JP2023043234A - エレベータシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】利用できないエレベータの運転再開の交渉ができるエレベータシステムを提供する。【解決手段】運転モード切替手段からの信号に基づいて少なくともエレベータの運転モードを遠隔監視する監視装置8と、該監視装置と通信可能な監視センターと、エレベータの乗り場周辺付近に配置され、利用者の携帯端末12からの無線信号を受け取って携帯端末12と監視装置8とを接続するための通信手段と、を備え、監視装置8は、運転モード切替手段6により通常運転モードに切り替えられている時には、利用者の携帯端末12を監視装置8を経由して監視センター7に接続する第1接続状態に切り替え、運転モード切替手段6により点検運転モードに切り替えられている時には、利用者の携帯端末12を監視装置8を経由して技術員の携帯端末19に接続する第2接続状態に切り替え可能に構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、エレベータシステムに関する。
従来から、エレベータにおいては、利用者が乗り場で呼び釦を押すことによりエレベータを利用することができる通常運転モードと、エレベータの修理や点検を技術員が行っている間は乗り場で利用者が呼び釦を押しても利用者がエレベータを利用することができない点検運転モードとがある。
ところで、利用者の中には、車椅子や杖を利用する障害者やベビーカーを利用する子供連れの利用者等が居り、どうしてもエレベータを利用しなければならない場合がある。そこで、エレベータの修理や点検を作業員が行っている間に、利用者が呼び釦を押すと、乗りかごの上に設けた報知手段により作業員に呼び釦が押されたことを報知する。呼び釦が押されたことを確認した作業員は利用者へ回答する内容、例えばエレベータの作業状況や運転再開までの待ち時間等の内容を入力装置へ入力し、呼び釦が操作された乗り場に設けられた乗り場表示装置に前記内容を表示するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
上記のように、運転再開までの待ち時間が通知されたとしても、直ぐにエレベータを利用することができない。そのため、障害者やベビーカーを利用する利用者は、運転再開まで待たなければならず、早期改善が要望されている。
そこで本発明は、作業員に直接連絡することによって、利用できないエレベータの運転再開の交渉ができるエレベータシステムを提供することを目的とする。
本発明のエレベータシステムは、エレベータの動作に係る運転モードを通常運転モード又は点検運転モードに切り替える運転モード切替手段と、該運転モード切替手段からの信号に基づいて少なくともエレベータの前記運転モードを遠隔監視する監視装置と、該監視装置と通信可能な監視センターと、エレベータの乗り場周辺付近に配置され、利用者の携帯端末からの無線信号を受け取って該携帯端末と前記監視装置とを接続するための通信手段と、を備え、前記監視装置は、前記運転モード切替手段により通常運転モードに切り替えられている時には、前記利用者の携帯端末を該監視装置を経由して前記監視センターに接続する第1接続状態に切り替え、前記運転モード切替手段により点検運転モードに切り替えられている時には、前記利用者の携帯端末を該監視装置を経由して点検を実施している技術員の携帯端末に接続する第2接続状態に切り替え可能に構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、運転モード切替手段により点検運転モードに切り替えられている時には、利用者の携帯端末を監視装置を経由して技術員の携帯端末に接続する第2接続状態に切り替えられるので、障害者やベビーカーを利用する利用者が自分の携帯端末から技術員の携帯端末に監視装置を経由して接続される。これによって、前記利用者が技術員に利用できないエレベータを一時的に利用可能とすべく、運転再開の交渉を直接行うことができる。
また、本発明のエレベータシステムは、前記通信手段が、前記利用者の携帯端末からの所定の情報が発信されて開始されるペアリングにより前記監視装置に対する接続が確立する近距離無線通信を用いてもよい。
上記のように、通信手段として、利用者の携帯端末からの所定の情報が発信されて開始されるペアリングにより監視装置に対する接続が確立する近距離無線通信を用いることによって、ぺアリングが完了することで電話番号を入力することなく利用者の携帯端末が作業員の携帯端末に監視装置を経由して接続される。
また、本発明のエレベータシステムは、前記エレベータの乗り場に設けられている乗り場インターホンの釦を押す操作、又は前記乗り場に設けられている操作盤の釦に対する所定の操作、又は前記利用者の携帯端末に対する所定の操作のうちの少なくとも1つの操作を行うことによって、前記第1接続状態から前記第2接続状態に切り替えられてもよい。
上記のように、エレベータの乗り場に設けられている乗り場インターホンの釦を押す操作、又は前記乗り場に設けられている操作盤の釦に対する所定の操作、又は利用者の携帯端末に対する所定の操作のうちの少なくとも1つの操作を行うことによって、第1接続状態から第2接続状態に切り替えることができる。
本発明は、点検運転モードに切り替えられている時には、利用者の携帯端末を監視装置を経由して技術員の携帯端末に接続して技術員に直接連絡することによって、利用できないエレベータの運転再開の交渉ができるエレベータシステムを提供することができる。
以下、本発明に係るエレベータシステムの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、エレベータシステムの基本構成を示している。このエレベータシステムは、各階の乗り場1の周辺(例えば乗り場1の開閉ドアの横)に配置される操作盤2に設けられる通信手段の一例である近距離無線装置3と、乗りかご4の操作盤5に設けられる運転モード切替手段である点検スイッチ6と、該点検スイッチ6からの信号に基づいてエレベータの運転モードを遠隔監視するとともに後述の利用者の携帯端末12と作業員の携帯端末19との通信を行うための監視装置である遠隔監視装置8と、該遠隔監視装置8と通信可能な監視センター7と、を備えている。運転モードは、利用者がエレベータを利用することができる通常運転モードと技術員が修理や点検のために利用者がエレベータを利用することができない点検運転モードとがある。近距離無線は、エレベータが設置された建物内や、各階フロア内で通信可能な無線を言う。
乗り場側の操作盤2は、乗りかごの位置や混雑状況等を表示する表示部9と、上昇する乗りかご4を呼ぶための上階指定用の呼び釦10及び降下する乗りかご4を呼ぶための下階指定用の呼び釦11と、前記近距離無線装置3と、を備えている。また、乗り場側の操作盤2には、マイコン(マイクロコンピュータ)が内蔵された制御部(図視せず)を備えており、近距離無線装置3からの信号を受けて後述する制御盤15を経由して遠隔監視装置8に出力する。
近距離無線装置3は、エレベータの乗り場の周辺付近に配置され、後述する利用者の携帯端末12からの信号を受け取って遠隔監視装置8へ伝達すべく、携帯端末12と遠隔監視装置8とを接続するための装置である。具体的には、近距離無線装置3は、利用者の携帯端末12からの所定の情報が発信されてペアリングが開始される。そして、利用者の携帯端末12の通信停止により前記ペアリングが解除される。この近距離無線装置3としては、例えば、Bluetooth(登録商標)を用いることができる。前記所定の情報は、利用者の携帯端末12の画面の所定位置をクリックする又は長押しすることにより、近距離無線装置3に向けて発信される信号である。このため、例えば利用者の携帯端末12には、遠隔監視装置8(あるいは乗り場側の操作盤2)を介してBluetooth(登録商標)同士の接続で利用者の携帯端末12と技術員の携帯端末19とが直接通話する場合には、技術員の携帯端末19との通信を行うためのソフトウェアが利用者の携帯端末12にインストールされている必要があるが、遠隔監視装置8がBluetooth(登録商標)で利用者の携帯端末12を遠隔操作して技術員の携帯端末19に電話をかける場合は、技術員の携帯端末19との通信を行うためのソフトウェアを利用者の携帯端末12にインストールする必要がない。前記近距離無線装置3として、Bluetooth(登録商標)を用いることによって、利用者に技術員の電話番号を知らせることなく、一対一の関係で通信を行うことができる。
乗りかご側の操作盤5には、マイコン(マイクロコンピュータ)が内蔵された制御部(図視せず)を備えている。また、点検スイッチ6は、技術員が修理又は点検を行う時にON操作するためのスイッチであり、この点検スイッチ6のON-OFF信号が操作盤5の制御部を経由して遠隔監視装置8に出力される。遠隔監視装置8は、点検スイッチ6からのON-OFF信号に基づいて、エレベータの運転モードを把握する。具体的には、点検スイッチ6がON操作されると、遠隔監視装置8は、通常運転モードから点検運転モードへ切り替わったと判断する。点検が終わると、点検スイッチ6をOFF操作することによって、遠隔監視装置8は、点検運転モードから通常運転モードへ切り替わったと判断する。遠隔監視装置8の制御部には、後述する技術員の携帯端末19の電話番号が予め登録されており、利用者の携帯端末12を登録されている技術員の携帯端末19に接続することができる。前記技術員の電話番号を遠隔監視装置8が取得することについて説明すれば、監視センター7から遠隔監視装置8に技術員の電話番号を事前に転送する、または遠隔監視装置8が運転モードの切り替え時に監視センター7に技術員の携帯端末19の電話番号の転送を要求する、あるいは技術員自身が自分の電話番号を遠隔監視装置8に転送することによって、技術員の電話番号を遠隔監視装置8が取得することができる。
監視センター7は、遠隔監視装置8からの信号を受信するパソコンからなる監視端末13及び技術員の電話番号等を管理するサーバーを備え、この監視端末13を利用してサーバーに記憶されている技術員の電話番号を遠隔監視装置8に転送する。また、監視端末13を利用して利用者の携帯端末12からの問い合わせにオペレータ14が対応する。
遠隔監視装置8は、制御用のマイコン(マイクロコンピュータ)が内蔵された制御盤15に第1ケーブル16により接続されている。また、制御盤15は、各階の乗り場1からの信号を伝達する第2ケーブル17及び乗りかご4からの信号(点検スイッチ6からの信号も含む)を伝達する第3ケーブル18が接続されている。
また、遠隔監視装置8は、点検スイッチ(運転モード切替手段)6により通常運転モードに切り替えられている時には、利用者の携帯端末12を遠隔監視装置8を経由して監視センター7の監視端末13に接続する第1接続状態に切り替え、点検スイッチ(運転モード切替手段)6により点検運転モードに切り替えられている時には、利用者の携帯端末12を遠隔監視装置8を経由して技術員の携帯端末19に接続する第2接続状態に切り替え可能に構成されている。遠隔監視装置8は、LTE(Long Term Evolution、登録商標)等の携帯電話用の通信回線を利用して監視端末13又は技術員の携帯端末19に対して無線通信を行う。尚、前記LTE(登録商標)に代えて、Wi-Fi(登録商標)やインターネット回線であってもよい。また、遠隔監視装置8と監視センター7の監視端末13とが、有線の電話回線で接続されていてもよい。
従って、点検スイッチ(運転モード切替手段)6により点検運転モードに切り替えられている時には、前述したペアリングが成立している利用者の携帯端末12を遠隔監視装置8を経由して技術員の携帯端末19に接続する第2接続状態に切り替えられるので、障害者やベビーカーを利用する利用者のように、エレベータを利用しないと上下階の移動が困難な利用者が自分の携帯端末12から技術員の携帯端末19に遠隔監視装置8を経由して接続される。これによって、エレベータの利用者が技術員に利用できないエレベータを一時的に利用すべく、運転再開の交渉を直接行うことができる。この実施形態では、利用者の携帯端末12から技術員の携帯端末19に遠隔監視装置8を経由して接続され、接続後も遠隔監視装置8を経由して利用者の携帯端末12と技術員の携帯端末19とが通話できるように構成したが、利用者の携帯端末12から技術員の携帯端末19に遠隔監視装置8を経由して接続された後は、携帯電話回線以外の通信、例えばBluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)やインターネット回線等により利用者の携帯端末12と技術員の携帯端末19とが直接通話できるように構成してもよい。
次に、エレベータシステムの一連の流れを、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
乗り場1の制御部と利用者の携帯端末12とが近距離無線通信で繋がったかどうかを判断する(ステップS1)。具体的には、利用者が自分の携帯端末12を前述のように操作することによって、携帯端末12と近距離無線装置3とがペアリングの成立により、乗り場1の制御部と利用者の携帯端末12とが近距離無線通信で繋がったと判断し、次のステップS2に移行する。ステップS2では、通話開始の操作が行われたかを判断する。この通話開始の操作には、第1の操作として、乗り場に設けられているインターホンの釦を押す操作、第2の操作として、乗り場1に設けられている操作盤2の釦に対して所定の操作を行う(例えば、同じ方向の呼び釦10又は11を連続して複数回(例えば、5回)押す等)、第3の操作として、利用者の携帯端末12に対する所定の操作を行う(例えば、画面に表示されるアプリケーションのアイコンをクリックする)等があり、前記3つの操作のうちの予め選択された1つの操作を行うことにより、通話開始の操作が行われたと判断する。この操作要領が分かる様に、乗り場毎に添付される点検中を示す点検札に表記しておいてもよいし、乗り場毎に備える前記表示部9に表示するようにしてもよい。
ステップS2で通話開始の操作が行われたと判断した場合には、点検スイッチ6からの信号に基づいて遠隔監視装置8が点検運転モードであるかどうかを判断する(ステップS3)。点検運転モードであると判断すると、遠隔監視装置8は、前記第2接続状態に切り替えることによって、利用者の携帯端末12と技術員の携帯端末19との通話が可能になる(ステップS4)。実際には、利用者の携帯端末12と技術員の携帯端末19とが直接繋がっているのではなく、遠隔監視装置8を介して繋がっている。しかし、利用者は、利用者の携帯端末12と技術員の携帯端末19とが直接繋がっている感覚で通話できる。前記点検運転モードでないと判断すると、遠隔監視装置8は前記第1接続状態に切り替えることによって、利用者の携帯端末12と監視センター7のオペレータ14との通話が可能になる(ステップS5)。尚、技術員が所定時間経過しても携帯端末19に応答しない場合には、遠隔監視装置8は、「ただいま作業中のため、電話に出ることができません。」といった定型の対応メッセージを利用者の携帯端末12に流すようにしてもよいし、監視センター7に接続するようにしてもよい。尚、前述したステップS1の乗り場1の制御部と利用者の携帯端末12とが近距離無線通信で繋がったかどうかを判断するタイミングが、ステップS2の通話開始の操作が行われたと判断する前であったが、ステップS1は、ステップS2の後に判断するタイミングであってもよい。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。
前記実施形態では、運転モード切替手段を点検スイッチ6から構成したが、点検を行う技術員が通信可能な端末(例えば、携帯端末)等から遠隔監視装置8に点検運転モードであることを送信する構成であってもよい。
また、前記実施形態では、近距離無線装置3として、Bluetooth(登録商標)を用いているが、Wi-Fi(登録商標)、あるいはインターネット回線を用いてもよい。Wi-Fi(登録商標)やインターネット回線を用いる場合には、利用者が携帯端末12から通信を行う前に、乗り場側の操作盤2に備える制御部に使用者の携帯端末12のアドレスを登録しておく。そして、登録後において、使用者が技術員又は監視センター7のオペレータとの通話を行いたい場合には、使用者の携帯端末12から遠隔監視装置8に備えるサーバー(図示せず)のアドレス宛に送信することになる。前記Wi-Fi(登録商標)やインターネット回線は、Bluetooth(登録商標)よりも通信距離が長いため、電波が届く範囲の乗り場周辺にのみ配置するようにしてもよい。
1…乗り場、2…操作盤、3…近距離無線装置、4…乗りかご、5…操作盤、6…点検スイッチ(運転モード切替手段)、7…監視センター、8…遠隔監視装置、8…監視装置、9…表示部、10,11…呼び釦、12…利用者の携帯端末、13…監視端末、14…オペレータ、15…制御盤、19…技術員の携帯端末
Claims (3)
- エレベータの動作に係る運転モードを通常運転モード又は点検運転モードに切り替える運転モード切替手段と、該運転モード切替手段からの信号に基づいて少なくともエレベータの前記運転モードを遠隔監視する監視装置と、該監視装置と通信可能な監視センターと、エレベータの乗り場周辺付近に配置され、利用者の携帯端末からの無線信号を受け取って該携帯端末と前記監視装置とを接続するための通信手段と、を備え、
前記監視装置は、前記運転モード切替手段により通常運転モードに切り替えられている時には、前記利用者の携帯端末を該監視装置を経由して前記監視センターに接続する第1接続状態に切り替え、前記運転モード切替手段により点検運転モードに切り替えられている時には、前記利用者の携帯端末を該監視装置を経由して点検を実施している技術員の携帯端末に接続する第2接続状態に切り替え可能に構成されていることを特徴とするエレベータシステム。 - 前記通信手段は、前記利用者の携帯端末からの所定の情報が発信されて開始されるペアリングにより前記監視装置に対する接続が確立する近距離無線通信を用いることを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
- 前記エレベータの乗り場に設けられている乗り場インターホンの釦を押す操作、又は前記乗り場に設けられている操作盤の釦に対する所定の操作、又は前記利用者の携帯端末に対する所定の操作のうちの少なくとも1つの操作を行うことによって、前記第1接続状態から前記第2接続状態に切り替えられることを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
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