JP2023059064A - 顔料分散剤および顔料分散体 - Google Patents
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Abstract
【課題】顔料濃度が高い場合でも、局所的な顔料の濃淡を生じることがなく、効率よい分散を可能とする顔料分散剤と、この顔料分散剤を用いた顔料分散体を提供する。【解決手段】水酸基価から求めた数平均分子量が200以上5000以下のポリアルキレンエーテルグリコールを含む顔料分散剤。ポリアルキレンエーテルグリコールとしてはポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましい。この顔料分散剤、顔料及び媒体を含む顔料分散体。【選択図】図1
Description
本発明は、顔料分散剤および顔料分散体に関する。詳しくは、顔料濃度が高い場合でも、局所的な顔料の濃淡を生じることがなく、効率よい分散を可能とする分散剤と、この分散剤を用いた顔料分散体に関する。
塗料及びインキにおいては、高い顔料濃度を有する顔料分散体(「顔料ペースト」とも称される)が使用されている。例えば、異種の顔料を含有する複数の顔料ペーストを混合して目的の色を調合した後に、塗料又はインキの主バインダーと混合することで、目的の塗料又はインキを得ることができる。
従来、カーボンブラック等の顔料を媒体中に分散させて顔料分散体を調製するための顔料分散剤としては、ポリエチレングリコール等の高分子化合物が使用されている(例えば、特許文献1,2)。また、フタル酸ジオクチルやフタル酸ジブチルが潤滑性の分散剤として使用されている(例えば、特許文献3)。
顔料分散体は、インキや塗料原液として、製紙、ゴム工業、プラスチック等の各種の分野で幅広く用いられているが、顔料分散体中の顔料の分散が不均一であると、この顔料分散体を用いて製造されたインキや塗料により形成される塗膜、印字等に所望の色調が発現されなかったり、また光沢が損なわれるなど、品質が大きく損なわれることとなる。
このため、顔料分散体は、顔料ペーストとしての用途において、インキや塗料の生産効率の観点から、より顔料濃度が高いことが望まれ、顔料分散剤には、高顔料濃度であっても、優れた顔料の均一分散性を発現することが要求される。
このため、顔料分散体は、顔料ペーストとしての用途において、インキや塗料の生産効率の観点から、より顔料濃度が高いことが望まれ、顔料分散剤には、高顔料濃度であっても、優れた顔料の均一分散性を発現することが要求される。
しかしながら、従前知られた分散剤では顔料の分散が不十分であり、特に顔料濃度が高い場合には、顔料の分散度合いにムラが生じ、所望の色調、光沢を得ることができなかった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、顔料濃度が高い場合でも、局所的な顔料の濃淡を生じることがなく、効率よい分散を可能とする分散剤と、この分散剤を用いた顔料分散体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、特定の数平均分子量のポリアルキレンエーテルグリコールが高濃度顔料に対しても優れた分散効果を示し、上記課題を解決し得ることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 水酸基価から求めた数平均分子量が200以上5000以下のポリアルキレンエーテルグリコールを含む顔料分散剤。
[2] 前記ポリアルキレンエーテルグリコールがポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む[1]に記載の顔料分散剤。
[3] [1]又は[2]に記載の顔料分散剤、顔料及び媒体を含む顔料分散体。
[4] 前記顔料が無機顔料である[3]に記載の顔料分散体。
[5] 前記顔料がカーボンブラックである[3]に記載の顔料分散体。
[6] [5]に記載の顔料分散体の塗料原液としての使用。
[7] [5]に記載の顔料分散体のインキ原液への使用。
本発明の顔料分散剤によれば、顔料濃度が高い場合でも、局所的な顔料の濃淡を生じることがなく、顔料を効率的に分散させることができる。このため、本発明の顔料分散剤を用いた顔料分散体を塗料やインキの原液として用いて、色調、光沢に優れた高品質の塗膜や印字物を与えることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[顔料分散剤]
本発明の顔料分散剤は、水酸基価から求めた数平均分子量(以下、単に「数平均分子量」と称す場合がある。)が200以上5000以下のポリアルキレンエーテルグリコールを含む。
本発明の顔料分散剤は、水酸基価から求めた数平均分子量(以下、単に「数平均分子量」と称す場合がある。)が200以上5000以下のポリアルキレンエーテルグリコールを含む。
ポリアルキレンエーテルグリコールは、通常、分子内の主骨格中に1つ以上のエーテル結合を有するポリヒドロキシ化合物である。
ポリアルキレンエーテルグリコールの主骨格中の繰り返し単位としては、例えば、1,2-エチレングリコール単位、1,2-プロピレングリコール単位、1,3-プロパンジオール(トリメチレングリコール)単位、2-メチル-1,3-プロパンジオール単位、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール単位、1,4-ブタンジオール(テトラメチレングリコール)単位、2-メチル-1,4-ブタンジオール単位、3-メチル-1,4-ブタンジオール単位、3-メチル-1,5-ペンタンジオール単位、ネオペンチルグリコール単位、1,6-ヘキサンジオール単位、1,7-ヘプタンジオール単位、1,8-オクタンジオール単位、1,9-ノナンジオール単位、1,10-デカンジオール単位及び1,4-シクロヘキサンジメタノール単位等の炭素数1~20の飽和炭化水素基が挙げられ、単独の繰り返し単位でポリアルキレンエーテルグリコールを形成していてもよいし、2種以上の繰り返し単位で共重合ポリアルキレンエーテルグリコールを形成していてもよい。これら、繰り返し単位を与える原料は特に限定されないが、好ましくは環状エーテルである。また、これら、繰り返し単位を与える原料は石油由来であっても、バイオマス由来であってもよい。
ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、前記繰り返し単位を主骨格中に有するポリアルキレンエーテルグリコールのうち、顔料分散性の観点から、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、1~20モル%の3-メチルテトラヒドロフランとテトラヒドロフランの反応により得られる共重合ポリエーテルポリオール(例えば、保土ヶ谷化学社製「PTG-L1000」、「PTG-L2000」及び「PTG-L3500」等)及びネオペンチルグリコールとテトラヒドロフランの反応により得られる共重合ポリエーテルグリコール等が好ましく、ポリテトラメチレンエーテルグリコールがより好ましい。
これらのポリアルキレンエーテルグリコールは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、顔料分散剤としてのポリアルキレンエーテルグリコールの分子量は、数平均分子量で、下限は通常200以上、好ましくは230以上であり、上限は通常5000以下、好ましくは4000以下、より好ましくは3000以下、特に好ましくは2000以下であり、さらに、1000以下、800以下、700以下、600以下、500以下、400以下の順で好ましく、300以下であることが最も好ましい。
ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量が上記上限以下であれば、顔料分散体としての粘度が下がり作業性を容易にすることができる。一方、ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量が上記下限以上であれば、顔料濃度が高い場合でも効率の良い分散を可能とすることができる。
ここで、ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量は、JIS K1557-1:2007に準拠したアセチル化法による水酸基価(KOH(mg)/g)測定方法により、後掲の実施例の項に記載の方法で求めることができる。
本発明の顔料分散剤は、上記の特定の数平均分子量のポリアルキレンエーテルグリコールを含むものであればよく、他の成分を含むものであってもよいが、本発明の顔料分散剤中にポリアルキレンエーテルグリコールを20質量%以上、特に50~100質量%含むことが好ましい。
なお、顔料分散剤には、本発明の効果を損なわない限り、上記の特定の数平均分子量のポリアルキレンエーテルグリコール以外の顔料分散成分(以下「その他の顔料分散成分」)を含んでいても構わない。その他の顔料分散成分としては、フタル酸や、脂肪酸塩、αースルホ脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルビリジニウムクロリド、アルキルカルボキシベタインなどの分散剤や、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリビニルピロリドン(以下「PVP」とも略記)、ポリビニルアルコール(以下「PVA」とも略記)、ポリエチレンオキサイド(以下「PEO」とも略記)、スチレン-アクリル酸コポリマー、オキシエチレン-オキシプロピレンブロックポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、PVP-アクリル酸グラフトポリマーなどの高分子分散剤が挙げられる。
[顔料分散体]
本発明の顔料分散体は、上述した本発明の顔料分散剤と、顔料及び媒体を含む。
本発明の顔料分散体は、上述した本発明の顔料分散剤と、顔料及び媒体を含む。
本発明の顔料分散体に含まれる顔料は、特に制限なく目的に応じて適宜選択できる。例えば、有機顔料及び無機顔料のいずれも選択できる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、縮合多環系顔料、染付レーキ顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料及びアニリンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料及び縮合多環系顔料などがより好ましい。
アゾ顔料としては、例えば溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料などが挙げられる。
縮合多環系顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン系顔料、ピロコリン顔料、フルオルビン顔料、キノフタレン顔料及び金属錯体顔料などが挙げられる。
染付レーキ顔料としては、例えば、酸性染付レーキ及び塩基性染付レーキなどが挙げられる。
縮合多環系顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン系顔料、ピロコリン顔料、フルオルビン顔料、キノフタレン顔料及び金属錯体顔料などが挙げられる。
染付レーキ顔料としては、例えば、酸性染付レーキ及び塩基性染付レーキなどが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー及びカーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法及びサーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
本発明の顔料分散剤は、特に凝集性が高く分散が困難であった顔料である、無機顔料、特にカーボンブラックの分散効果において優れた効果を発揮する。
上記の顔料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組合せて使用してもよい。
顔料分散体における顔料の含有率(顔料濃度)は、着色性及び保存安定性等の観点から、顔料分散体の全質量に対して、0.01~10質量%が好ましく、0.03~1質量%がより好ましい。
顔料分散体における顔料分散剤の含有量は、顔料100質量部に対し、通常0.1~10質量部であり、1~7質量部が好ましい。顔料分散剤の含有量が上記下限以上であれば、優れた均一分散性とその安定性を得ることができ、上記上限以下であれば、優れた均一分散性とその安定性を得ることができる。
媒体としては、用途に応じて各種の媒体を用いることができる。即ち、溶剤系塗料やインキの場合には、有機溶剤が、水系塗料やインキの場合には水系溶剤といった液媒体が用いられる。
有機溶剤としては、溶剤系塗料用に通常使用されている大豆油、トルエン、キシレン、シンナー、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、脂肪族炭化水素等を用いることができる。
水系溶剤としては、水と水系塗料用に通常使用されているエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2-ピロリドン等の水溶性有機溶剤とを混合して使用することができる。
これらの液媒体は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、本発明の顔料分散剤との相溶性が良好であること、顔料分散体とした際に取り扱いやすい粘度となることから、有機溶剤が好ましく、シンナー、ブチルアルコール、ブチルセロソルブなどを好適に用いることができる。
顔料分散体は、上記液媒体である溶剤の他、用いる塗料やインキの種類に応じて、塗料又はインキ構成成分の少なくとも一部をその他の媒体として含有していてもよい。また、これらの塗料又はインキ構成成分は、顔料分散体から塗料又はインキを調製する際に顔料分散体に対して追加添加するようにしてもよい。
溶剤以外の添加剤としては、バインダーとなる樹脂、油脂、消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤等が挙げられる。
樹脂としては、溶剤系塗料用や油性印刷インキに通常使用されているアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ガムロジン、ライムロジン等のロジン系樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン変性樹脂、石油樹脂等を用いることができる。
水系塗料用としては、水系塗料用や水性インキに通常使用されている水溶性アクリル樹脂、水溶性スチレン-マレイン酸樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等を用いることができる。
水系塗料用としては、水系塗料用や水性インキに通常使用されている水溶性アクリル樹脂、水溶性スチレン-マレイン酸樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等を用いることができる。
油脂としては、あまに油、きり油、オイチシカ油、サフラワー油等の乾性油を加工したボイル油を用いることができる。
本発明の顔料分散体の製造においては、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸若しくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行うことができる。また、必要に応じて、縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル及び超音波分散機等を用いて、0.01~3mmの粒径の、ガラス及びジルコニア等でできたビーズで微分散処理を行うこともできる。
このような分散処理において、顔料分散剤を予め液媒体に添加し、その後顔料を添加して分散処理してもよく、顔料を液媒体等の媒体と混合した後顔料分散剤を添加して分散処理してもよい。
このような分散処理において、顔料分散剤を予め液媒体に添加し、その後顔料を添加して分散処理してもよく、顔料を液媒体等の媒体と混合した後顔料分散剤を添加して分散処理してもよい。
[塗料・インキ]
本発明の顔料分散体は、塗料原液又はインキ原液、即ち、顔料ペーストとして、塗料又はインキの製造に好適に用いられる。
本発明の顔料分散体は、塗料原液又はインキ原液、即ち、顔料ペーストとして、塗料又はインキの製造に好適に用いられる。
塗料及びインキの製造方法としては、顔料分散体と主バインダーを混合し必要に応じて更に溶剤で希釈する方法が挙げられる。顔料分散体及び主バインダーは、目的に応じて、それぞれを単独、又は複数を混合して用いても良い。
塗料用主バインダーとして、脂肪族溶剤系の長鎖アルキッド樹脂、芳香族溶剤系の長鎖アルキッド樹脂、中鎖アルキッド樹脂、短鎖アルキッド樹脂、修飾セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。インキ用主バインダーとしては、修飾ロジン樹脂、炭化水素樹脂、修飾セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂及びポリウレタン樹脂等が挙げられる。また、顔料分散体を、UV硬化性のモノマー又はオリゴマーと混合することで、UV硬化性の塗料又はインキの製造に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
[ポリアルキレンエーテルグリコールの水酸基価・数平均分子量]
実施例において、分散剤として用いたポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量の測定方法は以下の通りである。
JIS K1557-1に準拠して、アセチル化試薬を用いた方法にてポリアルキレンエーテルグリコールの水酸基価を測定した。
測定された水酸基価から、下記式(I)により数平均分子量(Mn)を求めた。
数平均分子量=2×56.1/(水酸基価×10-3) …(I)
実施例において、分散剤として用いたポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量の測定方法は以下の通りである。
JIS K1557-1に準拠して、アセチル化試薬を用いた方法にてポリアルキレンエーテルグリコールの水酸基価を測定した。
測定された水酸基価から、下記式(I)により数平均分子量(Mn)を求めた。
数平均分子量=2×56.1/(水酸基価×10-3) …(I)
[分散剤]
以下の実施例及び比較例では、顔料分散剤として以下のものを用いた。
PTMG1:三菱ケミカル株式会社製ポリテトラメチレンエーテルグリコール
(数平均分子量:230)
DOP:フタル酸ジオクチル
以下の実施例及び比較例では、顔料分散剤として以下のものを用いた。
PTMG1:三菱ケミカル株式会社製ポリテトラメチレンエーテルグリコール
(数平均分子量:230)
DOP:フタル酸ジオクチル
[実施例1~2および比較例1~3]
<カーボンブラック分散体の調製>
容器に、アミラック(商標名)No.1026クリヤー(関西ペイント株式会社製アミノアルキッド樹脂)16.0g、シンナー10.0g、カーボンブラック(CB)2.6g及び表1に記載した分散剤を加え、それぞれ分散液とした。
前記分散液に、該分散液と同重量の2.0mmφのジルコニアビーズを加え、ペイントシェーカー5400(RED DEVIL社製)により30分ずつ2回、分散処理を実施した。分散処理終了後、フィルターによりビーズを分離し、次いで、No.1026クリヤーを50g添加・混合し、それぞれ分散体1~5を調製した。
<カーボンブラック分散体の調製>
容器に、アミラック(商標名)No.1026クリヤー(関西ペイント株式会社製アミノアルキッド樹脂)16.0g、シンナー10.0g、カーボンブラック(CB)2.6g及び表1に記載した分散剤を加え、それぞれ分散液とした。
前記分散液に、該分散液と同重量の2.0mmφのジルコニアビーズを加え、ペイントシェーカー5400(RED DEVIL社製)により30分ずつ2回、分散処理を実施した。分散処理終了後、フィルターによりビーズを分離し、次いで、No.1026クリヤーを50g添加・混合し、それぞれ分散体1~5を調製した。
<カーボンブラック分散体の評価>
分散体1~5について、以下の通り分散性の評価を行った。
分散体1~5について、以下の通り分散性の評価を行った。
(分散性の評価(その1))
分散体1~5について、測色色差計NF333(日本電色工業株式会社製)を用い、C光源により、L*、a*、b*を測定した。結果を表2に示した。尚、カーボンブラックの分散性の指標としてはL*値が用られており、該L*値が小さいほど黒味が強く、カーボンブラックの分散性が良いと評価される。
分散体1~5について、測色色差計NF333(日本電色工業株式会社製)を用い、C光源により、L*、a*、b*を測定した。結果を表2に示した。尚、カーボンブラックの分散性の指標としてはL*値が用られており、該L*値が小さいほど黒味が強く、カーボンブラックの分散性が良いと評価される。
(分散性の評価(その2))
分散体2、分散体3及び分散体5を選択し、透過型電子顕微鏡(TEM)写真により倍率2000倍で観察した。図1が分散体2のTEM写真であり、図2が分散体3のTEM写真であり、図3が分散体5のTEM写真である。図1~3より明らかなように、分散体2は他の分散体に比し、カーボンブラックの凝集が少なく、効率よく分散していることが見て取れる。
分散体2、分散体3及び分散体5を選択し、透過型電子顕微鏡(TEM)写真により倍率2000倍で観察した。図1が分散体2のTEM写真であり、図2が分散体3のTEM写真であり、図3が分散体5のTEM写真である。図1~3より明らかなように、分散体2は他の分散体に比し、カーボンブラックの凝集が少なく、効率よく分散していることが見て取れる。
本発明の顔料分散剤は、TEM写真の観察より明らかなように、カーボンブラックの凝集が少なく、微細化した状態でみてもカーボンブラックが効率よく分散化されている。そのミクロにおける分散化はマクロで評価したL*値においても示されており、実施例の分散体は比較例よりもL*値が低く、黒味が強いことが示されている。
Claims (7)
- 水酸基価から求めた数平均分子量が200以上5000以下のポリアルキレンエーテルグリコールを含む顔料分散剤。
- 前記ポリアルキレンエーテルグリコールがポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む請求項1に記載の顔料分散剤。
- 請求項1又は2に記載の顔料分散剤、顔料及び媒体を含む顔料分散体。
- 前記顔料が無機顔料である請求項3に記載の顔料分散体。
- 前記顔料がカーボンブラックである請求項3に記載の顔料分散体。
- 請求項5に記載の顔料分散体の塗料原液としての使用。
- 請求項5に記載の顔料分散体のインキ原液への使用。
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