JP2004536936A - 高度に線状な高分子量ポリブタジエンベースのモノビニリデン芳香族ポリマー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】改良された靭性と剛性をもつゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーを提供する。
【解決手段】(a)モノビニリデン芳香族ポリマーマトリックス;及び(b)その中に分散させたゴム粒子からなり、該ゴム粒子がポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状構造をもち、5〜1,000センチポイズの溶液粘度及び5〜120のムーニー粘度をもつジエンゴムから製造されることを特徴とするゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
【解決手段】(a)モノビニリデン芳香族ポリマーマトリックス;及び(b)その中に分散させたゴム粒子からなり、該ゴム粒子がポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状構造をもち、5〜1,000センチポイズの溶液粘度及び5〜120のムーニー粘度をもつジエンゴムから製造されることを特徴とするゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常“高耐衝撃ポリスチレン”又は“HIPS”と呼ばれているタイプのゴム強化モノビニリデン芳香族ポリマー組成物に関する。さらに詳しくは、ゴム強化粒子が特定のポリブタジエンゴムからつくられ、特定の粒子径分布をもつ該組成物及び該組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
HIPSタイプのゴム強化ポリマー組成物はその加工の容易性、良好な光沢、そして一般的に良好な機械的性質のために多くの用途で広く使用されている。用いられるゴムの特性はHIPS樹脂の性質に強い影響を与えることはよく知られている。ミクロ構造、分子量、分子量分布及び分岐のようなゴムの特質は重要なパラメーターである。最終製品の性質を改良するためにこれらの特質を1以上組み合わせることは当業界では多くの例がある。
【0003】
光沢と機械的性質の改良された組み合わせはそのようなゴム強化ポリマーにおいて粒子がその粒径分布において2個の異なったピークを示すいわゆるゴム強化粒子径の“バイモーダル”分布を与えることによって達成できることがしばしば知られてきている。これはそれぞれが異なった平均粒子径をもつ1つのグループのゴム粒子をもつ2個以上のそのような樹脂または成分を組み合わせることによって達成できる。種々のモノビニリデン芳香族ポリマー組成物は異なった平均粒子径をもつゴム粒子の少なくとも2個のグループをもつことが知られている。例えば、そのような組成物は特許文献1;特許文献2及び特許文献3そして、特許文献4、特許文献5及び特許文献6に開示されている。
【0004】
特許文献7はまたバイモーダルなゴム粒子径分布をもつゴム強化ポリスチレン組成物を開示している。粒子グループとして開示されている平均粒子径は大粒子グループの場合は2〜8μm(特に5〜6μm)で小粒子グループの場合には0.2〜2.0μmである。そのようなバイモーダルな粒子分布を達成するために多くの方法が提案されている。例えば特許文献8は2つのポリマー組成物が標準の製造方法で調製され、その組成が異なった平均粒子径をもつHIPSタイプのポリマーの製造方法を開示している。これらの2個のポリマー組成物はそれから引き続き行われる機械ブレンドによって混合される。
【0005】
バイモーダルなゴム分布をもつHIPSポリマーを製造するための代替の試みはモノマーとゴムの供給流れを重合系の2つの異なった場所に供給することである。これはかなりブロードなゴム粒子径分布をもつポリマー製品をもたらす。この例は、特許文献9、特許文献10及び特許文献11に開示されている。そのような方法の欠点は得られる製品の機械的性質が若干劣り且つ制御しにくいことである。
【0006】
さらに別の試みは特許文献12及び特許文献13に開示されている。この方法においては、2つのプレポリマー組成物が異なった粒子サイズをもつように製造される。プレポリマー組成物はそれから混合されさらにバイモーダルな粒子径分布をもつポリマーを与えるために重合される。
【0007】
この分野の他の参照例としては、約70%以下のシス含量をもつ部分的につながった放射状または星型ゴムからなるゴムを記載している特許文献14、高分子量の高シス含量のポリブタジエンと低分子量の低シス含量のポリブタジエンとの混合物であるゴムを記載している特許文献15、及び高分子量のポリブタジエンと低分子量のポリブタジエンとの混合物で両方とも80%以上のシス構造をもつゴムを記載している特許文献16が包含される。しかしながら、耐衝撃強度と引っ張り弾性率の望ましいバランスはなおいくつかの特定の用途のためには到達されていない。
【0008】
使用するべきゴムの変性の過程で出来上がった樹脂のゴム粒子分布の設計、樹脂製造過程でのプロセスの変更、異なった樹脂組成物のブレンド等々の多くの研究がなされてきた。しかしながら、ゴム粒子中のゴム分子がどのように機能するかそしてどのようにすればそれらの特性がさらに改良できるかを理解するための努力はほとんどなされていない。
【0009】
【特許文献1】
米国特許4,146,589号
【特許文献2】
米国特許4,214,056号
【特許文献3】
米国特許4,334,039号
【特許文献4】
欧州特許096447号
【特許文献5】
欧州特許158258号
【特許文献6】
欧州特許152752号
【特許文献7】
米国特許4,493,922号
【特許文献8】
米国特許4,153,645号
【特許文献9】
欧州特許015752号
【特許文献10】
米国特許4,334,039号
【特許文献11】
欧州特許096447号
【特許文献12】
米国特許4,146,589号
【特許文献13】
欧州特許048389号
【特許文献14】
欧州特許418042号
【特許文献15】
特開平02−762722号
【特許文献16】
特開平7−5789号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の課題は、これらの問題点を解決し、選択された用途のための光沢、流れ性、耐衝撃性と引っ張り特性のバランスが改良されたゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、a)モノビニリデン芳香族ポリマーマトリックス;及び(b)その中に分散させたゴム粒子からなり、該ゴム粒子がポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状構造をもち、5〜1,000センチポイズの溶液粘度及び5〜120のムーニー粘度をもつジエンゴムから製造されることを特徴とするゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーである。
【0012】
本発明の好ましい態様は、(a)モノビニリデン芳香族ポリマーマトリックス;及び(b)その中に分散させたセル状又はコア−シェル粒子形状のゴム粒子からなり、該ゴム粒子がポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状構造をもつポリブタジエンゴムから製造されるゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーである。
【0013】
本発明の別の観点は、(a)モノビニリデン芳香族モノマー及び溶解したジエンゴムを含む反応混合物を反応器手段に連続的に供給し、(b)反応器手段中で溶解したジエンゴムの存在下に相転移が引き続いて起こる条件下にてモノビニリデン芳香族モノマーを連続的に重合し、(c)反応器手段からモノビニリデン芳香族ポリマーを連続的に取り出す諸工程からなるゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーの製造方法において、(d)反応混合物に溶解させるジエンゴムがポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状のポリブタジエンを含むことを特徴とするゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーの製造方法である。
【0014】
好ましい態様においては、該工程はさらに(e)適切量のグラフト開始剤及び所望のゴム粒子径分布を得るのに十分な反応器の撹拌を用いることを含む。
別の好ましい態様においては、該工程はさらに(f)所望のゴム粒子径及び粒子径分布を得るために二つの異なったジエンゴムを含むゴムブレンドを用いることを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーは耐衝撃性と引っ張り弾性率に優れたバランスを有し、射出成形用途、押出用途、発泡用途を含む種々の用途に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に好適なモノビニリデン芳香族ポリマーはビニル芳香族モノマーの重合によって製造されるポリマーである。ビニル芳香族モノマーとしては、限定はしないが、特許文献17、特許文献18及び特許文献19に開示されているものが包含される。好ましくは、モノマーは次式で示されるものである:
【0017】
【化1】
【0018】
ここでR’は水素又はメチル、Arはアルキル、ハロ、又はハロアルキルで置換されていてもいなくてもよい1から3の芳香族環をもつ芳香族環構造であり、ここでアルキル基は1から6の炭素原子を含み、ハロアルキルはハロ置換アルキル基を意味する。好ましくは、Arはフェニルまたはアルキルフェニルであり、アルキルフェニルはアルキル置換フェニル基を意味し、フェニルが最も好ましい。使用できる典型的なビニル芳香族モノマーとしてはスチレン、アルファメチルスチレン、ビニルトルエン特にパラビニルトルエンの全ての異性体、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン及びその類似物の全ての異性体、及びこれらの混合物を包含する。ビニル芳香族モノマーはまた他の共重合可能なモノマーと組み合わせてもよい。そのようなモノマーの例としては、限定はしないが、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、メタクリル酸、メチルメタアクリレート、アクリル酸、及びメチルアクリレートのようなアクリルモノマー;マレイミド、フェニルマレイミド、及び無水マレイン酸を包含する。しかしながら、本発明の実施においては、他の共重合可能なモノマーは実質上使用しないかまたは重量で10%以下であることが好ましい。特定の粒子径分布は1個以上のこれらの共重合可能なモノマーが大量にある場合にはけっして最適とはならない。一般的に、好ましいモノビニリデン芳香族モノマーはスチレン、アルファメチルスチレン、1以上のビニルトルエン異性体、及び/又はこれらの2以上の混合物であり、スチレンが最も好ましいモノビニリデン芳香族化合物である。
【0019】
モノビニリデン芳香族ポリマーは典型的には、おおよそ120,000から1,000,000の重量平均分子量(Mw)をもつ。
【0020】
本発明の実施に採用される好ましいゴムは、通常の技術、例えば、ASTM試験方法D−746−52Tを使用して決定または概算されるとき、0℃を越えない、好ましくは−50℃を越えないそしてより好ましくは−70℃を越えない二次転移温度を示すゴムのポリマー及びコポリマーである。
【0021】
とりわけ好ましいゴムはアルカジエンポリマーである。好ましいアルカジエンはブタジエン、イソプレン、クロロプレンまたはピペリレンのような1,3−共役ジエンである。最も好ましいものは1,3−共役ジエンからつくられるホモポリマー(如何なる結合モノマーも除く)であり、1,3−ブタジエンのそのようなホモポリマーが特に好ましい。モノビニリデン芳香族のような他のモノマーを少量、例えば15以下好ましくは10重量%以下含むアルカジエンコポリマーゴムもまた、もしゴムがここで述べる他の特性に適合するなら採用することができる。最も好ましいゴムは少なくとも30%のシス含量をもつ1,3−ブタジエンの線状ホモポリマーである。
【0022】
本発明に好適なゴムは当業者に公知のアニオン重合又はチーグラーナッタ重合によって製造することができる。本発明に従って使用するのに好適なゴム材料に関しては、存在する材料に実質上要求されることはポリブタジエンゴムが実質上線状タイプでありそして長鎖分岐を含まないことである。そのようなゴムは通常ポリマー主鎖の10000炭素原子当たり1個の長鎖分岐以下しか含まない。これらのゴムはHIPS及びABS樹脂を作るのに最も適した範囲の分子量をもたなければならない。これらのゴムのミクロ構造は1,2−ビニル、1,4−シス及び1,4−トランスレベルの種々の量を含む在来のタイプのいずれかであることができる。薄いタイプのゴムはビタジエンのアニオン重合又はチーグラーナッタタイプの重合技術によって製造することができる。これらのゴムを製造する最も経済的なルートの一つは特許文献20、特許文献21及び特許文献22そして特許文献23に記載されているようなネオジミウムベースの触媒を用いている。ゴム中の分岐レベルは非特許文献1;非特許文献2;及び非特許文献3に詳細に記載されているような熟練した当業者に公知の技術によって容易に決定することができる。
【0023】
ここで使用されるときは、分子量はASTM試験方法D−3536(ポリスチレン標準)に記載されているゲルパーミエーションクロマトグラフ技術によって決定されそしてゴムとポリスチレン標準との間の補正無しで表されるゴム成分の重量平均分子量又はMwである。
【0024】
本発明に特に好適なゴムはポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含み、好ましくはポリマー主鎖中の10,500炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含みそしてより好ましくはポリマー主鎖中の11,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状のものである。本発明に特に好適なゴムは5〜1000センチポイズ、好ましくは10〜900センチポイズそしてより好ましくは20〜800センチポイズの溶液粘度(キャノンフェンスケキャピラリー粘度計、キャピラリーNo.400、1.92mm内径を使用してスチレン中23℃で5重量%で測定)をもつ。本発明に特に好適なゴムはまた5〜120、好ましくは10〜100そしてより好ましくは20〜90のムーニー粘度(ML4+1,100℃ DIN 53523)をもつ。
【0025】
ゴムは少量の架橋剤を含んでもよいが、過剰の架橋はゴム的性質の喪失を生じ及び/又はゴムをモノマー中に不溶にする。
【0026】
ゴムは、ゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーの合計重量基準で、ゴム強化ポリマー製品が2から20%、好ましくは3から17%、より好ましくは3から15重量%のゴム又はゴム等価物を含むような量で使用するのが有利である。
【0027】
用語“ゴム”または“ゴム等価物”は、ゴム材料の重量を示すためにここで使用されるときは、ゴムホモポリマー(ポリブタジエンのような)の場合、単純にゴムの量を意味し、ブロックコポリマーの場合はホモ重合したときゴム状ポリマーを生成するモノマーからつくられるコポリマーの量を意味することを意図している。例えば、ブタジエン−スチレンブロックコポリマーゴムが用いられている組成物中のゴムの量を計算する場合は、組成物の“ゴム”または“ゴム等価物”はブロックコポリマー中のブタジエン成分のみを基準に計算される。もちろん、ゴム材料の物理的性質又は他の側面を測定する場合には、いくつかのコモノマーを含む完全なゴム材料が対応する。
【0028】
本発明のゴムが驚くべきことに良好な樹脂製品に導くことを見出した。これはゴム粒子が生成するとき、ゴムはゴム分子を架橋することによって3次元ネットワークに変換するためであると信じられている。粒子は破砕過程で変形するので、それらは伸びてそして破砕エネルギーを吸収する耐荷重成分となり、樹脂の靭性を与える。長鎖分岐を含む在来のゴムにおいては、全てのゴム粒子が耐荷重工程には存在しない。これは各分岐点が別の遊離末端を生成しそしてこれらの遊離末端の或る量を架橋するとき、末端は3次元的に結合せず、無駄になり、樹脂の靭性に寄与しないためである。該ゴムの無駄になった部分は樹脂の靭性に寄与しないばかりでなく、それは樹脂の流れを減少させ、光沢や剛性、そしてコストを減少させる有害な影響を与え続ける。
【0029】
一方の実質上線状のゴム分子は2つの主鎖末端のみをもち、そして自由でない主鎖末端を含む3次元ポリマーネットワークに架橋するときにゴムの有害な寄与で損傷することなしに良好な靭性に導く。そのようなゴムバランスは性質の良好なバランスをもつ樹脂をもたらす。
【0030】
ゴム粒子のモルフォロジーに関しては、それらはコア−シェルタイプ、セル状タイプ、ラビリンスタイプ及びたまねぎ肌タイプをもつことができる。
【0031】
本発明の製造方法は粒子径と分布の連続が標準重合方法及び装置で得られるような製造条件下で、実質上線状の分子構造をもつゴムを使用することが特徴である。
【0032】
ゴム強化ポリマーの製造においては、反応混合物はゴムをモノマーに溶解することで調製されそして生ずるモノマー/ゴム溶液(ここでは反応混合物と呼ぶ)は反応器手段に供給されそして引き続き重合される。反応混合物中に最初に溶解されるゴム量は最終のゴム強化ポリマー製品中の所望のゴム濃度、重合過程の転化率及び反応混合物溶液の粘度に依存する。特に、反応混合物溶液の粘度は10000センチポアズ以下が有利である。高粘度では、反応混合物溶液は操作しにくくなる。反応混合物溶液の粘度が不必要に高くなければ、反応混合物溶液は一般的に使用されるゴムとモノマーの合計量基準でゴムの4から20重量%を含む。
【0033】
必要に応じ、反応混合物は有機液体希釈剤を含む。適切に使用される有機液体希釈剤は通常使用される重合条件で沸騰しない液体有機物質でモノマー(3)とそれからつくられるポリマーとの溶液を形成する。代表的な有機液体希釈剤としては、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン及びキシレンのような芳香族(及び不活性置換芳香族)炭化水素;ヘプタン、ヘキサン及びオクタンのような5個以上の炭素原子の直鎖又は分岐鎖をもつ飽和又は不活性に置換された、飽和脂肪族;シクロヘキサンのような5個又は6個の炭素原子をもつ脂環式又は不活性に置換された脂環式炭化水素が包含される。好ましいそのような有機液体希釈剤は不活性に置換された芳香族で、エチルベンゼンとキシレンが最も好ましい。一般的には、有機液体は重合過程での操作性及び熱伝導、例えば、重合混合物の流動特性を改善するのに十分な量で使用される。そのような量は、使用されるゴム、モノマー及び希釈剤、重合装置及び所望の重合度によって変化する。一般的には、もし使用するならば、反応混合物は通常、ゴム、モノマー及び希釈剤の合計重量基準で2から30重量%の希釈剤を含む。
【0034】
反応混合物の重合の過程では、重合条件は相転移が引き続き起こるように維持される。そのような条件下ではモノマーはゴムと一緒に重合し(グラフトし)また別々に重合し(遊離ポリマー)、溶解したゴムは重合したモノマーの一部とグラフトする。ゴムと基本的に溶け合わない遊離のポリマーのバランスはモノマー/ゴム(グラフトゴムを含む)溶液の大容積連続相中に分散した不連続な小容積ポリマー/モノマー相を形成する。
【0035】
究極的には、遊離ポリマーの十分な量が生成した後で、遊離ポリマーは未重合モノマーの連続相中に分散した不連続層から、重合混合物中の連続又は不連続相が区別できないところを経由して、個々の粒子として分散しているゴムをもつ連続ポリマー相に転換する。ポリマー/モノマー相が大容量相そしてそれから連続相になるとき、グラフトゴムは不連続相を形成する。相転移が起こりそして、モノビニリデン芳香族ポリマーのマトリックス中に分散しているゴム粒子をもつ生成物となる連続相を通して、ゴムが粒子形状に分散するようになる時が重合におけるポイントである。
【0036】
好ましくは、相転移で、ゴムは最初の寸法に対応する分散ゴム粒子が重合プロセスの残りの部分を通じて本質的に同じ平均粒子径及びモルフォロジー的な性質を保持できるように十分にグラフトする。好ましい態様においては、グラフトゴムの量は少なくとも相転移での合計ゴム量の30%である。相転移点でのジエンゴムのグラフト率は製造されるゴム変性ポリマーの性質に重大な影響をもつ。一般的には、鎖あたりのグラフトの数はゴム粒子の粒径、構造及び取り込まれるポリマーマトリックスの量に影響を与える。グラフトレベルが高くなると、より高いゲル含量、より大量のグラフトゴム及びグラフトしてゴム粒子中に取り込まれたマトリックスポリマー含量の増大をもたらす。増加したゲル含量は達成されるゴム相体積を増加させることができる点で非常に望ましい。
【0037】
重合工程での逆混合の注意深い制御は所望のゴム粒子径を得るために重要である。したがって、本発明の本質的な特徴は相転移に先立って重合がプラグフロー(押し出し流れ)形式で進行し逆混合を制限するか最小にしなければならないという点である。所望のゴム粒子径はもし重合反応混合物が激しく又は、全体としてさらに悪い状態で逆混合するなら実現しないであろう。それゆえ、逆混合の度合いは所望のゴム粒子径が得られるような程度に制御するか制限することが好ましい。逆混合量の制御の程度及び形式は、部分的には、重合プロセスで採用される装置の幾何学的形状に依存し、その制御の達成は熟練した当業者が在来のプロセス制御技術を使用して過度の実験なしで可能な範囲内にある。
【0038】
必須のゴム粒子径分布を達成するために用いられる重合プロセスの特徴としては、グラフトを促進する、例えば、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、ジベンゾイルパーオキサイド、及びジラウロイルパーオキサイド;パーケタール、例えば、1,1−ビスターシャリーブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ビスターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、及びジ−クミルパーオキサイド;そしてパーカーボネートのようなパーエステルを含むパーオキサイド開始剤のような化学的開始剤;及びフォトケミカルな開始技術;及びその類似物の使用が包含される。好ましい開始剤としては、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビスターシャリーブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ビスターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びターシャリーブチルパーオキシアセテートが包含される。
【0039】
開始剤は、用いられる特定の開始剤、ポリマーグラフトの望まれるレベルそして塊状重合が実施される条件を含む要因の変化に応じて濃度範囲が選ばれる。特に、ゴム強化ポリマーを製造するために好ましい塊状重合の場合には、モノビニリデン芳香族ポリマーのマトリックス中に分散しているゴム粒子をもつ製品を生成するモノマーの100万重量部当たり50から2000、好ましくは100から1500重量部の開始剤が使用される。
【0040】
相転移は通常、反応混合物の重量基準で、反応混合物が加えたゴム重量の2.5倍または3倍重量の固体レベルを含む重合プロセスの時点で起こる。それゆえ、比較的高い攪拌レベルは、反応混合物が、反応混合物の重量基準で、加えたゴム重量の少なくとも3倍、好ましくは4倍重量の固体レベルを含む重合プロセスの時点まで維持することが好ましい。
【0041】
例えば、反応混合物に5から10重量%のゴムが加えられたときに、反応混合物が30重量%の固体を含むまで比較的高い攪拌が維持される。ここで使用される場合、用語の固体は最初に加えられたゴムと生成したモノビニリデン芳香族ポリマーのような反応混合物中のポリマー状の成分を意味する。
【0042】
特定の製造装置によれば、特定のゴム粒子径分布の形成をさらに容易にするために利用することができるという他のプロセスの特質がある。
【0043】
一般に、連続法が反応混合物中のモノビニリデン芳香族化合物を塊状重合させるために使用される。本発明の実施においては、一般的に層状の、線形流れ、攪拌式の塔タイプの反応器(プラグフロータイプの反応器と呼ばれることもある)を使用することが好ましい。そのような反応器は良く知られている。例えば、特許文献24を参照されたい。
【0044】
そのような重合プロセスの重要な特徴は、反応混合物中でモノビニリデン芳香族モノマーの重合の重要な部分が溶解したゴムの存在下で起こるということである。相転移とゴム粒子の沈積及び分散は、ゴム上にモノビニリデン芳香族ポリマーが十分グラフトするまで起こらず、主にゴムが溶液状態のときに起こる。
【0045】
これは予め決められた転化率レベルで操作される完全混合攪拌槽型反応器(非層流、非プラグフロー)での重合の主な利点である。典型的には、既に重合したモノビニリデン芳香族ポリマーがかなりのレベルで存在することにより、グラフト重合が起こる前に、より重要なこととしては、適切なゴム材料の高分子量成分及び低分子量成分が分離しそしてゴム粒子のグループを形成する前に、そのような反応器への供給流れ中に溶解しているゴムは速やかに粒子として分散する。
【0046】
さらに、本発明による製造法は標準の塊状重合製造装置で特別の装置改造を行わなくてもバイモーダルなゴム粒子分布をもつモノビニリデン芳香族ポリマーを有利に製造できる利点がある。そのような標準装置は典型的にはゴム、モノマー、必要に応じ希釈剤及び他の添加剤の溶液を含む未重合反応混合物の一段供給を使用する。反応混合物はそれから一段または連続の反応槽を通って進むときに重合する。反応槽(連続)の末端で生成物が回収されそして希釈剤及び残りのモノマーも回収される。
【0047】
重合混合物はその他の追加の物質及び/又は可塑剤のような重合助剤又は鉱油、ブチルステアレートまたはジエチルフタレートのような潤滑剤;抗酸化剤(例えば、ジ−t−ブチル−p−クレゾールのようなアルキルフェノール又はトリスノニルフェニルフォスフェートのようなフォスフェート);n−ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタンのような連鎖移動剤;又は、離型剤、例えば、亜鉛ステアレート;を含んでいてもよく、添加剤及び/又は重合助剤の全ては重合の前、途中又は後を含む適切なところで反応混合物に加えられる。
【0048】
連鎖移動剤の使用は随意でありそして通常大粒径のゴム粒子(例えば少なくとも1マイクロメートルの平均粒子径をもつ)を含む組成物またはプレポリマーの製造においてのみ使用される。もし使用する場合は、連鎖移動剤は一般的には加えられる重合混合物の重量基準で0.001から0.5重量%の量で使用される。
【0049】
重合が最も有利に行われる温度は使用される特定の成分、特に開始剤に依存するが、一般には60から190℃で変化する。
【0050】
得られる製品中のゴムの架橋と未反応モノマー、同様にもし用いられるなら反応希釈剤、及びその他の揮発性物質の除去は在来の技術を使用して有利に実施できる。
【0051】
以下の実施例は本発明を例示するためになされたものでありその範囲を限定するものと見做してはならない。実施例においては、全ての部及びパーセントは他に断りがなければ重量基準である。
【0052】
実施例:
全ての物理的性質は射出成型サンプルで測定される。
差分粘度検知器付きのサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC/DV)によるポリブタジェン中の長鎖分岐の測定
【0053】
実験条件
サイズエクスクルージョンクロマトグラフィーは室温に保持されているトーソーハースから市販されている三つのTSK−ゲル、GMH6カラム(E0001、E0003及びC0010)上で実施する。溶離剤を真空脱気し、HPLCグレードのテトラヒドロフランを1ml/分で流す。ウオーターズ社の2690LCシステムを溶媒を流しサンプルを注入するために使用する。注入容量は50μlである。差分粘度検知器は35℃で操作されるビスコテックモデルHである。濃度検知器は35℃で操作されるウオーターズ、2410差分屈折率(DRI)計である。検出器はライン中に続くDRIと直列に垂直に置かれる。得られるデータはポリマーラボラトリー社の較正ソフトウエアを使用して較正される。共通の較正はポリマーラボラトリー社の線状、狭分子量PS標準を使用して行った。較正に使用した分子量の範囲は6,850,000〜1,300g/molである。共通較正曲線は3次元多項式に一致する。各標準液の濃度は分子量に依存し(高Mw〜低Mw)、0.2〜1mg/mlの範囲である。バルケによって非特許文献4に記載されているシステマチックなアプローチが内部検知器のオフセットを確認し適切なカラムと粘度計の較正を確実にするために使用される。ダウPS1683が濃度1.4mg/mlのブロード対照物質として使用される。
【0054】
高シスポリブタジエンサンプルは暗室で取り扱いそして分析のために調製されるまで冷蔵庫に保管する。サンプル調製は0.010〜0.012g(0.0001g近くまで秤量)をバイアル瓶に秤量し、約1000ppmのIONOLを含む10mlのHPLCグレードのTHFを加えそして平底振騰器上で24時間ゆっくり撹拌する。溶液を注入前に1ミクロンPTFEフィルターでろ過する。分子量感応検知器につながれたサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(光散乱及び/又は差分粘度計)をポリマー(2、3)中の長鎖分岐振動数を測定するために使用した。この試験では、非特許文献5及び6に記載されている手順でわずかの修正を行った。その工程は以下のとおりである:
【0055】
1)式λ=(n*13,500/Mb)、ここでnは連鎖当たりの3官能分岐部分、そしてλは1000主鎖炭素原子当たりの長鎖分岐の数、によって記載される一定分岐振動数λを仮定する。
【0056】
2)分岐サンプル及び線状サンプルのSEC DVによる純粋な分子量分布を測定する。それぞれのSEC溶出液体積増分において得られる分子量(M)及び固有粘度(IV)を記録する。
【0057】
3)分岐ポリマーサンプル及び線状ポリマーサンプルのlogMに対するlogIVをプロットする。
【0058】
4)6から5の範囲のlog分子量に対する1次多項式で線状サンプルのlogM対logIVを適合させる。
【0059】
5)λで初期推定を行う。上記1)の式を使用して、nを計算する。
【0060】
6)5)で決定されたn値及び分別された、ランダムに分岐した、3官能分岐点のチム−ストックマイヤー式を使用して、gを計算する(非特許文献5及び6の“数平均式”を参照されたい)。
【0061】
7)g’=g^(0.5)を仮定して、分岐ポリマー固有粘度:線状ポリマー固有粘度の比、g’を計算し、そしてこの値を各分子量Mにおいて計算する。
【0062】
8)計算されたg’と線状の対照固有粘度の4)で適合させた直線を使用して、分子量Mにおける分岐ポリマーの固有粘度を計算する。
【0063】
9)6.5から4.8の範囲のlogMをカバーする全ての分子量に対して8)を繰り返す。
【0064】
10)適切な重量平方*の合計を決定する。解決手段としてEXCELのような最適化平方根を使用して重量平方の合計が最小化されるまでλの値を変化させる。
【0065】
*二つの独立した重量を使用する。第一の重量因子はC^6、ここでCは与えられた滞留容積増分で溶離するポリマー濃度、である。第二の重量因子はM、分岐ポリマーの分子量、である。このように、重量平方の合計を計算するための式は以下の通りである:
【0066】
【数1】
【0067】
【数2】
【0068】
11)6.5から4.8の範囲のlogMをカバーする各Mにおける実験上のg’を決定する。g=g’^2を仮定してgを決定する。分別されたサンプル中のランダムに分岐した、3官能分岐点のチム−ストックマイヤー式からnを決定する(非特許文献5及び6の“数平均式”を参照されたい)。上記1)で与えられる式を使用してλを計算する。ポリマー生成物の重量分率を合計することによって平均分岐振動数をそしてその特定の分子量における分岐振動数を計算する。g’が最大値、又は1に到達するまでlogM=6.5を合計する。この値はブルートフォースLCB値と呼ばれる。
【0069】
【特許文献17】
米国特許4,666,987号
【特許文献18】
米国特許4,572,819号
【特許文献19】
米国特許4,585,825号
【特許文献20】
欧州特許109971号
【特許文献21】
特願平11−307572号
【特許文献22】
特願平11−322370号
【特許文献23】
米国特許5,914,377号
【特許文献24】
米国特許2,727,884号
【非特許文献1】
T.H,Mourey and S.T.Balke,“A Strategy for Interpreting Multidetector Size−Exclusion Chromatography Data I:Development of a Systematic Approach”,Am.Chem.Soc.Symp.Ser.,521,180(1993)
【非特許文献2】
A.Rudin,“Measurement of Long−Chain Branch Frequency in Synthetic Polymers,”in H.G.Barth and J.W.Mays(Eds.),Modern Methods of Polymer Characterization ”,John Wiley and Sons,New York,1991
【非特許文献3】
S.Pang and A.Rudin,“Size−Exclusion Chromatographic Assesment of Long−Chain Branch Frequency in Polyethylenes”、Am.Chem.Soc.Symp.Ser.,521,254(1993)
【非特許文献4】
T.H.Mourey and S.T.Balke,“A Strategy for Interpreting Multidetector Size−Exclusion Chromatography Data I:Development of a Systematic Approach”,Am.Chem.Soc.Symp.Ser.,521,180(1993)
【非特許文献5】
A.Rudin,“Measurement of Long−Chain Branch Frequency in Systematic Polymers”,in H.G.Barth and J.W.Mays(Eds.),Modern Method of Polymer Characterization“,John Willey and Sons,New York、1991
【非特許文献6】
S.Pang and A.Rudin,“Size−Exclusion Chromatographic Assesment of Long−Chain Branvh Frequency in Polyethylenes”,Am.Chem.Soc.Symp.Ser.,521,254(1993)
【実施例1】
【0070】
二つのHIPS製品を、温度及び撹拌速度が所望の粒子径を得るように調節された在来の三つの反応器設定条件を使用する同じ条件下で表1に記載されるように製造する。
【0071】
【表1】
【0072】
全ての物理的性質は圧縮成型によって決定される。
【0073】
表からわかるように、実施例1は比較例1に比較して引っ張り及び曲げパラメーターに見られるような改良された剛性をもつ。
【実施例2】
【0074】
実施例1と同様に、サンプルの第二の組み合わせを製造しそして表2に記載する。
【0075】
【表2】
【0076】
実施例2は比較例2より良好な機械的性質をもっている。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーは耐衝撃性と引っ張り弾性率に優れたバランスを有し、大型装置、家庭電気製品、エアコン、冷蔵庫、冷凍庫、小型装置、カセット、ラジオ、TV、ステレオのキャビネット、家具及び家具調度類、玩具、家庭用品、建築及び建設用途、履物、医療用途、包装、使い捨て用品(大型コップ、グラス、皿、コップ、ボール、平皿、食事用具)、中空成形要素、発泡ボード、シート、及びフィルムなどの射出成形用途、押し出し用途、発泡用途を含む種々の用途に有用である。
【0001】
本発明は、通常“高耐衝撃ポリスチレン”又は“HIPS”と呼ばれているタイプのゴム強化モノビニリデン芳香族ポリマー組成物に関する。さらに詳しくは、ゴム強化粒子が特定のポリブタジエンゴムからつくられ、特定の粒子径分布をもつ該組成物及び該組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
HIPSタイプのゴム強化ポリマー組成物はその加工の容易性、良好な光沢、そして一般的に良好な機械的性質のために多くの用途で広く使用されている。用いられるゴムの特性はHIPS樹脂の性質に強い影響を与えることはよく知られている。ミクロ構造、分子量、分子量分布及び分岐のようなゴムの特質は重要なパラメーターである。最終製品の性質を改良するためにこれらの特質を1以上組み合わせることは当業界では多くの例がある。
【0003】
光沢と機械的性質の改良された組み合わせはそのようなゴム強化ポリマーにおいて粒子がその粒径分布において2個の異なったピークを示すいわゆるゴム強化粒子径の“バイモーダル”分布を与えることによって達成できることがしばしば知られてきている。これはそれぞれが異なった平均粒子径をもつ1つのグループのゴム粒子をもつ2個以上のそのような樹脂または成分を組み合わせることによって達成できる。種々のモノビニリデン芳香族ポリマー組成物は異なった平均粒子径をもつゴム粒子の少なくとも2個のグループをもつことが知られている。例えば、そのような組成物は特許文献1;特許文献2及び特許文献3そして、特許文献4、特許文献5及び特許文献6に開示されている。
【0004】
特許文献7はまたバイモーダルなゴム粒子径分布をもつゴム強化ポリスチレン組成物を開示している。粒子グループとして開示されている平均粒子径は大粒子グループの場合は2〜8μm(特に5〜6μm)で小粒子グループの場合には0.2〜2.0μmである。そのようなバイモーダルな粒子分布を達成するために多くの方法が提案されている。例えば特許文献8は2つのポリマー組成物が標準の製造方法で調製され、その組成が異なった平均粒子径をもつHIPSタイプのポリマーの製造方法を開示している。これらの2個のポリマー組成物はそれから引き続き行われる機械ブレンドによって混合される。
【0005】
バイモーダルなゴム分布をもつHIPSポリマーを製造するための代替の試みはモノマーとゴムの供給流れを重合系の2つの異なった場所に供給することである。これはかなりブロードなゴム粒子径分布をもつポリマー製品をもたらす。この例は、特許文献9、特許文献10及び特許文献11に開示されている。そのような方法の欠点は得られる製品の機械的性質が若干劣り且つ制御しにくいことである。
【0006】
さらに別の試みは特許文献12及び特許文献13に開示されている。この方法においては、2つのプレポリマー組成物が異なった粒子サイズをもつように製造される。プレポリマー組成物はそれから混合されさらにバイモーダルな粒子径分布をもつポリマーを与えるために重合される。
【0007】
この分野の他の参照例としては、約70%以下のシス含量をもつ部分的につながった放射状または星型ゴムからなるゴムを記載している特許文献14、高分子量の高シス含量のポリブタジエンと低分子量の低シス含量のポリブタジエンとの混合物であるゴムを記載している特許文献15、及び高分子量のポリブタジエンと低分子量のポリブタジエンとの混合物で両方とも80%以上のシス構造をもつゴムを記載している特許文献16が包含される。しかしながら、耐衝撃強度と引っ張り弾性率の望ましいバランスはなおいくつかの特定の用途のためには到達されていない。
【0008】
使用するべきゴムの変性の過程で出来上がった樹脂のゴム粒子分布の設計、樹脂製造過程でのプロセスの変更、異なった樹脂組成物のブレンド等々の多くの研究がなされてきた。しかしながら、ゴム粒子中のゴム分子がどのように機能するかそしてどのようにすればそれらの特性がさらに改良できるかを理解するための努力はほとんどなされていない。
【0009】
【特許文献1】
米国特許4,146,589号
【特許文献2】
米国特許4,214,056号
【特許文献3】
米国特許4,334,039号
【特許文献4】
欧州特許096447号
【特許文献5】
欧州特許158258号
【特許文献6】
欧州特許152752号
【特許文献7】
米国特許4,493,922号
【特許文献8】
米国特許4,153,645号
【特許文献9】
欧州特許015752号
【特許文献10】
米国特許4,334,039号
【特許文献11】
欧州特許096447号
【特許文献12】
米国特許4,146,589号
【特許文献13】
欧州特許048389号
【特許文献14】
欧州特許418042号
【特許文献15】
特開平02−762722号
【特許文献16】
特開平7−5789号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の課題は、これらの問題点を解決し、選択された用途のための光沢、流れ性、耐衝撃性と引っ張り特性のバランスが改良されたゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、a)モノビニリデン芳香族ポリマーマトリックス;及び(b)その中に分散させたゴム粒子からなり、該ゴム粒子がポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状構造をもち、5〜1,000センチポイズの溶液粘度及び5〜120のムーニー粘度をもつジエンゴムから製造されることを特徴とするゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーである。
【0012】
本発明の好ましい態様は、(a)モノビニリデン芳香族ポリマーマトリックス;及び(b)その中に分散させたセル状又はコア−シェル粒子形状のゴム粒子からなり、該ゴム粒子がポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状構造をもつポリブタジエンゴムから製造されるゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーである。
【0013】
本発明の別の観点は、(a)モノビニリデン芳香族モノマー及び溶解したジエンゴムを含む反応混合物を反応器手段に連続的に供給し、(b)反応器手段中で溶解したジエンゴムの存在下に相転移が引き続いて起こる条件下にてモノビニリデン芳香族モノマーを連続的に重合し、(c)反応器手段からモノビニリデン芳香族ポリマーを連続的に取り出す諸工程からなるゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーの製造方法において、(d)反応混合物に溶解させるジエンゴムがポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状のポリブタジエンを含むことを特徴とするゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーの製造方法である。
【0014】
好ましい態様においては、該工程はさらに(e)適切量のグラフト開始剤及び所望のゴム粒子径分布を得るのに十分な反応器の撹拌を用いることを含む。
別の好ましい態様においては、該工程はさらに(f)所望のゴム粒子径及び粒子径分布を得るために二つの異なったジエンゴムを含むゴムブレンドを用いることを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーは耐衝撃性と引っ張り弾性率に優れたバランスを有し、射出成形用途、押出用途、発泡用途を含む種々の用途に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に好適なモノビニリデン芳香族ポリマーはビニル芳香族モノマーの重合によって製造されるポリマーである。ビニル芳香族モノマーとしては、限定はしないが、特許文献17、特許文献18及び特許文献19に開示されているものが包含される。好ましくは、モノマーは次式で示されるものである:
【0017】
【化1】
【0018】
ここでR’は水素又はメチル、Arはアルキル、ハロ、又はハロアルキルで置換されていてもいなくてもよい1から3の芳香族環をもつ芳香族環構造であり、ここでアルキル基は1から6の炭素原子を含み、ハロアルキルはハロ置換アルキル基を意味する。好ましくは、Arはフェニルまたはアルキルフェニルであり、アルキルフェニルはアルキル置換フェニル基を意味し、フェニルが最も好ましい。使用できる典型的なビニル芳香族モノマーとしてはスチレン、アルファメチルスチレン、ビニルトルエン特にパラビニルトルエンの全ての異性体、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン及びその類似物の全ての異性体、及びこれらの混合物を包含する。ビニル芳香族モノマーはまた他の共重合可能なモノマーと組み合わせてもよい。そのようなモノマーの例としては、限定はしないが、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、メタクリル酸、メチルメタアクリレート、アクリル酸、及びメチルアクリレートのようなアクリルモノマー;マレイミド、フェニルマレイミド、及び無水マレイン酸を包含する。しかしながら、本発明の実施においては、他の共重合可能なモノマーは実質上使用しないかまたは重量で10%以下であることが好ましい。特定の粒子径分布は1個以上のこれらの共重合可能なモノマーが大量にある場合にはけっして最適とはならない。一般的に、好ましいモノビニリデン芳香族モノマーはスチレン、アルファメチルスチレン、1以上のビニルトルエン異性体、及び/又はこれらの2以上の混合物であり、スチレンが最も好ましいモノビニリデン芳香族化合物である。
【0019】
モノビニリデン芳香族ポリマーは典型的には、おおよそ120,000から1,000,000の重量平均分子量(Mw)をもつ。
【0020】
本発明の実施に採用される好ましいゴムは、通常の技術、例えば、ASTM試験方法D−746−52Tを使用して決定または概算されるとき、0℃を越えない、好ましくは−50℃を越えないそしてより好ましくは−70℃を越えない二次転移温度を示すゴムのポリマー及びコポリマーである。
【0021】
とりわけ好ましいゴムはアルカジエンポリマーである。好ましいアルカジエンはブタジエン、イソプレン、クロロプレンまたはピペリレンのような1,3−共役ジエンである。最も好ましいものは1,3−共役ジエンからつくられるホモポリマー(如何なる結合モノマーも除く)であり、1,3−ブタジエンのそのようなホモポリマーが特に好ましい。モノビニリデン芳香族のような他のモノマーを少量、例えば15以下好ましくは10重量%以下含むアルカジエンコポリマーゴムもまた、もしゴムがここで述べる他の特性に適合するなら採用することができる。最も好ましいゴムは少なくとも30%のシス含量をもつ1,3−ブタジエンの線状ホモポリマーである。
【0022】
本発明に好適なゴムは当業者に公知のアニオン重合又はチーグラーナッタ重合によって製造することができる。本発明に従って使用するのに好適なゴム材料に関しては、存在する材料に実質上要求されることはポリブタジエンゴムが実質上線状タイプでありそして長鎖分岐を含まないことである。そのようなゴムは通常ポリマー主鎖の10000炭素原子当たり1個の長鎖分岐以下しか含まない。これらのゴムはHIPS及びABS樹脂を作るのに最も適した範囲の分子量をもたなければならない。これらのゴムのミクロ構造は1,2−ビニル、1,4−シス及び1,4−トランスレベルの種々の量を含む在来のタイプのいずれかであることができる。薄いタイプのゴムはビタジエンのアニオン重合又はチーグラーナッタタイプの重合技術によって製造することができる。これらのゴムを製造する最も経済的なルートの一つは特許文献20、特許文献21及び特許文献22そして特許文献23に記載されているようなネオジミウムベースの触媒を用いている。ゴム中の分岐レベルは非特許文献1;非特許文献2;及び非特許文献3に詳細に記載されているような熟練した当業者に公知の技術によって容易に決定することができる。
【0023】
ここで使用されるときは、分子量はASTM試験方法D−3536(ポリスチレン標準)に記載されているゲルパーミエーションクロマトグラフ技術によって決定されそしてゴムとポリスチレン標準との間の補正無しで表されるゴム成分の重量平均分子量又はMwである。
【0024】
本発明に特に好適なゴムはポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含み、好ましくはポリマー主鎖中の10,500炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含みそしてより好ましくはポリマー主鎖中の11,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状のものである。本発明に特に好適なゴムは5〜1000センチポイズ、好ましくは10〜900センチポイズそしてより好ましくは20〜800センチポイズの溶液粘度(キャノンフェンスケキャピラリー粘度計、キャピラリーNo.400、1.92mm内径を使用してスチレン中23℃で5重量%で測定)をもつ。本発明に特に好適なゴムはまた5〜120、好ましくは10〜100そしてより好ましくは20〜90のムーニー粘度(ML4+1,100℃ DIN 53523)をもつ。
【0025】
ゴムは少量の架橋剤を含んでもよいが、過剰の架橋はゴム的性質の喪失を生じ及び/又はゴムをモノマー中に不溶にする。
【0026】
ゴムは、ゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーの合計重量基準で、ゴム強化ポリマー製品が2から20%、好ましくは3から17%、より好ましくは3から15重量%のゴム又はゴム等価物を含むような量で使用するのが有利である。
【0027】
用語“ゴム”または“ゴム等価物”は、ゴム材料の重量を示すためにここで使用されるときは、ゴムホモポリマー(ポリブタジエンのような)の場合、単純にゴムの量を意味し、ブロックコポリマーの場合はホモ重合したときゴム状ポリマーを生成するモノマーからつくられるコポリマーの量を意味することを意図している。例えば、ブタジエン−スチレンブロックコポリマーゴムが用いられている組成物中のゴムの量を計算する場合は、組成物の“ゴム”または“ゴム等価物”はブロックコポリマー中のブタジエン成分のみを基準に計算される。もちろん、ゴム材料の物理的性質又は他の側面を測定する場合には、いくつかのコモノマーを含む完全なゴム材料が対応する。
【0028】
本発明のゴムが驚くべきことに良好な樹脂製品に導くことを見出した。これはゴム粒子が生成するとき、ゴムはゴム分子を架橋することによって3次元ネットワークに変換するためであると信じられている。粒子は破砕過程で変形するので、それらは伸びてそして破砕エネルギーを吸収する耐荷重成分となり、樹脂の靭性を与える。長鎖分岐を含む在来のゴムにおいては、全てのゴム粒子が耐荷重工程には存在しない。これは各分岐点が別の遊離末端を生成しそしてこれらの遊離末端の或る量を架橋するとき、末端は3次元的に結合せず、無駄になり、樹脂の靭性に寄与しないためである。該ゴムの無駄になった部分は樹脂の靭性に寄与しないばかりでなく、それは樹脂の流れを減少させ、光沢や剛性、そしてコストを減少させる有害な影響を与え続ける。
【0029】
一方の実質上線状のゴム分子は2つの主鎖末端のみをもち、そして自由でない主鎖末端を含む3次元ポリマーネットワークに架橋するときにゴムの有害な寄与で損傷することなしに良好な靭性に導く。そのようなゴムバランスは性質の良好なバランスをもつ樹脂をもたらす。
【0030】
ゴム粒子のモルフォロジーに関しては、それらはコア−シェルタイプ、セル状タイプ、ラビリンスタイプ及びたまねぎ肌タイプをもつことができる。
【0031】
本発明の製造方法は粒子径と分布の連続が標準重合方法及び装置で得られるような製造条件下で、実質上線状の分子構造をもつゴムを使用することが特徴である。
【0032】
ゴム強化ポリマーの製造においては、反応混合物はゴムをモノマーに溶解することで調製されそして生ずるモノマー/ゴム溶液(ここでは反応混合物と呼ぶ)は反応器手段に供給されそして引き続き重合される。反応混合物中に最初に溶解されるゴム量は最終のゴム強化ポリマー製品中の所望のゴム濃度、重合過程の転化率及び反応混合物溶液の粘度に依存する。特に、反応混合物溶液の粘度は10000センチポアズ以下が有利である。高粘度では、反応混合物溶液は操作しにくくなる。反応混合物溶液の粘度が不必要に高くなければ、反応混合物溶液は一般的に使用されるゴムとモノマーの合計量基準でゴムの4から20重量%を含む。
【0033】
必要に応じ、反応混合物は有機液体希釈剤を含む。適切に使用される有機液体希釈剤は通常使用される重合条件で沸騰しない液体有機物質でモノマー(3)とそれからつくられるポリマーとの溶液を形成する。代表的な有機液体希釈剤としては、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン及びキシレンのような芳香族(及び不活性置換芳香族)炭化水素;ヘプタン、ヘキサン及びオクタンのような5個以上の炭素原子の直鎖又は分岐鎖をもつ飽和又は不活性に置換された、飽和脂肪族;シクロヘキサンのような5個又は6個の炭素原子をもつ脂環式又は不活性に置換された脂環式炭化水素が包含される。好ましいそのような有機液体希釈剤は不活性に置換された芳香族で、エチルベンゼンとキシレンが最も好ましい。一般的には、有機液体は重合過程での操作性及び熱伝導、例えば、重合混合物の流動特性を改善するのに十分な量で使用される。そのような量は、使用されるゴム、モノマー及び希釈剤、重合装置及び所望の重合度によって変化する。一般的には、もし使用するならば、反応混合物は通常、ゴム、モノマー及び希釈剤の合計重量基準で2から30重量%の希釈剤を含む。
【0034】
反応混合物の重合の過程では、重合条件は相転移が引き続き起こるように維持される。そのような条件下ではモノマーはゴムと一緒に重合し(グラフトし)また別々に重合し(遊離ポリマー)、溶解したゴムは重合したモノマーの一部とグラフトする。ゴムと基本的に溶け合わない遊離のポリマーのバランスはモノマー/ゴム(グラフトゴムを含む)溶液の大容積連続相中に分散した不連続な小容積ポリマー/モノマー相を形成する。
【0035】
究極的には、遊離ポリマーの十分な量が生成した後で、遊離ポリマーは未重合モノマーの連続相中に分散した不連続層から、重合混合物中の連続又は不連続相が区別できないところを経由して、個々の粒子として分散しているゴムをもつ連続ポリマー相に転換する。ポリマー/モノマー相が大容量相そしてそれから連続相になるとき、グラフトゴムは不連続相を形成する。相転移が起こりそして、モノビニリデン芳香族ポリマーのマトリックス中に分散しているゴム粒子をもつ生成物となる連続相を通して、ゴムが粒子形状に分散するようになる時が重合におけるポイントである。
【0036】
好ましくは、相転移で、ゴムは最初の寸法に対応する分散ゴム粒子が重合プロセスの残りの部分を通じて本質的に同じ平均粒子径及びモルフォロジー的な性質を保持できるように十分にグラフトする。好ましい態様においては、グラフトゴムの量は少なくとも相転移での合計ゴム量の30%である。相転移点でのジエンゴムのグラフト率は製造されるゴム変性ポリマーの性質に重大な影響をもつ。一般的には、鎖あたりのグラフトの数はゴム粒子の粒径、構造及び取り込まれるポリマーマトリックスの量に影響を与える。グラフトレベルが高くなると、より高いゲル含量、より大量のグラフトゴム及びグラフトしてゴム粒子中に取り込まれたマトリックスポリマー含量の増大をもたらす。増加したゲル含量は達成されるゴム相体積を増加させることができる点で非常に望ましい。
【0037】
重合工程での逆混合の注意深い制御は所望のゴム粒子径を得るために重要である。したがって、本発明の本質的な特徴は相転移に先立って重合がプラグフロー(押し出し流れ)形式で進行し逆混合を制限するか最小にしなければならないという点である。所望のゴム粒子径はもし重合反応混合物が激しく又は、全体としてさらに悪い状態で逆混合するなら実現しないであろう。それゆえ、逆混合の度合いは所望のゴム粒子径が得られるような程度に制御するか制限することが好ましい。逆混合量の制御の程度及び形式は、部分的には、重合プロセスで採用される装置の幾何学的形状に依存し、その制御の達成は熟練した当業者が在来のプロセス制御技術を使用して過度の実験なしで可能な範囲内にある。
【0038】
必須のゴム粒子径分布を達成するために用いられる重合プロセスの特徴としては、グラフトを促進する、例えば、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、ジベンゾイルパーオキサイド、及びジラウロイルパーオキサイド;パーケタール、例えば、1,1−ビスターシャリーブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ビスターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、及びジ−クミルパーオキサイド;そしてパーカーボネートのようなパーエステルを含むパーオキサイド開始剤のような化学的開始剤;及びフォトケミカルな開始技術;及びその類似物の使用が包含される。好ましい開始剤としては、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビスターシャリーブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ビスターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びターシャリーブチルパーオキシアセテートが包含される。
【0039】
開始剤は、用いられる特定の開始剤、ポリマーグラフトの望まれるレベルそして塊状重合が実施される条件を含む要因の変化に応じて濃度範囲が選ばれる。特に、ゴム強化ポリマーを製造するために好ましい塊状重合の場合には、モノビニリデン芳香族ポリマーのマトリックス中に分散しているゴム粒子をもつ製品を生成するモノマーの100万重量部当たり50から2000、好ましくは100から1500重量部の開始剤が使用される。
【0040】
相転移は通常、反応混合物の重量基準で、反応混合物が加えたゴム重量の2.5倍または3倍重量の固体レベルを含む重合プロセスの時点で起こる。それゆえ、比較的高い攪拌レベルは、反応混合物が、反応混合物の重量基準で、加えたゴム重量の少なくとも3倍、好ましくは4倍重量の固体レベルを含む重合プロセスの時点まで維持することが好ましい。
【0041】
例えば、反応混合物に5から10重量%のゴムが加えられたときに、反応混合物が30重量%の固体を含むまで比較的高い攪拌が維持される。ここで使用される場合、用語の固体は最初に加えられたゴムと生成したモノビニリデン芳香族ポリマーのような反応混合物中のポリマー状の成分を意味する。
【0042】
特定の製造装置によれば、特定のゴム粒子径分布の形成をさらに容易にするために利用することができるという他のプロセスの特質がある。
【0043】
一般に、連続法が反応混合物中のモノビニリデン芳香族化合物を塊状重合させるために使用される。本発明の実施においては、一般的に層状の、線形流れ、攪拌式の塔タイプの反応器(プラグフロータイプの反応器と呼ばれることもある)を使用することが好ましい。そのような反応器は良く知られている。例えば、特許文献24を参照されたい。
【0044】
そのような重合プロセスの重要な特徴は、反応混合物中でモノビニリデン芳香族モノマーの重合の重要な部分が溶解したゴムの存在下で起こるということである。相転移とゴム粒子の沈積及び分散は、ゴム上にモノビニリデン芳香族ポリマーが十分グラフトするまで起こらず、主にゴムが溶液状態のときに起こる。
【0045】
これは予め決められた転化率レベルで操作される完全混合攪拌槽型反応器(非層流、非プラグフロー)での重合の主な利点である。典型的には、既に重合したモノビニリデン芳香族ポリマーがかなりのレベルで存在することにより、グラフト重合が起こる前に、より重要なこととしては、適切なゴム材料の高分子量成分及び低分子量成分が分離しそしてゴム粒子のグループを形成する前に、そのような反応器への供給流れ中に溶解しているゴムは速やかに粒子として分散する。
【0046】
さらに、本発明による製造法は標準の塊状重合製造装置で特別の装置改造を行わなくてもバイモーダルなゴム粒子分布をもつモノビニリデン芳香族ポリマーを有利に製造できる利点がある。そのような標準装置は典型的にはゴム、モノマー、必要に応じ希釈剤及び他の添加剤の溶液を含む未重合反応混合物の一段供給を使用する。反応混合物はそれから一段または連続の反応槽を通って進むときに重合する。反応槽(連続)の末端で生成物が回収されそして希釈剤及び残りのモノマーも回収される。
【0047】
重合混合物はその他の追加の物質及び/又は可塑剤のような重合助剤又は鉱油、ブチルステアレートまたはジエチルフタレートのような潤滑剤;抗酸化剤(例えば、ジ−t−ブチル−p−クレゾールのようなアルキルフェノール又はトリスノニルフェニルフォスフェートのようなフォスフェート);n−ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタンのような連鎖移動剤;又は、離型剤、例えば、亜鉛ステアレート;を含んでいてもよく、添加剤及び/又は重合助剤の全ては重合の前、途中又は後を含む適切なところで反応混合物に加えられる。
【0048】
連鎖移動剤の使用は随意でありそして通常大粒径のゴム粒子(例えば少なくとも1マイクロメートルの平均粒子径をもつ)を含む組成物またはプレポリマーの製造においてのみ使用される。もし使用する場合は、連鎖移動剤は一般的には加えられる重合混合物の重量基準で0.001から0.5重量%の量で使用される。
【0049】
重合が最も有利に行われる温度は使用される特定の成分、特に開始剤に依存するが、一般には60から190℃で変化する。
【0050】
得られる製品中のゴムの架橋と未反応モノマー、同様にもし用いられるなら反応希釈剤、及びその他の揮発性物質の除去は在来の技術を使用して有利に実施できる。
【0051】
以下の実施例は本発明を例示するためになされたものでありその範囲を限定するものと見做してはならない。実施例においては、全ての部及びパーセントは他に断りがなければ重量基準である。
【0052】
実施例:
全ての物理的性質は射出成型サンプルで測定される。
差分粘度検知器付きのサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC/DV)によるポリブタジェン中の長鎖分岐の測定
【0053】
実験条件
サイズエクスクルージョンクロマトグラフィーは室温に保持されているトーソーハースから市販されている三つのTSK−ゲル、GMH6カラム(E0001、E0003及びC0010)上で実施する。溶離剤を真空脱気し、HPLCグレードのテトラヒドロフランを1ml/分で流す。ウオーターズ社の2690LCシステムを溶媒を流しサンプルを注入するために使用する。注入容量は50μlである。差分粘度検知器は35℃で操作されるビスコテックモデルHである。濃度検知器は35℃で操作されるウオーターズ、2410差分屈折率(DRI)計である。検出器はライン中に続くDRIと直列に垂直に置かれる。得られるデータはポリマーラボラトリー社の較正ソフトウエアを使用して較正される。共通の較正はポリマーラボラトリー社の線状、狭分子量PS標準を使用して行った。較正に使用した分子量の範囲は6,850,000〜1,300g/molである。共通較正曲線は3次元多項式に一致する。各標準液の濃度は分子量に依存し(高Mw〜低Mw)、0.2〜1mg/mlの範囲である。バルケによって非特許文献4に記載されているシステマチックなアプローチが内部検知器のオフセットを確認し適切なカラムと粘度計の較正を確実にするために使用される。ダウPS1683が濃度1.4mg/mlのブロード対照物質として使用される。
【0054】
高シスポリブタジエンサンプルは暗室で取り扱いそして分析のために調製されるまで冷蔵庫に保管する。サンプル調製は0.010〜0.012g(0.0001g近くまで秤量)をバイアル瓶に秤量し、約1000ppmのIONOLを含む10mlのHPLCグレードのTHFを加えそして平底振騰器上で24時間ゆっくり撹拌する。溶液を注入前に1ミクロンPTFEフィルターでろ過する。分子量感応検知器につながれたサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(光散乱及び/又は差分粘度計)をポリマー(2、3)中の長鎖分岐振動数を測定するために使用した。この試験では、非特許文献5及び6に記載されている手順でわずかの修正を行った。その工程は以下のとおりである:
【0055】
1)式λ=(n*13,500/Mb)、ここでnは連鎖当たりの3官能分岐部分、そしてλは1000主鎖炭素原子当たりの長鎖分岐の数、によって記載される一定分岐振動数λを仮定する。
【0056】
2)分岐サンプル及び線状サンプルのSEC DVによる純粋な分子量分布を測定する。それぞれのSEC溶出液体積増分において得られる分子量(M)及び固有粘度(IV)を記録する。
【0057】
3)分岐ポリマーサンプル及び線状ポリマーサンプルのlogMに対するlogIVをプロットする。
【0058】
4)6から5の範囲のlog分子量に対する1次多項式で線状サンプルのlogM対logIVを適合させる。
【0059】
5)λで初期推定を行う。上記1)の式を使用して、nを計算する。
【0060】
6)5)で決定されたn値及び分別された、ランダムに分岐した、3官能分岐点のチム−ストックマイヤー式を使用して、gを計算する(非特許文献5及び6の“数平均式”を参照されたい)。
【0061】
7)g’=g^(0.5)を仮定して、分岐ポリマー固有粘度:線状ポリマー固有粘度の比、g’を計算し、そしてこの値を各分子量Mにおいて計算する。
【0062】
8)計算されたg’と線状の対照固有粘度の4)で適合させた直線を使用して、分子量Mにおける分岐ポリマーの固有粘度を計算する。
【0063】
9)6.5から4.8の範囲のlogMをカバーする全ての分子量に対して8)を繰り返す。
【0064】
10)適切な重量平方*の合計を決定する。解決手段としてEXCELのような最適化平方根を使用して重量平方の合計が最小化されるまでλの値を変化させる。
【0065】
*二つの独立した重量を使用する。第一の重量因子はC^6、ここでCは与えられた滞留容積増分で溶離するポリマー濃度、である。第二の重量因子はM、分岐ポリマーの分子量、である。このように、重量平方の合計を計算するための式は以下の通りである:
【0066】
【数1】
【0067】
【数2】
【0068】
11)6.5から4.8の範囲のlogMをカバーする各Mにおける実験上のg’を決定する。g=g’^2を仮定してgを決定する。分別されたサンプル中のランダムに分岐した、3官能分岐点のチム−ストックマイヤー式からnを決定する(非特許文献5及び6の“数平均式”を参照されたい)。上記1)で与えられる式を使用してλを計算する。ポリマー生成物の重量分率を合計することによって平均分岐振動数をそしてその特定の分子量における分岐振動数を計算する。g’が最大値、又は1に到達するまでlogM=6.5を合計する。この値はブルートフォースLCB値と呼ばれる。
【0069】
【特許文献17】
米国特許4,666,987号
【特許文献18】
米国特許4,572,819号
【特許文献19】
米国特許4,585,825号
【特許文献20】
欧州特許109971号
【特許文献21】
特願平11−307572号
【特許文献22】
特願平11−322370号
【特許文献23】
米国特許5,914,377号
【特許文献24】
米国特許2,727,884号
【非特許文献1】
T.H,Mourey and S.T.Balke,“A Strategy for Interpreting Multidetector Size−Exclusion Chromatography Data I:Development of a Systematic Approach”,Am.Chem.Soc.Symp.Ser.,521,180(1993)
【非特許文献2】
A.Rudin,“Measurement of Long−Chain Branch Frequency in Synthetic Polymers,”in H.G.Barth and J.W.Mays(Eds.),Modern Methods of Polymer Characterization ”,John Wiley and Sons,New York,1991
【非特許文献3】
S.Pang and A.Rudin,“Size−Exclusion Chromatographic Assesment of Long−Chain Branch Frequency in Polyethylenes”、Am.Chem.Soc.Symp.Ser.,521,254(1993)
【非特許文献4】
T.H.Mourey and S.T.Balke,“A Strategy for Interpreting Multidetector Size−Exclusion Chromatography Data I:Development of a Systematic Approach”,Am.Chem.Soc.Symp.Ser.,521,180(1993)
【非特許文献5】
A.Rudin,“Measurement of Long−Chain Branch Frequency in Systematic Polymers”,in H.G.Barth and J.W.Mays(Eds.),Modern Method of Polymer Characterization“,John Willey and Sons,New York、1991
【非特許文献6】
S.Pang and A.Rudin,“Size−Exclusion Chromatographic Assesment of Long−Chain Branvh Frequency in Polyethylenes”,Am.Chem.Soc.Symp.Ser.,521,254(1993)
【実施例1】
【0070】
二つのHIPS製品を、温度及び撹拌速度が所望の粒子径を得るように調節された在来の三つの反応器設定条件を使用する同じ条件下で表1に記載されるように製造する。
【0071】
【表1】
【0072】
全ての物理的性質は圧縮成型によって決定される。
【0073】
表からわかるように、実施例1は比較例1に比較して引っ張り及び曲げパラメーターに見られるような改良された剛性をもつ。
【実施例2】
【0074】
実施例1と同様に、サンプルの第二の組み合わせを製造しそして表2に記載する。
【0075】
【表2】
【0076】
実施例2は比較例2より良好な機械的性質をもっている。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーは耐衝撃性と引っ張り弾性率に優れたバランスを有し、大型装置、家庭電気製品、エアコン、冷蔵庫、冷凍庫、小型装置、カセット、ラジオ、TV、ステレオのキャビネット、家具及び家具調度類、玩具、家庭用品、建築及び建設用途、履物、医療用途、包装、使い捨て用品(大型コップ、グラス、皿、コップ、ボール、平皿、食事用具)、中空成形要素、発泡ボード、シート、及びフィルムなどの射出成形用途、押し出し用途、発泡用途を含む種々の用途に有用である。
Claims (18)
- (a)モノビニリデン芳香族ポリマーマトリックス;及び(b)その中に分散させたゴム粒子からなり、該ゴム粒子がポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状構造をもち、5〜1,000センチポイズの溶液粘度及び5〜120のムーニー粘度をもつジエンゴムから製造されることを特徴とするゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- ゴムが10〜900センチポイズの溶液粘度及び10〜100のムーニー粘度をもつ請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- ゴムが20〜800センチポイズの溶液粘度及び20〜90のムーニー粘度をもつ請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- ゴムがポリマー主鎖中の11,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐をもつ請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- 該ポリマー中のゴム量が該ポリマーの合計重量基準で2〜20重量%である請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- ゴムが0.1〜10ミクロンの体積平均粒子径をもつ粒子として分散している請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- ゴム粒子が小粒子及び大粒子の形態で分散しており、小粒子の体積平均粒子径が約0.1〜約2μmで大粒子の体積平均粒子径が2〜6μmである請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- モノビニリデン芳香族ポリマーがポリスチレンである請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- ジエンゴムがポリブタジエンである請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- ジエンゴムが実質上線状の成分が少なくとも25重量%であるような1以上のゴムの混合物である請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- ジエンゴムが30%以上の1,4シス含量をもつ請求項1記載のゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマー。
- (a)モノビニリデン芳香族モノマー及び溶解したジエンゴムを含む反応混合物を反応器手段に連続的に供給し、(b)反応器手段中で溶解したジエンゴムの存在下に相転移が引き続いて起こる条件下にてモノビニリデン芳香族モノマーを連続的に重合し、(c)反応器手段からジエンゴム強化モノビニリデン芳香族ポリマーを連続的に取り出す諸工程からなるゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーの製造方法において、(d)反応混合物に溶解させるジエンゴムがポリマー主鎖中の10,000炭素原子当たり1以下の長鎖分岐を含む実質上線状構造をもち、5〜1,000センチポイズの溶液粘度及び5〜120のムーニー粘度、及び30以上の1,4シス含量をもち、そして所望により、(e)適切量のグラフト開始剤及び所望のゴム粒子径分布を得るのに十分な反応器の撹拌を用いることを特徴とするゴム変性モノビニリデン芳香族ポリマーの製造方法。
- モノビニリデン芳香族ポリマーがポリスチレンである請求項12記載の製造方法。
- ゴムがポリブタジエンである請求項12記載の製造方法。
- ジエンゴムが実質上線状の成分が存在する合計ジエンゴムの少なくとも25重量%であるような1以上のゴムの混合物である請求項12記載の製造方法。
- ジエンゴムが30%以上の1,4シス含量をもつ請求項12記載の製造方法。
- 該工程がさらに(e)所望のゴム粒子径及び粒子径分布を達成するために反応混合物中に二つの異なったジエンゴムのブレンド物を用いることからなる請求項12記載の製造方法。
- 請求項1記載のゴム変性ポリマーから製造される物品。
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