JP2023065156A - 積層不織布の製造方法 - Google Patents

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Yasuki Uchiyama
裕太 寒川
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Abstract

Figure 2023065156000001
【課題】肌に触れたときに冷感を知覚させる冷感性能と、不織布の触感とを両立できる積層不織布を製造すること。
【解決手段】本発明の積層不織布の製造方法は、ポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む熱融着性繊維を含有する第1ウエブ1Wを不織布化して第1不織布1を形成する工程と、第1ウエブ1Wと同じ又は異なる樹脂を含む熱融着性繊維を含有する第2ウエブ2Wと第1不織布1とを積層して積層体3を形成する工程と、積層体3に対し熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布1と第2ウエブ2Wを不織布化した第2不織布2とを接合する工程とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層不織布の製造方法に関する。
吸収性物品やフェイスマスク等の衛生品は、一般的に、繊維からなる不織布を含んで構成されている。衛生品に用いられる不織布の製造方法として、エンボスロールを用いたエンボス加工やエアスルー加工等の製法が知られている。
例えば特許文献1には、エンボス加工時の温度を融点及び軟化点が所定温度超の繊維を含む繊維層どうしの間に、該繊維よりも融点及び軟化点が低い別の繊維からなる繊維層を介在させ、これをエンボス加工して一体化する、積層不織布の製造方法が記載されている。
また、本出願人は、先に、エアスルー不織布と、熱収縮性繊維を含むウエブとを積層した積層体について、該不織布と該ウエブとを部分的に接合する工程と、前記積層体を熱処理して前記ウエブを熱収縮させることにより、前記不織布に凹凸形状を形成する凹凸賦形工程と、該凹凸賦形工程における前記熱処理よりも上流側にて、前記積層体にカレンダー加工を施すカレンダー加工工程とを具備する、不織布の製造方法を開示した(特許文献2)。
国際公開第2012/046694号 特開2020-039518号公報
ところで、蒸れ感を軽減するとともに、心地よい風合いを得る観点から、衛生品に用いられる不織布は、肌と接触したときに冷感を知覚し得るものであることが望ましい。特に、肌との接触面積を大きくすることは、不織布との接触時に冷感を容易に知覚させ得る点で有効である。そのため、例えば、不織布の嵩を低くして、不織布表面をより平滑にすることで、肌との接触面積を大きくすることが考えられる。しかしながら、不織布の表面を平滑にするために不織布の嵩を低くすると、不織布の厚みを小さくすることとなり、不織布のふっくらとした柔らかさや風合いが低下する傾向にある。特許文献1及び2は、接触時に冷感を知覚し得る冷感性能と、不織布の触感とを両立させるための技術を開示するものではない。
したがって、本発明は、肌に触れたときに冷感を知覚させる冷感性能と、不織布の触感とを両立できる積層不織布の製造方法に関する。
本発明は、積層不織布の製造方法に関する。
前記製造方法は、短繊維であって且つポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む熱融着性繊維を含有する第1ウエブを、加熱したエンボスロールと該エンボスロールに対向配置されたアンビルロールとの間に導入し熱圧着を施して、第1不織布を形成する工程を具備することが好ましい。
前記製造方法は、第1ウエブと同じ又は異なる樹脂を含む熱融着性繊維を含有する第2ウエブと第1不織布とを積層して積層体を形成する工程を具備することが好ましい。
前記製造方法は、前記積層体に対し熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布と第2ウエブを不織布化した第2不織布とを接合する工程を具備することが好ましい。
また本発明は、積層不織布の製造方法に関する。
前記製造方法は、ポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む熱融着性繊維を含有する第1ウエブに対し、熱風を吹き付けてエアスルー加工を施して、第1不織布を形成する工程を具備することが好ましい。
前記製造方法は、第1不織布を、加熱した一対のカレンダーロール間に導入し圧密化処理を施す工程を具備することが好ましい。
前記製造方法は、第1ウエブと同じ又は異なる樹脂を含む熱融着性繊維を含有する第2ウエブと、圧密化した第1不織布とを積層して積層体を形成する工程を具備することが好ましい。
前記製造方法は、前記積層体に対し熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布と第2ウエブを不織布化した第2不織布とを接合する工程を具備することが好ましい。
また本発明は、積層不織布の製造方法に関する。
前記製造方法は、ポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む熱融着性繊維を含有する第1ウエブに対し、水流交絡処理を施して、第1不織布を形成する工程を具備することが好ましい。
前記製造方法は、第1ウエブと同じ又は異なる樹脂を含む熱融着性繊維を含有する第2ウエブと、第1不織布とを積層して積層体を形成する工程を具備することが好ましい。
前記製造方法は、前記積層体に対し熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布と第2ウエブを不織布化した第2不織布とを接合する工程を具備することが好ましい。
本発明の不織布の製造方法によれば、肌に触れたときに冷感を知覚させる冷感性能と、不織布の触感とを両立できる積層不織布を製造できる。
図1は、本発明の製造方法の第1実施形態に用いられる製造装置を示す模式図である。 図2は、図1に示す製造装置によって得られる不織布の一実施形態を示す断面図である。 図3は、本発明の製造方法の第2実施形態に用いられる製造装置を示す模式図である。 図4は、本発明の製造方法の第3実施形態に用いられる製造装置を示す模式図である。 図5は、エンボス凸部の面積率の測定方法を説明するための図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の製造方法によって得られる積層不織布は、衛生品の構成部材として好適に用いられる。衛生品の典型例は、フェイスマスクやアイマスク等の衛生用品や、尿や経血等の体液を吸収する吸収性物品等であり、好ましくは吸収性物品である。
積層不織布10は、衛生品の着用時において着用者の肌と当接する面である肌当接面側に配されたり、あるいは、衛生品を取り扱う際に使用者の手等に触れる部位に配されたりする。
積層不織布10は、ここに記載された用途に特に限定されず適用可能である。
図1、図3及び図4には、本発明に係る積層不織布の製造方法に用いられる製造装置の
一実施形態が示されている。
以下、図1に示す製造装置100を用いた積層不織布の製造方法を、「第1実施形態の製造方法」ともいう。また、図3に示す製造装置101を用いた積層不織布の製造方法を、「第2実施形態の製造方法」ともいう。また、図4に示す製造装置102を用いた積層不織布の製造方法を、「第3実施形態の製造方法」ともいう。図1において、符号Xは、積層不織布10、あるいは該積層不織布10の形成材料である第1ウエブ1W、第2ウエブ2W、積層体3、第1不織布1を搬送する搬送方向を示す。
第1実施形態の製造方法を、図1を参照しながら説明する。後述する図2に示す積層不織布10は、第1実施形態の製造方法により製造されたものである。
図1に示す製造装置100は、ウエブ形成部20、エンボス加工部30、及びエアスルー加工部40を備えている。
ウエブ形成部20は、第1カード機21及び第2カード機22を具備している。第1カード機21は、第1不織布1に対応する第1ウエブ1Wを製造する。第2カード機22は、第2不織布2に対応する第2ウエブ2Wを製造する。これらカード機は、原料繊維の供給部(図示せず)から原料繊維が各カード機21,22に供給されて該原料繊維がカーディングされる。これによって第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wが形成される。
本実施形態の製造装置100は、搬送方向Xにおいて第1カード機21の下流側にエンボス加工部30が位置している。
エンボス加工部30は、第1ウエブ1Wを挟んで対向配置された一対のロール31,32を備えている。一対のロールのうちの一方が、その周面に複数の凹凸が形成された金属製のエンボスロール31からなる。このエンボスロール31における凹凸のパターンは、任意のパターンを選択することができる。例えば菱形格子状やドット状の凹凸パターン等が挙げられる。また、一対のロールのうちの他方が、その周面が平滑なアンビルロール32からなる。アンビルロール32は金属製である。
製造装置100は、エンボス加工部30におけるエンボスロール31とアンビルロール32との間に第1ウエブ1Wを導入することで、エンボス加工により第1ウエブ1Wを不織布化して、第1不織布1を製造する。
本実施形態の製造装置100は、エンボス加工部30から搬送された第1不織布1と、第2カード機22から搬送された第2ウエブ2Wとが合流する合流地点を備えている。該合流地点で第2ウエブ2Wと第1不織布1とが重ね合わされることにより、後述する積層体3が形成される。本実施形態のように、該合流地点の直後に、第2ウエブ2Wと第1不織布1とを重ね合わせた積層体3を一対のロール25,25間に導入してもよい(図1参照)。あるいは、積層体3を一対のロール25,25間に導入しなくてもよい。
エアスルー加工部40は、搬送方向Xにおいて第1不織布1と第2ウエブ2Wとの合流地点よりも下流側に位置している。
エアスルー加工部40は、後述する積層体3に熱風を吹き付けるブロア42と、該熱風を吸引するサクションボックス43とを具備する。ブロア42は熱風を供給する熱風供給口を具備している。ブロア42の熱風供給口とサクションボックス43とが対向配置されている。本実施形態のエアスルー加工部40は、ブロア42とサクションボックス43との間に積層体3を搬送する搬送装置(図示せず)を具備している。当該搬送装置は、金属製のネット(ワイヤーメッシュ等)のような通気性材料からなる通気性搬送部材と、該通気性搬送部材が掛け渡された搬送ロールとを具備している。
エアスルー加工部40は、ブロア42とサクションボックス43との間で搬送される加工対象物(積層体3)に対し、所定温度に加熱された熱風を吹き付ける。この際、加工対
象物(積層体3)において熱風が吹き付けられる面を以下、単に「吹き付け面」という。また、加工対象物(積層体3)において吹き付け面とは反対側の面を以下、単に「非吹き付け面」という。
この熱風が吹き付けられるときに付与される熱によって積層体3に含まれている熱融着性繊維が軟化ないし溶融し、繊維どうしの交点が結合する。積層体3に吹き付けられた熱風はサクションボックス43によって吸引され回収される。
第1実施形態の製造方法においては、上述した製造装置100を用いて積層不織布10を製造する。
第1実施形態の製造方法は、第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wを形成するウエブ形成工程と、第1ウエブ1Wを、加熱したエンボスロール31と該エンボスロール31に対向配置されたアンビルロール32との間に導入し熱圧着を施して、第1不織布1を形成するエンボス加工工程と、第2ウエブ2Wと第1不織布1との積層体3を形成する積層工程と、積層体3に対し熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布1と第2ウエブ2Wを不織布化した第2不織布2とを接合するエアスルー加工工程とを具備する。
ウエブ形成工程では、第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wの各原料繊維を開繊機で開繊し、開繊された原料繊維を上述したカード機21,22によってウエブ化することで、第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wを製造する。第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wは、不織布に形成される前の段階のシート状物であり、該ウエブ中では繊維どうしは熱融着していない。
第1ウエブ1Wは、熱融着性繊維を含有する。熱融着性繊維は、熱の作用によって互いに融着する繊維であり、熱可塑性樹脂を原料とする。
第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維は、中実であってもよく、中空であってもよい。熱伝導性を高めて着用者に冷感を知覚させやすくする観点から、好ましくは中実の繊維である。
第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維は、熱可塑性樹脂のうちポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む。
第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維がポリエチレン樹脂を含む場合、該繊維に含まれるポリエチレン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、並びにエチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。これらは単独で又は複数混合して若しくは組み合わせて用いることができる。
熱伝導率をより高くして、接触時の冷感をより向上させる観点から、ポリエチレン樹脂としてHDPE樹脂を含むことが好ましく、HDPE樹脂のみを用いることがより好ましい。すなわち、ポリエチレン樹脂としてHDPE樹脂単独で用いることがより好ましい。
第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維がポリエチレン樹脂を含む場合、当該繊維は、例えば繊維表面の少なくとも一部にポリエチレン樹脂を有することが好ましい。斯かる繊維におけるポリエチレン樹脂の存在態様としては、(1-1)繊維の外表面及び内部がともにポリエチレン樹脂からなる態様、すなわち繊維の構成樹脂がポリエチレン樹脂のみである態様や、(1-2)ポリエチレン樹脂からなる低融点成分と、低融点成分よりも融点の高い高融点成分とを含む多成分系の複合繊維の態様等が挙げられる。
一般的に、ポリエチレン樹脂は、有機高分子材料の中でも熱伝導性が高いことが知られている。ポリエチレン樹脂自体が有する高い熱伝導性を発揮させるとともに、ポリエチレン樹脂とポリエチレン樹脂以外の樹脂との間に生じる界面に起因する熱伝導性の低下を抑制して、使用者に冷感を知覚させ易くする観点から、前記(1-1)の態様を採用することが好ましい。
また、低融点成分であるポリエチレン樹脂よりも融点の高い高融点成分を含むことにより、これら成分を含む繊維ウエブをエアスルー加工等の加熱処理で不織布化する際、低融点成分どうしのみが融着し、一方の高融点成分は溶融せずにその形状を保持できるため、繊維形状が良好に維持されて感触や通気性をより向上できる他、使用者に冷感を知覚させ易くすることができる。このエアスルー不織布の形成性や該不織布の冷感の観点からは、前記(1-2)の態様を採用することが好ましい。この(1-2)の態様を採用する場合、上記と同様の観点から、ポリエチレン樹脂を主成分とする繊維を用いることが好ましい。ここで、ポリエチレン樹脂を主成分とする繊維とは、繊維におけるポリエチレン樹脂の含有量が50質量%超である多成分系の複合繊維である。また(1-2)の態様を採用する場合、ポリエチレン樹脂の含有量が50質量%未満である繊維を用いてもよい。
前記(1-1)の具体例としては、構成樹脂として単一種類のポリエチレン樹脂のみからなる繊維や、構成樹脂として複数種類のポリエチレン樹脂からなる繊維が挙げられる。
前記(1-2)の具体例としては、(a)ポリエチレン樹脂と他の樹脂とが練り込みにより混合された樹脂からなる繊維、(b)高融点成分としてポリエチレン樹脂以外の樹脂を芯とし、芯の表面を覆うように、低融点成分としてポリエチレン樹脂の鞘が形成された芯鞘複合繊維や、(c)ポリエチレン樹脂を低融点成分とし、ポリエチレン樹脂以外の樹脂を高融点成分とし、低融点成分及び高融点成分の各々が繊維表面において繊維長さ方向に沿って連続して存在するサイドバイサイド複合繊維等が挙げられる。斯かる(b)及び(c)は、低融点成分の少なくとも一部が繊維表面において長さ方向に連続して存在している。
第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維がポリエチレン樹脂を含む場合、該繊維における該ポリエチレン樹脂の存在態様としては、繊維の少なくとも外表面全域にポリエチレン樹脂を有していることが好ましく、又は繊維全体がポリエチレン樹脂で形成されていることが好ましい。つまり、(1-1)の一実施形態であるポリエチレン樹脂のみからなる中実の繊維であるか、又は(1-2)における(b)の一実施形態であるポリエチレン樹脂を鞘とした芯鞘構造を有する繊維であることが好ましい。斯かる構成により、熱伝導性の高いポリエチレン樹脂が肌に直接接触するので、接触時の冷感をより向上できる。
ポリエチレン樹脂の中でも特に、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)が繊維表面に存在する繊維は、後述するエアスルー加工工程において繊維どうしの融着点(交点)をより簡便に形成できる点で有利である。斯かる観点及び繊維形状をより良好に維持する観点から、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維は、(1-2)(b)ポリエチレン樹脂を鞘とした芯鞘構造を有する芯鞘複合繊維であることが好ましく、鞘にHDPE樹脂を含む芯鞘複合繊維であることがより好ましい。
また、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維がポリアミド樹脂を含む場合、該繊維のポリアミド樹脂の存在態様としては、(2-1)繊維の構成樹脂がポリアミド樹脂のみである態様や、(2-2)ポリアミド樹脂からなる樹脂成分と、該樹脂成分とは異なる第2樹脂成分とを含む繊維などが挙げられる。
一般的に、ポリアミド樹脂は、有機高分子材料の中でも剛性が比較的低く、加工性が良好であることから布製品に多く用いられてきた。ポリアミド樹脂を含む繊維は吸湿性を有しており、また熱伝導性が有機高分子材料の中では比較的高い。本発明者は、ポリアミド樹脂の上述した特性に着目し、ポリアミド樹脂を不織布の構成繊維に含有させることによって、ポリアミド樹脂自体が有する高い熱伝導性を発揮させつつ、繊維に柔軟性を発揮させることができることを見出した。
前記(2-1)の具体例としては、構成樹脂として単一種類のポリアミド樹脂のみから
なる繊維や、構成樹脂として複数種類のポリアミド樹脂からなる繊維が挙げられる。後者の態様としては、例えば、繊維の外表面と内部とが異なる種類のポリアミド樹脂で構成された繊維が挙げられる。
前記(2-2)の具体例としては、(a)ポリアミド樹脂と他の樹脂とが混合された樹脂からなる繊維、(b)芯がポリアミド樹脂であり、その芯の表面を覆う鞘が他の樹脂からなる芯鞘複合繊維や、(c)ポリアミド樹脂と他の樹脂とを有し、ポリアミド樹脂及び他の樹脂の各々が繊維表面において繊維長さ方向に沿って連続して存在するサイドバイサイド複合繊維等が挙げられる。この場合、他の樹脂は、ポリアミド樹脂以外の樹脂であって、ポリアミド樹脂よりも低融点の樹脂成分であることが、融着点の形成の容易性の観点から好ましい。
繊維における構成樹脂の存在態様として、ポリアミド樹脂を含む複合繊維であることが挙げられる。例えば、繊維の内部にポリアミド樹脂を含む複合繊維や、繊維の少なくとも外表面全域に、他の樹脂としてポリエチレン樹脂を含む複合繊維、芯がポリアミド樹脂であり且つ鞘がポリエチレン樹脂からなる芯鞘構造を有する複合繊維等が挙げられる。
積層不織布10の保形性の観点から、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維は、芯にポリアミド樹脂を含む芯鞘複合繊維であることが好ましい。このポリアミド樹脂を含む複合繊維を用いる場合、融点の異なる樹脂を併せて用いることで、繊維どうしを完全に融着させずに不織布化することができ、製造時における加工性が向上し、得られる不織布の風合いが向上する。また複合繊維に捲縮を発現させて、風合いを更に高めることができる。これに加えて、不織布がさらさらとした触感(滑らかな触感)になり、不織布に触れたときに冷感を知覚した場合でも、使用者に不快な濡れ感を感じにくくさせることができる。
ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ナイロン等が挙げられる。繊維形成の容易性の観点から、ポリアミド樹脂としてナイロン6を用いることが好ましい。
高い熱伝導率と良好な風合いとをより容易に具備させる観点から、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維は、芯にポリアミド樹脂を含み、且つ鞘にポリエチレン樹脂を含む芯鞘複合繊維であることが好ましく、芯にポリアミド樹脂を含み、且つ鞘にHDPE樹脂を含む芯鞘複合繊維であることがより好ましい。斯かる構成は、汗、尿、経血、呼気等の体液に起因する水分によりポリアミド樹脂が吸湿してもポリアミド樹脂が着用者の肌に直接触れないので、不快な湿り感を防止することができる点で好ましい。またポリアミド樹脂が有する高い熱伝導性、低い剛性及び吸湿性等の良好な性質を繊維に発現させることができ、不織布の風合いが更に向上する。また、製造時において繊維の交点のみで融着させやすくすることができるので、手触りをより向上できる。すなわち、不織布10の良好な風合いを維持し易くなるので、該不織布10表面がさらさらとしたより良好な触感(滑らかな触感)となるとともに、心地よい冷感を着用者に知覚させることができる。さらにポリエチレン樹脂は、ポリアミド樹脂よりも熱伝導性が高いので、繊維表面にポリエチレン樹脂を有する構成とすることによって、熱伝導性の高いポリエチレン樹脂が着用者の肌に直接接触するので、着用者に冷感を強く知覚させることができる。
冷感と優れた風合いとをより発現する観点から、第1ウエブ1Wが、芯にポリアミド樹脂を含み、且つ鞘にポリエチレン樹脂を含む芯鞘複合繊維を含有する場合、当該繊維におけるポリエチレン樹脂に対するポリアミド樹脂の質量比(ポリアミド樹脂/ポリエチレン樹脂)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上であり、繊維の熱融着の観点からは、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下である。
本実施形態の製造方法で得られる不織布10が含有する樹脂の質量比が、斯かる質量比
であることも好ましい。
本実施形態において第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維は、短繊維である。短繊維は、その繊維長が90mm以下の繊維を意味する。カード性の観点から、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維の繊維長は、好ましくは25mm以上、より好ましくは32mm以上であり、また好ましくは64mm以下、より好ましくは55mm以下である。
繊維の繊維長は、捲縮がかかった状態であった場合はそのまま繊維を伸ばさずに、なるべく繊維の曲がりが生じないように静置し端点から端点までの距離を定規で10本測定した繊維長の算術平均値を、繊維の繊維長とする。
第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維としては、熱伝導率が所定の値以上である繊維を用いることが好ましい。
より具体的には、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維は、熱伝導率が好ましくは0.11W/mK以上、より好ましくは0.13W/mK以上、更に好ましくは0.15W/mK以上である。
また、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維は、熱伝導率が0.40W/mK以下であることが現実的である。
このような熱伝導率を有することによって、積層不織布10が肌に触れたときに冷感をより知覚させることができる。
上述した所定値以上の熱伝導率を有する熱融着性繊維としては、ポリエチレン樹脂を含む熱融着性繊維等が挙げられる。
上述した熱伝導率は、例えば不織布を溶融させて、厚み1mm程度のフィルム状試料の形態にして測定することができる。詳細な測定方法を以下に示す。
測定対象の不織布又は繊維を、プレス機等の加温加圧設備に導入して、不織布又は繊維原料の融点以上の温度で加熱しながら加圧し、厚み1mm程度のフィルム状試料とする。このとき、試料中に空気が残存しないように、加圧条件を適宜調整する。そして、定常熱伝導率測定装置(KES-F6、カトーテック株式会社製)を用いて、30℃の熱板から試料を介して20℃の熱板へ移動した熱移動量に基づいて、熱伝導率を測定する。この測定を一つのフィルム状試料につき10箇所測定し、これらのうち最も高い熱伝導率の値を、本発明における熱伝導率(W/mK)とする。
不織布が吸収性物品等の衛生品に組み込まれている場合、該衛生品にコールドスプレーを吹きかけ、ホットメルト接着剤を固化させてから、測定対象の不織布を丁寧に剥がす。また、測定対象を繊維とする場合、不織布から繊維を採取する等したりして分離する。これらの手段は本明細書の他の測定においても共通である。
第2ウエブ2Wは、第1ウエブ1Wと同じ熱融着性繊維を含有してもよい。その場合、当該熱融着性繊維としては、前述したポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む熱融着性繊維であり且つ短繊維であるものを用いることができる。
例えば第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維が、芯にポリアミド樹脂(ナイロン6(NY))を含み、且つ鞘にHDPE樹脂を含む芯鞘複合繊維であり且つ短繊維である場合(以下、単に「NY/HDPE短繊維」ともいう)、第2ウエブ2Wが含有する熱融着性繊維は、NY/HDPE短繊維とすることができる。また、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維が、HDPE樹脂単独からなる短繊維である場合(以下、単に「HDPE短繊維」ともいう)、第2ウエブ2Wが含有する熱融着性繊維は、HDPE短繊維とすることができる。
第2ウエブ2Wが第1ウエブ1Wと異なる樹脂を含む熱融着性繊維を含有する場合、該熱融着性繊維としては、第1ウエブ1Wとは異なることを前提に、各種の熱可塑性樹脂を原料とするものを用いることができる。例えば第2ウエブ2Wが含有する熱融着性繊維の
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の他、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン等のポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニルやポリスチレン等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリパーフルオロエチレン等のフッ素樹脂等であってもよい。これらの樹脂は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、熱融着性繊維として、低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなる複合繊維を用いてもよい。斯かる複合繊維としては、芯部と鞘部とからなる芯鞘構造を備える芯鞘型や、サイドバイサイド型等が挙げられる。芯鞘型の複合繊維は、同心タイプであってもよく、偏心タイプであってもよい。
第2ウエブ2Wが第1ウエブ1Wと異なる樹脂を含む熱融着性繊維を含有する形態としては、例えば、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維がNY/HDPE短繊維又はHDPE短繊維であり、第2ウエブ2Wが含有する熱融着性繊維がPET/HDPE繊維やPP/HDPE繊維である形態が挙げられる。PET/HDPE繊維は、芯にPET樹脂を含み、且つ鞘にHDPE樹脂を含む芯鞘複合繊維であり、PP/HDPE繊維は、芯にPP樹脂を含み、且つ鞘にHDPE樹脂を含む芯鞘複合繊維である。
第2ウエブ2Wが含有する熱融着性繊維は、短繊維であってもよく、繊維長が90mm超の長繊維であってもよい。
以下、第1ウエブ1Wが含有する短繊維であって且つ熱融着性繊維である繊維を、単に「熱融着性短繊維」ともいう。
第1ウエブ1Wにおける熱融着性短繊維の含有量は、第1ウエブ1Wの全質量に対して50質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%以下である。
第2ウエブ2Wにおける熱融着性繊維の含有量は、第2ウエブ2Wの全質量に対して50質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%以下である。
第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wは、熱融着性繊維に加えて他の繊維を含有していてもよい。他の繊維としては、熱により互いに融着しない繊維が挙げられる。例えば、パルプ、コットン、レーヨン、リヨセル及びテンセル等が挙げられる。これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
エンボス加工工程では、前述のエンボス加工部30を用いて第1ウエブ1Wにエンボス加工を施す。具体的には、加熱したエンボスロール31とアンビルロール32の間に、第1ウエブ1Wを導入し、該第1ウエブ1Wに熱圧着を施す。この一対のロール31,32間を第1ウエブ1Wが通過するときに、熱及び圧力の作用によって、該第1ウエブ1Wに複数の熱圧着部11(以下、「エンボス部11」ともいう。)が形成され、該ウエブの構成繊維どうしが該熱圧着部11において固定される。その結果、ウエブは保形性を獲得して不織布の形態となる。すなわち、第1ウエブ1Wが不織布化して、第1不織布1が形成される。
エンボス加工工程において形成される熱圧着部11(エンボス部)の形状は、任意の形状とすることができる。例えば、第1ウエブ1Wの搬送方向Xに沿って連続して形成された格子状のエンボス部や、ウエブの搬送方向に対して傾斜した斜め格子状のエンボス部を形成することができる。あるいは、小さなドットや矩形などのエンボス部が千鳥格子状等の種々のパターンで配置されるように、エンボス部を形成できる。
エンボス加工工程においてエンボスロール31及びアンビルロール32は加熱状態で用いられる。これにより、第1ウエブ1Wに、エンボスロール31周面のエンボス凸部が押圧されるとともに、該第1ウエブ1Wが加熱される。
エンボス部11の形成性の観点から、エンボス加工工程における第1ウエブ1Wの加熱温度は、第1ウエブ1Wにおける構成繊維の樹脂の融点に対し、好ましくは-20℃以上20℃以下、より好ましくは-10℃以上10℃以下である。
エンボス加工工程における第1ウエブ1Wの加熱温度は、エンボスロール31におけるエンボス凸部の温度である。
構成繊維の樹脂の融点は、示差走査熱量測定計(日立ハイテクサイエンス株式会社製、DSC7000x)を用いて測定することができる。先ず、細かく裁断した繊維試料(1mg)を用いて、該試料の熱分析を昇温速度10℃/minで行い、各樹脂の融解ピーク温度を測定する。融点は、一回目昇温時の融解ピーク温度で定義される。融点がこの方法で明確に測定できない場合、この樹脂を「融点を持たない樹脂」と定義する。融点を持たない樹脂である場合、軟化点を融点とする。
また、ウエブの構成繊維が複数種類の樹脂を含んで構成される場合は、融点の最も低い樹脂の融点を、ウエブにおける構成繊維の融点とする。
第1不織布1の成形性の観点から、エンボス加工工程における加圧条件は、好ましくは1.0MPa以上、より好ましくは2.0MPa以上であり、また、好ましくは10.0MPa以下、より好ましくは4.0MPa以下であり、そして、好ましくは1.0MPa以上10.0MPa以下、より好ましくは2.0MPa以上4.0MPa以下である。
エンボス加工工程で用いられるエンボスロール31は、該ロール31の周面に複数のエンボス凸部が形成されている。エンボスロール31の周面におけるエンボス凸部の面積率は、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上であり、また好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下である。
斯かるエンボス凸部の面積率は、以下の方法により測定できる。まず、エンボスロール31の周面の画像を取得し、該画像において、正方形のマス目からなるグリッドGを設定する(図5参照)。グリッドGは、グリッド線g1,g2がエンボス凸部tの図心を通るように設定するとともに、各マス目の頂点位置が、2個以上のエンボス凸部tの図心と同じ位置となるように、グリッドGを設定する。また縦横のグリッド線g1,g2の何れかの延在方向を、エンボスロール31の周方向と一致させる。次いで、各マス目におけるエンボス凸部tの面積を算出する。この際、1個のマス目に複数のエンボス凸部tが存在するので、該マス目に含まれるエンボス凸部tの面積の合計を、エンボス凸部の面積として算出する。そして、エンボス凸部の面積を、マス目の面積で除した面積率を求める。斯かる面積率を4マス分算出し、これらの平均値をエンボス凸部の面積率とする。エンボス凸部の面積は、画像処理解析ソフト(例えばImage-Pro plus,Media Cybernetics社)により測定できる。また、上記と同様の手法を不織布に適用して、該不織布における熱圧着部11の面積を用い、エンボス凸部の面積率を求めてもよい。
エンボス加工工程により得られた第1不織布1は、続く積層工程に供される。
積層工程は、第2ウエブ2Wと第1不織布1とを積層して、積層体3を形成する。本実施形態における積層工程は、搬送状態の第1不織布1に、搬送状態の第2ウエブ2Wを合流させ、第2ウエブ2Wと第1不織布1とを重ね合わせることで、積層体3を形成する。当該第2ウエブ2Wと第1不織布1とを重ね合わせた状態で、一対のロール25,25間に導入してもよい(図1参照)。
斯かる積層体3において、第2ウエブ2Wと第1不織布1とは接合されていない。
積層工程によって得られた積層体3は、エアスルー加工工程に供される。
エアスルー加工工程は、前述のエアスルー加工部40を用いて積層体3にエアスルー加工を施す。具体的には、積層体3に対し熱風を吹き付けてエアスルー加工を施す。熱風は、積層体3の第1不織布1側から吹き付けてもよく、第2ウエブ2W側から吹き付けてもよい。第2ウエブ2Wをより確実に不織布化させる観点から、積層体3の第2ウエブ2W側から熱風を吹き付けることが好ましい。その場合、積層体3において第2ウエブ2W側の面が吹き付け面となる。
エアスルー加工により、積層体3における第2ウエブ2Wは、該第2ウエブ2Wの構成繊維どうしが繊維交点で熱融着し、該第2ウエブ2Wが不織布化して、第2不織布2が形成される。これに加え、熱風によって第1不織布1の構成繊維と、第2不織布2(第2ウエブ2W)の構成繊維とがこれらの交点で熱融着される。斯かる熱融着は、積層体3における第1不織布1と第2不織布2との間の界面でなされる。これにより、エアスルー加工工程では、積層体3における第1不織布1と第2不織布2とを接合する。
エアスルー加工工程において、積層体3に吹き付ける熱風は、その温度及び風速を特定の範囲とすることが好ましい。第2ウエブ2Wをより確実に不織布化する観点から、積層体3に吹き付ける熱風の温度は、第2ウエブ2Wを構成する繊維表面を構成する樹脂の融点(℃)との関係において、好ましくは融点+20℃以下、より好ましくは融点+15℃以下、更に好ましくは融点+10℃以下である。斯かる範囲とすることで、繊維をフィルム化させずに繊維の形態を維持できるので、積層不織布10の風合いをより向上できる。
また、第2ウエブ2Wを構成する繊維どうしを適度に融着させた後、融着の度合いを調整すること、及び第2不織布2の厚みを調整する観点から、積層体3に吹き付ける熱風の温度は、第2ウエブ2Wを構成する繊維表面を構成する樹脂の融点(℃)との関係において、好ましくは融点-10℃以上、より好ましくは融点-5℃以上、更に好ましくは融点以上である。
本製造方法において芯鞘複合繊維を用いる場合、芯鞘複合繊維における芯の構成樹脂の融点を鞘の構成樹脂の融点よりも高い構成とした繊維を用いることが好ましい。これにより、融着点の簡便な形成と、得られる不織布の風合いのさらなる向上と、冷感の知覚のさせやすさを兼ね備えることができる。
エアスルー加工工程における熱風の温度は、熱風の供給口の平面視における図心の位置であって、ブロア42とサクションボックス43との間で積層体3を搬送するネットコンベア等の搬送部材の直上での温度とする。この温度は、例えば熱電対を用いて測定することができる。
第2ウエブ2Wを構成する繊維として、例えば、繊維表面を構成する鞘がHDPE樹脂(融点:130℃)であり、芯がポリアミド樹脂であるナイロン6(融点:225℃)によって構成された芯鞘複合繊維を用いる場合、あるいはHDPE樹脂からなる繊維を用いる場合、熱風の温度は、好ましくは126℃以上、より好ましくは128℃以上、更に好ましくは130℃以上である。
また上述の条件における熱風の温度は、好ましくは150℃以下、より好ましくは145℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
積層体3における第2ウエブ2Wの厚み方向に熱風を十分に通過させて、繊維どうしの融着を形成させやすくする観点から、エアスルー加工工程は、積層体3に吹き付ける熱風の風速が、好ましくは0.2m/秒以上、より好ましくは0.5m/秒以上である。
上記と同様の観点から、積層体3に吹き付ける熱風の風速は、好ましくは2.0m/秒以下、より好ましくは1.4m/秒以下である。
上述した温度及び風速の条件でエアスルー加工工程を行うことによって、第2ウエブ2Wを構成する繊維表面に存在する樹脂を溶融又は軟化させて、繊維どうしが融着した融着点をランダムに形成するとともに、第1不織布1と第2不織布2との接合性をより向上できる。これにより得られた積層不織布10は、エアスルー不織布に起因する柔軟性及び良好な風合いを発現しつつ、使用に耐えうる強度が発現したものとなる。
エアスルー加工工程における積層体3の搬送速度は、上述の温度及び風速の範囲において、好ましくは3m/分以上、より好ましくは10m/分以上であり、好ましくは200m/分以下、より好ましくは160m/分以下である。
第1実施形態の製造方法では、積層体3にエアスルー加工を施すことで積層不織布10が得られる。図2には、第1実施形態の製造方法によって得られた積層不織布10の一実施形態が示されている。
本実施形態の積層不織布10は、第1不織布1と第2不織布2とが積層した積層構造を有しており、第1不織布1よりも第2不織布2の厚みが大きくなっている(図2参照)。この積層不織布10では、第1不織布1がポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む熱融着性繊維を含有するので、該第1不織布1側の面が肌に触れた場合に冷感を知覚させることができる。さらに積層不織布10において第1不織布1は、エンボス加工によって薄くなっており、肌との接触面積が第2不織布2よりも大きいので、肌と接触したときの冷感を効果的に知覚させることができる。一方、積層不織布10の第2不織布2は、エアスルー加工によってふっくらとした感触であり、厚みが第1不織布1よりも大きくて柔らかい。これにより、第1不織布1側の面から積層不織布10を触れた場合に、良好な感触が得られる。さらに、積層不織布10において、第1不織布1と第2不織布2とは、エアスルー加工による繊維どうしの交点における熱融着によって接合されているので、該繊維の溶融部分(フィルム化した部分)が少なく、優れた風合いが得られる。
このように、第1実施形態の製造方法によれば、肌に触れたときに冷感を知覚させる冷感性能と、不織布の触感とを両立できる積層不織布を製造できる。
また、積層不織布10は、その全体の厚みを大きく維持できるので、積層不織布10を衛生品に用いた場合、該積層不織布10の非肌対向面側に隣接する他の部材の感触が、該衛生品の使用者に伝わり難い。
柔らかさや風合いをより向上させて、触感と冷感性能をより両立させる観点から、積層不織布10を衛生品の構成部材に用いる場合、該積層不織布10は、第1不織布1側の面を肌対向面とし、第2不織布2側の面を非肌対向面とすることが好ましく、第1不織布1側の面を肌当接面とし、第2不織布2側の面を非肌対向面とすることがより好ましい。
「肌対向面」は、衛生品の使用者(例えば吸収性物品の着用者)の肌に対向する面であり、「非肌対向面」は、該肌対向面とは反対側の面である。また、積層不織布10において第1不織布1側の面を肌当接面とすることがより好ましい。「肌当接面」は、肌対向面のうち、衛生品の使用者の肌と接触する面である。
触感と冷感性能をより両立させる観点から、本実施形態の製造方法は、積層不織布10における第1不織布1及び第2不織布2の各厚みが以下の範囲内になるように製造することが好ましい。
積層不織布10における第1不織布1の厚みは、第2不織布2の厚みに対して好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下であり、また好ましくは10%以上50%以下、より好ましくは20%以上40%以下である。
積層不織布10における第1不織布1の厚みは、好ましくは0.5mm以上、より好ま
しくは0.7mm以上であり、また好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上2.0mm以下、より好ましくは0.7mm以上1.5mm以下である。
積層不織布10における第2不織布2の厚みは、好ましくは2.0mm以上、より好ましくは3.0mm以上であり、また好ましくは5.0mm以下、より好ましくは4.0mm以下であり、また好ましくは2.0mm以上5.0mm以下、より好ましくは3.0mm以上4.0mm以下である。
積層不織布10における第1不織布1及び第2不織布2の各厚みは、各不織布1,2において最大の厚みとなる箇所の厚みのことである。斯かる厚みは、第1不織布と第2不織布とを分離し、各不織布について4.9mN/cm(0.5gf/cm)の荷重を掛けた状態で測定した厚みである。測定にはレーザー変位計等を用いる。第1不織布1及び第2不織布2は構成繊維の密度が異なり、且つ、製造工程の違い及び不織布の構造の違いにより目視で区別できる。具体的には積層不織布10において密度が高い方の層が第1不織布である。
第1不織布1の厚みは、エンボス加工工程における加圧条件や第1ウエブ1Wの坪量により調整できる。
第2不織布2の厚みは、エアスルー加工工程における熱風の風速や第2ウエブ2Wの坪量により調整できる。
触感と冷感性能をより両立させる観点から、本実施形態の製造方法は、積層不織布10における第1不織布1及び第2不織布2の各体積充填率が以下の範囲内になるように製造することが好ましい。
第1不織布1の体積充填率は、好ましくは2.0%以上、より好ましくは2.8%以上であり、また好ましくは5.0%以下、より好ましくは4.3%以下であり、また好ましくは2.0%以上5.0%以下、より好ましくは2.8%以上4.3%以下である。
第2不織布2の体積充填率は、好ましくは1.0%以上、より好ましくは1.1%以上であり、また好ましくは2.5%以下、より好ましくは2.0%以下であり、また好ましくは1.0%以上2.5%以下、より好ましくは1.1%以上2.0%以下である。
積層不織布10における第1不織布1及び第2不織布2の各体積充填率は、実体積に対する見かけ体積の百分率として表すことができる。先ず、第1不織布1及び第2不織布2を分離することにより、積層不織布10から第1不織布1及び第2不織布2を取り出し、各不織布1,2から所定面積を切り取って、これを測定サンプルとし、その質量(g)を測定する。測定サンプルを切り取る際の所定面積は10cm四方が好ましいが、その寸法にて測定サンプルを切り出せない場合は、測定対象となる積層不織布10の坪量が目視にて均一である領域の中で、できる限り大きな領域となる幅及び長さで切り取る。そして、測定サンプルの坪量A(g/cm)を算出する。
また、測定サンプルの厚みB(cm)の測定方法は以下のとおりである。先ず、12.59g(直径55mm)のプレートのみをレーザー変位計(株式会社キーエンス製、LK-080。本明細書におけるレーザー変位計は全てこれである。)に載置して、測定された厚みをゼロとしてゼロ点調整を行う。そして、測定サンプルの上に前記プレートを載置し、その状態での厚みを、レーザー変位計を用いて測定し、これを測定サンプルの厚みB(cm)とする。厚みBの測定では、プレートの載置によって、4.9mN/cmの荷重が測定サンプルに付与されている。
そして、繊維の構成成分の密度C(g/cm)を用いて、以下の式より、体積充填率(%)を算出する。
体積充填率(%)=100×(A)/(B×C)
第1不織布1の体積充填率は、エンボス加工工程における加圧条件や温度により調整できる。
第2不織布2の体積充填率は、エアスルー加工工程における熱風の風速や温度により調整できる。
触感と冷感性能をより両立させる観点から、本実施形態の製造方法は、積層不織布10における第1不織布1及び第2不織布2の坪量がそれぞれ独立に、好ましくは25g/m以上、好ましくは30g/m以上となるように、該積層不織布10を製造することが好ましい。
冷感性能をより向上させる観点から、積層不織布10における第1不織布1の坪量は、好ましくは25g/m以上、より好ましくは30g/m以上であり、また、好ましくは50g/m以下、より好ましくは40g/m以下であり、そして、好ましくは25g/m以上50g/m以下、より好ましくは30g/m以上40g/m以下である。
触感をより向上させる観点から、積層不織布10における第2不織布2の坪量は、好ましくは25g/m以上、より好ましくは30g/m以上であり、また、好ましくは60g/m以下、より好ましくは50g/m以下であり、そして、好ましくは25g/m以上60g/m以下、より好ましくは30g/m以上50g/m以下である。
冷感性能をより確実に得る観点から、本実施形態の製造方法は、積層不織布10における第1不織布1側の面の接触冷感qmaxが、所定値以上となるように該積層不織布10を製造することが好ましい。上記と同様の観点から、第1不織布1側の面の接触冷感qmaxは、好ましくは0.05W/m以上、より好ましくは0.08W/m以上、更に好ましくは0.10W/m以上であり、好ましくは0.80W/m以下、より好ましくは0.60W/m以下、更に好ましくは0.50W/m以下であり、また好ましくは0.05W/m以上0.80W/m以下、より好ましくは0.08W/m以上0.60W/m以下、更に好ましくは0.10W/m以上0.50W/mである。
接触冷感qmaxは、例えば以下の方法で測定することができる。
まず、測定対象の衛生用不織布から、長さ23cm×幅14cmの寸法となるように試験片を切り出し、該試験片を室温23℃、相対湿度50%の環境下に24時間放置する。なお、上述した寸法で試験片を切り出せない場合は、上述した寸法に近い寸法を有するように、可能な限り大きな寸法で試験片を切り出す。
次いで、この環境下で、試験片を測定台に載せ、両面テープを用いて測定台に試験片を固定する。測定台としては、気体や液体を熱媒体として用いた恒温装置により23℃にしたものを用いる。
続いて、測定装置(カトーテック株式会社製、KES-F7 サーモラボII)及び該装置の測定マニュアルに従って、試験片の第1不織布側の面について接触冷感qmaxを測定する。
具体的には、試験片と接触させる熱板として、面積9.0cm、質量9.8gの純銅製の測定端子を用い、該測定端子の初期温度を33℃(試験片の表面温度より10℃高い温度)、該測定端子の試験片への接触圧を1kPaとして、試験片に該測定端子を接触させ、その接触の瞬間の前記熱流量の値をゼロとして、該熱流量の最大値を測定する。
この測定を試験片の第1不織布側の面につき5回行い、それら複数の測定値の算術平均値を、第1不織布側の面の接触冷感qmax(W/m)とする。
接触冷感qmaxとは、肌が物体に触れたときに冷たく感じる皮膚感覚を数値化したものである。この接触冷感qmaxは、肌が物体に触れたときの、肌から物体への熱の移動量によって異なり、熱の移動量が多いほど、触れたときに冷たく感じる。接触冷感qmaxは、この肌から物体への熱の移動量の最大値に対応するものであり、接触冷感qmax
の値は、物体に触れたときに冷たく感じる場合ほど大きく、温かく感じる場合ほど小さくなる。したがって、接触冷感qmaxの値が上述の範囲であることによって、冷感をより効果的に知覚させることができる。
第1不織布側の面の接触冷感qmaxを上述した範囲にする観点から、第1不織布(第1ウエブ1W)に、熱伝導率が0.11W/mK以上の構成繊維を用いることが好ましい。また、第1不織布の体積充填率を上述した範囲にすることが好ましい。
次に第2実施形態の製造方法について、図3を参照しながら説明する。後述する第2及び3実施形態については、図1に示す第1実施形態の製造方法と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
図3に示す製造装置101は、ウエブ形成部20、第1エアスルー加工部50、カレンダー加工部60、及び第2エアスルー加工部40を備えている。製造装置101は、エンボス加工部30に代えて第1エアスルー加工部50及びカレンダー加工部60を具備する点以外は、前述した第1実施形態の製造装置100と同様の構成を具備している。例えば、第2実施形態の製造装置101は、第1実施形態の製造装置100と同様の、ウエブ形成部20を備えている(図3参照)。また製造装置101は、図3に示すように、一対のロール25,25を備えていてもよい。また、第2実施形態の製造装置101が備える第2エアスルー加工部40は、第1実施形態が備えるエアスルー加工部40と同じ構成である。
第2実施形態の製造装置101は、搬送方向Xにおいて第1カード機21の下流側に第1エアスルー加工部50が位置している。
第1エアスルー加工部50は、第1ウエブ1Wにエアスルー加工を施して、第1不織布1aを形成する。第1エアスルー加工部50は、ブロア52と、該ブロア52から供給される熱風を吸引するサクションボックス53とを具備する。ブロア52及びサクションボックス53は、第1実施形態におけるエアスルー加工部40と同じ構成を具備する。
第1エアスルー加工部50は、ブロア52とサクションボックス53との間に第1ウエブ1Wを搬送する搬送装置(図示せず)も具備している。当該搬送装置も、第1実施形態におけるエアスルー加工部40と同じ構成を具備する。
第2実施形態の製造装置101は、搬送方向Xにおいて第1エアスルー加工部50の下流側にカレンダー加工部60が位置している。
カレンダー加工部60は、表面が金属製の一対のカレンダーロール61,62を具備している。これに代えて一方のロールが、表面が樹脂から構成される樹脂ロールであってもよい。一対のカレンダーロール61,62は、第1不織布1aを挟んで対向配置されている。本実施形態の一対のカレンダーロール61,62は、表面が鏡面加工された平滑なものであってもよく、あるいは梨地等の微細な凹凸が施されたものであってもよい。カレンダーロール61,62は金属製のものが好ましい。
本実施液体の製造装置101は、カレンダー加工部60における一対のカレンダーロール61,62間に第1不織布1aを導入することで、第1不織布1aに圧密化処理を施す。
本実施形態の製造装置101は、カレンダー加工部60から搬送された第1不織布1aと、第2カード機22から搬送された第2ウエブ2Wとが合流する合流地点を備えている。該合流地点で第2ウエブ2Wと第1不織布1aとが重ね合わされることにより、第2ウエブ2Wと第1不織布1aとが積層した積層体3aが形成される。図3に示されるように、該合流地点の直後に、第2ウエブ2Wと第1不織布1aとを重ね合わせた積層体3を、
一対のロール25,25間に導入してもよい。あるいは、積層体3を一対のロール25,25間に導入しなくてもよい。
第2エアスルー加工部40は、第1実施形態と同様に、搬送方向Xにおいて一対のロール25,25よりも下流側に位置している。第2エアスルー加工部40は、積層体3aに対し、エアスルー加工を施して、積層不織布10aを製造する。
第2実施形態の製造方法においては、上述した製造装置101を用いて積層不織布10aを製造する。
第2実施形態の製造方法は、第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wを形成するウエブ形成工程と、第1ウエブ1Wに対し、熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布1aを形成する第1エアスルー加工工程と、第1不織布1aを、一対のカレンダーロール間に導入し、圧密化処理を施すカレンダー工程と、第2ウエブ2Wと第1不織布1との積層体3aを形成する積層工程と、積層体3aに対し熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布1と第2ウエブ2Wを不織布化した第2不織布2とを接合する第2エアスルー加工工程とを具備する。
第2実施形態におけるウエブ形成工程は、第1実施形態と同様に、カード機21,22を用いて第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wを製造する。
第2実施形態では、第1ウエブ1Wが含有する熱融着性繊維は、短繊維であってもよく、繊維長が90mm超の短繊維以外の繊維であってもよい。斯かる点以外は、第2実施形態における第1ウエブ1Wに、第1実施形態の第1ウエブ1Wに用いられる熱融着性繊維の説明を適用することができる。すなわち、第2実施形態における第1ウエブ1Wには、短繊維や短繊維以外の繊維であって、第1実施形態と同じ熱融着性繊維が用いられる。
これと同様に、第2実施形態における第2ウエブ2Wにも、第1実施形態の第2ウエブ2Wに用いられる熱融着性繊維の説明を適用することができる。
第1エアスルー加工工程では、前述の第1エアスルー加工部50を用いて第1ウエブ1Wにエアスルー加工を施す。すなわち、第1ウエブW1に対し熱風を吹き付ける。これにより、第1ウエブ1Wの構成繊維どうしが繊維交点で熱融着し、該第1ウエブ1Wが不織布化して、第1不織布1aが形成される。
第1エアスルー加工工程において、第1ウエブ1Wに吹き付ける熱風は、その温度及び風速を特定の範囲とすることが好ましい。詳細には、第1ウエブ1Wに吹き付ける熱風の温度は、第1ウエブ1Wを構成する繊維表面を構成する樹脂の融点(℃)との関係において、好ましくは融点+15℃以下、より好ましくは融点+10℃以下である。斯かる範囲とすることで、繊維をフィルム化させずに繊維の形態を維持できるので、積層不織布10の風合いをより向上できる。
また、第1ウエブ1Wを構成する繊維どうしを適度に融着させた後、融着の度合いを調整する観点から、第1ウエブ1Wに吹き付ける熱風の温度は、好ましくは融点-10℃以上、より好ましくは融点-5℃以上に調整してもよい。
第1ウエブ1Wの厚み方向に熱風を十分に通過させて、繊維どうしの融着を形成させやすくする観点から、第1エアスルー加工工程は、第1ウエブ1Wに吹き付ける熱風の風速は、好ましくは0.2m/秒以上、より好ましくは0.5m/秒以上である。
上記と同様の観点から、第1ウエブ1Wに吹き付ける熱風の風速は、好ましくは2.0m/秒以下、より好ましくは1.0m/秒以下である。
第1エアスルー加工工程における第1ウエブ1Wの搬送速度は、上述の温度及び風速の
範囲において、好ましくは0.2m/分以上、より好ましくは0.5m/分以上であり、好ましくは2.0m/分以下、より好ましくは1.0m/分以下である。
カレンダー加工工程では、前述のカレンダー加工部60を用いて第1不織布1aに圧密化処理(カレンダー加工)を施す。具体的には、加熱した一対のカレンダーロール61,62間に第1不織布1aを導入し、該第1不織布1aに圧密化処理を施す。これにより、第1不織布1aを厚み方向に圧縮して、より冷感を知覚させやすくすることができる。
カレンダー加工工程において一対のカレンダーロール61,62は好ましくは加熱状態で用いられる。圧密化処理をより確実に行う観点から、カレンダー加工工程における第1不織布1aの加熱温度は、好ましくは20℃(常温)から40℃の範囲であり、より好ましくは23℃以上35℃以下である。
カレンダー加工工程における第1不織布1aの加熱温度は、カレンダーロール61,62の表面温度である。
圧密化処理をより確実に行う観点から、カレンダー加工工程において第1不織布1aに付与される線圧(プレス圧)は、好ましくは20N/cm以上、より好ましくは40N/cm以上であり、また、好ましくは100N/cm以下、より好ましくは80N/cm以下であり、そして、好ましくは20N/cm以上100N/cm以下、より好ましくは40N/cm以上80N/cm以下である。
カレンダー加工工程により圧密化された第1不織布1aは、続く積層工程に供される。これにより、第1不織布1aと第2ウエブ2Wとが積層した積層体3aが得られる(図3参照)。本実施形態の積層工程は、第1実施形態と同様の方法により行われる。
積層工程によって得られた積層体3aは、第2エアスルー加工工程に供される。これにより、第1不織布1aと第2不織布2とが積層した積層不織布10aが得られる(図3参照)。第2エアスルー加工工程は、第1実施形態と同様の方法により行われる。
次に第3実施形態の製造方法について、図4を参照しながら説明する。
図4に示す製造装置102は、ウエブ形成部20、水流交絡部70、及びエアスルー加工部40を備えている。製造装置102は、エンボス加工部30に代えて水流交絡部70を具備する点以外は、前述した第1実施形態の製造装置100と同様の構成を具備している。例えば、第3実施形態の製造装置102は、第1実施形態の製造装置100と同様の、ウエブ形成部20、及びエアスルー加工部40を備えている(図4参照)。また製造装置102は、図4に示すように、一対のロール25,25を備えていてもよい。
本実施形態の製造装置102は、搬送方向Xにおいて第1カード機21の下流側に水流交絡部70が位置している。
水流交絡部70は、第1ウエブ1Wを水流によって交絡させ、第1ウエブ1Wの構成繊維が一体的に交絡した交絡体(第1不織布1b)を形成する。水流交絡部70は、第1ウエブ1Wに水流を吹き付ける水流ノズル71と、無端ベルトからなる支持ベルト72とを備えている。水流ノズル71は、支持ベルト72の上方に位置しており、第1ウエブ1Wの幅方向(搬送方向Xと直交する方向)全域に高圧水流を吹き付けるようになされている。支持ベルト72は、水流ノズル71と対向して配されており、吹き付けられた水を透過させるために、格子状などの各種パターンで穴が空いた構造となっている(図示せず)。
本実施形態の製造装置102は、水流交絡部70から搬送された第1不織布1bと、第2カード機22から搬送された第2ウエブ2Wとが合流する合流地点を備えている。該合流地点で第2ウエブ2Wと第1不織布1bとが重ね合わされることにより、第2ウエブ2
Wと第1不織布1aとが積層した積層体3bが形成される。図4に示されるように、該合流地点の直後に、第2ウエブ2Wと第1不織布1bとを重ね合わせた積層体3bを、一対のロール25,25間に導入してもよい。あるいは、積層体3bを一対のロール25,25間に導入しなくてもよい。
エアスルー加工部40は、第1実施形態と同様に、搬送方向Xにおいて一対のロール25,25よりも下流側に位置している。エアスルー加工部40は、積層体3bに対し、エアスルー加工を施して、積層不織布10bを製造する。
第3実施形態の製造方法においては、上述した製造装置102を用いて積層不織布10bを製造する。
第3実施形態の製造方法は、第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wを形成するウエブ形成工程と、第1ウエブ1Wに対し、水流交絡処理を施して、第1不織布1bを形成する水流交絡工程と、第2ウエブ2Wと第1不織布1bとの積層体3bを形成する積層工程と、積層体3bに対し熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布1bと第2ウエブ2Wを不織布化した第2不織布2とを接合する第2エアスルー加工工程とを具備する。
第3実施形態におけるウエブ形成工程は、第1実施形態と同様に、カード機21,22を用いて第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wを製造する。
第3実施形態における第1ウエブ1Wには、第1実施形態の第2ウエブ2Wに用いられる熱融着性繊維の説明を適用することができる。すなわち、第1実施形態と同じ熱融着性繊維が用いられる。
また第3実施形態における第2ウエブ2Wにも、第1実施形態の第2ウエブ2Wに用いられる熱融着性繊維の説明を適用することができる。
水流交絡工程では、前述の水流交絡部70を用いて第1ウエブ1Wに水流交絡処理を施す。具体的には、水流交絡部70において、第1ウエブ1Wが支持ベルト72上で搬送されながら、水流ノズル71から噴出する高圧水流によって該第1ウエブ1Wが交絡処理される。これにより、第1ウエブ1Wの構成繊維どうしが三次元的に交絡して、交絡体(第1不織布1b)となる。
水流交絡工程では、第1ウエブ1Wに吹き付ける高圧水流の圧力や、水流の吹き付け回数、第1ウエブ1Wの搬送速度の諸条件を適宜変更することによって、構成繊維の交絡度合いを調整することができる。一般的に、第1ウエブ1Wに吹き付ける高圧水流の圧力を低くしたり、水流の吹き付け回数を少なくしたりすると、構成繊維の交絡度合いは弱くなる。また、第1ウエブ1Wの搬送速度を速くすると、特定の位置における高圧水流の吹き付け時間が短くなるので、構成繊維の交絡度合いは弱くなる。これらの条件は、水流ノズル71の設置個数や設置間隔、ノズル径、若しくは水流ノズル71と支持ベルト72との間隔等の設備的条件を変更して調整してもよく、あるいは、水圧や搬送速度の制御、若しくは吹き付け対象面の制御等の人為的に容易に変更可能な条件を変更して調整してもよい。
第1不織布1bの成形性の観点から、水流交絡工程における水流交絡処理は下記の条件で行うことが好ましい。
第1ウエブ1Wに吹き付ける高圧水流の圧力は、好ましくは3.0MPa以上、より好ましくは5.0MPa以上であり、好ましくは50MPa以下、より好ましくは40MPa以下である。また、水流交絡に用いるノズルの数は特に制限せず、複数本あってもよい。
水流交絡工程により得られた交絡体(第1不織布1b)は、続く積層工程に供される。
これにより、第1不織布1bと第2ウエブ2Wとが積層した積層体3bが得られる(図4参照)。本実施形態の積層工程は、第1実施形態と同様の方法により行われる。
積層工程によって得られた積層体3bは、エアスルー加工工程に供される。これにより、第1不織布1bと第2不織布2とが積層した積層不織布10bが得られる(図4参照)。エアスルー加工工程は、第1実施形態と同様の方法により行われる。
第2実施形態の製造方法により得られる積層不織布10aと、第3実施形態の製造方法により得られる積層不織布10bとは、第1不織布と第2不織布とが積層した積層構造を有している。これら積層不織布10a,10bは、第1実施形態で得られた積層不織布10と同様に、第1不織布側の面で冷感を知覚させるとともに、第2不織布からなる層を具備することで風合いに優れる。すなわち第2及び第3実施形態の製造方法によっても、肌に触れたときに冷感を知覚させる冷感性能と、不織布の触感とを両立できる積層不織布を製造できる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
前述した第1実施形態の製造方法により積層不織布10を作製した。積層不織布10は、図1に示す製造装置100を用いて作製した。先ず、ウエブ形成工程を実施した。第1ウエブ1Wの原料繊維には、熱融着性短繊維として、芯がナイロン6(NY)樹脂であり且つ鞘(繊維表面)がHDPE樹脂である芯鞘複合繊維(NY/HDPE繊維(質量比=1:1)、繊度2.4dtex、繊維長51mm)を用いた。ウエブ形成工程では、この
原料繊維を第1カード機21に導入して第1ウエブ1Wを製造した。第2ウエブ2Wは、第1ウエブ1Wの原料繊維と同じものを用いて、該第1ウエブ1Wと同様の方法により作製した。
次に、エンボス加工部30を用いて、第1ウエブ1Wに対しエンボス加工を施すエンボス加工工程を行った。エンボス加工では、エンボス凸部(菱形)の面積率が20%であるエンボスロールを用いた。エンボス加工工程における第1ウエブ1Wの加熱温度は140℃とし、加圧条件は3.5MPaとした。斯かるエンボス加工により、第1不織布を作製した。次に、積層形成工程を行った。具体的には、得られた第1不織布と第2ウエブ2Wとを積層して、積層体3を形成した。
次に、エアスルー加工部40を用いて、積層体3に対しエアスルー加工を施すエアスルー加工工程を行った。この際、積層体3において第2ウエブ2W側の面を吹き付け面とし、第1不織布側の面を非吹き付け面とした。エアスルー加工工程における熱風の温度は140℃とし、熱風の風速は0.9m/秒とした。斯かるエアスルー加工工程により、積層体3における第2ウエブ2Wを不織布化するとともに、第1不織布と第2不織布とを接合して、積層不織布を製造した。
〔実施例2〕
前述した第2実施形態の製造方法により積層不織布10aを作製した。積層不織布10aは、図3に示す製造装置101を用いて作製した。
実施例1と同様の方法により、ウエブ形成工程を行い、第1ウエブ1W及び第2ウエブ
2Wを作製した。そして、第1エアスルー加工部50を用いて、第1ウエブ1Wに対しエアスルー加工を施す第1エアスルー加工工程を行った。第1エアスルー加工工程では、熱風の温度は138℃とし、熱風の風速は0.8m/秒とした。斯かる第1エアスルー加工工程により、第1不織布1aを作製した。
次に、カレンダー加工部60を用いて、得られた第1不織布1aに対しカレンダー加工を施すカレンダー加工工程を行った。カレンダー加工工程では、第1不織布1aの加熱温度を25℃とし、第1不織布1aに付与する線圧(プレス圧)を60N/cmとした。斯かるカレンダー加工工程により、第1不織布1aに圧密化処理を施した。
次に、積層工程を行った。具体的には、圧密化処理が施された第1不織布1aと第2ウエブ2Wとを積層して、積層体3aを形成した。そして、この積層体3aを第2エアスルー加工工程に供した。第2エアスルー加工工程において積層体3aは、第2ウエブ2W側の面を吹き付け面とし、第1不織布1a側の面を非吹き付け面とした。第2エアスルー加工工程は、実施例1のエアスルー加工工程と同様の方法で行った。このようにして積層不織布10aを製造した。
〔実施例3〕
前述した第3実施形態の製造方法により積層不織布10bを作製した。積層不織布10bは、図4に示す製造装置102を用いて作製した。
実施例1と同様の方法により、ウエブ形成工程を行い、第1ウエブ1W及び第2ウエブ2Wを作製した。そして、水流交絡部70を用いて第1ウエブ1Wに対し水流交絡処理を施す水流交絡工程を行った。水流交絡工程では、第1ウエブ1Wに吹き付ける高圧水流の圧力は5.0MPaとした。斯かる水流交絡工程により、第1不織布1bを作製した。
次に、積層工程を行った。具体的には、得られた第1不織布1bと第2ウエブ2Wとを積層して、積層体3bを形成した。そして、この積層体3bをエアスルー加工工程に供した。この際、積層体3bにおいて第2ウエブ2W側の面を吹き付け面とし、第1不織布側の面を非吹き付け面とした。エアスルー加工工程は、実施例1のエアスルー加工工程と同様の方法で行った。このようにして、積層不織布を製造した。
〔実施例4及び5〕
実施例4では、HDPEの単一樹脂からなる繊維(繊度2.4dtex、繊維長51m
m)を用いて、第1ウエブを製造した点以外は、実施例1と同様の方法により、積層不織布を製造した。
実施例5では、HDPEの単一樹脂からなる繊維(繊度2.4dtex、繊維長51m
m)を用いて、第1ウエブを製造した点以外は、実施例3と同様の方法により、積層不織布を製造した。
〔比較例1〕
カレンダー加工工程を行わなかった点以外は、実施例2と同様の方法により、積層不織布を製造した。
実施例及び比較例の各積層不織布の諸元を下記表1に示す。
表1に示す厚みは、測定対象の不織布に4.9mN/cm(0.5gf/cm)の荷重を負荷した状態で、レーザー変位計を用いて、5箇所以上測定し、それらの算術平均値を厚み(mm)としたものである。また、第1不織布と第2不織布とを分離して、各不織布の厚みを測定した。結果を下記表1に示す。
また、表1に示す体積充填率(%)は上述した方法により測定した。
〔冷感評価〕
実施例及び比較例の各積層不織布について、以下の方法で冷感の評価を行った。先ず、
5名の専門パネラーに不織布の表面に触れさせた。実施例の不織布については、第1不織布側の面を触れさせた。次いで、積層不織布に触れたときの冷感を以下の基準で評価し、各パネラーの評価点の算術平均値を冷感の評価とした。結果を表1に示す。
3点:冷感を良好に知覚できる。
2点:冷感を知覚できる。
1点:冷感があまり感じられない。
〔接触冷感の測定〕
実施例及び比較例の各積層不織布について、接触冷感を測定した。
接触冷感の測定は、測定装置(カトーテック株式会社製、KES-F7 サーモラボII)を用いて、以下の方法で行った。
先ず、測定対象となる積層不織布を長さ23cm×幅14cmの寸法に切り取り、これを試験片とした。試験片は、室温23℃、相対湿度50%の環境下に24時間放置した。次いで、上述の測定装置及び該装置の測定マニュアルに従って、熱源との温度差を規定するために、気体や液体を熱媒体として用いた恒温装置を用いて、試験片が23℃になるようにした。
続いて、上述の測定装置及び該装置の測定マニュアルに従って、試験片の第1不織布側の面について接触冷感qmaxを測定した。具体的には、測定対象と接触させる熱板として、面積9.0cm、質量9.8gの純銅(T-Box)製の測定端子を用い、該測定端子の初期温度を33℃(測定対象の表面温度より10℃高い温度)、該測定端子の試験片(第1不織布側の面)への接触圧を98mN/cm(10gf/cm)として、該試験片に該測定端子を接触させ、その接触の瞬間の前記熱流量の値をゼロとして、該熱流量の最大値を測定した。この測定を測定対象面につき5回行い、それら複数の測定値の算術平均値を、測定対象面の接触冷感qmax(W/m)とした。
接触冷感qmaxの値が大きいほど、熱の移動量が大きく、また熱の移動が速く、着用者に冷感を知覚させやすいものであることを指す。結果を以下の表1に示す。
Figure 2023065156000002
表1に示す結果から明らかなとおり、実施例1~5の積層不織布の第2不織布は、比較例1の積層不織布の第2不織布よりも厚みが大きい。また、これら実施例の積層不織布は、比較例1の積層不織布よりも柔らかく、肌触りが良好なものであった。斯かる結果から、実施例1~5の積層不織布は、比較例1の積層不織布よりもふっくらとした感触が得られやすく、風合いが良好であることが判る。
さらに実施例1~5の積層不織布は、冷感評価が1.8以上であり、接触冷感qmaxの値が0.050超であった。斯かる結果から、実施例1~5の積層不織布は、冷感性能に優れる結果となった。特に実施例1~5の対比から、エンボス加工工程によって第1不織布を形成することが、冷感を知覚させる点で有効であることが示された。
以上の結果から、実施例1~5の製造方法によれば、肌に触れたときに冷感を知覚させる冷感性能と、不織布の触感とが両立された積層不織布を製造できることが示された。
1、1a、1b 第1不織布
1W 第1ウエブ
2 第2不織布
2W 第2ウエブ
3、3a、3b 積層体
10、10a、10b 積層不織布
11 熱圧着部(エンボス部)
20 ウエブ形成部
21 第1カード機
22 第2カード機
25、25 ロール
30 エンボス加工部
31 エンボスロール
32 アンビルロール
40 エアスルー加工部(第2エアスルー加工部)
42 ブロア
43 サクションボックス
50 第1エアスルー加工部
52 ブロア
53 サクションボックス
60 カレンダー加工部
61 カレンダーロール
62 カレンダーロール
70 水流交絡部
71 水流ノズル
72 支持ベルト
100、101、102 製造装置
X 搬送方向

Claims (10)

  1. 短繊維であって且つポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む熱融着性繊維を含有する第1ウエブを、加熱したエンボスロールと該エンボスロールに対向配置されたアンビルロールとの間に導入し熱圧着を施して、第1不織布を形成する工程と、
    第1ウエブと同じ又は異なる樹脂を含む熱融着性繊維を含有する第2ウエブと第1不織布とを積層して積層体を形成する工程と、
    前記積層体に対し、熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布と第2ウエブを不織布化した第2不織布とを接合する工程とを具備する、積層不織布の製造方法。
  2. 前記エンボスロールとして、周面に形成されたエンボス凸部の面積率が10%以上30%以下であるものを用いる、請求項1に記載の積層不織布の製造方法。
  3. ポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む熱融着性繊維を含有する第1ウエブに対し、熱風を吹き付けてエアスルー加工を施して、第1不織布を形成する工程と、
    第1不織布を、加熱した一対のカレンダーロール間に導入し圧密化処理を施す工程と、
    第1ウエブと同じ又は異なる樹脂を含む熱融着性繊維を含有する第2ウエブと、圧密化した第1不織布とを積層して積層体を形成する工程と、
    前記積層体に対し、熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布と第2ウエブを不織布化した第2不織布とを接合する工程とを具備する、積層不織布の製造方法。
  4. ポリエチレン樹脂及びポリアミド樹脂の何れか一方又は双方を含む熱融着性繊維を含有する第1ウエブに対し、水流交絡処理を施して、第1不織布を形成する工程と、
    第1ウエブと同じ又は異なる樹脂を含む熱融着性繊維を含有する第2ウエブと、第1不織布とを積層して積層体を形成する工程と、
    前記積層体に対し熱風を吹き付けてエアスルー加工を施し、第1不織布と第2ウエブを不織布化した第2不織布とを接合する工程とを具備する、積層不織布の製造方法。
  5. 第1ウエブが含有する前記熱融着性繊維として、芯にポリアミド樹脂を含む芯鞘複合繊維を用いる、請求項1~4の何れか1項に記載の積層不織布の製造方法。
  6. 前記芯鞘複合繊維が、鞘に高密度ポリエチレン樹脂を含む、請求項5に記載の積層不織布の製造方法。
  7. 第1ウエブが含有する前記熱融着性繊維として、熱伝導率が0.11W/mK以上の繊維を用いる、請求項1~6の何れか1項に記載の積層不織布の製造方法。
  8. 前記積層不織布において、第1不織布側の面の接触冷感qmaxが0.05W/m以上となるように、該積層不織布を製造する、請求項1~7の何れか1項に記載の積層不織布の製造方法。
  9. 前記積層不織布において、第1不織布の体積充填率が2.0%以上であり、第2不織布の体積充填率が1.0%以上となるように、該積層不織布を製造する、請求項1~8の何れか1項に記載の積層不織布の製造方法。
  10. 前記積層不織布において、第1不織布及び第2不織布の坪量がそれぞれ独立に25g/m以上となるように、該積層不織布を製造する、請求項1~9の何れか1項に記載の積層不織布の製造方法。
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