JP2023057309A - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式成形法による充填成形後に生ずる模様(色ムラ)を抑制する固形粉末化粧料を提供する。【解決手段】次の成分(A)~(C);(A)アルキル変性部分架橋型オルガノポリシロキサン(B)結晶セルロースおよび/またはメタクリル酸メチルクロスポリマー(C)イソステアリン酸デキストリンを含む化粧料基剤と溶媒とを混合した混合物から溶媒を除去して得られる、固形粉末化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、固形粉末化粧料に関する。
化粧料に粉体が配合された粉末化粧料は、ファンデーションや白粉、チーク、アイシャドウ、アイブロウなどのメイクアップ化粧料として広く用いられている。中でも、携帯性や感触の観点から固形状に成形された固形粉末化粧料が数多く上市されている。
固形粉末化粧料の成型方法には、金皿等の容器に粉末状の組成物を充填した後、加圧する乾式成型法や、粉体と油剤を含む化粧料基剤に揮発性化合物等の溶媒を添加してスラリー状にして、金皿等の容器に充填した後、溶媒を除去して成形する湿式成形法がある。湿式成形法で得られる固形粉末化粧料は、スラリー状態とした化粧料基剤から溶媒を除去する際に、粉体がより高密度となるよう秩序良く配置されるため、なめらかな使用感を有する。しかしながら、湿式成形法では、成形後の化粧料表面に色ムラが生じることがあった。これは、金皿等の容器に化粧料基材を充填する際に生じた粉体の配向や微細な凹凸が、成形時の圧力で解消されないために生じると考えられる。
この問題に対して、水膨潤性粘土鉱物とポリリン酸塩を用いることで外観品質を向上する技術(特許文献1)がある。
一方、近年、メーキャップ化粧料においては、化粧料を適用した際に自然な仕上がりにしつつ、カバー力が求められる傾向にある。例えば、特許文献2では、板状シリカ、2価金属イオンの炭酸塩および微粒子酸化チタン/微粒子酸化亜鉛を添加する粉末化粧料が、ぼかし感に優れた効果を発揮するとある。
特開2016-185925号公報 特開2018-30814号公報
水膨潤性粘土鉱物等を用いる技術では、流動性が向上するために組成物の沈降時間が早く、不均一となり、成形後の色ムラが改善しない場合や表面を削った後に凹凸が発生することがあった。また、特許文献2の技術においても、ぼかし感(ソフトフォーカス感)が充分満足できる結果ではなかった。
さらには、固形粉末化粧料は、粉体の凝集物が生成しやすい。粉体の凝集物は肌に伸ばした際にも崩れにくく、化粧膜を形成しにくいため、化粧効果を減ずる原因にもなる。
したがって、本願発明の目的は、湿式成形法による充填成形後に生ずる模様(色ムラ)を抑制する固形粉末化粧料を提供することである。
また、本発明の他の目的は、くすみや肌の色ムラといった肌が有する色味をぼかして、自然な仕上がりとするぼかし感(ソフトフォーカス感)を向上させる固形粉末化粧料を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、粉体の凝集物が低減された固形粉末化粧料を提供することである。
本発明は、次の成分(A)~(C);(A)アルキル変性部分架橋型オルガノポリシロキサン、(B)結晶セルロースおよび/またはメタクリル酸メチルクロスポリマー、(C)イソステアリン酸デキストリンを含む化粧料基剤と溶媒とを混合した混合物から溶媒を除去して得られる、固形粉末化粧料である。
本発明の固形粉末化粧料によれば、湿式成形法による充填成形後に生ずる模様(色ムラ)を抑制することができる。また、本発明の固形粉末化粧料によれば、くすみや肌の色ムラといった肌が有する色味をぼかして、自然な仕上がりとするぼかし感(ソフトフォーカス感)を向上させることができる。さらに、本発明の固形粉末化粧料によれば、粉体の凝集物が低減された固形粉末化粧料を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度45~55%RHの条件で行う。
本発明は、次の成分(A)~(C);(A)アルキル変性部分架橋型オルガノポリシロキサン、(B)結晶セルロースおよび/またはメタクリル酸メチルクロスポリマー、および(C)イソステアリン酸デキストリンを含む化粧料基剤と溶媒とを混合した混合物から溶媒を除去して得られる、固形粉末化粧料である。
本発明者らは、湿式成形の際に生ずる色ムラを低減する方策を種々検討する中で、成分(A)の特定の部分架橋型オルガノポリシロキサンが色ムラ低減に効果的に寄与することを見出した。さらには、成分(A)は、ぼかし感(ソフトフォーカス感)の向上にも寄与する(後述の本願実施例と比較例1との比較)。しかしながら、成分(A)を単に湿式成形による固形粉末化粧料に配合した場合、化粧料を塗布する際に凝集物が存在することを見出した。このような凝集物の存在は、化粧膜が均一とならず、化粧効果を減ずる原因となる。このため、本発明者らがさらに検討した結果、成分(B)、成分(C)を組み合わせて用いることで、凝集物の低減が図れることを見出し、本願発明を完成させた。成分(B)、成分(C)のいずれか1つでも配合されていないと、凝集物発生の抑制効果は著しく減ぜられる(後述の比較例3~5)。
本明細書において、「固形粉末化粧料」とは、粉末(粉体)を主成分とする固形状の化粧料を指す。ここで、主成分とは、粉末(粉体)が化粧料中50質量%以上であることを指す。本発明において、粉末(粉体)の含有量は、60質量%を超えることが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましく、80質量%以上含むことがさらにより好ましい。なお、粉末(粉体)の含有量の上限は、100質量%であるが、化粧料に配合される他の成分を考慮すると、通常99.9質量%以下であり、99.5質量%以下であってもよく、99質量%以下であってもよい。
以下、本発明の固形粉末化粧料に含有される各成分について説明する。
(成分(A):アルキル変性部分架橋型オルガノポリシロキサン)
成分(A)は、アルキル変性部分架橋型オルガノポリシロキサンである。部分架橋型オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンを架橋結合させて得られる、一部に三次元架橋構造を有する重合物であり、シラン分子が2方向にシロキサン結合することを主体とし、部分的に3方向或いは4方向のシロキサン結合を有する部分架橋型の重合物である。
アルキル変性部分架橋型オルガノポリシロキサンは、部分架橋型オルガノポリシロキサンを、炭素数6~20のアルキル基で変性させたものである。
成分(A)の具体例としては、化粧品表示名称で表すと、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーなどの部分架橋型アルキル変性シリコーン;(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマーなどの部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ポリグリセリル-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマーなどの部分架橋型アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーンなどが挙げられる。これらはシリコーンオイルやその他のオイルを含む膨潤物として市販され、部分架橋型アルキル変性シリコーンと油剤との混合物として、KSG-41、KSG-42、KSG-43、KSG-44(以上、信越化学工業社製)、部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンと油剤との混合物としてKSG-310、KSG-320、KSG-330、KSG-340、KSG-320Z、KSG-350Z、KSG-360Z、KSG-380Z、(以上、信越化学工業社製)、部分架橋型アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーンと油剤との混合物として、KSG-810、KSG-820、KSG-820Z、KSG-830、KSG-840、KSG-850Z、(以上、信越化学工業社製)等が市販品として市販されている。
これらの中でも、成分(A)は、さらにポリエーテル変性されていることが好ましい。すなわち、成分(A)が部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンであることが好ましい。成分(A)が部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンであることで、凝集物の生成抑制および成形後の色ムラの低減が一層効果的に得られる。これは、成分(B)との組み合わせによる成分(A)の分散効果が一層得られるためであると考えられる。部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンには、例えば、アルキル鎖が分岐しているタイプ(アルキル鎖を構造に持つポリエーテル変性シリコーン架橋物)と、アルキル鎖およびシリコーン鎖が分岐しているタイプ(シリコーンとアルキルの2種類の分岐鎖を持つポリエーテル変性シリコーン架橋物)と、があるが、アルキル鎖が分岐しているタイプが好ましい。
成分(A)の化粧料中の含有量は、化粧料全量中、ソフトフォーカス感の向上の点から、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、一層の色ムラ低減の観点から、0.5質量%を超えることがさらにより好ましい。また、成分(A)の化粧料中の含有量は、化粧料全量中、凝集物の低減の点から、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらにより好ましく、一層の凝集物低減の観点から3質量%未満であることが好ましい。成分(A)の化粧料中の含有量は、化粧料全量中、0.05~10質量%であることが好ましく、0.1~5質量%であることがより好ましく、0.5~3質量%であることがさらにより好ましい。
なお、本発明においては、成分(A)以外の部分架橋型オルガノポリシロキサンを含んでいてもよいが、その含有量は、成分(A)よりも少ないことが好ましく、また、化粧料中1質量%以下であることが好ましい。
(成分(B):結晶セルロース/メタクリル酸メチルクロスポリマー)
成分(B)は、結晶セルロースおよび/またはメタクリル酸メチルクロスポリマーである。成分(B)としては、結晶セルロース単独、メタクリル酸メチルクロスポリマー単独、結晶セルロースおよびメタクリル酸メチルクロスポリマーの組み合わせのいずれであってもよい。
結晶セルロースの形状は、所望の効果が付与されるのであれば、球状、板状、不定形の何れの形態であっても特に限定されるものではない。また、結晶セルロースの平均粒子径は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されるものではないが、5~500μmであることが好ましく、10~250μmであることが好ましい。結晶セルロースの平均粒子径は、一般的な空気分散式篩分析装置などを用いて測定した際の累積50質量%の粒度のことを指す。さらに、結晶セルロースの平均重合度は、60~400であることが好ましく、100~350であることがより好ましい。
結晶セルロースは市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、商品名:セオラスPH-101、102、301、302、F20JP、商品名:セオラスUF-702、711、商品名:セオラスKG-802、1000、商品名:セルフィアCP-102,203,305(何れも旭化成ケミカルズ社製)などが挙げられる。
メタクリル酸メチルクロスポリマーとは、メタクリル酸メチルにおいて分子内に架橋構造を有しているものを指す。メタクリル酸メチルクロスポリマーの形状は、特に限定されるものではないが、球状であることが好ましい。ここで、球状とは、真球状であってもよいし、楕円状であってもよい。また、メタクリル酸メチルクロスポリマーの平均粒子径は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されるものではないが、1~100μmであることが好ましく、1~50μmであることがより好ましく、1~30μmであることがさらにより好ましい。メタクリル酸メチルクロスポリマーの平均粒子径は、例えば、レーザー回折/散乱式による体積基準のメジアン径(積算分布値50%に対する粒子径)として測定することができる。
メタクリル酸メチルクロスポリマーは市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、商品名:MR-5C、MR-7GC(以上、綜研化学社製)、ガンツパールGMI-0804(アイカ工業社製)、マツモトマイクロスフェアーM-305、306、M-600(松本油脂製薬社製)などが挙げられる。
成分(B)の化粧料中の含有量は、凝集物生成抑制の点から、化粧料全量中、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらにより好ましく、0.8質量%以上であることが特に好ましい。また、成分(B)の化粧料中の含有量は、耐衝撃性や付着力向上の点から、化粧料全量中、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、7.5質量%以下であることがさらにより好ましい。
また、成分(B)に対する成分(A)の含有質量比は、本発明の効果を考慮すると、0.1以上であることが好ましく、0.25以上であることがより好ましく、成形後の色ムラの抑制の観点から、0.3以上であることがさらに好ましい。また、成分(B)に対する成分(A)の含有質量比は、本発明の効果を考慮すると、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらにより好ましく、成形後の色ムラの抑制、ソフトフォーカス感の観点からは、2.5以下であることがさらにより好ましく、凝集生成抑制の点からは、1未満であることが特に好ましい。成分(B)に対する成分(A)の含有質量比は、0.1~10であることが好ましい。
(成分(C):イソステアリン酸デキストリン)
成分(C)はイソステアリン酸デキストリンである。デキストリン脂肪酸エステルであるパルミチン酸デキストリンでは後述の比較例5に示すように凝集物の抑制に効果を示さない。ゆえに、成分(A)、および(B)に加えて、成分(C)としてイソステアリン酸デキストリンであることが重要であることが理解される。イソステアリン酸のように分岐鎖を保有していることで、成分(A)の凝集性を弱め、かつ成分(B)が成分(A)の凝集物が発生する際の物理的抑制効果を発揮する助剤になっていると推定される。
イソステアリン酸デキストリンに用いられるデキストリンは、グルコース平均重合度3~150、特に10~100のデキストリンが好ましい。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7-トリメチル-2-(1,3,3-トリメチルブチル)-オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業株式会社より市販されている。2-ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet reaction)に付し、次いで酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化成株式会社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業株式会社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学工業株式会社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.,51,522(1974)に記載〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にこのエメリー型がより好ましい。
成分(C)の化粧料中の含有量は、凝集物生成抑制の点から、化粧料全量中、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%を超えることがより好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、成分(C)の化粧料中の含有量は、ソフトフォーカス感向上の点から、化粧料全量中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
成分(C)に対する成分(B)の含有質量比は、本発明の効果を考慮すると、0.5~300であることが好ましい。成分(C)に対する成分(B)の含有質量比は、凝集物の抑制、色ムラの抑制の点から、1を超えることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、ソフトフォーカス感の向上の点から、2を超えることがさらにより好ましい。また、成分(C)に対する成分(B)の含有質量比は、凝集物抑制の観点から、200未満であることがより好ましく、150以下であることがさらにより好ましく、50以下であることが特に好ましい。
なお、本発明においては、成分(C)以外のデキストリン脂肪酸エステルを含んでいてもよいが、その含有量は、成分(C)よりも少ないことが好ましく、また、化粧料中1質量%以下であることが好ましい。
(成分(D):板状粉体)
本発明ではさらに、成分(D):板状粉体を含むことが好ましい。成分(D)をさらに含むことで、凝集物抑制の効果が一層向上する。
本明細書において、板状粉体とは、平均粒子径が平均厚みよりも大きい粉体を指し、具体的にはアスペクト比が3以上であることが好ましい。アスペクト比は、平均粒子径と粒子の平均厚さとの比により計算されるものであり、アスペクト比=(平均粒子径/平均厚さ)で定義される。厚さは、原子間力顕微鏡により基準面との差を測定し、相加平均したものを平均厚さとする。なお、板状粉体には、板状の他、薄片状、鱗片状等の形状の粉体も含まれる。
板状粉体の平均粒子径は、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましい。板状粉体の平均粒子径が10μm以上であることで、凝集物抑制の効果が一層奏されるため、好ましい。なお、板状粉体の平均粒子径は、卓上走査型電子顕微鏡(proX PREMIUM、Thermo Fisher Scientific社製)を用いて、加速電圧5~15kV、拡大率1000~25000倍にて100個の粒子を測定した画像データから算出することができる。また、板状粉体の粒子径は長径(最大径)を用いる。なお、板状粉体の平均粒子径の上限は特に限定されるものではないが、通常1000μm以下であり、500μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。
板状粉体としては、具体的にはマイカ、セリサイト、タルク、板状硫酸バリウム、板状硫酸カルシウム、合成金雲母、ホウケイ酸(Ca/Al)、ホウケイ酸(Ca/Na)、(PET/ポリメタクリル酸メチル)ラミネート、(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)等の無機板状粉体、およびこれらの板状粉体に被覆処理を施した複合粉体(酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al)、酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Na)、酸化チタン被覆ガラス末、二酸化珪素・酸化チタン被覆マイカ、二酸化珪素・酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Na)など)などが好ましい。
成分(D)の化粧料中の含有量は、凝集物生成抑制の点から、化粧料全量中、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましい。なお、乾式法による成形においては、板状粉体を50質量%以上と多く配合すると耐衝撃性が低下することから、通常は行われない。成分(D)の化粧料中の含有量は、特に制限されないが、成分(A)~(C)の配合による効果を考慮すると、98質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であってもよい。なお、ここでの成分(D)の含有量は、表面処理粉体の場合、表面処理剤の量も含めて、板状粉体の量とする。
板状粉体は表面処理粉体であってもよい。表面処理としては、フッ素化合物処理、シリカ処理、アルミナ処理、水酸化アルミニウム処理、シリコーン処理(メチコン処理、ハイドロゲンジメチコン処理など)、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理などが挙げられる。これらの表面処理は、単独であっても2種以上を併用してもよい。
表面処理剤の処理量は未処理板状粉体に対して0.1~30質量%が好ましく、より好ましくは0.5~20質量%であり、さらに好ましくは1~10質量%である。
表面処理の方法は従来公知の方法を用いることができる。例えば、溶媒に表面処理剤と処理を施される粉体粒子を添加し、ボールミル等で撹拌処理した後、必要に応じて乾燥し、水洗、濾過を繰返し、夾雑物を除去した後、乾燥、粉砕することにより、目的の表面処理粉体を得ることができる。また、表面処理剤である数種類の化合物を同時に表面処理することもでき、何れか一つの化合物で予め表面処理をしてから、更に他の化合物を表面処理することもできる。
(成分(E):油剤)
本発明ではさらに、成分(E):油剤を含んでいてもよい。油剤は成分(A)の分散溶媒として用いられることもある。また、化粧効果を向上させる効果もある。
油剤としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、流動パラフィン(ミネラルオイル)、スクワラン、スクワレン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン等の炭化水素油;アブラナ種子油、アボカド油、アーモンド油、アンズ核油、エゴマ油、オレンジ油、オリーブ油、キウイ種子油、ゴマ油、小麦胚芽油、米胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、セージ油、大豆油、チャ種子油、トウモロコシ油、ナタネ油、月見草油、ツバキ油、パーシック油、ハトムギ油、ピーナッツ油、ひまわり油、ブドウ種子油、メドウフォーム油、ローズマリー油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ラベンダー油、ローズヒップ油、ミンク油等の動植物油;トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル(デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10)、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット(テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル)、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリトリット、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、炭酸ジアルキル、トリメリト酸トリトリデシル、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、パルミチン酸セチル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリベヘン酸グリセリル等の脂肪酸エステル油;オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸;オレイルアルコール、2-オクチルドデカノール、2-デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノール等の高級アルコール;ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルトリメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラトリフロロプロピルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルペンタトリフロロプロピルシクロペンタシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、オレイル変性ジメチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性ジメチルポリシロキサン、アルキル変性ジメチルポリシロキサン、(トリフェニルジメチルビニルジシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、ジフェニルジメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、フェニルトリメチコンなどの)フェニル変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤;酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体;パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル等の液状の紫外線吸収剤;カカオ脂、シアバター、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、ワセリン等のペースト状の油剤;パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、(エチレン/プロピレン)コポリマー、コレステロール、フィトステロール、ステアリル変性ポリシロキサン、硬化油、ワセリン、パーム油等の固形状の油剤が挙げられる。これらの油剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
油剤の含有量は特に限定されるものではないが、例えば、1~15質量%である。ここで油剤の含有量は、2種以上の油剤を使用するときは、合計量を意図する。
(成分(F):その他の粉体)
本発明は、メーキャップ効果などの化粧効果を付与するために成分(D)以外のその他の粉体を配合していてもよい。
粉体としては、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、有色顔料類、複合粉体類、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末などが挙げられる。
無機粉体類としては、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、雲母(マイカ)、合成雲母、セリサイト、合成セリサイト、タルク、(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/Kケイ素)(タルク・ケイフッ化カリウム焼成物)、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化ホウ素、シリカ、ガラス末などが挙げられる。
光輝性粉体類としては、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン(酸化チタン被覆雲母)、酸化鉄処理雲母、酸化鉄処理雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、二酸化珪素・酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄酸化チタン被覆ガラス末、アルミニウムパウダーなどが挙げられる。
有機粉体類としては、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸粉体、ナイロン、ポリメチルシルセスキオキサン、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合体、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチルなどのポリメタクリル酸エステルおよびメタクリル酸メチルクロスポリマーなどの架橋型ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチルとポリイソプレンの複合体、ポリアクリル酸エステル、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合体パウダー、ポリテトラフルオロエチレン、(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマーなどが挙げられる。部分架橋型オルガノポリシロキサン重合体としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーなどの部分架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマーなどの部分架橋型メチルフェニルポリシロキサン、ジメチコンコポリオールクロスポリマーなどの部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、例えば、INCI名称で、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン/メチコン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー等が挙げられる。
有色顔料類としては、赤色酸化鉄(ベンガラ)、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色顔料、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄色酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒色酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をアルミニウムなどでレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、およびこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体などが挙げられる。タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号などが挙げられる。
複合粉体類としては、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆チタン・マイカ、酸化亜鉛被覆チタン・マイカ、硫酸バリウム被覆チタン・マイカ、有機顔料処理チタン・マイカ、二酸化珪素・酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素などが挙げられる。
粉体は表面処理粉体であってもよい。表面処理としては、フッ素化合物処理、シリカ処理、アルミナ処理、水酸化アルミニウム処理、シリコーン処理(メチコン処理、ハイドロゲンジメチコン処理など)、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理などが挙げられる。これらの表面処理は、単独であっても2種以上を併用してもよい。
表面処理剤の処理量は未処理粉体に対して0.1~30質量%が好ましく、より好ましくは0.5~20質量%であり、さらに好ましくは1~10質量%である。
表面処理の方法は従来公知の方法を用いることができる。例えば、溶媒に表面処理剤と処理を施される粉体粒子を添加し、ボールミル等で撹拌処理した後、必要に応じて乾燥し、水洗、濾過を繰返し、夾雑物を除去した後、乾燥、粉砕することにより、目的の表面処理粉体を得ることができる。また、表面処理剤である数種類の化合物を同時に表面処理することもでき、何れか一つの化合物で予め表面処理をしてから、更に他の化合物を表面処理することもできる。
成分(F)は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
なお、本発明の固形粉末化粧料は、平均粒子径が10μm以下の、酸化チタンまたは酸化チタン複合粉体の含有量が、酸化チタン純分として5質量%以下(下限0質量%)であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらにより好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましい。平均粒子径が10μm以下の、酸化チタンまたは酸化チタン複合粉体を配合すると、白色の隠蔽感が表出するため、ソフトフォーカス感が抑制される方向となる。このため、平均粒子径が10μm以下の、酸化チタンまたは酸化チタン複合粉体の含有量は少ないほうが好ましい。酸化チタンまたは酸化チタン複合粉体の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡を用いて、100個の粒子を測定した画像データから算出することができる。また、酸化チタンまたは酸化チタン複合粉体の粒子径は最大径を用いる。なお、ここでの酸化チタンは上記表面処理が行われていてもよく、表面処理粉体の場合は、平均粒子径は表面処理粉体における平均粒子径を指す。以下、平均粒子径が10μm以下の、酸化チタンまたは酸化チタン複合粉体を単に平均粒子径が10μm以下の酸化チタンとも称する。
(その他の成分)
上記成分の他、通常化粧料に使用される、乳化剤、防腐剤、酸化防止剤、美容成分、抗菌剤、香料、キレート剤(EDTAなど)、紫外線吸収剤、皮膜形成剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で適宜含有することができる。
また、本願の固形粉末化粧料においては、水の含有量は3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、実質的に含有しないほうが好ましい。ここで、実質的に含有しないとは不純物程度の含有は許容するものであり、例えば、0.1質量%以下であることを指す。
(湿式法)
本実施形態の固形粉末化粧料は、成分(A)~(C)を含む化粧料基剤と溶媒とを混合した混合物から溶媒を除去して得られる。
化粧料基剤は、前記成分を、通常の粉末化粧料を製造する装置を使用し、攪拌混合して、調製される。より具体的には、化粧料基剤は、例えば、成分(A)~(D)およびその他の粉体をヘンシェルミキサー等で混合分散し、必要に応じて、油剤等をさらに混合する方法等が挙げられる。
次いで、化粧料基剤と溶媒とを混合した混合物を準備する。当該混合物は、通常スラリー状態となっている。以下、成分(A)~(C)を含む化粧料基剤と溶媒とを混合した混合物を単に混合物とも称する。
湿式製法に用いられる溶媒としては、常圧における沸点が260℃以下の揮発性化合物が好ましく、具体的には、水;エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノールのような低沸点アルコール;イソドデカン(軽質イソパラフィン)、イソヘキサデカン(軽質流動イソパラフィン)、水添ポリイソブテン等の低沸点炭化水素油;低重合度のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の低沸点の鎖状もしくは環状シリコーン油;低沸点パーフルオロポリエーテル等の低沸点フッ素化合物等が挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは二種以上の混合物として用いることができる。
中でも、溶媒としては油剤であることが好ましい。油剤は水系溶媒と比較して成形後の色ムラが起こりやすいため、本発明の効果が一層発揮されやすい。油剤は、炭化水素油を含むことが好ましく、低沸点炭化水素油を含むことがより好ましく、低沸点炭化水素油であることが特に好ましい。
なお、湿式法においては、流動性のあるスラリー状態の化粧基剤が容器に充填され、充填時に化粧料基剤が流動することで、流動方向に板状粉体が配向するという構造を有する傾向がある。特に表面付近の板状粉体は表面に対して平行に配向する傾向が強く、湿式製法で成形された固形粉末化粧料は、板状粉体が成形品の上面に規則的に並んだ状態となる。乾式法により成形された固形粉末化粧料は、板状粉体の向きがランダムになると考えられる。そのため、それぞれの成形法で、例えばパール感のある板状粉体を同量用いた場合には、湿式法では表面の輝きがより多く、乾式法では表面がよりマットな仕上がりになると考えられ、製造方法により得られる化粧料の構造も異なるものと考えられる。
溶媒の混合量は、成形前の混合物を容器又は中皿に充填するために、流動性を付与する程度に任意に選択されるが、化粧料基剤100質量部に対して溶媒10~200質量部を用いることが好ましい。この範囲であれば、溶媒の除去が良好である。
また、本明細書における流動性とは、粉体を主成分とする化粧料基剤を、溶媒と混合した混合物を、内口径2.47cm、胴径4.05cm、全高7.4cmの容器(第一硝子株式会社製「薬ビンPS-6K」)に30g入れ、付属の蓋で栓をした後、25℃、1気圧の環境下で90°傾け、1分間静置すると混合物の一部が蓋の内側に付着する状態のことを意味する。
次いで、上記で得られた混合物を容器に充填する。容器としては、例えば金皿、樹脂皿等が挙げられる。充填後に圧縮成形することが好ましい。
次いで、溶媒を除去する。除去する方法は特に限定されないが、好ましくは圧縮成形時及び/又は圧縮成形後に、紙や布等を1層又は2層以上、容器に充填した粉末化粧料に接するように配置し、前記溶剤を吸い取らせる等の方法で除去する。吸い取らせるときに適度に加圧してもよい。また、化粧料基剤と溶媒との混合物を容器または中皿に充填する際、表面を平滑にするために、パッド等を用いて弱くプレスすることが好ましいが、そのプレス時に、多孔質プレスヘッドや吸収体を用いて、揮発性溶剤を吸収させることもできる。さらに、乾燥により溶媒を除去することも可能であり、そのための条件は、溶媒の沸点や比熱に応じて適宜設定されるが、例えば、軽質流動イソパラフィンの場合、50~80℃にて5~20時間程度である。
本実施形態の固形粉末化粧料は、ファンデーション、フェイスパウダー、おしろい(白粉)、コンシーラー、アイカラー(アイシャドウ)、アイライナー、アイブロウ、マスカラ、チーク、リップコートパウダーなどのメイクアップ化粧料;ボディパウダーなどのスキンケア化粧料などに適用可能であり、好ましくは、化粧料が、本願効果の発揮が一層期待される、メイクアップ化粧料である。またその使用法は、手や指で使用する方法、パフやスポンジ等に含浸させて使用する方法などが挙げられる。
なお、化粧料基剤の各成分の配合量と、得られる固形粉末化粧料における各成分の配合量は同一となる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
(実施例1~16、比較例1~5)
下記表1に示す処方の固形粉末化粧料(白粉、おしろい)を調製した。
(製造方法)
(1)成分1~14を混合した。
(2)混合した(1)に成分15、16を加え、混合し、化粧料基剤を得た。
(3)(2)で得られた化粧料基剤100gに、揮発性炭化水素油(軽質イソパラフィン)を40g加え、スラリー組成物を得た。
(4)(3)で得られたスラリー組成物を金型に充填し、プレス成形後、乾燥し、溶剤(揮発性炭化水素油)を除去し、固形粉末化粧料(白粉、おしろい)を得た。
(評価方法1;凝集物の評価)
各試料について、専門パネル10名による使用テストを行い、パネル各人が下記評価基準にて4段階に評価し、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。具体的には容器に充填した各試料を手でとり、肌上に1回伸び広げた際に、凝集物が存在するかを評価した。
(評価基準)
(評点):(評価)
4 :肌上で試料が崩れ、試料を伸ばした後に目視できる凝集物がない。
3 :肌上で試料が崩れるが、わずかに小さな塊が見られる。
2 :肌上で試料が崩れるが、小さな塊が見られる。
1 :肌上で試料が崩れにくく、塊が残る。
<判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
3.5点を超える : ◎
3.0点を超え3.5点以下: ○
2.5点を超え3.0点以下: △
2.5点以下 : ×。
(評価方法2;色ムラの評価)
実施例、比較例について試料を5個準備し、各試料の色ムラ(表面に溶液による色ムラがみられるか)について下記評価基準にて、4段階に評価し、評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
(評価基準)
(評点):(評価)
4 :ほとんど色ムラがない
3 :わずかに色ムラが観察される
2 :色ムラが少しみられる
1 :色ムラが多くみられる。
<判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
3.5点を超える : ◎
3.0点を超え3.5点以下: ○
2.0点を超え3.0点以下: △
2.0点以下 : ×。
(評価方法3;ソフトフォーカス感の評価)
各試料について、専門パネル10名による使用テストを行い、パネル各人が下記評価基準にて4段階に評価し、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。具体的には、各試料を肌上にウレタン製化粧塗布用マットを用いて1回伸び広げた際に、ソフトフォーカス感を評価した。
(評価基準)
(評点):(評価)
4 :ソフトフォーカス感を十分に感じる
3 :ソフトフォーカス感をやや感じる
2 :ソフトフォーカス感をわずかに感じる
1 :ソフトフォーカス感を感じない。
<判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
3.5点を超える : ◎
2.5点を超え3.5点以下: ○
2.0点を超え2.5点以下: △
2.0点以下 : ×。
Figure 2023057309000001
Figure 2023057309000002
Figure 2023057309000003
以上の結果より、実施例の固形粉末化粧料(白粉、おしろい)は、粉体の凝集物が少なく、肌に塗布した際に化粧料が崩れやすいものであった。また、実施例の固形粉末化粧料(白粉、おしろい)は、成形後の化粧料表面の色ムラがほとんどなかった。さらには、実施例の固形粉末化粧料(白粉、おしろい)は、ソフトフォーカス感が十分に得られるものであった。一方、成分(A)を配合しない比較例1は、固形粉末化粧料(白粉、おしろい)は、成形後の化粧料表面の色ムラが多いものであった。また、比較例1の固形粉末化粧料(白粉、おしろい)は、ソフトフォーカス感が感じられないものであった。成分(A)をアルキル未変性の部分架橋型オルガノポリシロキサンに変更した比較例2は、成形後の化粧料表面の色ムラが多いものであった。また、成分(B)を配合しない比較例3、成分(C)を配合しない比較例4、成分(C)ではないデキストリン脂肪酸エステルを配合した比較例5は、粉体の凝集物が多く、肌に塗布した際に化粧料が崩れにくいものであった。
実施例16:固形粉末化粧料(白粉、おしろい)
(成分) (含有量:質量%)
1.部分架橋型オルガノポリシロキサン混合物(主成分:(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー:純分30質量%)(成分A)(*1) 5.0%
2.部分架橋型オルガノポリシロキサン混合物(主成分:(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー:純分30質量%)(成分A)(*2) 5.0%
3.結晶セルロース(成分B)(*4) 2.0%
4.結晶セルロース(成分B)(*5) 1.0%
5.結晶セルロース(成分B)(*15) 1.0%
6.メタクリル酸メチルクロスポリマー(成分B)(*16) 1.0%
7.イソステアリン酸デキストリン(成分C)(*8) 0.8%
8.パルミチン酸デキストリン(*9) 0.02%
9.イソノナン酸イソトリデシル 0.5%
10.トリエチルヘキサノイン 0.5%
11.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 0.1%
12.トリステアリン酸ポリグリセリル-10 0.5%
13.ミネラルオイル 0.5%
14.ジフェニルジメチコン 0.5%
15.ジメチコン(*9) 0.5%
16.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 1.0%
17.ワセリン 1.0%
18.セスキイソステアリン酸ソルビタン(*18) 0.5%
19.クオタニウム-18ヘクトライト(*19) 2.0%
20.水素添加大豆リン脂質(*20) 0.1%
21.シリカ(*21) 1.0%
22.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(*14)
2.0%
23.ポリメタクリル酸メチル(*22) 1.0%
24.ナイロン-12(*23) 1.0%
25.合成金雲母(成分D)(*24) 10.0%
26.窒化ホウ素(成分D)(*25) 10.0%
27.セリサイト(成分D) 10.0%
28.タルク(*11) 残 量
29.タルク(成分D)(*10) 10.0%
30.ラウリン酸亜鉛処理タルク(*26) 5.0%
31.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理タルク(成分D)(*27) 5.0%
32.トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理タルク(成分D)(*28)
5.0%
33.ポリエチレンテレフタラート(*29) 0.5%
34.硫酸バリウム(成分D)(*30) 5.0%
35.アルミナ含有ポリメチルシルセスキオキサン(*31) 1.0%
36.ベンガラ(*32) 0.1%
37.黄酸化鉄(*33) 0.5%
38.トリイソステアリン酸イソプロピルチタン(2.0質量%)処理チタン(酸化チタン純分95.55質量%)(平均粒子径が10μm以下の酸化チタン) 0.1%
39.メチコン(3.0質量%)・水酸化Al・含水シリカ処理酸化チタン(酸化チタン純分88.8質量%)(平均粒子径が10μm以下の酸化チタン) 0.1%
40.ステアリン酸・水酸化Al処理酸化チタン(酸化チタン純分84.0質量%)(*34)(平均粒子径が10μm以下の酸化チタン) 0.3%
41.酸化亜鉛(成分D)(*35) 0.5%
42.ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛(成分D)(*36) 5.0%
43.合成ワックス(*37) 0.5%
44.香料 0.1%
45.フェノキシエタノール 0.01%
46.クロルフェネシン 0.01%
47.エチルヘキシルグリセリン(*38) 0.01%
48.メチルパラベン 0.1%
49.マツリカ花エキス、ブドウ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、ビフィズス菌培養溶解質、サトザクラ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、テアニン、グリシン、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物) 1.0%
(*15)セオラス PH-101(旭化成ケミカルズ社製)
(*16)マツモトマイクロスフェアー M-305(松本油脂製薬社製)
(*17)KF-96A(6cs)(信越化学工業社製)
(*18)コスモール182V(日清オイリオグループ社製)
(*19)スメクトンSAN-P(クニミネ工業社製)
(*20)NIKKOL レシノール S-10(日光ケミカルズ社製)
(*21)シリカマイクロビードP-1505(日揮触媒化成社製)
(*22)マツモトマイクロスフェアー M101(松本油脂製薬社製)
(*23)ガンツパールGPA-550(アイカ工業社製)
(*24)PDM-20L(トピー工業社製)
(*25)CCS102-JA BORON NITRIDE POWDER(油化産業社製)
(*26)タルク ZL-6(東色ピグメント社製)
(*27)SE-TA-EX(三好化成社製)
(*28)ITT-2 TALC JA-46R(大東化成工業社製)
(*29)スノーリーフP(オーケン社製)
(*30)板状硫酸バリウム・HL(堺化学社製)
(*31)NH-RAS06(日興リカ社製)
(*32)R-516P(チタン工業社製)
(*33)YP1200P(チタン工業社製)
(*34)ST-705SA(チタン工業社製)
(*35)XZ-1000F(堺化学社製)
(*36)XZ-300F-LP(堺化学社製)
(*37)KSパウダー(SASOL WAX LTD社製)
(*38)アデカノールGE-RF(アデカ社製)
(製造方法)
A.成分3~6、21~43、46、48を混合して、混合物を得た。
B.成分7~20を80℃で加温混合し、混合分散物(混合膨潤物)を得た。
C.Aで得られた混合物にB、成分1~2、成分44、45、47、49を加え、粉末状の化粧料(化粧料基剤)を得た。
D.Cで得られた粉末状の化粧料を油性溶剤(軽質イソパラフィン)と混合し、スラリーを得た。
E.Dで得られたスラリーを容器に充填成形した後、前記油性溶剤を除去することで固形粉末化粧料(白粉、おしろい)を得た。
実施例16では、成分(A)の含有量:3.0質量%、成分(B)の含有量:5.0質量%、成分(C)の含有量:0.80質量%、成分(D)の含有量:60.5質量%、(A)/(B)=0.60(質量比)、(B)/(C)=6.25(質量比)である。また、平均粒子径10μm以下の酸化チタンの含有量は、酸化チタン純分で0.436質量%である。
実施例16の固形粉末化粧料(白粉、おしろい)は、粉体の凝集物が少なく、肌に塗布した際に化粧料が崩れやすいものであった。また、実施例の固形粉末化粧料(白粉、おしろい))は、成形後の化粧料表面の色ムラがほとんどなかった。さらには、実施例の固形粉末化粧料(白粉、おしろい)は、ソフトフォーカス感が十分に得られるものであった。
実施例17:固形粉末化粧料(チーク)
(成分) (含有量:質量%)
1.部分架橋型オルガノポリシロキサン混合物(主成分:(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー:30質量%)(成分A)(*2) 5.0%
2.結晶セルロース(成分B)(*5) 3.0%
3.メタクリル酸メチルクロスポリマー(成分B)(*6) 1.0%
4.イソステアリン酸デキストリン(成分C)(*8) 0.5%
5.イヌリン酸デキストリン(*39) 0.02%
6.エチルヘキサン酸セチル 1.0%
7.ジカプリン酸プロピレングリコール 1.0%
8.モノステアリン酸ポリグリセリル 0.5%
9.ミネラルオイル 1.0%
10.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 1.0%
11.ジメチコン(*17) 0.5%
12.ポリヒドロキシステアリン酸(*40) 0.5%
13.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(*41)
0.1%
14.シリカ(*42) 1.0%
15.シリカ(*43) 1.0%
16.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(*44)
0.5%
17.ポリメタクリル酸メチル(*13) 1.0%
18.(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマー(98質量%)/シリカ(2質量%)(*45) 0.5%
19.ナイロン-12(*46) 0.5%
20.合成金雲母(成分D)(*47) 10.0%
21.合成金雲母(成分D)(*48) 3.0%
22.ジメチコン処理合成金雲母(成分D)(*49) 5.0%
23.アモジメチコン処理マイカ(成分D)(*50) 3.0%
24.マイカ(成分D) 15.0%
25.タルク(成分D)(*51) 10.0%
26.タルク(成分D)(*11) 10.0%
27.ラウリン酸亜鉛処理タルク(*52) 残 量
28.(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)(成分D)(*53)
5.0%
29.ベンガラ(*32) 1.0%
30.黄酸化鉄(*33) 1.0%
31.香料 0.1%
32.フェノキシエタノール 0.01%
33.クロルフェネシン 0.01%
34.エチルヘキシルグリセリン(*38) 0.01%
35.赤色226号 3.0%
36.黄色4号 1.0%
37.セラミド2 0.01%
38.セラミド3 0.01%
39.セイヨウニワトコ花エキス、チャ葉エキス、テンチャエキス、マツリカ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、テアニン、グリシン、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物) 0.3%
40.酸化チタン被覆粉体(成分D)(*54) 0.5%
(*39)レオパールISK2(千葉製粉社製)
(*40)サラコスHS-6C(日清オイリオグループ社製)
(*41)KF-6038(信越化学工業社製)
(*42)シリカマイクロビードN-1505(日揮触媒化成社製)
(*43)ゴッドボールD11-796C(鈴木油脂工業社製)
(*44)KSP-102(信越化学工業社製)
(*45)CS-400(東色ピグメント社製)
(*46)東レナイロン粉末SP-500
(*47)PDM-10L(トピー工業社製)
(*48)PDM-40L(トピー工業社製)
(*49)SA-PDM-10L(三好化成工業社製)
(*50)マイカY-2300WA3(ヤマグチマイカ社製)
(*51)タルク粉 EX-15(ヤマグチマイカ社製)
(*52)タルクZL-8(東色ピグメント社製)
(*53)ミクロマイカMK-200(片倉コープアグリ社製)
(*54)マイクログラスメタシャインMT1080RS(日本板硝子社製)
(製造方法)
A.成分2~3、14~30、33、35~38、40を混合して、混合物を得た。
B.成分4~13を80℃で加温混合し、混合分散物(混合膨潤物)を得た。
C.Aで得られた混合物にB、成分1、成分31~32、34、39を加え、粉末状の化粧料(化粧料基剤)を得た。
D.Cで得られた粉末状の化粧料を油性溶剤(軽質イソパラフィン)と混合し、スラリーを得た。
E.Dで得られたスラリーを容器に充填成形した後、前記油性溶剤を除去することで固形粉末化粧料(チーク)を得た。
実施例17では、成分(A)の含有量:1.5質量%、成分(B)の含有量:4.0質量%、成分(C)の含有量:0.50質量%、成分(D)の含有量:61.5質量%、(A)/(B)=0.375(質量比)、(B)/(C)=8.00(質量比)である。また、平均粒子径10μm以下の酸化チタンの含有量は、酸化チタン純分で0質量%である。
実施例17の固形粉末化粧料(チーク)は、粉体の凝集物が少なく、肌に塗布した際に化粧料が崩れやすいものであった。また、実施例の固形粉末化粧料(チーク)は、成形後の化粧料表面の色ムラがほとんどなかった。さらには、実施例の固形粉末化粧料(チーク)は、ソフトフォーカス感が十分に得られるものであった。
実施例18:固形粉末化粧料(アイシャドウ)
(成分) (含有量:質量%)
1.部分架橋型オルガノポリシロキサン混合物(主成分:(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー:30質量%)(成分A)(*1) 1.0%
2.部分架橋型オルガノポリシロキサン混合物(主成分:(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー:30質量%)(成分A)(*2) 1.0%
3.結晶セルロース(成分B)(*4) 0.3%
4.結晶セルロース(成分B)(*15) 0.2%
5.メタクリル酸メチルクロスポリマー(成分B)(*16) 0.5%
6.イソステアリン酸デキストリン(成分C)(*8) 0.03%
7.架橋型ポリエーテル変性シリコーン混合物(主成分:(ジメチコン/PEG-10/15)クロスポリマー:25質量%)(*3) 0.5%
8.ジカプリン酸プロピレングリコール 1.0%
9.リンゴ酸ジイソステアリル 0.5%
10.モノステアリン酸ポリグリセリル 0.5%
11.ジステアリン酸ポリグリセリル 0.5%
12.スクワラン 1.0%
13.水添ポリイソブテン(*55) 0.5%
14.ジメチコン(*17) 1.0%
15.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル) 2.0%
16.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(*56) 0.1%
17.シリカ(*21) 2.0%
18.シリカ(*43) 3.0%
19.(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー(*57) 1.0%
20.ポリメタクリル酸メチル(*22) 1.0%
21.ナイロン-12(*23) 0.5%
22.ナイロン-12(*46) 0.5%
23.合成金雲母(成分D)(*24) 5.0%
24.合成金雲母(成分D)(*48) 5.0%
25.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理マイカ(成分D)(*58) 5.0%
26.セリサイト(成分D) 15.0%
27.タルク(*11) 残 量
28.タルク(成分D)(*10) 15.0%
29.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理タルク(成分D)(*27) 5.0%
30.ベンガラ(*32) 3.0%
31.黄酸化鉄(*33) 0.1%
32.香料 0.1%
33.フェノキシエタノール 0.01%
34.エチルヘキシルグリセリン(*38) 0.01%
35.ヒアルロン酸Na 0.01%
36.赤色226号 2.0%
37.水溶性コラーゲン、センチフォリアバラ花エキス、ローヤルゼリーエキス、オレンジ花水、甘草フラボノイド、ローズマリー葉エキス、アンズ核油、カニナバラ果実エキス、アーモンド油、コーン油の混合物(美容成分の混合物) 0.5%
38.酸化チタン・ナイロン複合粉体(酸化チタン純分70.0質量%)(*59)(平均粒子径が10μm以下の酸化チタン) 0.3%
39.硫酸バリウム被覆雲母チタン(酸化チタン純分15.5質量%)(*12)(平均粒子径が10μm以下の酸化チタン) 5.0%
40.酸化チタン被覆粉体(成分D)(*60) 0.5%
41.酸化チタン被覆粉体(成分D)(*61) 0.5%
42.酸化チタン被覆粉体(成分D)(*62) 0.5%
(*55)パールリーム18
(*56)KF-6028P(信越化学工業社製)
(*57)KSP-300(信越化学工業社製)
(*58)SE-MA-23(三好化成社製)
(*59)MTXO-70NL(ハヤテマテリアル社製)
(*60)FHS-マイクログラスメタシャインMT1080RR(日本板硝子社製)
(*61)HELIOS R10Y(トピー工業社製)
(*62)COSMETICA SUPER RED N-5401S(CQV社製)
(製造方法)
A.成分3~5、17~31、35、36、38~42を混合して、混合物を得た。
B.成分6、8~16を80℃で加温混合し、混合分散物(混合膨潤物)を得た。
C.Aで得られた混合物にB、成分1~2、7、32~34、37を加え、粉末状の化粧料(化粧料基剤)を得た。
D.Cで得られた粉末状の化粧料を油性溶剤(軽質イソパラフィン)と混合し、スラリーを得た。
E.Dで得られたスラリーを容器に充填成形した後、前記油性溶剤を除去することで固形粉末化粧料(アイシャドウ)を得た。
実施例18では、成分(A)の含有量:0.6質量%、成分(B)の含有量:1.0質量%、成分(C)の含有量:0.03質量%、成分(D)の含有量:51.5質量%、(A)/(B)=0.6(質量比)、(B)/(C)=33.33(質量比)である。また、平均粒子径10μm以下の酸化チタンの含有量は、酸化チタン純分で0.985質量%である。
実施例18の固形粉末化粧料(アイシャドウ)は、粉体の凝集物が少なく、肌に塗布した際に化粧料が崩れやすいものであった。また、実施例の固形粉末化粧料(アイシャドウ)は、成形後の化粧料表面の色ムラがほとんどなかった。さらには、実施例の固形粉末化粧料(アイシャドウ)は、ソフトフォーカス感が十分に得られるものであった。
実施例19:固形粉末化粧料(リップコートパウダー)
(成分) (含有量:質量%)
1.部分架橋型オルガノポリシロキサン混合物(主成分:(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー:30質量%)(成分A)(*1) 4.0%
2.結晶セルロース(成分B)(*4) 1.5%
3.結晶セルロース(成分B)(*5) 0.5%
4.メタクリル酸メチルクロスポリマー(成分B)(*16) 2.0%
5.イソステアリン酸デキストリン(成分C)(*8) 0.3%
6.部分架橋型オルガノポリシロキサン混合物(主成分:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー:25質量%)(*63) 0.5%
7.イソノナン酸イソトリデシル 0.5%
8.トリエチルヘキサノイン 0.5%
9.ジステアリン酸ポリグリセリル 0.5%
10.トリステアリン酸ポリグリセリル 0.5%
11.水添ポリイソブテン(*55) 0.5%
12.ワセリン 3.0%
13.セスキイソステアリン酸ソルビタン(*18) 0.5%
14.セスキオレイン酸ソルビタン(*64) 0.1%
15.クオタニウム-18ヘクトライト(*19) 2.0%
16.ラウロイルリシン(*65) 2.0%
17.シリカ(*66) 2.0%
18.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(*14)
0.5%
19.ポリメチルシルセスキオキサン(*67) 0.5%
20.合成金雲母(成分D)(*47) 10.0%
21.合成金雲母(成分D)(*24) 10.0%
22.窒化ホウ素(成分D)(*25) 5.0%
23.窒化ホウ素(成分D)(*68) 5.0%
24.アモジメチコン処理マイカ(*50)(成分D) 5.0%
25.セリサイト(成分D) 15.0%
26.タルク(*11) 残量
27.タルク(*10)(成分D) 5.0%
28.ラウリン酸亜鉛処理タルク(*52) 5.0%
29.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理タルク(*27)
(成分D) 5.0%
30.酸化チタン・ナイロン複合粉体(酸化チタン純分70.0質量%)(*59)(平均粒子径が10μm以下の酸化チタン) 0.2%
31.ステアリン酸・水酸化Al処理酸化チタン(酸化チタン純分84.0質量%)(*35)(平均粒子径が10μm以下の酸化チタン) 0.1%
32.水酸化Al処理酸化チタン(酸化チタン純分95.0質量%)(*69)(平均粒子径が10μm以下の酸化チタン) 0.05%
33.ポリエチレンテレフタラート(*29) 0.5%
34.ベンガラ(*32) 0.1%
35.ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛(*36)(成分D) 2.0%
36.香料 0.1%
37.フェノキシエタノール 0.01%
38.エチルヘキシルグリセリン(*38) 0.01%
39.メチルパラベン 0.1%
40.グリシン 0.05%
41.マツリカ花エキス、ブドウ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、ビフィズス菌培養溶解質、サトザクラ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、テアニン、グリシン、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物) 1.0%
(*63)KSG-16(信越化学工業社製)
(*64)レオドールAO-15V(花王社製)
(*65)アミホープLL(味の素社製)
(*66)コスメシリカCQ4(富士シリシア化学社製)
(*67)トスパール2000B*(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
(*68)SHP-6(水島合金鉄社製)
(*69)タイペーク CR-50(石原産業社製)
(製造方法)
A.成分2~4、16~35、39、40を混合して、混合物を得た。
B.成分5、7~15を80℃で加温混合し、混合分散物(混合膨潤物)を得た。
C.Aで得られた混合物にB、成分1、6、36~38、41を加え、粉末状の化粧料(化粧料基剤)を得た。
D.Cで得られた粉末状の化粧料を油性溶剤(軽質イソパラフィン)と混合し、スラリーを得た。
E.Dで得られたスラリーを容器に充填成形した後、前記油性溶剤を除去することで固形粉末化粧料(リップコートパウダー)を得た。
実施例19では、成分(A)の含有量:1.2質量%、成分(B)の含有量:4.0質量%、成分(C)の含有量:0.3質量%、成分(D)の含有量:62.0質量%、(A)/(B)=0.3(質量比)、(B)/(C)=13.33(質量比)である。また、平均粒子径10μm以下の酸化チタンの含有量は、酸化チタン純分で0.272質量%である。
実施例19の固形粉末化粧料(リップコートパウダー)は、粉体の凝集物が少なく、肌に塗布した際に化粧料が崩れやすいものであった。また、実施例の固形粉末化粧料(リップコートパウダー)は、成形後の化粧料表面の色ムラがほとんどなかった。さらには、実施例の固形粉末化粧料(リップコートパウダー)は、ソフトフォーカス感が十分に得られるものであった。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)~(C);
    (A)アルキル変性部分架橋型オルガノポリシロキサン
    (B)結晶セルロースおよび/またはメタクリル酸メチルクロスポリマー
    (C)イソステアリン酸デキストリン
    を含む化粧料基剤と溶媒とを混合した混合物から溶媒を除去して得られる、固形粉末化粧料。
  2. 前記溶媒が油剤である、請求項1に記載の固形粉末化粧料。
  3. さらに、成分(D)板状粉体を含む、請求項1または2に記載の固形粉末化粧料。
  4. 前記成分(D)を50質量%以上含む、請求項3に記載の固形粉末化粧料。
  5. 前記成分(B)に対する前記成分(A)の含有質量比が0.1~10である、請求項1~4のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料。
  6. 前記成分(C)に対する前記成分(B)の含有質量比が0.5~300である、請求項1~5のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料。
  7. 前記成分(A)がポリエーテル変性されてなる、請求項1~6のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料。
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