JP2023040299A - 露出型柱脚構造及び建物 - Google Patents
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Abstract
Description
介して基礎コンクリートに固着する露出型柱脚構造が実用化されており、このような露出
型柱脚構造が、戸建住宅等の小規模鉄骨造建築物に多く用いられている。
径寸法をできるだけ小さくすることが求められている。このため、現在においては、下方
になるに従って径が小さくなるように構成されたテーパーコラムを使用したり、平板状ダ
イアフラムを介して小径円筒状の柱を使用したりして、柱脚近傍の鉄骨柱の径を小さくす
ることにより、基礎柱型コンクリートの外径寸法を小さく抑える技術が提案されている(
例えば、特許文献1参照)。
安定なものとなり易い。また、大径の鉄骨柱本体の下端に小径円筒状の柱を接続するため
の平板状ダイアフラムは複雑な設計が必要であり、このような複雑な設計を省略するため
には、比較的重量の大きい肉厚のダイアフラムを採用して崩壊を防ぐ必要があることから
、露出型柱脚構造の製作や設計に大きな労力や費用を要するという問題があった。
礎柱型の外径寸法を小さく抑えることができる露出型柱脚構造を提供することを目的とす
る。
いて、建物の鋼管鉄骨柱の下端部に固定されたベースプレートを基礎コンクリートに固定
することにより、鋼管鉄骨柱を立設するものであって、鋼管鉄骨柱は、所定の外径を有す
る大径部と、大径部よりも小さい外径を有するとともに所定の長さを有し大径部よりも鉛
直方向下方に配置される小径部と、大径部と小径部とを接続するダイアフラムと、を有し
、ダイアフラムは、テーパ状内周面と、を有するものである。
ベースプレートの細径化を行うことができ、ひいては基礎コンクリートの外径寸法を小さ
く抑えることが可能となる。従って、露出型柱脚構造の設置に要するスペースを節減する
ことができるため、敷地を有効活用することができる。また、均一断面の小径部の長さを
確保し、変形を抑制し応力伝達に優れたテーパ状内周面を有するダイアフラムを介して鋼
管鉄骨柱の大径部と小径部とを接続しているため、小径部での塑性変形能力(エネルギ吸
収能力)を向上させることができる。
ができる。管状ダイアフラムは、大径部の内径に対応する内径を有する大径開口部と、小
径部の内径に対応する内径を有する小径開口部と、を有し、テーパ状内周面が大径開口部
と小径開口部とを連接することができる。
の連接を容易にすることができる。
(かつ例えば1.2倍以下)に設定することができる。
8倍以上)に設定しているため、柱下部での塑性変形能力を格段に向上させることができ
る。
同一に設定することができる。
ができるので、外壁内面や室内仕上げへの干渉を防ぐことができる。
一に設定することができる。
に対して、大径部と小径部とが同等の耐力を有することができる。
の下端部に固定されたベースプレートを基礎コンクリートに固定する露出型柱脚構造で立
設された鋼管鉄骨柱を複数備えるものであって、鋼管鉄骨柱は、所定の外径を有する大径
部と、大径部よりも小さい外径を有するとともに所定の長さを有し大径部よりも鉛直方向
下方に配置される小径部と、大径部と小径部とを接続するダイアフラムと、を有し、全て
の前記鋼管鉄骨柱における小径部の長さが、同一の値に設定されているものである。
プレートの上面からダイアフラムの下端までの距離)を同一の値に設定しているため、構
造計算時の断面変化位置設定が容易となる。また、小径部の部材長が揃うことで、部材の
調達・加工に要する労力を低減させることができる。
の下端部に固定されたベースプレートを基礎コンクリートに固定する露出型柱脚構造で立
設された鋼管鉄骨柱を複数備えるものであって、鋼管鉄骨柱は、所定の外径を有する大径
部と、大径部よりも小さい外径を有するとともに所定の長さを有し大径部よりも鉛直方向
下方に配置される小径部と、大径部と小径部とを接続するダイアフラムと、を有し、鋼管
鉄骨柱における小径部の長さが、階高の0.2~0.5倍の範囲に設定されているもので
ある。
0.5倍の高さに反曲点(柱の曲げの向きが変わる点)があり、この反曲点の近傍は柱を
曲げる力の作用が小さいことが知られている。従って、かかる反曲点が存在する範囲にダ
イアフラムを配置するように、小径部の長さを階高の0.2~0.5倍の範囲に設定する
ことにより、ダイアフラムの鉛直方向長さを短くすることができる。
とができる露出型柱脚構造を提供することが可能となる。
、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定するものではな
い。従って、本発明はその要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
て説明する。
ーボルトBを用いて、建物の鋼管鉄骨柱10の下端部に固定されたベースプレートPを基
礎コンクリートCに固定することにより、鋼管鉄骨柱10を立設するものである。
の各隅部のみに一本ずつ(計4本)配置される。各アンカーボルトBは、基礎コンクリー
トC内に埋設される第一の部分B1と、基礎コンクリートC内に埋設されない第二の部分
B2と、を有している。アンカーボルトBの第二の部分B2を、第一の部分B1よりも小径
とすると、第二の部分B2に応力を集中させることができ、第二の部分B2で引張変形やせ
ん断変形を集中的に発生させることができる。なお、アンカーボルトBの本数は4本に限
られるものではなく、基礎コンクリートCのサイズ等に対応させてその本数を適宜設定す
ることができる。
材であり、建築物の鋼管鉄骨柱10の下端部に一体的に設けられている。本実施形態にお
けるベースプレートPは平面視矩形状を呈しており、その各隅部には、アンカーボルトB
を挿通させる図示されていない挿通孔が設けられている。ベースプレートPの挿通孔と、
挿通孔に挿通されるアンカーボルトBと、の間に形成される空間には、グラウトが充填さ
れている。
た領域よりも外側の領域には、鉛直方向に延在する鉛直鉄筋が所定間隔で複数配置されて
いる。また、鉛直鉄筋の周囲には、鉛直鉄筋の外側を囲うように水平方向に延在する水平
鉄筋が配置されている。鉛直鉄筋は、基礎コンクリートCのコーン状破壊の発生を抑制す
るように機能する一方、水平鉄筋は、鉛直鉄筋を拘束して定着耐力を高めるように機能す
る。鉛直鉄筋及び水平鉄筋の本数は、所定の条件を満たすように適宜設定することができ
る。
11よりも小さい外径D2を有するとともに所定の長さL2を有し大径部11よりも鉛直方
向下方に配置される小径部12と、大径部11と小径部12とを接続する管状ダイアフラ
ム13と、を有している。
することができる。本実施形態においては、大径部11及び小径部12として、円筒型の
鋼管を採用しているが、角筒型の鋼管を採用してもよい。大径部11の断面積は、小径部
11の断面積と略同一に設定されることができる。このようにすると、鋼管鉄骨柱10に
生じる軸力(建物の重量等によって生じる力)に対して、大径部11と小径部12とが同
等の耐力を有することができる。
の範囲で)設定することができる。大径部11の板厚は、大径部11の外径D1の大きさ
に応じて適宜設定することができる。例えば、外径D1を250mmに設定した場合には
板厚を6~16mmに設定し、外径D1を750mmに設定した場合には板厚を19~3
2mmに設定することができる。
ができる。例えば、大径部11の外径D1が250mmである場合には、小径部12の外
径D2を150mmに設定することができる。また、大径部11の外径D1が500mmで
ある場合には、小径部12の外径D2を400mmに設定することができる。小径部11
の板厚は、小径部12の外径D2の大きさに応じて適宜設定することができる。例えば、
外径D2を150mmに設定した場合には板厚を6~12mmに設定し、外径D2を400
mmに設定した場合には板厚を9~25mmに設定することができる。
径D1を500mm、小径部12の外径D2を400mmとした場合に、大径部11の板厚
を19mmに設定し、小径部12の板厚を25mmに設定すればよい。また、大径部11
と小径部12の強度が異なる場合は、それぞれの強度に応じて板厚を変化させることによ
り、軸力に対して大径部11と小径部12が同等の耐力を有するようにすることができる
。
2の長さL2が外径D2の0.8倍未満であると、小径部12への変形の集中により塑性変
形能力が乏しくなり、好ましくない。例えば、小径部12の外径D2が400mmである
場合には、小径部12の長さL2は320mm以上に設定される。一方、小径部12の長
さL2が長いと、座屈によって不安定になる場合があるものの、変形能力は確保される。
また、座屈によって不安定になる場合でも、小径部12の長さL2を、例えば小径部12
の外径D2の1.2倍以下に設定することにより、管状ダイアフラム13が小径部12の
座屈を拘束し、小径部12の変形能力の増大をもたらすことができる。
、図2に示すように、外径が均一である一方、内径が下方になるに従って小さくなる構造
を有している。本実施形態においては、大径部11及び小径部12の形状に対応させて円
筒型の管状ダイアフラム13を採用しているが、角筒型の管状ダイアフラム13を採用し
てもよい。なお、本発明におけるダイアフラムは、貫通孔を有する管状のものに限られず
、部分的に閉塞部を有するダイアフラムでもよいが、管状ダイアフラムであれば重量を減
少させることができため好ましい。
部13aと、小径部12の内径D22に対応する内径D32を有する小径開口部13bと、大
径開口部13aと小径開口部13bとを連接するテーパ状内周面13cと、を有している
。ここで、「対応する」とは、大径開口部13a(小径開口部13b)の内径D31(D32
)の寸法が大径部11(小径部12)の内径D11(D22)の寸法と「同一」に設定される
という意味ではなく、図2に示すように、大径開口部13a(小径開口部13b)の内径
D31(D32)の寸法が大径部11(小径部12)の内径D11(D22)よりも若干小さく設
定されることを含む概念である。
径開口部13aの内径D31を410~420mm程度に設定することができ、小径部12
の内径D22が350mmである場合に、管状ダイアフラム14の小径開口部13bの内径
D32を330~340mm程度に設定することができる。また、大径部11の内径D11が
218mmである場合に、管状ダイアフラム13の大径開口部13aの内径D31を200
~210mm程度に設定することができ、小径部12の内径D22が126mmである場合
に、管状ダイアフラム14の小径開口部13bの内径D32を110~120mm程度に設
定することができる。
部11の外径D1と略同一に設定している。一般的な平板状ダイアフラムの外径は、鉄骨
柱本体よりの外径よりも50~60mm程度大きく設定されるが、この場合、外壁内面や
室内仕上げとの干渉が生じ得る。本実施形態のように管状ダイアフラム13の外径D3を
大径部11の外径D1と略同一に設定することにより、大径部11と管状ダイアフラム1
3の繋ぎ目に段差が生じるのを防ぐことができるので、外壁内面や室内仕上げへの干渉を
防ぐことができる。
の外面下端と小径部12の外面上端とを結ぶ仮想線V1と、小径部12の外面を通る仮想
線V2と、のなす角度をθとすると、θを45°以下に設定することが好ましい。このよ
うにすると、大径部11から小径部12への伝達効率を高め、管状ダイアフラム13の変
形を抑制することができる。
物のバリエーションについて説明する。
第一の建物は、全ての鋼管鉄骨柱10における小径部12の長さL2が、同一の値に設
定されているものである。かかる構成を有する建物においては、全ての鋼管鉄骨柱10に
おける小径部12の長さL2(すなわち、ベースプレートPの上面からダイアフラム13
の下端までの距離)を同一の値に設定しているため、構造計算時の断面変化位置設定が容
易となる。また、小径部12の部材長が揃うことで、部材の調達・加工に要する労力を低
減させることができる。一般的な建物では、柱の途中で断面が変化することは極めて稀で
あり、柱の途中で断面変化をさせる機能を有する構造計算ソフトも稀であるが、断面変化
位置に梁の無い仮想階を設定すれば計算が可能となる。この際、小径部12の長さL2が
不均一であると仮想階の設定が煩雑になるが、小径部12の長さL2が揃っていれば仮想
階は一つで済む。このような効果は、本発明のテーパ上内周面を有するダイアフラムを配
置する際に好適に発現されるが、テーパ上内周面を有さないダイアフラムを用いた場合に
も一定の効果を発現することができる。
第二の建物は、鋼管鉄骨柱10における小径部12の長さL2が、階高の0.2~0.
5倍の範囲に設定されているものである。柱と梁で構成された一般的な建物においては、
階高(柱の全長とほぼ同等)の0.2~0.5倍の高さに反曲点(柱の曲げの向きが変わ
る点)があり、この反曲点の近傍は柱を曲げる力の作用が小さいことが知られている。従
って、かかる反曲点が存在する範囲に管状ダイアフラム13を配置するように、小径部1
2の長さL2を階高の0.2~0.5倍の範囲に設定することにより、管状ダイアフラム
13の鉛直方向長さを短くすることができる。例えば、階高(鋼管鉄骨柱10の全長とほ
ぼ同等)が2.5mである建物においては、小径部12の長さL2を500~1250m
mの範囲に設定するようにする。このような効果は、本発明のテーパ上内周面を有するダ
イアフラムを配置する際に好適に発現されるが、テーパ上内周面を有さないダイアフラム
を用いた場合にも一定の効果を発現することができる。
径にすることができるため、ベースプレートPの細径化を行うことができ、ひいては基礎
コンクリートCの外径寸法を小さく抑えることが可能となる。従って、露出型柱脚構造1
の設置に要するスペースを節減することができるため、敷地を有効活用することができる
。また、変形を抑制し応力伝達に優れたテーパ状内周面13cを有する管状ダイアフラム
13を介して鋼管鉄骨柱10の大径部11と小径部12とを接続しているため、柱下部で
の塑性変形能力(エネルギ吸収能力)を向上させることができる。特に、本実施形態に係
る露出型柱脚構造1においては、鋼管鉄骨柱10の小径部12の長さL2を特定の値(小
径部12の外径D2の0.8倍以上)に設定しているため、柱下部での塑性変形能力を格
段に向上させることができる。
1と、管状ダイアフラム13の外径D3と、を略同一に設定しているため、大径部11と管
状ダイアフラム13の繋ぎ目に段差が生じるのを防ぐことができるので、外壁内面や室内
仕上げへの干渉を防ぐことができる。
小径部12の断面積とが略同一に設定されることにより、鋼管鉄骨柱10に生じる軸力(
建物の重量等によって生じる力)に対して、大径部11と小径部12とが同等の耐力を有
することができる。
設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
すなわち、前記実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、
例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記実施形態
が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み
合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10…鋼管鉄骨柱
11…大径部
12…小径部
13…管状ダイアフラム
13a…大径開口部
13b…小径開口部
13c…テーパ状内周面
B…アンカーボルト
C…基礎コンクリート
D1…大径部の外径
D11…大径部の内径
D2…小径部の外径
D22…小径部の内径
D3…管状ダイアフラムの外径
D31…管状ダイアフラムの大径開口部の内径
D32…管状ダイアフラムの小径開口部の内径
L2…小径部の長さ
P…ベースプレート
Claims (8)
- 複数のアンカーボルトを用いて、建物の鋼管鉄骨柱の下端部に固定されたベースプレー
トを基礎コンクリートに固定することにより、前記鋼管鉄骨柱を立設する露出型柱脚構造
であって、
前記鋼管鉄骨柱は、所定の外径を有する大径部と、前記大径部よりも小さい外径を有す
るとともに所定の長さを有し前記大径部よりも鉛直方向下方に配置される小径部と、前記
大径部と前記小径部とを接続するダイアフラムと、を有し、
前記ダイアフラムは、テーパ状内周面を有する、露出型柱脚構造。 - 前記ダイアフラムは、管状ダイアフラムであって、前記大径部の内径に対応する内径を
有する大径開口部と、前記小径部の内径に対応する内径を有する小径開口部と、を有し、
前記テーパ状内周面が前記大径開口部と前記小径開口部とを連接する、請求項1に記載の
露出型柱脚構造。 - 前記小径部の長さは、前記小径部の外径の0.8倍以上に設定されている、請求項1又
は2に記載の露出型柱脚構造。 - 前記小径部の長さは、前記小径部の外径の0.8倍以上1.2倍以下に設定されている
、請求項1から3の何れか一項に記載の露出型柱脚構造。 - 前記大径部の外径と、前記ダイアフラムの外径と、が略同一に設定されている、請求項
1から4の何れか一項に記載の露出型柱脚構造。 - 前記大径部の断面積と、前記小径部の断面積と、が略同一に設定されている、請求項1
から5の何れか一項に記載の露出型柱脚構造。 - 複数のアンカーボルトを用いて、建物の鋼管鉄骨柱の下端部に固定されたベースプレー
トを基礎コンクリートに固定する露出型柱脚構造で立設された前記鋼管鉄骨柱を複数備え
る建物であって、
前記鋼管鉄骨柱は、所定の外径を有する大径部と、前記大径部よりも小さい外径を有す
るとともに所定の長さを有し前記大径部よりも鉛直方向下方に配置される小径部と、前記
大径部と前記小径部とを接続するダイアフラムと、を有し、
全ての前記鋼管鉄骨柱における前記小径部の長さが、同一の値に設定されている、建物
。 - 複数のアンカーボルトを用いて、建物の鋼管鉄骨柱の下端部に固定されたベースプレー
トを基礎コンクリートに固定する露出型柱脚構造で立設された前記鋼管鉄骨柱を複数備え
る建物であって、
前記鋼管鉄骨柱は、所定の外径を有する大径部と、前記大径部よりも小さい外径を有す
るとともに所定の長さを有し前記大径部よりも鉛直方向下方に配置される小径部と、前記
大径部と前記小径部とを接続するダイアフラムと、を有し、
前記鋼管鉄骨柱における前記小径部の長さが、階高の0.2~0.5倍の範囲に設定さ
れている、建物。
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