JP2023025589A - エポキシ樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示の目的は、ライナーとして用いることが可能なエポキシ樹脂硬化物、該エポキシ樹脂硬化物を得ることが可能なエポキシ樹脂組成物を提供することである。【解決手段】本実施形態は、主剤と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であり、前記主剤が、ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物を含み、前記硬化剤が、ベンゼン環を有さない硬化剤を含む、エポキシ樹脂組成物である。また、別の本実施形態は、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物である。【選択図】図1

Description

本開示は、エポキシ樹脂組成物及びその用途に関する。
水素ガス等の貯蔵に利用される容器として圧力容器(高圧タンク)がある。この高圧タンクとして、軽量化等の観点から、中空形状の樹脂製のライナーと、当該ライナーの外表面に炭素繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)を巻回して形成される補強層(CFRP層)とを備えたものが知られている。
高圧タンクは、燃料電池(FC)車の水素タンク等として用いられており、高圧タンクに関する様々な技術が盛んに研究開発されている。高圧タンクを構成する炭素繊維強化樹脂としては、樹脂成分として、エポキシ樹脂組成物が硬化した、エポキシ樹脂硬化物を含むことが一般的であり、ライナーとしては、一般的にナイロンが用いられていた(例えば特許文献1参照)。
特開2017-144657号公報
本発明者らは、現在の高圧タンクは、一般的に炭素繊維強化樹脂に含まれる樹脂と、ライナーを構成する樹脂とが、別種の樹脂であるが、同種の樹脂を用いれば、CFRP層と、ライナーとのなじみがよくなると考えた。
そこで、本開示の目的は、ライナーとして用いることが可能なエポキシ樹脂硬化物、該エポキシ樹脂硬化物を得ることが可能なエポキシ樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行ったところ、エポキシ樹脂は一般的に架橋性高分子であり、エポキシ樹脂硬化物は網目構造を有しているためガス遮断性が低く、網目構造が発達しすぎると、伸びが悪くなる傾向があり、エポキシ樹脂硬化物は、ライナーに一般的に求められる物性である、水素ガス遮断性と低温時の伸びを両立させることが困難であることを見出した。
本発明者らは、さらに鋭意研究を行ったところ、特定のエポキシ樹脂組成物の硬化物であるエポキシ樹脂硬化物は、タンク用ライナーとして好適に使用可能であることを見出し、本開示に至った。
本実施形態の態様例は、以下の通りに記載される。
(1) 主剤と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であり、
前記主剤が、ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物を含み、
前記硬化剤が、ベンゼン環を有さない硬化剤を含む、エポキシ樹脂組成物。
(2) 前記主剤が、メソゲン構造を有さないエポキシ化合物を、前記主剤100質量%中に、25質量%以下含む、(1)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(3) 前記エポキシ樹脂組成物を硬化し、エポキシ樹脂硬化物を得て、前記エポキシ樹脂硬化物を偏光顕微鏡で解析した場合の、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最大値と最小値との差が、0.3以上であり、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最小値が0.05以上である、(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(4) (1)~(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物。
(5) 偏光顕微鏡で解析した場合の、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最大値と最小値との差が、0.3以上であり、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最小値が0.05以上である、(4)に記載のエポキシ樹脂硬化物。
(6) (4)又は(5)に記載のエポキシ樹脂硬化物を含む、タンク用ライナー。
(7) (6)に記載のタンク用ライナーを含む、タンク。
本開示により、タンク用ライナーとして好適に使用可能なエポキシ樹脂硬化物、エポキシ樹脂硬化物を得ることが可能なエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
タンク100の構成例を示す模式的断面図である。
本実施形態は、主剤と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であり、前記主剤が、ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物を含み、前記硬化剤が、ベンゼン環を有さない硬化剤を含む、エポキシ樹脂組成物である。また、別の本実施形態としては、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物である。以下、本実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、主剤と硬化剤とを含有する組成物である。本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、その流通時、保管時において、主剤と硬化剤とが別々に保存されていてもよい。すなわち、少なくとも主剤を含む第1部と、硬化剤を含む第2部とを含むエポキシ樹脂組成物キットとして、流通、保管されてもよい。すなわち、本実施形態の一つとして、少なくとも主剤を含む第1部と、硬化剤を含む第2部とを含むエポキシ樹脂組成物キットが挙げられる。
前記主剤には、ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物が含まれる。ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物を用いることにより、該ベンゼン環により、エポキシ樹脂硬化物がスタッキング相互作用を十分に示すため好ましい。なお、エポキシ化合物とは、分子中にエポキシ基を有し、好ましくはエポキシ基を複数(例えば2個~10個、好ましくは2~4個)有する化合物を意味する。
前記主剤は、主剤100質量%中、ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物を70質量%以上含むことが好ましく、75質量%以上含むことがより好ましい。またある実施態様においては、前記主剤は、主剤100質量%中、ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物を90質量%以上含んでいてもよく、100質量%含んでいてもよい。
前記ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物としては、メソゲン構造として、ベンゼン環を含むメソゲン構造を有しているエポキシ化合物であればよく、特に制限はない。ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物としては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。前記ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物とは、ベンゼン環を最小単位とする平板構造を有し、且つ、共役性を有するメソゲン基(メソゲン構造)を有するエポキシ化合物であればよい。ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、エポキシ樹脂はエポキシ基が反応する前、すなわち、硬化前の樹脂を意味し、エポキシ化合物と言い換えることができる。なお、本発明においてメソゲン構造とは、剛直性の高い部分構造を言い、ベンゼン環を有するメソゲン構造としては、具体例としては、ビフェニル構造、フェニルベンゾエート構造、アゾベンゼン構造、スチルベン構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、トリフェニルメタン構造、アントラセン構造、これらの誘導体、これらのメソゲン構造の2つ以上が結合基を介して結合した構造等が挙げられる。
主剤には、ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物以外の成分として、メソゲン構造を有さないエポキシ化合物が含まれていてもよい。メソゲン構造を有さないエポキシ化合物を用いる場合には、メソゲン構造を有さないエポキシ化合物を、前記主剤100質量%中に、25質量%以下含むことが好ましい。ある実施態様においては、前記主剤は、主剤100質量%中、メソゲン構造を有さないエポキシ化合物を10質量%以下含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。メソゲン構造を有さないエポキシ化合物を含まないことが好ましい態様の一つである。
前記メソゲン構造を有さないエポキシ化合物としては、メソゲン構造を有していないエポキシ化合物であればよく、特に制限はない。メソゲン構造を有さないエポキシ化合物としては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。前記メソゲン構造を有さないエポキシ化合物としては、例えば柔軟性を持つエポキシ樹脂が適用可能であり、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記硬化剤には、ベンゼン環を有さない硬化剤が含まれる。主剤としてベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物を用い、硬化剤としてベンゼン環を有さない硬化剤を用いることにより、エポキシ樹脂硬化物が良好なガス遮断性及び低温伸びを示すため好ましい。
前記硬化剤としては、エポキシ化合物の硬化剤として用いられるものであり、且つ分子中にベンゼン環を有さないものであればよい。硬化剤としては、特に制限はないが、例えば、三フッ化ホウ素アミン錯塩、ポリアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、カルボン酸系硬化剤等が挙げられる。
三フッ化ホウ素アミン錯塩としては、例えば、三フッ化ホウ素モノエチルアミン、三フッ化ホウ素ジエチルアミン、三フッ化ホウ素イソプロピルアミンが挙げられる。
ポリアミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン系硬化剤;イソホロンジアミンなどの脂環式アミン系硬化剤;ジシアンジアミドが挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸が挙げられる。
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾールが挙げられる。
カルボン酸系硬化剤としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸が挙げられる。
これらのベンゼン環を有さない硬化剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物の全量、すなわちエポキシ化合物としてベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物のみを使用する場合にはその量、エポキシ化合物としてベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物及びメソゲン構造を有さないエポキシ化合物を使用する場合にはその合計量、に対する硬化剤の量が、エポキシ化合物の全量100質量部に対して、硬化剤が0.01~15質量部であることが好ましく、0.3~13質量部であることがより好ましく、0.5~10質量部であることが更に好ましく、0.6~7質量部であることが特に好ましい。また、エポキシ化合物の全量100質量部に対して、硬化剤が4~6質量部であることが、特に好ましい態様の一つである。
エポキシ樹脂組成物は、前述のベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物、ベンゼン環を有さない硬化剤、及び任意に用いられるメソゲン構造を有さないエポキシ化合物以外の成分(他の成分)を含んでいてもよい。
他の成分としては、溶媒、硬化触媒、硬化促進剤、カップリング剤、無機充填剤、ガラス繊維やセラミックス繊維等の繊維類、織布、不織布、難燃剤、希釈剤、可塑剤、滑剤等が挙げられる。
溶媒としては、前述のベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物、ベンゼン環を有さない硬化剤、及び任意に用いられるメソゲン構造を有さないエポキシ化合物を均一に溶解又は分散可能なものであればよく、特に制限されないが、例えば、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン、アセトン及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物の製造方法としては特に制限はなく、前述のベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物、ベンゼン環を有さない硬化剤、及び任意に用いられるメソゲン構造を有さないエポキシ化合物並びに他の成分を、混合することにより得ることができる。具体的な製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のエポキシ樹脂組成物の製造方法等に基づき、製造することができる。
本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、前述の本実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物を硬化し、エポキシ樹脂硬化物を得て、前記エポキシ樹脂硬化物を偏光顕微鏡で解析した場合の、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最大値と最小値との差が、0.3以上であり、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最小値が0.05以上であることが好ましい。また、言い換えると、本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は偏光顕微鏡で解析した場合の、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最大値と最小値との差が、0.3以上であり、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最小値が0.05以上であることが好ましい。
エポキシ樹脂硬化物が良好なガス遮断性を示すためには、十分な分子間のスタッキング相互作用(π-πスタッキング相互作用)が必要となる。平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最大値と最小値との差が、0.3以上であると、十分に分子が配向していることを意味し、エポキシ樹脂硬化物がスタッキング相互作用を十分に示すことの指標となる。また、エポキシ樹脂が十分な低温伸びを示すためには、配向が二次元ではなく、三次元に十分に発達することが必要となる。平行ニコル時の強度で規格化した際の強度がゼロを示す角度が存在する場合には、二次元に配向が発達していることを示唆するため、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最小値が0.05以上であることが望まれる。すなわち、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最大値と最小値との差が、0.3以上であり、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最小値が0.05以上であると、該エポキシ樹脂硬化物は、偏光顕微鏡で解析した際の角度依存性が小さく、且つ強度が大きいことを意味し、等方的な結晶配向性を示すことが示唆される。
本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、タンク用ライナーとして用いることができる。タンク用ライナーを、以下単にライナーとも記す。前述のエポキシ樹脂硬化物は、例えば高圧タンク等のタンク用ライナーに求められる物性を有し、且つエポキシ樹脂硬化物を通常含む炭素繊維強化樹脂層とのなじみがいいため、タンク用ライナーとして好適に用いることができる。
本実施形態のタンクは、前述のタンク用ライナーを含む。本実施形態のタンクは、前述のタンク用ライナーを含んでいればよく、それ以外の構成としては、特に制限はないが、タンクの構成の一例を図1と共に以下に示す。
図1は、タンク100の構成例を示す断面図である。図1は、タンク100の中心軸に平行でかつ中心軸を通る面で切断された断面図を示している。タンク100の中心軸は、略円筒状を有するタンク本体の円の中心を通る軸と一致する。タンク100は、例えば、圧縮水素等の気体を充填するために用いることができる。例えば、タンク100は、高圧タンクとして、圧縮水素が充填された状態で、燃料電池に水素を供給するために、燃料電池車に搭載される。
タンク100は、ライナー10と、外殻としての炭素繊維強化樹脂層20と、バルブ側口金30と、エンド側口金40と、バルブ50と、を備える。また、ライナー10と炭素繊維強化樹脂層20の間には、任意に保護層(図示せず)が配置されていてもよい。また、炭素繊維強化樹脂層20の外側に、任意に表層、例えば表面を保護するガラス繊維強化プラスチック層(図示せず)が配置されていてもよい。ライナー10は、内部に水素が充填される空間を備える中空形状とされ、水素が外部に漏れないように内部空間を密閉するガスバリア性を有する。
炭素繊維強化樹脂層20は、ライナー10の外側を覆うように形成された樹脂層である。ライナー10及び、炭素繊維強化樹脂層20はそれぞれ、バルブ側口金30、エンド側口金40の一部を覆うように形成されている。炭素繊維強化樹脂層20は、主にライナー10を補強する機能を有する(補強層)。
図1において、バルブ側口金30は、略円筒状を成し、ライナー10と炭素繊維強化樹脂層20との間に嵌入されて、固定されている。バルブ側口金30の略円柱状の開口が、タンク100の開口として機能する。本実施形態において、バルブ側口金30は、例えば、ステンレスから形成できるが、アルミニウム等の他の金属から成るものであってもよいし、樹脂製であってもよい。バルブ50は、円柱状の部分に、雄ねじが形成されており、バルブ側口金30の内側面に形成されている雌ねじに螺合されることにより、バルブ50によって、バルブ側口金30の開口が閉じられる。エンド側口金40は、例えばアルミニウムから成り得、一部分が外部に露出した状態で組み立てられ、タンク内部の熱を、外部に導く働きをする。
タンクの製造方法としては、特に制限はなく、従来のタンクと同様の方法で製造してもよい。例えば、エポキシ樹脂組成物を、ライナー状に固化させ、ライナーとしてエポキシ樹脂硬化物を形成し、該ライナーに炭素繊維強化樹脂を巻回し、炭素繊維強化樹脂中のエポキシ樹脂組成物を硬化させ補強層を形成することにより、タンクを製造してもよい。別の方法としては、例えば、マンドリル等を用いて炭素繊維強化樹脂をタンク状に成形し、タンク状に成形された炭素繊維強化樹脂の内側にエポキシ樹脂組成物を供給し、エポキシ樹脂組成物をタンク状炭素繊維強化樹脂の内表面に広げ、その後エポキシ樹脂組成物を硬化させることによりライナーを形成し、タンクを製造してもよい。この際、タンク状炭素繊維強化樹脂中のエポキシ樹脂組成物の硬化は、ライナーを形成するために供給されたエポキシ樹脂組成物の硬化の前であっても、同時であってもよい。すなわち、本実施形態のライナーは、塗工ライナー(後形成ライナー)であってもよい。
また、上述の方法でタンクの一部を製造し、製造されたタンクの一部を組み合わせることでタンクを製造してもよい。
炭素繊維は、当該技術分野において従来知られている方法により調製することができる。炭素繊維としては、炭素を主成分とする材料であればよく、例えば、アクリルを原料とする炭素繊維、ピッチを原料とする炭素繊維、及びポリビニルアルコールを原料とする炭素繊維等がある。中でも、ポリアクリロニトリル繊維を原料として製造されるPAN系炭素繊維が好ましい。炭素繊維としては、炭素繊維強化樹脂層の強度、タンクの強度をより高めることができる連続繊維であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本実施形態を説明するが、本開示はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例、比較例では、以下の主剤及び硬化剤を使用した。
主剤1:デナコール EX-810(ナガセケムテック製)、エチレングリコールジグリシジルエーテル
主剤2:YL6677(三菱化学製)、ビフェニル型エポキシ樹脂(成分A:4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂と、成分B:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂の混合物、成分A含有率約25%、成分B含有率約75%)
硬化剤A:三フッ化ホウ素モノエチルアミン(富士フイルム和光純薬製)
硬化剤B:1,3-フェニレンジアミン
硬化剤C:4,4’-ジヒドロキシビフェニル
[実施例]
以下の表1に示す配合で、主剤及び硬化剤を混合し、エポキシ樹脂組成物(No.1~4)を調製した。調製したエポキシ樹脂組成物について、温度150℃で2時間、ガラス基板上で硬化させて、エポキシ樹脂硬化物を得た。
得られた平滑なエポキシ樹脂硬化物を、下記偏光顕微鏡を用いて分析した。各角度における強度を平行ニコル時の強度で除することで規格化した。規格化後の強度を、規格化後強度(a.u.)とも記す。なお、偏光顕微鏡を用いた分析を行っていないエポキシ樹脂硬化物については、表1の偏光強度の項目では、未取得と記載した。
偏光顕微鏡:Nikon ECLIPSE LV100ND
光源:Nikon INTENSILIGHT C-HGFI
分光検出器:Ocean Optics USB2000+XR1-ES1
[比較例]
以下の表1に示す配合で、主剤及び硬化剤を混合し、エポキシ樹脂組成物(No.5~11)を調製した。調製したエポキシ樹脂組成物について、温度150℃で2時間、ガラス基板上で硬化させて、エポキシ樹脂硬化物を得た。なお、一部のエポキシ樹脂組成物は硬化しなかった。
得られた平滑なエポキシ樹脂硬化物を、実施例と同様の偏光顕微鏡を用いて分析した。各角度における強度を平行ニコル時の強度で除することで規格化した。規格化後の強度を、規格化後強度(a.u.)とも記す。硬化しなかったエポキシ樹脂組成物については、偏光顕微鏡を用いた解析は行わなかった。なお、硬化しなかったために偏光顕微鏡を用いた解析を行わなかったエポキシ樹脂組成物については、表1の偏光強度の項目では、-と記載した。また、偏光顕微鏡を用いた分析を行っていないエポキシ樹脂硬化物については、表1の偏光強度の項目では、未取得と記載した。
実施例、比較例の配合及び結果を表1に示し、偏光顕微鏡を用いた測定結果についてその詳細を表2に示す。なお、表2における規格化後強度がマイナスを示すものについては、表1においては0とした。
Figure 2023025589000002
Figure 2023025589000003
実施例のエポキシ樹脂硬化物は、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最大値と最小値との差が、0.3以上であり、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最小値が0.05以上である一方、比較例のエポキシ樹脂硬化物は、該要件を満たしていなかった。
本明細書中に記載した数値範囲の上限値及び/又は下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。例えば、数値範囲の上限値及び下限値を任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができ、数値範囲の上限値同士を任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができ、また、数値範囲の下限値同士を任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。
以上、本実施形態を詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本開示に含まれるものである。
10 ライナー
20 炭素繊維強化樹脂層
30 バルブ側口金
40 エンド側口金
50 バルブ
100 タンク

Claims (7)

  1. 主剤と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であり、
    前記主剤が、ベンゼン環を含むメソゲン構造を有するエポキシ化合物を含み、
    前記硬化剤が、ベンゼン環を有さない硬化剤を含む、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記主剤が、メソゲン構造を有さないエポキシ化合物を、前記主剤100質量%中に、25質量%以下含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂組成物を硬化し、エポキシ樹脂硬化物を得て、前記エポキシ樹脂硬化物を偏光顕微鏡で解析した場合の、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最大値と最小値との差が、0.3以上であり、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最小値が0.05以上である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物である、エポキシ樹脂硬化物。
  5. 偏光顕微鏡で解析した場合の、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最大値と最小値との差が、0.3以上であり、平行ニコル時の強度で規格化した際の強度の最小値が0.05以上である、請求項4に記載のエポキシ樹脂硬化物。
  6. 請求項4又は5に記載のエポキシ樹脂硬化物を含む、タンク用ライナー。
  7. 請求項6に記載のタンク用ライナーを含む、タンク。
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