JP2023056749A - 金属管搬送装置およびめっき金属管の製造方法 - Google Patents

金属管搬送装置およびめっき金属管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属管表面に生じる疵を軽減させためっき金属管を安定して製造することができる金属管搬送装置およびその装置を用いためっき金属管の製造方法を提供する。【解決手段】溶融金属めっき浴を構成するめっき槽内において、金属管を下方前方へ搬送するスクリューと前記めっき槽内において、前記スクリューによって搬送される前記金属管の前方端面に当接面が当接することにより、前記金属管の当該前方端面を位置決めする管端位置決め機構とを有し、前記管端位置決め機構の前記当接面には、前記当接面の下部が上部に比べて窪むことによって構成された段差部が形成されている金属管搬送装置。その装置を用いて、管端位置決め機構によって金属管の前方端面を位置決めしつつ、段差部と金属管の前方端面との隙間から金属管内に溶融金属めっき浴のめっき液を流れ込ませながら溶融金属めっき浴中に浸漬させ、金属管を金属めっきする、めっき金属管の製造方法である。【選択図】図4

Description

本発明は、金属管搬送装置およびめっき金属管の製造方法に関する。より詳しくは、水、ガス、油等の配管用途に適用される金属管を溶融金属めっき浴中に浸漬させ引き揚げることによって当該金属管の内外面に金属めっきを施す際に金属管表面に生じる疵を軽減し、安定的にめっき金属管を製造するための金属管搬送装置およびめっき金属管の製造方法に関する。
金属めっきされた金属管、たとえば、水、ガス、油等の配管用途に適用される亜鉛めっき鋼管は、前処理(脱脂、酸洗および化成処理)を施された鋼管を溶融亜鉛めっき槽に一定時間浸漬して製造する。さらに、該めっき槽から引き揚げた鋼管の内外面に空気または蒸気を用いて、鋼管に過剰に付着した溶融亜鉛を吹き飛ばすためにブローし、溶融亜鉛のたれを切る。その後、該鋼管は水冷槽に浸漬され冷却処理が施される。従来から溶融亜鉛めっき槽内から引き揚げられた鋼管の内外面の余剰亜鉛を除去する方法については品質を確保しつつ効率的な方法が数多く提案されている。
たとえば、特許文献1には、溶融亜鉛めっき処理が施された鋼管の内外面表面の余剰亜鉛を除去するブロー装置が開示されている。特許文献1には、引揚げ中の鋼管が外面ブロー装置内を通過する間に該鋼管内にマンドレル棒を貫通させ、噴射ノズルから圧縮ガスを噴射して鋼管内面の余剰亜鉛を鋼管外に吹き出す方法で、めっき厚さを均一にすることができる技術が開示されている。
一方、特許文献2には、鋼管の溶融亜鉛めっき方法において、良好な品質を確保しながら亜鉛浴の低温化をはかる鋼管の溶融亜鉛メッキ方法が開示されている。特許文献2に開示された技術では、製造コスト低減の観点から、鋼管を溶融亜鉛浴中に浸漬した後、溶融亜鉛浴中から鋼管を長手方向に引揚げる過程で圧縮ガスにより鋼管外面の余剰亜鉛を除去する。続いて、圧縮ガスにより鋼管内面の余剰亜鉛を除去する方法において、溶融亜鉛浴を低温に設定し、該溶融亜鉛浴中から鋼管を長手方向に引揚げる過程で圧縮ガスにより鋼管外面の余剰亜鉛を除去した後、当該鋼管を溶融亜鉛浴温度より高温に加熱し、圧縮ガスにより鋼管内面余剰亜鉛を除去する方法が提案されている。
更に、特許文献3には、鋼管の溶融亜鉛めっきに際し、鋼管を予熱してめっきを施すことによって、生産性等を向上することのできる鋼管の溶融亜鉛めっき方法が開示されている。具体的に特許文献3には、生産性向上の観点から鋼管を100~600℃に予熱した後、430~480℃の溶融亜鉛めっき浴中に20~100秒浸漬してめっきを施し、次いで、溶融亜鉛めっき浴中のめっき鋼管を引揚げ、めっき鋼管の外面めっき付着量を制御する方法により鋼管を予熱することでめっき槽内の浴温維持に必要な熱量を低減できる技術が開示されている。
特開2011-63844号公報 特開平05-140722号公報 特開平11-246959号公報
しかしながら、上記従来技術には、未だ解決すべき以下のような問題があった。すなわち、上記従来技術には、めっき金属管、例えば、亜鉛めっき鋼管の製造方法として、品質面、生産性に関する様々な技術が開示されている。めっき金属管に発生するスクリュー疵の軽減に関しては、その品質上重要な課題となるが、その詳細については開示されていない。本発明は、かかる課題に対し鋭意検討した結果得られた知見である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金属管を溶融金属めっき浴中に浸漬する際に金属管表面に発生するスクリュー疵を軽減させためっき金属管を安定して製造することができる金属管搬送装置およびその装置を用いためっき金属管の製造方法を提供することにある。
発明者らは、上記に記した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、金属管表面に発生するスクリュー疵を軽減させためっき金属管を安定して製造することができる金属管搬送装置およびその装置を用いためっき金属管の製造方法を見出した。すなわち、上記課題を解決し、上記の目的を実現するため開発した本発明は、下記の要旨構成に示すとおりである。
本発明は、第一に、溶融金属めっき浴を構成するめっき槽内において、金属管を下方前方へ搬送するスクリューと、前記めっき槽内において、前記スクリューによって搬送される前記金属管の前方端面に当接面が当接することにより、前記金属管の当該前方端面を位置決めする管端位置決め機構と、を有し、前記管端位置決め機構の前記当接面には、前記当接面の下部が上部に比べて窪むことによって構成された段差部が形成されている、金属管搬送装置を提供する。
なお、本発明に係る金属管搬送装置については、
(a)前記金属管の前方への搬送速度をx(mm/s)、前記金属管の搬送方向における前記段差部の奥行をb(mm)、前記金属管内に前記溶融金属めっき浴のめっき液が流れ込む時間をy(s)とした場合に、b≧xyを満たすこと、
(b)前記段差部と前記溶融金属めっき浴の表面との距離が100mm以下であること、などがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
本発明は、第二に、上記に記載の金属管搬送装置を用い、管端位置決め機構によって金属管の前方端面を位置決めしつつ、段差部と金属管の前方端面との隙間から金属管内に溶融金属めっき浴のめっき液を流れ込ませながら溶融金属めっき浴中に浸漬させることによって金属めっきする、めっき金属管の製造方法を提案する。
以上説明したように、本発明の金属管搬送装置は、めっき槽内において、当接面が金属管の前方端面に当接する管端位置決め機構を備え、管端位置決め機構の当接面には、当接面の下部が上部に比べて窪むことによって構成された段差部が形成されている。このため、本発明によれば、金属管をめっき槽内へ浸漬させる際に段差部と金属管の前方端面との隙間から金属管の内部へめっき液を流入させることで、金属管の内部の空気の排出を促進して、金属管に生じる浮力を低減し、金属管表面に発生するスクリュー押込み疵を軽減することができる。これにより、めっき金属管の歩留まりを改善することができる。
本発明の一実施形態を示す製造フロー図である。 本発明の一実施形態を示す金属管搬送装置の上面図である。 本発明の一実施形態を示す金属管搬送装置のA-A’視側面図である。 本発明の一実施形態を示す金属管搬送装置の金属管の先端部近傍に設置された管端位置決め機構の拡大図である。 本発明の一実施形態を示す金属管搬送装置である溶融亜鉛めっき装置を用いて製造しためっき鋼管の表面の写真である。(a)は、CASE1(比較例)において製造されためっき鋼管の表面を撮影した写真(スクリュー押込み疵有り)であり、(b)は、CASE2(発明例)において製造されためっき鋼管の表面を撮影した写真(スクリュー押込み疵無し)である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。本発明はこれに限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。本発明における処理工程の概要として、一実施形態の製造フローを図1に示す。図1に示されるように金属管の一例としての鋼管は、前処理工程にて脱脂、酸洗、化成処理を施された後、乾燥され、溶融亜鉛めっき装置のめっき槽内の亜鉛めっき浴に一定時間浸漬される。次いで、鋼管は該めっき浴から引き揚げられるが、引揚げた際に鋼管の内外面に空気または蒸気が吹き付けられ、過剰に付着した溶融亜鉛を除去してめっき付着量の調整が行われる。その後、鋼管は冷却槽にて冷却処理が施される。最後に亜鉛めっき鋼管は出荷前検査されることになる。なお、めっきは亜鉛に限らず、各種の金属めっきに適用可能である。また、金属管も鋼管に限らず、各種の金属管に適用可能である。
[第1実施形態]
本発明の一実施形態を示す金属管搬送装置について説明する。図2は、本発明の一実施形態を示す金属管搬送装置の上面図である。本実施形態の金属搬送管装置は、溶融金属めっき浴を構成するめっき槽1と、金属管2をめっき槽1の下方前方へ搬送するためのスクリュー3をめっき槽1の内部に備えている。図2に示されるように前処理後の金属管2は、めっき槽1のボトム側からトップ側に向かって前方に搬送される。スクリュー3は、回転軸31に螺旋面32を有している。金属管2は、回転軸31に螺旋面32を有するスクリュー3の螺旋面32に懸架される。さらに、金属管2は、サイドガイド7によりスクリュー3の螺旋面32から外れないように支持されている。
金属管2は、同期して回転している複数(本実施形態では3本)のスクリュー3の螺旋面32の回転によって、めっき槽1の下方へ搬送される。また、金属管2は、同期して回転している複数のスクリュー3の螺旋面32の回転によって、めっき槽1のボトム側からトップ側に向かって前方に搬送される。このように、めっき槽1の下方前方へ搬送された金属管2は、溶融金属めっき浴Zに浸漬されて金属めっき処理が施される。下方前方に搬送された金属管2は、螺旋面32の終端部に到達後、クレードル4に着地する。その後、金属管2は、スクリュー3の回転軸31に設置された払出し装置8(キッカー)により、引揚げ装置5が設置してある金属管2の払い出し方向に順次払い出される。
本実施形態の金属管搬送装置において、金属管2は、払出し装置8が回転することで金属管2を外側に押し出している。その後、金属管2は、引揚げ装置5のフックに載った後、フックが上昇することでめっき槽1から引き揚げられる。引揚げ装置5のフック上昇端には、金属管2の姿勢を維持するためのストッパーが設置されている。
図3は、本実施形態を示す金属管搬送装置の図2に示されたA-A’視側面図である。図3に示されるように、金属管2を溶融金属めっき浴Zに浸漬させる際、金属管2は、その先端部22側であるトップ側を低く、その後端部24側であるボトム側を高くすることにより、傾斜された状態でスクリュー3に保持されている。このように金属管2を傾斜させることにより、溶融金属めっき浴Z中で金属管2の内部に存在している空気の金属管2の外部への排気を促進することができる。また、金属管2を傾斜させることにより、金属めっき処理後の金属管2が引揚げられる際には、金属管2の内部に存在している溶融金属めっき液を金属管2の外部に容易に排出することができる。なお、本実施形態の金属管搬送装置によって搬送される金属管2のサイズは、溶融金属めっき液が金属管へ流入することによる浮力の低減効果を勘案すると150A以上であることが好ましい。
本実施形態の金属管搬送装置は、1本の金属管2に対して、その長手方向に3本のスクリュー3を備えている。金属管2の姿勢を安定にするために、1本の金属管2あたり少なくとも2本のスクリュー3を必要とする。1本の金属管2に対するスクリュー3の本数は、金属めっき処理を施す金属管2の長さに応じて適宜採択することができる。例えば、1本の金属管2に対するスクリュー3の本数が2本である場合、金属管2がめっき浴Zに投入された直後において、金属管2の姿勢が不安定となる可能性が高い。このため、1本の金属管2に対してスクリューを3本以上設置するのが望ましい。
本実施形態の金属管搬送装置は、金属管2が溶融金属めっき浴Zに浸漬される際に金属管2の先端部22の長手方向の位置を保持するための管端位置決め機構6を備えている。管端位置決め機構6は、スクリュー3によって搬送される金属管2の前方端面である先端部22にその当接面が当接することにより、金属管2の前方端面を位置決めする。
管端位置決め機構6がない場合には、金属管2は、スクリュー3の回転力によって、金属管2の長手方向であって、金属管2の先端部22側であるトップ側に向かって前進する。金属管2がトップ側に向かって前進を続けると、最終的には、金属管2の先端部22がめっき槽1の側壁に衝突する。その結果、金属管2がスクリュー3によってめっき槽1の下方に搬送される間、金属管2の先端部22がめっき槽1の側壁を削り、傷つけたりしてしまうおそれがある。管端位置決め機構6は、このような問題を防止している。管端位置決め機構6としては、例えば、低炭素鋼から成る板状のスキッドプレートを採用することができる。
めっき槽1内において金属管2は、スクリュー3の回転力によって管端位置決め機構6の当接面6Aに押し当てられ、管端位置決め機構6の当接面6Aに沿って下降搬送される。このように、金属管2が管端位置決め機構6の当接面6Aに沿って下降搬送されることにより、下降搬送中に金属管2が長手方向に位置ずれすることを抑制することができる。その結果、金属管2の姿勢が安定する。
また、管端位置決め機構6が垂直方向に延びている場合、管端位置決め機構6の当接面6Aと金属管2の先端部22との当接面積が大きくなり、金属管2を下降搬送する際の摩擦抵抗が大きくなる。このため、本実施形態の金属管搬送装置が備える管端位置決め機構6は、垂直方向に対して、金属管2の長手方向トップ側に角度をもって延びるよう配置されていることが好ましい。金属管2は、溶融金属めっき浴Zを構成するめっき槽1の内部において、先端部22が後端部24より低い位置となった前下がりの姿勢となるため、管端位置決め機構6の傾斜方向は、金属管2の前方端面の傾斜方向とは逆方向であることが好ましい。
さらに、本実施形態の金属管搬送装置が備える管端位置決め機構6は、管端位置決め機構の当接面に、当接面の下部が上部に比べて窪むことによって構成された段差部14が形成されている。段差部14は、管端位置決め機構6が有する上部の一の当接面6Aと、当該当接面6Aと同一平面上にない下部の他の当接面6Aと、によって形成される。下部の他の当接面6Aは、上部の一の当接面6Aに比べて金属管2のトップ側に窪んでいる。上部の一の当接面6Aと下部の他の当接面6Aは、急な段差部を構成していてもよいし、緩やかな段差部を構成していてもよい。また、管端位置決め機構6は、複数の段差部14を備えていてもよい。具体的に管端位置決め機構6がスキッドプレートである場合には、スキッドプレートの当接面に上記の段差部14が形成されることが特に好ましい。
本実施形態の金属管搬送装置を用いて溶融金属めっき浴Zを構成するめっき槽1内へ金属管2が浸漬される際、金属管2のトップ側に位置する先端部22を構成する前方端面と管端位置決め機構6の当接面6Aが当接している。このため、めっき槽1内において、金属管2のトップ側に位置する先端部22は、管端位置決め機構6により蓋をされている状態となる。その結果、溶融金属めっき液の金属管2への流入は、主に金属管2のボトム側に位置する後端部24側からとなり、先端部22側において金属管2の内部に空気が残存するおそれがある。
溶融金属めっき浴Z中において、金属管2の内部に空気が残存していると、その空気の存在により金属管2に浮力が働く。金属管2に浮力が働くことにより、金属管2はめっき槽1の上方に持ち上げられる。一方、スクリュー3の螺旋面32は、回転軸31の回転によりめっき槽1の下方に移動する。このようにめっき槽1において、金属管2が上方に持ち上げられ、スクリュー3の螺旋面32が下方に移動することにより、金属管2とスクリュー3の螺旋面32は衝突する。その結果、金属管2の表面には、金属管2とスクリュー3の螺旋面32との衝突によるスクリュー押込み疵が発生する。
これに対し、本実施形態の金属管搬送装置では、管端位置決め機構6の当接面6Aに当接面6Aの下部が上部に比べて窪むことによって構成された段差部14を形成することで、段差部14を介して金属管2のトップ側に位置する先端部22側から金属管2の内部に溶融金属めっき液(亜鉛)を流入させることができる。金属管2の内部に存在している空気は、金属管2のトップ側に位置する先端部22側から金属管2の内部に流入された溶融金属めっき液により金属管2の外部に追い出されるため、金属管2に生じる浮力は低減する。金属管2に生じる浮力が低減することにより、金属管2は、めっき槽1のスクリュー3の螺旋面32が位置する上方に移動することがなく、スクリュー3と衝突することがない。その結果、金属管2の表面にスクリュー押込み疵が発生しない。
以上、本実施形態の金属管搬送装置によれば、管端位置決め機構6に段差部14を設けることによって、金属管2をめっき槽1内へ浸漬させる際に段差部と金属管の前方端面との隙間から金属管の内部へめっき液を流入させることで金属管の内部の空気の排出を促進して、金属管に生じる浮力を低減することができる。その結果、本実施形態の金属管搬送装置は、金属管2とスクリュー3との衝突を抑制して、金属管の表面に発生するスクリュー押込み疵を軽減することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態の金属管搬送装置は、上記実施形態において、金属管2の前方への搬送速度をx(mm/s)、金属管2の搬送方向における段差部14の奥行をb(mm)、金属管2内に溶融金属めっき浴Zのめっき液が流れ込む時間をy(s)とした場合に、b≧xyを満たすことを特徴とする。すなわち、本実施形態は、金属管搬送装置が備えている管端位置決め機構6が有している段差部14の奥行b(mm)を、金属管2の搬送速度x(mm/s)と金属管2に溶融金属めっき浴Zのめっき液が流れ込む時間y(s)との積に基づき決定することを特徴とする。つまり、本実施形態の金属管搬送装置の段差部14の奥行b(mm)は、金属管2の内部に存在している空気の排出を促進させ、金属管2に発生する浮力をさらに低減させることにより、金属管2とスクリュー3との衝突を抑制できるように設定されている。
図4は、本発明の一実施形態を示す金属管搬送装置の金属管2の先端部22近傍に設置された管端位置決め機構6の拡大図である。図4に示されるように段差部14は、管端位置決め機構6が有する一の当接面6Aと、当該当接面6Aと同一平面上にない他の当接面6によって形成される。段差部14の奥行b(mm)は、金属管2の搬送速度x(mm/s)と金属管2に溶融金属めっき浴Zのめっき液が流れ込む時間y(s)との積に基づいて設定される。
金属管2の前方への搬送速度x(mm/s)は、スクリュー3の回転軸31の回転数により決定される。金属管2の内部に溶融金属めっき浴Zのめっき液が流れ込む時間y(s)は、前方端面から金属管2の内部に流入しためっき液が金属管2の内部全体に充填されるまでの時間として決定される。
金属管2が前方への所定の搬送速度x(mm/s)で管端位置決め機構6の一の当接面6Aから当該当接面6Aより金属管2のトップ側に存在する他の当接面6Aに接触するまでの時間にめっき槽1内を金属管2のトップ側に前進すると、金属管2への溶融金属めっき浴Zのめっき液の流入が促進される。その結果、金属管2の内部に存在している空気は、金属管2から排出され、金属管2に発生する浮力は低減する。金属管2に生じる浮力が低減することにより、金属管2がめっき槽1の上部に移動することがなく、スクリュー3と衝突することがない。その結果、金属管2の表面に発生するスクリュー押込み疵が発生しない。
段差部14の奥行b(mm)が金属管2の搬送速度x(mm/s)と金属管2に溶融金属めっき浴Zのめっき液が流れ込む時間y(s)との関係において、b≧xyを満たす場合には、前方端面から流入する溶融金属めっき浴Zのめっき液によって金属管2の内部を満たすことができ、金属管2に発生する浮力を十分に低減させることができる。
このように、本実施形態の金属管搬送装置は、管端位置決め機構6に段差部14を設け、段差部14の奥行b(mm)が金属管2の搬送速度x(mm/s)と金属管2に溶融金属めっき浴Zのめっき液が流れ込む時間y(s)との関係において、b≧xyを満たすように設定することによって、金属管2をめっき槽1内へ浸漬させる際に金属管2への溶融金属めっき浴Zのめっき液の流入をより促進し、金属管2に発生する浮力をより低減することができる。このため、本実施形態の金属管搬送装置は、金属管2とスクリュー3との衝突を回避することにより、金属管2の表面に発生するスクリュー押込み疵をより抑制することができる。
以上、本実施形態の金属管搬送装置によれば、金属管に生じる浮力を低減し、金属管表面に発生するスクリュー押込み疵を軽減することができる。これにより、めっき金属管の歩留まりを改善することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態の金属管搬送装置は、上記実施形態において、段差部と溶融金属めっき浴の表面との距離が100mm以下であることを特徴とする。すなわち、図4に示されるように、本実施形態の金属管搬送装置は、管端位置決め機構6の段差部14の開始位置を溶融金属めっき浴Zの表面9から100mm下方に設置している。なお、連結部材12は、めっき槽1の上部と管端位置決め機構6とを連結しており、溶融金属めっき浴Zの表面9より上部に設けられている。
管端位置決め機構6の段差部14の開始位置は、溶融金属めっき浴Zの表面から10mm以上100mm以下低い範囲が好適である。段差部14の開始位置が溶融金属めっき浴Zの表面9から10mm未満に位置する場合、段差部14の開始位置が溶融金属めっき浴Zの表面9から10mm以上低い場合と比較して、金属管2の先端部22において溶融金属めっき浴Zのめっき液が十分に流入せず、金属管2の内部に空気が残存するおそれがある。
一方、段差部14の開始位置が溶融金属めっき浴Zの表面9からの高さが100mm超えの場合には、段差部14の開始位置が溶融金属めっき浴Zの表面9から100mm以下低い場合と比較して、金属管2の先端部22が段差部14に達するまでに金属管2の後端部24から溶融金属めっき浴Zのめっき液が流入し始め、金属管2の先端部22に空気が残存するおそれがある。
このように本実施形態の金属管搬送装置は、管端位置決め機構の段差部と溶融金属めっき浴の表面との距離を100mm以下に設定し、段差部の高さ方向の設置範囲を好適範囲内とすることで金属管の先端部の溶融金属めっき浴のめっき液(亜鉛)の流入を安定化させ、金属管に生じる浮力を低減することができる。
以上、本実施形態の金属管搬送装置によれば、金属管に生じる浮力を低減し、金属管表面に発生するスクリュー押込み疵を抑制することができる。これにより、めっき金属管の歩留まりを改善することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態は、上記実施形態の金属管搬送装置を用いためっき金属管の製造方法である。すなわち、本実施形態のめっき金属管の製造方法は、上記実施形態の金属管搬送装置を用いることによって、金属管の先端部への溶融金属めっき液(亜鉛)の流入を安定化させ、金属管に生じる浮力を低減し、金属管表面に発生するスクリュー押込み疵を低減させためっき金属管の製造方法である。
本実施形態のめっき金属管の製造方法は、上記実施形態の金属管搬送装置の管端位置決め機構6によって金属管2の前方端面の位置決めをする。この位置決め機構6の段差部14と金属管2の前方端面との隙間から金属管2の内部に溶融金属めっき浴Zのめっき液を流れ込ませながら、金属管2を溶融金属めっき浴Z中に浸漬させる。そして、金属管2は、溶融金属により金属めっきが施されることにより、めっき金属管となる。本実施形態のめっき金属管の製造方法に用いられる金属管搬送装置は、金属管に生じる浮力を低減し、金属管表面に発生するスクリュー押込み疵を抑制することができる。このため、本実施形態のめっき金属管の製造方法によれば、スクリュー押込み疵が抑制されためっき金属管を製造することができる。
以上、本実施形態のめっき金属管の製造方法によれば、金属管に生じる浮力を低減し、金属管表面に発生するスクリュー押込み疵を抑制しためっき金属管を製造することができる。これにより、めっき金属管の歩留まりを改善することができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステム、または装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。
図1に示す製造フローにて鋼管の亜鉛めっきを行った。めっき槽内の各装置配置については、図2および図3に示す配置で設置した。ここで、めっき槽は、内法で長さ7m×幅2m×深さ5mのものを用い、鋼管の長さは5mであった。なお、鋼管径150Aの場合のスクリュー回転速度は、約3.5rpmであり、鋼管のめっき浴への浸漬時間は2~3分に設定した。
金属管搬送装置が備えているスキッドプレートの段差部の有無、段差部の奥行(b)、段差部とめっき浴液面との距離(a)を変えて、鋼管の亜鉛めっきを行い、めっき金属管を製造した。具体的にCASE1(比較例)は、当接面に段差部を設けていないスキッドプレートを備えた金属管搬送装置を採用した。CASE2(発明例)は、当接面に段差部を設け、段差部の奥行をb(mm)、金属管の前方への搬送速度をx(mm/s)、金属管内に溶融金属めっき浴のめっき液が流れ込む時間をy(s)とした場合に、b≧xyを満たすスキッドプレートを備えた金属管搬送装置を採用した。CASE3(発明例)は、当接面に段差部を設け、上記b≧xyを満たさないスキッドプレートを採用した。なお、スキッドプレートの段差部とめっき浴液面との距離は、100mm以下に設定した。
本発明の金属管搬送装置を用いて製造されためっき金属管である亜鉛めっき鋼について、スクリュー押込み疵の有無、スクリュー押込み疵(疵長さ×疵深さ)を測定した。図5に本発明の一実施形態を示す金属管搬送装置である溶融亜鉛めっき装置を用いて製造しためっき鋼管の表面の写真を示す。図5(a)は、CASE1(比較例)において製造されためっき鋼管の表面を撮影した写真(スクリュー押込み疵有り)であり、図5(b)は、CASE2(発明例)において製造されためっき鋼管の表面を撮影した写真(スクリュー押込み疵無し)である。
図5からも明らかなように、CASE1の場合、スキッドプレートに段差部が設けられていないため、金属管の前方端面から金属管の内部へのめっき液の流入が十分ではなく、金属管の内部に空気が残存した。この結果、金属管の表面に0.01mmのスクリュー押込み疵が生じた。CASE2の場合、段差部と金属管の前方端面との隙間から流入するめっき液によって金属管2の内部を満たすことができた。この結果、金属管の表面にはスクリュー押込み疵が生じなかった。また、CASE3の場合、段差部と金属管の前方端面との隙間から金属管の内部にめっき液が流入したが、流入が完了する前に金属管の前方端面がスキッドプレートの他の当接面に当接し、金属管の内部に空気がわずかに残存した。この結果、金属管の表面に0.01mm未満のスクリュー押込み疵が生じた。
上述したように、金属管搬送装置が備えている管端位置決め機構の当接面に当接面の下部が上部に比べて窪むことによって構成された段差部を設けることにより、金属管に生じる浮力を低減することが可能となり、金属管表面に発生するスクリュー押込み疵を軽減することができることが明らかとなった。このように、本発明によれば、金属管表面に発生するスクリュー押込み疵が軽減されためっき金属管を安定的に製造することができ、これにより、めっき金属管の歩留まりの改善を図ることができる。
本発明の金属管搬送装置およびめっき金属管の製造方法は、金属管表面に発生するスクリュー押込み疵が軽減されためっき金属管を安定的に製造することができ、これにより、めっき金属管の歩留まりの改善を図ることができるので、産業上有用である。
1 めっき槽
2 金属管(鋼管)
22 先端部
24 後端部
3 スクリュー
31 回転軸
32 螺旋面
4 クレードル
5 引揚げ装置
6 管端位置決め機構(スキッドプレート)
6A 管端位置決め機構の当接面
7 サイドガイド
8 払出し装置(キッカー)
9 溶融金属めっき浴の表面
12 連結部材
14 段差部
Z 溶融金属めっき浴(めっき浴)

Claims (4)

  1. 溶融金属めっき浴を構成するめっき槽内において、金属管を下方前方へ搬送するスクリューと、
    前記めっき槽内において、前記スクリューによって搬送される前記金属管の前方端面に当接面が当接することにより、前記金属管の当該前方端面を位置決めする管端位置決め機構と、を有し、
    前記管端位置決め機構の前記当接面には、前記当接面の下部が上部に比べて窪むことによって構成された段差部が形成されている、金属管搬送装置。
  2. 前記金属管の前方への搬送速度をx(mm/s)、前記金属管の搬送方向における前記段差部の奥行をb(mm)、前記金属管内に前記溶融金属めっき浴のめっき液が流れ込む時間をy(s)とした場合に、b≧xyを満たす、請求項1に記載の金属管搬送装置。
  3. 前記段差部と前記溶融金属めっき浴の表面との距離が100mm以下である、請求項1又は2に記載の金属管搬送装置。
  4. 請求項1~3いずれか1項に記載の金属管搬送装置を用い、前記管端位置決め機構によって前記金属管の前方端面を位置決めしつつ、前記段差部と前記金属管の前方端面との隙間から前記金属管内に前記溶融金属めっき浴のめっき液を流れ込ませながら溶融金属めっき浴中に浸漬させることによって、前記金属管を金属めっきする、めっき金属管の製造方法。
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