JP2023040706A - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023040706000001
【課題】SiC基板の裏面の金属膜に対するレーザアニールによってオーミック電極として金属シリサイド膜を形成するときのレーザ光のエネルギ密度を小さくすることが可能な製造方法を提供する。
【解決手段】SiC基板1の裏面1bに金属膜を形成する前に、SiC基板1の裏面1bに対して、希ガスを用いたイオン注入を行って、アモルファス層22を形成する。その後、SiC基板1の裏面1bに金属膜を形成し、金属膜に対するレーザアニールによって金属シリサイド膜を形成する。アモルファスの状態の方が、結晶の状態と比べて、シリサイド反応がしやすくなる。このため、シリサイド反応に必要なエネルギを低減することができ、シリサイド反応のために照射するレーザ光のエネルギ密度を小さくすることができる
【選択図】図5

Description

本発明は、炭化珪素(以下「SiC」という)半導体装置の製造方法に関する。
特許文献1には、SiC基板の主表面側に素子構造を形成した後、SiC基板の裏面側にイオン注入によって不純物領域を形成し、金属膜を含むレーザ吸収膜をSiC基板の裏面に形成し、レーザ吸収膜をレーザ光の照射によって加熱することが記載されている。SiC半導体装置がMOSFETである場合、イオン注入では、SiC基板の導電型と同じ導電型の不純物がイオン注入種として用いられる。SiC半導体装置がバイポーラトランジスタである場合、イオン注入では、SiC基板の導電型と異なる導電型の不純物がイオン注入種として用いられる。また、レーザ光の照射による加熱は、レーザアニールと呼ばれる。レーザアニールでは、SiC半導体装置がMOSFET、バイポーラトランジスタのどちらの場合でも、不純物領域の活性化のために、レーザ吸収膜が1600℃以上に加熱される。
特開2014-146757号公報
ところで、SiC基板の裏面にSiCとオーミック接触をなすオーミック電極を備える半導体装置の製造方法において、オーミック電極の形成を、SiC基板の裏面の金属膜に対するレーザアニールによる金属シリサイドの形成によって行うことが知られている。金属シリサイドは、SiCに対してコンタクト抵抗が低いというオーミック性を有する。このため、オーミック電極として、金属シリサイドで構成された金属シリサイド膜が、SiC基板の裏面に形成される。
金属シリサイド膜は、金属膜の金属元素とSiCのSi元素との反応であるシリサイド反応によって形成される。シリサイド反応を生じさせるために必要な金属膜に与えるエネルギは、特許文献1に記載の不純物領域の活性化の場合よりも小さいが、シリサイド反応を進めるためには、照射するレーザ光のエネルギ密度をある程度大きくすることが必要である。
しかし、照射するレーザ光のエネルギ密度が大きいことは、製造コストの増大につながるため、好ましくない。
本発明は、上記の点に鑑み、SiC基板の裏面にオーミック電極を備えるSiC半導体装置の製造方法であって、SiC基板の裏面の金属膜に対するレーザアニールによってオーミック電極として金属シリサイド膜を形成するときのレーザ光のエネルギ密度を小さくすることが可能な製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
主表面(1a)および主表面の反対側の裏面(1b)を有する炭化珪素基板(1)の主表面側にMOSFETの一部を構成する表面側構造部(2、10)が形成され、炭化珪素基板の裏面にMOSFETの他の一部を構成するオーミック電極が形成された炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
炭化珪素基板の主表面側に、表面側構造部を形成することと、
炭化珪素基板の裏面側の一部を除去し、炭化珪素基板を薄板化することと、
薄板化した後の炭化珪素基板の裏面に対して、注入イオン種として希ガスを用いたイオン注入を行って、炭化珪素基板の裏面を含む裏面側の領域にアモルファス層(22)を形成することと、
シリサイド反応が可能な金属元素を含む金属膜(23)を裏面に形成することと、
炭化珪素基板の裏面側からのレーザ光の照射によって金属膜を加熱して、アモルファス層に含まれるSi元素と金属膜に含まれる金属元素とを反応させて、オーミック電極として金属シリサイドで構成された金属シリサイド膜(12)を形成することと、を含む。
これによれば、SiC基板の裏面に金属膜を形成する前に、SiC基板の裏面側の領域にアモルファス層を形成する。アモルファスの状態の方が、結晶の状態と比べて、シリサイド反応がしやすくなる。このため、シリサイド反応に必要なエネルギを低減することができ、シリサイド反応のために照射するレーザ光のエネルギ密度を小さくすることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
実施形態に係るSiC半導体装置を示す断面図である。 図1に示すSiC半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図2に続くSiC半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図3に続くSiC半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図4に続くSiC半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図5に続くSiC半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図6に続くSiC半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図7に続くSiC半導体装置の製造工程を示す断面図である。 イオン注入ありとイオン注入なしの場合における表面粗さとレーザ光のエネルギ密度との関係を示す図である。
(実施形態)
実施形態に係るSiC半導体装置の製造方法について説明する前に、SiC半導体装置について、図1を参照して説明する。以下では、例えばインバータに適用すると好適であるプレーナ型の縦型パワーMOSFETを備えるSiC半導体装置を代表例として説明する。
〔SiC半導体装置〕
縦型パワーMOSFETを備えるSiC半導体装置は、図1に示すように、SiC基板として、n型SiC基板1を用いて形成されている。n型SiC基板1は、SiCの単結晶で構成されており、主表面1aおよび主表面1aの反対側の裏面1bを有する半導体基板である。n型SiC基板1としては、不純物濃度が1×1018cm-3以上のものが用いられる。
型SiC基板1の主表面1a上には、n型SiC基板1よりも低いドーパント濃度を有するSiCにて構成されたn型エピタキシャル層(以下、n型エピ層という)2が積層されている。
型エピ層2の表層部における所定領域には、所定深さを有するp型ベース領域3a、3bが互いに離れて形成されている。このp型ベース領域3a、3bは、一部厚さが厚くなったディープベース層30a、30bを備える。ディープベース層30a、30bは、後述するn型ソース領域4a、4bとは重ならない部分に形成されている。p型ベース領域3a、3bのうちディープベース層30a、30bが形成された厚みの厚くなった部分は、ディープベース層30a、30bが形成されていない厚みの薄い部分よりも不純物濃度が濃くなっている。このようなディープベース層30a、30bを形成することによって、n型SiC基板1とディープベース層30a、30bとの間の電界強度を高くすることができ、この位置でアバランシェ・ブレークダウンをさせ易くすることができる。
型ベース領域3aの表層部における所定領域には、当該p型ベース領域3aよりも浅いn型ソース領域4aが形成されている。また、p型ベース領域3bの表層部における所定領域には、当該p型ベース領域3bよりも浅いn型ソース領域4bが形成されている。
また、p型ベース領域3a、3b、n型ソース領域4a、4bの表面部には凹部6a、6bが形成されており、凹部6a、6bの底部ではp型不純物濃度が濃いディープベース層30a、30bが露出している。
さらに、n型エピ層2とn型ソース領域4aおよびn型ソース領域4bとの間におけるp型ベース領域3a、3bの表面部をチャネル領域として、少なくともこのチャネル領域上には、シリコン酸化膜などで構成されるゲート絶縁膜7が形成されている。ゲート絶縁膜7は、チャネル領域を含めてn型エピ層2およびn型ソース領域4a、4bの上面に形成されている。また、ゲート絶縁膜7の上にはゲート電極8が形成されており、ゲート電極8はシリコン酸化膜などで構成される絶縁膜9により覆われている。
そして、n型SiC基板1の主表面1a側において、絶縁膜9の上を覆うようにソース電極10が形成され、n型ソース領域4a、4bおよびp型ベース領域3a、3bに接続されている。
また、n型SiC基板1の裏面1bにドレイン電極11が形成されている。ドレイン電極11は、NiSi膜12と、MoC膜13と、実装用金属膜14とが積層された構造を有する。
NiSi膜12は、金属シリサイドであるNiSi(ニッケルシリサイド)で構成された金属シリサイド膜である。NiSi膜12は、n型SiC基板1の裏面1bに接している。NiSi膜12は、n型SiC基板1の裏面1bに対してオーミック接触を形成するオーミック電極である。すなわち、NiSi膜12は、n型SiC基板1の裏面1bに対するコンタクト抵抗が低いオーミック性を有する。NiSi膜12に、不純物が含まれてもよい。
MoC膜13は、金属カーバイドであるMoC(モリブデンカーバイド)で構成された金属カーバイド膜である。MoC膜13は、NiSi膜12のn型SiC基板1から離れた側に接している。
実装用金属膜14は、MoC膜13のn型SiC基板1から離れた側に接している。この実装用金属膜14を介して、図示しない金属板もしくは回路基板との電気的接続が行われる。実装用金属膜14は、はんだ付け等の接合に適した材料で構成される。例えば、実装用金属膜14は、バリアメタルとなるTiで構成された膜と、はんだ付け時の共晶材料Niで構成された膜と、酸化保護剤となるAuで構成された膜とが順に積層された構造を有する。
ドレイン電極11は、NiSi膜12、MoC膜13および実装用金属膜14に加えて、他の膜を含んでいてもよい。また、ドレイン電極11は、MoC膜13を含んでいなくてもよい。このように、ドレイン電極11は、少なくともNiSi膜12を含んで構成されていればよい。
なお、ドレイン電極11は、NiSi膜12に替えて、NiSi以外の金属シリサイドで構成された金属シリサイド膜を含んで構成されてもよい。NiSi以外の金属シリサイドとしては、MoSi(モリブデンシリサイド)、TiSi(チタンシリサイド)等が挙げられる。また、ドレイン電極11は、MoC膜13に替えて、MoC以外の金属カーバイドで構成された金属カーバイド膜を含んで構成されてもよい。
以上が、SiC半導体装置の基本的な構成である。このように、SiC半導体装置は、n型SiC基板1の主表面1a側に縦型MOSFETの一部を構成する表面側構造部が形成されている。表面側構造部は、n型エピ層2、p型ベース領域3a、3b、n型ソース領域4a、4b等の半導体部と、ゲート絶縁膜7等の酸化膜と、ゲート電極8およびソース電極10の電極部とを含む。n型SiC基板1の裏面1bに縦型MOSFETの他の一部を構成するオーミック電極としてのNiSi膜12形成されている。
〔製造方法〕
次に、図1の縦型パワーMOSFETを備えるSiC半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図2に示すように、ウェハ状態のn型SiC基板1の主表面1a側に、表面側構造部を形成することが行われる。図2には、表面側構造部の代表として、n型エピ層2と、チップ化される前の複数のSiC半導体装置が備えるソース電極10とが、簡略化されて示されている。この工程では、厚みが350μmであるn型SiC基板1が用意される。n型SiC基板1の主表面1aに、n型エピ層2をエピタキシャル成長させた後、イオン注入によって、図1に示されるp型ベース領域3a、3b、ディープベース層30a、30b、n型ソース領域4a、4bが形成される。さらに、ゲート絶縁膜7、ゲート電極8、絶縁膜9、およびソース電極10が形成される。
続いて、図3、4に示すように、n型SiC基板1の裏面1b側の一部を除去し、n型SiC基板1を薄板化することが行われる。この工程では、図3に示すように、支持板21に、n型SiC基板1の主表面1a側が固定される。その後、図4に示すように、研削、研磨等によって、n型SiC基板1の裏面1b側の一部が除去される。これによって、n型SiC基板1の厚さが、50μm以上、250μm以下とされる。特性を良くするために、このように薄くされる。
続いて、図5に示すように、薄板化した後のn型SiC基板1の裏面1bに対して、イオン注入を行って、n型SiC基板1の裏面1bを含む裏面1b側の領域にアモルファス層22を形成することが行われる。アモルファス層22は、結晶構造を持たない層である。アモルファスは、非晶質とも呼ばれる。イオン注入によって、結晶構造が崩れることで、n型SiC基板1の裏面1b側の領域に、アモルファス層22が形成される。
アモルファス層22が形成されていることは、断面TEM画像、薄膜XRD測定等によって確認可能である。イオン注入された領域の断面TEM画像が、イオン注入される前のその領域の断面TEM画像に対して変化していることで、アモルファス層が形成されたことがわかる。
イオン注入では、注入イオン種として、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)などの希ガスが用いられる。希ガスは、不活性の元素である。希ガスが用いられるのは、p型またはn型の不純物領域の形成が目的ではなく、アモルファス層22の形成が目的だからである。注入イオン種として、希ガスのうちArが用いられることが好ましい。
イオン注入では、n型SiC基板1の裏面1b側の領域へのダメージを小さく抑えるために、注入温度を、10℃以上、50℃以下とすることが好ましい。注入温度とは、n型SiC基板1の温度である。また、n型SiC基板1の裏面1b側の領域のアモルファス化のために、イオン注入の注入濃度を、1×1015cm-3以上、1×1019cm-3以下とすることが好ましい。
また、イオン注入の注入深さを、50nm以上、500nm以下とすることが好ましい。このような注入深さとすることで、後述する金属シリサイド膜を形成するときのシリサイド反応でアモルファス層22を消滅させることができる。製造後のSiC半導体装置に、アモルファス層22が残っていると、SiC半導体装置の抗折強度が低下し、アモルファス層22を起点とする割れが生じる恐れがある。製造後のSiC半導体装置に、アモルファス層22を残さないことで、抗折強度の低下を回避することができる。
続いて、図6に示すように、金属膜23をn型SiC基板1の裏面1bに形成することが行われる。金属膜23は、スパッタ法などの物理的気相成長法によって成膜される。金属膜23は、他の方法によって成膜されてもよい。
金属膜23は、Moで構成されたMo膜24と、Niで構成されたNi膜25とが、この記載順に、n型SiC基板1側から積層された構造である。Moは、C(炭素)と反応して金属カーバイドの形成が可能な金属元素である。Niは、シリサイド反応が可能な金属元素である。Ni膜25の厚さは、シリサイド反応に必要な厚さであればよく、例えば、50nm以上、250nm以下であることが好ましい。このように、金属膜23は、シリサイド反応が可能な金属元素を含む。
なお、金属膜23は、Ni膜25のみで構成されていてもよい。また、金属膜23は、Ni以外のシリサイド反応が可能な金属元素で構成された膜を含んで構成されていてもよい。金属膜23は、1つの膜のみで構成されたり、複数の膜の積層構造とされたりしてもよい。どちらの場合でも、金属膜23は、Ni以外のシリサイド反応が可能な金属元素で構成された膜を含んでいればよい。1つの膜または複数の膜のうちの1つの膜に、シリサイド反応が可能な金属元素が複数含まれていてもよい。Ni以外のシリサイド反応が可能な金属元素としては、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)等が挙げられる。
続いて、図7に示すように、金属膜23に対してレーザアニールが行われる。すなわち、n型SiC基板1の裏面1b側からのレーザ光の照射によって金属膜23を加熱して、アモルファス層22に含まれるSi元素と金属膜23に含まれる金属元素とを反応させて、金属シリサイドで構成された金属シリサイド膜を形成することが行われる。レーザアニールによって、n型SiC基板1の裏面1b側への局所加熱を行うことで、表面側構造部が高温で加熱されることを回避することができる。
この工程では、例えば、LD励起固体レーザなどの固体レーザを用いて、スキャニングしながらX-Y平面上において金属膜23が形成されたn型SiC基板1を走査し、レーザ光をn型SiC基板1の裏面1b側に照射する。例えば、スポット径が75μm、スポット照射時のオーバーラップ率、つまり、レーザ光を走査したときに連続するスポットの径に対する重複長さの割合が50~70%となるようにする。このとき、XY方向それぞれの走査方向でオーバーラップ率が同じであってもよいし、X方向では50%、Y方向では50%~70%という具合に異なっていてもよい。
また、この工程では、照射するレーザ光のエネルギ密度を、1.0J/cm以上、2.0J/cm未満とする。このような大きさとすることで、アモルファス層22の全部をシリサイド反応させて、アモルファス層22を無くすことができる。また、レーザ光が照射される金属膜23の表面温度は、1200℃よりも低い温度とされる。金属膜23の表面温度は、1100℃以下とされることが好ましい。
レーザアニールが行われることで、まず、Mo膜24のMoとアモルファス層22のCとの反応によってMoCが形成される。さらに、Ni膜25のNiとアモルファス層22のSiとの反応によってNiSiが形成される。これにより、図8に示すように、n型SiC基板1の裏面1bに接して、NiSiで構成されたNiSi膜12が形成される。MoCで構成されたMoC膜13は、NiSi膜12よりもn型SiC基板1から離れた側に形成される。
金属膜23がNi以外のシリサイド反応が可能な金属元素で構成された膜を含んでいる場合においても、レーザアニールが行われることで、金属シリサイド膜が形成される。なお、金属膜23に含まれるシリサイド反応が可能な金属元素の全部がシリサイド反応せず、それらの一部の元素で構成される金属層が残っていてもよい。
その後、図示しないが、実装用金属膜14を形成することが行われる。これらにより、ドレイン電極11が形成される。さらに、ドレイン電極11側にダイシングテープを貼り付けて支持板から剥離した後、ダイシングを行ってチップ単位に分割することで、SiC半導体装置が完成する。
以上が、縦型パワーMOSFETを備えるSiC半導体装置の製造方法である。
上記したSiC半導体装置の製造方法によれば、n型SiC基板1の裏面1bに金属膜23を形成する前に、n型SiC基板1の裏面1b側の領域にアモルファス層22を形成する。アモルファスの状態の方が、結晶構造の状態と比べて、シリサイド反応がしやすくなる。このため、シリサイド反応に必要なエネルギを低減することができ、シリサイド反応のために照射するレーザ光のエネルギ密度を小さくすることができる。
シリサイド反応のために必要なレーザ光のエネルギ密度が小さいので、レーザ光を照射する装置の構造を簡素化することができ、製造コストを低減することができる。また、シリサイド反応のために必要なレーザ光のエネルギ密度が小さいことで、レーザ光の照射範囲を広げることができ、これによるスループットの向上によっても、製造コストを低減することができる。
ここで、本実施形態と異なり、アモルファス層22を形成しないで、レーザ光の照射によって金属膜23を加熱して、NiSi膜12を形成する場合、NiSi膜12の形成に必要なレーザ光のエネルギ密度は、2.0J/cm以上3.0J/cm以下であった。これに対して、本実施形態によれば、照射するレーザ光のエネルギ密度を、これよりも小さな1.0J/cm以上2.0J/cm未満とすることができる。
本発明者は、実施例として、本実施形態と同様に、SiC基板の裏面に対してイオン注入した後に、SiC基板の裏面に金属膜を形成し、金属膜に対して、レーザ光のエネルギ密度を変えてレーザアニールを行って、イオン注入ありの複数の試験体を得た。このとき、レーザアニールでのスポット照射時のオーバーラップ率を一定とした。そして、イオン注入ありの複数の試験体の表面粗さを計測した。
また、本発明者は、比較例として、SiC基板の裏面に対してイオン注入を行わずに、SiC基板の裏面に金属膜を形成し、金属膜に対して、レーザ光のエネルギ密度およびオーバーラップ率を変えてレーザアニールを行って、イオン注入無しの複数の試験体を得た。このとき、オーバーラップ率を、イオン注入ありのときのオーバーラップ率の前後の大きさとした。そして、イオン注入無しの複数の試験体の表面粗さを計測した。
それらの結果、図9に示すように、同じ表面粗さのときのエネルギ密度を比較すると、イオン注入ありの方がイオン注入無しと比較して小さい。ここで、シリサイド反応の進み具合と表面粗さとの間には一定の関係がある。シリサイド反応が進むほど、表面粗さが大きくなる。このため、表面粗さが同じであれば、シリサイド反応の進み具合が同じであることが言える。これらのことから、イオン注入することで、イオン注入しない場合と比較して、シリサイド反応の進み具合が同じ状態を得るのに必要なエネルギ密度を小さくできることが確認された。
また、本発明者は、イオン注入ありの複数の試験体のうち表面粗さが所定値以上の試験体について、TEM-EDXを用いて、SiCの界面付近の元素マッピングを行った。その結果から、コンタクト抵抗が低い特定の組成のNiSi化合物が、SiCの界面を含む領域に生成していることが確認された。このことからも、レーザ光のエネルギ密度を下げても、シリサイド反応が十分に行われていることが確認された。
(他の実施形態)
(1)上記した実施形態の縦型パワーMOSFETを備えるSiC半導体装置の製造方法において、各構成要素の導電型が逆の導電型であってもよい。
(2)上記した実施形態では、プレーナ型の縦型パワーMOSFETを備えるSiC半導体装置の製造方法について説明した。しかし、他のMOSFETを備えるSiC半導体装置の製造方法に対しても、本発明の適用が可能である。他のMOSFETとしては、例えば、トレンチゲート型の縦型パワーMOSFETが挙げられる。
(3)本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能であり、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記した実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
1 SiC基板
1a 主表面
1b 裏面
12 NiSi膜
22 アモルファス層
23 金属膜

Claims (7)

  1. 主表面(1a)および前記主表面の反対側の裏面(1b)を有する炭化珪素基板(1)の前記主表面側にMOSFETの一部を構成する表面側構造部(2、10)が形成され、前記炭化珪素基板の前記裏面に前記MOSFETの他の一部を構成するオーミック電極が形成された炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
    前記炭化珪素基板の前記主表面側に、前記表面側構造部を形成することと、
    前記炭化珪素基板の前記裏面側の一部を除去し、前記炭化珪素基板を薄板化することと、
    前記薄板化した後の前記炭化珪素基板の前記裏面に対して、注入イオン種として希ガスを用いたイオン注入を行って、前記炭化珪素基板の前記裏面を含む前記裏面側の領域にアモルファス層(22)を形成することと、
    シリサイド反応が可能な金属元素を含む金属膜(23)を前記裏面に形成することと、
    前記炭化珪素基板の前記裏面側からのレーザ光の照射によって前記金属膜を加熱して、前記アモルファス層に含まれるSi元素と前記金属膜に含まれる前記金属元素とを反応させて、前記オーミック電極として金属シリサイドで構成された金属シリサイド膜(12)を形成することと、を含む、炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記炭化珪素基板を薄板化することにおいては、前記炭化珪素基板の厚さを50μm以上、250μm以下とする、請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記金属膜を形成することにおいては、前記金属膜として、Moで構成されたMo膜(24)とNiで構成されたNi膜(25)とが、この記載順に前記炭化珪素基板側から積層された金属膜を形成する、請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記アモルファス層を形成することにおいては、前記イオン注入の注入温度を10℃以上、50℃以下とする、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 前記アモルファス層を形成することにおいては、前記イオン注入の注入濃度を1×1015cm-3以上、1×1019cm-3以下とする、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 前記アモルファス層を形成することにおいては、前記イオン注入の注入深さを50nm以上、500nm以下とする、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 前記金属シリサイド膜を形成することにおいては、照射するレーザ光のエネルギ密度を1.0J/cm以上2.0J/cm未満とする、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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