JP2023048572A - 情報処理装置及びその制御方法とプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】光沢度の異なる模様を含むOC面の品位を損なうことなく、カラー印画面全体を適切に保護することを可能とする印刷データを生成する。【解決手段】情報処理装置800は、OC画像に一様な階調のベタ模様を入力する表示・操作部802と、ベタ模様の大きさを判定する判定部811と、ベタ模様901がプリンタ100の主走査方向と印画方向のそれぞれで所定の画素数を超えて連続する場合にベタ模様901を中抜き模様部910bとフチ模様部910aからなる合成模様910に変更するOC画像処理部812と、OC画像の印画階調を、ベタ模様とフチ模様部で低光沢、且つ、高階調に設定し、中抜き模様部を中光沢、且つ、低階調に設定し、ベタ模様および合成模様を除く背景を高光沢、且つ、中階調に設定するメインCPU801を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、情報処理装置及びその制御方法とプログラムに関し、特に、記録用紙に画像を形成する昇華型の画像形成装置での印刷処理に用いられる印刷データを作成する情報処理装置に関する。
昇華型の画像形成装置では、発熱させたサーマルヘッドをインクリボンに押し当ててインクを昇華させ、昇華させたインクを記録用紙に転写することで記録用紙への印画が行われる。昇華型の画像形成装置では一般的に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の昇華染料層及びオーバーコート層(以下「OC層」と記す)を有するインクリボンが用いられる。そして、Y,M,Cの昇華染料層により形成されたカラー印画面を無色透明なOC層により形成されたOC面で保護することにより、耐久性と耐水性に優れた仕上がりを実現することができる。その際、OC層の光沢度を変化させることにより、ユーザが要求する所定の階調の模様をOC面に記録する技術が知られている。例えば、特許文献1には、OC面に記録する模様の視認性を確保するために、模様の輪郭を抽出して、模様をフチ模様部と中抜き模様部に変換する技術が開示されている。
特開2013-111951号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、フチ模様部をOC層の印画領域とするものの、中抜き模様部をOC層の非印画領域とするため、中抜き模様部にはOC面が形成されず、印画面が保護されない。この問題に対して、フチ模様部以外の領域(背景)と同じ光沢度で中抜き模様部にOC面を形成しようとすると、フチ模様部と中抜き模様部の境界付近で、記録用紙からのインクリボンの剥離を良好に行うことができずに、OC面の品位が損なわれるおそれがある。
本発明は、光沢度の異なる模様を含むOC面の品位を損なうことなく、カラー印画面全体を適切に保護することを可能とする印刷データを生成する技術を提供することを目的とする。
本発明に係る情報処理装置は、オーバーコート用の転写画像に一様な階調のベタ模様を入力する入力手段と、前記ベタ模様の大きさを判定する判定手段と、前記ベタ模様が、前記転写画像を印画する印刷装置の主走査方向において第1の画素数より多く第2の画素数以下の画素数で連続し、且つ、前記印刷装置の印画方向において第3の画素数以上の画素数で連続すると前記判定手段が判定した場合に、前記ベタ模様を中抜き模様部とフチ模様部からなる合成模様に変更する変更手段と、前記転写画像の印画階調を、前記ベタ模様と前記フチ模様部では低光沢、且つ、高階調に設定し、前記中抜き模様部では中光沢、且つ、低階調に設定し、前記ベタ模様および前記合成模様を除く背景では高光沢、且つ、中階調に設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、光沢度の異なる模様を含むOC面の品位を損なうことなく、カラー印画面全体を適切に保護することを可能とする画像形成装置を提供することができる。
昇華型の画像形成装置(プリンタ)の外観斜視図である。 プリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。 インクリボンの構成を示す平面図と用紙の構成を示す断面図である。 プリンタの動作を時系列で示す断面図である。 プリンタの印刷動作を説明する第1のフローチャートである。 プリンタの印刷動作を説明する第2のフローチャートである。 プリンタでOC層を用紙に印画した際の印画階調とOC面の光沢度との関係を表す図である。 プリンタと通信可能に接続可能な情報処理装置のブロック図である。 中抜き模様に変更されるベタ模様の一例を説明する図である。 ベタ模様に追加可能/追加不可の画素を説明する図と新たなベタ模様の拡大処理を説明する図である。 ベタ模様の縮小処理を説明する図である。 ベタ模様の合成処理とこれに伴う変更処理を説明する図である。 ベタ模様を合成模様へ変更する際の画素設定手法を説明する図である。 OC画像へのベタ模様等の追加例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
上記特許文献1に記載された技術では、印刷装置に文字や図形を入力するためのディスプレイや操作手段、制御手段(画像処理手段)が必要となるため、印刷装置のコストアップや大型化が懸念される。また、通常、印刷データはスマートフォン等の情報処理装置から印刷装置に送信される。であれば、印刷データの情報処理装置で行い、記録用紙への印刷は携帯性の高い汎用の印刷装置で行うようにするこで利便性を高めることができると考えられる。
このような事情に鑑みて、本実施形態では、本発明を携帯性と汎用性の高い昇華型画像形成装置(以下「プリンタ」と言う)と、プリンタ100と通信可能に接続される情報処理装置とを有する印刷システムとして具現化した構成について説明する。
図1は、プリンタ100の外観斜視図であり、図1(a)はプリンタ100をその天面側から見た外観を、図1(b)はプリンタ100をその底面側から見た外観をそれぞれ表している。
プリンタ100は、プリンタ100の外装を構成する本体上ケース101aと本体下ケース101bを有する。つまり、プリンタ100の本体部の上下が、本体上ケース101aと本体下ケース101bにより覆われている。
プリンタ100の正面には、カセットカバー101dが開閉可能に支持されている。プリンタ100の正面に設けられたイジェクトレバー101fをスライドさせるとカセットカバー101dを開くことができる。カセットカバー101dを開くと、インクリボンカセット120の着脱(挿抜)を行うための開口部(空間)であるカセット装着部111と、インクリボンカセット120の挿抜を案内するシャーシ110が現れる。インクリボンカセット120は、シャーシ110に沿って矢印A方向へ挿入されることにより、プリンタ100に装着される。
インクリボンカセット120はインクリボン114を収納しており、インクリボン114の搬送は、プリンタ100の内部に設けられた搬送機構(不図示)により行われる。プリンタ100は、インクリボン114を搬送しながら記録用紙(以下単に「用紙」と言う)への印画を行う。なお、以下の説明において、「印画」とは、インクリボン114のインクを昇華させて用紙に転写(付着)することにより用紙上にインクで画像を形成することを指す。
プリンタ100の正面にはUSB端子104が設けられており、USB端子104を介してプリンタ100とデジタルカメラやスマートフォン、タブレットPC等の不図示の情報処理装置とを通信可能に接続することが可能となっている。情報処理装置からプリンタ100へは、用紙に印画する画像の画像データや印刷開始等の指令等が送信される。なお、「印刷」とは、ユーザからの印刷指示に基づき、プリンタ100が用紙に印画を行って、印画が完了した用紙を排紙するまでの一連の動作を指す。また、情報処理装置との通信を行うための通信手段は、USB端子104に限られず、他の規格の端子であってもよい。更に、有線通信に限らず、無線通信により情報処理装置から画像データを受信するよう構成されていてもよい。
本体下ケース101bには、トレイカバー101eが開閉可能に設けられている。詳細は後述するが、トレイカバー101eを開くことで、プリンタ100の本体内部に用紙を装填することができる。プリンタ100では、本体上ケース101aと本体下ケース101bによってプリンタ100の側面に形成される開口部が、用紙の排紙口101cとして用いられる。
本体上ケース101aには、表示部102と電源ボタン103が設けられている。表示部102は、複数のLEDの色及び点灯や点滅でプリンタ100のシステム状態を表示する。電源ボタン103は、プリンタ100の電源のオン/オフを切り替える。
図2は、プリンタ100のハードウェア構成を示すブロック図である。プリンタ100は、メインコントローラ201(以下「CPU201」と記す)、ROM202、RAM203、通信部211、画像データ入力部212、画像処理部213、サーマルヘッド216及びヘッドコントロールドライバ214を備える。プリンタ100は、ヘッド温度検知センサ204、環境温度検知センサ205、第1の用紙検知センサ206a、第2の用紙検知センサ206b、リボン検知センサ207、モータドライバ208、搬送モータ209及びポジションチェンジモータ210を備える。
ROM202は、プリンタ100のシステム制御用プログラムを格納する。CPU201は、ROM202に格納された所定のプログラムをRAM203に展開することにより、プリンタ100のシステム制御や演算処理を行う。RAM203は、画像データの一時保存や、CPU201が行う各種の演算処理の作業領域として用いられる。
通信部211は、情報処理装置との双方向通信を行い、情報処理装置からは画像データや各種の命令信号を受け取る。画像データ入力部212は、情報処理装置から通信部211を通じて画像データを受け取る。画像処理部213は、通信部211から入力された画像データに対して、インクの発色性能に合わせた色変換処理やエッジのぼやけを防ぐためのシャープネス処理等の画像処理を施す。これにより、画像データは印刷データに変換される。
サーマルヘッド216は、複数の発熱体がアレイ状に配置された構造を有する。ヘッドコントロールドライバ214は、サーマルヘッド216の動作を制御する。画像処理部213で生成された印刷データはヘッドコントロールドライバ214に送られ、ヘッドコントロールドライバ214に入力された印刷データは、電気信号に変換されてサーマルヘッド216に出力される。サーマルヘッド216の各発熱体で電気信号は熱エネルギに変換され、インクリボン114はサーマルヘッド216の発熱体により加熱される。これにより、加熱されたインクが昇華する。
ヘッド温度検知センサ204はで、サーマルヘッド216の温度を検知(計測)する。環境温度検知センサ205は、プリンタ100の内部温度を検知(計測)する。CPU201は、ヘッド温度検知センサ204と環境温度検知センサ205の各検知温度に応じて、サーマルヘッド216への温度補正やプリンタ100の内部を冷却するための温度ウェイト等の各種の温度制御を行う。第1の用紙検知センサ206aは用紙の給紙を検知し、第2の用紙検知センサ206bは用紙の排紙を検知する。リボン検知センサ207は、インクリボン114のC,M,Y,OCの各面の頭出しを行うためのマーカーを検知する。
搬送モータ209は、用紙とインクリボンを搬送駆動する。ポジションチェンジモータ210は、サーマルヘッド216を押圧位置と退避位置との間で移動させ、また、複数の機械要素において位相切り替えを行う。モータドライバ208は、搬送モータ209とポジションチェンジモータ210の駆動を制御する。
図3(a)は、インクリボン114の構成を示す平面図である。インクリボン114では、基材にY層,M層,C層,OC層が直列に塗工され、各色の先頭にインクリボン114の頭出しを行うためのマーカー114Y,114M,114C、114OCが設けられている。なお、マーカー114Yは、他の色と区別するために複数の(ここでは、2本の)マーカー(線)で構成されている。
図3(b)は用紙300の概略構成を示す断面図であり、図3(b)における上下方向は用紙300の厚み方向である。用紙300は、大略的に、受像層301、基材層302、粘着層303及び剥離層304の4層で構成されている。受像層301へは、昇華されたインクやOCが転写される。基材層302の表面には受像層301が塗工され、基材層302の裏面には粘着層303が塗工される。粘着層303は、用紙300の裏面に対して、貼り付け可能なタック性を持たせる。剥離層304は、粘着層303が意図せずして貼り付くことのないように粘着層303を被覆している。
次に、プリンタ100での印刷動作について説明する。図4は、プリンタ100の動作を時系列で示す断面図である。図4(a)は印画待機状態を示しており、図4(b)は給紙状態を示しており、図4(c)は印画開始前状態を示している。図4(d)は印画中の状態を示しており、図4(e)は印画終了後で排紙動作前の状態を示しており、図4(f)は排紙動作後の状態を示している。
プリンタ100は、プラテンローラ415、用紙収納部417、サーマルヘッド駆動軸419、加圧板420、給紙ローラ421、分離土手部422、切換板423、搬送ローラ424、搬送従動ローラ425、バッテリ426及びガイド壁427を備える。また、プリンタ100は、用紙収納部壁428、剥離板429、下流上側用紙ガイド部材430,用紙押え板431及び下流下側用紙ガイド部材432を備える。インクリボンカセット120は、巻き取り軸441、供給軸442及びガイド軸443を備える。
サーマルヘッド216は、サーマルヘッド駆動軸419に回動可能に支持されており、付勢手段(不図示)により図4において時計まわり方向に付勢されている。サーマルヘッド216は、インクリボンカセット120の挿抜時にインクリボンカセット120と干渉しないように、プラテンローラ415との距離を最大限大きく取った位置に配置されている。
トレイカバー101eを開くと、用紙収納部417に用紙300を装填することができる。用紙収納部417に装填することが可能な用紙300の枚数は、用紙収納部壁428により制限される。加圧板420は、用紙300を給紙ローラ421に押圧する。分離土手部422は、給紙される用紙300の重送を防止する。切換板423は、印画開始位置が確認された用紙300の用紙収納部417への誤搬送を防止する。印画開始位置が確認された用紙300の給紙時の後端は、用紙収納部壁428とガイド壁427との間の空隙に形成された退避スペースに退避する。ガイド壁427は、バッテリ426を保持する。
搬送ローラ424と搬送従動ローラ425は、用紙300をニップして給紙及び排紙を行う。剥離板429は、サーマルヘッド216に取り付けられており、印画(インクの昇華と転写)が終了したインクリボン114を用紙300から剥離させる。インクが印画された用紙300は、下流上側用紙ガイド部材430に取り付けられた用紙押え板431により下流下側用紙ガイド部材432へ押し当てられる。排紙動作において用紙300は、詳細は後述するが、kにはプリンタ100外へ排出されない。
インクリボンカセット120の内部に設けられた巻き取り軸441と供給軸442は、プリンタ100の内部に設けられた係合部と係合する。ガイド軸443は、巻き取り軸441に巻き取られるインクリボン114をガイドする。
図5及び図6は、プリンタ100の印刷動作を説明するフローチャートである。なお、図6のフローチャートは、図5のフローチャートの続きである。図5及び図6のフローチャートにS番号で示す各処理(ステップ)は、CPU201がROM202に格納された所定のプログラムをRAM203に展開して、プリンタ100を構成する各部の動作を統括的に制御することにより実現される。
用紙収納部417に用紙300が収納されていることを前提として、電源ボタン103が操作(押下)されると、CPU201はプリンタ100を待機状態とする。
S501でCPU201は、プリンタ100に接続された情報処理装置からプリンタ100で印刷を行う画像データと印刷指示を受信する。S502でCPU201は、サーマルヘッド216を中間位置へ移動させる。なお、サーマルヘッド216は、ポジションチェンジモータ210によりサーマルヘッド駆動軸419を中心にして図4において反時計まわり方向に回動することができる。CPU201は、ポジションチェンジモータ210を駆動して、図4(a)の待機位置とプラテンローラ415とニップする図4(d)に示す印画中位置の中間の位置((図4(b))へサーマルヘッド216を移動させる。
S503でCPU201は、給紙動作を開始する。ここで、給紙動作について詳細に説明する。給紙ローラ421は、図4(a)に示される待機位置では、用紙300から離間した位置に退避している。給紙動作が開始されると、図4(b)の給紙状態となり、給紙ローラ421は、ポジションチェンジモータ210の駆動力によって、用紙300に接触する位置へ押し下げられる。また、付勢手段により給紙ローラ421側へ付勢されている加圧板420が、用紙収納部417内に積載された用紙300全体を押し上げて、最上部に積載されている用紙(以下の説明では便宜上「用紙300A」と記す)を給紙ローラ421に押し当てる。給紙ローラ421は、搬送モータ209の駆動力によって図4において反時計まわり方向へ回転する。これにより、給紙ローラ421と圧接している1枚の用紙300Aのみが、分離土手部422により、サーマルヘッド216とプラテンローラ415とで構成される印画記録部へ向けて搬送される。
搬送が開始された用紙300Aが第1の用紙検知センサ206aにより検知されると、CPU201は給紙動作不良が発生していないと判断する。引き続き、給紙ローラ421により搬送された用紙300Aは、回動可能に支持された切換板423が上方へ押されて図4において時計まわり方向へ回動すると、図4において左方向へ進行する。そして、用紙300Aは搬送ローラ424と搬送従動ローラ425のニップ間へ突入する。
搬送ローラ424は、用紙300の剥離層304に突き刺さる微小な複数の突起を有しており、よって、用紙300Aを適切に搬送することができる。搬送ローラ424は、搬送モータ209により駆動される。なお、プリンタ100では搬送モータ209にステッピングモータが用いられており、用紙300Aの送り量を正確に制御することが可能となっている。
用紙300Aが搬送ローラ424と搬送従動ローラ425のニップ間へ搬送された後、給紙ローラ421はポジションチェンジモータ210の動力により、図4(a)の待機状態の位置へ移動する。これは、用紙収納部417にある他の用紙300が給紙ローラ421によって搬送されてしまうことを防ぐためである。搬送ローラ424と搬送従動ローラ425により搬送されている用紙300Aは、その後端が第1の用紙検知センサ206aを通過してから更に所定の距離だけ搬送される。その後、用紙300Aの搬送は、切換板423の先端を抜けた後に、一旦、停止される。
S504でCPU201は、搬送中の用紙300Aを戻り方向へ搬送し、図4(c)の印画開始位置で停止させる。このとき、用紙300Aの給紙時の後端(戻り方向では先端となる)は、切換板423の上側を通り、給紙ローラ421の下側を通過して、用紙収納部壁428とガイド壁427との間の空隙に形成された退避スペースへ搬送される。
S505でCPU201は、インクリボン114の頭出し動作を行う。ここでは、先ず、Y面,M面,C面のうち、Y面の頭出しを行う。ここで、インクリボン114の頭出し動作について詳細に説明する。図4(c)の印画開始位置への用紙300Aの搬送が完了すると、インクリボンカセット120に収納されているインクリボン114が巻き上げられる。具体的には、インクリボンカセット120に配置された巻き取り軸441が、プリンタ100に設けられた係合部を介してプリンタ100に設けられた動力機構により、図4における反時計まわり方向に回転される。これにより、供給軸442に捲回されているインクリボン114が巻き取り軸441に巻き取られていく。インクリボン114の頭出しは、各色の先頭にあるマーカー(114Y,114M,114C、114OC)が、プリンタ100のリボン検知センサ207により検出された際に、インクリボン114の巻き取りを停止することにより行われる。
S506でCPU201は、Y面の頭出しが正常に完了したか否かを、インクリボン114のY面のマーカー114Yが正常に検出されたか否かにより、判定する。前述したように、マーカー114Yは連続する2本の線であるため、連続する2本の線を検知することができたか否かが判定される。CPU201は、Y面のマーカー114Yを検出することができなかったと判定した場合(S506でNO)、処理をS507へ進める。なお、S507の処理については後述する。CPU201は、Y面のマーカー114Yを検出することができたと判定した場合(S506でYES)、処理をS508へ進める。
S508でCPU201は、サーマルヘッド216をサーマルヘッド駆動軸419まわりに図4において反時計まわり方向に回動させ、インクリボン114と用紙300Aをプラテンローラ415との間に狭持する印画位置へ移動させる。S509でCPU201は、用紙300A及びインクリボン114を、サーマルヘッド216とプラテンローラ415に狭持されたまま、排紙口101cへ向けて同じ速度で搬送し、図4(d)の状態とする。このとき、CPU201は、同時にサーマルヘッド216の発熱体を加熱し、インクリボン114のY層のインクを昇華させて用紙300Aへ転写し、Y(イエロー)の印画を行う。
S510でCPU201は、プリンタ100に設けられた動力機構によりサーマルヘッド216を回動させてサーマルヘッド216を中間位置へ移動させ、図4(e)の状態とする。具体的には、用紙300Aに対するY印画が完了すると、インクリボン114と用紙300Aは密着状態を保持して一定距離を搬送される。そして、用紙300Aは搬送ローラ424により図4において左方向へ搬送される。一方、インクリボン114は、サーマルヘッド216に一体的に配された剥離板429に摺動しながらインクリボンカセット120に設けられたガイド軸443に向かって搬送される。このとき、印画時に用紙300に貼り付いたインクリボン114が用紙300から剥離板429によって引き剥がされる。
S511~S516でCPU201は、用紙300Aに対するM(マゼンタ)の印画を、上述のY印画と同様に行う。つまり、用紙300AへのM印画が、S511~S516においてS504~S506,S508~S510と同様に行われる。そして、S517~S522でCPU201は、用紙300Aに対するC(シアン)の印画を、上述のY印画と同様に行う。つまり、用紙300AへのC印画が、S517~S522においてS504~S506,S508~S511と同様に行われる。更に、S523~527でCPU201は、用紙300Aに対するOC画像(オーバーコート用の転写画像)の印画を、上述のY印画と同様に行う。つまり、用紙300AへのOC印画が、S523~S527においてS504~S506,S508,S509と同様に行われる。以上により、Y,M,C,OCの順にインクが重ねて転写され、印画動作が完了する。CPU201は、S527の処理が終了すると、処理をS528へ進める。
さて、CPU201は、S513,S519,S525の各判定において各色のマーカーが正常に検出されなかったと判定した場合には、S506でマーカー114Yが正常に検出されたなかったと判定した場合と同様に、処理をS507へ進める。S507でCPU201は、表示部102にエラー表示を行い、その後、処理をS528へ進める。なお、不図示であるが、S528で印画されていない用紙が排出されると、S507でのエラー表示は終了する。
S528でCPU201は、サーマルヘッド216を用紙300Aから退避させた後、用紙300Aを排紙口101cからの排出方向へ更に搬送する。図4(e)に示すように、用紙300Aの後端が搬送ローラ424を抜けると、用紙300Aの排紙は完了する。S529でCPU201は、サーマルヘッド216を動力機構により、図4(f)に示される待機位置まで回動させ、これにより印刷を終了させる。
こうして印刷が終了した時点では、用紙300Aの後端は、プリンタ100の内部にあってプリンタ100に保持された状態となっている。これは、プリンタ100が、携帯性のある小型のモバイルプリンタであり、印刷された用紙300Aをスタックする部材が設けられていないからである。例えば、ユーザがプリンタ100を手に持った状態で印画を行うユースケースが想定され、その場合に、印刷された用紙300Aがプリンタ100から自然に落下してしまうことは望ましくない。そこで、プリンタ100では、搬送ローラ424の下流側に設けられた下流上側用紙ガイド部材430に用紙押え板431を固定し、印刷を終えた用紙300Aを下流下側用紙ガイド部材432へ軽微な力で押さえ付けている。これにより、用紙300Aの不用意な落下が防止される。
プリンタ100を次の印刷を行うことが可能な状態とするためには、ユーザが印刷された用紙300Aをプリンタ100から取り除く必要がある。そこで、印刷終了後のS530でCPU201は、第2の用紙検知センサ206bにより、印刷済みの用紙300Aが検知されているか否かを判定する。CPU201は、第2の用紙検知センサ206bが用紙300Aを検知していると判定した場合(S530でYES)、処理をS531へ進める。一方、CPU201は、第2の用紙検知センサ206bが用紙300Aを検知していないと判定した場合(S530でNO)、処理をS533へ進める。
S531でCPU201は、表示部102において、ユーザに用紙を取り除くことを促すエラー表示を行う。S532でCPU201は、S530と同じく、第2の用紙検知センサ206bにより、印刷済みの用紙300Aが検知されているか否かを判定する。CPU201は、第2の用紙検知センサ206bが用紙300Aを検知していると判定した場合(S532でYES)、S532の判定を繰り返す。よって、S531で実行されたエラー表示は、用紙300Aが取り除かれるまで(S532の判定がNOとなるまで)継続される。一方、CPU201は、第2の用紙検知センサ206bが用紙300Aを検知していないと判定した場合(S532でNO)、処理をS533へ進める。
S533でCPU201は、印刷待機状態へ移行する。S534でCPU201は、電源ボタン103が押下されたか否かを判定する。CPU201は、電源ボタン103は押下されていないと判定した場合(S534でNO)、処理をS533へ戻し、電源ボタン103が押下されたと判定した場合(S534でYES)、プリンタ100の電源をオフにして本処理を終了させる。なお、S533の印刷待機状態では次の印刷が可能になるため、待機中に情報処理装置から画像データと印刷指示を受信(S501)すると、印刷処理を再開する。
ユーザが情報処理装置から模様を有するOC画像の印刷をプリンタ100に指示した場合、S527の「OC印画」では、用紙300Aとインクリボン114の搬送速度を通常時よりも低速にする。ここで、模様を有するOC画像は、模様部とそれ以外の部分とで印画階調が異なっており、模様部ではその他の部分よりも転写時の熱量を大きくすることで印画階調を変えた画像である。
ここで、印画階調について説明する。図7は、プリンタ100でOC層を転写する場合の印画階調と用紙300に形成されたOC面の光沢度との関係を表す図である。印画階調は0乃至255の整数で表され、サーマルヘッド216の発熱体が発熱しない状態で0階調であり、サーマルヘッド216の発熱体が最大に発熱する状態で255階調であると定義する。
印画階調が0階調乃至約75階調の範囲は、サーマルヘッド216の温度が低いためにOC層が印画面に転写されないOC転写不可領域701である。約75階調乃至約120階調の範囲は、中光沢低階調領域702であり、OC層が用紙300に転写されるものの、光沢度は小さく、約40乃至約50となっている。約120階調乃至約180階調の範囲は、高光沢中階調領域703で、OC層の転写により、光沢度は50以上となっている。約180階調乃至約200階調の範囲は、中光沢高階調領域704であり、光沢度は約40約50となっている。約200階調乃至240階調の範囲は、光沢度が40以下の低光沢高階調領域705となり、約255階調近辺では用紙300からのインクリボン114の剥離が適切に行えなくなる不都合(以下「OCジッタ」と称呼する)が発生する。
次に、模様を含むOC画像について説明する。先ず、OC画像を生成する情報処理装置800の構成について説明し、その後、OC画像に配置される模様とその画像処理について説明する。
図8は、プリンタ100と通信可能に接続可能な情報処理装置800のブロック図である。前述したように、情報処理装置800としては、デジタルカメラやスマートフォン、タブレットPC等を例示することができるが、これらに限られず、据え置き型のデスクトップPC等の情報処理装置である場合もある。情報処理装置800は、メインCPU801、表示・操作部802、メモリ803及び通信部806を備える。
メインCPU801は、情報処理装置800の全体的な制御を行う。表示・操作部802は、情報処理装置800の状態やプリンタ100の状態、情報処理装置800で動作するアプリケーションの表示を行う液晶ディスプレイ等の表示装置に、各種の操作等を行うためのタッチパネルが重畳されたものである。通信部806は、画像データや印刷指示をプリンタ100へ送信し、プリンタ100の状態を示す信号を受信する。
メモリ803は、ROMとRAMを含み、アプリケーション(プログラム)や画像データが記憶される領域やメインCPU801の作業領域を有する。メモリ803には、プリンタ100へ送信する印刷指示やプリンタ100での動作状態を受信するためのプリンタ制御ツール、OC画像を作成するためのOC画像作成エディタ(ソフトウェア)等が記憶されている。
OC画像作成エディタが起動すると、メインCPU801は、OC画像作成エディタ上で作成され又は編集されるベタ模様に対する判定部811及びOC画像処理部812として機能する。詳細は後述するが、判定部811はOC画像内のベタ模様の大きさ等を判定し、OC画像処理部812はOC画像における模様の拡大や縮小、ベタ模様の変更等を行う。OC画像処理部812により変更等が行われたベタ模様を含むOC画像は、RAM803に記憶される。ベタ模様とは、一定の大きさを有し、背景の印加階調とは異なる一様な印画階調で描画された模様であり、線図も含む。
印刷システムのユーザは、情報処理装置800においてOC画像作成エディタを起動することによってOC画像の作成や変更(編集)を行うことができる。以下の説明は、OC画像作成エディタ上でプリンタ100が選択され、プリンタ100の機能情報(ハードウェア情報)が読み込まれ、読み込まれた情報に基づいてプリンタ100でのOC面の印画に適応するようにベタ模様の作成等が行われているものとする。よって、ベタ模様の作成等に関する基準として以下に取り上げる画素数は、選択されたプリンタが異なれば異なる値となる。
図9は、ベタ模様と、ベタ模様から変更された合成模様の一例を説明する図である。図9(a)は、OC画像作成エディタ上で無地のOC画像900にベタ模様901が配置された状態を示す図である。図9(a)に矢印902で示される主走査方向は、プリンタ100のサーマルヘッド216において複数の発熱体が配置されている方向である。プリンタ100のサーマルヘッド216は、解像度が287dpi、発熱体のピッチが約88μmで、幅72mmまでを同時に印画することができるものとする。図9(a)に矢印903で示される印画方向(副走査方向)は、用紙300A及びインクリボン114が印画動作時に搬送される方向である。副走査方向の解像度は、主走査方向と同じ287dpiであるとする。
OC画像900は、主走査方向に768画素、副走査方向に768画素の‘768画素×768画素’で構成されている。OC画像900において、ベタ模様901の領域は一様な高階調で、ベタ模様901以外の領域は中階調で構成される。なお、OC画像内に配置可能なベタ模様は、ベタ模様901のような矩形に限らず、円形や星形、ユーザが描画やテンプレートから指定した任意の形を取ることができ、一様な高階調で構成されていればよい。なお、テンプレートは、表示・操作部802に表示された不図示の「メニュー」等から呼び出すことができる。
所定の大きさよりも大きいベタ模様をそのまま印画階調で240階調程度(低光沢且つ高階調)で用紙300に印画しようとすると、OCジッタが生じやすくなる。そこで、主走査方向に連続する画素数が第1の画素数より多く第2の画素数以下で、且つ、印画方向に連続する画素数が第3の画素数以上であると判定部811が判定したベタ模様を、OC画像処理部812はフチ模様部と中抜き模様部からなる合成模様に変更する。プリンタ100の場合、第1の画素数は100画素であり、第2の画素数は200画素であり、第3の画素数は10画素である。ベタ模様901は、主走査方向に連続する画素数が100画素より多く200画素以下であり、且つ、印画方向での画素数が10画素以上である。よって、ベタ模様901は、OC画像処理部812によりフチ模様部と中抜き模様部からなる合成模様に変更される。
図9(b)は、ベタ模様901がフチ模様部910aと中抜き模様部910bからなる合成模様910に変更された状態を示す図である。ベタ模様901から合成模様910への変更は、例えば、ベタ模様901の配置後に表示・操作部802に表示された不図示の「入力完了」等のタッチボタンが押下されることにより実行される。
中抜き模様部910bは、ベタ模様901からフチ模様部910aの差分を取った領域で、OC階調を高階調から低階調(より詳しくは、印画階調で100階調程度(中光沢且つ低階調))へ変更した模様(領域)である。こうして、変更された合成模様910を含むOC画像900は、情報処理装置800のRAM803に記憶される。なお、フチ模様部910aの幅の望ましい例については後述する。
前掲特許文献1に記載された技術では、中抜き模様部910bについてはOC層の転写を行わず、この場合には中抜き模様部910bの領域にはOC面が形成されないために印画面の保存性能が低下する。これに対して、本実施形態では、フチ模様部とベタ模様を印画階調で240階調程度(低光沢且つ高階調)で作成し、中抜き模様部を印画階調で100階調程度(中光沢且つ低階調)で作成する。そして、フチ模様部、ベタ模様及び中抜き模様部以外の領域(背景)を、印画階調で140階調程度(高光沢且つ中階調)で作成する。これにより、OCジッタの発生を防止しながら用紙全体にOC画像を印画して、印画面全体をOC層で保護することが可能となり、印画面の保存性能を高めることができる。なお、印画階調の設定は、OC画像処理部812で行ってもよいし、メインCPU801で行ってもよい。
次に、OC画像に付与されるベタ模様の具体的な生成手法とOC画像処理部812によるベタ模様の変更処理の具体例について説明する。プリンタ100でのOC面の印画では、ベタ模様(高階調画素)は主走査方向において最大で200画素まで連続することができるが、主走査方向及び印画方向のそれぞれで連続する画素数に応じてベタ模様の拡大処理や縮小処理、中抜き処理が行われる。
図10(a)は、OC画像作成エディタ上で、ベタ模様に対して追加可能な画素と追加不可の画素を説明する図である。図10(a)中のベタ模様1001は、OC画像中で既に確定した(生成された)ベタ模様の一部を示している。また、図10(a)は、スタイラスペン等でベタ模様1001に画素を追加している様子を模式的に示している。
OC画像内においてベタ模様は、1つの高階調画素が主走査方向と印画方向の二方向において他の高階調画素と接するように生成される。追加画素が描画又はテンプレートから選択されてベタ模様1001に接続されると、追加画素が主走査方向と印画方向の二方向において他の高階調画素と接しているか否かを判定部811が判定する。図10(a)中の(i),(ii),(iii)の追加画素1010,1011,1012は主走査方向と印画方向の二方向において他の高階調画素と接すると判定され、OC画像処理部812によりベタ模様1001に追加される。一方、図10(a)中の(iv),(v),(vi)の追加画素1020,1011,1012は主走査方向と印画方向の二方向において他の高階調画素と接していないと判定され、ベタ模様1001に追加されずに、OC画像処理部812により消去される。よって、図10(a)中の(iv),(v),(vi)では、ベタ模様1001のままとなる。実際には図10(a)に示した追加画素よりも多くの追加画素が描画され、それらの追加画素の中で、主走査方向と印画方向の各方向において他の高階調画素と接する画素は残り、それ以外の画素は消去される。
なお、ベタ模様1001への追加画素に対する判定部811及びOC画像処理部812による上記の処理は、例えば、追加画素の描画後に表示・操作部802に表示された不図示の「入力完了」等のタッチボタンが押下されることによって実行される。
図10(b)は、OC画像作成エディタ上で新たにベタ模様を作成する際のOC画像処理部812によるベタ模様の拡大処理を説明する図である。ユーザがスタイラスペン等で表示・操作部802に新たにベタ模様を入力(描画又はテンプレートから選択)した際に、入力されたベタ模様が一定の大きさよりも小さい場合、OC画像処理部812は入力されたベタ模様を一定の大きさへ拡大する。これは、一定の大きさよりも小さいベタ模様はOC面上で背景と区別することが容易でなく、ベタ模様部と背景部とで光沢を変える効果を十分に得ることができないからであり、ベタ模様を一定の大きさへ拡大することで、OC画面の品位を高めることができる。
判定部811は入力されたベタ模様の大きさを判定し、判定結果に基づいてOC画像処理部812が拡大処理を行う。本実施形態では、入力されたベタ模様が主走査方向において5画素未満で連続し、且つ、印画方向で2画素以下の場合に、そのベタ模様を、主走査方向で5画素が連続し、且つ、印画方向で2画素が連続するベタ模様に変更する。
図10(b)には、拡大処理される前のベタ模様の例として、1画素からなるベタ模様1041、印画方向に1画素、且つ、主走査方向に2画素が連なるベタ模様1042、主走査方向に1画素、且つ、印画方向に2画素が連なるベタ模様1043が示されている。これらは全て、主走査方向に5画素が連続し、且つ、印画方向に2画素が連続したベタ模様1050に拡大される。なお、5画素×2画素のベタ模様1050は例示であり、例えば、視認性を高めるために、5画素×5画素のようなより大きいベタ模様に拡大するようにしてもよい。
上述したベタ模様を拡大するための判定部811及びOC画像処理部812による処理は、例えば、ベタ模様の入力後に表示・操作部802に表示された不図示の「入力完了」等のタッチボタンが押下されることによって実行される。
なお、不図示であるが、新たに入力されたベタ模様が、主走査方向で連続する画素数が5画素以上100画素以下であり、印画方向で連続する画素数が2画素以上10画素以下である場合には、入力されたベタ模様はそのままベタ模様として反映される。また、主走査方向で連続する画素数が5画素以上100画素以下であっても、印画方向で連続する画素数が10画素を超えるベタ模様は、中抜き模様部とフチ模様部からなる合成模様に変更される。
図11は、OC画像作成エディタ上でのベタ模様の縮小処理を説明する図である。図11(a)は、主走査方向及び印画方向の各方向において連続する画素数が200画素より多いベタ模様1100の一例を示す図である。本実施形態では、OC画像処理部812は、主走査方向において連続する画素数が200画素を超えており、且つ、印画方向において連続する画素数も200画素を超えるベタ模様を、主走査方向での連続する画素数が200画素となるように相似形で縮小する。更に、得られた縮小模様を主走査方向での連続する画素数を200画素としたベタ模様を、中抜き模様部とフチ模様部からなる合成模様に変更する。
図11(b)は、ベタ模様1100を主走査方向において連続する画素数が200画素となるように縮小処理したベタ模様1110を示す図である。ここで、ベタ模様1110では、主走査方向端と印画方向端に、主走査方向と印画方向の二方向において他の高階調画素と接しない画素1111が現れている。図10(a)を参照して説明したように、ベタ模様を構成する画素は主走査方向と印画方向の二方向において他の高階調画素と接していなければならない。よって、OC画像処理部812により、ベタ模様1110に対して、画素1111を消去する処理が行われる。
図11(c)は、ベタ模様1110から画素1111が消去されたベタ模様1120を示す図である。ここで、図9を参照して説明したように、主走査方向に連続する画素数が100画素より多く、且つ、200画素以下であり、しかも印画方向に連続する画素数が10画素以上であるベタ模様は、フチ模様と中抜き模様からなる合成模様に変更される。
図11(d)は、ベタ模様1120から変更された、フチ模様部1131と中抜き模様部1132からなる合成模様1130を示す図である。なお、合成模様1130では、フチ模様部1131は、主走査方向において最低でも5画素が連続するように形成されている。これは、フチ模様部910aの幅が5画素以下になると、視認性が低下するためである。
次に、OC画像作成エディタ上で複数のベタ模様を配置して結合させる場合や、合成模様にベタ模様を結合させる場合に行われる処理について説明する。図12(a)~(c)はそれぞれ、OC画像にベタ模様を配置した際に実行される処理の例を示す図である。
図12(a)は、無地のOC画像1200に2つのベタ模様1201,1202を配置した場合の処理を説明する図である。図12(a)の左図に示されるように、ベタ模様1201は、主走査方向において連続する画素数は100画素以下であり、印画方向において連続する画素数は10画素以上である。ベタ模様1201が配置された後に、図12(a)の中図に示されるように、ベタ模様1201と接触するようにベタ模様1202が配置されて、表示・操作部802に表示された不図示の「入力完了」は押下されたとする。この場合、判定部811は、ベタ模様1201とベタ模様1202を結合させた模様の大きさを判定する。ベタ模様1201とベタ模様1202を結合させた模様では、主走査方向において連続する画素数が100画素超、200画素以下になる。そのため、図9での説明に準じて、OC画像処理部812は、ベタ模様1201,1202を結合させた模様を、図12(a)の右図に示されるように、フチ模様部と中抜き模様部からなる合成模様1203に変更する。
図12(b)は、既に配置された合成模様1203に対してベタ模様1211を結合する例を示す図である。この例では、合成模様1203にベタ模様1211を結合させた状態において主走査方向に連続する画素数が200画素以下となっており、この場合、判定部811は、接合するベタ模様1211について大きさを判定する。ベタ模様1211は印画方向で10画素以上が連続しているため、OC画像処理部812はベタ模様1211を中抜き模様とフチ模様からなる合成模様1212に変更し、合成模様1212と合成模様1203を結合させた新たな合成模様1213とする。
図12(c)は、既に配置された合成模様1203に対してベタ模様1221を結合する例を示す図である。この例では、合成模様1203にベタ模様1221を結合させた状態において主走査方向に連続する画素数が200画素を超えている。この場合、OC画像処理部812は、全体で主走査方向に連続する画素数が200画素となるようにベタ模様1221を相似形で縮小した上でフチ模様部と中抜き模様部からなる合成模様1222に変更する。そして、合成模様1203と合成模様1222を結合させた新たな合成模様1223とする。
図12(d)は、合成模様1213を例に挙げてその大きさの判定方法を説明する図である。合成模様1213を主走査方向と印画方向に進展する矩形で取り囲む。こうして、矩形内に合成模様1213が内接するようにして、矩形の主走査方向と印画方向のそれぞれの長さを求める。矩形の主走査方向の長さが200画素未満である部分に対しては、200画素となるまでは新たなベタ模様を追加することができる。
図13は、ベタ模様901を合成模様910へ変更する際の画素設定手法を説明する図である。OC画像処理部812は、ベタ模様901をフチ模様部910aと中抜き模様部910bからなる合成模様910に変更する際に、フチ模様部910aの幅Wを、ベタ模様901の輪郭から5画素乃至10画素分とする。これは、フチ模様部910aの幅が5画素以下になると、視認性が低下するためである。なお、合成模様では主走査方向で連続する画素数が200画素を超えることはないため、合成模様の縮小は行われない。よって、合成模様でのフチ模様部の幅が5画素未満となることはない。
図14は、ベタ模様1401が配置されているOC画像1400に、新規の模様をベタ模様1401に接合せずに追加する例を示す図である。図14では、ベタ模様1401の上側に合成模様1402が追加された状態が示されているが、合成模様でなくベタ模様であってもよい。同様に、図14では、ベタ模様1401の右上側にベタ模様1403が追加された状態が示されているが、ベタ模様でなく合成模様であってもよい。
OC画像処理部812は、既存の模様の上下方向に近接して新たに模様が追加された場合に、既存の模様と追加された模様の間に一定数の画素間隔が生じるように、追加される模様の位置を調整する。具体的には、矢印1410で示されるように上下方向に追加された合成模様1402と既存のベタ模様1401との間隔が10画素未満であった場合、合成模様1402を10乃至20画素だけベタ模様1401から離間させて配置する。同様に、矢印1420で示されるように左右方向で追加されたベタ模様1403と既存のベタ模様1401との間隔が10画素未満であった場合、ベタ模様1403を10乃至20画素だけベタ模様1401から離間させて配置する。なお、上下方向とは印画方向であり、左右方向とは主走査方向である。
一方、矢印1430で表さるように、追加される2つ以上の模様の斜め方向(印画方向及び主走査方向と平行でない方向)では、追加される2つ以上の模様間の距離(画素数)は考慮されない。これは、サーマルヘッド216の発熱体による蓄熱の影響が、主走査方向又は印画方向で近接する画素で現れるためである。
OC画像1400中のベタ模様やフチ模様部の割合、つまり、OC画像1400中の高階調画素の割合は、全画素数の20%以下までとし、それ以上となるようなベタ模様や合成模様の追加を行うことができないように制限することが望ましい。これは、OC層の用紙300への転写不良の発生を抑制するためである。本実施形態では、全画素数は、768画素×768画素であるため、高階調画素は合計で117965画素まで配置することができる。ベタ模様や合成模様の追加を制限する機能は、OC画像処理部812又はメインCPU801により実行される。
ここまで、本発明をプリンタ100と情報処理装置800から構成される印刷システムとして具現化した構成について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限らず、情報処理装置800でのOC画像の生成機能をプリンタ100に持たせて具現化することも可能である。その場合、表示・操作部802をプリンタ100に設ける。そして、ベタ模様の作成機能をCPU201と画像処理部213に持たせ、判定部811の機能をCPU201に持たせ、OC画像処理部812の機能を画像処理部213に持たせればよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 プリンタ
216 サーマルヘッド
800 情報処理装置
802 表示・操作部
803 メモリ
811 判定部
812 OC画像処理部
900 OC画像
901 ベタ模様
910 合成模様
910a フチ模様部
910b 中抜き模様部

Claims (13)

  1. オーバーコート用の転写画像に一様な階調のベタ模様を配置する入力手段と、
    前記ベタ模様の大きさを判定する判定手段と、
    前記ベタ模様が、前記転写画像を印画する印刷装置の主走査方向において第1の画素数より多く第2の画素数以下の画素数で連続し、且つ、前記印刷装置の印画方向において第3の画素数以上の画素数で連続すると前記判定手段が判定した場合に、前記ベタ模様を中抜き模様部とフチ模様部からなる合成模様に変更する変更手段と、
    前記転写画像の印画階調を、前記ベタ模様と前記フチ模様部では低光沢、且つ、高階調に設定し、前記中抜き模様部では中光沢、且つ、低階調に設定し、前記ベタ模様および前記合成模様を除く背景では高光沢、且つ、中階調に設定する設定手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記変更手段は、前記ベタ模様が前記主走査方向において前記第2の画素数より多い画素数で連続し、且つ、前記印画方向においても前記第2の画素数よりも多い画素数で連続する場合に、前記主走査方向での連続する画素数が前記第2の画素数となるように相似形で縮小した縮小模様に変更し、さらに前記縮小模様を前記合成模様に変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記変更手段は、前記ベタ模様と前記合成模様において、前記主走査方向と前記印画方向の一方にしか接する画素のない画素を消去することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  4. 前記変更手段は、前記転写画像に配置されたベタ模様が、前記主走査方向において5画素未満で連続し、且つ、前記印画方向において2画素以下である場合に、前記主走査方向に5画素が連続し、且つ、前記印画方向に2画素が連続するベタ模様に変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記変更手段は、前記合成模様の輪郭からの前記フチ模様部の幅を、前記主走査方向と前記印画方向のそれぞれの方向で、5画素乃至10画素とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記転写画像に配置可能な前記ベタ模様と前記フチ模様部の割合を全体の20%以下に制限する制限手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記変更手段は、前記転写画像において既存のベタ模様または合成模様に近接して新たにベタ模様または合成模様が追加される場合に、前記主走査方向と前記印画方向のそれぞれの方向で前記既存の模様と前記追加される模様との間に一定数の画素間隔が生じるように前記追加される模様の位置を調整することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  8. 前記判定手段は、前記転写画像に複数のベタ模様が互いに接して配置された場合、前記複数のベタ模様を結合させた模様の大きさを判定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  9. 前記判定手段は、前記転写画像において既存のベタ模様または合成模様に接して新たなベタ模様が配置された場合に前記既存の模様と前記新たなベタ模様とを結合させた模様の前記主走査方向での画素数が前記第2の画素数以下か否かを判定し、
    前記変更手段は、前記結合させた模様の前記主走査方向での画素数が前記第2の画素数以下である場合には前記新たなベタ模様を中抜き模様部とフチ模様部からなる合成模様に変更し、前記結合させた模様の前記主走査方向での画素数が前記第2の画素数より多い場合には前記結合させた模様の前記主走査方向での画素数が前記第2の画素数となるように前記新たなベタ模様を縮小した上で前記新たなベタ模様を中抜き模様部とフチ模様部からなる合成模様に変更することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  10. 前記印刷装置において前記転写画像を用紙に印画する際のサーマルヘッドの発熱体が発熱しない状態を前記印画階調の0階調とし、前記発熱体が最大に発熱する状態を前記印画階調の255階調として、
    前記設定手段は、前記ベタ模様と前記フチ模様部の印画階調を200階調から240階調までの一様な階調とし、前記中抜き模様部の印画階調を75階調から120階調までの一様な階調とし、前記背景の印画階調を120階調から180階調までの一様な階調に設定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  11. オーバーコート用の転写画像に一様な階調のベタ模様を配置するステップと、
    前記ベタ模様の大きさを判定するステップと、
    前記ベタ模様が、前記転写画像を印画する印刷装置の主走査方向において第1の画素数より多く第2の画素数以下の画素数で連続し、且つ、前記印刷装置の印画方向において第3の画素数以上の画素数で連続すると判定された場合に、前記ベタ模様を中抜き模様部とフチ模様部からなる合成模様に変更するステップと、
    前記転写画像の印画階調を、前記ベタ模様と前記フチ模様部では低光沢、且つ、高階調に設定し、前記中抜き模様部では中光沢、且つ、低階調に設定し、前記ベタ模様および前記合成模様を除く背景では高光沢、且つ、中階調に設定するステップと、
    前記印画階調が設定された転写画像の画像データを記憶手段に記憶するステップと、を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  12. コンピュータを請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム。
  13. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
    前記転写画像を用紙に印画する印画手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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