JP2023058104A - 電動アシスト装置および電動アシスト装置用ウォームダンパ - Google Patents

電動アシスト装置および電動アシスト装置用ウォームダンパ Download PDF

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Kazuyuki Harada
将司郎 渡辺
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Abstract

【課題】電動アシスト装置のウォームダンパのばね特性のばらつきを抑えることができる構造を提供する。【解決手段】ウォームダンパ18は、ゴムにより円環状に構成されたダンパ本体50を含み、かつ、ウォーム16の周囲に配置され、かつ、ウォーム16に出力軸60からのトルクが付与されていない中立状態で、ハウジング14に対する軸方向変位を規制された第1部分とウォーム16に対する軸方向変位を規制された第2部分とにより軸方向両側から弾性的に圧縮されている。ウォームダンパ18は、ダンパ本体50の内周面を、ウォーム16に対する軸方向変位を規制された嵌合周面に対向させており、かつ、ダンパ本体50の内周面の少なくとも一部分に、中立状態で嵌合周面に接触しない非接触周面部を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、電動アシスト装置、および、電動アシスト装置を構成するウォームダンパに関する。
自動車の操舵輪に舵角を付与する際に、ステアリングホイールの操作に要する力を軽減するための装置として、操舵力伝達経路に補助動力を付与する電動アシスト装置を備えた電動パワーステアリング装置が広く使用されている。
電動パワーステアリング装置は、電動アシスト装置の取付位置により、その構造が大別される。具体的には、ステアリングコラムの内側に回転自在に支持されたステアリングシャフトに補助動力を付与するコラムアシスト式、ステアリングギヤユニットの入力軸であるピニオン軸に補助動力を付与するピニオンアシスト式、および、ステアリングギヤユニットに、入力軸であるピニオン軸とは別のピニオン軸を備えさせ、該別のピニオン軸に補助動力を付与するデュアルピニオン式など、種々の構造が提案されている。
いずれの構造においても、電動アシスト装置は、動力源となる電動モータと、減速機とを備え、ステアリングホイールの操作によって回転または直線運動する軸部材に、電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。このような減速機として、ウォーム減速機が広く使用されている。ウォーム減速機は、電動モータにより回転駆動されるウォームと、該ウォームと噛合するウォームホイールとを備える。
ウォーム減速機では、ウォームの外周面に備えられたウォーム歯と、ウォームホイールの外周面に備えられたホイール歯との噛合部に、ウォーム減速機を構成する部品のそれぞれの寸法誤差や組立誤差などに基づいて、不可避のバックラッシュが存在する。このバックラッシュの存在に基づき、ステアリングホイールの回転方向を変える際に、噛合部で耳障りな歯打ち音が発生する場合がある。
このような事情に鑑みて、従来、ウォームに、ウォームダンパを組み付け、ウォームダンパの弾性に基づいて噛合部に作用する衝撃を緩和することで、歯打ち音の発生を抑制する構造が知られている。
図14は、特許第4442421号公報(特許文献1)などに記載されて従来から知られている、ウォームダンパを備えた電動アシスト装置の一部分、具体的には、ウォーム100の基端部およびその周辺部の構造を示している。図14に関する以下の説明中、先端側および基端側は、ウォーム100の先端側および基端側を意味し、先端側は図14の左側であり、基端側は図14の右側である。
ウォーム100は、外周面の軸方向中間部に、ウォーム歯101を有する。ウォーム100の基端部の外周面は、基端側から先端側に向かうにしたがって外径が段階的に大きくなる段付円筒面により構成されている。具体的には、ウォーム100の基端部の外周面は、基端側から順に、小径円筒面部102、小径円筒面部102よりも外径が大きい中径円筒面部103、および中径円筒面部103よりも外径が大きい大径円筒面部104を有する。ウォーム100は、小径円筒面部102と中径円筒面部103との間部分に、基端側を向いた小径段差面105、および、中径円筒面部103と大径円筒面部104との間に、基端側を向いた大径段差面106を有する。ウォーム100は、基端部の内周面に、雌スプライン部107を有する。
ウォーム100の基端部は、ハウジング108に対し、玉軸受109により、回転および軸方向変位を可能に支持されている。すなわち、玉軸受109は、外輪110と、内輪111と、外輪110の内周面と内輪111の外周面との間に転動自在に配置された複数個の玉112とを備える。外輪110は、ハウジング108に内嵌固定されている。内輪111は、小径円筒面部102に隙間嵌めで外嵌されている。すなわち、玉軸受109は、内輪111の内周面と小径円筒面部102との間に存在する隙間の存在に基づいて、ウォーム100の基端部をハウジング108に対し、軸方向変位を可能に支持している。
ウォーム100の図示しない先端部も、ハウジング108に対し、図示しない転がり軸受により、回転および軸方向変位を可能に支持されている。
ウォーム歯101は、ハウジング108に対して回転可能に支持された図示しないウォームホイールの外周面に備えられたホイール歯に噛合している。
雌スプライン部107は、電動モータの出力軸113の先端部の外周面に備えられた雄スプライン部114とスプライン係合している。これにより、電動モータの出力軸113の先端部と、ウォーム100の基端部とを、トルク伝達、および、軸方向の相対変位を可能に接続している。
小径円筒面部102のうちで内輪111よりも基端側に位置する部分に、円環状のスペーサ115が外嵌固定されている。スペーサ115は、円筒状の円筒部116と、円筒部116の基端部から径方向外側に向けて突出した円輪状の鍔部117とを有する。
内輪111は、2つのウォームダンパ118により、軸方向両側から弾性的に挟持されている。2つのウォームダンパ118のそれぞれは、ゴムにより円筒状に構成されたダンパ本体119と、ダンパ本体119の軸方向両側の側面のうちの一方の側面に固定された円輪状の第1側板120と、ダンパ本体119の軸方向両側の側面のうちの他方の側面に固定された円輪状の第2側板121とを備える。ダンパ本体119および第2側板121の内径は、互いにほぼ等しく、かつ、第1側板120の内径よりも大きい。このため、第1側板120の径方向内側部分は、ダンパ本体119および第2側板121の内周面よりも径方向内側に突出している。
電動モータの出力軸113からウォーム100にトルクが伝達されていない中立状態において、内輪111の基端側に配置されたウォームダンパ118は、内輪111の基端側の側面とスペーサ115の鍔部117の先端側の側面とにより、軸方向両側から弾性的に挟持されている。具体的には、第1側板120の先端側の側面が内輪111の基端側の側面に当接し、かつ、第2側板121の基端側の側面が鍔部117の先端側の側面に当接した状態で、ダンパ本体119が、第1側板120と第2側板121との間で軸方向両側から弾性的に軸方向に圧縮されている。ダンパ本体119および第2側板121は、スペーサ115の円筒部116の周囲に配置されている。ダンパ本体119は、軸方向に圧縮されることで、その内周面が径方向内側に膨らむように弾性変形することにより、該内周面が円筒部116の外周面に接触している。第1側板120の径方向内側部分は、内輪111の基端側の側面とスペーサ115の円筒部116の先端側の側面との間に配置され、かつ、第1側板120の径方向内側部分の基端側の側面と円筒部116の先端側の側面との間に、軸方向幅Caの隙間が存在している。
前記中立状態において、内輪111の先端側に配置されたウォームダンパ118は、内輪111の先端側の側面とウォーム100の大径段差面106とにより、軸方向両側から弾性的に挟持されている。具体的には、第1側板120の基端側の側面が内輪111の先端側の側面に当接し、かつ、第2側板121の先端側の側面が大径段差面106に当接した状態で、ダンパ本体119が、第1側板120と第2側板121との間で軸方向両側から弾性的に圧縮されている。ダンパ本体119および第2側板121は、ウォーム100の中径円筒面部103の周囲に配置されている。ダンパ本体119は、軸方向に圧縮されることで、その内周面が径方向内側に膨らむように弾性変形することにより、該内周面が中径円筒面部103の外周面に接触している。第1側板120の径方向内側部分は、内輪111の先端側の側面とウォーム100の小径段差面105との間に配置され、かつ、第1側板120の径方向内側部分の先端側の側面と小径段差面105との間に、軸方向幅Caの隙間が存在している。
電動モータの出力軸113からウォーム100にトルクを伝達し、さらにウォーム100からウォームホイールにトルクを伝達する際に、ウォーム100には、ウォーム歯101とホイール歯との噛合部から、噛み合い反力が加わる。この噛み合い反力には、ウォーム100の軸方向成分力が含まれている。この軸方向成分力の向きは、ウォーム100の回転方向に応じて反転する。すなわち、回転方向に応じて、ウォーム100に対し、前記噛合部から、基端側に向かう方向の軸方向成分力が加わる場合と、先端側に向かう方向の軸方向成分力が加わる場合とがある。
前記中立状態から、ウォーム100に対し、基端側に向かう方向の軸方向成分力が加わると、ウォーム100は、内輪111の先端側に位置するウォームダンパ118のダンパ本体119を軸方向にさらに圧縮しながら、基端側に向けて移動する。この際の移動は、ウォーム100の小径段差面105が、第1側板120の径方向内側部分の先端側の側面に接触した時点で停止する。すなわち、この際の移動のストロークは、小径段差面105と第1側板120の径方向内側部分の先端側の側面との間に存在していた隙間の軸方向幅Caに等しい。
前記中立状態から、ウォーム100に対し、先端側に向かう方向の軸方向成分力が加わると、ウォーム100は、内輪111の基端側に位置するウォームダンパ118のダンパ本体119を軸方向にさらに圧縮しながら、先端側に向けて移動する。この際の移動は、スペーサ115の円筒部116の先端側の側面が、第1側板120の径方向内側部分の基端側の側面に接触した時点で停止する。すなわち、この際の移動のストロークは、円筒部116の先端側の側面と第1側板120の径方向内側部分の基端側の側面との間に存在していた隙間の軸方向幅Caに等しい。
以上のように、ウォーム100に対し、いずれの向きの軸方向成分力が加わる場合にも、いずれか一方のウォームダンパ118を構成するゴム製のダンパ本体119が軸方向にさらに圧縮される。このため、このようなダンパ本体119の圧縮、すなわち弾性変形に基づいて、前記噛合部に作用する衝撃を緩和することができ、歯打ち音の発生を抑制することができる。
特許第4442421号公報
上述した従来構造は、ウォームダンパのばね特性のばらつきを抑えることで、ウォームダンパによる衝撃緩和機能を向上させる面から、改良の余地がある。
すなわち、上述した従来構造では、前記中立状態において、2つのウォームダンパ118のダンパ本体119は、軸方向に圧縮されることで、内周面が径方向内側に膨らむように弾性変形することにより、該内周面が円筒部116の外周面または中径円筒面部103に接触している。このため、ウォーム100が軸方向に移動する際に、ダンパ本体119の内周面と円筒部116の外周面または中径円筒面部103との接触部において、その移動を阻害するフリクションが発生することになる。そして、このフリクションが、ウォームダンパのばね特性をばらつかせる要因の1つとなる。
本発明は、ウォームダンパのばね特性のばらつきを抑えることができる電動アシスト装置、および、ばね特性のばらつきを抑えることができるウォームダンパを提供することを目的とする。
本発明の一態様の電動アシスト装置は、ハウジングと、ウォームホイールと、ウォームと、転がり軸受と、電動モータと、ウォームダンパとを備える。
前記ウォームホイールは、外周面にホイール歯を有し、かつ、前記ハウジングの内側に収容されている。
前記ウォームは、外周面に、前記ホイール歯と噛合するウォーム歯を有し、かつ、前記ハウジングの内側に収容されている。
前記転がり軸受は、前記ハウジングに内嵌固定された外輪、および、前記ウォームの基端部に軸方向の相対変位を可能に外嵌された内輪を有し、前記ウォームの基端部を前記ハウジングに対して回転および軸方向変位を可能に支持する。
前記電動モータは、先端部に前記ウォームの基端部がトルク伝達および軸方向の相対変位を可能に接続された出力軸を有する。
前記ウォームダンパは、ゴムにより円環状に構成されたダンパ本体を含み、かつ、前記ウォームの周囲に配置され、かつ、前記ウォームに前記出力軸からのトルクが付与されていない中立状態で、前記ハウジングに対する軸方向変位を規制された第1部分と前記ウォームに対する軸方向変位を規制された第2部分とにより軸方向両側から弾性的に圧縮されている。
前記ウォームダンパは、前記ダンパ本体の内周面を、前記ウォームに対する軸方向変位を規制された嵌合周面に対向させており、かつ、前記ダンパ本体の内周面の少なくとも一部分に、前記中立状態で前記嵌合周面に接触しない非接触周面部を有する。
本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記非接触周面部は、前記ウォームに前記出力軸からのトルクが付与されることにより前記第1部分と前記第2部分とが軸方向に近づき合うことに基づいて前記ダンパ本体の軸方向圧縮量が増大した場合にも、前記嵌合周面に接触しない。
本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記ウォームダンパは、前記ダンパ本体の軸方向両側の側面のうちの一方の側面に固定された円輪状の第1側板を備え、前記第1側板の内周面は、前記嵌合周面に対向しており、前記ダンパ本体の自由状態で、前記非接触周面部の内径は、前記第1側板の内径よりも大きい。
本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記ウォームダンパは、前記ダンパ本体の軸方向両側の側面のうちの他方の側面に固定された円輪状の第2側板を備え、前記第2側板の内周面は、前記嵌合周面に対向している。
本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記第2側板の内径が、前記第1側板の内径よりも大きい。
本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記第1部分は、前記内輪の軸方向側面であり、前記第2部分は、前記ウォームまたは該ウォームに固定された部材に備えられた軸方向側面であり、前記第1側板が、前記内輪の軸方向側面に対して軸方向に隣接して配置されており、前記第2側板が、前記ウォームまたは該ウォームに固定された部材に備えられた軸方向側面に対して軸方向に隣接して配置されている。
本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記ダンパ本体は、前記第2側板の径方向内側に配置された弾性拡張部を有する。
本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記ダンパ本体の自由状態で、前記弾性拡張部は、前記第1側板の内径と等しい内径を有し、該弾性拡張部が、円周方向の少なくとも一部分に設けられている。
本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記第1側板の内径と前記第2側板の内径とが互いに等しい。
この場合に、本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記ダンパ本体の自由状態で、前記非接触周面部は、前記ダンパ本体の内周面の円周方向の1箇所または複数箇所に備えられた凹部の底面により構成されており、前記第2側板は、前記ダンパ本体の自由状態で、前記凹部と軸方向に整合する箇所に切り欠きを有する。
本発明の一態様の電動アシスト装置では、前記ウォームダンパを2つ備え、該2つのウォームダンパは、前記内輪を軸方向両側から挟むように、該内輪に対して軸方向に隣接して配置されている。
本発明の一態様の電動アシスト装置用ウォームダンパは、ゴムにより円環状に構成されたダンパ本体と、前記ダンパ本体の軸方向両側の側面のうちの一方の側面に固定された円輪状の第1側板と、前記ダンパ本体の軸方向両側の側面のうちの他方の側面に固定された円輪状の第2側板とを備える。前記ダンパ本体は、内周面の少なくとも一部分に、前記第1側板の内径よりも大きい内径を有する大径周面部を備える。前記電動アシスト装置用ウォームダンパは、使用時において、前記ダンパ本体の内周面、前記第1側板の内周面、および前記第2側板の内周面を、電動アシスト装置を構成するウォームに対する軸方向変位を規制された嵌合周面に対向させ、かつ、前記ダンパ本体を前記第1側板と前記第2側板との間で軸方向両側から圧縮する態様で用いられる。前記大径周面部は、前記ウォームにトルクが付与されていない中立状態で、前記嵌合周面に接触しない非接触周面部を構成する。
本発明の一態様の電動アシスト装置用ウォームダンパでは、前記第2側板の内径が、前記第1側板の内径よりも大きい。
本発明の一態様の電動アシスト装置用ウォームダンパでは、前記ダンパ本体は、前記第2側板の径方向内側に配置された弾性拡張部を有する。
本発明の一態様の電動アシスト装置用ウォームダンパでは、前記ダンパ本体の自由状態で、前記弾性拡張部は、前記第1側板の内径と等しい内径を有し、該弾性拡張部が、円周方向の少なくとも一部分に設けられている。
本発明の一態様の電動アシスト装置用ウォームダンパでは、前記第1側板の内径と前記第2側板の内径とが互いに等しい。
この場合に、本発明の一態様の電動アシスト装置用ウォームダンパでは、前記ダンパ本体の自由状態で、前記大径周面部は、前記ダンパ本体の内周面の円周方向の1箇所または複数箇所に備えられた凹部の底面により構成されており、前記第2側板は、前記ダンパ本体の自由状態で、前記凹部と軸方向に整合する箇所に切り欠きを有する。
本発明の一態様によれば、ウォームダンパのばね特性のばらつきを抑えることができるため、ウォームダンパによる衝撃緩和機能を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例の電動アシスト装置を組み込んだ電動パワーステアリング装置を示す図である。 図2は、第1例の電動パワーステアリング装置の一部を示す図である。 図3は、図2のA-A断面図である。 図4は、図3のB部拡大図である。 図5は、第1例のウォームの基端部およびその周辺部の分解断面図である。 図6(A)は、第1例のウォームダンパの断面図であり、図6(B)は、第1例のウォームダンパを図6(A)の右側から見た図である。 図7は、第1例の図4に示した部分の動作を説明するための図であり、具体的には、図7(A)は、ウォームが玉軸受に対して基端側に変位した状態を示しており、図7(B)は、ウォームが玉軸受に対して先端側に変位した状態を示している。 図8は、本発明の実施の形態の第2例に関する、図4に相当する図である。 図9(A)は、第2例のウォームダンパの断面図であり、図9(B)は、第2例のウォームダンパを図9(A)の右側から見た図である。 図10は、本発明の実施の形態の第3例に関する、図4に相当する図である。 図11(A)は、第3例のウォームダンパの断面図であり、図11(B)は、第3例のウォームダンパを図11(A)の右側から見た図である。 図12は、本発明の実施の形態の第4例に関する、図4に相当する図である。 図13(A)は、第4例のウォームダンパの断面図であり、図13(B)は、第4例のウォームダンパを図13(A)の右側から見た図である。 図14は、電動アシスト装置の従来構造の1例におけるウォームの基端部およびその周辺部を示す半部断面図である。
[第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図7を用いて説明する。なお、本例では、本発明の一態様の電動アシスト装置を、ピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明する。ただし、本発明の電動アシスト装置を、コラムアシスト式やデュアルピニオン式の電動パワーステアリング装置に適用することもできる。
本例の電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2と、ステアリングシャフト3と、ステアリングコラム4と、1対の自在継手5a、5bと、中間シャフト6と、ステアリングギヤユニット7と、電動アシスト装置8とを備える。
ステアリングホイール2は、ステアリングシャフト3の後端部に支持固定されている。ステアリングシャフト3は、車体に支持されたステアリングコラム4の内側に、回転可能に支持されている。ステアリングシャフト3の前端部は、後側の自在継手5aと、中間シャフト6と、前側の自在継手5bとを介して、ステアリングギヤユニット7のピニオン軸9に接続されている。このため、運転者がステアリングホイール2を回転させると、ステアリングホイール2の回転は、ステアリングシャフト3と1対の自在継手5a、5bと中間シャフト6とを介して、ピニオン軸9に伝達される。ピニオン軸9の回転は、ピニオン軸9と噛合した、ステアリングギヤユニット7のラック軸10の直線運動に変換される。この結果、1対の操舵輪にステアリングホイール2の回転操作量に応じた舵角が付与される。電動アシスト装置8は、電動モータ17を動力源として発生した補助動力をピニオン軸9に付与する。この結果、運転者がステアリングホイール2を回転操作するのに要する力が軽減される。
ステアリングギヤユニット7は、車体に支持固定されるギヤハウジング11と、ラック軸10と、ピニオン軸9とを備える。ギヤハウジング11は、車幅方向に伸長するラック収容部12と、ラック収容部12の軸方向一方側部(図1における右側部)に接続されたピニオン収容部13とを有する。ピニオン収容部13の中心軸は、ラック収容部12の中心軸に対して、ねじれの位置に存在する。ピニオン収容部13の内部空間は、ラック収容部12の内部空間に連通している。ラック軸10は、ラック収容部12の内側に軸方向(車幅方向)の移動のみを可能に支持されている。ピニオン軸9は、ピニオン収容部13の内側に回転のみを可能に支持されている。ピニオン軸9は、ピニオン収容部13の内側に配置された図示しない先半部(図2における下半部)の外周面に、ピニオン歯を有する。ピニオン軸9の基端部(図2における上端部)は、ギヤハウジング11の外部に突出し、前側の自在継手5bに接続されている。ラック軸10は、ラック収容部12の内側に配置された図示しない軸方向一方側部(図1における右側部)の外周面の周方向一部に、ピニオン軸9のピニオン歯と噛合するラック歯を有する。
本例の電動アシスト装置8は、図2および図3に示すように、ハウジング14と、ウォームホイール15と、ウォーム16と、玉軸受34と、電動モータ17と、2つのウォームダンパ18とを備える。電動アシスト装置8は、電動モータ17の回転を、ウォームホイール15とウォーム16とを噛合させてなるウォーム減速機により減速して、ピニオン軸9に伝達するように構成されている。
ハウジング14は、ホイール収容部19、および、ホイール収容部19に対しねじれの位置に配置され、かつ、軸方向中間部がホイール収容部19に開口したウォーム収容部20を有する。
すなわち、ホイール収容部19の中心軸と、ウォーム収容部20の中心軸とは、互いにねじれの位置に配置されている。また、ウォーム収容部20の軸方向中間部は、ホイール収容部19の径方向外端部の周方向1箇所に一体的に接続されており、かつ、この接続された部分を通じて、ウォーム収容部20の内部空間が、ホイール収容部19の内部空間に連通している。本例では、ウォーム収容部20は、有底円筒状に構成されており、具体的には、軸方向の先端(図3における左端)が塞がれ、かつ、軸方向の基端(図3における右端)が開口している。
本例では、ホイール収容部19は、ステアリングギヤユニット7のギヤハウジング11を構成するピニオン収容部13の軸方向中間部に対して、同軸かつ一体的に接続されている。ホイール収容部19の内部空間は、ピニオン収容部13の内部空間に連通している。
ウォームホイール15は、外周面にホイール歯21を有し、かつ、ハウジング14の内側に収容されている。具体的には、本例では、ウォームホイール15は、ホイール収容部19の内側に収容され、かつ、回転可能に支持されている。このために、ウォームホイール15は、ピニオン軸9の軸方向中間部に外嵌固定されている。
ウォーム16は、外周面の軸方向中間部に、ホイール歯21と噛合するウォーム歯22を有し、かつ、ハウジング14の内側に収容されている。具体的には、本例では、ウォーム16は、ウォーム収容部20の内側に収容され、かつ、回転および軸方向変位を可能に支持されている。
なお、以下の説明中、ウォーム収容部20、および、ウォーム収容部20の内側に収容されたウォーム16を含む複数の部材に関して、先端側および基端側は、ウォーム16の先端側および基端側を意味し、先端側は図3~図5の左側であり、基端側は図3~図5の右側である。
本例では、ウォーム16の基端部の外周面は、基端側から先端側に向かうにしたがって外径が段階的に大きくなる段付円筒面により構成されている。具体的には、ウォーム16の基端部の外周面は、基端側から順に、第1小径円筒面部23、第1小径円筒面部23よりも外径が大きい第2小径円筒面部24、第2小径円筒面部24よりも外径が大きい中径円筒面部25、および中径円筒面部25よりも外径が大きい大径円筒面部26を有する。また、ウォーム16は、第1小径円筒面部23と第2小径円筒面部24との間に、基端側を向いた円輪状の第1小径段差面27、第2小径円筒面部24と中径円筒面部25との間に、基端側を向いた円輪状の第2小径段差面28、および、中径円筒面部25と大径円筒面部26との間に、基端側を向いた円輪状の大径段差面29を有する。本例では、ウォーム16は、第1小径円筒面部23の第1小径段差面27との接続部、第2小径円筒面部24と第2小径段差面28との接続部、および、中径円筒面部25と大径段差面29との接続部のそれぞれに、全周にわたる逃げ溝30a、30b、30cを有する。本例では、ウォーム16は、第1小径円筒面部23の基端部に、全周にわたる係合溝31、および、第2小径円筒面部24の軸方向中間部に、全周にわたる保持溝32を有する。本例では、ウォーム16は、基端部の内周面に、雌スプライン部33を有する。
本例では、ウォーム16の基端部は、ウォーム収容部20に対し、玉軸受34により、回転および軸方向変位を可能に支持されている。
すなわち、玉軸受34は、外輪35と、内輪36と、外輪35の内周面と内輪36の外周面との間に転動自在に配置された複数個の玉37とを備える。外輪35は、ハウジング14に内嵌固定されており、より具体的には、ウォーム収容部20の基端部に内嵌固定されている。内輪36は、ウォーム16の基端部に軸方向の相対変位を可能に外嵌されており、より具体的には、第2小径円筒面部24に隙間嵌めで外嵌されている。すなわち、玉軸受34は、内輪36の内周面と第2小径円筒面部24との間に存在する隙間の存在に基づいて、ウォーム16の基端部をウォーム収容部20に対し、軸方向変位を可能に支持している。さらに、本例では、玉軸受34は、内輪36の内周面と第2小径円筒面部24との間に存在する隙間、および、自身の内部隙間の存在に基づいて、ウォーム16の基端部をウォーム収容部20に対し、揺動変位を可能に支持している。本例では、保持溝32に保持されたOリング38が、保持溝32の底面と内輪36の内周面との間で圧縮されることで、内輪36の内周面と第2小径円筒面部24との間がシールされている。本例では、転がり軸受として、玉軸受34が用いられているが、本発明を実施する場合には、代替して、ころ軸受、円すいころ軸受などを使用することもできる。
本例では、ウォーム16の先端部も、ウォーム収容部20に対し、玉軸受39により、回転および軸方向変位を可能に支持されている。
本例では、具体的には、玉軸受39の外輪は、ウォーム収容部20の先端部に内嵌固定されたホルダ40に圧入内嵌されている。玉軸受39の内輪は、ウォーム16の先端部に、合成樹脂製のブッシュ41を介して隙間嵌めにより外嵌されている。すなわち、玉軸受39は、ブッシュ41の内周面とウォーム16の先端部の外周面との間に存在する隙間の存在に基づいて、ウォーム16の先端部をウォーム収容部20に対し、軸方向変位を可能に支持している。さらに、該隙間の存在に基づいて、ウォーム16の基端部を中心とするウォーム16の揺動変位を可能としている。また、ウォーム16の先端部のうち、ブッシュ41よりも先端側に位置する部分にパッド42が外嵌され、パッド42とホルダ40との間にねじりコイルばね43が設置されている。ねじりコイルばね43により、パッド42を介してウォーム16の先端部を、ウォームホイール15の側(図3における下側)に向けて弾性的に付勢している。これにより、ホイール歯21とウォーム歯22との間のバックラッシュが抑えられている。本発明を実施する場合、ウォームの先端部をウォームホイールの側に向けて付勢する構造は、本例の構造に限らず、たとえば従来から知られている各種の構造を採用することができる。なお、先端側に配置される玉軸受39に関しても、代替的に、ころ軸受、円すいころ軸受などを使用することもできる。
電動モータ17は、先端部にウォーム16の基端部がトルク伝達および軸方向の相対変位を可能に接続された出力軸60を有する。さらに、本例では、ウォーム16の基端部は、出力軸60の先端部に、若干の揺動変位を可能に接続されている。
このために、本例では、電動モータ17は、出力軸60をウォーム収容部20と同軸に配置した状態で、ウォーム収容部20の基端部に、ねじ止めにより結合固定されている。ウォーム16の雌スプライン部33と、出力軸60の先端部の外周面に備えられた雄スプライン部59とを、スプライン係合させている。これにより、ウォーム16の基端部を出力軸60の先端部に、トルク伝達、および、軸方向の相対変位および若干の揺動変位を可能に接続している。
本例では、ウォーム16の基端部の第1小径円筒面部23に、円環状のスペーサ44が外嵌固定されている。スペーサ44は、円筒状の円筒部45と、円筒部45の基端部から径方向外側に向けて突出した円輪状の鍔部46と、円筒部45の基端部の径方向内端部から基端側に向けて伸長したかしめ部47とを有する。円筒部45の外周面は、基端部に全周にわたり備えられた逃げ溝48および先端部に全周にわたり備えられた面取り部を除き、外径が軸方向にわたり変化しない円筒状外周面49により構成されている。円筒状外周面49の外径は、中径円筒面部25の外径に等しい。すなわち、円筒状外周面49の外径および中径円筒面部25の外径は、いずれもDである。
スペーサ44は、円筒部45を第1小径円筒面部23に圧入外嵌し、かつ、円筒部45の先端側の側面の径方向内側部分を第1小径段差面27に当接させた状態で、かしめ部47の基端側の半部を係合溝31に係合させることにより、第1小径円筒面部23に外嵌固定されている。スペーサ44のかしめ部47は、スペーサ44を第1小径円筒面部23に外嵌固定する前の状態では、単なる円筒状に構成されており、スペーサ44を第1小径円筒面部23に外嵌固定する際に、基端側の半部が径方向内側に向けて塑性変形させられることで係合溝31に係合する。
本例では、ウォームダンパ18は2つ備えられる。2つのウォームダンパ18は、ウォーム16の軸方向に離隔して配置されている。より具体的には、2つのウォームダンパ18は、玉軸受34の内輪36を軸方向両側から挟むように、該内輪36に対して軸方向に隣接して配置されている。2つのウォームダンパ18のそれぞれは、ゴムにより円環状に構成されたダンパ本体50を含み、かつ、ウォーム16の周囲に配置される。
本例では、それぞれのウォームダンパ18は、図4に示すように、ウォーム16に出力軸60からのトルクが付与されていない中立状態で、ハウジング14に対する軸方向変位を規制された第1部分とウォーム16に対する軸方向変位を規制された第2部分とにより、軸方向両側から弾性的に圧縮されている。より具体的には、2つのウォームダンパ18のそれぞれに関して、前記第1部分は、内輪36の軸方向側面である。前記第2部分は、ウォーム16または該ウォーム16に固定された部材に備えられた軸方向側面、すなわち、ウォーム16に固定されたスペーサ44の鍔部46の先端側の側面、または、ウォーム16の大径段差面29である。
本発明を実施する場合、2つのウォームダンパの配置に関して、代替的に、ウォームのウォーム歯を軸方向両側から挟むように、該ウォーム歯に対して軸方向に隣接して配置することもできる。また、本発明を実施する場合、前記第1部分は、ハウジングに直接備えられていてもよいし、ハウジングに支持された他の部材、すなわち内輪36以外の部材に備えられていてもよい。前記第2部分は、ウォームに直接備えられていてもよいし、ウォームに支持された他の部材、すなわちスペーサ44以外の部材に備えられていてもよい。
本例では、2つのウォームダンパ18のそれぞれが、本発明のウォームダンパに相当する。すなわち、2つのウォームダンパ18は、互いに同形および同大の部品であり、それぞれが、ダンパ本体50と、第1側板51と、第2側板52とを備える。ただし、本発明を実施する場合には、2つのウォームダンパのうちのいずれか一方のウォームダンパのみを、本発明のウォームダンパにより構成することもできる。
図6(A)は、自由状態で示す、本例のウォームダンパ18の断面図であり、図6(B)は、該ウォームダンパ18を、図6(A)の右側から見た図である。
ダンパ本体50は、ゴムにより円環状に構成されている。第1側板51は、円輪状に構成されており、ダンパ本体50の軸方向両側の側面のうちの一方の側面に固定されている。第2側板52は、円輪状に構成されており、ダンパ本体50の軸方向両側の側面のうちの他方の側面に固定されている。ダンパ本体50は、自由状態で、内周面の少なくとも一部分に、第1側板51の内径よりも大きい内径を有する大径周面部を備える。
本例では、ダンパ本体50は、ゴムにより円筒状に構成されている。本例では、ダンパ本体50の自由状態で、ダンパ本体50の内周面および外周面は、互いに同軸に配置された円筒面により構成されている。
本例では、第1側板51は、鉄合金、アルミニウム合金などの金属により円輪状に構成されており、ダンパ本体50と同軸に配置され、かつ、ダンパ本体50の軸方向両側の側面のうちの一方の側面に接着により固定されている。
本例では、第2側板52は、鉄合金、アルミニウム合金などの金属により円輪状に構成されており、ダンパ本体50と同軸に配置され、かつ、ダンパ本体50の軸方向両側の側面のうちの他方の側面に接着により固定されている。
本例では、ダンパ本体50の自由状態で、ダンパ本体50の内周面の内径dCを、第1側板51の内径dAよりも大きくしている(dC>dA)。すなわち、本例では、ダンパ本体50の自由状態で、ダンパ本体50の内周面の全体を、第1側板51の内径よりも大きい内径を有する大径周面部53としている。さらに、本例では、ダンパ本体50の内周面の全体、すなわち大径周面部53を、図4に示すようにウォーム16に出力軸60からのトルクが付与されていない中立状態で、ウォーム16に対する軸方向変位を規制された円筒状の嵌合周面である、スペーサ44の円筒状外周面49またはウォーム16の中径円筒面部25に接触しない、非接触周面部54としている。
本例では、ダンパ本体50の自由状態での、ダンパ本体50と第1側板51との内径差(dC-dA)は、前記中立状態でダンパ本体50の内周面の全体が非接触周面部54を構成する(円筒状外周面49または中径円筒面部25に接触しない)範囲で、任意に設定することができる。ただし、本発明を実施する場合には、前記中立状態でダンパ本体50の内周面の一部が非接触周面部54を構成するように、ダンパ本体50の自由状態での、ダンパ本体50と第1側板51との内径差(dC-dA)を設定することもできる。また、本発明を実施する場合には、ダンパ本体の内周面の軸方向一部分および/または円周方向一部分のみが、本発明の大径周面部および非接触周面部となるように構成することもできる。
本例では、円筒状外周面49または中径円筒面部25に対し、第1側板51の内周面を隙間嵌めで外嵌することにより、ウォーム16に対してウォームダンパ18を径方向に位置決めするようにしている。このために、本例では、第1側板51の内径dAを、円筒状外周面49および中径円筒面部25の外径D(図4参照)よりも僅かに大きくしている(dA>D)。
本例では、第2側板52の内径dBを、第1側板51の内径dAよりも大きくしている(dB>dA)。具体的には、本例では、第2側板52の内径dBを、ダンパ本体50の内周面の自由状態での内径dCと等しくしている(dB=dC)。
本例では、第1側板51の外径DAと第2側板52の外径DBとは、互いに等しい(DA=DB)。本例では、ダンパ本体50の自由状態で、ダンパ本体50の外周面の外径DCは、第1側板51の外径DAおよび第2側板52の外径DBよりも小さい(DC<DA、DC<DB)。このため、前記中立状態で、ダンパ本体50の外周面は、第1側板51および第2側板52よりも外方に突出しない。本発明を実施する場合には、ダンパ本体50の自由状態で、ダンパ本体50の外周面の外径DCを、第1側板51の外径DAおよび第2側板52の外径DBと等しくすることもできる(DC=DA、DC=DB)。
本例では、ウォームダンパ18は、ダンパ本体50を射出成形により成形するのと同時に、ダンパ本体50の軸方向両側の側面に第1側板51および第2側板52を接着する方法である、インサート成形により造られている。本発明を実施する場合には、ダンパ本体50を成形した後に、ダンパ本体50の軸方向両側の側面に第1側板51および第2側板52を接着する方法を採用することもできる。
電動モータ17の出力軸60からウォーム16にトルクが伝達されていない中立状態において、内輪36の基端側に配置されたウォームダンパ18は、第1部分である内輪36の基端側の側面と第2部分であるスペーサ44の鍔部46の先端側の側面とにより、軸方向両側から弾性的に挟持されている。
具体的には、第1側板51の先端側の側面の径方向内側部分が内輪36の基端側の側面に当接し、かつ、第2側板52の基端側の側面の径方向内側部分が鍔部46の先端側の側面に当接した状態で、ダンパ本体50が、第1側板51と第2側板52との間で軸方向両側から弾性的に圧縮されている。この状態で、ダンパ本体50の内周面である非接触周面部54、第1側板51の内周面の基端側の端部、および第2側板52の内周面の先端側の端部のそれぞれが、ウォーム16に対する軸方向変位を規制された円筒状の嵌合周面である、スペーサ44の円筒状外周面49に対向している。
前記中立状態において、内輪36の先端側に配置されたウォームダンパ18は、第1部分である内輪36の先端側の側面と第2部分であるウォーム16の大径段差面29とにより、軸方向両側から弾性的に挟持されている。
具体的には、第1側板51の基端側の側面の径方向内側部分が内輪36の先端側の側面に当接し、かつ、第2側板52の先端側の側面の径方向内側部分が大径段差面29に当接した状態で、ダンパ本体50が、第1側板51と第2側板52との間で軸方向両側から弾性的に圧縮されている。この状態で、ダンパ本体50の内周面である非接触周面部54、第1側板51の内周面の先端側の端部、および第2側板52の内周面の基端側の端部のそれぞれが、ウォーム16に対する軸方向変位を規制された円筒状の嵌合周面である、中径円筒面部25に対向している。
ダンパ本体50はそれぞれ、軸方向に圧縮されることで、その内周面である非接触周面部54が径方向内側に膨らむように弾性変形している。より具体的には、非接触周面部54は、その断面形状が径方向内側に向けて凸となる円弧形状となるように弾性変形している。この状態で、非接触周面部54は、円筒状外周面49あるいは中径円筒面部25に接触していない。すなわち、本例では、この状態での非接触周面部54の径方向内側への膨らみ量をT(図4参照)とした場合に、ダンパ本体50の自由状態での内径dCから膨らみ量Tの2倍を差し引いた値(dC-2T)が、円筒状外周面49あるいは中径円筒面部25の外径Dよりも大きくなるように、すなわち、(dC-2T)>Dとなるように、ダンパ本体50の自由状態での、ダンパ本体50と第1側板51との内径差(dC-dA)を規制している。また、本例では、この状態で、内輪36の基端側の側面とスペーサ44の円筒部45の先端側の側面との間、および、内輪36の先端側の側面と第2小径段差面28との間に、軸方向幅Caの隙間がそれぞれ存在している。
このため、2つのウォームダンパ18のそれぞれは、少なくとも前記中立状態からウォーム16が軸方向に移動する際の初期段階で、ダンパ本体50の内周面である非接触周面部54と円筒状外周面49または中径円筒面部25とが接触してフリクションが発生することを防止できる。したがって、少なくとも前記初期段階で、ウォームダンパ18のばね特性のばらつきを抑えることができる。換言すれば、ウォーム16を軸方向に保持する力を調整することが容易になる。その結果、ウォームダンパによる衝撃緩和機能を向上させることができる。
電動モータ17の出力軸60からウォーム16にトルクを伝達し、さらにウォーム16からウォームホイール15にトルクを伝達する際に、ウォーム16には、ウォーム歯22とホイール歯21との噛合部から、噛み合い反力が加わる。この噛み合い反力には、ウォーム16の軸方向成分力が含まれている。この軸方向成分力の向きは、ウォーム16の回転方向に応じて反転する。すなわち、回転方向に応じて、ウォーム16に対し、前記噛合部から、基端側に向かう方向の軸方向成分力Fαが加わる場合と、先端側に向かう方向の軸方向成分力Fβが加わる場合とがある。
前記中立状態から、ウォーム16に対し、基端側に向かう方向の軸方向成分力Fαが加わると、ウォーム16は、図4から図7(A)の順に示すように、内輪36の先端側に位置するウォームダンパ18のダンパ本体50を軸方向にさらに圧縮しながら、基端側に向けて移動する。この際の移動は、図7(A)に示すように、第2小径段差面28が内輪36の先端側の側面に接触した時点で停止する。すなわち、この際の移動のストロークは、前記中立状態で第2小径段差面28と内輪36の先端側の側面との間に存在していた隙間の軸方向幅Ca(図4参照)に等しい。
図4から図7(A)の順に示すように、第1部分である内輪36の先端側の側面と第2部分である大径段差面29とが軸方向に近づき合うことに基づいて、内輪36の先端側に位置するウォームダンパ18のダンパ本体50の軸方向圧縮量が増大すると、該ダンパ本体50の非接触周面部54の径方向内側への膨らみ量Tがさらに大きくなる。本例では、この状態、すなわち図7(A)に示した状態でも、該非接触周面部54がウォーム16の中径円筒面部25に接触しないように、ダンパ本体50の自由状態での、ダンパ本体50と第1側板51との内径差(dC-dA)が規制されている。
前記中立状態から、ウォーム16に対し、先端側に向かう方向の軸方向成分力Fβが加わると、ウォーム16は、図4から図7(B)の順に示すように、内輪36の基端側に位置するウォームダンパ18のダンパ本体50を軸方向にさらに圧縮しながら、先端側に向けて移動する。この際の移動は、図7(B)に示すように、スペーサ44の円筒部45の先端側の側面が内輪36の基端側の側面に接触した時点で停止する。すなわち、この際の移動のストロークは、前記中立状態で円筒部45の先端側の側面と内輪36の基端側の側面との間に存在していた隙間の軸方向幅Ca(図4参照)に等しい。
図4から図7(B)の順に示すように、第1部分である内輪36の基端側の側面と第2部分であるスペーサ44の鍔部46の先端側の側面とが軸方向に近づき合うことに基づいて、内輪36の基端側に位置するウォームダンパ18のダンパ本体50の軸方向圧縮量が増大すると、該ダンパ本体50の非接触周面部54の径方向内側への膨らみ量Tがさらに大きくなる。本例では、この状態、すなわち図7(B)に示した状態でも、該非接触周面部54がスペーサ44の円筒状外周面49に接触しないように、ダンパ本体50の自由状態での、ダンパ本体50と第1側板51との内径差(dC-dA)が規制されている。
以上のように、ウォーム16に対し、いずれの向きの軸方向成分力Fα、Fβが加わる場合にも、いずれか一方のウォームダンパ18を構成するゴム製のダンパ本体50が軸方向にさらに圧縮される。このため、このようなダンパ本体50の圧縮、すなわち弾性変形に基づいて、前記噛合部に作用する衝撃を緩和することができ、歯打ち音の発生を抑制することができる。
特に、本例では、図7(A)および図7(B)に示すように、ダンパ本体50の軸方向圧縮量が最も増大した状態でも、ダンパ本体50の内周面である非接触周面部54が中径円筒面部25あるいは円筒状外周面49に接触しない。このため、ウォームダンパ18のそれぞれは、前記中立状態からウォーム16が軸方向に移動する際の初期段階から最終段階まで、非接触周面部54と円筒状外周面49または中径円筒面部25とが接触してフリクションが発生することを防止できる。したがって、前記初期段階から前記最終段階まで、ウォームダンパ18のばね特性のばらつきを抑えることができる。
また、本例では、前記中立状態からウォーム16が基端側あるいは先端側に移動する際のストロークは、前記中立状態において内輪36の先端側の側面と第2小径段差面28との間に存在する隙間、あるいは、内輪36の基端側の側面とスペーサ44の円筒部45の先端側の側面との間に存在する隙間の軸方向幅Caによって決まる。ここで、仮に、図15に示した従来構造のように、これらの隙間の内側に、ウォームダンパ18の第1側板51の径方向内側部分が挿入されていると、第1側板51の板厚寸法の公差を考慮して、これらの隙間の軸方向幅Caを管理する必要がある。これに対して、本例では、これらの隙間の内側に、第1側板51の径方向内側部分が挿入されていない。第1側板51の内周面は、これらの隙間よりも径方向外側に位置する、円筒状外周面49または中径円筒面部25に隙間嵌めで外嵌されている。このため、第1側板51の板厚寸法の公差を考慮することなく、これらの隙間の軸方向幅Caを管理することができる。
ウォームダンパ18において、第2側板52の内径dBが第1側板51の内径dAよりも大きい。このため、ウォームダンパ18をインサート成形により製造する際に、ダンパ本体50の内周面を金型の一部分により成形した後、該金型の一部分の外径を変形させることなく、該金型の一部分を第2側板52の径方向内側を通じて軸方向に引き抜くことができる。このため、金型をシンプルな構造にすることができ、ウォームダンパ18のインサート成形を容易に行うことができる。
ウォームダンパ18を構成する第1側板51および第2側板52のうち、比較的内径が大きい第2側板52を、それぞれが第2部分である、スペーサ44の鍔部46の先端側の側面、および、ウォーム16の大径段差面29に対し、軸方向に隣接して配置する構成を採用している。すなわち、本例の構造の組み立て作業において、スペーサ44の円筒状外周面49、または、ウォーム16の中径円筒面部25に対して、ウォームダンパ18を外嵌する際には、比較的内径が大きい第2側板52から先に、円筒状外周面49または中径円筒面部25に外嵌することになる。したがって、この外嵌作業を容易に行える。
ウォームダンパが、スペーサ44の鍔部46の先端側の側面、および、ウォーム16の大径段差面29に接触させる側板を備えていない場合、すなわち、スペーサ44の鍔部46の先端側の側面、および、ウォーム16の大径段差面29に対し、ダンパ本体50の軸方向側面を直接接触させる場合には、ダンパ本体50を径方向の全幅にわたり軸方向に圧縮するために、スペーサ44の鍔部46の先端側の側面の外径、および、ウォーム16の大径段差面29の外径を、ダンパ本体50の外径以上の大きさとする必要がある。これに対して、本例では、スペーサ44の鍔部46の先端側の側面、および、ウォーム16の大径段差面29に対し、ダンパ本体の外径よりも大きい外径を有する第2側板52の軸方向側面を接触させている。このため、スペーサ44の鍔部46の先端側の側面の外径、および、ウォーム16の大径段差面29の外径を、ダンパ本体50の外径よりも小さくすることができる。したがって、その分、ウォーム16およびスペーサ44の小径化を実現することができる。
本発明を実施する場合、代替的に、ウォームダンパ18を構成する第1側板51および第2側板52のうち、比較的内径が小さい第1側板51を、それぞれが第2部分である、スペーサ44の鍔部46の先端側の側面、および、ウォーム16の大径段差面29に対し、軸方向に隣接して配置する構成を採用こともできる。この場合、第1側板51の内径dAに合わせて、スペーサ44の鍔部46の先端側の側面の外径、および、ウォーム16の大径段差面29の外径を、第1例の場合よりも小さくすることができる。したがって、その分、ウォーム16およびスペーサ44の小径化を実現することができる。
[第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図8および図9を用いて説明する。
本例では、2つのウォームダンパ18aのそれぞれに関して、図9に示す単品の状態、すなわち、ダンパ本体50aの自由状態で、第2側板52aの内径dBが、ダンパ本体50aの内周面に備えられた大径周面部53の内径dCよりも大きい(dB>dC)。本例では、ダンパ本体50aは、第2側板52aの径方向内側に配置された弾性拡張部55を有する。本例では、弾性拡張部55は、径方向内端部に、ダンパ本体50aの自由状態において大径周面部53よりも径方向内側に突出した弾性凸部56を全周にわたり有する。したがって、弾性拡張部55の内径、すなわち弾性凸部56の内径dDは、大径周面部53の内径dCよりも小さい(dD<dC)。本例では、弾性凸部56の内径dDは、第1側板51の内径dAと等しい(dD=dA)。本例では、弾性凸部56は、円弧形の断面形状を有する。
本例では、図8に示す組み立て状態で、ウォームダンパ18aは、第1側板51の内周面と弾性凸部56の内周面とのそれぞれを、円筒状外周面49または中径円筒面部25に隙間嵌めで外嵌することにより、ウォーム16に対する径方向の位置決めが図られている。このため、第1側板51の内周面のみを円筒状外周面49または中径円筒面部25に隙間嵌めで外嵌する第1例の構造に比べて、組立作業時に、ウォームダンパ18aの中心軸がウォーム16の中心軸に対して傾斜しにくい。
本例では、ダンパ本体50aが弾性拡張部55を備えることにより、ダンパ本体50aの体積を増やすことができる。このため、ダンパ本体50aが圧縮されたときの弾性域を広く保つことができる。したがって、ウォームダンパ18aによる衝撃緩和機能を確保しやすい。
本例の場合も、図8に示すウォーム16に出力軸60からのトルクが付与されていない中立状態だけでなく、該中立状態からウォーム16が軸方向に移動してダンパ本体50aの軸方向圧縮量が最も増大した状態でも、ダンパ本体50aの大径周面部53、すなわち非接触周面部54が円筒状外周面49または中径円筒面部25に接触しないように、ダンパ本体50aの自由状態での、ダンパ本体50aと第1側板51との内径差(dC-dA)が規制されている。
本例では、ウォームダンパ18aをインサート成形により製造する際に、ダンパ本体50aの内周面を金型の一部分により成形した後、該金型の一部分を、弾性凸部56を弾性変形させながら、第2側板52aの径方向内側を通じて軸方向に引き抜くことができる。このため、金型をシンプルな構造にすることができ、ウォームダンパ18aのインサート成形を容易に行うことができる。その他の構成および作用効果は、第1例と同様である。
第2例では、ダンパ本体50aの自由状態で、第1側板51の内径と等しい内径を有する弾性拡張部55が全周にわたり設けられている構成、具体的には、弾性拡張部55の弾性凸部56が全周にわたり備えられている構成を採用している。ただし、本発明を実施する場合には、ダンパ本体の自由状態で、第1側板の内径と等しい内径を有する弾性拡張部が、円周方向の一部分に設けられている構成、たとえば、弾性拡張部の弾性凸部が円周方向の複数箇所にのみ備えられた構成を採用することもできる。
[第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図10および図11を用いて説明する。
本例では、2つのウォームダンパ18bのそれぞれに関して、第1側板51の内径dAと第2側板52bの内径dBとが互いに等しい(dA=dB)。本例では、図11に示すウォームダンパ18bの単品の状態、すなわち、ダンパ本体50bの自由状態で、ダンパ本体50bの内周面、すなわち大径周面部53aの内径dCは、第1側板51の内径dAおよび第2側板52bの内径dBよりも大きい(dC>dA、dC>dB)。本例では、大径周面部53aは、径方向外側に向けて凹んだ円弧形の断面形状を有する。本発明を実施する場合、ダンパ本体の自由状態で、大径周面部を第1側板の内径よりも大きい内径を有する円筒面により構成することもできる。
本例では、図10に示す組み立て状態で、第1側板51の内周面と第2側板52の内周面とのそれぞれを、円筒状外周面49または中径円筒面部25に隙間嵌めで外嵌することにより、ウォーム16に対するウォームダンパ18bの径方向の位置決めが図られている。このため、第1側板51の内周面のみを円筒状外周面49または中径円筒面部25に隙間嵌めで外嵌する第1例の構造に比べて、組立作業時に、ウォームダンパ18bの中心軸がウォーム16の中心軸に対して傾斜しにくい。
本例の場合も、図10に示すウォーム16に出力軸60からのトルクが付与されていない中立状態だけでなく、該中立状態からウォーム16が軸方向に移動してダンパ本体50bの軸方向圧縮量が最も増大した状態でも、ダンパ本体50bの大径周面部53a、すなわち非接触周面部54aが円筒状外周面49または中径円筒面部25に接触しないように、ダンパ本体50bの自由状態での、ダンパ本体50bと第1側板51との内径差(dC-dA)が規制されている。その他の構成および作用効果は、第1例と同様である。
[第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図12および図13を用いて説明する。
本例の場合も、2つのウォームダンパ18cのそれぞれに関して、第1側板51の内径dAと、第2側板52cのうちで後述する切り欠き58から外れた部分の内径dBとが互いに等しい(dA=dB)。本例では、図13に示すウォームダンパ18cの単品の状態、すなわち、ダンパ本体50cの自由状態で、ダンパ本体50cの内周面の円周方向の1箇所または複数箇所(本例では、円周方向等間隔となる3箇所)に凹部57を有する。本例では、これらの凹部57の底面により、大径周面部53bを構成している。本例では、ダンパ本体50cの自由状態で、ダンパ本体50cの内周面のうち、円周方向に関して凹部57から外れた部分は、第1側板51の内径dAと等しい内径を有する円筒面により構成されている。本例では、第2側板52cは、ダンパ本体50cの自由状態で、凹部57と軸方向に整合する箇所に切り欠き58を有する。
本例では、図12に示す組み立て状態で、第1側板51の内周面と、第2側板52cの内周面のうちで切り欠き58から外れた部分とのそれぞれを、円筒状外周面49または中径円筒面部25に隙間嵌めで外嵌することにより、ウォーム16に対するウォームダンパ18cの径方向の位置決めが図られている。このため、第1側板51の内周面のみを円筒状外周面49または中径円筒面部25に隙間嵌めで外嵌する第1例の構造に比べて、組立作業時に、ウォームダンパ18cの中心軸がウォーム16の中心軸に対して傾斜しにくい。
本例の場合も、図12に示すウォーム16に出力軸60からのトルクが付与されていない中立状態だけでなく、該中立状態からウォーム16が軸方向に移動してダンパ本体50cの軸方向圧縮量が最も増大した状態でも、ダンパ本体50cの大径周面部53b、すなわち非接触周面部54bが円筒状外周面49または中径円筒面部25に接触しないように、ダンパ本体50cの自由状態での、凹部57の径方向深さが規制されている。本例では、前記中立状態、および、中立状態からウォーム16が軸方向に移動してダンパ本体50cの軸方向圧縮量が最も増大した状態で、ダンパ本体50cの内周面のうち、円周方向に関して凹部57から外れた部分は、円筒状外周面49または中径円筒面部25に接触していてもよい。
すなわち、本例では、中立状態だけでなく、中立状態からウォーム16が軸方向に移動してダンパ本体50cの軸方向圧縮量が最も増大した状態でも、ダンパ本体50cの非接触周面部54bが円筒状外周面49または中径円筒面部25に接触しないため、その分、ウォームダンパ18cのばね特性のばらつきを抑えることができる。
本例では、ウォームダンパ18cをインサート成形により製造する際に、ダンパ本体50cの凹部57を金型の一部分により成形した後、該金型の一部分の外径を変形させることなく、該金型の一部分を第2側板52cの切り欠き58を通じて軸方向に引き抜くことができる。このため、金型をシンプルな構造にすることができ、ウォームダンパ18cのインサート成形を容易に行うことができる。その他の構成および作用効果は、第1例と同様である。
本発明は、上述した各実施の形態の構成を、矛盾が生じない範囲で、適宜組み合わせて実施することができる。
本発明を実施する場合には、ウォームダンパとして、ダンパ本体のみを備えた構成や、ダンパ本体および第1側板のみを備えた構成を採用することもできる。
ダンパ本体のみを備えたウォームダンパにおいては、ダンパ本体の内周面の軸方向両側の端部に径方向内側に突出する凸部を設け、かつ、ダンパ本体の内周面のうち、該凸部から外れた部分を非接触周面部とすることができる。この場合には、該凸部を嵌合周面に外嵌することにより、ウォームに対するウォームダンパの同軸性を確保することができる。また、ダンパ本体のみを備えたウォームダンパにおいては、ダンパ本体の軸方向両側の側面のうちのいずれか一方を、内輪の軸方向側面に接着することもできる。
ダンパ本体および第1側板のみを備えたウォームダンパにおいては、ダンパ本体の内周面のうち、軸方向に関して第1側板と反対側の端部に、径方向内側に突出する凸部を設け、かつ、ダンパ本体の内周面のうち、該凸部から外れた部分を非接触周面部とすることができる。この場合には、該凸部および第1側板を嵌合周面に外嵌することにより、ウォームに対するウォームダンパの同軸性を確保することができる。また、ダンパ本体および第1側板のみを備えたウォームダンパにおいては、ダンパ本体の軸方向両側の側面のうち、第1側板が固定されていない側の側面を、内輪の軸方向側面に接着することもできる。
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
4 ステアリングコラム
5a、5b 自在継手
6 中間シャフト
7 ステアリングギヤユニット
8 電動アシスト装置
9 ピニオン軸
10 ラック軸
11 ギヤハウジング
12 ラック収容部
13 ピニオン収容部
14 ハウジング
15 ウォームホイール
16 ウォーム
17 電動モータ
18、18a、18b、18c ウォームダンパ
19 ホイール収容部
20 ウォーム収容部
21 ホイール歯
22 ウォーム歯
23 第1小径円筒面部
24 第2小径円筒面部
25 中径円筒面部
26 大径円筒面部
27 第1小径段差面
28 第2小径段差面
29 大径段差面
30a、30b、30c 逃げ溝
31 係合溝
32 保持溝
33 雌スプライン部
34 玉軸受
35 外輪
36 内輪
37 玉
38 Oリング
39 玉軸受
40 ホルダ
41 ブッシュ
42 パッド
43 ねじりコイルばね
44 スペーサ
45 円筒部
46 鍔部
47 かしめ部
48 逃げ溝
49 円筒状外周面
50、50a、50b、50c ダンパ本体
51 第1側板
52、52a、52b、52c 第2側板
53、53a、53b 大径周面部
54、54a、54b 非接触周面部
55 弾性拡張部
56 弾性凸部
57 凹部
58 切り欠き
59 雄スプライン部
60 出力軸
100 ウォーム
101 ウォーム歯
102 小径円筒面部
103 中径円筒面部
104 大径円筒面部
105 小径段差面
106 大径段差面
107 雌スプライン部
108 ハウジング
109 玉軸受
110 外輪
111 内輪
112 玉
113 出力軸
114 雄スプライン部
115 スペーサ
116 円筒部
117 鍔部
118 ウォームダンパ
119 ダンパ本体
120 第1側板
121 第2側板

Claims (17)

  1. ハウジングと、
    外周面にホイール歯を有し、かつ、前記ハウジングの内側に収容されたウォームホイールと、
    外周面に、前記ホイール歯と噛合するウォーム歯を有し、かつ、前記ハウジングの内側に収容されたウォームと、
    前記ハウジングに内嵌固定された外輪、および、前記ウォームの基端部に軸方向の相対変位を可能に外嵌された内輪を有し、前記ウォームの基端部を前記ハウジングに対して回転および軸方向変位を可能に支持する転がり軸受と、
    先端部に前記ウォームの基端部がトルク伝達および軸方向の相対変位を可能に接続された出力軸を有する、電動モータと、
    ウォームダンパと、
    を備え、
    前記ウォームダンパは、ゴムにより円環状に構成されたダンパ本体を含み、かつ、前記ウォームの周囲に配置され、かつ、前記ウォームに前記出力軸からのトルクが付与されていない中立状態で、前記ハウジングに対する軸方向変位を規制された第1部分と前記ウォームに対する軸方向変位を規制された第2部分とにより軸方向両側から弾性的に圧縮されており、
    前記ウォームダンパは、前記ダンパ本体の内周面を、前記ウォームに対する軸方向変位を規制された嵌合周面に対向させており、かつ、前記ダンパ本体の内周面の少なくとも一部分に、前記中立状態で前記嵌合周面に接触しない非接触周面部を有する、
    電動アシスト装置。
  2. 前記非接触周面部は、前記ウォームに前記出力軸からのトルクが付与されることにより前記第1部分と前記第2部分とが軸方向に近づき合うことに基づいて前記ダンパ本体の軸方向圧縮量が増大した場合にも、前記嵌合周面に接触しない、請求項1に記載の電動アシスト装置。
  3. 前記ウォームダンパは、前記ダンパ本体の軸方向両側の側面のうちの一方の側面に固定された円輪状の第1側板を備え、
    前記第1側板の内周面は、前記嵌合周面に対向しており、
    前記ダンパ本体の自由状態で、前記非接触周面部の内径は、前記第1側板の内径よりも大きい、
    請求項1または2に記載の電動アシスト装置。
  4. 前記ウォームダンパは、前記ダンパ本体の軸方向両側の側面のうちの他方の側面に固定された円輪状の第2側板を備え、
    前記第2側板の内周面は、前記嵌合周面に対向している、
    請求項3に記載の電動アシスト装置。
  5. 前記第2側板の内径が、前記第1側板の内径よりも大きい、請求項4に記載の電動アシスト装置。
  6. 前記第1部分は、前記内輪の軸方向側面であり、前記第2部分は、前記ウォームまたは該ウォームに固定された部材に備えられた軸方向側面であり、および、
    前記第1側板が、前記内輪の前記軸方向側面に対して軸方向に隣接して配置されており、前記第2側板が、前記ウォームまたは該ウォームに固定された部材に備えられた軸方向側面に対して軸方向に隣接して配置されている、
    請求項5に記載の電動アシスト装置。
  7. 前記ダンパ本体は、前記第2側板の径方向内側に配置された弾性拡張部を有する、請求項5または6に記載の電動アシスト装置。
  8. 前記ダンパ本体の自由状態で、前記弾性拡張部は、前記第1側板の内径と等しい内径を有し、該弾性拡張部が、円周方向の少なくとも一部分に設けられている、請求項7に記載の電動アシスト装置。
  9. 前記第1側板の内径と前記第2側板の内径とが互いに等しい、請求項4に記載の電動アシスト装置。
  10. 前記ダンパ本体の自由状態で、前記非接触周面部は、前記ダンパ本体の内周面の円周方向の1箇所または複数箇所に備えられた凹部の底面により構成されており、
    前記第2側板は、前記ダンパ本体の自由状態で、前記凹部と軸方向に整合する箇所に切り欠きを有する、
    請求項9に記載の電動アシスト装置。
  11. 前記ウォームダンパを2つ備え、該2つのウォームダンパは、前記内輪を軸方向両側から挟むように、該内輪に対して軸方向に隣接して配置されている、請求項1~10のいずれかに記載の電動アシスト装置。
  12. ゴムにより円環状に構成されたダンパ本体と、
    前記ダンパ本体の軸方向両側の側面のうちの一方の側面に固定された円輪状の第1側板と、
    前記ダンパ本体の軸方向両側の側面のうちの他方の側面に固定された円輪状の第2側板と、を備え、
    前記ダンパ本体は、内周面の少なくとも一部分に、前記第1側板の内径よりも大きい内径を有する大径周面部を備え、
    使用時において、前記ダンパ本体の内周面、前記第1側板の内周面、および前記第2側板の内周面を、電動アシスト装置を構成するウォームに対する軸方向変位を規制された嵌合周面に対向させ、かつ、前記ダンパ本体を前記第1側板と前記第2側板との間で軸方向両側から圧縮する態様で用いられ、前記大径周面部は、前記ウォームにトルクが付与されていない中立状態で、前記嵌合周面に接触しない非接触周面部を構成する、
    電動アシスト装置用ウォームダンパ。
  13. 前記第2側板の内径が、前記第1側板の内径よりも大きい、請求項12に記載の電動アシスト装置用ウォームダンパ。
  14. 前記ダンパ本体は、前記第2側板の径方向内側に配置された弾性拡張部を有する、請求項13に記載の電動アシスト装置用ウォームダンパ。
  15. 前記ダンパ本体の自由状態で、前記弾性拡張部は、前記第1側板の内径と等しい内径を有し、該弾性拡張部が、円周方向の少なくとも一部分に設けられている、請求項14に記載の電動アシスト装置用ウォームダンパ。
  16. 前記第1側板の内径と前記第2側板の内径とが互いに等しい、請求項12に記載の電動アシスト装置用ウォームダンパ。
  17. 前記ダンパ本体の自由状態で、前記大径周面部は、前記ダンパ本体の内周面の円周方向の1箇所または複数箇所に備えられた凹部の底面により構成されており、
    前記第2側板は、前記ダンパ本体の自由状態で、前記凹部と軸方向に整合する箇所に切り欠きを有する、
    請求項16に記載の電動アシスト装置用ウォームダンパ。
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