JP2023065005A - クレーン装置 - Google Patents

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Ryoya Takewaki
康治 堀川
Koji Horikawa
裕吾 及川
Yugo Oikawa
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Kenichi Shiode
真弘 大槻
Masahiro Otsuki
達也 田上
Tatsuya Tagami
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Abstract

【課題】汎用のインバータを使用する上で、動作情報の設定工数が低減でき、しかも動作情報の確認が簡単にできるクレーン装置を提供する。【解決手段】少なくとも巻上用電動機と移動用電動機を含む複数の駆動電動機と、夫々の駆動電動機を制御する汎用のインバータと、夫々のインバータと通信部を介して接続され、インバータを制御する上位制御手段とを備えたクレーン装置において、上位制御手段は、動作情報を夫々のインバータの動作情報に対応した動作情報に変換する動作情報変換手段を備えている。【選択図】図3

Description

本発明はクレーン装置に係り、特に駆動電動機をインバータ制御するインバータ式のクレーン装置に関するものである。
例えば、工場等の建屋内には、製造された構造部品等の吊荷を鉛直方向に移動させる巻上用電動機、及び吊り下げた吊荷を天井側に設置されたレールに沿って移動させる移動用電動機を装備したクレーン装置が設置されている。ここで、巻上用電動機、移動用電動機は、以下では駆動電動機と表記する場合もある。
このような、クレーン装置においては、巻上用電動機は建屋の天井に沿って敷設されたレールに沿って走行されるもので、巻上用電動機にはワイヤロープを巻き付けるロープドラムを備えている。このロープドラムは、巻上用電動機によって回転させられ、吊荷に連結されたワイヤロープを巻き取り、繰り出す機能を備えている。また、クレーン装置には、レール上を走行させるための移動用電動機が備えられており、この移動用電動機を駆動することにより、レールに沿って巻上用電動機が移動される。
このようなクレーン装置は、例えば特許文献1(特開平07-13094号公報)に記載されている。特許文献1に記載のクレーン装置では、クレーン装置における複数の駆動電動機を夫々に要求される各種の特性に合わせて運転することを目的とし、このために、駆動電動機毎に設けたインバータに共通のコンバータ部から給電し、操作入力装置からの指示に基づいて、共通の演算部で夫々の駆動電動機の条件設定部から制御条件を読み出して各インバータを制御し、共通の回生電力消費抵抗器で各回生電力を消費する構成とされている。
特開平07-13094号公報
ところで、クレーン装置の製品コストや取扱性を考慮すると、上述したインバータを夫々の駆動電動機器に合わせた専用のインバータではなく、汎用のインバータを使用した方が得策である。
しかしながら、汎用のインバータを使用する場合は、例えば、夫々のインバータ毎に制御に使用する指令値やエラーコード等の動作情報の設定を個別に行う必要があり、多くの工数を必要とする。また、クレーン装置の保守の際には、指令値やエラーコードが、夫々のインバータ毎に異なるため、夫々のインバータのマニュアル等でこれらを確認する必要があり、手間がかかる。このように、汎用のインバータを使用する場合は、動作情報の設定に多くの工数がかかる、また、動作情報の確認に手間がかかる、といった課題がある。尚、特許文献1においては、これらの課題やこれらの課題に対する対応策についての開示や示唆する記載はない。
本発明の目的は、汎用のインバータを使用する上で、動作情報の設定工数が低減でき、しかも動作情報の確認が簡単にできるクレーン装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
少なくとも巻上用電動機と移動用電動機を含む複数の駆動電動機と、夫々の駆動電動機を制御する汎用のインバータと、夫々のインバータと通信部を介して接続され、インバータを制御する上位制御手段とを備えたクレーン装置において、上位制御手段は、動作情報を夫々のインバータの動作情報に対応した動作情報に変換する動作情報変換手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、汎用のインバータを使用する上で、動作情報の設定工数が低減でき、しかも動作情報の確認が簡単にできるクレーン装置を提供することができる。
インバータ式クレーン装置の全体構成を示す構成図である。 インバータ式クレーン装置の制御システムの構成を示す構成図である。 上位制御手段の構成を示すブロック図である。 表示部と操作部の動作を説明する説明図である。 機能コードの設定方法を説明する説明図である。 動作情報変換部の機能を説明するための構成(アドレスマップ)を示す構成図である。 設定値の変更を実行する処理フローを示すフローチャートである。 設定値の単位変更のやり方を説明する説明図である。 インバータ毎のエラーコードを統一エラーコードに変換するやり方を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
図1は本発明が適用されるインバータ式クレーン装置の全体構成を示し、図2は本発明の実施形態になるインバータ式クレーン装置の制御システムの構成を示している。
図1において、インバータ式クレーン装置は、クレーンフック1、ワイヤロープ2、巻上誘導電動機3、巻上用ドラム4、横行誘導電動機5、横行用車輪6、横行用ガーダ7、走行誘導電動機8、走行用車輪9、走行用ガーダ10、巻上・横行インバータ制御装置15、ケーブルに吊り下げられた操作入力装置12、走行用インバータ制御装置13等から構成されている。また、巻上誘導電動機3、横行誘導電動機5、及び走行誘導電動機8には、誘導電動機用ブレーキ14(図2参照)が各々に内蔵されている。
インバータ式クレーン装置は、クレーンフック1に取り付けた吊荷を、巻上誘導電動機3によって回転する巻上用ドラム4により、ワイヤロープ2を巻き上げ/巻き下げすることで鉛直方向(Y方向、-Y方向の矢印で示す)、即ち上下方向に吊荷を移動する。また、横行用車輪6を横行誘導電動機5が回転させ、横行用ガーダ7に沿って左右方向(X方向、-X方向の矢印で示す)に移動する。更に、走行用車輪9を走行誘導電動機8が回転させ、走行用ガーダ10に沿って前後方向(Z方向、-Z方向の矢印で示す)に移動する。
図2に示すように、巻上・横行インバータ制御装置15には、巻上・横行インバータ制御部(請求項でいう制御手段)15、巻上用インバータ16、横行用インバータ17が内蔵されている。また、走行用インバータ制御装置13には、走行インバータ制御部18、及び走行用インバータ19が内蔵されている。また、巻上・横行インバータ制御部15と走行インバータ制御部18とは通信線20によって接続されている。
巻上誘導電動機3と横行誘導電動機5は、巻上・横行用インバータ制御装置11に格納された巻上・横行インバータ制御部15により制御される。即ち、オペレータが操作入力装置12から所定の指示を入力すると、巻上・横行インバータ制御部15は、巻上用インバータ16と横行用インバータ17を制御するため、巻上用インバータ16と横行用インバータ17に制御に必要な動作情報を与える。尚、巻上誘導電動機3には、エンコーダ21が取り付けられており、巻上誘導電動機3の回転情報を巻上・横行インバータ制御部15に入力している。
そして、巻上用インバータ16と横行用インバータ17は、巻上誘導電動機3と横行誘導電動機5に必要な周波数、電圧、電流を加え、同時に誘導電動機用ブレーキ14を開放制御する。これによって、巻上用ドラム4の場合、クレーンフック1に取り付けられた吊荷が、落下することなく鉛直方向に移動させられ、また、横行用車輪6の場合、横行用ガーダ7に沿って横行用車輪6を左右方向に移動させる。
同様に走行用車輪9に取り付けてある走行誘導電動機8は、オペレータが操作入力装置12からの所定の指示を入力すると、走行用インバータ制御装置13に格納された走行インバータ制御部18が走行用インバータ19を制御し、走行用インバータ19は走行誘導電動機8に必要な周波数、電圧、電流を加え、同時に誘導電動機用ブレーキ14を開放制御することで、走行用ガーダ10に沿って走行用車輪9を前後方向に移動させる。
更に巻上・横行インバータ制御装置15にはクラウド通信部22が設けられており、このクラウド通信部22は、通信線23によって巻上・横行インバータ制御部15と接続されている。通信部22は無線通信によって、演算機能を備えるサーバによって構成されたクラウドサーバ24に接続されており、このクラウドサーバ24は、通信部を備えた携帯表示端末25とも無線通信で接続されている。
クラウド通信部22は、動作情報を、巻上・横行インバータ装置11が設置されている場所に赴くことなく、遠隔地で取得および編集するために設けられている。クラウド通信部22は、動作情報を取得してインターネット通信網を介することで、クラウドサーバ24に伝送することができる。ここで、インターネット通信網を介さず、例えば、近距離通信を用い、直接表示端末25に表示させる情報を伝送しても良い。また、表示端末25の一例としては、タブレット端末や、携帯電話(スマートフォン)、パーソナルコンピュータ等を使用することができる。
次に、本発明の具体的な実施形態を説明する。図3は複数の汎用のインバータを制御する上位制御手段30の概略の構成を示しており、本実施形態では巻上・横行インバータ制御部15が、この上位制御手段30に対応している。
図3において、上位制御手段30は、巻上用インバータ16と横行用インバータ17の2つ(複数)のインバータを制御する制御装置である。上位制御手段30は、制御部31、動作情報変換部32、記憶部33、通信部34、表示部35、操作部36から構成され、更には巻上用誘導電動機3の回転を検出する回転検出部37からの回転信号が入力されている。尚、これ以外の検出器の信号も制御部31に入力されている。
そして、巻上用インバータ16と横行用インバータ17は、それぞれ通信線26を介して上位制御手段30の通信部34と接続されている。通信部34と接続された動作情報変換部32は、夫々のインバータ16、17に送信する動作情報を選択するほか、動作情報(例えば、指令値)の相互変換や、エラーコードの統一化を実行する。
記憶部31は、インバータ式クレーン装置の動作情報等の設定値や、運転情報を保存する。この保存された情報は、動作情報変換部32の変換動作に利用される。通信部34は、通信手段26を介して巻上用インバータ16、横行用インバータ17を制御するためのインターフェースである。
そして、制御部31は、動作情報変換部32の変換動作、記憶部31の記憶動作、表示部35の表示動作、操作部36の操作動作を制御するための演算機能を備えている。更に、制御部31には、回転検出部37の回転情報が入力されている。回転検出部37は、巻上誘導電動機3に取り付けられているエンコーダのパルス出力を読み取り、インバータから取得する出力周波数とは別に、モータの回転量や回転周波数を得るものである。また、回転検出部37は、接続されるエンコーダのパルス数の設定が可能であり、この設定を行うことで、エンコーダの仕様が異なる場合も回転量を検出することができる。
次に上位制御手段30における表示部35と操作部36による動作情報の設定方法について図4、及び図5を用いて説明する。
図4の(A)おいて、上位制御手段30(ここでは、巻上・横行インバータ制御部)は、例えば最大4桁の数字、及び文字を表示する破線で示す表示部35と、「上下方向」、「決定」、及び「キャンセル」の4つのスイッチボタンUp、Dn、Et、Cnで構成される破線で示す操作部36を有する。夫々のボタンには、機能を示す記号(▲、▼等)が付されている。
スイッチボタン(上スクロール)Upは上方向のスクロール機能を有し、スイッチボタン(下スクロール)Dnは下方向のスクロール機能を有し、スイッチボタン(決定)Etは決定機能を有し、スイッチボタン(キャンセル)Cnはキャンセル機能を有している。
表示部35は、クレーン装置の稼働状態や、機能コード、設定値、及びエラー検出時のエラーコード等を表示するために用いられる。例えば、エラーコード「E01」を表示する場合は、図4の(B)に示す表示例のような表示を行うことになる。
操作部36のスイッチボタン(上スクロール)Up、スイッチボタン(下スクロール)Dnは、機能コード、或いは設定値が表示部35に表示されている状態で、押し下げすることによって順番に機能コードや設定値の表示内容を切り替えることができる。スイッチボタン(決定)Et、及びスイッチボタン(キャンセル)Dnは、表示モードを遷移する場合に使用される。
次に、図5は機能コードを選択する場合の例を示している。ここで、機能コードは、動作情報の確認や設定項目の編集といった機能に割り当てられる、アルファベットと数字の組み合わせによるコードである。ここでは、「F40」を選択する例を示している。この「F40」はインバータを選択する機能コードである。
図5において、通常時は、稼働状態を表示部35に表示する状態(通常状態と表記している)であり、スイッチボタン(決定)Etを押し下げすることで、設定項目毎の機能コード選択状態に移行する。
機能コード選択状態(機能コード選択状態と表記している)では、表示部35には機能コードを表示し、スイッチボタン(上スクロール)Up、スイッチボタン(下スクロール)Dnの押し下げで、機能コードが選択可能な状態になる。図では機能コードが「F01」⇒「F02」⇒……⇒「F40」となって、機能コード「F40」が選択されている。この状態でスイッチボタン(決定)Etを押し下げすることで、設定変更状態に移行する。
設定変更状態(設定変更状態と表記している)では、巻上用インバータ、或いは横行用インバータが選択される。この場合もスイッチボタン(上スクロール)Up、スイッチボタン(下スクロール)Dnを操作することでインバータの表示が切り替わる。この状態でスイッチボタン(決定)Etを押し下げすることで表示部35に表示されている値が記憶される。
また、設定変更状態でスイッチボタン(キャンセル)Cnを押し下げすると、スイッチボタン(上スクロール)Up、スイッチボタン(下スクロール)Dnによる変更を破棄し、機能コード選択状態に移行する。更に機能コード選択状態でスイッチボタン(キャンセル)Cnを押し下げることで、通常状態に移行する。
次に、動作情報変換部32の構成の一例について図6を用いて説明する。動作情報変換部32は、巻上・横行インバータ16、17、及びその他のインバータの、設定項目のアドレス、設定値の変更単位、設定範囲と、巻上・横行インバータ16,17、及びその他のインバータの、エラー項目毎のエラーコード、巻上・横行インバータ16,17、及びその他のインバータでの統一エラーコードが保存された、アドレスマップを備えている。尚、これらの具体的な利用方法は後述する。
そして、図5で示したように、インバータ選択機能から、使用するインバータの機種に適合するアドレスを選択することで、インバータの製造メーカや機種が異なる場合であっても上述した、設定項目の関連情報を選択されたインバータへ送信する、エラーコードを表示する、といった動作を可能としている。
次に、一つの例としてインバータの動作情報の設定値の変更から設定値の送信までの処理について、図7を用いて説明する。尚、必要に応じて図6の記載も参照されたい。
≪ステップS10≫
まず、ステップS10においては、図5に示すような方法を使用して設定値を変更するモードを選択する。モードを選択すると、ステップS11に移行する。
≪ステップS11≫
ステップS11においては、記憶部33に保存されている設定値が更新される。設定値が更新されるとステップS12に移行する。
≪ステップS12≫
ステップS12においては、図6に示したようなインバータのアドレスマップが選択済みか否かの判定を実行する。インバータのアドレスマップが選択されていなければ、ステップS13に移行する。一方、インバータのアドレスマップが選択されていると、ステップS14に移行する。
≪ステップS13≫
ステップS12でアドレスマップが選択されていないので、ステップS13では表示部35によってエラーを表示する(図4参照)。エラー表示を実行すると終了に抜けて次の起動に待機する。
≪ステップS14≫
ステップS12でアドレスマップが選択されているので、図6に示す設定項目のアドレスを選択する。設定項目のアドレスが選択されるとステップS15に移行する。
≪ステップS15≫
次に、ステップS11で更新された設定値が、ステップS14で選択されたインバータにおける設定値の設定範囲内か否の判定を実行する。設定範囲内ではないと判断されるとステップS16に移行する。一方、設定範囲内と判断されるとステップS19に移行する。
≪ステップS16≫
ステップS15で設定範囲内ではないと判断されているので、ステップS16においては、設定範囲の最大値を超過しているか否かの判定を実行する。最大値を超えている場合はステップS17に移行し、最大値でない場合は最小値と見做してステップS18に移行する。
≪ステップS17≫
ステップS16で設定範囲の最大値を超過していると判断されているので、ステップS17においては、設定値を設定範囲の最大値に置き換えて設定する。設定値を最大値に置き換えるとステップ21に移行する。
≪ステップS18≫
ステップS16で設定範囲の最小値と見做されているので、ステップS18においては、設定値を設定範囲の最小値に置き換えて設定する。設定値を最小値に置き換えるとステップ21に移行する。
≪ステップS19≫
ステップS15に戻って、このステップS15で設定範囲内と判断されているので、ステップS19においては、設定値の変換が必要か否かの判定を実行する。この判定で、設定値の変換が必要無いと判断されるとステップS21に移行する。一方、設定値の変換が必要と判断されるとステップS20に移行する。
≪ステップS20≫
ステップS19で設定値の変換が必要と判断されているので、ステップS20においては、設定値の変換を実行する。この設定値の変換は、後述するように変更単位の値に応じて動作情報変換部32によって実行される。動作情報変換部32による変換機能は、設定された設定値を、選択されたインバータで使用できる設定値に変換するための機能である。このステップS20については、後述する図8で説明する。設定値の変換を実行するとステップS21に移行する。
≪ステップS21≫
ステップS21においては、新たに設定された設定値を用いて送信データを作成する。この場合は、ステップS14で選択された設定項目のアドレスを設定値に付加して送信用データを作成する。送信用データを作成するとステップS22に移行する。
≪ステップS22≫
ステップS22においては、ステップS21で作成された送信用データを、通信部34を介して選択されたインバータに送信する。送信が完了すると終了に抜けて次の起動に待機する。
次に、ステップS20の設定値の変換について図8を用いて説明する。ステップS20においては、インバータの設定値を変更する場合、記憶部33の設定値を、インバータ選択機能で選択したインバータに対応した変更単位に適合させた設定値として変換する。
図8において、例えば、巻上用インバータ16を選択したとき、加速時間の設定を「3秒」に変更する場合、記憶部33のデータ(A)として、上位制御手段30での変更単位が「0.1秒」に設定してあれば、「3秒=0.1秒(変更単位)×30(設定値)」から、設定値は「30」となる。
しかしながら、上位制御手段30に接続される巻上用インバータの変更単位が、上位制御手段30の記憶部33に記憶された変更単位(0.1秒)とは異なり、巻上用インバータのデータ(B)にあるように、変更単位が「0.01秒」に設定してあれば「3秒=0.01秒(変更単位)×300(設定値)」から、設定値は「300」となる。ここで、アドレス「008」は、巻上用インバータ16に与えられた設定項目のアドレスである。このように、動作情報変換部32は、選択されたインバータの変更単位に合せて設定値を変換することができる。
したがって、送信用データ(C)にあるように、巻上用インバータ16に向けてアドレスを「008」とし、設定値を「300」とした送信データが通信部34から巻上用インバータ16に送信されるようになる。これによって、巻上用インバータ16は、加速時間を3秒に設定されて運転されることになる。
このように、動作情報変換部30は、少なくとも、インバータを特定する機能と、特定されたインバータの動作情報の設定値を、インバータに合せた設定値に変換する機能を備えている。これによって、汎用のインバータを使用する場合であっても、動作情報の設定に多くの工数がかかる、といった課題を解決することが可能となる。
次に統一エラーコードについて説明する。上位制御手段30は、周期的に巻上用インバータ16や横行インバータ17へ通信部34を介して、運転指令の送信や運転情報の受信を実行している。
ここで、運転指令は、駆動電動機の正転、逆転、及び停止や、周波数指令などのモータ制御に関する指令である。また運転情報は、駆動電動機の出力周波数、出力電流、直流電圧、エラー検出状態等のインバータによって検出可能な情報である。
上位制御手段30は、例えば、巻上用インバータ16がエラーを検出したときに、巻上用インバータ16が出力するエラーコードを取得する。そして、動作情報変換部32は、選択された巻上用インバータ16のエラー項目から、取得されたエラーコードに対応する統一エラーコードを特定し、これを記憶部33に保存すると共に、表示部35での表示を実行する。
図9に動作情報変換部32のエラー変換マップの具体的な例を示してる。例えば、巻上用インバータ16を選択している場合において、巻上用インバータ16が「加速中過電流エラー」を検出したとき、上位制御手段30は、巻上用ンバータ16からエラーコード「16」を取得する。
そして、動作情報変換部32は、巻上用インバータ16のエラー変換マップの中で、取得されたエラーコード「16」に対応する、統一エラーコード「E10」を出力し、「コードE10」の過電流エラーとして特定し、これを記憶部33に保存すると共に、表示部35での表示を実行する。
ここで、巻上用インバータ16のエラーコード「16」~「18」は、統一エラーコード「E10」とされ、エラーコード「32」~「34」は、統一エラーコード「E11」とされ、エラーコード「81」は、統一エラーコード「E12」とされている。同様に、横行用インバータ17のエラーコード「1」~「4」は、統一エラーコード「E10」とされ、エラーコード「7」~「15」は、統一エラーコード「E11」とされ、エラーコード「9」は、統一エラーコード「E12」とされている。その他のインバータも同様である。
したがって、個別のインバータのエラーコードではなく、統一エラーコードを見れば良いので、個別のインバータのエラーコードの確認に手間がかかる、といった課題を解決することが可能となる。
ここで、上位制御手段30を構成する、表示機能を備えた表示部35、及び操作、設定機能を備えた操作部34は、クラウドサーバ24を介して接続された表示端末25に設けられていても良い。つまり、表示部35の表示処理、及び操作部34の操作、設定処理を、クラウドサーバ24を経由して表示端末25で実行することで、遠隔地からエラー情報の確認や、機能コード、設定値等の変更が可能となり、クレーン装置の稼働や保守が容易になる効果がある。
本実施形態により、汎用インバータの設定作業は、上位制御手段の設定変更のみで可能となり、夫々のインバータ毎の相違を考慮する必要がなくなる。
以上述べた通り、本発明は、少なくとも巻上用電動機と移動用電動機を含む複数の駆動電動機と、夫々の駆動電動機を制御する汎用のインバータと、夫々のインバータと通信部を介して接続され、インバータを制御する上位制御手段とを備えたクレーン装置において、上位制御手段は、動作情報を夫々のインバータの動作情報に対応した動作情報に変換する動作情報変換手段を備えていることを特徴とする。
これによれば、汎用のインバータを使用する上で、動作情報の設定工数が低減でき、しかも動作情報の確認が簡単にできるクレーン装置を提供することができる。
尚、本発明は上記したいくつかの実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。各実施例の構成について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
1…クレーンフック、2…ワイヤロープ、3…巻上誘導電動機、4…巻上用ドラム、5…横行誘導電動機、6…横行用車輪、7…横行用ガーダ、8…走行誘導電動機、9…走行用車輪、10…走行用ガーダ、11…巻上・横行インバータ制御装置、12…操作入力装置、13…走行用インバータ装置、14…誘導電動機用ブレーキ、15…巻上・横行インバータ制御部、16…巻上用インバータ、17…横行用インバータ、18…走行インバータ制御部、19…走行用インバータ、20…通信線、21…エンコーダ、22…通信部、23…通信線、24…クラウド、25…表示端末、30…上位制御手段、31…制御部、32…動作情報変換部、33…記憶部、34…通信部、35…表示部、36…操作部、33…回転検出部。

Claims (5)

  1. 少なくとも巻上用電動機と移動用電動機を含む複数の駆動電動機と、夫々の前記駆動電動機を制御する汎用のインバータと、夫々の前記インバータと通信部を介して接続され、前記インバータを制御する上位制御手段とを備えたクレーン装置において、
    前記上位制御手段は、動作情報を夫々の前記インバータの動作情報に対応した動作情報に変換する動作情報変換手段を備えている
    ことを特徴とするクレーン装置。
  2. 請求項1に記載のクレーン装置において、
    前記動作情報変換手段は、少なくとも、前記インバータを特定する機能と、特定された前記インバータの動作情報の設定値を変更する機能とを備えている
    ことを特徴とするクレーン装置。
  3. 請求項2に記載のクレーン装置において、
    前記動作情報変換手段は、回転検出部に入力されるエンコーダのパルス数に関する設定値を変換する機能を備え、設定値を変換することを特徴とするクレーン装置。
  4. 請求項1に記載のクレーン装置において、
    前記動作情報変換手段は、夫々の前記インバータのエラーコードと、前記エラーコードを統一した統一エラーコードを記憶したエラー変換マップを備え、前記インバータで検出された前記エラーコードを、前記統一エラーコードに変換して出力する
    ことを特徴とするクレーン装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のクレーン装置において、
    前記上位制御手段を構成する、表示機能を備えた表示部、及び操作、設定機能を備えた操作部は、クラウドサーバを介して接続された表示端末に設けられている
    ことを特徴とするクレーン装置。
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