JP7362220B2 - キャスク - Google Patents
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Description
オリフィス30に差し込まれる部材が存在しなければ、オリフィス30では、放射線を遮蔽できない。すなわち、オリフィス30は、遮蔽欠損部である。そのため、オリフィス30内を、プラグ40などの部材でできるだけ埋めることで、放射線のストリーミングを抑制することができる。オリフィス30内がプラグ40などの部材によって多く埋められるほど、オリフィス30の位置での遮蔽性を、一次蓋本体21(オリフィス30が形成されていない部分)での遮蔽性に近づけることができる。
プラグ40、固定リング60、およびカバー70の、オリフィス30への取付作業は、次のように行われる。この作業には、図7に示すプラグ操作工具Tが用いられる。なお、図7では、一次蓋20を二点鎖線で示した。
プラグロッドT1の下側Z2端部が、固定リング多角形孔66に差し込まれる。また、ガイドロッドT2およびガイドシャフトT3が、プラグ孔46に差し込まれる。次に、ガイドシャフトT3が、ガイドロッドT2に対して下側Z2に移動させられる。すると、球状部材T4が、ガイドシャフトテーパT3aにより、ガイドロッドT2の径方向外側に押され、ガイドロッドT2の外周面よりも径方向外側に突出する。すると、球状部材T4が、プラグ孔46の溝46aに入り込み、プラグ孔46を径方向外側に押圧する。その結果、ガイドロッドT2に対するプラグ40の上下方向Zの移動が制限される。その結果、プラグ操作工具Tが、固定リング60およびプラグ40を把持する。
次に、プラグロッドT1(図7参照)が回転させられることで、固定リング60が、オリフィス30の中心軸を中心として回転させられ、下側Z2に移動する。具体的には、固定リングねじ部64が、オリフィスねじ部34にねじ込まれる。すると、固定リング60が、プラグ40を下側Z2に押圧する。その結果、プラグ大径部43が、固定リング60と段差部32とにより上下方向Zに挟まれる。その結果、プラグ40が、オリフィス30に対して固定される。
オリフィス30に固定リング60およびプラグ40が取り付けられた後、オリフィス30にカバー70が取り付けられる。カバー70は、例えばボルトにより、一次蓋本体21に固定される。
図1に示すキャスク1による効果は次の通りである。
キャスク1は、胴部11と、一次蓋20と、を備える。胴部11は、放射性物質を収納し、有底円筒状である。一次蓋20は、胴部11の開口部11bに着脱可能である。開口部11bは、胴部11の底部11aとは反対側に設けられる。胴部11の軸方向である上下方向Z(胴部軸方向)において、底部11aから開口部11bに向かう側を上側Z1(開口側)、開口部11bから底部11aに向かう側を下側Z2(底側)とする。一次蓋20は、図3に示すように、一次蓋本体21と、オリフィス30と、プラグ40と、ガスケット50と、固定リング60と、を備える。オリフィス30は、一次蓋本体21に形成された貫通孔であり、段差部32を有する。プラグ40は、オリフィス30に差し込まれ、段差部32に上側Z1から掛けられる。
[構成2]オリフィス30は、オリフィスねじ部34を備える。図5に示すように、固定リング60は、固定リング本体部60aと、固定リングねじ部64と、固定リング多角形孔66と、を備える。固定リングねじ部64は、固定リング本体部60aの外周面に設けられ、オリフィスねじ部34(図3参照)にねじ込まれる。固定リング多角形孔66は、固定リング本体部60aを上下方向Zに貫通し、上下方向Zから見て多角形状である(図7参照)。
図5に示すように、プラグ40は、プラグ本体部40aと、プラグ孔46と、を備える。プラグ孔46は、プラグ本体部40aの上側Z1の面から下側Z2に形成され、上側Z1から見て円形状である。
[構成5]プラグ40および固定リング60の上下方向Zにおける長さは、オリフィス30の上下方向Zにおける長さの1/2以上である。
[構成6]図1に示すように、キャスク1は、パイプ15を備える。パイプ15は、胴部11の内部に設けられ、底部11aから開口部11bに向かって延びる。図2に示すように、パイプ15の上側Z1の端部(パイプ開口側端部15t)は、オリフィス30の下側Z2の端部よりも下側Z2に配置される。
[構成7]図4に示すように、一次蓋本体21は、主部材21aと、ボス部材21bと、を備える。ボス部材21bは、主部材21aに固定され、オリフィス30を含み、ステンレス鋼により形成されたものである。
[構成8]キャスク1(図1参照)は、カバー70を備える。カバー70は、固定リング60よりも上側Z1に配置され、オリフィス30に着脱可能である。
[構成9]キャスク1(図1参照)は、カバー70とオリフィス30との間に配置され、カバー70とオリフィス30との間を密封する第二ガスケット80を備える。
[構成10]一次蓋本体21は、主部材21aと、クラッド溶接部21cと、を備える。クラッド溶接部21cは、オリフィス30のうち第二ガスケット80が接触する面を含み、ステンレス鋼により形成され、主部材21aにクラッド溶接されることで形成された部分である。
[構成11]オリフィス30は、カバー70を下側Z2から支持する第二段差部36を備える。固定リング60の上側Z1の端部(固定リング上端部60t)は、第二段差部36よりも下側Z2に配置される。
[構成12]カバー70は、第二段差部36に支持される部分(具体的にはカバー基部77)から下側Z2に突出するカバー突出部78を備える。
[構成13]図2に示すように、オリフィス30は、密封蓋17に1か所のみ設けられる。
図5に示すプラグ40のプラグ孔46は、図8に示すように、プラグ多角形孔146bを備えてもよい。プラグ多角形孔146bは、プラグ本体部40aに形成され、例えばプラグ孔46の下側Z2端部に配置される。プラグ多角形孔146bは、上下方向Zから見て多角形状(例えば六角形状など)である。この場合、図9に示すように、ガイドロッドT102の下側Z2端部は、プラグ多角形孔146bに差し込み可能な形状を有する。
固定リング60がオリフィス30にねじ込まれる際に、プラグロッドT1は、オリフィス30に対して回転させられる。一方、ガイドロッドT102は、プラグ多角形孔146bに差し込まれた状態で、オリフィス30に対して回転させられない。よって、プラグ40のオリフィス30に対してする回転が、ガイドロッドT102により制限される。よって、固定リング60が、プラグ40に接触しながらオリフィス30に対して回転したときでも、オリフィス30に対するプラグ40の回転が制限される。その結果、オリフィス30およびプラグ40の少なくともいずれかに対するガスケット50の回転が制限される。よって、ガスケット50のシール面に傷がつくことが抑制される。
[構成4]図8に示すように、プラグ40は、プラグ本体部40aと、図9に示すプラグ多角形孔146bと、を備える。プラグ多角形孔146bは、プラグ本体部40aに形成され、上下方向Zから見て多角形状である(図8参照)。
上記実施形態および変形例のそれぞれの構成要素は様々に変形されてもよい。例えば、構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。
11 胴部
11a 底部
11b 開口部
15 パイプ
20 一次蓋
21 一次蓋本体
21a 主部材
21b ボス部材
21c クラッド溶接部
30 オリフィス
32 段差部
34 オリフィスねじ部
36 第二段差部
40 プラグ
40a プラグ本体部
50 ガスケット
60 固定リング
60a 固定リング本体部
64 固定リングねじ部
66 固定リング多角形孔
70 カバー
78 カバー突出部
80 第二ガスケット
146b プラグ多角形孔
Z 上下方向(胴部軸方向)
Z1 上側(開口側)
Z2 下側(底側)
Claims (10)
- 放射性物質を収納する有底円筒状の胴部と、
前記胴部の底部とは反対側に設けられる開口部に着脱可能である一次蓋と、
を備え、
前記胴部の軸方向である胴部軸方向において、前記底部から前記開口部に向かう側を開口側、前記開口部から前記底部に向かう側を底側とし、
前記一次蓋は、
一次蓋本体と、
前記一次蓋本体に形成された貫通孔であり、段差部を有するオリフィスと、
前記オリフィスに差し込まれ、前記段差部に開口側から掛けられるプラグと、
前記プラグと前記段差部との間に配置され、前記プラグと前記段差部との間を密封し、無機物により形成されたガスケットと、
前記プラグよりも開口側に配置され、前記オリフィスに対して回転することで前記オリフィスに着脱可能であり、前記プラグを前記オリフィスに固定する固定リングと、
前記固定リングよりも開口側に配置され、前記オリフィスに着脱可能であるカバーと、
前記カバーと前記オリフィスとの間に配置され、前記カバーと前記オリフィスとの間を密封する第二ガスケットと、
を備え、
前記一次蓋本体は、
主部材と、
前記オリフィスのうち前記第二ガスケットが接触する面を含み、ステンレス鋼により形成され、前記主部材にクラッド溶接されることで形成されたクラッド溶接部と、
を備え、
前記プラグの前記固定リングへの接触面の材料が前記固定リングの前記プラグへの接触面の材料と異なる構成、または、前記プラグと前記固定リングとの接触面に塗布された潤滑剤を有する構成、の少なくともいずれかの構成を備え、
前記プラグの前記固定リングへの接触面の材料は、ステンレス鋼であり、
前記固定リングの前記プラグへの接触面の材料は、銅、銅合金、銅ニッケル合金、および、銅スズ合金、のいずれかである、
キャスク。 - 請求項1に記載のキャスクであって、
前記オリフィスは、オリフィスねじ部を備え、
前記固定リングは、
固定リング本体部と、
前記固定リング本体部の外周面に設けられ、前記オリフィスねじ部にねじ込まれる固定リングねじ部と、
前記固定リング本体部を胴部軸方向に貫通し、胴部軸方向から見て多角形状である固定リング多角形孔と、
を備える、
キャスク。 - 請求項1または2に記載のキャスクであって、
前記プラグは、
プラグ本体部と、
前記プラグ本体部の開口側の面から底側に形成され、開口側から見て円形状のプラグ孔と、
を備え、
前記プラグ孔は、前記プラグ孔の胴部軸方向における一部の領域に形成された溝を備え、
前記溝の直径は、前記プラグ孔のうち前記溝よりも開口側の部分の直径に比べて大きい、
キャスク。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載のキャスクであって、
前記プラグは、
プラグ本体部と、
前記プラグ本体部に形成され、胴部軸方向から見て多角形状のプラグ多角形孔と、
を備える、
キャスク。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のキャスクであって、
前記プラグおよび前記固定リングの胴部軸方向における長さは、前記オリフィスの胴部軸方向における長さの1/2以上である、
キャスク。 - 請求項1~5のいずれか1項に記載のキャスクであって、
前記胴部の内部に設けられ、前記底部から前記開口部に向かって延びるパイプを備え、
前記パイプの開口側の端部は、前記オリフィスの底側の端部よりも底側に配置される、
キャスク。 - 請求項1~6のいずれか1項に記載のキャスクであって、
前記一次蓋本体は、ボス部材を備え、
前記ボス部材は、前記主部材に固定され、前記オリフィスを含み、ステンレス鋼により形成された部材である、
キャスク。 - 請求項1に記載のキャスクであって、
前記オリフィスは、前記カバーを底側から支持する第二段差部を備え、
前記固定リングの開口側の端部は、前記第二段差部よりも底側に配置される、
キャスク。 - 請求項8に記載のキャスクであって、
前記カバーは、前記第二段差部に支持される部分から底側に突出するカバー突出部を備える、
キャスク。 - 請求項1~9のいずれか1項に記載のキャスクであって、
前記オリフィスは、前記一次蓋に1か所のみ設けられる、
キャスク。
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