JP2023026379A - (メタ)アクリレート化合物、アクリル樹脂、硬化性組成物及び硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の(メタ)アクリレート化合物よりも高屈折率の(メタ)アクリレート化合物と、この(メタ)アクリレート化合物を用いたアクリル樹脂を提供する。【解決手段】式(A)で表される(メタ)アクリレート化合物。この(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位を含むアクリル樹脂。TIFF2023026379000028.tif57145(上記式(A)中、Xは置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは0~4の整数を示し、nは0~4の整数を示す)【選択図】なし
Description
本発明は、新規(メタ)アクリレート化合物とこれを用いたアクリル樹脂および硬化性組成物とその硬化物に関する。
近年、液晶表示装置に用いられるプリズムシート、オーバーコート剤、ハードコート剤、反射防止膜、或いは、カメラレンズ、眼鏡レンズ、光ファイバー、光導波路、ホログラムといった光学材料には、軽量性、安全性、意匠性の観点から無機ガラスの代替材料としてプラスチック(樹脂)が多用されており、これらの代替樹脂の中でも(メタ)アクリレート化合物を重合(硬化)させることによって得られるアクリル樹脂((メタ)アクリレート樹脂)は、活性エネルギー線にて比較的低温で、かつ容易に硬化可能であるといった特徴があることから、これらの光学材料として多用されている樹脂の一種である。
しかし、アクリル樹脂は、無機ガラスと比べて屈折率が低く、無機ガラスの代替として使用した場合、必要な屈折率を得るために厚みがなくなりやすいといった問題がある。このため、アクリル樹脂を用いた材料の薄型化の観点から更なる高屈折率化が求められている。
前述した光学材料に用いられる(メタ)アクリレート化合物の中でも、高屈折率な化合物として、フルオレン骨格を有するビスフェノール化合物から誘導される二官能性(メタ)アクリレート化合物が知られている(例えば特許文献1,2)。
レンズ等の光学材料用のアクリル樹脂にあっては、更なる薄肉軽量化のために、より一層の高屈折率化が望まれる。
本発明は、従来の(メタ)アクリレート化合物よりも更なる高屈折率化が可能な(メタ)アクリレート化合物と、この(メタ)アクリレート化合物を用いたアクリル樹脂を提供することを課題とする。
本発明はまた、この(メタ)アクリレート化合物を含む硬化性組成物とその硬化物を提供することを課題とする。
本発明はまた、この(メタ)アクリレート化合物を含む硬化性組成物とその硬化物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、特定の新規(メタ)アクリレート化合物が、上記課題を解決し得ることを見出した。
なお、類似の骨格として、ジナフトチオフェン系化合物が挙げられるが、この骨格は硫黄原子を含むため高温で二酸化硫黄が発生することがある。発生した二酸化硫黄は、酸性物質であるため、金型の腐食を引き起こす。そのため、ジナフトチオフェン系化合物は、本発明のジナフトフラン系(メタ)アクリレート化合物よりも、成形時の金型の繰り返し使用、成形機の繰り返し使用、設備の繰り返し使用などが困難であり、実用性に劣る。
なお、類似の骨格として、ジナフトチオフェン系化合物が挙げられるが、この骨格は硫黄原子を含むため高温で二酸化硫黄が発生することがある。発生した二酸化硫黄は、酸性物質であるため、金型の腐食を引き起こす。そのため、ジナフトチオフェン系化合物は、本発明のジナフトフラン系(メタ)アクリレート化合物よりも、成形時の金型の繰り返し使用、成形機の繰り返し使用、設備の繰り返し使用などが困難であり、実用性に劣る。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 下記式(A)で表される(メタ)アクリレート化合物。
(上記式(A)中、Xは置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは0~4の整数を示し、nは0~4の整数を示す。
(O-X)n-O-は置換位置番号1~6の炭素原子のいずれか1つに結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号8~13の炭素原子のいずれか1つに結合する。
置換位置番号1~6、8~13の炭素原子のうち(O-X)n-O-または(O-X)m-O-が結合していない炭素原子には、それぞれ独立に水素原子又は任意の置換基が結合している。)
(O-X)n-O-は置換位置番号1~6の炭素原子のいずれか1つに結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号8~13の炭素原子のいずれか1つに結合する。
置換位置番号1~6、8~13の炭素原子のうち(O-X)n-O-または(O-X)m-O-が結合していない炭素原子には、それぞれ独立に水素原子又は任意の置換基が結合している。)
[2] 前記式(A)中のXが炭素数1又は2のアルキレン基であり、m及びnが0または1である、[1]に記載の(メタ)アクリレート化合物。
[3] 前記式(A)中の(O-X)n-O-の置換位置番号が2であり、(O-X)m-O-の置換位置番号が12である、[1]又は[2]に記載の(メタ)アクリレート化合物。
[4] [1]から[3]のいずれかに記載の(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位を含むアクリル樹脂。
[5][1]から[3]のいずれかに記載の(メタ)アクリレート化合物と重合開始剤とを含む硬化性組成物。
[6] [5]に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
本発明によれば、従来の(メタ)アクリレート化合物よりも、より一層の高屈折率化が可能な(メタ)アクリレート化合物及びこの(メタ)アクリレート化合物を用いたアクリル樹脂と硬化性組成物及び硬化物が提供される。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートから選択される少なくとも一種を表す。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」についても同様である。
また、「Cx-y」は「炭素数がx~y」であることを示し、例えば「C2-10」は「炭素数2~10」を示す。
また、「Cx-y」は「炭素数がx~y」であることを示し、例えば「C2-10」は「炭素数2~10」を示す。
[(メタ)アクリレート化合物]
本発明の(メタ)アクリレート化合物は、下記式(A)で表される新規(メタ)アクリレート化合物である。
本発明の(メタ)アクリレート化合物は、下記式(A)で表される新規(メタ)アクリレート化合物である。
(上記式(A)中、Xは置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは0~4の整数を示し、nは0~4の整数を示す。
(O-X)n-O-は置換位置番号1~6の炭素原子のいずれか1つに結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号8~13の炭素原子のいずれか1つに結合する。
置換位置番号1~6、8~13の炭素原子のうち(O-X)n-O-または(O-X)m-O-が結合していない炭素原子には、それぞれ独立に水素原子又は任意の置換基が結合している。)
(O-X)n-O-は置換位置番号1~6の炭素原子のいずれか1つに結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号8~13の炭素原子のいずれか1つに結合する。
置換位置番号1~6、8~13の炭素原子のうち(O-X)n-O-または(O-X)m-O-が結合していない炭素原子には、それぞれ独立に水素原子又は任意の置換基が結合している。)
置換位置番号1~6、8~13の炭素原子のうち(O-X)n-O-または(O-X)m-O-が結合していない炭素原子にはそれぞれ独立に、水素原子又は任意の置換基が結合している。
任意の置換基としては、例えば、置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基;置換されていてもよい炭素数3~14のアリール基;置換されていてもよい炭素数1~10のアシル基;置換されていてもよい炭素数1~10のアルコキシ基;置換されていてもよい炭素数3~14のアリールオキシ基;置換されていてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基;置換されていてもよいアミノ基;置換されていてもよい炭素数2~10のアルケニル基;置換されていてもよい炭素数2~10のアルキニル基;置換基を有するケイ素原子;ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基が挙げられる。
以下、置換位置番号1~6、8~13の炭素原子のうち-O-X-C(O)-C(R)=CH2が結合していない炭素原子に結合していてもよい水素原子以外の原子又は基を総称して「任意の置換基」とも記す。
任意の置換基としては、例えば、置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基;置換されていてもよい炭素数3~14のアリール基;置換されていてもよい炭素数1~10のアシル基;置換されていてもよい炭素数1~10のアルコキシ基;置換されていてもよい炭素数3~14のアリールオキシ基;置換されていてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基;置換されていてもよいアミノ基;置換されていてもよい炭素数2~10のアルケニル基;置換されていてもよい炭素数2~10のアルキニル基;置換基を有するケイ素原子;ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基が挙げられる。
以下、置換位置番号1~6、8~13の炭素原子のうち-O-X-C(O)-C(R)=CH2が結合していない炭素原子に結合していてもよい水素原子以外の原子又は基を総称して「任意の置換基」とも記す。
好ましい一実施形態において、(O-X)n-O-は置換位置番号2の炭素原子に結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号12の炭素原子に結合している。この場合、合成容易かつ原料調達簡便といった観点で好ましい。
他の好ましい一実施形態において、(O-X)n-O-は置換位置番号3の炭素原子に結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号11の炭素原子に結合している。この場合、合成容易といった観点で好ましい。
他の好ましい一実施形態において、(O-X)n-O-は置換位置番号3の炭素原子に結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号11の炭素原子に結合している。この場合、合成容易といった観点で好ましい。
<任意の置換基>
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基」における「炭素数1~10のアルキル基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル、n-デシル等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、2-エチルヘキシル基等の分岐鎖を含むアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の環状のアルキル基が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基」における「炭素数1~10のアルキル基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル、n-デシル等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、2-エチルヘキシル基等の分岐鎖を含むアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の環状のアルキル基が挙げられる。
前記炭素数1~10のアルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);炭素数1~10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基);炭素数1~10のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基);炭素数1~10のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基);炭素数1~10のアシルアミノ基(例えばアセトアミド基、ベンゾイルアミド基);ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1~10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基)、炭素数1~10のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、炭素数1~10のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基)、炭素数1~10のアシルアミノ基(例えばアセトアミド基、ベンゾイルアミド基)、ニトロ基、シアノ基等から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい炭素数3~14のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基)等が挙げられる。当該置換基の数は、特に限定されないが、1~3個が好ましい。置換基が2個以上ある場合は、置換基の種類は同一でも異なっていてもよい。
置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ベンジル基、4-メトキシベンジル基、メトキシメチル基が挙げられる。
置換されていてもよい炭素数1~10のアルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ベンジル基、4-メトキシベンジル基、メトキシメチル基が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数3~14のアリール基」における「炭素数3~14のアリール基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-イミダゾリル基、2-ピリジル基、2-フリル基、9-カルバゾイル基等が挙げられる。
前記炭素数3~14のアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);炭素数1~10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基);炭素数1~10のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基);炭素数1~10のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基);炭素数1~10のアシルアミノ基(例えばアセトアミド基、ベンゾイルアミド基);ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1~10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基)、炭素数1~10のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、炭素数1~10のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基)、炭素数1~10のアシルアミノ基(例えばアセトアミド基、ベンゾイルアミド基)、ニトロ基、シアノ基等から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい炭素数3~14のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等);等が挙げられる。当該置換基の数は、特に限定されないが、1~3個が好ましい。置換基が2個以上ある場合は、置換基の種類は同一でも異なっていてもよい。
置換されていてもよい炭素数3~14のアリール基の具体例としては、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、4-ベンゾイルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-ニトロフェニル基、4-シアノフェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基、3,4-ジメトキシフェニル基、3,4-メチレンジオキシフェニル基、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル基、4-メチルフリル基;が挙げられる。
置換されていてもよい炭素数3~14のアリール基の具体例としては、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、4-ベンゾイルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-ニトロフェニル基、4-シアノフェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基、3,4-ジメトキシフェニル基、3,4-メチレンジオキシフェニル基、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル基、4-メチルフリル基;が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数1~10のアシル基」における「炭素数1~10のアシル基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、2-メチルプロピオニル基、2,2-ジメチルプロピオニル基、2-エチルヘキサノイル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基、1-ナフチルカルボニル基、2-ナフチルカルボニル基、2-フリルカルボニル基等の芳香族アシル基が挙げられる。
前記炭素数1~10のアシル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);炭素数1~10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基);炭素数1~10のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基);炭素数1~10のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基);炭素数1~10のアシルアミノ基(例えばアセトアミド基、ベンゾイルアミド基);ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1~10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基)、炭素数1~10のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、炭素数1~10のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基)、炭素数1~10のアシルアミノ基(例えばアセトアミド基、ベンゾイルアミド基)、ニトロ基、シアノ基等から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい炭素数3~14のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基);等が挙げられる。当該置換基の数は、特に限定されないが、1~3個が好ましい。置換基が2個以上ある場合は、置換基の種類は同一でも異なっていてもよい。
置換されていてもよい炭素数1~10のアシル基の具体例としては、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシアセチル基、フェノキシアセチル基、4-メトキシベンゾイル基、4-ニトロベンゾイル基、4-シアノベンゾイル基、4-トリフルオロメチルベンソイル基が挙げられる。
置換されていてもよい炭素数1~10のアシル基の具体例としては、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシアセチル基、フェノキシアセチル基、4-メトキシベンゾイル基、4-ニトロベンゾイル基、4-シアノベンゾイル基、4-トリフルオロメチルベンソイル基が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数1~10のアルコキシ基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数3~14のアリールオキシ基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、フェノキシ基が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数3~14のアリールオキシ基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、フェノキシ基が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数1~10のアシルオキシ基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数2~10のアルケニル基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、ビニル基が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数2~10のアルキニル基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、エチニル基が挙げられる。
任意の置換基のうち「ハロゲン原子」の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
任意の置換基のうち「置換されていてもよい炭素数2~10のアルキニル基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、エチニル基が挙げられる。
任意の置換基のうち「ハロゲン原子」の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
任意の置換基としては、本発明の(メタ)アクリレート化合物を原料モノマーとして用いて得られるアクリル樹脂の高屈折率の観点から、フェニル基、ナフチル基、アシル基、9-カルバゾイル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基が好ましく、高い屈折率と安価合成の観点から、フェニル基、ナフチル基、臭素原子、シアノ基がより好ましく、着色と熱安定性の観点から、フェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
本発明の(メタ)アクリレート化合物が任意の置換基を2個以上有する場合は、任意の置換基の種類は同一でも異なっていてもよいが、安価合成の観点からは同一であることが好ましい。
本発明の(メタ)アクリレート化合物が有する任意の置換基の数は、特に限定されないが、合成容易性の観点から8個以下が好ましく、6個以下がより好ましく、4個以下がさらに好ましい。
工業的に安価に製造できる観点からは、本発明の(メタ)アクリレート化合物が有する任意の置換基の数は0個であることが好ましい。すなわち、置換位置番号1~6、8~13の炭素原子のうち-O-X-C(O)-C(R)=CH2が結合していない炭素原子には水素原子が結合していることが好ましい。
本発明の(メタ)アクリレート化合物が有する任意の置換基の数は、特に限定されないが、合成容易性の観点から8個以下が好ましく、6個以下がより好ましく、4個以下がさらに好ましい。
工業的に安価に製造できる観点からは、本発明の(メタ)アクリレート化合物が有する任意の置換基の数は0個であることが好ましい。すなわち、置換位置番号1~6、8~13の炭素原子のうち-O-X-C(O)-C(R)=CH2が結合していない炭素原子には水素原子が結合していることが好ましい。
<R>
式(A)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。式(A)中の2つのRは同一であってもよく異なるものであってもよいが、同一であることが合成の容易性の観点から好ましい。
式(A)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。式(A)中の2つのRは同一であってもよく異なるものであってもよいが、同一であることが合成の容易性の観点から好ましい。
<X>
式(A)において、Xは、置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基である。式(A)中の2つのXは、同一であってもよく異なるものであってもよいが、同一であることが合成の容易性の観点から好ましい。
式(A)において、Xは、置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基である。式(A)中の2つのXは、同一であってもよく異なるものであってもよいが、同一であることが合成の容易性の観点から好ましい。
Xにおける「置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基」における「炭素数1~10のアルキレン基」の具体例としては、これらに限定されるものではないが、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン、n-へプチレン、n-オクチレン、n-ノナレン、n-デシレン等の直鎖状のアルキレン基;1-メチルエチレン基、2-メチルエチレン基、1-エチルエチレン基、2-エチルエチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、1,1-ジメチルエチレン基、2,2-ジメチルプロピレン基、3-メチルプロピレン基等の分岐鎖を含むアルキレン基;脂環構造を含むアルキレン基;複素環構造を含むアルキレン基;が挙げられる。ただし、このアルキレン基の例示において置換位置の数値は、ジナフトフラン環側の炭素原子からつけるものとする。
脂環構造を含むアルキレン基において、脂環構造としては、例えば下記[E]群に示されるものが挙げられる。
脂環構造を含むアルキレン基としては、例えば、脂環構造と、各々前記脂環構造の任意の2箇所に結合した2つの直鎖状又は分岐状のアルキレン基とからなる基が挙げられる。この基は、2つの直鎖状又は分岐状のアルキレン基の間に脂環構造が介在する基ともいえる。脂環構造における2つのアルキレン基の結合位置については任意であり、同一炭素原子に2つのアルキレン基が結合していてもよい。
脂環構造を含むアルキレン基としては、例えば、脂環構造と、各々前記脂環構造の任意の2箇所に結合した2つの直鎖状又は分岐状のアルキレン基とからなる基が挙げられる。この基は、2つの直鎖状又は分岐状のアルキレン基の間に脂環構造が介在する基ともいえる。脂環構造における2つのアルキレン基の結合位置については任意であり、同一炭素原子に2つのアルキレン基が結合していてもよい。
複素環構造を含むアルキレン基において、複素環構造としては、例えば下記[F]群に示されるものが挙げられる。
複素環構造を含むアルキレン基としては、例えば、複素環構造と、各々前記複素環構造の任意の2箇所に結合した2つの直鎖状又は分岐状のアルキレン基とからなる基が挙げられる。この基は、2つの直鎖状又は分岐状のアルキレン基の間に複素環構造が介在する基ともいえる。複素環構造における2つのアルキレン基の結合位置については任意であり、同一炭素原子に2つの結合手が置換していてもよい。
複素環構造を含むアルキレン基としては、例えば、複素環構造と、各々前記複素環構造の任意の2箇所に結合した2つの直鎖状又は分岐状のアルキレン基とからなる基が挙げられる。この基は、2つの直鎖状又は分岐状のアルキレン基の間に複素環構造が介在する基ともいえる。複素環構造における2つのアルキレン基の結合位置については任意であり、同一炭素原子に2つの結合手が置換していてもよい。
上記脂環構造又は複素環構造に結合する直鎖状又は分岐状のアルキレン基の具体例としては、これらに限定されるものではないが、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン等の直鎖状のアルキレン基;1-メチルエチレン基、2-メチルエチレン基、1-エチルエチレン基、2-エチルエチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、1,1-ジメチルエチレン基、2,2-ジメチルプロピレン基、3-メチルプロピレン基等の分岐鎖を含むアルキレン基(ただし、ここで置換位置の数値は、上記環構造に結合した炭素原子からつけるものとする)が挙げられる。
上記炭素数1~10のアルキレン基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);炭素数1~10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基);炭素数1~10のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基);炭素数1~10のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基);炭素数1~10のアシルアミノ基(例えばアセトアミド基、ベンゾイルアミド基);ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1~10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基)、炭素数1~10のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、炭素数1~10のアシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基)、炭素数1~10のアシルアミノ基(例えばアセトアミド基、ベンゾイルアミド基)、ニトロ基、シアノ基等から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい炭素数4~10のアリール基(例、フェニル基、ナフチル基等)等が挙げられる。当該置換基の数は、特に限定されないが、1~3個が好ましい。置換基が2個以上ある場合は、置換基の種類は同一でも異なっていてもよい。
置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基の具体例としては、フェニルメチレン基、1-フェニルエチレン基、1-フェニルプロピレン基、1-シクロヘキシルプロピレン基、1,1,2,2-テトラフルオロエチレン基が挙げられる。
置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基の具体例としては、フェニルメチレン基、1-フェニルエチレン基、1-フェニルプロピレン基、1-シクロヘキシルプロピレン基、1,1,2,2-テトラフルオロエチレン基が挙げられる。
安価原料調達、合成容易性の観点で、置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基としては、直鎖状のアルキレン基、又は脂環構造を含むアルキレン基がより好ましく、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン、n-へプチレン、n-オクチレン、n-ノナレン、n-デシレン、2,2-ジメチルプロピレン基、1-メチルエチレン基、2-メチルエチレン基、下記[H]群に示されるような脂環構造を含むアルキレン基がさらに好ましい。
ただし、上記[H]群に示される各脂環構造における2つのメチレン基の置換位置については任意であり、同一炭素原子に2つのメチレン基が結合していてもよい。
上記の中でも、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-へプチレン基、n-オクチレン基、n-ノナレン基、n-デシレン基、2,2-ジメチルプロピレン基が好ましい。
鎖長が長いほど重合後の樹脂のガラス転移温度が低くなる傾向がある、または重合前の化合物の溶解性が向上するため、成形加工性の観点では、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-へプチレン、n-オクチレン基、n-ノナレン基、n-デシレン基がより好ましい。
また、分子構造が小さくなると単位構造中のジナフトフラン構造の濃度を高くすることができることから、高屈折率の観点では、n-ブチレン基、n-プロピレン基、エチレン基、メチレン基がより好ましい。
上記の中でも、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-へプチレン基、n-オクチレン基、n-ノナレン基、n-デシレン基、2,2-ジメチルプロピレン基が好ましい。
鎖長が長いほど重合後の樹脂のガラス転移温度が低くなる傾向がある、または重合前の化合物の溶解性が向上するため、成形加工性の観点では、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-へプチレン、n-オクチレン基、n-ノナレン基、n-デシレン基がより好ましい。
また、分子構造が小さくなると単位構造中のジナフトフラン構造の濃度を高くすることができることから、高屈折率の観点では、n-ブチレン基、n-プロピレン基、エチレン基、メチレン基がより好ましい。
得られるアクリル樹脂の光学特性と機械強度のバランスに優れるため、Xとしてはメチレン基、エチレン基が特に好ましい。メチレン基、エチレン基、2-メチルエチレン基は、短段階かつ工業的に安価に導入できる優位性もある。
エチレン基、2-メチルエチレン基は、特に短段階かつ工業的に安価に導入できる優位性があり、好ましい。
エチレン基、2-メチルエチレン基は、特に短段階かつ工業的に安価に導入できる優位性があり、好ましい。
<m、n>
式(A)において、mは0~4の整数を示し、nは0~4の整数を示す。
機械強度、光学特性の観点からm,nは各々独立に0~3であることが好ましく、溶解性や成形性、高屈折率とのバランスの観点から0または1であることがより好ましく、合成の容易性や高屈折率の観点から0であることがさらに好ましい。
また、合成容易性の観点からはm、nは同一の数字であることが好ましい。
また、化合物の溶解性を上げる観点からはm、nは異なる数字であることが好ましい。
式(A)において、mは0~4の整数を示し、nは0~4の整数を示す。
機械強度、光学特性の観点からm,nは各々独立に0~3であることが好ましく、溶解性や成形性、高屈折率とのバランスの観点から0または1であることがより好ましく、合成の容易性や高屈折率の観点から0であることがさらに好ましい。
また、合成容易性の観点からはm、nは同一の数字であることが好ましい。
また、化合物の溶解性を上げる観点からはm、nは異なる数字であることが好ましい。
<好ましい置換位置>
好ましい一実施形態において、(O-X)n-O-と(O-X)m-O-のうち、(O-X)n-O-は置換位置番号2の炭素原子に結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号12の炭素原子に結合している。この場合、合成容易かつ原料調達簡便といった観点で好ましい。
他の好ましい一実施形態において、(O-X)n-O-は置換位置番号3の炭素原子に結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号11の炭素原子に結合している。この場合、合成容易といった観点で好ましい。
好ましい一実施形態において、(O-X)n-O-と(O-X)m-O-のうち、(O-X)n-O-は置換位置番号2の炭素原子に結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号12の炭素原子に結合している。この場合、合成容易かつ原料調達簡便といった観点で好ましい。
他の好ましい一実施形態において、(O-X)n-O-は置換位置番号3の炭素原子に結合し、(O-X)m-O-は置換位置番号11の炭素原子に結合している。この場合、合成容易といった観点で好ましい。
<好ましい具体的な構造>
式(A)で表される本発明の(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、下記群に示される化合物が挙げられる。
式(A)で表される本発明の(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、下記群に示される化合物が挙げられる。
<(メタ)アクリレート化合物の製造方法>
本発明の(メタ)アクリレート化合物のうち、式(A)におけるm,nが0でRが水素原子である(メタ)アクリレート化合物;2,12-ジ(アクリロイル)ジナフトフラン(DNF-A)は、例えば、以下の反応式に従って、以下の通り、2,12-ジヒドロキシジナフトフラン(DHDNF)にアクリル酸クロリド等のアクリル酸化合物を反応させることにより製造することができる。また、m,nが0でRがメチル基である(メタ)アクリレート化合物、2,12-ジ(メタクリロイル)ジナフトフラン(DNF-M)は、アクリル酸化合物の代りにメタクリル酸化合物を反応させることで製造することができる。
本発明の(メタ)アクリレート化合物のうち、式(A)におけるm,nが0でRが水素原子である(メタ)アクリレート化合物;2,12-ジ(アクリロイル)ジナフトフラン(DNF-A)は、例えば、以下の反応式に従って、以下の通り、2,12-ジヒドロキシジナフトフラン(DHDNF)にアクリル酸クロリド等のアクリル酸化合物を反応させることにより製造することができる。また、m,nが0でRがメチル基である(メタ)アクリレート化合物、2,12-ジ(メタクリロイル)ジナフトフラン(DNF-M)は、アクリル酸化合物の代りにメタクリル酸化合物を反応させることで製造することができる。
以下、DHDNFに(メタ)アクリル酸化合物を反応させて(メタ)アクリレート化合物を得る反応を「(メタ)アクリレート化反応」と称す。
(メタ)アクリレート化反応に使用する(メタ)アクリル酸化合物として例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの炭素数1~4のアルキル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸ハライド(例えば、(メタ)アクリル酸クロリドなど)、(メタ)アクリル酸無水物等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸化合物は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
(メタ)アクリル酸化合物は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
(メタ)アクリル酸化合物の使用量は、DHDNF1モルに対し、通常2~20モル、好ましくは2.2~10モル、さらに好ましくは2.5~5モルである。
(メタ)アクリレート化反応では、適宜、酸又は塩基を使用することができる。(メタ)アクリレート化反応に用いることができる酸としては、例えば、無機酸、有機酸等各種酸が挙げられる。具体的には、無機酸として硫酸、塩化水素、塩酸、リン酸、ヘテロポリ酸、ゼオライト、粘土鉱物等が例示され、有機酸としてメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、イオン交換樹脂等が例示される。これら酸は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
(メタ)アクリレート化反応に用いることができる塩基としては、例えば、無機塩基や有機塩基が挙げられる。具体的には、無機塩基として金属炭酸塩(炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸水素塩など)、カルボン酸金属塩(酢酸ナトリウム、酢酸カルシウムなどの酢酸アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩など)、金属水酸化物(水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物など)等が例示され、有機塩基としてアミン類[例えば、第3級アミン類(トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、N,N-ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン、ピリジンなどの複素環式第3級アミン)など]等が例示される。これら塩基は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
酸又は塩基の使用量は、DHDNF1モルに対し、通常0.01~10モル、好ましくは0.05~5モル、さらに好ましくは0.1~3モルである。
また、(メタ)アクリレート化反応は、必要に応じて、重合禁止剤(熱重合禁止剤)の存在下で行ってもよい。重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン類(例えば、ヒドロキノン;ヒドロキノンモノメチルエーテル(メトキノン)などのヒドロキノンモノアルキルエーテルなど)、カテコール類(例えば、t-ブチルカテコールなどのアルキルカテコールなど)、アミン類(例えば、ジフェニルアミンなど)、2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペラジン-1-オキシル等が挙げられる。重合禁止剤は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、(メタ)アクリル酸化合物100質量部に対して、通常0.1~10質量部、好ましくは0.3~8質量部、さらに好ましくは0.5~5質量部である。
(メタ)アクリレート化反応は、溶媒を使用せず実施してもよく、あるいは有機溶媒を併用してもよい。併用可能な有機溶媒として例えば、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類等が挙げられる。具体的には、炭化水素類として例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類等が挙げられ、ハロゲン化炭化水素類として例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、エーテル類として例えばジエチルエーテルなどのジアルキルエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類、アニソール等が挙げられ、ケトン類として例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのジアルキルケトン類等が挙げられ、ニトリル類として例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。これら有機溶媒は、1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。また、前記酸又は塩基が液体である場合、前記酸又は塩基を溶媒として使用してもよい。
有機溶媒を併用する場合、その使用量は、DHDNF1質量部に対し、通常0.5~20質量部、好ましくは1~10質量部である。
(メタ)アクリレート化反応は、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物を試薬として用いる場合、通常60~140℃、好ましくは100~130℃で実施される。アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリドを試薬として用いる場合、通常-15℃~80℃、好ましくは-10~40℃で実施される。また、(メタ)アクリレート化反応を実施する際、副生する水やアルコール類を除去しながら行ってもよい。また、反応は、加圧下又は減圧下で実施することもできる。
(メタ)アクリレート化反応終了後、得られた反応液から(メタ)アクリレート化合物を取り出すことなく、反応液をそのまま後述するアクリル樹脂の調製に用いてもよい。また、必要に応じ中和、水洗、濃縮、晶析、濾過等の常法により、(メタ)アクリレート化合物を取り出した後、取り出した(メタ)アクリレート化合物をアクリル樹脂の調製に用いてもよい。さらには、一旦取り出した(メタ)アクリレート化合物を、再結晶、蒸留、吸着、カラムクロマトグラフィー等の常法により精製した後、精製した(メタ)アクリレート化合物をアクリル樹脂の調製に用いてもよい。
本発明の(メタ)アクリレート化合物のうち、式(A)におけるm,nが1でXが置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基、例えばエチレン基である(メタ)アクリレート化合物は、以下の反応式の通り、DHDNFに反応当量以上のアルキレンカーボネート(以下の反応式ではエチレンカーボネート)を、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の塩基の存在下で反応させて、Xが置換されていてもよい炭素数1~10のアルキレン基(以下の反応式ではエチレン基)であり、(メタ)アクリロイル基の代りにヒドロキシ基を有する化合物を製造し、この化合物に対して、上述の通り(メタ)アクリレート化反応を行うことにより製造することができる。
反応に用いるアルキレンカーボネートとしては、置換されていてもよい、メチレンカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭素数1~10のアルキレンカーボネートが挙げられる。
炭酸カリウム等の塩基の使用量は、例えば反応に供されるDHDNF1モルに対して0.01~5.0モルである。反応温度は、例えば0~180℃である。反応時間は、例えば0.5~200時間である。反応は、ジメチルホルムアミド等の溶媒の存在下で行うことができる。
[アクリル樹脂]
本発明のアクリル樹脂は、本発明の(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位を含むアクリル樹脂であり、通常、本発明の(メタ)アクリレート化合物と、必要に応じて用いられる本発明の(メタ)アクリレート化合物以外の多官能(メタ)アクリレート化合物、重合開始剤、希釈剤等を含む硬化性組成物として調製され、アクリル樹脂及びその硬化物の製造に用いられる。
本発明のアクリル樹脂は、本発明の(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位を含むアクリル樹脂であり、通常、本発明の(メタ)アクリレート化合物と、必要に応じて用いられる本発明の(メタ)アクリレート化合物以外の多官能(メタ)アクリレート化合物、重合開始剤、希釈剤等を含む硬化性組成物として調製され、アクリル樹脂及びその硬化物の製造に用いられる。
本発明の(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位の本発明のアクリル樹脂中の含有量は、より高い屈折率の観点から10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、さらに好ましくは30質量%以上である。
また、硬化前のモノマーの溶解容易性や溶液の粘性といったハンドリング性、機械強度、光学特性とのバランスを取る観点から100質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、さらに好ましくは80質量%以下である。
また、硬化前のモノマーの溶解容易性や溶液の粘性といったハンドリング性、機械強度、光学特性とのバランスを取る観点から100質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、さらに好ましくは80質量%以下である。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、本発明の(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤とを含むものである。
本発明の硬化性組成物は、更に、本発明の(メタ)アクリレート化合物以外の多官能(メタ)アクリレート化合物や希釈剤等を含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物は、本発明の(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤とを含むものである。
本発明の硬化性組成物は、更に、本発明の(メタ)アクリレート化合物以外の多官能(メタ)アクリレート化合物や希釈剤等を含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物に含まれ得る他の多官能性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、二官能性(メタ)アクリレート{アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどのC2-10アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[ジ乃至テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ乃至テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリC2-4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]、ビスフェノールA(又はそのC2-3アルキレンオキシド付加体)のジ(メタ)アクリレートなど}、三官能以上の多官能性(メタ)アクリレート[例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ又はテトラ(メタ)アクリレートなどのトリ又はテトラオールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールテトラ乃至ヘキサ(メタ)アクリレートなど]、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、フルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレート{9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシ-3-メチルフェニル)フルオレンなどの9,9-ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン類;9,9-ビス[4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)-3-メチルフェニル]フルオレンなどの9,9-ビス[(メタ)アクリロイルオキシ(ポリ)エトキシフェニル]フルオレン類など}等が挙げられる。これら他の多官能性(メタ)アクリレート化合物は、1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
本発明の硬化性組成物が、本発明の(メタ)アクリレート化合物以外の多官能(メタ)アクリレート化合物を含有する場合、本発明の硬化性組成物中の他の多官能性(メタ)アクリレート化合物の含有量は、本発明の(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、通常1~300質量部、好ましくは2~200質量部、さらに好ましくは5~100質量部である。
本発明の硬化性組成物に含まれ得る重合開始剤として例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤が挙げられ、熱重合開始剤と光重合開始剤は必要に応じ併用することもできる。熱重合開始剤としては、例えば、ジアルキルパーオキサイド類(ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなど)、ジアシルパーオキサイド類[ジアルカノイルパーオキサイド(ラウロイルパーオキサイドなど)、ジアロイルパーオキサイド(ベンゾイルパーオキサイドなど)など]、過酸エステル類(過酢酸t-ブチルなど)、ケトンパーオキサイド類、パーオキシカーボネート類、パーオキシケタール類などの有機過酸化物;アゾニトリル化合物[2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)など]、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物などのアゾ化合物等が挙げられる。これら熱重合開始剤は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など)、アセトフェノン類(アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンなど)、アルキルフェノン類(1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトンなど)、アミノアセトフェノン類(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノアミノプロパノン-1など)、アントラキノン類(アントラキノン、2-メチルアントラキノンなど)、チオキサントン類(2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントンなど)、ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど)、ベンゾフェノン類(ベンゾフェノンなど)、キサントン類、オキシムエステル等が挙げられる。これらの光重合開始剤は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
また、光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせて使用してもよい。併用可能な光増感剤としては、例えば、第3級アミン類{例えば、トリアルキルアミン、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミンなど)、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチル[p-(ジメチルアミノ)安息香酸エチルなど]、N,N-ジメチルアミノ安息香酸アミル[p-(ジメチルアミノ)安息香酸アミルなど]などのジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)などのビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのジアルキルアミノベンゾフェノンなど}等が挙げられる。これら光増感剤は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
本発明の硬化性組成物中の重合開始剤の含有量は、本発明の(メタ)アクリレート化合物100質量部に対し(他の多官能性(メタ)アクリレート化合物を併用する場合は、本発明の(メタ)アクリレート化合物と他の多官能性(メタ)アクリレート化合物の合計量100質量部に対し)、通常0.1~30質量部、好ましくは1~20質量部、さらに好ましくは1.5~10質量部である。また、重合開始剤(光重合開始剤)と共に光増感剤を併用する場合の光増感剤の含有量は、重合開始剤(光重合開始剤)100質量部に対して、5~200質量部、好ましくは10~150質量部、さらに好ましくは20~100質量部である。
本発明の硬化性組成物に含まれ得る希釈剤としては、反応性希釈剤及び/又は非反応性希釈剤(溶媒)が例示される。反応性希釈剤としては、具体的に例えば、重合性単量体(メタ)アクリル酸アルキル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキル、好ましくは(メタ)アクリル酸C1-10アルキルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸C5-8シクロアルキルなど]、(メタ)アクリル酸アリール[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[(2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2-10アルキル(メタ)アクリレートなど]、(ポリ)オキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシC2-6アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート)、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート[(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3-メトキシブチルなど]、フェノキシアルキル(メタ)アクリレート[2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレートなど]、N-置換メタ(アクリルアミド)(N,N-ジメチルメタ(アクリルアミド)などのN,N-ジC1-4アルキルメタ(アクリルアミド)、N-メチロールメタ(アクリルアミド)などのN-ヒドロキシC1-4アルキルメタ(アクリルアミド)など)、アミノアルキル(メタ)アクリレート(N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートなど)、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート化合物、又は非(メタ)アクリル系モノマー(例えば、芳香族ビニル系単量体(スチレンなど)など)等が挙げられる。
これら反応性希釈剤の中でも、硬化物の密着性が向上させ易くなることから、単官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、特に2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが好ましい。これら反応性希釈剤は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
これら反応性希釈剤の中でも、硬化物の密着性が向上させ易くなることから、単官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、特に2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-(2-フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが好ましい。これら反応性希釈剤は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
本発明の硬化性組成物が反応性希釈剤を含有する場合、その含有量は、本発明の(メタ)アクリレート化合物100質量部に対し(他の多官能性(メタ)アクリレート化合物を併用する場合は、本発明の(メタ)アクリレート化合物と他の多官能性(メタ)アクリレート化合物の合計量100質量部に対し)、通常1~1000質量部、好ましくは5~500質量部、さらに好ましくは10~200質量部である。
非反応性希釈剤として例えば、脂肪族炭化水素類、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、エステル類、石油系溶剤等が挙げられる。脂肪族炭化水素類として例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が、ケトン類として例えばエチルメチルケトン、シクロヘキサノン等が、芳香族炭化水素類として例えばトルエン、キシレン等が、グリコールエーテル類としてエチルセロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が、エステル類として酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフルフリルアセテート、炭酸プロピレン等が、石油系溶剤として例えば石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等が挙げられる。その他、3-メトキシブタノール等のエーテルアルコールを用いることもできる。これら非反応性希釈剤は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
本発明の硬化性組成物が非反応性希釈剤を含有する場合、その含有量は、本発明の(メタ)アクリレート化合物100質量部に対し(他の多官能性(メタ)アクリレート化合物を併用する場合は、本発明の(メタ)アクリレート化合物と他の多官能性(メタ)アクリレート化合物の合計量100質量部に対し)、通常1~500質量部、好ましくは20~300質量部、さらに好ましくは30~200質量部である。
本発明の硬化性組成物には、上述した他の多官能性(メタ)アクリレート化合物、重合開始剤、希釈剤の他、慣用の添加剤、例えば、着色剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤、重合禁止剤(又は熱重合禁止剤)等を含んでいてもよい。これら添加剤は、1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
本発明の硬化性組成物に含まれ得る界面活性剤界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等各種のものを用いることができる。中でも、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましく、中でもフッ素系やシリコン系の界面活性剤が塗布性の面で効果的である。
このような界面活性剤としては、例えば、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン社製)、DFX-18(ネオス社製)、BYK-300、BYK-325、BYK-330(ビックケミー社製)、KP340(信越シリコーン社製)、F-470、F-475、F-478、F-559(大日本インキ化学工業社製)、SH7PA(トーレシリコーン社製)、DS-401(ダイキン社製)、L-77(日本ユニカー社製)、FC4430(住友3M社製)等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明の硬化性組成物には、紫外線未露光部をより現像しやすくするとの観点から、アルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。特に紫外線露光部の硬化性を高めるとの観点から、エチレン性不飽和結合を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、カルボキシル基とエチレン性不飽和結合を有するアルカリ可溶性樹脂がより好ましく、とりわけ、下記カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、他にも、エポキシ樹脂にα,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸及び/又はその無水物を反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂、エポキシ樹脂にα,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多価アルコール、及び多塩基酸及び/又はその無水物と反応させることによって得られたアルカリ可溶性樹脂などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の原料となるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、三菱ケミカル社製の「エピコート828」、「エピコート1001」、「エピコート1002」、「エピコート1004」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NER-1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃))、ビスフェノールF型樹脂(例えば、三菱ケミカル社製の「エピコート807」、「EP-4001」、「EP-4002」、「EP-4004等」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「NER-7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃))、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(例えば、三菱ケミカル社製の「YX-4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN-201」、三菱ケミカル社製の「EP-152」、「EP-154」、ダウケミカル社製の「DEN-438」)、(o,m,p-)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EOCN-102S」、「EOCN-1020」、「EOCN-104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(例えば、日産化学社製の「TEPIC」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬社製の「EPPN-501」、「EPN-502」、「EPPN-503」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したエポキシ樹脂(例えば、大日本インキ社製の「EXA-7200」、日本化薬社製の「NC-7300」)、特に好ましくは、エポキシ樹脂として日本化薬社製の「XD-1000」、日本化薬社製の「NC-3000」、新日鐵化学社製の「ESF-300」等が挙げられる。
α,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体などのモノカルボン酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアジピン酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルアジピン酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルマレイン酸、2-(メタ)アクリロイロキシブチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシブチルアジピン酸、2-(メタ)アクリロイロキシブチルヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシブチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシブチルマレイン酸(メタ)、アクリル酸にε-カプロラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン等のラクトン類を付加させたものである単量体、或いはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートに(無水)コハク酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸などの酸(無水物)を付加させた単量体、(メタ)アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。
これらの内、感度の点から、特に好ましいものは(メタ)アクリル酸である。
エポキシ樹脂にα,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルを付加させる方法としては、公知の手法を用いることができる。例えば、エステル化触媒の存在下、50~150℃の温度で、α,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルとエポキシ樹脂とを反応させることができる。ここで用いるエステル化触媒としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩等を用いることができる。
なお、エポキシ樹脂、α,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステル、及びエステル化触媒は、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、エポキシ樹脂、α,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステル、及びエステル化触媒は、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
α,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルの使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5~1.2当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.7~1.1当量の範囲である。
α,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルの使用量が少ないと不飽和基の導入量が不足し、引き続く多塩基酸及び/又はその無水物との反応も不十分となる。また、多量のエポキシ基が残存することも有利ではない。一方、該使用量が多いとα,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルが未反応物として残存する。いずれの場合も硬化特性が悪化する傾向が認められる。
α,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルの使用量が少ないと不飽和基の導入量が不足し、引き続く多塩基酸及び/又はその無水物との反応も不十分となる。また、多量のエポキシ基が残存することも有利ではない。一方、該使用量が多いとα,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルが未反応物として残存する。いずれの場合も硬化特性が悪化する傾向が認められる。
多塩基酸及び/又はその無水物としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、及びこれらの無水物等から選ばれた、1種又は2種以上が挙げられる。
好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、又はこれらの無水物である。特に好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、無水テトラヒドロフタル酸、又はビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
多塩基酸及び/又はその無水物の付加反応に関しても公知の手法を用いることができ、エポキシ樹脂へのα,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルの付加反応と同様な条件下で、継続反応させて目的物を得ることができる。多塩基酸及び/又はその無水物成分の付加量は、生成するカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が10~150mgKOH/gの範囲となるような程度であることが好ましく、さらに20~140mgKOH/gの範囲となるような程度であることが好ましい。カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が上記範囲未満であるとアルカリ現像性に乏しくなる傾向があり、また、上記範囲を超えると硬化性能に劣る傾向が認められる。
なお、この多塩基酸及び/又はその無水物の付加反応時に、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多官能アルコールを添加し、多分岐構造を導入したものとしてもよい。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、通常、エポキシ樹脂とα,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物を混合した後、もしくは、エポキシ樹脂とα,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物に、多塩基酸及び/又はその無水物及び多官能アルコールを混合した後に、加温することにより得られる。この場合、多塩基酸及び/又はその無水物と多官能アルコールの混合順序に、特に制限はない。加温により、エポキシ樹脂とα,β-不飽和モノカルボン酸又はカルボキシル基を有するα,β-不飽和モノカルボン酸エステルとの反応物と多官能アルコールとの混合物中に存在するいずれかの水酸基に対して多塩基酸及び/又はその無水物が付加反応する。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は通常1000以上、好ましくは1500以上であり、通常10000以下、好ましくは8000以下、より好ましくは6000以下である。この重量平均分子量が小さいと、現像液に対する溶解性が高く、大きすぎると現像液に対する溶解性が低い。
カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上の樹脂を混合して用いても良い。
[硬化物]
本発明の硬化物は、前述した本発明の硬化性組成物を硬化させてなるものであり、本発明の硬化性組成物に、後述する硬化処理を実施することによって得られる。例えば、フィルム状の硬化物は、基材に対して、本発明の硬化性組成物を塗布して塗膜(又は薄膜)を形成した後、硬化処理を施すことにより製造することができる。フィルム状の塗膜(又は薄膜)の厚みは、用途に応じて選択でき、例えば、0.1~1000μm、好ましくは0.3~500μm、さらに好ましくは0.4~300μmである。
また、三次元的形状(例えば、プリズム状、レンズ状など)の硬化物は、注型成形や3Dプリンタなどを利用して製造することができる。
なお、必要に応じて、硬化処理に先立って、本発明の硬化性組成物を加熱により低粘度化してもよい。
本発明の硬化物は、前述した本発明の硬化性組成物を硬化させてなるものであり、本発明の硬化性組成物に、後述する硬化処理を実施することによって得られる。例えば、フィルム状の硬化物は、基材に対して、本発明の硬化性組成物を塗布して塗膜(又は薄膜)を形成した後、硬化処理を施すことにより製造することができる。フィルム状の塗膜(又は薄膜)の厚みは、用途に応じて選択でき、例えば、0.1~1000μm、好ましくは0.3~500μm、さらに好ましくは0.4~300μmである。
また、三次元的形状(例えば、プリズム状、レンズ状など)の硬化物は、注型成形や3Dプリンタなどを利用して製造することができる。
なお、必要に応じて、硬化処理に先立って、本発明の硬化性組成物を加熱により低粘度化してもよい。
硬化処理として例えば、加熱処理、光照射処理などが挙げられる。また、加熱処理と光照射処理とを組み合わせてもよい。加熱処理を実施する際の加熱温度は、例えば、50~250℃、好ましくは60~200℃、さらに好ましくは70~150℃である。また、光照射処理(露光処理)において、光照射エネルギー量は、用途、塗膜の膜厚等によっても異なるが、通常、0.1~10000mJ/cm2、好ましくは1~8000mJ/cm2、さらに好ましくは10~5000mJ/cm2である。
本発明の(メタ)アクリレート化合物は、そのジナフトフラン構造に由来して高い屈折率を示すものであり、このような本発明の(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位を含む本発明のアクリル樹脂により、従来のアクリル樹脂よりも更に高屈折率化されたアクリル樹脂が提供される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。特に記載のない場合、「%」は「質量%」を示す。
[測定・評価方法]
<NMRの測定方法>
外径5mmのNMR試料管に試料約10mgを入れ、溶媒としてDMSO-dまたはクロロホルム-d 0.7mLを用いて溶解させた。JEOL社製 ECZ400S分光計にて共鳴周波数400MHz、測定温度25℃にて1H-NMRを測定した。
<NMRの測定方法>
外径5mmのNMR試料管に試料約10mgを入れ、溶媒としてDMSO-dまたはクロロホルム-d 0.7mLを用いて溶解させた。JEOL社製 ECZ400S分光計にて共鳴周波数400MHz、測定温度25℃にて1H-NMRを測定した。
<硬化物の屈折率の測定方法>
大塚電子社製のFE-3000を用いて波長587nmでの屈折率を測定した。場所をずらし5点測定を行い、その平均値を硬化物の屈折率とした。
大塚電子社製のFE-3000を用いて波長587nmでの屈折率を測定した。場所をずらし5点測定を行い、その平均値を硬化物の屈折率とした。
フラスコに、2,7-ジヒドロキシナフタレン(80g、499.5mol)、塩化鉄(162.0g、998.9mol)、水(2.0L)、イソプロパノール(300mL)を入れ、40℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却した後、酢酸エチル(600mL)と水(600mL)を加え、有機層を抽出した後、濃縮し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製することで、緑色固体として(1,1’-ビナフタレン)-2,2’,7,7’-テトラオールを54.2g(収率:67.8%、HPLC純度:89%)得た。
1H NMR:(500MHz,DMSO-d6) δ ppm =9.20(s,2H),8.93(s,2H),7.68(dd,J=8.5,6.5Hz,4H),7.07(d,J=9.0Hz,2H),6.78(dd,J=8.5,2.5Hz,2H),6.29(d,J=2.0Hz,2H)
1H NMR:(500MHz,DMSO-d6) δ ppm =9.20(s,2H),8.93(s,2H),7.68(dd,J=8.5,6.5Hz,4H),7.07(d,J=9.0Hz,2H),6.78(dd,J=8.5,2.5Hz,2H),6.29(d,J=2.0Hz,2H)
フラスコに(1,1’-ビナフタレン)-2,2’,7,7’-テトラオール(160g、502.6mol)、メタノール(1800mL)、硫酸(345.1g、3.52mol)を入れ、80℃で撹拌した。反応液に対し、室温で酢酸エチル(2L)を加え、飽和炭酸カリウム水溶液でpHを7~8に中和した。水(2L)を加え、有機層を抽出した後、濃縮することで茶色液体として(1,1’-ビナフタレン)-2,2’-ジオール-7,7’-ジメトキシを417g得た。一部モノメトキシ体も取得されたがそのまま次工程に使用した。
1H NMR:(400MHz,CDCl3) δ ppm =7.89-7.82(m,2H),7.80-7.73(m,2H),7.24-7.18(m,2H),7.06-6.97(m,2H),6.49(br s,2H),5.08(br s,2H),3.74-3.42(s,6H)
1H NMR:(400MHz,CDCl3) δ ppm =7.89-7.82(m,2H),7.80-7.73(m,2H),7.24-7.18(m,2H),7.06-6.97(m,2H),6.49(br s,2H),5.08(br s,2H),3.74-3.42(s,6H)
フラスコに(1,1’-ビナフタレン)-2,2’-ジオール-7,7’-ジメトキシ(180g、446.9mol)、パラトルエンスルホン酸(115.4g、670.4mol)、トルエン(2.4L)を入れ、140℃で三日間撹拌した。反応液濃縮後、酢酸エチル(8L)により希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液でpH7~8に中和した。その後水(8L)を加え、有機層を抽出した後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色固体として2,12-ジメトキシジナフトフランを117g(HPLC純度:64%)得た。
フラスコに2,12-ジメトキシジナフトフラン(48.9g、148.9mol)、ジクロロメタン(1,0L)を仕込み、-78℃で3臭化ホウ素(93.3g、372.3mol)を入れ、20℃で5時間撹拌した。水(3L)を滴下した後濃縮し、有機層を除いた後、酢酸エチル(3L)を加え、有機層を抽出した。濃縮により白色固体として2,12-ジヒドロキシジナフトフランを43g(収率:96.2%、HPLC純度:100%)得た。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6) δ ppm =10.07(s,2H),8.31(d,J=1.6Hz,2H),8.01(d,J=8.8Hz,2H),7.95(d,J=8.8Hz,2H),7.71(d,J=8.8Hz,2H),7.19(dd,J=8.8,2.0Hz,2H)
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6) δ ppm =10.07(s,2H),8.31(d,J=1.6Hz,2H),8.01(d,J=8.8Hz,2H),7.95(d,J=8.8Hz,2H),7.71(d,J=8.8Hz,2H),7.19(dd,J=8.8,2.0Hz,2H)
フラスコに、2,12-ジヒドロキシジナフトフラン(15g、50mmol)を入れ、窒素雰囲気とした後に、テトラヒドロフラン(200mL)、トリエチルアミン(20g、200mmol)、アクリル酸クロリド(18g、200mmol)を添加した。20℃で4時間撹拌した後に、酢酸エチル(1L)を加え、水(1L)で2回分液洗浄を行い、有機層を取得した。また、水層に対し酢酸エチル(1L)を加え2回抽出を行い、有機層を取得した。取得した全ての有機層を合わせて、Na2SO4を加え脱水した後にろ過し、ろ液を濃縮して粗体を取得した。その後カラム精製にて2,12-ジ(アクリロイル)ジナフトフラン(10g、収率:52%)を白色の固体として得た。
1H NMR:(400MHz,CDCl3) δ ppm =8.97(d,J=2.0Hz,2H),8.08(d,J=8.8Hz,2H),7.95(d,J=8.8Hz,2H),7.81(d,J=8.8Hz,2H),7.37(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),6.70(dd,J=17.2,1.2Hz,2H),6.44(dd,J=17.2,10.4Hz,2H),6.07(dd,J=10.4,1.2Hz,2H)
1H NMR:(400MHz,CDCl3) δ ppm =8.97(d,J=2.0Hz,2H),8.08(d,J=8.8Hz,2H),7.95(d,J=8.8Hz,2H),7.81(d,J=8.8Hz,2H),7.37(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),6.70(dd,J=17.2,1.2Hz,2H),6.44(dd,J=17.2,10.4Hz,2H),6.07(dd,J=10.4,1.2Hz,2H)
フラスコに2,12-ジヒドロキシジナフトフラン(7g、23.3mol)、ジメチルホルムアミド(230mL)、炭酸カリウム(322.2mg、2.33mol)を仕込み、エチレンカーボネート(8.2g、93.2mol)をジメチルホルムアミド(20mL)に溶解させたのち、フラスコに滴下した。120℃で反応液を16時間撹拌した後、氷水(400mL)を加え、ろ過することで固体を得た。この固体をアセトニトリルにて20℃で懸洗することにより、灰色固体として2,12-ビス(ヒドロキシエトキシ)ジナフトフランを8.5g(収率:94.3%、HPLC純度:100%)得た。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6) δ ppm =8.43(d,J=2.0Hz,2H),8.13(d,J=8.8Hz,2H),8.04(d,J=8.8Hz,2H),7.82(2H,d,J=8.8Hz),7.36(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),4.97(t,J=5.2Hz,2H),4.28(t,J=4.8Hz,4H),3.86(dd,J=8.8,5.2Hz,4H)
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6) δ ppm =8.43(d,J=2.0Hz,2H),8.13(d,J=8.8Hz,2H),8.04(d,J=8.8Hz,2H),7.82(2H,d,J=8.8Hz),7.36(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),4.97(t,J=5.2Hz,2H),4.28(t,J=4.8Hz,4H),3.86(dd,J=8.8,5.2Hz,4H)
フラスコに、2,12-ビス(ヒドロキシエトキシ)ジナフトフラン(26g、67mmol)を入れ、窒素雰囲気とした後に、テトラヒドロフラン(500mL)、トリエチルアミン(27g、268mmol)、アクリル酸クロリド(24g、268mmol)を添加した。20℃で4時間撹拌した後に、酢酸エチル(50mL)を加え、水(50mL)で2回分液洗浄を行い、有機層を取得した。取得した有機層に、Na2SO4を加え脱水した後にろ過し、ろ液を濃縮して粗体を取得した。その後シリカゲルカラムトグラフィー精製にて固体を取得した後、MeOH(100mL)で懸洗洗浄を行い、ろ過することで2,12-ビス(ヒドロキシエトキシアクリロイル)ジナフトフラン(7.5g、収率:25%)を白色の固体として得た。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6) δ ppm =8.43(d,J=1.6Hz,2H),8.16(d,J=8.8Hz,2H),8.07(d,J=8.8Hz,2H),7.85(d,J=8.8Hz,2H),7.40-7.39(m,2H),6.38-6.31(m,2H),6.27-6.15(m,2H),5.94-5.91(m,2H),4.64-4.47(m,8H)
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6) δ ppm =8.43(d,J=1.6Hz,2H),8.16(d,J=8.8Hz,2H),8.07(d,J=8.8Hz,2H),7.85(d,J=8.8Hz,2H),7.40-7.39(m,2H),6.38-6.31(m,2H),6.27-6.15(m,2H),5.94-5.91(m,2H),4.64-4.47(m,8H)
フラスコに、ジナフトフラン(10g、37mmol)を入れ、窒素雰囲気とした後に、テトラヒドロフラン(100mL)を添加した。0℃で冷却した後に、nブチルリチウム(56mL、89mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した後にホウ酸トリメチル(12.5mL、111mmol)を加えた。0℃で30分撹拌した後に、過酸化水素水溶液(40mL)を滴下した。1時間還流下で撹拌し、0℃に冷却後チオ硫酸ナトリウム水溶液を滴下した。酢酸エチル(50mL)を加え有機層の抽出を行った。この抽出操作を計3回繰り返し、得られた有機層を一つの分液ロートに入れ、水(30mL)で洗浄した。この水による洗浄操作を計2回繰り返した後ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた濃縮液(80mL)をヘキサン(120mL)に滴下し、析出した固体をろ過することで6,8-ビス(ヒドロキシ)ジナフトフラン(7g、収率:63%)を白色の固体として得た。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6) δ ppm =10.7(s,2H),8.91(d,J=8.4Hz,2H),7.93(dd,J=8.0,1.2Hz,2H),7.58-7.48(m,4H),7.36(s,2H).
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6) δ ppm =10.7(s,2H),8.91(d,J=8.4Hz,2H),7.93(dd,J=8.0,1.2Hz,2H),7.58-7.48(m,4H),7.36(s,2H).
フラスコに、6,8-ジヒドロキシジナフトフラン(1.5g、5mmol)を入れ、窒素雰囲気とした後に、テトラヒドロフラン(7.5mL)、トリエチルアミン(1.2g、12mmol)、アクリル酸クロリド(1.0g、12mmol)を添加した。0℃で3時間撹拌した後に、1N HCl水溶液(4mL)と水(11mL)を加えてろ過し、その後水10mLを用いて3回洗浄して固体の6,8-ビス(アクリロイル)ジナフトフランを取得した。
1H NMR:(400MHz,CDCl3) δ ppm =9.12(d,J=8.0Hz,2H),8.11(d,J=7.6Hz,2H),7.82(s,2H),7.74(ddd,J=7.4,1.2Hz,2H),7.60(ddd,J=7.6,0.8Hz,2H),6.75(dd,J=17.2,1.2Hz,2H),6.49(dd,J=17.2,1.2Hz,2H),6.12(dd,J=10.0,0.8Hz,2H)
1H NMR:(400MHz,CDCl3) δ ppm =9.12(d,J=8.0Hz,2H),8.11(d,J=7.6Hz,2H),7.82(s,2H),7.74(ddd,J=7.4,1.2Hz,2H),7.60(ddd,J=7.6,0.8Hz,2H),6.75(dd,J=17.2,1.2Hz,2H),6.49(dd,J=17.2,1.2Hz,2H),6.12(dd,J=10.0,0.8Hz,2H)
フラスコに、6,8-ジヒドロキシジナフトフラン(29g、97mol)とプロピレンカーボネート(50g、484mol)、炭酸カリウム(1.3g、9.7mol)、DMF(950mL)を入れ、窒素雰囲気とした後に、120℃で4時間撹拌した。その後冷却し水(3L)を加え、酢酸エチル(1L)による抽出を5回行い、合わせた有機層をBrine洗浄後、硫酸ナトリウムを加えて乾燥後ろ過し減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にかけて目的物が含まれるフラクションを減圧濃縮し、水を加えて吸引ろ過した。得られた固体を酢酸エチルに溶解させ、硫酸ナトリウムを加えて乾燥後ろ過し、減圧濃縮することで、固体の2-ヒドロキシプロポキシ,12-ヒドロキシジナフトフランを混合物として取得した。
フラスコに、2-ヒドロキシプロポキシ,12-ヒドロキシジナフトフラン(27g)とトリメチルアミン(46mL、331mmol)、メトキノン(27mg)、ジブチルヒドロキシトルエン(27mg)、テトラヒドロフラン(270mL)を入れ、窒素雰囲気とした後に、室温でアクリロイルクロリド(22mL、272mmol)を滴下し1時間撹拌した。2N炭酸カリウム水溶液に反応液を加え、酢酸エチルで抽出し、水とBrineで順次洗浄後硫酸ナトリウムを加えて乾燥後ろ過し、減圧濃縮することで、固体の2-ヒドロキシプロポキシアクリロイル,12-ヒドロキシアクリロイルジナフトフランを混合物として取得した。
フラスコに、2,12-ジヒドロキシジナフトフラン(1g、3.3mmol)を入れ、窒素雰囲気とした後に、テトラヒドロフラン(5mL)、メタクリロイルクロリド(0.8g、7.3mmol)、トリエチルアミン(1.2mL)を添加し、10℃で1.5時間撹拌した後に、酢酸エチル(8mL)を加え、1N HCl水溶液(8mL)で1回分液洗浄、次いで水(5mL)で2回分液洗浄を行い、有機層を取得した。その後、濃縮を行い、2,12-ジ(メタクリロイル)ジナフトフランを灰色の固体として得た。
1H NMR:(400MHz,CDCl3) δ ppm =8.85(d,J=2.0Hz,2H),8.04(d,J=8.8Hz,2H),7.91(d,J=8.4Hz,2H),7.77(d,J=8.0Hz,2H),7.34(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),6.41(s,1H),5.75(s,1H),2.10(s,H)
1H NMR:(400MHz,CDCl3) δ ppm =8.85(d,J=2.0Hz,2H),8.04(d,J=8.8Hz,2H),7.91(d,J=8.4Hz,2H),7.77(d,J=8.0Hz,2H),7.34(dd,J=8.8,2.0Hz,2H),6.41(s,1H),5.75(s,1H),2.10(s,H)
[実施例6]
5mL入り褐色瓶に対し、OGSOL(登録商標)EA-F5710(大阪ガスケミカル社製フルオレン系アクリレートモノマー)(58.2mg)、DNF-A(4.8mg)、クロロホルム(1mL)を加えた後完溶させた。重合開始剤としてIrg184(1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン)を11.7mgを1mLクロロホルムに溶かし、そのうち0.2mLを先ほどの褐色瓶に加えた。0.45μmのフィルターでろ過し、スライドガラスに液を0.2mL滴下した。その後ミカサ社製スピンコートを用い、500rpmで10秒、1500rpmで10秒スピンを行い塗布した。その後ホットプレートで50℃2分加熱し、溶媒を飛ばし、アイグラフィックス社製ECS-151Hを用い、UV硬化(高圧水銀ランプで730mJ/cm2照射を2回、照射時間は20秒)し硬化物を得た。得られた硬化物の屈折率を測定した。
5mL入り褐色瓶に対し、OGSOL(登録商標)EA-F5710(大阪ガスケミカル社製フルオレン系アクリレートモノマー)(58.2mg)、DNF-A(4.8mg)、クロロホルム(1mL)を加えた後完溶させた。重合開始剤としてIrg184(1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン)を11.7mgを1mLクロロホルムに溶かし、そのうち0.2mLを先ほどの褐色瓶に加えた。0.45μmのフィルターでろ過し、スライドガラスに液を0.2mL滴下した。その後ミカサ社製スピンコートを用い、500rpmで10秒、1500rpmで10秒スピンを行い塗布した。その後ホットプレートで50℃2分加熱し、溶媒を飛ばし、アイグラフィックス社製ECS-151Hを用い、UV硬化(高圧水銀ランプで730mJ/cm2照射を2回、照射時間は20秒)し硬化物を得た。得られた硬化物の屈折率を測定した。
[実施例7]
5mL入り褐色瓶に対し、OGSOL EA-F5710(51.7mg)、DNF-A(13.6mg)、クロロホルム(1mL)を加えた後完溶させた。その後の操作は実施例6と同様である。
5mL入り褐色瓶に対し、OGSOL EA-F5710(51.7mg)、DNF-A(13.6mg)、クロロホルム(1mL)を加えた後完溶させた。その後の操作は実施例6と同様である。
[実施例8]
5mL入り褐色瓶に対し、OGSOL EA-F5710(32.4mg)、DNF-A(14.3mg)、クロロホルム(1mL)を加えた後完溶させた。その後の操作は実施例6と同様である。
5mL入り褐色瓶に対し、OGSOL EA-F5710(32.4mg)、DNF-A(14.3mg)、クロロホルム(1mL)を加えた後完溶させた。その後の操作は実施例6と同様である。
[実施例9]
実施例6~8の測定結果に基づいて、試料濃度と屈折率との相関を示す検量線を作成した。得られた検量線から、試料濃度が100質量%であるときの屈折率を求め、試料の屈折率とした。
実施例6~8の測定結果に基づいて、試料濃度と屈折率との相関を示す検量線を作成した。得られた検量線から、試料濃度が100質量%であるときの屈折率を求め、試料の屈折率とした。
[実施例10]
DNF-Aの代わりにDNFE-Aを用いたこと以外は実施例6と同様の実験を実施した。
DNF-Aの代わりにDNFE-Aを用いたこと以外は実施例6と同様の実験を実施した。
[実施例11]
DNF-Aの代わりにDNFE-Aを用いたこと以外は実施例7と同様の実験を実施した。
DNF-Aの代わりにDNFE-Aを用いたこと以外は実施例7と同様の実験を実施した。
[実施例12]
DNF-Aの代わりにDNFE-Aを用いたこと以外は実施例8と同様の実験を実施した。
DNF-Aの代わりにDNFE-Aを用いたこと以外は実施例8と同様の実験を実施した。
[実施例13]
実施例10~12の測定結果に基づいて、試料濃度と屈折率との相関を示す検量線を作成した。得られた検量線から、試料濃度が100質量%であるときの屈折率を求め、試料の屈折率とした。
実施例10~12の測定結果に基づいて、試料濃度と屈折率との相関を示す検量線を作成した。得られた検量線から、試料濃度が100質量%であるときの屈折率を求め、試料の屈折率とした。
[比較例1]
5mL入り褐色瓶に対し、OGSOL EA-F5710(58.2mg)とクロロホルム(1mL)を加えた後完溶させた。その後の操作は実施例6と同様である。
5mL入り褐色瓶に対し、OGSOL EA-F5710(58.2mg)とクロロホルム(1mL)を加えた後完溶させた。その後の操作は実施例6と同様である。
濃度は仕込み時の、DNF-A又はDNFE-A重量を、DNF-A又はDNFE-AとOGSOLの合計重量で割り、算出した値である。
比較例1と比べ、DNF-A又はDNFE-Aの重合量が増える程、高屈折率となることが確認された。
また、実施例6~8の結果から外挿した値である実施例9では非常に高屈折率となることを確認した。
また、実施例10~12の結果から外挿した値である実施例13でも非常に高屈折率となることを確認した。
また、実施例6~8の結果から外挿した値である実施例9では非常に高屈折率となることを確認した。
また、実施例10~12の結果から外挿した値である実施例13でも非常に高屈折率となることを確認した。
比較例1と比べ、DNFE-A又はDNFE-Aの重合量が増える程、高屈折率となることが確認された。
〔硬化性組成物の実施例及び比較例〕
[構成成分]
以下の実施例及び比較例で用いた硬化性組成物の構成成分は次の通りである。
[構成成分]
以下の実施例及び比較例で用いた硬化性組成物の構成成分は次の通りである。
<(メタ)アクリレート化合物-II>
大阪ガスケミカル社製 オグソールEA-0200
以下の構造を有するメタ(アクリレート)化合物
大阪ガスケミカル社製 オグソールEA-0200
以下の構造を有するメタ(アクリレート)化合物
<アルカリ可溶性樹脂-I>
以下の部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(重量平均分子量Mw=3400、酸価=60mgKOH/g)
以下において、*は各々結合手を表す。
以下の部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(重量平均分子量Mw=3400、酸価=60mgKOH/g)
以下において、*は各々結合手を表す。
<光重合開始剤-I>
ジフェニルスルフィド骨格を有するケトオキシムエステル化合物
ジフェニルスルフィド骨格を有するケトオキシムエステル化合物
<界面活性剤-I>
DIC社製 メガファック F-559
DIC社製 メガファック F-559
<溶剤-I>
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<溶剤-II>
MB:3-メトキシ-1-ブタノール
<溶剤-III>
THFFA:テトラヒドロフルフリルアセテート
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<溶剤-II>
MB:3-メトキシ-1-ブタノール
<溶剤-III>
THFFA:テトラヒドロフルフリルアセテート
[評価方法]
以下の実施例及び比較例における性能評価方法は以下の通りである。
以下の実施例及び比較例における性能評価方法は以下の通りである。
<屈折率の測定>
ガラス基板上にスピナーを用いて、加熱硬化後に2μmの厚みになるように硬化性組成物を塗布した。得られた基板を1分間真空乾燥し、さらに100℃で100秒間、ホットプレート上で加熱乾燥して塗膜基板を得た。次に、大日本科研社製手動露光機(MA-1100)を使用し、330nm以下の波長をカットした高圧水銀灯を用いて、露光量200mJ/cm2で塗膜基板を全面露光した。この時の波長365nmにおける光強度は45mW/cm2であった。最後に、全面露光した基板をオーブン中230℃で30分間加熱硬化させ、屈折率測定用基板を得た。
上記屈折率測定用基板を用いて硬化物の屈折率を測定した。
具体的には20℃の条件下で、メトリコン社製 プリズムカプラ Model 2010を用いて、波長633nmのHe-Neレーザを入射光として測定した。
ガラス基板上にスピナーを用いて、加熱硬化後に2μmの厚みになるように硬化性組成物を塗布した。得られた基板を1分間真空乾燥し、さらに100℃で100秒間、ホットプレート上で加熱乾燥して塗膜基板を得た。次に、大日本科研社製手動露光機(MA-1100)を使用し、330nm以下の波長をカットした高圧水銀灯を用いて、露光量200mJ/cm2で塗膜基板を全面露光した。この時の波長365nmにおける光強度は45mW/cm2であった。最後に、全面露光した基板をオーブン中230℃で30分間加熱硬化させ、屈折率測定用基板を得た。
上記屈折率測定用基板を用いて硬化物の屈折率を測定した。
具体的には20℃の条件下で、メトリコン社製 プリズムカプラ Model 2010を用いて、波長633nmのHe-Neレーザを入射光として測定した。
[実施例14及び比較例2]
全固形分中の各成分の固形分の比率が表2の配合割合となるように各成分を加え、さらに全固形分の含有割合が20質量%、かつ、全溶剤中において溶剤-I/溶剤-II/溶剤-III=35/5/60(質量比)となるように溶剤を加え、攪拌、溶解させて、硬化性組成物を調製した。得られた各硬化性組成物を用いて、前述の方法で評価を行った。
結果を表2に示す。
なお、表2中の(メタ)アクリレート化合物-I,II、アルカリ可溶性樹脂-I、光重合開始剤-I、界面活性剤-Iの配合割合は固形分換算値である。
全固形分中の各成分の固形分の比率が表2の配合割合となるように各成分を加え、さらに全固形分の含有割合が20質量%、かつ、全溶剤中において溶剤-I/溶剤-II/溶剤-III=35/5/60(質量比)となるように溶剤を加え、攪拌、溶解させて、硬化性組成物を調製した。得られた各硬化性組成物を用いて、前述の方法で評価を行った。
結果を表2に示す。
なお、表2中の(メタ)アクリレート化合物-I,II、アルカリ可溶性樹脂-I、光重合開始剤-I、界面活性剤-Iの配合割合は固形分換算値である。
表2より、(メタ)アクリレート化合物-Iを用いた実施例14は、(メタ)アクリレート化合物-IIを用いた比較例2に比べ、高屈折率となることが確認された。
本実施形態のアクリル樹脂、硬化性組成物及び硬化物は、透明光学部材の一部又は全部を構成する部材として好適である。透明光学部材の例としては、発光ダイオードモジュール、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、カメラ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)デバイス、フラットパネルディスプレイ、タッチパネル、電子ペーパー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、プロジェクター等に使用されるフィルム、シート、レンズ、光導波路、封止材、充填材、接着剤、反射材、粘着剤、波長変換材、レジスト材料;フォトリソグラフィー工程で用いられる反射防止材;等が挙げられる。
本実施形態のアクリル樹脂、硬化性組成物及び硬化物は、各種レンズの一部又は全部を構成する部材として好適である。レンズは、本実施形態のアクリル樹脂、硬化性組成物及び硬化物からなる成形品であってもよいが、平面ガラス、曲面ガラス又はガラスウエハー等の透明基材と、該透明基材の片面又は両面上に形成された本実施形態のアクリル樹脂、硬化性組成物及び硬化物とからなるハイブリッドレンズであってもよい。
本実施形態の硬化性組成物を用いたレジスト材料は、ディスプレイを構成する部材として好適である。ディスプレイ用部材の例としては、TFT用平坦化膜、マイクロレンズ等が挙げられる。
Claims (6)
- 前記式(A)中のXが炭素数1又は2のアルキレン基であり、m及びnが0または1である、請求項1に記載の(メタ)アクリレート化合物。
- 前記式(A)中の(O-X)n-O-の置換位置番号が2であり、(O-X)m-O-の置換位置番号が12である、請求項1に記載の(メタ)アクリレート化合物。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位を含むアクリル樹脂。
- 請求項1から3のいずれかの1項に記載の(メタ)アクリレート化合物と重合開始剤とを含む硬化性組成物。
- 請求項5に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
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