JP2023042971A - 画像処理装置、画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より精度良く色安定を図るための技術を提供すること。【解決手段】 複数色の記録材を用いた画像形成における濃度変化を低減させるための補正情報を作成する。該作成では、複数色の記録材を用いて形成した画像を読み取ることで得られる読み取り画像において、用いた記録材がより少ない領域から順に、該領域に用いた記録材のうち未だ補正情報を作成していない記録材に対応する補正情報を作成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、画像処理技術に関するものである。
紙面上に任意の画像を形成するための画像形成装置として、複数のノズルからインクを吐出することで画像を形成するインクジェット方式のプリンタが広く使用されている。あるいは、レーザ感光体と帯電トナーを用いて画像を形成する電子写真方式を採用したプリンタも同じく広く使用されている。
ところで、電子写真方式では、装置内のトナー残量や周囲の温度や湿度といった環境によって形成画像の色味が変化することが知られている。インクジェット方式においても、ノズル周辺へのインク付着やインク吐出を制御するピエゾ素子やヒータのエージング、温湿度などの周辺環境等により色味が変化することが知られている。このような周辺の環境や時間に伴う変化に対し、一定間隔で安定化処理を実行することにより、色味の変化を抑制し続ける技術が知られている。
上記安定化処理においては、各色のトナーあるいはインク等の記録材の特性を測定するために専用チャートを出力する場合が多い。しかしながら、本来ユーザが所望の画像を出力するために使用する記録材及び用紙、時間を専用チャートの出力に用いることとなり、コスト増につながる。また、コスト増を避けるためにチャートの出力間隔を広げると、安定化の精度が低下する可能性がある。特許文献1には、出力したユーザ画像に基づいて安定化処理をおこなうことで、コスト増を避けながら安定化の精度を維持する技術が開示されている。
特開2015-160352号公報
上述の特許文献1においては、色安定化処理において、多次色トナー像を測色した結果から各トナーの見かけの記録量を探索により推定し、各トナーの作像条件を変更することによって出力画像の色安定化を行っている。
このとき、特許文献1においては、色の種類によらず、同一の処理を行っている。しかし複数の記録材の重ね合わせで再現する混合色において、各記録材の量と混合色の発色度合いの関係は一般的に非線形な関係にある。このため、混合色から各記録材の量の推定を行う場合には推定精度が悪化し、ひいては色安定化が十分に行えない場合があった。本発明では、より精度良く色安定を図るための技術を提供する。
本発明の一様態は、複数色の記録材を用いた画像形成における濃度変化を低減させるための補正情報を作成する作成手段を備え、前記作成手段は、複数色の記録材を用いて形成した画像を読み取ることで得られる読み取り画像において、用いた記録材がより少ない領域から順に、該領域に用いた記録材のうち未だ補正情報を作成していない記録材に対応する補正情報を作成することを特徴とする。
本発明の構成によれば、より精度良く色安定を図ることができる。
画像形成システムのハードウェア構成例を示すブロック図。 画像形成部107に適用するプリンタを説明する図である。 画像処理部106の機能構成例を示すブロック図である。 ユーザ画像の印刷および補正テーブルの作成のフローチャート。 補正テーブルの一例を示す図。 ステップS405における処理の詳細を示すフローチャート。 均一パターンの一例を示す図。 CMYK画像に対する特定部1605による特定結果を示す図。 ステップS604における処理の詳細を示すフローチャート。 ステップS408で得られるRGB値の画素で構成される画像の一例を示す図。 信号値と指向的反射率の関係をプロットした図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第1の実施形態]
<画像形成システムのハードウェア構成例>
まず、本実施形態に係る画像形成システム(画像処理装置)のハードウェア構成例について、図1のブロック図を用いて説明する。図1には、以下に説明する各処理に関連する主要な構成を示しており、画像形成システムが有する全ての構成を示したものではない。
CPU(Central Processing Unit)100は、RAM(Random Access Memory)101やROM(Read Only Memory)102に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU100は、画像形成システム全体の動作制御を行うと共に、画像形成システムが行うものとして説明する各種の処理を実行もしくは制御する。なお、本実施形態では、CPU100が画像形成システム全体を制御するものとして説明するが、複数のハードウェアが処理を分担することにより、画像形成システム全体を制御するようにしてもよい。
RAM101は、ROM102や外部記憶装置105からロードされたコンピュータプログラムやデータを格納するためのエリア、画像取得部108が読み取った画像を格納するためのエリア、を有する。さらにRAM101は、I/F部109を介して外部から受信したデータを格納するためのエリア、CPU100や画像処理部106が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにRAM101は、各種のエリアを適宜提供することができる。
ROM102は、画像形成システムの設定データ、画像形成システムの起動に係るコンピュータプログラムやデータ、画像形成システムの基本動作に係るコンピュータプログラムやデータ、などが格納されている。
操作部103は、キーボード、マウス、タッチパネル、テンキー、各種のボタン群などのユーザインターフェースであり、ユーザが操作することで各種の指示や情報をCPU100に対して入力することができる。
表示部104は、液晶画面、タッチパネル画面などの画面を有する表示装置であり、CPU100や画像処理部106による処理結果を画像や文字などでもって表示することができる。
外部記憶装置105は、ハードディスクドライブなどの大容量情報記憶装置である。外部記憶装置105には、OS(オペレーティングシステム)、CPU100や画像処理部106に各種の処理を実行させるためのコンピュータプログラムやデータ、などが保存されている。外部記憶装置105に保存されているデータには、例えば後述の処理で用いる各種のマトリクスが含まれている。外部記憶装置105に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU100による制御に従ってRAM101にロードされ、CPU100や画像処理部106の処理対象となる。
画像処理部106は、コンピュータプログラムを実行可能なプロセッサや専用の画像処理回路で実現され、印刷対象として入力された画像を画像形成部107にて出力可能な画像に変換するための各種の画像処理を実行する。また、本実施形態では、画像処理部106は、ユーザ画像(ユーザが印刷を所望する画像)の読み取り結果に基づく色安定化処理の実行も行う。なお、画像処理部106として専用のプロセッサを用意するのではなく、CPU100が画像処理部106として動作して各種処理を行うようにしても良い。
画像形成部107は、画像処理部106、RAM101、外部記憶装置105、I/F部109などから取得した画像に基づいて、紙などの記録媒体上に記録材を用いて画像を形成する。なお、本実施形態では画像形成部107は、たとえばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)など、少なくとも4種類の記録材を用いるものとする。
画像取得部108は、画像形成部107によって記録媒体上に形成された画像を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)である。なお、本実施形態では、画像取得部108(イメージセンサ)は、それぞれ異なる波長にピークを持つ3つの出力値(R(赤)の出力値、G(緑)の出力値、B(青)の出力値)を取得可能なイメージセンサであるとする。出力値は、輝度値などの色情報である。
I/F部109は、画像形成システムと外部機器とを接続するためのインタフェースとして機能する。例えば、I/F部109は、赤外線通信や無線LAN(Local Area Network)等を用いて通信装置とデータのやりとりを行うためのインタフェースや、インターネットに接続するためのインタフェースとして機能する。
上述の各部は、いずれもバス110に接続され、バス110を介してデータの授受を行うことができる。ただし、画像形成システムは上記の各部(例えば画像形成部107)がI/F部109を介して接続されている構成でもよい。
<画像形成部107および画像取得部108>
まず、画像形成部107について説明する。本実施形態では、画像形成部107は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、のインクをノズルから記録媒体上に吐出することにより該記録媒体上に画像を形成するインクジェット方式のプリンタであるものとする。
図2(a)に示す如く、画像形成部107は、プリンタの構造材をなすフレーム上に記録ヘッド201~204を有する。記録ヘッド201~204はそれぞれK、C、M、Yのインクを吐出するための複数のノズルを、記録媒体としての記録用紙206の幅に対応した範囲に所定方向に沿って配列した、いわゆるフルラインタイプのものである。
また、図2(b)に示す如く、記録ヘッド201~204は複数のヘッドモジュール(記録単位)を組み合わせて構成されている。例えば、記録ヘッド201が有するヘッドモジュール201a、201b、201cは、記録媒体の搬送方向に対して互い違いに配置されている。これは記録ヘッド202が有するヘッドモジュール202a、202b、202c、記録ヘッド203が有するヘッドモジュール203a、203b、203c、記録ヘッド204が有するヘッドモジュール204a、204b、204c、についても同様である。
さらに図2(c)に示す如く、ヘッドモジュール201aは、さらにチップモジュール201a-1~201a-5(記録単位)を有する。このとき、チップモジュールはそれぞれ独立した基盤に接続されるとする。これは、他のヘッドモジュールについても同様である。
図2(d)は、チップモジュールのいずれかを記録媒体面側から見た場合の図であり、チップモジュールが複数のノズル(記録単位)を備えることを示している。図2(d)に示す例では、チップモジュールは16つのノズルを有する。なお、それぞれのインク色のノズル列のノズル配置の解像度は、たとえば1200dpiである。
記録媒体としての記録用紙206は、搬送ローラ205(および他の不図示のローラ)がモータ(不図示)の駆動力によって回転することにより、図中矢印207が示す方向(搬送方向)に搬送される。そして、記録用紙206が搬送される間に、記録ヘッド201~204それぞれの複数のノズルから記録データ(画像処理部106によって変換された画像)に応じてインクが吐出されることにより、記録ヘッド201~204のそれぞれのノズル列に対応した1ラスタ分の画像が順次形成される。このような、搬送される記録用紙206に対する記録ヘッド201~204からのインク吐出動作を繰り返すことにより、例えば、一頁分の画像を記録用紙206に記録することができる。
また、図2(a)に示す如く、画像取得部108は、矢印207が示す搬送方向において記録ヘッド201~204よりも下流に設置され、記録用紙206全面を読み取るべく該記録用紙206全面をカバーするラインセンサである。
画像取得部108は、記録ヘッド201~204による記録用紙206への画像形成と並行して、搬送される該記録用紙206の撮像を順次行うことで、各画素がRGBの3チャンネルの画素値を有する画像(2次元画像)を生成する。そしてCPU100は、該生成した画像を2次元の読み取り画像として外部記憶装置105に保存する。
なお、画像形成部107は、図2に示すフルラインタイプの装置に限らない。例えば、画像形成部107は、記録ヘッドを記録用紙の搬送方向と交差する方向に走査して記録を行う、いわゆるシリアルタイプの記録装置であっても良い。また、画像形成部107による画像形成方式には、レーザ感光体と帯電トナーを用いて画像を形成する電子写真方式、固形インクを熱によって気化させ、印刷用紙に転写する熱転写方式なども適用することができる。
また、画像取得部108は、図2に示すようなラインセンサに限らない。たとえば、画像取得部108は、記録用紙の搬送方向と交差する方向に移動するためのキャリッジを備え、記録用紙206より小さい幅で任意の領域を取得する構成を有する装置であってもよい。
<色安定化処理の概要>
次に、画像処理部106が行う色安定化処理について説明する。各記録ヘッドはノズル周辺へのインク付着やインク吐出を制御するピエゾ素子やヒータのエージング、温湿度などの周辺環境等により同一の画像を形成した場合であっても、記録媒体上に形成された画像の濃度が変化することが知られている。このような画像の濃度変化は濃度ムラや色転びとして視認され、画像の品質(画像が印刷された印刷物の品質)を損なう可能性があるため、できるかぎり抑制することが好ましい。
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成システムでは、記録ヘッド201~204によって形成された画像を、搬送方向において該記録ヘッド201~204よりも下流に設置された画像取得部108(ラインセンサ)により読み取ることができる。すなわち、上述の濃度変化を画像取得部108による読み取り画像から推定して色安定化処理を行うことで、濃度変化を抑制することができる。
すなわち、図2に示す如く、本実施形態に係る画像形成システムは、C、M、Y、Kの4色のインクを混合させて任意の画像を形成している。そのため、経時変化による濃度変化はC、M、Y、K各色について独立して生じる。したがって、各色に対応するインクの記録量に、各色に対応する独立のガンマ補正処理を行うことで、濃度変化を効果的に低減することが可能である。
なお、各記録材の濃度変化は上述のヘッドモジュール単位あるいはチップモジュール単位で変化する場合が多い。さらに言えば、同一モジュール内でもノズル毎にその変化量は異なることが多い。従って望ましくは、ノズル単位で濃度変化を推定し、ガンマ補正処理を行う必要がある。ただし下記に示す通り、処理負荷に応じて、ノズル単位ではなくチップモジュール単位あるいはヘッドモジュール単位の処理としてもよい。
たとえば、図2に示す例において、記録ヘッド201~204の各々について独立して補正する場合には、4回(CとMとYとK)の濃度変化を推定する処理が必要である。あるいは、ヘッドモジュールごとならば、図2(b)に示すように各色3つのヘッドモジュールについてさらに独立に補正するため、4色×3ヘッドモジュールで12回の推定処理が必要である。同様に、図2(c)に示すチップモジュール単位ならばさらに5チップモジュールが存在するため、60回の推定処理が必要となり、ノズル単位ならば、1チップモジュールあたり16ノズルがあることから960回の推定処理が必要となる。
このように、補正の単位を細かくするほど、推定処理の回数が増加する。そのため、同一の印刷速度を維持しつつ、細かい単位で補正を行うためには、高速な推定処理が求められることになる。
そこで本実施形態では、画像取得部108が出力するセンサ出力値(RGB値((Rに対応するセンサ出力値、Gに対応するセンサ出力値、Bに対応するセンサ出力値))と、記録媒体上の反射率と、を対応付けるマトリクスを予め作成して保持しておく。そしてユーザ画像の印刷ごとに、画像取得部108が該ユーザ画像を読み取って出力するセンサ出力値(RGB値)を該マトリクスにより変換し、該変換により得られる値に基づいて補正テーブルを作成することで、高速な推定を行うことを可能にする。
また、色安定化処理において、専用チャートを用いて濃度変化を検出するのであれば、色安定化処理に必要な所望の濃度情報を効率的に取得することは可能である。しかしユーザの視点からは、本来出力したいユーザ画像ではない専用チャートのために用紙や記録材、時間などにコストをかけることになる。このため、専用チャートを用いるのではなく、ユーザ画像を用いることが好ましい。
色安定化処理にユーザ画像を用いる場合、ユーザ画像が必ずしも色安定化処理に必要な所望の濃度情報を得るのに有利な画像であるとは限らない。特に、複数色が混在する多次色領域のセンサ出力値から各記録材の濃度変化を推定することは、各記録材の量と混合色の発色度合いの関係の非線形性により、推定精度が悪化しやすい。このため、色安定化が十分に行えない可能性がある。
そこで、本実施形態では、入力であるユーザ画像を参照して、単一の記録材のみ用いられた領域(単色領域)を優先的に用いて濃度情報を取得して上記推定を行い、その結果を用いて、残りの記録材の濃度変化を補正していく。このようにすれば、専用チャートを用いずとも、各記録材の濃度変化の推定精度を高めることができる。
以下、図3および図4を用いて、上記の処理を実行する画像処理部106の構成と色安定化処理について説明する。図3は、画像処理部106の機能構成例を示すブロック図である。
変換部1601は、外部記憶装置105から読み出した入力画像を、画像形成部107の色再現域に対応した画像に変換する。入力画像は、たとえば、モニタの表現色であるsRGB等の色空間座標中の色座標(R,G,B)に従って記述されている。変換部1601は、入力画像を画像形成部107で用いる複数のインクに対応した色信号に変換する処理を行う。たとえば、画像形成部107がブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを用いるならば、入力画像は変換部1601によってK、C、M、Yの各8ビットの色信号からなる画像(CMYK画像)に変換される。変換部1601が出力するCMYK画像は、画像形成部107が画像を表現するために記録媒体上に吐出する各インクの使用量(打ち込み量)を表わす。変換部1601による上記の変換には、マトリクス演算処理や3次元LUT(ルックアップテーブル)を用いた処理等の公知の手法を用いることができる。
なお、入力画像は、各画素がR,G,Bの画素値を有する(つまり各画素がRGB値を有する)RGB画像に限らず、各画素がC,M,Y,Kの画素値を有する画像(CMYK画像)であっても良い。ただしその場合でも、インク総量の制限やカラーマネジメントのために、変換部1601によって、入力画像(CMYK画像)におけるC,M,Y,Kをそれぞれ異なるC’,M’,Y’,K’に変換する4次元LUTを用いた処理を行うことが好ましい。
補正部1602は、経時変化に対して色を安定化させるための補正処理行う。より具体的には、補正部1602は、モジュールあるいはノズル毎の変換先の信号値(画素値)が登録された補正テーブルを用い、変換部1601から出力されるCMYK画像に対してガンマ補正処理を行う。本実施形態に係る補正テーブルの一例を図5に示す。図5の補正テーブルは、ヘッドモジュール単位の変換を行うための補正テーブルである。
図5に示す補正テーブルには、記録ヘッド201におけるヘッドモジュール201a、201b、201c、記録ヘッド202におけるヘッドモジュール202a、202b、202c、記録ヘッド203におけるヘッドモジュール203a、203b、203c、のそれぞれについて、入力色信号値(0、16、32、…、240、255)に対応する補正後の色信号値が格納されている。たとえば、記録ヘッド201のヘッドモジュール201aに対応するKの画素の画素値(入力色信号値)が32であれば、補正部1602は該画素の画素値を28に変更する。
このように本実施形態においては、C,M,Y,Kのそれぞれについて補正テーブルを参照することで補正処理を行う。このように、打ち込み量を表すCMYK画像を補正することで、濃度変化を打ち消すことができる。なお、図5では、C,M,Y,Kのそれぞれについての変換をまとめた1つの補正テーブルを示しているが、Cインクの補正テーブル,Mインクの補正テーブル,Yインクの補正テーブル,Kインクの補正テーブルの集合として解釈しても良い。
なお、ヘッドモジュール単位ではなく、チップモジュール単位あるいはノズル単位で補正処理を行う場合には、補正テーブルはチップモジュール数あるいはノズル数に等しい列数を備える。
なお、図5に示す補正テーブルにおいて、LUTに存在しない入力色信号値については、LUTに格納されている近傍の入力色信号値から補間処理を用いて算出する。もちろん、補間処理を用いず、全入力色信号値に対して変換後の色信号値を格納するようにしてもよい。あるいは、補正テーブルではなく関数変換やマトリクス変換等の他の補正情報によって補正処理を行うことも可能である。
図3に戻り、HT(ハーフトーン)処理部1603は、補正部1602による補正処理済みのCMYK画像に対して、画像形成部107が直接表現可能な階調数のCMYK画像への変換(HT処理)を行うことで、ハーフトーン画像を生成する。本実施形態において「画像形成部107が直接表現可能な階調数」とは、インクドットのオンまたはオフの2値であるとする。つまり具体的には、1画素当たり8ビットの画像を、画素毎に0か1のいずれかの値を有する1ビット2値のハーフトーン画像に変換することになる。本実施形態では、HT処理には、公知の方法であるディザ処理等を用いる。ディザ処理に必要な閾値マトリクスは予め作成して外部記憶装置105に保存されているため、必要に応じて外部記憶装置105から読み出して使用する。なおディザ処理に代わって、誤差拡散法等の手法も適用可能である。
そしてHT処理部1603は、上記のようにしてCMYK画像から生成したハーフトーン画像を画像形成部107に対して出力して該画像形成部107に該ハーフトーン画像を記録媒体に印刷させる。
画像取得部108は、画像形成部107により記録媒体に印刷された形成画像400(HT処理部1603が生成したハーフトーン画像に従って記録媒体に印刷された(画像形成された)画像)を上記の如く読み取ることで、画素ごとのRGB値を取得する。
色変換部1604は、外部記憶装置105に保存されている色変換行列1607(上記のマトリクス)を読み出す。そして色変換部1604は、該読み出した色変換行列1607を用いて、画像取得部108により得られる画素ごとのRGB値に対応する「CMYインクの反射率(ρ、ρ、ρ)を求める。これにより色変換部1604は、「画像取得部108により得られる画素ごとのRGB値に対応する「CMYインクの反射率(ρ、ρ、ρ)を有する画素で構成される画像」を反射率画像として取得する。
特定部1605は、変換部1601により得られるCMYK画像に基づき、色変換部1604により得られる反射率画像の領域ごとの使用インク色を特定する。作成部1606は、色変換部1604により得られる反射率画像とその特定領域を参照し、補正部1602が用いる補正テーブルを作成する。作成部1606により参照されるターゲット濃度特性1608については後述する。
なお、画像取得部108にて取得される読み取り画像の解像度と上記のCMYK画像の解像度とが異なる場合には、両者を一致させるため、読み取り画像に対して解像度変換を行うことが好ましい。解像度変換には公知のニアレストネイバー法や、バイニリア補間、バイキュービック補間等を用いることが可能である。
また、記録媒体の斜行や分光センサの収差等が大きい場合には、センサ出力値に対して幾何補正を行うことが好ましい。幾何補正には公知のアフィン変換や射影変換を用いることが可能である。その場合には、画像処理部106が解像度変換や幾何補正を行う処理部を有する必要がある。あるいは画像取得部108がラスタ画像取得時に所定のライン数単位で解像度変換や幾何補正などを行ってからセンサ出力値を色変換部1604に出力するようにしても良い。またこのとき、画像形成部107は、上記変換を容易にするようなマーカを付与して記録媒体上に画像を形成してもよい。
<ユーザ画像の印刷および補正テーブルの作成>
次に、本実施形態に係る画像形成システムによるユーザ画像の印刷および補正テーブルの作成について、図4のフローチャートに従って説明する。ユーザは、外部記憶装置105に保存されている画像のうち印刷対象の画像(ユーザ画像)のファイル名(パス名)と、印刷する枚数(印刷枚数)と、を操作部103を操作して指定する。よってステップS401では、CPU100は、ユーザにより指定されたユーザ画像のファイル名および印刷枚数を含む印刷内容を取得する。
ステップS402では、変換部1601は、CPU100が取得した印刷内容に含まれているファイル名の画像(ユーザ画像)を入力画像として外部記憶装置105から取得する。以下では、ユーザ画像は、各画素のR,G,Bの画素値が8ビットで表される「RGB8ビット形式の画像」であるものとする。ステップS403では、変換部1601は、ステップS402で取得したユーザ画像を上記の如くCMYK画像に変換する。
ステップS404では、CPU100は、濃度変換に対する補正処理を行うか否かを判断する。この判断の結果、濃度変換に対する補正処理を行う場合には、処理はステップS405に進み、濃度変換に対する補正処理を行わない場合には、処理はステップS406に進む。
本実施形態では、1枚目の印刷では濃度変換に対する補正処理を行わないと判断し、2枚目以降の印刷(記録媒体上に画像が形成された印刷)では濃度変換に対する補正処理を行うと判断する。
ステップS406では、HT処理部1603は、ステップS403で変換したCMYK画像もしくはステップS405で補正したCMYK画像を対象画像とし、該対象画像に対して上記のHT処理を行うことで、画素毎に0か1のいずれかの値を有する1ビット2値のハーフトーン画像を生成する。
ステップS407では、HT処理部1603は、ステップS406にて生成したハーフトーン画像を画像形成部107に対して出力して該画像形成部107に該ハーフトーン画像を形成画像400として記録媒体に印刷(画像形成)させる。
ステップS408では、画像取得部108は、ステップS407で画像形成部107により記録媒体に印刷された形成画像400を読み取ることで、画素ごとのRGB値を取得する。
ステップS409では、CPU100は、上記の印刷内容に含まれる印刷枚数だけユーザ画像の印刷を行った(ユーザにより指定された印刷を完了させた)のか否かを判断する。
この判断の結果、上記の印刷内容に含まれる印刷枚数だけユーザ画像の印刷を行った場合は、図4のフローチャートに従った処理は終了する。一方、上記の印刷内容に含まれる印刷枚数未満の枚数しかユーザ画像の印刷を行っていない場合は、処理はステップS404に進む。なお、補正処理が行われない最初の1枚をテスト印刷として印刷枚数に含めなくてもよい。また、ユーザが操作部103を操作して印刷中止の指示を入力した場合にも、図4のフローチャートに従った処理を終了させるようにしても良い。
ステップS405では、濃度変化を安定化させる色安定化のための補正処理が行われる。ステップS405における処理の詳細について、図6のフローチャートに従って説明する。
ステップS601では、色変換部1604は、印刷前に予め作成された色変換行列1607を外部記憶装置105から読み出す。色変換行列1607は上記の如く、ステップS408において画像取得部108が出力するセンサ出力値(RGB値((Rの出力値、Gの出力値、Bの出力値))を、色安定化のための補正処理を行う次元(色空間)へと変換する色変換行列(マトリクス)である。補正処理を行う色空間は、形成画像400上の濃度に関連する任意の色空間を取ることができる。本実施形態では、記録媒体上のCMYに対応するある波長における反射率を用いて説明する。なお他の色空間の例として、光学濃度、輝度、明度などが挙げられる。
次に、色変換行列1607について説明する。色変換行列1607を求める為の各種の演算処理はCPU100が行っても良いし、画像処理部106が行っても良いし、本実施形態に係る画像形成システムとは別個の装置やシステムが行っても良い。また、以下に説明する各種の演算処理によって求めた(生成された)色変換行列1607は外部記憶装置105に保存する。なお、色変換行列1607の保存先は外部記憶装置105に限らず、I/F部109を介して通信可能な外部装置など、画像形成システムと通信可能な他の装置に色変換行列1607を保存しても良い。
本実施形態においては、まずユーザ画像の印刷に先立ち、各インク単色の均一パターンを含む専用チャートの出力および読み取りを行う。この均一パターンの一例を図7に示す。図7には、均一パターンとしてのパッチ画像701が示されている。
パッチ画像701における1行目のパッチ行はKインクのみで印刷した、それぞれ異なる信号値(すなわち打ち込み量)のパッチを示している。1行目には、左端から右端に向けて信号値0のKインクのパッチ、信号値32のKインクのパッチ、…、信号値255のKインクのパッチ、と並んでいる。
パッチ画像701における2行目のパッチ行はCインクのみで印刷した、それぞれ異なる信号値(すなわち打ち込み量)のパッチ列を示している。2行目には、左端から右端に向けて信号値0のCインクのパッチ、信号値32のCインクのパッチ、…、信号値255のCインクのパッチ、と並んでいる。
パッチ画像701における3行目のパッチ行はMインクのみで印刷した、それぞれ異なる信号値(すなわち打ち込み量)のパッチ列を示している。3行目には、左端から右端に向けて信号値0のMインクのパッチ、信号値32のMインクのパッチ、…、信号値255のMインクのパッチ、と並んでいる。
パッチ画像701における4行目のパッチ行はYインクのみで印刷した、それぞれ異なる信号値(すなわち打ち込み量)のパッチ列を示している。4行目には、左端から右端に向けて信号値0のYインクのパッチ、信号値32のYインクのパッチ、…、信号値255のYインクのパッチ、と並んでいる。
なお、図7では、1色あたり9つのパッチのパターンを例示しているが、数はこれに限らない。また、それぞれのインク色のパッチのパターンの並び方についても、図7に示した並び方に限らない。
本実施形態では、画像形成部107においてこのような均一パターンを記録媒体に印刷させ、該印刷を行った記録媒体(均一パターン)を画像取得部108で読み取ることで、各打ち込み量に対するRGB値(画像取得部108が読み取ったRGB値)を取得する。
さらに、分光情報を取得可能な公知の測色器で上記の均一パターンを再度もしくは(上記の読み取りと)同時に読み取り、各インクの使用量(打ち込み量)に対する分光反射率特性ρを取得する。
次に、RGB値をCMYの各色のインクの反射率に変換するための色変換行列を算出する。具体的には、まずCMYの各色のインクの分光反射率特性から各色のインクに対する波長を決定する。この波長には、各インクの色を特徴づける代表的な波長(代表波長)を選ぶ。たとえば、Cインク(色Cのインク)については波長650nmを代表波長として選び、Mインク(色Mのインク)については波長550nmを代表波長として選び、Yインク(色Yのインク)については波長450nmを代表波長として選ぶ。
次に、C,M,Yのそれぞれの代表波長において、各色のインクの打ち込み量に対する反射率の変化を、上記の測色器の出力結果から分光反射率特性(反射率)ρ(k)、ρ(k)、ρ(k)として取得する。
ここで、k(ただしx=c、m、y)はインク色xに対する打ち込み量を表し、ρ(k)はインク色xの打ち込み量がkであるときの、インク色xごとに定義された代表波長における反射率を表す。打ち込み量は[%]で表し、ノズルの解像度、1200dpiの各画素のうちドットを吐出された割合を示す。たとえば打ち込み量k=100[%]は、ノズル解像度の全ての画素にCインクが吐出されていることを表し、ρ(100)はそのときのインク色Cの代表波長650nmにおける反射率を表す。
次いで、得られた反射率ρ(k)と、画像取得部108で均一パターンから読み取ったRGB値と、から、下記に説明する式を立てる。インク色xの打ち込み量kに対するRGB値をRx(k)、Gx(k)、Bx(k)とおく。まずインク色C(つまりx=c)の均一パターンにおけるインク色Cの代表波長に着目し、以下の(数式1)を立てる。
Figure 2023042971000002
(数式1)における各行は、ある打ち込み量のパッチに対し、RGB値を未知の係数a、b、cによって線形結合して結んだものである。ここで係数a、b、cは全ての行で共通である。ここで(数式1)を、打ち込み量を変数kとして表し、以下の(数式2)のように略記する。
Figure 2023042971000003
(数式1)と(数式2)は同じ式を表す。次に、同様に、インク色Mの均一パターンにおけるインク色Cの代表波長に着目し、以下の(数式3)を立てる。
Figure 2023042971000004
(数式1)との違いは、左辺の全ての反射率を実測値に代わって1と置き、右辺のRGB値をインク色Mのパッチに対する値であるR、G、Bに置き換えている点である。未知の係数a、b、cは(数式1)と同じ係数を表す。これも(数式2)と同様に、以下の(数式4)のように略記する。
Figure 2023042971000005
さらに、インク色Yの均一パターンにおけるインク色Cの波長に着目することで、(数式3)と同様の式を立てる。同じ手順であるので略記したもののみ、以下の(数式5)として記す。
Figure 2023042971000006
(数式2)、(数式4)、(数式5)に共通の未知の係数a、b、cが登場するため、これらをまとめて行列的に書くと、以下の(数式6)のように書くことができる。
Figure 2023042971000007
ここで、これまでに登場した数式の意味について説明する。(数式2)は、Cインク単色(記録材単色)の各打ち込み量におけるRGB値を線形結合することで、そのときのインク色Cの代表波長の実測反射率と等しくなるという式である。これは画像取得部108が読み取ったRGB値から反射率を計算することができるという再現性に関する仮定を表している。そのときのRGB値に対する係数がa、b、cである。
一方、(数式4)と(数式5)は、Cインク単色における上記係数a、b、cを用いたRGB値の線形結合は、Mインク及びYインクが対象のときには反射率が恒等的に1であることを表している。つまり、画像取得部108により読み取ったRGB値と係数a、b、cによる線形結合は、Cインクの代表波長を表現するものであって、MインクやYインクを対象としたときのRGB値が入力されても反応せず、Cインクの代表波長に対して吸光(非反射)成分を持たないことを示している。(数式2)が実測値を左辺に持っていたのに対し、(数式4)及び(数式5)の左辺の1は仮定であり、これは概念的な拘束条件として機能する。
(数式2)の再現性と、(数式4)及び(数式5)の拘束条件を含めた(数式6)において、ベクトル(a、b、c)について、誤差最小となるような近似解を求めることができる。そしてこのようにして得られた係数a、b、cを用いて、改めてRGB値について線形結合を作ることができる。
Figure 2023042971000008
以下の(数式7)により得られる左辺ρ’(k)は、近似解を求めた(数式6)中に、実測値のみならず拘束条件の意味合いが含まれていたために、純粋な元のρ(k)の再現とは異なり、よりCインクの代表波長に対して指向的、選択的である特性を帯びる。そしてこのような特性を持つ反射率に変換することは、専用チャートと異なり、インク単色のみならず任意の色が対象となりうるユーザ画像を対象とするときに有効に働く。実際には、上記Cインクの代表波長のみならず、さらにMインクの代表波長、Yインクの代表波長についても同様の式を立てることができる。係数行列を、Cインクの代表波長に対する係数組(a、b、c)に代わって、Mインクの代表波長を表す係数組とYインクの代表波長を表す係数組を含めた3x3の行列Xと置いて、以下の(数式8)を近似的に解いて得られる行列Xが、色変換行列1607である。
Figure 2023042971000009
以上の各数式に従った演算処理を行うことで得られる色変換行列1607を、画像取得部108により読み取ったRGB値に乗じることによって、補正処理を行う指向的な反射率である色空間、ρ’(k)、ρ’(k)、ρ’(k)を得ることができる。以下、これらを指向的反射率と呼ぶ。
なお、補正処置を行う色空間は上述の(指向的)反射率に限らず、RGB値に1DLUTや対数変換などを施して得られるR’G’B’に対してマトリクス変換を行う構成も可能である。例えば、反射率の比を対数変換して得られるxインクの濃度d(x=c、m、y)を用いて推定処理を行う場合、色変換行列1607は以下の(数式9)によりRGB値と濃度dとを対応付ける行列Xを用いればよい。
Figure 2023042971000010
(数式9)では、拘束条件となる左辺のインク色と異なる波長での値に、(数式8)の反射率の1に代わり濃度0を置いていることに注意されたい。また、行列側についても、RGB値の2次や3次の項を含んでもよく、たとえば、以下の(数式10)による行列Xを用いることも可能である。
Figure 2023042971000011
(数式10)の場合には、行列Xは6行3列のサイズになる。RGB値にこの行列Xを乗じることによってρ’(k)、ρ’(k)、ρ’(k)を得る点は同じである。
色変換行列1607の生成は、基本的には記録媒体などの条件ごとにあらかじめ最低1度だけ行っておけばよく、毎印刷時においては分光センサによる読み取りや上記近似解の求解を必要としない。毎印刷時には、生成済みの色変換行列1607を読み出し、得られたRGB値に対して該色変換行列1607を用いた行列乗算を行う。したがって、分光センサによる読み取りや計算処理がコストや速度の制約となる場合に、より高速あるいは低コストで色安定を行うことが可能となる。
図6に戻り、ステップS602では、前回のステップS408において画像取得部108が記録媒体から読み取った読み取り画像(RGBセンサ出力値)であるユーザ画像を、ステップS601で取得した色変換行列1607を用いて指向的反射率へと変換する。
本実施形態では、上記説明したように、特定波長に指向的な特性を持たせた指向的反射率を補正対象とする色空間とすることで、補正の精度を高める工夫をしている。しかしながら(数式8)に基づき求めた変換係数はあくまで近似解に基づくものであるから、対象とする波長において完全に他の波長の影響を排除することは難しい。混合色においては特にそうである。一般的あるいは定性的に言えば、記録媒体上の複数色混合による発色には様々な要素が関わっており、そこから単一インクの濃度変化を精度よく求めるのはより困難であるということである。
そこで本実施形態では、さらに補正精度を高めるために、以下に説明するような処理を行う。すなわち、ユーザ画像中に単色インクで画像形成される領域があれば、そこから該インクの濃度変化を求める。残りの混合色に使われるインク色については、単色領域から求めた濃度変化を用いて特性計算を行う。
具体的には、ステップS603において特定部1605は、ユーザ画像中の各画素について、どのインクを用いて記録媒体上に形成されたのかを特定する。例えば、特定部1605は、ユーザ画像を変換したCMYK画像における各画素の画素値(C,M,Y,Kの信号値)を参照することで判断することができる。CMYK画像中の着目画素のC,M,Y,Kの画素値のうちCの画素値が0ではなく(または規定値以上)、M,Y,Kの画素値が0(または規定値未満)の場合、該着目画素はCインクのみ(単色)で形成されていると特定することができる。よって、この場合、ユーザ画像において該着目画素に対応する対応画素は、Cインクのみで形成される画素であると判断することができる。
CMYK画像に対する特定部1605による特定結果を図8に示す。CMYK画像800において領域801は、Cインクのみで形成されている画素として特定されたC画素で構成されている画素領域である。またCMYK画像800において領域802は、Mインクのみで形成されている画素として特定されたM画素で構成されている画素領域である。またCMYK画像800において領域803は、どのインクも使用されていない画素として特定された白画素で構成されている画素領域である。またCMYK画像800において領域804は、複数色(2色以上)のインクで形成されている画素として特定された多色画素で構成されている画素領域である。図8のCMYK画像800は、記録媒体上では矢印207に示す方向に形成されるものとする。
ステップS604では、作成部1606では、補正部1602が用いる上記の補正テーブルを作成する。ステップS604における処理の詳細について、図9のフローチャートに従って説明する。
図9のフローチャートに従った処理では、ステップS901~S914の処理が、補正処理を行う単位で画像全体について行われる。本実施形態の場合は、補正処理をノズル単位で行うものとし、各ノズル(各列)についてステップS901~S914の処理が行われる。
また、ステップS902~S907の処理は、ステップS603で特定された、列内の全ての単色領域の色について繰り返す。ステップS902~S907では、1次色の濃度特性の推定と補正テーブルの作成が行われる。
本実施形態では、ステップS408で得られるRGB値の画素で構成される画像を、CMYK画像と同解像度同サイズで取得されているとした。ステップS408で得られるRGB値の画素で構成される画像の一例を図10に示す。図10の画像1000のCMYK画像が図8のCMYK画像800である。図8の領域801,802,803,804はそれぞれ、図10の領域1001,1002,1003,1004に対応する。
ここで、処理を行う注目ノズル列が列1005であるとする。このとき、列1005において、ステップS603で特定した単色の領域801に対応する画像1000上の領域1001と重複する領域が領域1006である。
このとき、ステップS903では、作成部1606は、領域1006中の各画素について、該画素に対応するCMYK画像中の対応画素の画素値(使用インクの信号値)と、ステップS602で求めた対応する指向的反射率と、を関連付けて取得する。図11に、このとき取得された信号値と指向的反射率の関係をプロットした図を示す。図11の横軸は、CMYK画像における単一インクの信号値で、この場合はCの信号値である。一方、縦軸は各インクの推定された反射率のうち、信号値に対応する色の反射率で、この場合はCの波長に対する反射率である。図11(a)のプロット1101の1点が、領域1006中の1画素に対応する。
次いでステップS904では、作成部1606は、領域1006における各画素の信号値と指向性反射率に基づき、信号値に対する濃度特性を推定する。ここで言う濃度特性は、記録媒体上の濃度を表す特性で、本実施形態の場合は反射率で記述されている。図11(a)中の曲線1102は上記プロットした各点に基づいて算出した濃度特性を示す曲線である。
曲線1102は、たとえば、所定の次数の多項式関数において、プロット1101に対して最小二乗法により得られる多項式係数をあてはめて導くことができる。多項式ではなくべき乗の式(y=x^a形式、^はべき乗記号)でもよい。あるいは、一定の信号値(例えば16や32)ごとに区切った区間内のプロットを平均して反射率と信号値の代表値を区間ごとに得たうえで、それら区間ごとの代表値に対して補間演算を行うことで得ることも可能である。このとき、補間方法には、たとえば、区分線形補間やスプライン曲線などを用いることができる。
なお、この信号値と指向性反射率の関係は、横軸の信号値はCのまま、縦軸の指向性反射率をM波長(Mの波長)、Y波長(Yの波長)にしたものも同様に描くことができる。後の工程のため、M波長、Y波長に関する関係も取得しておく(不図示)。
次いでステップS905では、作成部1606は、濃度特性の目標となるターゲット濃度特性1608を取得する。ターゲット濃度特性1608は、CMYK信号値に対して画像形成部107が記録媒体上に出力すべき色濃度を、補正処理が行われる色空間(この場合は反射率)で記述したもので、あらかじめ定められて保持されている設計値である。図11(b)には、ステップS904で得られた濃度特性を示す曲線1102と共に、ターゲット濃度特性1608を曲線1103として示してある。両者の差は、画像形成部107が本来曲線1103のような濃度特性で画像を出力すべきところ、ノズルのピエゾ素子やヒータのエージング、温湿度などの周辺環境等により、曲線1102のようにずれて再現されていることを意味する。
ステップS906では、補正テーブル作成部1601は、ターゲット濃度特性1608を示す曲線1103と実際の濃度特性を示す曲線1102を参照し、曲線1102を曲線1103の特性に補正するための補正テーブル(図5)を作成する。補正テーブルを作成するためには、まず、図11(b)に示す如く、ある入力色信号値Inと、それに対する目標反射率ρ_tの組を曲線1103より算出する。次に、実際の曲線1102から目標反射率ρ_tに対応する出力色信号値outを取得する。つまり、設計値通りであれば入力色信号値Inに対して目標反射率ρ_tが実現されるところ、実際の曲線1102に従うと入力信号値Inに対して目標反射率ρ_tは実現されない。実際に目標反射率ρ_tを実現するのは信号値outであるので、入力色信号値Inを信号値outに補正すれば、設計値通りの目標反射率ρ_tが実現されることになる。このようにして、取得した入力色信号値Inと出力色信号値outとを対応付けて格納したテーブルを補正テーブルとして作成する。図5のテーブルは、入力色信号値In=0,16,…,240,255と、該入力色信号値について取得した出力色信号値out(補正値)と、を対応づけて格納したテーブルである。あるいは、入力色信号値0~255のすべての値について補正値を算出し、注目ノズルのテーブルとして保持してもよい。つまり、補正テーブルに登録する入力色信号値の間隔は特定の間隔に限らない。
上述の例では、図10の列1005に着目した場合の一次色推定処理について説明した。図10の他の列、例えば列1007の場合には、同じ処理を、Cに代わりMが単色領域である領域1002の列内重複域について行う。また、列1008のように複数の色について単色領域がある場合には、それぞれの色の単色領域について独立に同じ処理を行い、補正テーブルを作成する。
次に、ステップS902~S907のループが終了すると、処理はステップS908に進む。ステップS908~S913は、ステップS902~S907で求められた単一インク色の濃度特性に基づき、他の色の濃度特性、補正テーブルを作成する処理のループである。
ステップS908~S913の処理は、列1005内において、ステップS603で特定された使用インクを参照し、使用インクの種類が同じで、使用インク数が少ない領域から順に対象となる。
以下の説明では、列1005と領域1004との重複領域にインクCとインクMのみを用いた領域が存在していたとして、該領域を対象領域とし、該対象領域に対する処理の例を説明する。このとき使用インクはインクCとインクM、使用インク数は2である。
ステップS909では、作成部1606は上記のステップS903と同様、対象領域(インクCとインクMの使用領域)中の各画素について、該画素に対応するCMYK画像中の対応画素の画素値(使用インクの信号値)と、ステップS602で求めた対応する指向的反射率と、を関連付けて取得する。この場合には、各画素について、インクCの信号値、インクMの信号値、C波長(Cの波長)、M波長、Y波長の指向性反射率が取得される。
次に、ステップS910では、作成部1606は、既に濃度特性が求められている単色インク(ここではCインク)についてすでに上記のステップS902~S907の処理で求めた指向性反射率を取得する。
より詳しくは、ステップS904にてCインクに対する信号値と指向性反射率の関係が得られているので、この関係を参照する。すなわち、CインクとMインクの混合領域における各画素のインクCの信号値を用いて、各画素における、CインクのC波長、M波長、Y波長の指向性反射率を求める。こうして求められた各波長の指向性反射率はCインクのみの指向性反射率を意味している。
そしてステップS911では、作成部1601は、ステップS909で求められた各画素における指向性反射率から、ステップS910で求めたCインクの指向性反射率の影響を除く反射率補正処理を行う。具体的には、本実施形態では、画素におけるC波長、M波長、Y波長の指向性反射率を、それぞれCインクのみのC波長、M波長、Y波長の指向性反射率によって除算する(反射率補正処理)。このようにして得られた指向性反射率をここでは補正指向性反射率と呼ぶ。
反射率補正処理について説明する。本実施形態では、ある波長λにおける記録媒体上に形成された画像の反射率は、下記の如く、各インクの波長λにおける反射率の積で表されると考える。
形成画像の波長λにおける反射率
=Π(各インクの波長λにおける反射率)
=(Cインクの波長λにおける反射率)×(Mインクの波長λにおける反射率)
×(Yインクの波長λにおける反射率)×(Kインクの波長λにおける反射率)
・・・ (数式11)
上記例の対象領域では、C及びMのみのインクが使われているから、
形成画像の波長λにおける反射率
=(Cインクの波長λにおける反射率)×(Mインクの波長λにおける反射率)
・・・ (数式12)
従って、画像の指向性反射率をCの指向性反射率で除算することによって、残るMインクの指向性反射率を求めることができる。すなわち、上記例の補正指向性反射率は、Mインク単色の指向性反射率を推定していることになる。
ステップS912では、作成部1606は、補正指向性反射率を求めた新たな色(この例ではMインク)についての補正テーブルを作成する。つまり、ステップS905~S906と同様に、Mインクに関して信号値と補正指向性反射率をプロットし、Mインクのターゲット濃度特性との比較から、補正テーブルを作成すればよい。
以上によって、CインクとMインクの混合領域についての処理は終了である。この処理によって、Cインクの補正テーブルに加え、新たにMインクの補正テーブルを得たことになる。
以上、ステップS908~S913の処理を繰り返し、既知の1色から始めて順次補正テーブルを増やしていく。ここではCインクとMインクの混合領域の例について述べたが、同様に列1005にCインクとYインクの混合領域が存在したとすれば、上記処理のMインクに代えてYインクの補正テーブルを作成することができる。また、例えば注目列1005に、「Cインクのみの領域」「CインクとMインクの領域」「CインクとMインクとYインクの領域」が同時に存在した場合には、使用インク数の小さな領域から順に処理対象とし、該処理対象について補正テーブルを作成する。すなわち、初めにステップS901~S907で「Cインクのみの領域」を対象にCインクの補正テーブルを作成する。そしてステップS908~S913で、まず「CインクとMインクの領域」を対象にMインクの補正テーブルを作成し、次に「CインクとMインクとYインクの領域」を対象にYインクの補正テーブルを作成する、というように、処理する色を1色ずつ増やして新たな色の補正テーブルを作成する。補正テーブルを作成した色は濃度変動が既知となったので、新たな色を含む混合色領域の濃度変動は、既知の色の濃度変動を除く補正をして求めることができる。こうして順次新たな補正テーブルを作成する。
図6に戻り、ステップS605では、補正部1602は、上記のステップS604において作成された補正テーブルを用いて、CMYK画像に対してガンマ補正処理を行う。つまり、インク色Cの補正テーブルを用いてCMYK画像におけるCの画素値のガンマ補正を行い、インク色Mの補正テーブルを用いてCMYK画像におけるMの画素値のガンマ補正を行う。また、インク色Yの補正テーブルを用いてCMYK画像におけるYの画素値のガンマ補正を行い、インク色Kの補正テーブルを用いてCMYK画像におけるKの画素値のガンマ補正を行う。
こうして2度目以降の印刷では、ステップS405にてガンマ補正されたCMYK画像を対象にしてステップS406~S407の処理が行われるので、濃度が補正された状態で形成画像400を得ることができる。
このように、補正テーブルに基づき打ち込み量を表すCMYK画像を補正することによって、画像形成部107が再現する濃度特性を本来再現するべきターゲット濃度特性に近づけることができ、意図せぬ濃度変化を低減することができる。その際、本実施形態では、単一インクで形成される領域を参照してその色の濃度特性、補正テーブルを作成したので、複数インクの相互干渉の影響を受けることなく、より精度の良い補正テーブルを作成することができる。さらにその他の色の補正テーブルを作成する際にも単色インクで形成される領域を参照して得られた濃度特性を参照し、少ない色数の領域から順次補正テーブルを作成したので、この点でも複数インクの干渉の影響を抑えて補正テーブルを作成できる。これにより本実施形態によれば、濃度変動補正処理の精度を高めることができる。
<第1の実施形態の変形例>
第1の実施形態では、補正によって再現すべき濃度特性として、ターゲット濃度特性1608を定めていた。しかし、規定されたターゲット濃度特性に代えて、いずれかのノズルあるいはモジュール(ヘッドモジュール、チップモジュール)の濃度特性をターゲット濃度特性1608としてもよい。例えば、図2(b)に示す構成において、もっとも中央に位置するヘッドモジュール201bやその中央のノズルに対応する濃度特性をターゲット濃度特性1608として用いてもよい。もしくは、全ノズル(モジュール)あるいは一部ノズル(モジュール)に対応する濃度特性の平均値をターゲット濃度特性1608とすることも可能である。このようにした場合には、信号値に対する濃度特性が所望のものになる再現性は保証されなくなるものの、一部のノズルまたはモジュールのみ記録濃度が異なってスジ状ノイズとして見える画質不良の補正には効果がある。
また、第1の実施形態では、補正を行う色空間として、行列を乗じて各波長における指向性を高めた指向性反射率を用いた。しかし、指向性反射率を用いることは必須ではない。本実施形態では、単色インク領域から順次使用された各インクの少ない領域を参照して濃度特性を求めていくので、これにより複数インク間の干渉の影響は抑制される。従って、例えば、(数式8)において反射率1を各々の波長における実測の反射率に置き換え、(指向性を高めない)推定反射率としてもよい。また、もし画像取得部108がRGBセンサによってRGB画像を取得するものではなく、分光センサによって各インクの波長における反射率を取得できる構成を有する場合は、該計測した反射率測を直接用いてもよい。
また、第1の実施形態では、上述のとおり、補正を行う色空間は反射率に限らず、光学濃度、輝度、明度等でもよい。計算処理を省く観点からは、RGBセンサ出力値を用いることも可能である。この場合の考え方の概要を記す。インクが用いられない領域では、紙白であってRGBセンサ値が(255、255、255)と取得されるとする。Cインクが打ち込み量100%で用いられる領域では、シアン色であってRGBセンサ値が(0、255、255)と取得されるとする。この場合、CインクはR値に最も大きな影響を与えると考えられ、R値を上記のC波長の反射率に準えて用いることができる。これはMインク、Yインクについても同様である。これらの関係から、記録媒体上の再現濃度に関する特性を導き、補正する。混合色からの単色濃度特性において既知の他色の影響を取り除く場合には、白色のセンサ値からの減分を、減算によって取り除く。このような変形例では、第1の実施形態と比較し、反射率への変換処理を省けるメリットと、センサ出力値は各インク色の影響が線形に積み重なるわけではないので、精度は劣化すると考えられるデメリットが考えられる。
また、第1の実施形態では、説明の便宜上、2度目以降の印刷では毎回補正テーブルの作成を実施することになっていたが、必ずしも毎回補正テーブルの作成を行う必要はなく、時間や出力枚数などに基づく間隔で行ってもよい。間隔は一定であっても良いし、一定でなくても良い。ただし、新たな画像が処理される場合に、処理単位(ノズル、チップモジュール、ヘッドモジュール)に対して新たな単色領域が存在すれば、その時には上記間隔は考慮せずに補正テーブルを作成し、該補正テーブルを用いた補正処理を行うことが好ましい。混色領域よりも単色領域からの方が濃度特性を導く精度が高いので、単色領域が検出され次第、単色領域から作成されていない補正テーブルを単色領域から作成した補正テーブルへ差し替える。なお同一画像で新たに補正テーブルを作成しない場合には、入力画像からハーフトーン画像までのデータは変わらないので、上記説明の通りに補正処理(補正テーブルの適用)やHT処理を都度行わず、同じハーフトーン画像に基づき画像形成を行えばよい。
また、第1の実施形態では、補正単位となるモジュールおよびノズルに対して共通のターゲット濃度特性1608を設定するとして説明した。しかしながら、モジュール毎、ノズル毎に異なるターゲット濃度特性1608を設定することも可能である。
また、第1の実施形態では、補正部402は、入力されたCMYK画像に対して補正処理を行うものとして説明した。しかし、HT処理部1603にて用いる閾値マトリクスに対して同様の補正処理を行うことによっても同様の効果を得ることができる。
[第2の実施形態]
図1の画像形成部107および画像取得部108はI/F部109に接続しても良い。この場合、画像形成システム(画像処理装置)は、CPU100、RAM101、ROM102、操作部103、表示部104、外部記憶装置105、画像処理部106、I/F部109を有する装置である。このような画像形成システム(画像処理装置)には、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末装置、などのコンピュータ装置が適用可能である。
このような画像形成システム(画像処理装置)では、印刷する画像をI/F部109を介して画像形成部107に供給する。また、このような画像形成システム(画像処理装置)では、画像取得部108が記録媒体から読み取った画像をI/F部109を介して取得する。
上記の各実施形態や変形例で使用した数値、処理タイミング、処理順、処理の主体、データ(情報)の構造/送信先/送信元/格納場所などは、具体的な説明を行うために一例として挙げたもので、このような一例に限定することを意図したものではない。
また、以上説明した各実施形態や各変形例の一部若しくは全部を適宜組み合わせて使用しても構わない。また、以上説明した各実施形態や各変形例の一部若しくは全部を選択的に使用しても構わない。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:CPU 101:RAM 102:ROM 103:操作部 104:表示部 105:外部記憶装置 106:画像処理部 107:画像形成部 108:画像取得部 109:I/F部 110:バス

Claims (11)

  1. 複数色の記録材を用いた画像形成における濃度変化を低減させるための補正情報を作成する作成手段を備え、
    前記作成手段は、
    複数色の記録材を用いて形成した画像を読み取ることで得られる読み取り画像において、用いた記録材がより少ない領域から順に、該領域に用いた記録材のうち未だ補正情報を作成していない記録材に対応する補正情報を作成する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記作成手段は、前記読み取り画像において単一の記録材を用いて形成した領域について、該単一の記録材に対応する補正情報を作成し、該作成の後、該読み取り画像において複数色の記録材を用いて形成した領域のうち用いた記録材がより少ない領域から順に、該領域に用いた記録材のうち未だ補正情報を作成していない記録材に対応する補正情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記作成手段は、前記読み取り画像において新たな単一の記録材を用いて形成した領域があれば、該新たな単一の記録材に対応する補正情報を作成する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 更に、
    前記複数色の記録材を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記画像形成手段は、インクジェット方式による画像形成を行い、
    前記作成手段は、前記画像形成手段が記録材を吐出するノズルまたはチップモジュールまたはヘッドモジュールごとに補正テーブルを作成することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記作成手段は、前記ノズルもしくは前記チップモジュールもしくは前記ヘッドモジュールの濃度特性をターゲット濃度特性とし、記録材の信号値に基づく濃度特性を該ターゲット濃度特性に補正する補正情報を作成することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記作成手段は、記録材の信号値に基づく濃度特性を、予め保持しているターゲット濃度特性に補正する補正情報を作成することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の画像処理装置。
  8. 更に、
    前記複数色の記録材を用いて形成した画像を読み取る読み取り手段を備えることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の画像処理装置。
  9. 更に、
    前記画像形成の色再現域に対応した画像を前記補正情報を用いて補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載の画像処理装置。
  10. 画像処理装置が行う画像処理方法であって、
    前記画像処理装置の作成手段が、複数色の記録材を用いた画像形成における濃度変化を低減させるための補正情報を作成する作成工程を備え、
    前記作成工程では、
    複数色の記録材を用いて形成した画像を読み取ることで得られる読み取り画像において、用いた記録材がより少ない領域から順に、該領域に用いた記録材のうち未だ補正情報を作成していない記録材に対応する補正情報を作成する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  11. コンピュータを、請求項1ないし9の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
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