JP2023025620A - スチレン系樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、バイオマス原料を使用することにより環境負荷を低減し、射出成形時の金型汚れが少なく、かつ機械的強度を兼ね備える高流動性を示すスチレン系樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とする。【解決手段】本開示は、スチレン系重合体(A-1)を含むポリマーマトリックス相及び当該ポリマーマトリックス相に分散されるゴム状重合体粒子(A-2)を含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)85.0~99.9質量%と、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上のバイオマス可塑剤(B)0.1~15質量%と、を含有し、200℃、49N荷重の条件で測定したメルトマスフローレートが10~80であることを特徴とする、スチレン系樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明はスチレン系樹脂組成物及び該スチレン系樹脂からなる成形品に関する。
スチレン系樹脂はその成形性・機械的強度から雑貨用品や家電用品など多用途に使用されている。また、環境負荷低減の観点からバイオマス原料が注目されており、スチレン系樹脂と天然由来原料の複合材料開発が進められている。例えば、特許文献1には、ゴム変性ポリスチレンとポリ乳酸とスチレン単量体単位含有熱可塑性エラストマーとを含むスチレン系樹脂組成物が開示されている。
スチレン系樹脂分野の中でも近年、射出成形用途分野においては生産性向上のため、樹脂の流動性を高め、成形サイクルに要する時間を短縮することが求められている。また、樹脂の流動性を上げることで、射出成形冷却時に成形品に発生する残留応力が低下し、残留歪みが低減する。残留歪みが低減されると成形品の機械的強度が向上することが知られているため、樹脂の高流動化により、機械的強度の向上も期待できる。
一般的には、樹脂の流動性を上げるために可塑剤として多量の流動パラフィンが使用されているが、成形時に低沸点成分が揮発し、金型や成形品に汚れが生じる問題点がある。例えば、特許文献2には面衝撃と剛性、流動性のバランスに優れたゴム変性スチレン系樹脂の製造方法が開示されている。また、成形時の金型汚れを防ぎながらも樹脂の流動性を高めるため、樹脂の分子量、分子量分布を調節する手法も考えられている。例えば、特許文献3では流動パラフィンを添加せずに分子量、分子量分布を調節して高流動かつ金型付着物が少ないスチレン系樹脂の製造方法が開示されている。
特開2016-199652号公報 特開平10-251355号公報 特開2017-222770号公報
上記特許文献1の技術は、スチレン系樹脂と植物由来の生分解性ポリマーの中では比較的高い融点、強靭性を備えたポリ乳酸とのポリマーアロイを検討しているが、スチレン系樹脂に対するポリ乳酸の相溶性は非常に低いため、市場において要求される耐衝撃性又は伸縮性など機械的特性を満足する製品設計を行うことが難しいという問題がある。また、ポリ乳酸はスチレン系樹脂と非相溶であるため、破材のリサイクルを行うのが困難であるという問題もある。
上記特許文献2の技術は、面衝撃性と剛性、流動性のバランスに優れたゴム変性スチレン系樹脂の製造方法について検討しているが、流動パラフィンを多量に使用しているため射出成形時の揮発成分量が多くなる。その結果、成形時の金型汚れは悪化すると考えられる。また、上記特許文献3の技術は、高流動かつ金型付着分の少ないスチレン系樹脂を検討しているが、樹脂の分子量が低いためシャルピー衝撃強度や成形品の伸縮性を低下させずに製品設計することは難しい。また、環境負荷低減を目的として近年注目されているバイオマス原料は使用されていない。
そのため、上記特許文献1~3の技術では、機械的強度を高い水準で維持しつつ、成形時の金型汚れの低減と成形サイクルの効率化については検討していない。そこで、本発明はバイオマス原料を使用することにより環境負荷を低減し、射出成形時の金型汚れが少なく、かつ高い機械的強度を備え、成形サイクルに優れたスチレン系樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題点に鑑み、鋭意研究し、実験を重ねた結果、ゴム変性スチレン系樹脂(A)と、高沸点・高粘度を有するバイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上のバイオマス可塑剤(B)とを特定の比率で混合したゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いることにより、上記の課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、スチレン系重合体(A-1)を含むポリマーマトリックス相及び当該ポリマーマトリックス相に分散されるゴム状重合体粒子(A-2)を含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)85.0~99.9質量%と、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上のバイオマス可塑剤(B)0.1~15質量%と、を含有する、200℃、49N荷重の条件で測定したメルトマスフローレートが10~80であるスチレン系樹脂組成物である。
本発明によれば、環境負荷の低減、かつ高い機械的強度と優れた成形サイクルとのバランスに優れ、射出成形時の金型汚れが少ないスチレン系樹脂組成物及び当該スチレン系樹脂組成からなる射出成形品を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[スチレン系樹脂組成物]
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、スチレン系重合体(A-1)を含むポリマーマトリックス相及び当該ポリマーマトリックス相に分散されるゴム状重合体粒子(A-2)を含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)85~99.9質量%と、バイオマス炭素比率(pMC比)が10%以上のバイオマス可塑剤(B)0.1~15質量%と、を含有する。
換言すると、本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、当該スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、ゴム変性スチレン系樹脂(A)85~99.9質量%及びバイオマス可塑剤(B)0.1~15質量%を含有し、前記ゴム変性スチレン系樹脂(A)はスチレン系重合体(A-1)を含むポリマーマトリックス相及びゴム状重合体粒子(A-2)を含有する。
これにより、環境負荷の低減、高い機械的強度と優れた成形サイクルとのバランスに優れ、かつ射出成形時に金型汚れが少ないスチレン系樹脂組成物を提供できる。
<ゴム変性スチレン系樹脂(A)(以下、(A)成分とも称する)>
本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物はゴム変性スチレン系樹脂(A)を含有する。そして、本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の含有量は、スチレン系樹脂組成物全体(100質量%)に対して、85.0~99.9質量%であり、好ましくは90.0~99.0質量%である。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)とは、ポリマーマトリクス相としてのスチレン系重合体(A-1)中にゴム状重合体の粒子(ゴム状重合体粒子(A-2)と称する。)が分散したものであり、ゴム状重合体の存在下でスチレン系単量体を重合させることにより製造することができる。
-ポリマーマトリックス相-
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)を構成する単量体としては、スチレン系単量体(a)またはスチレン系化合物と共重合可能なビニル系単量体(b)であることが好ましい。
スチレン系重合体(A-1)を構成する単量体のうち、スチレン系単量体(a)の含有量は50~100質量%が好ましく、より好ましくは60~100質量%、さらに好ましくは70~100質量%、さらにより好ましくは80~100質量%、よりさらに好ましくは90~100質量%である。含有量は、それぞれ、プロトン核磁気共鳴(H-NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から求めることができる。
スチレン系単量体(a)としては、スチレンの他に、例えばα―メチルスチレン、α―メチルp-メチルスチレン、о―メチルスチレン、m-メチルスチレン、p―メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられる。特にスチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、1種又は2種以上使用することができる。
本実施形態において、ビニル系単量体(b)としては、特に限定されないが例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸エステル単量体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態において、ポリスチレンとはスチレン系単量体(a)を重合した単独重合体であり、一般的に入手できるものを適宜選択して用いることができる。ポリスチレンを構成するスチレン系単量体(a)としては、スチレンの他に、α-メチルスチレン、α-メチル-p-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられる。特に工業的観点からスチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体(a)は、1種又は2種以上使用することができる。ポリスチレンは本発明の効果を損なわない範囲で、上記のスチレン系単量体(a)単位以外の単量体単位をさらに含有することを排除しないが、典型的にはスチレン系単量体(a)単位からなる。
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)の重量平均分子量(Mw)は100,000~300,000であることが好ましく、より好ましくは120,000~250,000、さらに好ましくは140,000~200,000である。重量平均分子量(Mw)が100,000~300,000である場合、機械的強度と流動性とのバランスにより優れる樹脂が得られ、またゲル物の混入も少ない。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、標準ポリスレン換算で得られる値である。
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)又は本実施形態のスチレン系樹脂組成物中にはアクロニトリル単量体単位、メタクリロニトリル単量体単位等のシアン化ビニル系単量体を実質的に含有しないことが好ましい。具体的には、ビニル系単量体(b)の総量に対して、シアン化ビニル系単量体が10質量%以下含有することが好ましく、5質量%以下含有することがより好ましく、2質量%以下含有することがさらに好ましい。
-ゴム状重合体-
本実施形態のゴム変性スチレン系樹脂(A)に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)は、例えば、内側にスチレン系重合体(A-1)を内包してもよく、及び/又は外側にスチレン系重合体(A-1)がグラフトされてもよい。また、本実施形態のゴム状重合体粒子(A-2)は、コアとしてのスチレン系重合体(A-1)と、当該コアを包摂するシェルとしてのゴム状重合体とから構成される、コアシェル構造体だけでなく、複数のコアとしてのスチレン系重合体(A-1)と、当該複数のコアとしてのスチレン系重合体(A-1)を包摂するシェルとしてのゴム状重合体とから構成される、サラミ構造体を含む。
本実施形態のゴム状重合体又はゴム状重合体粒子(A-2)の材料としては、例えば、ポリブタジエン、ポリスチレンを内包するポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、ポリクロロプレン、スチレンーブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体等を使用できるが、ポリブタジエン又はスチレンーブタジエン共重合体が好ましい。ポリブタジエンには、シス含有率の高いハイシスポリブタジエン及びシス含有率の低いローシスポリブタジエンの双方を用いることができる。また、スチレンーブタジエン共重合体の構造としては、ランダム構造及びブロック構造の双方を用いることができる。これらのゴム状重合体は1種若しくは2種以上使用することもできる。また、ブタジエン系ゴムを水素添加した飽和ゴムを使用することもできる。
このようなゴム変性スチレン系樹脂(A)の例としては、HIPS(高衝撃ポリスチレン)、ABS樹脂(アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体)、AES(アクリロニトリルーエチレンプロピレンゴムースチレン共重合体)等が挙げられる。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体の含有量(ゴム状重合体(例えば、ポリブタジエンなどの共役ジエン系ポリマー)自体の含有量であり、ゴム状重合体粒子(A-2)内に内包されるスチレン系重合体(A-1)は含まれない。)は、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の総量(100質量%)に対して、1.0~15質量%が好ましく、より好ましくは1.2~12質量%、さらに好ましくは1.5~10質量%である。ゴム状重合体の含有量が1.0質量%未満の場合、スチレン系樹脂組成物全体の耐衝撃性が低下する危惧がある。また、ゴム状重合体の含有量が15質量%を超えるとスチレン系樹脂組成物全体の流動性が低下する危惧がある。
なお、本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体の含有量は、実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)の含有量(ゴム状重合体(例えば、ポリブタジエンなどの共役ジエン系ポリマー)自体の含有量と、ゴム状重合体粒子(A-2)内に内包されるスチレン系重合体(A-1)の含有量とを含む。)は、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の総量(100質量%)に対して、4~30質量%が好ましく、より好ましくは6~20質量%であり、さらに好ましくは8~18質量%である。
なお、本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)の含有量は、実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒子径は0.3~5.0μmであり、耐衝撃性の観点から好ましくは0.8~3.5μmである。なお、本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒子径は、実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれるスチレン系重合体(A-1)の還元粘度(これは、スチレン系重合体(A-1)の分子量の指標となる。)は、0.50~0.85dL/gの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.55~0.80dL/gの範囲である。スチレン系重合体(A-1)の還元粘度が0.50dL/gより小さいと衝撃強度が低下し、当該還元粘度が0.85dL/gを超えると流動性が低下する。
なお、本開示でスチレン系重合体(A-1)の還元粘度は、トルエン溶液中で30℃、濃度0.5g/dLの条件で測定される値である。
-ゴム変性スチレン系樹脂(A)の製造方法-
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)の製造方法は、特に制限されるものではないが、ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体(及び溶媒)を重合する塊状重合(若しくは溶液重合)、又は反応途中で懸濁重合に移行する塊状―懸濁重合、又はゴム状重合体ラテックスの存在下、スチレン系単量体を重合する乳化グラフト重合にて製造することができる。塊状重合においては、ゴム状重合体とスチレン系単量体、並びに必要に応じて有機溶媒、有機過酸化物、及び/又は連鎖移動剤を添加した混合溶液を、完全混合型反応器又は槽型反応器と複数の槽型反応器とを直列に連結し構成される重合装置に連続的に供給することにより製造することができる。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂(A)のポリマーマトリックス相であるスチレン系重合体(A-1)の重合方法は、特に制限はないが例えば、ラジカル重合法として、塊状重合法又は溶液重合法を好適に採用できる。重合方法は、主に、重合原料(単量体成分)を重合させる重合工程と、重合生成物から未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する脱揮工程とを備える。
以下、本実施形態に用いることができるスチレン系重合体(A-1)の重合方法の一例について説明する。
当該スチレン系重合体(A-1)を得るために重合原料を重合させる際には、重合原料組成物中に、典型的には重合開始剤及び連鎖移動剤を含有させる。
スチレン系重合体(A-1)の重合に用いられる重合開始剤としては、有機過酸化物、例えば、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート等のペルオキシケタール類、ジ-t-ブチルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド類、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t-ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル類、アセチルアセトンペルオキシド等のケトンペルオキシド類、t-ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等を挙げることができる。分解速度と重合速度との観点から、なかでも、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサンが好ましい。単量体の合計量に対して0.005~0.08質量%添加することが好ましい。
スチレン系重合体(A-1)の重合に用いられる連鎖移動剤としては、例えばα-メチルスチレンリニアダイマー、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、1-フェニルー2-フルオレン、ジベンテン、クロロホルムなどのメルカプタン類、テルペン類、ハロゲン化合物、テレピノーレン等のテレピン類等を挙げることができる。この連鎖移動剤の使用量は、特に制限はないが、一般的には単量体に対して、0.005~0.3重量%程度添加することが好ましい。
スチレン系重合体(A-1)の重合方法としては、必要に応じて、重合溶媒を用いた溶液重合を採用できる。用いられる重合溶媒としては、芳香族炭化水素類、例えば、エチルベンゼン、ジアルキルケトン類、例えば、メチルエチルケトン等が挙げられ、それぞれ、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。重合生成物の溶解性を低下させない範囲で、他の重合溶媒、例えば脂肪族炭化水素類等を、芳香族炭化水素類にさらに混合することができる。これらの重合溶媒は、全単量体100質量部に対して、25質量部を超えない範囲で使用するのが好ましい。全単量体100質量部に対して重合溶媒が25質量部を超えると、重合速度が著しく低下し、且つ得られる樹脂の機械的強度の低下が大きくなる傾向がある。重合前に、全単量体100質量部に対して5~20質量部の割合で添加しておくことが、品質が均一化し易く、重合温度制御の点でも好ましい。
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)を得るための重合工程で用いる装置は、特に制限はなく、スチレン系樹脂の重合方法に従って適宜選択すればよい。例えば、塊状重合を採用する場合には、完全混合型反応器を1基、又は複数基連結した重合装置を用いることができる。また脱揮工程についても特に制限はない。例えば、塊状重合を採用する場合、最終的に未反応モノマーが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下になるまで重合を進め、かかる未反応モノマー等の揮発分を除去するために、既知の方法にて脱揮処理する。より詳細には、例えば、フラッシュドラム、二軸脱揮器、薄膜蒸発器、押出機等の通常の脱揮装置を用いることができるが、滞留部の少ない脱揮装置が好ましい。なお、脱揮処理の温度は、通常、190~280℃程度であり、190~260℃がより好ましい。また脱揮処理の圧力は、通常0.13~4.0kPa程度であり、好ましくは0.13~3.0kPaであり、より好ましくは0.13~2.0kPaである。脱揮方法としては、例えば加熱下で減圧して揮発分を除去する方法、及び揮発分除去の目的に設計された押出機等を通して除去する方法が望ましい。
<バイオマス可塑剤(B)(以下、(B)成分とも称する。)>
本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物は、バイオマス可塑剤(B)を含有する。そして、当該バイオマス可塑剤(B)は、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上である。バイオマス炭素比率(pMC%)が上記範囲であれば、化石燃料の使用量を削減することができるため、環境負荷を低減しうるスチレン系樹脂組成物を提供できる。
本実施形態において、バイオマス炭素比率(pMC%)の下限は、好ましくは10%以上、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは50%以上、さらにより好ましくは75%以上である。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、バイオマス可塑剤(B)の含有量は、0.1~15質量%である。バイオマス可塑剤(B)の含有量の下限は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上である。バイオマス可塑剤(B)の含有量の上限は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、さらに好ましくは9質量%以下、さらにより好ましくは7質量%以下である。
バイオマス可塑剤(B)の含有量が多すぎると揮発成分が増え、金型汚れが増える。また、バイオマス可塑剤(B)の含有量が15%を超えるとブリードアウトする傾向を示す。一方、バイオマス可塑剤(B)の含有量が少なすぎると流動性が低下するため、成形温度が上昇し、結果として冷却時間が長くなり生産性が落ちる傾向を示す。
バイオマス可塑剤(B)はスチレン系樹脂組成物中に均一に分散していることが好ましい。より詳細には、例えば、スチレン系樹脂組成物の表面にバイオマス可塑剤(B)の単層を形成する、外部滑剤(例えば、重合体溶融物に不溶な滑剤)でないことが好ましい。バイオマス可塑剤(B)をスチレン系樹脂組成物中に均一に分散させる方法としては、例えば、ゴム変性スチレン系樹脂(A)とバイオマス可塑剤(B)を押出機で混練する方法や、重合原料を重合させる際に、重合原料組成物中に、バイオマス可塑剤(B)を含有させる方法などが挙げられる。
本明細書におけるバイオマス炭素比率(pMC%)とは、バイオマス由来成分の炭素濃度(質量比率)を示すものであり、より詳細には、ASTM-D6866に準拠した放射性炭素(14C)測定方法によって得られた14C含有量の値である。当該放射性炭素(14C)測定方法は、化石燃料には14Cを含まず、かつバイオマス(又は生物)由来炭素は成長した時期の大気中14Cを吸収していることを利用して、バイオマス材料(又は生物)に含まれる炭素中の14C比率からバイオマス炭素比率(pMC%)を推定する方法である。
したがって、本実施形態の可塑剤中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明においては、後述の実施例の欄で記載する方法を用いて、以下の式(1)により、バイオマス炭素比率(pMC%)を算出する。
式(1):
バイオマス炭素比率(pMC%)=(14C可塑剤/12C可塑剤)/(14C標準物質/12C標準物質)×100
また、標準物質はシュウ酸(SRM4990)を使用し、AMS法により(14C可塑剤/12C可塑剤)/(14C標準物質/12C標準物質)を算出した。
本実施形態のバイオマス可塑剤の重量平均分子量(Mw)は、200~7500であることが好ましく、より好ましくは300~5000、さらに好ましくは400~3000である。バイオマス可塑剤の重量平均分子量(Mw)が200~7500である場合、機械的強度と流動性とのバランスにより優れるスチレン系樹脂組成物が得られ、またゲル物の混入も少ない。なお、重量平均分子量(Mw)は、後述の実施例の欄に記載の通り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、標準ポリスチレン換算で得られる値である。
本実施形態におけるバイオマス可塑剤とは、バイオマス材料を原料の一部又は全部に使用する可塑剤をいい、バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上の可塑剤をいう。本実施形態のバイオマス可塑剤は、植物由来のバイオマス材料を少なくとも原料の一部に使用し、かつバイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上の可塑剤であり、植物油、植物油と鉱油との混合物、あるいはポリエステル系可塑剤であることが好ましく、天然植物油、変性植物油、天然植物油と鉱油との混合物、変性植物油と鉱油との混合物、天然植物油と変性植物油と鉱油との混合物、あるいはポリエステル系可塑剤であることがより好ましい。
なお、本明細書における植物油は、植物由来の油脂の総称であり、天然植物油及び変性植物油を含む。
本実施形態において、バイオマス可塑剤は変性植物油を用いても良い。変性植物油は植物油を原料とした化合物をいい、より詳細には、植物起源の炭化水素系油の一部を官能基により変性されたものであり、植物油がエポキシ基、アミノ基又はエステル結合により変性されていることが好ましい。当該植物油としては、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル体、植物油にモノアルコールを加え、エステル交換反応により得られた脂肪酸モノエステル、脂肪酸とモノアルコールとをエステル化反応させた脂肪酸モノエステル、及び脂肪酸から誘導されるエーテルを含む。
本実施形態における変性植物油の変性基(エポキシ基、アミノ基又はエステル結合の官能基)は、スチレン系樹脂組成物中、他の成分(スチレン系樹脂(A)も含む)又は変性植物油同士と実質的に重合しないことが好ましい。また、本実施形態において、前記変性植物油1gあたりの前記変性植物油の変性率が、1mmol%~50mmol%であることが好ましい。
上記変性植物油の変性率は、後述の実施例に記載の通りH-NMR測定法により算出する。
上記天然植物油の具体例としては、例えば、綿実油、キリ油、シアオイル、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、冬カボチャ油、雑穀油、オオムギ油、キノア油、ライ麦油、ククイ油、トケイソウ油、シアバター、アロエベラ油、甘扁桃油、桃核油、大豆油、カシュー油、ピーナッツ油、アボカド油、バオバブ油、ルリヂサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、椿油、キャノーラ油、ニンジン油、サフラワー油、亜麻油、アブラナ種子油、綿実油、ココナツ油、カボチャ種子油、小麦胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカデミア油、コーン油、メドフォーム油、モノイオイル、ヘイゼルナッツ油、杏仁油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、ブラックカラント種油、キーウィ種子油、グレープシード油、ピスタチオ油、ジャコウバラ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ヒマシ油、スイカ油又はこれら油の混合物が挙げられる。
本実施形態において変性植物油は、上記例示した天然植物油を水素化した油(例えば、水素化ヒマシ油);上記例示した天然植物油をエポキシ化した油(例えば、変性エポキシ化油);上記例示した天然植物油をアミノ化した油(例えば、変性アミノ化油)が挙げられる。当該変性エポキシ化油には、水酸化変性大豆油等に代表されるエポキシ官能基が開環した油、及び予め直接的に水酸化された油、カシュー油ベースのポリオールを含む。
本実施形態のバイオマス可塑剤(B)の具体例としては、例えば、パーム油、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油、オレイン酸エステル又はラウリン酸エステルが挙げられ、DIC株式会社製の「ポリサイザーW-1810-BIO」、「エポサイザー」;日油株式会社製の「ニューサイザー510R」、「ニューサイザー512」、;竹本油脂株式会社製の「パイオニンDシリーズ」;日清オイリオグループ株式会社製の「マルチエース20(S)」、「精製パーム油(S)」が挙げられる。
本実施形態において、植物油(天然植物油及び変性植物油を含む。)の粘度は、25℃で1000mPa・s以下であることが好ましく、50~1000mPa.sであることがより好ましく、100~800mPa.sであることがさらにより好ましい。
本実施形態におけるバイオマス可塑剤(B)の融点は、-30~80℃であることが好ましく、より好ましくは-25~77℃、さらに好ましくは-22℃~74℃、よりさらに好ましくは-18℃~70℃、さらにより好ましくは-15℃~67℃、さらにより好ましくは―10℃~64℃、さらにより好ましくは-8℃~61℃、特に好ましくは-3℃~58℃である。バイオマス可塑剤(B)の融点が-30~80℃の範囲であると、ゴム変性スチレン系樹脂(A)のポリマーマトリックス相との相容性がより向上し、スチレン系樹脂組成物中にバイオマス可塑剤(B)が分散しやすくなる。また、バイオマス可塑剤(B)の融点が-30℃より低いと揮発成分が多くなり、金型汚れが増える傾向を示す。バイオマス可塑剤(B)の融点が80℃より高いと溶融しにくいため添加する操作が難しくなる。
本実施形態において、スチレン系重合体(A-1)のSP値とバイオマス可塑剤(B)のSP値((cal/cm1/2)との差は好ましくは±2.5未満、より好ましくは±2.3未満、さらに好ましく±2.0、よりさらに好ましくは±1.8未満、さらにより好ましくは±1.5未満、よりさらにより好ましくは±1.3未満、特に好ましくは±1.0未満である。スチレン系重合体(A-1)のSP値とバイオマス可塑剤(B)のSP値との差が、±2.5以上であると両者が相容しにくくなる。
また、本実施形態におけるスチレン系重合体(A-1)のSP値は、7~11((cal/cm1/2)であることが好ましく、より好ましくは7.5~10((cal/cm1/2)、さらに好ましくは8.0~9.5((cal/cm1/2)、よりさらに好ましくは8.0~9.0((cal/cm1/2)である。
本実施形態において規定する溶解度パラメータ(SP値)は、下式に示す凝集エネルギー密度の関数を用いて算出している。
SP値((cal/cm1/2)=(△E/V)1/2 式(1)
(△Eは、分子間凝集エネルギー(蒸発熱)を示し、Vは、混合液の全体積を示し、△E/Vは、凝集エネルギー密度を示す。)
また、混合による熱量変化△Hmは、SP値を用いて次の式で示される。
△Hm=V(δ-δ)・Φ1・Φ2 ・・・式(2)
(δは、溶媒のSP値を示し、δは、溶質のSP値を示し、Φは、溶媒の体積分率を示し、Φは、溶質の体積分率を示す。)
上記の式(1)及び(2)より、δ及びδの値が近いほど、△Hmは小さくなり、ギムスの自由エネルギーが小さくなるため、SP値の差が小さいもの同士は親和性が高くなる。
本明細書におけるSP値を求める方法としては、SP値が既知の各種溶剤との樹脂の溶解性を比較することで、最も良く相溶する溶剤のSP値から未知の樹脂のSP値を算出しており、具体的には濁度滴定法を用いて算出した。本実施形態では、主にモノマー組成から計算により求めた値を用いる。
本実施形態において、鉱油としては、例えば、パラフィン系原油(流動パラフィンを含む。)、中間基系原油、ナフテン系原油等の原油を常圧蒸留して得られる常圧残油;これらの常圧残油を減圧蒸留して得られる留出油;当該留出油を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱蝋、接触脱蝋、水素化精製等の精製処理を1つ以上施して得られる鉱油;フィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス)を異性化することで得られる鉱油等が挙げられる。これらの鉱油は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
本実施形態において、バイオマス可塑剤(B)として植物油と鉱油とを混合して使用する場合、バイオマス可塑剤(B)全体のバイオマス炭素比率(pMC比)が10%以上であれば特に制限されることはないが、例えば、植物油100質量部に対して、10~100質量部混合することが好ましく、10~50質量部混合することがより好ましい。
<任意添加成分>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、上記(A)及び(B)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて公知の添加剤、加工助剤等の任意添加成分を添加することができる。これら任意添加成分としては、離型剤、難燃剤、分散剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、充填剤、ブロッキング防止剤、着色剤、ブルーミング防止剤、表面処理剤、抗菌剤、目ヤニ防止剤(特開2009-120717号公報に記載のシリコーンオイル、高級脂肪族カルボン酸のモノアミド化合物、及び高級脂肪族カルボン酸と1価~3価のアルコール化合物とを反応させてなるモノエステル化合物等の目やに防止剤)等を添加してもよい。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物は公知の難燃剤(リン系難燃剤、ブロム系などのハロゲン系難燃剤)を含有してもよい。しかし、スチレン系樹脂組成物中に含有されるバイオマス可塑剤(B)との反応により臭化水素などのガスの生成が危惧される観点から、ハロゲン系難燃剤の含有量は、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましい。
本実施形態におけるスチレン系樹脂組成物は、不可避的不純物を除き、金属を含有しないほうが好ましく、より具体的には、金属の含有量は、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましい。
本実施形態において、分散剤としては、脂肪酸エステル系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、テルペン系化合物、ロジン系化合物、脂肪酸アミド、脂肪酸系化合物、又は脂肪酸金属塩系等を用いることができる。
上記離型剤としては、脂肪酸系化合物、又は脂肪酸金属塩系等を用いることができる。
上記酸化防止剤としては、フェノール系化合物、リン系化合物、チオエーテル系化合物等が挙げられる。
上記任意添加成分の合計含有量は、スチレン系樹脂組成物全体に対して、0.05~5質量%としてよい。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、実質的に(A)成分、(B)成分及び任意添加成分のみからなっていてもよい。また、(A)成分及び(B)成分のみ、又は(A)成分及び(B)成分及び任意添加成分のみからなっていてもよい。
「実質的に(A)成分、(B)成分及び任意添加成分のみからなる」とは、スチレン系樹脂組成物の総量に対して、95~100質量%(好ましくは98~100質量%)が(A)成分及び(B)成分であるか、又は(A)成分、(B)成分及び任意添加成分であることを意味する。
なお、本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で(A)成分、(B)成分及び任意添加成分の他に不可避不純物を含んでいてもよい。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物に含有されるバイオマス可塑剤(B)として変性植物油を使用する場合、スチレン系樹脂組成物の総量(100質量%)に対して、水酸基含有化合物の含有量が3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましい。本実施形態の水酸基含有化合物とは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フタル酸、といった水酸基をポリマー中に有する化合物をいう。水酸基含有化合物が3質量%以上では変性植物油と反応し、ゲル化が起こるため成形性が低下する、あるいは射出成形品の外観が悪化するという悪影響を及ぼす。スチレン系樹脂組成物に含有されるバイオマス可塑剤として、天然植物油を使用する場合は、水酸基含有化合物の量は規定しない。
[スチレン系樹脂組成物の物性]
<メルトマスフローレート(MFR)>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物のメルトマスフローレート(200℃、49N荷重の条件で測定)は、10~80(g/10分)であり、好ましくは13~60(g/10分)であり、より好ましくは、15~50(g/10分)であり、さらに好ましく、15~35(g/10分)である。スチレン系樹脂組成物のMFRが10より低いと流動性が落ち、適切な成形温度が高くなるため冷却時間が長くなる傾向を示す。スチレン系樹脂組成物のMFRを80より高くするには可塑剤量が多く必要になるので耐熱性が低くなる。耐熱性が低くなると固化する温度が低くなるので冷却時間は長くなる傾向を示す。なお、成形温度を低下できると、冷却時間が短くなり成形サイクルが向上する。
なお本開示で、メルトマスフローレートはISO 1133に準拠して測定した。本実施形態のスチレン系樹脂組成物のメルトマスフローレートが、上記範囲であると、組成物全体の流動性を高い水準で維持することにより、成形時の金型汚れを低減することができる。
<ビカット軟化温度>
本実施形態のスチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度は、50℃~105℃であることが好ましく、より好ましくは65℃~95℃、さらに好ましくは75℃~90℃である。スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度が105℃より高いと流動性が落ち、適切な成形温度が高くなるため冷却時間が長くなる傾向を示す。また、スチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度が低くなると固化する温度が低くなるので冷却時間は長くなる傾向を示す。
なお、本開示で、ビカット軟化温度(℃)はISO 306に準拠して荷重49Nで測定した。
<膨潤指数>
本発明のスチレン系樹脂組成物の膨潤指数は、衝撃強度の観点から8.5~14であることが好ましく、より好ましくは9.0~13である。膨潤指数はゴム粒子の架橋度を表す指標である。膨潤指数を上記範囲とすることで、本発明のスチレン系樹脂組成物は衝撃特性に優れるものとなる。なお、本開示で、スチレン系樹脂組成物の膨潤指数は実施例の欄に記載の方法を用いて算出される値である。
[射出成形品]
本実施形態のスチレン系樹脂組成物を原料として用いた射出成型品の製造方法としては、通常知られている方法を用いることができる。成型機の温度は好ましくは150℃~300℃、より好ましくは160℃~260℃、さらに好ましくは180℃~240℃である。
成形機の温度が300℃より高いとスチレン系樹脂組成物が熱分解を起こすため好ましくない。一方、150℃より低いと高粘度のため成形することができないので好ましくない。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物を含む成形品、特に射出成形品(射出圧縮を含む)は、複写機、ファックス、パソコン、プリンター、情報端末機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ等のOA機器、家庭電化製品、電気・電子機器のハウジングや各種部品、自動車の内装や外装部材、建設材料、発泡断熱材、絶縁フィルム等に好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明の実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<測定及び評価方法>
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物及び射出成形体の物性測定及び評価は、次の方法に基づいて行った。
(1)実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂中のスチレン系重合体(A-1)及びバイオマス可塑剤(B)の重量平均分子量の測定
スチレン系重合体(A-1)及びバイオマス可塑剤(B)の重量平均分子量を、下記の条件や手順で測定した。
・試料調製:測定試料5mgを10mLのテトラヒドロフランに溶解し、0.45μmのフィルターでろ過を行った。
・測定条件
機器:TOSOH HLC-8220GPC
(ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー)
カラム :SHODEX GPC KF―606Mを直列に2本接続
ガードカラム :SHODEX GPC KF―G 4A
温度 :40℃
キャリア :THF 0.50mL/min
検出器 :RI、UV:254nm
検量線 :検量線の作成には東ソー社製のTSK標準ポリスチレン11種類(F-850、F-450、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000)を用いた。3次直線の近似式を用いて検量線を作成した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂中のスチレン系重合体(A-1)のメルトマスフローレート(g/10分)は、ISO 1133に準拠して測定した(200℃、荷重49N)。
(3)ビカット軟化温度(℃)の測定
本実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂及びスチレン系樹脂組成物のビカット軟化温度(℃)を、ISO 306に準拠して、荷重49Nで測定した。
(4)ゴム状重合体粒子(A-2)の含有率及び膨潤指数の測定
ゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の含有量(質量%)、膨潤指数を以下のように測定した。沈澱管にゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物1.00gを精秤し(この質量をW1とする)、トルエン20ミリリットルを加え23℃で2時間振とう後、遠心分離機(佐久間製作所社製、SS-2050A ローター:6B-N6L)にて温度4℃、回転数20000rpm、遠心加速度45100×Gで60分間遠心分離した。沈澱管を約45度にゆっくり傾け、上澄み液をデカンテーションして取り除いた。トルエンを含んだ不溶分の質量を精秤し(この質量をW2とする)、引き続き、160℃、3kPa以下の条件で1時間真空乾燥し、デシケータ内で室温まで冷却後、トルエン不溶分の質量を精秤した(この質量をW3とする)。
下記式により、ゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の含有量及び膨潤指数、即ち、ゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の含有量及び膨潤指数を求めた。
ゴム状重合体粒子(A-2)の含有量=W3/W1×100
ゴム状重合体粒子(A-2)の膨潤指数=W2/W3
なお、後述の実施例6では溶媒としてトルエンを用いた場合、デカンテーション時にゲル成分も流れ出てしまい、正確な値が測定できなかった。そのため、後述の実施例6に限ってはメチルエチルケトン/メタノール=9/1溶液を用いて、同様の処理をしてゴム状重合体粒子(A-2)含有量、ゴム状重合体粒子(A-2)の膨潤指数を求めた。
(5)平均粒径の測定
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒径(μm)の測定は、以下の方法で測定した。
30μm径のアパーチャーチューブを装着したベックマンコールター株式会社製COULTER MULTISIZER III (商品名)にて、ゴム変性スチレン系樹脂ペレット又はスチレン系樹脂組成物ペレット0.05gをジメチルホルムアミド約5ml中に入れ約2~5分間放置した。次にジメチルホルムアミド溶解分を適度の粒子濃度として測定し、体積基準のメジアン径を求めた。
後述の実施例6については、COULTER MULTISIZER IIIを使った場合、ゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒径が測定範囲下限を下回るため、適切な測定ができなかった。そのため、実施例6に限り、同様の処理をした後、ベックマンコールター株式会社社製 レーザー解析粒度分布測定装置により体積基準のメジアン径を求めた。
(6)ゴム状重合体の含有量の測定
実施例及び比較例で使用したゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物0.25gをクロロホルム50mLに溶解し、一塩化ヨウ素を加えてゴム成分中の二重結合を反応させた後、ヨウ化カリウムを加え、残存する一塩化ヨウ素をヨウ素に変え、チオ硫酸ナトリウムで逆滴定した(一塩化ヨウ素法)。この方法により、ゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物中に含まれるゴムの質量(この質量をW4とする)を測定し、この値とゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物の質量(この質量をW1とする)とから、ゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体の含有量(質量%)を、次式により求めた。
ゴム変性スチレン系樹脂又はスチレン系樹脂組成物中のゴム状重合体の含有量(質量%)=W4/W1×100
(7)バイオマス炭素比率(pMC%)の測定方法
バイオマス可塑剤(B)のバイオマス炭素比率(pMC%)は、ASTM-D6866に準拠した放射性炭素(14C)測定方法によって以下の式(1)を用いてAMS法により(14C可塑剤/12C可塑剤)/(14C標準物質/12C標準物質)を算出した。
式(1):
バイオマス炭素比率(pMC%)=(14C可塑剤/12C可塑剤)/(14C標準物質/12C標準物質)×100
また、標準物質はシュウ酸(SRM4990)を使用した。
(8)変性率の算出
変性前の植物油と変性後の変性植物油を用いて、H-NMRにより変性率を算出した。
(9)シャルピー衝撃試験
スチレン系樹脂組成物を220℃でJIS K 7152に従って射出成形片を作成し、JIS K 7111-1に従ってシャルピー衝撃強さを測定した。
(10)成形時の冷却時間
実施例及び比較例の成形時の冷却時間の評価方法では、2mmのプレートを10個射出成形した際、成形後に成形品が変形することなく固化するのに十分な冷却時間測定している。本実施例及び比較例では射出成形機東芝機械株式会社製、EC60Nを用いて金型温度45℃で成形した。また、射出圧、射出時間、保圧は一定にし、シリンダー温度は実施例ごとに、プレートがショートショットせずに成形可能となる温度に設定した。
(11)射出成形時の金型汚れ
スチレン系樹脂組成物を220℃でJIS K 7152に従って射出成形片を作製した際、連続成形後に金型に付着物が確認されるまでのショット数を指標として金型汚れの評価を行った。金型付着物が確認されるまでのショット数が100未満であると金型の清掃頻度が上がり、生産性が落ちるため100以上を合格とした。
(12)SP値の算出
実施例・比較例において使用した各材料のSP値は、「J.Appl.Polym.Sci.,12,2359(1968)」を参照して濁度滴定法により算出した。
実施例及び比較例で用いた各材料は下記の通りである。
(変性植物油)
[バイオマス可塑剤(B)]
エポキシ化大豆油(製品名「ニューサイザー510R」(日油株式会社製)、重量平均分子量(Mw=1500)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:5℃、SP値:9.0((cal/cm1/2
(天然植物油)
パーム油(製品名「マルチエース20(S)」(日清オイリオグループ株式会社)、重量平均分子量(Mw=1000)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:22℃、SP値:8.2((cal/cm1/2))
[その他]
(流動パラフィン)
流動パラフィン、製品名「PS350S」(三光化学工業株式会社製)、重量平均分子量(Mw=250)、バイオマス炭素比率(pMC%)0%、流動点:-12.5℃
(ポリ乳酸)
ポリ乳酸、製品名「LX175」(Total Corbinion PLA製)、バイオマス炭素比率(pMC%)100%、融点:155℃、SP値:10.3(cal/cm1/2
[スチレン系樹脂組成物の製造方法]
[実施例1]
(スチレン系樹脂組成物(PS-1)の製造方法)
スチレン83.4質量%、ポリブタジエンゴム(旭化成ケミカルズ社製ジエン35) 1.8質量%、エチルベンゼン10質量%、ニューサイザー510R(日油株式会社製) 4.8質量%、1.1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.016質量%、α-メチルスチレンダイマー0.10質量%、酸化防止剤(イルガノックス1076(BASFジャパン社製))0.1質量%を混合溶解した重合液を、撹拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な1.5リットルの層流型反応器-1に0.78リットル/Hrで連続的に仕込み、温度を110℃/118℃/124℃に調整した。撹拌機の回転数は毎分200回転とした。反応器出口の反応率は31%であった。
続いて層流型反応器-1と直列に接続された撹拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な1.5リットルの層流型反応器-2に反応液を送った。撹拌機の撹拌数は毎分40回転とし、温度は129℃/137℃/147℃に設定した。また、α-メチルスチレンダイマー0.04質量%を層流型反応器-2の上段より追添した。続いて撹拌機を備え、3ゾーンで温度コントロール可能な1.5リットルの層流型反応器-3に反応液を送った。撹拌機の回転数は毎分10回転とし、温度は152℃/156℃/160℃に設定した。
重合反応器(層流型反応器-3)から連続して排出される重合体溶液を真空ベント付き押し出し機で、0.8kPaの減圧下、脱揮後ペレタイズして、スチレン系樹脂組成物(PS-1)を製造した。なお、押し出し機の温度は230℃に設定した。また、スチレン系樹脂組成物(PS-1)のポリマーマトリックス相は、ポリスチレンを含有しており、当該ポリスチレンのSP値は、8.6(cal/cm1/2であった。得られたスチレン系樹脂組成物(PS-1)について、上記(1)~(11)の評価を行い、その結果を下記表3に示す。
[実施例2~16、18、19]
<スチレン系樹脂組成物(PS-2)~(PS-16)の製造>
重合条件を表1及び2の通り変更した以外はスチレン系樹脂組成物(PS-1)と同様にしてスチレン系樹脂組成物(PS-2)~(PS-16)及び(PS-18)、(PS-19)を製造した。上記(1)~(11)の評価を行い、その結果を下記表3及び4に示す。
[実施例17]
<スチレン系樹脂組成物(PS-17)の製造>
重合条件を表1及び2の通り変更した以外はスチレン系樹脂組成物(PS-1)と同様にして、ゴム変性スチレン系樹脂(A-17)を製造した。そして、以下の表4に示す配合比(ゴム変性スチレン系樹脂(A-17)100質量%に対してエポキシ化大豆油(製品名 ニューサイザー510R 日油株式会社製)を6質量%配合)でゴム変性スチレン系樹脂((A)成分)とバイオマス可塑剤(B)((B)成分)とをドライブレンドした後、二軸混錬押出機(東芝機械株式会社製 TEM-26SS-12)を用いて樹脂温度220℃の条件で押出しスチレン系樹脂組成物(PS-17)を製造した。上記(1)~(11)の評価を行い、その結果を下記表4に示す。
[比較例1~2]
<樹脂組成物(PS-20)~(PS-21)の調製>
重合条件を表2の通り変更した以外はスチレン系樹脂組成物(PS-1)と同様にしてスチレン系樹脂組成物(PS-20)~(PS-21)を製造した。上記(1)~(11)の評価を行い、その結果を下記表4に示す。
[比較例3]
<樹脂組成物(PS-22)の調製>
樹脂組成物(PS-22)は、層流型反応器により製造した上記ゴム変性スチレン系樹脂(A-17)100質量%に対して、ポリ乳酸(製品名:LX175、Total Corbinion PLA製)を6質量%ドライブレンドした後、二軸混錬押出機(東芝機械株式会社製 TEM-26SS-12)を用いて樹脂温度220℃の条件で押出し、樹脂組成物(PS-22)を製造した。上記(1)~(11)の評価を行い、その結果を下記表4に示す。
Figure 2023025620000001
Figure 2023025620000002
Figure 2023025620000003
Figure 2023025620000004
本発明は、環境負荷の低減及び機械的強度に優れたスチレン系樹脂組成物及び該スチレン系樹脂組成物からなる射出成形体を提供することである。当該スチレン系樹脂組成物から得られた成形体は、雑貨・玩具、家電製品部品、産業資材等に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. スチレン系重合体(A-1)を含むポリマーマトリックス相及び当該ポリマーマトリックス相に分散されるゴム状重合体粒子(A-2)を含有するゴム変性スチレン系樹脂(A)85.0~99.9質量%と
    バイオマス炭素比率(pMC%)が10%以上のバイオマス可塑剤(B)0.1~15質量%と、を含有し、
    200℃、49N荷重の条件で測定したメルトマスフローレートが10~80であることを特徴とする、スチレン系樹脂組成物。
  2. 前記バイオマス可塑剤(B)は、植物油、又は植物油と流動パラフィンとの混合物である、請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 前記ゴム変性スチレン系樹脂(A)中に含まれる前記ゴム状重合体粒子(A-2)の含有量は、前記ゴム変性スチレン系樹脂(A)100質量%に対して、4~30質量%である、請求項1又は2に記載のスチレン系樹脂組成物。
  4. 前記ゴム状重合体粒子(A-2)の平均粒子径は0.3μm~5.0μmである、請求項1~3のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物を射出成形して得られる成形品。
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