JP2023045890A - ロータリーダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の粘性抵抗を利用することなく機械的に回転体の回転速度を減衰させることが可能な新規のダンパーを提供すること。【解決手段】ハウジング4の内側には中心軸oと同軸上に固定内歯歯車20及び中心軸oに対して偏心して中心軸oの周りを回転可能な作動子42を夫々配設し、作動子42には固定内歯歯車20と組み合わせられる作動外歯歯車48を設け、回転体6が回転すると、作動外歯歯車48と固定内歯歯車20とが衝突を繰り返しながら、作動子42が回転体6の回転方向と同一方向に自転すると共に回転体6の回転方向とは反対方向に公転するように構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、ロータリーダンパー殊にメカニカル(機械式)ロータリーダンパーに関する。
例えば炊飯器には、ヒンジ手段によって釜の上面を覆う閉位置と釜の上面を露呈せしめる開位置との間を旋回自在な蓋が設けられている。蓋はばねの如き適宜の付勢部材によって付勢された状態でロック機構により閉位置でロックされており、所要操作によって上記ロックが解除されると付勢して閉位置から開位置へ旋回せしめられる。付勢して旋回せしめられた蓋の旋回速度(運動エネルギ)は蓋の回転軸に接続されたロータリーダンパーの作用によって減衰せしめられ、蓋は開位置において衝撃を生じることなく停止する。かようなロータリーダンパーは炊飯器の蓋以外にもトイレの便座やブラインドの巻き取り機構等に設けられることもある。
ロータリーダンパーとしては、内部にシリコンオイル等の比較的粘性の高い流体が封入されたハウジングと、ハウジングに回転自在に装着された回転部材とを備える形式の所謂オイルダンパーが広く実用に供されている。オイルダンパーにおいては、流体の粘性抵抗により回転部材の回転に対して逆向きのトルクを回転部材に作用させることで、入力回転部材又は出力回転部材の回転速度を低減させる。下記特許文献1には、オイルダンパーの一例が開示されている。
特開平7-12166号公報
而して、特許文献1に開示されたオイルダンパーにあっては、ハウジング内に封入された流体が外部に漏洩する虞がある。また、一般的に流体の粘性抵抗は温度によって変化することから、気温の高い夏場と気温の低い冬場とではオイルダンパーが付与する上記逆向きのトルクが変化してしまい、これにより制限される入力部材又は出力部材の回転速度も異なってしまう。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、流体の粘性抵抗を利用することなく機械的に回転体の回転速度を減衰させることが可能な新規のダンパーを提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、ハウジングの内側には中心軸と同軸上に固定内歯歯車及び中心軸に対して偏心して中心軸の周りを回転可能な作動子を夫々配設し、作動子には固定内歯歯車と組み合わせられる作動外歯歯車を設け、回転体が回転すると、作動外歯歯車と固定内歯歯車とが衝突を繰り返しながら、作動子が回転体の回転方向と同一方向に自転すると共に回転体の回転方向とは反対方向に公転するように構成することで、上記主たる技術的課題を解決できることを見出した。
ここで、本明細書における「衝突」なる語は、2つの異なる物体が相対的に移動した際に、一方の物体と他方の物体とが離隔した状態から当接すること、より好ましくは勢いをもって当接すること、を意味する。
上記主たる技術的課題を解決するロータリーダンパーとして、本発明によれば、固定のハウジング及び前記ハウジングの内側において中心軸の周りを回転する回転体を備え、
前記回転体は前記中心軸に対して垂直な回転板を有し、前記回転板には、断面円形で軸方向に延びる突起又は穴からなる係合部が設けられており、
前記ハウジングの内側には更に、前記中心軸と同軸上に固定内歯歯車が、前記中心軸に対して偏心して前記中心軸の周りを回転可能な作動子が夫々配設され、前記作動子には前記固定内歯歯車と組み合わせられる作動外歯歯車と、断面円形で軸方向に延びる穴又は突起からなり且つ前記係合部と係合する被係合部とが設けられており、
前記回転体が回転すると、前記作動外歯歯車は、前記固定内歯歯車と衝突を繰り返しながら、前記回転体の回転方向と同一方向に自転すると共に前記回転体の回転方向とは反対方向に公転する、ロータリーダンパーが提供される。
好ましくは、前記固定内歯歯車及び前記作動外歯歯車のいずれか一方の歯はトロコイド形状であって、いずれか他方の歯は前記一方の歯を有する歯車と2点で接する形状である。好適には、前記作動外歯歯車の歯はエピトロコイド形状である。前記固定内歯歯車の歯数は前記作動外歯歯車の歯数よりも1多いのがよい。前記係合部は軸方向に貫通する穴であると共に前記被係合部は軸方向に延びる軸であり、前記被係合部の径は前記係合部の径よりも小さい。前記ハウジングの内側には前記中心軸の周りを回転可能であって且つ制動トルク付与手段によって所要制動トルクが付与されている制動板が配置され、前記制動板は前記ハウジングによって軸方向に支持されており、前記制動板には、突起からなる前記係合部又は突起からなる前記被係合部のいずれか一方が挿通せしめられる円形の制動穴、或いは穴からなる前記係合部又は穴からなる前記被係合部のいずれか一方に挿通せしめられる断面円形の制動突起が設けられているのが好適である。
本発明のロータリーダンパーによれば、回転体が回転すると、作動子が回転体の回転方向と同一方向に自転すると共に回転体の回転方向とは反対方向に公転することから、回転体の運動エネルギは作動子に吸収されるため、回転体の回転速度を減衰させることができる。本発明のロータリーダンパーにあっては更に、作動子が上記のとおりに作動する際には作動外歯歯車と固定内歯歯車とが衝突を繰り返し、上記衝突が生じると作動子の運動エネルギは消失せしめられることから、作動子は回転体の運動エネルギを吸収し続けることができ、回転体の回転速度を効果的に減衰させることができる。従って、本発明のロータリーダンパーによれば流体の粘性を利用することなく機械的に回転体の回転速度を減衰させることが可能となり、流体の外部への流出や気温差による制動トルクの変化は生じない。
本発明に従って構成されたロータリーダンパーの全体的な構造を示す図。 図1に示すロータリーダンパーのハウジングを単体で示す図。 図1に示すロータリーダンパーの回転体を単体で示す図。 図1に示すロータリーダンパーの作動子を単体で示す図。 固定内歯歯車の歯の形状を説明するための図。 図1に示すロータリーダンパーの作動を説明するための図。 本発明に従って構成されたロータリーダンパーの変形例の全体的な構造を示す図。
以下、本発明に従って構成されたロータリーダンパーの好適実施形態を示す添付図面を参照して、更に詳細に説明する。なお、以下の説明における「軸方向片側」及び「軸方向他側」とは、特に指定しない限り、図1の中央縦断面図に示される状態を基準として、「軸方向片側」とは同図において左側を、「軸方向他側」とは同図において右側のことを言う。
図1を参照して説明すると、全体を番号2で示すロータリーダンパーは、ハウジング4及びハウジング4の内側において中心軸oの周りを回転する回転体6を具備している。
図1と共に図2を参照して説明すると、ハウジング4は図2(a)に示すハウジング主部8及び図2(b)に示すシールド板10を含んでいる。ハウジング主部8は正方形の端板12と端板12の外周縁から軸方向他側に延出する筒状の外側壁14とを有しており、外側壁14の内側には断面円形の内側空間部16が設けられている。端板12の中央には軸方向に貫通する円形の貫通穴18が形成されており、貫通穴18には回転体6における後述する軸部34の軸方向片側端部が挿通されている。ハウジング4の内側には更に、中心軸oと同軸上に固定内歯歯車20が配設されている。図示の実施形態においては、固定内歯歯車20は外側壁14の内周面における軸方向片側端部において端板12の軸方向他側面とも接続して設けられている。固定内歯歯車20の歯数は18である。固定内歯歯車20の歯型形状については後に言及する。外側壁14の軸方向他側端部の内径は幾分拡径せしめられており、外側壁14の軸方向他側端部には中心軸oに対して垂直で且つ軸方向他側を向く円環形状の肩面22が設けられている。外側壁14の軸方向他側端面の角部には、軸方向片側に向かって直線状に延びるボルト穴24が形成されている。ハウジング主部8の下部にはフランジ部26も設けられており、フランジ部26をボルトなどの図示しない適宜の締結具で壁(これも図示せず)に固定することで、ハウジング4は固定される。
シールド板10は外側壁14の軸方向他側に配置されている。シールド板10はハウジング主部8の端板12と対応する正方形である。シールド板10の中央には軸方向に貫通する円形の貫通穴28が形成されており、貫通穴28には回転体6の後述する軸部34の軸方向他側端部が挿通されている。シールド板10の軸方向片側面には貫通穴28を囲繞して軸方向片側に僅かに突出する円環形状の突出部30が形成されている。突出部30の外径は外側壁14の軸方向他側端部の内径と実質上同一又はこれよりも僅かに小さく、図1の中央縦断面図に示すとおり、突出部30は内側空間部16に進入せしめられる。シールド板10の角部には、軸方向に貫通する固定穴32が形成されており、固定穴32に図示しないボルトを挿通せしめてこれをハウジング主部8のボルト穴24に締結させることで、シールド板10はハウジング主部8に固定される。
図1と共に図3を参照して説明すると、回転体6は中心軸oに沿って軸方向に延びる断面円形の軸部34及び中心軸oに対して垂直な円形の回転板36を備えている。軸部34の中央には軸方向に延びる接続軸穴38が形成されている。接続軸穴38の断面形状は略六角星形状であって、接続軸穴38には外部機器の回転軸が挿通されて連結せしめられる。軸部34の軸方向片側端部がハウジング主部8の貫通穴18に挿通されると共に軸部34の軸方向他側端部がシールド板10の貫通穴28に挿通されることで、回転体6はハウジング4の内側において中心軸oの周りを回転可能となる。回転板36の中心は軸部34の中心軸(つまり中心軸o)と同軸に位置すると共に回転板36は軸部34の軸方向中央位置よりも幾分軸方向他側に設けられ、図1の中央縦断面図に示すとおり、回転板36の軸方向片側面の外周縁部はハウジング主部8の肩面22と対向する。回転板36の径方向中間部には、断面円形で軸方向に貫通する穴からなる係合部40が周方向に等角度間隔をおいて6つ形成されている。図1の中央縦断面図に示すとおり、回転板36とシールド板10との間には板ばね41が配設されており、回転板36には板ばね41との摩擦によって所要抵抗トルクが付与されている。
図1に示すとおり、ハウジング4の内側には更に、中心軸oに対して偏心して中心軸oの周りを回転する作動子42も配設されている。図1(及び図6)では、容易に理解できるように、作動子42の断面については薄墨を付して示している。図1と共に図4を参照して説明すると、作動子42は中心軸oに対して垂直な円形の作動板44を有する。作動板44の中央には円形の貫通穴46が形成され、かかる貫通穴46には回転体6の軸部34が挿通せしめられ、図1の中央縦断面図に示すとおり、作動板44は固定内歯歯車20と回転板36との間に配置される。そして、作動板44の軸方向片側面には、貫通穴46の外周縁を囲繞して上述した固定内歯歯車20と組み合わされる作動外歯歯車48が設けられている。作動外歯歯車48の歯数は固定内歯歯車20の歯数よりも1少ない17である。作動外歯歯車48の歯の形状については後に言及する。一方、作動板44の軸方向他側面の径方向中間部には、断面円形で軸方向に延びる突起からなる被係合部50が周方向に等角度間隔をおいて6つ形成されている。被係合部50は回転体6に形成された係合部40と係合、つまり図示の実施形態においては、突起からなる被係合部50が穴からなる係合部40に挿通する。被係合部50の外径は係合部40の内径よりも小さい。
固定内歯歯車20及び作動外歯歯車48の歯の形状について説明を続けると、固定内歯歯車20及び作動外歯歯車48のいずれか一方の歯はトロコイド形状であって、いずれか他方の歯は一方の歯を有する歯車と2点で接する形状であるのが好ましい。図示の実施形態においては、作動外歯歯車48の外歯がエピトロコイド形状である。固定内歯歯車20の内歯の形状について、図5を参照してさらに説明する。図5(a)にはエピトロコイド形状である作動外歯歯車48及びこれと噛み合う基準内歯歯車52が示されている。基準内歯歯車52はピン歯車であって内歯の断面形状は円弧形状であり、全ての内歯は共通の円弧内面に接続されている。作動外歯歯車48の歯底と接触する基準内歯歯車52の内歯を符号52aで示すと、内歯52aと作動外歯歯車48の歯底との接触は点接触であって、内歯52aの歯先つまり内歯52aの周方向中央が作動外歯歯車48の歯底と接触しており、接触する位置をPで示す。ここで、固定内歯歯車20の内歯20aは、基準内歯歯車52の内歯52aの周方向両側面つまり位置Pの周方向両側の任意の点P1及びP2における曲率を増大せしめることによって形成される。図5(b)には、上記のとおりにして形成された固定内歯歯車20の内歯20aが実線で示されている。図5(b)を参照して説明すると、点P1及びP2において曲率が増大せしめられた2つの円弧C1及びC2は歯先において相互に接続せしめられ、固定内歯歯車20の内歯20aの歯先には窪み53が設けられる。そのため、固定内歯歯車20と作動外歯歯車48とが組み合わされた状態にあっては、固定内歯歯車20の内歯20aの歯先に設けられた窪み53の存在に起因して、両歯車は点P1及びP2でのみ当接してその他において離隔する。図1中の左上段に位置する拡大図を参照することによって理解されるとおり、P1及びP2とは直径方向反対側においても両歯車は離隔している。
続いて、図6を参照して、ロータリーダンパー2の作動について説明する。回転体6が中心軸oの周りを図6の中央縦断面図の右側から見て反時計方向に回転すると、回転体6の回転板36に形成された係合部40(穴)には作動子42の被係合部50(突起)が挿通せしめられているため、作動子42も回転体6と共に中心軸oの周りを反時計方向に回転(自転)する。このとき、作動子42に形成された作動外歯歯車48は固定内歯歯車20と組み合わせられていることから、両歯車の共働によって作動外歯歯車48は時計方向に回転(公転)せしめられる。つまり、回転体6が反時計方向に回転すると、作動外歯歯車48(作動子42)は、図6の左図中長矢印で示されるとおり反時計方向に自転しながら同図中短矢印で示されるとおり時計方向に公転せしめられる。このとき、被係合部50は、図6の右図において短矢印で示されるとおり、係合部40の内周に沿って時計方向に移動しながらその全体が反時計方向に移動する。
本発明のロータリーダンパーにあっては、作動子42が上述したとおりに作動する際に、作動外歯歯車48と固定内歯歯車20とが衝突を繰り返すことが重要である。図示の実施形態においては、作動外歯歯車48の外歯はエピトロコイド形状であるが、これと組み合わされる固定内歯歯車20の内歯はエピトロコイド形状ではなく上述したとおりの所用形状であって、両歯車は点P1及びP2でのみ当接してその他において離隔している。そのため、作動外歯歯車48が上述したとおりに作動する際には、作動外歯歯車48及び固定内歯歯車20は滑らかに噛み合うのではなく当接及び離隔を繰り返す、つまり衝突を繰り返す。
本発明のロータリーダンパーによれば、回転体6が回転すると、作動子42が回転体6の回転方向と同一方向に自転すると共に回転体6の回転方向とは反対方向に公転することから、回転体6の運動エネルギは作動子42に吸収されるため、回転体6の回転速度を減衰させることができる。本発明のロータリーダンパーにあっては更に、作動子42が上記のとおりに作動する際には作動外歯歯車48と固定内歯歯車20とが衝突を繰り返し、上記衝突が生じると作動子42の運動エネルギは消失せしめられることから、作動子42は回転体6の運動エネルギを吸収し続けることができ、回転体6の回転速度を効果的に減衰させることができる。従って、本発明のロータリーダンパーによれば流体の粘性を利用することなく機械的に回転体6の回転速度を減衰させることが可能となり、流体の外部への流出や気温差による制動トルクの変化は生じない。
図7には本発明に従って構成されたロータリーダンパーの変形例が示されている。本変形例の基本的な構成は図1に示すロータリーダンパー2と同一であるが、本変形例は、ハウジングの内側には中心軸の周りを回転可能であって且つ制動トルク付与手段によって所要制動トルクが付与されている制動板が配置されている点でロータリーダンパー2とは相違する。以下の説明においては、ロータリーダンパー2と同一の構成については同一の番号に「´」を付してその詳細な説明は省略する。図7においても作動子42´については薄墨を付して示している。
番号54´で示される制動板は円形であって、中央には回転体6´の軸部34´が挿通される円形の貫通穴56´が、外周縁部には作動子42´に形成された突起からなる被係合部50´が挿通される制動穴58´が夫々形成されている。制動穴58´は被係合部50´と対応して6個形成されており、制動穴58´の内径は回転板36´に形成された穴からなる係合部40´の内径と等しく従って突起からなる被係合部50´の外径よりも大きい。ハウジング主部8´の外側壁14´には肩面22´よりも軸方向他側において軸方向他側を向く円環形状の肩面60´が形成されており、制動板54´は肩面60´とシールド板10´とにより軸方向に支持されている。つまり、制動板54´はハウジング4´によって軸方向に支持される。番号62´で示される制動トルク付与手段は板ばねであって制動板54´とシールド板10´との間に配置され、制動板54´との間の摩擦によってこれに制動トルクを付与している。本変形例においては、ハウジング4の内側に配置された制動板54´の存在に起因して、作動子42´は周方向への移動に対してのみ制動トルク付与手段62´による所要制動トルクの作用(つまり抵抗)を受けるが、径方向への移動に対しては上記所要制動トルクの作用(つまり抵抗)を受けない。これにより、作動外歯歯車48´と固定内歯歯車20´との衝突の頻度を低下させることなく作動子42´に抵抗を付与することができ、回転体6の運動エネルギを効果的に減衰せしめることができる。
以上、本発明に従って構成されたロータリーダンパーについて、添付した図面を参照して詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲内において適宜の修正や変更が可能である。例えば、図示の実施形態においては、回転体6の回転板36に形成された係合部40は穴であると共に作動子42に形成された被係合部50は突起であったが、穴と突起とを入れ替えてもよい。同様に、図7に示した変形例の制動板54´にあっては、突起からなる被係合部50´が挿通せしめられる制動穴58´が形成されていたが、これに替えて、穴からなる係合部又は穴からなる被係合部のいずれか一方に挿通せしめられる断面円形の制動突起(図示せず)を形成することもできる。また、図示の実施形態においては、作動外歯歯車48の歯はエピトロコイド形状であったが、ハイポトロコイド形状であってもよい。また、回転体が回転した際に、作動外歯歯車と固定内歯歯車とが繰り返し衝突を繰り返すのであれば、両歯車の歯の形状は任意であってよい。各構成部品は金属又は合成樹脂等適宜の材質によって構成することができる。
2、2´:ロータリーダンパー
4、4´:ハウジング
6、6´:回転体
20、20´:固定内歯歯車
36、36´:回転板
40、40´:係合部
42、42´:作動子
48、48´:作動外歯歯車
50、50´:被係合部

Claims (6)

  1. 固定のハウジング及び前記ハウジングの内側において中心軸の周りを回転する回転体を備え、
    前記回転体は前記中心軸に対して垂直な回転板を有し、前記回転板には、断面円形で軸方向に延びる突起又は穴からなる係合部が設けられており、
    前記ハウジングの内側には更に、前記中心軸と同軸上に固定内歯歯車が、前記中心軸に対して偏心して前記中心軸の周りを回転可能な作動子が夫々配設され、前記作動子には前記固定内歯歯車と組み合わせられる作動外歯歯車と、断面円形で軸方向に延びる穴又は突起からなり且つ前記係合部と係合する被係合部とが設けられており、
    前記回転体が回転すると、前記作動外歯歯車は、前記固定内歯歯車と衝突を繰り返しながら、前記回転体の回転方向と同一方向に自転すると共に前記回転体の回転方向とは反対方向に公転する、ロータリーダンパー。
  2. 前記固定内歯歯車及び前記作動外歯歯車のいずれか一方の歯はトロコイド形状であって、いずれか他方の歯は前記一方の歯を有する歯車と2点で接する形状である、請求項1に記載のロータリーダンパー。
  3. 前記作動外歯歯車の歯はエピトロコイド形状である、請求項2に記載のロータリーダンパー。
  4. 前記固定内歯歯車の歯数は前記作動外歯歯車の歯数よりも1多い、請求項1乃至3のいずれかに記載のロータリーダンパー。
  5. 前記係合部は軸方向に貫通する穴であると共に前記被係合部は軸方向に延びる軸であり、前記被係合部の径は前記係合部の径よりも小さい、請求項1乃至4のいずれかに記載のロータリーダンパー。
  6. 前記ハウジングの内側には前記中心軸の周りを回転可能であって且つ制動トルク付与手段によって所要制動トルクが付与されている制動板が配置され、前記制動板は前記ハウジングによって軸方向に支持されており、前記制動板には、突起からなる前記係合部又は突起からなる前記被係合部のいずれか一方が挿通せしめられる円形の制動穴、或いは穴からなる前記係合部又は穴からなる前記被係合部のいずれか一方に挿通せしめられる断面円形の制動突起が設けられている、請求項1乃至5のいずれかに記載のロータリーダンパー。
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