JP2023032757A - エポキシアミン化合物の製造方法 - Google Patents

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章 西山
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Abstract

【課題】医薬品中間体として有用なエポキシアミン化合物を安全に製造することを目的とする。【解決手段】上記課題は、下記式(7)TIFF2023032757000026.tif2327で表されるエポキシアミン化合物(7)の製造方法において、下記式(4)で表される第2アミド化合物(4)を塩基及び酸化剤で処理して下記式(5)で表される第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩を製造する工程を有することにより解決される。TIFF2023032757000027.tif2590【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品中間体として有用なエポキシアミン化合物の製造方法、特に市中感染症治療薬Lefamulinの合成に必要なエポキシアミン化合物の製造方法に関する。
6員炭化水素環を有するエポキシアミン化合物(以下、単にエポキシアミン化合物と称する場合がある)は、下記式の反応(iv)で得られる化合物を含み、医薬品中間体として有用な化合物である。例えば、LefamulinはNabriva社をオリジネーターとする感染症治療薬であり、該治療薬はCABP(市中肺炎)の治療薬として上市されているほか、ABSSI(皮膚細菌感染症)といった疾患への適用が検討されている。Lefamulinは、エポキシアミン化合物を経由して合成できることが知られており、Nabriva社は以下のような、エポキシアミン化合物の合成方法を開示している(特許文献1)。
Figure 2023032757000001
特開2017-008075号公報
しかしながら、上記製造方法では、工程iiiのクルチウス転位反応によって6員炭化水素環アミン化合物を製造しているところ、爆発性が懸念されるアジド中間体を経由する必要があり、安全面に課題がある。
さらに、工程ivの位置選択的なエポキシ化によってエポキシアミン化合物を製造しているところ、爆発性を有する過安息香酸を用いる必要があり、さらにそのジアステレオ選択性が十分でないなど、安全上の観点および収率の観点から課題を有していた。
本発明の目的は、Lefamulinの合成中間体とすることが可能な特定のエポキシアミン化合物を安全に製造することにある。本発明の必須ではない目的には、望まぬジアステレオマーを生じさせることなく前記特定のエポキシアミン化合物を製造することなども含まれる。
前記課題を解決し得た本発明は以下の通りである。
[1] 下記式(4)
Figure 2023032757000002

[式(4)中、R1は水酸基の保護基を示し、Xはハロゲン原子を示す。式(4)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
で表される第2アミド化合物(4)を塩基及び酸化剤で処理して下記式(5)
Figure 2023032757000003

[式(5)中、R1及びXは、前記と同じ意味を示す。式(5)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
で表される第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩を製造する工程を有することを特徴とする、下記式(7)
Figure 2023032757000004

[式(7)中、R2はアミノ基の保護基を示す。式(7)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
で表されるエポキシアミン化合物(7)の製造方法。
[2] 前記第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩のアミノ基に保護基を導入することで、下記式(6)
Figure 2023032757000005

[式(6)中、R1、R2及びXは前記と同じ意味を示す。式(6)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
で表される第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)を製造する工程;及び
前記第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)を、溶媒中、塩基で処理して前記エポキシアミン化合物(7)を製造する工程;
をさらに含む[1]に記載の製造方法。
[3] 前記第2アミド化合物(4)から第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩を製造する工程を行うに先立って、
下記式(2)
Figure 2023032757000006

[式(2)中、Xは前記と同じ意味を示す。式(2)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
で表されるラクトン化合物(2)にアンモニアを作用させることにより、下記式(3)
Figure 2023032757000007

[式(3)中、Xは前記と同じ意味を示す。式(3)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
で表される第1アミド化合物(3)を製造する工程;及び
前記第1アミド化合物(3)の水酸基に保護基を導入することにより、前記第2アミド化合物(4)を製造する工程;をこの順で行う、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記ラクトン化合物(2)から第1アミド化合物(3)を製造する工程を行うに先立って、下記式(1)
Figure 2023032757000008

[式(1)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
で表されるシクロヘキセンカルボン酸(1)をハロゲン化剤で処理することにより、前記ラクトン化合物(2)を製造する工程を行う、[3]に記載の製造方法。
本発明によれば、Lefamulinの合成中間体とすることが可能な特定のエポキシアミン化合物を安全に製造できる。また本発明の好ましい態様によれば、望まぬジアステレオマーを生じさせることなく前記特定のエポキシ化合物を製造することができる。
以下に、本発明にかかる方法を詳細に述べる。なお、本明細書において、「当量」とは「モル当量」(原料1モルに対する物質量(モル比))を意味する。
本発明は、下記式(7)
Figure 2023032757000009

[式(7)中、R2はアミノ基の保護基を示す。式(7)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
で表されるエポキシアミン化合物(7)の製造方法に関する。
2で表されるアミノ基の保護基としては、公知のアミノ基の保護基であれば特に限定されないが、*-C(=O)R12で表されるアシル系保護基(アミド形成基)、または*-C(=O)OR12で表されるエステル系保護基(カルバメート形成基)であることが好ましい(*は結合手を表す)。前記R12は、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3~20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を表す。
12で表される炭素数1~20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1~10のアルキル基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基がより好ましい。該アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などの炭素数1~6のアルキルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素数2~10のアルコキシカルボニル基;アセチル基、プロピオニル基などの炭素数2~10のアシル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基などの炭素数3~20のトリアルキルシリル基などが挙げられる。
12で表される炭素数3~20のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3~10のシクロアルキル基が好ましい。該シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、R12で表される炭素数1~20のアルキル基が有していてもよい置換基と同様である。
12で表される炭素数7~20のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などの炭素数7~15のアラルキル基が好ましく、炭素数7~10のアラルキル基がより好ましい。該アラルキル基が有していてもよい置換基としては、R12で表される炭素数1~20のアルキル基が有していてもよい置換基と同様である。
12で表される炭素数6~20のアリール基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基などが挙げられ、炭素数6~10のアリール基であることが好ましい。該アリール基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1~6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などの炭素数1~6のアルキルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素数2~10のアルコキシカルボニル基;アセチル基、プロピオニル基などの炭素数2~10のアシル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基などの炭素数3~20のトリアルキルシリル基などが挙げられる。
中でも、R2で表されるアミノ基の保護基としては、*-C(=O)R12で表されるアシル系保護基(*は結合手を表す)であることが好ましく、R12が置換基を有していてもよい炭素数1~20(好ましくは1~6)のアルキル基であるアシル系保護基がより好ましく、R12がハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~20(好ましくは1~6)のアルキル基であるアシル系保護基がさらに好ましく、トリフルオロアセチル基が特に好ましい。
[工程a]
本発明のエポキシアミン化合物(7)の製造方法は、下記式(4)で表される第2アミド化合物(4)を塩基及び酸化剤で処理して下記式(5)で表される第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩を製造する工程(工程a)を含む。上述の通り、従来は、Lefamulinの合成中間体としてのエポキシアミン化合物を製造するに当たって、爆発性が懸念されるアジド中間体を経由するクルチウス転位反応が用いられていたが、本発明では工程aのホフマン転位反応が採用されているため、Lefamulinの合成中間体とすることが可能な特定のエポキシアミン化合物を安全に製造できる。
Figure 2023032757000010

[式(4)及び式(5)中、R1は水酸基の保護基を示し、Xはハロゲン原子を示す。式(4)で表される化合物及び式(5)で表される化合物は、それぞれ、ラセミ体であってもよい。]
1で表される水酸基の保護基としては、*-C(=O)OR11で表されるエステル系保護基(炭酸エステル形成基)、*-Si(R113で表されるシリル系保護基(シロキサン形成基)、*-R11で表される基(エーテル形成基)、および*-C(=O)R11で表されるアシル系保護基(エステル形成基)からなる群から選択されるいずれか1つであることが好ましい(*は結合手を表す)。前記R11は、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3~20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を表す。
11で表される置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基としては、R12で表される置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基と同様の基が挙げられ、R11で表される置換基を有していてもよい炭素数3~20のシクロアルキル基としては、R12で表される置換基を有していてもよい炭素数3~20のシクロアルキル基と同様の基が挙げられ、R11で表される置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基としては、R12で表される置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基と同様の基が挙げられ、R11で表される置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基としては、R12で表される置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基と同様の基が挙げられる。
1で表される水酸基の保護基としては、*-C(=O)R11で表されるアシル系保護基(*は結合手を表す)が好ましく、R11が置換基を有していてもよい炭素数1~20(好ましくは1~6)のアルキル基であるアシル系保護基がより好ましい。
Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、好ましくは臭素原子である。
工程aで用いる酸化剤は特に限定されないが、ヨードベンゼンジアセタート、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンなどの超原子価ヨウ素酸化剤;1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインなどのブロモヒダントイン類;1,3-ジメチル-5,5-ジブロモヒダントイン次亜塩素酸ナトリウム、臭素、N-ブロモスクシンイミド、N-ヨードシクシンイミド、四酢酸鉛などが挙げられる。中でも、酸化剤としては、超原子価ヨウ素酸化剤を用いることが好ましい。
工程aで用いられる酸化剤の量は、特に限定されないが、第2アミド化合物(4)1当量に対して、0.6~1.5当量が好ましく、0.8~1.2当量がより好ましい。
工程aで用いる塩基は特に限定されないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、コリジンなどをはじめとする有機塩基や、ナトリウム、カリウムもしくはリチウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属;それらの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩などの無機塩基が挙げられる。中でも、塩基としては、有機塩基を用いることが好ましい。
工程aで用いられる塩基の量は、特に限定されないが、第2アミド化合物(4)1当量に対して、0.01~1当量が好ましく、0.03~0.1当量がより好ましい。
工程aは、反応溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程aで用いられる反応溶媒は、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;ジメチルプロピレンウレアなどのウレア系溶媒;ヘキサメチルホスホン酸トリアミドなどのホスホン酸トリアミド系溶媒;水などが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくはエーテル系溶媒と水の混合溶媒、又はニトリル系溶媒と水の混合溶媒であり、より好ましくはテトラヒドロフランと水の混合溶媒、又はアセトニトリルと水の混合溶媒である。
工程aで反応溶媒を用いる場合、反応溶媒の量は、特に限定されないが、第2アミド化合物(4)に対して、2倍~50倍(vol/wt)が好ましく、5倍~30倍(vol/wt)がより好ましい。
工程aの反応温度は、特に限定されないが、-20℃~反応溶媒の沸点が好ましく、20℃~60℃がより好ましい。
工程aの反応時間は、特に限定されないが、30分~120時間が好ましく、1時間~6時間がより好ましい。
なお、第2アミド化合物(4)、酸化剤、塩基、および必要に応じて用いられる反応溶媒の添加方法や添加順序は特に限定されない。
工程aで得られる第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)は塩を形成していてもよく、フリーのアミン化合物でもよい。前記塩を形成する酸は、系中に含まれる酸であってもよく、系外から添加する酸であってもよく、系中に含まれる酸であること、特に酸化剤に含まれる酸であることが好ましい。また前記塩は、酢酸塩またはトリフルオロ酢酸塩などのカルボン酸塩が好ましく、酢酸塩がより好ましい。
[工程b~c]
本発明は、さらに、
工程aで得られた第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩のアミノ基に保護基を導入することで、下記式(6)で表される第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)を製造する工程(工程b);及び
前記第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)を、溶媒中、塩基で処理して前記エポキシアミン化合物(7)を製造する工程(工程c);を含むことが好ましい。
Figure 2023032757000011

[式(6)中、R1、R2及びXは前記と同じ意味を示す。式(6)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
工程b及び工程cによれば、特定のエポキシアミン化合物を製造する際に、爆発性を有する過安息香酸を用いる必要がなく、より安全にエポキシアミン化合物を製造することが可能となる。以下、工程b及び工程cについて順に説明する。
[工程b]
工程bは、工程aで得られた第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩のアミノ基に保護基を導入し第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)を製造する工程である。
アミノ基の保護には、Theodora W.Greene, Peter G.M.Wuts著 Protective Groups in Organic Chemistry(第5版、WILEY-INTERSCIENCE社出版)や他の文献に記載の定法を適宜利用できる。例えば、好ましい態様であるトリフルオロアセチル基による保護には、酸塩化物、酸無水物、混合酸無水物、エステル化物、縮合剤などのアミノ基保護試薬を適宜用いることができ、好ましくはトリフルオロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸エチルなどを用いることができる。
工程bで用いられるアミノ基保護試薬(保護基となる結合を有する化合物)の量は、特に限定されないが、第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩1当量に対して、1~10当量が好ましく、2~5当量がより好ましい。
工程bでの保護基導入反応は、必要に応じて、塩基の存在下で行ってもよい。工程bで用いる塩基としては、工程aで例示した塩基と同様の塩基が挙げられ、中でも有機塩基を用いることが好ましい。
工程bで塩基を用いる場合、塩基の量は、特に限定されないが、第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩1当量に対して、1~20当量が好ましく、3~10当量がより好ましい。
工程bは、反応溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程bで用いられる反応溶媒は、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;ジメチルプロピレンウレアなどのウレア系溶媒;ヘキサメチルホスホン酸トリアミドなどのホスホン酸トリアミド系溶媒などが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。工程bで用いられる反応溶媒としては、エーテル系溶媒及びニトリル系溶媒からなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましく、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることがより好ましい。
工程bで反応溶媒を用いる場合、反応溶媒の量は、特に限定されないが、第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩に対して、2倍~50倍(vol/wt)が好ましく、5倍~30倍(vol/wt)がより好ましい。
工程bの反応温度は、特に限定されないが、-20℃~反応溶媒の沸点が好ましく、0℃~60℃がより好ましい。
工程bの反応時間は、特に限定されないが、30分~120時間が好ましく、1時間~6時間がより好ましい。
なお、第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩、及びアミノ基保護試薬、並びに、必要に応じて用いられる塩基、及び反応溶媒の添加方法や添加順序は特に限定されない。
[工程c]
工程cは、工程bで得られた第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)の水酸基の保護基の脱保護と、エポキシ部位の合成を行い、エポキシアミン化合物(7)を製造する工程である。具体的に工程cは、第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)を、塩基及び溶媒の存在下で処理する工程である。
工程cで用いる塩基としては、工程aで例示した塩基と同様の塩基が挙げられ、中でも無機塩基を用いることが好ましく、アルカリ金属の炭酸塩を用いることがより好ましい。
工程cで用いる塩基の量は、特に限定されないが、第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)1当量に対して、0.1~10当量が好ましく、0.5~3当量がより好ましい。
工程cで用いる溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール系有機溶媒、水、もしくは、アルコール系有機溶媒と水の混合物を用いることが好ましい。
工程cで用いる溶媒の量は、特に限定されないが、エポキシアミン化合物(6)に対して、2倍~50倍(vol/wt)が好ましく、5倍~30倍(vol/wt)がより好ましい。
工程cの反応温度は、特に限定されないが、-20℃~溶媒の沸点が好ましく、20℃~60℃がより好ましい。
工程cの反応時間は、特に限定されないが、30分~120時間が好ましく、1時間~6時間がより好ましい。
なお、第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)、塩基、および反応溶媒の添加方法や添加順序は特に限定されない。
[工程d~e]
本発明は、さらに、
第2アミド化合物(4)から第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩を製造する工程aを行うに先立って、
下記式(2)で表されるラクトン化合物(2)にアンモニアを作用させることにより、下記式(3)で表される第1アミド化合物(3)を製造する工程(工程d);及び
前記第1アミド化合物(3)の水酸基に保護基を導入することにより、前記第2アミド化合物(4)を製造する工程(工程e);をこの順で行うことが好ましい。
Figure 2023032757000012

[式(2)及び式(3)中、Xは前記と同じ意味を示す。式(2)で表される化合物及び式(3)で表される化合物は、それぞれ、ラセミ体であってもよい。]
本発明の製造方法が工程d~eを含むことにより、望まぬジアステレオマーを生じさせることなくエポキシアミン化合物(7)を製造することが可能となる。以下、工程d及び工程eについて順に説明する。
[工程d]
工程dは、ラクトン化合物(2)にアンモニアを作用させることにより、第1アミド化合物(3)を製造する工程である。
工程dで用いられるアンモニアの量は特に限定されないが、ラクトン化合物(2)1当量に対して、1当量~5当量が好ましく、1.5当量~2.5当量がより好ましい。また添加方法としては、アンモニアガスを反応溶液に直接導入してもよいし、予め溶液(好ましくは水溶液)としたものを添加してもよい。
工程dは、反応溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程dで用いられる反応溶媒としては、工程bで例示した反応溶媒と同様の溶媒が挙げられ、エーテル系溶媒及びニトリル系溶媒からなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましく、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることがより好ましい。
工程dで反応溶媒を用いる場合、反応溶媒の量は、特に限定されないが、ラクトン化合物(2)に対して、2倍~50倍(vol/wt)が好ましく、5倍~30倍(vol/wt)がより好ましい。
工程dの反応温度は、特に限定されないが、-20℃~60℃が好ましく、0℃~30℃がより好ましい。
工程dの反応時間は、特に限定されないが、30分~120時間が好ましく、10時間~30時間がより好ましい。
なお、ラクトン化合物(2)、アンモニア、および反応溶媒の添加方法や添加順序は特に限定されない。
[工程e]
工程eは、工程dで得られた第1アミド化合物(3)の水酸基に保護基を導入することにより、前記第2アミド化合物(4)を製造する工程である。
水酸基の保護基としては、前記第2アミド化合物(4)で例示したものを使用でき、その導入には、Theodora W.Greene, Peter G.M.Wuts著 Protective Groups in Organic Chemistry(第5版、WILEY-INTERSCIENCE社出版)や他の文献に記載の定法を適宜利用できる。例えば、アシル系保護基の導入には、酸塩化物、酸無水物、混合酸無水物、縮合剤などの水酸基保護試薬を用いることができ、中でも酸無水物を用いることが好ましい。
工程eで用いられる水酸基保護試薬(保護基となる結合を有する化合物)の量は、特に限定されないが、第1アミド化合物(3)1当量に対して、0.5~10当量が好ましく、1~5当量がより好ましい。
工程eにおける反応は、塩基の存在下で行うことが好ましい。工程eで用いる塩基としては、工程aで例示した塩基と同様の塩基が挙げられ、中でも有機塩基を用いることが好ましい。
工程eで塩基を用いる場合、塩基の量は、特に限定されないが、第1アミド化合物(3)1当量に対して、0.5~10当量が好ましく、1~5当量がより好ましい。
工程eは、反応溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程eで用いられる反応溶媒としては、工程bで例示した反応溶媒と同様の溶媒が挙げられ、エーテル系溶媒及びニトリル系溶媒からなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましく、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることがより好ましい。
工程eで反応溶媒を用いる場合、反応溶媒の量は、特に限定されないが、第1アミド化合物(3)に対して、1倍~50倍(vol/wt)が好ましく、2倍~30倍(vol/wt)がより好ましい。
工程eの反応温度は、特に限定されないが、-20℃~反応溶媒の沸点が好ましく、20℃~60℃がより好ましい。
工程eの反応時間は、特に限定されないが、30分~120時間が好ましく、1時間~6時間がより好ましい。
なお、第1アミド化合物(3)及び水酸基保護試薬、並びに、必要に応じて用いられる塩基及び反応溶媒の添加方法や添加順序は特に限定されない。
[工程f]
本発明は、さらに、前記ラクトン化合物(2)から第1アミド化合物(3)を製造する工程dを行うに先立って、下記式(1)で表されるシクロヘキセンカルボン酸(1)をハロゲン化剤で処理することにより、前記ラクトン化合物(2)を製造する工程(工程f)を行ってもよい。
Figure 2023032757000013

[式(1)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
工程fで用いられるハロゲン化剤は特に限定されないが、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸塩;次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウムなどの次亜臭素酸塩;塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン;N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミドなどのN-ハロスクシンイミド類、N-クロロイソシアヌル酸、N-ブロモイソシアヌル酸などのN-ハロイソシアヌル酸類;1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントインなどのクロロヒダントイン類;1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインなどのブロモヒダントイン類;1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントインなどのヨードヒダントイン類;等が挙げられる。好ましくは臭素、N-ブロモスクシンイミド又はブロモヒダントイン類である。
工程fで用いられるハロゲン化剤の量は特に限定されないが、シクロヘキセンカルボン酸(1)1当量に対して、0.8当量~5当量が好ましく、1当量~3当量がより好ましい。
工程fの反応は、塩基の存在下で行うことが好ましい。工程fで用いられる塩基は特に限定されないが、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムであることが好ましく、酸化カルシウムを用いることがより好ましい。
工程fで用いられる塩基の量は特に限定されないが、シクロヘキセンカルボン酸(1)1当量に対して、0.01当量~1当量が好ましく、0.05当量~0.5当量がより好ましい。
工程fは、反応溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程fで用いられる反応溶媒としては、工程bで例示した反応溶媒と同様の溶媒が挙げられ、エーテル系溶媒及びニトリル系溶媒からなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましく、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることがより好ましい。
工程fで反応溶媒を用いる場合、反応溶媒の量は、特に限定されないが、シクロヘキセンカルボン酸(1)に対して、2倍~50倍(vol/wt)が好ましく、5倍~30倍(vol/wt)がより好ましい。
工程fの反応温度は、特に限定されないが、-20℃~反応溶媒の沸点が好ましく、20℃~60℃がより好ましい。
工程fの反応時間は、特に限定されないが、30分~120時間が好ましく、1時間~6時間がより好ましい。
なお、シクロヘキセンカルボン酸(1)及びハロゲン化剤、並びに、必要に応じて用いられる塩基及び反応溶媒の添加方法や添加順序は特に限定されない。
好ましい原料であるシクロヘキセンカルボン酸(1)としては、光学活性体を用いてもよい。また、工程a~fのいずれかの段階で光学分割を行ってもよいし、本発明の方法で得られたエポキシアミン化合物(7)の光学分割を行ってもよい。光学分割の方法としては、従来公知の方法を用いることができる。本発明は、エナンチオマーが副生する工程を有していないため、光学活性体であるシクロヘキセンカルボン酸(1)を用いた場合、及び、工程a~fのいずれかの段階で光学分割を行った場合には、その光学純度を維持したまま、目的物であるエポキシアミン化合物(7)を合成することが可能である点で好ましい。また、工程a~f(特に、工程c~f)では、系中に固体が発生し、そこで優先晶析が行われる場合もあり、追加の操作を行わなくても光学純度を高めることが可能である点でより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前記及び/又は後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
本実施例で変換率、含量および化学純度評価に用いた分析条件は以下の通りである。
(分析条件)
カラム:5C18-AR-II
流速:0.8min/mL
移動相A:アセトニトリル、移動相B:0.1%リン酸水溶液
(グラジエント条件)
0.01分 移動相A:移動相B=15:85
22.50分 移動相A:移動相B=80:20
27.49分 移動相A:移動相B=80:20
27.50分 移動相A:移動相B=15:85
30.10分 Stop
カラム温度:40℃
検出波長:210nm
(実施例1)ブロモラクトン化合物の合成
Figure 2023032757000014
式(11)の(rac)-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸(2.0g、15.85mmol、1.0当量)を10.0mLのアセトニトリル(化合物(11)の5倍量(vol/wt))に溶解させ、N-ブロモスクシンイミド(2.96g、16.65mmol、1.05当量)、酸化カルシウム(88.9mg、1.59mmol、0.1当量)、及びアセトニトリル4.0mL(化合物(11)の2倍量(vol/wt))の溶液にシリンジポンプを用いて30分かけて滴下した。その後、ジャケット温度25℃で1時間攪拌した後にろ過を行った。得られたろ液をジャケット温度30℃にて濃縮乾固した後に、室温にて真空乾燥を行った。
得られた固体に蒸留水10.0mL(化合物(11)の5倍量(vol/wt))を加え、ジャケット温度50℃にて15分間攪拌し、固体を50℃でろ取した。再度、固体に蒸留水10.0mL(化合物(11)の5倍量(vol/wt))を加え、ジャケット温度50℃にて15分間攪拌し、固体を50℃でろ取した。得られた固体を室温にて真空乾燥を行い、ブロモラクトン(12)を白色固体として取得した(2.82g、純度77.8%、収率86.8%)。
1H NMR(CDCl3):δ4.81(dd、J=5.0,5.0Hz、1H)、4.41(dd、J=4.7,4.7Hz、1H)、2.68(brs、1H)、2.65(brs、1H)、2.45-2.38(m、1H)、2.36-2.31(m、1H)、2.15(dd、J=16.3,5.4Hz、1H)、1.96(ddd、J=13.5,13.5,5.4,2.0Hz、1H)、1.88-1.83(m、1H)
(実施例2)ラクトン部位の開環反応
Figure 2023032757000015
ブロモラクトン(12)500.0mg(2.44mmol、1.0当量)、及びテトラヒドロフラン3.1mL(ブロモラクトン(12)の6.2倍量(vol/wt))からなる溶液に、28wt%アンモニア水溶液296.8mg(4.88mmol、2.0当量)を滴下し、25℃で20時間攪拌した。メタノールで反応液を移液した後、ジャケット温度20℃で減圧濃縮を行った。アミド体(13)及びエポキシアミド(18)を含む混合物を白色固体として得た(アミド体(13):516.8mg、収率95.4%、エポキシアミド(18):4.9mg、収率1.4%)。
1H NMR(CD3OD):δ3.81(ddd、J=12.0,9.7,4.6Hz、1H)、3.59(ddd、J=11.2,9.7,4.6Hz、1H)、2.40(m、2H)、2.14(m、1H)、1.86(m、1H)、1.78(m、1H)、1.50(m、2H);
13C NMR(CD3OD):δ179.8(1C)、75.3(1CH)、58.9(1C)、43.8(1CH)、38.9(1CH2)、36.8(1CH2)、30.8(1CH2
(実施例3)水酸基への保護基導入
Figure 2023032757000016
アミド体(13)8.13g(36.6mmol、1.0当量)、及びテトラヒドロフラン16.3mL(アミド体(13)の2倍量(vol/wt))からなる溶液に、ピリジン8.3mL(102.8mmol、2.8当量)、及び無水酢酸7.3mL(77.2mmol、2.1当量)を室温で添加し、50℃で3時間攪拌した。反応後のスラリー溶液を室温に下げてヘキサン40.7mLを加え、15分撹拌した後、0℃で40分攪拌し、白色固体を濾過した。白色固体を0℃で冷やしたヘキサンで洗浄した。その白色固体を水81mLに添加し、室温で1時間攪拌した後、0℃で20分攪拌し、白色固体を濾過した。白色固体を0℃で冷やした水で洗浄後、40℃で3時間半減圧乾燥を行うことで化合物(14)を白色固体として得た(8.23g、純度98.6area%、収率83.9%)。
1H NMR(CDCl3):δ4.90(ddd、J=11.5,10.3,4.6Hz、1H)、3.91(ddd、J=12.0,10.3,4.6Hz、1H)、2.50(m、1H)、2.40(m,1H)、2.28(m、1H)、2.11(s、3H)、1.98-1.87(m、2H)、1.67-1.56(m,2H);
13C NMR(CDCl3):δ175.3(1C)、170.2(1C)、75.3(1CH)、51.3(1CH)、42.1(1CH)、35.2(1CH2)、34.8(1CH2)、29.4(1CH2)、21.0(1CH3
(実施例4)ホフマン転位、及びアミノ基への保護基導入
Figure 2023032757000017
化合物(14)(264mg、1.00mmol、1.0当量)、及びアセトニトリル/水(1/1)5.0mL(化合物(14)に対して19倍量(vol/wt))からなる溶液に、ピリジン4μL(0.05mmol、0.05当量)、及びヨードベンゼンジアセタート354mg(11.1mmol、1.1当量)を室温で加え、1時間攪拌した。反応液を15分間減圧濃縮(ジャケット温度40℃、80mmHg)し、容器の底に分離した赤い油状物(233mg)を除去した。反応液にトルエン7.9mLを加え、ジャケット温度40℃、30mmHgで減圧濃縮を行った。室温で1時間真空乾燥を行うことで赤褐色のアモルファスが311mg得られた。そこにテトラヒドロフラン1.06mL(化合物(14)に対して4倍量(vol/wt))を加え、ピリジン0.32mL(4.0mmol、4.0当量)を0℃で滴下した。トリフルオロ酢酸エチル0.36mL(3.0mmol、3.0当量)を0℃で滴下し、その後50℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液5mLを加えた。有機層と水層に分離後、水層をさらにジクロロメタン5mLで2回抽出を行った。集めた有機層を飽和食塩水5mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾別後、減圧濃縮をすることにより赤褐色のオイルと固体となった。これをカラム精製(Rf=0.29,0.40、n-Hexane/Ethyl acetate=3/1、ultrapak B、gradient)することで、トリフルオロアセトアミド体(TFAアミド体)(16)を薄いピンク色の固体として得た(1.81g、純度98.4area%、収率79.6%)。
1H NMR(CDCl3):δ6.77(brs、1H)、5.08(m、1H)、4.13(m、1H)、4.05(m、1H)、2.48(m、1H)、2.39-2.21(m、1H)、2.13(s、3H)、2.13-2.06(m、1H)、2.00-1.91(m、1H)、1.64-1.51(m,2H);
13C NMR(CDCl3):δ156.2(q、J=37.2Hz、1C)、115.7(q、J=288.5Hz、1C)、73.0(1CH)、48.9(1CH)、45.7(1CH)、33.6(1CH2)、29.4(1CH2)、29.0(1CH2)、20.9(1CH3);
19F NMR(CDCl3):δ-75.9
(実施例5)化学選択的脱保護とエポキシ化
Figure 2023032757000018
TFAアミド体(16)1328.4mg(4.00mmol、1.0当量)、及びメタノール20mL(TFAアミド体(16)に対して15倍量(vol/wt))からなる溶液に、炭酸カリウム553.0mg(4.00mmol、1.0当量)を加え、室温で2時間撹拌した。0℃に降温し、固体を濾別した後、ろ液をジャケット温度20℃で減圧濃縮した。得られた白色スラリー固体2329.6mgに酢酸エチル13.3mL、水4.4mLを加え、水層を分離後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾別後、ジャケット温度30℃で減圧濃縮を行い、17時間真空乾燥することにより化合物(17)を白色固体として得た(824.6mg、純度95.3area%、収率93.7%)。
1H NMR(CDCl3):δ7.16(brs、1H)、4.22-4.13(m、1H)、3.32-3.23(m、2H)、2.21(ddd、J=15.5,5.2,1.7Hz、1H)、2.12-2.01(m,3H)、1.75-1.67(m、1H)、1.55-1.46(m,1H);
13C NMR(CDCl3):δ156.3(q、J=36.6Hz、1C)、115.8(q、J=287.6Hz、1C)、52.1(1CH)、51.9(1CH)、43.4(1CH)、29.1(1CH2)、23.8(1CH2)、20.2(1CH2);
19F NMR(CDCl3):δ-76.0

Claims (4)

  1. 下記式(4)
    Figure 2023032757000019

    [式(4)中、R1は水酸基の保護基を示し、Xはハロゲン原子を示す。式(4)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
    で表される第2アミド化合物(4)を塩基及び酸化剤で処理して下記式(5)
    Figure 2023032757000020

    [式(5)中、R1及びXは、前記と同じ意味を示す。式(5)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
    で表される第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩を製造する工程を有することを特徴とする、下記式(7)
    Figure 2023032757000021

    [式(7)中、R2はアミノ基の保護基を示す。式(7)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
    で表されるエポキシアミン化合物(7)の製造方法。
  2. 前記第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩のアミノ基に保護基を導入することで、下記式(6)
    Figure 2023032757000022

    [式(6)中、R1、R2及びXは前記と同じ意味を示す。式(6)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
    で表される第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)を製造する工程;及び
    前記第2の6員炭化水素環アミン化合物(6)を、溶媒中、塩基で処理して前記エポキシアミン化合物(7)を製造する工程;
    をさらに含む請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第2アミド化合物(4)から第1の6員炭化水素環アミン化合物(5)又はその塩を製造する工程を行うに先立って、
    下記式(2)
    Figure 2023032757000023

    [式(2)中、Xは前記と同じ意味を示す。式(2)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
    で表されるラクトン化合物(2)にアンモニアを作用させることにより、下記式(3)
    Figure 2023032757000024

    [式(3)中、Xは前記と同じ意味を示す。式(3)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
    で表される第1アミド化合物(3)を製造する工程;及び
    前記第1アミド化合物(3)の水酸基に保護基を導入することにより、前記第2アミド化合物(4)を製造する工程;をこの順で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記ラクトン化合物(2)から第1アミド化合物(3)を製造する工程を行うに先立って、下記式(1)
    Figure 2023032757000025

    [式(1)で表される化合物は、ラセミ体であってもよい。]
    で表されるシクロヘキセンカルボン酸(1)をハロゲン化剤で処理することにより、前記ラクトン化合物(2)を製造する工程を行う、請求項3に記載の製造方法。
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