JP2023025769A - 無機材料を製造する装置及び無機材料を製造する方法 - Google Patents

無機材料を製造する装置及び無機材料を製造する方法 Download PDF

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樹史 吉田
Tatsufumi Yoshida
素志 田村
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Abstract

【課題】製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能な無機材料を製造する装置及び無機材料を製造する方法を提供する。【解決手段】装置10は、不活性ガスを送る送風部100と、上記無機材料となる複数種の無機化合物を、機械的エネルギーによってガラス化することと、ガラス化された上記複数種の無機化合物を、上記送風部100から送られた上記不活性ガスによって吹き上げることと、を繰り返す粉砕部200と、上記不活性ガスによって吹き上げられた上記複数種の無機化合物の少なくとも一部が入り込み、上記複数種の無機化合物の上記少なくとも一部を上記粉砕部200に向けて戻す第1回収部300と、上記送風部100から上記粉砕部200及び上記第1回収部300を経由して上記送風部100にかけて上記不活性ガスを循環させる系Sと、を備え、上記粉砕部200の装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さが0μm以上0.020μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、無機材料を製造する装置及び無機材料を製造する方法に関する。より具体的には、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能な無機材料を製造する装置及び無機材料を製造する方法に関する。
リチウムイオン電池は、一般的に、携帯電話やノートパソコン等の小型携帯機器の電源として使用されている。また、最近では小型携帯機器以外に、電気自動車や電力貯蔵等の電源としてもリチウムイオン電池は使用され始めている。
現在市販されているリチウムイオン電池には、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されている。一方、電解液を固体電解質に替えて、電池を全固体化したリチウムイオン電池(以下、全固体型リチウムイオン電池とも呼ぶ。)は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
近年、このようなリチウムイオン電池の固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が用いられることがある。硫化物系無機固体電解質材料は、原料として硫化リチウム(LiS)および五硫化リン(P)が主成分として用いられる。
は反応性の高い不安定なイオン結晶粉末であり、LiSとメカニカルミリングで化学反応の進行とともに安定状態へと移行するが、安定状態に至るまでの過程では装置内壁面に付着、堆積する。このような粉体の製造過程における付着および堆積を防止する技術として、例えば以下の特許文献に記載されているような表面に微細な凹凸を作るブラスト処理を始めとして、従来様々な取り組みがなされてきた。
特許文献1(特開2017-119902号公報)には、粉体と接触する凹凸面を有する表層部の算術平均粗さ(Ra)が0.4μm以上2.0μm以下であり、上記表層部のビッカース硬度が400以上であることを特徴とする粉体付着抑制チタン部材が記載されている。また、扱う粉体としては、メジアン径1.5μmの銀粒子、メジアン径2.5μmのニッケル粒子、メジアン径23μmの粉体塗料、メジアン径8μmのアルミナが実施例で挙げられている。
特許文献2(特開2017-128101号公報)には、粉体と接触する凹凸面を有する皮膜を有し、上記凹凸面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以上1.6μm以下であり、上記皮膜のビッカース硬度が400以上であることを特徴とする粉体付着抑制部材が記載されている。また、扱う粉体としては、メジアン径1.5μmの銀粒子、メジアン径22.3μmの銅粒子、メジアン径0.3μmのPTFE粒子、メジアン径8μmのアルミナ粒子が実施例で挙げられている。
特開2017-119902号公報 特開2017-128101号公報
しかし、硫化物系無機固体電解質材料の製造において、装置内表面に微細な凹凸を作るブラスト処理では効果がなく、装置内壁面に粉体が付着、堆積することが分かった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、装置内壁面への粉体の付着および堆積を防止し、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能な無機材料を製造する装置及び無機材料を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した。その結果、装置内壁面を算術平均粗さの小さい平滑面とすることで、装置内壁面への粉体の付着および堆積を防止することが可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、
無機材料を製造する装置であって、
不活性ガスを送る送風部と、
上記無機材料となる複数種の無機化合物を、機械的エネルギーによってガラス化することと、ガラス化された上記複数種の無機化合物を、上記送風部から送られた上記不活性ガスによって吹き上げることと、を繰り返す粉砕部と、
上記不活性ガスによって吹き上げられた上記複数種の無機化合物の少なくとも一部が入り込み、上記複数種の無機化合物の上記少なくとも一部を上記粉砕部に向けて戻す第1回収部と、
上記送風部から上記粉砕部及び上記第1回収部を経由して上記送風部にかけて上記不活性ガスを循環させる系と、
を備える装置であって、
上記粉砕部の装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaが0μm以上0.020μm以下である装置
が提供される。
また、本発明によれば、
無機材料を製造する方法であって、
不活性ガスを送風部によって送ることと、
上記無機材料となる複数種の無機化合物を、機械的エネルギーによってガラス化することと、ガラス化された上記複数種の無機化合物を、上記送風部から送られた上記不活性ガスによって吹き上げることと、を粉砕部によって繰り返すことと、
上記不活性ガスによって吹き上げられて第1回収部に入り込んだ上記複数種の無機化合物の少なくとも一部を上記第1回収部から上記粉砕部に向けて戻すことと、
上記送風部から上記粉砕部及び上記第1回収部を経由して上記送風部にかけて上記不活性ガスを循環させることと、
を含む方法
が提供される。
本発明によれば、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能な無機材料を製造する装置及び無機材料を製造する方法を提供することができる。
実施形態に係る装置を示す図である。 図1に示した粉砕部の回転テーブル及び複数のボールの上面図である。 図2のA-A´断面図である。 図3の変形例を示す図である。 本実施形態に係るふるいかけ試験を示す模式図である。 本実施形態に係るふるいかけ試験および押しつけ試験を示す模式図である。 本実施形態に係る押しつけ試験を示す模式図である。 本実施形態に係る押しつけ試験を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、実施形態に係る装置10を示す図である。図2は、図1に示した粉砕部200の回転テーブル212及び複数のボール214の上面図である。図3は、図2のA-A´断面図である。装置10は、複数種の無機化合物(A1)から無機材料(A)を製造する。図1において、図1の上方に向かう方向は、鉛直方向において上方に向かう方向であり、図1の下方に向かう方向は、鉛直方向において下方に向かう方向である。図2では、説明のため、押圧部216を示していない。図3における黒矢印は、複数種の無機化合物(A1)の流れを示している。図3における白矢印は、不活性ガスの流れを示している。
図1を用いて、装置10の概要を説明する。装置10は、送風部100、粉砕部200、第1回収部300及び系Sを備えている。送風部100は、不活性ガスを送る。粉砕部200は、複数種の無機化合物(A1)を、機械的エネルギーによってガラス化することと、ガラス化された複数種の無機化合物(A1)を、送風部100から送られた不活性ガスによって吹き上げることと、を繰り返す。第1回収部300には、不活性ガスによって吹き上げられた複数種の無機化合物(A1)の少なくとも一部が入り込む。第1回収部300は、複数種の無機化合物(A1)の当該少なくとも一部を粉砕部200に向けて戻す。系S(例えば、後述する配管Pa、バッファタンク110、配管Pb、配管Pc及び配管Pi)は、送風部100から粉砕部200及び第1回収部300を経由して送風部100にかけて不活性ガスを循環させる。
このとき、粉砕部200の装置内壁面の算術平均粗さRaを小さくすることにより、装置内壁面への粉体の付着および堆積を防止し、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能な無機材料を製造する装置とすることが可能である。
具体的には、粉砕部200の装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaの上限値が0.02μmであり、0.015μmがさらに好ましく、0.01μmがより好ましく、0.005μmが特に好ましい。
また、粉砕部200の装置内壁面の算術平均粗さRaの下限値は特に限定されないが、例えば、0μm以上であり、0.001μm以上であり、0.003μm以上である。
従来の付着防止技術としては表面に微細な凹凸を作るブラスト処理などが用いられているが、硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉に対しては付着防止の効果が得られないことがわかっている。この理由は定かではないが、硫化物系無機固体電解質材料の原料であるPは反応性の高い不安定なイオン結晶粉末であり、装置内壁面に用いられる金属プレートとの化学的な親和性が高いことが理由として考えられる。装置内壁面に用いられる金属プレート表面部に微細な凹凸が存在することにより装置内壁面の表面積が増えた結果、装置内壁面に対して硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉が強く付着および堆積していると考えられる。
一方、本実施形態に係る装置においては、装置内壁面に用いられる金属プレート表面部の微細な凹凸を小さくした平滑面とすることで装置内壁面の表面積を減らし、硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉と金属プレートの化学反応を進みにくくすることができる。その結果、装置内壁面に対する硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉の付着および堆積を防止できると考えられる。
このような平滑面は、金属プレート表面部に公知の研磨処理を行うことで得られる。公知の研磨処理としては、例えば、バフ研磨である。
また、本実施形態に係る装置において、粉砕部200の装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した最大高さRzの上限値が0.16μmであることが好ましく、0.13μmがさらに好ましく、0.10μmがより好ましく、0.05μmが特に好ましい。粉砕部200の装置内壁面の最大高さRzを上記上限値以下とすることで、装置内壁面に対する硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉の付着および堆積をより好適に防止し、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能である。
また、粉砕部200の装置内壁面の最大高さRzの下限値は特に限定されないが、例えば、0μm以上であり、0.01μm以上であり、0.03μm以上である。
また、本実施形態に係る装置において、粉砕部200の装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した十点平均粗さRzjisの上限値が0.14μmであることが好ましく、0.10μmがさらに好ましく、0.07μmがより好ましく、0.04μmが特に好ましい。粉砕部200の装置内壁面の十点平均粗さRzjisを上記上限値以下とすることで、装置内壁面に対する硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉の付着および堆積をより好適に防止し、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能である。
また、粉砕部200の装置内壁面の十点平均粗さRzjisの下限値は特に限定されないが、例えば、0μm以上であり、0.01μm以上であり、0.03μm以上である。
図1を用いて、装置10の構造を説明する。
装置10は、送風部100、バッファタンク110、粉砕部200、第1回収部300、第1収容部310、第2回収部400、第2収容部410、減圧部500、配管Pa、複数の配管Pb(第5配管)、配管Pc(第2配管)、配管Pd(第6配管)、配管Pe(第1配管)、配管Pf(第3配管)、配管Pg、配管Ph(第4配管)、配管Pi、配管Pj、配管Pk、配管Pl、配管Pm、配管Pn、配管Po、バルブVa1、複数のバルブVb1(第5バルブ)、バルブVc1、バルブVc2(第2バルブ)、バルブVc3、バルブVd1(第6バルブ)、バルブVe1(第1バルブ)、バルブVe2、バルブVf1(第3バルブ)、バルブVg1、バルブVh1、バルブVh2、バルブVi1、バルブVi2、バルブVj1、バルブVk1、バルブVl1、バルブVm1、バルブVn1、バルブVo1、ラインLe(第1ライン)、ラインLh(第2ライン)及び排気ダクトDを備えている。
配管Paは、送風部100のガス出口104と、バッファタンク110のガス入口112と、に通じている。バルブVa1は、配管Paに設けられている。
複数の配管Pbの各々は、バッファタンク110の複数のガス出口114の各々と、粉砕部200の複数のガス入口202の各々と、に通じている。複数のバルブVb1の各々は、複数の配管Pbの各々に設けられている。一例において、粉砕部200の回転テーブル212(詳細は後述する。)の上方から見て、複数の配管Pbは、回転テーブル212の周りに配置されており、具体的には、回転テーブル212の中心(後述する回転軸R)に関して回転対称に配置されている。
配管Pcは、粉砕部200の材料排出管206と、第1回収部300の吸引口302と、に通じている。バルブVc1、バルブVc2及びバルブVc3は、配管Pcに設けられており、粉砕部200の材料排出管206から第1回収部300の吸引口302にかけて、バルブVc1、バルブVc2及びバルブVc3の順に並んでいる。
配管Pdは、粉砕部200の材料供給管204と、第1回収部300の材料排出口304と、に通じている。バルブVd1は、配管Pdに設けられている。
配管Peは、第1収容部310と、第1回収部300の材料供給口308と、に通じている。バルブVe1及びバルブVe2は、配管Peに設けられており、第1収容部310から第1回収部300の材料供給口308にかけて、バルブVe1及びバルブVe2の順に並んでいる。また、バルブVe1は、第1収容部310とともに配管Peに対して着脱可能に取り付けられている。言い換えると、バルブVe1を配管Peから取り外した場合において、第1収容部310及びバルブVe1は、一体にすることができる。さらに配管Peは、バルブVe1とバルブVe2との間においてラインLeと接続されている。配管Peの内部は、ラインLeを介して、真空又は不活性ガスに置換可能になっている。すなわち、ラインLeは、配管Peの内部を減圧することができるとともに、配管Peに不活性ガスを導入することができる。
配管Pfは、配管PcのうちバルブVc1とバルブVc2との間(すなわち、粉砕部200とバルブVc2との間)に位置する部分と、第2回収部400の吸引口402と、に通じている。バルブVf1は、配管Pfに設けられている。
配管Pgは、配管PcのうちバルブVc2とバルブVc3との間に位置する部分と、第2回収部400のガス排出管406と、に通じている。バルブVg1は、配管Pgに設けられている。
配管Phは、第2収容部410と、第2回収部400の材料排出口404と、に通じている。バルブVh1及びバルブVh2は、配管Phに設けられており、第2収容部410から第2回収部400の材料排出口404にかけて、バルブVh1及びバルブVh2の順に並んでいる。さらに配管Phは、バルブVh1とバルブVh2との間において、ラインLhと接続されている。配管Phの内部は、ラインLhを介して、真空又は不活性ガスに置換可能になっている。すなわち、ラインLhは、配管Phの内部を減圧することができるとともに、配管Phに不活性ガスを導入することができる。
配管Piは、第1回収部300のガス排出口306と、送風部100のガス入口102と、に通じている。バルブVi1及びバルブVi2は、配管Piに設けられており、第1回収部300のガス排出口306から送風部100のガス入口102にかけて、バルブVi1及びバルブVi2の順に並んでいる。
配管Pjは、配管Piのうち第1回収部300のガス排出口306と、バルブVi1と、の間に位置する部分と、配管Piのうち送風部100のガス入口102と、バルブVi2と、の間に位置する部分と、に通じている。バルブVj1は、配管Pjに設けられている。
配管Pkは、バッファタンク110の調整口116と、排気ダクトDと、に通じている。バルブVk1は、配管Pkに設けられている。
配管Plは、粉砕部200のガス排出口208と、減圧部500と、に通じている。バルブVl1は、配管Plに設けられている。
配管Pmは、減圧部500と、排気ダクトDと、に通じている。バルブVm1は、配管Pmに設けられている。
配管Pnは、配管Plのうち粉砕部200のガス排出口208と、バルブVl1と、の間に位置する部分と、排気ダクトDと、に通じている。バルブVn1は、配管Pnに設けられている。
配管Poは、配管Piから分岐して排気ダクトDに通じている。具体的には、配管Piは、配管PjのうちバルブVi2と送風部100のガス入口102との間に位置する端部と接続する部分を有している。配管Poは、配管Piのうち、配管Piの当該部分と、送風部100のガス入口102と、の間に位置する部分と、排気ダクトDと、に通じている。バルブVo1は、配管Poに設けられている。
送風部100は、配管Pj内のガスを送風部100のガス入口102から吸引する。また、送風部100は、送風部100のガス入口102から吸引されたガスを、送風部100のガス出口104から排出する。このようにして、送風部100は、配管Paを経由してバッファタンク110にガスを送る。また、送風部100のモータの回転数はインバーター106によって変更可能になっており、送風部100から送られるガスの流量は、モータの回転数に応じて、任意に変更可能となっている。
バッファタンク110のガス入口112には、送風部100から配管Paを経由して送られたガスが入り込む。バッファタンク110内に入り込んだガスは、バッファタンク110の複数のガス出口114を通過して、複数の配管Pbを経由して粉砕部200に送られる。バッファタンク110内におけるガスの圧力は、バルブVk1によって調節されている。
粉砕部200の複数のガス入口202には、バッファタンク110から複数の配管Pbを経由して送られたガスが入り込む。粉砕部200の材料供給管204には、第1収容部310から配管Pe、第1回収部300、配管Pdを経由して送られた材料が入り込む。粉砕部200の材料排出管206からは、粉砕部200内の材料の少なくとも一部及びガスの少なくとも一部が排出される。粉砕部200の内部の圧力は、減圧部500によって減少させることができる。また、粉砕部200の内部のガスは、配管Pnを経由して排気ダクトDに排出させることができる。
第1回収部300は、配管Pc内の材料及びガスを第1回収部300の吸引口302から吸引する。また、第1回収部300は、第1回収部300の吸引口302から吸引された材料を、第1回収部300の材料排出口304から排出する。このようにして、第1回収部300は、配管Pdを経由して粉砕部200に材料を送る。また、第1回収部300は、第1回収部300の吸引口302から吸引されたガスを、第1回収部300のガス排出口306から排出する。このようにして、第1回収部300は、配管Piを経由して送風部100にガスを送る。第1回収部300は、例えば、集塵機である。
第2回収部400は、配管Pc及び配管Pf内の材料及びガスを第2回収部400の吸引口402から吸引する。また、第2回収部400は、第2回収部400の吸引口402から吸引された材料を、第2回収部400の材料排出口404から排出する。このようにして、第2回収部400は、配管Phを経由して第2収容部410に材料を送る。また、第2回収部400は、第2回収部400の吸引口402から吸引されたガスを、第2回収部400のガス排出管406から排出する。第2回収部400は、例えば、サイクロン集塵機である。
ここで、本実施形態に係る装置において、粉体が通過しうる部分の装置内壁面においても、装置内壁面を算術平均粗さの小さい平滑面とすることが好ましい。上記構成を採用することにより、装置内壁面に対する硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉の付着および堆積をより好適に防止し、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能である。なお、粉体が通過しうる部分とは、例えば、第1回収部、第2回収部、第1収容部、第2収容部、第1配管、第2配管、第3配管、第4配管、第5配管および第6配管等が挙げられる。
具体的には、第1回収部、第2回収部、第1収容部、第2収容部、第1配管、第2配管、第3配管、第4配管、第5配管および第6配管から選択される1部または2部以上の部分における装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaの上限値が0.02μmであることが好ましく、0.015μmがさらに好ましく、0.01μmがより好ましく、0.005μmが特に好ましい。上記算術平均粗さRaを上記上限値以下とすることで、装置内壁面に対する硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉の付着および堆積をより好適に防止し、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能である。
また、上記算術平均粗さRaの下限値は特に限定されないが、例えば、0μm以上であり、0.001μm以上であり、0.003μm以上である。
本実施形態に係る装置において、第1回収部、第2回収部、第1収容部、第2収容部、第1配管、第2配管、第3配管、第4配管、第5配管および第6配管から選択される1部または2部以上の部分における装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した最大高さRzの上限値が0.16μmであることが好ましく、0.13μmがさらに好ましく、0.10μmがより好ましく、0.05μmが特に好ましい。上記最大高さRzを上記上限値以下とすることで、装置内壁面に対する硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉の付着および堆積をより好適に防止し、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能である。
また、上記最大高さRzの下限値は特に限定されないが、例えば、0μm以上であり、0.01μm以上であり、0.03μm以上である。
本実施形態に係る装置において、第1回収部、第2回収部、第1収容部、第2収容部、第1配管、第2配管、第3配管、第4配管、第5配管および第6配管から選択される1部または2部以上の部分における装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した十点平均粗さRzjisの上限値が0.14μmであることが好ましく、0.10μmがさらに好ましく、0.07μmがより好ましく、0.04μmが特に好ましい。上記十点平均粗さRzjisを上記上限値以下とすることで、装置内壁面に対する硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉の付着および堆積をより好適に防止し、製造時の回収歩留まりの向上や生成物の物性値の均一化が可能である。
また、上記十点平均粗さRzjisの下限値は特に限定されないが、例えば、0μm以上であり、0.01μm以上であり、0.03μm以上である。
次に、図2及び図3を用いて、粉砕部200の構造を説明する。
粉砕部200は、回転テーブル212、複数のボール214及び押圧部216を有している。図2に示す例において、複数のボール214の数は7つとなっている。ただし、複数のボール214の数は図2に示す例に限定されない。
回転テーブル212は、回転軸Rの周りに回転可能になっている。回転テーブル212の回転軸Rは、回転テーブル212の高さ方向(厚さ方向)に沿って回転テーブル212の中心を通過している。回転テーブル212の高さ方向(厚さ方向)は、鉛直方向に沿っている。複数のボール214は、回転テーブル212の回転軸Rの周りに配置されており、具体的には、回転軸Rに関して回転対称に配置されている。複数のボール214は、回転テーブル212の回転とともに回転する。また、複数のボール214の各々は、回転テーブル212の回転とともに回転する回転軸R1を回転軸として回転可能になっている。各ボール214の回転軸R1は、ボール214の高さ方向(厚さ方向)に沿ってボール214の中心を通過している。ボール214の高さ方向(厚さ方向)は、鉛直方向に沿っている。押圧部216は、回転テーブル212の反対側から複数のボール214を回転テーブル212に向けて押圧する。
次に、図1から図3を用いて、装置10によって、複数種の無機化合物(A1)から無機材料(A)を製造する方法の一例を説明する。
バルブVe1及びバルブVe2を閉じて、第1収容部310に複数種の無機化合物(A1)を収容する。具体的には、まず、第1収容部310をバルブVe1とともに配管Peから取り外す。次いで、第1収容部310に複数種の無機化合物(A1)を収容する。複数種の無機化合物(A1)の収容は不活性ガスでコントロールされた雰囲気(例えばグローブボックス内)で実施する。次いで、バルブVe1が閉じた状態で第1収容部310及びバルブVe1を配管Peに取り付ける。この場合、第1収容部310及びバルブVe1が大気に曝されても、バルブVe1が閉じていることで、第1収容部310内の複数種の無機化合物(A1)は、大気(空気)に暴露されないようにすることができる。また、第1収容部310を取り付けの際、配管Pe内に入り込んだ大気は、配管Peに接続されたラインLeで不活性ガスに置換することができる。これによって、無機化合物(A1)が配管Peを通過する際、無機化合物(A1)が大気(空気)に暴露されないようにすることができる。次いで、バルブVe1、バルブVe2及びバルブVd1を開いて、複数種の無機化合物(A1)を、第1収容部310から配管Pe、第1回収部300及び配管Pdを経由して粉砕部200に送る。すなわち、第1収容部310は、粉砕部200に供給される複数種の無機化合物(A1)を収容している。
さらに、バルブVe1、バルブVe2、バルブVf1、バルブVg1、バルブVh1、バルブVh2、バルブVj1、バルブVl1、バルブVm1、バルブVn1及びバルブVo1を閉じ、バルブVa1、バルブVb1、バルブVc1、バルブVc2、バルブVc3、バルブVd1、バルブVi1及びバルブVi2を開いて、配管PiのうちバルブVi1とバルブVi2との間に位置する部分に不活性ガスを供給する。次いで、バッファタンク110の内部の圧力をバルブVk1によって調節しながら、送風部100を動作させる。これによって、系S、すなわち、送風部100から配管Pa、バッファタンク110、配管Pb、粉砕部200、配管Pc、第1回収部300及び配管Piを経由して送風部100にかけての系は、不活性ガスを循環させ、かつ外部から閉じている(すなわち、系Sは、大気(空気)に暴露されていない。)。
配管PiのうちバルブVi1とバルブVi2との間に位置する部分への不活性ガスの供給は、第1収容部310から粉砕部200へ複数種の無機化合物(A1)を供給する前又は供給した後に行ってもよいし、又は第1収容部310から粉砕部200へ複数種の無機化合物(A1)を供給しながら行ってもよい。また、不活性ガスが供給される位置は、配管PiのうちバルブVi1とバルブVi2との間に位置する部分でなくてもよく、系Sのうちのいずれかの部分であってもよい。さらに、不活性ガスは、系Sのうちの複数の部分(配管PiのうちバルブVi1とバルブVi2との間に位置する部分を含む。)に供給されてもよい。
本実施形態において、導入される不活性ガスは、例えば窒素ガスである。窒素ガスは、例えば、窒素ボンベから窒素精製装置を経由して供給される。この例において、窒素ガスの不純物濃度(例えば、水分濃度又は酸素濃度)を低くすることができる。例えば、窒素ガスの水分濃度は、400ppm以下、好ましくは40ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下にすることができ、窒素ガスの酸素濃度は、400ppm以下、好ましくは40ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下にすることができる。ただし、不活性ガスは、窒素ガスと異なるガスであってもよく、例えば、アルゴンガスであってもよい。
さらに、粉砕部200を動作させる。具体的には、回転テーブル212を回転軸Rの周りに回転させ、各ボール214を回転軸R1の周りに回転させ、押圧部216によって複数のボール214を回転テーブル212に向けて押圧する。粉砕部200の動作は、第1収容部310から粉砕部200へ複数種の無機化合物(A1)を供給する前又は供給した後に開始してもよいし、又は第1収容部310から粉砕部200へ複数種の無機化合物(A1)を供給しながら開始してもよい。粉砕部200は、以下のようにして、複数種の無機化合物(A1)を、機械的エネルギーによってガラス化することと、ガラス化された複数種の無機化合物(A1)を、送風部100から送られた不活性ガスによって吹き上げることと、を繰り返す。
まず、図3において材料供給管204から回転テーブル212に向けて延びる黒矢印で示すように、第1収容部310から供給された複数種の無機化合物(A1)は、材料供給管204を経由して、回転テーブル212の中心又はその周辺(回転軸R及びその周辺)上に到達する。
その後、図3において回転テーブル212の中心(回転軸R)の周辺から両側に向けて延びる2本の黒矢印で示すように、複数種の無機化合物(A1)は、回転テーブル212の回転によって生じる遠心力によって回転テーブル212の中心(回転軸R)からボール214に向けて移動し、回転テーブル212とボール214の間の隙間に入り込む。回転テーブル212とボール214の間の隙間に入り込んだ複数種の無機化合物(A1)は、機械的エネルギーによってガラス化される。具体的には、回転テーブル212とボール214の間の隙間に入り込んだ複数種の無機化合物(A1)には、ボール214の回転と、押圧部216による回転テーブル212へのボール214の押圧と、によって、せん断応力及び圧縮応力が加えられる。当該せん断応力及び当該圧縮応力によって、複数種の無機化合物(A1)はガラス化される。すなわち、複数種の無機化合物(A1)に対して、メカニカルミリングが施されている。
図3において回転テーブル212、複数のボール214及び押圧部216の両側に位置する2本の白矢印で示すように、回転テーブル212の外側では、粉砕部200の下方から上方に向けて不活性ガスの流れが生じている。この流れは、送風部100から粉砕部200のガス入口202を経由して送られた不活性ガスによって生じている。図3において複数のボール214及び押圧部216の両側に位置する2本の黒矢印で示すように、ガラス化された複数種の無機化合物(A1)は、不活性ガスによって吹き上げられる。この時送風部100のモータの回転数はインバーター106によって低く抑えられており、これによって送風部100から粉砕部200に送られる不活性ガスの流量を低く抑え、無機化合物(A1)がなるべく材料排出管206から出ていかないようにする。
図3において押圧部216上において回転テーブル212の外側から回転テーブル212の中心に向けて延びる2本の黒矢印で示すように、不活性ガスによって吹き上げられた複数種の無機化合物(A1)の一部は、押圧部216の上方において回転テーブル212の外側から回転テーブル212の中心に向けて移動する。この複数種の無機化合物(A1)は、材料供給管204から供給された複数種の無機化合物(A1)と同様にして、回転テーブル212の中心又はその周辺(回転軸R及びその周辺)上に到達する。その後、複数種の無機化合物(A1)は、上述した態様と同様の態様によって、メカニカルミリングを施される。
図3において押圧部216の上方において押圧部216の上方に向けて延びる2本の黒矢印で示すように、不活性ガスによって吹き上げられた複数種の無機化合物(A1)の他の一部は、回転テーブル212に戻らずに材料排出管206内に入り込むことがある。例えば、粒子径の小さい複数種の無機化合物(A1)は、回転テーブル212に戻らずに材料排出管206内に入り込みやすい。材料排出管206に入り込んだ複数種の無機化合物(A1)は、配管Pcを経由して第1回収部300に送られ、第1回収部300から配管Pdを経由して粉砕部200の材料供給管204に送られ、回転テーブル212に戻る。したがって、材料排出管206に入り込んだ複数種の無機化合物(A1)であっても、粉砕部200によって再びメカニカルミリングを施すことができる。
粉砕部200のメカニカルミリングが行われている間、上述したように、系S、すなわち、送風部100から配管Pa、バッファタンク110、配管Pb、粉砕部200、配管Pc、第1回収部300及び配管Piを経由して送風部100にかけての系は、不活性ガスを循環させ、かつ外部から閉じている。したがって、複数種の無機化合物(A1)と空気との接触を低減することができる。
粉砕部200によって複数種の無機化合物(A1)にメカニカルミリングが施されることで、複数種の無機化合物(A1)はガラス化され、複数種の無機化合物(A1)から無機材料(A)が製造される。
次に、無機材料(A)を装置10の外部に取り出す方法の一例を説明する。
バルブVc2を閉じ、バルブVf1及びバルブVg1を開き、送風部100のモータに接続されているインバーター106を制御し送風部100のモータの回転数を上げることで、粉砕部200のガス入口202に送られる不活性ガスの流量を増加させる(この段階において、バルブVh1及びバルブVh2は閉じている。)。粉砕部200のガス入口202に送られる不活性ガスの流量が増加することで、粉砕部200内において不活性ガスによって吹き上げられた無機材料(A)は、回転テーブル212にほとんど又は全く戻ることなく、材料排出管206内に送られる。材料排出管206内に送られた無機材料(A)は、配管Pc及び配管Pfを経由して第2回収部400の吸引口402に入り込む。これによって、無機材料(A)は、第2回収部400によって回収される。次いで、バルブVh1及びバルブVh2を開く。これによって、第2回収部400によって回収された無機材料(A)は、配管Phを経由して第2収容部410に入り込む。次いで、バルブVh1及びバルブVh2を閉じる。次いで、第2収容部410を配管Phから取り外す。この場合、バルブVh1及びバルブVh2が閉じていることで、配管Phの内部が大気(空気)に暴露されないようにすることができる。再び第2収容部410を配管Phに取り付ける際は、配管Ph内に入り込んだ大気は、配管Phに接続されたラインLhで不活性ガスに置換することができる。これによって、無機材料(A)が配管Phを通過する際、無機材料(A)が大気(空気)に暴露されないようにすることができる。
次に、減圧部500の動作の一例を説明する。
粉砕部200の内部は、例えば粉砕部200の内部部品(例えば、回転テーブル212、ボール214又は押圧部216)の洗浄によって、大気(気体)に暴露されることがある。この場合、減圧部500によって粉砕部200の内部の圧力を低減することで、粉砕部200の内部の空気を抜くことができる。例えば、複数のバルブVb1、バルブVc1、バルブVd1及びバルブVn1を閉じ、バルブVl1及びバルブVm1を開いて、減圧部500を動作させることができる。
無機材料(A)を加熱することにより、結晶性の向上した無機材料(B)を生成することができる。無機材料(B)としては特に限定されないが、例えば、無機固体電解質材料、正極活物質、負極活物質等が挙げられる。
無機固体電解質材料としては特に限定されないが、硫化物系無機固体電解質材料、酸化物系無機固体電解質材料、その他のリチウム系無機固体電解質材料等を挙げることができる。これらの中でも、硫化物系無機固体電解質材料が好ましい。また、無機固体電解質材料としては特に限定されないが、例えば、全固体型リチウムイオン電池を構成する固体電解質層に用いられるものが挙げられる。
硫化物系無機固体電解質材料としては、例えば、LiS-P材料、LiS-SiS材料、LiS-GeS材料、LiS-Al材料、LiS-SiS-LiPO材料、LiS-P-GeS材料、LiS-LiO-P-SiS材料、LiS-GeS-P-SiS材料、LiS-SnS-P-SiS材料、LiS-P-LiN材料、Li2+X-P材料、LiS-P-P材料等が挙げられる。これらの中でも、リチウムイオン伝導性に優れ、かつ広い電圧範囲で分解等を起こさない安定性を有する点から、LiS-P材料及びLiS-P-LiN材料が好ましい。ここで、例えば、LiS-P材料とは、少なくともLiS(硫化リチウム)とPとを含む無機組成物を機械的エネルギーにより互いに化学反応させることにより得られる無機材料を意味し、LiS-P-LiN材料とは、少なくともLiS(硫化リチウム)とPとLiNとを含む無機組成物を機械的エネルギーにより互いに化学反応させることにより得られる無機材料を意味する。ここで、本実施形態において、硫化リチウムには多硫化リチウムも含まれる。
酸化物系無機固体電解質材料としては、例えば、LiTi(PO、LiZr(PO、LiGe(PO等のNASICON型、(La0.5+xLi0.5-3x)TiO等のペロブスカイト型、LiO-P材料、LiO-P-LiN材料等が挙げられる。
その他のリチウム系無機固体電解質材料としては、例えば、LiPON、LiNbO、LiTaO、LiPO、LiPO4-x(xは0<x≦1)、LiN、LiI、LISICON等が挙げられる。さらに、これらの無機固体電解質の結晶を析出させて得られるガラスセラミックスも無機固体電解質材料として用いることができる。
硫化物系無機固体電解質材料は、構成元素として、Li、P及びSを含んでいるものが好ましい。また、硫化物系無機固体電解質材料は、リチウムイオン伝導性、電気化学的安定性、水分や空気中での安定性及び取り扱い性等をより一層向上させる観点から、当該固体電解質材料中の上記Pの含有量に対する上記Liの含有量のモル比(Li/P)が好ましくは1.0以上10.0以下であり、より好ましくは2.0以上5.0以下であり、さらに好ましくは2.5以上4.0以下であり、さらにより好ましくは2.8以上3.6以下であり、さらにより好ましくは3.0以上3.5以下であり、さらにより好ましくは3.1以上3.4以下、特に好ましくは3.1以上3.3以下である。また、上記Pの含有量に対する上記Sの含有量のモル比(S/P)が好ましくは1.0以上10.0以下であり、より好ましくは2.0以上6.0以下であり、さらに好ましくは3.0以上5.0以下であり、さらにより好ましくは3.5以上4.5以下であり、さらにより好ましくは3.8以上4.2以下、さらにより好ましくは3.9以上4.1以下、特に好ましくは4.0である。ここで、固体電解質材料中のLi、P及びSの含有量は、例えば、ICP発光分光分析又はX線光電子分光法により求めることができる。
無機固体電解質材料の形状としては、例えば粒子状を挙げることができる。粒子状の無機固体電解質材料は特に限定されないが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量基準粒度分布における平均粒子径d50が、好ましくは1μm以上100μm以下であり、より好ましくは3μm以上80μm以下、さらに好ましくは5μm以上60μm以下である。無機固体電解質材料の平均粒子径d50を上記範囲内とすることにより、良好なハンドリング性を維持すると共に、得られる固体電解質膜のリチウムイオン伝導性をより一層向上させることができる。
正極活物質としては特に限定されず、例えば、リチウムイオン電池の正極層に使用可能な正極活物質が挙げられる。例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムマンガン酸化物(LiMn)、固溶体酸化物(LiMnO-LiMO(M=Co、Ni等))、リチウム-マンガン-ニッケル酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)、オリビン型リチウムリン酸化物(LiFePO)等の複合酸化物;CuS、Li-Cu-S化合物、TiS、FeS、MoS、V、Li-Mo-S化合物、Li-Ti-S化合物、Li-V-S化合物、Li-Fe-S化合物等の硫化物系正極活物質;等が挙げられる。これらの中でも、より高い放電容量密度を有し、かつ、サイクル特性により優れる観点から、硫化物系正極活物質が好ましく、Li-Mo-S化合物、Li-Ti-S化合物、Li-V-S化合物がより好ましい。ここで、Li-Mo-S化合物は構成元素としてLi、Mo及びSを含んでいるものであり、通常は原料であるモリブデン硫化物及び硫化リチウムを含む無機組成物を機械的エネルギーにより互いに化学反応させることにより得ることができる。また、Li-Ti-S化合物は構成元素としてLi、Ti及びSを含んでいるものであり、通常は原料であるチタン硫化物及び硫化リチウムを含む無機組成物を機械的エネルギーにより互いに化学反応させることにより得ることができる。Li-V-S化合物は構成元素としてLi、V及びSを含んでいるものであり、通常は原料であるバナジウム硫化物及び硫化リチウムを含む無機組成物を機械的エネルギーにより互いに化学反応させることにより得ることができる。
負極活物質としては特に限定されず、例えば、リチウムイオン電池の負極層に使用可能な負極活物質が挙げられる。例えば、リチウム合金、スズ合金、シリコン合金、ガリウム合金、インジウム合金、アルミニウム合金等を主体とした金属系材料;リチウムチタン複合酸化物(例えばLiTi12);グラファイト系材料等が挙げられる。
複数種の無機化合物(A1)としては、メカニカルミリング及び加熱によって無機材料(B)となる材料が挙げられる。例えば、複数種の無機化合物(A1)は、Li元素を含んでいる。
図4は、図3の変形例を示す図である。
粉砕部200は、カバー部220をさらに有している。カバー部220は、押圧部216の上方に位置している。図4においてカバー部220に沿って延伸する白矢印で示すように、カバー部220は、複数種の無機化合物(A1)を吹き上げる不活性ガスの流れを、粉砕部200の中心(回転テーブル212の回転軸R)かつ粉砕部200の下方に向けている。この場合、カバー部220が設けられていない場合と比較して、不活性ガスによって吹き上げられて材料排出管206に入り込む複数種の無機化合物(A1)の量を減少させることができ、かつ不活性ガスによって吹き上げられて回転テーブル212に戻る複数種の無機化合物(A1)の量を増加させることができる。したがって、カバー部220が設けられていない場合と比較して、粉砕部200のメカニカルミリングの効率を向上させることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、本実施形態において、粉砕部200は、押圧部216によってボール214を回転テーブル212に押し当てている。しかしながら、押圧部216は、ボール214に代えてローラを回転テーブル212に押し当ててもよい。この場合においても、粉砕部200は、複数種の無機化合物(A1)に対してメカニカルミリングを施すことができる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[1]硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉
原料には、LiS(古河機械金属社製、純度99.9%)、P(関東化学社製)およびLiN(古河機械金属社製)をそれぞれ使用した。
これらの粉末をモル比で71.0:23.7:5.3となるように混合し、硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉とした。
[2]テストピース
装置内壁面と同様の材質でできた板において、原料混合粉の付着および堆積について良好な結果が得られれば、本実施形態における装置内でも同様の結果が得られると考えられる。よって、装置内壁面に用いられる材質と同じSUS304を用いて、装置内壁面に見立てたテストピースを作製した。テストピースの作製方法を以下に示す。
<実施例1>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行い、テストピース1とした。バフ研磨後のテストピース1表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは0.005μm、最大高さRzは0.030μm、十点平均粗さRzjisは0.026μmであった。
<実施例2>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行い、テストピース2とした。バフ研磨後のテストピース2表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは0.010μm、最大高さRzは0.065μm、十点平均粗さRzjisは0.058μmであった。
<実施例3>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行い、テストピース3とした。バフ研磨後のテストピース3表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは0.020μm、最大高さRzは0.160μm、十点平均粗さRzjisは0.140μmであった。
<比較例1>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行った。バフ研磨後、ショットの平均粒子径:2μm、吹付圧力:0.5MPa、吹付距離:300mm、吹付角度:90°の条件でブラスト処理を行い、テストピース4とした。ブラスト処理後のテストピース4表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは3.0μm、最大高さRzは18.8μm、十点平均粗さRzjisは17.0μmであった。
<比較例2>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行った。バフ研磨後、ショットの平均粒子径:1μm、吹付圧力:0.5MPa、吹付距離:300mm、吹付角度:90°の条件でブラスト処理を行い、テストピース5とした。ブラスト処理後のテストピース5表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは1.5μm、最大高さRzは7.0μm、十点平均粗さRzjisは6.1μmであった。
<比較例3>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行った。バフ研磨後、ショットの平均粒子径:0.8μm、吹付圧力:0.5MPa、吹付距離:300mm、吹付角度:90°の条件でブラスト処理を行い、テストピース6とした。ブラスト処理後のテストピース6表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは1.0μm、最大高さRzは5.7μm、十点平均粗さRzjisは4.6μmであった。
<比較例4>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行った。バフ研磨後、ショットの平均粒子径:0.3μm、吹付圧力:0.5MPa、吹付距離:300mm、吹付角度:90°の条件でブラスト処理を行い、テストピース7とした。ブラスト処理後のテストピース7表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは0.5μm、最大高さRzは2.4μm、十点平均粗さRzjisは2.1μmであった。
<比較例5>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行った。バフ研磨後、ショットの平均粒子径:0.2μm、吹付圧力:0.5MPa、吹付距離:300mm、吹付角度:90°の条件でブラスト処理を行い、テストピース8とした。ブラスト処理後のテストピース8表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは0.3μm、最大高さRzは1.6μm、十点平均粗さRzjisは1.2μmであった。
<比較例6>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行った。バフ研磨後、ショットの平均粒子径:0.05μm、吹付圧力:0.5MPa、吹付距離:300mm、吹付角度:90°の条件でブラスト処理を行い、テストピース9とした。ブラスト処理後のテストピース9表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは0.1μm、最大高さRzは0.6μm、十点平均粗さRzjisは0.5μmであった。
<比較例7>
SUS304で作製したテストピース(W:100mm×D:100mm×H:2mm)に#800の研磨剤を用いてバフ研磨を行った。バフ研磨後、ショットの平均粒子径:0.01μm、吹付圧力:0.5MPa、吹付距離:300mm、吹付角度:90°の条件でブラスト処理を行い、テストピース10とした。ブラスト処理後のテストピース10表面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaは0.05μm、最大高さRzは0.29μm、十点平均粗さRzjisは0.24μmであった。
[3]ふるいかけ試験
本実施形態の装置において、例えば配管や各収容部においては、多くの硫化物系無機固体電解質材料やその原料混合物が継続的に装置内壁面と接触していると考えられる。よって、各実施例および比較例において、装置内壁面に見立てたテストピースに硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉をふるいかけた際に、テストピースに対する原料混合粉の付着および堆積状況を評価したふるいかけ試験をおこなった。以下、図5に硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740のふるいかけの模式図を、図6にジルコニアボール780により衝撃を与える模式図を示す。図5および図6を参照して、テストピースにおこなったふるいかけ試験の測定方法を説明する。
はじめに、以下に示す実施例および比較例において作成したテストピース710を、水平面720上に設置した治具に乗せた。このとき、水平面720に対するテストピース710の角度が45°となるように調節した。次いで、硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740 10gを、目開き250μmの篩750を用いて、上記水平面720からの高さ760が10cmとなる位置から、硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740がテストピース710全体にふるいかかるようにふるい落とした。さらに、テストピース710の上端からの高さ770が5cmとなる位置から、47gのジルコニアボール780(ニッカトー社製、直径2.5cmの真球状)を、テストピース710の上端のみに当たり、テストピース710の硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740が付着した面には当たらないように3回落とすことで、テストピース710に衝撃を加えた。最後に、衝撃が加わった後のテストピース710の硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740が付着した面をカメラにて撮影し、その写真を画像処理ソフトPaint.net(v4.2.16)にて粉付着部と未付着部に分離、画像解析ソフトImageJ(1.52a)にて粉付着部の面積を測定し、テストピース710の片面の面積に対する割合(付着面積)を算出し、付着面積を以下の3段階から評価した。
〇:テストピースの上記硫化物系無機固体電解質材料が付着した面の面積に対する上記硫化物系無機固体電解質材料の付着面積が10%以下
△:テストピースの上記硫化物系無機固体電解質材料が付着した面の面積に対する上記硫化物系無機固体電解質材料の付着面積が30%以下
×:テストピースの上記硫化物系無機固体電解質材料が付着した面の面積に対する上記硫化物系無機固体電解質材料の付着面積が50%以下
[4]押しつけ試験
本実施形態の装置において、例えば粉砕部においては、押圧部によってボールを回転テーブルに押し当てているために、粉砕部の装置内壁面にも硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉が押し付けられる、もしくは装置内壁面に原料混合粉が衝突する際に一定程度の力が加わっていると考えられる。よって、各実施例および比較例において、装置内壁面に見立てたテストピースに硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉を一定程度の力で押し付けた際に、テストピースに対する原料混合粉の付着および堆積状況を評価した押しつけ試験をおこなった。以下、図7に硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740のふるいかけの模式図を、図8に硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740の押しつけの模式図を、図6にジルコニアボール780により衝撃を与える模式図を示す。図6~図8を参照して、テストピースにおこなった押しつけ試験の測定方法を説明する。
はじめに、以下に示す実施例および比較例において作成したテストピース710を、水平面720上に設置した治具に乗せた。このとき、水平面720に対するテストピース710の角度が0°(水平面720と平行)となるように調節した。その後、硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740 10gを、目開き250μmの篩750を用いて、上記水平面720からの高さ760が10cmとなる位置から、硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740がテストピース710全体にふるいかかるようにふるい落とした。さらに、硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740の上からSUS304プレートを#800の研磨剤でバフ研磨した当て板810を乗せ、その上におもり820 1kgを載せて30秒間静置することで、テストピース710に硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740を押しつけた。静置後、当て板810およびおもり820を外し、治具で3秒かけて0°から45°に傾けた。次いで、テストピース710の上端からの高さ770が5cmとなる位置から、47gのジルコニアボール780(ニッカトー社製、直径2.5cmの真球状)を、テストピース710の上端のみに当たり、テストピース710の硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740が付着した面には当たらないように3回落とすことで、テストピース710に衝撃を加えた。最後に、衝撃が加わった後のテストピース710の硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉740が付着した面をカメラにて撮影し、その写真を画像処理ソフトPaint.net(v4.2.16)にて粉付着部と未付着部に分離、画像解析ソフトImageJ(1.52a)にて粉付着部の面積を測定し、テストピース710の片面の面積に対する割合(付着面積)を算出し、付着面積を以下の3段階から評価した。
〇:テストピースの上記硫化物系無機固体電解質材料が付着した面の面積に対する上記硫化物系無機固体電解質材料の付着面積が10%以下
△:テストピースの上記硫化物系無機固体電解質材料が付着した面の面積に対する上記硫化物系無機固体電解質材料の付着面積が30%以下
×:テストピースの上記硫化物系無機固体電解質材料が付着した面の面積に対する上記硫化物系無機固体電解質材料の付着面積が50%以下
Figure 2023025769000002
実施例では、ふるいかけ試験および押しつけ試験ともに、試験後に原料混合粉のほとんどがテストピースから落ち、装置内壁面への原料混合粉の付着の防止に効果的であった。一方、各比較例では試験後も原料混合粉の多くがテストピースに残り、装置内壁面へ付着が発生しうるものであった。
10 装置
100 送風部
102 ガス入口
104 ガス出口
106 インバーター
110 バッファタンク
112 ガス入口
114 ガス出口
116 調整口
200 粉砕部
202 ガス入口
204 材料供給管
206 材料排出管
208 ガス排出口
212 回転テーブル
214 ボール
216 押圧部
220 カバー部
300 第1回収部
302 吸引口
304 材料排出口
306 ガス排出口
308 材料供給口
310 第1収容部
400 第2回収部
402 吸引口
404 材料排出口
406 ガス排出管
410 第2収容部
500 減圧部
710 テストピース
720 水平面
730 設置角度
740 硫化物系無機固体電解質材料の原料混合粉
750 篩
760 水平面720からの高さ
770 テストピース710の上端からの高さ
780 ジルコニアボール
810 当て板
820 おもり
D 排気ダクト
Le 第1ライン
Lh 第2ライン
Pa 配管
Pb 第5配管
Pc 第2配管
Pd 第6配管
Pe 第1配管
Pf 第3配管
Pg 配管
Ph 第4配管
Pi 配管
Pj 配管
Pk 配管
Pl 配管
Pm 配管
Pn 配管
Po 配管
S 系
Va1 バルブ
Vb1 バルブ
Vc1 バルブ
Vc2 バルブ
Vc3 バルブ
Vd1 バルブ
Ve1 バルブ
Ve2 バルブ
Vf1 バルブ
Vg1 バルブ
Vh1 バルブ
Vh2 バルブ
Vi1 バルブ
Vi2 バルブ
Vj1 バルブ
Vk1 バルブ
Vl1 バルブ
Vm1 バルブ
Vn1 バルブ
Vo1 バルブ

Claims (16)

  1. 無機材料を製造する装置であって、
    不活性ガスを送る送風部と、
    前記無機材料となる複数種の無機化合物を、機械的エネルギーによってガラス化することと、ガラス化された前記複数種の無機化合物を、前記送風部から送られた前記不活性ガスによって吹き上げることと、を繰り返す粉砕部と、
    前記不活性ガスによって吹き上げられた前記複数種の無機化合物の少なくとも一部が入り込み、前記複数種の無機化合物の前記少なくとも一部を前記粉砕部に向けて戻す第1回収部と、
    前記送風部から前記粉砕部及び前記第1回収部を経由して前記送風部にかけて前記不活性ガスを循環させる系と、
    を備える装置であって、
    前記粉砕部の装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaが0.02μm以下である装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、
    前記粉砕部の装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した最大高さRzが0.16μm以下である装置。
  3. 請求項1または2に記載の装置において、
    前記粉砕部の装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した十点平均粗さRzjisが0.14μm以下である装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の装置において、
    前記粉砕部に供給される前記複数種の無機化合物を収容する第1収容部と、
    前記第1回収部と、前記第1収容部と、に通じる第1配管と、
    前記第1収容部とともに前記第1配管に対して着脱可能に取り付けられた第1バルブと、
    をさらに備える装置。
  5. 請求項4に記載の装置において、
    前記第1配管に不活性ガスを導入する第1ラインをさらに備える装置。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の装置において、
    前記不活性ガスによって吹き上げられた前記無機材料が入り込む第2回収部と、
    前記粉砕部と、前記第1回収部と、に通じる第2配管と、
    前記第2配管に設けられた第2バルブと、
    前記第2配管のうち前記粉砕部と前記第2バルブとの間に位置する部分と、前記第2回収部と、に通じる第3配管と、
    前記第3配管に設けられた第3バルブと、
    をさらに備える装置。
  7. 請求項6に記載の装置において、
    前記第2回収部によって回収された前記無機材料を収容する第2収容部と、
    前記第2回収部と、前記第2収容部と、に通じる第4配管と、
    前記第4配管に不活性ガスを導入する第2ラインと、
    をさらに備える装置。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の装置において、
    前記送風部と、前記粉砕部と、をつなぐ第5配管と、
    前記第5配管に設けられた第5バルブと、
    前記複数種の無機化合物の前記少なくとも一部を前記第1回収部から前記粉砕部に向けて戻す第6配管と、
    前記第6配管に設けられた第6バルブと、
    をさらに備える装置。
  9. 請求項8に記載の装置において、
    第1回収部、第2回収部、第1収容部、第2収容部、第1配管、第2配管、第3配管、第4配管、第5配管および第6配管から選択される1部または2部以上の部分における装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した算術平均粗さRaが0.02μm以下である装置。
  10. 請求項8または9に記載の装置において、
    第1回収部、第2回収部、第1収容部、第2収容部、第1配管、第2配管、第3配管、第4配管、第5配管および第6配管から選択される1部または2部以上の部分における装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した最大高さRzが0.16μm以下である装置。
  11. 請求項8~10のいずれか一項に記載の装置において、
    第1回収部、第2回収部、第1収容部、第2収容部、第1配管、第2配管、第3配管、第4配管、第5配管および第6配管から選択される1部または2部以上の部分における装置内壁面のJIS B 0601(2013)に従って測定した十点平均粗さRzjisが0.14μm以下である装置。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の装置において、
    前記粉砕部の内部の圧力を減少させる減圧部をさらに備える装置。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の装置において、
    前記粉砕部は、回転テーブルと、前記回転テーブルの回転軸の周りに配置され、前記回転テーブルの回転とともに回転する回転軸に関して各々が回転可能な複数のボールと、前記回転テーブルの反対側から前記複数のボールを前記回転テーブルに向けて押圧する押圧部と、を有する、装置。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の装置において、
    前記粉砕部は、前記複数種の無機化合物を吹き上げる前記不活性ガスの流れを、前記粉砕部の中心かつ前記粉砕部の下方に向けるカバー部を有する、装置。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載の装置において、
    前記複数種の無機化合物は、Li元素を含む、装置。
  16. 無機材料を製造する方法であって、
    不活性ガスを送風部によって送ることと、
    前記無機材料となる複数種の無機化合物を、機械的エネルギーによってガラス化することと、ガラス化された前記複数種の無機化合物を、前記送風部から送られた前記不活性ガスによって吹き上げることと、を粉砕部によって繰り返すことと、
    前記不活性ガスによって吹き上げられて第1回収部に入り込んだ前記複数種の無機化合物の少なくとも一部を前記第1回収部から前記粉砕部に向けて戻すことと、
    前記送風部から前記粉砕部及び前記第1回収部を経由して前記送風部にかけて前記不活性ガスを循環させることと、
    を含む方法。
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