JP7088141B2 - 金属めっき鋼管の製造方法および鋼管の溶融金属めっき装置 - Google Patents

金属めっき鋼管の製造方法および鋼管の溶融金属めっき装置 Download PDF

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Description

本発明は、水、ガス、油等の配管用途に適用される金属めっき鋼管の製造方法および装置に係り、より詳しくは鋼管を溶融金属めっき浴中に浸漬し引揚げて鋼管の内外面に金属めっきを施す方法および装置に関する。
金属めっき鋼管、例えば亜鉛めっき鋼管は、前処理(脱脂、酸洗および化成処理)を施された鋼管を溶融亜鉛めっき浴に一定時間浸漬して製造する。その後、該めっき浴から引揚げた鋼管の内外面に空気または蒸気を吹き付けて、鋼管に過剰に付着した溶融亜鉛を吹き飛ばし、溶融亜鉛のたれを切った後、該鋼管は水冷槽に浸漬され冷却処理が施される。従来から溶融亜鉛めっき浴内から引揚げられた鋼管の内外面の余剰亜鉛を除去する方法については品質を確保しつつ効率的な方法が数多く提案されている。
例えば、特許文献1には、引揚げ中の鋼管が外面ブロー装置内を通過する間に、該鋼管内にマンドレル棒を貫通させ、噴射ノズルから圧縮ガスを噴射して鋼管内面の余剰亜鉛を鋼管外に吹き出す方法で、めっき厚さを均一にすることができる技術が開示されている。
また、特許文献2に開示の技術では、製造コスト低減の観点から、鋼管を溶融亜鉛浴中に浸漬した後、溶融亜鉛浴中から鋼管を長手方向に引揚げる過程で圧縮ガスにより鋼管外面の余剰亜鉛を除去し、続いて圧縮ガスにより鋼管内面の余剰亜鉛を除去する方法において、溶融亜鉛浴を低温に設定し、該溶融亜鉛浴中から鋼管を長手方向に引揚げる過程で圧縮ガスにより鋼管外面の余剰亜鉛を除去した後、当該鋼管を前記溶融亜鉛浴温度より高温に加熱し、圧縮ガスにより鋼管内面余剰亜鉛を除去する方法が提案されている。
更に、生産性向上の観点から特許文献3には、鋼管を100~600℃に予熱した後、430~480℃の溶融金属めっき浴中に20~100秒浸漬してめっきを施し、次いで、溶融亜鉛めっき浴中のめっき鋼管を引揚げ、めっき鋼管の外面めっき付着量を制御する方法が開示されている。鋼管を予熱することでめっき槽内の浴温維持に必要な熱量を低減できるとしている。
特開2011- 63844号公報 特開平 5-140722号公報 特開平11-246959号公報
しかしながら、上記従来の技術には、未だ解決すべき以下のような問題があった。上記従来技術には、亜鉛めっき鋼管の製造方法として、品質面、生産性に関する様々な技術が開示されているが、鋼管を金属めっき浴に浸漬する際の生産性に関して重要な課題となる操業安定性の詳細については開示されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鋼管を金属めっき浴に浸漬する際に金属めっき鋼管を安定して製造する方法を提案し、その方法に適した鋼管の溶融金属めっき装置を提供することにある。
発明者らは、上記に記した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、金属めっき鋼管の操業安定方法およびその方法に適した装置を見出した。上記課題を解決し、上記の目的を実現するため開発した本発明は、下記の要旨構成に示すとおりである。即ち、本発明は、第一に、鋼管を溶融金属めっき浴に一定時間浸漬し、その後該めっき浴から引揚げて、金属めっき鋼管を製造する方法において、回転軸に螺旋面を有するスクリューを用いて前記鋼管を溶融金属めっき浴内に下降搬送し浸漬させ、前記螺旋面終端部を通過した鋼管をクレードル上に保持するとともに、前記回転軸の螺旋面終端部に設置した払出し装置の回転動作により前記クレードル上の前記鋼管を引揚げ位置へ払い出し、該引き揚げ装置により前記鋼管をめっき浴から引き上げるに際し、払出し装置によって払い出された鋼管が所定位置に到達する以降であって、かつ、前記鋼管から離れていく払出し装置の回転によるめっき浴の流動に伴い前記鋼管の位置が不安定になる以前に前記引揚げ装置を上昇させることを特徴とする金属めっき鋼管の製造方法を提案する。
なお、本発明に係る金属めっき鋼管の製造方法については、
a.前記払出し装置の回転角度θが、-45°超え70°未満の範囲にあるときに前記引き揚げ装置を上昇させ、ここで、θは前記払出し装置と鋼管長手方向とが直交する場合に0°とし、回転進行方向を正とすること、
b.前記払出し装置の上端とクレードル上の前記鋼管の下端との高さの差h(m)の、前記鋼管直径D(m)に対する比h/Dを0.4より大きくすること、
c.前記溶融金属めっき浴が、溶融亜鉛、溶融アルミニウム、溶融亜鉛系合金、溶融アルミニウム系合金および溶融亜鉛-アルミニウム系合金から選ばれる1種からなること、
d.溶融金属めっきを施される前記鋼管が溶接鋼管または鍛接鋼管であること、
がより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
また、本発明は、第二に、溶融金属めっき浴を構成するめっき槽と、該溶融金属めっき浴中に鋼管を下降搬送し浸漬させる、回転軸に螺旋面を有するスクリューと、該スクリューの螺旋面終端部を通過した前記鋼管を一旦受け止めるためのクレードルと、前記回転軸の螺旋面終端部に設けられた前記鋼管の払出し装置と、該払出し装置によって払い出された前記クレードル上の前記鋼管を引揚げるための引揚げ装置とからなり、前記払出し装置の回転角度に同期して、引揚げ装置の上昇を制御する機構を有することを特徴とする鋼管の溶融金属めっき装置を提供する。
なお、本発明に係る鋼管の溶融金属めっき装置については、
e.前記クレードルは、傾斜部、一時待機部、山部および位置決め部を前記スクリューの回転軸から引揚げ装置に向かって配置してなり、
前記払出装置の上端は、前記クレードルの前記山部頂点より上にあり、その高さの差h(m)は、払い出す前記鋼管の直径D(m)との比、h/Dを0.4より大きくするように配置してなること、
がより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、めっき槽内に鋼管を浸漬させる装置としてスクリューを用いるとともに、めっき鋼管の引揚げタイミングの適正化および払出し装置形状の適正化によりめっき槽内でのめっき鋼管の引上げ不良を回避することが可能となり、操業安定化を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態を示す製造フロー図である。 本発明の一実施形態を示す鋼管の溶融金属めっき装置の上面図である。 上記実施形態を示す鋼管の溶融金属めっき装置のA-A’視側面図である。 上記実施形態を示す鋼管の溶融金属めっき装置のB-B’視底面図であって、鋼管が螺旋面に載荷されている状態の拡大図、および、(b)鋼管が引揚げ装置の位置に払い出された後のスクリュー近傍の拡大図である。 上記実施形態に係る払出し装置の回転角度θと引揚げ不良発生率の関係を示すグラフである。 上記実施形態に係る引揚げ装置近傍のC-C’視拡大正面図である。 上記実施形態に係る引揚げ装置上端と鋼管下端との高さの差hの、鋼管直径Dに対する比h/Dが引揚げ不良発生率に与える影響を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。本発明はこれに限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本発明における処理工程の概要の一例として、溶融亜鉛めっき鋼管の製造フローを図1に示す。鋼管は、前処理工程にて脱脂、酸洗、化成処理を施されたのち、乾燥して溶融亜鉛めっき装置のめっき槽内亜鉛めっき浴に一定時間浸漬される。次いで、鋼管は該めっき浴から引揚げられるが、引揚げられた際に鋼管の内外面に空気または蒸気が吹き付けられ、過剰に付着した溶融亜鉛を除去してめっき付着量の調整が行われる。その後、鋼管は冷却槽にて冷却処理が施される。最後に亜鉛めっき鋼管は出荷前検査されることになる。ここでは、一例として、亜鉛めっき鋼管を示したが、溶融金属めっきとして、溶融亜鉛や溶融アルミニウム、溶融亜鉛系合金として5%アルミ-亜鉛めっきなど、溶融アルミニウム系合金として55%アルミ-亜鉛めっきなど、溶融亜鉛-アルミニウム系合金が例示される、なお、溶融金属中にマグネシウムやシリコン、鉄などのほか不可避不純物を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態を示す鋼管の溶融金属めっき装置の上面図およびA-A’視側面図をそれぞれ図2および3に示す。また、図4に図2および図3に示す溶融金属めっき装置のB-B’視底面図であって、(a)鋼管2をスクリューの螺旋面に載荷している状態の拡大図、および、(b)鋼管2を引揚げ装置5の位置に払い出した後のスクリュー近傍の拡大図で示す。また、図6に引揚げ装置近傍の図4(b)のC-C’視拡大正面図を示す。図2~4および図6に基づいて、本発明の方法を説明する。前処理後の鋼管2は、めっき槽1のボトム側からトップ側に搬送され、回転軸31に螺旋面32を有するスクリュー3の螺旋面32に載架される。図2では、溶融金属めっき装置は鋼管2を同時に2本ずつめっき槽1内に水平・下降搬送できる装置の例を示している。鋼管2はセンターガイド6とサイドガイド9によりスクリュー3の螺旋面32から外れないように支持されている。
鋼管2は同期して回転している複数のスクリュー3の回転によって、めっき槽1下部に下降搬送され、めっき槽1内の溶融金属めっき浴Zに浸漬されて溶融金属めっき処理が施される。下降搬送の際に鋼管2は、図3に示すように、トップ側(先端)が低く、ボトム側(尾端)が高く傾斜してスクリュー3に保持されて、めっき浴Zに浸漬中、鋼管2内の空気を排気することができる。図3では鋼管2の先端側が先にめっき浴に浸漬する例を示しているが、尾端側が先にめっき浴に浸漬しても差し支えない。鋼管2はスクリュー3の回転によって下降するだけでなく、払出し位置を固定するために、スキッドプレート8により、めっき槽内での浸漬位置を固定されている。
スクリュー3の回転によりめっき槽1内の下部にまで下降搬送された鋼管2は、螺旋面終端部11、12に到達後、クレードル4に着地する。その後、鋼管2は、スクリュー3の回転軸31に設置してある払出し装置10により、引揚げ装置5の方向(図2の払出し方向)に順次払い出される。払出装置10が回転軸31の周りに回転することで鋼管2を引揚げ装置5側に押し出す。本発明のように、スクリュー3の回転軸31の螺旋面終端部11、12に、鋼管2を引揚げ装置5へ払い出す払出し装置10を設置することで鋼管2のめっき浴Z内への浸漬と払出しを1つの装置で行うことが可能となりメンテナンス性の面でも優位であり、好ましい。
払い出された鋼管2は、複数の引揚げ装置5の支持部51に載った後、支持部51が上昇することでめっき浴Zから引揚げられる。引揚げの際は、複数の引揚げ装置5の支持部51に載荷されて、鋼管2は傾斜しており、鋼管内の溶融金属の排出が容易になっている。
図2および3に示す溶融金属めっき装置において、スクリュー3の本数は鋼管1本に対して、水平搬送方向(鋼管の長手方向)に3本設置されている。鋼管2の姿勢の安定のためには、少なくとも2本のスクリュー3が必要であるが、2本の場合、めっき浴Z投入直後の、下降搬送する鋼管2の姿勢が不安定となる可能性が高いこと、および、鋼管2が撓んで鋼管内空気の十分な排気ができないおそれがあるため、3本以上設置するのが望ましい。
発明者らは、溶融金属めっき装置内スクリュー3の螺旋面下端11、12に設置した払出し装置10を回転させて、クレードル上の鋼管2を引揚げ装置5側へ払い出す際に、引揚げ装置5の引揚げ開始時期について払出し装置10の回転角度の鋼管の引揚げ不良への影響を調査した。
払出しの際の払出し装置10の回転角度θは図4(b)に示すように鋼管2が払出し装置10から引揚げ装置側へ払い出される際に、鋼管の長手方向と直交する角度をθ=0°とし、引揚げ装置の回転進行方向13を正と定義した。図5に一例として、鋼管径50Aにおける払出し装置10の回転角度θとめっき鋼管の引揚げ不良発生率の関係を示す。引揚げ不良発生率は、鋼管の亜鉛めっき処理を施した際に亜鉛めっき装置から引き揚げられた鋼管について、めっき槽内で発生した曲がり、キズ、引揚げトラブルなどの発生本数についてカウントし、総処理本数に対する割合で算出した。引揚げ開始タイミングが払出し装置10の回転角度θで-45°以下の場合には、鋼管2の払い出し量が不十分のため引揚げ装置の支持部51にうまく載荷されない状態が頻発してしまい引揚げ不良発生率が非常に高くなってしまう。一方、引揚げ開始タイミングが払出し装置10の回転角度θで70°超えの場合、払出し装置10が引揚げ装置から離れていく回転によって、めっき浴に流動が発生し、引揚げ装置側へ払い出された鋼管が、引揚げ開始までの間にスクリュー側に移動してしまったり、または鋼管のみかけ比重が低い場合には引揚げ中に支持部51から外れてしまったりする現象がある確率で発生してしまうため、引揚げ不良発生率が高くなってしまう。図5から、払出し装置10の回転角度θが、-45°超え70°未満の範囲にあるときに、引揚げ装置を上昇開始させることが好ましいことがわかる。ここで、なお、より不良率を低減させるためには、払出し装置10の回転角度θを-20°超え25°未満の範囲とすることが望ましい。
以上の結果から、引揚げ装置5の引揚げ開始時期は、払出し装置10によって払い出された鋼管2が所定位置に到達する以降であって、かつ、前記鋼管2から離れていく払出し装置10の回転によるめっき浴の流動に伴い前記鋼管の位置が不安定になる以前である必要がある。「鋼管が所定位置に到達」とは、鋼管2が引揚げ可能な状態になったことを意味する。図6に示すような、クレードルの形状が、スクリュー直下から引揚げ装置側に向かう傾斜部41、鋼管の一時待機部42、山部43および引揚げ装置5の支持部51に一致する位置決め部44からなる場合には、払い出された鋼管2が少なくとも山部43の頂点を通過した後に、引揚げ装置の上昇を開始する必要がある。そうしないと、引揚げ装置の引揚げ時に、支持部51上には、鋼管が載らないおそれがある。また、「鋼管の位置が不安定になる」とは、一旦、クレードル上の引揚げ位置に払い出された鋼管が、例えば、鋼管から離れていく払出し装置10の運動によって引き起こされるめっき浴内の流動により、引揚げ位置から移動してしまい、引揚げ装置の引揚げ開始時に支持部51に載荷されない場合や、支持部51に載荷された鋼管が上昇中に揺動して、支持部51から外れてしまうような場合が挙げられる。
次に、発明者らは、払出し装置10の配置・形状影響について確認した。図6に示すように、払出し装置10の高さ方向上端部からクレードル4上の鋼管2下端部までの高さの差をhとし、鋼管2の直径をDとして、鋼管2がクレードル4上で最も高い位置(頂部43)にある場合のh/Dと引揚げ不良発生率の関係を確認した。図7に一例として、鋼管径50Aにおけるh/Dと引揚げ不良発生率の関係を示す。図7から明らかなように、h/Dが0.4以下の場合には引揚げ不良発生率が悪化している。この理由として、払出し装置10が鋼管の正しい位置に接触せず、鋼管が引揚げ装置側へ押し出されなかったためと推定される。以上の結果から、h/D>0.4とする必要がある。なお、h/Dの上限は特に定めないが、払出し装置10の側面が鋼管に接触すれば十分であり、あまりに大きくh/Dをとると、払出し装置10が大きくなりすぎるので、1.0程度で十分である。
本発明の好適な実施形態にかかる装置の構成は、溶融金属めっき浴Zを構成するめっき槽1と、該溶融金属めっき浴Z中に鋼管2を下降搬送し、浸漬させるために、回転軸31に螺旋面32を有するスクリュー3と、該スクリュー3の螺旋面終端部11、12を通過した前記鋼管2を一旦受け止めるためのクレードル4と、前記回転軸31の螺旋面終端部に設けられた前記鋼管2の払出し装置10と、該払出し装置10によって払い出された前記クレードル4上の前記鋼管2を引揚げるための引揚げ装置5とからなり、前記払出し装置10の回転角度θに同期して、引揚げ装置5の上昇を制御する機構を有する溶融金属めっき装置である。
引揚げ装置の上昇を制御する装置は、払出し装置10の回転角度θAが所定の範囲にあるときに鋼管の引き上げを開始するように設定されていることが好ましい。なお、払出し装置10の回転角度θAが、-45°超え70°未満の範囲にあるときに前記引揚げ装置を上昇開始させることがより好ましく、払出し装置10の回転角度θAを-20°超え25°未満の範囲とすることがさらに好ましい。理由は、上述に基づく。
また、スクリューの螺旋面終端部を通過した前記鋼管を一旦受け止めるクレードルには、図6に示すように鋼管が転がって移動する傾斜部41、該鋼管の一時待機部42、山部43および該鋼管を引揚げるための位置決め部44を有し、この順にスクリュー3直下から引揚げ装置5の位置まで配置されていることが好ましい。そして、払出装置10の上端は、前記クレードル4の前記山部43頂点より上にあり、その高さの差h(m)は、払い出す前記鋼管2の直径D(m)との比、h/Dを0.4より大きくするように配置していることが好ましい。理由は上述に基づく。
図2や3では、一例として金属めっき装置内に設置したスクリューの配置を2列の場合について記載しているが、鋼管のサイズによっては1列の場合や2列以上設置することも可能であり、スクリューの配置列数については特に限定しない。
なお、本発明の方法は、素管として、鍛接鋼管や溶接鋼管に好適に適用できる。鍛接鋼管とは、鋼帯素材、例えば熱延鋼帯全体を加熱後、熱間で成形し、シーム部は鍛接によって接合してパイプに成形した鋼管をいう。溶接鋼管とは、いわゆる、電縫鋼管であり、鋼帯素材、例えば熱延鋼帯を成形機で管状に成形し,高周波溶接機でシームの高速溶接を行うものである。
(製造例1)
図1に示す製造フローにて鋼管の溶融亜鉛めっきを行った。めっき槽内の各装置配置については、図2および図3に示す配置で設置した。ここで、めっき槽は、内法で長さ7m×幅2m×深さ5mのものを用い、鋼管の長さは5mであった。鋼管径50Aの場合のスクリュー回転速度は、約9rpmであり、鋼管のめっき浴への浸漬時間は2~3分であった。
表1に鋼管の引揚げ開始時点での払出し装置の回転角度θを変更して亜鉛めっき処理を実施した場合の引揚げ不良発生率の結果を示す。ここで、鋼管径Dは30A~200Aの範囲とし、引揚げ装置の上端とクレードル山部頂点との高さの差hと鋼管径Dとの比h/Dは0.2~0.9の範囲とした。引揚げ不良発生率は、鋼管の亜鉛めっき処理を施した際に亜鉛めっき装置から引き揚げられた鋼管について、めっき槽内で発生した曲がり、キズ、引揚げトラブルなどの発生本数についてカウントし、総処理本数に対する割合で算出した。
Figure 0007088141000001
表1に示すように本発明例の処理を行うことにより、鋼管の溶融亜鉛めっき処理における引揚げ不良の発生を大幅に軽減することが明らかとなり、生産性が向上した。
(製造例2)
製造例1と同様の装置を用い、引揚げ装置の配置・形状の影響を調査するため、各種h/Dの条件で溶融亜鉛めっきを行った。ここで、鋼管径Dは30A~200Aの範囲とし、鋼管の引揚げ開始時点の払出し装置の回転角度θは-70°~80°の範囲とした。表2に、引揚げ装置の上端とクレードル山部頂点との高さの差hと鋼管径Dとの比h/Dと、引揚げ不良発生率の結果を示す。引揚げ不良発生率は、製造例1と同様に調査した。
Figure 0007088141000002
表2に示すように本発明例の処理を行うことにより、鋼管の溶融亜鉛めっき処理における引揚げ不良の発生を大幅に軽減することが明らかとなり、生産性が向上した。
本発明は、鋼管だけでなく、他の金属管などにも適用可能である。また、溶融亜鉛めっきに限らず、各種溶融金属めっきに適用して好適である。
1 めっき槽
2 鋼管
3 スクリュー
31 回転軸
32 螺旋面
4 クレードル
41 傾斜部
42 鋼管の一時待機部
43 山部
44 鋼管の位置決め部
5 引揚げ装置
51 引揚げ装置の支持部
6 センターガイド
7 ストッパー
8 スキッドプレート
9 サイドガイド
10 払出し装置
11 螺旋面終端部1
12 螺旋面終端部2
13 スクリュー回転方向1
14 スクリュー回転方向2
Z 溶融金属めっき浴

Claims (5)

  1. 鋼管を溶融金属めっき浴に浸漬し、その後該めっき浴から引揚げて、金属めっき鋼管を製造する方法において、回転軸に螺旋面を有するスクリューを用いて前記鋼管を溶融金属めっき浴内に下降搬送し浸漬させ、前記螺旋面終端部を通過した鋼管をクレードル上に保持するとともに、前記回転軸の螺旋面終端部に設置した払出し装置の回転動作により前記クレードル上の前記鋼管を引揚げ位置へ払い出し、該引揚げ装置により前記鋼管をめっき浴から引き上げるに際し、
    前記クレードルの傾斜部、一時待機部、山部および位置決め部を前記スクリューの回転軸から前記引揚げ装置に向かって順に配置し、
    前記払出装置の上端を前記クレードルの前記山部頂点より上にし、その高さの差h(m)と払い出す前記鋼管の直径D(m)との比、h/Dを0.4より大きくし、
    払出し装置によって払い出された鋼管が所定位置に到達する以降であって、かつ、前記鋼管から離れていく払出し装置の回転によるめっき浴の流動に伴い前記鋼管が引き揚げ位置から移動する、または、前記鋼管が前記引揚げ装置の支持部から外れる前に前記引揚げ装置を上昇させることを特徴とする金属めっき鋼管の製造方法。
  2. 前記払出し装置の回転角度θが、-45°超え70°未満の範囲にあるときに前記引揚げ装置を上昇させ、ここで、θは前記払出し装置と鋼管長手方向とが直交する場合に0°とし、回転進行方向を正とすることを特徴とする請求項1に記載の金属めっき鋼管の製造方法。
  3. 前記溶融金属めっき浴が、溶融亜鉛、溶融アルミニウム、溶融亜鉛系合金、溶融アルミニウム系合金および溶融亜鉛-アルミニウム系合金から選ばれる1種からなることを特徴とする請求項1または2に記載の金属めっき鋼管の製造方法。
  4. 溶融金属めっきを施される前記鋼管が溶接鋼管または鍛接鋼管であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の亜鉛めっき鋼管の製造方法。
  5. 溶融金属めっき浴を構成するめっき槽と、
    該溶融金属めっき浴中に鋼管を下降搬送し浸漬させる、回転軸に螺旋面を有するスクリューと、
    該スクリューの螺旋面終端部を通過した前記鋼管を一旦受け止めるためのクレードルと、
    前記回転軸の螺旋面終端部に設けられた前記鋼管の払出し装置と、
    該払出し装置によって払い出された前記クレードル上の前記鋼管を引揚げるための引揚げ装置とからなり、
    前記クレードルは、傾斜部、一時待機部、山部および位置決め部を前記スクリューの回転軸から前記引揚げ装置に向かって順に配置してなり、
    前記払出装置の上端は、前記クレードルの前記山部頂点より上にあり、その高さの差h(m)は、払い出す前記鋼管の直径D(m)との比、h/Dを0.4より大きくするように配置してなり、
    前記払出し装置の回転角度に同期して、引揚げ装置の上昇を制御する機構を有することを特徴とする鋼管の溶融金属めっき装置。
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