JP2023025960A - キャスク - Google Patents

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Abstract

【課題】リークチェック孔の内面に保護膜を形成しなくても、リークチェック孔を防錆することができる蓋構造のキャスクを提供すること。【解決手段】キャスク100は、放射性物質を収納する有底筒形状の容器本体1と、容器本体の開口部を閉じる金属製の蓋体2と、蓋体2の径方向端部の下面に設置される、内リング24および外リング25を有する2重リング構造のガスケット5と、蓋体2の径方向端部に設けられた蓋体2の厚み方向に延びる貫通孔29に挿入されるボス11であって、内リング24と外リング25との間に連通するリークチェック孔28が設けられたボス11と、を備える。ボス11が、蓋体2よりも耐食性に優れた金属材料で形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、放射性物質を収納するキャスクに関する。
キャスクに関する技術として、例えば特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載のキャスク(放射性物質収納容器)は一次蓋部を備え、気密漏えい試験用の孔(リークチェック孔)が当該一次蓋部に設けられている。そして、上記孔の内面、および孔の開口の周囲(一次蓋部の上面および下面)に、防錆を目的とする保護膜が形成される。保護膜は、無電解ニッケルめっき処理で形成されるとのことである。
特開2015-17909号公報
特許文献1に記載の技術には、次のような問題がある。気密漏えい試験用の孔の内面に保護膜が確実に形成されていることを確認することは難しい。保護膜の厚みが不十分であると、そこから錆が発生する場合がある。発生した錆が気密漏えい試験装置に吸い込まれると、吸い込まれた錆が気密漏えい試験装置に悪影響を及ぼす可能性がある。また、孔の内面に付着した錆が剥がれてガスケットのシール面に付着すると、気密漏えい試験を適切に実施できなくなる可能性がある。
本発明の目的は、リークチェック孔の内面に保護膜を形成しなくても、リークチェック孔を防錆することができる蓋構造のキャスクを提供することである。
本願で開示するキャスクは、放射性物質を収納する有底筒形状の容器本体と、前記容器本体の開口部を閉じる金属製の蓋体と、前記蓋体の径方向端部の下面に設置される、内リングおよび外リングを有する2重リング構造のガスケットと、前記径方向端部に設けられた前記蓋体の厚み方向に延びる貫通孔に挿入されるボスであって、前記内リングと前記外リングとの間に連通するリークチェック孔が設けられたボスと、を備える。前記ボスが、前記蓋体よりも耐食性に優れた金属材料で形成されている。
上記構成のキャスクによれば、リークチェック孔の内面に保護膜を形成しなくても、リークチェック孔を防錆することができる。
本発明の一実施形態に係るキャスクの断面図である。 図1に示すA部の詳細図である。 図2に示すB部の拡大図である。 ガスケットのシール面を説明するための図である。 図1に示すC部の詳細図である。 図1に示すD部の詳細図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
キャスク100は、使用済燃料などの放射性物質を収納して、輸送、貯蔵するために用いられるものであって、図1に示すように、放射性物質を収納する容器本体1と、容器本体1の開口部を閉じる3つの蓋体(2、3、4)と、を備える。3つの蓋体は、一次蓋2と、二次蓋3と、三次蓋4とがある。
図1に示すように、容器本体1は、有底筒形状(底がある筒形状)とされている。開口部が設けられた容器本体1の上端部は、3つの蓋体(2、3、4)が取り付けられるフランジ部14とされる。フランジ部14は、下方側から順に、一次蓋取付部15と、二次蓋取付部16と、三次蓋取付部17と、を備える。
キャスク100を構成する容器本体1、一次蓋2、二次蓋3、および三次蓋4は、金属製である。容器本体1、一次蓋2、二次蓋3、および三次蓋4の材料は、炭素鋼、または合金鋼である。合金鋼は、例えば、Ni(ニッケル)を含有する低合金鋼である。
容器本体1内から外部への中性子の放出を抑えるために、容器本体1の外周面側には、側部中性子遮蔽層8が設けられ、容器本体1の底側、および二次蓋3には、それぞれ、底部中性子遮蔽層9、および蓋部中性子遮蔽層10が設けられる。側部中性子遮蔽層8、底部中性子遮蔽層9、および蓋部中性子遮蔽層10を構成する中性子遮蔽材は、例えば、エポキシ樹脂、もしくはポリエステル樹脂などの樹脂、またはシリコンゴム、もしくはエチレンポリプロピレンゴムなどのゴムである。
容器本体1の外周部には、ハンドリング用の複数のトラニオン(不図示)が取り付けられる。
一次蓋2は、容器本体1の開口部を密封する蓋体である。一次蓋2は、フランジ部14の一次蓋取付部15に複数の一次蓋取付ボルト19によって固定される。図2に示すように、一次蓋2の径方向端部(フランジ部)の下面にガスケット溝18が形成されている。このガスケット溝18にガスケット5が設置されている。ガスケット5は、一次蓋2の径方向端部の下面に設置される。ガスケット溝18は、一次蓋2の全周にわたってその周方向に延びる環状の溝である。
ガスケット溝18よりも少し外側の一次蓋2の径方向端部には、一次蓋取付ボルト19の軸部が挿入される貫通孔22が設けられている。容器本体1の一次蓋取付部15には、一次蓋取付ボルト19の軸部が捩じ込まれることで、一次蓋取付ボルト19が締結される雌ネジ穴23が設けられている。
ガスケット5は、2重リング構造の金属ガスケットである。図3に示すように、ガスケット5は、内リング24と、外リング25とを有する。内リング24および外リング25は、それぞれ、環状に形成された金属製のコイルスプリングである。外リング25は、内リング24よりも径が大きい。内リング24には、シート状の内被26が巻き付けられている。外リング25も同様であり、外リング25には、シート状の内被26が巻き付けられている。内被26の材料は、金属であり、例えば、ニッケル基合金である。内被26が巻き付けられた内リング24および外リング25は、外被27で被覆されている。外被27の材料は、金属であり、例えば、アルミニウム合金である。なお、図3では、ガスケット5と、一次蓋取付部15の上面とが重なって図示されているが、容器本体1に一次蓋2が一次蓋取付ボルト19にて締結されることでガスケット5は圧縮される。ガスケット5の圧縮により密封性(シール性)が付与される。
図4は、ガスケット5の蓋体側(ガスケット溝の底側)のシール面5a、5bを説明するための、図3に対応する図である。一次蓋2と容器本体1(一次蓋取付部15)とで挟まれて、ガスケット5はガスケット溝18内で潰される(圧縮変形する)。図4に二点鎖線で示すガスケット5の図は、潰される前のガスケットのイメージ図である。上記シール面5aは、内リング24側のシール面であり、シール面5bは、外リング25側のシール面である。
一次蓋取付ボルト19の締め込みにより、一次蓋2と容器本体1(一次蓋取付部15)とで内リング24が挟まれ、これにより、内リング24は圧縮変形する。このとき、ガスケット溝18の底面及び一次蓋取付部15の上端面に、内リング24の圧縮力が反力として作用する。このうち、ガスケット溝18の底面において、この反力が作用する領域がシール面5aである。内リング24は、所定の径を有する環状の部材であるため、シール面5aは、所定の幅を有する環状の面である。
同様に、一次蓋取付ボルト19の締め込みにより、一次蓋2と容器本体1(一次蓋取付部15)とで外リング25が挟まれ、これにより、外リング25は圧縮変形する。このとき、ガスケット溝18の底面及び一次蓋取付部15の上端面に、外リング25の圧縮力が反力として作用する。このうち、ガスケット溝18の底面において、この反力が作用する領域がシール面5bである。外リング25は、所定の径を有する環状の部材であるため、シール面5bは、所定の幅を有する環状の面である。
シール面5a、5bのうち、代表してシール面5aについて、図4を参照しつつ、そのイメージを説明する。内被26および外被27を含む内リング24の断面径をD、ガスケット溝18の深さをHとすると、シール面5aの幅aは、概略以下の式で表わされる。この幅aを有する環状の面がシール面5aのイメージである。
Figure 2023025960000002
図2、図3に示すように、一次蓋2には、ガスケット5を構成する内リング24と外リング25との間の空間に連通するリークチェック孔28が設けられている。リークチェック孔28は、ガスケット5の密封機能が正常に働いていることを確認するための気密漏えい試験(例えばHeリーク試験)を行うための孔である。ガスケット5を構成する外被27には孔27aが設けられており、当該孔27aとリークチェック孔28の開口とが合うように、ガスケット5はガスケット溝18に取り付けられる。
上記リークチェック孔28は、一次蓋2に直接形成された孔ではなく、ボス11に形成された孔である。一次蓋2の径方向端部に、ボス11が挿入される貫通孔29が設けられている。貫通孔29は、一次蓋2の厚み方向に延びる孔である。リークチェック孔28を有するボス11が貫通孔29に挿入され固定されることで、一次蓋2に、内リング24と外リング25との間の空間に連通するリークチェック孔28が設けられる。
ボス11は、一次蓋2よりも耐食性に優れた金属材料で形成される。ボス11の材料は、例えば、ステンレス鋼である。ステンレス鋼は、例えば、SUS304である。
ボス11は、ガスケット5側のボス端部11aと、ボス端部11aよりも径が大きい柱状の大径部11cとを有する。ボス端部11aと大径部11cとの間は、テーパ形状部11bとされている。テーパ形状部11bは、ボス端部11aに向かうにつれて先細りとされている。大径部11cの端部にプラグ孔30aが設けられている。このプラグ孔30aにプラグ30が入れられる。このプラグ孔30aを用いて気密漏えい試験(例えばHeリーク試験)が行われる。なお、通常運用時、リークチェック孔28はプラグ30で塞がれず、開放されている。
ガスケット溝18は、一次蓋2よりも耐食性に優れた金属材料によるクラッド溶接18aで形成されている。クラッド溶接18aの材料は、例えば、ステンレス鋼(ステンレスクラッド鋼)である。なお、図示は割愛されているが、一次蓋取付部15の上端面にも、ガスケット溝18のクラッド溶接18aと同様にクラッド溶接が形成されている。
図3に示すように、ボス11を構成する上記ボス端部11aは、一次蓋2の径方向において、内リング24の断面中心C1よりも外リング25側、且つ、外リング25の断面中心C2よりも内リング24側に位置している。
前記のとおり、ガスケット溝18の底面及び一次蓋取付部15の上端面に、内リング24の圧縮力が反力として作用する。このとき、ガスケット溝18の底面及び一次蓋取付部15の上端面において上記反力が最も強く作用するのは、内リング24の最も高い位置、すなわち内リング24の断面中心C1の上方部分がガスケット溝18の底面に当たる部分と、内リング24の最も低い位置、すなわち内リング24の断面中心C1の下方部分が一次蓋取付部15の上端面に当たる部分である。同様に、ガスケット溝18の底面及び一次蓋取付部15の上端面において外リング25からの反力が最も強く作用するのは、外リング25の最も高い位置、すなわち外リング25の断面中心C2の上方部分がガスケット溝18の底面に当たる部分と、外リング25の最も低い位置、すなわち外リング25の断面中心C2の下方部分が一次蓋取付部15の上端面に当たる部分である。
ここで、ボス端部11aとクラッド溶接18aとの境界部は仕上げ溶接される。この仕上げ溶接部分に万が一溶接欠陥が生じるようなことがあると、ガスケット5による一次蓋2の密封性能に悪影響がでる可能性がある。一次蓋2の径方向において、内リング24の断面中心C1よりも外リング25側、且つ、外リング25の断面中心C2よりも内リング24側にボス端部11aが位置していると、各リング24、25からの反力が最も強く作用する部分が、ボス端部11aとクラッド溶接18aとの境界部ではなくなり、万が一の溶接欠陥に起因する一次蓋2の密封性能への悪影響を抑制することができる。
また、本実施形態では、図4に示すように、ボス端部11aの径Rが、ガスケット5のシール面5aとシール面5bとの間の幅Wよりも小さくされることで、ボス端部11aがシール面5a、5bと交差しないようにされている。キャスク100を軸方向から見たときに、ガスケット5の蓋体側のシール面5a、5bとボス端部11aとが交差しないようにされている。
上記構成によると、ボス端部11aとクラッド溶接18aとの境界部と、ガスケット5のシール面5a、5bとが重ならないので、ボス端部11aとクラッド溶接18aとの境界部に生じる、万が一の溶接欠陥に起因する一次蓋2の密封性能への悪影響をより抑制することができる。
二次蓋3は、一次蓋2の軸方向外側に設置され、一次蓋2との間の空間S1の圧力を一次蓋2および容器本体1とともに保持する蓋体である。二次蓋3は、一次蓋2と同様、容器本体1の開口部を閉じる蓋体でもある。
二次蓋3は、フランジ部14の二次蓋取付部16に複数の二次蓋取付ボルト20によって固定される。図5に示すように、二次蓋3の径方向端部(フランジ部)の下面にガスケット溝31が形成されている。このガスケット溝31にガスケット6が設置されている。ガスケット6は、二次蓋3の径方向端部の下面に設置される。ガスケット溝31は、二次蓋3の全周にわたってその周方向に延びる環状の溝である。
二次蓋3に設置されるガスケット6は、一次蓋2に設置されるガスケット5と同じ構造の金属ガスケットである。二次蓋3に設置されるガスケット6は、一次蓋2に設置されるガスケット5と同じく、内リング24、外リング25、内被、および外被を有する。容器本体1に二次蓋3が二次蓋取付ボルト20にて締結されることでガスケット6は圧縮される。ガスケット6の圧縮により密封性(シール性)が付与される。
図5に示すように、二次蓋3には、ガスケット6を構成する内リング24と外リング25との間の空間に連通するリークチェック孔32が設けられている。リークチェック孔32は、ガスケット6の密封機能が正常に働いていることを確認するための気密漏えい試験(例えばHeリーク試験)を行うための孔である。一次蓋2に設置されるガスケット5と同じく、ガスケット6を構成する外被には孔が設けられており、当該孔とリークチェック孔32の開口とが合うように、ガスケット6はガスケット溝31に取り付けられる。
上記リークチェック孔32は、二次蓋3に直接形成された孔ではなく、ボス12に形成された孔である。二次蓋3の径方向端部に、ボス12が挿入される貫通孔33が設けられている。貫通孔33は、二次蓋3の厚み方向に延びる孔である。リークチェック孔32を有するボス12が貫通孔33に挿入され固定されることで、二次蓋3に、内リング24と外リング25との間の空間に連通するリークチェック孔32が設けられる。
ボス12は、二次蓋3よりも耐食性に優れた金属材料で形成される。ボス12の材料は、例えば、ステンレス鋼である。ステンレス鋼は、例えば、SUS304である。
ボス12は、ガスケット6側のボス端部12aと、ボス端部12aよりも径が大きい柱状の大径部12cとを有する。ボス端部12aと大径部12cとの間は、テーパ形状部12bとされている。テーパ形状部12bは、ボス端部12aに向かうにつれて先細りとされている。大径部12cの端部にプラグ孔30aが設けられている。このプラグ孔30aにプラグ30が入れられる。通常運用時、リークチェック孔32はプラグ30で塞がれる。
ガスケット溝31は、二次蓋3よりも耐食性に優れた金属材料によるクラッド溶接31aで形成されている。クラッド溶接31aの材料は、例えば、ステンレス鋼(ステンレスクラッド鋼)である。
一次蓋2に設置されるボス11と同じく、二次蓋3に設置されるボス12を構成する上記ボス端部12aは、二次蓋3の径方向において、内リング24の断面中心C1よりも外リング25側、且つ、外リング25の断面中心C2よりも内リング24側に位置させられる。
また、一次蓋2に設置されるボス11と同じく、キャスク100を軸方向から見たときに、ガスケット6の蓋体側のシール面とボス端部12aとが交差しないようにされることが好ましい。
三次蓋4は、二次蓋3の軸方向外側に設置される蓋体である。三次蓋4は、キャスク100を輸送する際に取り付けられる蓋体であって、キャスク100を輸送した後のキャスク100の貯蔵状態では、特別な場合を除いて外される。三次蓋4は、一次蓋2および二次蓋3と同様、容器本体1の開口部を閉じる蓋体でもある。
三次蓋4は、フランジ部14の三次蓋取付部17に複数の三次蓋取付ボルト21によって固定される。図6に示すように、三次蓋4の径方向端部(フランジ部)の下面にガスケット溝34が形成されている。このガスケット溝34にガスケット7が設置されている。ガスケット7は、三次蓋4の径方向端部の下面に設置される。ガスケット溝34は、三次蓋4の全周にわたってその周方向に延びる環状の溝である。
ガスケット7は、2重リング構造のゴム製のOリングである。図6に示すように、ガスケット7は、内リング35と、外リング36とを有する。内リング35および外リング36は、それぞれ、ゴム製のOリングである。外リング36は、内リング35よりも径が大きい。図6では、ガスケット7と、三次蓋取付部17の上面とが重なって図示されているが、容器本体1に三次蓋4が三次蓋取付ボルト21にて締結されることでガスケット7は圧縮される。ガスケット7の圧縮により密封性(シール性)が付与される。
一次蓋2に形成されるガスケット溝18、および二次蓋3に形成されるガスケット溝31は、いずれも、ガスケット(5、6)を構成する内リング24および外リング25をまとめて収容する1つの(1体構造の)ガスケット溝である。これに対して、三次蓋4に形成されるガスケット溝34は、1組の内側溝34aと外側溝34bとで構成されるガスケット溝である。内側溝34aに内リング35が設置され、外側溝34bに外リング36が設置される。
図6に示すように、三次蓋4には、ガスケット7を構成する内リング35と外リング36との間に連通するリークチェック孔37が設けられている。リークチェック孔37は、ガスケット7の密封機能が正常に働いていることを確認するための気密漏えい試験(例えば真空法によるリーク試験)を行うための孔である。
上記リークチェック孔37は、三次蓋4に直接形成された孔ではなく、ボス13に形成された孔である。三次蓋4の径方向端部に、ボス13が挿入される貫通孔38が設けられている。貫通孔38は、三次蓋4の厚み方向に延びる孔である。リークチェック孔37を有するボス13が貫通孔38に挿入され固定されることで、三次蓋4に、内リング35と外リング36との間に連通するリークチェック孔37が設けられる。
ボス13は、三次蓋4よりも耐食性に優れた金属材料で形成される。ボス13の材料は、例えば、ステンレス鋼である。ステンレス鋼は、例えば、SUS304である。
ボス13は、ガスケット7側のボス端部13aと、ボス端部13aよりも径が大きい柱状の大径部13cとを有する。ボス端部13aと大径部13cとの間は、テーパ形状部13bとされている。テーパ形状部13bは、ボス端部13aに向かうにつれて先細りとされている。大径部13cの端部にプラグ孔30aが設けられている。このプラグ孔30aにプラグ30が入れられる。通常運用時、リークチェック孔37はプラグ30で塞がれる。
(効果)
キャスク100に放射性物質(使用済燃料)を収納する際、キャスク100(容器本体1)はプール(水中)に沈められる。使用済燃料は容器本体1の中に水中で収納される。容器本体1の中に使用済燃料が収納された後、容器本体1の開口部に水中で一次蓋2が設置される。その後、一次蓋2が設置された容器本体1は、プール内から取り出されピットに運ばれる。このピット内で、キャスク100の内部水を排水し、キャスク100を真空乾燥した後にHeガスが充填される。
上記のように、一次蓋2は水中に浸漬されるため錆が発生し易い。しかしながら、リークチェック孔28が設けられたボス11は、一次蓋2よりも耐食性に優れた金属材料で形成されているため錆が発生しにくい。そのため、リークチェック孔28の内面に保護膜を形成しなくても、リークチェック孔28を防錆することができる。リークチェック孔28に錆が発生しにくいので、気密漏えい試験の際に、試験装置に錆が吸い込まれることを防止することができる。また、ガスケット5のシール面5a、5bに錆が付着することも防止することができる。その結果、気密漏えい試験を適切に実施することができるとともに、一次蓋2の密封性能を適切に維持することができる。
なお、二次蓋3は水中に浸漬されないが、空気中の水分で錆びる可能性がある。そのため、一次蓋2の場合と同様、二次蓋3よりも耐食性に優れた金属材料で形成されたボス12にリークチェック孔32が設けられていることで、リークチェック孔32の内面に保護膜を形成しなくても、リークチェック孔32を防錆することができる。
三次蓋4についても同様である。三次蓋4は水中に浸漬されないが、空気中の水分で錆びる可能性がある。そのため、三次蓋4よりも耐食性に優れた金属材料で形成されたボス13にリークチェック孔37が設けられていることで、リークチェック孔37の内面に保護膜を形成しなくても、リークチェック孔37を防錆することができる。
本実施形態では、一次蓋2に関し、ガスケット5が設置されるガスケット溝18は、蓋体(一次蓋2)よりも耐食性に優れた金属材料によるクラッド溶接で形成されている。二次蓋3についても同様である。ガスケット6が設置されるガスケット溝31は、蓋体(二次蓋3)よりも耐食性に優れた金属材料によるクラッド溶接で形成されている。
この構成によると、ガスケット溝(18、31)の錆の発生を防止することができ、蓋体(一次蓋2、二次蓋3)の密封性能を適切に維持することができる。
また本実施形態では、一次蓋2に設置されるボス11を構成するボス端部11aは、一次蓋2の径方向において、内リング24の断面中心C1よりも外リング25側、且つ、外リング25の断面中心C2よりも内リング24側に位置している(二次蓋3のボス12についても同様)。
この構成によると、前記のとおり、各リング24、25からの反力が最も強く作用する部分が、ボス端部11aとクラッド溶接18aとの境界部ではなくなり、万が一の溶接欠陥に起因する一次蓋2の密封性能への悪影響を抑制することができる(二次蓋3についても同様)。
さらに本実施形態では、例えば一次蓋2に関し、キャスク100を軸方向から見たときに、ボス11を構成するボス端部11aが、一次蓋2と容器本体1とで挟まれて圧縮変形したガスケット5の蓋体側のシール面5a、5bと交差していない。
この構成によると、前記のとおり、ボス端部11aとクラッド溶接18aとの境界部と、ガスケット5のシール面5a、5bとが重ならないので、万が一の溶接欠陥に起因する一次蓋2の密封性能への悪影響をより抑制することができる。
また本実施形態では、例えば一次蓋2に関し、ボス11は、ガスケット5側のボス端部11aと、ボス端部11aよりも径が大きい柱状の大径部11cと、を有している(二次蓋3に設置されるボス12、および三次蓋4に設置されるボス13についても同様)。
この構成によると、ガスケット5の蓋体側のシール面5a、5bとの関係でボス端部11aの径を小さくしたとしても、プラグ30などの付属物の設置スペースをボス11に確保し易くなる。また、ボス端部11aと大径部11cとの間に段差が形成されるので、一次蓋2にボス11を溶接などで固定する際に、貫通孔29内でのボス11の位置決め、およびその保持を行い易い。なお、貫通孔29は、ボス11の形状に合わせた孔、言い換えれば、ボス11がほぼ隙間なく嵌り込む孔とされている(二次蓋3に設けられる貫通孔33、および三次蓋4に設けられる貫通孔38についても同様)。
また本実施形態では、例えば一次蓋2に関し、ボス11は、ボス端部11aと大径部11cとの間に、ボス端部11aに向かうにつれて先細りとされたテーパ形状部11bを有している(二次蓋3に設置されるボス12、および三次蓋4に設置されるボス13についても同様)。
この構成によると、ボス端部11aと大径部11cとの境界部に応力集中が生じることを防止することができるので、ボス端部11aの径を小さくし易い。
ボス(11、12、13)の材料は、ステンレス鋼であることが好ましい。ステンレス鋼は入手が容易で、且つ比較的安価であるからである。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態の各構成を適宜組み合わせたり、上記実施形態に種々の変更を加えたりすることが可能である。
例えば、上記実施形態は、次のように変更可能である。
三次蓋4に形成されるガスケット溝34は、一次蓋2に形成されるガスケット溝18、および二次蓋3に形成されるガスケット溝31と同様、蓋体(三次蓋4)よりも耐食性に優れた金属材料によるクラッド溶接で形成されてもよい。
一次蓋2に形成されるガスケット溝18は、クラッド溶接で形成されていなくてもよい。二次蓋3についても同様である。二次蓋3に形成されるガスケット溝31は、クラッド溶接で形成されていなくてもよい。例えば、蓋体よりも耐食性に優れた金属材料のブロックを埋め込み、そのブロックにガスケット溝18、31を形成するよう構成してもよい。
ボス11は、径が小さいボス端部11a、テーパ形状部11b、および大径部11cを有する。これに代えて、端から端まで同一径のボスとされてもよい(ボス12、およびボス13についても同様)。
上記実施形態のキャスク100は、3つの蓋体(2、3、4)の全てに、蓋体よりも耐食性に優れた金属材料で形成されるとともにリークチェック孔(28、32、37)が設けられたボス(11、12、13)が設置されている。本発明のキャスクにおいて、このようなボス(11、12、13)が設置される蓋体は、3つの蓋体(2、3、4)のうちの少なくとも1つであればよい。
上記実施形態のキャスク100は、放射性物質を収納して、輸送、貯蔵するために用いられるものであって、一次蓋2、二次蓋3、および三次蓋4を備える。一方、輸送専用のキャスクの場合は、一次蓋2だけ、すなわち1つの蓋体だけを備えるキャスクが使用される場合がある。本発明は、複数の蓋体を備えるキャスクではなく、1つの蓋体だけを備えるキャスクに適用されてもよい。
1:容器本体
2:一次蓋(蓋体)
3:二次蓋(蓋体)
4:三次蓋(蓋体)
5、6、7:ガスケット
5a、5b:シール面
11、12、13:ボス
11a、12a、13a:ボス端部
11b、12b、13b:テーパ形状部
11c、12c、13c:大径部
18、31、34:ガスケット溝
18a、31a:クラッド溶接
24:内リング
25:外リング
28、32、37:リークチェック孔
29、33、38:貫通孔
35:内リング
36:外リング
100:キャスク
C1、C2:断面中心

Claims (6)

  1. 放射性物質を収納する有底筒形状の容器本体と、
    前記容器本体の開口部を閉じる金属製の蓋体と、
    前記蓋体の径方向端部の下面に設置される、内リングおよび外リングを有する2重リング構造のガスケットと、
    前記径方向端部に設けられた前記蓋体の厚み方向に延びる貫通孔に挿入されるボスであって、前記内リングと前記外リングとの間に連通するリークチェック孔が設けられたボスと、
    を備え、
    前記ボスが、前記蓋体よりも耐食性に優れた金属材料で形成されている、
    キャスク。
  2. 請求項1に記載のキャスクにおいて、
    前記下面に、前記ガスケットが設置されるガスケット溝が形成されており、
    前記ガスケット溝が、前記蓋体よりも耐食性に優れた金属材料によるクラッド溶接で形成されている、
    キャスク。
  3. 請求項1または2に記載のキャスクにおいて、
    前記ボスを構成する前記ガスケット側のボス端部が、前記蓋体の径方向において、前記内リングの断面中心よりも前記外リング側、且つ、前記外リングの断面中心よりも前記内リング側、に位置している、
    キャスク。
  4. 請求項3に記載のキャスクにおいて、
    キャスクを軸方向から見たときに、前記ボス端部が、前記蓋体と前記容器本体とで挟まれて圧縮変形した前記ガスケットの前記蓋体側のシール面と交差していない、
    キャスク。
  5. 請求項3または4に記載のキャスクにおいて、
    前記ボスは、前記ボス端部と、前記ボス端部よりも径が大きい柱状の大径部と、を有している、
    キャスク。
  6. 請求項5に記載のキャスクにおいて、
    前記ボスは、前記ボス端部と前記大径部との間に、前記ボス端部に向かうにつれて先細りとされたテーパ形状部を有する、
    キャスク。
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