JP2023050694A - ガスバリアフィルム及びその製造方法、並びにガスバリア層付き偏光板、画像表示装置及び太陽電池 - Google Patents

ガスバリアフィルム及びその製造方法、並びにガスバリア層付き偏光板、画像表示装置及び太陽電池 Download PDF

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Abstract

Figure 2023050694000001
【課題】透明性及びガスバリア性に優れるガスバリアフィルム及びその製造方法、並びに当該ガスバリアフィルムを用いたガスバリア層付き偏光板、画像表示装置及び太陽電池を提供する。
【解決手段】ガスバリアフィルム10は、透明フィルム基材11と、酸窒化ケイ素層13を有するガスバリア層12とを有する。酸窒化ケイ素層の厚み方向における酸素と窒素との組成比O/Nを測定した際において、総エッチング時間の1/10が経過したときの組成比O/Nが1.0より大きく、総エッチング時間の1/2が経過したときの組成比O/Nが2.0より小さく、総エッチング時間の9/10が経過したときの組成比O/Nが1.0より大きい。総エッチング時間の1/10が経過したときの組成比O/N及び総エッチング時間の9/10が経過したときの組成比O/Nは、いずれも総エッチング時間の1/2が経過したときの組成比O/Nより大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリアフィルム及びその製造方法、並びにガスバリア層付き偏光板、画像表示装置及び太陽電池に関する。
画像表示装置の軽量化・薄型化・フレキシブル化に伴って、ガラス基板の代わりに樹脂フィルム基板が用いられるようになっている。樹脂フィルムは、ガラスに比べて水蒸気や酸素等のガス透過性が高いため、これらのガスに起因する表示素子の劣化を抑制する目的で、ガスバリア層を備えたガスバリアフィルムを用いることが提案されている。
有機EL素子は、わずかな水分の浸入に起因して「ダークスポット」と呼ばれる欠点が生じる場合があり、高いガスバリア性(水蒸気遮断性)が要求される。ガスバリア性に優れる材料として、窒化ケイ素(SiN)及び酸窒化ケイ素(SiON)が知られている。
例えば、特許文献1では、透明性及び屈曲性に優れるガスバリアフィルムとして、窒化ケイ素層と酸化ケイ素層とを備えるガスバリアフィルムが提案されている。
国際公開第2019/187978号
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、ガスバリアフィルムの透明性及びガスバリア性を高めることについて、改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、透明性及びガスバリア性に優れるガスバリアフィルム及びその製造方法、並びに当該ガスバリアフィルムを用いたガスバリア層付き偏光板、画像表示装置及び太陽電池を提供することである。
本発明に係るガスバリアフィルムは、透明フィルム基材と、前記透明フィルム基材の少なくとも一方の主面に直接的又は間接的に配置されたガスバリア層とを有する。前記ガスバリア層は、構成元素として酸素、窒素及びケイ素を含む酸窒化ケイ素層を有する。X線光電子分光法を用いて前記酸窒化ケイ素層を一定条件でエッチングしながら、前記酸窒化ケイ素層の厚み方向における酸素と窒素との組成比O/Nを測定した際において、総エッチング時間の1/10が経過したときの前記組成比O/Nが1.0より大きく、総エッチング時間の1/2が経過したときの前記組成比O/Nが2.0より小さく、総エッチング時間の9/10が経過したときの前記組成比O/Nが1.0より大きい。前記総エッチング時間の1/10が経過したときの前記組成比O/N及び前記総エッチング時間の9/10が経過したときの前記組成比O/Nは、いずれも前記総エッチング時間の1/2が経過したときの前記組成比O/Nより大きい。
本発明に係るガスバリアフィルムの一実施形態では、前記総エッチング時間の1/10が経過したときの前記組成比O/N及び前記総エッチング時間の9/10が経過したときの前記組成比O/Nがいずれも2.0より大きいか、又は前記総エッチング時間の1/2が経過したときの前記組成比O/Nが1.0より小さい。
本発明に係るガスバリアフィルムの一実施形態では、前記総エッチング時間の1/10が経過したときの前記組成比O/N及び前記総エッチング時間の9/10が経過したときの前記組成比O/Nは、いずれも10.0より小さい。
本発明に係るガスバリアフィルムの一実施形態では、前記総エッチング時間の1/2が経過したときの前記組成比O/Nは、0.1より大きい。
本発明に係るガスバリアフィルムの一実施形態では、前記酸窒化ケイ素層の厚みが、10nm以上100nm以下である。
本発明の一実施形態に係るガスバリアフィルムは、前記透明フィルム基材と前記ガスバリア層との間に配置された、個数平均一次粒子径1.0μm未満のシリカ粒子を含むハードコート層を更に有する。
本発明に係るガスバリアフィルムの一実施形態では、前記酸窒化ケイ素層と前記ハードコート層とは、接している。
本発明の一実施形態に係るガスバリアフィルムは、前記ガスバリア層の前記透明フィルム基材側とは反対側に配置された粘着剤層を更に有する。
本発明に係るガスバリアフィルムの一実施形態では、前記酸窒化ケイ素層と前記粘着剤層とは、接している。
本発明に係るガスバリアフィルムの製造方法は、上述した本発明に係るガスバリアフィルムの好適な製造方法である。本発明に係るガスバリアフィルムの製造方法は、一対の対向電極として一対の成膜ロールを有する成膜装置のチャンバー内に、ケイ素源、窒素源及び酸素源を導入して、化学気相成長法により前記酸窒化ケイ素層を形成する工程を備える。
本発明に係るガスバリア層付き偏光板は、本発明に係るガスバリアフィルムと、偏光子とを備える。
本発明に係る画像表示装置は、本発明に係るガスバリアフィルム又は本発明に係るガスバリア層付き偏光板と、画像表示セルとを備える。
本発明に係る画像表示装置の一実施形態では、前記画像表示セルが有機EL素子を含む。
本発明に係る太陽電池は、本発明に係るガスバリアフィルムと、太陽電池セルとを備える。
本発明によれば、透明性及びガスバリア性に優れるガスバリアフィルム及びその製造方法、並びに当該ガスバリアフィルムを用いたガスバリア層付き偏光板、画像表示装置及び太陽電池を提供できる。
本発明に係るガスバリアフィルムの一例を示す断面図である。 本発明に係るガスバリアフィルムの他の例を示す断面図である。 本発明に係るガスバリアフィルムの他の例を示す断面図である。 本発明に係るガスバリアフィルムの他の例を示す断面図である。 本発明に係るガスバリアフィルムの他の例を示す断面図である。 本発明に係るガスバリアフィルムの製造方法に使用される成膜装置の一例を示す構成図である。 本発明に係るガスバリアフィルムが有する酸窒化ケイ素層の厚み方向の組成分析結果の一例を示すグラフである。 本発明に係るガスバリア層付き偏光板の一例を示す断面図である。 本発明に係る画像表示装置の一例を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。まず、本明細書中で使用される用語について説明する。粒子の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡及び画像処理ソフトウェア(例えば、アメリカ国立衛生研究所製「ImageJ」)を用いて測定した、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。
層状物(より具体的には、透明フィルム基材、ガスバリア層、酸窒化ケイ素層、ハードコート層、粘着剤層、偏光子等)の「主面」とは、層状物の厚み方向に直交する面をさす。層状物の厚みは、層を厚み方向に切断した断面を電子顕微鏡で観察し、断面画像から無作為に測定箇所を10箇所選択し、選択した10箇所の測定箇所の厚みを測定して得られた10個の測定値の算術平均値である。
「屈折率」とは、温度23℃の雰囲気下における波長550nmの光に対する屈折率をいう。
流量の単位「sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)」は、標準状態(温度:0℃、圧力:101.3kPa)における流量の単位「mL/分」である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰り返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
以下の説明において参照する図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の大きさ、個数、形状等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、説明の都合上、後に説明する図面において、先に説明した図面と同一構成部分については、同一符号を付して、その説明を省略する場合がある。
<第1実施形態:ガスバリアフィルム>
本発明の第1実施形態に係るガスバリアフィルムは、透明フィルム基材と、透明フィルム基材の少なくとも一方の主面に直接的又は間接的に配置されたガスバリア層とを有する。ガスバリア層は、構成元素として酸素、窒素及びケイ素を含む酸窒化ケイ素層を有する。X線光電子分光法を用いて酸窒化ケイ素層を一定条件でエッチングしながら、酸窒化ケイ素層の厚み方向における酸素と窒素との組成比O/Nを測定した際において、総エッチング時間の1/10が経過したときの組成比O/Nが1.0より大きく、総エッチング時間の1/2が経過したときの組成比O/Nが2.0より小さく、総エッチング時間の9/10が経過したときの組成比O/Nが1.0より大きい。総エッチング時間の1/10が経過したときの組成比O/N及び総エッチング時間の9/10が経過したときの組成比O/Nは、いずれも総エッチング時間の1/2が経過したときの組成比O/Nより大きい。
X線光電子分光法を用いて酸窒化ケイ素層を一定条件でエッチングしながら、酸窒化ケイ素層の厚み方向における元素組成を分析する方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。上記「一定条件でエッチングしながら」とは、「エッチング条件を変えずに同一条件でエッチングしながら」という意味である。酸窒化ケイ素層のエッチング条件としては、酸窒化ケイ素層の厚み方向の組成分析をする際に通常採用されるエッチング条件を採用できる。上記「組成比O/N」とは、酸窒化ケイ素層の測定箇所において酸素原子数を窒素原子数で除した値(酸素原子数/窒素原子数)を意味する。上記「総エッチング時間」とは、エッチングの開始から終了までの時間を意味する。
以下、X線光電子分光法を「XPS」と記載することがある。総エッチング時間の1/10が経過したときの組成比O/Nを「1/10-O/N」と記載することがある。総エッチング時間の1/2が経過したときの組成比O/Nを「1/2-O/N」と記載することがある。総エッチング時間の9/10が経過したときの組成比O/Nを「9/10-O/N」と記載することがある。
第1実施形態によれば、透明性及びガスバリア性に優れるガスバリアフィルムを提供できる。その理由は、以下のように推測される。
一般に、酸窒化ケイ素層は、層中の酸素比率が高くなると、屈折率が低くなり、樹脂や粘着剤の屈折率に近くなる。第1実施形態に係るガスバリアフィルムでは、酸窒化ケイ素層の両側の表層の酸素比率が比較的高い。このため、第1実施形態では、酸窒化ケイ素層に接する層(より具体的には、透明フィルム基材、粘着剤層等)と酸窒化ケイ素層との間の屈折率差が小さくなる傾向がある。その結果、第1実施形態に係るガスバリアフィルムでは、光透過率が高くなる傾向がある。よって、第1実施形態によれば、透明性に優れるガスバリアフィルムが得られる。
また、一般に、酸窒化ケイ素層は、層中の窒素比率が高いほど、ガスバリア性が高められる傾向がある。第1実施形態に係るガスバリアフィルムでは、酸窒化ケイ素層の厚み方向の中央部の窒素比率が比較的高い。このため、第1実施形態では、酸窒化ケイ素層の厚み方向の中央部のガスバリア性が高くなる傾向がある。よって、第1実施形態によれば、ガスバリア性に優れるガスバリアフィルムが得られる。
第1実施形態において、透明性により優れるガスバリアフィルムを得るためには、1/10-O/N及び9/10-O/Nが、いずれも、2.0より大きいことが好ましく、2.5以上であることがより好ましく、3.0以上であることが更に好ましい。また、第1実施形態において、ガスバリア性により優れるガスバリアフィルムを得るためには、1/2-O/Nが、1.0より小さいことが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.8以下であることが更に好ましい。よって、第1実施形態では、1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも2.0より大きいか、又は1/2-O/Nが1.0より小さいことが好ましく、1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも2.5以上であるか、又は1/2-O/Nが0.9以下であることがより好ましく、1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも3.0以上であるか、又は1/2-O/Nが0.8以下であることが更に好ましい。
第1実施形態において、ガスバリア性により優れるガスバリアフィルムを得るためには、1/10-O/N及び9/10-O/Nが、いずれも、10.0より小さいことが好ましく、9.0以下であることがより好ましく、8.0以下であることが更に好ましい。
第1実施形態において、透明性により優れるガスバリアフィルムを得るためには、1/2-O/Nが、0.1より大きいことが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.3以上であることが更に好ましい。
第1実施形態において、透明性に更に優れるガスバリアフィルムを得るためには、1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも2.0より大きく、かつ1/2-O/Nが0.5より大きいことが好ましく、1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも2.5以上であり、かつ1/2-O/Nが1.0以上であることがより好ましく、1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも3.0以上であり、かつ1/2-O/Nが1.2以上であることが更に好ましい。
第1実施形態において、ガスバリア性に更に優れるガスバリアフィルムを得るためには、1/2-O/Nが1.0より小さく、かつ1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも5.0より小さいことが好ましく、1/2-O/Nが0.9以下であり、かつ1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも4.0以下であることがより好ましく、1/2-O/Nが0.8以下であり、かつ1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも3.0以下であることが更に好ましい。
以下、第1実施形態について、図面を参照しながら詳述する。図1は、第1実施形態に係るガスバリアフィルムの一例を示す断面図である。図1に示すガスバリアフィルム10は、透明フィルム基材11と、透明フィルム基材11の一方の主面11aに直接的に配置されたガスバリア層12とを有する積層体である。ガスバリア層12は、構成元素として酸素、窒素及びケイ素を含む酸窒化ケイ素層13からなる単層構造である。また、XPSを用いて酸窒化ケイ素層13を一定条件でエッチングしながら、酸窒化ケイ素層13の厚み方向における酸素と窒素との組成比O/Nを測定した際において、1/10-O/Nが1.0より大きく、1/2-O/Nが2.0より小さく、9/10-O/Nが1.0より大きい。1/10-O/N及び9/10-O/Nは、いずれも1/2-O/Nより大きい。
第1実施形態に係るガスバリアフィルムの構成は、図1に示すガスバリアフィルム10の構成に限定されない。例えば、第1実施形態に係るガスバリアフィルムは、図2に示すガスバリアフィルム20のように、ガスバリア層が複数の薄膜からなる積層構造であってもよい。ガスバリアフィルム20では、ガスバリア層21が、酸窒化ケイ素層13と、酸窒化ケイ素層13の透明フィルム基材11側とは反対側の主面13aに配置された低屈折率層22とを有する。低屈折率層22は、酸窒化ケイ素層13よりも屈折率が低い層である。低屈折率層22は、酸窒化ケイ素層13とともにガスバリア性を高め、かつ光学干渉層として機能し、ガスバリア層21による光反射を低減して光透過率を高める作用を有する。第1実施形態に係るガスバリアフィルムは、酸窒化ケイ素層の両主面に低屈折率層を備えていてもよい。
また、第1実施形態に係るガスバリアフィルムでは、ガスバリア層が、2層以上の酸窒化ケイ素層を含んでいてもよく、例えば、2層の酸窒化ケイ素層と3層の低屈折率層との交互積層体であってもよい。ガスバリア層は、4層の積層構造又は6層以上の積層構造であってもよい。例えば、4層構造のガスバリア層は、透明フィルム基材側から、酸窒化ケイ素層/低屈折率層/酸窒化ケイ素層/低屈折率層の順に配置された交互積層体であってもよい。合計の層数が偶数である交互積層体においても、最外層が低屈折率層であることが好ましい。合計4層以上からなるガスバリア層は、酸窒化ケイ素層と低屈折率層の間に、両者の中間の屈折率を有する中屈折率層や、酸窒化ケイ素よりも高屈折率の材料からなる高屈折率層を含んでいてもよい。ガスバリア層は、3層の酸窒化ケイ素層と4層の低屈折率層の計7層からなる交互積層体であってもよく、8層以上からなる交互積層体であってもよい。
また、第1実施形態に係るガスバリアフィルムは、ガスバリア層が透明フィルム基材の主面に間接的に配置されていてもよい。例えば、図3に示すガスバリアフィルム30は、透明フィルム基材11とガスバリア層12(酸窒化ケイ素層13)との間に配置されたハードコート層31を有する。ガスバリアフィルム30では、ガスバリア層12が透明フィルム基材11の主面に間接的に配置されている。ハードコート層31は、ガスバリアフィルム30の硬度や弾性率等の機械的特性を高める層である。ハードコート層31のガスバリア層12側の主面が平滑であれば、その上に形成されるガスバリア層12のガスバリア性が高められ、水蒸気透過率が小さくなる傾向がある。ハードコート層31のガスバリア層12側の主面の算術平均高さSaは、1.5nm以下又は1.0nm以下であってもよい。算術平均高さSaは、原子間力顕微鏡(AFM)により測定した1μm×1μmの範囲の三次元表面形状から、ISO 25178に準じて算出される。
ハードコート層31は、個数平均一次粒子径が1.0μm未満の粒子(以下、「ナノ粒子」と記載することがある)を含んでいてもよい。例えば、ハードコート層31がナノ粒子を含むことにより、ハードコート層31の表面に微細な凹凸が形成され、ハードコート層31とガスバリア層12との密着性が向上する傾向がある。特に、図3に示すガスバリアフィルム30のように、酸窒化ケイ素層13とハードコート層31とが接している場合、酸窒化ケイ素層13のハードコート層31側の近傍の酸素比率が高い領域(表層)とハードコート層31とが接しているため、ハードコート層31とガスバリア層12(酸窒化ケイ素層13)との密着性がより高くなる傾向がある。
また、第1実施形態に係るガスバリアフィルムは、ガスバリア性をより向上させるため、透明フィルム基材の両主面にガスバリア層が設けられていてもよい。例えば、図4に示すガスバリアフィルム40は、透明フィルム基材11の一方の主面11aに配置されたガスバリア層12(酸窒化ケイ素層13)と、透明フィルム基材11のもう一方の主面11bに配置されたガスバリア層41とを有する。第1実施形態に係るガスバリアフィルムでは、透明フィルム基材の両主面のそれぞれに、積層構造のガスバリア層が設けられていてもよい。
ガスバリア層41の構成は、ガスバリア層12の構成と同一でも異なっていてもよい。つまり、ガスバリア層41は、1/10-O/N、1/2-O/N及び9/10-O/Nが上記特定範囲の酸窒化ケイ素層を、有していてもよく、有していなくてもよい。ガスバリア性をより向上させつつ、透明性により優れるガスバリアフィルムを得るためには、ガスバリア層41が酸窒化ケイ素層を有し、かつガスバリア層41の酸窒化ケイ素層において、1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも1.0より大きく、1/2-O/Nが2.0より小さく、1/10-O/N及び9/10-O/Nがいずれも1/2-O/Nより大きいことが好ましい。
また、第1実施形態に係るガスバリアフィルムは、粘着剤層を更に有していてもよい。例えば、図5に示すガスバリアフィルム50は、ガスバリアフィルム40の構成に加え、粘着剤層51を有する。ガスバリアフィルム50では、ガスバリア層12(酸窒化ケイ素層13)の透明フィルム基材11側とは反対側の主面13aに粘着剤層51が配置されている。
ガスバリア層12と粘着剤層51との密着性を高めるためには、図5に示すガスバリアフィルム50のように、酸窒化ケイ素層13と粘着剤層51とが接していることが好ましい。
粘着剤層51の酸窒化ケイ素層13側とは反対側の主面には、はく離ライナー(不図示)が仮着されていてもよい。はく離ライナーは、例えば、ガスバリアフィルム50を後述する偏光板101(図8参照)と貼り合わせるまでの間、粘着剤層51の表面を保護する。はく離ライナーの構成材料としては、アクリル、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等から形成されたプラスチックフィルムが好適に用いられる。はく離ライナーの厚みは、例えば、5μm以上200μm以下である。はく離ライナーの表面には、離型処理が施されていることが好ましい。離型処理に使用される離型剤の材料としては、シリコーン系材料、フッ素系材料、長鎖アルキル系材料、脂肪酸アミド系材料等が挙げられる。
以上、図面を参照しながら第1実施形態に係るガスバリアフィルムの構成について説明した。次に、第1実施形態に係るガスバリアフィルムの要素について説明する。
[透明フィルム基材11]
透明フィルム基材11は、ガスバリア層形成の土台となる層である。透明フィルム基材11は、可撓性を有していてもよい。基材として可撓性のフィルムを用いることにより、ロールトゥロール方式でガスバリア層を形成可能であるため、ガスバリア層の生産性が高められる。また、可撓性フィルム上にガスバリア層が設けられたガスバリアフィルムは、フレキシブルデバイスやフォルダブルデバイスにも適用できるとの利点を有する。
透明フィルム基材11の可視光透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。透明フィルム基材11の厚みは、特に限定されないが、強度や取扱性等の観点から、5μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上150μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることが更に好ましい。
透明フィルム基材11を構成する樹脂材料としては、透明性、機械強度及び熱安定性に優れる樹脂材料が好ましい。樹脂材料の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(より具体的には、ノルボルネン系樹脂等)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。
透明フィルム基材11のガスバリア層が形成される主面に、ガスバリア層との密着性向上等の目的で、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、オゾン処理、グロー処理、ケン化処理、カップリング剤による処理等の表面改質処理を施してもよい。
透明フィルム基材11は、ガスバリア層が形成される側の表層がプライマー層(不図示)であってもよい。ガスバリア層が形成される側の表層がプライマー層である場合、透明フィルム基材11とガスバリア層との密着性が高くなる傾向がある。プライマー層を構成する材料としては、例えば、ケイ素、ニッケル、クロム、スズ、金、銀、白金、亜鉛、インジウム、チタン、タングステン、アルミニウム、ジルコニウム、パラジウム等の金属(又は半金属);これらの金属(又は半金属)の合金;これらの金属(又は半金属)の酸化物、フッ化物、硫化物又は窒化物等が挙げられる。プライマー層の厚みは、例えば、1nm以上20nm以下であり、好ましくは1nm以上15nm以下であり、より好ましくは1nm以上10nm以下である。
[酸窒化ケイ素層13]
酸窒化ケイ素層13は、ガスバリア層におけるガスバリア機能を主に担う層であり、ケイ素、酸素及び窒素を主たる構成元素とする材料からなる層である。酸窒化ケイ素層13は、成膜時の原料、透明フィルム基材11及び外部環境から取り込まれる少量の水素・炭素等の元素を含んでいてもよい。
酸窒化ケイ素層13において、ケイ素、酸素及び窒素以外の元素の含有率は、それぞれ、5原子%以下であることが好ましく、3原子%以下であることがより好ましく、1原子%以下であることが更に好ましい。酸窒化ケイ素層13を構成する元素のうち、ケイ素、酸素及び窒素の合計は、90原子%以上であることが好ましく、95原子%以上であることがより好ましく、97原子%以上であることが更に好ましく、99原子%以上、99.5原子%以上又は99.9原子%以上であってもよい。
酸窒化ケイ素層13中の酸窒化ケイ素の組成は、SiOで表される。ただし、SiOにおいて、0<x<2であり、かつ0<y<1.33である。以下、特に断りがない限り、SiOにおけるx及びyは、酸窒化ケイ素層13の厚み方向の中央部(上記総エッチング時間の1/2が経過したとき)における組成比のx及びyをさす。よって、比x/yは、1/2-O/Nと同義である。比x/yが小さいほど(すなわち、窒素の比率が高いほど)ガスバリア性が高められる傾向があり、比x/yが大きいほど(すなわち、酸素の比率が高いほど)可視光の吸収が少なく透明性が向上する傾向がある。以下、一般式SiOのxを、単に「x」と記載することがある。一般式SiOのyを、単に「y」と記載することがある。
酸窒化ケイ素層13中の酸窒化ケイ素は、化学量論組成を有していてもよく、酸素又は窒素が不足している非化学量論組成であってもよい。化学量論組成の酸窒化ケイ素は、x/2+3y/4=1である。(x/2+3y/4)の値は、0.70以上1.10以下であることが好ましい。(x/2+3y/4)の上限は理論的には1であるが、酸素又は窒素が過剰に取り込まれることにより、1より大きな値を示す場合がある。(x/2+3y/4)が0.70以上であれば、透明性及びガスバリア性が高められる傾向がある。(x/2+3y/4)の値は、0.75以上であることが好ましい。
酸窒化ケイ素層13の屈折率は、一般に1.50以上2.20以下であり、1.55以上2.00以下であることが好ましく、1.60以上1.90以下であってもよく、1.85以下、1.80以下、1.75以下又は1.70以下であってもよい。屈折率がこの範囲である酸窒化ケイ素層13は、優れたガスバリア性と透明性を両立可能である。また、屈折率が2.00以下であることにより、光透過性が向上する傾向がある。酸窒化ケイ素層13は、窒素の比率が高いほど、屈折率が高くなる傾向がある。
酸窒化ケイ素層13の密度は2.10g/cm以上であることが好ましい。酸窒化ケイ素層13の密度が大きいほど、ガスバリア性が高くなる傾向がある。酸窒化ケイ素層13は、窒素の比率が高いほど、密度が大きくなる傾向がある。
ガスバリア性により優れるガスバリアフィルムを得るためには、酸窒化ケイ素層13の厚みは、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。透明性により優れるガスバリアフィルムを得るためには、酸窒化ケイ素層13の厚みは、150nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。ガスバリア性及び透明性により優れるガスバリアフィルムを得るためには、酸窒化ケイ素層13の厚みは、5nm以上150nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下であることがより好ましい。
酸窒化ケイ素層13の成膜方法は、特に限定されず、ドライコーティング法でもウェットコーティング法でもよい。膜密度が高くガスバリア性の高い膜が形成されやすいことから、スパッタ法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、化学気相成長法(CVD法)等のドライプロセスが好ましい。膜応力が小さく、耐屈曲性に優れる膜が形成されやすいことから、CVD法が好ましく、プラズマCVD法がより好ましい。
透明フィルム基材11として可撓性フィルムを用い、可撓性フィルム上にガスバリア層(例えば、酸窒化ケイ素層13)を形成(成膜)する場合は、ロールトゥロール方式でCVD成膜を実施することにより、生産性を向上できる。ロールトゥロール方式のCVD成膜装置は、成膜ロールが一対の対向電極の一方又は両方の電極を構成しており、成膜ロール上をフィルムが走行する際に、フィルム上に薄膜が形成される。2つの成膜ロールが一対の対向電極を構成している場合は、それぞれの成膜ロール上で薄膜が形成されるため、成膜速度を2倍に向上できる。なお、CVD法による成膜方法を説明する際の「上に」との表現は、CVD成膜装置内の方向とは無関係であり、「に接して」と同義である。
CVD法により酸窒化ケイ素層13を成膜する際のケイ素の供給源(ケイ素源)としては、例えば、水素化ケイ素(より具体的には、シラン、ジシラン等)やハロゲン化ケイ素(より具体的には、ジクロロシラン等)等のSi含有ガス;ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、テトラメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシロキサン、モノシリルアミン、ジシリルアミン、トリシリルアミン等のケイ素化合物が挙げられる。これらの中でも、毒性が低く、低沸点であり、高透明かつ高密度の膜を形成可能であることから、トリシリルアミンが好ましい。
酸窒化ケイ素層13を成膜するためには、通常、ケイ素源に加えて、窒素源及び酸素源となるガスを導入する。窒素源としては、窒素、アンモニア等が挙げられる。酸素源としては、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素等が挙げられる。膜中に取り込まれる水素や炭素を低減する観点から、窒素源としては窒素(窒素ガス)が好ましく、酸素源としては酸素(酸素ガス)が好ましい。
一般に、ケイ素源としてのトリシリルアミンとともに窒素源を導入してCVD法により成膜した窒化ケイ素膜は、膜中の水素量が多く、Si-H等の水素化ケイ素に由来する波数2140cm-1付近(2120cm-1以上2150cm-1以下の範囲)の赤外吸収ピークを示す。また、一般に、ケイ素源としてのトリシリルアミンとともに窒素及び酸素を導入してCVD法により成膜した酸窒化ケイ素膜は、赤外吸収のピークが高波数側にシフトして、2160cm-1以上2280cm-1以下の範囲に赤外吸収ピークを示し、窒化ケイ素膜よりも優れた透明性を示す。酸素は、ケイ素に対する結合力が強いため、酸素の導入により膜中への水素の取り込みが抑制されることが、透明性向上の一因と推定される。
ケイ素源に対する窒素源及び酸素源の少なくとも一方の導入量を変更することにより、酸窒化ケイ素層13の組成を適宜に調整できる。窒素源として窒素を使用し、かつ酸素源として酸素を使用する場合、透明性とガスバリア性とを両立する観点から、酸素の導入量は、窒素の導入量に対して、体積比で、0.01倍以上5倍以下であることが好ましく、0.03倍以上2倍以下であることがより好ましく、0.04倍以上1.5倍以下であることが更に好ましく、0.04倍以上1.0倍以下又は0.04倍以上0.5倍以下であってもよい。酸素導入量が過度に小さい場合は、膜に導入される酸素量が少なく、膜の光透過率が小さくなる傾向がある。酸素導入量が過度に大きい場合は、膜に取り込まれる窒素量が少なく、ガスバリア性が不足する傾向がある。
CVD法により成膜する際の導入ガスとして、ケイ素源、窒素源及び酸素源以外のガスを用いてもよい。例えば、トリシリルアミン等の液体を用いる場合は、液体を気化させてチャンバー(真空チャンバー)内に導入するためにキャリアガスを用いてもよい。また、窒素源や酸素源を、キャリアガスと混合して真空チャンバー内に導入してもよく、プラズマ放電を安定させるために放電用ガスを用いてもよい。キャリアガス及び放電用ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガスや水素が挙げられる。膜中に取り込まれる水素量を低減して透明性を高める観点から、希ガスが好ましい。
プラズマCVD法における諸条件は、適宜設定すればよい。基材温度(成膜ロール表面の温度)は、例えば-20℃以上500℃以下の範囲内に設定される。フィルム基材上にガスバリア層(例えば、酸窒化ケイ素層13)を成膜する場合の基材温度(フィルム基材温度)は、フィルム基材の耐熱性の観点から、150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。成膜室(真空チャンバー内)の圧力は、例えば、0.001Pa以上50Pa以下である。プラズマ発生用電源としては、例えば、交流電源が用いられる。ロールトゥロール方式のCVD成膜における電源の周波数は、一般に50Hz以上500kHz以下の範囲内である。ロールトゥロール方式のCVD成膜における印加電力は、一般に0.1kW以上10kW以下である。
CVD法により成膜した酸窒化ケイ素層13の密度は、例えば2.10g/cm以上2.50g/cm以下であり、2.15g/cm以上2.45g/cm以下、2.20g/cm以上2.40g/cm以下又は2.25g/cm以上2.35g/cm以下であってもよい。
[低屈折率層22]
低屈折率層22は、酸窒化ケイ素層13よりも低屈折率であればその材料は特に限定されず、有機層でも無機層でもよい。低屈折率層22を構成する無機材料としては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等が挙げられる。酸窒化ケイ素層13と低屈折率層22との屈折率差は、0.10以上が好ましく、0.13以上又は0.15以上であってもよい。上記屈折率差は、一般に1.0以下であり、0.5以下、0.4以下又は0.3以下であってもよい。低屈折率層22の屈折率は、1.30以上1.55以下であってもよく、1.40以上1.52以下であってもよい。
低屈折率層22は、好ましくは酸化ケイ素層である。酸化ケイ素層は、成膜時の原料、透明フィルム基材11及び外部環境から取り込まれる少量の水素・炭素・窒素等の元素を含んでいてもよい。酸化ケイ素層が窒素を含む場合、窒素含有量は、酸窒化ケイ素層13よりも小さいことが好ましい。酸化ケイ素層において、ケイ素及び酸素以外の元素の含有率は、それぞれ、5原子%以下であることが好ましい。
低屈折率層22の成膜方法は、特に限定されず、ドライコーティング法でもウェットコーティング法でもよい。酸窒化ケイ素層13をCVD法により成膜する場合は、生産性の観点から、低屈折率層22もCVD法により成膜することが好ましい。
CVD法により酸化ケイ素層(詳しくは、低屈折率層22としての酸化ケイ素層)を成膜する場合のケイ素源及び酸素源としては、酸窒化ケイ素層13の成膜に関して先に例示したものが挙げられる。ケイ素源としては、毒性が低く、膜中への窒素の取り込みを抑制できることから有機ケイ素化合物が好ましく、膜中への不純物の取り込みを抑制可能であり、透明性及びガスバリア性の高い膜を形成可能であることからヘキサメチルジシロキサンがより好ましい。ケイ素源としてヘキサメチルジシロキサン等の有機ケイ素化合物を用いた場合、膜中に炭素が取り込まれる場合があるが、上記のように、少量であれば、酸化ケイ素層に炭素が含まれていてもよい。膜中の炭素量を低減する観点から、酸素源としては酸素ガスが好ましい。
ケイ素源に対する酸素源の導入量が多いほど、膜中の炭素量が低減し、膜密度が高くなる傾向がある。ヘキサメチルジシロキサンと酸素を用いてCVD法により酸化ケイ素層を成膜する場合、酸素の導入量は、ヘキサメチルジシロキサン(気体)の導入量に対して、体積比で10倍以上が好ましく、15倍以上又は20倍以上であってもよい。成膜速度を適切に維持する観点から、酸素の導入量は、ヘキサメチルジシロキサン(気体)の導入量に対して、体積比で200倍以下が好ましく、100倍以下又は50倍以下であってもよい。
酸化ケイ素層のCVD成膜においては、キャリアガスや放電ガスを導入してもよい。基材温度、圧力、電源周波数、印加電力等の諸条件は、酸窒化ケイ素層13の成膜と同様、適宜調整すればよい。
低屈折率層22としての酸化ケイ素層をガスバリア性向上に寄与させる観点から、酸化ケイ素層の密度は、1.80g/cm以上であることが好ましく、1.90g/cm以上であることがより好ましく、2.00g/cm以上2.40g/cm以下、2.05g/cm以上2.35g/cm以下、又は2.10g/cm以上2.30g/cm以下であってもよい。
低屈折率層22を光学干渉層として適切に作用させる観点から、低屈折率層22の厚みは、3nm以上250nm以下であることが好ましく、5nm以上200nm以下又は10nm以上150nm以下であってもよい。低屈折率層22の厚みは、ガスバリア層の光反射率が小さくなり、かつ反射光の色付きが抑制されるように設定することが好ましい。反射光の特性(スペクトル)は、光学モデル計算により正確に評価することが可能である。光学計算により多層光学薄膜の反射スペクトルを求める方法としては、薄膜のそれぞれの界面に対して薄膜干渉の公式を繰り返し適用して、多重反射した波を全て足し合わせる方法、及びマックスウェル方程式の境界条件を考慮して転送行列により反射スペクトルを計算する方法等が知られている。
ガスバリア層は、酸窒化ケイ素層13及び低屈折率層22以外の層(他の層)を含んでいてもよい。「他の層」の例としては、金属若しくは半金属の酸化物、窒化物又は酸窒化物等のセラミック材料からなる無機薄膜が挙げられる。低透湿性と透明性を兼ね備えることから、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Nb、Ce若しくはZrの酸化物、窒化物又は酸窒化物が好ましい。
高いガスバリア性と透明性とを両立させる観点から、ガスバリア層の合計厚みは、30nm以上1000nm以下であることが好ましく、40nm以上500nm以下であることがより好ましい。
[ハードコート層31]
ハードコート層31は、例えば、バインダー樹脂とナノ粒子とを含む。バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂が好ましく用いられる。硬化性樹脂の種類としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、アミド系樹脂、シリコーン系樹脂、シリケート系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、オキセタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂は、一種又は二種以上を使用できる。これらの中でも、硬度が高く、光硬化が可能であることから、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂及びエポキシ系樹脂からなる群より選択される一種以上が好ましく、アクリル系樹脂及びアクリルウレタン系樹脂からなる群より選択される一種以上がより好ましい。
ハードコート層31に含まれるナノ粒子の個数平均一次粒子径は、バインダー樹脂中での分散性を高める観点から、15nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。密着性向上に寄与する微細な凹凸形状を形成する観点から、ハードコート層31に含まれるナノ粒子の個数平均一次粒子径は、90nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。
ナノ粒子の材料としては、無機酸化物が好ましい。無機酸化物としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化マグネシウム等の金属(又は半金属)の酸化物が挙げられる。無機酸化物は、複数種の(半)金属の複合酸化物でもよい。例示の無機酸化物の中でも、密着性向上効果が高いことから、シリカが好ましい。つまり、ナノ粒子としては、シリカ粒子(ナノシリカ粒子)が好ましい。ナノ粒子としての無機酸化物粒子の表面には、樹脂との密着性や親和性を高める目的で、アクリル基、エポキシ基等の官能基が導入されていてもよい。
ハードコート層31におけるナノ粒子の量は、バインダー樹脂とナノ粒子の合計量100重量部に対して、5重量部以上であることが好ましく、10重量部以上、20重量部以上又は30重量部以上であってもよい。ナノ粒子の量が5重量部以上であれば、ハードコート層31上に形成されるガスバリア層との密着性を向上させることができる。ハードコート層31におけるナノ粒子の量の上限は、バインダー樹脂とナノ粒子の合計量100重量部に対して、例えば90重量部であり、80重量部であることが好ましく、70重量部であってもよい。
ハードコート層31の厚みは、特に限定されないが、高い硬度を実現しつつガスバリア層との密着性を向上させるためには、0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、2.0μm以上であることが更に好ましく、3.0μm以上であることが更により好ましい。一方、凝集破壊による強度の低下を抑制するためには、ハードコート層31の厚みは、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、12μm以下であることが更に好ましい。
(ハードコート層31の形成方法)
透明フィルム基材11上にハードコート組成物を塗布し、必要に応じて溶媒の除去及び樹脂の硬化を行うことにより、ハードコート層31が形成される。ハードコート組成物は、例えば、上記のバインダー樹脂及びナノ粒子を含み、必要に応じてこれらの成分を溶解又は分散可能な溶媒を含む。ハードコート組成物中の樹脂成分が硬化性樹脂である場合は、ハードコート組成物中に、適宜の重合開始剤が含まれていることが好ましい。例えば、ハードコート組成物中の樹脂成分が光硬化型樹脂である場合には、ハードコート組成物中に光重合開始剤が含まれていることが好ましい。
ハードコート組成物は、上記成分の他に、個数平均一次粒子径が1.0μm以上の粒子(マイクロ粒子)、レベリング剤、粘度調整剤(チクソトロピー剤、増粘剤等)、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、分散剤、分散安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、界面活性剤、滑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
ハードコート組成物の塗布方法としては、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法、コンマコート法等の任意の適切な方法を採用し得る。
[粘着剤層51]
粘着剤層51の構成材料としては、可視光線透過率が高い粘着剤が好適に用いられる。粘着剤層51を構成する粘着剤としては、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体、変性ポリオレフィン、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等のポリマーをベースポリマーとする透明な粘着剤を、適宜に選択して用いることができる。粘着剤層51の厚みは、例えば5μm以上100μm以下である。粘着剤層51の屈折率は、例えば1.4以上1.5以下である。
[ガスバリアフィルムの特性]
ガスバリアフィルムの水蒸気透過率は、3.0×10-2g/m・day以下であることが好ましく、2.0×10-2g/m・day以下であることがより好ましく、1.0×10-2g/m・day以下であることが更に好ましい。有機EL素子等の保護対象の劣化を抑制する観点からは、水蒸気透過率は小さいほど好ましい。ガスバリアフィルムの水蒸気透過率の下限は、特に限定されないが、一般には1.0×10-5g/m・dayである。水蒸気透過率(WVTR)は、温度40℃かつ相対湿度90%の条件下、ISO 15106-5に記載された差圧法(Pressure Sensor Method)に従って測定される。
ガスバリアフィルムの光透過率は、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。光透過率は、JlS Z8781-3:2016で規定されるCIE三刺激値のY値である。
<第2実施形態:ガスバリアフィルムの製造方法>
次に、本発明の第2実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法について説明する。第2実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法は、上述した第1実施形態に係るガスバリアフィルムの好適な製造方法である。よって、上述した第1実施形態と重複する構成要素については、その説明を省略する場合がある。第2実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法は、一対の対向電極として一対の成膜ロールを有する成膜装置のチャンバー(真空チャンバー)内に、ケイ素源(例えば、トリシリルアミン等)、窒素源(例えば、窒素等)及び酸素源(例えば、酸素等)を導入して、CVD法により酸窒化ケイ素層を形成する工程を備える。
以下、第2実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法について、図6を参照しながら説明する。図6は、第2実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法に使用される成膜装置の一例を示す構成図である。
図6に示す成膜装置は、送り出しロール71と、搬送ロール72、73、74及び75と、成膜ロール76及び77と、巻取りロール78と、ガス供給口79とを備えている。ガス供給口79は、複数個設けられていてもよい。成膜ロール76及び77の各々の内部には、図示を省略した磁場発生装置が設置されている。また、図6に示す成膜装置では、少なくとも成膜ロール76及び77と、ガス供給口79と、プラズマ発生用電源(不図示)とが図示を省略した真空チャンバー内に配置されている。更に、図6に示す成膜装置では、上記真空チャンバーが図示を省略した真空ポンプに接続されており、この真空ポンプにより真空チャンバー内の圧力を適宜調整することが可能となっている。
図6に示す成膜装置では、一対の成膜ロール(成膜ロール76及び77)を一対の対向電極として機能させることが可能となるように、成膜ロール76及び77がそれぞれプラズマ発生用電源(不図示)に接続されている。そのため、図6に示す成膜装置では、プラズマ発生用電源により電力を供給することにより、成膜ロール76と成膜ロール77との間の空間に放電することが可能であり、これにより成膜ロール76と成膜ロール77との間の空間にプラズマを発生させることができる。図6に示す成膜装置において、高い成膜レートで成膜するためには、一対の成膜ロール(成膜ロール76及び77)は、その中心軸が同一平面上において略平行となるようにして配置されていることが好ましい。
このような図6に示す成膜装置を用いて、例えば、第1実施形態に係るガスバリアフィルムの説明において例示したプラズマCVD法における諸条件を採用し、第1実施形態に係るガスバリアフィルムを容易に製造することができる。例えば、上述したガスバリアフィルム10(図1参照)を製造する場合は、成膜ガス(より具体的には、ケイ素源、酸素源、窒素源等)を真空チャンバー内に供給しつつ、一対の成膜ロール(成膜ロール76及び77)間にプラズマ放電を発生させることにより、上記成膜ガスがプラズマによって分解され、成膜ロール76近傍の成膜領域及び成膜ロール77近傍の成膜領域の双方において、透明フィルム基材11(図1参照)上に酸窒化ケイ素層13(図1参照)が形成される。なお、酸窒化ケイ素層13の成膜に際しては、透明フィルム基材11が、送り出しロール71、搬送ロール72等により搬送され、ロールトゥロール方式の連続的な成膜プロセスにより、透明フィルム基材11上に酸窒化ケイ素層13が形成される。
図6に示す成膜装置において、成膜ロール76の中心軸と成膜ロール77の中心軸とを含む仮想平面Pからのガス供給口79の高さH、成膜ロール76とガス供給口79との最短距離D1、成膜ロール77とガス供給口79との最短距離D2、成膜ロール76のロール径、成膜ロール77のロール径、成膜ロール76の抱き角度、及び成膜ロール77の抱き角度(以下、これらをまとめて「成膜装置条件」と記載することがある)のうちの少なくとも1つを変更すると、成膜ロール76近傍の成膜領域及び成膜ロール77近傍の成膜領域の各々において、導入した成膜ガスの分布が成膜ロールの周方向に沿って変化する。よって、成膜装置条件のうちの少なくとも1つを変更することにより、酸窒化ケイ素層13(図1参照)の組成比O/N(酸素原子数/窒素原子数)を厚み方向で変化させることができる。なお、「抱き角度」とは、フィルムが成膜ロールの外周面に周方向において接触する角度範囲を成膜ロールの中心角で表したものをさす。
上記成膜装置条件のうち、ガス供給口79の高さHは、1/10-O/N、1/2-O/N及び9/10-O/Nとの相関性が高い。1/10-O/N、1/2-O/N及び9/10-O/Nのそれぞれを、第1実施形態で説明した特定範囲内に容易に調整するためには、ガス供給口79の高さHは、100mm以上200mm以下であることが好ましく、150mm以上180mm以下であることがより好ましい。なお、ガス供給口79が複数個設けられている場合、複数個のガス供給口79のそれぞれの高さHは、同一でも異なっていてもよい。
図7は、第2実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法により形成された酸窒化ケイ素層の厚み方向の組成分析結果の一例を示すグラフである。図7において、実線は、XPSにより酸窒化ケイ素層を一定条件でエッチングしながら組成分析した際において、酸窒化ケイ素層の厚み方向におけるエッチング時間と酸素含有率との関係を示す。また、図7において、破線は、XPSにより酸窒化ケイ素層を一定条件でエッチングしながら組成分析した際において、酸窒化ケイ素層の厚み方向におけるエッチング時間と窒素含有率との関係を示す。図7において、エッチング時間が比較的長いA区画は、図6に示す成膜装置において、成膜ロール76近傍の成膜領域のうち、ガス供給口79からの距離が比較的長い領域で成膜された区画である。また、図7において、エッチング時間が比較的短いC区画は、図6に示す成膜装置において、成膜ロール77近傍の成膜領域のうち、ガス供給口79からの距離が比較的長い領域で成膜された区画である。また、図7において、A区画とC区画とに挟まれたB区画は、図6に示す成膜装置において、成膜ロール76近傍の成膜領域又は成膜ロール77近傍の成膜領域のうち、ガス供給口79からの距離が比較的短い領域で成膜された区画である。なお、A区画のエッチング時間には、9/10-O/Nを測定する際のエッチング時間が含まれる。B区画のエッチング時間には、1/2-O/Nを測定する際のエッチング時間が含まれる。C区画のエッチング時間には、1/10-O/Nを測定する際のエッチング時間が含まれる。
上述のように、成膜装置条件のうちの少なくとも1つを変更すると、成膜ロール76近傍の成膜領域及び成膜ロール77近傍の成膜領域の各々において、導入した成膜ガスの分布が成膜ロールの周方向に沿って変化するため、酸窒化ケイ素層における窒素含有率と酸素含有率が、例えば図7に示すようにエッチング時間とともに(厚み方向に)変化する。よって、成膜装置条件のうちの少なくとも1つを変更することにより、組成比O/Nを、酸窒化ケイ素層の厚み方向で調整することができる。なお、組成比O/Nは、酸素源及び窒素源の導入量比(流量比)を変化させることにより調整することもできる。
<第3実施形態:ガスバリア層付き偏光板>
次に、本発明の第3実施形態に係るガスバリア層付き偏光板について説明する。第3実施形態に係るガスバリア層付き偏光板は、第1実施形態に係るガスバリアフィルムと、偏光子とを備える。図8は、第3実施形態に係るガスバリア層付き偏光板の一例を示す断面図である。図8に示すガスバリア層付き偏光板100は、上述したガスバリアフィルム50と、偏光板101とを有する。ガスバリア層付き偏光板100では、粘着剤層51の酸窒化ケイ素層13側とは反対側の主面51aに偏光板101が配置されている。つまり、偏光板101と酸窒化ケイ素層13とが、粘着剤層51を介して貼り合わせられている。なお、図8に示すガスバリア層付き偏光板100はガスバリアフィルム50(ガスバリアフィルム40)を有するが、第3実施形態に係るガスバリア層付き偏光板が有するガスバリアフィルムは、ガスバリアフィルム50に限定されず、例えば、ガスバリアフィルム10、ガスバリアフィルム20又はガスバリアフィルム30であってもよい。
偏光板101は、偏光子(不図示)を含み、一般には、偏光子の両主面に偏光子保護フィルムとしての透明保護フィルム(不図示)が積層されている。偏光子の一方の主面又は両主面の透明保護フィルムは、設けられていなくてもよい。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したものが挙げられる。
透明保護フィルムとしては、セルロース系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、フェニルマレイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等から構成された透明樹脂フィルムが好ましく用いられる。透明保護フィルムとしてガスバリアフィルムを用いてもよい。
偏光板101は、偏光子の一方又は両方の主面に、必要に応じて適宜の接着剤層や粘着剤層を介して積層された光学機能フィルムを備えていてもよい。光学機能フィルムとしては、位相差板、視野角拡大フィルム、視野角制限(覗き見防止)フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。
第3実施形態に係るガスバリア層付き偏光板は、第1実施形態に係るガスバリアフィルムを備えるため、透明性及びガスバリア性に優れる。
<第4実施形態:画像表示装置>
次に、本発明の第4実施形態に係る画像表示装置について説明する。第4実施形態に係る画像表示装置は、第1実施形態に係るガスバリアフィルム又は第3実施形態に係るガスバリア層付き偏光板と、画像表示セルとを備える。
図9は、第4実施形態に係る画像表示装置の一例を示す断面図である。図9に示す画像表示装置200は、ガスバリアフィルム50を有するガスバリア層付き偏光板100と、画像表示セル202とを備える。画像表示セル202は、基板203と、基板203上に設けられた表示素子204とを備える。画像表示装置200では、ガスバリア層41と表示素子204とが、粘着剤層201を介して貼り合わせられている。なお、図9に示す画像表示装置200はガスバリアフィルム50(ガスバリアフィルム40)を有するが、第4実施形態に係る画像表示装置が有するガスバリアフィルムは、ガスバリアフィルム50に限定されず、例えば、ガスバリアフィルム10、ガスバリアフィルム20又はガスバリアフィルム30であってもよい。
粘着剤層201を構成する粘着剤としては、例えば上述した粘着剤層51を構成する粘着剤として例示したものと同じ粘着剤が挙げられる。粘着剤層201を構成する粘着剤と粘着剤層51を構成する粘着剤とは、同種であってもよく、互いに異なる種類であってもよい。
粘着剤層201の厚みの好ましい範囲は、例えば、上述した粘着剤層51の厚みの好ましい範囲と同じである。粘着剤層201の厚み及び粘着剤層51の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。
基板203としては、ガラス基板又はプラスチック基板が用いられる。画像表示セル202がトップエミッション型である場合、基板203は透明である必要はなく、基板203としてポリイミドフィルム等の高耐熱性フィルムを用いてもよい。
表示素子204としては、有機EL素子、液晶素子、電気泳動方式の表示素子(電子ペーパー)等が挙げられる。画像表示セル202の視認側には、タッチパネルセンサー(不図示)が配置されていてもよい。
表示素子204が有機EL素子である場合、画像表示セル202は、例えばトップエミッション型である。有機EL素子は、例えば、基板203側から、金属電極(不図示)、有機発光層(不図示)及び透明電極(不図示)をこの順に備える。
有機発光層は、それ自身が発光層として機能する有機層の他に、電子輸送層、正孔輸送層等を備えていてもよい。透明電極は、金属酸化物層又は金属薄膜であり、有機発光層からの光を透過する。基板203の裏面側には基板203の保護や補強を目的としてバックシート(不図示)が設けられていてもよい。
有機EL素子の金属電極は光反射性である。そのため、外光が画像表示セル202の内部に入射すると、金属電極で光が反射し、外部からは反射光が鏡面のように視認される。画像表示セル202の視認側に、偏光板101として円偏光板を配置することにより、金属電極での反射光の外部への再出射を防止して、画像表示装置200の画面の視認性及び意匠性を向上させることができる。
円偏光板は、例えば偏光子の画像表示セル202側の主面に位相差フィルムを備える。偏光子に隣接して配置された透明保護フィルムが位相差フィルムであってもよい。また、ガスバリアフィルム50の透明フィルム基材11が位相差フィルムであってもよい。位相差フィルムがλ/4のレターデーションを有し、位相差フィルムの遅相軸方向と偏光子の吸収軸方向とのなす角度が45°である場合に、偏光子と位相差フィルムとの積層体が、金属電極での反射光の再出射を抑制するための円偏光板として機能する。円偏光板を構成する位相差フィルムは、2層以上のフィルムが積層されたものであってもよい。例えば、偏光子とλ/2板とλ/4板とを、それぞれの光学軸が所定の角度をなすように積層することにより、可視光の広帯域にわたって円偏光板として機能する広帯域円偏光板が得られる。
画像表示セル202は、基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とをこの順に積層したボトムエミッション型であってもよい。ボトムエミッション型の画像表示セル202では、透明基板が用いられ、透明基板が視認側に配置される。透明基板としてガスバリアフィルムを用いてもよい。
第4実施形態に係る画像表示装置は、第1実施形態に係るガスバリアフィルムを備えるため、ガス(例えば水蒸気)に起因する表示素子の劣化を抑制できる。
<第5実施形態:太陽電池>
次に、本発明の第5実施形態に係る太陽電池について説明する。第5実施形態に係る太陽電池は、第1実施形態に係るガスバリアフィルムと、太陽電池セルとを備える。第5実施形態に係る太陽電池では、例えば、第1実施形態に係るガスバリアフィルムと太陽電池セルとが、透明な接着剤又は透明な粘着剤で貼り合わせられている。
第5実施形態に係る太陽電池は、第1実施形態に係るガスバリアフィルムを備えるため、ガス(例えば水蒸気)に起因する太陽電池セルの劣化を抑制できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ガスバリアフィルムの作製>
以下、実施例1~4並びに比較例1及び2のガスバリアフィルムの作製方法について、それぞれ説明する。実施例1~4並びに比較例1及び2のガスバリアフィルムの作製において、酸窒化ケイ素層の成膜には、いずれも、上述した図6に示す成膜装置と同じ構成を備えた成膜装置(詳しくは、ロールトゥロール方式のCVD成膜装置)を使用した。酸窒化ケイ素層の成膜に使用した上記成膜装置は、窒素及び酸素を導入するためのガス供給口と、トリシリルアミンを導入するためのガス供給口とを備えていた。また、実施例1~4並びに比較例1及び2のガスバリアフィルムの作製では、窒素及び酸素を導入するためのガス供給口の高さ(図6の高さH)を174mmとし、かつトリシリルアミンを導入するためのガス供給口の高さ(図6の高さH)を156mmとした。
[実施例1]
透明フィルム基材としての厚み40μmの環状ポリオレフィンフィルム(日本ゼオン社製「ゼオノア(登録商標)フィルムZF-14」)を成膜装置にセットし、真空チャンバー内を1×10-3Paまで減圧した。次いで、フィルムを走行させながら、基材温度12℃で、厚み50nmの酸窒化ケイ素層(ガスバリア層)をCVD成膜し、実施例1のガスバリアフィルムを得た。実施例1のガスバリアフィルムを得る際のCVD成膜では、プラズマ発生用電源の周波数を80Hzとし、印加電力1.0kWの条件で放電してプラズマを発生させ、トリシリルアミン(TSA):30sccm、窒素:575sccm、酸素:25sccmの流量条件で、真空チャンバー内の成膜ロール間(電極間)にガスを導入し、圧力1.0Paで成膜した。なお、TSAは加熱気化させて、真空チャンバー内に導入した。
[実施例2]
窒素の流量条件を550sccmとし、かつ酸素の流量条件を50sccmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法により実施例2のガスバリアフィルムを作製した。
[実施例3]
窒素の流量条件を525sccmとし、かつ酸素の流量条件を75sccmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法により実施例3のガスバリアフィルムを作製した。
[実施例4]
窒素の流量条件を500sccmとし、かつ酸素の流量条件を100sccmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法により実施例4のガスバリアフィルムを作製した。
[比較例1]
窒素の流量条件を600sccmとし、かつ酸素を導入しなかったこと以外は、実施例1と同じ方法により比較例1のガスバリアフィルムを作製した。
[比較例2]
酸素の流量条件を600sccmとし、かつ窒素を導入しなかったこと以外は、実施例1と同じ方法により比較例2のガスバリアフィルムを作製した。
<酸窒化ケイ素層の組成分析>
Arイオン銃を備えるX線光電子分光装置(アルバック・ファイ社製「Quantera SXM」)を用いて、酸窒化ケイ素層の透明フィルム基材側とは反対側の主面から酸窒化ケイ素層を下記条件でエッチングしながら、XPSにより酸窒化ケイ素層の厚み方向における組成分析を行った。そして、1/10-O/N、1/2-O/N及び9/10-O/N、並びに酸窒化ケイ素層の厚み方向の中央部(総エッチング時間の1/2が経過したとき)における各元素(Si、O、N及びC)の含有率を算出した。各元素の含有率の算出には、ワイドスキャンスペクトルから得られるSiの2p、Oの1s、Nの1s、及びCの1sのそれぞれの結合エネルギーに相当するピークを用いた。詳細な測定条件を以下に示す。
[測定条件]
X線源:モノクロAlKα
X線の焦点サイズ:100μmφ(15kV、25W)
光電子取り出し角:試料表面に対して45°
結合エネルギーの補正:C-C結合由来のピークを285.0eVに補正(最表面のみ)
帯電中和条件:電子中和銃とArイオン銃(中和モード)の併用
Arイオン銃の加速電圧:1kV
Arイオン銃のラスターサイズ:1mm×1mm
Arイオン銃のエッチング速度:5nm/分(SiO換算)
<ガスバリアフィルムの評価方法>
[水蒸気透過率]
ISO 15106-5に記載された差圧法(Pressure Sensor Method)に従って、Technolox社製の水蒸気透過率測定装置「Deltaperm(登録商標)」を用いて、温度40℃かつ相対湿度90%の条件下で、ガスバリアフィルムの水蒸気透過率(WVTR)を測定した。WVTRが3.0×10-2g/m・day以下である場合、「ガスバリア性に優れている」と評価した。一方、WVTRが3.0×10-2g/m・dayを超えている場合、「ガスバリア性に優れていない」と評価した。
[光透過率]
分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製「U4100」)により、ガスバリアフィルムの光透過率(Y値)を測定した。光透過率が75%以上である場合、「透明性に優れている」と評価した。一方、光透過率が75%未満である場合、「透明性に優れていない」と評価した。
<評価結果>
実施例1~4並びに比較例1及び2について、1/10-O/N、1/2-O/N、9/10-O/N、各元素(Si、O及びN)の含有率、WVTR及び光透過率を、表1に示す。なお、表1の各元素(Si、O及びN)の含有率は、酸窒化ケイ素層の厚み方向の中央部(総エッチング時間の1/2が経過したとき)における含有率であり、Si、O、N及びCの合計を100原子%として算出した。
Figure 2023050694000002
表1に示すように、実施例1~4では、1/10-O/Nが1.0より大きく、1/2-O/Nが2.0より小さく、9/10-O/Nが1.0より大きかった。実施例1~4では、1/10-O/Nが1/2-O/Nより大きく、9/10-O/Nが1/2-O/Nより大きかった。
表1に示すように、実施例1~4では、WVTRが3.0×10-2g/m・day以下であった。よって、実施例1~4のガスバリアフィルムは、ガスバリア性に優れていた。実施例1~4では、光透過率が75%以上であった。よって、実施例1~4のガスバリアフィルムは、透明性に優れていた。
表1に示すように、比較例1では、1/10-O/Nが1.0より小さく、9/10-O/Nが1.0より小さかった。比較例2では、1/2-O/Nが2.0より大きかった。
表1に示すように、比較例1では、光透過率が75%未満であった。よって、比較例1のガスバリアフィルムは、透明性に優れていなかった。比較例2では、WVTRが3.0×10-2g/m・dayを超えていた。よって、比較例2のガスバリアフィルムは、ガスバリア性に優れていなかった。
以上の結果から、本発明によれば、透明性及びガスバリア性に優れるガスバリアフィルムを提供できることが示された。
10、20、30、40、50 ガスバリアフィルム
11 透明フィルム基材
12、21、41 ガスバリア層
13 酸窒化ケイ素層
31 ハードコート層
51 粘着剤層
100 ガスバリア層付き偏光板
101 偏光板
200 画像表示装置
202 画像表示セル

Claims (15)

  1. 透明フィルム基材と、前記透明フィルム基材の少なくとも一方の主面に直接的又は間接的に配置されたガスバリア層とを有するガスバリアフィルムであって、
    前記ガスバリア層は、構成元素として酸素、窒素及びケイ素を含む酸窒化ケイ素層を有し、
    X線光電子分光法を用いて前記酸窒化ケイ素層を一定条件でエッチングしながら、前記酸窒化ケイ素層の厚み方向における酸素と窒素との組成比O/Nを測定した際において、総エッチング時間の1/10が経過したときの前記組成比O/Nが1.0より大きく、総エッチング時間の1/2が経過したときの前記組成比O/Nが2.0より小さく、総エッチング時間の9/10が経過したときの前記組成比O/Nが1.0より大きく、
    前記総エッチング時間の1/10が経過したときの前記組成比O/N及び前記総エッチング時間の9/10が経過したときの前記組成比O/Nは、いずれも前記総エッチング時間の1/2が経過したときの前記組成比O/Nより大きい、ガスバリアフィルム。
  2. 前記総エッチング時間の1/10が経過したときの前記組成比O/N及び前記総エッチング時間の9/10が経過したときの前記組成比O/Nがいずれも2.0より大きいか、又は前記総エッチング時間の1/2が経過したときの前記組成比O/Nが1.0より小さい、請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記総エッチング時間の1/10が経過したときの前記組成比O/N及び前記総エッチング時間の9/10が経過したときの前記組成比O/Nは、いずれも10.0より小さい、請求項1又は2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 前記総エッチング時間の1/2が経過したときの前記組成比O/Nは、0.1より大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
  5. 前記酸窒化ケイ素層の厚みが、10nm以上100nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
  6. 前記透明フィルム基材と前記ガスバリア層との間に配置された、個数平均一次粒子径1.0μm未満のシリカ粒子を含むハードコート層を更に有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
  7. 前記酸窒化ケイ素層と前記ハードコート層とは、接している、請求項6に記載のガスバリアフィルム。
  8. 前記ガスバリア層の前記透明フィルム基材側とは反対側に配置された粘着剤層を更に有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
  9. 前記酸窒化ケイ素層と前記粘着剤層とは、接している、請求項8に記載のガスバリアフィルム。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムの製造方法であって、
    一対の対向電極として一対の成膜ロールを有する成膜装置のチャンバー内に、ケイ素源、窒素源及び酸素源を導入して、化学気相成長法により前記酸窒化ケイ素層を形成する工程を備える、ガスバリアフィルムの製造方法。
  11. 請求項1~9のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムと、偏光子とを備える、ガスバリア層付き偏光板。
  12. 請求項1~9のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムと、画像表示セルとを備える、画像表示装置。
  13. 請求項11に記載のガスバリア層付き偏光板と、画像表示セルとを備える、画像表示装置。
  14. 前記画像表示セルは、有機EL素子を含む、請求項12又は13に記載の画像表示装置。
  15. 請求項1~9のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムと、太陽電池セルとを備える、太陽電池。

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