JP2023097113A - 封止部材およびサブマージドポンプシステム - Google Patents

Abstract

【課題】ポンプの昇降時における残留ガスの漏洩を抑制可能な封止部材およびサブマージドポンプシステムを提供する。【解決手段】封止部材３は、ポンプコラム２の開口端２ａを封止し、ポンプを昇降させるときポンプを吊り下げ支持する。封止部材は、貫通孔１１を有し開口端に取り付けられるヘッドプレート１０と、貫通孔を貫通し、ポンプの昇降時に上昇位置と下降位置との間で昇降されるリフトシャフト２０と、リフトシャフトの昇降に応じて伸縮する蛇腹部材３０と、を有する。蛇腹部材は、リフトシャフトのうち、ヘッドプレートから下方に突出する突出部分の外周面を覆う蛇腹筒体３１と、蛇腹筒体の下端３１ａと連続して配置され、突出下部に取り付けられる第１取付部材３２と、蛇腹筒体の上端３１ｂと連続して配置され、ヘッドプレートの下面１０ｂに取り付けられる第２取付部材３３と、を備える。【選択図】図２

Description

本発明は、封止部材およびサブマージドポンプシステムに関する。

サブマージドポンプシステムは、液化ガス（液化天然ガス、液化アンモニアなど）が貯蔵されている貯蔵タンクから液化ガスを取り出すために用いられている（例えば、特許文献１参照）。サブマージドポンプシステムのポンプ（サブマージドポンプ）は、貯蔵タンクの天井から液化ガス内に延設されているポンプコラムに収容され、液化ガス内に浸漬されている。ポンプコラムの下端には、ポンプの自重で開くフート弁が取り付けられている。ポンプコラムの上端は、ヘッドプレートにより液密に封止されている。ヘッドプレートには、ポンプを昇降させるリフトシャフトがヘッドプレートを貫通して取り付けられている。リフトシャフトとヘッドプレートの間はシール材（例えば、グランドシール）により液密に封止されている。

サブマージドポンプシステムでは、ポンプは、例えば、メンテナンスのために貯蔵タンクの外部に取り出される。ポンプ停止時、ポンプコラム内には、残留した液化ガスおよび気化した液化ガス（気化ガス）が充満している。この状態でヘッドプレートが取り外されると、液化ガスおよび気化ガス（以下まとめて「残留ガス」という。）が外部に漏洩するという技術的課題が存在していた。残留ガスの多くは可燃性や毒性を有するため、ヘッドプレートが取り外される前に、残留ガスの除去が必要となる。

残留ガスの除去には、フート弁が閉じられた状態で窒素などの不活性ガスをポンプコラム内へ導入する手法が用いられている。この手法では、不活性ガスの導入前に、リフトシャフトによりポンプが持ち上げられ、フート弁が閉じられる。このとき、リフトシャフトを上昇させてフート弁を閉じるため、事前にシール材への締め付けが弱められる。その結果、シール材のシール性が低下し、シール材の隙間から外部に少量の残留ガスが漏洩し得る。

特開２０１７－１３２６１９号公報

本発明は、ポンプの昇降時における残留ガスの漏洩を抑制可能な封止部材およびサブマージドポンプシステムを提供することを目的とする。

本発明の一実施態様における封止部材は、取扱液内に浸漬されるポンプが収容される筒状のポンプコラムの開口端を封止すると共に、前記ポンプコラム内において前記ポンプを昇降させるとき、前記ポンプを吊り下げ支持する封止部材であって、上下方向に延在する貫通孔を有し、前記開口端を塞ぐように前記開口端に取り付けられるヘッドプレートと、前記貫通孔を貫通して配置され、前記ポンプの昇降時に上昇位置と下降位置との間で昇降されるリフトシャフトと、前記リフトシャフトの軸方向において、前記リフトシャフトの昇降に応じて伸縮する蛇腹部材と、を有してなり、前記蛇腹部材は、前記リフトシャフトのうち、前記ヘッドプレートから下方に突出する突出下部の外周面を覆う蛇腹筒体と、前記蛇腹筒体の下端と連続して配置され、前記リフトシャフトの前記突出下部に取り付けられる第１取付部材と、前記蛇腹筒体の上端と連続して配置され、前記ヘッドプレートの下面に取り付けられる第２取付部材と、を備える。

本発明の一実施形態におけるサブマージドポンプシステムは、取扱液に浸漬されるポンプと、前記ポンプを収容する筒状のポンプコラムと、上記封止部材と、を有してなる。

本発明によれば、ポンプの昇降時における残留ガスの漏洩を抑制可能な封止部材およびサブマージドポンプシステムを提供できる。

本発明に係るサブマージドポンプシステムの第１実施形態を示す模式断面図である。 第１実施形態における封止部材を示す模式断面図である。 図２の封止部材の模式分解断面図である。 図２の封止部材が備えるリフトシャフトが上昇位置に位置しているときの封止部材の模式断面図である。 本発明に係るサブマージドポンプシステムの第２実施形態を示す模式断面図である。 第２実施形態における封止部材を示す模式断面図である。 図６の封止部材の模式分解断面図である。 図６の封止部材が備えるリフトシャフトが上昇位置に位置しているときの封止部材の模式断面図である。 （ａ）図６の封止部材が備える第１取付部材の第１変形例を示す模式平面図であり、（ｂ）同第１取付部材の第２変形例を示す模式平面図である。

以下、図面を参照しながら、本発明に係る封止部材およびサブマージドポンプシステムの実施の形態について説明する。各図において、同一の部材および要素については同一の符号が付され、重複する説明は省略する。また、各図において、各部材の構成を明確にするため、各部材の形状、大きさは、実寸法よりも意図的に強調して図示されている。

以下の説明および図面において、「下方」は重力方向であり、「上方」は下方の反対方向である。

●サブマージドポンプシステム（１）●
先ず、本発明に係るサブマージドポンプシステムの実施の形態（第１実施形態）について説明する。

●サブマージドポンプシステム（１）の構成
図１は、本発明に係るサブマージドポンプシステムの第１実施形態を示す模式断面図である。

サブマージドポンプシステム１は、液化ガスＬｇが貯蔵されている貯蔵タンクＴに取り付けられ、液化ガスＬｇを貯蔵タンクＴから外部へ送液する。サブマージドポンプシステム１は、ポンプコラム２、封止部材３、サポートケーブル４、サブマージドポンプ（以下「ポンプ」という。）５、フート弁６、およびカラー７を備える。本実施の形態において、液化ガスＬｇは、液体アンモニアである。液化アンモニアは、本発明における取扱液の一例である。

なお、本発明において、取扱液は、液化アンモニアに限定されない。すなわち、例えば、取扱液は、液化天然ガスでもよい。

ポンプコラム２は、ポンプ５を収容すると共に、ポンプ５から吐出された液化ガスＬｇの送液路として機能する。ポンプコラム２の形状は、円筒状である。ポンプコラム２は、貯蔵タンクＴの天井Ｔ１を貫通して配置され、天井Ｔ１から液化ガスＬｇ内に延設されている。ポンプコラム２の上部外周面には、液化ガスＬｇの送液路Ｒ１が接続されている。

封止部材３は、ポンプコラム２の上部開口端２ａを液密に封止すると共に、ポンプコラム２内においてポンプ５を昇降させるとき、サポートケーブル４を介してポンプ５を吊り下げ支持する。封止部材３は本発明に係る封止部材の一例であり、その具体的な構成は後述される。

サポートケーブル４は、ポンプコラム２内においてポンプ５を昇降させるとき、ポンプ５を吊り下げ支持する。サポートケーブル４は、例えば、金属ワイヤにより構成されている。サポートケーブル４は、後述するリフトシャフト２０およびポンプ５に連結されている。

ポンプ５は、フート弁６から流入した液化ガスＬｇをポンプコラム２内へ吐出する。ポンプ５は、例えば、多段遠心ポンプおよび多段遠心ポンプを駆動するモータにより構成されている公知のサブマージドポンプである。ポンプ５の動力は、封止部材３に接続されている動力ケーブル（不図示）を介して供給される。ポンプ５は、ポンプコラム２の下部に収容され、液化ガスＬｇに浸漬されている。

フート弁６は、ポンプコラム２の下部開口端２ｂを開閉する。フート弁６は、ポンプ５がポンプコラム２の下部に収容されているときポンプ５の自重により開き、ポンプ５が吊り上げられたときバネ（不図示）の付勢力により閉じる。

カラー７は、後述するリフトシャフト２０を後述する上昇位置に固定する。カラー７は、２つの半円筒状の部材７ａ，７ｂにより円筒状に構成されている。すなわち、カラー７は、２つの半円筒状の部材７ａ，７ｂに分解可能である。カラー７は、ポンプ５が取り出されるときに用いられる保守部材であり、ポンプ５の運転動作中には使用されない。そのため、図１および図５において、カラー７は、破線で図示されている。

●封止部材（１）の構成
次に、封止部材３（本発明に係る封止部材）の具体的な構成について説明する。

図２は、第１実施形態における封止部材３を示す模式断面図である。
図３は、封止部材３の模式分解断面図である。
図２は、後述するリフトシャフト２０が下降位置に位置しているときの封止部材３を示す。また、図２は、説明の便宜上、ポンプコラム２の上部も図示している。また、以下の説明において、後述する各ボルトＢ１～Ｂ５に対応するボルト孔は周知技術であるため、その説明は省略される。以下の説明において、図１は適宜参照される。

「下降位置」は、リフトシャフト２０が下降して、下方への移動が規制されている位置（図２および図６に示される位置）である。本実施の形態では、下降位置は、後述する下降規制部材によりリフトシャフト２０の下方への移動が規制されている位置である。「上昇位置」は、リフトシャフト２０が上昇して、カラー７が封止部材３に取り付け可能となる位置（図４および図７に示される位置）である。

封止部材３は、ヘッドプレート１０、リフトシャフト２０、蛇腹部材３０、第１シール部材４０、第２シール部材５０、上部筐体６０、第３シール部材７０、シャフト固定部材８０、複数のプレート取付ボルトＢ１、複数の蛇腹取付ボルトＢ２、複数の筐体取付ボルトＢ３、複数の蓋取付ボルトＢ４、および複数の押圧ボルトＢ５を備える。

ヘッドプレート１０は、ポンプコラム２の上部開口端２ａを塞ぐ蓋として機能する。ヘッドプレート１０の形状は、例えば、円板状である。ヘッドプレート１０は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。ヘッドプレート１０は、挿通孔１１、シール溝１２、および嵌入部１３を備える。

挿通孔１１は、ヘッドプレート１０を上下方向に貫通している貫通孔である。すなわち、挿通孔１１は、ヘッドプレート１０において上下方向に延在している。挿通孔１１は、ヘッドプレート１０の中央に配置されている。挿通孔１１は、本発明における貫通孔の一例である。挿通孔１１は、第１孔部１１ａ、第２孔部１１ｂ、および嵌入部１３を備える。

第１孔部１１ａは、リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、リフトシャフト２０の後述する第１軸部２１の下部が挿入される円形の孔である。第２孔部１１ｂは、リフトシャフト２０の後述する第２軸部２２が挿通されている円形の孔である。第１孔部１１ａは、第２孔部１１ｂの上方に、第２孔部１１ｂに連続して配置されている。第１孔部１１ａは、第２孔部１１ｂと同心状に配置されている。第１孔部１１ａの内径は、第２孔部１１ｂの内径よりも大きい。

シール溝１２は、第２シール部材５０が配置されるリング状の溝である。シール溝１２は、第１孔部１１ａの底面１１ｄに第１孔部１１ａと同心状に配置されている。

嵌入部１３は、後述する蛇腹部材３０の第２取付部材３３が嵌入される凹みである。ヘッドプレート１０の下面１０ｂのうち、挿通孔１１に隣接する領域が円筒状に凹み、その凹みに隣接する領域がリング板状に凹むことにより、嵌入部１３が構成されている。すなわち、嵌入部１３は、下面１０ｂの一部により構成され、下面１０ｂにおいて貫通孔１１に隣接して配置されている。上下方向において、円筒状の凹みの長さ（深さ）は、リング板状の凹みの長さ（深さ）よりも大きい（深い）。

リフトシャフト２０は、ポンプ５の昇降時に、上昇位置と下降位置との間で昇降されて、サポートケーブル４を介してポンプ５を支持する。リフトシャフト２０は、第１軸部２１、第２軸部２２、第１連結部材２３、第２連結部材２４、第１ナット部材２５、および第２ナット部材２６を備える。

第１軸部２１は、リフトシャフト２０の下降位置よりも下方への移動を規制する。第２軸部２２は、ヘッドプレート１０の第２孔部１１ｂおよび後述する筒体部３３ａと共にリフトシャフト２０の昇降をガイドする。第１軸部２１および第２軸部２２の形状は、上下方向に長い円柱状である。第１軸部２１は、第２軸部２２の上方に連続して配置され、第２軸部２２と一体に構成されている。すなわち、第１軸部２１および第２軸部２２は、１つの軸体を構成している。第１軸部２１は第２軸部２２と同心状に配置されている。第１軸部２１の外径は、第２軸部２２の外径よりも大きく、第１孔部１１ａの内径よりも僅かに小さい。第２軸部２２の外径は、第２孔部１１ｂおよび筒体部３３ａの内径よりも僅かに小さい。

第１軸部２１は、雌ねじ孔２１ａを備える。雌ねじ孔２１ａは、上下方向に沿い、第１軸部２１の上端面２１ｂに開口している。

第２軸部２２は、第１雌ねじ孔２２ａを備える。第１雌ねじ孔２２ａは、上下方向に沿い、第２軸部２２の下端面２２ｂに開口している。

第１連結部材２３は、ポンプ５の昇降時にリフト（不図示）からのケーブル（不図示）が連結される部材である。第１連結部材２３は、リング状の連結部２３ａ、および連結部２３ａから下方に延出されている雄ねじ部２３ｂを備える。雄ねじ部２３ｂが雌ねじ孔２１ａに螺合されることにより、第１連結部材２３は、第１軸部２１の上端に取り付けられている。

第２連結部材２４は、サポートケーブル４が連結される部材である。第２連結部材２４は、リング状の連結部２４ａ、および連結部２４ａから上方に延出されている雄ねじ部２４ｂを備える。雄ねじ部２４ｂが第１雌ねじ孔２２ａに螺合されることにより、第２連結部材２４は、第２軸部２２の下端に取り付けられている。

第１ナット部材２５は、後述する受部材８１を第１軸部２１の上端面２１ｂに固定する。第１ナット部材２５は、第１連結部材２３の雄ねじ部２３ｂに取り付けられている。

第２ナット部材２６は、後述する第１取付部材３２を第２軸部２２の下端面２２ｂに押圧する。第２ナット部材２６は、第２連結部材２４の雄ねじ部２４ｂに取り付けられている。

リフトシャフト２０は、上方からヘッドプレート１０の挿通孔１１に挿通され、挿通孔１１を貫通して配置されている。リフトシャフト２０は、ポンプ５の昇降時に下降位置から上昇位置までの間で昇降可能である。

リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、第１軸部２１の下部は第１孔部１１ａに挿入され、第２軸部２２は第２孔部１１ｂおよび筒体部３３ａに挿通されている。このとき、第１軸部２１はヘッドプレート１０よりも上方に突出し、第２軸部２２はヘッドプレート１０よりも下方（ポンプコラム２内）に突出している。一方、リフトシャフト２０が上昇位置に位置しているとき、第１軸部２１はヘッドプレート１０よりも上方に位置している。第２軸部２２は、第１孔部１１ａ、第２孔部１１ｂおよび筒体部３３ａに挿通され、ヘッドプレート１０よりも上下方向に突出している。

蛇腹部材３０は、リフトシャフト２０の軸方向（上下方向）において、リフトシャフト２０の昇降に応じて伸縮すると共に、ヘッドプレート１０とリフトシャフト２０との間を液密に封止する。蛇腹部材３０は、蛇腹筒体３１、第１取付部材３２、および第２取付部材３３を備える。

蛇腹筒体３１は、リフトシャフト２０の昇降に応じて伸縮する。蛇腹筒体３１は、リング状の山部および谷部が上下方向に連続する円筒状の蛇腹である。蛇腹筒体３１は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。蛇腹筒体３１の内径（谷部の内径）は、リフトシャフト２０の第２軸部２２の外径よりも大きい。

第１取付部材３２は、蛇腹筒体３１をリフトシャフト２０（後述する突出下部）に取り付ける。第１取付部材３２は、蛇腹筒体３１の下方に、蛇腹筒体３１の下端３１ａと連続して配置されている。第１取付部材３２の形状は、リング板状である。第１取付部材３２は、挿通孔３２ａおよびシール溝３２ｂを備える。第１取付部材３２の外径は、蛇腹筒体３１の外径よりも大きい。

挿通孔３２ａは、第１取付部材３２を上下方向に貫通する貫通孔である。挿通孔３２ａは、第１取付部材３２の中央に配置されている。挿通孔３２ａの内径は、第２軸部２２の外径よりも小さく、第２連結部材２４の雄ねじ部２４ｂの外径よりも大きい。

シール溝３２ｂは、第１シール部材４０が配置されるリング状の溝である。シール溝３２ｂは、第１取付部材３２の上面３２ｃに挿通孔３２ａと同心状に配置されている。

第２取付部材３３は、蛇腹筒体３１をヘッドプレート１０に取り付ける。第２取付部材３３は、蛇腹筒体３１の上方に、蛇腹筒体３１の上端３１ｂと連続して配置されている。第２取付部材３３は、筒体部３３ａおよびフランジ部３３ｂを備える。

筒体部３３ａの形状は、円筒状である。筒体部３３ａの内径は、第２孔部１１ｂの内径とほぼ同じである。リフトシャフト２０（第２軸部２２）の外径寸法に対して、筒体部３３ａの内径の寸法公差（隙間）は、第２孔部１１ｂの内径の寸法公差よりも小さい。その結果、筒体部３３ａに第２軸部２２がガイドされることにより、リフトシャフト２０はガタつきなくスムーズに昇降可能である。筒体部３３ａの径方向において、筒体部３３ａの下半部は、外方に突出していてリング板状のフランジ部３３ｂを構成している。すなわち、筒体部３３ａおよびフランジ部３３ｂは、一体に成形されている。第２取付部材３３の外径（筒体部３３ａおよびフランジ部３３ｂの外径）は、ヘッドプレート１０の嵌入部１３の内径とほぼ同じ（嵌めあい公差分大きい）である。

蛇腹筒体３１の下端３１ａは、蛇腹筒体３１の周方向の全周に亘り、第１取付部材３２の上面３２ｃに液密に溶接されている。蛇腹筒体３１の上端３１ｂは、蛇腹筒体３１の周方向の全周に亘り、第２取付部材３３の下面３３ｃに液密に溶接されている。その結果、蛇腹筒体３１、第１取付部材３２および第２取付部材３３は、一体に構成されている。第１取付部材３２の径方向において、シール溝３２ｂは、蛇腹筒体３１の下端３１ａよりも内方に配置されている。

蛇腹筒体３１は、第２取付部材３３が嵌入部１３に液密に嵌入されることにより、ヘッドプレート１０の下面１０ｂに取り付けられている。また、第２取付部材３３は、蛇腹取付ボルトＢ２によりヘッドプレート１０に向けて押圧されている。蛇腹筒体３１は、リフトシャフト２０のうち、ヘッドプレート１０から下方に突出している部分（以下「突出下部」という。）を収容し、その外周面を覆っている。突出下部は第２軸部２２の一部であり、その長さはリフトシャフト２０の昇降に応じて変化する。蛇腹筒体３１とリフトシャフト２０との間には、蛇腹筒体３１により囲まれた空間（以下「蛇腹内空間Ｓ」という。）が形成されている。蛇腹内空間Ｓは、蛇腹筒体３１の伸縮に伴う蛇腹筒体３１の内径（外径）の変動を許容している。

挿通孔３２ａには、第２連結部材２４の雄ねじ部２４ｂが挿通されている。第１取付部材３２の下方には、第２ナット部材２６および第２連結部材２４の連結部２４ａが配置されている。第１取付部材３２の下面３２ｄに当接している第２ナット部材２６が締め付けられることにより、第１取付部材３２は、上方（第２軸部２２）に向けて押圧され、第２軸部２２（突出下部）の下端面２２ｂに取り付けられている。

第１シール部材４０は、例えば、フッ素樹脂製のＯ－リングである。第１シール部材４０は、第１取付部材３２のシール溝３２ｂに配置されている。第１シール部材４０は、第２軸部２２の下端面２２ｂと、第１取付部材３２の上面３２ｃ（シール溝３２ｂ）と、の間に配置され、これらの間を液密に封止している。第１シール部材４０のシール性は、第２ナット部材２６の締付力により定まる。すなわち、第２ナット部材２６が緩められるとシール性は低下し、第２ナット部材２６が締め付けられるとシール性は向上する。第１シール部材４０は、本発明における蛇腹シール部材の一例である。

第２シール部材５０は、例えば、フッ素樹脂製のＯ－リングである。第２シール部材５０は、ヘッドプレート１０のシール溝１２に配置されている。第２シール部材５０は、リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、第１孔部１１ａの底面１１ｄ（シール溝１２）と、第１軸部２１の下端面２１ｃと、の間に配置され、これらの間を液密に封止している。第２シール部材５０のシール性は、後述する押圧ボルトＢ５の締付力により定まる。すなわち、押圧ボルトＢ５が緩められるとシール性は低下し、押圧ボルトＢ５が締め付けられるとシール性は向上する。第２シール部材５０は、本発明におけるシャフトシール部材の一例である。

上部筐体６０は、リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、リフトシャフト２０のうち、ヘッドプレート１０から上方に突出している部分（以下「突出上部」という。）を収容する。突出上部は、第１軸部２１である。上部筐体６０は、筒体部６１、第１フランジ部６２、第２フランジ部６３、蓋部６４、およびシール溝６５を備える。

筒体部６１の形状は、円筒状である。筒体部６１の内径は、第１軸部２１の外径よりも大きく、カラー７の外径よりも小さい。筒体部６１の径方向において、筒体部６１の上端部は、外方に突出していてリング板状の第１フランジ部６２を構成している。筒体部６１の下端部は、外方に突出していてリング板状の第２フランジ部６３を構成している。すなわち、筒体部６１、第１フランジ部６２、および第２フランジ部６３は、一体に成形されている。

蓋部６４は、筒体部６１の内側を風雨などから保護する。蓋部６４の形状は、ハット状である。蓋部６４が蓋取付ボルトＢ４により筒体部６１の第１フランジ部６２に締結されることにより、蓋部６４は、筒体部６１の上部開口を覆っている。

シール溝６５は、第３シール部材７０が配置されるリング状の溝である。シール溝６５は、上部筐体６０の下面（筒体部６１および第２フランジ部６３の下面）６０ａに筒体部６１と同心状に配置されている。

上部筐体６０は、筐体取付ボルトＢ３により第２フランジ部６３がヘッドプレート１０に締結されることにより、ヘッドプレート１０の上面１０ａに取り付けられている。このとき、筒体部６１は突出上部を収容し、筒体部６１と突出上部との間には円筒状の空間が形成されている。

第３シール部材７０は、例えば、フッ素樹脂製のＯ－リングである。第３シール部材７０は、上部筐体６０のシール溝６５に配置されている。第３シール部材７０は、ヘッドプレート１０の上面１０ａと、上部筐体６０の下面６０ａ（シール溝６５）と、の間を液密に封止している。第３シール部材７０のシール性は、筐体取付ボルトＢ３の締付力により定まる。すなわち、筐体取付ボルトＢ３が緩められるとシール性は低下し、筐体取付ボルトＢ３が締め付けられるとシール性は向上する。

シャフト固定部材８０は、リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、リフトシャフト２０を下降位置に固定する。シャフト固定部材８０は、受部材８１および固定部材８２を備える。

受部材８１の形状は、リング板状である。受部材８１の外径は、第１軸部２１の外径およびカラー７の内径よりも大きく、筒体部６１の内径およびカラー７の外径よりも小さい。受部材８１は、挿通孔８１ａを備える。

挿通孔８１ａは、受部材８１を上下方向に貫通する貫通孔である。挿通孔８１ａは、受部材８１の中央に配置されている。挿通孔８１ａの内径は、第１軸部２１の外径よりも小さく、第１連結部材２３の雄ねじ部２３ｂの外径よりも大きい。挿通孔８１ａには、雄ねじ部２３ｂが挿通されている。受部材８１の上方には、第１ナット部材２５および第１連結部材２３の連結部２３ａが配置されている。受部材８１の上面８１ｂに当接している第１ナット部材２５が締め付けられることにより、受部材８１は、第１軸部２１の上端面２１ｂに取り付けられている。

固定部材８２は、周壁部８２ａおよびフランジ部８２ｂを備える。

周壁部８２ａの形状は、円筒状である。周壁部８２ａの外径は、筒体部６１の内径よりも小さい。周壁部８２ａの径方向において、周壁部８２ａの上端は、外方に向けて突出していてリング板状のフランジ部８２ｂを構成している。すなわち、周壁部８２ａおよびフランジ部８２ｂは、一体に成形されている。周壁部８２ａは、筒体部６１に挿入されている。固定部材８２が押圧ボルトＢ５により上部筐体６０に締結されていないとき、上下方向において、周壁部８２ａのうち、フランジ部８２ｂよりも下方部分の長さは、上部筐体６０の上端面６０ｂと受部材８１の上面８１ｂとの間の長さよりも長い。そのため、フランジ部８２ｂは、上部筐体６０の上端面６０ｂに当接しない。

フランジ部８２ｂが押圧ボルトＢ５により上部筐体６０に締結されることにより、固定部材８２は上部筐体６０に締結されている。このとき、フランジ部８２ｂは、押圧ボルトＢ５により下方向（ヘッドプレート１０、リフトシャフト２０側の方向）に向けて押圧されている。そして、周壁部８２ａの下端部は、受部材８１の上面８１ｂに当接している。その結果、受部材８１および固定部材８２（すなわち、シャフト固定部材８０）は、リフトシャフト２０をヘッドプレート１０側に押圧し、下降位置に固定している。このように、シャフト固定部材８０は、リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、リフトシャフト２０をヘッドプレート１０側に向けて押圧し、下降位置に固定している。

このように構成される封止部材３は、プレート取付ボルトＢ１によりヘッドプレート１０がポンプコラム２の上部開口端２ａに締結されることにより、上部開口端２ａに取り付けられている。このとき、上部開口端２ａとヘッドプレート１０との間には、ガスケット（不図示）が配置され、ヘッドプレート１０と上部開口端２ａとの間は液密に封止されている。

●封止部材（１）による封止構造
次に、図１～図３を参照しながら、封止部材３による封止構造について説明する。封止部材３は、ポンプコラム２内の液化ガスＬｇおよび気化した液化ガスＬｇ（以下「気化ガスＶｇ（図４参照。以下同じ。）」という。）の封止部材３の外部への漏洩を防止する封止構造を有する。封止構造は、嵌入部１３、蛇腹部材３０、第１シール部材４０、および第２シール部材５０により構成されている。封止構造は、リフトシャフト２０が下降位置および上昇位置のいずれに位置していても、液化ガスＬｇおよび気化ガスＶｇの封止部材３の外部への漏洩を防止することができる。

以下、リフトシャフト２０の位置ごとの封止構造が、封止部材３（主にリフトシャフト２０）に対する操作に関連付けられて説明される。

ポンプ５の運転動作中、ポンプ５から吐出された液化ガスＬｇは、ポンプコラム２内を上昇して、送液路Ｒ１から貯蔵タンクＴの外部に供給されている。ポンプコラム２内は液化ガスＬｇで満たされ、ポンプ５からの吐出圧力（例えば、最大２ＭＰａ）がヘッドプレート１０、リフトシャフト２０、および蛇腹部材３０に加えられている。このとき、リフトシャフト２０は、シャフト固定部材８０により下方へ押圧されている。その結果、リフトシャフト２０は、下降位置に固定されている。

リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、蛇腹筒体３１は、第２軸部２２の下端面２２ｂの位置に応じて、下方へ延ばされている。このとき、蛇腹筒体３１には適度な張力が加えられている。そのため、蛇腹筒体３１は、吐出圧力に抗することができ、過度に変形しない。また、前述のとおり、蛇腹部材３０は一体に構成されているため、蛇腹部材３０は、吐出圧力による液化ガスＬｇの漏洩を許容する隙間を有さない。したがって、蛇腹部材３０から蛇腹内空間Ｓへの液化ガスＬｇの漏洩は、防止されている。

リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、液化ガスＬｇは、蛇腹部材３０および第１シール部材４０に阻まれ、蛇腹内空間Ｓには漏洩しない。また、第２取付部材３３は嵌入部１３に液密に嵌入されているため、液化ガスＬｇは、第２取付部材３３と嵌入部１３との間から挿通孔１１内には漏洩しない。さらに、仮に、吐出圧力により第２取付部材３３と嵌入部１３との間から少量の液化ガスＬｇが挿通孔１１内に漏洩しても、液化ガスＬｇは、第２シール部材５０に阻まれ、上部筐体６０内には漏洩しない。

リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、第１軸部２１の下端面２１ｃが第２シール部材５０に当接することにより、リフトシャフト２０の下降位置よりも下方への移動は規制されている。このとき、第１軸部２１は、本発明における下降規制部材として機能している。その結果、蛇腹筒体３１は過剰に伸ばされず、蛇腹部材３０（蛇腹筒体３１または溶接個所）の破損などの技術的課題は生じない。

次いで、ポンプ５の運転停止中、ポンプコラム２内には、貯蔵タンクＴ内の液化ガスＬｇの液面と同じ高さまで液化ガスＬｇが残留している。また、ポンプコラム２内の液面よりも上方の空間には、気化ガスＶｇが充満している。このとき、ポンプ５からの吐出圧力は、ヘッドプレート１０、リフトシャフト２０、および蛇腹部材３０に加えられていない。この状態であっても、前述の封止構造により、気化ガスＶｇは、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１には漏洩しない。

ポンプ５は、定期的（例えば、数年ごと）にポンプコラム２の外部に取り出され、メンテナンスされる。ポンプ５の取り出しには、フート弁６の閉弁およびポンプコラム２内の残留ガス（液化ガスＬｇおよび気化ガスＶｇ）の除去が必要となる。その前準備として、リフトシャフト２０が下降位置から上昇位置まで持ち上げられることにより、ポンプ５は、ポンプコラム２内の所定の高さまで持ち上げられる。

リフトシャフト２０が持ち上げられる前準備として、蓋部６４および固定部材８２が取り外される。その結果、押圧ボルトＢ５による押圧が解除され、第２シール部材５０のシール性は低下する。このとき、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１は、依然として、嵌入部１３、蛇腹部材３０、および第１シール部材４０により液密に封止されている。そのため、残留ガスは、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１から筒体部６１内の空間へは漏洩しない。本実施の形態において、取扱液は液化アンモニアであり、気化ガスＶｇは可燃性および生体への強い毒性を有するアンモニアガスである。また、アンモニアガスは空気よりも軽いため、メンテナンス作業者に吸い込まれ易い。本発明に係る封止部材３は、蛇腹部材３０を用いた封止構造を有するため、液化アンモニアのような取り扱いの難しい取扱液に対して適用可能である。

次いで、リフト（不図示）からのケーブル（不図示）がリフトシャフト２０の第１連結部材２３に連結され、リフトによりリフトシャフト２０が上昇位置まで持ち上げられる。このとき、ポンプ５はサポートケーブル４を介してリフトシャフト２０に吊り上げられ、フート弁６はバネ（不図示）の付勢力により閉じられる。

図４は、リフトシャフト２０が上昇位置に位置しているときの封止部材３の模式断面図である。

リフトシャフト２０が上昇位置まで持ち上げられたとき、第２シール部材５０による封止は解除され、蛇腹内空間Ｓは、挿通孔１１を介して、筒体部６１内の空間と連通する。このとき、蛇腹筒体３１は、リフトシャフト２０の移動に追随して上方へ縮められている。そのため、嵌入部１３、蛇腹部材３０、および第１シール部材４０による蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１の封止状態は、維持されている。そのため、残留ガスは、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１から、筒体部６１内の空間および封止部材３の外部へは漏洩しない。

リフトシャフト２０が上方位置に位置しているとき、受部材８１と上部筐体６０の第１フランジ部６２との間には、カラー７が取り付け可能である。受部材８１と第１フランジ部６２との間にカラー７が取り付けられたとき、リフトシャフト２０は、上昇位置に固定される。このとき、封止部材３は、ポンプ５を吊り下げ支持している。

リフトシャフト２０が上昇位置よりも上方に持ち上げられるとき、蛇腹筒体３１が上方に限界まで縮められることにより、リフトシャフト２０の上昇位置よりも上方への移動は規制され得る。このとき、蛇腹部材３０は、本発明における上昇規制部材として機能し得る。

次いで、ポンプコラム２内に不活性ガスが導入され、ポンプコラム２内の残留ガスが貯蔵タンクＴに戻される。以降のポンプ５の取り出し工程は公知の工程であるため、その説明は省略される。

●まとめ（１）
以上説明した実施の形態によれば、封止部材３は、ヘッドプレート１０、リフトシャフト２０、および蛇腹部材３０を有してなる。ヘッドプレート１０は、上下方向に延在する挿通孔１１を有し、ポンプコラム２の上部開口端２ａを塞ぐように、上部開口端２ａに取り付けられている。リフトシャフト２０は、挿通孔１１を貫通して配置され、ポンプ５の昇降時に上昇位置と下降位置との間で昇降される。蛇腹部材３０は、リフトシャフト２０の軸方向（上下方向）において、リフトシャフト２０の昇降に応じて伸縮する。蛇腹部材３０は、蛇腹筒体３１、第１取付部材３２、および第２取付部材３３を備える。蛇腹筒体３１は、リフトシャフト２０のうち、突出下部の外周面を覆っている。第１取付部材３２は、蛇腹筒体３１の下端３１ａと連続して配置され、第２軸部２２の下端面２２ｂ（突出下部）に取り付けられている。第２取付部材３３は、蛇腹筒体３１の上端３１ｂと連続して配置され、ヘッドプレート１０の下面１０ｂに取り付けられている。この構成によれば、蛇腹内空間Ｓは、蛇腹部材３０により取り囲まれる。そのため、リフトシャフト２０が昇降しても、蛇腹筒体３１はリフトシャフト２０の昇降に応じて伸縮し、蛇腹内空間Ｓは蛇腹部材３０により封止される。このように、封止部材３では、ポンプ５の昇降時における液化ガスＬｇや残留ガスの漏洩は、蛇腹部材３０により防止される。

また、以上説明した実施の形態によれば、挿通孔１１は、第２取付部材３３が液密に嵌入されている嵌入部１３を備える。この構成によれば、第２取付部材３３と嵌入部１３（ヘッドプレート１０の下面１０ｂ）との間は、液密に封止される。その結果、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１は、嵌入部１３および蛇腹部材３０により液密に封止される。したがって、封止部材３では、ポンプ５の昇降時における液化ガスＬｇや残留ガスの漏洩は、嵌入部１３および蛇腹部材３０により防止される。

さらに、以上説明した実施の形態によれば、封止部材３は、第１取付部材３２とリフトシャフト２０との間に配置される第１シール部材４０を有してなる。この構成によれば、蛇腹内空間Ｓは、蛇腹部材３０および第１シール部材４０により液密に封止される。したがって、封止部材３では、ポンプ５の昇降時における液化ガスＬｇや残留ガスの漏洩は、蛇腹部材３０および第１シール部材４０により防止される。

さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、リフトシャフト２０は、第１軸部２１および第２軸部２２を備える。第２軸部２２は、第１軸部２１の外径よりも小さい外径を有し、第１軸部２１よりも下方に配置され、第２孔部１１ｂに挿通されている。第２シール部材５０は、第１軸部２１の下端面２１ｃと、第１孔部１１ａの底面１１ｄ（ヘッドプレート１０）と、の間に配置されている。この構成によれば、第１軸部２１は第２孔部１１ｂに挿通できず、リフトシャフト２０の下降位置よりも下方への移動は規制される。すなわち、第１軸部２１は、本発明における下降規制部材として機能する。リフトシャフト２０が下降位置に下ろされるとき、作業者は、蛇腹部材３０の状態を目視できない。そのため、リフトシャフト２０の下降が規制されないと、蛇腹筒体３１が過剰に伸ばされ、蛇腹部材３０の破損などの技術的課題が生じ得る。これに対して、この構成では、蛇腹筒体３１は過剰に伸ばされず、蛇腹部材３０の破損などの技術的課題は生じない。また、リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、第１軸部２１の下端面２１ｃと第１孔部１１ａの底面１１ｄとの間は、第２シール部材５０により封止される。

さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、封止部材３は、リフトシャフト２０を下降位置に固定するシャフト固定部材８０を備える。シャフト固定部材８０は、押圧ボルトＢ５により、リフトシャフト２０をヘッドプレート１０側に向けて押圧している。この構成によれば、吐出圧力がリフトシャフト２０に加えられても、リフトシャフト２０は、下降位置に固定される。また、第２シール部材５０が第１軸部２１の下端面２１ｃと第１孔部１１ａの底面１１ｄとの間で押圧されるため、第２シール部材５０のシール性は、向上する。

さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、封止部材３は、ヘッドプレート１０の上面１０ａに取り付けられる上部筐体６０、および上部筐体６０と上面１０ａとの間に配置されている第３シール部材７０を有してなる。上部筐体６０は、リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、突出上部を収容している。この構成によれば、ポンプ５の運転動作中、突出上部は、風雨に曝されず、保護される。また、仮に、少量の液化ガスＬｇが上部筐体６０内に漏洩しても、上部筐体６０および第３シール部材７０により、液化ガスＬｇは封止部材３の外部へは漏洩しない。

さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、蛇腹部材３０は、リフトシャフト２０の上昇位置よりも上方への移動を規制する上昇規制部材として機能する。この構成によれば、リフトシャフト２０の抜けなどの技術的課題は生じない。

●サブマージドポンプシステム（２）●
次に、本発明に係るサブマージドポンプシステムの別の実施の形態（以下「第２実施形態」という。）について、先に説明した第１実施形態とは異なる部分を中心に説明する。第２実施形態は、封止部材が下部筐体を備えている点、および蛇腹部材が上昇規制部材を備えている点が、第１実施形態と異なる。以下の説明について、第１実施形態と共通する要素については、同一の符号が付されると共に、図１～図３が適宜参照され、その説明は省略される。

●サブマージドポンプシステム（２）の構成
図５は、本発明に係るサブマージドポンプシステムの第２実施形態を示す模式断面図である。

サブマージドポンプシステム１Ａは、液化ガスＬｇが貯蔵されている貯蔵タンクＴに取り付けられ、液化ガスＬｇを貯蔵タンクＴから外部へ送液する。サブマージドポンプシステム１Ａは、ポンプコラム２、封止部材３Ａ、サポートケーブル４、ポンプ５、フート弁６、およびカラー７を備える。

●封止部材（２）の構成
次に、封止部材３Ａ（本発明に係る封止部材）の具体的な構成について説明する。

図６は、第２実施形態における封止部材３Ａを示す模式断面図である。
図７は、封止部材３Ａの模式分解断面図である。
図６は、後述するリフトシャフト２０Ａが下降位置に位置しているときの封止部材３Ａを示す。また、図６は、説明の便宜上、ポンプコラム２の上部も図示している。また、以下の説明において、後述する各ボルトＢ１～Ｂ６に対応するボルト孔は周知技術であるため、その説明は省略される。以下の説明において、図５は適宜参照される。

封止部材３Ａは、ヘッドプレート１０Ａ、リフトシャフト２０Ａ、蛇腹部材３０Ａ、第１シール部材４０、上部筐体６０、第３シール部材７０、シャフト固定部材８０、下部筐体９０、第４シール部材１００、第５シール部材１１０、複数のプレート取付ボルトＢ１、複数の蛇腹取付ボルトＢ２、複数の筐体取付ボルトＢ３、複数の蓋取付ボルトＢ４、複数の押圧ボルトＢ５、および複数の筐体取付ボルトＢ６を備える。

ヘッドプレート１０Ａ、リフトシャフト２０Ａ、および蛇腹部材３０Ａそれぞれの機能は、第１実施形態におけるヘッドプレート１０、リフトシャフト２０、および蛇腹部材３０それぞれの機能と共通する。

ヘッドプレート１０Ａの形状は、例えば、円板状である。ヘッドプレート１０Ａは、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。ヘッドプレート１０Ａは、挿通孔１１Ａおよび嵌入部１３を備える。

挿通孔１１Ａは、ヘッドプレート１０Ａを上下方向に貫通している貫通孔である。すなわち、挿通孔１１Ａは、ヘッドプレート１０Ａにおいて上下方向に延在している。挿通孔１１Ａは、ヘッドプレート１０Ａの中央に配置されている。挿通孔１１Ａの内径は、後述する軸体２７の外径よりも僅かに大きい。挿通孔１１Ａは、本発明における貫通孔の一例である。

リフトシャフト２０Ａは、第１連結部材２３、第２連結部材２４Ａ、第１ナット部材２５、第２ナット部材２６、および軸体２７を備える。

第２連結部材２４Ａは、サポートケーブル４が連結される部材である。第２連結部材２４Ａは、リング状の連結部２４ａ、および連結部２４ａから上方に延出されている雄ねじ部２４ｃを備える。雄ねじ部２４ｃの長さは、第１実施形態における雄ねじ部２４ｂの長さよりも長い。雄ねじ部２４ｃが後述する第２雌ねじ孔２７ｂに螺合されることにより、第２連結部材２４Ａは、軸体２７の下端に取り付けられている。

軸体２７は、ヘッドプレート１０Ａの挿通孔１１Ａおよび筒体部３１と共にリフトシャフト２０Ａの昇降をガイドする。軸体２７の形状は、上下方向に長い円柱状である。軸体２７は、第１雌ねじ孔２７ａおよび第２雌ねじ孔２７ｂを備える。

第１雌ねじ孔２７ａは、上下方向に沿い、軸体２７の上端面２７ｃに開口している。第２雌ねじ孔２７ｂは、上下方向に沿い、軸体２７の下端面２７ｄに開口している。

リフトシャフト２０Ａは、上方からヘッドプレート１０Ａの挿通孔１１Ａに挿通され、挿通孔１１Ａを貫通して配置されている。リフトシャフト２０Ａは、ポンプ５の昇降時に下降位置から上昇位置までの間で昇降可能である。リフトシャフト２０Ａが上昇位置または下降位置に位置しているとき、軸体２７はヘッドプレート１０Ａよりも上下方向に突出している。

蛇腹部材３０Ａは、蛇腹筒体３１、第２取付部材３３、および第１取付部材３４を備える。

第１取付部材３４は、蛇腹筒体３１をリフトシャフト２０Ａ（後述する突出下部）に取り付ける。第１取付部材３４は、底部３４ａ、壁部３４ｂ、挿通孔３４ｃ、およびシール溝３４ｄを備える。

底部３４ａの形状は、リング板状である。底部３４ａは、蛇腹筒体３１の下端３１ａの下方に隣接して配置されている。底部３４ａの外縁部は、上方に向けて延出していて、円筒状の壁部３４ｂを構成している。すなわち、底部３４ａおよび壁部３４ｂは、一体に成形されている。上下方向において、壁部３４ｂの長さは、完全に縮んだ蛇腹筒体３１の長さよりも長い。壁部３４ｂの内径は、蛇腹筒体３１の外径よりも大きい。壁部３４ｂの外径は、後述する筒体部９１の内径よりも小さい。

挿通孔３４ｃは、底部３４ａを上下方向に貫通する貫通孔である。挿通孔３４ｃは、底部３４ａの中央に配置されている。挿通孔３４ｃの内径は、第２連結部材２４Ａの雄ねじ部２４ｂの外径よりも大きく、軸体２７の外径よりも小さい。

シール溝３４ｄは、第１シール部材４０が配置されるリング状の溝である。シール溝３４ｄは、底部３４ａの上面３４ｅに挿通孔３４ｃと同心状に配置されている。

蛇腹筒体３１の下端３１ａは、蛇腹筒体３１の周方向の全周に亘り、第１取付部材３４の底部３４ａの上面３２ｅに液密に溶接されている。蛇腹筒体３１の上端３１ｂは、蛇腹筒体３１の周方向の全周に亘り、第２取付部材３３の下面３３ｃに液密に溶接されている。その結果、蛇腹筒体３１、第２取付部材３３および第１取付部材３４は、一体に構成されている。底部３４ａの径方向において、シール溝３４ｄは、蛇腹筒体３１の下端３１ａよりも内方に配置されている。また、壁部３４ｂは、蛇腹筒体３１の下部の外周面を覆っている。

蛇腹筒体３１は、第２取付部材３３が嵌入部１３に液密に嵌入されることにより、ヘッドプレート１０Ａの下面１０ｂに取り付けられている。また、第２取付部材３３は、蛇腹取付ボルトＢ２によりヘッドプレート１０Ａに向けて押圧されている。蛇腹筒体３１は、リフトシャフト２０Ａのうち、突出下部を収容し、その外周面を覆っている。突出下部は軸体２７の下半部であり、その長さはリフトシャフト２０の昇降に応じて変化する。蛇腹筒体３１とリフトシャフト２０Ａ（軸体２７）との間には、蛇腹内空間Ｓが形成されている。

挿通孔３４ｃには、第２連結部材２４の雄ねじ部２４ｃが挿通されている。底部３４ａの下方には、第２ナット部材２６および第２連結部材２４の連結部２４ａが配置されている。底部３４ａの下面３４ｆに当接している第２ナット部材２６が締め付けられることにより、第１取付部材３４は、上方（軸体２７）に向けて押圧され、軸体２７（突出下部）の下端面２７ｄに取り付けられている。

第１シール部材４０は、第１取付部材３４のシール溝３４ｄに配置されている。

下部筐体９０は、蛇腹筒体３１の外周面と、第１取付部材３４の外周面（底部３４ａおよび壁部３４ｂそれぞれの外周面）と、を覆う。下部筐体９０は、筒体部９１、内フランジ部９２、外フランジ部９３、第１シール溝９４、および第２シール溝９５を備える。

筒体部９１の形状は、円筒状である。筒体部９１の内径は、蛇腹筒体３１の外径および壁部３４ｂの外径よりも大きい。筒体部９１の径方向において、筒体部９１の下端部は、内方に突出していてリング板状の内フランジ部９２を構成している。筒体部９１の上端部は、外方に突出していてリング板状の外フランジ部９３を構成している。すなわち、筒体部９１、内フランジ部９２、および外フランジ部９３は、一体に構成されている。

第１シール溝９４は、第４シール部材１００が配置されるリング状の溝である。第１シール溝９４は、内フランジ部９２の上面９２ａに筒体部９１と同心状に配置されている。

第２シール溝９５は、第５シール部材１１０が配置されるリング状の溝である。第２シール溝９５は、外フランジ部９３の上面９３ａに筒体部９１と同心状に配置されている。

下部筐体９０は、筐体取付ボルトＢ６により外フランジ部９３が第２取付部材３３およびヘッドプレート１０Ａに締結されることにより、第２取付部材３３の下面３３ｃに取り付けられている。このとき、筒体部９１は、蛇腹筒体３１および第１取付部材３４の外周面を覆っている。また、蛇腹筒体３１と筒体部９１との間には、円筒状の空間ＳＡが形成されている。また、内フランジ部９２の上面９２ａは、第１取付部材３４の下面３４ｆと対向している。

第４シール部材１００は、例えば、フッ素樹脂製のＯ－リングである。第４シール部材１００は、下部筐体９０の第１シール溝９４に配置されている。すなわち、第４シール部材１００は、第１取付部材３４の底部３４ａの下面３４ｆと、内フランジ部９２の上面９２ａと、の間に配置されている。第４シール部材１００は、リフトシャフト２０Ａが下降位置に位置しているとき、下面３４ｆおよび上面９２ａに当接し、これらの間を液密に封止している。第４シール部材１００のシール性は、押圧ボルトＢ５の締付力により定まる。すなわち、押圧ボルトＢ５が緩められるとシール性は低下し、押圧ボルトＢ５が締め付けられるとシール性は向上する。第４シール部材１００は、本発明における下部シール部材の一例である。

第５シール部材１１０は、例えば、フッ素樹脂製のＯ－リングである。第５シール部材１１０は、下部筐体９０の第２シール溝９５に配置されている。すなわち、第５シール部材１１０は、第２取付部材３３の下面３３ｃと、外フランジ部９３の上面９３ａと、の間に配置され、これらの間を液密に封止している。第５シール部材１１０のシール性は、筐体取付ボルトＢ６の締付力により定まる。すなわち、筐体取付ボルトＢ６が緩められるとシール性は低下し、筐体取付ボルトＢ６が締め付けられるとシール性は向上する。第５シール部材１１０は、本発明における上部シール部材の一例である。

●封止部材（２）による封止構造
次に、図５～図７を参照しながら、封止部材３Ａによる封止構造について説明する。封止部材３Ａは、ポンプコラム２内の液化ガスＬｇおよび気化ガスＶｇ（図４および図８参照。以下同じ。）の封止部材３Ａの外部への漏洩を防止する封止構造を有する。封止構造は、嵌入部１３、蛇腹部材３０Ａ、第１シール部材４０、下部筐体９０、第４シール部材１００、および第５シール部材１１０により構成されている。封止構造は、リフトシャフト２０Ａが下降位置および上昇位置のいずれに位置していても、液化ガスＬｇおよび気化ガスＶｇの封止部材３Ａの外部への漏洩を防止することができる。

以下、リフトシャフト２０Ａの位置ごとの封止構造が、封止部材３Ａ（主にリフトシャフト２０Ａ）に対する操作に関連付けられて説明される。

ポンプ５の運転動作中、ポンプ５からの吐出圧力がヘッドプレート１０Ａ、リフトシャフト２０Ａ、第２取付部材３３、第１取付部材３４、および下部筐体９０に加えられている。このとき、リフトシャフト２０Ａは、シャフト固定部材８０により下方へ押圧されている。その結果、リフトシャフト２０Ａは、下降位置に固定されている。

リフトシャフト２０Ａが下降位置に位置しているとき、底部３４ａの下面３４ｆが第４シール部材１００に当接することにより、下面３４ｆと内フランジ部９２の上面９２ａとの間は、液密に封止されている。したがって、筒体部９１内の空間は、第４シール部材１００および第５シール部材１１０により液密に封止されている。その結果、吐出圧力は、下部筐体９０に遮られ、蛇腹筒体３１には伝播されない。また、蛇腹内空間Ｓは、下部筐体９０および蛇腹部材３０Ａにより二重に封止されている。

リフトシャフト２０Ａが下降位置に位置しているとき、液化ガスＬｇは、第１実施形態と同様に、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１Ａ内には漏洩しない。また、仮に、吐出圧力により第２取付部材３３と嵌入部１３との間から少量の液化ガスＬｇが挿通孔１１Ａ内に漏洩しても、液化ガスＬｇは、第３シール部材７０に阻まれ、上部筐体６０の外部には漏洩しない。

リフトシャフト２０Ａが下降位置に位置しているとき、底部３４ａの下面３４ｆが第４シール部材１００に当接することにより、リフトシャフト２０Ａの下降位置よりも下方への移動は規制されている。このとき、内フランジ部９２は、本発明における下降規制部材として機能している。その結果、蛇腹筒体３１は過剰に伸ばされず、蛇腹部材３０Ａの破損などの技術的課題は生じない。

次いで、ポンプ５の運転停止中、ポンプ５からの吐出圧力は、ヘッドプレート１０Ａ、リフトシャフト２０Ａ、第２取付部材３３、第１取付部材３４、および下部筐体９０に加えられていない。この状態であっても、前述の封止構造により、気化ガスＶｇは、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１Ａには漏洩しない。

リフトシャフト２０Ａが持ち上げられる前準備として、蓋部６４および固定部材８２が取り外される。その結果、押圧ボルトＢ５による押圧が解除され、第４シール部材１００のシール性は低下する。このとき、筒体部９１内の空間には、残留ガスが漏洩し得る。しかしながら、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１は、依然として、嵌入部１３、蛇腹部材３０Ａ、および第１シール部材４０により液密に封止されている。そのため、残留ガスは、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１Ａから筒体部６１内の空間へは漏洩しない。本発明に係る封止部材３Ａは、蛇腹部材３０Ａを用いた封止構造を有するため、液化アンモニアのような取り扱いの難しい取扱液に対して適用可能である。

図８は、リフトシャフト２０Ａが上昇位置に位置しているときの封止部材３Ａの模式断面図である。

リフトシャフト２０Ａが上昇位置まで持ち上げられたとき、第４シール部材１００による封止は解除され、残留ガスは、筒体部９１内の空間に浸入する。このとき、蛇腹筒体３１は、リフトシャフト２０Ａの移動に追随して上方へ縮められている。そのため、蛇腹部材３０Ａおよび第１シール部材４０による蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１Ａの封止状態は、維持されている。したがって、残留ガスは、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１Ａから、筒体部６１内の空間および封止部材３Ａの外部へは漏洩しない。

リフトシャフト２０Ａが上昇位置まで持ち上げられたとき、第１取付部材３４の壁部３４ｂが第２取付部材３３の下面３３ｃに当接することにより、リフトシャフト２０Ａの上昇位置よりも上方への移動は規制されている。このとき、壁部３４ｂは、本発明における上昇規制部材として機能している。その結果、蛇腹筒体３１は過剰に収縮されず、蛇腹部材３０Ａの破損や、リフトシャフト２０Ａの抜けなどの技術的課題も生じない。

リフトシャフト２０Ａが上昇位置に位置しているとき、第２連結部材２４Ａの連結部２４ａは、上下方向において、内フランジ部９２よりも下方に位置している。そのため、連結部２４ａに連結されているサポートケーブル４は、下部筐体９０に干渉しない。

●まとめ（２）
以上説明した実施の形態によれば、封止部材３Ａは、ヘッドプレート１０Ａ、リフトシャフト２０Ａ、および蛇腹部材３０Ａを有してなる。ヘッドプレート１０Ａは、上下方向に延在する挿通孔１１Ａを有し、ポンプコラム２の上部開口端２ａを塞ぐように、上部開口端２ａに取り付けられている。リフトシャフト２０Ａは、挿通孔１１Ａを貫通して配置され、ポンプ５の昇降時に上昇位置と下降位置との間で昇降される。蛇腹部材３０Ａは、リフトシャフト２０Ａの軸方向（上下方向）において、リフトシャフト２０Ａの昇降に応じて伸縮する。蛇腹部材３０Ａは、蛇腹筒体３１、第１取付部材３４、および第２取付部材３３を備える。蛇腹筒体３１は、リフトシャフト２０Ａのうち、突出下部の外周面を覆っている。第１取付部材３４は、蛇腹筒体３１の下端３１ａと連続して配置され、軸体２７の下端面２７ｄ（突出下部）に取り付けられている。第２取付部材３３は、蛇腹筒体３１の上端３１ｂと連続して配置され、ヘッドプレート１０Ａの下面１０ｂに取り付けられている。この構成によれば、蛇腹内空間Ｓは、蛇腹部材３０Ａにより取り囲まれる。そのため、リフトシャフト２０Ａが昇降しても、蛇腹筒体３１はリフトシャフト２０Ａの昇降に応じて伸縮し、蛇腹内空間Ｓは蛇腹部材３０Ａにより封止される。このように、封止部材３Ａでは、ポンプ５の昇降時における液化ガスＬｇや残留ガスの漏洩は、蛇腹部材３０Ａにより防止される。

また、以上説明した実施の形態によれば、挿通孔１１Ａは、第２取付部材３３が液密に嵌入されている嵌入部１３を備える。この構成によれば、第２取付部材３３と嵌入部１３（ヘッドプレート１０Ａの下面１０ｂ）との間は、液密に封止される。その結果、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１Ａは、嵌入部１３および蛇腹部材３０Ａにより液密に封止される。したがって、封止部材３Ａでは、ポンプ５の昇降時における液化ガスＬｇや残留ガスの漏洩は、蛇腹部材３０Ａにより防止される。

さらに、以上説明した実施の形態によれば、封止部材３Ａは、第１取付部材３４とリフトシャフト２０Ａとの間に配置される第１シール部材４０を有してなる。この構成によれば、蛇腹内空間Ｓは、蛇腹部材３０Ａおよび第１シール部材４０により液密に封止される。したがって、封止部材３Ａでは、ポンプ５の昇降時における液化ガスＬｇや残留ガスの漏洩は、蛇腹部材３０Ａおよび第１シール部材４０により防止される。

さらにまた、以上説明した各実施形態によれば、封止部材３Ａは、下部筐体９０を有してなる。下部筐体９０は、蛇腹筒体３１の外周面を覆う筒体部９１、および第１取付部材３４の下面３４ｆに対向する内フランジ部９２を備える。この構成によれば、リフトシャフト２０Ａの下降位置よりも下方への移動は、規制される。すなわち、内フランジ部９２は、本発明における下降規制部材として機能する。その結果、蛇腹筒体３１は過剰に伸ばされず、蛇腹部材３０Ａの破損などの技術的課題は生じない。また、この構成によれば、蛇腹筒体３１は下部筐体９０に覆われる。そのため、蛇腹筒体３１は、液化ガスＬｇの流れに曝されず、吐出圧力の影響は抑制される。

さらにまた、以上説明した各実施形態によれば、封止部材３Ａは、第４シール部材１００および第５シール部材１１０を有してなる。リフトシャフト２０が下降位置に位置しているとき、第４シール部材１００は、下面３４ｆと内フランジ部９２の上面９２ａとの間に配置され、これらに当接している。第５シール部材１１０は、第２取付部材３３と下部筐体９０との間に配置されている。この構成によれば、筒体部９１内の空間は、第４シール部材１００および第５シール部材１１０により液密に封止される。その結果、吐出圧力は、下部筐体９０、第４シール部材１００、および第５シール部材１１０に遮られ、蛇腹筒体３１には伝播されない。また、蛇腹内空間Ｓは、下部筐体９０および蛇腹部材３０Ａにより二重に封止される。

さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、封止部材３Ａは、リフトシャフト２０Ａを下降位置に固定するシャフト固定部材８０を備える。この構成によれば、吐出圧力がリフトシャフト２０Ａに加えられても、リフトシャフト２０Ａは、下降位置に固定される。また、第４シール部材１００が下面３４ｆと上面９２ａとの間で押圧されるため、第４シール部材１００のシール性は、向上する。

さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、第１取付部材３４は、蛇腹筒体３１の下端３１ａに隣接するリング板状の底部３４ａ、および底部３４ａの外縁部から上方に延出する壁部３４ｂを備える。この構成によれば、第１取付部材３４は、リフトシャフト２０Ａの上昇位置よりも上方への移動を規制する上昇規制部材として機能する。そのため、蛇腹筒体３１は過剰に収縮されず、蛇腹部材３０Ａ（蛇腹筒体３１または溶接個所）の破損などの技術的課題は生じない。また、リフトシャフト２０Ａの抜けなどの技術的課題も生じない。

さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、封止部材３Ａは、ヘッドプレート１０Ａの上面１０ａに取り付けられる上部筐体６０、および上部筐体６０と上面１０ａとの間に配置されている第３シール部材７０を有してなる。上部筐体６０は、リフトシャフト２０Ａが下降位置に位置しているとき、突出上部を収容している。この構成によれば、ポンプ５の運転動作中、突出上部は、風雨に曝されず、保護される。また、仮に、少量の液化ガスＬｇが上部筐体６０内に漏洩しても、上部筐体６０および第３シール部材７０により、液化ガスＬｇは封止部材３Ａの外部へは漏洩しない。

●その他の実施形態●
なお、以上説明した第１実施形態において、挿通孔１１は、第１孔部１１ａを備えなくてもよい。この場合、例えば、第２シール部材５０が嵌入されるシール溝１２は、ヘッドプレート１０の上面１０ａに配置されていてもよい。

また、以上説明した各実施形態において、挿通孔１１，１１Ａおよび筒体部３３ａは、蛇腹内空間Ｓと筒体部６１内の空間とをバイパスする通気溝を備えていてもよい。この構成では、蛇腹内空間Ｓへの空気の流入、および蛇腹内空間Ｓからの空気の流出が容易となる。その結果、蛇腹筒体３１は、伸縮し易くなる。

さらに、以上説明した第１実施形態において、シール溝１２は、第１軸部２１の下端面２１ｃに配置されていてもよい。

さらにまた、本発明において、リフトシャフト２０，２０Ａは、上昇位置ではなく、上昇位置よりも下方に位置する保持位置において、カラー７により固定されていてもよい。この場合、リフトシャフト２０，２０Ａは、上昇位置に持ち上げられ、カラー７が配置された後に、保持位置に下降される。この構成によれば、カラー７の配置が容易になる。

さらにまた、以上説明した第２実施形態において、軸体２７は、第１軸部２１および第２軸部で構成されていてもよい。この場合、例えば、第１軸部２１は突出下部の一部を構成していて、第１取付部材３４は第１軸部２１の下端面２１ｃに取り付けられていてもよい。この場合、例えば、封止部材３Ａは、第２軸部２２の外周面を覆い、第１取付部材３４と第２ナット部材２６との間に配置される円筒状のカラー部材を備え、カラー部材を介して第１取付部材が上方に押圧されていてもよい。

さらにまた、以上説明した第１実施形態において、蛇腹部材３０は、第１取付部材３２に代えて第１取付部材３４を備えていてもよい。この構成では、蛇腹筒体３１は過剰に収縮されず、蛇腹部材３０（蛇腹筒体３１または溶接個所）の破損などの技術的課題は生じない。また、リフトシャフト２０の抜けなどの技術的課題も生じない。

さらにまた、以上説明した第２実施形態において、蛇腹部材３０Ａは、第１取付部材３４に代えて第１取付部材３２を備えていてもよい。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、蛇腹筒体３１は、第１取付部材３２，３４および／または第２取付部材３３と一体に成形されていてもよい。この構成によれば、蛇腹部材３０，３０Ａの強度は、向上する。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、第１取付部材３２，３４とリフトシャフト２０，２０Ａとを取り付ける構成は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、第１取付部材３２，３４は、溶接により、リフトシャフト２０，２０Ａに液密に取り付けられてもよい。また、例えば、第１取付部材３２は第２軸部２２の外周面に液密に溶接されていてもよく、第１取付部材３４は軸体２７の外周面に液密に溶接されていてもよい。この場合、第２ナット部材２６は、不要となる。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、シール溝３２ｂは第２軸部２２の下端面２２ｂに配置されていてもよく、シール溝３４ｄは軸体２７の下端面２７ｄに配置されていてもよい。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、第２取付部材３３とヘッドプレート１０，１０Ａとの間を封止する構成は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、第２取付部材３３は、溶接により、ヘッドプレート１０，１０Ａに液密に取り付けられてもよい。また、例えば、第２取付部材３３は、嵌入部１３に配置されて、蛇腹取付ボルトＢ２により、ヘッドプレート１０，１０Ａに取り付けられていてもよい。この場合、ヘッドプレート１０，１０Ａの下面１０ｂ（嵌入部１３）と第２取付部材３３との間には、シール部材が配置される。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、第２取付部材３３の形状は、リング板状でもよい。この場合、例えば、第２孔部１１ｂまたは挿通孔１１Ａが筒体部３３ａと同様の機能を有していてもよい。

さらにまた、以上説明した第２実施形態において、壁部３４ｂの形状は、円筒状に限定されない。すなわち、例えば、壁部３４ｂは、相互に離間して配置されている複数の円弧板状（または、板状、棒状など）の部材により構成されていてもよい。

さらにまた、以上説明した第２実施形態において、底部３４ａは、蛇腹筒体３１の下端３１ａと壁部３４ｂとの間に、底部３４ａを上下方向に貫通する複数の貫通孔を備えていてもよい。

図９（ａ）は、第２実施形態における第１取付部材３４の第１変形例を示す模式平面図であり、（ｂ）は、第２実施形態における第１取付部材３４の第２変形例を示す模式平面図である。

同図は、上方視における第１取付部材３４を示す。同図は、説明の便宜上、リフトシャフト２０Ａ、および蛇腹筒体３１の下端部３１ａも破線で図示している。図９（ａ）に示されるとおり、第１変形例における第１取付部材３４は、４つの円弧板状の部材により構成されている壁部３４ｂを備える。底部３４ａの周方向において、壁部３４ｂを構成している各部材は、底部３４ａの外縁上に等間隔で配置されている。この構成では、この構成では、リフトシャフト２０Ａが持ち上げられたとき、壁部３４ｂに囲まれた空間内の液化ガスＬｇは、各部材間の隙間から下方へ除去される。

また、図９（ｂ）に示されるとおり、第２変形例における第１取付部材３４は、底部３４ａに配置され、底部３４ａを上下方向に貫通する４つの貫通孔３４ｇを備える。底部３４ａの周方向において、貫通孔３４ｇは、蛇腹筒体３１の下端３１ａと壁部３４ｂとの間に等間隔で配置されている。この構成では、リフトシャフト２０Ａが持ち上げられたとき、壁部３４ｂに囲まれた空間内の液化ガスＬｇは、貫通孔３４ｇから下方へ除去される。なお、円弧板状の部材および貫通孔３４ｇの数は「４」に限定されない。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、第２取付部材３３とヘッドプレート１０，１０Ａとの間にガスケットなどのシール部材が配置されていてもよい。この構成によれば、第２取付部材３３とヘッドプレート１０，１０Ａとの間のシール性が向上する。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、蛇腹部材３０，３０Ａ、第１～第５シール部材４０，５０，７０，１００，１１０の材質は、取扱液に応じて適宜選択されてもよく、本実施の形態に限定されない。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、第１～第５シール部材４０，５０，７０，１００，１１０は、Ｏ－リングに限定されない。すなわち、例えば、第１～第５シール部材４０，５０，７０，１００，１１０は、リング板状のガスケットでもよい。この場合、各シール溝１２，３２ｂ，３４ｄ，６５，９４，９５は、不要となる。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、上部筐体６０の筒体部６１の内周面の上部に雌ねじ部が形成され、シャフト固定部材８０の周壁部８２ａの外周面に同雌ねじ部に対応する雄ねじ部が形成されていてもよい。この構成によれば、シャフト固定部材８０が筒体部６１に螺合されることにより、シャフト固定部材８０は、リフトシャフト２０，２０Ａを下方へ向けて押圧することができる。

さらにまた、以上説明した第１実施形態において、封止部材３は、第２シール部材５０を備えていなくてもよい。この構成では、挿通孔１１内のシール性は低下するが、蛇腹内空間Ｓおよび挿通孔１１内への液化ガスＬｇの漏洩は、嵌入部１３、蛇腹部材３０、および第１シール部材４０により防がれている。そのため、液化ガスＬｇは封止部材３の外部へは漏洩しない。また、この構成でも、第１軸部２１は、下降規制部材として機能する。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、封止部材３，３Ａは、上昇規制部材および／または下降規制部材を備えていなくてもよい。この場合、例えば、上昇位置および／または下降位置の高さが予め設定されていればよい。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、下降規制部材の構成は、第１軸部２１や内フランジ部９２に限定されない。すなわち、例えば、下降規制部材は、突出上部に嵌入されるノックピンやボルトにより構成されていてもよい。また、例えば、下降（上昇）規制部材は、第１取付部材３２，３４と第２取付部材３３との間に配置されるストッパ付きのスライドレールにより構成されていてもよい。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、受部材８１は、固定部材８２と一体に成形されていてもよい。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、フランジ部８２ｂが押圧ボルトＢ５により上部筐体６０に締結されているとき、フランジ部８２ｂは、上部筐体６０の上端面６０ｂに当接していてもよく、あるいは、当接していなくてもよい。前者の場合、固定部材８２が受部材８１を押圧する力（押圧力）は、固定部材８２の周方向において均等になる。また、固定部材８２が複数回着脱されても、着装ごとの同押圧力は略同じとなる。一方、後者の場合、同押圧力は、例えば、第２シール部材５０または第４シール部材１００の状態に合わせて調整可能となる。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、下部筐体９０は、ヘッドプレート１０，１０Ａの下面１０ｂに取り付けられていてもよい。この場合、第５シール部材１１０は、下面１０ｂと外フランジ部９３の上面９３ａとの間に配置されている。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、封止部材３，３Ａは、蛇腹取付ボルトＢ２を備えていなくてもよい。

さらにまた、以上説明した各実施形態において、封止部材３，３Ａは、リフトシャフト２０，２０Ａと上部筐体６０（筒体部６１）との間に配置されているグランドシールを備えていてもよい。

●本発明の実施態様●
次に、以上説明した実施の形態から把握される本発明の実施態様が、実施の形態において記載された用語と符号とを援用しつつ、以下に記載される。

本発明の第１の実施態様は、取扱液（例えば、液化ガスＬｇ）内に浸漬されるポンプ（例えば、ポンプ５）が収容される筒状のポンプコラム（例えば、ポンプコラム２）の開口端（例えば、上部開口端２ａ）を封止すると共に、前記ポンプコラム内において前記ポンプを昇降させるとき、前記ポンプを吊り下げ支持する封止部材（例えば、封止部材３，３Ａ）であって、上下方向に延在する貫通孔（例えば、挿通孔１１，１１Ａ）を有し、前記開口端を塞ぐように前記開口端に取り付けられるヘッドプレート（例えば、ヘッドプレート１０，１０Ａ）と、前記貫通孔を貫通して配置され、前記ポンプの昇降時に上昇位置と下降位置との間で昇降されるリフトシャフト（例えば、リフトシャフト２０，２０Ａ）と、前記リフトシャフトの軸方向において、前記リフトシャフトの昇降に応じて伸縮する蛇腹部材（例えば、蛇腹部材３０，３０Ａ）と、を有してなり、前記蛇腹部材は、前記リフトシャフトのうち、前記ヘッドプレートから下方に突出する突出下部の外周面を覆う蛇腹筒体（例えば、蛇腹筒体３１）と、前記蛇腹筒体の下端（例えば、下端３１ａ）と連続して配置され、前記突出下部（例えば、第２軸部２２、軸体２７）に取り付けられる第１取付部材（例えば、第１取付部材３２，３４）と、前記蛇腹筒体の上端（例えば、上端３１ｂ）と連続して配置され、前記ヘッドプレートの下面（例えば、下面１０ｂ）に取り付けられる第２取付部材（例えば、第２取付部材３３）と、を備える、封止部材である。
この構成によれば、リフトシャフトが昇降しても、蛇腹筒体はリフトシャフトの昇降に応じて伸縮し、蛇腹内空間は蛇腹部材により封止できる。その結果、ポンプの昇降時における残留ガスの漏洩は、蛇腹部材により防止できる。すなわち、封止部材のシール性は、向上する。

本発明の第２の実施態様は、第１の実施態様において、前記貫通孔は、前記第２取付部材が嵌入される嵌入部（例えば、嵌入部１３）を備える、封止部材である。
この構成によれば、蛇腹内空間および挿通孔は、蛇腹部材により液密に封止される。

本発明の第３の実施態様は、第１または第２の実施態様において、前記第１取付部材と前記リフトシャフトの前記突出下部との間に配置される蛇腹シール部材（例えば、第１シール部材４０）を有してなる、封止部材である。
この構成によれば、ポンプ５の昇降時における液化ガスや残留ガスの漏洩は、蛇腹部材および第１シール部材により防止される。

本発明の第４の実施態様は、第１乃至第３のいずれかの実施態様において、前記第１取付部材の下面（例えば、下面３４ｆ）に対向する内フランジ部（例えば、内フランジ部９２）を有し、前記蛇腹筒体の外周面と前記第１取付部材の外周面とを覆い、前記ヘッドプレート（例えば、ヘッドプレート１０Ａ）の前記下面（例えば、下面１０ｂ）または前記第２取付部材の下面（３３ｃ）に取り付けられる下部筐体（例えば、下部筐体９０）を有してなる、封止部材（例えば、封止部材３Ａ）である。
この構成によれば、蛇腹筒体は過剰に伸ばされず、蛇腹部材の破損などの技術的課題は生じない。また、蛇腹筒体３１は、液化ガスＬｇの流れに曝されない。

本発明の第５の実施態様は、第４の実施態様において、前記第１取付部材の前記下面と前記内フランジ部の上面（例えば、上面９２ａ）との間に配置され、前記リフトシャフトが前記下降位置に位置しているとき、前記第１取付部材の前記下面と前記内フランジ部の前記上面とに当接する下部シール部材（例えば、第４シール部材１００）と、前記ヘッドプレートの前記下面または前記第２取付部材の下面と、前記下部筐体と、の間に配置される上部シール部材（例えば、第５シール部材１１０）と、を有してなる、封止部材である。
この構成によれば、吐出圧力は、蛇腹筒体には伝播されない。さらに、蛇腹内空間は、下部筐体および蛇腹部材により二重に封止される。

本発明の第６の実施態様は、第１乃至第３のいずれかの実施態様において、前記リフトシャフト（例えば、リフトシャフト２０）は、第１軸部（例えば、第１軸部２１）と、前記第１軸部の外径よりも小さい外径を有し、前記第１軸部よりも下方に配置されて前記貫通孔に挿通される第２軸部（例えば、第２軸部２２）と、を備え、前記ヘッドプレートと前記第１軸部との間に配置されるシャフトシール部材（例えば、第２シール部材５０）を有してなる、封止部材（例えば、封止部材３）である。
この構成によれば、蛇腹筒体は過剰に伸ばされず、蛇腹部材の破損などの技術的課題は生じない。

本発明の第７の実施態様は、第５または第６の実施態様において、前記リフトシャフトを前記ヘッドプレート側に向けて押圧することにより、前記リフトシャフトを前記下降位置に固定するシャフト固定部材（例えば、シャフト固定部材８０）を有してなる、封止部材である。
この構成によれば、吐出圧力がリフトシャフトに加えられても、リフトシャフトは、下降位置に固定される。また、第２、第４シール部材のシール性は、向上する。

本発明の第８の実施態様は、第１乃至第７のいずれかの実施態様において、前記リフトシャフトの前記上昇位置よりも上方への移動を規制する上昇規制部材（例えば、壁部３４ｂ）を有してなり、前記第１取付部材（例えば、第１取付部材３４）は、前記蛇腹筒体の前記下端に隣接するリング板状の底部（例えば、底部３４ａ）と、前記底部の外縁部から上方に延出する壁部（例えば、壁部３４ｂ）と、を備える、封止部材（例えば、封止部材３Ａ）である。
この構成によれば、蛇腹筒体は過剰に収縮されず、蛇腹部材の破損などの技術的課題は生じない。また、リフトシャフトの抜けなどの技術的課題も生じない。

本発明の第９の実施態様は、取扱液に浸漬されるポンプと、前記ポンプを収容する筒状のポンプコラムと、第１乃至第８のいずれかの実施態様に係る封止部材と、を有してなる、サブマージドポンプシステムである。
この構成によれば、ポンプの昇降時における残留ガスの漏洩は、蛇腹部材により防止できる。

１ サブマージドポンプシステム
２ ポンプコラム
３ 封止部材
５ ポンプ
１０ ヘッドプレート
１０ｂ 下面
１１ 挿通孔（貫通孔）
１３ 嵌入部
２０ リフトシャフト
２１ 第１軸部（下降規制部材）
２２ 第２軸部
３０ 蛇腹部材
３１ 蛇腹筒体
３１ａ 下端
３１ｂ 上端
３２ 第１取付部材
３３ 第２取付部材
４０ 第１シール部材（蛇腹シール部材）
５０ 第２シール部材（シャフトシール部材）
８０ シャフト固定部材
Ｌｇ 液化ガス（取扱液）
１Ａ サブマージドポンプシステム
３Ａ 封止部材
１０Ａ ヘッドプレート
１１Ａ 挿通孔（貫通孔）
２０Ａ リフトシャフト
２７ 軸体
３０Ａ 蛇腹部材
３４ 第１取付部材
３４ａ 底部
３４ｂ 壁部（上昇規制部材）
３４ｆ 下面
９０ 下部筐体
９２ 内フランジ部（下降規制部材）
９２ａ 上面
１００ 第４シール部材（下部シール部材）
１１０ 第５シール部材（上部シール部材）

Claims (9)

1. 取扱液内に浸漬されるポンプが収容される筒状のポンプコラムの開口端を封止すると共に、前記ポンプコラム内において前記ポンプを昇降させるとき、前記ポンプを吊り下げ支持する封止部材であって、
   上下方向に延在する貫通孔を有し、前記開口端を塞ぐように前記開口端に取り付けられるヘッドプレートと、
   前記貫通孔を貫通して配置され、前記ポンプの昇降時に上昇位置と下降位置との間で昇降されるリフトシャフトと、
   前記リフトシャフトの軸方向において、前記リフトシャフトの昇降に応じて伸縮する蛇腹部材と、
   を有してなり、
   前記蛇腹部材は、
   前記リフトシャフトのうち、前記ヘッドプレートから下方に突出する突出下部の外周面を覆う蛇腹筒体と、
   前記蛇腹筒体の下端と連続して配置され、前記リフトシャフトの前記突出下部に取り付けられる第１取付部材と、
   前記蛇腹筒体の上端と連続して配置され、前記ヘッドプレートの下面に取り付けられる第２取付部材と、
   を備える、
   封止部材。
2. 前記ヘッドプレートは、前記第２取付部材が嵌入され、前記貫通孔に隣接して前記下面に配置される嵌入部を備える、
   請求項１に記載の封止部材。
3. 前記第１取付部材と前記リフトシャフトの前記突出下部との間に配置される蛇腹シール部材を有してなる、
   請求項１または２に記載の封止部材。
4. 前記第１取付部材の下面に対向する内フランジ部を有し、前記蛇腹筒体の外周面と前記第１取付部材の外周面とを覆い、前記ヘッドプレートの前記下面または前記第２取付部材の下面に取り付けられる下部筐体、
   を有してなる、
   請求項１乃至３のいずれかに記載の封止部材。
5. 前記第１取付部材の前記下面と前記内フランジ部の上面との間に配置され、前記リフトシャフトが前記下降位置に位置しているとき、前記第１取付部材の前記下面と前記内フランジ部の前記上面とに当接する下部シール部材と、
   前記ヘッドプレートの前記下面または前記第２取付部材の前記下面と、前記下部筐体と、の間に配置される上部シール部材と、
   を有してなる、
   請求項４記載の封止部材。
6. 前記リフトシャフトは、
   第１軸部と、
   前記第１軸部の外径よりも小さい外径を有し、前記第１軸部よりも下方に配置されて前記貫通孔に挿通される第２軸部と、
   を備え、
   前記ヘッドプレートと前記第１軸部との間に配置されるシャフトシール部材を有してなる、
   請求項１乃至３のいずれかに記載の封止部材。
7. 前記リフトシャフトを前記ヘッドプレート側に向けて押圧することにより、前記リフトシャフトを前記下降位置に固定するシャフト固定部材を有してなる、
   請求項５または６に記載の封止部材。
8. 前記リフトシャフトの前記上昇位置よりも上方への移動を規制する上昇規制部材を有してなり、
   前記第１取付部材は、
   前記蛇腹筒体の前記下端に隣接するリング板状の底部と、
   前記底部の外縁部から上方に延出する壁部と、
   を備える、
   請求項１乃至７のいずれかに記載の封止部材。
9. 取扱液に浸漬されるポンプと、
   前記ポンプを収容する筒状のポンプコラムと、
   請求項１乃至８のいずれかに記載の封止部材と、
   を有してなる、
   サブマージドポンプシステム。
   
   

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