以下に、本発明に係る会計システムおよび会計処理方法の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
[1.概要]
図1及び図2は、企業グループに含まれる個社の会計データを親会社の担当者が連結会計システムで処理し、連結財務諸表を作成する場合のシステムの構成の一例を示す図である。図1に示すシステムは、親会社の連結会計システムと企業グループに含まれる個社の財務会計システムとが別システムの構成である。図1に示すシステムでは、子会社の各々の会計担当者が自社の財務会計システムから連結パッケージを出力し、出力した連結パッケージを親会社の連結会計システムに送付する。連結会計システムにおいては、送付された連結パッケージを親会社の連結担当者が受け入れ、科目情報、セグメント情報、取引先情報等を連結インターフェースでデータ変換して連結会計データとして格納する。そして、親会社の連結担当者が連結会計データの確認と調整を行い、連結財務諸表を出力する。
図2に示すシステムは、親会社の連結会計システムと企業グループに含まれる個社の財務会計システムとが一体のシステムの構成である。このシステムでは、親会社の連結担当者によって個社の各々の会計データが連結会計システムに連携され、科目情報、セグメント情報、取引先情報等が連結インターフェースでデータ変換されて連結会計データとして格納される。そして、親会社の担当者が連結会計データの確認と調整を行い、連結財務諸表を出力する。
図1及び図2のいずれのシステムにおいても、連結会計システムにおいて親会社の連結担当者がグループ内企業の個社の会計データについて合算、調整、確認等を行って連結財務諸表を作成する必要があり、親会社の連結担当者の業務負荷が高くなるという課題がある。
図3及び図4は、企業グループに含まれる個社の会計データを子会社の担当者が調整する会計システムの構成の一例を示す図である。図3に示す会計システムは、親会社の連結会計システムと企業グループに含まれる個社の財務会計システムとが別システムの構成である。このシステムでは、子会社の各々の会計担当者が自社の財務会計システムから連結パッケージを出力し、出力した連結パッケージを親会社の連結会計システムに送付する。連結会計システムにおいては、送付された連結パッケージを連結インターフェースで受け入れてデータ変換し、子会社の担当者である個社担当が確認や調整を行って連結会計データとして格納する。そして、親会社を担当する担当者である親会社担当は、集計された連結会計データの確認と調整を行い、連結財務諸表を出力する。
図4に示す会計システムは、親会社の連結会計システムと企業グループに含まれる個社の財務会計システムとが一体のシステムの構成である。このシステムでは、個社の会計システムから送られた会計データを連結インターフェースでデータ変換し、個社担当が確認や調整を行って連結会計データとして格納する。そして、親会社担当は、集計された連結会計データの確認と調整を行い、連結財務諸表を出力する。
図3や図4の会計システムでは、個社担当は、連結会計システムにおいて担当する会社の会計データについて調整や確認等を行う。親会社担当は、それぞれの会社の連結会計データを集計して連結財務諸表を作成し、子会社のデータについて確認や調整を行うことがないため、親会社担当の業務負荷が軽くすることができる。
図5~図7は、図3、4に示した会計システムの導入形態の一例を示す図である。図5に示す第1導入形態は、小規模な企業グループに適した導入形態である。第1導入形態は、親会社担当が個社の会計データベースから連結会計に係るデータを親会社の連結会計データベースに収集する。親会社担当は、収集したデータの確認と調整を行い、連結財務諸表を出力する。
図6に示す導入形態は、中規模な企業グループに適した導入形態である。図6に示す第2導入形態は、個社担当が子会社の会計データベースから連結会計に係るデータを連結情報入力データベースに収集する。親会社担当は、連結情報入力データベースに収集されたデータを連結会計データベースに連携し、連結財務諸表を出力する。
図7に示す導入形態は、大規模な企業グループに適した導入形態である。図7に示す第3導入形態は、企業グループを親会社直属グループG1、中核事業グループG2、M&A企業・在外子会社グループG3等の複数のグループに分け、グループ毎に個社担当が子会社の会計データベースから連結会計に係るデータを連結情報入力データベースに収集する。親会社担当は、各グループの連結情報入力データベースに収集されたデータを連結会計データベースに連携し、連結財務諸表を出力する。
[2.構成]
前述した導入形態を実現する本実施形態に係る会計システムの構成について、図面を参照して説明する。図8は、実施形態に係る会計システム1の構成の一例を示すブロック図である。
ネットワーク300A及びネットワーク300Bは、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。ネットワーク300A及びネットワーク300Bは、通信可能に接続されている。ネットワーク300Aは、親会社グループサーバ100、A1会社会計システム400-1及びA2会社会計システム400-2を相互に通信可能に接続する機能を有し、ネットワーク300Bは、中核事業グループサーバ200、B1会社会計システム500-1及びB2会社会計システム500-2を相互に通信可能に接続する機能を有する。また、ネットワーク300A及びネットワーク300Bは、親会社グループサーバ100と中核事業グループサーバ200を通信可能に接続する。
A1会社会計システム400-1は、親会社直属グループG1に含まれるA1会社の会計システム(個社会計システム)である。A1会社会計システム400-1は、A1会社の財務に係るデータベースであるA1会社財務データベース402-1と、A1会社の資産に係るデータベースであるA1会社資産データベース403-1とを有するA1会社会計データベース401-1を備える。
図9は、A1会社財務データベース402-1に格納されるデータと、A1会社資産データベース403-1に格納されるデータの一例を示す図である。A1会社財務データベース402-1は、仕訳明細データ601と、科目残高データ602を有する。なお、A1会社財務データベース402-1は、仕訳明細データ601と科目残高データ602だけでなく、財務に係る他のデータも有することができる。仕訳明細データ601は、図9に示すように、例えば、会社CD、発生日、総勘定科目、金額等を含む。科目残高データ602は、例えば、会社CD、勘定科目、残高等を含む。
A1会社資産データベース403-1は、固定資産データ603と月別償却情報データ604を有する。なお、A1会社資産データベース403-1は、固定資産データ603と月別償却情報データ604だけでなく、資産に係る他のデータも有することができる。固定資産データ603は、図9に示すように、例えば、会社CD、資産NO、取得価額等を含む。月別償却情報データ604は、図9に示すように、例えば、会社CD、資産NO、年度、月度、償却額等を含む。
A2会社会計システム400-2は、親会社直属グループG1に含まれるA2会社の会計システムである。A2会社会計システム400-2は、A2会社の財務に係るデータベースであるA2会社財務データベース402-2と、A2会社の資産に係るデータベースであるA2会社資産データベース403-2とを有するA2会社会計データベース401-2を備える。なお、A2会社財務データベース402-2も、A1会社財務データベース402-1と同様に仕訳明細データと科目残高データを含む。また、A2会社資産データベース403-2も、A1会社資産データベース403-1と同様に固定資産データと月別償却情報データを含む。
B1会社会計システム500-1は、中核事業グループG2に含まれるB1会社の会計システムである。B1会社会計システム500-1は、B1会社の財務に係るデータベースであるB1会社財務データベース502-1と、B1会社の資産に係るデータベースであるB1会社資産データベース503-1とを有するB1会社会計データベース501-1を備える。なお、B1会社財務データベース502-1も、A1会社財務データベース402-1と同様に仕訳明細データと科目残高データを含む。また、B1会社資産データベース503-1も、A1会社資産データベース403-1と同様に固定資産データと月別償却情報データを含む。
B2会社会計システム500-2は、中核事業グループG2に含まれるB2会社の会計システムである。B2会社会計システム500-2は、B2会社の財務に係るデータベースであるB2会社財務データベース502-2と、B2会社の資産に係るデータベースであるB2会社資産データベース503-2とを有するB2会社会計データベース501-2を備える。なお、B2会社財務データベース502-2も、A1会社財務データベース402-1と同様に仕訳明細データと科目残高データを含む。また、B2会社資産データベース503-2も、A1会社資産データベース403-1と同様に固定資産データと月別償却情報データを含む。
中核事業グループサーバ200は、中核事業グループG2に含まれる子会社の会計データを処理するサーバである。説明の便宜上、中核事業グループサーバ200を第2サーバと称する場合がある。中核事業グループサーバ200は、連結情報入力データベース206b、及び環境情報データベース206cを有する。中核事業グループサーバ200は、B1会社会計システム500-1とB2会社会計システム500-2からデータを取得して連結情報入力データベース206bに格納する。連結情報入力データベース206bに格納されたデータは、親会社グループサーバ100から参照される。
親会社グループサーバ100は、企業グループの親会社に設置されるサーバである。説明の便宜上、親会社グループサーバ100を第1サーバと称する場合がある。親会社グループサーバ100は、連結会計データベース106a、連結情報入力データベース106b、及び環境情報データベース106cを有する。親会社グループサーバ100は、A1会社会計システム400-1とA2会社会計システム400-2からデータを取得する。また、親会社グループサーバ100は、中核事業グループサーバ200からデータを取得する。親会社グループサーバ100は、子会社から取得した会計データと、中核事業グループサーバ200から取得したデータを用いて企業グループの連結財務諸表を出力する。
図10は、環境情報データベース106cと環境情報データベース206cが有するマスタの一例を示す図である。環境情報データベース106cは、システム種別マスタ120a、自環境接続情報マスタ120b、及び別環境接続情報マスタ120cを有する。システム種別マスタ120aは、会計システム1を構成するシステムの種類を管理するマスタであり、システムの種類の情報を格納する。自環境接続情報マスタ120bは、親会社直属グループG1を構成するシステムとデータベースの接続先を格納するマスタであり、図10に示すように識別番号、システム種別、会社CD、及び暗号化された接続先情報を格納する。別環境接続情報マスタ120cは、親会社直属グループG1とは異なるグループを構成するシステムとデータベースの接続先を格納するマスタであり、図10に示すように識別番号、システム種別、会社CD、及び暗号化された接続先情報を格納する。
なお、中核事業グループサーバ200が有する環境情報データベース206cも、環境情報データベース106cと同様にシステム種別マスタ220a、自環境接続情報マスタ220b、及び別環境接続情報マスタ220cを有する。自環境接続情報マスタ220bは、中核事業グループG2を構成するシステムとデータベースの接続先を格納する。別環境接続情報マスタ220cは、中核事業グループG2とは異なるグループを構成するシステムとデータベースの接続先を格納する。なお、別環境接続情報マスタ220cには、親会社直属グループG1を構成するシステムとデータベースの接続先は登録されない構成となっている。これは、中核事業グループサーバ200から親会社グループサーバ100への接続を防ぐためである。
図11は、親会社グループサーバ100が備える連結会計データベース106aが有するマスタとデータの一例を示す図である。連結会計データベース106aは、連結会社マスタ140a、連結決算期マスタ140b、連結情報入力システム連携管理マスタ140c、及び連結会計システム連携管理マスタ140dを有する。図12は、連結会社マスタ140a、連結決算期マスタ140b、連結情報入力システム連携管理マスタ140c、及び連結会計システム連携管理マスタ140dの一例を示す図である。連結会社マスタ140aは、企業グループにおいて連結会計の対象となる対象会社を管理するマスタであり、図12に示すように、対象会社の会社CDと会社名とを含む。連結決算期マスタ140bは、企業グループの連結決算期の情報を格納するマスタであり、図12に示すように、連結決算期、連結決算期枝番、連結決算期名称、決算期間開始日、及び決算期期間終了日を含む。連結情報入力システム連携管理マスタ140cは、連結情報入力システムのデータ連携スキームを管理するマスタであり、図12に示すように、会社CD、連結決算期、連結決算期枝番、連結情報入力会社NO、データ種別、及び個別データ収集対象グラフを含む。連結会計システム連携管理マスタ140dは、連結会計システムの連携スキームを管理するマスタであり、会社CD、連結決算期、連結決算期枝番、データ種別、及び個社データ収集対象フラグを有する。
また、連結会計データベース106aは、連結科目残高データ140f、及び連結セグメント残高データ140gを有する。図13は、連結科目残高データ140f、及び連結セグメント残高データ140gの一例を示す図である。連結科目残高データ140fは、図13に示すように、会社CD、連結決算期、連結決算期枝番、連結総勘定科目及び金額を含む。連結セグメント残高データ140gは、図13に示すように、会社CD、連結決算期、連結決算期枝番、連結セグメント、連結総勘定科目、及び金額を含む。また、連結情報入力データベース106bは、図示省略した連結変動計算書データ、連結キャッシュフローデータ、連結会社間取引データ、連結未実現固定資産データ、連結未実現焼却情報データ、連結持分変動データ、連結のれんデータ、連結注記情報データ、連結財務諸表データ等を有する。
図14は、連結情報入力データベース106bと連結情報入力データベース206bが有するマスタとデータの一例を示す図である。連結情報入力データベース106bは、連結会社マスタ130a、連結決算期マスタ130b、及び連結情報入力システム連携管理マスタ130cを有する。連結会社マスタ130aは、連結会社マスタ140aに同期するマスタであり、連結決算期マスタ130bは、連結決算期マスタ140bに同期するマスタであり、連結情報入力システム連携管理マスタ130cは、連結情報入力システム連携管理マスタ140cに同期するマスタである。
なお、中核事業グループサーバ200が有する連結情報入力データベース206bも、連結情報入力データベース106bと同様に連結会社マスタ230a、連結決算期マスタ230b、及び連結情報入力システム連携管理マスタ230cを有する。
また、連結情報入力データベース106bは、連結情報入力科目残高データ130eと、連結情報入力セグメント残高データ130fを有する。図15は連結情報入力科目残高データ130eと、連結情報入力セグメント残高データ130fの一例を示す図である。連結情報入力科目残高データ130eは、図15に示すように、会社CD、連結決算期、連結決算期枝番、連結総勘定科目及び金額を含む。連結情報入力セグメント残高データ130fは、図15に示すように、会社CD、連結決算期、連結決算期枝番、連結セグメント、連結総勘定科目、及び金額を含む。また、連結情報入力データベース106bは、図示省略した連結情報入力変動計算書データ、連結情報入力キャッシュフローデータ、連結情報入力会社間取引データ、連結情報入力未実現固定資産データ、連結情報入力未実現焼却情報データ等を有する。
なお、中核事業グループサーバ200が有する連結情報入力データベース206bも、連結情報入力データベース106bと同様に連結情報入力科目残高データ230eと、連結情報入力セグメント残高データ230fを有し、図示省略した連結情報入力変動計算書データ、連結情報入力キャッシュフローデータ、連結情報入力会社間取引データ、連結情報入力未実現固定資産データ、連結情報入力未実現焼却情報データ等を有する。
図16は、親会社グループサーバ100の構成の一例を示すブロック図である。親会社グループサーバ100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。ただし、親会社グループサーバ100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型の情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型の情報処理装置であってもよい。また、親会社グループサーバ100は、所謂ブレードサーバであってもよい。
親会社グループサーバ100は、制御部102、通信インターフェース部104、記憶部106、及び入出力インターフェース部108を備えている。親会社グループサーバ100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、親会社グループサーバ100をネットワーク300Aに通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106には、例えば、前述した連結会計データベース106a、連結情報入力データベース106b、及び環境情報データベース106cが格納されている。
制御部102は、親会社グループサーバ100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラムや各種の処理手順等を規定したプログラム、所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、第1収集部102a、設定部102b、連携部102c、生成部102d、第1入力部102e、及び第2入力部102fを備えている。
収集手段としての第1収集部102aは、親会社直属グループG1に属する指定された個社の会計システムに格納されている会計データを、業務アプリケーション及びデータベース処理部品を用い、連結情報入力システムに含まれる連結情報データベースに収集する。
設定手段としての設定部102bは、指定された個社と各種マスタに基づいて接続先となる連結情報入力システムの連結情報入力データベースを設定する。
連携手段としての連携部102cは、設定された接続先の連結情報入力システムの連結情報入力データベースに接続し、接続した連結情報入力システムの連結情報入力データベースに格納されている指定された個社の会計データを連結会計システムの連結会計データベースに連携する。
生成手段としての生成部102dは、連結会計システムに格納された会計データに基づいて連結会計データを生成する。
第1入力手段としての第1入力部102eは、個社の会計データを連結情報入力システムの連結情報入力データベースに入力する。
第2入力手段としての第2入力部102fは、個社の会計データを連結会計システムの連結会計データベースに入力する。
図17は、中核事業グループサーバ200の構成の一例を示すブロック図である。中核事業グループサーバ200は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。ただし、中核事業グループサーバ200は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型の情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型の情報処理装置であってもよい。また、中核事業グループサーバ200は、所謂ブレードサーバであってもよい。
中核事業グループサーバ200は、制御部202、通信インターフェース部204、記憶部206、及び入出力インターフェース部208を備えている。中核事業グループサーバ200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部204は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、中核事業グループサーバ200をネットワーク300Bに通信可能に接続する。通信インターフェース部204は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
入出力インターフェース部208には、入力装置212および出力装置214が接続されている。出力装置214には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置212には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置214をモニタ214とし、入力装置212をキーボード212またはマウス212として記載する場合がある。
記憶部206には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部206には、OSと協働してCPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部206として、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部206には、例えば、前述した連結情報入力データベース206b、及び環境情報データベース206cが格納されている。
制御部202は、中核事業グループサーバ200を統括的に制御するCPU等である。制御部202は、OS等の制御プログラムや各種の処理手順等を規定したプログラム、所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部202は、機能概念的に、第2収集部202a及び第3入力部202eを備えている。
収集手段としての第2収集部202aは、中核事業グループG2に属する指定された個社の会計システムに格納されている会計データを、業務アプリケーション及びデータベース処理部品を用い、連結情報入力システムに含まれる連結情報データベースに収集する。
第1入力手段としての第3入力部202eは、個社の会計データを連結情報入力システムの連結情報入力データベースに入力する。
[3.処理の具体例]
ここでは、会計システム1で実行される処理の具体例について、図面を参照して説明する。
まず、会計システム1における連結決算スキームの仕組みについて説明する。本実施形態の連結決算スキームにおいては、会計システム1は、機能的に大きく個社会計システムSYS1、連結情報入力システムSYS2、及び連結会計システムSYS3の3つのシステムに区分できる。
図18は、個社会計システムSYS1の概要を示す図である。個社会計システムSYS1は、連結決算を行う企業グループに含まれる各個社の会計システムである。会計システム1においては、例えば、A1会社会計システム400-1、A2会社会計システム400-2、B1会社会計システム500-1、及びB2会社会計システム500-2が個社会計システムSYS1に相当する。個社会計システムSYS1は、機能的に財務データベースで財務会計を管理する財務会計システムと、資産データベースで固定資産を管理する固定資産システムで構成される。
図19は、連結情報入力システムSYS2の概要を示す図である。連結情報入力システムSYS2は、連結決算の一部を個社担当で分担して入力するためのシステムである。連結情報入力システムSYS2は、個社が個社会計システムSYS1を導入している場合には、個社会計システムSYS1が有するデータベースから連結決算に必要なデータを連結情報入力データベースに収集することができる。連結情報入力システムSYS2は、個社会計システムSYS1からデータを収集した場合は、収集したデータに対して各種データの入力のための業務アプリケーションで調整を行うことができる。連結情報入力システムSYS2は、個社について個社会計システムSYS1からデータを収集しない場合は、各種データの入力のための業務アプリケーションから連結決算に必要なデータを直接入力して調整を行うことができる。
図20は、連結会計システムSYS3の概要を示す図である。連結会計システムSYS3は、企業グループに属する全ての会社の決算に係るデータを取りまとめて連結財務諸表を出力するシステムである。連結会計システムSYS3が決算に係るデータを集める方法としては3つのパターンがある。パターン1は、連結情報入力システムSYS2からデータを連携する方法である。パターン2は、個社が個社会計システムSYS1を導入している場合に、個社会計システムSYS1が有するデータベースから連結決算に必要なデータを連結会計データベースに収集する方法である。パターン2では、収集したデータに対して各種データの入力のための業務アプリケーションで調整を行うことができる。パターン3は、パターン1とパターン2のいずれにも該当しない場合に、各種データの入力のための業務アプリケーションから連結決算に必要なデータを直接入力して調整を行う方法である。連結会計システムSYS3においては、パターン1~パターン3で決算に係るデータを集めた後、親会社担当が決算手続きを行って連結決算を完了させる。
なお、個社会計システムSYS1、連結情報入力システムSYS2、及び連結会計システムSYS3のシステム間の連携の管理は、連結情報入力システム連携管理マスタと連結会計システム連携管理マスタで行うことができる。これらのマスタでは、個社会計システムSYS1からデータの収集を行うか否かを管理する個社データ収集対象フラグによって個社毎にデータ種別単位で収集対象であるか否かを設定できるため、例えば、個社会計システムSYS1で対応していないデータについては収集の対象外とすることができる。
また、会計システム1の運用途中においては、例えば個社会計システムSYS1の導入や切り替えもあるが、連結情報入力システム連携管理マスタと連結会計システム連携管理マスタは、連結決算期毎に設定が可能となっているため、連結決算期単位で収集対象の変更も可能である。なお、連結会計システム連携管理マスタは、小規模な企業グループに対応するためのマスタであるため、会計システム1において必須なマスタではない。会計システム1が連結会計システム連携管理マスタを備えていない場合、データを収集するときに親会社担当が必要に応じて収集対象のデータを選択してもよい。
図21は、会計システム1において個社のデータを収集する処理の流れを示すフローチャートである。まず、親会社グループサーバ100は、データ収集に係るパラメータを業務アプリケーションによって取得する(ステップS1)。次に親会社グループサーバ100は、実行中のシステムを判定する(ステップS2)。親会社グループサーバ100は、連結情報入力システムSYS2を実行中である場合、取得したパラメータが連結情報入力データベース106bの連結情報入力システム連携管理マスタ130cに存在するか判断する(ステップS3)。親会社グループサーバ100は、取得したパラメータが連結情報入力システム連携管理マスタ130cに存在しない場合(ステップS3でNo)、ユーザが実行しようとしている処理を処理対象外とする(ステップS5)。
親会社グループサーバ100は、取得したパラメータが連結情報入力システム連携管理マスタ130cに存在する場合(ステップS3でYes)、連結情報入力システム連携管理マスタ130cにおいてパラメータに対応したレコードの個社データ収集対象フラグが「対象」であるか判断する(ステップS4)。親会社グループサーバ100は、個社データ収集対象フラグが「対象」である場合(ステップS4でYes)、収集するデータを、連結情報入力システムSYS2のデータ収集対象とする(ステップS6)。親会社グループサーバ100は、個社データ収集対象フラグが「対象外」である場合(ステップS4でNo)、収集するデータをデータ種別毎の入力のための入力画面を備えた業務アプリケーションで直接入力するデータとする(ステップS7)。親会社グループサーバ100は、ステップS6又はステップS7の後、連結情報入力システムSYS2でデータの収集を行う(ステップS8)。
親会社グループサーバ100は、連結会計システムSYS3を実行中である場合、取得したパラメータが連結会計データベース106aの連結情報入力システム連携管理マスタ140cに存在するか判断する(ステップS9)。親会社グループサーバ100は、取得したパラメータが連結情報入力システム連携管理マスタ140cに存在する場合(ステップS9でYes)、収集するデータを、連結情報入力システムSYS2からのデータ連携対象とする(ステップS10)。親会社グループサーバ100は、取得したパラメータが連結情報入力システム連携管理マスタ140cに存在しない場合(ステップS9でNo)、連結会計システム連携管理マスタ140dを参照して個社データ収集対象フラグが「対象」であるか判断する(ステップS11)。
親会社グループサーバ100は、連結会計システム連携管理マスタ140dで個社データ収集対象フラグが「対象」である場合(ステップS11でYes)、収集するデータを、連結会計システムSYS3のデータ収集対象とする(ステップS12)。親会社グループサーバ100は、連結会計システム連携管理マスタ140dで個社データ収集対象フラグが「対象外」である場合(ステップS11でNo)、収集するデータをデータ種別毎の入力のための入力画面を備えた業務アプリケーションで直接入力するデータとする(ステップS13)。親会社グループサーバ100は、ステップS10、ステップS12又はステップS13の後、連結会計システムSYS3でデータの収集を行う(ステップS14)。
図22は、ステップS8で行われる連結情報入力システムSYS2におけるデータ収集の処理を説明するための図である。連結情報入力システムSYS2は、収集するデータが連結情報入力システムSYS2のデータ収集対象である場合、連結情報入力データ収集処理の業務アプリケーションap1で入力される情報に基づいて個社のデータを連結情報入力データベース106bに収集する。なお、連結情報入力データベース106bに収集したデータは、各種データの入力のための業務アプリケーションで調整することができる。連結情報入力システムSYS2は、収集するデータをデータ種別毎の入力のための業務アプリケーションで直接入力する場合、データをデータ種別毎の業務アプリケーションで直接取得する。このように収集されたデータは、連結会計システムSYS3に連携する。
図23は、ステップS14で行われる連結会計システムSYS3におけるデータ収集の処理を説明するための図である。連結会計システムSYS3は、収取するデータが連結情報入力システムSYS2からのデータ連携対象である場合、連結情報入力データ連携処理の業務アプリケーションap2で入力される情報に基づいて、連結情報入力データベース106bに格納されている情報を連結会計データベース106aに収集する。連結会計システムSYS3は、収集するデータが連結会計システムSYS3のデータ収集対象である場合、連結データ収集処理の業務アプリケーションap3で入力される情報に基づいて、個社のデータベースからデータを収集する。連結会計システムSYS3は、収集するデータがデータ種別毎の入力のための業務アプリケーションで直接入力するデータである場合、データをデータ種別毎の業務アプリケーションで直接収集する。
図24は、連結会計データベース106aのマスタと連結情報入力データベース106bのマスタとを同期させる処理を説明するための図である。親会社担当は、図24に示すマスタ同期処理の業務アプリケーションap4で同期対象のマスタを選択する。親会社担当が「実行」ボタンをクリックすると、連結情報入力データベース160bに格納されているマスタのうち、親会社担当により選択されたマスタが連結会計データベース106aに格納されているマスタに同期される。
図25は、連結会計データベース106aのマスタと連結情報入力データベース106bのマスタとを同期させる処理の詳細を説明するための図である。具体的には、親会社グループサーバ100は、図25に示すデータベース処理部品PA1が業務アプリケーションap4への入力に基づいて会社CDとシステム種別を接続用入力パラメータとして設定し、環境情報データベース106cを参照して連結会計データベース106aに接続する。
データベース処理部品は、業務アプリケーションがデータベースに対して行う参照や更新等の制御を統一的につかさどる部品である。データベース処理部品は、業務アプリケーションから取得したいデータを格納する会社の会社CD及びシステム種別を受け取り、環境情報データベースを使用して実際にデータを格納するサーバ及びデータベースに接続を行う。このようにデータベース処理部品を介して処理を行うことで、業務アプリケーションはシステムの物理的な環境構成及びデータベース配置を知ることなく、論理的な処理対象である会社やシステム種別を指定してデータベース関連の処理を行うことが出来る。データベース処理部品は、自環境の「自環境接続情報マスタ」及び「別環境接続情報マスタ」を参照し、接続用入力パラメータに合致するデータベース接続先情報を自動判定して接続先を取得する。システム種別と会社CDは、「自環境接続情報マスタ」及び「別環境接続情報マスタ」全体で一意に管理されており、この2つのパラメータからいずれかの接続先を特定できるようになっている。このため、業務アプリケーションは、いずれの環境にデータベースが存在するかを識別したり制御したりする必要が無い。
次に親会社グループサーバ100は、連結情報入力システム連携管理マスタ140cから連結情報入力会社NOを取得し、取得した連結情報入力会社NOを、同期対象のマスタを更新するためのデータベース処理部品PA2の接続用入力パラメータの会社CDとする。また、親会社グループサーバ100は、環境情報データベース106cを参照して会社CDに対応したシステム種別を取得し、取得したシステム種別を接続用入力パラメータのシステム種別とする。親会社グループサーバ100は、データベース処理部品PA1の接続先の連結会計データベース106aに格納されているマスタに基づいて、データベース処理部品PA2の接続用入力パラメータで特定される連結情報入力データベース106bに格納されているマスタを更新する。連結情報入力システムSYS2は、同期した連結情報入力データベース106bを参照して動作する。
図26は、会計システム1において個社の会計データベースへアクセスするときの処理を説明するための図である。まず、ユーザ(親会社担当)は、図26に示すユーザ認証のための業務アプリケーションap5で自身のユーザIDとパスワードを入力して親会社グループサーバ100へログインする。ログインしたユーザは、会計処理を行う会社を図27に示す会社選択のための業務アプリケーションap6で選択する。ユーザが業務アプリケーションap6で会社を選択すると、図26に示す業務アプリケーションap7が表示される。ユーザは、業務アプリケーションap7において、個社のデータベースへ行う処理を選択する。ユーザが、例えば、業務アプリケーションap7で「仕訳入力」を選択すると、図26に示す業務アプリケーションap8が表示される。ユーザが、業務アプリケーションap8で入力を行い、登録ボタンをクリックする操作を行うと、親会社グループサーバ100は、図26に示すデータベース処理部品PA3で環境情報データベース106cを参照してアクセスする個社の会計データベースを特定し、特定したデータベースを更新クエリで更新する。
図27は、参照する個社のデータベースをデータベース処理部品により特定する動作を説明するための図である。例えば、データベース接続部品PA4は、接続用入力パラメータとして会社CDが「A1」であり、システム種別が「財務会計システム」である場合、このパラメータで自環境接続情報マスタ120bを参照し、データベース処理部品PA4の接続先情報として「第1サーバ-A1会社財務データベース」を取得する。
また、例えば、データベース接続部品PA5は、接続用入力パラメータとして会社CDが「B1」であり、システム種別が「財務会計システム」である場合、このパラメータで別環境接続情報マスタ120cを参照し、データベース処理部品PA5の接続先情報として「第2サーバ-B会社財務データベース」を取得する。
次に図5に示した小規模な第1導入形態に対応した会計システム1の処理例について、図28を用いて説明する。なお、この処理例の説明においては、連結情報入力システム連携管理マスタ140cに個社の情報が格納されていないものとする。第1導入形態において、A1会社の会計データを収集する場合、親会社担当は、連結データ収集処理のための業務アプリケーションap9で収集対象のデータを選択して「実行」ボタンをクリックする。第1導入形態において、業務アプリケーションap9は、連結情報入力システム連携管理マスタ140cにA1会社の情報が登録されていない場合、A1会社の会計データを、A1会社会計システム400-1から収集する対象であるものと判定する。データ収集のためのデータベース処理部品PA4は、業務アプリケーションap6で選択された「A1会社」で連結会社マスタ140aを参照し、会社CD「A1」を取得する。データベース処理部品PA4は、取得した会社CD「A1」を接続用入力パラメータとする。また、データベース処理部品PA4は、会社CDと収集対象としてチェックされている項目に対応したシステム「財務会計システム」を接続用入力パラメータとする。データベース処理部品PA4は、この接続用入力パラメータで自環境接続情報マスタ120bを参照し、接続先情報として「第1サーバ-A1会社財務データベース」を取得する。
データベース処理部品PA4は、取得した接続先情報で参照クエリを実行し、A1会社財務データベース402-1を参照する。次に、連結会計データベース106aを更新するためのデータベース処理部品PA5は、業務アプリケーションap9で表示されている親会社の会社名「P社」で連結会社マスタ140aを参照し、会社CD「P」を取得する。データベース処理部品PA5は、取得した会社CD「P」をデータベース処理部品PA5の接続用入力パラメータとする。また、データベース処理部品PA5は、システム種別「連結会計システム」を接続用入力パラメータとする。データベース処理部品PA5は、この接続用入力パラメータで自環境接続情報マスタ120bを参照し、データベース処理部品PA5の接続先情報として「第1サーバ-連結会計データベース」を取得する。データベース処理部品PA5は、取得した接続先情報で更新クエリを実行し、データベース処理部品PA4で参照するA1会社財務データベース402-1を参照して連結会計データベース106aを更新する。
なお、業務アプリケーションap9で収集対象としてA1会社資産データベース403-1に対応した項目がチェックされている場合、データベース処理部品PA4は、システム種別を「固定資産会計システム」とし、接続先情報を「第1サーバ-A1会社資産データベース」とする。親会社担当は、業務アプリケーションap9で収集会社や収集対象を切り替え、A2会社等の他の個社についても財務データベースや資産データベースを参照して連結会計データベース106aを更新する。なお、データベース処理部品PA4とデータベース処理部品PA5は、業務アプリケーションap9において、収集会社として複数の会社が設定されている場合、設定されている会社に対応して自動的に接続用入力パラメータと接続先情報を変更してデータベースの参照と連結会計データベース106aの更新を行う。
また、業務アプリケーションap9で収集会社をA1会社に替えてB1会社とした場合、業務アプリケーションap9は、連結情報入力システム連携管理マスタ140cにB1会社の情報が格納されていないと、B1会社の会計データを、B1会社会計システム500-1から収集する対象であるものと判定し、データベース処理部品PA4は、会社CD「B1」と「財務会計システム」を接続用入力パラメータとする。データベース処理部品PA4は、別環境接続情報マスタ120cにB1会社の情報が格納されていると、別環境接続情報マスタ120cを参照し、接続先情報として「第2サーバ-B1会社財務データベース」を取得する。データベース処理部品PA4は、取得した接続先情報で参照クエリを実行し、B1会社財務データベース502-1を参照する。
次に、連結会計データベース106aを更新するためのデータベース処理部品PA5は、業務アプリケーションap9で表示されている親会社の会社名「P社」で連結会社マスタ140aを参照し、会社CD「P」を取得する。データベース処理部品PA5は、取得した会社CD「P」をデータベース処理部品PA5の接続用入力パラメータとする。また、データベース処理部品PA5は、システム種別「連結会計システム」を接続用入力パラメータとする。データベース処理部品PA5は、この接続用入力パラメータで自環境接続情報マスタ120bを参照し、データベース処理部品PA5の接続先情報として「第1サーバ-連結会計データベース」を取得する。データベース処理部品PA5は、取得した接続先情報で更新クエリを実行し、データベース処理部品PA4で参照するB1会社財務データベース502-1を参照して連結会計データベース106aを更新する。
次に、図7に示した大規模な第3導入形態に対応した会計システム1の処理例について、図29~図31を用いて説明する。図29は、第3導入形態の処理例の概要を説明するための図である。第3導入形態では、まず、中核事業グループG2側で中核事業グループG2の個社担当が中核事業グループサーバ200を操作し、連結情報入力データ収集処理のための業務アプリケーションap10で各個社の財務データベース及び資産データベースから会計データを収集し、各個社の連結情報の収集処理を行う(処理1-1)。中核事業グループG2の個社担当は、データを収集した後、業務アプリケーションで必要に応じて各種データの入力や調整等を個別の入力画面で行う(処理1-2)。中核事業グループサーバ200は、中核事業グループG2の個社担当が行った操作に応じて、連結情報を連結情報入力データベース206bに格納する。なお、親会社直属グループG1側でも中核事業グループG2側と同様に、親会社直属グループG1に属する各個社の会計データの収集や調整が個社担当により行われ、連結情報が連結情報入力データベース106bに格納される。
中核事業グループG2側で各個社の連結情報の収集が完了した後、親会社直属グループG1の親会社担当が親会社グループサーバ100を操作し、連結情報入力データベース206bに格納されているデータを連結情報入力データ連携処理のための業務アプリケーションap11で親会社グループサーバ100の連結会計データベース106aに連携させる(処理2-1)。親会社直属グループG1の親会社担当は、データを連携した後、親会社グループサーバ100を操作し、必要に応じて業務アプリケーションで各種データの入力や調整等を個別の入力画面で行う(処理2-2)。親会社担当は、その後、親会社担当のみが可能な複数社の横断的な調整業務や、最終的な決算手続きを業務アプリケーションで進める。親会社担当が行う業務としては、例えば、連結持分変動データ登録、連結のれんデータ登録、連結注記情報データ登録、連結財務諸表データ作成等がある。
次に第3導入形態において中核事業グループG2側で行われる処理例の詳細について説明する。図30は、第3導入形態の処理例の詳細を説明するための図である。第3導入形態において、B1会社の会計データを収集する場合、B1会社の個社担当は、連結情報入力データ収集処理のための業務アプリケーションap10で収集対象のデータを選択し、「実行」ボタンをクリックする。
データベース処理部品PA6は、業務アプリケーションap10で連携会社とされている「B1会社」で連結会社マスタ230aを参照し、会社CD「B1」を取得する。データベース処理部品PA6は、取得した会社CD「B1」を接続用入力パラメータとする。業務アプリケーションap10は、連結情報入力システム連携管理マスタ230cにB1会社の情報が格納されており、且つ、連結情報入力システム連携管理マスタ230cにおいてB1会社の個社データ収集対象フラグが「対象」に設定されているデータ種別に対して、会計データをB1会社会計システム500-1から収集する対象であると判定する。また、データベース処理部品PA6は、個社データ収集対象フラグが「対象」に設定されているデータ種別から、収集対象としてチェックされている項目に対応したシステムを接続用入力パラメータとする。データベース処理部品PA6は、この接続用入力パラメータで自環境接続情報マスタ220bを参照し、接続先情報として「第2サーバ-B1会社資産データベース」を取得する。データベース処理部品PA6は、取得した接続先情報で参照クエリを実行し、B1会社資産データベース503-1を参照する。
次に、連結情報入力データベース206bを更新するためのデータベース処理部品PA7は、業務アプリケーションap10で表示されている会社名「S2会社」で連結会社マスタ230aを参照し、会社CD「S2」を取得する。データベース処理部品PA7は、取得した会社CD「S2」をデータベース処理部品PA7の接続用入力パラメータとする。また、データベース処理部品PA7は、システム種別「連結情報入力システム」を接続用入力パラメータとする。データベース処理部品PA7は、この接続用入力パラメータで自環境接続情報マスタ220bを参照し、データベース処理部品PA7の接続先情報として「第2サーバ-連結情報入力データベース」を取得する。データベース処理部品PA7は、取得した接続先情報で更新クエリを実行し、データベース処理部品PA6で参照するB1会社資産データベース503-1を参照して連結情報入力データベース206bを更新する。
次に第3導入形態において親会社直属グループG1側で行われる処理例の詳細について説明する。図31は、第3導入形態の処理例の詳細を説明するための図である。第3導入形態において、親会社直属グループG1側で中核事業グループG2側のB1会社のデータを収集する場合、親会社担当は、連結情報入力データ連携処理の業務アプリケーションap11で収集対象のデータを選択し、「実行」ボタンをクリックする。
データベース処理部品PA8は、業務アプリケーションap11で連携会社とされている「B1会社」で連結会社マスタ140aを参照し、会社CD「B1」を取得する。業務アプリケーションap11は、取得した会社CD「B1」で連結情報入力システム連携管理マスタ140cを参照し、会社CD「B1」が格納されている場合、B1会社の会計データを連結情報入力システムから連携する対象であると判定する。データベース処理部品PA8は、会社CD「B1」が格納されているレコードの連結情報入力会社NO「S2」を接続用入力パラメータの会社CDとする。また、データベース処理部品PA8は、システム種別「連結情報入力システム」を接続用入力パラメータとする。また、データベース処理部品PA8は、会社CD「S2」で別環境接続情報マスタ120cを参照し、接続先情報として「第2サーバ-連結情報入力データベース」を取得する。データベース処理部品PA8は、取得した接続先情報で参照クエリを実行し、連結情報入力データベース206bを参照する。
次に、連結会計データベース106aを更新するためのデータベース処理部品PA9は、業務アプリケーションap11で表示されている会社名「P社」で連結会社マスタ130aを参照し、会社CD「P」を取得する。データベース処理部品PA9は、取得した会社CD「P」をデータベース処理部品PA9の接続用入力パラメータとする。また、データベース処理部品PA9は、システム種別「連結会計システム」を接続用入力パラメータとする。データベース処理部品PA9は、この接続用入力パラメータで自環境接続情報マスタ120bを参照し、データベース処理部品PA9の接続先情報として「第1サーバ-連結会計データベース」を取得する。データベース処理部品PA9は、取得した接続先情報で更新クエリを実行し、データベース処理部品PA8で参照する連結情報入力データベース206bを参照して連結会計データベース106aを更新する。
また、例えば、業務アプリケーションap11で連携会社をB1会社に替えてA1会社とした場合、データベース処理部品PA8は、業務アプリケーションap11で連携会社とされている「A1会社」で連結会社マスタ140aを参照し、会社CD「A1」を取得する。業務アプリケーションap11は、取得した会社CD「A1」で連結情報入力システム連携管理マスタ140cを参照し、会社CD「A1」が格納されている場合、A1会社の会計データを連結情報入力システムから連携する対象であると判定する。データベース処理部品PA8は、会社CD「A1」が格納されているレコードの連結情報入力会社NO「S」を接続用入力パラメータの会社CDとする。また、データベース処理部品PA8は、会社CD「S」で自環境接続情報マスタ120bを参照し、接続先情報として「第1サーバ-連結情報入力データベース」を取得する。データベース処理部品PA8は、取得した接続先情報で参照クエリを実行し、連結情報入力データベース106bを参照する。
次に、連結会計データベース106aを更新するためのデータベース処理部品PA9は、業務アプリケーションap11で表示されている会社名「P社」で連結会社マスタ130aを参照し、会社CD「P」を取得する。データベース処理部品PA9は、取得した会社CD「P」をデータベース処理部品PA9の接続用入力パラメータとする。また、データベース処理部品PA9は、システム種別「連結会計システム」を接続用入力パラメータとする。データベース処理部品PA9は、この接続用入力パラメータで自環境接続情報マスタ120bを参照し、データベース処理部品PA9の接続先情報として「第1サーバ-連結会計データベース」を取得する。データベース処理部品PA9は、取得した接続先情報で更新クエリを実行し、データベース処理部品PA8で参照する連結情報入力データベース106bを参照して連結会計データベース106aを更新する。
なお、第2導入形態に対応した会計システムの処理については、第3導入形態の中核事業グループG2側での処理を親会社直属グループG1側で個社担当が行うことによって同様に行われる。
[4.実施形態の効果]
実施形態の会計システム1によれば、企業グループの個社の会計から連結決算までをスムーズに行うことができる。
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、親会社グループサーバ100及び中核事業グループサーバ200に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、親会社グループサーバ100及び中核事業グループサーバ200が備える処理機能、特に制御部102及び制御部202にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を親会社グループサーバ100及び中核事業グループサーバ200に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて親会社グループサーバ100や中核事業グループサーバ200に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102や制御部202を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、親会社グループサーバ100及び中核事業グループサーバ200に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、親会社グループサーバ100及び中核事業グループサーバ200は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の伝票処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該親会社グループサーバ100や中核事業グループサーバ200として構成してもよい。また、親会社グループサーバ100及び中核事業グループサーバ200は、当該伝票処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。