JP2023026011A - 炭化タンタル被覆炭素材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い放射率を有する炭化タンタル被覆炭素材料を提供する。【解決手段】本発明は、炭素基材13と、炭素基材13の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜10とを含む炭化タンタル被覆炭素材料であって、炭化タンタル被覆膜10が、第1の炭化タンタル結晶を含む第1の炭化タンタル層11と、第1の炭化タンタル結晶と炭化タンタル組成が異なる第2の炭化タンタル結晶を含む第2の炭化タンタル層12とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素基材の表面を炭化タンタル被覆膜で被覆した炭化タンタル被覆炭素材料に関する。
炭化タンタルは、遷移金属炭化物の中で最も融点が高く(約3900℃)、化学的安定性、強度、靭性、耐食性にも優れている。そのため、炭素基材表面に炭化タンタル膜を被覆した炭化タンタル被覆炭素材料は、無垢の炭素材料と比較して高寿命であり、2000℃以上の環境下で結晶成長させるSiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)などの半導体単結晶製造装置で使用されている。
非特許文献1には、プロパンなどのカーボン(C)原料、五塩化タンタルなどのタンタル(Ta)原料、キャリアガスとしてのアルゴン(Ar)及び水素を減圧化学気相成長装置(Low-Pressure Chemical Vapor Deposition:LPCVD)で反応させる方法で炭素基材上に炭化タンタル膜を成膜する方法が記載されている。
Daejong Kim, et al., Journal of the Korean Ceramic Society, Vol. 53, No. 6, pp. 597-603, 2016.
しかしながら、炭化タンタル膜で被膜した炭素基材は高温環境下において耐久性に優れているものの、表面の炭化タンタル膜の放射率が低く、製造装置の高温環境における加熱部材として使用する場合、電力から熱へのエネルギー変換効率が低いという課題がある。なお、放射率は材料の熱放射の起こりやすさを表す物性値であり、JIS Z8117:2002では「放射体の放射発散度とその放射体と同温度の黒体の放射発散度との比」として定義されている。
そこで、本発明は、高い放射率を有する炭化タンタル被覆炭素材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、炭化タンタル被覆膜を所定の多層構造とすることにより、炭化タンタル被覆膜の放射率を高められることを見出し、本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む炭化タンタル被覆炭素材料であって、前記炭化タンタル被覆膜が、第1の炭化タンタル結晶を含む第1の炭化タンタル層と、前記第1の炭化タンタル結晶と炭化タンタル組成が異なる第2の炭化タンタル結晶を含む第2の炭化タンタル層とを含む炭化タンタル被覆炭素材料。
[2]前記第1の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるピークの頂点位置と前記第2の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるピークの頂点位置とが異なる上記[1]に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[3]前記第1の炭化タンタル結晶がTaC結晶であり、前記第2の炭化タンタル結晶がTaC結晶である上記[1]又は[2]に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[4]前記第2の炭化タンタル層は前記第1の炭化タンタル層に対して前記炭素基材側に存在する上記[3]に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[5]前記炭化タンタル被覆膜の最も表面側の層が前記第1の炭化タンタル層である上記[4]に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[6]前記TaC結晶が六方晶TaC(α-TaC)であり、前記第1の炭化タンタル層が立方晶Ta(α-Ta)をさらに含み、前記第1の炭化タンタル層のX線回折図形において、六方晶TaC(α-TaC)の(110)面に相当するピークと立方晶Ta(α-Ta)の(002)面に相当するピークとのピーク強度比(ITa2C(110)/ITa(002)が0.5以上である上記[3]~[5]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[7]前記炭化タンタル被覆膜の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであることを特徴とする上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[8]25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した前記炭化タンタル被覆膜の表面における放射率が0.30以上である上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[9]前記炭素基材の熱膨張係数が4.0~7.0×10-6/℃である上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[10]前記炭化タンタル被覆膜の膜厚が3~100μmである上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
[11]前記炭化タンタル被覆膜におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度が1500質量ppm以下であることを特徴とする上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
本発明によれば、放射率が高い炭化タンタル被覆炭素材料置を提供することができる。
本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料を例示する模式断面図である。 本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料の製造に使用する外熱型減圧CVD装置の一例の概略図である。 実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料の断面の電子顕微鏡写真である。 実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料のXRD測定の結果である。 誘導加熱による昇温速度測定装置の概略図である。 誘導加熱による耐食試験装置の概略図である。
[炭化タンタル被覆炭素材料]
以下、本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料を例に挙げて、本発明の炭化タンタル被覆炭素材料を説明する。
以下、図1を参照して本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料を説明する。
本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料は、炭素基材13と、炭素基材13の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜10とを含む。
炭素基材13は炭素を主成分とする基材である。炭素基材13の材料には、例えば、等方性黒鉛、押出成形黒鉛、熱分解黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)などが挙げられる。炭素基材13の形状や特性は特に限定されず、用途などに応じて任意形状に加工したものを用いることができる。
炭化タンタル被覆膜10は、第1の炭化タンタル結晶を含む第1の炭化タンタル層11と、第1の炭化タンタル結晶と炭化タンタル組成が異なる第2の炭化タンタル結晶を含む第2の炭化タンタル層12とを含む。炭化タンタル組成の異なるタンタル結晶を含む炭化タンタル層を組み合わせることにより、炭化タンタル被覆膜は、放射率の高い炭化タンタル結晶を含む炭化タンタル層を含むことができるので、炭化タンタル被覆膜の放射率を高めることができる。また、炭化タンタル組成の異なるタンタル結晶を含む炭化タンタル層を組み合わせることにより、炭化タンタル被覆膜の耐久性も改善することができる。なお、炭化タンタル結晶には、例えば、タンタルに対する炭素の侵入型化合物で固溶体のTaC結晶、六方晶系のTaC結晶、立方晶系のTaC結晶等が挙げられる。
第1の炭化タンタル層11は、第1の炭化タンタル結晶を含んでいれば、第1の炭化タンタル結晶と炭化タンタル組成が異なる他の炭化タンタル結晶を含んでもよい。この場合、第1の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるメインピークのピーク強度が、他の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるメインピークのピーク強度よりも高いことが必要である。すなわち、第1の炭化タンタル層11に含まれる炭化タンタル結晶の中で、第1の炭化タンタル層11のX線回折図形においてメインピークのピーク強度が最も高い炭化タンタル結晶が第1の炭化タンタル結晶である。
同様に、第2の炭化タンタル層12は、第2の炭化タンタル結晶を含んでいれば、第2の炭化タンタル結晶と炭化タンタル組成が異なる他の炭化タンタル結晶を含んでもよい。この場合、第2の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるメインピークのピーク強度が、他の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるメインピークのピーク強度よりも高いことが必要である。すなわち、第2の炭化タンタル層12に含まれる炭化タンタル結晶の中で、第2の炭化タンタル層11のX線回折図形においてメインピークのピーク強度が最も高い炭化タンタル結晶が第2の炭化タンタル結晶である。
また、炭化タンタル被覆膜は、第1の炭化タンタル結晶を含む第1の炭化タンタル層と、第1の炭化タンタル結晶と炭化タンタル組成が異なる第2の炭化タンタル結晶を含む第2の炭化タンタル層とを含んでいれば、他の炭化タンタル層をさらに含んでもよい。例えば、炭化タンタル被覆膜は、第1の炭化タンタル結晶を含む第1の炭化タンタル層と、第2の炭化タンタル結晶を含む第2の炭化タンタル層と、第1の炭化タンタル結晶を含む第3の炭化タンタル層と、第2の炭化タンタル結晶を含む第4の炭化タンタル層とを含んでもよい。
第1の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるピークの頂点位置と第2の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるピークの頂点位置とが異なることが好ましい。X線回折図形におけるピークの頂点位置の異なるタンタル結晶を含む層を組み合わせることにより、炭化タンタル被覆膜はさらに放射率の高い炭化タンタル結晶を含む炭化タンタル層を含むことができるので、炭化タンタル被覆膜の放射率をさらに高くすることができる。また、X線回折図形におけるピークの頂点位置の異なるタンタル結晶を含む層を組み合わせることにより、炭化タンタル被覆膜にマイクロクラックが発生することをさらに抑制できるので、炭化タンタル被覆膜10の耐久性をさらに改善することができる。
なお、各炭化タンタル層のX線回折図形におけるピークの頂点位置は、炭化タンタル被覆炭素材料からそれぞれの炭化タンタル層を削り取ることによって得られた各炭化タンタル層の粉末について、X線回折(XRD)装置を用いた2θ/θ測定(アウトオブプレーン)を実施することによって得られる。
第1の炭化タンタル結晶がTaC結晶であり、第2の炭化タンタル結晶がTaC結晶であることが好ましい。TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層11は放射率が高いので、TaC結晶のみからなる従来の炭化タンタル被覆膜に比べて炭化タンタル被覆膜の放射率を高くすることができる。そして、その結果、炭化タンタル被覆炭素材料の熱の吸収率が高くなる。また、TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層11は、TaC結晶を含む炭化タンタル層に比べて、マイクロクラックが発生しにくい。これにより、TaC結晶のみからなる従来の炭化タンタル被覆膜に比べて、炭化タンタル被覆炭素材料の耐久性がさらに良好となる。炭化タンタル被覆膜10の放射率を高くするという観点から、TaC結晶を含む第2の炭化タンタル層12は、TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層11に対して炭素基材13側に存在することが好ましく、炭化タンタル被覆膜の最も表面側の層が、TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層11であることがより好ましい。
なお、炭化タンタル被覆膜がTaC結晶を含む第1の炭化タンタル層のみからなる場合も、炭化タンタル被覆膜の放射率を高くすることができる。しかし、TaC結晶の成膜速度はTaCの成膜速度に比べて約半分であるため、炭化タンタル被覆膜がTaC結晶を含む第1の炭化タンタル層のみからなる場合、成膜時間が長くなり、成膜コストが高くなる。本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料では、炭化タンタル被覆膜は、TaC結晶を含む第2の炭化タンタル層12を含むので、炭化タンタル被覆膜の成膜時間が短くなり、その結果、炭化タンタル被覆膜の成膜コストを抑えながら、炭化タンタル被覆膜の放射率を高くすることができる。また、炭化タンタル被覆膜の成膜コストを抑えながら、炭化タンタル被覆膜のマイクロクラックの発生も抑制し、その結果、炭化タンタル被覆炭素材料の耐久性も改善することができる。なお、第2の炭化タンタル層12は、TaCを主成分とするものが好ましく、TaC結晶のみから構成されてもよいし、TaC結晶以外の成分を含んでもよい。また、第2の炭化タンタル層12がTaC結晶のみから構成され場合も、第2の炭化タンタル層12は、TaC結晶を形成するときに不可避なTaC結晶以外の結晶及び不純物を含んでもよい。
第1の炭化タンタル層11は、TaCを主成分とするものが好ましく、TaC結晶のみからなるものであってもよいし、TaC結晶以外の成分を含んでもよい。なお、第1の炭化タンタル層11がTaC結晶のみから構成され場合も、TaC結晶を形成するときに不可避なTaC結晶以外の結晶及び不純物を含んでもよい。しかし、第1の炭化タンタル層11の放射率の観点及び炭化タンタル被覆膜のマイクロクラック発生の抑制の観点から、第1の炭化タンタル層におけるTaC結晶の含有量は、高ければ高いほどよい。また、炭化タンタル被覆炭素材料を化合物半導体成長装置に使用する場合、炭化タンタル被覆炭素材料は、高温下でアンモニアガスに晒される場合がある。炭化タンタル被覆膜中のタンタルの含有量が高いと、炭化タンタル被覆膜中のタンタルとアンモニアガスとが反応して、炭化タンタル被覆膜の表面に窒化タンタルが形成される。窒化タンタルのアンモニア耐性は優れているので、これにより、炭化タンタル被覆膜のアンモニア耐性は改善する。このような観点から、第1の炭化タンタル層11におけるタンタルの含有量を高くするために、第1の炭化タンタル層におけるTaC結晶の含有量は、高ければ高いほどよい。
第1の炭化タンタル層11の放射率の観点から、第1の炭化タンタル層11が六方晶TaC(α-TaC)及び立方晶Ta(α-Ta)を含む場合、第1の炭化タンタル層11のX線回折図形において、六方晶TaC(α-TaC)の(110)面に相当するピークと立方晶Ta(α-Ta)の(002)面に相当するピークとのピーク強度比(ITa2C(110)/ITa(002)が0.5以上であることが好ましい。
エピタキシャルウェハ製造装置では原料として塩化金属が使用されることが多いため、副生成物として塩化水素が発生する。本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料をエピタキシャルウェハ製造装置に用いた場合、上記ピーク強度比(ITa2C(110)/ITa(002))が0.5以上であると、副生成物として発生した塩化水素と第1の炭化タンタル層11中の立方晶Ta(α-Ta)とが反応することを抑制することができる。このような観点から、上記ピーク強度比(ITa2C(110)/ITa(002))は、0.9以上であることがより好ましい。
第1の炭化タンタル層11のX線回折図形は、炭化タンタル被覆炭素材料から第1の炭化タンタル層を削り取ることによって得られた第1の炭化タンタル層11の粉末について、X線回折(XRD)装置を用いた2θ/θ測定(アウトオブプレーン)を実施することによって得られる。
なお、参考文献1によれば、六方晶TaC(α-TaC)のXRD結晶データは下記に示す通りである。
(010):2θ= 33.293°、I[%]: 21.2
(002):2θ= 36.343°、I[%]: 23.8
(011):2θ= 38.071°、I[%]:100.0
(012):2θ= 50.107°、I[%]: 16.3
(110):2θ= 59.494°、I[%]: 18.0
(013):2θ= 66.533°、I[%]: 17.9
(020):2θ= 69.909°、I[%]: 2.3
(112):2θ= 71.753°、I[%]: 18.0
(021):2θ= 72.849°、I[%]: 13.4
(004):2θ= 77.177°、I[%]: 2.6
参考文献1:Windisch, S.;Brukl, C.E.;Rudy, E., Zeitschrift fuer Metallkunde, 54, 345 - 353, (1963)
また、参考文献2によれば、立方晶Ta(α-Ta)のXRD結晶データは下記に示す通りである。
(011):2θ= 38.539、I[%]:100.0
(002):2θ= 55.642、I[%]: 16.5
(112):2θ= 69.723、I[%]: 31.9
(022):2θ= 82.603、I[%]: 9.7
参考文献2:Ohtani, M.;Hirata, K.;Waseda, Y., High Temperatures-High Pressures, 7, 221 - 226, (1975)
炭化タンタル被覆膜10の表面の算術平均粗さRaは、好ましくは1~30μmである。炭化タンタル被覆膜10の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであると、炭化タンタル被覆膜10の放射率をさらに高くすることができる。このような観点から、炭化タンタル被覆膜10の表面の算術平均粗さRaは、より好ましくは3~10μmである。なお、炭化タンタル被覆膜10の表面の算術平均粗さRaは、JIS B 0633:2001(ISO 4288:1996)に基づいて測定した値である。
炭化タンタル被覆膜10の表面の算術平均粗さRaは、例えば、炭素基材13の表面粗さを調整することにより調整することができる。例えば、炭化タンタル被覆膜10の膜厚が20μm程度である場合、炭素基材13の表面粗さがそのまま炭化タンタル被覆膜10の表面粗さとなる。また、炭素基材13に炭化タンタル被覆膜10を形成した後、研磨剤ややすり等を使用して炭化タンタル被覆膜10の表面を磨くことにより、炭化タンタル被覆膜10の表面の算術平均粗さRaを調整してもよい。
炭化タンタル被覆膜10の膜厚は、好ましくは3~100μmである。炭化タンタル被覆膜10が3μm以上であると、炭素基材13から拡散する不純物の炭化タンタル被覆膜10の放射率に対する影響を抑制することができる。炭化タンタル被覆膜が100μm以下であると、炭化タンタル被覆膜の成膜時間を短くすることができ、本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料の生産効率を改善することができる。このような観点から、炭化タンタル被覆膜10の膜厚は、より好ましくは20~50μmである。
炭化タンタル被覆膜10の放射率の観点及び成膜コストの観点から、TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層11が膜厚は、炭化タンタル被覆膜10の膜厚に対して、好ましくは2~50%であり、より好ましくは10.0%~33.3%である。また、TaC結晶を含む第2の炭化タンタル層12が膜厚は、炭化タンタル被覆膜10の膜厚に対して、好ましくは50~98%であり、より好ましくは66.7%~90.0%である。
炭化タンタル被覆膜10におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度は、好ましくは1500質量ppm以下である。本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料をエピタキシャルウェハ製造装置に用いた場合、炭化タンタル被覆膜10におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度が1500質量ppm以下であると、エピタキシャルウェハ製造装置により製造されるウェハへの不純物混入をさらに抑制することができる。このような観点から、炭化タンタル被覆膜10におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度は、より好ましくは100質量ppm以下である。なお、炭化タンタル被覆膜10におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度は、低ければ低いほどさらに好ましい。Ta及びCを除いた他の成分の濃度は、グロー放電質量分析法(GDMS)で分析することができる。
上記と同様の観点から、第1の炭化タンタル層11におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度は、好ましくは1500質量ppm以下であり、より好ましくは100質量ppm以下である。また、上記と同様の観点から、第2の炭化タンタル層12におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度も、好ましくは1500質量ppm以下であり、より好ましくは100質量ppm以下である。
25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した炭化タンタル被覆膜10の表面における放射率は、好ましくは0.30以上である。炭化タンタル被覆膜10の表面における放射率が0.30以上であると、本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料の熱の吸収率をさらに高めることができる。また、25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した炭化タンタル被覆膜10の表面における放射率の範囲の上限値は、特に限定されないが、通常、0.70以下である。なお、炭化タンタル被覆膜10の表面における放射率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
同様の観点から、25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した第1の炭化タンタル層11の表面における放射率は、好ましくは0.30以上である。また、25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した第1の炭化タンタル層11の表面における放射率の範囲の上限値は、特に限定されないが、通常、0.70以下である。
炭素基材13の熱膨張係数は、好ましくは4.0~7.0×10-6/℃である。炭素基材13の熱膨張係数が4.0~7.0×10-6/℃であると、炭化タンタル被覆炭素材料の表面におけるマイクロクラックの発生をさらに抑制することができる。このような観点から、炭素基材13の熱膨張係数は、より好ましくは.5.8×10-6~6.5×10-6/℃である。なお、炭化タンタル被覆膜の熱膨張率はおよそ6.3×10-6/ ℃である。
本実施形態の炭化タンタル被覆炭素材料は、放射率が高いので、炭化ケイ素エピタキシャルウェハ成長装置及び窒化ガリウムエピタキシャルウェハ製造成長装置に、好適に使用することができる。
[炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法]
以下、本発明の炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法を説明する。
本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法は、TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層を形成する工程とTaC結晶を含む第2の炭化タンタル層を形成する工程とを含む。
(1)TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層を形成する工程
TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層を形成する工程は、炭化水素ガス、ハロゲン化タンタルガス及び水素ガスを含む原料ガスをCVD(化学気相成長)反応室内に供給して、CVD法で原料ガスを反応させてTaC結晶を含む第1の炭化タンタル層を形成する。このとき、原料ガス中のハロゲン化タンタルガスに含まれるタンタル原子及び水素ガスに含まれる水素原子のモル比が次の式を満たす。
タンタル原子(Ta):水素原子(H)=1:x(x≧16)
上記式におけるxの値が16未満であると、ハロゲン化タンタルガスにおける塩素の脱離が不十分になり、ハロゲン化タンタルガスの分解性が悪くなる場合がある。そして、その結果、TaCの代わりに、TaCが生成する。また、上記式におけるxの値が16以上であると、TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層を形成する工程では、TaCに加えて、立方晶Ta(α-Ta)が生成する場合がある。
ここで、原料ガス中のハロゲン化タンタルガスに含まれるタンタル原子及び水素ガスに含まれる水素原子のモル比はハロゲン化タンタルガス及び水素ガスのそれぞれの標準状態の体積流量から算出できる。例えば、ハロゲン化タンタルガスとして五塩化タンタルを用いる場合、1モルのハロゲン化タンタルガスには、1モルのタンタル原子が含まれる。一方、1モルの水素ガスには、2モルの水素原子が含まれる。標準状態のガスの体積比は各ガスのモル比と等価なので、五塩化タンタルを1SLM(Standard Litter/Minutes)、水素を8SLM供給した場合、原料ガス中のハロゲン化タンタルガスに含まれるタンタル原子及び水素ガスに含まれる水素原子のモル比は下記のようになる。
タンタル原子(Ta):水素原子(H)=1:16
尚、ここで標準状態とは20℃、1気圧を指し、「SLM」は、ガスの体積を20℃、1気圧に換算した体積流量単位である。
上述したように、第1の炭化タンタル層をCVD法により形成する。CVD法には、例えば、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。これらのCVD法の中で、装置構成が比較的簡易で、プラズマによる損傷がないことから、熱CVD法が好ましい。
TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層を形成する工程における成膜温度は、好ましくは850~2500℃である。成膜温度が850℃以上であると、炭化タンタルの結晶成長が促進され、炭化タンタル被覆膜が緻密になりやすい。成膜温度が2500℃以下であると、炭素基材と炭化タンタルの熱膨張率差の影響を低減することができる。このような観点から、成膜温度は、より好ましくは1000~1500℃である。また、炭化タンタル被覆膜形成工程では、CVD反応室内の圧力は、好ましくは1~100Paである。
(2)TaC結晶を含む第2の炭化タンタル層を形成する工程
CVD反応室内に供給する原料ガス中のタンタル及び炭素のモル比がおよそ1:1になるように、CVD反応室内に供給する炭化水素ガス及びハロゲン化タンタルガスの流量を調節した以外は、TaC結晶を含む第1の炭化タンタル層を形成する工程と同様の方法でTaC結晶を含む第2の炭化タンタル層を形成することができる。
炭素基材の表面の算術平均粗さRaは、好ましくは1~30μmである。上述したように、炭素基材の表面粗さがそのまま炭化タンタル被覆膜の表面粗さとなるので、炭素基材の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであると、炭化タンタル被覆膜の表面の算術平均粗さRaを1~30μmとすることが容易になる。炭化タンタル被覆膜の表面の算術平均粗さRaは、より好ましくは3~10μmであるので、炭素基材の表面の算術平均粗さRaも、より好ましくは3~10μmである。
本実施形態に係る炭化タンタル被覆炭素材料の製造方法に、例えば、図2に示すような外熱型減圧CVD装置21を用いて行うことができる。
外熱型減圧CVD装置21では、ヒーター23、排気部27、原料供給部28などを備えた反応室22内で、炭素基材24は支持手段25によって支持される。そして、原料ガスとして、原料供給部28から炭化水素ガス、水素(H)ガス、及びハロゲン化タンタルガスを供給する。ハロゲン化タンタルガスは、例えば、ハロゲン化タンタルを加熱気化させる方法、タンタル金属とハロゲンガスとを反応させる方法等により発生させることができる。続いて、原料供給部28から供給される原料ガスを、好ましくは850~2500℃、より好ましくは1000℃~1500℃の加熱温度、及び好ましくは1~100Paの圧力の高温減圧下で熱CVD反応させ、炭素基材24上に炭化タンタル被覆膜を形成する。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下のようにして、実施例1~4の炭化タンタル被覆炭素材料、比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料、及び参考例1の炭素材料を作製した。
(実施例1)
先ず、図2に示す外熱型減圧CVD装置21の反応室内22に、炭素基材24を載置した。炭素基材24として等方性黒鉛(商品名「MC-4423」、メカニカルカーボン工業株式会社製)で作製した扇形部材(中心角120°、半径225mm、厚さ12mm、熱膨張係数6.0×10-6/℃)を用いた。炭素基材24は先端が尖った形状の支持部を3つ有する支持手段25によって支持された。炭素基材24は、ブラスト処理を行い、炭素基材24の表面の算術平均粗さRaを5.0μmに調整した。
次に、炭素基材24を1100℃の温度に加熱した。加熱した炭素基材24に原料供給部28からメタン(CH)ガス、水素(H)ガス、五塩化タンタル(TaCl)ガス及びアルゴン(Ar)ガスを反応室22へ供給し、炭素基材24の表面に膜厚20.4μmのTaC層を形成した。なお、マスフローコントローラーによりメタンガス、水素ガス、五塩化タンタルガス及びアルゴンガスの流量を、それぞれ1SLM(Standard Litter/Minutes)、1SLM、1SLM、1SLMになるように制御した。原料ガス供給時間は5時間であった。
次に、炭素基材24の温度を1100℃に維持しながら、TaC層を形成した炭素基材24に原料供給部28からメタン(CH)ガス、水素(H)ガス、五塩化タンタル(TaCl)ガス及びアルゴン(Ar)ガスを反応室22へ供給し、炭素基材24のTaC層の上に膜厚5.1μmのTaC層を形成し、実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。なお、マスフローコントローラーによりメタンガス、水素ガス、五塩化タンタルガス及びアルゴンガスの流量を、それぞれ1SLM、8SLM、1SLM、1SLMになるように制御した。原料ガス供給時間は5時間であった。図3に実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料の断面のSEM画像を示す。
(実施例2)
TaC層を形成する際の原料ガス供給時間を5時間から10時間に変更した。それ以外は実施例1と同様の方法で、TaC層の膜厚が21.1μmであり、TaC層の膜厚が10.2μmである実施例2の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。
(実施例3)
先ず、TaC層を形成する際の原料ガス供給時間を5時間から2.5時間に変更した以外は実施例1と同様の方法で、TaC層の膜厚が10.2μmであり、TaC層の膜厚が5.2μmである炭化タンタル被覆炭素材料をした。
次に、TaC層を形成する際の原料ガス供給時間を5時間から2.5時間に変更した以外は実施例1と同様の方法で、上記炭化タンタル被覆炭素材料のTaC層の上に膜厚10.3μmのTaC層を形成し、そのTaC層の上に膜厚5.5μmのTaC層をさらに形成して、実施例3の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。
(実施例4)
先ず、TaC層を形成する際の原料ガス供給時間を5時間から7時間に変更した以外は、実施例1と同様な方法で、炭素基材24の表面に膜厚26.0μmのTaC層を形成した。
次に、水素ガスの流量を8SLMから16SLMに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、膜厚が4.9μmでありTa結晶を含むTaC層をTaC層の上に形成して、実施例4の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。
(比較例1)
TaC層を形成しなかった以外は、実施例1と同様な方法で、TaC層の膜厚が21.0μmである比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料を作製した。
(参考例1)
実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料を作製するときに使用した炭素基材を参考例1の炭素材料として使用した。
以上のように作製した実施例1~4の炭化タンタル被覆炭素材料、比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料、及び参考例1の炭素材料について以下の評価を行った。
(1)ピーク強度比:ITa2C(110)/ITa(002)の算出
XRD装置(商品名「EMPYREAN」、Malvern Panalytical社製)を用いて、TaC層の粉末試料の2θ/θ測定(アウトオブプレーン)を行った。測定するTaC層の粉末試料は、炭化タンタル被覆炭素材料からTaC層を削り取ることにより作製した。
実施例1の炭化タンタル被覆炭素材料におけるTaC層の粉末試料のXRD測定の結果を図4に示す。そして、六方晶TaC(α-TaC)の(110)面に相当するピークと立方晶Ta(α-Ta)の(002)面に相当するピークとのピーク強度比:ITa2C(110)/ITa(002)を算出した。結果を表1に示す。
(2)室温における放射率測定方法
先ず、φ40mm以上の平坦な炭素基材に各種膜を被覆して、測定用試料を作製した。そして、放射率測定器(商品名「TSS-5X」、ジャパンセンサー株式会社製)を用いて、室温(25℃)の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下での放射率を測定した。結果を表1に示す。
(3)誘導加熱による昇温時間測定
先ず、図5に示す誘導加熱装置の石英管42内に、実施例1~4の炭化タンタル被覆炭素材料、比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料、及び参考例1の炭素材料を、サセプター44として、それぞれ配置し、サセプター44の上にSiCウェハ45を載置した。その後、石英管42内を減圧し、下記の条件で誘導加熱を開始した。SiCウェハ45の中心の表面温度を放射温度計40(商品名「FLHX-TNE-0090-200-B-003-00-5」、ジャパンセンサー株式会社製)で測定し、1500℃の温度に到達するまでの時間を測定した。測定結果を表1に示す。
[測定条件]
加熱方法:誘導加熱
電源出力:2kW
周波数:50kHz
アルゴン流量:2SLM
放射率設定値:1.0
測定波長:1.95~2.6μm
測定温度:1500℃
SiCウェハ:3インチ
サセプタサイズ:100mm×100mm×10mm
(5)NH腐食試験による重量減少割合の算出
先ず、図6に示す誘導加熱装置の石英管42内に、実施例1~4の炭化タンタル被覆炭素材料、比較例1の炭化タンタル被覆炭素材料及び参考例1の炭素材料を、サセプター44としてそれぞれ配置した。その後、石英管42内を減圧し、誘導加熱により、サセプター44の表面温度が1500℃になるまで石英管42内の温度を昇温した。サセプター44の表面温度が1500℃の温度で安定化した後、ガス供給口46から1.0SLMの流量でNHガスを石英管42内に供給した。そして、表面温度が1500℃のサセプター44とNHガスとを6時間反応させ、下記の式からそれぞれのサンプルについてのNH腐食試験後の重量減少率(%)を算出した。
NH腐食試験後の重量減少率(%)=(試験前の炭素材料重量(g)-試験後の炭素材料重量(g))÷試験前の炭素材料重量(g)
[試験条件]
サンプル表面温度:1500℃
NH:1.0SLM
圧力:-20kPa(ゲージ圧)
試験時間:6時間
Figure 2023026011000002
実施例1~4の炭化タンタル被覆炭素材料の室温における放射率と比較例1の室温における放射率とを比較することにより、炭化タンタル被覆膜が第1の炭化タンタル結晶(TaC結晶)を含む第1の炭化タンタル層(TaC層)と、第1の炭化タンタル結晶(TaC結晶)と炭化タンタル組成が異なる第2の炭化タンタル結晶(TaC結晶)を含む第2の炭化タンタル層(TaC層)とを含むことにより、炭化タンタル被覆膜の放射率を増加させることができることがわかった。その結果、誘導加熱によってSiCウェハの温度を1500℃までに到達させる昇温時間が短くなることがわかった。また、NHガスに対する耐耐食性も良好であることがわかった。
られなかった。
10 炭化タンタル被覆膜
11 第1の炭化タンタル層
12 第2の炭化タンタル層
13 炭素基材
21 外熱型減圧CVD装置
22 反応室
23 ヒーター
24 炭素基材
25 支持手段
26 ターンテーブル
27 排気部
28 原料供給部
40 放射温度計
41 RFコイル
42 石英管
43 断熱材
44 サセプター
45 SiCウェハ
46 ガス供給口

Claims (11)

  1. 炭素基材と、前記炭素基材の少なくとも一部を被覆する炭化タンタル被覆膜とを含む炭化タンタル被覆炭素材料であって、
    前記炭化タンタル被覆膜が、第1の炭化タンタル結晶を含む第1の炭化タンタル層と、前記第1の炭化タンタル結晶と炭化タンタル組成が異なる第2の炭化タンタル結晶を含む第2の炭化タンタル層とを含む炭化タンタル被覆炭素材料。
  2. 前記第1の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるピークの頂点位置と前記第2の炭化タンタル結晶のX線回折図形におけるピークの頂点位置とが異なる請求項1に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
  3. 前記第1の炭化タンタル結晶がTaC結晶であり、前記第2の炭化タンタル結晶がTaC結晶である請求項1又は2に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
  4. 前記第2の炭化タンタル層は前記第1の炭化タンタル層に対して前記炭素基材側に存在する請求項3に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
  5. 前記炭化タンタル被覆膜の最も表面側の層が前記第1の炭化タンタル層である請求項4に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
  6. 前記TaC結晶が六方晶TaC(α-TaC)であり、
    前記第1の炭化タンタル層が立方晶Ta(α-Ta)をさらに含み、
    前記第1の炭化タンタル層のX線回折図形において、六方晶TaC(α-TaC)の(110)面に相当するピークと立方晶Ta(α-Ta)の(002)面に相当するピークとのピーク強度比(ITa2C(110)/ITa(002)が0.5以上である請求項3~5のいずれか1項に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
  7. 前記炭化タンタル被覆膜の表面の算術平均粗さRaが1~30μmであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
  8. 25℃の測定温度及び2~22μmの測定波長の条件下で測定した前記炭化タンタル被覆膜の表面における放射率が0.30以上である請求項1~7のいずれか1項に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
  9. 前記炭素基材の熱膨張係数が4.0~7.0×10-6/℃である請求項1~8のいずれか1項に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
  10. 前記炭化タンタル被覆膜の膜厚が3~100μmである請求項1~9のいずれか1項に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
  11. 前記炭化タンタル被覆膜におけるTa及びCを除いた他の成分の濃度が1500質量ppm以下であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の炭化タンタル被覆炭素材料。
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