JP2023055409A - プラスチック製カードおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カードに高級感を与える金属的質感としての視覚的な質感と触覚的な重量感の両方を兼ね備えながら、JIS X 6301 2005 8.1の規格を満たす柔軟性を備えることによって、従来のプラスチックカードを積層して収納し、積層したカードの下側から取り出す方式のカードストッカーからカードを取り出すことができるプラスチック製カードを提供する。【解決手段】プラスチック製カードにおいて、前記カードの内部に金属粉末を充填した弾性シートが配置されており、前記金属粉末を充填した弾性シートの端部が前記カードの端部より所定の長さ以上前記カードの内側に位置するように前記金属粉末を充填した弾性シートが配置されていることを特徴とするプラスチック製カード。【選択図】図1

Description

本発明はクレジットカード、デビットカード、キャッシュカード、会員証などに使用される、プラスチック製カード(プラスチックをカード構成材料とし磁気記録機能、接触式通信機能、非接触式通信機能を有するものを含む)に関する。
カード利用者の所有意欲を向上させることにより入会者を増やしたり、上顧客向けの専用カードを用意することにより上顧客をつなぎとめたりすることなどを目的として、カード発行会社間では競合他社とのカードの差別化が重要となっている。そのような差別化の1つとして、意匠性の優れたカードの需要がある。
その中でも、ゴールドカードやプラチナカードのように金属の質感を持ったカードやカード全体を金属で構成したカード、またブラックカードのように重厚感を持たせた意匠のカードの需要が高まっており、カードに金属的質感を与えるため、様々なカードが提案されている。
特に重量を増加させる技術として、カード基材の組成として、高比重の金属を微粒子またはウィスカー状に配合し、カードを形成する表層を2色成形法、あるいは1次・2次の工程別成形で形成する技術が開示されている。具体的には、カード基材の組成として、比重が4以上であり、比抵抗が4×10-8Ω・m以上の重金属を含む。このようにカード基材の組成に重金属を配合することにより、カードに重量感を持たせ、その質感や重量感によりカードの高級感を高めている(下記特許文献1)。
またカードを形成する際に、金属蒸着層や金属箔などをカード表層から認知できるように配置する技術が開示されている。これにより視覚的に金属の質感を持ったカードを形成している(下記特許文献2)。
しかしながら下記特許文献1の技術のように、カードを形成する際にカード基材の組成に重金属を配合する場合、形成されたカードの重量感は金属同様になったとしても、カードの質感は金属同様ではないため高級感に欠ける。また、カードを形成する表層を2色成形法、あるいは1次・2次の工程別成形で形成しており、さらにカード基材の組成に金属を配合するという構成を用いているため、多面付けのシート形状で複数のシートを積層して製造する通常のカード製造工程では製造できない。そのため、製造コストが高くなるという課題があった。
また下記特許文献2の技術のように、金属蒸着層や金属箔などをカード表層から認知できるように配置したカードの場合、通常のプラスチックカードの製造工程で製造できるため、製造コストを抑えることはできるものの、カードの視覚的質感は金属の質感であったとしても、カードの重量感がないことから、高級感に欠けるという課題があった。
以上の問題を解決するため、高い金属部材、具体的には金属板を内蔵して、カードの重量を増しながら、通常のプラスチックカードの製造工程で製造できる技術が開示されている(下記特許文献3、4)。
しかしながら、特許文献3または4の技術では、カードが金属部材を内蔵することから、カードの静的曲げ強さ、具体的にはJIS X 6301 2005 8.1の規格を満たすことが困難でありカードが曲がりにくいため、従来のプラスチックカードを積層して収納し、積層したカードの下側から取り出す方式のカードストッカーからカードを取り出すことができないという課題があった。
特許第4564136号公報 特許第5708109号公報 特許第6777836号公報 特開2019-87124号公報
そこで、本発明は、前記のような課題に対処するためになされたものであって、カードに高級感を与える金属的質感としての視覚的な質感と触覚的な重量感の両方を兼ね備えながら、JIS X 6301 2005 8.1の規格を満たす柔軟性を備えることによって、従来のプラスチックカードを積層して収納し、積層したカードの下側から取り出す方式のカードストッカーからカードを取り出すことができるプラスチック製カードを提供することを目的とする。
前記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、プラスチック製カードにおいて、前記カードの内部に金属粉末を充填した弾性シートが配置されており、
前記金属粉末を充填した弾性シートの端部が前記カードの端部より所定の長さ以上前記カードの内側に位置するように前記金属粉末を充填した弾性シートが配置されていることを特徴とするプラスチック製カードである。
また請求項2に記載の発明は、外部端子を有する接触式ICモジュールをさらに備え、
前記金属粉末を充填した弾性シートは切り欠きまたは穴を有し、平面視において前記接触式ICモジュールと重ならないように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック製カードである。
また請求項3に記載の発明は、非接触式通信を行う非接触式ICモジュールをさらに備え、
前記金属粉末を充填した弾性シートは切り欠きまたは穴を有し、平面視において前記非接触式ICモジュールと重ならないように配置されており、
前記金属粉末を充填した弾性シートの端部と前記カードの端部との間に、前記非接触式通信を行うためのアンテナが配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック製カードである。
また請求項4に記載の発明は、外部端子を有し、接触式通信および非接触式通信を行うデュアルインターフェースICモジュールをさらに備え、
前記金属粉末を充填した弾性シートは切り欠きまたは穴を有し、平面視において前記デュアルインターフェースICモジュールと重ならないように配置されており、
前記金属粉末を充填した弾性シートの端部と前記カードの端部との間に、前記非接触式通信を行うためのアンテナが配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック製カードである。
また請求項5に記載の発明は、前記プラスチック製カード内部に配置した金属粉末を充填した弾性シートを、カードの下半分には配置しないようにすることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラスチック製カードである。
また請求項6に記載の発明は、厚さ方向または側面方向で前記カードの表面から認知できる位置に、金属または金属を組成に含む素材で形成された層が配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプラスチック製カードである。
また請求項7に記載の発明は、プラスチック製カードの内部に金属粉末を充填した弾性シートを配置し、前記金属粉末を充填した弾性シートの端部が、前記カードの端部よりも所定の長さ以上前記カードの内側に位置するように前記金属粉末を充填した弾性シートを配置することを特徴とする、プラスチック製カードの製造方法である。
請求項1に記載の発明によれば、カードに重量を付与する物質が曲がり難い金属板でなく、JIS X 6301 2005 8.1の規格を満たす柔軟性を備える金属粉末を分散した弾性シートであることから、個片状態でのカードの加工、検査、発行などに使用する設備において、通常のプラスチック製カードを取り扱う設備で特別な改造をすることなく使用できるので、低コストで重量感を有するカードを得ることができる。
さらに、カード端面近傍がプラスチック素材のみであることから、多面付けのシート状でカードを製造する場合に専用の設備ではなく通常のプラスチック製カードを製造するための加工設備で容易にパンチング加工して個片化することができるので、低コストで重量感を有するカードを得ることができる。
また請求項2に記載の発明によれば、JIS X 6320-2に規定された外部端子に対応する端子をもった接触式ICモジュールを容易に搭載することができるので、重量感がありながら接触式通信機能を持った接触ICカードを得ることができる。
また請求項3に記載の発明によれば、非接触式通信機能を持つICモジュールを容易に搭載でき、ICモジュールとアンテナを接統することで、重量感がありながら非接触式通信機能を有する非接触ICカードを得ることができる。このとき、カードの形状は例えば円形などJIS X 6301規定のID-1サイズに限らず任意の形状としてもよい。
また請求項4に記載の発明によれば、JIS X 6320-2に規定された外部端子に対応する端子を有する接触式と非接触式通信に対応するデュアルインターフェースICモジュールを容易に搭載でき、ICモジュールとアンテナを接続することで、重量感がありながら接触式と非接触式通信機能を併せ持ったデュアルインターフェースICカードを得ることができる。
また請求項5に記載の発明によれば、JIS X 6302-1に規定されたエンボス加工を施すことができるので、重量感をもちながら、エンボスによる情報記録が可能なカードを得ることができる。
また請求項6に記載の発明によれば、重量感を持ち、さらにカード券面の質感も金属と同様な高級感のあるカードを得ることができる。
また請求項7に記載の発明によれば、重量感を持ち、さらにカード券面の質感も金属と同様な高級感のあるカードを、多面付けのシート形状で複数のシートを積層して製造する既存のカード製造工程を用いて、低コストで製造することができる。
本発明の第1実施形態に係る、プラスチック製カードの平面図である。 本発明の第1実施形態に係る、プラスチック製カードの断面図である。 本発明の第2実施形態に係る、プラスチック製カードである接触式ICカードの平面図である。 本発明の第2実施形態に係る、プラスチック製カードである接触式ICカードの断面図である。 本発明の第3実施形態に係る、プラスチック製カードである非接触式ICカードの平面図である。 本発明の第3実施形態に係る、プラスチック製カードである非接触式ICカードの断面図である。 本発明の第4実施形態に係る、プラスチック製カードであるデュアルインターフェースICカードの断面図である。 本発明の第4実施形態に係る、プラスチック製カードであるデュアルインターフェースICカードの断面図である。 本発明の第5実施形態に係る、プラスチック製カードの平面図である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の説明において適宜図面を参照するが、図面に記載された態様は本発明の例示であり、本発明はこれらの図面に記載された態様に制限されない。
尚、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全て図面を通じて同一の参照符号を附し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るプラスチック製カードおよびその製造方法について説明する。第1実施形態は、カードにICモジュールが搭載されていない基本構成である。図1は、本発明の第1実施形態に係る、プラスチック製カードの平面図である。図1のように、プラスチック製カード1の内部には、金属粉末を充填した弾性シート2が配置されている。すなわち、プラスチック製カード1は金属粉末を充填した弾性シート2を含むため、金属製カードと同様の重量感を持ったカードとなる。
金属粉末を充填した弾性シート2はカード1の端部までは及ばないよう配置されている。すなわち、金属粉末を充填した弾性シート2の端部がカード1の端部より所定の長さa以上カード1の内側に位置するように金属粉末を充填した弾性シート2が配置されている。
図2は、本発明の第1実施形態に係る、プラスチック製カードの断面図である。図2に
示すように、カード1は表面から、保護層3、印刷層4、金属蒸着層5、隠蔽層6、外装基材7a(表側)、中間基材8a(表側)、コア基材9、中間基材8b(裏側)、および外装基材7b(裏側)の順の多層構造になっている。なお、図には示していないが、カードの裏面にも、保護層3、印刷層4、金属蒸着層5、および/または隠蔽層6があってもよい。
金属粉末を充填した弾性シート2は、カード1の中心部のコア基材9の層に埋め込まれている。金属粉末を充填した弾性シート2の端部がカード1の端部より所定の長さa以上カード1の内側に位置するように金属粉末を充填した弾性シート2が配置されている。カード1が磁気カードである場合、磁気テープ10が表側の外装基材7に埋め込まれ、その上の隠蔽層6は磁気テープ10を隠蔽する。
次に、本発明の第1実施形態に係るプラスチック製カードの製造方法について説明する
。まず金属粉末を充填した弾性シート2を作製する。金属粉末を充填した弾性シート2の材料は一般的な材料を用いることができ、例えばエチルアクリレート系重合体とエチレン―メチルアクリレート共重合体とからなる混合樹脂に平均粒子径が1~20μmのタングステン粉末を分散し、押出加工によりシート化する。シート厚みは0.05~0.6mm程度とする。
金属粉末の材料としては、鉄、ステンレス、銅、ニッケル、錫、亜鉛なども利用することができるが、重量感をより高めるために金属の中でも比重が大きく、金などの貴金属に比べ安価で、人体に対する毒性も低いタングステンであることが望ましい。シートの比重は7~10程度であることが好ましい。
弾性シートは打ち抜き加工により、カードに収まるカード端面まで及ばない寸法に成型する。
弾性シートをカードのコア基材9内に配置するために、コア基材となるプラスチックシートに弾性シート2と同じサイズの穴を形成する。コア基材9はポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)等のカード基材として一般的な材料が用いられる。この時コア基材9の厚みは弾性シート2と向じ厚さとするのが望ましい。そのようにすることによって熱ラミネートした際に、弾性シート2自体の痕や、弾性シート2とコア基材9の厚みの違いによって積層したシート間に生じる空間によるアバタなどの外観上の不具合の発生を防ぐことができる。
コア基材9の穴に弾性シート2をはめ込み、その表裏を中間基材8aおよび8bとなるプラスチックシートで挟み込む。中間基材8aおよび8bの材料はポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)等のカード基材として一般的な材料が用いられる。中間基材8aおよび8bまでを積層した状態で一度熱ラミネートを実施することもできる。コア基材9と中間基材8aおよび8bは熱ラミネートの熱で基材同士を融着させても良いし、コア基材9と中間基材8aおよび8bの間に接着剤層を配置して接着しても良い。
コア基材を中問基材で挟み込んだ後、そのさらに表裏を外装基材7aおよび7bで挟み込む。外装基材7aおよび7bの材料はボリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のカード外装基材として一般的な材料が用いられる。外装基材7aおよび7bまでを積層した状態で一度熱ラミネートを実施することもできる。中間基材8aと外装基材7aおよび中間基材8bと外装基材7bは熱ラミネートの熱で基材同士を融着させても良いし、中間基材8aと外装基材7aおよび中間基材8bと外装基材7bの間に接着剤層を配置して接着しても良い。
次に金属蒸着層5を熱ラミネートなどの既知の方法でカード表面の任意の面(カード表裏、側面を含む外観すべて、または一部)に転写する。さらに転写された金属蒸着層5の上に、絵柄や文字などを構成する印刷層4を一般的なオフセット印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方法で形成する。金属蒸着層は予め外装基材7aに転写され、その上に印刷を施す構成とすることもできる。印刷層4の上には印刷層4や金属蒸着層5などを保護するための保護層3などを設けることもできる。
金属蒸着層5の下には磁気テープ10とそれを隠蔽する隠蔽層6を配置することもできる。隠蔽層6はシルクスクリーン印刷などにより形成させる。少なくとも外装基材7aおよび7bまでを熱ラミネートにより一体化し、金属蒸着層5、印刷層4、保護層3など必要な各層を形成した後、パンチング加工によりカード個片形状に打ち抜くことによってカード本体を得る。以上の工程により、低コストで、金属製カードと同様の重量感を持った、本発明の第1実施形態に係るプラスチック製カードを製造することができる。
さらに、上述のプラスチック製カードにおいて、厚さ方向または側面方向で前記カードの表面から認知できる位置に、金属または金属を組成に含む素材で形成され、その外観が金属の質感を有する層が配置されていてもよい。ここで、カードの表面とは、カードの表面、裏面および側面を含む外観のすべてまたは一部を含む。また、この層は、箔、蒸着、スパッタリングなどにより形成される。このようにすることで、金属製カードと同様の重量感を持ち、さらにカード券面の質感も金属製のカードと同様な高級感のあるカードを得ることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るプラスチック製カードおよびその製造方法について説明する。第2実施形態は、第1実施形態の基本構成のカードに接触式ICモジュールが搭載され、接触式通信を行う接触式ICカードである。
図3は、本発明の第2実施形態に係る、プラスチック製カードである接触式ICカードの平面図である。カード1および金属粉末を充填した弾性シート2の位置関係は、図1に示す第1実施形態と同様である。すなわち、金属粉末を充填した弾性シート2はカード1の端部までは及ばないよう配置されている。つまり、金属粉末を充填した弾性シート2の端部がカード1の端部より所定の長さa以上カード1の内側に位置するように金属粉末を充填した弾性シート2が配置されている。
第2実施形態ではカード1の左上部に、接触式通信に使用される外部端子を有する接触式ICモジュール11が配置されている。そして、図3に示すように、カード1の平面視において接触式ICモジュール11と重ならないように、金属粉末を充填した弾性シート2の左上部には切り欠きまたは穴が設けられている。
図3(a)は、金属粉末を充填した弾性シート2の左上部に切り欠きが設けられている例を示す。図3(b)は、接触式ICモジュール11を避けるように、金属粉末を充填した弾性シート2の左側から切り欠きが設けられている例を示す。図3(c)は、接触式ICモジュール11を避けるように、金属粉末を充填した弾性シート2の左上部に穴が設けられている例を示す。
このように、金属粉末を充填した弾性シート2に切り欠きまたは穴を設けることで、JIS X 6320-2:2009で規定された外部端子を有する接触式ICモジュールを、第1実施形態のプラスチック製カード1に容易に搭載することができる。これにより、金属製カードと同様の重量感がありながら、接触式通信機能を持った接触式ICカードを得ることができる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る、プラスチック製カードである接触式ICカードの断面図である。なお、図4では、カードの表面/裏面の保護層3、印刷層4、金属蒸着層5などは省略している。図2と同様に、カード表面/裏面に保護層3、印刷層4、金属蒸着層5などがあってもよい。
図4に示すように、カード1は表面から、外装基材7a(表側)、中間基材8a(表側)、コア基材9、中間基材8a(裏側)、および外装基材7b(裏側)の順の多層構造になっている。
金属粉末を充填した弾性シート2は、カード1の中心部のコア基材9の層に埋め込まれている。金属粉末を充填した弾性シート2の端部がカード1の端部より所定の長さa以上カード1の内側に位置するように金属粉末を充填した弾性シート2が配置されている。
また、カード1のうち金属粉末を充填した弾性シート2が配置されていない領域の一部において、カード表面からコア基材9にかけて凹部が設けられ、その凹部に接触式通信機能をもつ接触式ICモジュール11が嵌め込まれている。アンカー層は必要に応じて設けることができ、例えば、ホログラムや回折格子などによるセキュリティ画像を有するOVD(Optical Variable Device)層として設けることも可能である。
次に、本発明の第2実施形態に係るプラスチック製カードの製造方法について説明する
。まず金属粉末を充填した弾性シート2を作製する。金属粉末を充填した弾性シート2の材料は一般的な材料を用いることができ、例えばエチルアクリレート系重合体とエチレン―メチルアクリレート共重合体とからなる混合樹脂に平均粒子径が1~20μmのタングステン粉末を分散し、押出加工によりシート化する。シート厚みは0.05~0.6mm程度とする。
金属粉末の材料としては、鉄、ステンレス、銅、ニッケル、錫、亜鉛なども利用することができるが、重量感をより高めるために金属の中でも比重が大きく、金などの貴金属に比べ安価で、人体に対する毒性も低いタングステンであることが望ましい。シートの比重は7~10程度であることが好ましい。
弾性シート2は打ち抜き加工により、カードに収まるカード端面まで及ばない寸法に成型する。
弾性シート2をカードのコア基材9内に配置するために、コア基材9となるプラスチックシートに弾性シート2と同じサイズの穴を形成する。コア基材2はポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)等のカード基材として一般的な材料が用いられる。この時コア基材9の厚みは弾性シート2と向じ厚さとするのが望ましい。そのようにすることによって、熱ラミネートした際に、弾性シート2自体の痕や、弾性シート2とコア基材9の厚みの違いによって積層したシート間に生じる空間によるアバタなどの外観上の不具合の発生を防ぐことができる。
コア基材9の穴に弾性シート2をはめ込み、その表裏を中間基材8aおよび8bとなるプラスチックシートで挟み込む。中間基材8aおよび8bの材料はポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)等のカード基材として一般的な材料が用いられる。中間基材8aおよび8bまでを積層した状態で一度熱ラミネートを実施することもできる。コア基材9と中間基材8aおよび8bは熱ラミネートの熱で基材同士を融着させても良いし、コア基材9と中間基材8aおよび8bの問に接着剤層を配置して接着しても良い。
コア基材9を中間基材8aおよび8bで挟み込んだ後、そのさらに表裏を外装基材7aおよび7bで挟み込む。外装基材7aおよび7bの材料はボリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のカード外装基材として一般的な材料が用いられる。外装基材7aおよび7bまでを積層した状態で一度熱ラミネートを実施することもできる。中間基材8aおよび8bと外装基材7aおよび7bは熱ラミネートの熱で基材同士を融着させても良いし、中間基材8aおよび8bと外装基材7aおよび7bの間に接着剤層を配置して接着しても良い。
次に図示していないが金属蒸着層5を熱ラミネートなどの既知の方法でカード表面の任意の面(カード表裏、側面を含む外観すべて、または一部)に転写する。さらに転写された金属蒸着層5の上に、絵柄や文字などを構成する印刷層4を一般的なオフセット印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方法で形成する。金属蒸着層5は予め外装基材7aに転写され、その上に印刷を施す構成とすることもできる。印刷層4の上には印刷層4や金属蒸着層5などを保護するための保護層3などを設けることもできる。
金属蒸着層5の下には磁気テープ10とそれを隠蔽する隠蔽層6を配置することもできる。隠蔽層6はシルクスクリーン印刷などにより形成させる。少なくとも外装基材7aおよび7bまでを熱ラミネートにより一体化し、金属蒸着層5、印刷層4、保護層3など必要な各層を形成した後、パンチング加工によりカード個片形状に打ち抜くことによってカード本体を成形する。
カード本体にICモジュールを埋め込むための凹部(キャビティ)をミリング加工により形成する。弾性シートの左上部に切り欠き、または穴を設けているので、プラスチック製の接触ICカードを製造する設備で容易にミリング加工を行うことができる。
凹部に接触式通信機能をもつ接触ICモジュール11をはめ込み、ICモジュール表面から熱と圧力を加え、ICモジュール11をホットメルトシート等の接着剤により、カード本体の凹部(キャビティ)に装着することで接触ICカードを得る。
ICモジュール11は接触式通信機能を有するICチップを搭載し、接触式通信に使用する外部接続端子21を有している。外部接続端子21は、厚み50~200μmのガラスエボキシやPET等の絶縁基材の表面にエッチングにより形成された複数の銅箔パターンから形成される。銅箔パターンの露出部分には0.5~3μmのニッケルメッキが施され、さらにその上に0.01~0.3μmの金メッキが施されている。ただしメッキの構成はこれに限らない。ICチップはガラスエポキシやPETに対してダイアタッチ用接着剤により接着され、φ10~40μmの金あるいは銅などのワイヤーによって外部接続端子21に直接、またはそれらに接続されたパターンに対してワイヤーボンディングされ、ICチップの保護のためエポキシ樹脂などにより封止されている。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係るプラスチック製カードおよびその製造方法について説明する。第3実施形態は、第1実施形態の基本構成のカードに非接触式ICモジュールが搭載され、非接触通信を行うためのアンテナが配置されている非接触式ICカードである。
図5は、本発明の第3実施形態に係る、プラスチック製カードである非接触式ICカードの平面図である。カード1および金属粉末を充填した弾性シート2の位置関係は、図1に示す第1実施形態と同様である。すなわち、金属粉末を充填した弾性シート2はカード1の端部までは及ばないよう配置されている。つまり、金属粉末を充填した弾性シート2の端部がカード1の端部より所定の長さa以上カード1の内側に位置するように金属粉末を充填した弾性シート2が配置されている。
第3実施形態ではカード1には、非接触式ICモジュール13が配置されている。そしてカード1の平面視において非接触式ICモジュール13と重ならないように、金属粉末を充填した弾性シート2の一部には切り欠きまたは穴が設けられている。図5の例では、非接触式ICモジュール13がカード1の右下部に設けられ、カード1の平面視において非接触式ICモジュール13と重ならないように、金属粉末を充填した弾性シート2の右下部には切り欠きが設けられている。
さらに、金属粉末を充填した弾性シート2の端部とカード1の端部との間に、非接触式通信を行うためのアンテナ回路14が配置されている。すなわち、アンテナ回路14は、カード1の平面視において金属粉末を充填した弾性シート2と重ならないように配置されている。これにより、発生する渦電流を小さくすることができる。
このような配置を採用することにより、非接触式通信機能を持つICモジュール13およびアンテナ回路14を第1実施形態のプラスチック製カード1に容易に搭載でき、金属製カードと同様の重量感がありながら非接触式通信機能を持った非接触式ICカードを得ることができる。このとき、カードの形状は、JIS X 6301:2005で規定されるID-1サイズに限らず、例えば円形など任意の形状であってもよい。
図6は、本発明の第3実施形態に係る、プラスチック製カードである非接触式ICカードの断面図である。なお、図6では、カードの表面/裏面の保護層3、印刷層4、金属蒸着層5などは省略している。図2と同様に、カード表面/裏面に保護層3、印刷層4、金属蒸着層5などがあってもよい。
図6に示すように、カード1は表面から、外装基材7a(表側)、中間基材8a(表側)、コア基材9a(表側)、コア基材9b(裏側)、中間基材8b(裏側)、および外装基材7b(裏側)の順の多層構造になっている。コア基材は、9a、9bの2層から構成される。
金属粉末を充填した弾性シート2は、カード1の中心部のコア基材9a、9bの層に埋め込まれている。金属粉末を充填した弾性シート2の端部がカード1の端部より所定の長さa以上カード1の内側に位置するように金属粉末を充填した弾性シート2が配置されている。
さらに、カード1のうち金属粉末を充填した弾性シート2が配置されていない領域の一部において、2層からなるコア基材9a、9bの中間には、非接触式通信機能を行うためのアンテナ回路14が配置されている。すなわち、アンテナ回路14は、カード1の平面視において金属粉末を充填した弾性シート2と重ならないように配置されている。これにより、発生する渦電流を小さくすることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係るプラスチック製カードの製造方法について説明する。まず金属粉末を充填した弾性シート2を作製する。金属粉末を充填した弾性シート2の材料は一般的な材料を用いることができ、例えばエチルアクリレート系重合体とエチレン―メチルアクリレート共重合体とからなる混合樹脂に平均粒子径が1~20μmのタングステン粉末を分散し、押出加工によりシート化する。シート厚みは0.05~0.6mm程度とする。
金属粉末の材料としては、鉄、ステンレス、銅、ニッケル、錫、亜鉛なども利用することができるが、重量感をより高めるために金属の中でも比重が大きく、金などの貴金属に比べ安価で、人体に対する毒性も低いタングステンであることが望ましい。シートの比重は7~10程度であることが好ましい。
弾性シートは打ち抜き加工により、カードに収まるカード端面まで及ばない寸法に成型する。弾性シートには非接触ICモジュールが搭戯される任意の位置に切り欠き、または穴を設ける。
コア基材はコア基材9aと9bの2層から構成されており、その両方に弾性シートをカードのコア基材内に配置するために、コア基材となるプラスチックシートに弾性シートと同じサイズの穴を形成する。コア基材はポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)等のカード基材として一般的な材料が用いられる。この時コア基材9aおよび9bの厚みは2層を合わせたときに弾性シート2と同じ厚さとするのが望ましい。そのようにすることによって熱ラミネートした際に弾性シート2自体の痕や、弾性シート2とコア基材9aおよび9bの厚みの違いによって積層したシート間に生じる空間によるアバタなどの外観上の不具合の発生を防ぐことができる。
一方のコア基材9aには、非接触式通信機能を行うための非接触ICモジュール13が配置される。また2層のコア基材9aと9bの間に、非接触式通信機能を行うためのアンテナ回路14が配置される。アンテナ回路14は、一方のコア基材9bの上にφ50~150μmの銅などのワイヤーで形成されている。ICモジュール13は、ICチップをリードフレームに対してダイアタッチ用接着剤により接着され、φ10~40μmの金あるいは銅などのワイヤーによってリードフレームにワイヤーボンディングされ、ICチップの保護のためエポキシ樹脂などにより封止されることで形成されている。また、ICモジュール13はアンテナ回路14に対して、熱圧着(TCボンディング)や半田付けなどの方法で接統されてぃる。コア基材の両方または一方にはICモジュールに対応した位置に穴を設けることもできる。
2層からなるコア基材をアンテナ回路14が内側にくるよう配置して積層し、コア基材双方にあけた穴に弾性シート2をはめ込み、その表裏を中間基材8aおよび8bとなるプラスチックシートで挟み込む。中間基材8aおよび8bの材料はポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)等のカード基材として一般的な材料が用いられる。中間基材8aおよび8bまでを積層した状態で一度熱ラミネートを実施することもできる。コア基材9aおよび9bと中間基材8aおよび8bは熱ラミネートの熱で基材同士を融着させても良いし、コア基材9aおよび9bと中間基材8aおよび8bの問に接着剤層を配慮して接着しても良い。
コア基材9aおよび9bを中問基材8aおよび8bで挟み込んだ後、そのさらに表裏を外装基材7aおよび7bで挟み込む。外装基材7aおよび7bの材料はボリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のカード外装基材として一般的な材料が用いられる。外装基材7aおよび7bまでを積層した状態で一度熱ラミネートを実施することもできる。中間基材8aおよび8bと外装基材7aおよび7bは熱ラミネートの熱で基材同士を融着させても良いし、中間基材8aおよび8bと外装基材7aおよび7bの間に接着剤層を配置して接着しても良い。
次に金属蒸着層5を熱ラミネートなどの既知の方法でカード表面の任意の面(カード表裏、側面を含む外観すべて、または一部)に転写する。さらに転写された金属蒸着層5の上に、絵柄や文字などを構成する印刷層4を一般的なオフセット印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方法で形成する。金属蒸着層5は予め外装基材7aに転写され、その上に印刷を施す構成とすることもできる。印刷層4の上には印刷層4や金属蒸着層5などを保護するための保護層3などを設けることもできる。
金属蒸着層5の下には磁気テープ10とそれを隠蔽する隠蔽層6を配置することもできる。隠蔽層6はシルクスクリーン印刷などにより形成させる。少なくとも外装基材7aおよび7bまでを熱ラミネートにより一体化し、金属蒸着層5、印刷層4、保護層3など必要な各層を形成した後、パンチング加工によりカード個片形状に打ち抜くことによってカード本体を得る。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係るプラスチック製カードおよびその製造方法について説明する。第4実施形態は、第1実施形態の基本構成のカードに、接触式通信機能と非接触式通信機能の両方の機能を持たせたデュアルインターフェースICカードである。
図7は、本発明の第4実施形態に係る、プラスチック製カードであるデュアルインターフェースICカードの平面図である。カード1および金属粉末を充填した弾性シート2の位置関係は、図1に示す第1実施形態と同様である。すなわち、金属粉末を充填した弾性シート2はカード1の端部までは及ばないよう配置されている。つまり、金属粉末を充填した弾性シート2の端部がカード1の端部より所定の長さa以上カード1の内側に位置するように金属粉末を充填した弾性シート2が配置されている。
第4実施形態では、カード1にはデュアルインターフェースICモジュール15が配置されている。そして、カード1の平面視においてデュアルインターフェースICモジュール15と重ならないように、金属粉末を充填した弾性シート2の一部には切り欠きまたは穴が設けられている。図7の例では、デュアルインターフェースICモジュール15は、JIS X 6320-2:2009で規定された外部端子を有する。すなわち、デュアルインターフェースICモジュール15が、カード1の左上部に設けられ、カード1の平面視においてデュアルインターフェースICモジュール15と重ならないように、金属粉末を充填した弾性シート2の左上部には切り欠きが設けられている。さらに、金属粉末を充填した弾性シート2の端部とカード1の端部との間に、非接触式通信を行うためのアンテナ回路14が配置されている。
このような配置を採用することにより、接触式通信機能と非接触式通信機能を併せ持ち、JIS X 6320-2:2009で規定された外部端子を有するデュアルインターフェースICモジュールおよびアンテナを第1実施形態のプラスチック製カード1に容易に搭載できる。これにより、金属製カードと同様の重量感がありながら接触式通信機能と非接触式通信機能を併せ持つデュアルインターフェースICカードを得ることができる。
図8は、本発明の第4実施形態に係る、プラスチック製カードであるデュアルインターフェースICカードの断面図である。なお、図8では、カードの表面/裏面の保護層3、印刷層4、金属蒸着層5などは省略している。図2と同様に、カード表面/裏面に保護層3、印刷層4、金属蒸着層5などがあってもよい。
図8に示すように、カード1は表面から、外装基材7a(表側)、中間基材8a(表側)、コア基材9a(表側)、コア基材9b(裏側)、中間基材8b(裏側)、および外装基材7b(裏側)の順の多層構造になっている。コア基材は、9a、9bの2層から構成される。
金属粉末を充填した弾性シート2は、カード1の中心部のコア基材9a、9bの層に埋め込まれている。金属粉末を充填した弾性シート2の端部がカード1の端部より所定の長さa以上カード1の内側に位置するように金属粉末を充填した弾性シート2が配置されている。
また、カード1のうち金属粉末を充填した弾性シート2が配置されていない領域の一部において、カード表面からコア基材にかけて凹部が設けられ、その凹部にデュアルインターフェースICモジュール15が嵌め込まれている。さらに、2層からなるコア基材9a、9bの中間には、非接触式通信機能を行うためのアンテナ回路14が配置されている。
デュアルインターフェースICモジュール15は、外部接続端子21、ガラスエポキシ基材22、およびアンテナ接続端子23を備える。外部接続端子21およびアンテナ接続端子23は銅およびメッキからなる。アンテナ接続端子23とアンテナ回路14とは、導電性接着剤12で接続される。また、デュアルインターフェースICモジュール15は、ICチップ封止用樹脂24によって、コア基材9a、9bに封止されている。
次に、本発明の第4実施形態に係るプラスチック製カードの製造方法について説明する
。まず金属粉末を充填した弾性シート2を作製する。金属粉末を充填した弾性シート2の材料は一般的な材料を用いることができ、例えばエチルアクリレート系重合体とエチレン―メチルアクリレート共重合体とからなる混合樹脂に平均粒子径が1~20μmのタングステン粉末を分散し、押出加工によりシート化する。シート厚みは0.05~0.6mm程度とする。
金属粉末の材料としては、鉄、ステンレス、銅、ニッケル、錫、亜鉛なども利用することができるが、重量感をより高めるために金属の中でも比重が大きく、金などの貴金属に比べ安価で、人体に対する毒性も低いタングステンであることが望ましい。シートの比重は7~10程度であることが好ましい。
弾性シート2は打ち抜き加工により、カード1に収まるカード1端面まで及ばない寸法に成型する。弾性シート2にはデュアルインターフェースICモジュール15が搭載される任意の位置に切り欠き、または穴を設ける。
コア基材は2層から構成されており、その両方に弾性シートをカードのコア基材9aおよび9b内に配置するために、コア基材9aおよび9bとなるプラスチックシートに弾性シート2と同じサイズの穴を形成する。コア基材9aおよび9bはポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)等のカード基材として一般的な材料が用いられる。この時コア基材9aおよび9bの厚みは2層を合わせたときに弾性シート2と同じ厚さとするのが望ましい。そのようにすることによって熱ラミネートした際に弾性シート2自体の痕や、弾性シート2とコア基材9aおよび9bの厚みの違いによって積層したシート間に生じる空間によるアバタなどの外観上の不具合の発生を防ぐことができる。
一方のコア基材9aには、接触式通信機能および非接触式通信機能を行うための、アンデュアルインターフェースICモジュール15が配置される。また2層のコア基材9aと9bの間に、非接触式通信機能を行うためのアンテナ回路14が配置される。アンテナ回路14は、一方のコア基材9bの上にφ50~150μmの銅などのワイヤーで形成されている。ワイヤーの終端に形成される、デュアルインターフェースICモジュール15のアンテナ接続用の端子23と接続するためのランドは、ワイヤーを用いたアンテナであれば、アンテナ端のワイヤーをジグザグに配置することで形成するか、銅箔を熱圧着(TCボンディング)や溶接などの加工方法でアンテナ端に接続して形成されている。
2層からなるコア基材9aおよび9bをアンテナ回路14が内側にくるよう配置して積層し、コア基材9aおよび9b双方にあけた穴に弾性シート2をはめ込み、その表裏を中間基材8aおよび8bとなるプラスチックシートで挟み込む。中間基材8aおよび8bの材料はポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)等のカード基材として一般的な材料が用いられる。中間基材8aおよび8bまでを積層した状態で一度熱ラミネートを実施することもできる。コア基材9aおよび9bと中間基材8aおよび8bは熱ラミネートの熱で基材同士を融着させても良いし、コア基材9aおよび9bと中間基材8aおよび8bの問に接着剤層を配慮して接着しても良い。
コア基材9aおよび9bを中間基材8aおよび8bで挟み込んだ後、そのさらに表裏を外装基材7aおよび7bで挟み込む。外装基材7aおよび7bの材料はボリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレンテレフタレート共重合体(PET-G)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のカード外装基材として一般的な材料が用いられる。外装基材7aおよび7bまでを積層した状態で一度熱ラミネートを実施することもできる。中間基材8aおよび8bと外装基材7aおよび7bは熱ラミネートの熱で基材同士を融着させても良いし、中間基材8aおよび8bと外装基材7aおよび7bの間に接着剤層を配置して接着しても良い。
次に金属蒸着層5を熱ラミネートなどの既知の方法でカード表面の任意の面(カード表裏、側面を含む外観すべて、または一部)に転写する。さらに転写された金属蒸着層5の上に、絵柄や文字などを構成する印刷層4を一般的なオフセット印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方法で形成する。金属蒸着層5は予め外装基材7aに転写され、その上に印刷を施す構成とすることもできる。印刷層4の上には印刷層4や金属蒸着層5などを保護するための保護層3などを設けることもできる。
金属蒸着層5の下には磁気テープ10とそれを隠蔽する隠蔽層6を配置することもできる。隠蔽層6はシルクスクリーン印刷などにより形成させる。少なくとも外装基材7aおよび7bまでを熱ラミネートにより一体化し、金属蒸着層5、印刷層4、保護層3など必要な各層を形成した後、パンチング加工によりカード個片形状に打ち抜くことによってカード本体を形成する。
カード本体にデュアルインターフェースICモジュール15を埋め込むための凹部(キャビティ)をミリング加工により形成する。同時にデュアルインターフェースICモジュール側のアンテナ接続用端子23へ接続するためのランド部分も削り出す。弾性シート2の左上部に切り欠き、または穴を設けているので、プラスチック製の接触ICカードを製造する設備で容易にミリング加工を行うことができる。
凹部に接触式通信機能をもつデュアルインターフェースICモジュール15をはめ込み、デュアルインターフェースICモジュール15表面から熱と圧力を加え、デュアルインターフェースICモジュール15をホットメルトシート等の接着剤により、カード本体の凹部(キャビティ)に装着すると同時に、デュアルインターフェースICモジュール15のアンテナ接続用端子23とアンテナ回路14とを半田や導電性接着剤12などで接続することでデュアルインターフェースICカードを得る。
デュアルインターフェースICモジュールは接触式通信機能・非接触式通信機能の両方を有するICチップを搭載し、接触式通信に使用する外部接続端子21と、その反対面に非接触通信に使用しアンテナ回路14と接続するためのアンテナ接続用端子23を有している。外部接続端子21とアンテナ接続用端子23は、厚み50~200μmのガラスエポキシやPET等の絶縁基材の片面に厚み10~50μmの銅箔をラミネート加工した後エッチング加工により複数の銅箔パターンに区切ることで形成される。銅箔パターンの露出部分には0.5~3μmのニッケルメッキが施され、さらにその上に0.01~0.3μmの金メッキが施されている。ただしメッキの構成はこれに限らない。
ICチップはガラスエポキシやPETに対してダイアタッチ用接着剤により接着され、φ10~40μmの金あるいは銅などのワイヤーによって外部接続端子21およびアンテナ接続用端子23に直接、またはそれらに接統されたパターンに対してワイヤーボンディングされ、ICチップの保護のためエポキシ樹脂などにより封止されている。このようにして、金属製カードと同様の重量感がありながら接触式通信機能と非接触式通信機能を併せ持つ、本発明の第4実施形態に係るプラスチック製カードであるデュアルインターフェースICカードを製造することができる。
さらに、上述のデュアルインターフェースICカードにおいて、厚さ方向または側面方向で前記カードの表面から認知できる位置に、金属または金属を組成に含む素材で形成され、その外観が金属の質感を有する層が配置されていてもよい。ここで、カードの表面とは、カードの表面、裏面および側面を含む外観のすべてまたは一部を含む。また、この層は、箔、蒸着、スパッタリングなどにより形成される。このようにすることで、金属製カードと同様の重量感を持ち、さらにカード券面の質感も金属製のカードと同様な高級感のあるデュアルインターフェースICカードを得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係るプラスチック製カードについて説明する。第5実施形態は、上述の第1実施形態~第4実施形態のプラスチック製カードにおいて、カード内部に配置した金属粉末を充填した弾性シート2を、カードの下半分には配置しないようにしている。
図9は、本発明の第5実施形態に係る、プラスチック製カードの平面図である。図9(a)は、ICモジュールを搭載しないカードの例であり、図9(b)は、接触式ICモジュール11を搭載した接触式ICカードの例である。
第1実施形態~第4実施形態と同様に、金属粉末を充填した弾性シート2はカード1の端部までは及ばないよう配置されている。第5実施形態では、さらに、金属粉末を充填した弾性シート2は、カードの下半分には位置しないように配置されている。
金属粉末を充填した弾性シート2が配置されないカードの下半分には、エンボス領域16、17が設けられる。これにより、JIS X 6302-1:2005(ISO/IEC 7811-1:2002)に規定されたエンボス加工をカードに施すことができる。従って、金属製カードと同様の重量感をもちながら、金属製カードでは不可能なエンボスによる情報記録が可能なカードを得ることができる。
(実施例)
エチルアクリレート系重合体とエチレンメチルアクリレート共重合体とからなる混合樹脂2重量%に平均粒子径が5μmのタングステン粉ポ98重量%を分散し、押出加工により厚み600μmの金属粉末を充填した弾性シート部材を得た。このシートは比重が8であり、柔らかく曲げることが可能である。
前記弾性シート部材を打ち抜き加工により、カードに収まる寸法80mm×50mmに成形した。成形された弾性シート2をカードのコア基材9内に配置するために、コア基材9となるPVCシートに該弾性シート2と同じサイズの穴80mm×50mmを形成した。
前記コア基材9の穴に弾性シート2をはめ込み、その表裏を中間基材8となるPVCシート厚み0.05mmで挟み込み、さらに表裏を外装基材7となるPETシート厚み0.05mmで挟み込んだ。このPETシートのカードの外側になる面には、予め金属蒸着膜5が転写されているものを用いた。この積層体をラミネートにより一体化し、パンチング加工によりカード個片形状に打ち抜くことによってカード本体を得た。
このようにして作製したカードは、通常のプラスチックカード同様に柔らかく、曲げることが可能であった。重量は15gであり、通常のプラスチックカードが約5gであるのに対し、重量感のあるカードとなった。また表面には金属蒸着層を設けており、外観は金属製のカードの様に見える。
カードに[JIS X 6301 2005 8.1 静的曲げ強さ]の試験を実施したところ、荷重によって生じる変形は20mmであり、荷重を外した後,1分以内に,その最初の平らな状態に対して1.5mm以内に戻ることが確認できた。
上記と同じカード構成で、金属粉末を充填した弾性シートの代わりに厚み0.6mmのタングステン板からなるカードでは、カードが曲がらない為、カードを積層して収納し、積層したカードの下側から取り出す方式のカードストッカーからカードを取り出すことができなかったが、弾性シートからなるカードではカードが曲がるため、カードを取り出すことができた。
1… カード
2… 金属粉末を充填した弾性シート
3… 保護層
4… 印刷層
5… 金属蒸着層
6… 隠蔽層
7a、7b… 外装基材
8a、8b… 中間基材
9、9a、9b… コア基材
10… 磁気テープ
11… 接触式ICモジュール
12… 導電性接着剤
13… 非接触式ICモジュール
14… アンテナ回路
15… デュアルインターフェースICモジュール
16、17…エンボス領域
21… 外部接続端子
22… ガラスエポキシ基材
23… アンテナ接続端子
24… ICチップ封止用樹脂

Claims (7)

  1. プラスチック製カードにおいて、前記カードの内部に金属粉末を充填した弾性シートが配置されており、
    前記金属粉末を充填した弾性シートの端部が前記カードの端部より所定の長さ以上前記カードの内側に位置するように前記金属粉末を充填した弾性シートが配置されていることを特徴とするプラスチック製カード。
  2. 外部端子を有する接触式ICモジュールをさらに備え、
    前記金属粉末を充填した弾性シートは切り欠きまたは穴を有し、平面視において前記接触式ICモジュールと重ならないように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック製カード。
  3. 非接触式通信を行う非接触式ICモジュールをさらに備え、
    前記金属粉末を充填した弾性シートは切り欠きまたは穴を有し、平面視において前記非接触式ICモジュールと重ならないように配置されており、
    前記金属粉末を充填した弾性シートの端部と前記カードの端部との間に、前記非接触式通信を行うためのアンテナが配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック製カード。
  4. 外部端子を有し、接触式通信および非接触式通信を行うデュアルインターフェースICモジュールをさらに備え、
    前記金属粉末を充填した弾性シートは切り欠きまたは穴を有し、平面視において前記デュアルインターフェースICモジュールと重ならないように配置されており、
    前記金属粉末を充填した弾性シートの端部と前記カードの端部との間に、前記非接触式通信を行うためのアンテナが配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック製カード。
  5. 前記プラスチック製カード内部に配置した金属粉末を充填した弾性シートを、カードの下半分には配置しないようにすることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラスチック製カード。
  6. 厚さ方向または側面方向で前記カードの表面から認知できる位置に、金属または金属を組成に含む素材で形成された層が配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプラスチック製カード。
  7. プラスチック製カードの内部に金属粉末を充填した弾性シートを配置し、前記金属粉末を充填した弾性シートの端部が、前記カードの端部よりも所定の長さ以上前記カードの内側に位置するように前記金属粉末を充填した弾性シートを配置することを特徴とする、プラスチック製カードの製造方法。
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