JP2023028089A - バルク波共振子および帯域通過フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】バルク波共振子の特性を向上させる。【解決手段】バルク波共振子は、バルク波を用いたバルク波共振子であって、支持基板と、音響インピーダンスが異なる複数種類の誘電体が前記支持基板上に積層された音響反射膜と、前記音響反射膜上に積層された圧電層と、前記圧電層における前記音響反射膜とは反対側の面である第1面上に間隔を空けて対向配置され、前記バルク波を前記圧電層に発生させる電圧が印加される第1電極および第2電極と、前記圧電層の前記第1面に対して平行な方向のうち、前記第1電極と前記第2電極とが対向する方向を第1方向としたとき、前記圧電層の前記第1面上において、前記第1電極および前記第2電極が配置される電極エリアの前記第1方向の外側に配置される反射器と、を備え、前記圧電層における前記音響反射膜側の面である第2面には電極が配置されていない。【選択図】図25
Description
本発明は、バルク波共振子および帯域通過フィルタに関する。
例えば、特許文献1には、上下の電極間に圧電層が挟まれた構造のバルク波共振子(FBAR:(Film Bulk Acoustic Resonator))が開示されている。かかるバルク波共振子では、下電極と支持基板との間にキャビティ(空間)が形成されることがある。
無線通信の周波数が高周波数になるに連れ、高周波数の通過帯域を有する帯域通過フィルタの実現が望まれている。このような帯域通過フィルタを実現するために、共振周波数が比較的高いバルク波共振子の実現が望まれている。そして、そのようなバルク波共振子において、例えば、レスポンスなどのバルク波共振子の特性を向上させることが望まれている。
そこで、本発明は、バルク波共振子の特性を向上させることが可能なバルク波共振子および帯域通過フィルタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、
バルク波を用いたバルク波共振子であって、
支持基板と、
音響インピーダンスが異なる複数種類の誘電体が前記支持基板上に積層された音響反射膜と、
前記音響反射膜上に積層された圧電層と、
前記圧電層における前記音響反射膜とは反対側の面である第1面上に間隔を空けて対向配置され、前記バルク波を前記圧電層に発生させる電圧が印加される第1電極および第2電極と、
前記圧電層の前記第1面に対して平行な方向のうち、前記第1電極と前記第2電極とが対向する方向を第1方向としたとき、前記圧電層の前記第1面上において、前記第1電極および前記第2電極が配置される電極エリアの前記第1方向の外側に配置される反射器と、
を備え、
前記圧電層における前記音響反射膜側の面である第2面には電極が配置されていない、バルク波共振子が提供される。
バルク波を用いたバルク波共振子であって、
支持基板と、
音響インピーダンスが異なる複数種類の誘電体が前記支持基板上に積層された音響反射膜と、
前記音響反射膜上に積層された圧電層と、
前記圧電層における前記音響反射膜とは反対側の面である第1面上に間隔を空けて対向配置され、前記バルク波を前記圧電層に発生させる電圧が印加される第1電極および第2電極と、
前記圧電層の前記第1面に対して平行な方向のうち、前記第1電極と前記第2電極とが対向する方向を第1方向としたとき、前記圧電層の前記第1面上において、前記第1電極および前記第2電極が配置される電極エリアの前記第1方向の外側に配置される反射器と、
を備え、
前記圧電層における前記音響反射膜側の面である第2面には電極が配置されていない、バルク波共振子が提供される。
前記第1電極および前記第2電極に対する電圧の印加により、前記圧電層の内部に前記第1方向の平行電界励振による厚みすべり振動を発生させ、前記厚みすべり振動による前記第1方向の前記バルク波をメインモードとして用いるようにしてもよい。
前記圧電層と前記支持基板との間に空間が形成されることなく、前記圧電層が前記音響反射膜を介して前記支持基板に支持されるSMR型のバルク波共振子であるようにしてもよい。
前記反射器と前記第1電極は、離隔して配置されているとともに、前記反射器と前記第2電極は、離隔して配置されているようにしてもよい。
前記反射器は、複数の反射要素を有し、
前記反射器の前記複数の反射要素は、互いに前記第1方向に間隔を空けて配置されるようにしてもよい。
前記反射器の前記複数の反射要素は、互いに前記第1方向に間隔を空けて配置されるようにしてもよい。
一対の前記反射器が、前記圧電層の前記第1面上において、前記電極エリアの前記第1方向の両側に配置されるようにしてもよい。
前記第1電極および前記第2電極は、前記第1方向において互いに重なる部分を有さず、
前記第1電極および前記第2電極は、IDT電極を構成しないようにしてもよい。
前記第1電極および前記第2電極は、IDT電極を構成しないようにしてもよい。
前記第1電極は、前記第1方向に対して交差する第2方向に延びる複数の第1電極指を有し、
前記第2電極は、前記第2方向に延びる複数の第2電極指を有し、
前記第1電極指と前記第2電極指は、前記第1方向に間隔を空けて交互に配置され、かつ、相互に対向配置され、
前記第1電極指と前記第2電極指とのピッチPと、前記第1電極指および前記第2電極指の電極指幅Wとは、下記式(1)を満たすようにしてもよい。
P/W≧1.5 ・・・(1)
前記第2電極は、前記第2方向に延びる複数の第2電極指を有し、
前記第1電極指と前記第2電極指は、前記第1方向に間隔を空けて交互に配置され、かつ、相互に対向配置され、
前記第1電極指と前記第2電極指とのピッチPと、前記第1電極指および前記第2電極指の電極指幅Wとは、下記式(1)を満たすようにしてもよい。
P/W≧1.5 ・・・(1)
前記圧電層は、圧電材料の単結晶のY軸に直交する面を少なくともX軸を中心軸として回転した面を主面とする圧電基板からなるようにしてもよい。
前記圧電層は、タンタル酸リチウムの単結晶のY軸に直交する面をX軸を中心軸として80°~160°の範囲内で回転し、さらに当該回転された面をZ軸を中心軸として-35°~35°の範囲内で回転した面を主面とする圧電基板からなるようにしてもよい。
前記圧電層は、ニオブ酸リチウムの単結晶のY軸に直交する面をX軸を中心軸として60°~170°の範囲内で回転し、さらに当該回転された面をZ軸を中心軸として-35°~35°の範囲内で回転した面を主面とする圧電基板からなるようにしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
上記バルク波共振子を複数備える、帯域通過フィルタが提供される。
上記バルク波共振子を複数備える、帯域通過フィルタが提供される。
複数の前記バルク波共振子がラダー型に接続されるようにしてもよい
複数の前記バルク波共振子がラティス型に接続されるようにしてもよい
本発明によれば、バルク波共振子の特性を向上させることが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るバルク波共振子10の構成を示す概略断面図である。図2は、同実施形態に係るバルク波共振子10の概略平面図である。バルク波共振子10は、支持基板12、音響反射膜14、圧電層16、第1電極18および第2電極20を含む。バルク波共振子10は、支持基板12上に音響反射膜14が積層され、音響反射膜14上に圧電層16が積層され、圧電層16上に第1電極18および第2電極20が設置されて構成されている。
図1は、本発明の第1実施形態に係るバルク波共振子10の構成を示す概略断面図である。図2は、同実施形態に係るバルク波共振子10の概略平面図である。バルク波共振子10は、支持基板12、音響反射膜14、圧電層16、第1電極18および第2電極20を含む。バルク波共振子10は、支持基板12上に音響反射膜14が積層され、音響反射膜14上に圧電層16が積層され、圧電層16上に第1電極18および第2電極20が設置されて構成されている。
支持基板12は、平板状に形成される。支持基板12は、音響反射膜14、圧電層16、第1電極18および第2電極20を支持する。支持基板12は、例えば、シリコン(ケイ素)の単結晶で形成される。なお、支持基板を形成する材料は、シリコンの単結晶に限らず、圧電層16等を適切に支持できるものであればよい。
音響反射膜14は、支持基板12上に積層される。音響反射膜14は、音響インピーダンスが異なる複数種類の誘電体が交互に積層されたものである。
音響反射膜14は、第1誘電体層22および第2誘電体層24を含む。音響反射膜14は、支持基板12から圧電層16に向かって、第1誘電体層22、第2誘電体層24の順に、交互に積層される。図1の例では、第1誘電体層22および第2誘電体層24は、例えば、4層ずつ交互に積層されている。なお、第1誘電体層22および第2誘電体層24の積層数は、4層ずつに限らず、少なくとも1層ずつあればよい。また、音響反射膜14は、2種類の誘電体(第1誘電体層22および第2誘電体層24)が積層される態様に限らず、3種類以上の誘電体が積層されてもよい。
音響反射膜14の最下層の第1誘電体層22の底面は、支持基板12の上面に接触している。音響反射膜14の最上層の第2誘電体層24の上面は、圧電層16に接触している。第2誘電体層24の音響インピーダンスは、第1誘電体層22の音響インピーダンスおよび圧電層16の音響インピーダンスと異なる。
圧電層16は、音響反射膜14における最上層の第2誘電体層24上に積層される。圧電層16は、薄膜状に形成された圧電体からなる。
圧電層16は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)の単結晶またはニオブ酸リチウム(LiNbO3)の単結晶などで形成される。このように、圧電層16は、単結晶タイプの圧電層であり、薄膜タイプの圧電層ではない。なお、圧電層16は、焦電処理、Feドープ処理およびMgドープ処理のうち少なくともいずれかの処理がなされたタンタル酸リチウムの単結晶、または、上述の処理のうち少なくともいずれかの処理がなされたニオブ酸リチウムの単結晶であってもよい。また、圧電層16は、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムに限らず、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、水晶、C軸が傾いた圧電体など、その他の圧電体で形成されてもよい。
圧電層16は、上面16a(第1面)および下面16b(第2面)を有する。上面16aおよび下面16bは、圧電層16の主面であり、大凡、平面となっている。圧電層16の2つの表面(上面16aおよび下面16b)のうち下面16bは、音響反射膜14(具体的には、第2誘電体層24)と接触している。つまり、圧電層16の下面16bは、音響反射膜14側の面であり、圧電層16の上面16aは、音響反射膜14とは反対側の面である。圧電層16の上面16aは、圧電層16における音響反射膜14とは反対側の面である第1面に相当する。圧電層16の下面16bは、圧電層16における音響反射膜14側の面である第2面に相当する。
第1電極18および第2電極20は、圧電層16の上面16aに配置される。換言すると、第1電極18および第2電極20は、圧電層16における音響反射膜14とは反対側の第1面(上面16a)上に配置される。第1電極18および第2電極20は、それぞれ圧電層16に接触している。第1電極18および第2電極20は、互いに間隔を空けて対向配置される。第1電極18および第2電極20は、例えば、長方形の平板状に形成され、第1電極18の1辺と第2電極20の1辺とが対向する。
以後、バルク波共振子10において、第1電極18および第2電極20の対向方向をX方向と呼ぶ場合がある。また、圧電層16の厚さ方向をY方向と呼ぶ場合がある。また、X方向およびY方向にそれぞれ垂直に交差する方向をZ方向と呼ぶ場合がある。X方向は、圧電層16の第1面に対して平行な方向のうち、第1電極18と第2電極20とが対向する方向である第1方向に相当する。Z方向は、圧電層16の第1面に対して平行な方向のうち、第1方向に対して垂直に交差する第2方向に相当する。
第1電極18および第2電極20は、例えば、圧電層16に接触する下層と、下層上に積層される上層とから形成されてもよい。第1電極18および第2電極20の上層は、例えば、導電率が比較的高い金(Au)で形成される。第1電極18および第2電極20の下層は、例えば、チタン(Ti)で形成され、上層を圧電層16に適切に固定するバッファとして機能する。なお、第1電極18および第2電極20の材料は、金およびチタンに限らず、導電性を有する任意の材料を使用可能である。
バルク波共振子10では、圧電層16における音響反射膜14とは反対側の面(上面16a)のみに第1電極18および第2電極20が配置されており、圧電層16における音響反射膜14側の面(下面16b)には電極が配置されていない。
第1電極18と第2電極20との間には、電圧が印加される。第1電極18と第2電極20との間に電圧が印加されると、圧電層16に電圧がかかり、圧電層16に平行電界厚みすべり振動が発生する。
図3は、第1実施形態に係るバルク波共振子10の平行電界励振厚みすべり振動を説明する概略図である。図3では、圧電層16付近の断面を示している。バルク波共振子10では、上述のように、第1電極18と第2電極20とが共通の面に配置されている。第1電極18と第2電極20との間に電圧を印加すると、圧電層16にかかる電界の方向は、概ねX方向と一致する。つまり、圧電層16の上面(主面)に対して平行に電界を印加することで、平行電界励振を発生させる。このX方向の平行電界励振により、圧電層16には、X方向に変位を持つTSモードの厚みすべり振動(平行電界励振厚みすべり振動)が発生する。
厚みすべり振動が発生すると、圧電層16内にTSモードのバルク波(BAW:Bulk Acoustic Wave)が発生する。このTSモードの厚みすべり振動によるバルク波は、変位がX方向であり、第1面から第2面に向かって伝搬する。バルク波共振子10は、圧電層16に発生するTSモードのバルク波を用いた共振子である。つまり、バルク波共振子10は、第1電極18および第2電極20に対する電圧の印加により、圧電層16の内部にX方向の平行電界励振による厚みすべり振動を発生させ、厚みすべり振動によるX方向のバルク波をメインモードとして用いる。換言すると、X方向に変位を持ち、第1面から第2面に向かって伝搬する厚みすべり振動によるバルク波をメインモードとして用いる。このように、本実施形態に係るバルク波共振子10のメインモードは、X方向の平行電界励振による厚みすべり振動(TSモード)であり、Y方向の垂直電界励振による厚み縦振動(TEモード)ではない。これに対し、従来のFBARのメインモードは、Y方向の垂直電界励振による厚み縦振動(TEモード)である。また、従来のSAW(Surface Acoustic Wave)のメインモードは、圧電層の表面を伝わる表面弾性波である。したがって、本実施形態に係るバルク波共振子10と、従来のFBARやSAWとの間では、振動のメインモードの方向や特性が相違する。
図4は、第1実施形態に係るバルク波共振子10の共振周波数と圧電層16の厚さとの関係を例示するグラフである。バルク波共振子10の共振周波数は、第1電極18と第2電極20との間のインピーダンスが急峻に低下するときの第1電極18と第2電極20との間の電圧の周波数に相当する。図4で示すように、バルク波共振子10では、圧電層16の厚さを薄くするに従って共振周波数を高くすることができる。
図1に戻り、音響反射膜14の第1誘電体層22および第2誘電体層24の具体例を示す。第1誘電体層22は、音響インピーダンスが第2誘電体層24に対して相対的に高くなっている。換言すると、第2誘電体層24は、音響インピーダンスが第1誘電体層22に対して相対的に低くなっている。また、第2誘電体層24は、音響インピーダンスが圧電層16に対して相対的に低くなっている。つまり、第1誘電体層22と第2誘電体層24とでは、音響インピーダンスの差が所定値以上となっている。また、第2誘電体層24と圧電層16とでは、音響インピーダンスの差が所定値以上となっている。
音響反射膜14は、第1誘電体層22および第2誘電体層24によって、音響インピーダンスの高低が1層毎に交互に変化する音響ブラッグ反射器を構成している。このため、圧電層16のバルク波は、音響反射膜14の各層の界面、および、圧電層16と音響反射膜14との界面において圧電層16側に反射される。
例えば、第1誘電体層22は、窒化アルミニウム(AlN)またはアルミナ(Al2O3)で形成されてもよい。第2誘電体層24は、シリカ(SiO2)で形成されてもよい。なお、第1誘電体層22および第2誘電体層24は、例示した物質に限らず、音響インピーダンスが適切な任意の物質で形成されてもよい。
第1誘電体層22の厚さ(層厚)は、第1誘電体層22中(つまり、第1誘電体層22を形成する物質中)でのバルク波(音波)の長さ(波長λ)の4分の1としてもよい。同様に、第2誘電体層24の厚さ(層厚)は、第2誘電体層24中(つまり、第2誘電体層24を形成する物質中)でのバルク波(音波)の長さ(波長λ)の4分の1としてもよい。波長λは、バルク波共振子10の共振周波数f0に関連している。このため、第1誘電体層22の厚さおよび第2誘電体層24の厚さは、バルク波共振子10の所望の共振周波数f0に基づいて適宜設定されてもよい。
以上のように、第1実施形態のバルク波共振子10は、支持基板12上に音響反射膜14が積層され、音響反射膜14上に圧電層16が積層されている。つまり、第1実施形態のバルク波共振子10は、圧電層16と支持基板12との間にキャビティ(空間)が形成されることなく、圧電層16全体が音響反射膜14を介して支持基板12に支持されるSMR(Solidly Mounted Resonator)型のバルク波共振子である。このため、第1実施形態のバルク波共振子10では、圧電層16を音響反射膜14および支持基板12によって堅牢に支持することができる。その結果、第1実施形態のバルク波共振子10では、上下の電極間に圧電層16が挟まれる比較例のバルク波共振子(FBAR)に比べ、圧電層16の厚さを薄くしても圧電層16の破損を防止できる。
そして、第1実施形態のバルク波共振子10では、圧電層16の破損を防止しつつ圧電層16を薄くすることができるため、共振周波数を高周波とすることが可能となる。
また、第1実施形態のバルク波共振子10は、音響反射膜14上に圧電層16が積層されている。このため、第1実施形態のバルク波共振子10では、圧電層16を支持基板12から音響的に分離することができ、エネルギー損失を抑制することができる。
また、第1実施形態のバルク波共振子10は、圧電層16における音響反射膜14とは反対側の面(上面16a)上に2個の電極(第1電極18および第2電極20)が配置されている。つまり、第1実施形態のバルク波共振子10は、圧電層16における音響反射膜14側の面(下面16b)には電極が配置されていない。このため、第1実施形態のバルク波共振子10では、比較例のバルク波共振子に比べ、圧電層16と支持基板12との間に電極(所謂、下電極)を設ける工程を省略できるため、バルク波共振子10の製作を簡略化することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るバルク波共振子について説明する。第2実施形態では、第1実施形態のバルク波共振子10の圧電層16に適用される圧電体の結晶のカット角の範囲を詳細に設定する。
次に、本発明の第2実施形態に係るバルク波共振子について説明する。第2実施形態では、第1実施形態のバルク波共振子10の圧電層16に適用される圧電体の結晶のカット角の範囲を詳細に設定する。
図5は、カット角の定義を説明する図である。図5におけるX、YおよびZは、結晶のX軸、Y軸およびZ軸に対応する。X軸およびZ軸で形成される面は、Y面A10と定義される。図5では、Y面A10に沿った仮想の平板を、一点鎖線A12で示している。
カット角は、Y面A10の姿勢を回転させる角度を示す。角度θは、X軸周りの角度を示す。角度θは、X軸の正方向に右ネジが進むとした場合の右ネジの回転方向を正方向とする。また、角度φは、Z軸周りの角度を示す。角度φは、Z軸の正方向に右ネジが進むとした場合の右ネジの回転方向を正方向とする。
図5では、一点鎖線A12の平板をX軸周りに任意のθ度だけ回転させた後の平板を、二点鎖線A22で例示している。つまり、二点鎖線A22で示される面A20は、Y面A10をX軸周りに任意のθ度だけ回転させた後の面に相当する。なお、Y面A10を一方向(θ方向)に回転させることを1回回転と呼ぶ。
また、図5では、二点鎖線A22の平板をZ軸周りに任意のφ度(例えば、φ=45°)だけ回転させた後の平板を、実線A32で例示している。つまり、実線A32で示される面A30は、二点鎖線A22で示される面をZ軸周りに任意のφ度だけ回転させた後の面に相当する。換言すると、面A30は、Y面A10をX軸周りにθ度回転し、かつ、Z軸周りにφ度回転した後の面に相当する。なお、Y面A10を二方向(θ方向およびφ方向)に回転させることを2回回転と呼ぶ。
例えば、角度θおよび角度φを設定することで、Y面A10に対応する面が面A30となったとする。この場合、結晶は、面A30に平行な面でカットされることを示す。つまり、面A30に平行な面でカットされた結晶が圧電層16に適用されることとなるため、面A30に平行な面が圧電層16の表面(主面)に対応する。
図6は、圧電層16にタンタル酸リチウムを適用する場合におけるカット角の設定範囲を説明する図である。以下、タンタル酸リチウムをLTと略す。
圧電層16にLTを適用する場合、LTの単結晶の圧電基板におけるX軸周りの角度θは、80°以上、160°以下の範囲内に設定される。また、LTの単結晶の圧電基板におけるZ軸周りの角度φは、-35°以上、35°以下の範囲内に設定される。つまり、LTにおけるカット角は、図6のクロスハッチングB10で示す範囲内のいずれかの値に設定される。
図7は、LTにおける角度θと平行電界励振厚みすべり振動X方向伝搬の電気機械結合係数Kの関係を示す図である。図7では、角度φはゼロであるとする。電気機械結合係数Kは、圧電層16に与えられる電気的エネルギーが機械的エネルギーに変換される効率を示す。
図7に示すように、角度θを80°以上、160°以下(80°~160°)の範囲とすることで、電気機械結合係数Kを約38%以上とすることができる。
図8は、LTにおける角度θと温度特性(TCF)の関係を示す図である。図8では、角度φはゼロであるとする。温度特性(TCF)は、温度が1℃変化するときの共振周波数の変化率をppm/℃で示すものであり、温度変化に対する周波数特性の変化率に相当する。温度特性(TCF)については、絶対値が小さいほど特性がよいことを示す。
図8に示すように、角度θを80°以上、160°以下(80°~160°)の範囲内とすることで、温度特性を、約-20ppm/℃以上、約20ppm/℃以下の範囲内とすることができる。
すなわち、圧電層16にLTを適用する場合、角度θを80°以上、160°以下の範囲内とすることで、高い電気機械結合係数Kと、低い温度特性とを両立させることができる。
図9は、LTにおける角度θが96°のときの角度φと電気機械結合係数Kの関係の一例を示す図である。図10は、LTにおける角度θが96°のときの角度φと温度特性(TCF)の関係を示す図である。
図9に示すように、LTでは、角度θを96°としつつ、角度φを0°から変化させると、電気機械結合係数Kが低下する傾向にある。しかし、図10に示すように、角度θを96°としつつ、角度φを0°から変化させても、温度特性の絶対値をゼロに近い範囲に維持することができる。
つまり、LTでは、角度φを-35°以上、35°以下(-35°~35°)の範囲内とすると、電気機械結合係数Kの減少を抑制しつつ(例えば、約10%以上としつつ)、温度特性を向上させることができる(例えば、約ゼロとすることができる)。
これにより、例えば、電気機械結合係数Kを重視する場合には、角度φをゼロ寄りに設定し、温度特性を重視する場合には、角度φを-35°または35°寄りに設定してもよい。また、例えば、電気機械結合係数Kおよび温度特性を均等に両立させる場合には、角度φを、-35°と0°との中央付近、または、35°と0°との中央付近に設定してもよい。
なお、図9、図10では、角度θを96°としたときの例を挙げて説明していた。しかし、角度θが96°の場合に限らず、80°以上、160°以下の各々の場合も同様に、角度φを-35°以上、35°以下の範囲に設定してもよい。
また、焦電処理、Feドープ処理およびMgドープ処理のうち少なくともいずれかの処理がなされたタンタル酸リチウムの単結晶を圧電層16に適用する場合についても、角度θを80°以上、160°以下、角度φを-35°以上、35°以下の範囲内に設定してもよい。
このように、LTでは、単結晶のY軸に直交する面をX軸を中心軸として80°~160°の範囲内で1回回転し、1回回転後の面をZ軸を中心軸として-35°~35°の範囲内で2回回転した面に沿って切り出された圧電基板を圧電層16に適用してもよい。換言すると、圧電層16は、LTの単結晶のY軸に直交する面をX軸を中心軸として80°~160°の範囲内で回転し、さらに当該回転された面をZ軸を中心軸として-35°~35°の範囲内で回転した面を主面とする圧電基板からなるようにしてもよい。これにより、バルク波共振子10の電気機械結合係数Kを向上させ、所要の電気機械結合係数Kを維持することができる。また、上記条件のLTを圧電層16に適用することで、バルク波共振子10の温度特性を向上させることもできる。
また、後述するが、電気機械結合係数Kが高くなるほど、バルク波共振子の共振点と反共振点との間の周波数差が大きくなる傾向にある。共振点と反共振点との間の周波数差が大きくなると、バルク波共振子を用いた帯域通過フィルタにおいて、帯域幅を広くすることができる。すなわち、図6で示した条件の圧電基板を圧電層16に適用すると電気機械結合係数Kを向上させることができるため、このバルク波共振子を用いることで、帯域幅が広い帯域通過フィルタを実現することができる。
図11は、圧電層16にニオブ酸リチウムを適用する場合におけるカット角の設定範囲を説明する図である。以下、ニオブ酸リチウムをLNと略す。
圧電層16にLNを適用する場合、LNの単結晶の圧電基板におけるX軸周りの角度θは、60°以上、170°以下の範囲内に設定される。また、LNの単結晶の圧電基板におけるZ軸周りの角度φは、-35°以上、35°以下の範囲内に設定される。つまり、LNにおけるカット角は、図11のクロスハッチングC10で示す範囲内のいずれかの値に設定される。
図12は、LNにおける角度θと電気機械結合係数Kの関係を示す図である。図12では、角度φはゼロであるとする。
図12に示すように、角度θを60°以上、170°以下(60°~170°)の範囲とすることで、電気機械結合係数Kを約35%以上とすることができる。
図13は、LNにおける角度θと温度特性(TCF)の関係を示す図である。図13では、角度φはゼロであるとする。
図13に示すように、LNでは、温度特性よりも電気機械結合係数Kを考慮して、60°以上、170°以下(60°~170°)の範囲を設定している。
図14は、LNにおける角度θが75°のときの角度φと電気機械結合係数Kの関係の一例を示す図である。図15は、LNにおける角度θが60°のときの角度φと温度特性(TCF)の関係を示す図である。
図14に示すように、LNでは、角度θを75°としつつ、角度φを変化させると、電気機械結合係数Kを向上させることができる。また、図15に示すように、LNでは、角度θを75°としつつ、角度φを変化させると、温度特性の絶対値が、少しではあるが減少する。
つまり、LNでは、角度φを-35°以上、35°以下(-35°~35°)の範囲内とすると、電気機械結合係数Kを最大で約50%まで増加させることが可能となる。また、角度φを-35°以上、35°以下の範囲内とすると、温度特性の絶対値を100ppm/℃以下に減少させることができる。
なお、図14、図15では、角度θを75°としたときの例を挙げて説明していた。しかし、角度θが75°の場合に限らず、60°以上、170°以下の各々の場合も同様に、角度φを-35°以上、35°以下の範囲に設定してもよい。
なお、焦電処理、Feドープ処理およびMgドープ処理のうち少なくともいずれかの処理がなされたニオブ酸リチウムの単結晶を圧電層16に適用する場合についても、角度θを60°以上、170°以下、角度φを-35°以上、35°以下の範囲内に設定してもよい。
このように、LNでは、単結晶のY軸に直交する面をX軸を中心軸として60°~170°の範囲内で1回回転し、1回回転後の面をZ軸を中心軸として-35°~35°の範囲内で2回回転した面に沿って切り出された圧電基板を圧電層16に適用してもよい。換言すると、圧電層16は、LNの単結晶のY軸に直交する面をX軸を中心軸として60°~170°の範囲内で回転し、さらに当該回転された面をZ軸を中心軸として-35°~35°の範囲内で回転した面を主面とする圧電基板からなるようにしてもよい。これにより、バルク波共振子10の電気機械結合係数Kを向上させ、所要の電気機械結合係数Kを維持することができる。また、上記条件のLNを圧電層16に適用することで、バルク波共振子10の温度特性を向上させることもできる。
図11で示した条件の圧電基板を圧電層16に適用すると電気機械結合係数Kを向上させることができるため、このバルク波共振子を用いることで、帯域幅が広い帯域通過フィルタを実現することができる。また、LNについての第2実施形態のバルク波共振子では、LTについての第2実施形態のバルク波共振子よりも電気機械結合係数Kをより大きくすることができ、バルク波共振子を用いた帯域通過フィルタの帯域幅をより広帯域化することが可能となる。なお、上記では、LTまたはLNの単結晶のY軸に直交する面を2回回転させていた。しかし、圧電層16は、圧電材料の単結晶のY軸に直交する面を少なくともX軸を中心軸として回転した面を主面とする圧電基板からなるようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、上記実施形態に係る複数のバルク波共振子で構成される帯域通過フィルタについて説明する。図16は、第1実施形態のバルク波共振子10を複数備える帯域通過フィルタ500の一例を示す回路図である。図16では、複数のバルク波共振子10が、所謂、ラダー型(はしご型)に接続された帯域通過フィルタ500を示している。
次に、上記実施形態に係る複数のバルク波共振子で構成される帯域通過フィルタについて説明する。図16は、第1実施形態のバルク波共振子10を複数備える帯域通過フィルタ500の一例を示す回路図である。図16では、複数のバルク波共振子10が、所謂、ラダー型(はしご型)に接続された帯域通過フィルタ500を示している。
図16に示すように、帯域通過フィルタ500は、第1バルク波共振子10a、第2バルク波共振子10b、第1入力端子550a、第2入力端子550b、第1出力端子552aおよび第2出力端子552bを含む。帯域通過フィルタ500は、例えば、第1バルク波共振子10aを3個含み、第2バルク波共振子10bを2個含む。
第1バルク波共振子10aおよび第2バルク波共振子10bの基本的な構成は、第1実施形態のバルク波共振子10と同様の構成となっている。このため、第1バルク波共振子10aおよび第2バルク波共振子10bを総称して、バルク波共振子10と呼ぶ場合がある。
第1バルク波共振子10aは、共振周波数として所定の第1共振周波数を有する。一方、第2バルク波共振子10bは、共振周波数として所定の第2共振周波数を有する。第2共振周波数は、第1共振周波数とは異なる。例えば、第2バルク波共振子10bの圧電層16の厚さを第1バルク波共振子10aの圧電層16の厚さと異ならせることで、第2共振周波数を第1共振周波数からシフトさせてもよい。
第1バルク波共振子10aは、第1入力端子550aと第1出力端子552aとの間に直列接続される。つまり、第1バルク波共振子10aは、帯域通過フィルタ500における直列要素(直列共振器)として機能する。また、第2入力端子550bおよび第2出力端子552bは、接地される。以下、第1入力端子550aおよび第2入力端子550bを総称して、入力端子550と呼ぶ場合がある。また、第1出力端子552aおよび第2出力端子552bを総称して、出力端子552と呼ぶ場合がある。
第2バルク波共振子10bは、第1入力端子550aと第1出力端子552aとの間の線路および第2入力端子550bと第2出力端子552bとの間の線路に対して(入力端子550および出力端子552に)並列に接続される。つまり、第2バルク波共振子10bは、帯域通過フィルタ500における並列要素(並列共振器)として機能する。具体的には、第2バルク波共振子10bの一端(第1電極18および第2電極20のうち一方の電極)は、第1バルク波共振子10a同士の接続ノードに接続される。換言すると、第2バルク波共振子10bの一端は、入力端子550のうち第1入力端子550a側、あるいは、出力端子552のうち第1出力端子552a側に接続される。第2バルク波共振子10bの他端(第1電極18および第2電極20のうち他方の電極)は、第2入力端子550bおよび第2出力端子552bに接続される。つまり、第2バルク波共振子10bの他端は、接地される。
図16における破線で示すように、1つの第1バルク波共振子10aおよび1つの第2バルク波共振子10bは、1つのセクション554を構成する。帯域通過フィルタ500は、少なくとも1のセクション554を有していればよい。つまり、第1バルク波共振子10aの数は、3個に限らず、1個、2個または4個以上であってもよい。第2バルク波共振子10bの数は、2個に限らず、1個または3個以上であってもよい。
帯域通過フィルタ500では、入力端子550間に入力電圧が印加される。帯域通過フィルタ500は、第1バルク波共振子10aおよび第2バルク波共振子10bで決定される所定の周波数帯域の交流電圧を通過させ、その他の周波数帯域の交流電圧の通過を阻止する。そして、帯域通過フィルタ500では、通過された所定の周波数帯域の交流電圧が、出力端子552間から出力される。
なお、帯域通過フィルタ500において、第2入力端子550bおよび第2出力端子552bは、省略されてもよい。この場合、第2バルク波共振子10bの他端は、第2入力端子550bおよび第2出力端子552bを有する場合と同様に、接地される。また、この場合、交流電圧が第1入力端子550aに入力され、所定の周波数帯域の交流電圧が第1出力端子552aから出力される。
図17は、第1バルク波共振子10aおよび第2バルク波共振子10bにおけるインピーダンスの周波数特性の一例を示す図である。図17では、第1バルク波共振子10aの特性を実線560で示し、第2バルク波共振子10bの特性を一点鎖線570で示している。
帯域通過フィルタ500における第1バルク波共振子10aは、直列要素として機能するため、共振点562の周波数の電圧を通過させ、反共振点564の周波数の電圧を阻止する。一方、帯域通過フィルタ500における第2バルク波共振子10bは、並列要素として機能するため、共振点572の周波数の電圧を阻止し、反共振点574の周波数の電圧を通過させる。
また、バルク波共振子10において、反共振点は、共振点より相対的に高周波数側に現れる。そこで、帯域通過フィルタ500では、直列要素の第1バルク波共振子10aの共振周波数(共振点562の周波数)を並列要素の第2バルク波共振子10bの共振周波数(共振点572の周波数)より相対的に高くしている。これにより、第1バルク波共振子10aの反共振点564と第2バルク波共振子10bの共振点572との間の周波数領域に、第1バルク波共振子10aの共振点562と第2バルク波共振子10bの反共振点574とを位置させることができる。つまり、電圧を通過させる周波数領域が、電圧の通過を阻止する第1バルク波共振子10aの反共振点564と第2バルク波共振子10bの共振点572とによって区分される。
図18は、帯域通過フィルタ500の信号の周波数特性の一例を示す図である。図19は、図18の破線で囲まれた部分の部分拡大図である。図18および図19では、信号をデシベル(dB)で表記し、入力信号に対する出力信号の減衰(以下、伝送量という。)を示している。
図18に示すように、第1バルク波共振子10aの反共振点564の周波数である約5.3GHz、および、第2バルク波共振子10bの共振点572の周波数である約4.3GHzでは、信号が大幅に減衰している。つまり、第1バルク波共振子10aの反共振点564および第2バルク波共振子10bの共振点572の周波数において、信号の通過が阻止されることが示されている。
また、第1バルク波共振子10aの共振点562の周波数である約4.9GHz、および、第2バルク波共振子10bの反共振点574の周波数である約4.7GHzでは、信号の減衰が比較的少ない。つまり、第1バルク波共振子10aの共振点562および第2バルク波共振子10bの反共振点574の周波数付近において、信号が適切に通過されることが示されている。
図19に示すように、例えば、信号が-3dB以上となる周波数領域を、帯域通過フィルタ500の帯域幅とする。つまり、帯域通過フィルタ500は、帯域幅内の周波数の信号を適切に通過させ、帯域幅外の周波数の信号の通過を阻止する。図19の例の帯域通過フィルタ500では、約4.5GHzから約5.1GHzまでの約580MHzの帯域幅の信号を通過させることができる。なお、帯域幅は、図19で示す値(約580MHz)に限らず、第1バルク波共振子10aおよび第2バルク波共振子10bの共振周波数に基づいて、適宜設計することが可能である。
以上のように、第3実施形態の帯域通過フィルタ500は、共振周波数を高くすることができる第1実施形態のバルク波共振子10を用いて構成される。このため、帯域通過フィルタ500では、通過帯域を高周波帯域に設定可能となる。
また、帯域通過フィルタ500では、第1バルク波共振子10aの共振点562の周波数および第2バルク波共振子10bの反共振点574の周波数を適宜に設定することで、帯域幅を狭くすることもできるし、広くすることもできる。
なお、第3実施形態では、第1実施形態のバルク波共振子10を用いて帯域通過フィルタ500を構成する例を挙げていた。しかし、第3実施形態の帯域通過フィルタ500は、第1~第2実施形態のバルク波共振子10、または、第1~第2実施形態を適宜組み合わせたバルク波共振子のいずれを用いて構成されてもよい。また、第3実施形態の帯域通過フィルタ500は、第1~第2実施形態のバルク波共振子10、または、第1~第2実施形態を適宜組み合わせたバルク波共振子が混在して構成されてもよい。
(第4実施形態)
図20は、第1実施形態のバルク波共振子10を複数備える帯域通過フィルタ600の他の一例を示す回路図である。図20では、複数のバルク波共振子10が、所謂、ラティス型に接続された帯域通過フィルタ600を示している。
図20は、第1実施形態のバルク波共振子10を複数備える帯域通過フィルタ600の他の一例を示す回路図である。図20では、複数のバルク波共振子10が、所謂、ラティス型に接続された帯域通過フィルタ600を示している。
図20に示すように、帯域通過フィルタ600は、第1バルク波共振子10c、10d、第2バルク波共振子10e、10f、第1入力端子550a、第2入力端子550b、第1出力端子552aおよび第2出力端子552bを含む。
第1バルク波共振子10c、10d、第2バルク波共振子10e、10fの基本構成は、第1実施形態のバルク波共振子10と同様の構成となっている。このため、第1バルク波共振子10c、10d、第2バルク波共振子10e、10fを総称して、バルク波共振子10と呼ぶ場合がある。
第1バルク波共振子10c、10dは、第3実施形態の第1バルク波共振子10aと同様に、所定の第1共振周波数を有する。第2バルク波共振子10e、10fは、第5実施形態の第2バルク波共振子10bと同様に、第1共振周波数とは異なる所定の第2共振周波数を有する。
第1バルク波共振子10cは、第1入力端子550aと第1出力端子552aとの間に接続される。第1バルク波共振子10dは、第2入力端子550bと第2出力端子552bとの間に接続される。つまり、第1バルク波共振子10c、10dは、帯域通過フィルタ600における直列要素(直列共振器)として機能する。
第2バルク波共振子10eは、第1入力端子550aと第2出力端子552bとの間に接続される。第2バルク波共振子10fは、第2入力端子550bと第1出力端子552aとの間に接続される。つまり、第2バルク波共振子10e、10fは、帯域通過フィルタ600における並列要素(並列共振器)として機能する。
帯域通過フィルタ600では、帯域通過フィルタ500と同様に、第1バルク波共振子10c、10dの反共振点および第2バルク波共振子10e、10fの共振点の周波数付近において、信号を阻止することができる。また、帯域通過フィルタ600では、帯域通過フィルタ500と同様に、第1バルク波共振子10c、10dの共振点および第2バルク波共振子10e、10fの反共振点の周波数付近において、信号を適切に通過させることができる。
以上のように、第4実施形態の帯域通過フィルタ600は、帯域通過フィルタ500と同様に、通過帯域を高周波帯域に設定可能となる。
また、帯域通過フィルタ600では、第1バルク波共振子10c、10dの共振点の周波数および第2バルク波共振子10e、10fの反共振点の周波数を適宜に設定することで、帯域幅を狭くすることもできるし、広くすることもできる。
なお、第4実施形態では、第1実施形態のバルク波共振子10を用いて帯域通過フィルタ600を構成する例を挙げていた。しかし、第4実施形態の帯域通過フィルタ600は、第1~第2実施形態のバルク波共振子10、または、第1~第2実施形態を適宜組み合わせたバルク波共振子のいずれを用いて構成されてもよい。また、第4実施形態の帯域通過フィルタ600は、第1~第2実施形態のバルク波共振子10、または、第1~第2実施形態を適宜組み合わせたバルク波共振子が混在して構成されてもよい。
各実施形態および各変形例のバルク波共振子10を用いた帯域通過フィルタの回路構成は、ラダー型(図16参照。)またはラティス型(図20参照。)の例に限らない。つまり、各実施形態および各変形例のバルク波共振子10を他の回路に適用して帯域通過フィルタを構成してもよい。例えば、圧電板に複数の電極を近接して配列して隣り合う電極(共振子)を音響的に結合させた共振器結合型フィルタ(所謂、モノリシックフィルタ)を構成してもよい。
(第5実施形態)
図21は、本発明の第5実施形態に係るバルク波共振子710の構成を示す概略断面図である。図22は、同実施形態に係るバルク波共振子710の概略平面図である。第5実施形態のバルク波共振子710は、上記の第1実施形態に係る第1電極18および第2電極20に代えて、IDT電極716を構成する第1電極718および第2電極720を有する点において、第1実施形態のバルク波共振子10と異なり、他の構成については、第1実施形態のバルク波共振子10と共通している。なお、第5実施形態に係る第1電極718および第2電極720がIDT電極716を構成しているが、第5実施形態のバルク波共振子710は、表面弾性波(SAW)フィルタではない。
図21は、本発明の第5実施形態に係るバルク波共振子710の構成を示す概略断面図である。図22は、同実施形態に係るバルク波共振子710の概略平面図である。第5実施形態のバルク波共振子710は、上記の第1実施形態に係る第1電極18および第2電極20に代えて、IDT電極716を構成する第1電極718および第2電極720を有する点において、第1実施形態のバルク波共振子10と異なり、他の構成については、第1実施形態のバルク波共振子10と共通している。なお、第5実施形態に係る第1電極718および第2電極720がIDT電極716を構成しているが、第5実施形態のバルク波共振子710は、表面弾性波(SAW)フィルタではない。
第1電極718および第2電極720は、圧電層16の上面16a上に配置されている。第1電極718は、第1バスバー718aと、複数の第1電極指718bとを有する。第2電極720は、第2バスバー720aと、複数の第2電極指720bとを有する。第1電極718および第2電極720は、図示した数の電極指を有する態様に限らず、任意の数の電極指を有するようにしてもよい。
第1バスバー718aおよび第2バスバー720aは、X方向に延びており、互いに平行である。第1バスバー718aおよび第2バスバー720aは、Z方向に互いに間隔を空けて配置されている。第1電極指718bは、第1バスバー718aに接続されており、第1バスバー718aから第2バスバー720aに向かってZ方向に延びている。第1電極指718bの第1バスバー718a側の端部は、第1バスバー718aに接続されている。第1電極指718bの第2バスバー720a側の端部は、第2バスバー720aから離隔している。第2電極指720bは、第2バスバー720aに接続されており、第2バスバー720aから第1バスバー718aに向かってZ方向に延びている。第2電極指720bの第2バスバー720a側の端部は、第2バスバー720aに接続されている。第2電極指720bの第1バスバー718a側の端部は、第1バスバー718aから離隔している。複数の第1電極指718bおよび複数の第2電極指720bは、互いに平行に配置され、かつX方向に互いに間隔を空けて配置されている。第1電極指718bと第2電極指720bとの対向方向は、X方向(第1方向)である。
第1電極718は、X方向(第1方向)に直交するZ方向(第2方向)に延びる複数の第1電極指718bを有する。第2電極720は、Z方向(第2方向)に延びる複数の第2電極指720bを有する。第1電極指718bと第2電極指720bは、X方向に間隔を空けて交互に配置されるとともに、相互にX方向に対向配置される。第1電極指718bにおける第2電極指720bに対向する面が、X方向に対して垂直になるように、第1電極指718bは、圧電層16上に配置される。第2電極指720bにおける第1電極指718bに対向する面が、X方向に対して垂直になるように、第2電極指720bは、圧電層16上に配置される。このように、本実施形態では、複数対の第1電極指718bおよび第2電極指720bが配置される。
図22に示すように、電極指幅Wは、電極指のX方向(第1方向)の幅である。第1電極指718bの電極指幅Wと、第2電極指720bの電極指幅Wとは、等しい。また、IDT電極716のピッチP(第1電極指718bと第2電極指720bとのピッチP)は、第1電極指718bのX方向(幅方向)の中心点と、第2電極指のX方向(幅方向)の中心点との間の距離である。第1電極指718bおよび第2電極指720bは、X方向において、所定のピッチPで交互に配置される。また、P/W(電極指幅Wに対するピッチPの比)は、ピッチPを電極指幅Wで除算した指標であり、次の式(1)で表される。
P/W≧1.5 ・・・(1)
P/W≧1.5 ・・・(1)
IDT電極716を構成する第1電極718と第2電極720との間に電圧が印加されると、第1実施形態と同様に、X方向に電界が発生し、圧電層16にX方向の平行電界厚み滑り振動が発生する。IDT電極716への電圧の印加により、バルク波共振子710は、圧電層16の内部にX方向の平行電界励振による厚みすべり振動を発生させ、厚みすべり振動によるX方向に変位を持ったバルク波をメインモードとして用いる。
比較例のSAWフィルタでは、SAWの周波数が電極間隔や電極幅等に依存するため、電極間隔や電極幅を厳密に調整する必要がある。これに対し、第5実施形態のバルク波共振子710では、バルク波の周波数が圧電層16の厚みに依存して決定され、バルク波の周波数が電極間隔や電極幅等に依存しない。このため、第7実施形態のバルク波共振子710は、SAWフィルタと比べ、周波数に従って電極間隔や電極幅等を厳密に調整する必要がない。また、SAWフィルタでは、SAWの周波数を高くするには電極間隔や電極幅等を狭くする必要があるため、高周波になるほどSAWフィルタの製造が困難になる。これに対し、第5実施形態のバルク波共振子710では、バルク波の周波数が電極間隔や電極幅等に依存しないため、バルク波の周波数を容易に高くすることが可能であり、バルク波共振子710を容易に製造できる。また、第5実施形態のバルク波共振子710では、電極間隔や電極幅等を調整することで、電気機械結合係数Kまたはレスポンスなどの出力特性を所望の値にすることができる。
図23は、P/Wに対する電気機械結合係数Kの一例を示す図である。図23で示すように、P/Wが1.5以上である場合、バルク波共振子710の電気機械結合係数Kを、バルク波共振子710が帯域通過フィルタに適用される際に要求される値よりも高くすることができる。
具体的には、図23に示すように、P/Wは、1.5以上であることが好ましい。さらに、P/Wは、1.5以上、3以下であることがより好ましい。これにより、電気機械結合係数Kを40%以上にすることができる。さらに、P/Wは、1.6以上、2以下であることが、より好ましい。これにより、電気機械結合係数Kを43%以上にすることができる。さらに、P/Wは、1.7以上、1.8以下であることが、より一層好ましい。これにより、電気機械結合係数Kを45%以上にすることができる。
例えば、バルク波共振子を携帯電話の高周波数帯域の帯域通過フィルタに適用する場合、n79バンドでは、Kが36%以上であることが要求され、n78バンドでは、Kが38%以上であることが要求され、n77バンドでは、Kが49%以上であることが要求される。この点、本実施形態に係るバルク波共振子710において、P/Wが1.5以上、3以下であれば、40%以上の高いKを得ることができるので、バルク波共振子710を、携帯電話の高周波数帯域の帯域通過フィルタに良好に適用できる。
図24は、P/Wに対するレスポンスの一例を示す図である。レスポンスは、反共振点のインピーダンスと共振点のインピーダンスとの差分を示す。図24で示すように、P/Wが1.5以上である場合、バルク波共振子710のレスポンスを、バルク波共振子710が帯域通過フィルタに適用される際に要求される値よりも高くすることができる。
具体的には、図24に示すように、P/Wは、1.5以上であることが好ましい。これにより、レスポンスを25dB以上にすることができる。さらに、P/Wは、1.7以上であることが、より好ましい。これにより、レスポンスを35dB以上にすることができる。さらに、P/Wは、3以上であることが、より一層好ましい。これにより、レスポンスを54dB以上にすることができる。さらに、P/Wは、4以上であることが、より一層好ましい。これにより、レスポンスを58dB以上にすることができる。
n78バンドでは、帯域幅が500MHz以上であることが要求される。レスポンスが54dB以上であれば、約570MHzの帯域幅の帯域通過フィルタを設計することが可能である。つまり、レスポンスが54dB以上となるP/Wが3以上であれば、n78バンドの帯域通過フィルタを良好に作成することができる。また、n79バンドでは、帯域幅が600MHz以上であることが要求される。レスポンスが58dB以上であれば、約605MHの帯域幅の帯域通過フィルタを設計することが可能である。つまり、レスポンスが58dB以上となるP/Wが4以上であれば、n79バンドの帯域通過フィルタを良好に作成することができる。
なお、P/Wが大きくなるに従って、Kが低下する傾向にある。また、P/Wが大きくなるに従って、レスポンスの上昇度合いが小さくなる。P/Wが12より大きくなると、レスポンスのさらなる上昇が見込めなくなる。これらより、P/Wは、12以下であることが好ましい。P/Wが12以下であれば、電気機械結合係数Kの低下を抑えつつ、レスポンスを向上させることができる。
以上のように、第5実施形態のバルク波共振子710の第1電極718および第2電極720はIDT電極716を構成している。そして、第5実施形態のバルク波共振子710のP/Wは、1.5以上となっている。これにより、第5実施形態のバルク波共振子710では、バルク波共振子710の電気機械結合係数Kおよびレスポンスを向上させることが可能となる。
第3実施形態(図16参照。)または第4実施形態(図20参照。)のような帯域通過フィルタを、第5実施形態に係る複数のバルク波共振子710で構成してもよい。
(第6実施形態)
図25は、本発明の第6実施形態に係るバルク波共振子910の構成を示す概略断面図である。図26は、同実施形態に係るバルク波共振子910の概略平面図である。第6実施形態のバルク波共振子910は、反射器930を有する点において、第5実施形態のバルク波共振子710と異なり、他の構成については、第5実施形態のバルク波共振子710と共通している。なお、第1電極718および第2電極720は、図示した数の電極指を有する態様に限らず、任意の数の電極指を有するようにしてもよい。
図25は、本発明の第6実施形態に係るバルク波共振子910の構成を示す概略断面図である。図26は、同実施形態に係るバルク波共振子910の概略平面図である。第6実施形態のバルク波共振子910は、反射器930を有する点において、第5実施形態のバルク波共振子710と異なり、他の構成については、第5実施形態のバルク波共振子710と共通している。なお、第1電極718および第2電極720は、図示した数の電極指を有する態様に限らず、任意の数の電極指を有するようにしてもよい。
図26に示す電極エリア922は、圧電層16の上面16a(第1面)上において、第1電極718および第2電極720が配置されるエリアである。換言すると、電極エリア922は、IDT電極716が配置されるエリアである。
反射器930は、圧電層16における上面16aである第1面上に配置される。反射器930は、電極エリア922のX方向の外側のエリアに配置される。具体的には、図26で示すように、反射器930は、IDT電極716を間に挟むようにして、当該IDT電極716が配置される電極エリア922の左右両側に配置される。詳細には、IDT電極716のうち最左側の第2電極指720bよりも左側のエリアに、1つの反射器930が配置され、IDT電極716のうち最右側の第2電極指720bよりも右側のエリアに、もう1つの反射器930が配置される。また、電極エリア922のZ方向の外側のエリアには、反射器930が配置されていない。なお、X方向は第1方向に相当し、Z方向は第2方向に相当する。
反射器930は、複数の反射要素932を有する。反射要素932は、例えば、一方向に細長い直方体形状のブロック体として構成され、反射要素932の平面形状は、例えば、矩形状であってもよい。反射要素932は、第1電極指718bおよび第2電極指720bに平行に配置されている。つまり、反射要素932は、Z方向(第2方向)に延びるように配置されている。複数の反射要素932は、X方向である第1方向に並んで配置される。複数の反射要素932は、互いに第1方向に間隔を空けて配置される。複数の反射要素932の第1方向のピッチは、IDT電極716のピッチPと大凡等しい。なお、反射器930を構成する反射要素932の数は、図示した数に限らず、反射器930は、任意の数の反射要素932を有してもよい。
反射要素932の各々は、Z方向である第2方向に延びている。反射要素932のZ方向の2つの端部のうち第1の端部は、第1バスバー718aの延長線上に位置する。反射要素932のZ方向の2つの端部のうち第2の端部は、第2バスバー720aの延長線上に位置する。また、反射要素932は、例えば、金属で構成される。
反射器930とIDT電極716は、離隔して配置されており、反射器930はIDT電極716に接触していない。以後、反射器930の複数の反射要素932のうちIDT電極716に最も近い位置に配置されている反射要素932における幅方向の中央と、IDT電極716における最も反射器930に近い電極指(例えば第2電極指720b)の電極指幅方向の中央との距離を、離隔距離Lsと呼ぶ場合がある。
次に、反射器930が配置されていない比較例のバルク波共振子と対比して、反射器930を有する第6実施形態のバルク波共振子910の作用を説明する。
図27は、反射器930が配置されていない比較例のバルク波共振子の作用を説明する概略平面図である。IDT電極716に電圧が印加されると、図27の矢印940で例示するように、平行電界励振厚みすべり振動によるX方向に変位を持ったバルク波が発生する。厚みすべり振動によるX方向に変位を持ったメインモードのバルク波は、基本的には、圧電層16の第1面から第2面に向かってY方向に伝搬する。しかし、メインモード(平行電界励振による厚みすべり振動)の基本波に関しては、X方向についてのエネルギー閉じ込めが成立しないため、図27の矢印942で示すように、電極エリア922のX方向の外側にもバルク波が伝搬して、漏れ出してしまう。これにより、例えば、レスポンスなどのバルク波共振子の特性が低下することがある。
また、矢印942で例示するように、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波は、圧電層16の端部(例えば、ウエハーの端部)に到達し易い。圧電層16の端部に到達したバルク波は、矢印944で示すように、圧電層16の端部で反射されて、電極エリア922に向かって伝搬する。そうすると、圧電層16の端部で反射されたバルク波に起因してX方向に定在波が発生する。そうすると、反射器930が配置されていない比較例のバルク波共振子では、当該定在波に起因するバルク波のスプリアスが発生する。
図28は、反射器930が配置されている第6実施形態のバルク波共振子910の作用を説明する概略平面図である。第6の実施形態でも、IDT電極716に電圧が印加されると、図28の矢印940で例示するように、平行電界励振厚みすべり振動によるX方向に変位を持ったバルク波が発生し、電極エリア922のX方向の外側にも伝搬する。ここで、第6実施形態では、電極エリア922のX方向の外側に反射器930が配置されているため、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波は、反射器930が配置されているエリアに進入する。反射器930が配置されているエリアに電極エリア922側から進入したバルク波の一部は、図28の矢印946で例示するように、反射器930の反射要素932によって反射されて、電極エリア922に向かって伝搬する。そうすると、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波の一部が、図28の矢印948で例示するように、電極エリア922内に戻ることになる。
このように、反射器930は、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波を電極エリア922に向けて反射させる。電極エリア922のX方向の外側にバルク波が伝搬したとしても、反射要素932によってバルク波が反射されるため、第6実施形態のバルク波共振子910では、バルク波のエネルギーを電極エリア922内に閉じ込めることができる。これにより、バルク波共振子910のレスポンスなどの特性を向上させることが可能である。
また、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波は、反射器930で反射されるため、圧電層16の端部に到達し難くなる。そして、圧電層16の端部で反射されるバルク波が減少するため、圧電層16の端部で反射されたバルク波に起因する定在波の発生を抑制することができる。その結果、第6実施形態のバルク波共振子910では、当該定在波に起因するバルク波のスプリアスを抑制することができる。
図29は、第6実施形態のバルク波共振子910におけるインピーダンスの周波数特性の一例を示す図である。図29の破線は、反射器930が配置されていない比較例(図27参照。)のバルク波共振子の特性を示す。図29の実線は、反射器930を有する第6実施形態のバルク波共振子910(図28参照。)についての特性であり、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの0.75倍の条件(Ls=0.75P)のときの特性を示す。
反射器930を有するバルク波共振子910(図29の実線)のレスポンスは、反射器930が配置されていないバルク波共振子(図29の破線)のレスポンスよりも大きくなっている。具体的には、反射器930を有するバルク波共振子910のレスポンスは、反射器930が配置されていないバルク波共振子のレスポンスに対して約8%向上している。
また、反射器930を有するバルク波共振子910(図29の実線)のQ値は、反射器930が配置されていないバルク波共振子(図29の破線)のQ値よりも大きくなっている。具体的には、反射器930を有するバルク波共振子910のQ値は、反射器930が配置されていないバルク波共振子のQ値に対して約37%向上している。なお、Q値は、共振の鋭さを示す指標である。
図30は、第6実施形態のバルク波共振子910におけるインピーダンスの周波数特性の他の例を示す図である。図30の破線は、反射器930が設置されていない比較例(図27参照。)のバルク波共振子の特性を示す。図30の実線は、反射器930を有する第6実施形態のバルク波共振子910(図28参照。)についての特性であり、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの1.25倍の条件(Ls=1.25P)のときの特性を示す。
反射器930を有するバルク波共振子910(図30の実線)のレスポンスは、反射器930が配置されていないバルク波共振子(図30の破線)のレスポンスよりも大きくなっている。具体的には、反射器930を有するバルク波共振子910のレスポンスは、反射器930が配置されていないバルク波共振子のレスポンスに対して約3.6%向上している。
また、反射器930を有するバルク波共振子910(図30の実線)のQ値は、反射器930が配置されていないバルク波共振子(図30の破線)のQ値よりも大きくなっている。具体的には、反射器930を有するバルク波共振子910のQ値は、反射器930が配置されていないバルク波共振子のQ値に対して約25%向上している。
離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの0.75倍の条件(図29の実線)の方が、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの1.25倍の条件(図30の実線)よりも、レスポンスおよびQ値の向上の度合いが大きくなっている。
次に、プレートバックがバルク波共振子のレスポンスに与える影響について説明する。ここで、プレートバック(plate back)は、圧電層16の質量に対する電極(IDT電極716)の質量の比率である。具体的には、圧電層16の密度をρp、圧電層16の厚さをhp、電極の密度をρe、電極の厚さをheとすると、プレートバックR[%]は、以下の式(2)で導出される。
R[%]=((ρe・he)/(ρp・hp))×100 ・・・(2)
R[%]=((ρe・he)/(ρp・hp))×100 ・・・(2)
図31は、プレートバックとレスポンスの関係を説明する図である。図31の丸印は、反射器930が配置されていない比較例(図27参照。)のバルク波共振子の特性を示す。図31の四角印は、反射器930を有するバルク波共振子910(図28参照。)についての特性であり、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの0.75倍の条件のときの特性を示す。図31の三角印は、反射器930を有するバルク波共振子910(図28参照。)についての特性であり、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの1.25倍の条件のときの特性を示す。
図31で示すように、プレートバックが大きいほどレスポンスが大きくなる。また、図31で示すように、プレートバックが大きい場合、例えば、800%~1000%の範囲内である場合、反射器930を有するバルク波共振子910のレスポンスは、反射器930が配置されていないバルク波共振子のレスポンスよりも大きくなっている。
このように、反射器930を設けるとともにプレートバックを比較的大きくすることで、レスポンスをより向上させることができる。
以上のように、第6実施形態のバルク波共振子910では、電極エリア922のX方向の外側に反射器930が配置されている。反射器930は、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波を、電極エリア922に向けて反射させ、電極エリア922内にバルク波のエネルギーを閉じ込める。これにより、第6実施形態のバルク波共振子910では、レスポンスなどのバルク波共振子910の特性を向上させることができる。また、第6実施形態のバルク波共振子910では、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波が圧電層16のX方向の端部に到達し難くなり、圧電層16の端部で反射されるバルク波に起因する定在波の発生が抑制される。第6実施形態のバルク波共振子910では、当該定在波の発生が抑制されるため、バルク波のスプリアスを抑制することができる。
第3実施形態または第4実施形態のような帯域通過フィルタを、第6実施形態に係る複数のバルク波共振子910で構成してもよい。
なお、第6実施形態では、一対の反射器930が電極エリア922を間に挟んだ両側に配置されていた。しかし、かかる例に限定されず、電極エリア922のX方向の片側のみに1つの反射器930が配置されてもよい。
また、第6実施形態の第1電極718および第2電極720は、IDT電極716を構成していた。しかし、第1電極および第2電極は、IDT電極を構成していなくてもよい。図32は、第6実施形態の変形例に係るバルク波共振子910aの構成を示す概略平面図である。バルク波共振子910aの第1電極18は、X方向において互いに重なる部分(第1電極18の部分)を有さない。バルク波共振子910aの第2電極20は、X方向において互いに重なる部分(第2電極20の部分)を有さない。このように、図32に示す第6実施形態の変形例の第1電極18および第2電極20は、相互に対向配置された一対の電極であり、IDT電極を構成しない。反射器930は、このような第1電極18および第2電極20の電極エリア922のX方向の外側に配置されてもよい。
(第7実施形態)
図33は、本発明の第7実施形態に係るバルク波共振子1010の構成を示す概略平面図である。第7実施形態のバルク波共振子1010は、反射器930に代えて反射器1030を有する点において第6実施形態のバルク波共振子910と異なり、他の構成については、第6実施形態のバルク波共振子910と共通している。
図33は、本発明の第7実施形態に係るバルク波共振子1010の構成を示す概略平面図である。第7実施形態のバルク波共振子1010は、反射器930に代えて反射器1030を有する点において第6実施形態のバルク波共振子910と異なり、他の構成については、第6実施形態のバルク波共振子910と共通している。
反射器1030は、圧電層16における上面16aである第1面上に配置される。反射器1030は、電極エリア922のX方向の外側のエリアに配置される。具体的には、図33で示すように、反射器1030は、IDT電極716を間に挟むようにして、当該IDT電極716が配置される電極エリア922の左右両側に配置される。詳細には、IDT電極716のうち最左側の第2電極指720bよりも左側のエリアに、1つの反射器930が配置され、IDT電極716のうち最右側の第2電極指720bよりも右側のエリアに、もう1つの反射器930が配置される。また、電極エリア922のZ方向の外側のエリアには、反射器1030が配置されていない。
反射器1030は、複数の反射要素1032と、接続部1034とを有する。複数の反射要素1032は、第6実施形態の複数の反射要素932と同様に、第1電極指718bおよび第2電極指720bに平行に配置され、互いに第1方向に間隔を空けて配置される。
接続部1034は、反射要素1032のZ方向の両端に設けられる。接続部1034は、反射要素1032のZ方向の端部において、X方向に延びており、複数の反射要素1032の各々に対して接続されている。つまり、複数の反射要素103は、接続部1034を介して相互に接続されている。
反射器1030とIDT電極716は、離隔して配置されており、反射器1030はIDT電極716に接触していない。また、反射器1030は、例えば、金属で構成される。なお、反射器1030とIDT電極716との離隔距離Lsは、第6実施形態に係る離隔距離Lsと同様に定義される。
反射器1030は、第6実施形態の反射器930と同様に、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波を電極エリア922に向けて反射させる。電極エリア922のX方向の外側にバルク波が伝搬したとしても、反射要素1032によってバルク波が反射されるため、第7実施形態のバルク波共振子1010では、バルク波のエネルギーを電極エリア922内に閉じ込めることができる。これにより、バルク波共振子1010のレスポンスなどの特性を向上させることが可能である。
また、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波は、反射器1030で反射されるため、圧電層16の端部に到達し難くなる。そして、圧電層16の端部で反射されるバルク波が減少するため、圧電層16の端部で反射されたバルク波に起因する定在波の発生を抑制することができる。その結果、第7実施形態のバルク波共振子1010では、第6実施形態の反射器930と同様に、当該定在波に起因するバルク波のスプリアスを抑制することができる。
図34は、第7実施形態のバルク波共振子1010におけるインピーダンスの周波数特性の一例を示す図である。図34の破線は、反射器1030が配置されていない比較例のバルク波共振子の特性を示す。図34の実線は、反射器1030を有する第7実施形態のバルク波共振子1010についての特性であり、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの0.75倍の条件(Ls=0.75P)のときの特性を示す。
反射器1030を有するバルク波共振子1010(図34の実線)のレスポンスは、反射器1030が配置されていないバルク波共振子(図34の破線)のレスポンスよりも大きくなっている。具体的には、反射器1030を有するバルク波共振子1010のレスポンスは、反射器1030が配置されていないバルク波共振子のレスポンスに対して約8.2%向上している。
また、反射器1030を有するバルク波共振子1010(図34の実線)のQ値は、反射器1030が配置されていないバルク波共振子(図34の破線)のQ値よりも大きくなっている。具体的には、反射器1030を有するバルク波共振子1010のQ値は、反射器1030が配置されていないバルク波共振子のQ値に対して約37%向上している。
なお、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの1.25倍の条件(Ls=1.25P)については、図示を省略する。しかし、第6実施形態と同様に、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの1.25倍の条件のとき、反射器1030が配置されていないバルク波共振子よりも、レスポンスおよびQ値が向上する。
図35は、プレートバックとレスポンスの関係を説明する図である。図35の丸印は、反射器1030が配置されていない比較例のバルク波共振子の特性を示す。図35の四角印は、反射器1030を有するバルク波共振子1010(図33参照。)についての特性であり、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの0.75倍の条件のときの特性を示す。図35の三角印は、反射器1030を有するバルク波共振子1010(図33参照。)についての特性であり、離隔距離LsがIDT電極716のピッチPの1.25倍の条件のときの特性を示す。
図35で示すように、プレートバックが大きいほどレスポンスが大きくなる。また、図35で示すように、プレートバックが大きく、例えば、800%~1000%の範囲内である場合、反射器1030を有するバルク波共振子1010のレスポンスは、反射器1030が配置されていないバルク波共振子のレスポンスよりも大きくなっている。
このように、反射器1030を設けるとともにプレートバックを比較的大きくすることで、レスポンスをより向上させることができる。
以上のように、第7実施形態のバルク波共振子1010では、複数の反射要素1032の両端が接続部1034によって接続されている。このような反射器1030であっても、第6実施形態と同様に、電極エリア922のX方向の外側に伝搬したバルク波を、電極エリア922に向けて反射させることができる。したがって、第7実施形態のバルク波共振子1010では、第6実施形態と同様に、レスポンスなどのバルク波共振子1010の特性を向上させることができ、バルク波のスプリアスを抑制することができる。
第3実施形態または第4実施形態のような帯域通過フィルタを、第7実施形態に係る複数のバルク波共振子1010で構成してもよい。また、帯域通過フィルタは、第6実施形態のバルク波共振子910と第7実施形態のバルク波共振子1010とが混在して構成されてもよい。
なお、第7実施形態では、一対の反射器1030が電極エリア922を間に挟んだ両側に配置されていた。しかし、かかる例に限定されず、電極エリア922のX方向の片側のみに1つの反射器1030が配置されてもよい。
また、第7実施形態の第1電極718および第2電極720は、IDT電極716を構成していた。しかし、第1電極および第2電極は、IDT電極を構成していなくてもよい。反射器1030は、IDT電極を構成しない第1電極18および第2電極20(図32参照。)の電極エリア922のX方向の外側に配置されてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、各実施形態の特徴を適宜組み合わせてもよい。
10、710、910、910a、1010 バルク波共振子
12 支持基板
14 音響反射膜
16 圧電層
16a 上面
16b 下面
18、718 第1電極
20、720 第2電極
500、600 帯域通過フィルタ
716 IDT電極
718b 第1電極指
720b 第2電極指
922 電極エリア
930、1030 反射器
932、1032 反射要素
P ピッチ
W 電極指幅
12 支持基板
14 音響反射膜
16 圧電層
16a 上面
16b 下面
18、718 第1電極
20、720 第2電極
500、600 帯域通過フィルタ
716 IDT電極
718b 第1電極指
720b 第2電極指
922 電極エリア
930、1030 反射器
932、1032 反射要素
P ピッチ
W 電極指幅
Claims (14)
- バルク波を用いたバルク波共振子であって、
支持基板と、
音響インピーダンスが異なる複数種類の誘電体が前記支持基板上に積層された音響反射膜と、
前記音響反射膜上に積層された圧電層と、
前記圧電層における前記音響反射膜とは反対側の面である第1面上に間隔を空けて対向配置され、前記バルク波を前記圧電層に発生させる電圧が印加される第1電極および第2電極と、
前記圧電層の前記第1面に対して平行な方向のうち、前記第1電極と前記第2電極とが対向する方向を第1方向としたとき、前記圧電層の前記第1面上において、前記第1電極および前記第2電極が配置される電極エリアの前記第1方向の外側に配置される反射器と、
を備え、
前記圧電層における前記音響反射膜側の面である第2面には電極が配置されていない、バルク波共振子。 - 前記第1電極および前記第2電極に対する電圧の印加により、前記圧電層の内部に前記第1方向の平行電界励振による厚みすべり振動を発生させ、前記厚みすべり振動による前記第1方向の前記バルク波をメインモードとして用いる、請求項1に記載のバルク波共振子。
- 前記圧電層と前記支持基板との間に空間が形成されることなく、前記圧電層が前記音響反射膜を介して前記支持基板に支持されるSMR型のバルク波共振子である、請求項1または2に記載のバルク波共振子。
- 前記反射器と前記第1電極は、離隔して配置されているとともに、前記反射器と前記第2電極は、離隔して配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のバルク波共振子。
- 前記反射器は、複数の反射要素を有し、
前記反射器の前記複数の反射要素は、互いに前記第1方向に間隔を空けて配置される、請求項1から4のいずれか1項に記載のバルク波共振子。 - 一対の前記反射器が、前記圧電層の前記第1面上において、前記電極エリアの前記第1方向の両側に配置される、請求項1から5のいずれか1項に記載のバルク波共振子。
- 前記第1電極および前記第2電極は、前記第1方向において互いに重なる部分を有さず、
前記第1電極および前記第2電極は、IDT電極を構成しない、請求項1から6のいずれか1項に記載のバルク波共振子。 - 前記第1電極は、前記第1方向に対して交差する第2方向に延びる複数の第1電極指を有し、
前記第2電極は、前記第2方向に延びる複数の第2電極指を有し、
前記第1電極指と前記第2電極指は、前記第1方向に間隔を空けて交互に配置され、かつ、相互に対向配置され、
前記第1電極指と前記第2電極指とのピッチPと、前記第1電極指および前記第2電極指の電極指幅Wとは、下記式(1)を満たす、請求項1から7のいずれか1項に記載のバルク波共振子。
P/W≧1.5 ・・・(1) - 前記圧電層は、圧電材料の単結晶のY軸に直交する面を少なくともX軸を中心軸として回転した面を主面とする圧電基板からなる、請求項1から8のいずれか1項に記載のバルク波共振子。
- 前記圧電層は、タンタル酸リチウムの単結晶のY軸に直交する面をX軸を中心軸として80°~160°の範囲内で回転し、さらに当該回転された面をZ軸を中心軸として-35°~35°の範囲内で回転した面を主面とする圧電基板からなる、請求項1から9のいずれか1項に記載のバルク波共振子。
- 前記圧電層は、ニオブ酸リチウムの単結晶のY軸に直交する面をX軸を中心軸として60°~170°の範囲内で回転し、さらに当該回転された面をZ軸を中心軸として-35°~35°の範囲内で回転した面を主面とする圧電基板からなる、請求項1から9のいずれか1項に記載のバルク波共振子。
- 請求項1~11のいずれか1項に記載のバルク波共振子を複数備える、帯域通過フィルタ。
- 複数の前記バルク波共振子がラダー型に接続された、請求項12に記載の帯域通過フィルタ。
- 複数の前記バルク波共振子がラティス型に接続された、請求項12に記載の帯域通過フィルタ。
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---|---|---|---|
JP2021133569A JP2023028089A (ja) | 2021-08-18 | 2021-08-18 | バルク波共振子および帯域通過フィルタ |
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Publications (1)
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ID=85330741
Family Applications (1)
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JP2021133569A Pending JP2023028089A (ja) | 2021-08-18 | 2021-08-18 | バルク波共振子および帯域通過フィルタ |
Country Status (1)
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- 2021-08-18 JP JP2021133569A patent/JP2023028089A/ja active Pending
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