JP2023057203A - 圧着接続部材及び圧着接続方法 - Google Patents

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Ichiro Tsuchiya
滋 西澤
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Abstract

【課題】圧着接続後に防水対策を実施する必要がなく、電蝕防止を確実にかつ容易に行うことができる圧着接続部材及び圧着接続方法を提供する。【解決手段】圧着接続部材は、圧着部材と、この圧着部材とは独立して形成され圧着部材の内側に設けられると共に内面から突出する複数の突起を有するセレーション部材と、セレーション部材の内面であって電線と電気的に圧着接続される部分を除く領域を覆うようにあらかじめ形成された電気的絶縁手段とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウムやアルミニウム合金製の導体を用いた電線を圧着接続する場合の異種金属電蝕発生を防止できる圧着接続部材及び圧着接続方法に関する。
アルミニウム電線を異種金属である銅製の端子に接続すると、異種金属接触腐食の発生が起こり得る。即ち、アルミニウムの標準電極電位は-0.19Vであり、銅の標準電極電位は+0.34Vであるため、接合部が風雨による雨滴や結露等外気の環境で電解水溶液(水分等)が侵入することによりこの部分に電池が形成され、電解水溶液中に陰極(カソード)である銅が陽極(アノード)であるアルミニウムを溶解し電蝕が進行する。電蝕が進行すると、アルミニウム電線の電気的及び機械的性能が大幅に劣化する。
このような異種金属接触腐食の発生を防止するため、銅端子でアルミニウム電線を接続する場合、銅端子に錫メッキを施すことが一般的である。このような錫メッキを行えば、錫の標準電極電位が-0.19Vであるため、アルミニウムを溶解する腐食はほとんど発生しない。しかしながら、銅端子を圧着接続する際には、錫メッキ層が一部破壊されるので、銅端子とアルミニウム電線とが接触し、その部分から電蝕が進行してしまう。
また、銅端子でアルミニウム電線を接続する場合、アルミニウム電線の酸化被膜及び絶縁塗膜を除去するために銅端子の内部に銅合金製のセレーション部材と呼ばれる部品を挿入し圧着することが行われる。セレーション部材には錫メッキが施されているが、銅端子の場合と同様に、圧着時に錫メッキ層の破壊によりセレーション部材とアルミニウム電線の接触部分から電蝕が進行してしまう。
このような問題を解決するために、圧着接続後に接続箇所に防水対策用チューブで被覆して防水する特許文献1に記載の方法や、圧着接続後に接続箇所に撥水剤を塗布する特許文献2に記載の方法が存在している。
特開2009-087848号公報 特開2014-127290号公報
しかしながら、圧着接続後に防水対策用チューブで被覆する方法や、撥水剤を塗布する方法は、圧着後に行われる作業であるため、作業環境や作業員の個人差による防水対策のばらつきにより、接続部に水分が侵入して電蝕が発生することがあり、完全な電蝕防止としては不充分であった。
従って、本発明の目的は、圧着接続後に防水対策を実施する必要がなく、電蝕防止を確実に行うことができる圧着接続部材及び圧着接続方法を提供することにある。
本発明によれば、圧着接続部材は、圧着部材と、この圧着部材とは独立して形成され圧着部材の内側に設けられると共に内面から突出する複数の突起を有するセレーション部材と、セレーション部材の内面であって電線と電気的に圧着接続される部分を除く領域を覆うようにあらかじめ形成された電気的絶縁手段とを備えている。
セレーション部材の内面に、電線と電気的に圧着接続される部分を除く領域を覆う電気的絶縁手段があらかじめ設けられているため、この圧着接続部材を用いれば、圧着接続現場で、圧着接続後に防水対策を実施する必要がない。その結果、通常の圧着作業と同じ作業で電蝕防止対策を施すことができ、作業環境や作業員の熟練度の個人差などに関係なく、電蝕防止を確実にかつ容易に行うことができる。
電気的絶縁手段が、セレーション部材の内面の軸方向に沿った両端部に設けられていることが好ましい。
電気的絶縁手段が、上述の領域を覆う絶縁塗膜層であることも好ましい。
この場合、絶縁塗膜層が、フッ素系樹脂塗料、アクリルシリコン系樹脂塗料、エポキシ系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、又はアクリル系樹脂塗料による塗膜層であることがより好ましい。
電気的絶縁手段が、領域を覆う可撓性絶縁部材であることも好ましい。
この場合、可撓性絶縁部材が、シリコンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、又はクロロプレンゴムによる絶縁性のキャップ部材であることがより好ましい。
電線がアルミニウム又はアルミニウム合金製の導体を有する電線であり、セレーション部材が銅又は銅合金製の基材を有していることも好ましい。
本発明によれば、圧着接続方法は、上述した圧着接続部材のセレーション部材の内側の一方の端口から電線を挿入し、電気的絶縁手段の部分を外部から加締めることによりこの電線と圧着接続部材とを圧着接続する。
本発明によれば、圧着接続方法は、上述した圧着接続部材のセレーション部材の内側の両端の口から2つの電線をそれぞれ挿入し、電気的絶縁手段の部分を外部から加締めることにより圧着接続部材を介して2つの電線を圧着接続する。
本発明の圧着接続方法によれば、圧着接続現場で、圧着接続後に防水対策を実施する必要がないので、通常の圧着作業と同じ作業で電蝕防止対策を施すことができる。このように、作業環境や作業員の熟練度の個人差などに関係なく、確実な電蝕防止を容易に図ることができる。
本発明によれば、圧着接続現場で、圧着接続後に防水対策を実施する必要がないので、通常の圧着作業と同じ作業で電蝕防止対策を施すことができ、作業環境や作業員の熟練度の個人差などに関係なく、電蝕防止を確実にかつ容易に行うことができる。
本発明の第1の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示す分解斜視図である。 第1の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態における圧着接続部材の圧着前の構成を概略的に示す部分軸断面図である。 第1の実施形態における圧着接続部材内に電線を挿入して圧着した状態を示す部分軸断面図である。 本発明の第2の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示す分解斜視図である。 第2の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示す斜視図である。 第2の実施形態における圧着接続部材の圧着前の構成を概略的に示す軸断面図である。 第2の実施形態における圧着接続部材内に電線を挿入して圧着した状態を示す軸断面図である。 本発明の第3の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示す分解斜視図である。 第3の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示す斜視図である。 第3の実施形態における圧着接続部材の圧着前の構成を概略的に示す軸断面図である。 第3の実施形態における圧着接続部材内に電線を挿入して圧着した状態を示す軸断面図である。 本発明の第4の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示す分解斜視図である。 第4の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示す斜視図である。 第4の実施形態における圧着接続部材の圧着前の構成を概略的に示す軸断面図である。 第4の実施形態における圧着接続部材内に電線を挿入して圧着した状態を示す軸断面図である。
図1は本発明の第1の実施形態における圧着接続部材の構成を分解した状態で概略的に示しており、図2はこの第1の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示しており、図3はこの第1の実施形態における圧着接続部材の圧着前の部分断面構成を概略的に示している。
これらの図に示すように、第1の実施形態の圧着接続部材は、圧着部(バレル部)10a及び端子部10bを備えた圧着端子10(本発明の圧着部材に対応)と、この圧着端子10とは別部材で構成され、圧着部10aの内側に挿入配置されて圧着されるセレーション部材11とを備えている。
本実施形態において、圧着端子10はクローズドバレル型の圧着端子であり、圧着部10aは円筒形状に形成されており、この圧着部10aに連続する円形平板形状の端子部10bには貫通孔10cが設けられている。圧着端子10は銅又は銅合金から形成されており、表面に錫メッキが施されている。銅合金としては、黄銅合金、青銅合金、リン青銅合金又はその他の種々の銅合金が用いられる。
セレーション部材11は圧着端子10とは別部材である平板を丸めて円筒形状(断面が円形状)となるように形成されており、圧着端子10の圧着部10aの内側に挿入されている。このセレーション部材11の内面11aの全域には円筒の内側方向(圧着方向)に向かって突出する多数の突起が設けられている。これら突起は、複数の鋭利な突起又はバリであり、例えば、平板をプレス打ち抜き加工して得た複数の貫通孔の開口端部に形成されている。このセレーション部材11も銅又は銅合金から形成されており、表面に錫メッキが施されている。銅合金としては、黄銅合金、青銅合金、リン青銅合金又はその他の種々の銅合金が用いられる。
本実施形態において重要なポイントは、セレーション部材11の軸方向の両端部における内面11a上に絶縁塗膜層12(本発明の電気的絶縁手段に対応)があらかじめ設けられていることにある。即ち、図3に示すように、絶縁塗膜層12がセレーション部材11の内面11a上の軸方向の両端部にある領域Bのみを覆うように形成されている。換言すれば、絶縁塗膜層12はセレーション部材11の内面11a上の電線と電気的に圧着接続される部分Aを除く領域Bを覆うように形成されている。これにより、領域Bにおいて、圧着接続時に電線とセレーション部材11との電気的絶縁を図ることができる。また、絶縁塗膜層12によって領域Bの気密性(エアータイト性)をも保つように構成すればより望ましい。
絶縁塗膜層12は、望ましくは、セレーション部材11を円筒形状に加工する前に、その内面の領域Bの部分に例えば塗布又は他の方法により積層される。セレーション部材11が圧着端子10と別部材であることにより、この絶縁塗膜層12の形成が容易となる。絶縁塗膜層12は、例えば、フッ素系樹脂塗料、アクリルシリコン系樹脂塗料、エポキシ系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、又はアクリル系樹脂塗料による塗膜層である。
図4はこの第1の実施形態における圧着接続部材内に電線を挿入して圧着した状態を示している。
同図に示すように、電線13は圧着端子10のセレーション部材11の一方の端口から内部に挿入される。その後、セレーション部材11の中央部を外部から加締めることにより圧着が行われる。これにより、部分Aにおいて、電線13とセレーション部材11とが圧着接続され、電線13と圧着端子10との電気的導通が図られる。ここで、電線13はアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されており、その周囲には例えばエナメル等の絶縁被覆が形成されている。電線13は、本実施形態では、平角形状の軸断面を有しているが、丸形状の軸断面を有するように構成しても良い。
セレーション部材11の内面11a上の領域Bのみを覆うように絶縁塗膜層12が形成されているため、銅又は銅合金製のセレーション部材11と、アルミニウム又はアルミニウム合金製の電線とが、圧着接続される部分Aを除いて電気的に絶縁される(さらに、気密性も保てる)こととなり、異種金属接触による電蝕発生を防止することができる。しかも、この絶縁塗膜層12があらかじめ形成されているため、圧着接続現場で、圧着接続後に防水対策を実施する必要がないことから、通常の圧着作業と同じ作業で電蝕防止対策を施すことができ、作業環境や作業員の熟練度の個人差などに関係なく、電蝕防止を確実にかつ容易に行うことができる。
図5は本発明の第2の実施形態における圧着接続部材の構成を分解した状態で概略的に示しており、図6はこの第2の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示しており、図7はこの第2の実施形態における圧着接続部材の圧着前の断面構成を概略的に示している。
これらの図に示すように、第2の実施形態の圧着接続部材は、圧着部(バレル部)10a及び端子部10bを備えた圧着端子10(本発明の圧着部材に対応)と、この圧着端子10とは別部材で構成され、圧着部10aの内側に挿入配置されて圧着されるセレーション部材11とを備えている。
本実施形態において、圧着端子10はクローズドバレル型の圧着端子であり、圧着部10aは円筒形状に形成されており、この圧着部10aに連続する円形平板形状の端子部10bには貫通孔10cが設けられている。圧着端子10は銅又は銅合金から形成されており、表面に錫メッキが施されている。銅合金としては、黄銅合金、青銅合金、リン青銅合金又はその他の種々の銅合金が用いられる。
セレーション部材11は圧着端子10とは別部材である平板を丸めて円筒形状(断面が円形状)となるように形成されており、圧着端子10の圧着部10aの内側に挿入されている。このセレーション部材11の内面11aの全域には円筒の内側方向(圧着方向)に向かって突出する多数の突起が設けられている。これら突起は、複数の鋭利な突起又はバリであり、例えば、平板をプレス打ち抜き加工して得た複数の貫通孔の開口端部に形成されている。このセレーション部材11も銅又は銅合金から形成されており、表面に錫メッキが施されている。銅合金としては、黄銅合金、青銅合金、リン青銅合金又はその他の種々の銅合金が用いられる。
本実施形態において重要なポイントは、セレーション部材11の軸方向の一方の端部に可撓性絶縁部材14(本発明の電気的絶縁手段に対応)があらかじめ被せられており、軸方向の他方の端部における内面11a上に絶縁塗膜層12(本発明の電気的絶縁手段に対応)があらかじめ設けられていることにある。即ち、図7に示すように、可撓性絶縁部材14がセレーション部材11の軸方向の一方の端部の領域Cのみを覆うように被せられており、絶縁塗膜層12がセレーション部材11の内面11a上の軸方向の他方の端部にある領域Bのみを覆うように形成されている。換言すれば、可撓性絶縁部材14及び絶縁塗膜層12はセレーション部材11の電線と電気的に圧着接続される部分Aを除く領域C及び領域Bをそれぞれ覆っている。これにより、領域C及び領域Bにおいて、圧着接続時に電線とセレーション部材11との電気的絶縁を図ることができる。また、可撓性絶縁部材14及び絶縁塗膜層12によって領域C及び領域Bの気密性(エアータイト性)をもそれぞれ保つように構成すればより望ましい。
可撓性絶縁部材14は、圧着端子10内にセレーション部材11を挿入して組付けたのちに被着される。可撓性絶縁部材14は、例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、又はクロロプレンゴムによる絶縁性のキャップ部材である。
絶縁塗膜層12は、望ましくは、セレーション部材11を円筒形状に加工する前に、その内面の領域Bの部分に例えば塗布又は他の方法により積層される。セレーション部材11が圧着端子10と別部材であることにより、この絶縁塗膜層12の形成が容易となる。絶縁塗膜層12は、例えば、フッ素系樹脂塗料、アクリルシリコン系樹脂塗料、エポキシ系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、又はアクリル系樹脂塗料による塗膜層である。
図8はこの第2の実施形態における圧着接続部材内に電線を挿入して圧着した状態を示している。
同図に示すように、電線13は圧着端子10のセレーション部材11の一方の端口から内部に挿入される。その後、セレーション部材11の中央部を外部から加締めることにより圧着が行われる。これにより、部分Aにおいて、電線13とセレーション部材11とが圧着接続され、電線13と圧着端子10との電気的導通が図られる。ここで、電線13はアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されており、その周囲には例えばエナメル等の絶縁被覆が形成されている。電線13は、本実施形態では、平角形状の軸断面を有しているが、丸形状の軸断面を有するように構成しても良い。
セレーション部材11の軸方向の一方の端部の領域Cが可撓性絶縁部材14によって覆われており、軸方向の他方の端部の領域Bの内面11aを覆うように絶縁塗膜層12が形成されているため、銅又は銅合金製のセレーション部材11と、アルミニウム又はアルミニウム合金製の電線とが、圧着接続される部分Aを除いて電気的に絶縁される(さらに、気密性も保てる)こととなり、異種金属接触による電蝕発生を防止することができる。しかも、これら可撓性絶縁部材14及び絶縁塗膜層12があらかじめ形成されているため、圧着接続現場で、圧着接続後に防水対策を実施する必要がないことから、通常の圧着作業と同じ作業で電蝕防止対策を施すことができ、作業環境や作業員の熟練度の個人差などに関係なく、電蝕防止を確実にかつ容易に行うことができる。
図9は本発明の第3の実施形態における圧着接続部材の構成を分解した状態で概略的に示しており、図10はこの第3の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示しており、図11はこの第3の実施形態における圧着接続部材の圧着前の断面構成を概略的に示している。
これらの図に示すように、第3の実施形態の圧着接続部材は、円筒形状の圧着スリーブ10′(本発明の圧着部材に対応)と、この圧着スリーブ10′とは別部材で構成され、圧着スリーブ10′の内側に挿入配置されて圧着されるセレーション部材11′とを備えている。
本実施形態において、圧着スリーブ10′は銅又は銅合金から形成されており、表面に錫メッキが施されている。銅合金としては、黄銅合金、青銅合金、リン青銅合金又はその他の種々の銅合金が用いられる。
セレーション部材11′は圧着スリーブ10′とは別部材である平板を丸めて円筒形状(断面が円形状)となるように形成されており、圧着スリーブ10′の内側に挿入されている。このセレーション部材11′の内面11a′の全域には円筒の内側方向(圧着方向)に向かって突出する多数の突起が設けられている。これら突起は、複数の鋭利な突起又はバリであり、例えば、平板をプレス打ち抜き加工して得た複数の貫通孔の開口端部に形成されている。このセレーション部材11′も銅又は銅合金から形成されており、表面に錫メッキが施されている。銅合金としては、黄銅合金、青銅合金、リン青銅合金又はその他の種々の銅合金が用いられる。
本実施形態において重要なポイントは、セレーション部材11′の軸方向の両端部における内面11a′上に絶縁塗膜層12′(本発明の電気的絶縁手段に対応)があらかじめ設けられていることにある。即ち、図11に示すように、絶縁塗膜層12′がセレーション部材11′の内面11a′上の軸方向の両端部にある領域Bのみを覆うように形成されている。換言すれば、絶縁塗膜層12′はセレーション部材11′の内面11a′上の電線と電気的に圧着接続される部分Aを除く領域Bを覆うように形成されている。これにより、領域Bにおいて、圧着接続時に電線とセレーション部材11′との電気的絶縁を図ることができる。また、絶縁塗膜層12′によって領域Bの気密性(エアータイト性)をも保つように構成すればより望ましい。
絶縁塗膜層12′は、望ましくは、セレーション部材11′を円筒形状に加工する前に、その内面の領域Bの部分に例えば塗布又は他の方法により積層される。セレーション部材11′が圧着スリーブ10′と別部材であることにより、この絶縁塗膜層12′の形成が容易となる。絶縁塗膜層12′は、例えば、フッ素系樹脂塗料、アクリルシリコン系樹脂塗料、エポキシ系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、又はアクリル系樹脂塗料による塗膜層である。
図12はこの第3の実施形態における圧着接続部材内に電線を挿入して圧着した状態を示している。
同図に示すように、互いに圧着接続すべき2つの電線13′は圧着スリーブ10′のセレーション部材11′の両方の端口から内部に挿入される。その後、セレーション部材11′の中央部を外部から加締めることにより圧着が行われる。これにより、部分Aにおいて、2つの電線13′とセレーション部材11′とが圧着接続され、2つの電線13′間の電気的導通が図られる。ここで、電線13′はアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されており、その周囲には例えばエナメル等の絶縁被覆が形成されている。電線13′は、本実施形態では、平角形状の軸断面を有しているが、丸形状の軸断面を有するように構成しても良い。
セレーション部材11′の内面11a′上の領域Bのみを覆うように絶縁塗膜層12′が形成されているため、銅又は銅合金製のセレーション部材11′と、アルミニウム又はアルミニウム合金製の電線13′とが、圧着接続される部分Aを除いて電気的に絶縁される(さらに、気密性も保てる)こととなり、異種金属接触による電蝕発生を防止することができる。しかも、この絶縁塗膜層12′があらかじめ形成されているため、圧着接続現場で、圧着接続後に防水対策を実施する必要がないことから、通常の圧着作業と同じ作業で電蝕防止対策を施すことができ、作業環境や作業員の熟練度の個人差などに関係なく、電蝕防止を確実にかつ容易に行うことができる。
図13は本発明の第4の実施形態における圧着接続部材の構成を分解した状態で概略的に示しており、図14はこの第4の実施形態における圧着接続部材の構成を概略的に示しており、図15はこの第4の実施形態における圧着接続部材の圧着前の断面構成を概略的に示している。
これらの図に示すように、第4の実施形態の圧着接続部材は、円筒形状の圧着スリーブ10″(本発明の圧着部材に対応)と、この圧着スリーブ10″とは別部材で構成され、圧着スリーブ10″の内側に挿入配置されて圧着されるセレーション部材11″とを備えている。
本実施形態において、圧着スリーブ10″は銅又は銅合金から形成されており、表面に錫メッキが施されている。銅合金としては、黄銅合金、青銅合金、リン青銅合金又はその他の種々の銅合金が用いられる。
セレーション部材11″は圧着スリーブ10″とは別部材である平板を丸めて円筒形状(断面が円形状)となるように形成されており、圧着スリーブ10″の内側に挿入されている。このセレーション部材11″の内面11a″の全域には円筒の内側方向(圧着方向)に向かって突出する多数の突起が設けられている。これら突起は、複数の鋭利な突起又はバリであり、例えば、平板をプレス打ち抜き加工して得た複数の貫通孔の開口端部に形成されている。このセレーション部材11″も銅又は銅合金から形成されており、表面に錫メッキが施されている。銅合金としては、黄銅合金、青銅合金、リン青銅合金又はその他の種々の銅合金が用いられる。
本実施形態において重要なポイントは、セレーション部材11″の軸方向の両端部に可撓性絶縁部材14′(本発明の電気的絶縁手段に対応)があらかじめ被せられていることにある。即ち、図15に示すように、2つの可撓性絶縁部材14′がセレーション部材11″の軸方向の両端部の領域Cのみを覆うように被せられている。換言すれば、2つの可撓性絶縁部材14′はセレーション部材11″の電線と電気的に圧着接続される部分Aを除く領域Cをそれぞれ覆っている。これにより、領域Cにおいて、圧着接続時に電線とセレーション部材11″との電気的絶縁を図ることができる。また、可撓性絶縁部材14′によって領域Cの気密性(エアータイト性)をもそれぞれ保つように構成すればより望ましい。
可撓性絶縁部材14′は、圧着スリーブ10″内にセレーション部材11″を挿入して組付けたのちに被着される。可撓性絶縁部材14′は、例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、又はクロロプレンゴムによる絶縁性のキャップ部材である。
図16はこの第4の実施形態における圧着接続部材内に電線を挿入して圧着した状態を示している。
同図に示すように、互いに圧着接続すべき2つの電線13′は圧着スリーブ10″のセレーション部材11″の両方の端口から内部に挿入される。その後、セレーション部材11″の中央部を外部から加締めることにより圧着が行われる。これにより、部分Aにおいて、2つの電線13′とセレーション部材11″とが圧着接続され、2つの電線13′間の電気的導通が図られる。ここで、電線13′はアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されており、その周囲には例えばエナメル等の絶縁被覆が形成されている。電線13′は、本実施形態では、平角形状の軸断面を有しているが、丸形状の軸断面を有するように構成しても良い。
セレーション部材11″の軸方向の両方の端部の領域Cが2つの可撓性絶縁部材14′によって覆われているため、銅又は銅合金製のセレーション部材11″と、アルミニウム又はアルミニウム合金製の電線13″とが、圧着接続される部分Aを除いて電気的に絶縁される(さらに、気密性も保てる)こととなり、異種金属接触による電蝕発生を防止することができる。しかも、これら可撓性絶縁部材14′があらかじめ装着されているため、圧着接続現場で、圧着接続後に防水対策を実施する必要がないことから、通常の圧着作業と同じ作業で電蝕防止対策を施すことができ、作業環境や作業員の熟練度の個人差などに関係なく、電蝕防止を確実にかつ容易に行うことができる。
以上述べた実施形態及び実施例は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 圧着端子
10a 圧着部
10b 端子部
10c 貫通孔
10′、10″ 圧着スリーブ
11、11′、11″ セレーション部材
11a、11a′11a″ 内面
12、12′ 絶縁塗膜層
13、13′ 電線
14、14′ 可撓性絶縁部材

Claims (9)

  1. 圧着部材と、該圧着部材とは独立して形成され該圧着部材の内側に設けられると共に内面から突出する複数の突起を有するセレーション部材と、前記セレーション部材の内面であって電線と電気的に圧着接続される部分を除く領域を覆うようにあらかじめ形成された電気的絶縁手段とを備えていることを特徴とする圧着接続部材。
  2. 前記電気的絶縁手段が、前記セレーション部材の内面の軸方向に沿った両端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧着接続部材。
  3. 前記電気的絶縁手段が、前記領域を覆う絶縁塗膜層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧着接続部材。
  4. 前記絶縁塗膜層が、フッ素系樹脂塗料、アクリルシリコン系樹脂塗料、エポキシ系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、又はアクリル系樹脂塗料による塗膜層であることを特徴とする請求項3に記載の圧着接続部材。
  5. 前記電気的絶縁手段が、前記領域を覆う可撓性絶縁部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧着接続部材。
  6. 前記可撓性絶縁部材が、シリコンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、又はクロロプレンゴムによる絶縁性のキャップ部材であることを特徴とする請求項5に記載の圧着接続部材。
  7. 前記電線がアルミニウム又はアルミニウム合金製の導体を有する電線であり、前記セレーション部材が銅又は銅合金製の基材を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の圧着接続部材。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の圧着接続部材の前記セレーション部材の内側の一方の端口から前記電線を挿入し、前記電気的絶縁手段の部分を外部から加締めることにより前記電線と前記圧着接続部材とを圧着接続することを特徴とする圧着接続方法。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の圧着接続部材の前記セレーション部材の内側の両端の口から2つの前記電線をそれぞれ挿入し、前記電気的絶縁手段の部分を外部から加締めることにより前記圧着接続部材を介して2つの前記電線を圧着接続することを特徴とする圧着接続方法。
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