JP2023034902A - 医療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 駆動源と線状体の接続が遮断された後、簡便な方法で再び医療装置を使用可能な状態にする。【解決手段】 医療装置は、駆動源を内部に備えたベースユニットと、ベースユニットに対し着脱可能に装着される湾曲可能ユニットと、を有する。湾曲可能ユニットは、駆動源に接続された第1部材と、線状体に接続された第2部材と、を含む接続部を有する。接続部は、第1部材と前記第2部材との間に第1閾値以下の引張力又は第2閾値以下の圧縮力が作用する場合、第1部材と第2部材が接続された状態を維持して駆動源から線状体に駆動力を伝達し、第1部材と第2部材との間に第1閾値を超える引張力又は第2閾値を超える圧縮力が作用する場合、第1部材と第2部材が離間して駆動力の伝達を遮断するように構成されている。【選択図】 図18

Description

本発明は、湾曲可能な医療装置に関する。
内視鏡又はカテーテル等の医療装置は、人体に挿入される挿入部の一部に、駆動源に接続された線状体によって湾曲変形可能に構成された湾曲部が設けられている。特許文献1には、駆動源に接続された駆動ワイヤと、挿入部の湾曲部に接続された制御ワイヤとが、制御ワイヤよりも切断強度の低いブレーカ部を介して接続された構成が記載されている。この文献によると、制御ワイヤに閾値以上の張力が作用するとブレーカ部が切断されることで、挿入部の先端が物体を強く押圧することが回避される。
特開2013-248116号公報
しかしながら、上記文献の構成では、ブレーカ部の接続が遮断される度にユーザがブレーカ部にアクセスし、ブレーカ部を構成するケーブルなどの部材を交換する必要があった。
本発明は、駆動源と線状体の接続が遮断された後、簡便な方法で再び医療装置を使用可能な状態にすることを目的とする。
本発明の一態様は、駆動源を内部に備えたベースユニットと、前記ベースユニットに対し着脱可能に装着される湾曲可能ユニットであって、湾曲部と、前記駆動源からの駆動力を受けて、前記湾曲部を湾曲するように構成された湾曲駆動部と、を有し、前記湾曲駆動部が、前記湾曲部に接続された線状体を有する湾曲可能ユニットと、を有する医療装置において、前記湾曲可能ユニットは、前記駆動源に接続された第1部材と、前記線状体に接続された第2部材と、を含む接続部を有し、前記接続部は、前記第1部材と前記第2部材との間に第1閾値以下の引張力又は第2閾値以下の圧縮力が作用する場合には、前記第1部材と前記第2部材が接続された状態を維持して前記駆動源から前記線状体に前記駆動力を伝達し、前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1閾値を超える引張力又は前記第2閾値を超える圧縮力が作用する場合には、前記第1部材と前記第2部材が離間して前記駆動源から前記線状体への前記駆動力の伝達を遮断するように構成されていることを特徴とする医療装置である。
本発明によれば、駆動源と線状体の接続が遮断された後、簡便な方法で再び医療装置を使用可能な状態にすることができる。
医療システムの全体図。 医療装置および支持台を示す斜視図。 カテーテルの説明図。 カテーテルユニットの説明図。 ベースユニットおよびワイヤ駆動部の説明図。 ワイヤ駆動部、連結装置、湾曲駆動部の説明図。 カテーテルユニットの装着の説明図。 カテーテルユニットとベースユニットの連結を説明する図。 カテーテルユニットとベースユニットの連結を説明する分解図。 連結部による駆動ワイヤの固定について説明する図。 連結部による駆動ワイヤの固定について説明する図。 連結部による駆動ワイヤの固定について説明する図。 連結部による駆動ワイヤの固定について説明する図。 連結部による駆動ワイヤの固定について説明する図。 カテーテルユニットとベースユニットの説明図。 操作部の動作を説明する図。 操作部の動作を説明する断面図。 第1実施形態に係る接続部について説明する図。 第1実施形態に係る接続部の動作について説明する図。 第1実施形態に係る接続部の動作について説明する図。 第2実施形態に係る接続部の変形例について説明する図。 第2実施形態に係る接続部について説明する図。 第2実施形態に係る接続部の動作について説明する図。 第3実施形態に係る接続部について説明する図。 第3実施形態に係る接続部の動作について説明する図。 第4実施形態に係る接続部について説明する図。 第4実施形態に係る接続部の動作について説明する図。 変形例に係る接続部について説明する図。 変形例に係る接続部について説明する図。 変形例に係る接続部の動作について説明する図。 第5実施形態に係る接続部について説明する図。 第5実施形態に係る接続部の組み立て方法について説明する図。 第5実施形態に係る接続部の動作について説明する図。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
<医療システム及び医療装置>
図1、図2を用いて、第1実施形態に係る医療システム1A及び医療装置1について説明する。図1は、医療システム1Aの全体図である。図2は医療装置1及び支持台2を示す斜視図である。
医療システム1Aは、医療装置1と、医療装置1を取り付ける支持台2と、医療装置1を制御する制御部(制御装置)3を備える。本実施形態において、医療システム1Aは、表示装置としてのモニタ4を備える。
医療装置1は、湾曲可能体としてのカテーテル11を備えるカテーテルユニット(湾曲可能ユニット)100と、ベースユニット(駆動ユニット、被装着ユニット)200を備える。カテーテルユニット100は、ベースユニット200に対して着脱可能に構成されている。
本実施形態において、医療システム1A及び医療装置1の使用者は、対象の内部にカテーテル11を挿入することにより、対象の内部の観察、対象の内部からの各種検体の採取、対象の内部に対する処置などの作業を行うことができる。一つの実施形態として、使用者は、カテーテル11を対象としての患者の内部に挿入できる。具体的には、患者の口腔もしくは鼻腔を介して気管支に挿入することにより、肺組織の観察、採取、切除等の作業を行うことができる。
カテーテル11は、上記作業を行うための医療器具をガイドするガイド(シース)として用いることができる。医療器具(ツール)の例としては、内視鏡、鉗子、アブレーション装置などが挙げられる。また、湾曲可能体自身が上記の医療器具としての機能を有していてもよく、その場合、湾曲可能体は筒状に限らず例えば円柱状であってもよい。
本実施形態において、制御部3は、演算装置3a、入力装置3bを含む。入力装置3bは、カテーテル11を操作するための命令や入力を受ける。演算装置3aは、カテーテルを制御するためのプログラムや各種データを記憶するストレージ、ランダムアクセスメモリ、プログラムを実行するための中央処理装置を含む。また、制御部3は、モニタ4に画像を表示するための信号を出力する出力部を備えていてもよい。
図2に示すように、本実施形態では、医療装置1は、医療装置1のベースユニット200と支持台2を連結するケーブル5と支持台2とを介して、制御部3に電気的に接続される。なお、医療装置1と制御部3がケーブルで直接接続されていてもよい。医療装置1と制御部3が無線で接続されていてもよい。
医療装置1は、ベースユニット200を介して支持台2に取り外し可能に装着される。より具体的には、医療装置1は、ベースユニット200の取り付け部(接続部)200aが、支持台2の移動ステージ(受け部)2aに取り外し可能に装着される。医療装置1の取り付け部200aが移動ステージ2aから取り外された状態であっても、制御部3によって医療装置1を制御可能なように、医療装置1と制御部3の接続は維持される。本実施形態においては、医療装置1の取り付け部200aが移動ステージ2aから取り外された状態であっても、医療装置1と支持台2は、ケーブル5によって接続されている。
使用者は、医療装置1が支持台2から取り外された状態(医療装置1が、移動ステージ2aから取り外された状態)で医療装置1を手動で移動させ、対象の内部にカテーテル11を挿入することができる。
使用者は、カテーテル11が対象に挿入され、支持台2に医療装置1が取り付けられた状態で、医療装置1を使用することができる。具体的には、医療装置1が移動ステージ2aに取り付けられた状態で、移動ステージ2aが移動することにより、医療装置1が移動する。そして、カテーテル11を対象に挿入する方向に移動する動作、カテーテル11を対象から引き抜く方向に移動する動作が行われる。移動ステージ2aの移動は、制御部3によって制御される。
ベースユニット200の取り付け部200aは、不図示の解除スイッチと取り外しスイッチを備えている。取り付け部200aが移動ステージ2aに装着された状態で、使用者は、解除スイッチを押し続けながら、医療装置1を移動ステージ2aのガイド方向に沿って手動で移動できる。即ち、移動ステージ2aは、医療装置1の移動を案内するガイド構成を備える。使用者が解除スイッチを押すことを止めると、医療装置1は、移動ステージ2aに固定される。一方、取り付け部200aが移動ステージ2aに装着された状態で取り外しスイッチが押されると、使用者は医療装置1を移動ステージ2aから取り外すことができる。
なお、一つのスイッチが解除スイッチの機能と取り外しスイッチの機能を有していてもよい。また、解除スイッチが押下状態と非押下状態をスイッチングする機構を解除スイッチに設ければ、医療装置1の手動スライド移動時に、使用者は解除スイッチを押下し続ける必要がなくなる。
取り付け部200aが移動ステージ2aに装着され、解除スイッチ及び取り外しスイッチが押されていない状態では、医療装置1は、移動ステージ2aに固定され、不図示のモータによって駆動される移動ステージ2aによって移動される。
医療装置1は、カテーテル11を駆動するためのワイヤ駆動部(線状部材駆動部、ライン駆動部、本体駆動部)300を備える。本実施形態において、医療装置1は、制御部3によって制御されたワイヤ駆動部300によって、カテーテル11を駆動するロボットカテーテル装置である。
制御部3は、ワイヤ駆動部300を制御し、カテーテル11を屈曲する動作を行うことができる。本実施形態では、ワイヤ駆動部300は、ベースユニット200に内蔵されている。より具体的には、ベースユニット200は、ワイヤ駆動部300を収納するベース筐体200fを備える。つまり、ベースユニット200は、ワイヤ駆動部300を備えている。ワイヤ駆動部300とベースユニット200を合わせて、カテーテル駆動装置(ベース装置、本体)と呼ぶことができる。
カテーテル11の延伸方向について、対象に挿入されるカテーテル11の先端が配置される端部を、遠位端と呼ぶ。カテーテル11の延伸方向について、遠位端の反対側を近位端と呼ぶ。
カテーテルユニット100は、カテーテル11の近位端側をカバーする近位端カバー16を有する。近位端カバー16はツール穴16aを有する。カテーテル11には、ツール穴16aを介して、医療器具を挿入することができる。
上述したように、本実施形態において、カテーテル11は、医療器具を対象の内部の所望の位置にガイドするためのガイド装置としての機能を有する。
例えば、カテーテル11に内視鏡を挿入した状態で、対象の内部の目標の位置までカテーテル11を挿入する。このとき、使用者の手動操作、移動ステージ2aの移動、ワイヤ駆動部300によるカテーテル11の駆動の少なくともいずれか一つが用いられる。カテーテル11が目標の位置に到達した後、ツール穴16aを介してカテーテル11から内視鏡が引き抜かれる。そして、ツール穴16aから医療器具を挿入し、対象の内部からの各種検体の採取、対象の内部に対する処置などの作業が行われる。
後述するように、カテーテルユニット100は、カテーテル駆動装置(ベース装置、本体)、より具体的にはベースユニット200に対して取り外し可能に装着される。医療装置1が使用された後に、使用者は、ベースユニット200からカテーテルユニット100を取り外し、新たなカテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けて、再び医療装置1を使用することができる。つまり、カテーテルユニット100は、ディスポーザブルなユニットとして使用することができる。ここで、ディスポーザブルとは一度の施術において使用されたカテーテルユニット100は、使用後に廃棄されるという意味である。これにより、カテーテルユニット100の再使用を防止し、常に医療装置1を清潔な状態に保つことができる。
図2に示すように、医療装置1は、操作部400を有する。本実施形態において、操作部400は、カテーテルユニット100に備えられる。操作部400は、ベースユニット200に対するカテーテルユニット100の固定、ベースユニット200からのカテーテルユニット100の取り外しが行われる際に、使用者によって操作される。
カテーテル11に挿入される内視鏡とモニタ4とを接続することにより、モニタ4に内視鏡によって撮影された画像を表示させることができる。また、モニタ4と制御部3を接続することにより、医療装置1の状態、医療装置1の制御に関連する情報をモニタ4に表示させることができる。例えば、対象の内部におけるカテーテル11の位置や、対象の内部におけるカテーテル11のナビゲーションに関連する情報を、モニタ4に表示させることができる。モニタ4と制御部3及び内視鏡は、有線接続されていてもよく、無線接続されていてもよい。また、モニタ4と制御部3は、支持台2を介して接続されていてもよい。
<カテーテル>
図3を用いて、湾曲可能体としてのカテーテル11について説明する。図3(a、b)はカテーテル11の説明図である。図3(a)はカテーテル11の全体を説明する図である。図3(b)はカテーテル11の拡大図である。
カテーテル11は、湾曲部(湾曲体、カテーテル本体)12と、湾曲部12を湾曲するように構成された湾曲駆動部(カテーテル駆動部)13を備える。湾曲駆動部13は、後述する連結装置21を介してワイヤ駆動部300の駆動力を受けて、湾曲部12を湾曲させるように構成される。
カテーテル11は、対象に対するカテーテル11の挿入方向に沿って延伸されている。カテーテル11の延伸方向(長手方向)は、湾曲部12の延伸方向(長手方向)、後述する第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)の延伸方向(長手方向)と同じである。
湾曲駆動部13は、湾曲部12に接続された複数の駆動ワイヤ(駆動ライン、線状部材、線状アクチュエータ)を含む。具体的には、湾曲駆動部13は、第1駆動ワイヤW11、第2駆動ワイヤW12、第3駆動ワイヤW13、第4駆動ワイヤW21、第5駆動ワイヤW22、第6駆動ワイヤW23、第7駆動ワイヤW31、第8駆動ワイヤW32、第9駆動ワイヤW33を含む。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、被保持部(被保持軸、ロッド)Waを含む。具体的には、第1駆動ワイヤW11は第1被保持部Wa11を含む。第2駆動ワイヤW12は第2被保持部Wa12を含む。第3駆動ワイヤW13は第3被保持部Wa13を含む。第4駆動ワイヤW21は第4被保持部Wa21を含む。第5駆動ワイヤW22は第5被保持部Wa22を含む。第6駆動ワイヤW23は第6被保持部Wa23を含む。第7駆動ワイヤW31は第7被保持部Wa31を含む。第8駆動ワイヤW32は第8被保持部Wa32を含む。第9駆動ワイヤW33は第9被保持部Wa33を含む。
本実施形態において、第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)のそれぞれは、同一形状である。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、可撓性を有するワイヤ体(ワイヤ部材、ライン体、線状体)Wbを含む。ここでワイヤ体Wbとは、これを介して接続されている物体の押し引きが可能となる部材であって、ある程度の剛性をもっている。一方で、湾曲部12を湾曲させることができるように、直線形状から変形可能な部材である。第1駆動ワイヤW11は第1ワイヤ体Wb11を含む。第2駆動ワイヤW12は第2ワイヤ体Wb12を含む。第3駆動ワイヤW13は第3ワイヤ体Wb13を含む。第4駆動ワイヤW21は第4ワイヤ体Wb21を含む。第5駆動ワイヤW22は第5ワイヤ体Wb22を含む。第6駆動ワイヤW23は第6ワイヤ体Wb23を含む。第7駆動ワイヤW31は第7ワイヤ体Wb31を含む。第8駆動ワイヤW32は第8ワイヤ体Wb32を含む。第9駆動ワイヤW33は第9ワイヤ体Wb33を含む。
さらに、本実施形態では、駆動源Mと駆動ワイヤWの各組について、駆動源からの駆動力をワイヤ体に伝達し、かつ、閾値以上の負荷が作用した場合には駆動源から線状体への駆動力の伝達を遮断する接続部Wcを設けている。具体的には、第1ワイヤ体Wb11は第1接続部Wc11を介して第1駆動源M11と接続されている。第2ワイヤ体Wb12は第2接続部Wc12を介して第2駆動源M12と接続されている。第3ワイヤ体Wb13は第3接続部Wc13を介して第3駆動源M13と接続されている。第4ワイヤ体Wb21は第4接続部Wc21を介して第4駆動源M21と接続されている。第5ワイヤ体Wb22は第5接続部Wc22を介して第5駆動源M22と接続されている。第6ワイヤ体Wb23は第6接続部Wc23を介して第6駆動源M23と接続されている。第7ワイヤ体Wb31は第7接続部Wc31を介して第7駆動源M31と接続されている。第8ワイヤ体Wb32は第8接続部Wc11を介して第8駆動源M32と接続されている。第9ワイヤ体Wb33は第9接続部Wc11を介して第9駆動源M33と接続されている。
ここで、以下の各実施形態において、閾値とは予め設定された固定値(一定値)には限定されない。装置仕様や製造条件によっては、閾値がほとんど変化しないケースもあるが、動的に変化するケースもある。つまり、製品を設計するにあたって設定される目標値というものは存在するが、実際に駆動源Mとワイヤ体Wbの接続が遮断される閾値は、公差ばらつきなどの影響によって装置ごとに多少変化し得る。また、これらの閾値は周囲の環境(温度や湿度など)の影響によって多少変化することもあるため、同一の装置であっても動作するタイミングによって閾値は変化し得る。そのため、上述の各実施形態に記載された医療装置1は、これらの影響を鑑みて閾値が予め定められた範囲に収まるように設計あるいは製造されていればよく、閾値は動的に変化するものを含む。なお、閾値は限界値と言い換えてもよい。
接続部Wcは、駆動源の動作異常やカテーテル11に対する外力により、駆動ワイヤに対して所定の閾値を超える負荷が作用した場合に、駆動源とワイヤ体の接続(連結、駆動伝達)を遮断するブレークアウェイ機構又は離脱機構として機能する。接続部Wcの詳細な構成及び作用については、後述する。
本実施形態において、第1~第3ワイヤ体(Wb11~Wb13)のそれぞれは、同一形状である。第4~第6ワイヤ体(Wb21~Wb23)のそれぞれは、同一形状である。第7~第9ワイヤ体(Wb31~Wb33)のそれぞれは、同一形状である。本実施形態では、第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)は、長さを除き、同一形状である。
第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)は、第1~第9接続部(Wc11~Wc33)を介して、第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)の近位端に取り付けられている。第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)は、ワイヤガイド17を介して、湾曲部12に挿入され、固定されている。
本実施形態において、第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)のそれぞれの材質は金属である。ただし、第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)のそれぞれの材質は樹脂でもよい。第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)のそれぞれの材質が、金属及び樹脂を含んでいてもよい。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のうち、任意の一つを、駆動ワイヤWと呼ぶことができる。本実施形態において、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)の長さを除き、同一形状である。
本実施形態において、湾曲部12は、可撓性を有し、医療器具を挿入するための通路Htを備える管状の部材である。
湾曲部12の壁面には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを通すための複数のワイヤ穴が備えられる。具体的には、湾曲部12の壁面には、第1ワイヤ穴Hw11、第2ワイヤ穴Hw12、第3ワイヤ穴Hw13が備えられている。さらに湾曲部12の壁面には、第4ワイヤ穴Hw21、第5ワイヤ穴Hw22、第6ワイヤ穴Hw23が備えられている。さらに湾曲部12の壁面には、第7ワイヤ穴Hw31、第8ワイヤ穴Hw32、第9ワイヤ穴Hw33が備えられている。第1~第9ワイヤ穴Hw(Hw11~Hw33)のそれぞれは、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対応する。符号Hwの後の数字は、対応する駆動ワイヤの数字を示す。例えば、第1駆動ワイヤW11は、第1ワイヤ穴Hw11に挿入される。
第1~第9ワイヤ穴(Hw11~Hw33)のうち、任意の一つを、ワイヤ穴Hwと呼ぶことができる。本実施形態において、第1~第9ワイヤ穴(Hw11~Hw33)のそれぞれは、同一形状である。
湾曲部12は、中間領域12a、湾曲領域12bを有する。湾曲領域12bは、湾曲部12の遠位端に配置されており、湾曲領域12bには、第1ガイドリングJ1、第2ガイドリングJ2、第3ガイドリングJ3が配置される。湾曲領域12bとは、湾曲駆動部13によって第1ガイドリングJ1、第2ガイドリングJ2、第3ガイドリングJ3を移動させることにより、湾曲部12の屈曲の大きさや方向を制御することができる領域を言う。図3(b)は、第1~第3ガイドリング(J1~J3)を覆う湾曲部12の一部を省略して描かれている。
本実施形態では、湾曲部12は、複数の補助リング(不図示)を備える。湾曲領域12bにおいて、第1ガイドリングJ1、第2ガイドリングJ2、第3ガイドリングJ3は湾曲部12の壁面に固定されている。本実施形態では、複数の補助リングは、第1ガイドリングJ1と第2ガイドリングJ2の間、第2ガイドリングJ2と第3ガイドリングJ3の間に配置される。
医療器具は、通路Ht、第1~第3ガイドリング(J1~J3)、複数の補助リングによって、カテーテル11の先端までガイドされる。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、中間領域12aを通って第1~第3ガイドリング(J1~J3)のそれぞれに固定されている。具体的には、第1駆動ワイヤW11、第2駆動ワイヤW12、第3駆動ワイヤW13は、第1ガイドリングJ1に固定されている。第4駆動ワイヤW21、第5駆動ワイヤW22、第6駆動ワイヤW23は、第1ガイドリングJ1、複数の補助リングを貫通して、第2ガイドリングJ2に固定されている。第7駆動ワイヤW31、第8駆動ワイヤW32、第9駆動ワイヤW33は、第1ガイドリングJ1、第2ガイドリングJ2、複数の補助リングを貫通して、第3ガイドリングJ3に固定されている。
医療装置1は、湾曲駆動部13をワイヤ駆動部300によって駆動することにより、カテーテル11の延伸方向に交差する方向に向けて、湾曲部12を湾曲させることができる。具体的には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを湾曲部12の延伸方向に移動させることにより、第1~第3ガイドリング(J1~J3)を介して、湾曲部12の湾曲領域12bを、延伸方向に交差する方向に湾曲させることができる。
使用者は、手動又は移動ステージ2aによる医療装置1の移動、及び湾曲部12の湾曲の少なくともいずれか一つを用いることにより、カテーテル11を対象の内部の目的の部分まで挿入することができる。
なお、本実施形態においては、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)によって、第1~第3ガイドリング(J1~J3)を移動して、湾曲部12を屈曲させるが、この構成に限定されない。第1~第3ガイドリング(J1~J3)のいずれか1つ、又は2つと、それに固定される駆動ワイヤを省略してもよい。
例えば、カテーテル11が、第7~第9駆動ワイヤ(W31~W33)と第3ガイドリングJ3を有し、第1~第6駆動ワイヤ(W11~W23)と、第1~第2ガイドリング(J1~J2)が省略された構成を有していてもよい。また、カテーテル11が、第4~第9駆動ワイヤ(W21~W33)と第2~第3ガイドリング(J2~J3)を有し、第1~第3駆動ワイヤ(W11~W13)と、第1ガイドリングJ1が省略された構成を有していてもよい。
また、カテーテル11が1つのガイドリングを二つの駆動ワイヤで駆動する構成であってもよい。この場合も、ガイドリングの数は一つでもよく、一つより多くてもよい。
<カテーテルユニット>
図4(a、b)を用いて、カテーテルユニット100について説明する。図4(a、b)はカテーテルユニット100の説明図である。図4(a)は、後述するワイヤカバー14がカバー位置にある状態のカテーテルユニット100の説明図である。図4(b)は、後述するワイヤカバー14が露出位置にある状態のカテーテルユニット100の説明図である。
カテーテルユニット100は、湾曲部12、湾曲駆動部13を有するカテーテル11、カテーテル11の近位端を支持する近位端カバー16、を有する。カテーテルユニット100は、複数の駆動ワイヤとしての第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を覆い、保護するためのカバー(ワイヤカバー)14を備える。
カテーテルユニット100は、ベースユニット200に対して、着脱方向DEに沿って着脱可能である。カテーテルユニット100のベースユニット200に対する装着方向、カテーテルユニット100のベースユニット200からの取り外し方向は、着脱方向DEと平行である。
近位端カバー(枠体、湾曲部筐体、カテーテル筐体)16は、カテーテル11の一部を覆うカバーである。近位端カバー16は、湾曲部12の通路Htに医療器具を挿入するためのツール穴16aを有する。
ワイヤカバー14には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを通すための複数の露出穴(ワイヤカバー穴、カバー穴)が備えられている。ワイヤカバー14には、第1露出穴14a11、第2露出穴14a12、第3露出穴14a13、第4露出穴14a21、第5露出穴14a22、第6露出穴14a23、第7露出穴14a31、第8露出穴14a32、第9露出穴14a33が備えられている。第1~第9露出穴(14a11~14a33)のそれぞれは、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対応する。符号14aの後の数字は、対応する駆動ワイヤの数字を示す。例えば、第1駆動ワイヤW11は、第1露出穴14a11に挿入される。
第1~第9露出穴(14a11~14a33)のうち、任意の一つを、露出穴14aと呼ぶことができる。本実施形態において、第1~第9露出穴(14a11~14a33)のそれぞれは、同一形状である。
ワイヤカバー14は、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を覆うカバー位置(図14(a)参照)と、カバー位置から退避したカバー退避位置(図14(b)参照)とに移動できる。カバー退避位置は、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を露出させる露出位置と呼ぶこともできる。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付ける前には、ワイヤカバー14はカバー位置に位置する。カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けると、ワイヤカバー14は、着脱方向DEに沿って、カバー位置から露出位置に移動する。
本実施形態において、ワイヤカバー14は、カバー位置から露出位置に移動した後、露出位置に留められる。したがって、カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けた後、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外しても、ワイヤカバー14は露出位置に留められる。
しかし、ワイヤカバー14を、カバー位置から露出位置に移動した後、カバー位置に戻るように構成してもよい。例えば、カテーテルユニット100が、ワイヤカバー14を露出位置からカバー位置に向けて付勢する付勢部材を備えていてもよい。この場合、カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けた後、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すと、ワイヤカバー14は露出位置からカバー位置に移動される。
ワイヤカバー14が露出位置にあるとき、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)の第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)が露出される。その結果、湾曲駆動部13と後述する連結装置21との連結が許容される。ワイヤカバー14が露出位置にあるとき、第1~第9露出穴(14a11~14a33)から第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)の第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)が突出する。より具体的には、第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)は、後述する取付け方向Daに向けて、第1~第9露出穴(14a11~14a33)から突出する。
図4(b)に示すように、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、所定の半径を有する円(仮想円)に沿って並べられている。
本実施形態では、カテーテルユニット100は、キーシャフト(キー、カテーテル側キー)15を有する。本実施形態では、キーシャフト15は、着脱方向DEに向けて延びている。ワイヤカバー14には、キーシャフト15が貫通するシャフト穴14bが備えられる。キーシャフト15は、後述するキー受け部22と係合可能である。キーシャフト15がキー受け部22と係合することにより、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)が並べられる円(仮想円)の周方向について、ベースユニット200に対するカテーテルユニット100の移動が、所定の範囲で制限される。
本実施形態では、着脱方向DEに見たときに、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)は、キーシャフト15を囲むように、キーシャフト15の外側に配置されている。言い換えれば、キーシャフト15は、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)が並べられる円(仮想円)の内側に配置される。したがって、キーシャフト15と第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を省スペースで配置できる。
本実施形態では、カテーテルユニット100は、操作部400を備える。操作部400は、近位端カバー16、湾曲駆動部13に対して移動可能(回転可能)に構成されている。操作部400は、操作部400は回転軸400rの周りに回転可能である。操作部400の回転軸400rは、着脱方向DEに向けて延びている。
カテーテルユニット100がベースユニット200に取り付けられた状態で、操作部400は、ベースユニット200に対して移動可能(回転可能)に構成されている。より具体的には、操作部400は、ベース筐体200f、ワイヤ駆動部300、後述する連結装置21に対して移動可能(回転可能)に構成されている。
<ベースユニット>
図5(a~c)を用いて、ベースユニット200及びワイヤ駆動部300について説明する。図5(a~c)はベースユニット200及びワイヤ駆動部300の説明図である。図5(a)は、ベースユニット200の内部構造を示す斜視図である。図5(b)は、ベースユニット200の内部構造を示す側面図である。図5(c)は、ベースユニット200を着脱方向DEに沿って見た図である。
上述のように、医療装置1は、ベースユニット200と、ワイヤ駆動部300を有する。本実施形態において、ワイヤ駆動部300は、ベース筐体200fに収納され、ベースユニット200の内部に備えられる。言い換えれば、ベースユニット200は、ワイヤ駆動部300を備える。
ワイヤ駆動部300は、複数の駆動源(モータ、アクチュエータ)を有する。本実施形態では、ワイヤ駆動部300は、第1駆動源M11、第2駆動源M12、第3駆動源M13、第4駆動源M21、第5駆動源M22、第6駆動源M23、第7駆動源M31、第8駆動源M32、第9駆動源M33を備える。
第1~第9駆動源(M11~M33)のうち、任意の一つを、駆動源Mと呼ぶことができる。本実施形態において、第1~第9駆動源(M11~M33)のそれぞれは、同一構成である。
ベースユニット200は、連結装置21を備える。連結装置21は、ベース筐体200fに収納されている。連結装置21は、ワイヤ駆動部300に接続されている。連結装置21は、複数の連結部を有する。本実施形態では、連結装置21は、第1連結部21c11、第2連結部21c12、第3連結部21c13、第4連結部21c21、第5連結部21c22、第6連結部21c23、第7連結部21c31、第8連結部21c32、第9連結部21c33を備える。
第1~第9連結部(21c11~21c33)のうち、任意の一つを、連結部21cと呼ぶことができる。本実施形態において、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれは、同一構成である。
複数の連結部のそれぞれは、複数の駆動源のそれぞれに接続され、複数の駆動源のそれぞれによって駆動される。具体的には、第1連結部21c11は、第1駆動源M11に接続され、第1駆動源M11によって駆動される。第2連結部21c12は、第2駆動源M12に接続され、第2駆動源M12によって駆動される。第3連結部21c13は、第3駆動源M13に接続され、第3駆動源M13によって駆動される。第4連結部21c21は、第4駆動源M21に接続され、第4駆動源M21によって駆動される。第5連結部21c22は、第5駆動源M22に接続され、第5駆動源M22によって駆動される。第6連結部21c23は、第6駆動源M23に接続され、第6駆動源M23によって駆動される。第7連結部21c31は、第7駆動源M31に接続され、第7駆動源M31によって駆動される。第8連結部21c32は、第8駆動源M32に接続され、第8駆動源M32によって駆動される。第9連結部21c33は、第9駆動源M33に接続され、第9駆動源M33によって駆動される。
後述するように、連結装置21には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を含む湾曲駆動部13が連結される。湾曲駆動部13は、連結装置21を介してワイヤ駆動部300の駆動力を受け、湾曲部12を湾曲させる。
駆動ワイヤWは、被保持部Waを介して連結部21cに連結される。複数の駆動ワイヤのそれぞれは、複数の連結部のそれぞれに連結される。具体的には、第1駆動ワイヤW11の第1被保持部Wa11は、第1連結部21c11に連結される。第2駆動ワイヤW12の第2被保持部Wa12は、第2連結部21c12に連結される。第3駆動ワイヤW13の第3被保持部Wa13は、第3連結部21c13に連結される。第4駆動ワイヤW21の第4被保持部Wa21は、第4連結部21c21に連結される。第5駆動ワイヤW22の第5被保持部Wa22は、第5連結部21c22に連結される。第6駆動ワイヤW23の第6被保持部Wa23は、第6連結部21c23に連結される。第7駆動ワイヤW31の第7被保持部Wa31は、第7連結部21c31に連結される。第8駆動ワイヤW32の第8被保持部Wa32は、第8連結部21c32に連結される。第9駆動ワイヤW33の第9被保持部Wa33は、第9連結部21c33に連結される。
ベースユニット200は、ベースフレーム25を有する。ベースフレーム25には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを通すための複数の挿入穴が備えられている。ベースフレーム25には、第1挿入穴25a11、第2挿入穴25a12、第3挿入穴25a13、第4挿入穴25a21、第5挿入穴25a22、第6挿入穴25a23、第7挿入穴25a31、第8挿入穴25a32、第9挿入穴25a33が備えられている。第1~第9挿入穴(25a11~25a33)のそれぞれは、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対応する。符号25aの後の数字は、対応する駆動ワイヤの数字を示す。例えば、第1駆動ワイヤW11は、第1挿入穴25a11に挿入される。
第1~第9挿入穴(25a11~25a33)のうち、任意の一つを、挿入穴25aと呼ぶことができる。本実施形態において、第1~第9挿入穴(25a11~25a33)のそれぞれは、同一形状である。
ベースフレーム25には、ワイヤカバー14が挿入される取付け開口25bが備えられる。取付け開口25bの底部に、第1~第9挿入穴(25a11~25a33)が配置されている。
さらに、ベースユニット200は、モータフレーム200b、第1ベアリングフレーム200c、第2ベアリングフレーム200d、第3ベアリングフレーム200eを備える。モータフレーム200b、第1ベアリングフレーム200c、第2ベアリングフレーム200d、第3ベアリングフレーム200eは、連結されている。
ベースフレーム25は、キーシャフト15を受け入れるキー受け部(キー穴、ベース側キー、本体側キー)22を有する。キーシャフト15とキー受け部22が係合することにより、カテーテルユニット100がベースユニット200に対して誤った位相で取り付けられることが防止される。
キーシャフト15とキー受け部22が係合することにより、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれが並べられる円(仮想円)の周方向について、ベースユニット200に対するカテーテルユニット100の移動が、所定の範囲で制限される。
その結果、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、対応する第1~第9挿入穴(25a11~25a33)のそれぞれ、対応する第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれに係合する。言い換えれば、駆動ワイヤWが、対応する挿入穴25aと異なる挿入穴25a、対応する連結部21cと異なる21cに係合することが防止される。
使用者は、キーシャフト15とキー受け部22とを係合させることで、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれに正しく連結できる。したがって、使用者は、カテーテルユニット100をベースユニット200に容易に装着できる。
本実施形態において、キーシャフト15は、着脱方向DEに交差する方向に突出した凸部を有し、キー受け部22は凸部が挿入される凹部を備える。周方向において、凸部と凹部が係合する位置が、駆動ワイヤWが対応する挿入穴25a及び対応する連結部21cと係合する位置である。
なお、キーシャフト15をベースユニット200とカテーテルユニット100のいずれか一方に配置し、キー受け部22をいずれか他方に配置することができる。例えば、キーシャフト15をベースユニット200側に配置し、キー受け部22をカテーテルユニット100側に配置してもよい。
ベースユニット200は、ジョイント係合部28jを備えるジョイント28を有する。ベースフレーム25は、ロック突起26aを備えるロック軸26を有する。これらの機能については、後述する。
<モータと駆動ワイヤの連結>
図6(a~c)を用いて、ワイヤ駆動部300、連結装置21、湾曲駆動部13の連結について説明する。図6(a~c)は、ワイヤ駆動部300、連結装置21、湾曲駆動部13の説明図である。図6(a)は、駆動源M、連結部21c、駆動ワイヤWの斜視図である。図6(b)は、連結部21c、駆動ワイヤWの拡大図である。図6(c)は、ワイヤ駆動部300、連結装置21、湾曲駆動部13の連結を示す斜視図である。
本実施形態において、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれと第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれが連結される構成は、同一である。また、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれと第1~第9駆動源(M11~M33)のそれぞれが接続される構成は、同一である。従って、以下の説明では、一つの駆動ワイヤW、一つの連結部21c、一つの駆動源Mを用いて、これらが接続される構成について説明する。
図6(a)に示すように、駆動源Mは、出力軸Maと、出力軸Maを回転方向Rmに回転させるモータ本体Mbを有する。出力軸Maの表面には、螺旋状の溝が備えられている。出力軸Maは、所謂ネジ形状を有する。モータ本体Mbは、モータフレーム200bに固定されている。
連結部21cは、出力軸Maに接続されたトラクタ21ct、トラクタ21ctを支持するトラクタ支持軸21csを有する。トラクタ支持軸21csは、連結ベース21cbに接続されている。
連結部21cは、駆動ワイヤWの被保持部Waを保持するための保持部としての板バネ21chを有する。駆動ワイヤWは挿入穴25aを通って連結部21cに係合している。より具体的には、被保持部Waが板バネ21chに係合する。後述するように、板バネ21chは、被保持部Waを挟み込んで固定する状態(固定状態)と、被保持部Waを解放した状態(解放状態)とを取ることができる。
連結部21cは、押圧部材21cpを有する。押圧部材21cpは、後述する内歯ギア29と噛み合うギア部21cg、板バネ21chを押圧するための押圧部としてのカム21ccを有する。
後述するように、カム21ccは、板バネ21chに対して移動することができる。カム21ccが移動することにより、板バネ21chの固定状態と、解放状態とが切り替えられる。
連結部21cは、第1ベアリングB1、第2ベアリングB2,第3ベアリングB3によって支持されている。第1ベアリングB1は、ベースユニット200の第1ベアリングフレーム200cに支持されている。第2ベアリングB2は、ベースユニット200の第2ベアリングフレーム200dに支持されている。第3ベアリングB3は、ベースユニット200の第3ベアリングフレーム200eに支持されている。したがって、出力軸Maが回転方向Rmに回転したときに、連結部21cは、出力軸Maの周りに回転することが規制される。なお、第1ベアリングB1、第2ベアリングB2,第3ベアリングB3は、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれに対して設けられる。
連結部21cが出力軸Maの周りに回転することが規制されているため、出力軸Maが回転すると、出力軸Maの螺旋状の溝によって、トラクタ21ctに出力軸Maの回転軸方向に沿った力が作用する。その結果、連結部21cは、出力軸Maの回転軸線方向に沿って移動する(Dc方向)。連結部21cが移動することにより、駆動ワイヤWが移動して、湾曲部12が湾曲する。このとき、駆動源Mの回転方向を切り替えることにより、連結部21cは、駆動ワイヤWを押圧する方向(Dc1方向)及び駆動ワイヤWを引っ張る方向(Dc2方向)のいずれにも駆動ワイヤWを駆動可能である。
つまり、出力軸Maとトラクタ21ctは、駆動源Mから伝えられた回転運動をねじにより直線運動に変換させる、所謂送りねじを構成している。本実施形態において、出力軸Maとトラクタ21ctは滑りネジであるが、ボールねじでも良い。
図6(c)に示すように、カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けることで、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれと第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれが連結される。
制御部3は、第1~第9駆動源(M11~M33)のそれぞれを、互いに対して独立して制御できる。つまり、第1~第9駆動源(M11~M33)のうちの任意の駆動源は、その他の駆動源が停止した状態しているか否かに関わらず、独立して動作すること又は停止することができる。言い換えれば、制御部3は、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを、互いに対して独立して制御することができる。その結果、第1~第3ガイドリング(J1~J3)のそれぞれが互いに対して独立して制御され、湾曲部12の湾曲領域12bは、任意の方向に屈曲することができる。
<カテーテルユニットの装着>
図7(a、b)を用いて、カテーテルユニット100を、ベースユニット200に装着する動作について説明する。図7(a、b)は、カテーテルユニット100の装着の説明図である。図7(a)は、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着される前の図である。図7(b)は、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着された後の図である。
本実施形態において、カテーテルユニット100の着脱方向DEは、操作部400の回転軸400rの方向と同じである。着脱方向DEのうち、カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付ける方向を、取り付け方向Daと呼ぶ。着脱方向DEのうち、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外す方向(取付け方向Daの反対方向)を、取り外し方向Ddと呼ぶ。
図7(a)に示すように、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着される前の状態では、ワイヤカバー14はカバー位置に位置する。このとき、第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)がワイヤカバー14の第1~第9露出穴(14a11~14a33)から突出しないように、ワイヤカバー14が第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を覆っている。したがって、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着される前の状態で、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を保護することができる。
カテーテルユニット100がベースユニット200を取り付ける時には、キーシャフト15を、キー受け部22に係合させる。キーシャフト15は、ワイヤカバー14から突出している。本実施形態では、キーシャフト15がキー受け部22の入り口に到達した状態では、ワイヤカバー14は、取付け開口25bと係合しない。つまり、ベースユニット200に対するカテーテルユニット100の位相が、キーシャフト15とキー受け部22とが係合できない位相にあるとき、ワイヤカバー14は、取付け開口25bと係合せず、カバー位置に位置した状態が保たれる。したがって、キーシャフト15とキー受け部22とが係合するようにカテーテルユニット100を移動させた場合であっても、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)が保護されている。
キーシャフト15とキー受け部22とが係合し、カテーテルユニット100をベースユニット200に対して取付け方向Daに移動すると、カテーテルユニット100がベースユニット200に取付けられる。カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けることにより、ワイヤカバー14は露出位置へと移動する。本実施形態では、ワイヤカバー14はベースフレーム25に当接することで、カバー位置から露出位置に移動する(図7(b)参照)。
より具体的には、カテーテルユニット100を取り付ける際、ワイヤカバー14は、ベースフレーム25に当接して停止する。この状態で、カテーテルユニット100を取付け方向Daに移動することにより、カテーテルユニット100において、ワイヤカバー14がワイヤカバー14以外の部分に対して相対的に移動する。その結果、ワイヤカバー14は、カバー位置から露出位置に移動する。
ワイヤカバー14がカバー位置から露出位置に移動する一方で、駆動ワイヤWの被保持部Waがワイヤカバー14の露出穴14aから突出し、挿入穴25aに挿入される。そして、被保持部Waが連結部21cの板バネ21chに係合する(図6(b)参照)。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けただけの状態では、カテーテルユニット100をベースユニット200に対して取り外し方向Ddに移動して、カテーテルユニット100を取り外すことができる。また、後述するように、カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けただけの状態では、駆動ワイヤWと連結部21cの固定が解除された状態である。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けた状態で、操作部400を操作することにより、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すことが防止される。さらに、カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けた状態で、操作部400を操作することにより、湾曲駆動部13が連結装置21に固定され、湾曲駆動部13が連結装置21を介してワイヤ駆動部300に連結される。
<湾曲駆動部の固定及び固定の解除>
図8(a、b)、図9、図10、図11、図12、図13、図14を用いて、湾曲駆動部13を連結装置21に固定するための構成、連結装置21による湾曲駆動部13の固定を解除するための構成について説明する。
図8(a、b)は、カテーテルユニット100とベースユニット200の連結を説明する図である。図8(a)は、カテーテルユニット100とベースユニット200の断面図である。図8(a)は、カテーテルユニット100とベースユニット200を、回転軸400rに沿って切断した断面図である。図8(b)は、ベースユニット200の断面図である。ベースユニット200を、連結部21cの部分で、回転軸400rに直交する方向に切断した断面図である。図9は、カテーテルユニット100とベースユニット200の連結を説明する分解図である。図10、図11、図12、図13、図14は、連結部21cによる駆動ワイヤWの固定について説明する図である。
図8(a)、図9に示すように、ベースユニット200は、ジョイント(中間部材、第2伝達部材)28、ジョイント28を介して操作部400と連動する移動ギア(連動ギア、伝達部材、第1伝達部材)としての内歯ギア29を有する。
ジョイント28は複数の伝達部28cを有し、内歯ギア29は、複数の被伝達部29cを有する。複数の伝達部28cは複数の被伝達部29cと係合しており、ジョイント28が回転した場合、内歯ギア29にジョイント28の回転が伝達される。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けると、操作部400に備えられた係合部400jが、ジョイント28のジョイント係合部28jと係合する。操作部400が回転した場合、ジョイント28に操作部400の回転が伝達される。操作部400、ジョイント28、内歯ギア29は同方向に回転する。
内歯ギア29は、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれが、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを固定する状態と、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを解放する状態とを切り替えるための複数の歯部を有する。内歯ギア29の複数の歯部(作用部、切替ギア部)のそれぞれは、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれが有する押圧部材21cpのギア部21cgと係合する。
具体的には、本実施形態において内歯ギア29は、第1歯部29g11、第2歯部29g12、第3歯部29g13、第4歯部29g21、第5歯部29g22、第6歯部29g23、第7歯部29g31、第8歯部29g32、第9歯部29g33を備える。第1~第9歯部(29g11~29g33)のそれぞれは、互いに隙間を空けて形成されている。
第1歯部29g11は、第1連結部21c11のギア部21cgと噛み合う。第2歯部29g12は、第2連結部21c12のギア部21cgと噛み合う。第3歯部29g13は、第3連結部21c13のギア部21cgと噛み合う。第4歯部29g21は、第4連結部21c21のギア部21cgと噛み合う。第5歯部29g22は、第5連結部21c22のギア部21cgと噛み合う。第6歯部29g23は、第6連結部21c23のギア部21cgと噛み合う。第7歯部29g31は、第7連結部21c31のギア部21cgと噛み合う。第8歯部29g32は、第8連結部21c32のギア部21cgと噛み合う。第9歯部29g33は、第9連結部21c33のギア部21cgと噛み合う。
第1~第9歯部(29g11~29g33)のうち、任意の一つを、歯部29gと呼ぶことができる。本実施形態において、第1~第9歯部(29g11~29g33)のそれぞれは、同一構成である。
本実施形態において、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれと第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれが連結される構成は、同一である。また、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれと第1~第9歯部(29g11~29g33)のそれぞれが接続される構成は、同一である。従って、以下の説明では、一つの駆動ワイヤW、一つの連結部21c、一つの歯部29gを用いて、これらが接続される構成について説明する。
第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれにおいて、ギア部21cgが内歯ギア29によって移動されることにより、押圧部材21cpが回転し、カム21ccが押圧位置と押圧位置から退避した退避位置とに移動する。
操作部400を回転させることにより、内歯ギア29が回転する。内歯ギア29が回転することにより、第1~第9連結部(21c11~21c33)それぞれが動作する。つまり、一つの操作部400を回転させる動作によって、第1~第9連結部(21c11~21c33)を動作させることができる。
操作部400は、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着された状態で、固定位置(ロック位置)と、取り外し位置とに移動することができる。また、後述するように、操作部400は、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着された状態で、解除位置に移動することができる。操作部400の周方向について、解除位置は、固定位置と取り外し位置の間に位置される。操作部400が取り外し位置に位置された状態で、ベースユニット200にカテーテルユニット100が取り付けられる。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けた状態では、駆動ワイヤWの連結部21cへの固定(ロック)が解除された状態である。この状態を、連結部21cの解除状態と呼ぶ。なお、駆動ワイヤWが連結部21cへ固定(ロック)された状態を、連結部21cのロック状態と呼ぶ。
図10、図11、図12、図13、図14を用いて、駆動ワイヤWを連結部21cへ固定する際の動作について説明する。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けた後、かつ操作部400を操作する前の状態では、カテーテルユニット100は、ベースユニット200から取り外すことができる。以下、カテーテルユニット100がベースユニット200から取り外すことが可能な状態を、取り外し可能状態と呼ぶ。
図10は、取り外し可能状態における内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。図10は、操作部400は固定位置に位置された状態における、内歯ギア29と連結部21cを示す図である。
連結部21cの板バネ21chは、連結ベース21cbに固定された被固定部21cha、押圧部材21cpのカム21ccと当接する被押圧部21chbを有する。板バネ21chは、第1部分21chd1、第2部分21chd2を有する。カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付けると、被保持部Waは、第1部分21chd1と第2部分chd2の間に挿入される。
カム21ccは、保持面21ccaと、押圧面21ccbを有する。押圧部材21cpの回転半径方向について、保持面21ccaは、押圧面21ccbよりも、押圧部材21cpの回転中心21cpcに近い位置に配置されている。
図10に示すように、取り外し可能状態(操作部400が取り外し位置にある状態)では、板バネ21chは、被押圧部21chbが保持面21ccaに当接した位置で保持されている。また、内歯ギア29の歯Za1とギア部21cgの歯Zb1は、互いの間にクリアランスLaが生じた状態で、停止している。
操作部400の回転方向において、操作部400が取り外し位置から解除位置及び固定位置に向かう方向をロック方向(固定方向)と呼び、操作部400が固定位置から解除位置及び取り外し位置に向かう方向を解除方向と呼ぶ。操作部400は、解除位置から解除方向に回転して、取り外し位置に移動する。操作部400は、解除位置からロック方向に回転して、固定位置に移動する。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取り付け、操作部400が取り外し位置にある状態では、連結部21cは解除状態であり、連結部21cによる駆動ワイヤWの固定が解除された状態である。
連結部21cが解除状態にあるとき、カム21ccは、後述する押圧位置から退避した退避位置に位置する。このとき、板バネ21chによる被保持部Waの固定が解除された状態である。連結部21cが解除状態にあるときの第1部分21chd1と第2部分21chd2が被保持部Waを締め付ける力は、連結部21cがロック状態にあるときの第1部分21chd1と第2部分21chd2が被保持部Waを締め付ける力より小さい。
連結部21cが解除状態にあるとき、ベースユニット200に対してカテーテルユニットを取り外し方向Ddに動かした場合には、第1部分21chd1、第2部分21chd2の間から被保持部Waを引き抜くことができる。
連結部21cが解除状態にあるとき、第1部分21chd1と第2部分21chd2が被保持部Waを締め付ける力が生じない状態(大きさがゼロである状態)が好ましい。連結部21cが解除状態にあるとき、第1部分21chd1と第2部分21chd2の少なくともいずれか一方と、被保持部Waとの間には、隙間が生じていることが好ましい。
図11は、操作部400を取り外し位置からロック方向に回転したときの内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。図11は、操作部400が解除位置にある状態における内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。
操作部400が取り外し位置にある状態(図10)で、操作部400をロック方向に回転させると、内歯ギア29が時計回りに回転する。そして、操作部400は、解除位置に位置する。
なお、操作部400を回転させた場合であっても、キーシャフト15とキー受け部22が係合しているため、カテーテルユニット100の全体(操作部400を除く)は、ベースユニット200に対して回転することが規制されている。つまり、操作部400は、カテーテルユニット100の全体(操作部400を除く)とベースユニット200が停止した状態で、それらに対して回転可能である。
内歯ギア29が時計回りに回転することで、内歯ギア29の歯Za1とギア部21cgの歯Zb1の間のクリアランスは、クリアランスLaからクリアランスLbに減少する。
ギア部21cgの歯Zb2は、内歯ギア29の歯部29gの歯先円(点線)との間にクリアランスLzを空けた位置に配置されている。そのため、内歯ギア29は歯Zb2に干渉することなく回転可能である。一方、連結部21cは、図10に示された状態と同じ状態(解除状態)に保たれている。
図11に示した状態から、操作部400をロック方向にさらに回転させると、内歯ギア29が時計回りにさらに回転する。そのときの内歯ギア29と連結部21cの状態を図12に示す。
図12は、操作部400を解除位置からロック方向に回転したときの内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。図12に示すように、操作部400を解除位置からロック方向に回転すると、内歯ギア29の歯Za1とギア部21cgの歯Zb1が接触する。一方、連結部21cは、図10、図11に示された状態と同じ状態であり、解除状態に保たれている。
図13は、操作部400がロック方向に回転することで、押圧部材21cpが回転した状態を示す図である。図13に示すように、図12の状態から操作部400をロック方向にさらに回転させると、内歯ギア29が時計回りにさらに回転する。
内歯ギア29が図12の状態から図13の状態に移動することで、内歯ギア29はギア部21cgを時計回りに回転させる。ギア部21cgが回転すると、保持面21ccaが被押圧部21chbから離れ、押圧面21ccbが、被押圧部21chbに近づく。そして、第1部分21chd1、第2部分21chd2による被保持部Waの挟み込みが開始される。
そして、押圧面21ccbの端部に配置された角部21ccb1によって被押圧部21chbが押圧されつつ、内歯ギア29の歯Za3がギア部21cgの歯Zb3から離れる位置まで移動する。このとき、第1部分21chd1、第2部分21chd2によって、被保持部Waが挟み込まれた状態である。
内歯ギア29の歯Za3がギア部21cgの歯Zb3から離れたとき、内歯ギア29からギア部21cgへの駆動力の伝達が終了する。このとき、カム21ccは、角部21ccb1が、板バネ21chからの反力を受ける状態である。
押圧部材21cpの回転半径方向で、角部21ccb1に作用する板バネ21chの反力は、押圧部材21cpの回転中心21cpcから離れた位置に作用し、押圧部材21cpは時計回りに回転する。このとき、押圧部材21cpは、時計回りに回る内歯ギア29によって回転させられる方向と、同じ方向に向けて回転する。
図14は、操作部400が固定位置にある状態の内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。図14に示すように、図13に示す状態から、板バネ21chの反力を受けて押圧部材21cpがさらに回転する。
図14に示すように、押圧部材21cpは、カム21ccの押圧面21ccbと、板バネ21chの被押圧部21chbが面接触をした状態で停止する。つまり、押圧面21ccbと、被押圧部21chbの表面が、同一平面上に並んだ状態となる。このとき、連結部21cはロック状態にある。連結部21cがロック状態にあるとき、押圧部材21cpのカム21ccは、押圧位置に位置し、押圧面21ccbが被押圧部21chbを押圧する。
連結部21cがロック状態にあるとき、第1部分21chd1、第2部分21chd2によって、被保持部Waが挟み込まれる。つまり、カム21ccによって板バネ21chが押圧され、被保持部Waが板バネ21chによって締め付けられる。その結果、被保持部Waが板バネ21chによって固定される。
本実施形態において、板バネ21chは、第1部分21chd1と第2部分21chd2は、互いに離れた位置で被保持部Waを押圧する。さらに、第1部分21chd1と第2部分21chd2の間に、第1部分21chd1と第2部分21chd2を繋ぐ屈曲部21chcが配置されている。屈曲部21chcは、被保持部Waから隙間Gを空けて配置されている。こうすることにより、第1部分21chd1と第2部分21chd2によって、被保持部Waを安定して固定することができる。
板バネ21chの材質としては、樹脂又は金属を使用することができるが、金属を使用することが好ましい。
連結部21cがロック状態にあるとき、第1部分21chd1、第2部分21chd2の間から被保持部Waを引き抜くことが制限される。
なお、内歯ギア29の歯Za3とギア部21cgの歯Zb4は、互いの間にクリアランスLcが生じる位置で停止している。また、この歯Za3の歯先の面は、内歯ギア29の回転軸線を中心として他の歯Za1,Za2の歯先の面と接する円筒面に対して、解除方向の下流に向かって回転軸線から遠ざかるように傾斜している。これにより、下記のように図14の状態から内歯ギア29が解除方向に回転された場合に、内歯ギア29の歯Za3はギア部21cgの歯Zb3をこじることなく、その先の歯Zb4に到達できるようになっている。
駆動ワイヤWと連結部21cの固定を解除する際には、固定位置に位置する操作部400を、解除方向に回転させる。このとき、内歯ギア29は、図14に示す状態から、反時計回りに回転する。内歯ギア29が反時計回りに回転すると、ギア部21cgの歯Zb4に、内歯ギア29の歯Za3が当接し、押圧部材21cpが反時計回りに回転させられる。
内歯ギア29をさらに反時計回りに回転することで、連結部21cによる駆動ワイヤWの固定が解除される。このときの内歯ギア29と押圧部材21cpの動作は、上述した動作と逆の動作である。つまり、上述した駆動ワイヤWを連結部21cによって固定する際の動作とは逆の動作により、連結部21cによる駆動ワイヤWの固定が解除される。
上記の動作は、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれで行われる。すなわち、操作部400が取り外し位置から固定位置に移動する過程で、操作部400の移動(回転)により、第1~第9連結部(21c11~21c33)が解除状態からロック状態になる。操作部400が固定位置から取り外し位置に移動する過程で、操作部400の移動(回転)により、第1~第9連結部(21c11~21c33)がロック状態から解除状態になる。つまり、使用者は、一つの操作部400を操作することによって、複数の連結部の解除状態、ロック状態を切り替えることができる。
つまり、複数の連結部のそれぞれに、解除状態、ロック状態を切り替えるための操作部を設け、使用者がそれを操作する必要がない。したがって、使用者は容易にカテーテルユニット100をベースユニット200に着脱することができる。さらに、医療装置1を簡略化することができる。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれが第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれによって固定された状態を第1状態と呼ぶ。第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれによる第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対する固定が解除された状態を第2状態と呼ぶ。
操作部400の移動に連動して、第1状態と第2状態とが切り替えられる。つまり、取り外し位置と固定位置との間における操作部400の移動に連動して、第1状態と第2状態とが切り替えられる。
内歯ギア29は、操作部400と連動するように構成されている。本実施形態では、ジョイント28は、操作部400と内歯ギア29を連動させるための伝達部材として機能する。内歯ギア29とジョイント28は、操作部400の移動に連動して第1状態と第2状態とが切り替わるように、操作部400と連動する連動部としての機能を有する。
具体的には、内歯ギア29とジョイント28は、カテーテルユニット100がベースユニット200に取り付けられた状態で、操作部400の移動と連動して、板バネ21chの一部(被押圧部21chb)を、被保持部Waに対して移動させる。被押圧部21chbが移動することで、連結部21cのロック状態と、解除状態とが切り替えられる。
なお、内歯ギア29が操作部400から直接移動される構成であってもよい。その場合、内歯ギア29が連動部としての機能を有する。
<操作部の移動>
図15(a~c)、図16(a~c)、図17(a~c)を用いて、操作部400の移動について説明する。
本実施形態において、操作部400は、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着された状態で、取り外し位置と、解除位置と、固定位置との間を移動可能に構成されている。解除位置は、取り外し位置と固定位置の間に位置する。
本実施形態では、操作部400が解除位置と固定位置との間における操作部400の移動に連動して、第1状態と第2状態とが切り替えられる。
本実施形態において、操作部400は、着脱方向DEと異なる方向に移動することで、取り外し位置と固定位置との間を移動可能である。操作部400は、着脱方向DEに交差する方向(好ましくは直交する方向)に移動して、取り外し位置と固定位置との間を移動する。本実施形態では、操作部400は着脱方向DEに延びる回転軸400rの周りに回転して、取り外し位置と固定位置との間を移動する。したがって、使用者が操作部400を操作する際の操作性が良好である。
図15(a~c)は、カテーテルユニット100とベースユニット200の説明図である。図15(a)は、カテーテルユニット100の断面図である。図15(b)はボタン41の斜視図である。図15(c)はベースユニット200の斜視図である。
図16(a~c)は、操作部400の動作を説明する図である。図16(a)は、操作部400が取り外し位置にある状態を示す図である。図16(b)は、操作部400が解除位置にある状態を示す図である。図16(c)は、操作部400が固定位置にある状態を示す図である。
図17(a~c)は、操作部400の動作を説明する断面図である。図17(a)は、操作部400が取り外し位置にある状態を示す断面図である。図17(b)は、操作部400が解除位置にある状態を示す断面図である。図17(c)は、操作部400が固定位置にある状態を示す断面図である。
操作部400が固定位置にあるとき、連結部21cはロック状態であり、駆動ワイヤWの被保持部Waが対応する連結部21cに固定される(図14参照)。
操作部400が解除位置にあるとき、連結部21cは解除状態であり、駆動ワイヤWの被保持部Waと連結部21cのロックが解除されている(図11参照)。この状態では、駆動ワイヤWとワイヤ駆動部300の接続が断たれている。したがって、カテーテル11が外力を受けた際に、ワイヤ駆動部300による抵抗を受けることなく、湾曲部12を自由に屈曲することができる。
操作部400が取り外し位置にあるとき、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すことが許容される。また、操作部400が取り外し位置にある状態で、カテーテルユニット100はベースユニット200に取り付けることができる。操作部400が取り外し位置にあるときには、連結部21cは解除状態であり、駆動ワイヤWの被保持部Waと連結部21cのロックが解除されている(図10参照)。
図15(a)に示すように、カテーテルユニット100は、操作部400を付勢する操作部付勢バネ43、移動部材としてのボタン41、ボタン41を付勢するボタンバネ42を有する。
本実施形態において、操作部付勢バネ43は圧縮ばねである。操作部400は、操作部付勢バネ43によって、近位端カバー16に近づく方向Dhに向けて付勢されている。
本実施形態において、ボタン41、ボタンバネ42は、操作部400に備えられる。操作部400が取り外し位置、解除位置、固定位置に移動するときに、ボタン41、ボタンバネ42は、操作部400と共に移動する。
ボタン41は、操作部400の回転軸400rの方向と交差する方向に向けて、操作部400に対して移動可能に構成されている。ボタン41は、ボタンバネ42によって、カテーテルユニット100の外側(回転軸400rから離れる方向)に向けて付勢されている。
後述するように、ボタン41により、操作部400が解除位置から取り外し位置に移動することが規制される。また、ボタン41を操作部400に対して移動することにより、操作部400は解除位置から取り外し位置に移動することが許容される。
ボタン41は、ボタン突起(被規制部)41aを有する。ボタン突起41aは、斜面41a1と、被規制面41a2を有する。
ベースユニット200は、ベースフレーム25を備える。ベースフレーム25には、ロック軸26が備えられる。ロック軸26はロック突起(規制部)26aを備える。
本実施形態において、ロック軸26は複数(本実施形態では二つ)設けられている。すべてのロック軸26がロック突起26aを備えていてもよく、一部のロック軸26がロック突起26aを備えていてもよい。
一方、図9、図16(a)、図16(b)、図16(c)に示すように、操作部400の内側には、ロック軸26と係合するロック溝400aが備えられる。ロック溝400aは、着脱方向DEとは異なる方向に延びている。本実施形態では、操作部400の回転方向に延びている。ロック溝400aは、着脱方向DEに交差する方向(直交する方向)に延びているということもできる。
ロック溝400aは、ロック軸26が複数設けられる場合は、複数のロック軸26のそれぞれに対して設けられる。
図16(a)に示すように、ベースユニット200にカテーテルユニット100が取り付けられると、ロック溝400aの入り口400a1を介して、ロック軸26がロック溝400aに係合する。
このとき、操作部400は取り外し位置に位置し、連結部21cは解除状態である(図10参照)。したがって、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれによる、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対する固定が解除されている状態である。また、図17(a)に示すように、ボタン突起41aと、ロック突起26aが対向する。
操作部400が取り外し位置にある状態で、操作部400をロック方向R1に回転させると、ボタン突起41aの斜面41a1が、ロック突起26aの斜面26a1に当接する。ボタンバネ42の付勢力に抗して、ボタン41が操作部400の内側(回転軸400rに近づく方向)に向けて移動する。そして、ボタン突起41aがロック突起26aを乗り越え、操作部400は解除位置に移動する(図17(b)参照)。
このとき、連結部21cは解除状態である(図11参照)。したがって、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれによる、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対する固定が解除されている状態である。
本実施形態において、ボタン41を操作しなくても、操作部400を取り外し位置から解除位置に移動することが許容される。つまり、操作部400を取り外し位置から解除位置に移動する際には、使用者はボタン41を操作する必要がない。
操作部400が解除位置に位置した状態で、操作部400をロック方向R1に回転させると、操作部400は固定位置に移動する。操作部400が固定位置にある状態で、ロック溝400aの位置決め部400a2が、ロック軸26に対応する位置に位置する。操作部400は操作部付勢バネ43によって近位端カバー16に近づく方向Dhに向けて付勢されている。その結果、位置決め部400a2がロック軸26に係合する。
操作部400が解除位置から固定位置に移動する過程で、前述のように駆動ワイヤWの被保持部Waが、連結部21cに固定される。
操作部が固定位置に位置した状態では、連結部21cはロック状態である(図14参照)。したがって、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれに固定される。この状態で、ワイヤ駆動部300からの駆動力が、湾曲駆動部13に伝達可能となる。つまり、第1~第9駆動源(M11~M33)のそれぞれからの駆動力が、第1~第9連結部(21c11~21c33)を介して、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに伝達可能となる。
操作部400が解除位置にあるときには、カテーテルユニット100の取り外し方向Ddにおいて、ロック溝400aを形成する壁400a3が、ロック軸26の上流側に位置する。操作部400が固定位置にあるときには、取り外し方向Ddにおいて、位置決め部400a2が、ロック軸26の上流側に位置する。その結果、操作部400が解除位置にあるときと、固定位置にあるときには、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すことが規制される。一方、操作部400が取り外し位置にあるときは、取り外し方向Ddにおいて、ロック溝400aの入り口400a1がロック軸26の上流側に位置する。その結果、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すことが許容される。
操作部400が固定位置にある状態で、操作部400を解除方向R2に向けて回転すると、操作部400は解除位置に位置される。操作部400が固定位置から解除位置に移動する過程で、前述のように駆動ワイヤWの被保持部Waが、連結部21cから解放される。
操作部400が解除位置に位置される状態で、ボタン突起41aの被規制面41a2が、ロック突起26aの規制面26a2に当接する(図17(b)参照)。この状態では、操作部400を解除方向R2に回転させることが規制される。また、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すことが規制される。
操作部400が解除位置に位置した状態で、使用者がボタン41を操作部400の内側に向けて押し込むことにより、被規制面41a2が規制面26a2から離れ、ボタン突起41aがロック突起26aを乗り越える。その結果、操作部400は解除方向R2に回転することが許容され、操作部400は解除位置から取り外し位置に移動することができる。
操作部400が取り外し位置に位置されたとき、連結部21cは解除状態となる。したがって、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外す際、及び装着する際に、駆動ワイヤWに作用する負荷(例えば、連結部21c受ける抵抗)を小さくすることができる。したがって、使用者はカテーテルユニット100を容易に着脱することができる。
操作部400が解除位置に位置されたとき、カテーテルユニット100がベースユニット200から取り外すことが規制され、かつ連結部21cは解除状態となる。上述のように、連結部21cが解除状態であるとき、駆動ワイヤWとワイヤ駆動部300の接続が断たれ、ワイヤ駆動部300による抵抗を受けることなく、湾曲部12を自由に屈曲することができる。
使用者は、カテーテル11を対象の内部に挿入している状態で、操作部400を解除位置に位置させることで、ワイヤ駆動部300によるカテーテル11の駆動を中止することができる。さらに、カテーテルユニット100がベースユニット200から取り外すことが規制されているため、使用者は、ベースユニット200を持って、カテーテル11を対象の内部から引き出すことができる。
また、本実施形態の構成では、ボタン41を操作しない場合には、操作部400は解除位置から取り外し位置に移動することが規制される。したがって、使用者が操作部400を固定位置から解除位置に移動させる際、誤って取り外し位置まで操作部400を移動させることを抑制できる。
なお、本実施形態では、ロック突起26aとボタン41の数は一つずつである。ただし、医療装置1は、ロック突起26aとボタン41を、複数有していてもよい。
<接続部>
次に、本実施形態の接続部Wcについて、図18(a~c)、図19(a~c)、図20(a~c)を用いて説明する。図18(a)は、接続部Wcを有する本実施形態に係る駆動ワイヤWの概略図である。図18(b)は、接続部Wcを構成するホルダWc1及びロッドWc2の斜視図である。図18(c)は、接続部Wcを構成するホルダWc1及びロッドWc2の断面図である。図18(a)は、ロッドWc2がホルダWc1に保持された状態(接続状態)を示しており、図18(b、c)は、ロッドWc2がホルダWc1に保持されていない状態(遮断状態)を示している。
以下の説明では、本実施形態のカテーテルユニット100が備える第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のうちの任意の一つである駆動ワイヤWに設けられた接続部Wcについて説明する。本実施形態の構成例では、以下で説明するものと実質的に同一の構成からなる接続部Wcが、9本の駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに配置される。
図18(a)に示すように、接続部Wcは、駆動源Mに接続された第1部材(係合部材、保持部材)としてのホルダWc1と、駆動ワイヤWのワイヤ体Wbに接続された第2部材(被係合部材、被保持部材)としてのロッドWc2と、を有する。ここで、「駆動源Mに接続された」及び「ワイヤ体Wbに接続された」とは、駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動伝達経路において上流側(駆動源側)に配置されるか下流側(ワイヤ体側)に配置されるかを表し、物理的に直接接触していることを要さない。
本実施形態において、ホルダWc1は、駆動ワイヤWの被保持部Waと一体に形成された部材である。したがって、ホルダWc1は、被保持部Wa及び連結部21c(図6(a~c)を介して、駆動源Mと接続されている。なお、ホルダWc1と被保持部Waは別体となっていてもよい。一方、ロッドWc2は、ワイヤ体Wbの近位端に、圧着(カシメ)又は接着等の任意の固定方法で固定されている。
図18(a)に示すようにロッドWc2がホルダWc1に保持された接続状態では、接続部Wcを介して、駆動源Mの駆動力がワイヤ体Wbに伝達される。上述したように、駆動源Mの回転方向を切り替えることにより、駆動ワイヤWは、ワイヤ体Wbの近位端を遠位端側に押圧する方向であるDc1方向及びワイヤ体Wbの近位端をDc1方向とは反対に引っ張る方向であるDc2方向のいずれにも駆動される。なお、接続部Wcにおけるワイヤ体Wbの延伸方向は、駆動源の出力軸Ma(図6(a))の軸線方向と実質的に同じDc方向である。Dc1方向は、Dc方向の一方側であり、Dc2方向は、Dc方向の他方側である。
ホルダWc1は、図18(b、c)に示すように、Dc方向に延び、Dc1方向に向かって開放された略有底円筒状の円筒部c11を有する。円筒部c11は、被保持部Waと同軸上でDc方向に並んで配置され、円筒部c11の底部からDc2方向に被保持部Waが延出している。円筒部c11は、ワイヤ体Wbの延伸方向に延びて第2部材を挿入可能な空間を形成する筒状部の一例であり、例えば角筒状としてもよい。円筒部c11は、ロッドWc2における後述の突出片c22に比べて、突出片c22の主な変形方向であるDf方向に関してより高い曲げ剛性を有している。
また、ホルダWc1は、円筒部c11の内側に形成された凸部c13を有する。凸部c13は、円筒部c11の内面から軸中心に向かって突設されている。すなわち、凸部c13は、接続部Wcにおけるワイヤ体Wbの延伸方向(Dc方向)と交差する方向に突出した凸部の一例である。
凸部c13は、Dc方向に見た状態で、ロッドWc2における後述の凹部c23と対応する位置に配置される。本実施形態では、円筒部c11の周方向に関して互いに180度離れた2か所に設けられた凹部c23に対応して、凸部c13も互いに180度離れた2か所に設けられている。ただし、凹部c23と係合可能な位置に凸部c13が設けられていればよく、例えば円筒部c11の内面の全周に亘って環状の凸部c13を形成してもよい。
ロッドWc2は、図18(b、c)に示すように、ワイヤ体Wbの近位端からDc2方向に延びる略円柱状のベース部c21と、ベース部c21からそれぞれDc2方向に突出する2本の突出片c22と、を有する。突出片c22は、ベース部c21より外径の小さい円筒形状をDc方向に延びる平面で2つに分割した形状を有する。つまり、2つの突出片c22は、Dc2方向から見たときに、共通の円周上で互いに対向する位置に位置する2つの円弧となっている。
そのため、突出片c22が外力を受けた場合、突出片c22は、共通の円周の中心を通って2つの突出片c22が互いに対向する方向であるDf方向に向かって主に変形する。つまり、突出片c22は、凸部c13が凹部c23から離脱することを許容するように変形可能な変形要素として機能する。Df方向は、接続部Wcにおけるワイヤ体Wbの延伸方向(Dc方向)に対して垂直に交差する方向である。ただし、Df方向に関して適度な剛性で弾性変形が可能な形状であれば、突出片c22の形状は上述したものに限らない。
また、ロッドWc2は、各突出片c22の外側に凹部c23を有する。凹部c23は、突出片c22の外面から外側に向かって突出する突起p1,p2の間に形成されている。突起p1,p2は、Dc方向に並んで配置される。
ロッドWc2は、ホルダWc1の円筒部c11の内側の空間c11sに向けてDc2方向に挿入され、ホルダWc1の凸部c13がロッドWc2の凹部c23と嵌合するまで押し込まれることで、ホルダWc1に装着される。本実施形態では、ロッドWc2の全体、つまりベース部c21から突出片c22までの部分が、円筒部c11に挿入される挿入部である。したがって、突出片c22の凹部c23は、円筒部c11に挿入される挿入部の外面に設けられている。
以下、駆動源Mから伝達されてきたDc1方向又はDc2方向の駆動力をワイヤ体Wbに伝達可能となるようにロッドWc2がホルダWc1に保持された状態を、接続部Wcの接続状態(係合状態、装着状態)とする。また、凸部c13が凹部c23から離脱して駆動源Mとワイヤ体Wbとの接続が遮断された状態を、接続部Wcの遮断状態(非接続状態、離脱状態、取外し状態)とする。
次に、接続部Wcの接続状態及び過負荷時の挙動について、図19(a~c)及び図20(a~c)を用いて説明する。図19(a)は、接続状態にある接続部Wcの断面を表す模式図である。図19(b)は、ワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。図19(c)は、ワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。図20(a)は、接続部Wcが接続状態にある場合のカテーテル11の挙動を説明するための模式図である。図20(b)は、ワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の過負荷が作用した場合のカテーテル11の挙動を説明するための模式図である。図20(c)は、ワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の過負荷が作用した場合のカテーテル11の挙動を説明するための模式図である。
なお、上述した通り、本実施形態においてはワイヤ体Wbを押す、または引っ張ることによってカテーテル11を動作させている。これに対し、ワイヤ体Wbを押すことなく、引っ張るだけでカテーテル11を動作させる構成も考えられる。しかし、そのような構成ではアクチュエータや駆動ワイヤの数が増加してしまい、医療装置1がサイズアップし、コストも増加してしまう。以上の理由から本実施形態ではワイヤ体Wbを押す、または引っ張ることによってカテーテル11を動作させる構成を採用している。
(接続状態)
図19(a)に示すように、接続部Wcの接続状態において、ホルダWc1の凸部c13はロッドWc2の凹部c23と嵌合している。具体的には、凸部c13はDc方向における突起p1,p2の間に保持されている。ここで、図18(c)に示すように、ロッドWc2がホルダWc1に装着されていない状態における突起p1の頂点同士のDf方向の距離及び突起p2の頂点同士のDf方向の距離は、実質的に同じ距離Y2である。この距離Y2は、ロッドWc2がホルダWc1に装着されていない状態におけるホルダWc1の凸部c13同士のDf方向の距離Y1より大きい。そのため、図19(a)に示す接続状態では、ホルダWc1の凸部c13とロッドWc2の一部(突起p1,p2)とがDc方向に干渉する位置関係となっている。言い換えれば、接続状態においてワイヤ体の延伸方向(Dc方向)に見た場合に、第1部材又は第2部材の一方に設けられた凸部の少なくとも一部は、第1部材又は第2部材の他方に設けられた凹部とオーバーラップする。
このような構成により、接続部Wcが接続状態にある場合には、ホルダWc1とロッドWc2が一体となってDc1方向及びDc2方向に移動する。すなわち、接続部Wcが接続状態にある場合には、図20(a)に示すように、駆動源Mからの駆動力により連結部21cの板バネ21chが被保持部Waを移動させることで、接続部Wcを介してワイヤ体Wbに駆動力が伝達される。このとき、ワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の駆動力が伝達されると、カテーテル11の湾曲部12は、ワイヤ体Wbが挿通されている側が湾曲の外側となるように湾曲する。また、ワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の駆動力が伝達されると、カテーテル11の湾曲部12は、ワイヤ体Wbが挿通されている側が湾曲の外側となるように湾曲する。
図19(a)の接続状態において、好ましくは、ホルダWc1の凸部c13はロッドWc2の凹部c23に対してガタ詰めされた状態で嵌合するように構成される。本実施形態では、凹部c23が設けられた突出片c22が弾性材料で構成され、接続状態において突出片c22がDf方向に若干弾性変形した状態となることで、突出片c22の弾性力により凸部c13が両側の突起p1,p2に押し当てられる。
すなわち、本実施形態では、弾性材料からなる変形要素(弾性要素)を用いた機構(スナップフィット機構)により、第1部材としてのホルダWc1と第2部材としてのロッドWc2を係合させている。言い換えれば、本実施形態の接続部は、第1部材と第2部材との間に閾値以下の力(下記第1閾値以下の引張力又は第2閾値以下の圧縮力)が作用する場合には、弾性要素の弾性力により、凸部が凹部に嵌合した状態が維持される。接続部Wcをスナップフィット機構としたことで、ホルダWc1にロッドWc2を挿入する簡易な作業で接続部Wcを組み立てることができる。
具体的には、ロッドWc2がホルダWc1に装着された図19(a)の状態では、ロッドWc2の突起p1,p2がホルダWc1の凸部c13に当接することで、装着前の状態(図18(c))に比べて突出片c22が若干曲げられた状態となる。つまり、ロッドWc2がホルダWc1に装着された状態における突起p1の頂点同士の距離Y2’は、ロッドWc2がホルダWc1に装着されていない状態における突起p1の頂点同士の距離Y2より若干小さい。
このように、ホルダWc1とロッドWc2とをガタ詰めした状態で係合させる構成により、駆動源Mの駆動に対するカテーテル11の湾曲部12の応答性を向上させることができる。
(押圧方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図19(b)に示すように、駆動源MからホルダWc1にワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc1とロッドWc2との間には圧縮力Fcが作用する。
この圧縮力Fcが予め設定された閾値(第2閾値)を超えない場合、圧縮力FcはホルダWc1の凸部c13とロッドWc2の突起p2との当接部を介してロッドWc2に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値以下の圧縮力Fcが作用する場合には、凸部c13が凹部c23に嵌合した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第2閾値)を超える大きな圧縮力Fcが作用する場合、ロッドWc2の突起p2がホルダWc1の凸部c13に押圧されることで、ロッドWc2の突出片c22が内側に弾性変形する。これにより、凸部c13が突起p2を乗り越えながらホルダWc1とロッドWc2が相対移動し、凸部c13が凹部c23から離脱する。凸部c13が凹部c23から離脱した状態(遮断状態)では、ホルダWc1がDc1方向に移動してもロッドWc2はDc1方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値を超える圧縮力Fcが作用する場合には、凸部c13が凹部c23から離脱して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図20(b))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、例えば駆動源Mの動作異常により、過度に大きな駆動力でホルダWc1がDc1方向に駆動された場合でも、過度に大きな駆動力がワイヤ体Wbに伝達されることが防がれる。これにより、カテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲することを回避可能である。
また、上記の通り接続部WcはホルダWc1とロッドWc2の間に作用する圧縮力Fcの大きさに応じて接続状態から遮断状態に切り替わる。このため、カテーテル11に物体が接触することでワイヤ体Wbに過度に大きな外力が加わった場合にも、接続部Wcの接続は遮断される。ワイヤ体Wbが外力を受けたことでワイヤ体Wbの近位端がDc1方向に強く引っ張られた場合でも、連結部21c等の部材が破損する可能性を低減することができる。
なお、図19(a)に示すように、接続状態におけるロッドWc2のDc2方向の先端位置と、ホルダWc1の空間c11sの底部の壁面c118の間には、ホルダWc1とロッドWc2の相対移動を許容するクリアランスLdが確保される。クリアランスLdのDc方向の長さは、接続状態における凸部c13の位置X0を基準として、凸部c13が凹部c23から完全に離脱してから更にホルダWc1がDc1方向に所定距離進んでも壁面c118がロッドWc2と接触しないように設定される。このようなクリアランスLdを確保することで、凸部c13が凹部c23から離脱したにも関わらず、ロッドWc2がホルダWc1の壁面c118に押圧されてDc1方向の駆動力が伝達されることを防ぐことができる。
また、医療装置1の制御部3は、接続部Wcの接続が遮断されたことを検知する検知手段を有し、接続部Wcの接続の遮断を検知した場合には各駆動源Mの駆動を停止するように構成してもよい。
(引張方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図19(c)に示すように、駆動源MからホルダWc1にワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc1とロッドWc2との間には引張力Ftが作用する。
この引張力Ftが予め設定された閾値(第1閾値)を超えない場合、引張力FtはホルダWc1の凸部c13とロッドWc2の突起p1との当接部を介してロッドWc2に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第1閾値以下の引張力Ftが作用する場合には、凸部c13が凹部c23に嵌合した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第1閾値)を超える大きな引張力Ftが作用する場合、ロッドWc2の突起p1がホルダWc1の凸部c13に押圧されることで、ロッドWc2の突出片c22が内側に弾性変形する。これにより、凸部c13が突起p1を乗り越えるようにホルダWc1とロッドWc2が相対移動し、凸部c13が凹部c23から離脱する。凸部c13が凹部c23から離脱した状態(遮断状態)では、ホルダWc1がDc2方向に移動してもロッドWc2はDc2方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値を超える引張力Ftが作用する場合には、凸部c13が凹部c23から離脱して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図20(c))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、例えば駆動源Mの動作異常により、過度に大きな駆動力でホルダWc1がDc2方向に駆動された場合でも、過度に大きな駆動力がワイヤ体Wbに伝達されることが防がれる。これにより、カテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲することを回避可能である。
また、上記の通り接続部WcはホルダWc1とロッドWc2の間に作用する引張力Ftの大きさに応じて接続状態から遮断状態に切り替わる。このため、カテーテル11に物体が接触することでワイヤ体Wbに過度に大きな外力が加わった場合にも、接続部Wcの接続は遮断される。これにより、ワイヤ体Wbが外力を受けたことでワイヤ体Wbの近位端がDc2方向に強く押し込まれた場合でも、連結部21c等の部材が破損する可能性を低減することができる。
なお、本実施形態の構成例において、引張力Ftの閾値(第1閾値)は、圧縮力Fcの閾値(第2閾値)と同一の値に設定される。この場合、負荷の方向によらず所定の閾値を超える負荷が接続部Wcに作用した場合に駆動源Mとワイヤ体Wbの接続が遮断される構成が得られる。
(本実施形態の利点)
以上説明した通り、本実施形態において、接続部Wcを構成する各部材は、医療装置1の他のユニット(ベースユニット200等)に対して着脱可能なユニットであるカテーテルユニット100の一部である。そのため、カテーテルユニット100のいずれかの接続部Wcに閾値を超える負荷が作用して遮断状態となった場合には、接続が遮断されたカテーテルユニット100を取り外して新たなカテーテルユニット100を装着することができる。つまり、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外し、新しいカテーテルユニット100に交換するという簡便な方法で、再び医療装置1を使用可能な状態にすることができる。
また、本実施形態によれば、ワイヤ体Wbを押圧する方向の過負荷及びワイヤ体Wbを引っ張る方向の過負荷のいずれに対しても、駆動源Mとワイヤ体Wbの接続を遮断することができる。
本実施形態の他の代替構成として、検知素子(歪ゲージ等)と電気的に制御可能なクラッチ(電磁クラッチ等)とを組み合わせて、過負荷検知時にクラッチの係合を解除して駆動源Mとワイヤ体Wbの接続を遮断することが考えられる。しかしながら、このような構成では、検知素子及びクラッチを設ける分、装置が大型化・複雑化する。これに対し、本実施形態では、過負荷発生時に凸部c13が凹部c23から離脱する簡素な構成により、駆動源Mとワイヤ体Wbの接続を遮断する機能を実現することができる。
(変形例)
第1実施形態の変形例として、接続部Wcにおける接続が遮断された場合でも第1部材と第2部材の分離が規制される構成について、図28(a~c)、図29、図30(a~c)を用いて説明する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1実施形態で説明したものと実質的に同一の構成及び作用を有するものとし、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図28(a)は、接続部Wcを有する本変形例に係る駆動ワイヤWの概略図である。図28(b)は、接続部Wcを構成するホルダWc1及びロッドWc2の斜視図である。図28(c)は、接続部Wcを構成するホルダWc1及びロッドWc2の断面図である。図28(a)は、ロッドWc2がホルダWc1に保持された状態(接続状態)を示しており、図28(b、c)は、ロッドWc2がホルダWc1に取り付けられていない状態(未装着状態)を示している。図29は、本変形例に係る駆動ワイヤWの斜視図である。
図28(a~c)及び図29に示すように、本変形例に係る第2部材としてのロッドWc2には、ベース部c21の外周面から外側に向かって突出するピンc21aが設けられている。一方、本変形例に係る第1部材としてのホルダWc1の円筒部c11には、ピンc21aを受け入れるスリットc11aが形成されている。スリットc11aは、ワイヤ体Wbの延伸方向(Dc方向)に延びた長穴である。
図29に示すように、ロッドWc2は、ピンc21aがスリットc11aに嵌合された状態で、ホルダWc1に取り付けられる。ピンc21aを有するロッドWc2をホルダWc1に取付けるには、例えばピン21aの底部とベース部c21との間にコイルバネ等の弾性部材を配置してピン21aを先端側(図28(c)の上方側)に付勢させた構成とする。この場合、弾性部材を圧縮させながらピンc21aを押し込んだ状態でロッドWc2を円筒部c11に挿入することで、ピンc21aに円筒部c11の開口部を通過させてスリットc11aに嵌合させることができる。これに限らず、例えばピンc21aが取り付けられていない状態のロッドWc2をホルダWc1の円筒部c11に挿入した後に、スリットc11aを介して円筒部c11の外側からピンc21aを差し込んで接着剤等で固定してもよい。
図28(c)に示すように、ピンc21aの先端は、ホルダWc1の円筒部c11の内周面よりも外側に突出している。言い換えると、ピンc21aの位置においてワイヤ体Wbの延伸方向(Dc方向)と垂直に交差する方向におけるロッドWc2の高さYpは、スリットc11aが設けられた範囲におけるホルダWc1の円筒部c11の内径Ysよりも大きい。また、ピンc21aは、少なくとも凸部c13が凹部c23から離脱する負荷の閾値(第1閾値及び第2閾値)では、スリットc11aから離脱しないように構成されている。
図30(a~c)を用いて、本変形例における接続部Wcの接続状態及び過負荷時の挙動について説明する。図0(a)は、接続状態にある接続部Wcの断面を表す模式図である。図30(b)は、ワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。図30(c)は、ワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。
図30(a)に示すように、第1実施形態と同様に、接続部Wcの接続状態において、ホルダWc1の凸部c13はロッドWc2の凹部c23と嵌合している。このため、接続状態では、ホルダWc1及びロッドWc2の相対移動が規制され、ホルダWc1とロッドWc2が一体となってDc1方向及びDc2方向に移動する。すなわち、駆動源Mからの駆動力が接続部Wcを介してワイヤ体Wbに伝達される。接続状態において、ロッドWc2のピンc21aはホルダWc1のスリットc11aの両側の端部の間に位置しどちらの端部とも接触していない。
図30(b、c)に示すように、接続部WcにDc1方向又はDc2方向の過負荷が作用すると、第1実施形態と同様に、凸部c13が凹部c23から離脱して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達が遮断される(遮断状態)。
しかし、接続部Wcが遮断状態となっても、ピンc21aはスリットc11aに嵌合した状態のままとなっている。このため、接続部Wcの遮断状態においては、ピンc21aがスリットc11aの内側で摺動する範囲内でホルダWc1及びロッドWc2の相対移動が許容された状態で、ホルダWc1とロッドWc2がつながった状態となる。
いずれかの駆動ワイヤWについて接続部Wcが遮断状態となった場合、上述した操作部400を操作することで、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すことができる。その際、本変形例では、接続部Wcが遮断状態となった後もホルダWc1とロッドWc2がつながった状態が維持されるため、カテーテルユニット100の取外し時に、ロッドWc2と共にホルダWc1及び被保持部Waが取り外される。具体的には、接続部Wcが遮断状態となった後にカテーテルユニット100をDc1方向に取外すと、図30(c)に示すようにピンc21aがスリットc11aのDc1方向側の端部c11bに係合した状態で、ワイヤ体Wbと繋がったロッドWc2と共にホルダWc1及び被保持部Waが引っ張り出される。
つまり、接続部Wcがカテーテルユニット100の一部として構成される場合において、カテーテルユニット100の取外し時に第1部材がベースユニット200側に取り残されることを防ぐことができる。このため、カテーテルユニット10の交換作業が容易になり、ユーザビリティが向上する。
本変形例で説明したピンc21aは、接続部Wcの遮断状態において第1部材と第2部材の分離を規制するストッパ(抜け止め部、分離規制部)の一例である。これに限らず、例えばストッパとしてのピンをホルダWc1に配置し、ピンを受け入れるスリットをロッドWc2に形成してもよい。また、スリットc11aは、貫通穴に限らず、溝形状であってもよい。また、ピンc21a及びスリットc11aを、複数組配置して、より確実に抜け止めする構成としてもよい。また、ストッパは、ピンに限らず、第1部材及び第2部材の分離を規制可能な形状であればよい。例えば、スナップリングのような環状の突起部を用いてもよい。
(他の変形例)
第1実施形態では、筒状に形成したホルダWc1の内部に凸部c13を配置し、ロッドWc2の2つの突出片c22に凹部c23を配置した接続部Wcの構成を採用したが、同様の機能を発揮する他の構成を採用してもよい。接続部Wcの変形例を図21(a~g)に例示する。
図21(a)は、第1実施形態で例示したホルダWc1とロッドWc2の接続構成を模式的に表す模式図である。上述したように、ホルダWc1に設けられた凸部c13がロッドWc2に設けられた凹部c23に嵌合することで、ホルダWc1とロッドWc2が接続されてDc方向に一体となって移動する。
図21(b)は、ホルダWc1に設けた凸部c13を、バネ等の弾性部材c131によって凹部c23に向けて付勢する変形例を表している。この場合、弾性部材c131のバネ定数や接続状態での変形量を変更することで、凸部c13が凹部c23から離脱する負荷の大きさ、即ち接続部Wcの接続が遮断される負荷の閾値(第1閾値、第2閾値)を変更することができる。
図21(c)は、ホルダWc1に設けた凸部c14が、ホルダWc1の支持部により回転可能に支持された球状又は円筒状の回転部材である変形例を表している。この場合、凸部c13が凹部c23から離脱する際に接触面における摩擦の影響が小さくなる。したがって、凸部c13が凹部c23から離脱する負荷の大きさ、即ち接続部Wcの接続が遮断される負荷の閾値(第1閾値、第2閾値)を、より高い精度で設定することができる。
図21(d)は、ホルダWc1に設けた凸部c14が回転部材であると共に、凸部c13をバネ等の弾性部材c131によって凹部c23に向けて付勢する変形例を表している。この場合、弾性部材c131の変更によって接続部Wcの接続が遮断される負荷の閾値(第1閾値、第2閾値)を変更することができ、かつ、負荷の閾値(第1閾値、第2閾値)をより高い精度で設定することができる。
図21(e)は、第1部材Wc1’に凹部c15が配置され、第2部材Wc2’に凸部c25が配置された変形例を表している。本変形例は、例えば、第1実施形態において第1部材として用いていたホルダWc1と、第2部材として用いていたロッドWc2と、を入れ替えることで、実現可能である。即ち、第1実施形態のホルダWc1と同形状の部材を第1部材Wc1’としてワイヤ体Wbの近位端に取り付け、第1実施形態のロッドWc2と同形状の部材を第2部材Wc2’として被保持部Waと一体に形成すればよい。なお、第2部材Wc2’と被保持部Waは別体となっていてもよい。
また、図21(e)の変形例を実現する他の構成として、第1実施形態のホルダWc1の円筒部c11の内側に、凸部c13に代えて突起をDc方向に2つ並べて凹部c15を形成し、ロッドWc2の突出片c22に、この凹部と嵌合する凸部を配置してもよい。つまりこの場合は、図21(a)乃至(d)の構成と同様に、ホルダWc1は被保持部Waと一体に形成し、ロッドWc2はワイヤ体Wbの近位端に取りつけられる。このように、第1部材及び第2部材のいずれか一方に凸部を配置し、第1部材及び第2部材の他方に凸部と嵌合する凹部を配置する構成により、第1実施形態と同様の機能を備えた接続部を構成することができる。なお、以下で説明する第2~第4実施形態についても、凸部と凹部の配置は入れ替え可能であり、第1部材及び第2部材のいずれか一方に凸部を配置し、第1部材及び第2部材の他方に凸部と嵌合する凹部を配置する構成であればよい。
図21(f)は、第1部材Wc1″に凸部c16と凸部c17がそれぞれ別の位置に配置され、第2部材Wc2″に凸部c26と凸部c27がそれぞれ別の位置に配置された変形例を表している。本変形例は、例えば、第1実施形態のホルダWc1において凸部c13に代えて凸部c16,c17を配置した部材を第1部材Wc1″として被保持部Waと一体に形成する。そして、第1実施形態のロッドWc2において突起p1,p2に代えて凸部c26,c27を配置した部材を第2部材Wc2’としてワイヤ体Wbの近位端に取り付けることで、実現可能である。なお、第1部材Wc1’と被保持部Waは別体となっていてもよい。
凸部c16は第1の凸部の例であり、凸部c17は第2の凸部の例であり、凸部c26は第1の凸部と係合する第3の凸部の例であり、凸部c27は第2の凸部と係合する第4の凸部の例である。なお、以下で説明する第2~第4実施形態についても、第1部材の「凸部」に代えて第1の凸部及び第2の凸部を配置し、第2部材の「凹部」に代えて第3の凸部及び第4の凸部を配置する構成により、凸部及び凹部の組合せと同様の機能が得られる。
上述した第1実施形態及び変形例においては、凸部と凹部が嵌合することによって接続部Wcを構成していた。しかし、この構成には限定されず、本変形例及び下記の図21(f)の変形例に例示されるように2つの異なる位置において凸部と凸部が係合して接続部Wcを構成してもよい。言い換えれば、接続部Wcは、第1部材及び第2部材の具体的形状によらず、第1部材と第2部材のDc1方向及びDc2方向の相対移動を規制するように、第1部材側の形状と第2部材側の形状とが係合されていればよい。その際、第1部材の一部に対してDc1方向側から第2部材の一部が当接する箇所と、第1部材の一部に対してDc2方向側から第2部材の一部が当接する箇所と、が存在していれば、第1部材と第2部材のDc1方向及びDc2方向の相対移動が規制される。また、Dc1方向の過負荷によって前者の当接箇所が離脱し、Dc2方向の過負荷によって後者の当接箇所が離脱する構成とすることで、過負荷に応じて第1部材と第2部材の接続が遮断される。
図21(f)の構成では、Dc1方向に駆動力が働いた場合、第1部材Wc1″はDc1方向に移動しようとするため、凸部c17と凸部c27の係合により、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″は一体的に移動する。ここで過負荷が発生すると、凸部c17は凸部c27を乗り越えてさらにDc1方向に移動し、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″の接続は遮断される。一方、Dc2方向に駆動力が働いた場合、第1部材Wc1″はDc2方向に移動しようとするため、凸部c16と凸部c26の係合により、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″は一体的に移動する。ここで過負荷が発生すると、凸部c16は凸部c26を乗り越えてさらにDc2方向に移動し、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″の接続は遮断される。
なお、図21(f)の構成では略円柱状の第2部材Wc2″の周方向において互いに反対側の位置に凸部c26と凸部c27を設けているが、これに限定されない。図21(g)に示すように、第2部材Wc2″の延伸方向において異なる位置に凸部c28と凸部c29を設ける構成であってもよい。図21(g)は、第1部材Wc1″に凸部c18と凸部c19がそれぞれ別の位置に配置され、第2部材Wc2″に凸部c28と凸部c29がそれぞれ別の位置に配置された変形例を表している。凸部c18は第1の凸部の例であり、凸部c19は第2の凸部の例であり、凸部c28は第1の凸部と係合する第3の凸部の例であり、凸部c29は第2の凸部と係合する第4の凸部の例である。
図21(g)の構成では、Dc1方向に駆動力が働いた場合、第1部材Wc1″はDc1方向に移動しようとするため、凸部c19と凸部c29の係合により、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″は一体的に移動する。ここで過負荷が発生すると、凸部c19は凸部c29を乗り越えてさらにDc1方向に移動し、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″の接続は遮断される。一方、Dc2方向に駆動力が働いた場合、第1部材Wc1″はDc2方向に移動しようとするため、凸部c18と凸部c28の係合により、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″は一体的に移動する。ここで過負荷が発生すると、凸部c18は凸部c28を乗り越えてさらにDc2方向に移動し、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″の接続は遮断される。
また、この構成では、Dc1方向に過負荷が発生して、凸部c19と凸部c29の係合が解除されたとしても、凸部c19は次に凸部c28と係合するようになる。同様に、Dc2方向に過負荷が発生して、凸部c18と凸部c28の係合が解除されたとしても、凸部c18は次に凸部c29と係合するようになる。つまり、ブレークアウェイが機能して駆動力の伝達が一時的に遮断されたとしても、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″の一体性は維持され、第1部材Wc1″と第2部材Wc2″が完全に分離した状態とはならない。これにより、例えばカテーテル11を患者の体内から抜き出し、新しいものに交換するためにカテーテルユニット100をベースユニット200から取り外した場合、以下の効果がある。すなわち、被保持部Waとつながっている第1部材Wc1″がベースユニット200側に残ってしまう可能性を低減することができる。したがって、ユーザビリティが向上する。
なお、図21(f)、(g)では2つの位置で第1部材Wc1″と第2部材Wc2″が係合する構成を示したが、もちろん3か所以上で係合していてもよく、凸部の形状も限定されない。さらに図21(b)、(d)で示したようなバネ等の弾性部材を凸部に取り付けてもよい。
更に他の変形例として、第1部材と第2部材の間に閾値以上の圧縮力又は引張力が作用した場合に、凸部又は凹部が塑性変形(降伏)することで凸部が凹部から離脱するように構成してもよい。このような不可逆的な変形によっても、過負荷発生時に駆動源Mとワイヤ体Wbの接続を遮断する機能を実現することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る医療装置について、図22(a~c)及び図23(a~c)を用いて説明する。本実施形態は、駆動源Mとワイヤ体Wbを接続する接続部Wcの構成が第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1実施形態で説明したものと実質的に同一の構成及び作用を有するものとし、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図22(a)は、接続部Wcを有する本実施形態に係る駆動ワイヤWの概略図である。図22(b)は、接続部Wcを構成するホルダWc3及びロッドWc4の斜視図である。図22(c)は、接続部Wcを構成するホルダWc3及びロッドWc4の断面図である。図22(a)は、ロッドWc4がホルダWc3に保持された状態(接続状態)を示しており、図22(b、c)は、ロッドWc4がホルダWc3に保持されていない状態(遮断状態)を示している。
以下の説明では、本実施形態のカテーテルユニット100が備える第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のうちの任意の一つである駆動ワイヤWに設けられた接続部Wcについて説明する。本実施形態の構成例では、以下で説明するものと実質的に同一の構成からなる接続部Wcが、9本の駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに配置される。
図22(a)に示すように、接続部Wcは、駆動源Mに接続された第1部材(係合部材、保持部材)としてのホルダWc3と、駆動ワイヤWのワイヤ体Wbに接続された第2部材(被係合部材、被保持部材)としてのロッドWc4と、を有する。本実施形態において、ホルダWc3の少なくとも一部は、駆動ワイヤWの被保持部Waと一体に形成された部材である。したがって、ホルダWc3は、被保持部Wa及び連結部21c(図6(a~c)を介して、駆動源Mと接続されている。なお、ホルダWc3と被保持部Waは別体となっていてもよい。一方、ロッドWc4は、ワイヤ体Wbの近位端に、圧着(カシメ)又は接着等の任意の固定方法で固定されている。
ホルダWc3は、図22(b、c)に示すように、被保持部Waと一体に形成された本体部(ベース部)c31と、本体部c31にビスc321等の固定手段で取り付けられた板バネc32と、を有する。本体部c31は、Dc方向に見た場合に底部c311及び側壁部c312によって囲まれた断面コ字状(一方向が開放された矩形状)の溝形状を有する。板バネc32は、Df方向に見て本体部c31の開口部を覆うように取り付けられ、ビスc321からDc1方向に延びている。したがって、本体部c31の底部c311及び側壁部c312と、板バネc32との間に、下で説明するロッドWc4を受け入れる空間c31sが形成されている。本体部c31は、被保持部WaとDc方向に並んで配置され、本体部c31のDc2方向の端部からDc2方向に被保持部Waが延出している。
また、ホルダWc3は、板バネc32の先端に凸部c33を有している。凸部c33は、Dc2方向における板バネc32の先端部から、本体部c31と板バネc32の間の空間c31sに向かって突設されている。すなわち、凸部c33は、接続部Wcにおけるワイヤ体Wbの延伸方向(Dc方向)と交差する方向に突出した凸部の一例である。
板バネc32は、外力を受けた場合に主にDf方向に変形する。つまり、板バネc32は、凸部c33が後述の凹部c43から離脱することを許容するように変形可能な変形要素として機能する。
凸部c33は、Dc方向に見た状態で、ロッドWc4における後述の凹部c43と対応する位置に配置される。本実施形態では、1か所に設けられた凹部c43に対応して、凸部c33も1か所に設けられている。ただし、凹部c43と係合可能な位置に凸部c33が設けられていればよく、例えば凸部c33を備えた板バネc32を複数配置して、これに対応する複数の凹部c43をロッドWc4に配置してもよい。
ロッドWc4は、図22(b、c)に示すように、ワイヤ体Wbの近位端からDc2方向に延びる略四角柱状のベース部c41と、ベース部c41のDf方向の側面(板バネc32と対向する面)に設けられた凹部c43と、を有する。凹部c43は、ベース部c41からDf方向に突出する突起p3,p4の間に形成されている。突起p3,p4は、Dc方向に並んで配置される。
ロッドWc4は、ホルダWc3の本体部c31と板バネc32の間の空間c31sに向けてDc2方向に挿入され、ホルダWc3の凸部c33がロッドWc4の凹部c43と嵌合するまで押し込まれることで、ホルダWc3に装着される。本実施形態では、ロッドWc4のDc2方向側の一部が、ホルダWc3内の空間c31sに挿入される挿入部となっている。
次に、接続部Wcの接続状態及び過負荷時の挙動について、図23(a~c)を用いて説明する。図23(a)は、接続状態にある接続部Wcの断面を表す模式図である。図23(b)は、ワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。図23(c)は、ワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。
図23(a)に示すように、接続部Wcの接続状態において、ホルダWc3の凸部c33はロッドWc4の凹部c43と嵌合している。具体的には、凸部c33はDc方向における突起p3,p4の間に保持されている。ここで、図22(c)に示すように、ロッドWc4がホルダWc3に装着されていない状態におけるベース部c41の底面から突起p3,p4の頂点までのDf方向の距離をY4とする。この距離Y4は、ホルダWc3の板バネc32の凸部c33から本体部c31の底部c311までのDf方向の距離Y3より大きい。そのため、図23(a)に示す接続状態では、ホルダWc3の凸部c33とロッドWc4の一部(突起p3,p4)とがDc方向に干渉する位置関係となっている。言い換えれば、接続状態においてワイヤ体の延伸方向(Dc方向)に見た場合に、第1部材又は第2部材の一方に設けられた凸部の少なくとも一部は、第1部材又は第2部材の他方に設けられた凹部とオーバーラップする。
このような構成により、接続部Wcが接続状態にある場合には、ホルダWc3及びロッドWc4の相対移動が規制され、ホルダWc3とロッドWc4が一体となってDc1方向及びDc2方向に移動する。すなわち、接続部Wcが接続状態にある場合には、駆動源Mからの駆動力が接続部Wcを介してワイヤ体Wbに伝達される。
図23(a)の接続状態において、好ましくは、ホルダWc3の凸部c33はロッドWc4の凹部c43に対してガタ詰めされた状態で嵌合するように構成される。本実施形態では、凸部33が弾性を有する板バネc32の先端部に設けられ、接続状態においては板バネc32がDf方向(図中上方)に若干弾性変形した状態となることで、板バネc32の弾性力により凸部c33が両側の突起p3,p4に押し当てられる。すなわち、本実施形態に係る接続部Wcは、弾性材料からなる変形要素を用いた機構(スナップフィット機構)により、第1部材としてのホルダWc3と第2部材としてのロッドWc4を接続する。
このように、ホルダWc3とロッドWc4とをガタ詰めした状態で係合させる構成により、駆動源Mの駆動に対するカテーテル11の湾曲部12の応答性を向上させることができる。
(押圧方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図23(b)に示すように、駆動源MからホルダWc3にワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc3とロッドWc4との間には圧縮力Fcが作用する。
この圧縮力Fcが予め設定された閾値(第2閾値)を超えない場合、圧縮力FcはホルダWc3の凸部c33とロッドWc4の突起p4との当接部を介してロッドWc4に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値以下の圧縮力Fcが作用する場合には、凸部c33が凹部c43に嵌合した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第2閾値)を超える大きな圧縮力Fcが作用する場合、ロッドWc4の突起p4に凸部c33が乗り上げるように板バネc32が弾性変形する。これにより、凸部c33が突起p4を乗り越えながらホルダWc3とロッドWc4が相対移動し、凸部c33が凹部c43から離脱する。凸部c33が凹部c43から離脱した状態(遮断状態)では、ホルダWc3がDc1方向に移動してもロッドWc4はDc1方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値を超える圧縮力Fcが作用する場合には、凸部c33が凹部c43から離脱して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図23(b))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、駆動源Mの動作異常にカテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲されたり、ワイヤ体Wbが外力を受けたときに連結部21c等の部材が破損したりする可能性を低減することができる。
なお、図23(a)に示すように、接続状態におけるロッドWc4のDc2方向の先端位置と、ホルダWc3の空間c31sの底部に位置する壁面c318との間には、ホルダWc3とロッドWc4の相対移動を許容するクリアランスLdが確保されている。クリアランスLdのDc方向の長さは、接続状態における凸部c33の位置X0を基準として、凸部c33が凹部c43から完全に離脱してから更にホルダWc3がDc1方向に所定距離進んでも壁面c318がロッドWc4と接触しないように設定される。このようなクリアランスLdを確保することで、凸部c33が凹部c43から離脱したにも関わらず、ロッドWc4がホルダWc3の壁面c318に押圧されてDc1方向の駆動力が伝達されることを防ぐことができる。
(引張方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図23(c)に示すように、駆動源MからホルダWc3にワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc3とロッドWc4との間には引張力Ftが作用する。
この引張力Ftが予め設定された閾値(第1閾値)を超えない場合、引張力FtはホルダWc3の凸部c33とロッドWc4の突起p3との当接部を介してロッドWc4に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第1閾値以下の引張力Ftが作用する場合には、凸部c33が凹部c43に嵌合した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第1閾値)を超える大きな引張力Ftが作用する場合、ロッドWc4の突起p3に凸部c33が乗り上げるように板バネc32が弾性変形する。これにより、凸部c33が突起p3を乗り越えながらホルダWc3とロッドWc4が相対移動し、凸部c33が凹部c43から離脱する。凸部c33が凹部c43から離脱した状態(遮断状態)では、ホルダWc3がDc2方向に移動してもロッドWc4はDc2方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値を超える引張力Ftが作用する場合には、凸部c33が凹部c43から離脱して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図23(c))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、駆動源Mの動作異常にカテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲されたり、ワイヤ体Wbが外力を受けたときに連結部21c等の部材が破損したりする可能性を低減することができる。
以上説明した通り、本実施形態によっても、接続部Wcを構成する各部材は、医療装置1の他のユニット(ベースユニット200等)に対して着脱可能なユニットであるカテーテルユニット100の一部である。そのため、駆動源Mとワイヤ体Wbの接続が遮断された後に、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外し、新しいカテーテルユニット100に交換するという簡便な方法で、再び医療装置1を使用可能な状態にすることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る医療装置について、図24(a~c)及び図25(a~c)を用いて説明する。本実施形態は、駆動源Mとワイヤ体Wbを接続する接続部Wcの構成が第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1実施形態で説明したものと実質的に同一の構成及び作用を有するものとし、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図24(a)は、接続部Wcを有する本実施形態に係る駆動ワイヤWの概略図である。図24(b)は、接続部Wcを構成するホルダWc5及びロッドWc6の斜視図である。図24(c)は、接続部Wcを構成するホルダWc5及びロッドWc6の断面図である。図24(a)は、ロッドWc6がホルダWc5に保持された状態(接続状態)を示しており、図24(b、c)は、ロッドWc6がホルダWc5に保持されていない状態(遮断状態)を示している。
以下の説明では、本実施形態のカテーテルユニット100が備える第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のうちの任意の一つである駆動ワイヤWに設けられた接続部Wcについて説明する。本実施形態の構成例では、以下で説明するものと実質的に同一の構成からなる接続部Wcが、9本の駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに配置される。
図24(a)に示すように、接続部Wcは、駆動源Mに接続された第1部材(係合部材、保持部材)としてのホルダWc5と、駆動ワイヤWのワイヤ体Wbに接続された第2部材(被係合部材、被保持部材)としてのロッドWc6と、を有する。本実施形態において、ホルダWc5の少なくとも一部は、駆動ワイヤWの被保持部Waと一体に形成された部材である。したがって、ホルダWc5は、被保持部Wa及び連結部21c(図6(a~c)を介して、駆動源Mと接続されている。なお、ホルダWc5と被保持部Waは別体となっていてもよい。一方、ロッドWc6は、ワイヤ体Wbの近位端に、圧着(カシメ)又は接着等の任意の固定方法で固定されている。
ホルダWc5は、図24(b、c)に示すように、被保持部Waと一体に形成された本体部(ベース部)c51と、本体部c31に支持されるトーションバネ(トーションコイルバネ)c52と、を有する。本体部c51は、Dc方向に見た場合に底部c511及び側壁部c512によって囲まれた断面コ字状(一方向が開放された矩形状)の溝形状を有する。トーションバネc52は、本体部c51のDf方向の開放部に取り付けられている。したがって、本体部c51の底部c511及び側壁部c512と、トーションバネc52との間に、下で説明するロッドWc6を受け入れる空間c51sが形成されている。本体部c51は、被保持部WaとDc方向に並んで配置され、本体部c51のDc2方向の端部からDc2方向に被保持部Waが延出している。
トーションバネc52は、本体部c51に取り付けられた軸部c513に支持されるコイル部c521と、コイル部c521からDc1方向に延びる腕部c522と、コイル部c521からDc2方向に延びる腕部c523と、を有する。Dc1方向側の腕部c522は、本体部c51の支持部514に支持され、ロッドWc6に押圧されることで支持部514から離間するように弾性変形可能な自由端である。Dc2方向側の腕部c523は、本体部c51の支持部c515に支持され、他方の腕部c522がロッドWc6に押圧された場合でも支持部c515に当接し続ける固定端である。
また、ホルダWc5は、トーションバネc52の自由端側の腕部c523に形成された屈曲形状である凸部c53を有している。凸部c53は、腕部c523の先端とコイル部c521との間で、トーションバネc52と本体部c51との間の空間c51sに向かって突出している。すなわち、凸部c53は、接続部Wcにおけるワイヤ体Wbの延伸方向(Dc方向)と交差する方向に突出した凸部の一例である。
トーションバネc52は、外力を受けた場合に主にDf方向に変形する。つまり、トーションバネc52は、凸部c53が後述の凹部c63から離脱することを許容するように変形可能な変形要素として機能する。
凸部c53は、Dc方向に見た状態で、ロッドWc6における後述の凹部c63と対応する位置に配置される。本実施形態では、1か所に設けられた凹部c63に対応して、凸部c53も1か所に設けられている。ただし、凹部c63と係合可能な位置に凸部c53が設けられていればよく、例えば凸部c53を備えたトーションバネc52を複数配置して、これに対応する複数の凹部c63をロッドWc6に配置してもよい。
ロッドWc6は、図25(b、c)に示すように、ワイヤ体Wbの近位端からDc2方向に延びる略四角柱状のベース部c61と、ベース部c61のDf方向の側面(トーションバネc52と対向する面)に設けられた凹部c63と、を有する。凹部c63は、ベース部c61からDf方向に突出する突起p5,p6の間に形成されている。突起p5,p6は、Dc方向に並んで配置される。
ロッドWc6は、ホルダWc5の本体部c51とトーションバネc52の間の空間c51sに向けてDc2方向に挿入され、ホルダWc5の凸部c53がロッドWc6の凹部c63と嵌合するまで押し込まれることで、ホルダWc5に装着される。本実施形態では、ロッドWc6のDc2方向側の一部が、ホルダWc5内の空間c51sに挿入される挿入部となっている。
次に、接続部Wcの接続状態及び過負荷時の挙動について、図25(a~c)を用いて説明する。図25(a)は、接続状態にある接続部Wcの断面を表す模式図である。図25(c)は、ワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。図25(c)は、ワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。
図25(a)に示すように、接続部Wcの接続状態において、ホルダWc5の凸部c53はロッドWc6の凹部c63と嵌合している。具体的には、凸部c53はDc方向における突起p5,p6の間に保持されている。ここで、図24(c)に示すように、ロッドWc6がホルダWc5に装着されていない状態におけるベース部c61の底面から突起p5,p6の頂点までのDf方向の距離をY6とする。この距離Y6は、ホルダWc5のトーションバネc52の凸部c53から本体部c51の底部c511までのDf方向の距離Y5より大きい。そのため、図25(a)に示す接続状態では、ホルダWc5の凸部c53とロッドWc6の一部(突起p5,p6)とがDc方向に干渉する位置関係となっている。言い換えれば、接続状態においてワイヤ体の延伸方向(Dc方向)に見た場合に、第1部材又は第2部材の一方に設けられた凸部の少なくとも一部は、第1部材又は第2部材の他方に設けられた凹部とオーバーラップする。
このような構成により、接続部Wcが接続状態にある場合には、ホルダWc5及びロッドWc6の相対移動が規制され、ホルダWc5とロッドWc6が一体となってDc1方向及びDc2方向に移動する。すなわち、接続部Wcが接続状態にある場合には、駆動源Mからの駆動力が接続部Wcを介してワイヤ体Wbに伝達される。
図25(a)の接続状態において、好ましくは、ホルダWc5の凸部c53はロッドWc6の凹部c63に対してガタ詰めされた状態で嵌合するように構成される。本実施形態では、凸部c53が弾性を有するトーションバネc52の腕部c522に設けられ、接続状態においては腕部c522がDf方向(図中上方)に持ち上がるようにトーションバネc52が若干弾性変形した状態となる。このため、トーションバネc52の弾性力により凸部c53が両側の突起p5,p6に押し当てられる。すなわち、本実施形態に係る接続部Wcは、弾性材料からなる変形要素を用いた機構(スナップフィット機構)により、第1部材としてのホルダWc5と第2部材としてのロッドWc6を接続する。
このように、ホルダWc5とロッドWc6とをガタ詰めした状態で係合させる構成により、駆動源Mの駆動に対するカテーテル11の湾曲部12の応答性を向上させることができる。
(押圧方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図25(b)に示すように、駆動源MからホルダWc5にワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc5とロッドWc6との間には圧縮力Fcが作用する。
この圧縮力Fcが予め設定された閾値(第2閾値)を超えない場合、圧縮力FcはホルダWc5の凸部c53とロッドWc6の突起p6との当接部を介してロッドWc6に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値以下の圧縮力Fcが作用する場合には、凸部c53が凹部c63に嵌合した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第2閾値)を超える大きな圧縮力Fcが作用する場合、ロッドWc6の突起p6に凸部c53が乗り上げるようにトーションバネc52が弾性変形する。これにより、凸部c53が突起p6を乗り越えながらホルダWc5とロッドWc6が相対移動し、凸部c53が凹部c63から離脱する。凸部c53が凹部c63から離脱した状態(遮断状態)では、ホルダWc5がDc1方向に移動してもロッドWc6はDc1方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値を超える圧縮力Fcが作用する場合には、凸部c53が凹部c63から離脱して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図25(b))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、駆動源Mの動作異常にカテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲されたり、ワイヤ体Wbが外力を受けたときに連結部21c等の部材が破損したりする可能性を低減することができる。
なお、図25(a)に示すように、接続状態におけるロッドWc6のDc2方向の先端位置と、ホルダWc5の空間c51sの底部に位置する壁面c518との間には、ホルダWc5とロッドWc6の相対移動を許容するクリアランスLdが確保されている。クリアランスLdのDc方向の長さは、接続状態における凸部c53の位置X0を基準として、凸部c53が凹部c63から完全に離脱してから更にホルダWc5がDc1方向に所定距離進んでも壁面c518がロッドWc6と接触しないように設定される。このようなクリアランスLdを確保することで、凸部c53が凹部c63から離脱したにも関わらず、ロッドWc6がホルダWc5の壁面c518に押圧されてDc1方向の駆動力が伝達されることを防ぐことができる。
(引張方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図25(c)に示すように、駆動源MからホルダWc5にワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc5とロッドWc6との間には引張力Ftが作用する。
この引張力Ftが予め設定された閾値(第1閾値)を超えない場合、引張力FtはホルダWc5の凸部c53とロッドWc6の突起p5との当接部を介してロッドWc6に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第1閾値以下の引張力Ftが作用する場合には、凸部c53が凹部c63に嵌合した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第1閾値)を超える大きな引張力Ftが作用する場合、ロッドWc6の突起p5に凸部c53が乗り上げるようにトーションバネc52が弾性変形する。これにより、凸部c53が突起p5を乗り越えながらホルダWc5とロッドWc6が相対移動し、凸部c53が凹部c63から離脱する。凸部c53が凹部c63から離脱した状態(遮断状態)では、ホルダWc5がDc2方向に移動してもロッドWc6はDc2方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値を超える引張力Ftが作用する場合には、凸部c53が凹部c63から離脱して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図25(c))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、駆動源Mの動作異常にカテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲されたり、ワイヤ体Wbが外力を受けたときに連結部21c等の部材が破損したりする可能性を低減することができる。
以上説明した通り、本実施形態によっても、接続部Wcを構成する各部材は、医療装置1の他のユニット(ベースユニット200等)に対して着脱可能なユニットであるカテーテルユニット100の一部である。そのため、駆動源Mとワイヤ体Wbの接続が遮断された後に、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外し、新しいカテーテルユニット100に交換するという簡便な方法で、再び医療装置1を使用可能な状態にすることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る医療装置について、図26(a~c)及び図27(a~c)を用いて説明する。本実施形態は、駆動源Mとワイヤ体Wbを接続する接続部Wcの構成が第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1実施形態で説明したものと実質的に同一の構成及び作用を有するものとし、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図26(a)は、接続部Wcを有する本実施形態に係る駆動ワイヤWの概略図である。図26(b)は、接続部Wcを構成するホルダWc7及びロッドWc8の斜視図である。図26(c)は、接続部Wcを構成するホルダWc7及びロッドWc8の断面図である。図26(a)は、ロッドWc8がホルダWc7に保持された状態(接続状態)を示しており、図26(b、c)は、ロッドWc8がホルダWc7に保持されていない状態(遮断状態)を示している。
以下の説明では、本実施形態のカテーテルユニット100が備える第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のうちの任意の一つである駆動ワイヤWに設けられた接続部Wcについて説明する。本実施形態の構成例では、以下で説明するものと実質的に同一の構成からなる接続部Wcが、9本の駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに配置される。
図26(a)に示すように、接続部Wcは、駆動源Mに接続された第1部材(係合部材、保持部材)としてのホルダWc7と、駆動ワイヤWのワイヤ体Wbに接続された第2部材(被係合部材、被保持部材)としてのロッドWc8と、を有する。本実施形態において、ホルダWc7の少なくとも一部は、駆動ワイヤWの被保持部Waと一体に形成された部材である。したがって、ホルダWc7は、被保持部Wa及び連結部21c(図6(a~c)を介して、駆動源Mと接続されている。なお、ホルダWc7と被保持部Waは別体となっていてもよい。一方、ロッドWc8は、ワイヤ体Wbの近位端に、圧着(カシメ)又は接着等の任意の固定方法で固定されている。
ホルダWc7は、図26(b、c)に示すように、被保持部Waと一体に形成された本体部(ベース部)c71と、本体部c31に支持されるねじりコイルバネc72と、回転部材c730と、を有する。本体部c71は、Dc方向に見た場合に底部c711及び側壁部c712によって囲まれた断面コ字状(一方向が開放された矩形状)の溝形状を有する。ねじりコイルバネc72及び回転部材c730は、本体部c71のDf方向の開放部に取り付けられている。したがって、本体部c71の底部c711及び側壁部c712と、ねじりコイルバネc72及び回転部材c730との間に、下で説明するロッドWc8を受け入れる空間c71sが形成されている。本体部c71は、被保持部WaとDc方向に並んで配置され、本体部c71のDc2方向の端部からDc2方向に被保持部Waが延出している。
ねじりコイルバネc72は、Dc方向を軸線方向(伸縮方向)として配置され、Dc2方向の端部を本体部c71の支持部c713に支持され、Dc1方向の端部を回転部材c730に取り付けられている。回転部材c730は、本体部c71に設けられた支持軸c714を中心にして回転可能である。回転部材c730は、ねじりコイルバネc72の弾性力によって図中時計回り方向に付勢されると共に、本体部c71に設けられた係止部c715に係止されることで位置決めされている。
また、ホルダWc7は、回転部材c730に形成された凸部c73を有している。凸部c73は、回転部材c730が係止部c715に係止された状態で、支持軸c714よりも本体部c71の底部c711側に突出している。すなわち、凸部c73は、接続部Wcにおけるワイヤ体Wbの延伸方向(Dc方向)と交差する方向に突出した凸部の一例である。
回転部材c730の凸部c73がロッドWc8に押圧されて、凸部c73が図中上方側に退避するように反時計回り方向に回転された場合、ねじりコイルバネc72は回転部材c730の回転に伴って変形する。つまり、ねじりコイルバネc72は、凸部c73が後述の凹部c83から離脱することを許容するように変形可能な変形要素として機能する。
凸部c73は、Dc方向に見た状態で、ロッドWc8における後述の凹部c83と対応する位置に配置される。本実施形態では、1か所に設けられた凹部c83に対応して、凸部c73も1か所に設けられている。ただし、凹部c83と係合可能な位置に凸部c73が設けられていればよい。
ロッドWc8は、図27(b、c)に示すように、ワイヤ体Wbの近位端からDc2方向に延びる略四角柱状のベース部c81と、ベース部c81のDf方向の側面(回転部材c730と対向する面)に設けられた凹部c83と、を有する。凹部c83は、ベース部c81からDf方向に突出する突起p7,p8の間に形成されている。突起p7,p8は、Dc方向に並んで配置される。
ロッドWc8は、ホルダWc7の本体部c71と回転部材c730及びねじりコイルバネc72の間の空間c71sに向けてDc2方向に挿入される。そして、ホルダWc7の凸部c73がロッドWc8の凹部c83と嵌合するまで押し込まれることで、ロッドWc8はホルダWc7に装着される。本実施形態では、ロッドWc8のDc2方向側の一部が、ホルダWc7内の空間c71sに挿入される挿入部となっている。
次に、接続部Wcの接続状態及び過負荷時の挙動について、図27(a~c)を用いて説明する。図27(a)は、接続状態にある接続部Wcの断面を表す模式図である。図27(c)は、ワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。図27(c)は、ワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。
図27(a)に示すように、接続部Wcの接続状態において、ホルダWc7の凸部c73はロッドWc8の凹部c83と嵌合している。具体的には、凸部c73はDc方向における突起p7,p8の間に保持されている。ここで、図26(c)に示すように、ロッドWc8がホルダWc7に装着されていない状態におけるベース部c81の底面から突起p7,p8の頂点までのDf方向の距離をY8とする。この距離Y8は、ホルダWc7の凸部c73から本体部c71の底部c711までのDf方向の距離Y7より大きい。そのため、図27(a)に示す接続状態では、ホルダWc7の凸部c73とロッドWc8の一部(突起p7,p8)とがDc方向に干渉する位置関係となっている。言い換えれば、接続状態においてワイヤ体の延伸方向(Dc方向)に見た場合に、第1部材又は第2部材の一方に設けられた凸部の少なくとも一部は、第1部材又は第2部材の他方に設けられた凹部とオーバーラップする。
このような構成により、接続部Wcが接続状態にある場合には、ホルダWc7及びロッドWc8の相対移動が規制され、ホルダWc7とロッドWc8が一体となってDc1方向及びDc2方向に移動する。すなわち、接続部Wcが接続状態にある場合には、駆動源Mからの駆動力が接続部Wcを介してワイヤ体Wbに伝達される。
図27(a)の接続状態において、好ましくは、ホルダWc7の凸部c73はロッドWc8の凹部c83に対してガタ詰めされた状態で嵌合するように構成される。本実施形態では、凸部c73が弾性を有するねじりコイルバネc72に接続され、接続状態においては凸部c73がDf方向(図中上方)に持ち上がるようにねじりコイルバネc72が若干弾性変形した状態となる。このため、ねじりコイルバネc72の弾性力により凸部c73が両側の突起p7,p8に押し当てられる。すなわち、本実施形態に係る接続部Wcは、弾性材料からなる変形要素を用いた機構(スナップフィット機構)により、第1部材としてのホルダWc7と第2部材としてのロッドWc8を接続する。
このように、ホルダWc7とロッドWc8とをガタ詰めした状態で係合させる構成により、駆動源Mの駆動に対するカテーテル11の湾曲部12の応答性を向上させることができる。
(押圧方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図27(b)に示すように、駆動源MからホルダWc7にワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc7とロッドWc8との間には圧縮力Fcが作用する。
この圧縮力Fcが予め設定された閾値(第2閾値)を超えない場合、圧縮力FcはホルダWc7の凸部c73とロッドWc8の突起p8との当接部を介してロッドWc8に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値以下の圧縮力Fcが作用する場合には、凸部c73が凹部c83に嵌合した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第2閾値)を超える大きな圧縮力Fcが作用する場合、ロッドWc8の突起p8に凸部c73が乗り上げるように回転部材c730が回転し、これに伴ってねじりコイルバネc72が弾性変形する。これにより、凸部c73が突起p8を乗り越えながらホルダWc7とロッドWc8が相対移動し、凸部c73が凹部c83から離脱する。凸部c73が凹部c83から離脱した状態(遮断状態)では、ホルダWc7がDc1方向に移動してもロッドWc8はDc1方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値を超える圧縮力Fcが作用する場合には、凸部c73が凹部c83から離脱して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図27(b))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、駆動源Mの動作異常にカテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲されたり、ワイヤ体Wbが外力を受けたときに連結部21c等の部材が破損したりする可能性を低減することができる。
なお、図27(a)に示すように、接続状態におけるロッドWc8のDc2方向の先端位置と、ホルダWc7の空間c71sの底部に位置する壁面c718との間には、ホルダWc7とロッドWc8の相対移動を許容するクリアランスLdが確保されている。クリアランスLdのDc方向の長さは、接続状態における凸部c73の位置X0を基準として、凸部c73が凹部c83から完全に離脱してから更にホルダWc7がDc1方向に所定距離進んでも壁面c718がロッドWc8と接触しないように設定される。このようなクリアランスLdを確保することで、凸部c73が凹部c83から離脱したにも関わらず、ロッドWc8がホルダWc7の壁面c718に押圧されてDc1方向の駆動力が伝達されることを防ぐことができる。
(引張方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図27(c)に示すように、駆動源MからホルダWc7にワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc7とロッドWc8との間には引張力Ftが作用する。
この引張力Ftが予め設定された閾値(第1閾値)を超えない場合、引張力FtはホルダWc7の凸部c73とロッドWc8の突起p7との当接部を介してロッドWc8に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第1閾値以下の引張力Ftが作用する場合には、凸部c73が凹部c83に嵌合した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第1閾値)を超える大きな引張力Ftが作用する場合、ロッドWc8の突起p7に凸部c73が乗り上げるように回転部材c730が回転し、これに伴ってねじりコイルバネc72が弾性変形する。これにより、凸部c73が突起p7を乗り越えながらホルダWc7とロッドWc8が相対移動し、凸部c73が凹部c83から離脱する。凸部c73が凹部c83から離脱した状態(遮断状態)では、ホルダWc7がDc2方向に移動してもロッドWc8はDc2方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値を超える引張力Ftが作用する場合には、凸部c73が凹部c83から離脱して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図27(c))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、駆動源Mの動作異常にカテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲されたり、ワイヤ体Wbが外力を受けたときに連結部21c等の部材が破損したりする可能性を低減することができる。
以上説明した通り、本実施形態によっても、接続部Wcを構成する各部材は、医療装置1の他のユニット(ベースユニット200等)に対して着脱可能なユニットであるカテーテルユニット100の一部である。そのため、駆動源Mとワイヤ体Wbの接続が遮断された後に、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外し、新しいカテーテルユニット100に交換するという簡便な方法で、再び医療装置1を使用可能な状態にすることができる。
[第5実施形態]
第5実施形態に係る医療装置について、図31(a~c)、図32(a~f)、図33(a~c)を用いて説明する。本実施形態は、駆動源Mとワイヤ体Wbを接続する接続部Wcの構成が、これまでの実施形態のように、第1部材と第2部材のいずれか一方に形成された凸部と他方に形成された凹部が嵌合する構成とは異なる。本実施形態では磁石を用いて接続部Wcを構成する。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1実施形態で説明したものと実質的に同一の構成及び作用を有するものとし、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図31(a)は、接続部Wcを有する本実施形態に係る駆動ワイヤWの概略図である。図31(b)は、接続部Wcを構成するホルダWc9及びロッドWc10の斜視図である。図31(c)は、接続部Wcを構成するホルダWc9及びロッドWc10の断面図である。図31(a)は、ロッドWc10がホルダWc9に保持された状態(接続状態)を示しており、図31(b、c)は、ホルダWc9とロッドWc10を分離して、それぞれの構成を説明するための斜視図を示している。
以下の説明では、本実施形態のカテーテルユニット100が備える第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のうちの任意の一つである駆動ワイヤWに設けられた接続部Wcについて説明する。本実施形態の構成例では、以下で説明するものと実質的に同一の構成からなる接続部Wcが、9本の駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに配置される。
図31(a)に示すように、接続部Wcは、駆動源Mに接続された第1部材(係合部材、保持部材)としてのホルダWc9と、駆動ワイヤWのワイヤ体Wbに接続された第2部材(被係合部材、被保持部材)としてのロッドWc10と、を有する。本実施形態において、ホルダWc9の少なくとも一部は、駆動ワイヤWの被保持部Waと一体に形成された部材である。したがって、ホルダWc9は、被保持部Wa及び連結部21c(図6(a~c)を介して、駆動源Mと接続されている。なお、ホルダWc9と被保持部Waは別体となっていてもよい。一方、ロッドWc10は、ワイヤ体Wbの近位端に、圧着(カシメ)又は接着等の任意の固定方法で固定されている。
ホルダWc9は、図31(b、c)に示すように、被保持部Waと一体に形成された円筒部c92と、ビスなどの固定部材c93により円筒部c92に対して固定された本体円筒部c91(係合部材)と、を有する。本体円筒部c91はDc方向に延びており、Dc方向の両端において開放された底のない筒状部材である。円筒部c92はDc方向に延びており、Dc1方向に向かって開放された略有底円筒状の部材である。本体円筒部c91と円筒部c92は、ワイヤ体Wbの延伸方向に延びて第2部材を挿入可能な空間を形成する筒状部の一例であり、例えば角筒状としてもよい。なお、円筒部c92は被保持部Waと一体に形成されていなくてもよく、別部材としてもよい。
ロッドWc10は、図31(b、c)に示すように、ワイヤ体Wbの近位端からDc2方向に延びる略円柱状の第1軸部c103と、第1軸部c103に差し込まれることによって第1軸部c103に対して固定された第2軸部c104を有する。ロッドWc10はさらに、第2軸部c104に対して固定された磁石c100と、第1軸部c103及び第2軸部c104に対してスライド可能に軸支された鉄板プレートc101、c102を有する。鉄板プレートc101、c102は中央に穴が設けられた円盤状の部材である。また、鉄板プレートc101、c102は磁力によってそれぞれ磁石c100に引き付けられ、図32(b、c)に示すようにDc方向において並ぶように密着している。
なお、本実施形態では磁石c100として磁力の強いネオジム磁石を使用する。しかし、これに限定されず、フェライト磁石など他の種類の永久磁石を使用してもよい。また、鉄板プレートc101、c102も鉄製に限らず、強磁性体(磁性体)であるその他の金属で生成されたプレートであればよい。また、磁極の向きも問わず、磁石c100と鉄板プレートc101、c102が互いに引き合う関係性であればよい。
ここで、図31(c)に示すように、ホルダWc9の本体円筒部c91はその内部に2つの空間c91s1、c91s2を形成している。Dc方向と直交するDf方向において、空間c91s1の距離Y9bは空間c91s2の距離Y9cよりも短い。そして、円筒部c92はその内部に空間c92sを形成している。Df方向における空間c92sの距離はY9aである。一方、ロッドWc10の第2軸部c104のDf方向における距離はY10aである。そして、磁石c100のDf方向における距離はY10bである。
図31(a)に示すように、ロッドWc10の第2軸部c104はホルダWc9の円筒部c92の内部の空間c92sに挿入されるため、距離Y9aと距離Y10aは実質的に同じ、または距離Y9aの方が大きくなっている。さらに、ロッドWc10の磁石c100はホルダWc9の本体円筒部c91の内部の空間c91s1に挿入されるため、距離Y9bと距離Y10bは実質的に同じ、または少し距離Y9bの方が大きくなっている。
図32(a~f)を用いて、ホルダWc9とロッドWc10を組み合わせて接続部Wcを構成するまでの流れを説明する。まず図32(a)には、ワイヤ体Wbと、ワイヤ体Wbの近位端に固定された第1軸部c103を備えた部品Wcaが記載されている。そして、円盤状の鉄板プレートc101の穴を第1軸部c103に通すように、鉄板プレートc101をDc1方向から部品Wcaに挿入する。鉄板プレートc101はDc方向において第1軸部c103に対してスライド可能な構成である。
次に、図32(b)に記載されているように、磁石c100と、第2軸部c104を備えた部品Wcb1を用意する。磁石c100の中央には穴が設けられており、第2軸部c104を磁石c100に形成された穴を通すように挿入させることで部品Wcb1を得ることができる。なお、第2軸部c104が磁石c100を貫通する構成ではなく、Dc方向における磁石c100の両端にそれぞれ別の軸部材を接着させる構成であってもよい。第2軸部c104が挿入された後、磁石c100は接着剤等を使用して第2軸部c104に固定される。つまり、磁石c100はDc方向において第2軸部c104に対してスライド可能な構成にはなっていない。
第2軸部c104のDc1方向における端部には、ねじ部c105が設けられている。そして、第1軸部c103のDc2方向における端部には、ねじ受け部c106が設けられている。ねじ受け部c106は内面にねじ溝が形成された穴であり、ねじ部105が挿入可能な構成となっている。図32(a)の工程を経て得られた第1軸部c103を含む部品をWcb2とすると、ねじ部c105をねじ受け部c106に挿入してねじ込むことにより、部品Wcb2に対して部品Wcb1を固定することができる。
図32(c)は、図32(b)の工程を経て得られた第1軸部c103と第2軸部c104を合体させた部品WccをホルダWc9の一部である本体円筒部c91の内部に挿入している様子を示している。上述した通り、本体円筒部c91には2つの空間c91s1、c91s2が形成されており、磁石c100が空間c91s1に完全に入り込むまで、第2軸部c104をDc2方向に向かって本体円筒部c91に挿入する。
図32(d)は、磁石c100が空間c91s1に完全に入り込んだ状態を示している。図32(c)の工程を経て得られた部品をWcdとする。この状態において第2軸部c104は空間c92s2の内部に位置しており、第2軸部c104の一部は本体円筒部c91のDc2方向から外部に露出している。そして、円盤状の鉄板プレートc102の穴をこの第2軸部c104に通すように、鉄板プレートc102をDc2方向から部品Wcdに挿入する。鉄板プレートc102はDc方向において第2軸部c104に対してスライド可能な構成である。
図32(e)は、被保持部Waと一体に形成された円筒部c92を、図32(d)の工程を経て得られた部品Wceに装着する様子を示している。円筒部c92の内部には空間c92sが形成されており、第2軸部c104がこの空間c92sに挿入されるように円筒部c92を部品Wceに装着する。円筒部c92を装着した後は、固定部材c93(図31(b)に図示)を用いて円筒部c92を本体円筒部c91に対して固定する。これにより、図32(f)に示す通り、本実施形態における接続部Wcが生成される。
図32(f)において、鉄板プレートc101は第1軸部c103に軸支されており、磁石c100によってDc2方向に引っ張られている。そのため、鉄板プレートc101は磁石c100のDc1方向における端面、及び本体円筒部c91のDc1方向における端面c91a1と密着している。また、鉄板プレートc102は第2軸部c104に軸支されており、磁石c100によってDc1方向に引っ張られている。そのため、鉄板プレートc102は磁石c100のDc2方向における端面、及び本体円筒部c91のDc2方向における端面c91a2と密着している。
なお、図32(f)において本体円筒部c91の内部の空間c91s1(図32(d)に図示)に対応する位置に設けられ、本体円筒部c91の内部に一部突出した個所を突出部c910としている。上述した端面c91a1とc91a2は、突出部c910のDc方向における端面と表現することもできる。本実施形態においてはこの突出部c910と鉄板プレートc101、c102が密着した状態が維持されることにより、ホルダWc9とロッドWc10の接続状態が維持される。
以下、駆動源Mから伝達されてきたDc1方向又はDc2方向の駆動力をワイヤ体Wbに伝達可能となるようにロッドWc10がホルダWc9に保持された状態を、接続部Wcの接続状態(係合状態、装着状態)とする。また、鉄板プレートc101、c102のいずれかが磁石c100から離脱して駆動源Mとワイヤ体Wbとの接続が遮断された状態を、接続部Wcの遮断状態(非接続状態、離脱状態、取外し状態)とする。
次に、接続部Wcの接続状態及び過負荷時の挙動について、図33(a~c)を用いて説明する。図33(a)は、接続状態にある接続部Wcの断面を表す模式図である。図33(b)は、ワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。図33(c)は、ワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の過負荷が作用した場合の接続部Wcの様子を示す模式図である。
図33(a)に示すように、接続部Wcの接続状態において、ホルダWc9とロッドWc10は磁石c100の作用により互いに係合し、一体となって移動する。具体的には、図32(f)において説明した通り、ホルダWc9の一部である本体円筒部c91のDc1方向における端面c91a1と鉄板プレートc101は互いに密着し、本体円筒部c91のDc2方向における端面c91a2と鉄板プレートc102は互いに密着している。さらに、鉄板プレートc101、c102は磁石c100によって引き付けられている。つまり、鉄板プレートc101、c102と磁石c100の間に働く磁力よりも大きい負荷が発生して、鉄板プレートc101、c102が磁石c100から離れない限り、これらの部材は互いに密着した状態を維持し続ける。
このような構成により、接続部Wcが接続状態にある場合には、ホルダWc9及びロッドWc10の相対移動が規制され、ホルダWc9とロッドWc10が一体となってDc1方向及びDc2方向に移動する。すなわち、接続部Wcが接続状態にある場合には、駆動源Mからの駆動力が接続部Wcを介してワイヤ体Wbに伝達される。
(押圧方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図33(b)に示すように、駆動源MからホルダWc9にワイヤ体Wbを押圧する方向(Dc1方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc9とロッドWc10との間には圧縮力Fcが作用する。
この圧縮力Fcが予め設定された閾値(第2閾値)を超えない場合、圧縮力FcはホルダWc9の本体円筒部c91の端面c91a1とロッドWc10の鉄板プレートc101を介してロッドWc10に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値以下の圧縮力Fcが作用する場合には、本体円筒部c91の端面c91a1と鉄板プレートc101が密着した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第2閾値)を超える大きな圧縮力Fcが作用する場合、磁石c100と鉄板プレートc101を引き離す方向に力が加わる。このとき、鉄板プレートc101は本体円筒部c91とともにDc1方向に移動する一方で、鉄板プレートc101は磁石c100から離間する。このように鉄板プレートc101と磁石c100が離間した状態(遮断状態)では、ホルダWc9がDc1方向に移動してもロッドWc10はDc1方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第2閾値を超える圧縮力Fcが作用する場合には、鉄板プレートc101と磁石c100が離間して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図33(b))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、駆動源Mの動作異常によりカテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲されたり、ワイヤ体Wbが外力を受けたときに連結部21c等の部材が破損したりする可能性を低減することができる。
なお、図33(a)に示すように、接続状態におけるロッドWc10のDc2方向の先端位置と、ホルダWc9の円筒部c92の空間c92sの底部に位置する壁面c928との間には、ホルダWc9とロッドWc10の相対移動を許容するクリアランスLdが確保されている。クリアランスLdのDc方向の長さは以下のような考え方で設定される。つまり、接続状態における鉄板プレートc101の位置X0を基準として、鉄板プレートc101が磁石c100から完全に離間してから更にホルダWc9がDc1方向に所定距離進んでも壁面c928がロッドWc10と接触しないように設定される。このようなクリアランスLdを確保することで、鉄板プレートc101が磁石c100から離脱したにも関わらず、ロッドWc10がホルダWc9の壁面c928に押圧されてDc1方向の駆動力が伝達されることを防ぐことができる。
(引張方向の過負荷発生時)
次に、接続部Wcに対してワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)に過度の力が作用した場合について説明する。図33(c)に示すように、駆動源MからホルダWc9にワイヤ体Wbを引っ張る方向(Dc2方向)の駆動力が伝達されてくると、ホルダWc9とロッドWc10との間には引張力Ftが作用する。
この引張力Ftが予め設定された閾値(第1閾値)を超えない場合、引張力FtはホルダWc9の本体円筒部c91の端面c91a2とロッドWc10の鉄板プレートc102を介してロッドWc10に受け止められる。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第1閾値以下の引張力Ftが作用する場合には、本体円筒部c91の端面c91a2と鉄板プレートc102が密着した状態を維持して駆動源Mからワイヤ体Wbに駆動力を伝達するように構成されている。
しかし、予め設定された閾値(第1閾値)を超える大きな引張力Ftが作用する場合、磁石c100と鉄板プレートc102を引き離す方向に力が加わる。このとき、鉄板プレートc102は本体円筒部c91とともにDc2方向に移動する一方で、鉄板プレートc102は磁石c100から離間する。このように鉄板プレートc102と磁石c100が離間した状態(遮断状態)では、ホルダWc9がDc2方向に移動してもロッドWc10はDc2方向に移動しない。つまり、本実施形態の接続部Wcは、第1閾値を超える引張力Ftが作用する場合には、鉄板プレートc102と磁石c100が離間して駆動源Mからワイヤ体Wbへの駆動力の伝達を遮断するように構成されている(図33(c))。
過負荷時に接続部Wcが接続状態から遮断状態に切り替わることで、駆動源Mの動作異常によりカテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲されたり、ワイヤ体Wbが外力を受けたときに連結部21c等の部材が破損したりする可能性を低減することができる。
以上説明した通り、本実施形態によっても、接続部Wcを構成する各部材は、医療装置1の他のユニット(ベースユニット200等)に対して着脱可能なユニットであるカテーテルユニット100の一部である。そのため、駆動源Mとワイヤ体Wbの接続が遮断された後に、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外し、新しいカテーテルユニット100に交換するという簡便な方法で、再び医療装置1を使用可能な状態にすることができる。
(その他の実施形態)
上述の各実施形態では、接続部Wcの接続が遮断される負荷の閾値は、第1部材と第2部材との間に引張力が作用する場合の第1閾値と、第1部材と第2部材との間に圧縮力が作用する場合の第2閾値とが同じ値であるものとして説明した。しかし、第1閾値と第2閾値を異なる値に設定してもよい。例えば、通常の使用条件において想定される負荷がワイヤ体Wbを駆動する方向によって異なる場合に、想定される負荷の範囲に応じて第1閾値及び第2閾値を設定する。
また、上述の各実施形態では、複数の駆動源(M11~M33)と複数本設けられたワイヤ体(Wb11~Wb33)の各組の間で、接続部における第1閾値及び第2閾値の値は共通であるものとした。しかし、駆動源とワイヤ体の各組の間で、接続部における第1閾値及び第2閾値を異なる値としてもよい。例えば、カテーテル11の湾曲部12においてより先端側のガイドリングに接続されたワイヤ体と、より基端側のガイドリングに接続されたワイヤ体との間で想定される負荷が異なる場合に、想定される負荷の範囲に応じて第1閾値及び第2閾値を設定する。
また、上述の各実施形態では、複数の駆動源(M11~M33)と複数本設けられたワイヤ体(Wb11~Wb33)の各組について、接続部を介して駆動源とワイヤ体とが接続されるものとした。しかし、駆動源とワイヤ体からなる全ての組の一部にのみ、接続部を配置してもよい。
また、上述の各実施形態では、動作させる対象物として湾曲可能なカテーテル11を例に説明を行った。しかし、これに限定されず、動作させる対象物としては多関節ロボットなどを含めてもよい。この多関節ロボットとしては、例えばその先端に手術用の器具(鉗子、尖刃など)を備えた医療用ロボットアームが挙げられる。このロボットの関節をワイヤ等を使用して曲げる際に、上述の各実施形態で説明したブレークアウェイ機構を適用してもよい。
12 湾曲部
13 湾曲駆動部
100 カテーテルユニット
200 ベースユニット
M 駆動源
Wb ワイヤ体
Wc 接続部
Wc1,Wc3,Wc5,Wc7,Wc9 第1部材
Wc2,Wc4,Wc6,Wc8,Wc10 第2部材

Claims (14)

  1. 駆動源を内部に備えたベースユニットと、
    前記ベースユニットに対して着脱可能に装着される湾曲可能ユニットであって、湾曲部と、前記駆動源からの駆動力を受けて、前記湾曲部を湾曲するように構成された湾曲駆動部と、を有し、前記湾曲駆動部が、前記湾曲部に接続された線状体を有する湾曲可能ユニットと、を有する医療装置において、
    前記湾曲可能ユニットは、前記駆動源に接続された第1部材と、前記線状体に接続された第2部材と、を含む接続部を有し、
    前記接続部は、
    前記第1部材と前記第2部材との間に第1閾値以下の引張力又は第2閾値以下の圧縮力が作用する場合には、前記第1部材と前記第2部材が接続された状態を維持して前記駆動源から前記線状体に前記駆動力を伝達し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1閾値を超える引張力又は前記第2閾値を超える圧縮力が作用する場合には、前記第1部材と前記第2部材が離間して前記駆動源から前記線状体への前記駆動力の伝達を遮断するように構成されている、
    ことを特徴とする医療装置。
  2. 前記接続部は、前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方に設けられたストッパを有し、
    前記ストッパは、前記接続部において前記駆動源から前記線状体への前記駆動力の伝達が遮断された状態において、前記湾曲可能ユニットの取外し時に前記第1部材及び前記第2部材の他方と係合することで、前記第1部材と前記第2部材とが分離することを規制する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
  3. 前記第1部材及び前記第2部材の一方に設けられ、前記線状体の延伸方向と交差する方向に突出する凸部が、前記第1部材及び前記第2部材の他方に設けられた凹部に嵌合することで前記第1部材と前記第2部材とが接続されており、
    前記第1部材と前記第2部材との間に第1閾値以下の引張力又は第2閾値以下の圧縮力が作用する場合には、前記凸部が前記凹部に嵌合した状態を維持して前記駆動源から前記線状体に前記駆動力を伝達し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1閾値を超える引張力又は前記第2閾値を超える圧縮力が作用する場合には、前記凸部が前記凹部から離脱して前記駆動源から前記線状体への前記駆動力の伝達を遮断するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療装置。
  4. 前記接続部は、弾性変形可能な弾性要素を有し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1閾値以下の引張力又は前記第2閾値以下の圧縮力が作用する場合には、前記弾性要素の弾性力により、前記凸部が前記凹部に嵌合した状態が維持され、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1閾値を超える引張力又は前記第2閾値を超える圧縮力が作用する場合には、前記弾性要素の弾性変形により、前記凸部が前記凹部から離脱することが許容される
    ことを特徴とする請求項3に記載の医療装置。
  5. 前記第1部材には、前記線状体の前記延伸方向の一方側から前記第2部材を挿入可能な空間が設けられており、
    前記第1部材の前記空間に前記第2部材が挿入された状態で、前記凸部が前記凹部に嵌合されている、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の医療装置。
  6. 前記第1部材は、前記線状体の前記延伸方向に延びて前記空間を形成する筒状部を有し、
    前記第2部材は、前記筒状部の内側の前記空間に挿入される挿入部を有し、
    前記凸部は、前記筒状部の内面及び前記挿入部の外面の一方に設けられており、
    前記凹部は、前記筒状部の内面及び前記挿入部の外面の他方に設けられている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の医療装置。
  7. 前記線状体の延伸方向と交差する方向に突出する第1の凸部及び第2の凸部が前記第1部材に設けられ、第3の凸部及び第4の凸部が前記第2部材に設けられ、前記第1の凸部が前記第3の凸部に係合し、前記第2の凸部が前記第4の凸部に係合することで前記第1部材と前記第2部材とが接続され
    前記第1部材と前記第2部材との間に第1閾値以下の引張力が作用する場合には、前記第1の凸部が前記第3の凸部に係合した状態を維持して前記駆動源から前記線状体に前記駆動力を伝達し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1閾値を超える引張力が作用する場合には、前記第1の凸部が前記第3の凸部から離脱して前記駆動源から前記線状体への前記駆動力の伝達を遮断し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に第2閾値以下の圧縮力が作用する場合には、前記第2の凸部が前記第4の凸部に係合した状態を維持して前記駆動源から前記線状体に前記駆動力を伝達し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第2閾値を超える圧縮力が作用する場合には、前記第2の凸部が前記第4の凸部から離脱して前記駆動源から前記線状体への前記駆動力の伝達を遮断するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療装置。
  8. 前記接続部は、弾性変形可能な弾性要素を有し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1閾値以下の引張力又は前記第2閾値以下の圧縮力が作用する場合には、前記弾性要素の弾性力により、前記第1の凸部が前記第3の凸部に係合し、前記第2の凸部が前記第4の凸部に係合した状態が維持され、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1閾値を超える引張力又は前記第2閾値を超える圧縮力が作用する場合には、前記弾性要素の弾性変形により、前記第1の凸部が前記第3の凸部から離脱し、又は、前記第2の凸部が前記第4の凸部から離脱することが許容される、
    ことを特徴とする請求項7に記載の医療装置。
  9. 前記第1部材には、前記線状体の前記延伸方向の一方側から前記第2部材を挿入可能な空間が設けられており、
    前記第1部材の前記空間に前記第2部材が挿入された状態で、前記第1の凸部が前記第3の凸部に係合し、前記第2の凸部が前記第4の凸部に係合されている、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の医療装置。
  10. 前記第1部材は、前記線状体の前記延伸方向に延びて前記空間を形成する筒状部を有し、
    前記第2部材は、前記筒状部の内側の前記空間に挿入される挿入部を有し、
    前記第1の凸部及び前記第2の凸部は、前記筒状部の内面に設けられており、
    前記第3の凸部及び前記第4の凸部は、前記挿入部の外面に設けられている、
    ことを特徴とする請求項9に記載の医療装置。
  11. 磁石と、第1の磁性体と、第2の磁性体が前記第2部材に設けられ、前記第1の磁性体及び前記第2の磁性体と係合する係合部材が前記第1部材に設けられ、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体は前記線状体の延伸方向において前記磁石を挟むように配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記磁石と密着することによって、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記係合部材と係合し、前記第1部材と前記第2部材が接続され、
    前記第1部材と前記第2部材との間に第1閾値以下の引張力が作用する場合には、前記磁石と密着した前記第1の磁性体が前記係合部材に係合した状態を維持して前記駆動源から前記線状体に前記駆動力を伝達し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第1閾値を超える引張力が作用する場合には、前記第1の磁性体が前記磁石から離間して前記駆動源から前記線状体への前記駆動力の伝達を遮断し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に第2閾値以下の圧縮力が作用する場合には、前記磁石と密着した前記第2の磁性体が前記係合部材に係合した状態を維持して前記駆動源から前記線状体に前記駆動力を伝達し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に前記第2閾値を超える圧縮力が作用する場合には、前記第2の磁性体が前記磁石から離間して前記駆動源から前記線状体への前記駆動力の伝達を遮断するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療装置。
  12. 前記係合部材には内部に前記磁石を挿入可能な空間が設けられており、前記係合部材は前記空間に対応する位置において内部に一部突出した突出部を備えており、
    前記第1部材と前記第2部材が接続されている状態において、前記第1の磁性体は前記磁石と密着するとともに、前記線状体の延伸方向における近位端側の前記突出部の端面と密着し、前記第2の磁性体は前記磁石と密着するとともに、前記線状体の延伸方向における遠位端側の前記突出部の端面と密着していることを特徴とする請求項11に記載の医療装置。
  13. 前記第2部材は、前記磁石、前記第1の磁性体、前記第2の磁性体を軸支する軸部を含んでおり、前記軸部は前記線状体に対して固定されており、前記磁石は前記軸部に対して固定されており、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体は前記軸部に対してスライド可能であることを特徴とする請求項11又は12に記載の医療装置。
  14. 複数の駆動源と、
    前記複数の駆動源によってそれぞれ駆動されることで、前記湾曲部を湾曲させる複数の線状体と、を有し、
    前記接続部は、前記複数の駆動源のうちの1つの駆動源と、当該駆動源に駆動される前記複数の線状体のうちの1つの線状体と、によって構成される駆動源及び線状体の各組に対して設けられている、
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の医療装置。
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