JP2023061532A - 色変換組成物、色変換シート、光源ユニット、ディスプレイおよび照明装置 - Google Patents

色変換組成物、色変換シート、光源ユニット、ディスプレイおよび照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ディスプレイの照明装置に用いられる色変換材料として好適な有機発光材料を用いた色変換組成物を提供し、高い色再現性と高い耐久性とを両立させる。【解決手段】色変換組成物であって、一般式(1)で表される化合物およびバインダー樹脂を含むことを特徴とする色変換組成物。TIFF2023061532000058.tif69170【選択図】なし

Description

本発明は、色変換組成物、色変換シート、光源ユニット、ディスプレイおよび照明装置に関する。
色変換方式によるマルチカラー化技術を液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、照明装置などへ応用することが、盛んに検討されている。色変換とは、発光体からの発光をより長波長な光へと変換することであり、例えば青色発光を緑色発光や赤色発光へと変換することを表す。
この色変換機能を有する組成物(以下、「色変換組成物」という)をシート化し、例えば青色光源と組み合わせることにより、青色光源から、青、緑、赤色の3原色を取り出すこと、すなわち白色光を取り出すことが可能となる。このような青色光源と色変換機能を有するシート(以下、「色変換シート」という)とを組み合わせた白色光源を光源ユニットとし、この光源ユニットと、液晶駆動部分と、カラーフィルターと組み合わせることで、フルカラーディスプレイの作製が可能になる。また、液晶駆動部分が無ければ、そのまま白色光源として用いることができ、例えばLED照明などの白色光源として応用できる。
色変換方式を利用する液晶ディスプレイの課題として、色再現性を確保しつつ耐久性を向上させることが挙げられる。色再現性を確保するには、バックライトユニットの青、緑、赤の各発光スペクトルの半値幅を狭くし、青、緑、赤各色の色純度を高めることが有効である。これを解決する手段として、例えば、ピロメテン化合物を含有する色変換材料が提案されている(例えば、特許文献1~2参照)。
また、同様に高色純度の発光を得るという観点で、ホウ素原子と窒素原子を有する多環芳香族化合物(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
国際公開第2018/101129号 国際公開第2019/146332号 国際公開第2015/102118号
しかし、特許文献1または2に記載の色変換組成物では、確かに高色純度の発光が得られるものの耐久性は未だ不十分であった。また特許文献3に記載の化合物を用いた色変換組成物も高色純度発光の観点では有効であるが、耐久性は未だ不十分であった。
よって本発明が解決しようとする課題は、液晶ディスプレイ等のディスプレイやLED照明等の照明装置に用いられる色変換材料として好適な有機発光材料を用いた色変換組成物を提供し、高い色再現性と高い耐久性とを両立させることである。
すなわち、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る色変換組成物は、入射光を、その入射光とは異なる波長の光に変換する色変換組成物であって、一般式(1)で表される化合物およびバインダー樹脂を含む色変換組成物である。
Figure 2023061532000001
一般式(1)中、環A、環Bおよび環Cは、それぞれ独立して、アリール環またはヘテロアリール環である。これらの環は置換基を有していてもよい。XおよびXは、それぞれ独立して、OまたはSである。Lは、単結合、-O-、-S-、CR、SiR、C=OまたはC=Sである。R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。RとRおよびRとRは、それぞれ単結合または連結基を介して結合していてもよい。nは0または1である。nが0の場合は環Bと環CがLで架橋されていないことを表し、このとき環Bおよび環CのLによる架橋位置には水素原子または置換基が存在する。
本発明は、高い色再現性と高い耐久性とを両立させ得る色変換組成物を提供できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係る色変換シートの第一例を示す模式断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る色変換シートの第二例を示す模式断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る色変換シートの第三例を示す模式断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る色変換シートの第四例を示す模式断面図である。
以下、本発明に係る色変換組成物、色変換シート、光源ユニット、ディスプレイおよび照明装置の好適な実施形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、目的や用途に応じて種々に変更して実施することができる。
<色変換組成物>
本発明の実施形態に係る色変換組成物は、色変換シートなどを構成する色変換組成物である。この色変換組成物は、下記の一般式(1)で表される化合物およびバインダー樹脂を含む。
Figure 2023061532000002
一般式(1)中、環A、環Bおよび環Cは、それぞれ独立して、アリール環またはヘテロアリール環である。これらの環は置換基を有していてもよい。XおよびXは、それぞれ独立して、OまたはSである。Lは、単結合、-O-、-S-、CR、SiR、C=OまたはC=Sである。R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。RとRおよびRとRは、それぞれ単結合または連結基を介して結合していてもよい。nは0または1である。nが0の場合は環Bと環CがLで架橋されていないことを表し、このとき環Bおよび環CのLによる架橋位置には水素原子または置換基が存在する。
環A、環Bおよび環Cにおけるアリール環とは、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ピレン環といった芳香族炭化水素環を示し、通常、炭素数が6~30のアリール環が好ましく用いられる。ここで炭素数が6~30のアリール環とは、アリール環に結合した置換基に含まれる炭素数も含めて全ての炭素数が6~30となるアリール環である。これは以下の、ヘテロアリール環や置換基の説明においても同様である。
炭素数が6~30のアリール環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、ジベンゾフルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ピレン環、ペリレン環、フルオランテン環、クリセン環およびベンゾアントラセン環が好ましい。適切な青色または緑色発光を得るという観点では、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環およびフルオランテン環がより好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環およびフルオレン環がさらに好ましい。
環A、環Bおよび環Cにおけるヘテロアリール環とは、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ピリジン環といった、炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する環状芳香族基を示し、通常、炭素数が4~30のヘテロアリール環が好ましく用いられる。
炭素数が4~30のヘテロアリール環としては、例えば、ピリジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、キノリン環、イソキノリン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、カルボリン環、インドロカルバゾール環、ベンゾフラノカルバゾール環、ベンゾチオフェノカルバゾール環、ジヒドロインデノカルバゾール環、ベンゾキノリン環、アクリジン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環およびフェナントロリン環がより好ましい。適切な青色または緑色発光を得るという観点では、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、キナゾリン環、ベンゾキノリン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環インドロカルバゾール環、ベンゾフラノカルバゾール環、ベンゾチオフェノカルバゾール環およびジヒドロインデノカルバゾール環がさらに好ましい。加えて、酸化耐性を付与し、耐久性向上に寄与するという観点では、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、キナゾリン環、ベンゾキノリン環およびフェナントロリン環が最も好ましい。
適切な青色または緑色発光を得るという観点に加え、色変換組成物としてバインダー樹脂や溶媒への溶解性の観点、また合成が容易で原料入手しやすいことから、一般式(1)で表される化合物は、一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2023061532000003
一般式(2)中、R~R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、エステル基、アミド基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基、アシル基、スルホニル基、スルホン酸エステル基またはスルホンアミド基の中から選ばれる。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。またR~R11のうち隣接する基は結合して飽和または不飽和の環を形成してもよい。X、X、Lおよびnは一般式(1)における説明と同義である。
上記の全ての基において、水素は重水素であってもよい。以下に説明する化合物またはその部分構造においても同様である。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは、水素原子または重水素原子が置換したことを意味する。以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、上記と同様である。また、上記の全ての基において、置換される場合における置換基としては、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、エステル基、アミド基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基、アシル基、スルホニル基、スルホン酸エステル基またはスルホンアミド基であり、これらの置換基はさらに上述の置換基で置換されていてもよい。
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる原子を示す。
アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。置換されている場合の追加の置換基には特に制限は無く、例えば、アルキル基、ハロゲン、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、好ましくは1以上20以下、より好ましくは1以上8以下の範囲である。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の飽和脂環式炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。シクロアルキル基部分の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、3以上20以下の範囲である。
複素環基とは、例えば、ピラン環、ピペリジン環、環状アミド等の炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。複素環基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基等の二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基等の二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。シクロアルケニル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは3以上20以下の範囲である。
アルキニル基とは、例えば、エチニル基等の三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のエーテル結合を介して脂肪族炭化水素基が結合した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アルキルチオ基の炭化水素基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルチオ基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アリールエーテル基とは、例えば、フェノキシ基等、エーテル結合を介した芳香族炭化水素基が結合した官能基を示し、芳香族炭化水素基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アリールチオエーテル基における芳香族炭化水素基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールチオエーテル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリール基とは、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ベンゾフェナントリル基、ベンゾアントラセニル基、クリセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾフルオランテニル基、ジベンゾアントラセニル基、ペリレニル基、ヘリセニル基等の芳香族炭化水素基を示す。中でも、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基が好ましい。アリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基が置換基を有する場合、置換基同士が環状構造を形成してもよい。置換基同士が環状構造を形成したアリール基としては、例えば、スピロフルオレニル基などが挙げられる。アリール基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは6以上100以下、より好ましくは6以上50以下、より好ましくは6以上30以下の範囲である。それぞれの置換基がさらにアリール基で置換される場合、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基およびナフチル基がより好ましい。特に好ましくは、フェニル基である。
ヘテロアリール基とは、例えば、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、カルボリニル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフロカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ジヒドロインデノカルバゾリル基、ベンゾキノリニル基、アクリジニル基、ジベンゾアクリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基等の、炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する環状芳香族基を示す。ただし、ナフチリジニル基とは、1,5-ナフチリジニル基、1,6-ナフチリジニル基、1,7-ナフチリジニル基、1,8-ナフチリジニル基、2,6-ナフチリジニル基、2,7-ナフチリジニル基のいずれかを示す。ヘテロアリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリール基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上40以下、より好ましくは2以上30以下の範囲である。それぞれの置換基がさらにヘテロアリール基で置換される場合、ヘテロアリール基としては、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、キノリニル基、ピリミジル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基およびフェナントロリニル基が好ましく、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、キノリニル基がより好ましい。特に好ましくは、ピリジル基である。
エステル基とは、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等がエステル結合を介して結合した官能基を示し、この置換基は、さらに置換されていてもよい。エステル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上200以下の範囲であり、より好ましくは1以上100以下の範囲である。より具体的には、エステル基として、例えば、メトキシカルボニル基等のメチルエステル基、エトキシカルボニル基等のエチルエステル基、プロポキシカルボニル基等のプロピルエステル基、ブトキシカルボニル基等のブチルエステル基、イソプロポキシメトキシカルボニル基等のイソプロピルエステル基、ヘキシロキシカルボニル基等のヘキシルエステル基、フェノキシカルボニル基等のフェニルエステル基が挙げられる。
アミド基とは、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等の置換基がアミド結合を介して結合した官能基を示し、この置換基は、さらに置換されていてもよい。アミド基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。より具体的には、アミド基として、メチルアミド基、エチルアミド基、プロピルアミド基、ブチルアミド基、イソプロピルアミド基、ヘキシルアミド基、フェニルアミド基等が挙げられる。
アミノ基とは、置換もしくは無置換のアミノ基である。アミノ基は、置換基を有していても有していなくてもよく、置換する場合の置換基としては、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖アルキル基、分岐アルキル基が挙げられる。アリール基、ヘテロアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリニル基が好ましい。これらの置換基は、さらに置換されてもよい。炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上50以下、より好ましくは6以上40以下、特に好ましくは6以上30以下の範囲である。
シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基等のアルキルシリル基や、フェニルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリナフチルシリル基等のアリールシリル基を示す。ケイ素上の置換基は、さらに置換されてもよい。シリル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上30以下の範囲である。
シロキサニル基とは、例えば、トリメチルシロキサニル基等のエーテル結合を介したケイ素化合物基を示す。ケイ素上の置換基は、さらに置換されてもよい。シロキサニル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上30以下の範囲である。また、ボリル基とは、置換もしくは無置換のボリル基である。ボリル基は、置換基を有していても有していなくてもよく、置換する場合の置換基としては、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリールエーテル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基が挙げられる。中でも、アリール基、アリールエーテル基が好ましい。ボリル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上30以下の範囲である。
アシル基とは、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等の置換基がカルボニル結合を介して結合した官能基を示し、この置換基は、さらに置換されていてもよい。アシル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。より具体的には、アシル基として、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、アクリリル基等が挙げられる。
スルホニル基とは、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等の置換基が-S(=O)-結合を介して結合した官能基を示し、この置換基は、さらに置換されていてもよい。スルホニル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上30以下の範囲である。
スルホキシド基とは、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等の置換基が-S(=O)-結合を介して結合した官能基を示し、この置換基は、さらに置換されていてもよい。スルホキシド基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上30以下の範囲である。
また、ホスフィンオキシド基とは、-P(=O)R1213で表される基である。ホスフィンオキシド基のR12およびR13は、それぞれ独立して置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または置換もしくは無置換のアルキル基である。ホスフィンオキシド基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上30以下の範囲である。
一般式(1)または(2)で表される化合物は、その発光スペクトルにおいて、従来、蛍光発光材料として知られているピロメテン骨格を有する化合物や、例えば特許文献3で開示されているホウ素原子と窒素原子を有する多環芳香族化合物と同等の、狭い半値幅を有しており、高色純度の発光を示すことが知られている。加えて、それらの材料よりも深いHOMO(Highest occupied molecular orbital)軌道のエネルギー準位(以下HOMO準位)を有しているため、励起光照射時において通常の酸素による酸化劣化を受けにくい化合物である。そのため、ピロメテン骨格を有する化合物や、特許文献3で開示されているホウ素原子と窒素原子を有する多環芳香族化合物に比べ、耐久性が大幅に向上する。
また、一般式(1)または(2)で表される化合物は、「Advanced.Optical Materials」、2019年、vol.7、p.1801536に記載されているように、遅延蛍光を放出することが知られている。通常、蛍光発光は発光材料が光励起された後に生成する一重項励起(S1)状態から放出されるが、S1状態の一部は系間交差により三重項励起(T1)状態となる。このT1状態の励起エネルギーは、酸素が存在する環境下であれば酸素に移動し、活性種である一重項酸素を発生させてしまう。この結果、活性種である一重項酸素が発光材料と反応し、発光材料の劣化を促進することになる。しかし一般式(1)または(2)で表される化合物は、S1状態とT1状態がエネルギー的に近接、すなわちS1状態のエネルギーとT1状態のエネルギーの差(ΔEST)が小さいため、室温程度の熱エネルギーでも系間交差で生じたT1状態が速やかにS1状態に変換され遅延蛍光を放出する特性を有する。よってT1状態から酸素へのエネルギー移動を抑え、発光材料劣化の一因である一重項酸素の発生を抑えることが可能となり、耐久性が向上する。以上のように、通常の酸素による光酸化を抑制すること、および一重項酸素の発生を抑制するという二つの観点により、一般式(1)または(2)で表される化合物は従来の発光材料に比べて耐久性が大幅に向上し、かつ高色純度発光の両立が可能となる。特に、後述する色変換シートは、通常は大気中で使用されることから、化合物の通常の酸素による光酸化耐性向上と一重項酸素発生の抑制は、色変換シートの耐久性を向上させるために必須の特性である。
本発明の色変換組成物は通常、液晶ディスプレイ用バックライト、あるいはLED照明の色変換シートとして用いることができる。励起光源が紫外光である場合、一般式(1)または(2)で表される化合物は、紫外光により励起され、青色発光を放出することが好ましい。好ましい青色発光波長としては発光スペクトルのピーク波長が450~470nmであり、より好ましくは450~465nmである。また励起光源が青色光である場合、一般式(1)または(2)で表される化合物は青色光により励起され緑色発光を放出することが好ましい。緑色発光波長としては、発光スペクトルのピーク波長が500~580nmであることが好ましく、より好ましくは500~555nmであり、さらに好ましくは500~540nmである。一般的には、青色LEDが液晶ディスプレイ用バックライトやLED照明の励起光源として用いられるため、一般式(1)または(2)で表される化合物は青色光により励起され、緑色発光を放出する化合物であることが好ましい。
適切な緑色発光を得るという観点では、一般式(2)におけるR、R、R、R、RおよびR11の少なくとも一つが電子求引基であるか、または、R、RおよびRの少なくとも一つが置換されたアミノ基であることが好ましい。
一般式(2)におけるR~R11が全て水素である場合、当該化合物は、「Advanced.Optical Materials」、2019年、vol.7、p.1801536に記載されているように青色発光を放出することが知られている。
、R、R、R、RおよびR11の少なくとも一つが電子求引基である場合、一般式(2)で表される化合物が有するHOMO準位とLUMO(Lowest unoccupied molecule orbital)軌道のエネルギー準位はどちらも深くなる方向にシフトするが、LUMO準位のシフト量を、HOMO準位のシフト量より大きくすることができる。すなわち、HOMO準位とLUMO準位のエネルギーギャップを小さくすることが可能であり、結果的に、発光波長が長波長化し緑色発光が得られる。また、HOMO準位も深くなることから、一般式(2)で表される化合物の酸化耐性が向上し、耐久性がより向上するため好ましい。さらにΔESTがより小さくなるため、T1状態からS1状態への変換効率も向上し、一重項酸素の発生をより抑えることが出来るため、耐久性がさらに向上する。
またR、RおよびRの少なくとも一つが置換されたアミノ基である場合、HOMO準位とLUMO準位はどちらも浅い方向へシフトするが、この場合は、HOMO準位のシフト量をLUMO準位のシフト量より大きくすることができる。すなわち、HOMO準位とLUMO準位のエネルギーギャップを小さくすることが可能で発光波長が長波長化し、緑色発光が得られることになる。また、この場合もΔESTがより小さくなるため、耐久性向上も期待できる。
またR、RおよびRの少なくとも一つがアリール基であることも、発光を長波長化させ適切な緑色発光を得るという観点で好ましい。この場合のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、クリセニル基、アントラセニル基、ピレニル基およびフルオランテニル基などが挙げられる。これらはさらに置換されていてもよい。これらの中でも、より最適な緑色発光波長を得るという観点で、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フルオレニル基、フェナントレニル基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フルオレニル基がさらに好ましい。
電子求引基とは、電子受容性基とも呼称し、有機電子論において、誘起効果や共鳴効果により、置換した原子団から、電子を引き付ける原子団である。電子求引基としては、ハメット則の置換基定数(σp(パラ))として、正の値をとるものが挙げられる。ハメット則の置換基定数(σp(パラ))は、化学便覧基礎編改訂5版(II-380頁)から引用することができる。なお、フェニル基も正の値をとる例もあるが、本願の電子求引基にフェニル基は含まれない。
電子求引基の好ましい例としては、ハロゲン、ハロゲンを含む基、シアノ基、シアノ基を含む基、アシル基、アシル基を含む基、エステル基、エステル基を含む基、アミド基、アミド基を含む基、スルホニル基、スルホニル基を含む基、スルホン酸エステル基スルホン酸エステル基を含む基、電子受容性窒素を含有するヘテロアリール基、電子受容性窒素を含有するヘテロアリール基を含む基、スルホンアミド基、スルホンアミド基を含む基、ホスフィンオキシド基、またはホスフィンオキシド基を含む基が挙げられる。これらの電子求引基はさらに置換されていてもよい。これらの中でも、上述した適切な緑色発光波長が得られ、かつ置換基としての安定性を考慮すると、電子求引基としては、ハロゲン、ハロゲンを含む基、シアノ基、シアノ基を含む基、電子受容性窒素を含有するヘテロアリール基、電子受容性窒素を含有するヘテロアリール基を含む基、エステル基、またはエステル基を含む基がより好ましい。
ハロゲンの中では最も電子求引性が大きいフッ素が好ましい。ハロゲンを含む基の中では、ハロゲン置換されたアルキル基、ハロゲン置換されたアリール基およびハロゲン置換されたヘテロアリール基が好ましい。これらの中でも、フッ素置換されたアルキル基、フッ素置換されたシクロアルキル基、フッ素置換されたアリール基およびフッ素置換されたヘテロアリール基がより好ましい。
フッ素置換されたアルキル基の中ではパーフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
フッ素置換されたアリール基の中では、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基およびビス(トリフルオロメチル)ナフチル基が好ましい。これらの中でも、適切な緑色発光が得られ、より耐久性を向上させる観点で、フッ素を複数個有するアリール基が好ましい。具体的には、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基およびペンタフルオロフェニル基がより好ましく、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基およびペンタフルオロフェニル基がさらに好ましい。また同様の観点で、パーフルオロアルキル基を有するアリール基も好ましい。これらの中ではトリフルオロメチルフェニル基およびビス(トリフルオロメチル)フェニル基をより好ましく用いることができる。
フッ素置換されたヘテロアリール基の中では、フルオロピリジル基、ジフルオロピリジル基、トリフルオロピリジル基、テトラフルオロピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基、ビス(トリフルオロメチル)ピリジル基、フルオロピリミジル基、ジフルオロピリミジル基、トリフルオロピリミジル基、トリフルオロメチルピリミジル基、ビス(トリフルオロメチル)ピリミジル基、フルオロキノリニル基、ジフルオロキノリニル基、トリフルオロキノリニル基、トリフルオロメチルキノリニル基およびビス(トリフルオロメチル)キノリニル基が好ましい。
シアノ基を含む基の中では、シアノ基置換されたアルキル基、シアノ基置換されたシクロアルキル基、シアノ基置換されたアリール基およびシアノ基置換されたヘテロアリール基が好ましい。中でも、シアノ基置換されたアリール基やシアノ基置換されたヘテロアリール基がより好ましい。シアノ基置換されたアリール基の中では、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、トリシアノフェニル基、シアノナフチル基、ジシアノナフチル基などを好適に用いることができる。
シアノ基置換されたヘテロアリール基の中では、シアノピリジル基、ジシアノピリジル基、シアノピリミジル基、ジシアノピリミジル基、シアノキノリニル基、ジシアノキノリニル基などを好適に用いることができる。これらの中でも、これらの中でも、適切な緑色発光が得られ、より耐久性を向上させる観点で、シアノ基を複数個有するアリール基、もしくはヘテロアリール基が好ましく、ジシアノフェニル基、トリシアノフェニル基、ジシアノナフチル基、ジシアノピリジル基、ジシアノピリミジル基、ジシアノキノリニル基をより好適に用いることができる。
電子受容性窒素を含有するヘテロアリール基とはヘテロ原子として多重結合を有する窒素原子を含有するヘテロアリール基である。具体的には、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾール基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリル基、ナフチリジニル基およびフェナントロリニル基などが挙げられる。これらの中でも、適度な電子求引性と置換基としての安定性を考慮すると、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリル基、ナフチリジニル基およびフェナントロリニル基がより好ましく、さらに耐熱性の観点から、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基およびキナゾリル基がさらに好ましい。
上述した電子求引基における電子求引性の強弱、置換数、置換位置によりLUMO準位のシフト量を調整可能であり、発光波長を調節できる。適切な緑色発光を得るためには、R、R、R、R、RおよびR11の二つ以上が電子求引基であることが好ましい。また上述したハロゲンを含む基におけるハロゲンの置換数や置換位置、シアノ基を含む基におけるシアノ基の置換数や置換位置、また電子受容性窒素含有ヘテロアリール基における電子受容性窒素の数や位置についても、電子求引性を考慮し所望の発光波長を得られるよう選択すればよい。
また、電子求引基としてエステル基またはエステル基を含む基も好適に用いることができる。これは、適切な緑色発光を示し、かつ耐久性向上に必要な適度な電子求引性と発光材料同士の凝集防止効果に加えて、一般式(1)または(2)で表される化合物に、バインダー樹脂や溶媒への適度な溶解性を付与できるからである。
エステル基の中でも、HOMO準位をより深くし、酸化耐性を向上させ、耐久性を向上させる観点で、フッ素を含むエステル基(フッ素原子を含むエステル基)、パーフルオロアルキル基を含むエステル基およびシアノ基を含むエステル基がより好ましい。例えば、上述したメチルエステル基等のアルキルエステル基やフェニルエステル基等のアリールエステル基が、フッ素原子、パーフルオロアルキル基および/またはシアノ基で置換されていることが好ましい。メチルエステル基がフッ素原子で置換されている場合の例として、トリフルオロメチルエステル基等が挙げられる。フェニルエステル基がフッ素原子を含む基で置換されている場合の例として、トリフルオロメチルフェニル基、(3,5-ビストリフルオロメチルフェニル)フェニルエステル基等が挙げられる。
さらに、電子求引基は立体的に嵩高い方が好ましい。電子求引基が嵩高い場合、その構造に起因して一般式(1)で表される化合物の分子運動の自由度が低減し、樹脂内での分子運動が抑制される。また、電子求引基が立体障害基として働くことで、一般式(1)で表される化合物同士で相互作用を起こすことなく、安定性がさらに向上する。このように、電子求引基が立体的に嵩高いことで分子同士の凝集を抑制でき、一般式(1)で表される化合物の耐久性が向上する。
また上述したように、緑色発光を得るという観点では、一般式(2)におけるR、RおよびRの少なくとも一つが下記一般式(3)で表される基であることがより好ましい。
Figure 2023061532000004
一般式(3)中、ArおよびArは、それぞれ独立して、アリール基またはヘテロアリール基である。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。ArとArは、単結合または連結基を介して結合していてもよく、その場合の連結基は、-O-、-S-、>CR1314、>SiR1516または>C=Oである。R13~R16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
ArおよびArにおけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、アントラセニル基、フェナントリル基およびピレニル基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基およびフルオレニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基およびフルオレニル基がより好ましい。
ArおよびArにおけるヘテロアリール基としては、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基およびベンゾカルバゾリル基が好ましく、ピリジル基、キノリニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基およびカルバゾリル基がより好ましい。
ArとArが結合する場合、それらは単結合を介して結合することが好ましい。
一般式(3)で表される基としては、例えば、ジフェニルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基、ビフェニリルフェニルアミノ基、ビス(ビフェニリル)アミノ基、フルオレニルフェニルアミノ基、ビス(フルオレニル)アミノ基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、カルボリニル基、ベンゾカルボリニル基、およびピリドカルバゾリル基などが挙げられる。これらはさらに置換されていてもよい。
これらの中でも、適切な緑色発光が得られるという観点で、ArとArが単結合を介して結合した構造がより好ましく、具体的にはカルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、カルボリニル基、ベンゾカルボリニル基、およびピリドカルバゾリル基が好ましい。これらの中でも、原料入手や合成が容易であることから、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、カルボリニル基がより好ましく、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基がさらに好ましい。
一般式(3)で表される基の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2023061532000005
一般式(1)または(2)におけるnは0であること、すなわち一般式(1)または(2)で表される化合物は連結基Lを有さない構造であることが好ましい。nが0である場合、適度に骨格の平面性が崩れ、分子間の相互作用を抑制することができ、より発光効率が向上し、耐久性も向上するからである。
適切な緑色発光を得るという観点で、一般式(1)または(2)におけるXおよびXはOであることが好ましい。
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2023061532000006
Figure 2023061532000007
Figure 2023061532000008
Figure 2023061532000009
Figure 2023061532000010
Figure 2023061532000011
Figure 2023061532000012
Figure 2023061532000013
Figure 2023061532000014
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Figure 2023061532000016
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Figure 2023061532000019
Figure 2023061532000020
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Figure 2023061532000022
Figure 2023061532000023
Figure 2023061532000024
Figure 2023061532000025
Figure 2023061532000026
Figure 2023061532000027
Figure 2023061532000028
Figure 2023061532000029
Figure 2023061532000030
Figure 2023061532000031
Figure 2023061532000032
Figure 2023061532000033
Figure 2023061532000034
Figure 2023061532000035
Figure 2023061532000036
Figure 2023061532000037
Figure 2023061532000038
Figure 2023061532000039
Figure 2023061532000040
Figure 2023061532000041
Figure 2023061532000042
Figure 2023061532000043
Figure 2023061532000044
一般式(1)で表される構造を有する化合物は、例えば、「Advanced.Optical.Materials.」、2019年、vol.7、p.1801536に記載されている合成方法を参考に製造することができる。以下に、一般式(1)または(2)で表される構造を有する化合物の中間体の合成方法の一例を示す。
Figure 2023061532000045
中間体3から、所望のアリールボロン酸、ヘテロアリールボロン酸と鈴木宮浦カップリング反応により、所望の最終生成物を得ることができる。また中間体4まで合成すれば、所望のアリールクロロ体、ヘテロアリールクロロ体、アリールブロモ体、ヘテロアリールブロモ体、アリールヨード体またはヘテロアリールヨード体等との鈴木宮浦カップリング反応により、所望の最終生成物を得ることができる。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、連続相を形成するものであり、成型加工性、透明性、耐熱性等に優れる材料であればよい。バインダー樹脂の例としては、例えば、アクリル酸系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化型レジスト材料、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴム、シリコーンゲル等のオルガノポリシロキサン硬化物(架橋物)を含む)、ウレア樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、脂肪族エステル樹脂、芳香族エステル樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂等の公知のものが挙げられる。また、バインダー樹脂としては、これらの共重合樹脂を用いても構わない。これらの樹脂を適宜設計することで、本発明の実施形態に係る色変換組成物および色変換フィルムに有用なバインダー樹脂が得られる。これらの樹脂の中でも、フィルム化のプロセスが容易であることから、熱可塑性樹脂がさらに好ましい。熱硬化性樹脂の中でも、透明性、耐熱性等の観点から、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、オレフィン樹脂またはこれらの混合物を好適に用いることができる。また、耐久性の観点から特に好ましい熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂、エステル樹脂、シクロオレフィン樹脂である。
バインダー樹脂の好適な具体例として、例えば、国際公開第2016/190283号、国際公開第2017/61337号、国際公開第2018/43237号、国際公開第2019/21813号および国際公開第2019/188019号等に記載されているものが挙げられる。
また、バインダー樹脂には、添加剤として、塗布膜安定化のための分散剤やレベリング剤等を添加することも、フィルム表面の改質剤として、シランカップリング剤等の接着補助剤等を添加することも可能である。また、バインダー樹脂には、色変換材沈降抑制剤として、シリカ粒子やシリコーン微粒子等の無機粒子を添加することも可能である。
本発明の実施形態に係る色変換フィルム作製用の色変換組成物において、バインダー樹脂には、その他の成分として、常温での硬化を抑制してポットライフを長くするためにアセチレンアルコール等のヒドロシリル化反応遅延剤を配合することが好ましい。また、バインダー樹脂には、本発明の効果が損なわれない範囲で、必要に応じて、フュームドシリカ、ガラス粉末、石英粉末等の微粒子、酸化チタン、酸化ジルコニア、チタン酸バリウム、酸化亜鉛等の無機充填剤や顔料、難燃剤、耐熱剤、酸化防止剤、分散剤、溶剤、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等の接着性付与剤等を配合してもよい。
(溶剤)
本発明の実施形態に係る色変換組成物は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤は、流動状態の樹脂の粘度を調整でき、発光物質の発光および耐久性に過度な影響を与えないものであれば、特に限定されない。このような溶媒として、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、アセトン、テルピネオール、テキサノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶剤を2種類以上混合して使用することも可能である。これらの溶剤の中で特にトルエンや酢酸エチルは、一般式(1)または(2)で表される化合物の劣化に影響を与えず、乾燥後の残存溶媒が少ない点で好適に用いられる。
(その他の成分)
本発明の実施形態に係る色変換組成物は、上述した一般式(1)または(2)で表される化合物およびバインダー樹脂以外に、光安定化剤、酸化防止剤、加工および熱安定化剤、紫外線吸収剤等の耐光性安定化剤、散乱粒子、シリコーン微粒子およびシランカップリング剤等、その他の成分(添加剤)を含有してもよい。
光安定化剤としては、例えば、3級アミン、カテコール誘導体およびニッケル化合物や、Sc、V、Mn、Fe、Co、Cu、Y、Zr、Mo、Agおよびランタノイドからなる群より選ばれる少なくとも1種の遷移金属を含む、錯体や有機酸との塩などを挙げることができるが、特に限定されるものではない。また、これらの光安定化剤は、単独で使用してもよいし、複数併用してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらの酸化防止剤は、単独で使用してもよいし、複数併用してもよい。
加工および熱安定化剤としては、例えば、トリブチルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリエチルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン等のリン系安定化剤を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらの安定化剤は、単独で使用してもよいし、複数併用してもよい。
耐光性安定化剤としては、例えば、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらの耐光性安定化剤は、単独で使用してもよいし、複数併用してもよい。
散乱粒子としては、例えば屈折率が1.7~2.8である無機粒子が好ましく、チタニア、ジルコニア、アルミナ、セリア、酸化スズ、酸化インジウム、酸化鉄、酸化亜鉛、窒化アルミ、アルミニウム、スズ、チタンまたはジルコニウムの硫化物、チタンまたはジルコニウムの水酸化物等が挙げられる。
本発明の実施形態に係る色変換組成物において、これらの添加剤の含有量は、化合物のモル吸光係数、発光量子収率および励起波長における吸収強度、ならびに作製する色変換フィルムの厚みや透過率にもよるが、通常はバインダー樹脂の100重量部に対して、1.0×10-3重量部以上30重量部以下であることが好ましい。また、これらの添加剤の含有量は、バインダー樹脂の100重量部に対して、1.0×10-2重量部以上15重量部以下であることがさらに好ましく、1.0×10-1重量部以上10重量部以下であることが特に好ましい。
本発明の色変換組成物またはその硬化物を含む色変換層中の、乾燥後の残存溶媒量は、色変換シートの耐久性をより向上させる観点から3.0重量%以下であることが好ましく、1.0重量%以下であることがより好ましく、0.5重量%以下であることがさらに好ましい。
また、色変換シートの量子収率を向上させる観点から、上記残存溶媒量は0.01重量%以上であることが好ましく、0.05重量%以上であることがより好ましく、0.1重量%以上であることがさらに好ましい。
<色変換組成物の製造方法>
以下に、本発明の色変換組成物の製造方法の一例を説明する。前述したバインダー樹脂、一般式(1)または(2)で表される化合物、必要に応じて添加剤や溶剤等を所定の組成になるよう混合した後、撹拌・混練機を用いて均質に混合または混練することにより、色変換組成物を得ることができる。撹拌・混練機としては、例えば、ホモジナイザー、自公転型撹拌機、3本ローラー、ボールミル、遊星式ボールミル、ビーズミル等が挙げられる。混合または分散後、もしくは混合または分散の過程において、真空もしくは減圧条件下で脱泡することも好ましく行われる。また、ある特定の成分を事前に混合することや、エージング等の処理をしても構わない。エバポレーターによって溶剤を除去して所望の固形分濃度にすることも可能である。
<色変換シート>
本発明の実施形態に係る色変換シートは、光源等の発光体からの入射光を、その入射光とは異なる波長の光に変換するものである。ここで、入射光とは異なる波長の光に変換するとは、入射光よりも長波長の光に変換することが好ましい。
本発明の実施形態に係る色変換シートは、前述の色変換組成物またはその硬化物からなる層である色変換層を含むことが好ましい。色変換組成物の硬化物は、色変換組成物を硬化することによって得られる層(色変換組成物の硬化物からなる層)として色変換シートに含まれることが好ましい。色変換シートの代表的な構造例として、例えば、以下の四つが挙げられる。
図1は、本発明の実施形態に係る色変換シートの第一例を示す模式断面図である。図1に示すように、この第一例の色変換シート1Aは、色変換層11によって構成される単層のシートである。色変換層11は、上述した色変換組成物の硬化物からなる層である。
図2は、本発明の実施形態に係る色変換シートの第二例を示す模式断面図である。図2に示すように、この第二例の色変換シート1Bは、基材層10と色変換層11との積層体である。この色変換シート1Bの構造例では、色変換層11が、基材層10の上に積層されている。
図3は、本発明の実施形態に係る色変換シートの第三例を示す模式断面図である。図3に示すように、この第三例の色変換シート1Cは、複数の基材層10と、色変換層11との積層体である。この色変換シート1Cの構造例では、色変換層11が、複数の基材層10によって挟まれている。
図4は、本発明の実施形態に係る色変換シートの第四例を示す模式断面図である。図4に示すように、この第四例の色変換シート1Dは、複数の基材層10と、色変換層11と、複数のバリアフィルム12との積層体である。この色変換シート1Dの構造例では、色変換層11が、複数のバリアフィルム12によって挟まれ、さらに、これら色変換層11と複数のバリアフィルム12との積層体が、複数の基材層10によって挟まれている。すなわち、色変換シート1Dは、色変換層11の酸素、水分や熱による劣化を防ぐために、図4に示すようにバリアフィルム12を有していることも好ましい。
色変換シートの厚みは、30~300μmが好ましい。ここで、色変換シートの厚みとは、色変換シートに含まれる全ての層をあわせた厚みをいい、JIS K7130(1999)プラスチック-フィルム及びシート-厚さ測定方法における機械的走査による厚さの測定方法A法に基づいて測定される膜厚(平均膜厚)のことをいう。色変換シートの厚みを30μm以上とすることにより、シートの強靭性を向上させることができ、300μm以下とすることにより、クラックを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る色変換シートは、発光のピーク波長が500nm以上580nm未満である発光材料(a)および/または発光のピーク波長が580nm以上750nm以下である発光材料(b)を含むものであることが好ましい。また、一般式(1)または(2)で表される化合物は、発光材料(a)および/または発光材料(b)であることが好ましい。特に、色変換シートが発光材料(a)および発光材料(b)を含み、一般式(1)または(2)で表される化合物が発光材料(a)であることがより好ましい。
本発明の実施形態に係る色変換シートにおいて、発光材料(a)の発光を発光材料(b)が効率よく吸収するため、発光材料(a)の発光スペクトルと発光材料(b)の吸収スペクトルの重なりを大きくすることが好ましい。そのため、発光材料(a)の発光ピーク波長における発光スペクトルの半値幅(以下、「ピーク半値幅」という)は30nm以上であることが好ましい。ここで、発光材料(a)の発光スペクトルと発光材料(b)の吸収スペクトルの重なりを大きくすることで、発光材料(b)の発光強度を維持しやすくなり、結果として発光材料(b)の耐久性を向上させることができる。
また、ディスプレイとしたときに高色純度の発光を得るため、発光材料(a)のピーク半値幅は50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
本発明の実施形態に係る色変換シートの1つの例は、色変換層を1層以上含み、発光材料(a)および発光材料(b)が同一層に含まれる色変換シートである。この実施形態に係る色変換シートでは、励起状態の発光材料(a)の励起エネルギーが電磁波にならず、電子の共鳴により直接発光材料(b)へ移動する。これは蛍光共鳴エネルギー移動またはフェルスター共鳴エネルギー移動と呼ばれるものであり、発光材料(a)の励起エネルギーが光となって放出され、発光材料(b)によって吸収される場合と比べ、エネルギー移動効率が非常に高い現象である。そのため、同一層に含まれる発光材料(a)の含有量と、発光材料(b)の含有量のモル比は、発光材料(a):発光材料(b)=50:1~500:1が好ましい。
本発明の実施形態に係る色変換シートのもう1つの例は、色変換層を2層以上含み、発光材料(a)および発光材料(b)が異なる層に含まれる色変換シートである。このような色変換層の具体例としては、例えば、少なくとも以下の(A)層および(B)層を含む色変換シートである。
(A)層:少なくとも発光材料(a)およびバインダー樹脂を含有する層。
(B)層:少なくとも発光材料(b)およびバインダー樹脂を含有する層。
この実施形態に係る色変換シートでは、フェルスター共鳴エネルギー移動は起こらないため、(A)層に含まれる発光材料(a)と(B)層に含まれる前記発光材料(b)とのモル比が、発光材料(a):発光材料(b)=5:1~100:1であることが好ましい。
発光材料(b)としては、その発光のピーク波長が580nm以上750nm以下である発光材料、すなわち赤色発光を示す材料であれば何でもよく、有機発光材料、無機蛍光体、または無機量子ドットなどの発光材料を用いることができる。有機発光材料としてはピロメテン骨格を有する発光材料を好適に用いることができる。これは従来の有機赤色発光材料に比べて発光スペクトルの半値幅が狭く、高色純度の赤色発光を示すからである。これによりディスプレイの色再現性の向上に貢献できる。
(基材層)
基材層としては、例えば、ガラスや樹脂フィルムなどが挙げられる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリイミドなどのプラスチックのフィルムが好ましい。フィルムの剥離のし易さから、基材層は、あらかじめ表面が離型処理されていてもよい。基材層の厚さは、特に制限はないが、下限としては25μm以上が好ましく、38μm以上がより好ましい。また、上限としては5000μm以下が好ましく、3000μm以下がより好ましい。
(色変換層)
色変換層の厚みは、特に制限はないが、10μm~1000μmであることが好ましい。色変換層の厚みの下限は、より好ましくは30μm以上である。また上限は、200μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましく、50μm以下が特に好ましい。本発明における色変換シートの膜厚は、JIS K7130(1999)プラスチック-フィルム及びシート-厚さ測定方法における機械的走査による厚さの測定方法A法に基づいて測定される膜厚(平均膜厚)のことをいう。
色変換層は、上述した方法で作製した色変換組成物を、基材層やバリアフィルム等の下地上に塗布し、乾燥させることで、形成することができる。
色変換層は、一層であっても、二層以上であってもよい。色変換層が二層以上である場合、それらのうちの少なくとも一層に一般式(1)で表される化合物が含まれることが好ましい。
色変換層は、上述した一般式(1)で表される化合物およびバインダー樹脂以外に、光安定化剤、酸化防止剤、加工および熱安定化剤、紫外線吸収剤等の耐光性安定化剤、散乱粒子、シリコーン微粒子およびシランカップリング剤等、その他の成分(添加剤)を含有してもよい。
(バリア層)
バリア層としては、色変換層への酸素、水分、熱などの侵入を抑制するものが好ましく、バリア層を2層以上有してもよい。色変換層の両面にバリア層を有してもよいし、片面にバリア層を有してもよい。
ガスバリア性を有するフィルムとしては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウムなどの無機酸化物や、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化窒化ケイ素などの無機窒化物、これらに他の元素を添加した金属酸化物薄膜や金属窒化物薄膜、あるいはポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニルのけん化物等のポリビニルアルコール系樹脂などの各種樹脂を含むフィルムなどが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。水分に対してバリア機能を有するフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデンと塩化ビニル、塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合物、フッ素系樹脂、酢酸ビニルのけん化物等のポリビニルアルコール系樹脂などの各種樹脂を含むフィルムなどが挙げられる。
本発明の色変換シートは、要求される機能に応じて、光拡散層、粘着層、反射防止機能、防眩機能、反射防止防眩機能、ハードコート機能(耐摩擦機能)、帯電防止機能、防汚機能、電磁波シールド機能、赤外線カット機能、紫外線カット機能、偏光機能、調色機能を有した補助層などをさらに有してもよい。
(その他のフィルム)
本発明の実施形態に係る色変換シートは、偏光反射フィルム、拡散シート、プリズムシート、波長選択反射フィルム等をさらに備えていてもよい。波長選択反射フィルムの好適な具体例としては、例えば国際公開第2017/164155号、特開2018-81250号公報に記載されているものが挙げられる。
<色変換シートの製造方法>
次に、本発明の色変換シートの製造方法の一例を説明する。上述した方法で作製した色変換組成物を基材上に塗布し、乾燥することにより、色変換層を形成する。バインダー樹脂が熱硬化性樹脂の場合、色変換組成物を基材上に塗布した後、加熱硬化して色変換層を形成してもよく、バインダー樹脂が光硬化性樹脂の場合、色変換組成物を基材上に塗布した後、光硬化して色変換層を形成してもよい。
塗布は、リバースロールコーター、ブレードコーター、コンマコーター、スリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、キスコーター、ナチュラルロールコーター、エアーナイフコーター、ロールブレードコーター、トゥーストリームコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、アプリケーター、ディップコーター、カーテンコーター、スピンコーター、ナイフコーター等により行うことができる。色変換層の膜厚均一性を得るためには、スリットダイコーター、コンマコーター、ディップコーターで塗布することが好ましい。
色変換層の乾燥は、熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置を用いて行うことができる。この場合、加熱温度は60~200℃が好ましく、加熱時間は2分間~4時間が好ましい。また、ステップキュア等の方法により段階的に加熱硬化することも可能である。
加熱硬化により色変換層を形成する場合、加熱装置としては、熱風オーブンなどが挙げられる。加熱条件はバインダー樹脂に応じて選択することができる。例えば、加熱温度は100℃~300℃が好ましく、加熱時間は1分間~2時間が好ましい。
光硬化により色変換層を形成する場合、紫外線などの高エネルギーの光を照射することが好ましい。光照射条件はバインダー樹脂に応じて選択することができる。例えば、照射する光の波長は200nm~500nmが好ましく、照射量は10mJ/cm~10J/cmが好ましい。
色変換層を作製した後、必要に応じて基材を変更することも可能である。この場合、簡易的な方法としてはホットプレートを用いて貼り替えを行なう方法や、真空ラミネーターやドライフィルムラミネーターを用いた方法などが挙げられる。
<光源ユニット>
本発明の光源ユニットは、少なくとも光源と、上述の色変換組成物または色変換シートを含むものである。本発明の実施形態に係る光源ユニットに含まれる光源は、上述の励起光の発生源となるものである。光源と色変換シートとの配置方法については特に限定されず、光源と色変換シートとを密着させた構成を取ってもよいし、光源と色変換シートとを離したリモートフォスファー形式を取ってもよい。また、光源ユニットは、色純度を高める目的で、さらにカラーフィルターを備える構成を取ってもよい。
<光源>
光源の種類は、発光材料(a)および発光材料(b)が吸収可能な波長領域に発光を示すものであればいずれの光源でも用いることができる。例えば、熱陰極管や冷陰極管、無機ELなどの蛍光性光源、有機エレクトロルミネッセンス素子光源、LED光源、白熱光源、あるいは太陽光などいずれの光源でも原理的には利用可能である。これらの中でも、LEDが好適な光源であり、ディスプレイや照明用途では、青色光の色純度を高められる点で、430~500nmの範囲の光源を持つ青色LEDがさらに好適な光源である。
光源は1種類の発光ピークを持つものでもよく、2種類以上の発光ピークを持つものでもよいが、色純度を高めるためには1種類の発光ピークを持つものが好ましい。また、発光ピークの種類の異なる複数の光源を任意に組み合わせて使用することも可能である。
本発明における光源ユニットは、空間照明、バックライト等種々の光源に有用であり、具体的にはディスプレイ、照明、インテリア、標識、看板などの用途に使用できるが、特にディスプレイや照明用途に特に好適に用いられる。
<ディスプレイ、照明装置>
本発明の実施形態に係るディスプレイは、少なくとも、上述した色変換シートを備える。例えば、液晶ディスプレイ等のディスプレイには、バックライトユニットとして、上述した光源および色変換シート等を有する光源ユニットが用いられる。また、本発明の実施形態に係る照明装置は、少なくとも、上述した色変換シートを備える。例えば、この照明装置は、光源ユニットとしての青色LED光源と、この青色LED光源からの青色光をこれよりも長波長の光に変換する色変換シートとを組み合わせて、白色光を発光するように構成される。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(合成例1)
[中間体1の合成]
2-アミノイソフタル酸ジメチル25g(分子量209.2 119.5mmol)、3,5-ジクロロヨードベンゼン84.8g(分子量272.9 310.7mmol)84.8g、銅紛15g、炭酸カリウム85.9(分子量138.20 621.6mmol)g、およびオルトジクロロベンゼン600mlを2L四つ口フラスコに投入した。フラスコ内を窒素置換した後、反応液を185℃に加熱し、48時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却してろ過し、ろ液をエバポレーターにて濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムにより精製し、さらにトルエン/メタノール=1:1(v/v)の混合溶媒にて再結晶することにより、中間体1を37.6g(分子量499.17 75.3mmol 収率63%)得た。
Figure 2023061532000046
[中間体2の合成]
中間体1を30g(分子量499.17 60.1mmol)、水酸化ナトリウム12g(分子量40.00 300mmol)、エタノール250ml、および蒸留水250mlを1L四つ口フラスコに投入した。フラスコ内を窒素置換した後、加熱還流しながら12時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、さらに氷浴で冷却しながら希塩酸を滴下し、反応液を酸性とした。析出した結晶をろ取し、蒸留水300mlで2回分散洗浄した。さらに酢酸エチルで再結晶して中間体2を24.1g(分子量471.11 51.2mmol 収率85.2%)得た。
Figure 2023061532000047
[中間体3の合成]
中間体2を20g(分子量471.11 42.5mmol)、およびジクロロメタン425mlを1L四つ口フラスコに投入した。フラスコ内を窒素置換した後、塩化オキサリル11.9g(分子量126.92 93.5mmol)を滴下し、さらにジメチルホルムアミドをパスツールピペットで10滴分を滴下した。この反応液を30分加熱還流した後、1M無水塩化スズジクロロメタン溶液93.5ml(93.5mmol)を滴下し、さらに3時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、さらに氷浴で冷却しながら1M水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、中和した。この反応液をジクロロメタンで抽出し、蒸留水で2回分液洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムにより精製し、中間体3を14.0g(分子量435.08 32.2mmol 収率75.6%)得た。
Figure 2023061532000048
[中間体4の合成]
中間体3を12g(分子量435.08 27.6mmol)、ビスピナコラートジボロン42g(分子量253.94 165.4mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム634mg(分子量575.02 1.1mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’-4’-6’-トリイソプロピルビフェニル2.1g(分子量476.72 4.4mmol)、酢酸カリウム16.2g(分子量98.15 165mmol)、および1,4-ジオキサン276mlを500ml四つ口フラスコに投入した。フラスコ内を窒素置換した後、90℃に加熱し、6時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、一旦ろ過した後、ろ液に酢酸エチルと水を加え分液洗浄し、有機層をエバポレーターで濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムにより精製し、中間体4を13.9g(分子量801.16 17.3mmol 収率62.9%)得た。
Figure 2023061532000049
[G-1の合成]
中間体4を2g(分子量801.16 2.5mmol)、ブロモペンタフルオロベンゼン3.09g(分子量246.96 12.5mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム57.5mg(分子量575.02 0.1mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’-4’-6’-トリイソプロピルビフェニル190.7mg(分子量476.72 0.4mmol)、リン酸カリウム7.96g(分子量212.26 37.5ml)、1,4-ジオキサン60ml、および蒸留水20mlを200ml3つ口フラスコに投入した。フラスコ内を窒素置換した後、90℃に加熱し4時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、蒸留水50mlを加え、析出固体をろ取した。この固体を蒸留水100mlで2回分散洗浄し、さらにメタノール100mlで分散洗浄した。ろ過して得られた固体をシリカゲルカラムで生成しG-1を2.02g(分子量961.51 2.1mmol 収率84%)得た。
Figure 2023061532000050
[G-2~G-5の合成]
原料を変更し、[G-1の合成]と同様の反応を行うことにより、中間体4から化合物G-2~G-5を得た。G-2~G-5の構造を以下に示す。
Figure 2023061532000051
[G-6、G-7の合成]
G-6、およびG-7は「ACS Applied Materials & Interfaces」、2021年、vol.13、p.36089-36079のSupporting Informationに記載されている合成方法を参考に合成した。G-6およびG-7の構造を以下に示す。
Figure 2023061532000052
(実施例1)
本発明の実施例1は、上述した実施形態に係る一般式(1)で表される発光材料を色変換組成物として用いた場合の実施例である。この実施例1では、バインダー樹脂としてアクリル樹脂を用い、このアクリル樹脂の100重量部に対して、発光材料として化合物G-1を0.25重量部、溶剤としてトルエンを400重量部、混合した。その後、これらの混合物を、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスターKK-400”(クラボウ社製)を用いて300rpmで20分間撹拌・脱泡し、これにより、色変換組成物を得た。
同様に、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を用い、このポリエステル樹脂の100重量部に対して、溶剤としてトルエンを300重量部、混合した。その後、この溶液を、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスターKK-400”(クラボウ社製)を用いて300rpmで20分間撹拌・脱泡し、これにより、接着剤組成物を得た。
つぎに、上述したように得られた色変換組成物を、スリットダイコーターを用いて第一の基材層である“ルミラー”U48(東レ社製、厚さ50μm)上に塗布し、100℃で20分加熱、乾燥して、平均膜厚16μmの(A)層を形成した。
同様に、上述したように得られた接着剤組成物を、スリットダイコーターを用いて第二の基材層である光拡散フィルム“ケミカルマット”125PW(きもと社製、厚さ138μm)のPET基材層側に塗布し、100℃で20分加熱、乾燥して、接着層/第二の基材層/光拡散層(これらを(C)層とする)を形成した。
つぎに、これら二つの(A)層および(C)層を、(A)層の色変換層と(C)層の接着層とが直接積層されるように加温ラミネートすることで、「第一の基材層/色変換層/接着層/第二の基材層/光拡散層」という積層構成の色変換フィルムを作製した。得られた色変換フィルムの特性は以下のように測定した。
絶対発光量子収率については、得られた色変換フィルムを1cm角にカットし、絶対PL量子収率測定装置(Quantaurus-QY、浜松ホトニクス社製)を用いて測定した。
発光スペクトルの評価については、青色LED素子(発光ピーク波長:445nm)および導光板を備えたバックライトユニットに対し、導光板の一面に、得られた色変換フィルムを設置し、さらに色変換フィルム上にプリズムシートを設置した後、青色LED素子に電流を流して、この青色LED素子を点灯させ、分光放射輝度計(CS-1000、コニカミノルタ社製)を用いて測定した。なお、初期発光特性の測定時は色変換フィルムを設置せず、青色LED素子からの光の明るさが800cd/mとなるように初期値を設定した。
耐久性については、発光スペクトル評価と同様の評価系を用いて445nmに発光ピークを有する青色LED素子からの光を10,000cd/mに調整後、75℃環境下で連続照射し、輝度が5%低下するまでの時間を測定した。
それらの結果、緑色光の発光領域のみを抜粋すると、ピーク波長505nm、発光スペクトルの半値幅31nmの高色純度緑色発光が得られた。また、得られた色変換フィルムの絶対発光量子収率は0.97であった。また耐久性は620時間であった。
(実施例2~7および比較例1~4)
本発明の実施例2~7および本発明に対する比較例1~4では、発光材料として後述の表1に記載した化合物(化合物G-2~G-7、Ref.1~Ref.4)を適宜用いたこと以外は、実施例1と同様にして、色変換フィルムを作製し、実施例1と同様の評価を行った。実施例2~7、比較例1~4の発光材料および評価結果は、表1に示す。光耐久性は、長時間であればあるほど好ましく、具体的には200時間以上であることが好ましい。なお比較例化合物Ref.1~Ref.4は以下に示す化合物である。
Figure 2023061532000053
Figure 2023061532000054
1A、1B、1C、1D 色変換フィルム
10 基材層
11 色変換層
12 バリアフィルム

Claims (14)

  1. 入射光を、その入射光とは異なる波長の光に変換する色変換組成物であって、一般式(1)で表される化合物およびバインダー樹脂を含むことを特徴とする色変換組成物。
    Figure 2023061532000055
    (一般式(1)中、環A、環Bおよび環Cは、それぞれ独立して、アリール環またはヘテロアリール環である。これらの環は置換基を有していてもよい。XおよびXは、それぞれ独立して、OまたはSである。Lは、単結合、-O-、-S-、CR、SiR、C=OまたはC=Sである。R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。RとRおよびRとRは、それぞれ単結合または連結基を介して結合していてもよい。nは0または1である。nが0の場合は環Bと環CがLで架橋されていないことを表し、このとき環Bおよび環CのLによる架橋位置には水素原子または置換基が存在する。)
  2. 一般式(1)で表される化合物が、一般式(2)で表される化合物である、請求項1に記載の色変換組成物。
    Figure 2023061532000056
    (一般式(2)中、R~R11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、エステル基、アミド基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、ホスフィンオキシド基、アシル基、スルホニル基、スルホン酸エステル基またはスルホンアミド基の中から選ばれる。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。またR~R11のうち隣接する基は結合して飽和または不飽和の環を形成してもよい。X、X、Lおよびnは一般式(1)における説明と同義である。)
  3. 一般式(2)中、R、R、R、R、RおよびR11の少なくとも一つが電子求引基であるか、または、R、RおよびRの少なくとも一つが置換されたアミノ基である、請求項2に記載の色変換組成物。
  4. 一般式(2)中、R、R、R、R、RおよびR11の少なくとも一つが電子求引基であり、前記電子求引基が、ハロゲン、ハロゲンを含む基、シアノ基、シアノ基を含む基、電子受容性窒素含有ヘテロアリール基、エステル基またはエステル基を含む基である、請求項2に記載の色変換組成物。
  5. 前記電子求引基がエステル基またはエステル基を含む基である、請求項3または4に記載の色変換組成物。
  6. 一般式(2)中、R、RおよびRの少なくとも一つが下記一般式(3)で表される基である、請求項2に記載の色変換組成物。
    Figure 2023061532000057
    (一般式(3)中、ArおよびArは、それぞれ独立して、アリール基またはヘテロアリール基である。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。ArとArは、単結合または連結基を介して結合していてもよく、その場合の連結基は、-O-、-S-、>CR1314、>SiR1516または>C=Oである。R13~R16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である。これらの基はさらに置換基を有していてもよい。)
  7. 一般式(1)中、nが0である請求項1~6のいずれかに記載の色変換組成物。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の色変換組成物またはその硬化物を含む色変換シート。
  9. 前記色変換シートが、発光のピーク波長が500nm以上580nm未満である発光材料(a)および発光のピーク波長が580nm以上750nm以下である発光材料(b)を含み、一般式(1)で表される化合物が発光材料(a)である、請求項8に記載の色変換シート。
  10. 前記色変換シートが少なくとも以下の(A)層および(B)層を含む、請求項9に記載の色変換シート。
    (A)層:少なくとも前記発光材料(a)およびバインダー樹脂を含有する層
    (B)層:少なくとも前記発光材料(b)およびバインダー樹脂を含有する層
  11. 光源および請求項8~10のいずれかに記載の色変換シートを含む、光源ユニット。
  12. 前記光源が430nm以上500nm以下の範囲に極大発光を有する発光ダイオードである、請求項11に記載の光源ユニット。
  13. 請求項11または12記載の光源ユニットを含むディスプレイ。
  14. 請求項11または12記載の光源ユニットを含む照明装置。
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