JP2023025440A - フィラメント3次元結合体の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】端部溶融フィラメント群を円滑に水槽内へ導くとともに、リンキングゾーンの温度低下や温度ムラが抑制可能なフィラメント3次元結合体の製造装置を提供する。【解決手段】複数の溶融フィラメントを下方へ並進させてなる溶融フィラメント群を排出する溶融フィラメント供給部と、水槽内で溶融フィラメントどうしが融着結合されるようにし、フィラメント3次元結合体を形成する融着結合形成部と、を有するフィラメント3次元結合体の製造装置であって、溶融フィラメント群の上方視端部近傍に位置する端部溶融フィラメント群を受け、内側下向きの傾斜方向へ滑らせて前記水槽内へ導く傾斜部を有した受け板と、傾斜部を被覆する吸水性シートと、吸水性シートに供給される冷却水を貯留する冷却水貯留部と、を備え、吸水性シートが冷却水貯留部から前記冷却水を吸い上げることにより、吸水性シートに冷却水が供給される製造装置とする。【選択図】図4

Description

本発明は、フィラメント3次元結合体の製造装置に関する。
熱可塑性樹脂からなるフィラメントを3次元的に融着結合させて得られる結合体(フィラメント3次元結合体)を用いた高反発マットレスが、反発力が高くて寝返りがしやすく、通気性に優れていることから近年注目されてきている。このようなフィラメント3次元結合体の製造方法として、例えば、特許文献1や特許文献2に開示された方法が知られている。
特許文献1および特許文献2の方法によれば、水平に配置された複数のノズルから溶融状態の熱可塑性樹脂を鉛直方向下向きに押し出した後、直径が1mm前後の溶融フィラメント群(線条集合体)を水中に落下させて、水の浮力でループを形成させると同時に、ループ形成した複数の溶融フィラメントどうしを3次元的に融着結合させてフィラメント3次元結合体を製造する。またこのとき、溶融フィラメント群(線条集合体)の厚さ方向の両側(前後方向両端)に位置する端部溶融フィラメント群を傾斜した受け板(シュート)で受けた後、受け板表面上を傾斜方向へ滑らせて水槽内へ落下させることにより、平滑で強度の高い高密度表面層を形成している。
端部溶融フィラメント群が受け板を円滑に滑るようにして水槽内へ落下させる方法として、特許文献1では、粗面加工を施した受け板(シュート)に冷却水を供給して冷却水膜を形成している。また、特許文献2の方法によれば、受け板(シュート)表面を透水シートで覆い、受け板(シュート)表面と透水シートとの間に冷却水を供給して冷却水膜を形成している。
特許第4966438号公報 特開2004-218116号公報
フィラメント3次元結合体を形成させるためには、複数の溶融フィラメントを水槽内(水中)で融着結合させる必要がある。そのため、溶融フィラメントどうしの融着力(融着点強度)が変化しないように、水槽内の上部の水温、特に溶融フィラメントどうしの融着結合が生じる水槽内の領域(リンキングゾーン)の水温を一定にする必要がある。
しかしながら、受け板の上部から冷却水を供給すると、冷却水が水槽内に流れ落ちて水槽上部の水温が低下するため、受け板から離れた前後方向中央部(厚み方向中央部)では水温が低下しにくいものの、冷却水が流れ落ちる受け板に近い前後方向両端部(厚み方向両端部)では温度が下がりやすくなるといった課題があった。
特に、受け板の全表面に冷却水膜を形成するためには、溶融フィラメント群の上方視端部近傍の部分(端部溶融フィラメント群)の冷却固化に要する必要最小限の冷却水量より多い冷却水を供給する必要があるため、リンキングソーンの温度低下(時間的な変動)やリンキングゾーンの温度ムラ(位置的な変動)が大きくなる。
リンキングゾーンの温度が位置的あるいは時間的に変動すると、溶融フィラメントどうしの融着結合が適切に行われず、フィラメント3次元結合体の反発力や硬さが不安定になるなどの問題が生じる虞がある。特に、リンキングゾーンの温度が適正温度より低くなると、フィラメント同士の十分な結合強度(リンキング強度)が得られず、生成されたフィラメント3次元結合体をクッション材として使用した際にクッション性(反発力や硬さ)が使用年数とともに低下し易くなるといった問題が生じ得る。
このような問題に対処するためリンキングゾーンに流れ込む冷却水の量を少なくかつ安定化させることが重要となる。本発明は上記課題に鑑み、端部溶融フィラメント群を円滑に水槽内へ導くとともに、リンキングゾーンの温度低下や温度ムラを抑えることが可能となるフィラメント3次元結合体の製造装置の提供を目的とする。
本発明に係る製造装置は、複数の溶融フィラメントを下方へ並進させてなる溶融フィラメント群を排出する溶融フィラメント供給部と、水槽内で前記溶融フィラメントどうしが融着結合されるようにし、フィラメント3次元結合体を形成する融着結合形成部と、を有するフィラメント3次元結合体の製造装置であって、前記溶融フィラメント群の上方視端部近傍に位置する端部溶融フィラメント群を受け、内側下向きの傾斜方向へ滑らせて前記水槽内へ導く傾斜部を有した受け板と、前記傾斜部を被覆する吸水性シートと、前記吸水性シートに供給される冷却水を貯留する冷却水貯留部と、を備え、前記吸水性シートが前記冷却水貯留部から前記冷却水を吸い上げることにより、当該吸水性シートに当該冷却水が供給される構成とする。
本構成によれば、端部溶融フィラメント群を円滑に水槽内へ導くとともに、リンキングゾーンの温度低下や温度ムラを抑えることが可能となる。
上記構成としてより具体的には、複数の前記冷却水貯留部が、前記傾斜部の下側に設けられており、前記吸水性シートは、前記複数の冷却水貯留部それぞれから前記冷却水を吸い上げる構成としてもよい。
上記構成としてより具体的には、前記複数の冷却水貯留部それぞれは、前記傾斜部の傾斜方向へ位置をずらして配置されており、前記傾斜部は、前記複数の冷却水貯留部それぞれに対応する孔を有し、前記吸水性シートは、前記孔を介して、前記複数の冷却水貯留部それぞれから前記冷却水を吸い上げる構成としてもよい。
上記構成としてより具体的には、前記冷却水貯留部の少なくとも一つは、前記傾斜部の外側端部から延在する部分が、前記冷却水を貯留できる形状に折れ曲がって形成された構成としてもよい。なおここでの「冷却水貯留部の少なくとも一つ」とは、冷却水貯留部が複数ある場合には限られず、冷却水貯留部が一つしかない場合における当該冷却水貯留部も含む概念である。
上記構成としてより具体的には、前記冷却水貯留部は前記水槽であり、前記冷却水として当該水槽内の水が用いられる構成としてもよい。また当該構成としてより具体的には、前記傾斜部の外側端部から延在する部分が前記水槽内に向かって折れ曲がって形成された支持部を有し、前記吸水性シートの外側寄り部分は、前記支持部に沿って延びて前記水槽内の水に接し、前記支持部の上側に、前記吸水性シートを挟んでカバーが設けられた構成としてもよい。
上記構成としてより具体的には、前記受け板の下側に、前記水槽内に水流を発生させて前記フィラメント3次元結合体を冷却する水流発生装置が設けられた構成としてもよい。
本発明に係る製造装置によれば、端部溶融フィラメント群を円滑に水槽内へ導くとともに、リンキングゾーンの温度低下や温度ムラを抑えることが可能となる。
本実施形態に係るフィラメント3次元結合体の製造装置の構成図である。 当該製造装置についての図1に示すA-A’断面の矢視図である。 下方視点によるノズル部の概略的な構成図である。 図1に示す点線枠X内の部分の概略的な拡大図である。 受け板およびその周辺の下方から見た概略的な構成図である。 図5Aに示すB-B’断面の概略的な断面図である。 図5Aに示すC-C’断面の概略的な断面図である。 壁部の内側の水の温度の制御系統を概略的に示すブロック図である。 第2実施形態に係るフィラメント3次元結合体の製造装置の受け板近傍の概略的な拡大図である。 第3実施形態に係るフィラメント3次元結合体の製造装置の受け板近傍の概略的な拡大図である。 第4実施形態に係るフィラメント3次元結合体の製造装置の受け板近傍の概略的な拡大図である。
以下、本発明の例示的な各実施形態について各図面を参照しながら説明する。
1.第1実施形態
まず本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るフィラメント3次元結合体の製造装置1の概略的な構成図であり、左右に二分する平面で切断した場合の断面図の視点で製造装置1が示されている。また図2は、製造装置1についての図1に示すA-A’断面の矢視図である。なお製造装置1の説明における上下、左右、および前後の各方向(互いに直交する方向)は、図1および図2等に示すとおりである。上下方向は、鉛直方向である。
フィラメント3次元結合体の製造装置1は、直径が0.3~3.0mm程度の複数の溶融フィラメントMFからなる溶融フィラメント群を鉛直方向下向きへ排出する溶融フィラメント供給部10と、溶融フィラメントMFどうしを3次元的に絡め合わせて接触点を融着結合させた後、冷却固化させてフィラメント3次元結合体FZを形成する融着結合形成部20を備える。
溶融フィラメント供給部10は、加圧溶融部11(押出機)とフィラメント排出部12(ダイ)を含む。加圧溶融部11は、材料投入部13(ホッパー)、スクリュー14、スクリュー14を駆動するスクリューモーター15、スクリューヒータ16、および不図示の複数の温度センサーを含む。加圧溶融部11の内部には、材料投入部13から供給された熱可塑性樹脂をスクリューヒータ16により加熱溶融しながら搬送するためのシリンダー11aが形成されている。
シリンダー11a内には、スクリュー14が回転可能に収容されている。シリンダー11aの下流側端部には、熱可塑性樹脂をフィラメント排出部12に向けて排出するためのシリンダー排出口11bが形成されている。スクリューヒータ16の加熱温度は、例えば溶融フィラメント供給部10に設けた温度センサーの検知信号に基づいて制御される。
フィラメント排出部12は、ノズル部17、ダイヒータ18、および図示しない複数の温度センサーを含み、内部にはシリンダー排出口11bから排出された溶融熱可塑性樹脂をノズル部17に導く導流路12aが形成されている。
ノズル部17は、複数の開口部が形成された略直方体の金属製の厚板であり、導流路12aの最下流部にあたるフィラメント排出部12の下部に設けられている。
図3は、下方視点によるノズル部17の概略的な構成図である。ノズル部17には、溶融フィラメントMFを排出する複数のノズル開口部17aが形成されている。図3に示す例では、開口部17aは前後左右方向に千鳥状に配置されており、隣接する開口部17どうしの距離(ピッチ)は、10mm程度である。但し、開口部17の具体的形態は特に限定されない。
ダイヒータ18は、左右方向に複数個(図2に示す例では18a~18fの6個)が設けられており、フィラメント排出部12を加熱する。ダイヒータ18の加熱温度は、例えばフィラメント排出部12に設けた温度センサーの検知信号に基づいて制御される。
フィラメント3次元結合体の材料として用いることのできる熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂およびポリスチレン樹脂等や、スチレン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどを用いることができる。
材料投入部13から供給された熱可塑性樹脂は、シリンダー11a内で加熱溶融され、例えばスクリュー14により押し出されるようにして、溶融熱可塑性樹脂としてシリンダー排出口11bからフィラメント排出部12の導流路12aに供給される。その後、ノズル部17の複数のノズル開口部17aそれぞれから下方へ並進するように、複数の溶融フィラメントMFからなる溶融フィラメント群が排出される。
融着結合形成部20は、冷却水槽21、受け板22、冷却水貯留部23、コンベア24、および、複数の搬送ローラ25a~25hを含む。受け板22は、上下を軸方向とする略筒状に形成されており、ノズル部17から排出される溶融フィラメントMFを受けるように、ノズル部17の下方に配置されている。なお以下の説明において、受け板22の水平方向内側を単に「内側」と称し、受け板22の水平方向外側を単に「外側」と称することがある。後述する図4に示すとおり、冷却水貯留部23は、受け板22の下部に配置されており、受け板22上側表面に形成される冷却水膜用の冷却水を貯留する。
冷却水槽21は、溶融フィラメントMFの冷却に用いる水Wが収容される槽であり、図1に示すように十分な量の水Wを溜めておくことが可能である。水Wは、溶融フィラメントMFに浮力を与えて撓ませ、撓みにより生じた溶融フィラメントどうしの接触点が融着された後に冷却固化させる冷媒としての役割を果たす。冷却水槽21の内部には、一対のコンベア24と、複数の搬送ローラ25a~25hが配設されている。一対のコンベア24および複数の搬送ローラ25a~25hは、不図示の駆動モーターにより駆動される。
ノズル部17から排出された溶融フィラメントMFは、受け板22によって厚み(前後方向寸法)が整えられ、冷却水槽21内の水Wの浮力作用によって撓み、その中の各溶融フィラメントMFはランダムなループを形成する。ランダムなループは隣接するランダムなループと3次元的に溶融状態で絡み合い、接触点が融着結合して3次元的なフィラメントの結合体(フィラメント3次元結合体FZ)が形成される。このとき、溶融フィラメントMFは温度が高いほど接触融着の度合いが高まり、冷却後に得られるフィラメント3次元結合体FZの反発力が高まることになる。以下の説明では、このような溶融フィラメントMFどうしの融着結合が生じる水Wの領域を、リンキングゾーンと称することがある。
フィラメント3次元結合体FZは、コンベア24と複数の搬送ローラ25a~25hによって、冷却水槽21内の水Wで冷却されながら搬送され、最終的には冷却水槽21の外部へ排出される。このようにして、製造装置1によってフィラメント3次元結合体FZが製造される。
次に、受け板22およびその周辺の構成等について、より詳細に説明する。図4は、図1に示す点線枠X内の部分の概略的な拡大図である。また図5Aは、受け板22およびその周辺の下方から見た概略的な構成図である。図5Bは、図5Aに示すB-B’断面の概略的な断面図であり、図5Cは、図5Aに示すC-C’断面の概略的な断面図である。
これらの図に示すように、受け板22は左右対称かつ前後対称に形成されており、下方へ進むにつれて内側へ向かうように傾斜した前後左右それぞれの傾斜部22aと、冷却水槽21内のリンキングゾーンを含む領域Zを囲むように配置された前後左右それぞれの壁部22bとを有する。また、傾斜部22aの上側表面には吸水性シート22cが設けられている。
図4に示す例では、受け板22は金属板材に折り曲げ加工等を施して、傾斜部22aと壁部22bが連接するように形成されている。但し、傾斜部22aと壁部22bを別々に形成しても良く、壁部22bの内側の水Wの熱が外側へ逃げ難くなるように、傾斜部22aよりも壁部22bを断熱性の高い材質で形成しても良い。なお本実施形態では、壁部22bは領域Zの前後左右を完全に囲んだ形態となっているが、壁部22bの形態はこれに限定されず、例えば領域Zの左右の全部または一部を囲んでいない形態としても構わない。
領域Zの前後および左右方向サイズは、ノズル部17よりも少し小さくなっている。また上方から見て、領域Zとノズル部17の中心どうしは一致している。領域Zでは、水面WSの近傍のリンキングゾーンにおいて溶融フィラメントMFどうしが融着結合し、更に水Wで冷却されながら下方へ進むことになる。
前後左右の各壁部22bの内面は鉛直面となっており、前後左右の各傾斜部22aの下端は、各壁部22bの上端に連接している。すなわち、前側の傾斜部22aは、下方へ進むにつれて後側(内側)へ向かうように傾斜しており、その下端は前側の壁部22bの上端に連接している。後側の傾斜部22aは、下方へ進むにつれて前側(内側)へ向かうように傾斜しており、その下端は後側の壁部22bの上端に連接している。左側の傾斜部22aは、下方へ進むにつれて右側(内側)へ向かうように傾斜しており、その下端は左側の壁部22bの上端に連接している。右側の傾斜部22aは、下方へ進むにつれて左側(内側)へ向かうように傾斜しており、その下端は右側の壁部22bの上端に連接している。
ノズル部17から排出された複数の溶融フィラメントMFのうち、上方から見て領域Zの外縁よりも内側のものは、領域Zへ直接進入する。一方、ノズル部17から排出された複数の溶融フィラメントMFのうち、上方から見て領域Zの外縁よりも外側のもの、すなわち端部溶融フィラメント群は傾斜部22aに当たり、当該傾斜部22aを滑るようにして、壁部22bの内側に位置する領域Zへ誘導される。
領域Zに進入した溶融フィラメントMFの前後左右への拡がりは壁部22bによって規制され、形成されるフィラメント3次元結合体FZの厚み(前後方向寸法)や幅(左右方向寸法)は一定となる。また壁部22bは、外側の水Wが内側に進入することを抑えて、リンキングゾーンの温度低下を抑える役割も果たす。
冷却水貯留部23は傾斜部22aの外側下部に設けられ、冷却水CWを貯留する。また吸水性シート22cの一部は、冷却水貯留部23の冷却水CWと接するように設けられる。冷却水貯留部23には冷却水CWを供給する冷却水供給管23pが設けられる。
より具体的に説明すると、冷却水貯留部23は、傾斜部22aの外側端部から延在する部分が外側下向きに折れ曲がって形成された第1板状部23xと、第1板状部23xの外側端部から延在する部分が外側上向きに折れ曲がって形成された第2板状部23yとを有し、これらの板状部23x,23yに挟まれた谷間のスペースに冷却水CWを貯留することが可能である。このように冷却水貯留部23は、傾斜部22aの外側端部から延在する部分が、冷却水CWを貯留できる形状に折れ曲がって形成されている。
上述のとおり本実施形態では、受け板22を形成する板材の一部が折れ曲がることにより、傾斜部22aの外側端部に連接した形態で、理想的な位置に冷却水貯留部23が配置されるよう工夫されている。なお、第1板状部23xの上端は第2板状部23yの上端よりも高い位置(上側)にあるため、仮に冷却水貯留部23において冷却水CWが溢れたとしても、溢れた分の冷却水CWは壁部22bより外側の冷却水槽21内に落ちるだけであり、傾斜部22aへ流れてしまう虞は無い。
また、冷却水貯留部23は傾斜部22aの外側端部に連接して設けられており、傾斜部22aの上側表面を覆うように設けられた吸水性シート22cの外側端部を、第1板状部23xの上側表面に沿うように折り曲げるだけで、吸水性シート22cを冷却水貯留部23の冷却水CWに接触させることが可能となっている。なお冷却水貯留部23には、冷却水槽21内の水Wが冷却水供給管23pを介して冷却水CWとして供給されるようにしても良く、水道水等が冷却水供給管23pを介して冷却水CWとして供給されるようにしても良い。
吸水性シート22cによって冷却水貯留部23内部に貯留される冷却水CWが吸い上げられることによって、傾斜部22a上面に設けられる吸水性シート22c表面に冷却水膜が形成される。この冷却水膜によって、傾斜部22aに溶融フィラメントMFを貼り付かせず、傾斜部22aにおける溶融フィラメントMFの滑りを良くするとともに、溶融フィラメントMFを冷却することが可能である。このように傾斜部22a表面を覆う吸水性シート22cに冷却水CWが供給されることにより、傾斜部22a表面へ冷却水を供給することが可能である。
本実施形態の吸水性シート22cとして、厚さが1mmの木綿生地を使用しているが、吸水性シート22cに使用できる素材としては、水を吸い上げる能力がある素材であれば特に制限はなく、水酸基を有するセルロース系繊維やカルボン酸塩を有するアクリレート系繊維を含む布や、スポンジ状の多孔質親水性樹脂などが使用できる。
水を吸い上げる能力を高める方法としては、繊維の素材の接触角を小さくして濡れ性を高める方法や、繊維径を小さくして表面積を大きく(毛細管現象を高める)する方法等が挙げられる。
吸水性シート22cは、厚みが0.5mm以上かつ5mm以下であることが好ましく、1枚の生地として用いたり、複数の布地を重ねて用いたりしてもよい。吸水性シート22cの厚みが0.5mm未満の場合、形成される冷却水膜の水量が少なくなり、乾燥しやすくなる。一方、吸水性シート22cの厚みが5mmを超えると、表面に凹凸が生じやすくなり、端部溶融フィラメント群がスムーズに滑り難くなる。傾斜部22aの傾斜角としては、傾斜部22aにおける端部溶融フィラメント群の滑り易さと、先述したループ形成の進行状況のバランスを考慮して決定すればよい。また、受け板22および吸水性シート22cを親水性を有する多孔質親水性樹脂などの硬質材質で形成し、受け板22と吸水性シート22cとを一体化してもよい。
冷却水CWの水温としては、1℃以上かつ35℃以下であることが好ましい。冷却水CWの水温が1℃未満の場合、製造装置の設置温度が低いと凍結しやすくなる。一方、冷却水CWの水温が35℃を超えると蒸発しやすく、乾燥しやすくなる。
傾斜部22aと吸水性シート22cとの密着性を高めるために、傾斜部22a表面の親水性を高めてもよい。親水性を高める方法としては、セルロース系樹脂、カルボン酸基やカルボン酸イオン基を有するアクリル樹脂、或いは、イオン基や水酸基を有するシリコーン樹脂などをコーティングする方法や、イオン基や水酸基を有するシランカップリング剤を用いて化学的に変性させる方法が挙げられる。
ここでリンキングゾーンの温度が変動すると、溶融フィラメントMFの融着結合の度合等が変化し、フィラメント3次元結合体FZの品質に問題が生じる虞がある。特に、リンキングゾーンに流れ込む冷却水CW等の影響によってリンキングゾーンの温度が適正温度より低くなると、フィラメントMFどうしの十分な結合強度(リンキング強度)が得られず、生成されたフィラメント3次元結合体FZをクッション材として使用した際にクッション性が低下し易くなるといった問題が生じ得る。
そこで本実施形態の製造装置1においては、壁部22bの内側の水Wの温度を検知する温度センサー31(検知部)が設けられ、温度センサー31により検知された温度に基づいたヒーター32の温度調節(出力調節)によって、リンキングゾーンの温度が制御されるようにしている。
図4に示すように温度センサー31は、壁部22bに設けた穴Dに配置されており、接触する水Wの温度を検知する。温度センサー31は、リンキングゾーンに含まれる水面WSから約10mm下の位置に配置されており、壁部22bの内側におけるリンキングゾーンの水Wの温度を検知することが可能である。本実施形態の例では、温度センサー31(温度検知手段)として熱電対が採用されているが、温度センサー31の種類はこれに限られず、例えばアルコール温度計の表示を数値化する機構など、検知した温度を電子計算機等で処理できる信号で伝達できる手段であればよい。
また、温度センサー31は穴Dに配置することにより、壁部22bの内面よりも外側に配置することが可能となっており、これにより、温度センサー31が溶融フィラメントMF或いはフィラメント3次元結合体FZと干渉することは避けられる。本実施形態の例では、図5Aに示すように、温度センサー31は前後の壁部22bに間隔を設けて3個ずつ設けられるとともに、左右の壁部22bに1個ずつ設けられている。
なお、図4に示す穴Dは底が貫通している。穴Dは、開口部から穴底まで幅が一定であるものには限られず、テーパのように深さに沿って断面積が変化しても良い。穴Dのサイズは、温度センサー31が壁部22bの内面よりも内側にはみ出さないように設定されていれば良く、穴Dの断面積は好ましくは3~12mm程度である。また、穴Dの具体的な形状は特に限定されず、楕円、円、或いは矩形であっても良い。
ヒーター32は、例えば供給された電力を用いて発熱するよう構成されており、壁部22bの外面を覆うように配置されている。図4および図5Aに示す例では、ヒーター32は、温度センサー31の近傍を除く前後の壁部22bの大部分を覆うように配置されている。また、図5Cに示すように、前後の壁部22bにおけるヒーター32に覆われる部分には、左右に伸びる複数の貫通孔22xが上下に並ぶように設けられている。これによりヒーター32の熱は、壁部22bを介して壁部22bの内側の水Wに伝わるとともに、内側から貫通孔22xに入る水Wへ直接的に伝わることになる。そのため、リンキングゾーンを含む壁部22bの内側の水Wを効率良く温めることが可能である。
受け板22の材質として金属よりも断熱性の高い材質を採用することにより、これに接する溶融フィラメントMFや水Wの熱を外側へ逃がし難くすることが可能となり、溶融フィラメントMFの温度が低くなり過ぎることを防ぐことができる。特に、水Wの中に配置される壁部22bの材質を断熱性の高い材質とすることにより、壁部22bの内側の水Wの熱が壁部22bの外側へ逃げることを極力抑え、リンキングゾーンの温度が下がり難くなるようにすることが可能となる。
これを実現するにあたっては、壁部22bの材質を傾斜部22aの材質よりも断熱性の高いものとしても良く、全体が金属で形成された受け板22を採用しつつも、断熱性の高い材質で形成された板状材で壁部22bを覆うようにしても良い。なお、金属よりも断熱性の高い材質としては、例えば、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(フッ素樹脂)、ポリアミドイミド、ジアリルフタレート(アリル樹脂)、或いはシリコーン(シリコン樹脂)等の耐熱温度の高い樹脂が採用可能である。また、リンキングゾーンの温度が下がり難くなるようにするため、壁部22bの内側へ入った冷却水CWを外側へ流出させるようにしても良い。
また製造装置1は、検知センサー31の検知情報に基づいて、リンキングゾーンの温度を制御する。そのため製造装置1によれば、リンキングゾーンの温度を適正化して、溶融フィラメントどうしの融着結合が適切に行われるようにすることが可能である。なお本実施形態では、リンキングゾーンを加熱する機構としてヒーター32を採用しているが、直接的あるいは間接的にリンキングゾーンを加熱しうる手法であればその種類は問わない。ヒーター32は、受け板22を介さずに直接リンキングゾーンを温めるようにしても良い。
またリンキングゾーンを加熱する手法として、ヒーター32を使う手法とともに(或いはこれに代えて)、リンキングゾーンに向けてスチームや温風を流す手法や、リンキングゾーンに赤外線等の電磁波を当てる手法を採用しても良い。また、製造装置1にリンキングゾーンを冷却する冷却機構も設けておき、リンキングゾーンの温度制御の一形態として、リンキングゾーンの冷却が可能であるようにしても良い。また、水Wに埋没する壁部22bは、温度センサー31以外のものが更に設置可能となるように、フィンのような形状としたり穴や憩室を設けたりしても良い。
図6は、壁部22bの内側の水Wの温度の制御系統を概略的に示すブロック図である。本図に示すように製造装置1は、リンキングゾーンの温度を制御する温度制御部30を有している。温度制御部30は、例えばCPU等により構成され、温度センサー31の検知情報(検知した温度の情報)に基づいて最適となるヒーター32の温度(出力)を算出し、この温度(出力)となるようにヒーター32へ制御信号を送出する。ヒーター32はこの制御信号に応じて発熱し、リンキングゾーンの温度の制御が実現される。
一例として温度制御部30は、温度センサー31の検知する温度が所定温度に近づくように、或いは、所定の許容範囲内に収まるように、ヒーター32の温度のフィードバック制御を行う。このフィードバック制御はPID制御としても良い。なお温度センサー31は、リンキングゾーンの水Wの温度を直接検知するように配置されることが望ましいが、壁部22bの内側におけるリンキングゾーン付近の水Wの温度を検知するように配置されても構わない。
この場合であっても、壁部22bの内側においてはリンキングゾーンの水Wとリンキングゾーン付近の水Wの温度は近似するため、温度センサー31の検知情報に基づいてリンキングゾーンの温度を制御することが可能である。また、温度センサー31の具体的な配置形態は上述したものに限られず、種々の変更を加えることが可能である。
以上に説明したとおり本実施形態に係るフィラメント3次元結合体の製造装置1は、複数の溶融フィラメントを下方へ並進させてなる溶融フィラメント群を排出する溶融フィラメント供給部10と、冷却水槽21内で前記溶融フィラメントどうしが融着結合されるようにし、フィラメント3次元結合体FZを形成する融着結合形成部20と、を有する。
更に当該製造装置1は、溶融フィラメント群の上方視端部近傍に位置する端部溶融フィラメント群を受け、内側下向きの傾斜方向へ滑らせて冷却水槽21内へ導く傾斜部22aを有した受け板22と、傾斜部22aを被覆する吸水性シート22cと、吸水性シート22cに供給される冷却水CWを貯留する冷却水貯留部23と、を備え、吸水性シート22cが冷却水貯留部23から冷却水CWを吸い上げることにより、吸水性シート22cに冷却水CWが供給されるようになっている。そのため製造装置1によれば、傾斜部22aの表面へ安定的に冷却水CWを供給することにより、端部溶融フィラメント群を円滑に冷却水槽21内へ導くとともに、リンキングゾーンの温度低下や温度ムラを抑えることが可能となっている。
すなわち、仮に傾斜部22aの表面へ供給した冷却水CWがリンキングゾーンへ流入すると、その分、リンキングゾーンの温度低下や温度ムラが生じ易くなってしまう。しかし本実施形態の製造装置1では、傾斜部22aを被覆する吸水性シート22cは、比較的乾いている状態では冷却水CWを急速に吸い上げるが、水分の含有量が飽和状態に近づくほど冷却水CWを吸い上げる力は弱まる。そのため、傾斜部22aを被覆する吸水性シート22cに過度な冷却水CWが供給されることは未然に防止され、これにより冷却水CWがリンキングゾーンへ流入することが抑えられる結果、リンキングゾーンの温度低下や温度ムラを抑えることが可能となっている。
2.第2実施形態
次に本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明では第1実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第1実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図7は、第2実施形態に係る製造装置1の受け板22近傍の概略的な拡大図である。本実施形態では、受け板22の傾斜部22aの下部に、傾斜部22aの傾斜方向へ位置をずらして配置された5個の冷却水貯留部23a~23eが設けられ、冷却水CWを貯留する。吸水性シート22cは、各冷却水貯留部23a~23eに貯留された冷却水と接するように設けられる。各冷却水貯留部23a~23eには、冷却水CWを供給する冷却水供給管23pが個別に設けられる。
5個の冷却水貯留部23a~23eは、傾斜部22aの下側において傾斜部22aの傾斜方向へ概ね等間隔に並ぶように配置されている。最も上側に配置される冷却水貯留部23aは、第1実施形態における冷却水貯留部23の場合と概ね同様にして形成されており、同等の機能を有する。
すなわち冷却水貯留部23aは、傾斜部22aの外側端部から延在する部分が外側下向きに折れ曲がって形成された第1板状部23xと、第1板状部23xの外側端部から延在する部分が外側上向きに折れ曲がって形成された第2板状部23yとを有し、これらの板状部23x,23yに挟まれた谷間のスペースに冷却水CWを貯留することが可能である。このように冷却水貯留部23aは、傾斜部22aの外側端部から延在する部分が、冷却水CWを貯留できる形状に折れ曲がって形成されている。
傾斜部22aには、残り4個の冷却水貯留部23b~23eそれぞれに対応する孔Hが形成されている。4個の冷却水貯留部23b~23eそれぞれは、図7に示す断面視で冷却水貯留部23aと概ね同等の構成となっており、対応する孔Hの下側の縁に連接している。4個の冷却水貯留部23b~23eそれぞれは、対応する孔Hの下側の縁から外側下向きに延出する部分(第1板状部23xに相当する)と、当該部分の端部から外側上向きに延出する部分(第2板状部23yに相当する)とを有し、これらの部分に挟まれた谷間のスペースに冷却水CWを貯留することが可能である。各冷却水貯留部23a~23eにおいて、もし冷却水CWが溢れた場合であっても、溢れた分は壁部22bより外側の冷却水槽21内に落ちるだけであり、傾斜部22a表面へ過剰な冷却水CWが供給される虞は無い。
また、第2実施形態の吸水性シート22cには、下方へ突出する複数の突出部22c1が、各孔Hに対応するように設けられている。傾斜部22aの上側表面を覆うように設けられた吸水性シート22cにおいては、図7に示すように、第1板状部23xの上側表面に沿うように折り曲げられた外側端部が冷却水貯留部23aの冷却水CWに接触し、複数の突出部22c1それぞれが、各孔Hを介して冷却水貯留部23b~23eそれぞれに達し、対応する冷却水貯留部の冷却水CWに接触する。
このように吸水性シート22cは、傾斜部22aの傾斜方向へ位置をずらして配置された各冷却水貯留部23a~23eの冷却水CWと接するように設けられる。これにより、各冷却水貯留部23a~23eの冷却水CWを吸水性シート22cが吸い上げることによって、傾斜部22aにおける傾斜方向に異なる各箇所へ同時に冷却水CWを供給することが可能となる。その結果、傾斜部22a表面への冷却水CWの供給能力を高めることができ、傾斜部22a表面により均一な冷却水膜を形成することが可能となる。
3.第3実施形態
次に本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明では第1実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第1実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図8は、第3実施形態に係る製造装置1の受け板22近傍の概略的な拡大図である。本実施形態では、受け板22における傾斜部22aの外側端部から延在する部分が冷却水槽21内に向かうように外側下向きに折れ曲がって、支持部22sが形成されている。支持部22sの下側の先端部22saは、冷却水槽21内の水Wと接している。そして吸水性シート22cの外側寄り部分は、支持部22sの上側表面に沿って先端部22saまで延びており、吸水性シート22cの下側の先端部22caは冷却水槽21内の水Wに接している。これにより吸水性シート22cは、冷却水槽21内の水Wを吸い上げることが可能である。
また支持部22sの上側には、吸水性シート22cを挟んでカバー22dが設けられている。カバー22dは、支持部22sの上に配置された吸水性シート22cの部分の全体を覆っている。カバー22dを設けたことによって、吸い上げられた水Wの蒸発を防ぐとともに、毛細管現象によって、傾斜部22a表面への冷却水CWの供給能力を高めることができる。これにより、傾斜部22a表面により均一な冷却水膜を形成することが可能である。
このように本実施形態では、冷却水槽21を第1および第2実施形態での冷却水貯留部の代わりとしても利用し、冷却水CWとして冷却水槽21内の水Wを用いるようにしている。これにより、冷却水供給精度の高い冷却水供給管を設けることなく、傾斜部22a表面への冷却水の供給を安定化させることが可能である。
本実施形態においては、支持部22sの先端部22saが冷却水槽21内の水Wと接するまで延びる構成とし、吸水性シート22cの先端部22caだけで水Wを吸い上げるようにしているが、これに加えて更に別の箇所でも、壁部22bより外側の冷却水槽21内の水W(リンキングゾーンを除く領域の水W)を吸い上げるようにしても良い。例えば、傾斜部22aの傾斜方向中間部に一または複数の孔を設け、当該孔を介して吸水性シート22cの一部が冷却水槽21内の水Wと接するまで延びるようにしておき、この箇所でも水Wを吸い上げるようにしても良い。
4.第4実施形態
次に本発明の第4実施形態について説明する。以下の説明では第1実施形態と異なる事項の説明に重点をおき、第1実施形態と共通する事項については説明を省略することがある。
図9は、第4実施形態に係る製造装置1の受け板22近傍の概略的な拡大図である。本実施形態では、受け板22の下側に、冷却水槽21内に水流WFを発生させてフィラメント3次元結合体FZを冷却する水流発生装置34が設けられている。
本実施形態の例における水流発生装置34は、羽を回転させ水Wを攪拌することにより水流WFを発生させる装置であり、壁部22bの下側においてフィラメント3次元結合体FZを挟んで前後に対向するように、複数個の水流発生装置34が設けられている。前後どちらの水流発生装置34も前方へ進む水流WFを発生させるようになっており、これにより、フィラメント3次元結合体FZを厚み方向(前後方向)へ貫通する水流WFを効果的に発生させることが可能である。
水流発生装置34が水流WFを発生させることにより、リンキングゾーンを通過したフィラメント3次元結合体FZは急速に冷却される。そのため、フィラメント3次元結合体FZにおいて融着力(融着面積)が過度に大きくなることは抑えられ、フィラメント3次元結合体FZの反発力(硬さ)を安定化させることができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の構成は上記実施形態に限られず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明は、フィラメント3次元結合体の製造装置に利用可能である。
1 製造装置
10 溶融フィラメント供給部
11 加圧溶融部
11a シリンダー
11b シリンダー排出口
12 フィラメント排出部
12a 導流路
13 材料投入部
14 スクリュー
15 スクリューモーター
16 スクリューヒータ
17 ノズル部
17a ノズル開口部
18 ダイヒータ
20 融着結合形成部
21 冷却水槽
22 受け板
22a 傾斜部
22b 壁部
22c 吸水性シート
22d カバー
22s 支持部
22x 貫通孔
23、23a~23e 冷却水貯留部
23p 冷却水供給管
23x 第1板状部
23y 第2板状部
24 コンベア
25a~25h 搬送ローラ
30 温度制御部
31 温度センサー
32 ヒーター
34 水流発生装置
CW 冷却水
FZ フィラメント3次元結合体
MF 溶融フィラメント
W 冷却水槽内の水
WS 水面

Claims (7)

  1. 複数の溶融フィラメントを下方へ並進させてなる溶融フィラメント群を排出する溶融フィラメント供給部と、
    水槽内で前記溶融フィラメントどうしが融着結合されるようにし、フィラメント3次元結合体を形成する融着結合形成部と、を有するフィラメント3次元結合体の製造装置であって、
    前記溶融フィラメント群の上方視端部近傍に位置する端部溶融フィラメント群を受け、内側下向きの傾斜方向へ滑らせて前記水槽内へ導く傾斜部を有した受け板と、
    前記傾斜部を被覆する吸水性シートと、
    前記吸水性シートに供給される冷却水を貯留する冷却水貯留部と、を備え、
    前記吸水性シートが前記冷却水貯留部から前記冷却水を吸い上げることにより、当該吸水性シートに当該冷却水が供給されることを特徴とする製造装置。
  2. 複数の前記冷却水貯留部が、前記傾斜部の下側に設けられており、
    前記吸水性シートは、前記複数の冷却水貯留部それぞれから前記冷却水を吸い上げることを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
  3. 前記複数の冷却水貯留部それぞれは、前記傾斜部の傾斜方向へ位置をずらして配置されており、
    前記傾斜部は、前記複数の冷却水貯留部それぞれに対応する孔を有し、
    前記吸水性シートは、前記孔を介して、前記複数の冷却水貯留部それぞれから前記冷却水を吸い上げることを特徴とする請求項2に記載の製造装置。
  4. 前記冷却水貯留部の少なくとも一つは、
    前記傾斜部の外側端部から延在する部分が、前記冷却水を貯留できる形状に折れ曲がって形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の製造装置。
  5. 前記冷却水貯留部は前記水槽であり、前記冷却水として当該水槽内の水が用いられることを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
  6. 前記傾斜部の外側端部から延在する部分が前記水槽内に向かって折れ曲がって形成された支持部を有し、
    前記吸水性シートの外側寄り部分は、前記支持部に沿って延びて前記水槽内の水に接し、
    前記支持部の上側に、前記吸水性シートを挟んでカバーが設けられたことを特徴とする請求項5に記載の製造装置。
  7. 前記受け板の下側に、前記水槽内に水流を発生させて前記フィラメント3次元結合体を冷却する水流発生装置が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の製造装置。
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