を使用した。
A7.酸化ストレス測定 既報(Ren H, et al. 同上)の通り、酸化ストレスマーカーとして、皮弁組織中のマロンジアルデヒド(MDA)濃度を測定した(Ren H, et al. 同上)。凍結した組織50mgを氷上で切り分け、RIPAバッファー内でホモジナイザーを用いてホモジナイズした後、10000×gで10分間、4℃で遠心分離した。上澄み液を分析に用いた。MDA及び総タンパク質の測定は、Amplite(商標) Colorimetric Malondialdehyde Quantitation kit (AAT Bioquest, Inc., Sunnyvale, CA, USA)及び DC(商標) Protein Assay kit (Bio-Rad, Richmond, CA, USA)を用いて、メーカーの指示に従って行った。光学濃度は、マイクロプレートリーダー(SH-9000Lab; HITACHI, Tokyo, Japan)を用いて測定した。MDA濃度はnmol/mg proteinで表した。
A8.組織内の炎症性サイトカインのmRNA測定 既報(Liu B, et al. J Cell Biochem. 2019;120:18162-18171.)の通り、組織内の炎症性サイトカインのmRNAレベルを測定するために、RT-qPCRを行った。皮弁組織のTotal RNAは、TRIzol(商標) Plus RNA Purification Kit (Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)を用いて、メーカーの指示に従って抽出した。抽出したRNAの濃度は、分光光度計 (NanoDrop(商標) 2000; Thermo Fisher Scientific, Inc., Waltham, MA, USA)を用いて測定した。SuperScript(商標) IV First-Strand Synthesis System (Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)を用いて、メーカーの指示に従って、1μgのtotal RNAの逆転写を行い、cDNAを合成した。RT-qPCRは、IL-1β(Rn00580432_m1)、IL-6(Rn01410330_m1)、TNF-α(Rn99999017_m1)、及びβ-アクチン(Rn00667869_m1)のTaqMan(商標) Gene Expression Assaysを用いて行った。また、TaqMan(商標) Gene Expression Master Mix (Applied Biosystems, Waltham, MA, USA)を用いて、QuantStudio(商標) 7 Flex Real-Time PCR System (Applied Biosystems, Waltham, MA, USA)で、メーカーの指示に従った測定を行った。コントロールとしてはβ-actinを用いた。各遺伝子の発現量は、2-ΔΔCT法を用いて評価した。
A9.統計解析 JMP(商標) Pro 16 (SAS Institute Inc., Cary, NC, USA)を用いて、Tukey’s HSD多重比較検定を行い、測定結果を解析した。統計的に有意な差は、P<0.05と定義した。データは平均±標準誤差で示した。
B.結果
B1. Sham群の2匹のラットは、再灌流後72時間までに自己摂食によって生存皮弁組織の部分欠損を生じたため、解析から除外した。最終的な解析はSham群(n=6)、再建手術群(n=8)、再建手術+シリコン微粒子投与群(n=8)で行った。
B2.皮弁の生存率と血流の評価 再灌流の72時間後には、壊死した皮弁組織は茶色、灰色、又は黒色に変色し、弾力性を失っていた。一方、生存している組織はピンク又は白で、正常な弾力性を保っていた(図5)。皮弁生存率の平均値は、Sham群、再建手術群、再建手術+シリコン微粒子投与群でそれぞれ78.7±8.0%、45.8±4.0%、63.5±3.1%であった。再建手術群の皮弁生存率はSham群に比べて有意に低かった(P<0.001)。再建手術+シリコン微粒子投与群の皮弁生存率は、再建手術群に比べて有意に高く(P<0.05)、Sham群とは有意差がなかった(図6A)。シリコン微粒子投与により再建手術後の皮弁生存率が有意に上昇した。Sham群の壊死部分は、血管クリップで閉塞した血管から元々血液が配給されていない部分と考えられる。Sham群の生存領域に対する再建手術群及び再建手術+シリコン微粒子投与群の壊死領域の割合を換算すると、それぞれ42%と19%になる。シリコン微粒子投与により壊死領域が半分以下になった。Sham群、再建手術群、再建手術+シリコン微粒子投与群の生存領域の平均血流量は、それぞれ25.0±1.2PU、19.6±1.1PU、20.9±1.8PUであった。再建手術群の血流量はSham群と比較して有意に低かった(P<0.05)。再建手術後の皮弁の血流量は、シリコン微粒子投与により上昇する傾向が見られた(図6B)。
B3.組織障害 再建手術群のHE染色では、炎症性細胞の浸潤、充血、血管内微小血栓などの組織損傷が認められた。再建手術群の組織損傷スコアはSham群に比べて有意に高かった(P<0.001)。シリコン微粒子投与により、これらの病理学的変化は抑制され、再建手術+シリコン微粒子投与群の組織損傷スコアは再建手術群に比べて有意に低かった(P<0.01)。シリコン微粒子投与により組織損傷が軽減された(図7)。
B4.アポトーシス TUNEL陽性のアポトーシス細胞は、Sham群、再建手術群、再建手術+シリコン微粒子投与群で、それぞれ11.5±1.1%、36.5±4.3%、22.6±1.7%であった。TUNEL陽性のアポトーシス細胞の割合は、再建手術群及び再建手術+シリコン微粒子投与群ではSham群に比べて有意に高かった(それぞれP<0.001、P<0.05)。再建手術+シリコン微粒子投与群のアポトーシスの割合は再建手術群に比べて有意に低かった(P<0.01)。再建手術によりアポトーシスが亢進するが、シリコン微粒子はアポトーシスの亢進を抑制した(図8)。
B5.酸化ストレス Sham群、再建手術群、再建手術+シリコン微粒子投与群の皮弁組織の平均MDA濃度は、それぞれ24.9±4.1nmol/mg protein、55.1±8.7nmol/mg protein、31.5±3.7nmol/mg proteinであった。再建手術群のMDA濃度はSham群に比べて有意に上昇していた(P<0.05)。一方、再建手術+シリコン微粒子投与群では、再建手術群に比べてMDA濃度が有意に低下した(P<0.05)。再建手術により増大した酸化ストレスはシリコン微粒子投与により軽減された(図9)。
B6.炎症性サイトカイン 再建手術群では、IL-1β、IL-6、TNF-αの相対的なmRNAの発現がSham群と比較して有意に増加した。一方、再建手術+シリコン微粒子投与群では、再建手術群に比べて炎症性サイトカインの相対的なmRNAの発現が減少する傾向が見られた。特に、IL-1βとTNF-αのmRNAは、再建手術群に比べて有意に減少した(それぞれP<0.05、P<0.01)(図10)。
癌や外傷等により生じた身体欠損の再建手術を成功に導き、多くの患者のQOL改善、並びに身体的及び経済的負担の軽減につながる。

Claims (12)

  1. シリコン微粒子を含有する、再建手術後の再建組織の障害の予防又は治療剤。
  2. 前記障害が壊死である、請求項1に記載の予防又は治療剤。
  3. 前記壊死が、虚血再灌流による壊死である、請求項2に記載の予防又は治療剤。
  4. 前記障害が、虚血再灌流障害である、請求項1に記載の予防又は治療剤。
  5. 前記再建手術が、遊離組織移植又は再接着である、請求項1~4のいずれか1に記載の予防又は治療剤。
  6. 前記再建手術の周術期に投与が開始される請求項1~5のいずれか1に記載の予防又は治療剤。
  7. 前記シリコン微粒子が、水と接して水素を発生し得るシリコン単体を含有する微粒子である、請求項1~6のいずれか1に記載の予防又は治療剤。
  8. 前記シリコン微粒子が、酸化シリコン膜が表面に形成されているシリコン微粒子である、請求項1~7のいずれか1に記載の予防又は治療剤。
  9. 前記シリコン微粒子が、シリコン微細粒子及び/又は該シリコン微細粒子の凝集体である、請求項1~8のいずれか1に記載の予防又は治療剤。
  10. 前記シリコン微粒子が多孔質シリコン粒子である、請求項1~8のいずれか1に記載の予防又は治療剤。
  11. 前記シリコン微粒子が、親水化処理されたシリコン微粒子である、請求項1~10のいずれか1に記載の予防又は治療剤。
  12. 経口投与用である、請求項1~11のいずれか1に記載の予防又は治療剤。
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