JP2023054904A - 非水電解液用添加剤、非水電解液及び蓄電デバイス - Google Patents

非水電解液用添加剤、非水電解液及び蓄電デバイス Download PDF

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悠策 増原
Yusaku Masuhara
友香 中村
Tomoka Nakamura
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Abstract

Figure 2023054904000001
【課題】非水電解液を含む蓄電デバイスの特性を更に改善し得る新規な非水電解液用添加剤を提供すること。
【解決手段】下記式(1):
Figure 2023054904000014

で表される化合物を含む非水電解液用添加剤が開示される。
式(1)中、X、X及びXは、それぞれ独立に、-S(O)、-C(O)R又は-P(O)R で表される1価の基を示す。
【選択図】図1

Description

本開示は、非水電解液用添加剤、非水電解液及び蓄電デバイスに関する。
非水電解液二次電池の電池容量は、充放電の繰り返しに伴って低下する傾向がある。充放電の繰り返しに伴う電池容量の低下を抑制するために、非水電解液に各種の添加剤が加さられることがある(例えば、特許文献1~6)。添加剤は、初期の充放電時に電極表面で電気化学的に分解し、電極表面上に固体電解質界面(SEI)と呼ばれる被膜を形成することが知られている。SEIは、電極表面における溶媒分子の分解を抑制し、それによって溶媒分子の分解にともなう電気の消費を抑制する。その結果、良好なSEIの形成は、非水電解液二次電池等の蓄電デバイスの劣化の抑制に寄与することができる。
特開昭63-102173号公報 特開平5-74486号公報 特開2004-281368公報 特開2015-138597公報 特開2002-352852公報 特開2020-72023号公報
本開示の一側面は、非水電解液を含む蓄電デバイスの特性を改善する新規な非水電解液用添加剤を提供する。
本開示の一側面は、下記式(1):
Figure 2023054904000002

で表される化合物、及びこれを含む非水電解液用添加剤に関する。式(1)中、X、X及びXは、それぞれ独立に下記式(1A)、(1B)又は(1C):
Figure 2023054904000003

で表される1価の基を示す。式(1A)、(1B)又は(1C)中、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示す。同一分子中に複数のRがあるとき、それらは同一でも異なってもよく、同一分子中に複数のRがあるとき、それらは同一でも異なってもよく、同一分子中に複数のRがあるとき、それらは同一でも異なってもよい。X、X及びXが全て式(1B)で表される1価の基であるとき、同一分子中の3つのRのうち少なくとも1つが、-CH=CHでも-C(CH)=CHでもない基である。
本開示の別の一側面は、上記非水電解液用添加剤、非水溶媒、及び電解質を含有する、非水電解液に関する。
本開示の更に別の一側面は、上記非水電解液と、正極及び負極と、を備える、蓄電デバイスに関する。
本発明の一側面によれば、非水電解液を含む蓄電デバイスの特性を改善する新規な非水電解液用添加剤が提供される。本発明の一側面に係る添加剤を含む非水電解液は、充放電を繰り返したときの蓄電デバイスの特性の低下(例えば、抵抗の上昇)を抑制し得る。本発明の一側面に係る添加剤を含む非水電解液は、蓄電デバイスを高温で保存したとき、又は充放電を繰り返したときのガスの発生を抑制し得る。本発明の一側面に係る添加剤を含む非水電解液は、低い初期抵抗を示す蓄電デバイスを与え得る。
蓄電デバイスの一実施形態を示す断面図である。
本発明は以下の例に限定されるものではない。
非水電解液用添加剤の一例は、下記式(1)で表される化合物を1種以上含む。
Figure 2023054904000004

式(1)中、X、X及びXは、それぞれ独立に下記式(1A)、(1B)又は(1C)で表される1価の基を示す。
Figure 2023054904000005
式(1A)、(1B)又は(1C)中、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示す。同一分子中に複数のRがあるとき、複数のRは同一でも異なってもよい。同一分子中に複数のRがあるとき、複数のRは同一でも異なってもよい。同一分子中に複数のRがあるとき、複数のRは同一でも異なってもよい。X、X及びXが全て式(1B)で表される1価の基であるとき、同一分子中の3つのRのうち少なくとも1つが、-CH=CHでも-C(CH)=CHでもない基である。
式(1)表される化合物は、初期の充放電時に電気化学的還元を受けることにより、O、S等を含む極性基を高密度で含有するSEIを形成すると考えられる。極性基を高密度で含むSEIは、優れたイオン伝導度を示し、蓄電デバイスの特性改善に寄与し得る。また、式(1)で表される、直鎖状の構造を含む化合物は、開環反応を起こす環状構造を有する添加剤と比較して、電極表面上により安定なSEIを形成し易いと考えられる。極性基を高密度で含む安定なSEIは、充放電に伴うSEIの崩壊、及び電解液の分解を抑制することができる。このことが、例えば、充放電の繰り返しに伴う抵抗の上昇の抑制、及び、高温保温時のガス発生の抑制に対して寄与すると考えられる。
、X及びXが同一の基であっても、互いに異なる基であってもよい。電池抵抗の低減、及びガス発生抑制の効果の観点から、X、X及びXが同一の基であってもよい。X、X及びXが同一の基であると、式(1)で表される化合物を特に容易に合成できることが多い。
蓄電デバイスの特性の更なる改善(例えば、充放電の繰り返しに伴う蓄電デバイスの抵抗上昇の抑制、及び、ガス発生の抑制)の観点から、X、X及びXのうち1つ以上が、式(1A)で表される、スルホニル基を含む基であってもよい。例えば、X及びXが式(1A)で表される基であってもよく、その場合、Xが式(1B)又は(1C)で表される基であってもよく、式(1B)で表される基であってもよい。あるいは、Xが式(1A)で表される基であってもよく、その場合、X及びXがそれぞれ独立に式(1B)又は(1C)で表される基であってもよく、式(1B)で表される基であってもよい。X、X及びXが式(1A)で表される基であってもよい。
、R又はRとしてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、及びアルキニルオキシ基は、非置換であっても、1つ以上の置換基を有していてもよい。これらの基が有し得る置換基は、例えば、ハロゲン原子、アリール基、ハロゲン化アリール基(例えば、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、及びパーフルオロフェニル基等のフッ素化アリール基)、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基又はこれらの組み合わせであってもよい。
、R又はRとしてのアリール基及びアリールオキシ基は、非置換であっても、1つ以上の置換基を有していてもよい。これらの基が有し得る置換基は、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル基及び2,2,2-トリフルオロエチル基等のフッ素化アルキル基)、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基又はこれらの組み合わせであってもよい。
本明細書において、置換基がハロゲン原子である場合、「ハロゲン原子で置換されていてもよい」ということがあり、これは、各基が有する水素原子のうち1つ以上がハロゲン原子で置換されていてもよいことを意味する。置換基としてのハロゲン原子は、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、又はフッ素原子であってもよく、電池抵抗の低減の観点から、フッ素原子であってもよい。
より低い電池抵抗の観点から、R、R及びRは、それぞれ独立に、
置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基であってもよく、
ハロゲン原子若しくはハロゲン化アリール基で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、又はハロゲン原子、アリール基若しくはハロゲン化アリール基で置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基であってもよく、
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基であってもよく、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基であってもよく、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~3のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~3のアルコキシ基であってもよい。
ガス発生抑制効果をより高めることができるという観点から、R、R及びRは、それぞれ独立に、
置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基であってもよく、
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、ハロゲン原子、アルキル基若しくはハロゲン化アルキル基で置換されていてもよいアリール基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は、ハロゲン原子、アルキル基若しくはハロゲン化アルキル基で置換されていてもよいアリールオキシ基であってもよく、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、フッ素原子、アルキル基若しくはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいアリール基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は、フッ素原子、アルキル基若しくはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいアリールオキシ基であってもよく、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~4のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~4のアルキニル基、又は、フッ素原子、アルキル基若しくはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいアリール基であってもよい。
電池抵抗とガス発生の抑制効果を高い水準で両立でき、且つ原料の入手性が高く、合成が簡便であるという観点から、R、R及びRは、それぞれ独立に、
置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基であってもよく、
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、又は、ハロゲン原子、アルキル基若しくはハロゲン化アルキル基で置換されていてもよいアリール基であってもよく、
炭素数1~6のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、ハロゲン原子で置換された炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、ハロゲン原子で置換された炭素数2~6のアルキニル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、アルキルアリール基、又は、ハロゲン原子で置換されたアルキルアリール基(例えばフッ化アルキル基で置換されたアリール基)であってもよく、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、又は、フッ素原子、アルキル基若しくはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいアリール基であってもよく、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~3のアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~4のアルケニル基、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数2~4のアルキニル基、又は、フッ素原子、アルキル基若しくはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいアリール基であってもよく、
フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1~3のアルキル基、又は、フッ素原子、アルキル基若しくはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいアリール基であってもよい。
置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基の例としては、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル、シクロヘキシル基、
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1-フルオロエチル基、2-フルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、1,2-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、1-フルオロ-n-プロピル基、2-フルオロ-n-プロピル基、3-フルオロ-n-プロピル基、1,1-ジフルオロ-n -プロピル基、1,2-ジフルオロ-n-プロピル基、1,3-ジフルオロ-n-プロピル基、2,2-ジフルオロ-n-プロピル基、2,3-ジフルオロ-n-プロピル基、3,3-ジフルオロ-n-プロピル基、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロ-n-プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-n-プロピル基、パーフルオロ-n-プロピル基、1-フルオロイソプロピル基、2-フルオロイソプロピル基、1,2-ジフルオロイソプロピル基、2,2-ジフルオロイソプロピル基、2,2’-ジフルオロイソプロピル基、2,2,2,2’,2’,2’-ヘキサフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、
1-フルオロ-n-ブチル基、2-フルオロ-n-ブチル基、3-フルオロ-n-ブチル基、4-フルオロ-n-ブチル基、4,4,4-トリフルオロ-n-ブチル基、パーフルオロ-n-ブチル基、2-フルオロ-tert-ブチル基、パーフルオロ-tert-ブチル基、5-フルオロ-n-ペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-n-ペンチル基、パーフルオロ-n-ペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-n-ヘキシル基、パーフルオロ-n-ヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基、
(2-フルオロフェニル)メチル基、(3-フルオロフェニル)メチル基、(4-フルオロフェニル)メチル基、及び(パーフルオロフェニル)メチル基が挙げられる。置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基は、ハロゲン原子又はハロゲン化アリール基で置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基であってもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよいメチル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいエチル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいn-プロピル基であってもよい。
置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、イソブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、2-メチル-1-ブテニル基、2-シクロペンテニル基、1-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、3-シクロヘキセニル基、
1-フルオロビニル基、2-フルオロビニル基、1,2-ジフルオロビニル基、2,2 -ジフルオロビニル基、パーフルオロビニル基、1-フルオロアリル基、2-フルオロアリル基、3-フルオロアリル基、及びパーフルオロアリル基が挙げられる。R、R又はRとしての炭素数2~6のアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基であってもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよいビニル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいアリル基であってもよい。
置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基の例としては、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル、5-ヘキシニル基、3-フルオロ-1-プロピニル基、3,3-ジフルオロ-1-プロピニル基、パーフルオロ-1-プロピニル基、1-フルオロ-2-プロピニル基、1,1-ジフルオロ-2-プロピニル基、3-フルオロ-1-ブチニル基、4-フルオロ-1-ブチニル基、3,4-ジフルオロ-1-ブチニル基、4,4-ジフルオロ-1-ブチニル基、及びパーフルオロ-1-ブチニル基が挙げられる。置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基であってもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい2-プロピニル基であってもよい。
置換されていてもよいアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2,3-ジフルオロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基、2,4,6-トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基、3-フルオロ-2-メチルフェニル基、4-フルオロ-2-メチルフェニル基、5-フルオロ-2-メチルフェニル基、6-フルオロ-2-メチルフェニル基、2-フルオロ-3-メチルフェニル基、4-フルオロ-3-メチルフェニル基、5-フルオロ-3-メチルフェニル基、6-フルオロ-3-メチルフェニル基、2-フルオロ-4-メチルフェニル基、3-フルオロ-4-メチルフェニル基、2-トリフルオロメチルフェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、2-(2,2,2-トリフルオロエチル)フェニル基、3-(2,2,2-トリフルオロエチル)フェニル基、4-(2,2,2-トリフルオロエチル)フェニル基、パーフルオロトリル基、2-フルオロナフタレン-1-イル基、3-フルオロナフタレン-1-イル基、4-フルオロナフタレン-1-イル基、5-フルオロナフタレン-1-イル基、6-フルオロナフタレン-1-イル基、7-フルオロナフタレン-1-イル基、8-フルオロナフタレン-1-イル基、1-フルオロナフタレン-2-イル基、3-フルオロナフタレン-2-イル基、4-フルオロナフタレン-2-イル基、5-フルオロナフタレン-2-イル基、6-フルオロナフタレン-2-イル基、7-フルオロナフタレン-2-イル基、8-フルオロナフタレン-2-イル基、及びパーフルオロナフチル基が挙げられる。置換されていてもよいアリール基は、ハロゲン原子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基で置換されていてもよいアリール基であってもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であってもよい。
置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、シクロペントキシ基、n-ヘキソキシ基、シクロヘキソキシ基、
フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1-フルオロエトキシ基、2-フルオロエトキシ基、1,1-ジフルオロエトキシ基、1,2-ジフルオロエトキシ基、2,2-ジフルオロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基、パーフルオロエトキシ基、1-フルオロ-n-プロポキシ基、2-フルオロ-n-プロポキシ基、3-フルオロ-n-プロポキシ基、1,1-ジフルオロ-n-プロポキシ基、1,2-ジフルオロ-n-プロポキシ基、1,3-ジフルオロ-n-プロポキシ基、2,2-ジフルオロ-n-プロポキシ基、2,3-ジフルオロ-n-プロポキシ基、3,3-ジフルオロ-n-プロポキシ基、3,3,3-トリフルオロ-n-プロポキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロ-n-プロポキシ基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-n-プロポキシ基、パーフルオロ-n-プロポキシ基、1-フルオロイソプロポキシ基、2-フルオロイソプロポキシ基、1,2-ジフルオロイソプロポキシ基、2,2-ジフルオロイソプロポキシ基、2,2’-ジフルオロイソプロポキシ基、2,2,2,2’,2’,2’-ヘキサフルオロイソプロポキシ基、パーフルオロイソプロポキシ基、
1-フルオロ-n-ブトキシ基、2-フルオロ-n-ブトキシ基、3-フルオロ-n-ブトキシ基、4-フルオロ-n-ブトキシ基、4,4,4-トリフルオロ-n-ブトキシ基、パーフルオロ-n-ブトキシ基、2-フルオロ-tert-ブトキシ基、パーフルオロ-tert-ブトキシ基、5-フルオロ-n-ペントキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-n-ペントキシ基、パーフルオロ-n-ペントキシ基、パーフルオロシクロペントキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-n-ヘキソキシ基、パーフルオロ-n-ヘキソキシ基、パーフルオロシクロヘキソキシ基、(2-フルオロフェニル)メトキシ基、(3-フルオロフェニル)メトキシ基、(4-フルオロフェニル)メトキシ基、及び(パーフルオロフェニル)メトキシ基が挙げられる。置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基は、ハロゲン原子、アリール基又はハロゲン化アリール基で置換されていてもよいアルコキシ基であってもよく、ハロゲン原子で置換されていてよいメトキシ基、ハロゲン原子で置換されていてよいエトキシ基、又はハロゲン原子で置換されていてよいn-プロポキシ基であってもよい。
置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基の例としては、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、1-メチル-2-プロペニルオキシ基、2-メチル-2-プロペニルオキシ基、1-ブテニルオキシ基、2-ブテニルオキシ基、3-ブテニルオキシ基、イソブテニルオキシ基、1-ペンテニルオキシ基、2-ペンテニルオキシ基、2-メチル-1-ブテニルオキシ基、2-シクロペンテニルオキシ基、1-ヘキセニルオキシ基、2-ヘキセニルオキシ基、3-ヘキセニルオキシ基、4-ヘキセニルオキシ基、5-ヘキセニルオキシ基、1-シクロヘキセニルオキシ基、2-シクロヘキセニルオキシ基、3-シクロヘキセニルオキシ基、
1-フルオロビニルオキシ基、2-フルオロビニルオキシ基、1,2-ジフルオロビニルオキシ基、2,2-ジフルオロビニルオキシ基、パーフルオロビニルオキシ基、1-フルオロアリルオキシ基、2-フルオロアリルオキシ基、3-フルオロアリルオキシ基、及びパーフルオロアリルオキシ基が挙げられる。置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基であってもよい。
置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基の例としては、エチニルオキシ基、1-プロピニルオキシ基、2-プロピニルオキシ基、1-メチル-2-プロピニルオキシ基、1-ブチニルオキシ基、2-ブチニルオキシ基、3-ブチニルオキシ基、1-ペンチニルオキシ基、2-ペンチニルオキシ基、3-ペンチニルオキシ基、4-ペンチニルオキシ基、1-ヘキシニルオキシ、5-ヘキシニルオキシ基、3-フルオロ-1-プロピニルオキシ基、3,3-ジフルオロ-1-プロピニルオキシ基、パーフルオロ-1-プロピニルオキシ基、1-フルオロ-2-プロピニルオキシ基、1,1-ジフルオロ-2-プロピニルオキシ基、3-フルオロ-1-ブチニルオキシ基、4-フルオロ-1-ブチニルオキシ基、3,4-ジフルオロ-1-ブチニルオキシ基、4,4-ジフルオロ-1-ブチニルオキシ基、及びパーフルオロ-1-ブチニルオキシ基が挙げられる。
置換されていてもよいアリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、3-メチルフェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、2-エチルフェノキシ基、3-エチルフェノキシ基、4-エチルフェノキシ基、2-メトキシフェノキシ基、3-メトキシフェノキシ基、4-メトキシフェノキシ基、2-フルオロフェノキシ基、3-フルオロフェノキシ基、4-フルオロフェノキシ基、2,3-ジフルオロフェノキシ基、2,4-ジフルオロフェノキシ基、3,5-ジフルオロフェノキシ基、2,4,6-トリフルオロフェノキシ基、パーフルオロフェノキシ基、3-フルオロ-2-メチルフェノキシ基、4-フルオロ-2-メチルフェノキシ基、5-フルオロ-2-メチルフェノキシ基、6-フルオロ-2-メチルフェノキシ基、2-フルオロ-3-メチルフェノキシ基、4-フルオロ-3-メチルフェノキシ基、5-フルオロ-3-メチルフェノキシ基、6-フルオロ-3-メチルフェノキシ基、2-フルオロ-4-メチルフェノキシ基、3-フルオロ-4-メチルフェノキシ基、2-トリフルオロメチルフェノキシ基、3-トリフルオロメチルフェノキシ基、及び4-トリフルオロメチルフェノキシ基が挙げられる。置換されていてもよいアリールオキシ基は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよいアリールオキシ基であってもよい。
式(1)で表される化合物の具体例は、以下の表1、表2及び表3に示される、式(11)~(42)で表される化合物を含む。
Figure 2023054904000006
Figure 2023054904000007
Figure 2023054904000008
式(1)で表される化合物は、当業者に理解される通常の方法により合成することが可能であり、例えば以下の方法によって合成される。
i)X、X及びXが式(1A)で表される基で、Rが置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基である場合、例えば、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノールと、目的化合物に対応するスルホン酸クロリド化合物又はスルホン酸無水物とを、トリエチルアミン又はピリジン等の塩基存在下、溶媒中で反応させることを含む方法によって、式(1)で表される化合物が合成される。
ii)X、X及びXが式(1A)で表される基で、Rが置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基である場合、例えば、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノールとクロロ硫酸と反応させ、生成物から塩化チオニル等の塩素化剤を用いてスルホニルクロリド体を生成させることと、スルホニルクロリド体と目的化合物に対応するアルコール系化合物とを塩基存在下で反応させることを含む方法によって、式(1)で表される化合物が合成される。
iii)X、X及びXが式(1B)で表される基で、Rが置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基である場合、例えば、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノールと、目的化合物に対応するカルボン酸クロリド化合物又はカルボン酸無水物とを、トリエチルアミン又はピリジン等の塩基存在下、溶媒中で反応させることを含む方法によって、式(1)で表される化合物が合成される。
iv)X、X及びXが式(1B)で表される基で、Rが置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基である場合、例えば、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノールと、目的化合物に対応するクロロギ酸エステル化合物とを、トリエチルアミン又はピリジン等の塩基存在下、溶媒中で反応させることを含む方法によって、式(1)で表される化合物が合成される。
v)X、X及びXが式(1C)で表される基で、Rが置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基である場合、例えば、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノールと、目的化合物に対応するホスフィン酸クロリド化合物とを、トリエチルアミン又はピリジン等の塩基存在下、溶媒中で反応させることを含む方法によって、式(1)で表される化合物が合成される。
vi)X、X及びXが式(1C)で表される基で、Rが置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基である場合、例えば、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノールと、目的化合物に対応するリン酸クロリド化合物とを、トリエチルアミン又はピリジン等の塩基存在下、溶媒中で反応させることを含む方法によって、式(1)で表される化合物が合成される。
非水電解液用添加剤は、式(1)で表される化合物に加え、必要に応じて、負極保護剤、正極保護剤、難燃剤、過充電防止剤、環状カーボネート化合物、ニトリル化合物、イソシアネート化合物、アセチレン-1,2-ジイル基(-C≡C-)を有する化合物、スルホニル基(>S(=O))を有する化合物、リン酸エステル化合物、酸無水物、環状ホスファゼン化合物、ホウ素原子を含む化合物、及びケイ素原子を含む化合物等の、式(1)で表される化合物とは異なるその他の化合物を更に含んでもよい。非水電解液が、式(1)で表される化合物と、これらその他の化合物とを含んでもよい。その他の化合物が、蓄電デバイスの特性を改善するための添加剤として、式(1)で表される化合物とともに非水電解液に含まれてもよい。
環状カーボネート化合物の例としては、4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン(FEC)、トランス若しくはシス-4,5-ジフルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン(DFEC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VE C)、及び4-エチニル-1,3-ジオキソラン-2-オン(EEC)が挙げられる。環状カーボネート化合物が、VC、FEC、VEC又はこれらの組み合わせであってもよい。
ニトリル化合物の例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、及びセバコニトリルが挙げられる。ニトリル化合物が、スクシノニトリル、アジポニトリル又はこれらの組み合わせであってもよい。
イソシアネート化合物の例としては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2-イソシアナトエチルアクリレート、及び2-イソシアナトエチルメタクリレートが挙げられる。
アセチレン-1,2-ジイル基(-C≡C-)を有する化合物の例としては、2-プロピニルメチルカーボネート、酢酸-2-プロピニル、ギ酸-2-プロピニル、メタクリル酸-2-プロピニル、メタンスルホン酸-2-プロピニル、ビニルスルホン酸-2-プロピニル、2-(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸-2-プロピニル、ジ(2-プロピニル)オキサレート、メチル-2-プロピニルオキサレート、エチル-2-プロピニルオキサレート、グルタル酸ジ(2-プロピニル)、2-ブチン-1,4-ジイルジメタンスルホネート、2-ブチン-1,4-ジイルジホルメート、及び2,4-ヘキサジイン-1,6-ジイルジメタンスルホネートが挙げられる。
スルホニル基(>S(=O))を有する化合物の例としては、1,3-プロパンスルトン(PS)、1,3-ブタンスルトン、2,4-ブタンスルトン、1,4-ブタンスルトン、1,3-プロペンスルトン、2,2-ジオキシド-1,2-オキサチオラン-4-イルアセテート、又は5,5-ジメチル-1,2-オキサチオラン-4-オン2,2-ジオキシド等のスルトン、エチレンサルファイト、エチレンスルフェート、ヘキサヒドロベンゾ[1,3,2]ジオキサチオラン-2-オキシド(1,2-シクロヘキサンジオールサイクリックサルファイトともいう)、及び5-ビニル-ヘキサヒドロ-1,3,2-ベンゾジオキサチオール-2-オキシド等の環状サルファイト、ブタン-2,3-ジイルジメタンスルホネート、ブタン-1,4-ジイルジメタンスルホネート、メチレンメタンジスルホネート、及び1,3-プロパンジスルホン酸無水物等のスルホン酸エステル、ジビニルスルホン、1,2-ビス(ビニルスルホニル)エタン、並びにビス(2-ビニルスルホニルエチル)エーテルが挙げられる。
リン酸エステル化合物の例としてはリン酸トリメチル、リン酸トリブチル、及びリン酸トリオクチル、リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)、リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)メチル、リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)エチル、リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)2,2-ジフルオロエチル、リン酸ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、リン酸ビス(2,2-ジフルオロエチル)2,2,2-トリフルオロエチル、リン酸ビス(2,2,3,3-テトラフルオロプロピル)2,2,2-トリフルオロエチル及びリン酸(2,2,2-トリフルオロエチル)(2,2,3,3-テトラフルオロプロピル)メチル、リン酸トリス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル)、メチレンビスホスホン酸メチル、メチレンビスホスホン酸エチル、エチレンビスホスホン酸メチル、エチレンビスホスホン酸エチル、ブチレンビスホスホン酸メチル、ブチレンビスホスホン酸エチル、メチル2-(ジメチルホスホリル)アセテート、エチル2-(ジメチルホスホリル)アセテート、メチル2-(ジエチルホスホリル)アセテート、エチル2-(ジエチルホスホリル)アセテート、2-プロピニル2-(ジメチルホスホリル)アセテート、2-プロピニル2-(ジエチルホスホリル)アセテート、メチル2-(ジメトキシホスホリル)アセテート、エチル2-(ジメトキシホスホリル)アセテート、メチル2-(ジエトキシホスホリル)アセテート、エチル2-(ジエトキシホスホリル)アセテート、2-プロピニル2-(ジメトキシホスホリル)アセテート、2-プロピニル2-(ジエトキシホスホリル)アセテート、ピロリン酸メチル、及びピロリン酸エチルが挙げられる。
酸無水物の例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、3-アリル無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、及び3-スルホ-プロピオン酸無水物が挙げられる。
環状ホスファゼン化合物の例としては、メトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、フェノキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、及びエトキシヘプタフルオロシクロテトラホスファゼンが挙げられる。
ケイ素原子を含む化合物としては、ヘキサメチルシクロトリシロキン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5-トリメチル-1,3,5-トリビニルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリメチルフルオロシラン、トリエチルフルオロシラン、トリプロピルフルオロシラン、フェニルジメチルフルオロシラン、トリフェニルフルオロシラン、ビニルジメチルフルオロシラン、ビニルジエチルフルオロシラン、ビニルジフェニルフルオロシラン、トリメトキシフルオロシラン、トリエトキシフルオロシラン、ジメチルジフルオロシラン、ジエチルジフルオロシラン、ジビニルジフルオロシラン、エチルビニルジフルオロシラン、メチルトリフルオロシラン、エチルトリフルオロシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3-ジエチルテトラメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、テトラメトキシシラン、ビス(トリメチルシリル)パーオキサイド、酢酸トリメチルシリル、酢酸トリエチルシリル、プロピオン酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリメチルシリル、トリフルオロ酢酸トリメチルシリル、メタンスルホン酸トリメチルシリル、エタンスルホン酸トリメチルシリル、メタンスルホン酸トリエチルシリル、フルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、ビス(トリメチルシリル)スルフェート、トリス(トリメチルシロキシ)ボロン、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、及びトリス(トリメチルシリル)ホスファイトが挙げられる。
ホウ素原子を含む化合物の例としては、ボロキシン、トリメチルボロキシン、トリメトキシボロキシン、トリエチルボロキシン、トリエトキシボロキシン、トリイソプロピルボロキシン、トリイソプロポキシボロキシン、トリn-プロピルボロキシン、トリn-プロポキシボロキシン、トリn-ブチルボロキシン、トリn-ブチロキシボロキシン、トリフェニルボロキシン、トリフェノキシボロキシン、トリシクロヘキシルボロキシン、及びトリシクロヘキソキシボロキシンが挙げられる。
非水電解液の一例は、式(1)で表される化合物を含む添加剤と、非水溶媒と、電解質とを含有する。
非水電解液における式(1)で表される化合物の含有量は、添加剤としての効果を勘案して適宜決定することができ、例えば、非水電解液の質量を基準として0.001~10質量%の範囲であってもよい。式(1)で表される化合物の含有量が0.001~10質量%以下であると、電極上に適度な被膜(SEI)が形成され、特に効果的に抵抗の上昇を抑制できる傾向がある。同様の観点から、式(1)で表される化合物の含有量は、非水電解液の質量を基準として、0.05質量%以上、又は0.1質量%以上であってもよく、8質量%以下、5質量%以下、又は3質量%以下であってもよい。
非水電解液中の添加剤が式(1)で表される化合物以外の化合物を更に含む場合、式(1)で表される化合物以外の化合物の含有量が、非水電解液の質量を基準として、0.001~10質量%であってもよい。式(1)で表される化合物以外の化合物の含有量の含有量がこの範囲にあると、適度な厚さのSEIが形成され、より高温下でのSEIの安定性が高まり得る。同様の観点から、式(1)で表される化合物以外の化合物の含有量は、非水電解液の質量を基準として、0.01質量%以上、又は0.5質量%以上であってもよい。
非水溶媒は、非水電解液の粘度を低く抑える観点から、非プロトン性溶媒であってもよい。非プロトン性溶媒は、環状カーボネート、鎖状カーボネート、脂肪族カルボン酸エステル、ラクトン、ラクタム、環状エーテル、鎖状エーテル、スルホン、ニトリル及びこれらのハロゲン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。非プロトン性溶媒は、環状カーボネート又は鎖状カーボネートを含んでもよく、環状カーボネート及び鎖状カーボネートの組み合わせを含んでもよい。
環状カーボネートの例としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、及びFECが挙げられる。鎖状カーボネートの例としては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、及び炭酸エチルメチルが挙げられる。脂肪族カルボン酸エステルの例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、及びトリメチル酢酸メチルが挙げられる。ラクトンの例としては、γ-ブチロラクトンが挙げられる。ラクタムの例としては、ε-カプロラクタム、及びN-メチルピロリドンが挙げられる。環状エーテルの例としては、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、及び1,3-ジオキソランが挙げられる。鎖状エーテルの例としては、1,2-ジエトキシエタン、及びエトキシメトキシエタンが挙げられる。スルホンの例としては、スルホランが挙げられる。ニトリルの例としては、アセトニトリルが挙げられる。ハロゲン誘導体の例としては、4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-クロロ-1,3-ジオキソラン-2-オン、4,5-ジフルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン等が挙げられる。非水溶媒は、これらから選ばれる1種又は2種以上の化合物を含んでもよい。
非水電解液における非水溶媒の含有量は、非水電解液の質量を基準として、例えば70~99質量%であってもよい。
電解質は、リチウムイオンのイオン源となるリチウム塩であってもよい。電解質は、LiAlCl、LiBF、LiPF、LiClO、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド)、LiFSI(リチウムビスフルオロスルホンイミド)、LiAsF及びLiSbFからなる群より選択される少なくとも1種を含んでもよい。解離度が高く電解液のイオン伝導度を高めることができ、更に耐酸化還元特性により長期間の使用による蓄電デバイスの性能劣化を抑制する作用がある等の観点から、電解質が、LiBF、LiPF又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
電解質がLiBF、LiPF又はこれらの組み合わせである場合に、非水溶媒が環状カーボネート及び鎖状カーボネートを含んでいてもよい。LiBF及び/又はLiPFと、炭酸エチレン及び炭酸ジエチルとを組み合わせてもよい。
非水電解液における電解質の濃度は、非水電解液の体積を基準として、0.1mol/L以上、又は2.0mol/L以下であってもよい。電解質の濃度が0.1mol/L以上であると、非水電解液の良好な導電性等が得られやすい。電解質の濃度が2.0mol/L以下であると、非水電解液の粘度上昇を抑制して、イオンの移動度を特に容易に確保することができる。同様の観点から、電解質の濃度が0.5mol/L以上であってもよく、1.5mol/L以下であってもよい。
非水電解液が、LiAlCl、LiBF、LiPF、LiClO、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド)、LiFSI(リチウムビスフルオロスルホンイミド)、LiAsF及びLiSbFからなる群より選択される1種以上のリチウム塩(第1のリチウム塩)と、第1のリチウム塩とは異なる1種以上の第2のリチウム塩とを含んでもよい。第2のリチウム塩の例としては、ジフルオロリン酸リチウム、リチウムビスオキサラトボレート(LiBOB)、リチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート(LiTFOP)、リチウムジフルオロオキサラトボレート(LiDFOB)、リチウムジフルオロビスオキサラトホスフェート(LiDFOP)、テトラフルオロホウ酸リチウム、リチウムビスフルオロスルホニルイミド、リチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート、及びLiPOF等のリン酸骨格を有するリチウム塩、並びに、リチウムトリフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ボレート、リチウムペンタフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ホスフェート、リチウムメチルサルフェート、リチウムエチルサルフェート、リチウム2,2,2-トリフルオロエチルサルフェート、及びフルオロスルホン酸リチウム等のS(=O)基を有するリチウム塩が挙げられる。第2のリチウム塩は、ジフルオロリン酸リチウム、リチウムビスオキサラトボレート、リチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムジフルオロビスオキサラトホスフェート、リチウムメチルサルフェート、リチウムエチルサルフェート、及びフルオロスルホン酸リチウムからなる群より選ばれる1種以上のリチウム塩を含んでもよい。
非水電解液における第2のリチウム塩の濃度は、非水電解液の体積を基準として、1.0mol/L以下であってもよい。第2のリチウム塩の濃度が1.0mol/L以下であると、非水電解液の粘度が上昇しにくいため、イオンの移動度を充分に確保できる。同様の観点から、第2のリチウム塩の濃度は0.8mol/L以下であってもよく、0.5mol/L以下でもよい。
非水電解液は、例えば、式(1)で表される化合物を含む非水電解液用添加剤と、電解質、及び必要により添加されるその他の添加物とを非水溶媒に溶解させることにより、調製される。
蓄電デバイスの一例は、主として、上記非水電解液と、正極及び負極とから構成される。蓄電デバイスの具体例は、非水電解液二次電池(リチウムイオン電池等)及び電気二重層キャパシタ(リチウムイオンキャパシタ等)を含む。本開示に係る非水電解液は、リチウムイオン電池、及びリチウムイオンキャパシタの用途において特に有用である。
図1は、蓄電デバイスである非水電解液二次電池の一例を模式的に示す断面図である。図1に示される非水電解液二次電池1は、正極板4(正極)及び負極板7(負極)と、正極板4と負極板7との間に配置された非水電解液8と、非水電解液8中に設けられたセパレータ9と、を備える。正極板4は、正極集電体2と正極集電体2の非水電解液8側に設けられた正極活物質層3とを有する。負極板7は、負極集電体5と負極集電体5の非水電解液8側に設けられた負極活物質層6とを有する。非水電解液8として、上述の実施形態に係る非水電解液を用いることができる。
正極集電体2及び負極集電体5は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、及びステンレス等の金属を含む金属箔であってもよい。
正極活物質層3は正極活物質を含む。正極活物質は、リチウム含有複合酸化物であってもよい。リチウム含有複合酸化物の例としては、LiMnO、LiFeO、LiCoO、LiMn、LiFeSiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNiCo(但し、0.01<x<1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1であり、MはMn、V、Mg、Mo、Nb、Fe、Cu及びAlからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)、及びLiFePOが挙げられる。
負極活物質層6は負極活物質を含む。負極活物質は、例えば、リチウムを吸蔵、放出することができる材料であってもよい。負極活性物質の例は、黒鉛及び非晶質炭素等の炭素材料、並びに、酸化インジウム、酸化シリコン、酸化スズ、チタン酸リチウム、酸化亜鉛及び酸化リチウム等の酸化物材料を含む。負極活物質は、リチウム金属、又はリチウムと合金を形成することができる金属材料であってもよい。リチウムと合金を形成することができる金属の例は、Cu、Sn、Si、Co、Mn、Fe、Sb、及びAgを含む。負極活物質が、これらの金属とリチウムとを含む2種又は3種の金属を含む合金を含んでもよい。これらの例示された負極活物質は単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
高エネルギー密度化の観点から、負極活物質が、黒鉛などの炭素材料と、Si、Si合金、及びSi酸化物等から選ばれるSi系の活物質とを含んでもよい。サイクル特性と高エネルギー密度化の両立という観点から、負極活物質が、黒鉛と、Si系の活物質とを含んでもよい。その場合、炭素材料とSi系の活物質との合計質量に対するSi系の活物質の質量の比は、0.5質量%以上95質量%以下、1質量%以上50質量%以下、又は2質量%以上40質量%以下であってもよい。
正極活物質層3及び負極活物質層6は、結着剤を更に含んでいてもよい。結着剤の例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド-テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、アクリル酸-ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸、及びこれらの共重合体が挙げられる。正極活物質層及び負極活物質層は、互いに同一又は異なる結着剤を含むことができる。
正極活物質層3及び負極活物質層6は、抵抗を低下させる目的で、導電補助材を更に含んでもよい。導電補助材の例としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック等の炭素質微粒子、並びに炭素繊維が挙げられる。
セパレータ9は、例えば、多孔質フィルムであってもよい。多孔質フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びフッ素樹脂等から選ばれる樹脂を含むフィルムであってもよい。
蓄電デバイスを構成する各部材の形状、厚み等の具体的な形態は、当業者であれば適宜設定することができる。蓄電デバイスの構成は、図1の実施形態に限られず、適宜変更が可能である。
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.非水電解液
(実施例1)
化合物11(式(11)で表される化合物)の合成
撹拌機、冷却管、温度計及び滴下ロートを備え付けた300mLの4つ口フラスコに1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノール(2.66g、10mmol)及びアセトニトリル10mLを入れた。フラスコを氷浴で冷却し、フラスコ内の反応液を撹拌しながら、メタンスルホン酸無水物(5.75g、33mmol)を一括して添加し、次いでピリジン(2.61g、33mmol)を滴下した。ピリジンの滴下終了後、反応液を25℃まで昇温し、同温度を維持したまま5時間反応液を攪拌した。その後、反応液に水を添加し、析出したオイル状物を取得した。得られたオイル状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動層は酢酸エチル-ヘプタン混合溶媒)にて精製し、得られたフラクションを減圧乾燥して、微黄色オイル状の化合物11を得た(1.79g、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノールに対する収率35%)。
H-NMR(400MHz、CD3CN)δ(ppm):3.10(s、6H)、3.21(s、3H)、3.58-3.61(m、4H)、3.78-3.81(m、4H)、4.58(t、4H)、5.54(m、1H)
13C-NMR(100MHz、CD3CN)δ(ppm):37.8、39.6、54.9、58.0、64.1、70.6
非水電解液の調製
炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)とを、EC:DEC=30:70の体積組成比で混合して混合非水溶媒を得た。得られた混合非水溶媒に、電解質としてLiPFを1.0mol/Lの濃度となるように溶解した。得られた溶液に、化合物11を非水電解液用添加剤として加え、非水電解液を調製した。非水電解液用添加剤(化合物11)の含有割合は、非水電解液の質量を基準として1.0質量%であった。
(実施例2)
化合物32(式(32)で表される化合物)の合成
撹拌機、冷却管、温度計及び滴下ロートを備え付けた300mLの4つ口フラスコに1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノール(2.66g、10mmol)及びアセトニトリル10mLを入れた。フラスコを氷浴で冷却し、フラスコ内の反応液を撹拌しながら、p-トルエンスルホン酸無水物(10.8g、33mmol)を一括して添加し、次いでピリジン(2.61g、33mmol)を滴下した。ピリジンの滴下終了後、反応液を25℃まで昇温し、同温度を維持したまま5時間反応液を攪拌した。その後、反応液に水を添加し、析出したオイル状物を取得した。得られたオイル状物を3回水洗し、アセトニトリル10mL及びメタノール10mLの混合溶媒に溶解させた。溶液を氷浴で冷却しながら2時間攪拌したところ、白色固体が析出した。析出した白色固体を濾別し、メタノールで洗浄後、減圧乾燥することで、化合物32を得た(2.95g、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチルスルホニル)-2-プロパノールに対する収率40%)。
H-NMR(400MHz、CD3CN)δ(ppm):2.45(s、9H)、3.33-3.37(m、4H)、3.60-3.63(m、4H)、4.30(dd、4H)、5.36(m、1H)、7.45-7.47(m、6H)、7.80-7.82(m、6H)
13C-NMR(100MHz、CD3CN)δ(ppm):21.8、21.9、54.6、57.8、64.3、70.7、129.1、129.4、131.3、133.0、147.1、147.7
非水電解液の調製
化合物11に代えて化合物32を用いたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解液を調製した。
(比較例1)
実施例1において化合物11が添加される前のLiPF溶液(濃度1.0mol/L)を、比較例1の非水電解液として用いた。
(比較例2)
化合物11に代えて1,3-プロパンスルトン(PS、東京化成工業株式会社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解液を調製した。
(比較例3)
化合物11に代えてビニレンカーボネート(VC、東京化成工業株式会社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解液を調製した。
(比較例4)
化合物11に代えてフルオロエチレンカーボネート(FEC、東京化成工業株式会社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解液を調製した。
2.非水電解液二次電池の作製
正極活物質としてのLiNi0.5Co0.2Mn0.3及び導電性付与剤としてのカーボンブラックを乾式混合した。得られた混合物を、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶液中に均一に分散させ、スラリーを作製した。得られたスラリーをアルミ金属箔(角型、厚さ20μm)の両面に塗布した。塗膜を乾燥してNMPを除去した後、全体をプレスして、正極集電体としてのアルミ金属箔と、その両面上に形成された正極活物質層とを有する正極シートを得た。正極活物質層における固形分の比率(質量比)は、正極活物質:導電性付与剤:PVDF=92:5:3であった。
負極活物質としてのグラファイト粉末と、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)とを水中に均一に分散させ、スラリーを作製した。得られたスラリーを銅箔(角型、厚さ10μm)の片面に塗布した。塗膜を乾燥して水を除去した後、全体をプレスして、負極集電体としての銅箔と、その片面上に形成された負極活物質層とを有する負極シートを得た。負極活物質層における固形分の比率(質量比)は、負極活物質:CMC:SBR=98:1:1であった。
作製した正極シート及び負極シートを、負極シート、ポリエチレンからなるセパレータ、正極シート、ポリエチレンからなるセパレータ、負極シートの順に積層して、電池要素を形成した。この電池要素を、アルミニウムシート(厚さ40μm)とその両面を被覆する樹脂層とを有するラミネートフィルムから形成された袋に、正極シート及び負極シートの端部が袋から突き出るように挿入した。次いで、実施例及び比較例で得られた各非水電解液を袋内に注入した。袋を真空封止し、シート状の非水電解液二次電池を得た。電極間の密着性を高めるために、ガラス板でシート状の非水電解液二次電池を挟んで加圧した。
3.評価
初期DCR及びサイクル後DCR
得られた各非水電解液二次電池を、25℃において、0.2Cに相当する電流で4.2Vまで充電した。充電された非水電解液二次電池を、45℃において24時間保持することによりエージングした。その後、25℃において、0.2Cに相当する電流で3Vまで放電した。引き続き、0.2Cに相当する電流で4.2Vまで充電し、0.2Cに相当する電流で3Vまで放電する操作を3サイクル繰り返す初期充放電により、非水電解液二次電池を安定させた。その後、初期充放電として1Cに相当する電流で充放電を行った。初期充放電において観測される放電容量を初期容量とした。
さらに、初期充放電後の非水電解液二次電池を初期容量の50%の容量まで充電し、次いで0.2Cに相当する電流で放電し、電池電圧の変化を観察した。その後、10分間の休止を入れながら、放電における電流(放電レート)を0.5C、1.0C、及び2.0Cに変化させながら充電及び放電を繰り返したときの電圧の変化を読み取り、その値からDCR(Ω)を「初期DCR(Ω)」として算出した。DCRは電池の抵抗値に相当する値であり、DCR値が低いほど、電池の出力特性が高いといえる。
初期充放電後の各非水電解液二次電池について、充電レートを1C、放電レートを1C、充電終止電圧を4.2V、及び、放電終止電圧を3Vとした400サイクルの充放電サイクル試験を行った。その後、1Cで充放電したときの放電容量(サイクル後容量)を測定した。充放電サイクル試験後の非水電解液二次電池をサイクル後容量の50%容量まで充電し、放電することを繰り返す上記と同様の方法によりDCRを測定し、その値を「サイクル後DCR(Ω)」とした。
ガス発生量
初期充放電後の各非水電解液二次電池の体積をアルキメデス法により測定し、測定値を電池の「初期体積(cm)」とした。その後、各非水電解液二次電池を25℃において1Cで4.2Vまで充電し、続いて60℃において30日間、放置した。放置後の非水電解液二次電池を25℃まで冷却してから1Cで3Vまで放電した。放電後の非水電解二次電池の体積をアルキメデス法により測定し、測定値を高温保存後体積(cm)とした。下記式によりガス発生量を算出した。
ガス発生量=(高温保存後体積)-(初期体積)
Figure 2023054904000009
表4に示される評価結果から、式(1)で表される化合物を含む添加剤は、非水電解液に添加されたときに、非水電解液二次電池の充放電の繰り返しに伴う抵抗値の上昇が抑制され、高温での保存に伴うガス発生も抑制することが確認された。
1…蓄電デバイス(非水電解液二次電池)、2…正極集電体、3…正極活物質層、4…正極板、5…負極集電体、6…負極活物質層、7…負極板、8…非水電解液、9…セパレータ。

Claims (16)

  1. 下記式(1):
    Figure 2023054904000010

    で表される化合物であって、式(1)中、X、X及びXは、それぞれ独立に下記式(1A)、(1B)又は(1C):
    Figure 2023054904000011

    で表される1価の基を示し、式(1A)、(1B)又は(1C)中、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、同一分子中に複数のRがあるとき、それらは同一でも異なってもよく、同一分子中に複数のRがあるとき、それらは同一でも異なってもよく、同一分子中に複数のRがあるとき、それらは同一でも異なってもよく、
    、X及びXが全て式(1B)で表される1価の基であるとき、同一分子中の3つのRのうち少なくとも1つが、-CH=CHでも-C(CH)=CHでもない基である、化合物を含む、非水電解液用添加剤。
  2. 及びXが式(1A)で表される基である、請求項1に記載の非水電解液用添加剤。
  3. が式(1A)で表される基である、請求項1又は2に記載の非水電解液用添加剤。
  4. 、R及びRが、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の非水電解液用添加剤。
  5. 、R及びRが、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、ハロゲン原子で置換された炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、ハロゲン原子で置換された炭素数2~6のアルキニル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、アルキルアリール基、又は、ハロゲン原子で置換されたアルキルアリール基である、請求項4に記載の非水電解液用添加剤。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の非水電解液用添加剤、非水溶媒、及び電解質を含有する、非水電解液。
  7. 前記非水溶媒が環状カーボネート及び鎖状カーボネートを含む、請求項6に記載の非水電解液。
  8. 前記電解質がリチウム塩を含む、請求項6又は7に記載の非水電解液。
  9. 請求項6~8のいずれか一項に記載の非水電解液と、正極及び負極と、を備える、蓄電デバイス。
  10. リチウムイオン電池である、請求項9に記載の蓄電デバイス。
  11. リチウムイオンキャパシタである、請求項9に記載の蓄電デバイス。
  12. 下記式(1):
    Figure 2023054904000012

    で表される化合物であって、式(1)中、X、X及びXは、それぞれ独立に下記式(1A)、(1B)又は(1C):
    Figure 2023054904000013

    で表される1価の基を示し、式(1A)、(1B)又は(1C)中、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい炭素数1~6のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニルオキシ基、又は置換されていてもよいアリールオキシ基を示し、同一分子中に複数のRがあるとき、それらは同一でも異なってもよく、同一分子中に複数のRがあるとき、それらは同一でも異なってもよく、同一分子中に複数のRがあるとき、それらは同一でも異なってもよく、
    、X及びXが全て式(1B)で表される1価の基であるとき、同一分子中の3つのRのうち少なくとも1つが、-CH=CHでも-C(CH)=CHでもない基である、化合物。
  13. 及びXが式(1A)で表される基である、請求項12に記載の化合物。
  14. が式(1A)で表される基である、請求項12又は13に記載の化合物。
  15. 、R及びRが、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1~6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2~6のアルキニル基、又は置換されていてもよいアリール基である、請求項12~14のいずれか一項に記載の化合物。
  16. 、R及びRが、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、ハロゲン原子で置換された炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、ハロゲン原子で置換された炭素数2~6のアルキニル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基、アルキルアリール基、又は、ハロゲン原子で置換されたアルキルアリール基である、請求項15に記載の化合物。
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