JP2023059022A - フランジ機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】切削ブレードを容易に着脱自在とすることができるフランジ機構を提供すること。【解決手段】フランジ機構1は、切削ブレード121の中央孔126に挿通するボス部31と、ボス部31から径方向外側に突出するフランジ部32と、ボス部31の先端側の押圧部52が径方向外側へ移動して切削ブレード121をフランジ部32側へ押圧する押圧位置と、押圧部52がボス部31の径方向内側へ移動する退避位置とに位置付けられる固定機構4と、を有し、固定機構4は、先端に押圧部52を有しスピンドル122の軸心方向と直交する回転軸51で回動可能であり、後端側がボス部31の径方向中心向きにバネ部材54で付勢されるブレード押さえ部材5と、ボス部31の中央に軸心方向に移動可能に配置され、ボス部31の先端方向に付勢されたシャフト部材6とを備える。【選択図】図4
Description
本発明は、フランジ機構に関する。
デバイスの製造工程において、半導体ウエーハ等の板状の被加工物を切削ブレードで切削して分割する切削装置が使用される。切削ブレードは、ボス部を有するフランジ機構を用いてスピンドルに装着される(例えば、特許文献1参照)。
フランジ機構は、スピンドルに固定されるボス部とボス部後端に拡径するフランジ部と、ボス部先端の雌ネジに螺合し、ボス部が中央孔に挿通した切削ブレードをフランジ部と挟持するナット部と、を有する。
切削ブレードをフランジ機構に着脱する際は、ナットの螺合が必要になり、工数がかかっている。また、自動的にフランジ機構に切削ブレードを着脱するブレード交換機構を形成する際、ナットの螺合を実施させるユニットが必要になり、機械が複雑かつ大型化するという課題が有る。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、切削ブレードを容易に着脱自在とすることができるフランジ機構を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のフランジ機構は、スピンドルの先端に着脱可能に装着され、環状の切削ブレードを支持して固定するフランジ機構であって、該切削ブレードの中央孔に挿通し切削ブレードの内周面を支持するボス部と、該ボス部の軸方向後端から径方向外側に突出して該切削ブレードを支持するフランジ部と、該ボス部の軸方向先端から径方向外側へ向かって延在する押圧部が、該ボス部の径方向外側へ移動して装着された該切削ブレードを該フランジ部側へ押圧する押圧位置と、該押圧部が該ボス部の径方向内側へ移動し該切削ブレードから退避する退避位置とに選択的に位置付けられ、該切削ブレードを固定する固定機構と、を有し、該固定機構は、先端に該押圧部を有し該ボス部の軸心方向に延在する長尺部材で、該スピンドルの軸心方向と直交する回転軸で回動可能であり、後端側が該ボス部の径方向中心向きにバネ部材で付勢されることで該押圧部が該押圧位置に位置付けられるブレード押さえ部材と、該ボス部の中央に該ボス部の軸心方向に移動可能に配置され、該ボス部の先端方向に付勢されたシャフト部と、を備え、該シャフト部は、該フランジ部側へ押圧されると、該シャフト部の後端側が該ブレード押さえ部材の後端部を該バネ部材に抗して径方向外側に移動することで該ブレード押さえ部材が回動し、該押圧部が該退避位置へ移動することを特徴とする。
前記フランジ機構において、該ブレード押さえ部材は、該スピンドルが回転によって、該押圧位置に位置付けられた先端部が該ボス部の径方向外側に更に付勢されても良い。
本発明は、切削ブレードを容易に着脱自在とすることができるという効果を奏する。
本発明を実施するための形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
実施形態1に係るフランジ機構を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るフランジ機構を備える切削装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示された切削装置の切削ユニットの要部の斜視図である。図3は、図2に示された切削ユニットの正面図である。図4は、図3中のIV-IV線に沿う断面図である。図5は、図4に示された切削ユニットに切削ブレードを着脱する状態を示す断面図である。
実施形態1に係るフランジ機構を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るフランジ機構を備える切削装置の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示された切削装置の切削ユニットの要部の斜視図である。図3は、図2に示された切削ユニットの正面図である。図4は、図3中のIV-IV線に沿う断面図である。図5は、図4に示された切削ユニットに切削ブレードを着脱する状態を示す断面図である。
実施形態1に係るフランジ機構1は、図1に示す切削装置100を構成する。切削装置100は、被加工物200を切削する加工装置である。実施形態1において、切削装置100が切削する加工対象の被加工物200は、シリコン、ガリウムヒ素、SiC(炭化ケイ素)又はサファイア、などを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハである。被加工物200は、表面に格子状に形成された複数の分割予定ラインによって格子状に区画された領域にデバイスが形成されている。
デバイスは、例えば、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)又は各種のメモリ(半導体記憶装置)である。
また、本発明の被加工物200は、中央部が薄化され、外周部に厚肉部が形成された所謂TAIKO(登録商標)ウエーハでもよく、ウエーハの他に、樹脂により封止されたデバイスを複数有した矩形状のQFN(Quad Flat No leaded)パッケージ基板等の樹脂パッケージ基板、セラミックス基板、フェライト基板、又はニッケル及び鉄の少なくとも一方を含む基板、ガラス基板等でも良い。実施形態1において、被加工物200は表面の裏側の裏面に外周縁に環状フレームが装着された粘着テープが貼着されて、環状フレームに支持されている。
(切削装置)
図1に示された切削装置100は、被加工物200をチャックテーブル110で保持し分割予定ラインに沿って切削ブレード121で切削する加工装置である。切削装置100は、図1に示すように、被加工物200を保持面111で吸引保持するチャックテーブル110と、切削水を供給しながら切削ブレード121によってチャックテーブル110に保持された被加工物200を切削する切削ユニット120と、チャックテーブル110に保持された被加工物200を撮影する撮像ユニット150と、制御ユニット190とを備える。
図1に示された切削装置100は、被加工物200をチャックテーブル110で保持し分割予定ラインに沿って切削ブレード121で切削する加工装置である。切削装置100は、図1に示すように、被加工物200を保持面111で吸引保持するチャックテーブル110と、切削水を供給しながら切削ブレード121によってチャックテーブル110に保持された被加工物200を切削する切削ユニット120と、チャックテーブル110に保持された被加工物200を撮影する撮像ユニット150と、制御ユニット190とを備える。
また、切削装置100は、図1に示すように、チャックテーブル110と切削ユニット120とを相対移動させる移動ユニット140を備える。移動ユニット140は、チャックテーブル110を水平方向と平行な切削方向であるX軸方向に加工送りする加工送りユニットであるX軸移動ユニット141と、切削ユニット120を水平方向と平行でかつX軸方向に直交するY軸方向に割り出し送りする割り出し送りユニットであるY軸移動ユニット142と、切削ユニット120をX軸方向とY軸方向との双方と直交する鉛直方向に平行なZ軸方向に切り込み送りする切り込み送りユニットであるZ軸移動ユニット143と、チャックテーブル110をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット144とを少なくとも備える。
X軸移動ユニット141は、チャックテーブル110及び回転移動ユニット144を支持した移動プレート103を加工送り方向であるX軸方向に移動させることで、チャックテーブル110と切削ユニット120とを相対的にX軸方向に沿って加工送りするものである。また、X軸移動ユニット141は、装置本体101上に設置され、チャックテーブル110を切削方向であるX軸方向に往復移動させる切削送りユニットでもある。
Y軸移動ユニット142は、装置本体101から立設した門型の支持フレーム102に設置され、切削ユニット120を割り出し送り方向であるY軸方向に移動させることで、チャックテーブル110と切削ユニット120とを相対的にY軸方向に沿って割り出し送りするものである。Z軸移動ユニット143は、装置本体101から立設した支持フレーム102に設置され、切削ユニット120を切り込み送り方向であるZ軸方向に移動させることで、チャックテーブル110と切削ユニット120とを相対的にZ軸方向に沿って切り込み送りするものである。回転移動ユニット144は、X軸移動ユニット141によりX軸方向に往復移動される移動プレート103上に配設され、チャックテーブル110を支持している。
X軸移動ユニット141、Y軸移動ユニット142及びZ軸移動ユニット143は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のモータ及びチャックテーブル110又は切削ユニット120をX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。回転移動ユニット144は、チャックテーブル110を軸心回りに回転するモータを備えている。
チャックテーブル110は、円盤形状であり、被加工物200を保持する保持面111がポーラスセラミック等から形成されている。また、チャックテーブル110は、X軸移動ユニット141により移動プレート103が切削ユニット120の下方の加工領域と、切削ユニット120の下方から離れ被加工物200が搬入出される搬入出領域とに亘って移動自在に設けられることで、X軸方向に移動自在に設けられている。チャックテーブル110は、回転移動ユニット144によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられている。
チャックテーブル110は、図示しない真空吸引源と接続され、真空吸引源より吸引されることで、保持面111に載置された被加工物200を吸引、保持する。実施形態1では、チャックテーブル110は、粘着テープを介して被加工物200の裏面側を吸引、保持する。また、チャックテーブル110の周囲には、図1に示すように、環状フレームをクランプするクランプ部112が複数設けられている。なお、本発明では、被加工物200に粘着テープが貼り付けられておらず、直接チャックテーブル110に保持されてもよく、チャックテーブル110が円盤形状でなくてもよい。
切削ユニット120は、切削ブレード121がスピンドル122に装着され、チャックテーブル110に保持された被加工物200を切削する切削手段である。切削装置100は、図1に示すように、切削ユニット120を2つ備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの切削装置である。
切削ユニット120は、図2に示すように、筒状に形成されかつY軸移動ユニット142及びZ軸移動ユニット143によりY軸方向及びZ軸方向に移動自在に設けられたスピンドルハウジング123と、スピンドルハウジング123内にY軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられたスピンドル122と、スピンドル122の先端124に固定される切削ブレード121と、切削ブレード121をスピンドル122の先端124に固定するフランジ機構1とを備える。
スピンドル122は、スピンドルハウジング123に回転可能に支持されている。スピンドル122の先端124は、スピンドルハウジング123の一端部から外部に突出している。スピンドル122の基端部には、スピンドル122を回転させるためのモータ(不図示)が連結されている。スピンドル122の先端124は、先端に向かうにしたがって徐々に外径が縮小するようにテーパ状に形成されている。スピンドル122は、先端124を露出させた状態でスピンドルハウジング123内に軸心回りに回転自在に収容されている。
切削ブレード121は、フランジ機構1を介してスピンドル122の先端124に固定されて、スピンドル122により回転されることで被加工物200を切削する。切削ブレード121は、アルミニウム合金などの金属から構成されかつ中央孔126を有し環状に形成された環状基台125と、環状基台125の外周から突出する環状の切り刃127とを有している。
中央孔126は、切削ブレード121をフランジ機構1に固定するための孔である。切り刃127は、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)とからなり所定厚みに形成されている。切り刃127は、図4に示すように、環状基台125の平坦な一方の側面125-1の外周縁に固定されて、環状基台125の外縁より外周方向に突出している。
また、切削ブレード121は、中央孔126と環状基台125の他方の側面125-2とに亘って切削ブレード121の環状基台125の軸心方向に傾斜する傾斜面128が全周に亘って形成されている。傾斜面128は、中央孔126の奥から他方の側面125-2に向かうにしたがって中央孔126の内径を徐々に拡大する方向に傾斜している。
また、切削ユニット120は、切削ブレード121の切り刃127に切削水を供給する切削水供給ノズル129(図1に示す)を備えている。
フランジ機構1は、スピンドル122の先端124に着脱可能に装着され、環状の切削ブレード121を支持して固定するものである。フランジ機構1は、図2、図3及び図4に示すように、第1フランジ部材2(図2及び図4に示す)と、第2フランジ部材3(図2及び図4に示す)と、固定機構4とを備える。
第1フランジ部材2は、スピンドル122の先端124に固定されるものであり、金属製である。第1フランジ部材2は、厚手でかつ外径が切削ブレード121の環状基台125の外径よりも小径の円環状のフランジ部21と、フランジ部21からスピンドルハウジング123側に突出し、フランジ部21と同軸に配置された円筒部22とを一体に備えている。円筒部22は、内外径がフランジ部21の外径よりも小径である。第1フランジ部材2は、フランジ部21の内周に段差部23が形成されている。段差部23は、フランジ部21側よりも円筒部22側の内径を小径にしている。円筒部22の内径は、スピンドルハウジング123側に向かうにしたがって徐々に大きく形成されている。
第1フランジ部材2は、円筒部22内にスピンドル122の先端124が嵌め込まれ、段差部23に重ねられたワッシャ24内を通ったボルト25がスピンドル122の先端124に設けられたねじ孔130にねじ込まれることにより、スピンドル122の先端124に固定される。第1フランジ部材2は、スピンドル122と同軸に配置される。
第2フランジ部材3は、第1フランジ部材2に固定されるとともに、切削ブレード121を支持するものであり、金属製である。第2フランジ部材3は、円筒状のボス部31と、円環状のフランジ部32とを一体に備える。ボス部31と、フランジ部32とは、同軸に配置されている。
ボス部31は、外径が切削ブレード121の中央孔126の内径とほぼ等しい。ボス部31は、切削ブレード121の中央孔126に挿通し、切削ブレード121の環状基台125の内周面を支持する。
フランジ部32は、外径が切削ブレード121の外径よりも小径である。フランジ部32は、ボス部31のスピンドルハウジング123寄りの軸方向後端から径方向外側に突出して、外縁部の表面33上に外周縁に沿って形成された環状の端面(不図示)で切削ブレード121の環状基台125を支持する。
第2フランジ部材3は、フランジ部32がスピンドル122の先端124に固定された第1フランジ部材2のフランジ部21に重ねられ、第1フランジ部材2に設けられたねじ孔26に螺合するボルト34により第1フランジ部材2に固定される。第2フランジ部材3は、第1フランジ部材2及びスピンドル122と同軸に配置される。第2フランジ部材3は、ボス部31が中央孔126に挿通し、フランジ部32に環状基台125が重ねられることで、切削ブレード121が装着される。
固定機構4は、第2フランジ部材3に切削ブレード121を固定するとともに、第2フランジ部材3に切削ブレード121を着脱自在にするものである。固定機構4は、ブレード押さえ部材5と、シャフト部であるシャフト部材6と、押さえ部材7とを備える。
ブレード押さえ部材5は、長手方向がボス部31の軸心方向に延在する長尺部材である。ブレード押さえ部材5は、第2フランジ部材3のボス部31に回転軸51で回動可能に取り付けられている。回転軸51は、スピンドル122の軸心方向と直交している。ブレード押さえ部材5は、スピンドルハウジング123から離れた軸方向先端に切削ブレード121の環状基台125の傾斜面128を外周方向に押圧する押圧部52を有している。
押圧部52は、ボス部31のスピンドルハウジング123から離れた軸方向先端からボス部31の径方向外側へ向かって延在している。押圧部52は、ボス部31のスピンドルハウジング123から離れた軸方向先端に向かうにしたがって徐々にボス部31の径方向外側へ傾斜した傾斜面53を有している。傾斜面53は、ボス部31のスピンドルハウジング123から離れた先端に向かうにしたがってボス部31の径方向外側に徐々に向かってボス部31の軸心方向に対して傾斜している。
ブレード押さえ部材5は、回転軸51を中心に回動自在に第2フランジ部材3に取り付けられることで、押圧部52がボス部31の径方向外側へ移動して装着された切削ブレード121を軸心方向に沿ってフランジ部32側に押圧する図4に示す押圧位置と、押圧部52がボス部31の径方向内側へ移動し押圧部52が切削ブレード121から退避する図5に示す退避位置とに選択的に位置付けられる。押圧位置では、押圧部52の傾斜面53が切削ブレード121の傾斜面128に密に重なる。退避位置では、押圧部52が切削ブレード121の中央孔126よりも内周側に位置して、切削ブレード121がボス部31に着脱することを許容する。
また、ブレード押さえ部材5は、スピンドルハウジング123寄りの後端側がボス部31の径方向中心向きにバネ部材54で付勢されている。ブレード押さえ部材5は、バネ部材54で付勢されることにより押圧部52が押圧位置に位置づけられる。また、押圧位置では、ブレード押さえ部材5は、バネ部材54で付勢されることにより傾斜面53が傾斜面128に密に重なり、押圧部52が傾斜面128を押圧する。このとき、傾斜面53,128が前述した方向に軸心方向に対して傾斜しているので、押圧位置では、ブレード押さえ部材5は、押圧部52が切削ブレード121を軸心方向に沿ってフランジ部32側に押圧して、ボス部31に切削ブレード121を固定する。ブレード押さえ部材5は、回転軸51よりも後端側の質量よりも押圧部52が設けられた先端側の質量が大きく形成されている。
シャフト部材6は、ボス部31の中央にボス部31の軸心方向に移動可能に配置されている。シャフト部材6は、円柱状に形成され、ボス部31の内周に配置されて、ボス部31の軸心方向に移動可能に配置されている。シャフト部材6は、ボス部31の内径と外径が等しい円柱状の大径部61と、大径部61のスピンドルハウジング123寄りに連なりかつボス部31の内径よりも外径が小さい円環状の小径部62とを一体に備えている。大径部61と、小径部62とは、同軸に配置されている。また、シャフト部材6は、フランジ部32との間にバネ部材63が設けられ、バネ部材63によりボス部31の先端側に付勢されている。
押さえ部材7は、外縁が円形状の平板状に形成され、ボス部31の先端面35に重ねられ、ボス部31の先端面35設けられたねじ孔36に螺合するボルト71によってボス部31の先端面35に固定される。押さえ部材7は、外径がボス部31の外径よりも小さく形成され、ボス部31と同軸に配置されている。押さえ部材7は、シャフト部材6及びブレード押さえ部材5が第2フランジ部材3から脱落することを規制する。また、押さえ部材7は、ブレード押さえ部材5の押圧部52及びシャフト部材6の大径部61の中央を露出する露出孔72,73が設けられている。
また、固定機構4は、バネ部材54の付勢力によりブレード押さえ部材5の押圧部52が押圧位置に位置付けられると、押圧部52の傾斜面53と第2フランジ部材3のボス部31に装着された切削ブレード121の傾斜面128とが密に重なるとともに、シャフト部材6の小径部62がブレード押さえ部材5の後端部から間隔をあける。
実施形態1に係るフランジ機構1は、シャフト部材6がスピンドルハウジング123側へ押圧されると、シャフト部材6の後端側がブレード押さえ部材5の後端部をバネ部材54の付勢力に抗して径方向外側へ押圧することで、ブレード押さえ部材5が回動し、図4に示すように押圧部52が退避位置へ移動する。フランジ機構1は、ブレード押さえ部材5の押圧部52を退避位置に位置づけることで、ボス部31に切削ブレード121を着脱自在とする。
また、フランジ機構1は、切削ブレード121がスピンドル122とともに軸心回りに回転されると、シャフト部材6の小径部62がブレード押さえ部材5の後端部から間隔をあけているとともに、ブレード押さえ部材5の回転軸51よりも後端側の質量よりも先端側の質量が大きく形成されているので、スピンドル122の回転による遠心力によって、押圧部52が径方向外側に向かって回転軸51を中心に更に付勢される。フランジ機構1は、押圧位置に位置付けられた押圧部52の傾斜面53が切削ブレード121の傾斜面128をバネ部材54の付勢力に加え遠心力により径方向外側に押圧して、切削ブレード121を軸心方向に沿ってフランジ部32側に押圧する。
なお、切削ユニット120の切削ブレード121、スピンドル122及びフランジ機構1の軸心は、Y軸方向と平行に設定されている。
撮像ユニット150は、一方の切削ユニット120と一体的に移動するように、一方の切削ユニット120に固定されている。撮像ユニット150は、チャックテーブル110に保持された切削前の被加工物200の分割すべき領域を撮影する撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニット150は、チャックテーブル110に保持された被加工物200を撮影して、被加工物200と切削ブレード121との位置合わせを行なうアライメントを遂行するため等の画像を得、得た画像を制御ユニット190に出力する。
また、切削装置100は、チャックテーブル110のX軸方向の位置を検出するため図示しないX軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット120のY軸方向の位置を検出するための図示しないY軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット120のZ軸方向の位置を検出するためのZ軸方向位置検出ユニットとを備える。X軸方向位置検出ユニット及びY軸方向位置検出ユニットは、X軸方向、又はY軸方向と平行なリニアスケールと、読み取りヘッドとにより構成することができる。Z軸方向位置検出ユニットは、モータのパルスで切削ユニット120のZ軸方向の位置を検出する。X軸方向位置検出ユニット、Y軸方向位置検出ユニット及びZ軸方向位置検出ユニットは、チャックテーブル110のX軸方向、切削ユニット120の切削ユニット120の切り刃の下端のY軸方向又はZ軸方向の位置を制御ユニット190に出力する。
なお、実施形態1では、切削装置100のチャックテーブル110及び切削ユニット120のX軸方向の位置、Y軸方向及びZ軸方向の位置は、予め定められた図示しない基準位置に基づいて定められる。また、実施形態1では、切削ユニット120のZ軸方向の基準位置は、チャックテーブル110の保持面111と切削ブレード121の切り刃の下端が同一平面上に位置する位置である。
制御ユニット190は、切削装置100の各構成要素をそれぞれ制御して、被加工物200に対する加工動作を切削装置100に実施させるものである。なお、制御ユニット190は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット190の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、切削装置100を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して切削装置100の各構成要素に出力する。
制御ユニット190は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される図示しない表示ユニットと、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる図示しない入力ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。
以上のように、実施形態1に係るフランジ機構1は、従来用いられてきたナットの螺合では無く、ボス部31に設けられたシャフト部材6を押圧することで、ボス部31に取り付けられたブレード押さえ部材5の先端に設けられた押圧部52がボス部31の中心側へ退避し、切削ブレード121の中央孔126にボス部が挿通可能となり、逆に、シャフト部材6の押圧を解除すると、ブレード押さえ部材5の押圧部52が径方向の外側に位置し、ボス部31が中央孔126に挿通した切削ブレード121をフランジ部32側に押圧する。
このように、実施形態1に係るフランジ機構1は、シャフト部材6を軸心方向に移動させることで、切削ブレード121を着脱自在とする。その結果、実施形態1に係るフランジ機構1は、切削ブレード121を容易に着脱自在とすることができるという効果を奏する。
また、実施形態1に係るフランジ機構1は、ブレード押さえ部材5の押圧部52がスピンドル122の回転により遠心力により径方向外側に更に付勢されることで、スピンドル122の回転中即ち切削中により強固に切削ブレード121を固定する効果も奏する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、切削装置100は、フランジ機構1のシャフト部材6を押圧する押圧部と、フランジ機構1に固定された切削ブレード121を把持してフランジ機構1から離脱させ、新たに装着する切削ブレード121を把持してフランジ機構1に装着する切削ブレード把持部を備える切削ブレード交換機構を備えていても良い。
1 フランジ機構
4 固定機構
5 ブレード押さえ部材
6 シャフト部材(シャフト部)
31 ボス部
32 フランジ部
51 回転軸
52 押圧部
54 バネ部材
121 切削ブレード
122 スピンドル
126 中央孔
4 固定機構
5 ブレード押さえ部材
6 シャフト部材(シャフト部)
31 ボス部
32 フランジ部
51 回転軸
52 押圧部
54 バネ部材
121 切削ブレード
122 スピンドル
126 中央孔
Claims (2)
- スピンドルの先端に着脱可能に装着され、環状の切削ブレードを支持して固定するフランジ機構であって、
該切削ブレードの中央孔に挿通し切削ブレードの内周面を支持するボス部と、
該ボス部の軸方向後端から径方向外側に突出して該切削ブレードを支持するフランジ部と、
該ボス部の軸方向先端から径方向外側へ向かって延在する押圧部が、該ボス部の径方向外側へ移動して装着された該切削ブレードを該フランジ部側へ押圧する押圧位置と、該押圧部が該ボス部の径方向内側へ移動し該切削ブレードから退避する退避位置とに選択的に位置付けられ、該切削ブレードを固定する固定機構と、を有し、
該固定機構は、
先端に該押圧部を有し該ボス部の軸心方向に延在する長尺部材で、該スピンドルの軸心方向と直交する回転軸で回動可能であり、後端側が該ボス部の径方向中心向きにバネ部材で付勢されることで該押圧部が該押圧位置に位置付けられるブレード押さえ部材と、
該ボス部の中央に該ボス部の軸心方向に移動可能に配置され、該ボス部の先端方向に付勢されたシャフト部と、を備え、
該シャフト部は、
該フランジ部側へ押圧されると、該シャフト部の後端側が該ブレード押さえ部材の後端部を該バネ部材に抗して径方向外側に移動することで該ブレード押さえ部材が回動し、該押圧部が該退避位置へ移動することを特徴とするフランジ機構。 - 該ブレード押さえ部材は、該スピンドルが回転によって、該押圧位置に位置付けられた先端部が該ボス部の径方向外側に更に付勢される請求項1に記載のフランジ機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021168889A JP2023059022A (ja) | 2021-10-14 | 2021-10-14 | フランジ機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021168889A JP2023059022A (ja) | 2021-10-14 | 2021-10-14 | フランジ機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023059022A true JP2023059022A (ja) | 2023-04-26 |
Family
ID=86095491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021168889A Pending JP2023059022A (ja) | 2021-10-14 | 2021-10-14 | フランジ機構 |
Country Status (1)
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-
2021
- 2021-10-14 JP JP2021168889A patent/JP2023059022A/ja active Pending
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