JP2023050989A - 電池用電極製造装置および電池用電極製造方法 - Google Patents

電池用電極製造装置および電池用電極製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023050989000001
【課題】帯状の基材フィルムの搬送性の低下を抑制することができる電池用電極製造装置および電池用電極製造方法を提供すること。
【解決手段】搬送方向Xにおいて隙間が形成された状態で複数の枠体4が固定された帯状の集電体21Xから電池用電極の少なくとも一部を製造する電池用電極製造装置であって、帯状の集電体21Xのうち、少なくとも枠体4が固定された領域を載置する搬送台10と、搬送台10に固定され、かつ枠体4を搬送台10に保持する保持具30と、保持具30が固定された搬送台10を搬送方向Xに搬送する搬送台搬送機構800とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、電池用電極製造装置および電池用電極製造方法に関する。
近年注目されているリチウムイオン電池は、一般に、帯状の集電体上に電極として必要な層を積層したのち、帯状の集電体を単体の集電体に分断することで電極を得ることとなる。例えば、特許文献1では、帯状の第1の集電体に正電極、電解質、負電極、および第2集電体を積層して製造された電池構造体が連続形成された被切断体を切断することで単体の電池構造体を得る。例えば、特許文献2では、第1の集電体上に連結して形成された複数の枠体の内側に、正極活物質層、負極活物質層、セパレータおよび第2の集電体を積層して製造された単電池構造体が連続形成されたものを切断することで、単体の単電池構造体を得る。
特開2008-53103号公報 特開2017-41310号公報
帯状の集電体を用いた電池の製造においては、特許文献1,2に開示されているように、帯状の集電体を切断することとなる。したがって、電池用電極の製造において、帯状の集電体上に複数の枠体を固定して、枠内に活物質を供給し、活物質を圧縮した場合においても、帯状の集電体を切断することで単体の電極を得ることとなる。この場合、搬送方向において隣り合う枠体は、離間して固定されることが考えられる。帯状の集電体は、可撓性を有するため、搬送方向において隣り合う枠体の間に位置する集電体は、剛性が低く、搬送機構による帯状の集電体の搬送によって撓むことがある。従来の搬送機構による搬送では、このように集電体が撓むことがあり、そうすると、帯状の集電体を切断する機構(例えば切断する所定の位置)に搬送するまでに時間を要し、製造効率が低下するおそれがある。
本発明の目的は、帯状の基材フィルムの搬送性の低下を抑制し、製造効率を向上させることができる電池用電極製造装置および電池用電極製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の電池用電極製造装置は、搬送方向において隙間が形成された状態で複数の枠体が固定された帯状の基材フィルムから電池用電極の少なくとも一部を製造する電池用電極製造装置であって、前記帯状の基材フィルムのうち、少なくとも前記枠体が固定された領域を載置する搬送台と、前記搬送台に固定され、かつ前記枠体を前記搬送台に保持する保持具と、前記保持具が固定された前記搬送台を搬送方向に搬送する搬送台搬送機構と、を備えることを特徴とする。
また、上記の課題を解決するために、本発明の電池用電極製造方法は、搬送方向において隙間が形成された状態で複数の枠体が固定された帯状の基材フィルムから電池用電極の少なくとも一部を製造する電池用電極製造方法であって、前記帯状の基材フィルムのうち、少なくとも前記枠体が固定された領域を搬送台に載置する載置工程と、保持具により前記枠体を前記搬送台に保持した状態で、保持具を搬送台に固定する保持具固定工程と、搬送台搬送機構により前記保持具が固定された前記搬送台を搬送方向に搬送する搬送台搬送工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る電池用電極製造装置および電池用電極製造方法は、帯状の基材フィルムの搬送性の低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、単電池の概略構成図である。 図2は、実施形態に係る電池用電極製造装置の概略構成図である。 図3は、実施形態に係る電池用電極製造装置の要部拡大概略構成図である。 図4は、実施形態に係る電池用電極製造装置の要部拡大概略構成図である。 図5は、実施形態に係る電池用電極製造装置による電池用電極の製造方法を示すフローチャート図である。 図6は、実施形態に係る電池用電極製造装置の動作説明図である。 図7は、実施形態に係る電池用電極製造装置の動作説明図である。 図8は、実施形態に係る電池用電極製造装置の動作説明図である。 図9は、実施形態に係る電池用電極製造装置の動作説明図である。 図10は、実施形態に係る電池用電極製造装置の動作説明図である。 図11は、実施形態に係る電池用電極製造装置の動作説明図である。 図12は、変形例に係る電池用電極製造装置による電池用電極の製造方法を示すフローチャート図である。 図13は、変形例に係る電池用電極製造装置の動作説明図である。
以下に、本発明の実施形態に係る電池用電極製造装置および電池用電極製造方法につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図2に示す本実施形態に係る電池用電極製造装置100は、図1に示す単電池1に適用される電極2を製造するための電池用電極製造装置である。以下では、まず、図1を参照して単電池1、電極2の基本的な構成について説明した後、図2等を参照して電池用電極製造装置100について詳細に説明する。
<単電池>
単電池(電池セル、単セルともいう。)1は、本実施形態では、非水電解質二次電池の1種であるリチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池とは、図1に示すように、正極2aと負極2bとの間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池である。なお、以下の説明では、「正極2a」と「負極2b」とを特に区別して説明する必要がない場合には、単に「電極2」という場合がある。
単電池1は、正極2aと、負極2bと、セパレータ3と、枠体4とを有する。正極2aは、単電池1を構成する2つの電極(電池用電極)2のうち、一方の電極2である。負極2bは、単電池1を構成する2つの電極2のうち、他方の電極2である。セパレータ3は、正極2aと負極2bとの間に配置される板状の部材である。枠体4は、セパレータ3の周縁部を囲う枠状の部材である。単電池1は、正極2a、セパレータ3、負極2bの順番で積層され、かつ、枠体4がセパレータ3の周縁部を囲う位置関係で一体化される。
正極2aは、正極集電体層21aと、正極活物質層22aとを有し、正極集電体層21aの両面のうち、一方の面に正極活物質層22aが電気的に結合している。一方、負極2bは、負極集電体層21bと、負極活物質層22bとを有し、負極集電体層21bの両面のうち、一方の面に負極活物質層22bが電気的に結合している。本実施形態における正極2aおよび負極2bは、矩形板状に形成されている。
セパレータ3は、正極2aと負極2bとの間の隔壁として機能し、正極活物質層22aと負極活物質層22bとが互いに接触することを抑制するものである。本実施形態におけるセパレータ3は、正極集電体層21aおよび負極集電体層21bよりも小さい矩形板状に形成されている。
枠体4は、単電池1の骨格を形成するものである。枠体4は、正極集電体層21aとセパレータ3との間で正極活物質層22aを封止し、負極集電体層21bとセパレータ3との間で、負極活物質層22bを封止するものである。本実施形態における枠体4は、セパレータ3の外周を囲う額縁状に形成されている。
単電池1は、正極集電体層21a、正極活物質層22a、セパレータ3、負極活物質層22b、負極集電体層21bの順番で積層される。つまり、単電池1は、正極集電体層21a及び負極活物質層2bが最外層に配置、すなわち単電池1の外部に露出する。
なお、本実施形態の単電池1は、セパレータ3の一部が枠体4に入り込むように構成される場合を示している。すなわち、セパレータ3は、枠体4に周縁部を囲まれる正極活物質層2a、負極活物質層2bと比較して、幅が若干大きくなっており、その一部が枠体4に食い込んでいる。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、正極活物質層22a、負極活物質層22b、セパレータ3の幅が同じになるように構成してもよい。また、枠体4は、一体的に製造されてもよいし、例えば、正極2a側の枠体4と負極2b側の枠体4とを別個に製造して結合させることにより製造されてもよい。
また、以下の説明では、「正極集電体層21a」と「負極集電体層21b」とを特に区別して説明する必要がない場合には、単に「集電体層21」という場合がある。同様に、「正極活物質層22a」と「負極活物質層22b」とを特に区別して説明する必要がない場合には、単に「電極活物質層22」という場合がある。
<組電池>
単電池1は、複数組み合わせて、電圧及び容量を調節した組電池、すなわち電池パックの形態で使用することが可能である。組電池は、平板状の複数の単電池1を厚さ方向において積層して構成されている。厚さ方向において隣り合う単電池1は、互いの異なる電極2が接触、すなわち一方の正極2aと他方の負極2bとが接触するように積層される。組電池は、可撓性を有する絶縁材料で構成される外層フィルム、例えばラミネートフィルムにより、内部の単電池1が覆われている。組電池は、複数の単電池1の厚さ方向における両端に位置する正極2aおよび負極2bにそれぞれ電気的に接続される取り出し部が設けられる。取り出し部は、一部が外装フィルムの外部に露出しており、外部において電気的に接続された電気機器に電力が供給される。
<正極集電体の具体例>
正極集電体層21aを構成する正極集電体としては、公知のリチウムイオン単電池に用いられる集電体を用いることができ、例えば、公知の金属集電体及び導電材料と樹脂とから構成されてなる樹脂集電体(特開2012-150905号公報及び国際公開第2015/005116号等に記載の樹脂集電体等)を用いることができる。正極集電体層21aを構成する正極集電体は、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。
金属集電体としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン及びこれらの金属を1種以上含む合金、並びに、ステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属材料が挙げられる。これらの金属材料は、薄板や金属箔等の形態で用いてもよい。また、上記金属材料以外で構成される基材表面にスパッタリング、電着、塗布等の方法により上記金属材料を形成したものを金属集電体として用いてもよい。
樹脂集電体としては、導電性フィラーとマトリックス樹脂とを含むことが好ましい。マトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)等が挙げられるが、特に限定されない。導電性フィラーは、導電性を有する材料から選択されれば特に限定されない。例えば、導電性フィラーは、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。
樹脂集電体は、マトリックス樹脂及び導電性フィラーのほかに、その他の成分(分散剤、架橋促進剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤等)を含んでいてもよい。また、複数の樹脂集電体を積層して用いてもよく、樹脂集電体と金属箔とを積層して用いても良い。
正極集電体層21aの厚さは、特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。複数の樹脂集電体を積層して正極集電体層21aとして用いる場合には、積層後の全体の厚さが5~150μmであることが好ましい。正極集電体層21aは、例えば、マトリックス樹脂、導電性フィラー及び必要により用いるフィラー用分散剤を溶融混練して得られる導電性樹脂組成物を公知の方法でフィルム状に成形することにより得ることができる。
<正極活物質の具体例>
正極活物質層22aは、正極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。ここで、非結着体とは、正極活物質層中において正極活物質の位置が固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質同士及び正極活物質と集電体とが不可逆的に固定されていないことを意味する。正極活物質層22aが非結着体である場合、正極活物質同士は不可逆的に固定されていないため、正極活物質同士の界面を機械的に破壊することなく分離することができ、正極活物質層22aに応力がかかった場合でも正極活物質が移動することで正極活物質層22aの破壊を防止することができ好ましい。非結着体である正極活物質層22aは、正極活物質層22aを、正極活物質と電解液とを含みかつ結着剤を含まない正極活物質層22aにする等の方法で得ることができる。なお、本明細書において、結着剤とは、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は、溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで表面が粘着性を示すことなく固体化するので正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない。
正極活物質としては、例えば、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属元素が2種である複合酸化物及び金属元素が3種類以上である複合酸化物等が挙げられるが、特に限定されない。
正極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆正極活物質であってもよい。正極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、正極の体積変化が緩和され、正極の膨張を抑制することができる。
被覆材を構成する高分子化合物としては、特開2017-054703号公報及び国際公開第2015/005117号等に活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
被覆材には、導電剤が含まれていてもよい。導電剤としては、正極集電体層21aに含まれる導電性フィラーと同様のものを好適に用いることができる。
正極活物質層22aには、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、例えば、特開2017-054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調節したもの、及び、特開平10-255805号公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。なお、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性(水、溶剤、熱などを使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、結着剤として用いられる溶液乾燥型の電極用バインダーは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に接着固定するものを意味する。したがって、上述した結着剤(溶液乾燥型の電極バインダー)と粘着性樹脂とは、異なる材料である。
正極活物質層22aには、電解質と非水溶媒を含む非水電解液が含まれていてもよい。電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用できる。非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの(例えば、リン酸エステル、ニトリル化合物等及びこれらの混合物等)が使用できる。例えば、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液、又は、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合液を用いることができる。
正極活物質層22aには、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極集電体層21aに含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
正極活物質層22aの厚さは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
正極活物質層22aは、湿潤粉体であることが好ましい。ここで、湿潤粉体とは、ペンデュラー状態またはファニキュラー状態であるものをいう。正極活物質層22aの湿潤粉体における非水電解液の割合は、特に限定されないが、ペンデュラー状態又はファニキュラー状態とするためには、正極の場合には非水電解液の割合を湿潤粉体全体の0.5~15重量%とすることが好ましい。
<負極集電体の具体例>
負極集電体層21bを構成する負極集電体としては、正極集電体で記載した構成と同様のものを適宜選択して用いることができ、同様の方法により得ることができる。負極集電体層21bは、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。負極集電体層21bの厚さは、特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。
<負極活物質の具体例>
負極活物質層22bは、負極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。負極活物質層が非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である負極活物質層22bを得る方法等は、正極活物質層22aが非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である正極活物質層22aを得る方法と同様である。
負極活物質としては、例えば、炭素系材料、珪素系材料及びこれらの混合物などを用いることができるが、特に限定されない。
負極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆負極活物質であってもよい。負極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、負極の体積変化が緩和され、負極の膨張を抑制することができる。
被覆材としては、被覆正極活物質を構成する被覆材と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層22bは、電解質と非水溶媒を含む電解液を含有する。電解液の組成は、正極活物質層22aに含まれる電解液と同様の電解液を好適に用いることができる。
負極活物質層22bには、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極活物質層22aに含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
負極活物質層22bには、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、正極活物質層22aの任意成分である粘着性樹脂と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層22bの厚さは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
負極活物質層22bは、正極活物質層22aと同様に、湿潤粉体であることが好ましい。負極活物質層22bの湿潤粉体における非水電解液の割合は、湿潤粉体全体の0.5~25重量%とすることが望ましい。
<セパレータの具体例>
セパレータ3に保持される電解質としては、例えば、電解液又はゲルポリマー電解質などが挙げられる。セパレータ3は、これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保される。セパレータ3の形態としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム等が挙げられるが、特に限定されない。
<枠体の具体例>
枠体4としては、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、例えば、高分子材料が好ましく、熱硬化性高分子材料がより好ましい。枠体4を構成する材料としては、絶縁性、シール性(液密性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよく、樹脂材料が好適に採用される。より具体的には、枠体4としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリフッ化ビニリデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
<製造装置>
次に、電池用電極製造装置100について説明する。本実施形態に係る電池用電極製造装置100は、図2~図4に示すように、外部から帯状の集電体21Xが供給され、正極2aおよび負極2bのいずれかの電極2を製造するものでる。帯状の集電体21Xは、基材フィルムであり、分割されることで集電体層21を形成するものであり、ロール状に巻かれており、図示しないロール保持部により回転自在に支持された状態で、集電体ロール21X´として電池用電極製造装置100の外部に設置されている。ここで、図2~図4(図5~図13を含む)のX方向は、本実施形態における電池用電極製造装置100の搬送方向である。Y方向は、搬送方向と直交し、本実施形態における電池用電極製造装置100の幅方向である。Z方向は、搬送方向および幅方向と直交し、本実施形態における電池用電極製造装置100の上下方向である。Z1方向は上方向で、Z2方向は下方向である。
電池用電極製造装置100は、チャンバー200と、第1搬送機構300と、枠体供給機構400と、活物質供給機構500と、ロールプレス機構600と、搬送対象変更機構700と、搬送台搬送機構800と、切断機構900と、電極搬送台1000と、制御部1100とを有する。なお、枠体供給機構400、活物質供給機構500、ロールプレス機構600、搬送対象変更機構700および切断機構900は、チャンバー200の内部空間Sに配置され、外部から搬送される帯状の集電体21Xに対して作業を行う作業機構である。電池用電極製造装置100は、帯状の集電体21Xの搬送方向Xにおいて、枠体供給機構400、活物質供給機構500、ロールプレス機構600、搬送対象変更機構700、切断機構900の順番で内部空間Sに設置されている。電極搬送台1000は、チャンバー200の内部空間Sに配置され、製造された電極2が載置されるものである。制御部1100は、電池用電極製造装置100を制御するものであり、各機構300~900に対する同期制御を行うものである。ここで、枠体供給機構400、活物質供給機構500、ロールプレス機構600、搬送対象変更機構700、切断機構900は、搬送方向Xにおいて帯状の集電体21Xが一直線状すなわち平坦となるように、チャンバー200に対して設置されている。
チャンバー200は、内部を大気圧よりも減圧された状態に保持できる部屋である。チャンバー200は、閉空間を形成するチャンバー本体201を有する。チャンバー200の内部空間Sは、減圧ポンプ202により大気圧よりも減圧される。内部空間Sの圧力は、大気圧よりも減圧されていれば任意の値でよいが、例えば、大気圧から1×10-1~1×10-2Paまでの低真空環境となるように調節されていてもよいし、1×10-6~1×10-7Paの高真空環境となるように調節されていてもよいし、それ以上の超高真空や10-8~10-9Paレベルの極高真空であってもよい。なお、標準大気圧は、約1013hPa(約10Pa)である。
チャンバー本体201は、スリット203を有する。スリット203は、外部から内部空間Sに帯状の集電体21Xを導入するものである。チャンバー本体201の搬送方向における上流側の側壁204に形成されている。スリット203は、搬送方向Xに側壁204を貫通して形成されている。なお、スリット203の開口面積は、チャンバー200の減圧時、減圧状態に極力影響を与えないように、小さく形成されている。なお、チャンバー本体201は、本実施形態では1つで形成されているが、複数のチャンバー本体201を連結してもよい。
第1搬送機構300は、帯状の集電体21Xを搬送するためものであり、内部空間Sにおいて帯状の集電体21Xを搬送方向Xに連続して搬送するものである。本実施形態における第1搬送機構300は、駆動ローラ301および従動ローラ302を有する。駆動ローラ301は、帯状の集電体21Xの上方向側に配置されており、制御部1100による駆動制御により、帯状の集電体21Xを搬送方向Xに搬送する方向(図3矢印A)に回転駆動するものである。従動ローラ302は、帯状の集電体21Xの下方向側に配置されており、駆動ローラ301の回転駆動により、帯状の集電体21Xが搬送方向Xに移動することに連動して、回転するものである。第1搬送機構300は、内部空間Sにおいて、搬送方向Xに離間して複数設置されている。最上流側の第1搬送機構300は、帯状の集電体21Xのみを上下方向において挟み込んで、搬送方向Xに搬送する。最下流側の第1搬送機構300は、搬送対象変更機構700よりも上流側に設置され、少なくとも帯状の集電体21Xおよび枠体4を上下方向において挟み込んで搬送方向Xに搬送する。制御部1100は、第1搬送機構300により帯状の集電体21Xを間欠的に搬送方向Xに移動させる。具体的には、制御部1100は、帯状の集電体21Xを一定量移動させたのち、一時的に停止し、再び一定量移動させる。なお、本実施形態における一定量は、帯状の集電体21Xに対して枠体4が連続して供給される際に、搬送方向Xにおいて隣り合う枠体4の間に隙間が形成される量である。
枠体供給機構400は、帯状の集電体21Xに対して枠体4を供給することで、集電層21に対して枠体4を積層するものである。枠体供給機構400は、搬送方向Xにおいて最上流に設置される。枠体供給機構400は、枠体供給テーブル401と、ロボットアーム402とを有する。枠体供給テーブル401は、チャンバー本体201の床部205に固定されており、帯状の集電体21Xに対して枠体4が供給される際に、帯状の集電体21Xを支持するものである。ロボットアーム402は、例えば、空気圧により吸着した枠体4を帯状の集電体21X上まで搬送し、空気圧による吸着を解除することで、帯状の集電体21Xに枠体4を供給するものである。従って、帯状の集電体21Xは、搬送方向Xにおいて隙間が形成された状態で枠体4体が固定される。ここで、枠体4は、図示しない接着層により帯状の集電体21Xに固定される。ロボットアーム402は、制御部1100により駆動制御されるものであり、帯状の集電体21Xの移動が一時的に停止した状態において、枠体4を供給する。ロボットアーム402が搬送する枠体4は、高さ方向Zから見た場合に、帯状の集電体21Xの外側において、高さ方向Zに積み上げられている。本実施形態におけるロボットアーム402は、枠体供給テーブル401に設置されている。
活物質供給機構500は、帯状の集電体21Xに対して活物質22Xを供給することで、集電体21に対して活物質層22を積層するものである。活物質供給機構500は、枠体供給機構400よりも搬送方向Xにおいて下流側に設置され、搬送方向Xにおいて枠体供給機構400と隣り合う。活物質供給機構500は、活物質供給テーブル501と、塗設機構502とを有する。活物質供給テーブル501は、チャンバー本体201の床部205に固定されており、帯状の集電体21Xに固定された枠体4の枠内に対して活物質22Xが供給される際に、帯状の集電体21Xが載置され、帯状の集電体21Xおよび枠体4を支持するものである。活物質供給テーブル501は、帯状の集電体21Xが載置される載置面に図示しない吸引孔が複数形成されており、制御部1100により制御される図示しない減圧ポンプにより吸引孔から内部空間Sの気体が吸引されることで、帯状の集電体21Xが支持されるとともに、飛散した活物質を吸引する。塗設機構502は、チャンバー200の外部に設置されている図示しない活物質供給タンクから活物質22Xが供給され、枠体4の枠内に向かって活物質22Xを一定量吐出することで、帯状の集電体21Xに固定された枠体4の枠内に活物質22Xを塗設するものである。塗設機構502は、例えば、塗設機構502の内部に貯留される活物質22Xを図示しない開口から吐出させるための吐出機構と、貯留されている活物質22Xと、枠体4の枠内に塗設された活物質22Xとを分断する分断機構とを有する。塗設機構502は、制御部1100により駆動制御されるものであり、帯状の集電体21Xの移動が一時的に停止した状態において、枠体4の枠内に活物質22Xを塗設するとともに、塗設された活物質22Xを分断する。なお、本実施形態における一定量は、枠体4の枠内に活物質22Xが充填される量であり、塗設機構502が枠体4の枠内のうち一部に上下方向において枠体4よりもはみ出すように塗設する。
ロールプレス機構600は、搬送された帯状の集電体21X上の活物質22Xを圧縮するものである。ロールプレス機構600は、活物質供給機構500よりも搬送方向Xにおいて下流側に設置され、搬送方向Xにおいて活物質供給機構500と隣り合う。ロールプレス機構600は、第1圧縮ローラ601と、第2圧縮ローラ602とを有する。第1圧縮ローラ601は、ローラ支持部603によりチャンバー本体201の床部205に固定されており、帯状の集電体21Xと接触するものである。第2圧縮ローラ602は、ローラ支持部603によりチャンバー本体201の床部205に固定されており、第1圧縮ローラ601と隙間が形成された状態で、第1圧縮ローラ601と高さ方向Zにおいて対向して配置され、帯状の集電体21X上の活物質22Xと接触するものである。第1圧縮ローラ601よび第2圧縮ローラ602は、制御部1100により回転制御されるものであり、帯状の集電体21Xが搬送方向Xに移動している状態において、帯状の集電体21Xを搬送方向Xに移動させる方向に回転するものであり、帯状の集電体21X上の活物質22Xを圧縮することで、活物質22X内の空気などを外部に放出させて、活物質22Xを帯状の集電体21Xに定着させる。本実施形態におけるロールプレス機構600は、帯状の集電体21Xに固定された枠体4の枠内全域において活物質22Xを充填させることで、活物質22Xの厚みを枠体4の厚みとするものである。第1圧縮ローラ601と第2圧縮ローラ602との間の隙間は、図示しない隙間調節機構により調節することができる。
搬送対象変更機構700は、帯状の集電体21Xのうち、少なくとも枠体4が固定された領域および枠体4を搬送台10に載置するものである。また、搬送対象変更機構700は、搬送台10に載置された枠体4を搬送台10に保持する保持具30を搬送台10に固定するものである。搬送対象変更機構700は、ロールプレス機構600よりも搬送方向Xにおいて下流側に設置され、搬送方向Xにおいてロールプレス機構600と隣り合う。搬送対象変更機構700は、搬送台載置機構710と、保持具固定機構720とを有する。搬送対象変更機構700は、帯状の集電単21Xの第1搬送機構300による搬送に連動して、最下流側の第1搬送機構300から搬送方向Xに搬出された帯状の集電体21Xのうち、枠体4が固定された領域を、上下方向において搬送台10および保持具30と対向させ、枠体4を搬送台10に載置したのち、保持具30により枠体4を搬送台10に保持するものである。
搬送台載置機構710は、単体の集電体21Xが搬送される搬送台10が載置されるものであり、図3及び図4に示すように、搬送台載置テーブル711と、上下動機構712と、第2搬送機構713とを有する。搬送台載置テーブル711は、上下動機構712を介してチャンバー本体201の床部205に固定されており、保持具30により枠体4を搬送台10に保持する際に、搬送台10を介して帯状の集電体21Xおよび枠体4を支持するものである。上下動機構712は、搬送台10を支持位置と、支持位置よりも下方向側に位置する待機位置との間を移動させるものである。上下動機構712は、例えば、エアシリンダーであり、空気圧により上下方向において搬送台10を移動するものである。上下動機構712は、制御部1100により駆動制御されるものであり、帯状の集電体21Xの移動が一時的に停止した状態において、支持位置から待機位置に移動し、再び支持位置に移動するものであり、搬送台10が第2搬送機構713により搬送方向Xに搬送されたのち、空の搬送台10を待機位置から支持位置に移動させる。第2搬送機構713は、搬送台載置テーブル711に載置された搬送台10を搬送台搬送機構800に搬送するものである。第2搬送機構713は、搬送台載置テーブル711の上方向側の面に設けられており、本実施形態では、無端ベルト状に形成されたクローラであり、制御部1100による駆動制御により、帯状の集電体21Xを搬送方向Xに搬送する方向(図11矢印F)に移動駆動するものである。制御部1100は、第2搬送機構713により帯状の集電体21Xを間欠的に搬送方向Xに移動させる。具体的には、制御部1100は、帯状の集電体21Xを一定量移動させたのち、一時的に停止し、再び一定量移動させる。なお、本実施形態における一定量は、上記第1搬送機構300の一定量と同様である。
ここで、搬送台10は、帯状の集電体21Xのうち、少なくとも枠体4が固定された領域が載置されるものである。搬送台10は、上下方向から見た場合に、搬送方向Xを長手方向とする矩形状に形成されている。搬送台10は、上下方向の両面のうち、上方向側の面が帯状の集電体21Xおよび枠体4が載置される載置面10aである。搬送台10は、載置面10aの搬送方向Xの両端部に切断用溝部10b,10cが形成されている。具体的には、切断用溝部10b,10cは、搬送台10の載置面10aに載置された帯状の集電体21Xのうち、隣り合う枠体4の間の領域、すなわち余剰領域Pにおいて、搬送面10aと対向する領域、すなわち余剰載置領域P1,P2と上下方向おいて重なる位置に形成されている。切断用溝部10b,10cは、幅方向Yにおいて、帯状の集電体21Xよりも長く形成されており、搬送台10に対して帯状の集電体21Xおよび枠体4が載置された載置状態において、幅方向Yにおける両端部が帯状の集電体21Xよりも外側に位置して形成されている。切断用溝部10b,10cは、搬送方向Xにおいて、枠体4と同じまたは若干長く形成されており、搬送台10に対して帯状の集電体21Xおよび枠体4が載置された載置状態において、搬送方向Xにおける両端部が枠体4の両端部と同じまたは若干外側に位置して形成されている。
保持具固定機構720は、保持具30を枠体4および帯状の集電体21Xを挟んで搬送台10に固定するものである。保持具固定機構720は、上下方向において、搬送台載置機構710と対向し、帯状の集電体21Xおよび枠体4を挟んで、搬送台載置機構710と反対側に設置されている。保持具固定機構720は、チャンバー本体201の床部205に固定されており、保持具吸着部721と、ロボットアーム722とを有する。保持具吸着部721は、例えば、空気圧により保持具30の本体部31を吸着することで保持具30を保持し、空気圧による吸着を解除することで、各搬送台10に保持具30を供給するものである。ロボットアーム722は、制御部1100により駆動制御されるものであり、帯状の集電体21Xの移動が一時的に停止した状態において、帯状の集電体21Xおよび枠体4が搬送台10に載置されたのち、少なくとも保持具吸着部721を待機位置から供給位置に移動し、再び待機位置に移動するものである。ロボットアーム722が搬送する保持具30は、高さ方向Zから見た場合に、帯状の集電体21Xの外側において、高さ方向Zに積み上げられている。
ここで、保持具30は、搬送台10に固定され、かつ枠体4を搬送台10に保持するものである。保持具30は、本体部31と、固定脚部32,33,34,35と、把持部36,37とを有する。本体部31は、枠体4と接触し、枠体4を下方向に向かって押圧した状態で、帯状の集電体21Xとともに搬送台10に保持するものである。本体部31は、上下方向から見た場合に、枠体4と重なるように額縁状に形成されている。本実施形態における本体部31は、上下方向から見た場合に、枠体4の枠内に充填された活物質22Xとは重ならないように形成されている。固定脚部32~35は、本体部31と搬送台10とを一時的に連結し、本体部31と搬送台10との連結を解除するものである。固定脚部32~35は、上下方向から見た場合に、本体部31の搬送方向Xの両端部および本体部31の幅方向Yの両端部に離間して位置しており、棒状に形成されている。固定脚部32~35は、一方の端部が本体部31に対して搬送方向X周りに回転自在に支持されている。固定脚部32~35は、図示しない付勢部により外力が作用していない状態、すなわち解除状態では、幅方向から見た場合に、他方の端部、すなわち先端部が本体部31と同じまたは本体部31よりも上方向側に位置する。固定脚部32~35は、保持具吸着部721が待機位置から供給位置に移動する際に、図示しない外力発生機構により発生した外力により、幅方向から見た場合に、先端部が本体部31よりも下方向側に回転(図7矢印D)し、上下方向において、先端部が搬送台10の載置面10aと反対側の面に接触し、枠体4および帯状の集電体21Xを搬送台10に保持しつつ、搬送台10に固定される保持固定状態となる。固定脚部32~35は、保持固定状態において、図示しないロック機構により、回転が規制されて、搬送台10に固定された状態を維持する。把持部36,37は、後述する切断機構900により、切断されることで、製造された電極2を電極搬送台1000まで搬送する際に、ロボットアームが把持するものである。
搬送台搬送機構800は、保持具30が固定された搬送台10を搬送方向Xに搬送するものである。搬送台搬送機構800は、搬送台移動テーブル801と、第3搬送機構802とを有する。搬送台移動テーブル801は、チャンバー本体201の床部205に固定されており、搬送台10を搬送方向Xに搬送する際に、搬送台10を支持するものである。第3搬送機構802は、搬送台移動テーブル801に搬送された搬送台10を搬送方向Xに搬送するものである。第3搬送機構802は、搬送台移動テーブル801の上方向側の面に設けられており、本実施形態では、無端ベルト状に形成されたクローラであり、制御部1100による駆動制御により、搬送台10を搬送方向Xに搬送する方向(図11矢印G)に移動駆動するものである。制御部1100は、第3搬送機構802により搬送台10を帯状の集電体21X、枠体4および保持具30を間欠的に搬送方向Xに移動させる。具体的には、制御部1100は、搬送台10を一定量移動させたのち、一時的に停止し、再び一定量移動させる。なお、本実施形態における一定量は、上記第1搬送機構300の一定量と同様である。
切断機構900は、帯状の集電体21Xのうち、少なくとも枠体4が固定された領域が搬送台10に載置された状態で、帯状の集電体21Xのうち、搬送方向Xに隣り合う枠体4の間の余剰領域Pを切断するものである。切断機構900は、搬送対象変更機構700よりも搬送方向Xにおいて下流側に設置され、搬送方向Xにおいて搬送対象変更機構700と隣り合う。切断機構900は、チャンバー本体201の床部205に固定されており、切断刃保持部901と、ロボットアーム902と、一対の切断刃903,904とを有する。切断刃保持部901は、一対の切断刃903,904を搬送方向Xにおいて離間した状態で、かつ、刃先が下方向に向いた状態で保持する。ロボットアーム902は、制御部1100により駆動制御されるものであり、帯状の集電体21Xの移動が一時的に停止した状態において、少なくとも切断刃保持部901を待機位置から切断位置に移動し、再び待機位置に移動するものである。一対の切断刃903,904は、余剰領域Pを切断するものであるが、本実施形態では、搬送面10aと対向する領域である余剰載置領域P1,P2をそれぞれ切断するものである。切断刃903は、切断機構900の上流側に位置する搬送台10に保持された帯状の集電体21Xの余剰載置領域P1を切断し、切断刃904は、切断機構900の下流側に位置する搬送台10に保持された帯状の集電体21Xの余剰載置領域P2、すなわち1つの余剰領域Pに含まれる余剰載置領域P2を切断するものである。一対の切断刃903,904は、切断位置において、刃先が切断用溝部10b,10cにそれぞれ進入する。従って、切断機構900は、載置面10aに切断用溝部10b、10cが形成されてない場合と比較して、確実に余剰領域Pを切断することができる。また、一対の切断刃903,904は、余剰領域Pのうち、枠体4の搬送方向X側の端部および搬送方向Xと反対方向側の端部に近い余剰載置領域P1,P2を切断するので、余剰領域Pのうち余剰載置領域P1,P2を除く領域を切断する場合と比較して、製造された電極2において製品として不必要な集電体21が存在することを抑制することができる。一対の切断刃903,904は、保持具300により搬送台10に保持された状態で、帯状の集電体21Xから1つの枠体4が固定されている領域を分断する。
次に、電池用電極製造装置100による電極2の製造について説明する。ここでは、チャンバー200の内部空間Sは、減圧ポンプ202により大気圧よりも減圧され、チャンバー200が減圧状態であり、第1搬送機構300により帯状の集電体21Xが間欠的に搬送方向Xに移動するとともに、第2搬送機構713および第3搬送機構802により複数の搬送台10が間欠的に搬送方向Xに移動することを前提とする。
まず、枠体供給機構400は、図5に示すように、帯状の集電体21Xに対して枠体4を供給し、帯状の集電体21X上に枠体を固定する枠体固定工程を行う(S1)。
次に、活物質供給機構500は、帯状の集電体21Xに固定された枠体4の枠内に対して活物質22Xを供給する活物質供給工程を行う(S2)。
次に、ロールプレス機構600は、帯状の集電体21Xに固定された枠体4の枠内に供給された活物質22Xを圧縮するプレス工程を行う(S3)。
次に、搬送対象変更機構700の搬送台載置機構710は、搬送台10に帯状の集電体21Xのうち、枠体4が固定された領域を搬送台10に載置する枠体載置工程を行う(S4)。ここでは、搬送台載置機構710は、図3に示すように、搬送台載置テーブル711を矢印B方向(上方向)に移動させ、図6に示すように、搬送台載置テーブル711を待機位置から支持位置とし、枠体4を帯状の集電体21Xとともに搬送台10に載置する。
次に、搬送対象変更機構700の保持具固定機構720は、図5に示すように、保持具30を搬送台10に固定する保持具固定工程を行う(S5)。ここでは、保持具固定機構720は、図6に示すように、保持具吸着部721を保持具30とともに矢印C方向(下方向)に移動させ、図7に示すように、保持具吸着部721を待機位置から供給位置とし、枠体4に保持具30の本体部31を接触させるとともに、固定脚部32~35より、枠体4および帯状の集電体21Xを搬送台10に保持した状態で搬送台10に保持具30固定する。
次に、搬送対象変更機構700の保持具固定機構720は、図9に示すように、保持具吸着部721を矢印E方向(上方向)に移動させ、図11に示すように、保持具吸着部721を供給位置から待機位置とし、保持具30から保持具吸着部721を離間する。
次に、搬送対象変更機構700の保持具固定機構720は、図5に示すように、第2搬送機構713により、保持具30が固定された搬送台10を搬送台搬送機構800に搬送するとともに、搬送台搬送機構800は、第3搬送機構802により、保持具30が固定された搬送台10を搬送方向Xに搬送する搬送台搬送工程(S6)を行う。ここでは、第2搬送機構713は、図11に示すように、保持具30が固定された搬送台10を搬送台載置テーブル711に対して矢印F方向(搬送方向X)に移動させ、第3搬送機構802は、保持具30が固定された搬送台10を搬送台移動テーブル801に対して矢印G方向(搬送方向X)に移動させる。
次に、切断機構900は、帯状の集電体21Xを切断する切断工程を行う(S7)。ここでは、切断機構900は、図6に示すように、一対の切断刃903,904を矢印H方向(下方向)に移動させ、図9及び図10に示すように、一対の切断刃903,904を待機位置から切断位置とし、それぞれ切断用溝部10b,10cに進入し、余剰載置領域P1,P2を切断することで、枠体4の搬送方向側の端部および枠体4の搬送方向と反対方向側の端部において帯状の集電体21Xを切断する。
次に、切断機構900は、図9に示すように、一対の切断刃903,904を矢印I方向(上方向)に移動させ、一対の切断刃903,904を切断位置から待機位置とする。
次に、搬送台搬送機構800は、帯状の集電体21Xを切断することで製造される電極2を搬送方向Xに搬送したのち、各把持部36,37を図示しないロボットアームで把持し、搬送方向Xに搬送したのち、保持具30の固定脚部32~35を解除状態とすることで、保持具30を搬送台10から取り外し、製造された電極2をロボットアームで電極搬送台1000に載置する。電極2が電極搬送台1000に載置された空の搬送台10は、ロボットアームにより、待機位置の搬送台載置テーブル711に載置され、再び上記工程を繰り返す。
以上のように、本実施形態では、枠体載置工程において帯状の集電体21Xおよび枠体4が載置された搬送台10に対して、保持具固定工程において保持具30が固定されることで、搬送台10に帯状の集電体21Xおよび枠体4が保持された状態で、搬送台搬送工程において搬送台搬送機構800により帯状の集電体21Xではなく、搬送台10を搬送方向Xに搬送するので、帯状の集電体21Xを搬送方向Xに搬送する場合と比較して、間接的に帯状の集電体21Xを搬送することとなるので、搬送時における帯状の集電体21Xの品質の低下等を考慮することなく、確実に搬送方向Xに搬送することができる。従って、帯状の基材フィルムの搬送性の低下を抑制することができ、製造される電極2の歩留まり向上を図ることができる。
なお、本実施形態における電池用電極製造装置100は、セパレータ3を配置した状態で電極2を製造するものであってもよい。この場合は、活物質供給機構500と、ロールプレス機構600との間に図示しないセパレータ配置機構を内部空間Sに配置し、図12に示すように、活物質供給機構500による活物質供給工程と、ロールプレス機構600によるプレス工程の間に枠体4に対してセパレータ3を配置することが好ましい。例えば、セパレータ配置機構は、帯状のセパレータ3を枠体4に対して配置するものであり、帯状のセパレータ3を介して、ロールプレス機構600が活物質22Xを圧縮し、ロールプレス機構600と搬送対象変更機構700との間に設置されたセパレータ切断固定機構により、帯状のセパレータ3から各枠体4にそれぞれ対応する単体のセパレータ3を切断し、熱融着などの固定方法により単体のセパレータ3を枠体4に固定する。搬送対象変更機構700は、図13に示すように、枠体4に対してセパレータ3が固定された状態の帯状の集電体21Xを搬送台10に載置し、保持具30を搬送台10に固定することで、セパレータ3、枠体4および帯状の集電体21Xを搬送台10に保持する。搬送台搬送機構800は、保持具30により、セパレータ3、枠体4および帯状の集電体21Xが保持された搬送台10を搬送方向Xに搬送する。切断機構900は、セパレータ3が枠体4に固定された状態で、帯状の集電体21Xを切断する。これにより、セパレータ3が枠体4に固定された電極2が製造される。ロールプレス機構600は、活物質22Xを圧縮する際に、活物質22Xと直接接触せずに、セパレータ3を介して圧縮することができる。特に、活物質22Xが湿紛状である場合に、ロールプレス機構600の第2圧縮ローラ602に活物質22Xが付着することを確実に抑制することができる。
また、本実施形態における枠体供給機構400は、内部空間Sに配置されるがこれに限定されるものではなく、チャンバー200の外部に設けられていてもよい。この場合、帯状の集電体21Xは、枠体4が固定された状態で、内部空間Sに搬入される。
また、本実施形態においては、基材フィルムとして集電体21Xの場合を説明したが、これに限定されるものではない。基材フィルムは、集電体21Xの他に、セパレータ3、または、転写用のフィルムであってもよい。基材フィルムがセパレータ3の場合は、帯状のセパレータ3がチャンバー200内に搬入され、枠体供給機構400により枠体4が固定され、活物質供給機構500により活物質22Xが枠体4の枠内に供給され、ロールプレス機構600により搬送された帯状のセパレータ3上の活物質22Xが圧縮され、搬送対象変更機構700、搬送台搬送機構800を介して、切断機構900により帯状のセパレータ3が切断され、帯状のセパレータ3から枠体4の枠内に活物質22Xが充填された単体のセパレータ3、すなわち電極2の一部を生成することとしてもよい。また、基材フィルムが転写フィルムの場合は、帯状の転写フィルムがチャンバー200内に搬入され、転写フィルム上にマスクなど内部に活物質を形成できる空間のあるものが載置され、その内部に活物質供給機構500により活物質22Xが供給され、ロールプレス機構600により搬送された帯状の転写フィルム上の活物質22Xが圧縮され、搬送対象変更機構700、搬送台搬送機構800を介して、切断機構900により帯状の転写フィルムが切断される、としてもよい。転写フィルム上に形成された活物質層(電極の一部)が、集電体又は枠体4が載置された集電体(枠付き集電体)上に転写されることで、集電体上に電極が形成される。その際の枠体4の設置は、電極形成前又は電極形成後のいずれであってもよい。
また、本実施形態における一対の切断刃903,904は、帯状の集電体21Xを下方向に押し切ることで切断する刃として説明したが、これに限定されているものではなく、例えば、各切断刃溝部10b、10cをそれぞれ幅方向Yに移動することで、帯状の集電体21Xを幅方向に引き切ることで切断する刃であってもよい。
1:単電池
2:電極
2a:正極
2b:負極
21:集電体層
21a:正極集電体層
21b:負極集電体層
21X:集電体
22:電極活物質層
22a:正極活物質層
22b:負極集電体層
22X:活物質
3:セパレータ
4:枠体
10:搬送台
30:保持具
100:電池用電極製造装置
200:チャンバー
300:第1搬送機構
400:枠体供給機構
500:活物質供給機構
600:ロールプレス機構
700:搬送対象変更機構
710:搬送台載置機構
720:保持具固定機構
800:第2搬送機構
900:切断機構
1000:電極載置台

Claims (7)

  1. 搬送方向において隙間が形成された状態で複数の枠体が固定された帯状の基材フィルムから電池用電極の少なくとも一部を製造する電池用電極製造装置であって、
    前記帯状の基材フィルムのうち、少なくとも前記枠体が固定された領域を載置する搬送台と、
    前記搬送台に固定され、かつ前記枠体を前記搬送台に保持する保持具と、
    前記保持具が固定された前記搬送台を搬送方向に搬送する搬送台搬送機構と、
    を備える電池用電極製造装置。
  2. 請求項1に記載の電池用電極製造装置において、
    前記帯状の基材フィルムのうち、少なくとも前記枠体が固定された領域が搬送台に載置された状態で、前記帯状の基材フィルムのうち、搬送方向に隣り合う前記枠体の間の余剰領域を切断する切断機構をさらに備える電池用電極製造装置。
  3. 請求項2に記載の電池用電極製造装置において、
    前記切断機構は、前記余剰領域のうち、前記搬送台に載置されている余剰載置領域を切断する電池用電極製造装置。
  4. 請求項3に記載の電池用電極製造装置において、
    前記搬送台は、前記帯状の基材フィルムが載置される載置面において、少なくとも前記余剰載置領域と重なり、かつ前記切断機構の切断刃が挿入される切断用溝部が形成される電池用電極製造装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の電池用電極製造装置において、
    前記帯状の基材フィルムに固定された前記枠体内に粉体状の活物質を供給する活物質供給機構と、
    前記枠体内の前記活物質を圧縮するプレス機構と、
    を備え、
    前記活物質供給機構および前記プレス機構は、搬送方向において、前記搬送台に前記帯状の基材フィルムが載置されるよりも上流側に配置される電池用電極製造装置。
  6. 請求項5に記載の電池用電極製造装置において、
    前記帯状の基材フィルムは、帯状の集電体であり、
    前記帯状の集電体に固定された前記枠体に対して、セパレータを配置するセパレータ配置機構をさらに含み、
    前記セパレータ配置機構は、搬送方向において、前記活物質供給機構と、前記プレス機構との間に配置される電池用電極製造装置。
  7. 搬送方向において隙間が形成された状態で複数の枠体が固定された帯状の基材フィルムから電池用電極の少なくとも一部を製造する電池用電極製造方法であって、
    前記帯状の基材フィルムのうち、少なくとも前記枠体が固定された領域を搬送台に載置する載置工程と、
    保持具により前記枠体を前記搬送台に保持した状態で、保持具を搬送台に固定する保持具固定工程と、
    搬送台搬送機構により前記保持具が固定された前記搬送台を搬送方向に搬送する搬送台搬送工程と、
    を含む電池用電極製造方法。
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